JP2010020139A - 振動ミラーの製造方法 - Google Patents

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Atsushi Sogami
淳 曽我美
Keisuke Fujimoto
圭祐 藤本
Masaichiro Tachikawa
雅一郎 立川
Masanori Yoshikawa
正紀 吉川
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Abstract

【課題】特性ばらつきを抑制した振動ミラーを生産性よく低コストで製造することの可能な振動ミラーの製造方法を提供する。
【解決手段】振動子1の支持部4の一部を除去加工し、除去加工前後の慣性モーメントの変化量と除去加工前後の共振周波数の値から振動ミラー10のばね定数および慣性モーメントを計算し、この計算結果に基づいて目標の共振周波数にするための追加除去加工量を計算した後、この計算結果に基づいて再度除去加工することによって振動ミラー10を所望の共振周波数に調整する。
【選択図】図8

Description

本発明は、振動ミラーの製造方法に関し、特に、共振周波数を目標の所定の値にするための振動ミラーの製造方法に関する。
レーザプリンタ等の画像形成装置は、レーザ光を走査することにより、感光体(感光ドラム)上に潜像を形成する。このようなレーザ光の走査は、レーザスキャニングユニットにより実現される。レーザスキャニングユニットは、光源から形成画像に応じて変調されて出射したレーザ光をミラーにより偏向し、偏向したレーザ光を感光体上にスポット状に結像する。この種のレーザスキャニングユニットに使用される偏向ミラーとして、複数の反射面を有するポリゴンミラーが広く知られている。ポリゴンミラーを備えるレーザスキャニングユニットは、モータ等の駆動手段によりポリゴンミラーを一方向に回転させることによりレーザ光を偏向する。
近年の書込速度高速化の要求に応じて、ポリゴンミラーの回転速度は高まっているが、ポリゴンミラーの回転数を高めると、風切音やモータの振動等に起因して発生する音が大きくなり静寂性を確保することが困難になる。また、ポリゴンミラーを備えるレーザスキャニングユニットは、モータ等の駆動手段を備える必要があるため、小型化や軽量化が困難であるという問題もある。このため、レーザスキャニングユニットに往復型の偏向ミラーが使用されることもある。
このような往復型の偏向ミラーとして振動ミラーが知られている。この振動ミラーは、レーザ光の走査方向に対して垂直方向に配置されたねじり回転軸を有する機械的振動子により構成されている。そして、振動子に支持されたミラーを振動子の共振周波数に合わせた駆動周波数で往復振動させることでレーザ光を走査させる。
近年、このような振動ミラーの製造に半導体製造技術が適用されるようになっている。このような振動ミラーは、単結晶シリコン基板等の半導体基板を加工することにより形成され、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動ミラーとして注目されている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
特開2003−84226号公報 特開2001−305472号公報
しかしながら、上述のような振動ミラーにおいては、製造工程において形状誤差が発生したり組立誤差が発生したりすることにより共振周波数に誤差が生じる。このため、振動ミラー個体ごとの共振周波数に合わせて駆動して使われることもある。このような使われ方においては、例えばレーザスキャニングユニットに使用される場合には個々の装置ごとに駆動周波数を設定する必要がありコストアップの要因となるとともに、個々の装置ごとに紙送り方向における記録密度が異なることになり画像品質の劣化を招く。
また、振動ミラーの一部を除去したり振動ミラーに質量を付加したりして共振周波数を調整する方法も提案されているが、目標の共振周波数に合わせるのにミラーの一部を少量ずつ除去または付加して共振周波数の測定をするという一連の工程を何回も繰り返さなければならない。このため製造に時間がかかり生産性が悪いとともにコストアップの要因となるものである。
本発明は、このような実情を鑑みて提案されたものであって、短時間で簡単に特性の揃った振動ミラーを作製することができる振動ミラーの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は以下の技術的手段を採用している。
まず、本願発明に係る振動ミラーの製造方法は、第1の製造方法として、往復振動する振動ミラーに対して、前記振動ミラーの初期状態における共振周波数を測定する工程と、前記振動ミラーの一部を除去加工する工程とを備える。
また、前記除去加工後の前記振動ミラーの共振周波数を測定する工程を備える。また、前記除去加工時の前記振動ミラーの除去量から計算される慣性モーメントの変化と前記除去加工前後の前記振動ミラーの共振周波数の値に基づいて前記振動ミラーのバネ定数と慣性モーメントを計算する工程を備える。
そして、この計算結果に基づいて前記振動ミラーを目標とする共振周波数にするために必要な慣性モーメントの調整量を計算する工程を備える。さらに、計算された慣性モーメントの調整量に基づいて前記振動ミラーの追加除去加工量を決定する工程と、この決定された振動ミラーの追加除去加工量に基づいて前記振動ミラーに対して追加除去加工する工程とを備える。
すなわち、本製造方法は、1回目の除去加工後に振動ミラーの除去量と除去加工前後の共振周波数の値から振動ミラーのバネ定数と慣性モーメントを計算し、これに基づいて目標の共振周波数にするための追加除去量を決定することができ、少数回の加工で調整が可能で生産性もよくコストを抑えることが可能なものである。
また、第2の製造方法として、前記除去加工前後の前記振動ミラーの形状変化を測定し、前記振動ミラーの前記除去量を算出する工程を備えてもよい。除去加工前後の形状変化を測定し除去加工量を算出する工程を含むことでより正確な除去加工量を算出することができ、より正確な調整が可能となる。
特に、第3の製造方法として、前記振動ミラーがねじりバネとして機能する両持ち梁と前記両持ち梁の中央部に設置されたミラー部とから構成されている場合には、次のようにすることもできる。即ち、前記振動ミラーの一部を除去加工する工程又は前記振動ミラーに対して追加除去加工する工程は、その除去加工または追加除去加工が前記ミラー部に対して行われるようにしてもよい。これにより、誤差の影響の少ない箇所への加工を行うことができ、加工調整の容易な製造方法を提供することができる。
また、第4の製造方法として、前記振動ミラーの一部に共振周波数調整片が設けられている場合には、次のようにすることもできる。即ち、前記振動ミラーの一部を除去加工する工程又は前記振動ミラーに対して追加除去加工する工程は、その除去加工または追加除去加工がこの共振周波数調整片に対して行われるようにすることもできる。この場合は、除去加工に専用の調整片を設けているため、加工調整が容易で精度の高い製造方法を提供できる。
さらに、第5の製造方法として、往復振動する振動ミラーに対して、前記振動ミラーの初期状態における共振周波数を測定する工程と、前記振動ミラーに重量を付加する工程と、前記重量付加後の前記振動ミラーの共振周波数を測定する工程とを備える。
また、前記重量付加時の前記振動ミラーへの付加量から計算される慣性モーメントの変化と前記重量付加前後の前記振動ミラーの共振周波数の値に基づいて前記振動ミラーのバネ定数及び慣性モーメントを計算する工程とを備える。
また、この計算結果に基づいて前記振動ミラーを目標とする共振周波数にするために必要な慣性モーメントの調整量を計算する工程と、計算された慣性モーメントの調整量に基づいて前記振動ミラーの追加重量付加量を決定する工程とを備える。そして、この決定された振動ミラーの追加重量付加量に基づいて前記振動ミラーに対して重量付加する工程とを備える。
このような本製造方法によれば、1回目の質量付加後に振動ミラーへの質量付加量と質量付加前後の共振周波数の変化から振動ミラーのバネ定数と慣性モーメントを計算し、これに基づいて目標の共振周波数にするための追加質量付加量を決定することができる。よって、少数回の加工で調整が可能で生産性もよくコストを抑えることが可能である。
本発明の第1の製造方法によれば、共振周波数精度の高い振動ミラーを生産性よく低コストで製造することが可能となる。
また、第2の製造方法によれば、除去加工前後の形状変化を測定し除去加工量を算出する工程を含むことでより正確な除去加工量を算出することができ、より正確な調整が可能となる。
また、第3の製造方法によれば、誤差の影響の少ない箇所への加工を行うことができ、加工調整の容易な製造方法を提供することができる。
また、第4の製造方法によれば、除去加工に専用の調整片を設けているため、加工調整が容易で精度の高い製造方法を提供できる。
さらに、第5の製造方法によれば、1回目の質量付加後に振動ミラーへの質量付加量と質量付加前後の共振周波数の変化から振動ミラーのバネ定数と慣性モーメントを計算し、これに基づいて目標の共振周波数にするための追加質量付加量を決定することができる。よって、少数回の加工で調整が可能で生産性もよくコストを抑えることが可能である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(レーザスキャニングユニットの構成)
まず、往復振動する振動ミラーを備えるレーザスキャニングユニットの構成について説明する。図1は、当該レーザスキャニングユニットを示す概略構成図である。レーザスキャニングユニット50は、光源52、偏向器53、結像レンズ系54を筐体51内に備える。
光源52は、回路基板63上に実装されたレーザダイオード61と、コリメータレンズ62とを備える一体のユニットとして構成されている。回路基板63は、外部から入力される画像信号にしたがってレーザダイオード61が出射するレーザ光の強度変調を行う。変調されたレーザ光はコリメータレンズ62に入射される。コリメータレンズ62は、円筒形状のガラスレンズからなり、レーザダイオード61から出力されたレーザ光をコリメータレンズ62の光軸と一致した平行光に変換して出力する。なお、レーザダイオード61の発光点は、コリメータレンズ62の焦点に配置されている。
光源52から出力されたレーザ光は、アパーチャ55、シリンドリカルレンズ56を通じて偏向器53の反射面に入射される。偏向器53は、感光体上でのレーザ光の走査方向に対して垂直方向に配置されたねじり回転軸を有する振動ミラー10(以下で詳述する)と、当該振動ミラー10を正弦的に往復振動させる駆動手段11とにより構成されている。シリンドリカルレンズ56は、振動ミラー10の反射面上に、レーザ光のねじり回転軸方向のみを収束させた状態でレーザ光を投影する。
偏向器53により偏向されたレーザ光は結像レンズ系54に入射される。ここでは、結像レンズ系54は、2枚のアクリルレンズにより構成されており、偏向器53により偏向されたレーザ光を、感光体上の走査速度が略同一となる状態で感光体上にスポット状に結像させる。すなわち、結像レンズ系54は、正弦的に振動する反射ミラー10により反射され、入射角が時間とともに三角関数的に変化するレーザ光を、感光体上に等間隔なスポット列として結像させるアークサインθレンズになっている。
(振動ミラーの構成)
続いて、上述のレーザスキャニングユニットに搭載される振動ミラー10の構造について詳細に説明する。図2は、本実施形態の振動ミラー10の構造を示す概略斜視図である。図2に示すように、振動ミラー10は、後述するプレス加工により成形された振動子1と、ミラー5と、永久磁石6とを備える。振動子1は、ミラー5および永久磁石6が固定される支持部4が同一直線上に配置された2本の梁3により支持された構造を有する。梁3の他端は、振動子1として一体に成形された矩形状の枠体2に支持されており、振動子1は梁3をねじり回転軸として往復振動する。この往復振動は、永久磁石6に交番磁場を付与することで持続される。
永久磁石6に付与する交番磁場は、例えば、電磁石に交流電力を印加する駆動手段11により生成できる。この場合、往復振動の周波数、すなわち、電磁石に印加する交流電力の周波数(以下、駆動周波数という。)と振動ミラー1の共振周波数とが一致していると、振動ミラー10の駆動のための消費電力を小さくすることができる。振動ミラー10が共振周波数で往復振動する場合、振動を維持するために必要な外力の大きさが最小になるからである。
振動ミラー10を介してレーザ光を感光体上で走査させるレーザスキャニングユニットでは、駆動周波数は感光体上の記録密度および印字速度(感光体の送り速度)に密接に関係する。すなわち、駆動周波数fは、記録密度D(dpi)、印字速度V(mm/sec)により以下の式1で示される。
Figure 2010020139
式1は、振動ミラー10がねじり回転軸に対していずれの方向に回転している場合にも印字を行う往復印字を前提としている。振動ミラー10がねじり回転軸に対して一方向に回転している場合にのみ印字を行う片方向印字の場合には、駆動周波数fは2倍になる。例えば、記録密度Dが600dpiであり、印字速度Vが180mm/secである場合、駆動周波数fは、約2126Hz(往復印字)である。
また、以上の構造を有する振動ミラー10の共振周波数f0は、梁3のばね定数K(両方の梁3の合計)と、ミラー5および永久磁石6を含む支持部4の慣性モーメントJとにより、以下の式2で示される。
Figure 2010020139
一方、本実施形態では、振動子1が金属材料により構成されているため、往復振動中に梁3に付加されるせん断応力が梁3の許容応力を超えると、振動子1が破損してしまう。このため、構造上、振動子1には、梁3に付加されるせん断応力が、梁3の許容応力以下であることが求められる。各梁3のねじり回転軸方向の長さをL、梁3の幅をb、梁3の厚さをt(ここでは、t≦b)、梁3に付与されるトルクをTとすると、梁3の幅方向の中点でのせん断応力τAは、以下の式3により表現される。
Figure 2010020139
また、梁3の厚さ方向の中点でのせん断応力τBは、以下の式4により表現される。
Figure 2010020139
さらに、梁3の単位長さあたりのねじれ角ω(共振周波数で往復振動しているときの最大振り角θ/梁長L)は、梁3の横方向弾性係数Gを用いて、以下の式5により表現される。
Figure 2010020139
この場合、ばね定数Kは、以下の式6を満足する。
Figure 2010020139
したがって、梁3は、式3および式4に示すせん断応力τAとτBとが、梁3の許容応力以下であり、かつ式2、式5および式6を満足する必要がある。
以下、振動ミラー10の具体的な構造をその設計手順とともに説明する。振動ミラー10を設計する場合、まず、振動子1を構成する金属材料を選定する。上述のように、振動子1はプレス加工により成形される。このような成形を可能とするために、金属材料はフープ材であることが望ましい。また、往復振動に起因する金属疲労を生じることがなく、かつ梁3の許容応力を大きくするという観点では、振動子1を構成する金属材料は、大きな疲労限度を有することが望ましい。
さらに、慣性モーメントJを小さくする(共振周波数f0を大きくする)観点では、密度が小さいことが好ましく、往復振動の振り角θを大きくする観点では、横弾性係数Gが小さいことが好ましい(上記式5参照)。また、往復振動の際に発生する熱による形状変形が大きい場合、慣性モーメントJが変動し、往復振動の過程で共振周波数f0が変動してしまう。このため、熱膨張係数が小さいことも求められる。加えて、耐環境性能の観点からは材料的に安定しており、価格も安価であることが好ましい。
そこで、本実施形態では、以上の条件を全て満足する金属材料としてチタン合金(Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al、AMS4914)を採用している。当該チタン合金の疲労強度は350MPaであり、密度は4.7g/cm3である。なお、振動子1を構成する金属材料として、他のチタン合金や純チタンを採用することも可能である。
振動子1を構成する金属材料を選定した後、振動ミラー10の振り角、ミラー5の材質およびサイズ、永久磁石6の材質およびサイズを決定する。振動ミラー10の振り角およびミラー5のサイズは、レーザスキャニングユニットとして所望のビーム特性を得るのに必要な振り角およびサイズに決定される。当該ビーム特性は、振動ミラー10と、振動ミラー10により反射されたビームを感光体上に結像するレンズとの間の距離等のレーザスキャニングユニットの構造に依存して決まる。
例えば、記録密度Dが600dpiであり、印字速度Vが180mm/secである場合、振り角は±23度、ミラー5のサイズは幅4.7mm×長さ(ねじり回転軸方向)0.8mm×厚さ0.15mmとすることができる。なお、ここではミラー5の平面形状を矩形としているが、所望のビーム形状のレーザ光を反射可能であれば、楕円形状等の他の平面形状であってもよい。また、ミラー5の材質はレーザ光を反射可能な材質であればよく、ここではガラスベース誘電体多層膜を採用している。
次いで、上記チタン合金の疲労強度に基づいて許容応力を決定する。許容応力は、チタン合金の疲労強度曲線(S−N曲線)に基づいて決定することができる。図3は、上記チタン合金のS−N曲線を示す図である。上述のように、当該チタン合金の疲労限度は350MPaであり、最大振り角時に梁3に付与される最大応力が当該疲労限度以下とすれば、半永久的な寿命を実現することができる。ここでは、疲労限度350MPaに対して100MPaのマージンを設けた250Mpaを許容応力としている。
続いて、決定されたミラー5のサイズに基づいて、振動子1の支持部4のサイズを仮決定する。永久磁石6は、この支持部4に固定可能なサイズで、振動ミラー10を往復振動させる外力を発生しうるものであればよい。ここでは、永久磁石6として、径0.8mm×厚さ0.4の希土類磁石を使用している。
続いて、振動子1の厚みを設定し、ミラー5および永久磁石6を固定した状態、すなわち、ミラー5、永久磁石6、ミラー5を支持部4に固定するための接着部材および永久磁石6を支持部4に固定するための接着部材を含めた状態で、慣性モーメントJを算出する。そして、当該慣性モーメントJおよび式2より、所望の共振周波数f0が得られるばね定数Kを算出する。そして、算出したばね定数Kと式3〜式6を用いて、式3および式4のせん断応力τA、τBが許容応力250MPa以下になる条件下で、梁幅bおよび梁長Lを決定する。なお、梁厚tは、上記仮設定した支持部4の厚さと同一である。
ここで振動ミラー10の共振周波数は式2に示すようにばね定数と慣性モーメントによって決まるが、これらのばね定数および慣性モーメントは加工誤差、組立誤差によって変動する。逆に振動ミラー10の共振周波数はばね定数か慣性モーメントを変えることで調整することが可能である。本実施例においては、上記の誤差によってばらつきを持つ共振周波数に対して、支持部4の一部を除去加工し慣性モーメントを変えることによって調整しようとしており、このため除去加工したときに所望の慣性モーメントが得られるよう予め大きめの慣性モーメントとなるよう構成される。したがって、支持部4は除去量を考慮して前記仮決めしたサイズよりも大きなサイズで構成される。
(振動ミラーの製造方法)
次に、以上の構成を有する振動ミラー10の製造方法について説明する。図4は、振動ミラー10を構成する振動子1の製造に使用する金型の一例を示す平面図である。なお、図4では、ダイパンチの形状と位置のみを模式的に示している。
図4に示すように、金型30は、マルチステップの順送プレス加工により振動子1を成形する構造を有している。図4の例では、5ステップのプレス加工により振動子1が成形される。すなわち、領域31では、板状の金属材料にガイド孔が形成される。領域32では、梁3の幅方向の一方の端面が形成される。この時点では、支持部4は枠体2から分離されない。領域33では、梁3の幅方向の他方の端面が形成される。領域32と同様に、この時点では、支持部4は枠体2から分離されない。領域34では、支持部4の幅方向の一方が枠体2から分離されて端面が形成される。そして、領域35では、支持部4の幅方向の他方が枠体2から分離されて端面が形成される。
振動子1の製造工程では、以上の金型30に対して、コイルフィーダー等を使用して帯状の金属材料が送り込まれる。図5は、図4に示す金型30による振動子1の製造過程を示す平面図である。図5に示す矢印は金属材料40の送り方向を示している。図5において、金属材料40の領域41、42、43、44、45が金型30の領域31、32、33、34、35によりそれぞれ成形された部分である。図5に示すように、金型30の各領域31〜35を通過し、5回のプレス加工が完了すると、振動子1の成形が完了する。5回のプレス加工が完了した金属材料40は、順次、振動子1として切断分離される。以上のようなプレス加工を使用することにより、枠体2、梁3、支持部4が一体に形成された振動子1を容易に製造することができる。
以上のようにして形成された振動子1の支持部4には、永久磁石6およびミラー5が順に装着される。永久磁石6の装着には、支持部4の永久磁石搭載面を上方に向けて振動子1を固定支持する機能と、永久磁石6をピックアップして永久磁石搭載面上に搬送する機能とを有する実装装置を使用する。当該実装装置としては、例えば、プリント基板等に電子部品を実装する公知のマウンタ等を流用することができる。
上記実装装置に振動子1が永久磁石搭載面を上方に向けて固定支持されると、実装装置の搬送手段が備える真空コレット等の吸着手段により、当該振動子1に搭載される永久磁石6がピックアップされる。永久磁石6を吸着した搬送手段は、振動子1の永久磁石搭載面の上方に移動する。この移動の過程で、永久磁石6の永久磁石搭載面との接触面にエポキシ樹脂等の接着部材が塗布される。そして、搬送手段は、永久磁石6の接着部材が塗布された面を永久磁石搭載面に接触させ、永久磁石6を永久磁石搭載面上に配置する。なお、永久磁石搭載面上における永久磁石6の配置位置は、公知の画像認識等により、振動ミラー10の対称性を維持した状態に厳密に位置合わせされる。永久磁石6が装着された振動子1は、実装装置から搬出される。
永久磁石6が固定されると、当該振動子1のミラー搭載面にミラー5が装着される。ミラー5の装着には、永久磁石6が固定された支持部4のミラー搭載面を上方に向けて振動子1を固定支持する機能と、ミラー5をピックアップしてミラー搭載面上に搬送する機能とを有する実装装置を使用する。当該実装装置としては、例えば、プリント基板等に電子部品を実装する公知のマウンタ等を流用することができる。
上記実装装置に永久磁石6が固定された振動子1がミラー搭載面を上方に向けて固定支持されると、実装装置の搬送手段が備える真空コレット等の吸着手段により、当該振動子1に搭載されるミラー5がピックアップされる。このとき、吸着手段はミラー5を反射面側から吸着する。また、吸着手段は、ミラー5の反射面の光学特性を劣化させないように、ミラー5外縁を支持する。ミラー5を吸着した搬送手段は、振動子1のミラー搭載面の上方に移動する。この移動の過程で、ミラー5のミラー搭載面との接触面にエポキシ樹脂やUV(Ultra Violet)硬化樹脂等の接着部材が塗布される。
そして、搬送手段は、ミラー5の接着部材が塗布された面をミラー搭載面に接触させ、ミラー5をミラー搭載面上に配置する。なお、ミラー搭載面上におけるミラー5の配置位置は、公知の画像認識等により、振動ミラー10の対称性を維持した状態に厳密に位置合わせされる。ミラー5が装着された振動子1は、実装装置から搬出される。なお、接着部材がUV硬化樹脂である場合には、ミラー搭載面上に配置されたミラー5に、反射面側からUV光が照射され、UV硬化樹脂の硬化が行われる。なお、この場合、ミラー5の反射面は当該UV光の波長を透過する光学特性を有することになる。
以上のようにして振動ミラー10を構成することにより、従来のように、半導体製造装置等の極めて高価な製造設備を使用することなく、低コストで振動ミラーを製造することができる。
なお、本実施形態では、支持部4を成形するための複数回のプレス工程を同一方向から実施している。そして、支持部4のプレス加工方向上流側の面をミラー搭載面とし、プレス加工方向下流側の面を永久磁石搭載面にしている。図6は、図2のX−X線における断面構造を示す断面図である。図6に示すように、プレス加工により金属材料を成形する場合、プレス加工方向の下流側にバリが発生することがある。上述のように、支持部4のミラー搭載面のサイズは、ミラー5のサイズよりも小さくなっている。したがって、ミラー5をミラー搭載面に固定した場合、ミラー5の一部がミラー搭載面の外方へ突出する。
しかしながら、ミラー5をプレス加工方向上流側の面に固定する構成とすることで、バリの有無に関わらずミラー5をミラー搭載面に密着して固定することができる。また、永久磁石6のサイズは、支持部4の永久磁石搭載面のサイズより小さいため、バリが形成された状況下であっても、永久磁石6と支持部4とを密着して固定することができる。したがって、本構成によれば、バリの有無に関わらず、ミラー5と永久磁石6とを常に同一の状態で支持部4に固定することができる。このため、プレス加工の過程でバリが形成された場合であっても、バリを除去する必要がなくバリ除去工程の追加による製造コストの増大を防止できる。
(共振周波数の調整方法)
ところで、上記のように製造された振動ミラー10は、プレス加工の加工精度、ミラー5や永久磁石6の固定に使用する接着部材の付着量の差異等によってばね定数や慣性モーメントにおいて誤差を発生する。例えば、梁3の幅の誤差はばね定数の誤差を発生し、支持部4のサイズやミラー5のサイズ誤差は慣性モーメントの誤差を発生する。このような個体差は、各振動ミラー10の共振周波数f0の差異として顕在化する。上述のように、レーザスキャニングユニットでは、共振周波数f0は感光体上の記録密度および印字速度を決定するパラメータである。このため、共振周波数f0は一定の範囲内に属している必要がある。
図7は、駆動周波数fと共振周波数f0との差異がレーザスキャニングユニットに与える影響を示す図である。図7(a)は、電磁石に印加する交流電力が一定である場合の、周波数比(f/f0)と振幅(振り角)との関係を示している。また、図7(b)は、振幅を一定にする場合の、周波数比と交流電力の大きさとの関係を示している。図7(a)において、横軸は周波数比に対応し、縦軸は振幅比に対応する。ここで、振幅比は、駆動周波数fと共振周波数f0とが一致する場合の振幅を基準として規格化している。また、図7(b)において、横軸は周波数比に対応し、縦軸は消費電力に対応する。
図7(a)および図7(b)に示すように、振動ミラー10の共振周波数f0と駆動周波数fとが一致している場合、非常に小さな消費電力で大きな振幅が得られている。そして、図7(a)から理解できるように、駆動周波数fと共振周波数f0との間に不一致が発生すると、同一の印加電力により得られる振幅が急激に小さくなる。このため、駆動周波数fと共振周波数f0とが一致している場合と同一の振幅を得るために印加が必要な電力は急激に増大する(図7(b))。レーザスキャニングユニットとして使用する場合、振り角が所望の範囲内でなければ正常な画像形成を行うことができない。また、振動ミラー10を駆動する駆動手段11が電磁石に供給する電力を大幅に調整可能な構成を採用することはレーザスキャニングユニットの製造コストが増大するとともに、全体の消費電力も大きくなるため好ましくない。このため、製造される振動ミラー10のそれぞれの共振周波数f0は、目標とする周波数の±0.5%の範囲内であることが望ましい。しかしながら、図3に示したように、金属材料をプレス加工により成形した振動子1を使用した振動ミラー10では、共振周波数f0の個体差は、目標とする周波数の±0.5%以上の範囲で変動する可能性がある。このため、上記振動ミラー10は、共振周波数f0を調整できる必要がある。
図8は、以上のように製造された振動ミラー10の共振周波数f0の調整方法を示す流れ図であり、図9は共振周波数調整時の振動ミラー10の状態を示す図である。
まず、振動ミラー10の初期状態における共振周波数f1を測定する(図8ステップS801)。共振周波数の測定には駆動周波数をスキャンして振幅を測定し最大振幅の周波数を見つける方法や駆動周波数をスキャンしたときの駆動回路におけるインダクタンスとインピーダンスの変化を測定して共振周波数を見つける方法などの周知の方法を用いることができる。図9(a)は振動ミラー10の初期状態における外観図を示している。
次に、振動ミラー10のミラー5に対して反対面の支持部4にレーザを当て除去加工を行う(図8ステップS802)。このとき除去加工は支持部4に対してのみ行われ、除去量はレーザのパルス数で管理される。パルス数と除去量の関係は予め設定されている。除去加工を振動子1の梁3の近傍に対して行うと振動子のばね定数に対しても影響を及ぼす可能性があるが、支持部4に対してのみ行うと、慣性モーメントだけを変化させることができるとともに、誤差の影響の少ない加工を行うことができ、加工調整が容易となるものである。除去加工後の振動ミラー10の状態を図9(b)に示す。図において7は除去加工された部分を示す。
次に、前記除去加工後の振動ミラー10の共振周波数f2を同様にして再度測定する(図8ステップS803)。
次に、除去加工前後における共振周波数の値と除去加工による慣性モーメントの変化に基づいて振動ミラー10のばね定数Kと慣性モーメントJ1を計算する(図8ステップS804)。ここで、除去加工によって変化する慣性モーメントΔJ1は、除去部の微小部
分の質量をdm、その部分のねじり振動軸からの距離をxとすると、式7で表される。一方、ばね定数Kは除去加工の前後で変化しない。このため、除去加工前後の共振周波数f1およびf2は初期状態における慣性モーメントをJ1とすると式8および式9で表される。
Figure 2010020139
Figure 2010020139
Figure 2010020139
これらの関係から、初期状態における慣性モーメントJ1およびばね定数Kは、それぞれ式10および式11で計算することができる。
Figure 2010020139
Figure 2010020139
次に上記の計算結果に基づいて振動ミラーを目標とする共振周波数f0にするために必要な追加加工時の慣性モーメントの調整量ΔJ2を計算する(図8ステップS805)。
このときの慣性モーメント調整量ΔJ2は式12で表される。
Figure 2010020139
次に上記のように決定された慣性モーメント調整量に基づいて支持部に対してどの位置に対してどれだけの量の追加除去加工を行ったらよいか決定される(図8ステップS806、式7)。
次にレーザによって上記決定された追加除去加工量に応じて再び除去加工が行われ、目標とする共振周波数の振動ミラーが形成される(図8ステップS807)。
追加除去加工が行われた後の振動ミラー10の状態を図9(c)に示す。図において8は追加除去加工された部分を示す。
なお、以上説明した共振周波数の調整は、図1に示したレーザスキャニングユニット50として組み立てる際に、筐体51に固定されるフレームに振動ミラー10を装着した状態で実施される。そして、共振周波数の調整が完了した振動ミラー10のフレームに駆動手段11が装着された後、当該フレームがレーザスキャニングユニット50の筐体51に固定される。
上記のような方法によれば、初期状態におけるばね定数や慣性モーメントにおいて誤差があっても少数回の測定および除去加工で所望の共振周波数の振動ミラーを作製することが可能となるものである。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態においては、振動ミラー10の振動子1の支持部4に共振周波数調整片21が設けられている。図10(a)に、共振周波数調整片を備えた振動ミラーの支持部構造の一例の平面図を示す。図10(a)に示すように、支持部4は、同一平面内の外方に延出された共振周波数調整片21を備える。図10(a)の例では、ミラー5の外縁よりも外方に突出する状態でねじり回転軸方向に延出された共振周波数調整片21が、支持部本体4aの四隅のそれぞれに設けられている。なお、共振周波数調整片21は、プレス加工により振動子1として一体に形成される。
この例では、レーザ照射等により各共振周波数調整片21の一部または全部を切除することにより振動ミラーの慣性モーメントJを減少させることができる。なお、振動ミラーの対称性を維持するため、各共振周波数調整片21はそれぞれ同一長さだけ切除することが好ましい。この場合、慣性モーメントJの減少量は、各共振周波数調整片21の切除長さに応じて調整することができる。
初期の振動ミラーの慣性モーメントは、想定される共振周波数のばらつきに対して共振周波数調整片21の切除により調整可能なように大きめに設定されている。共振周波数調整片21は、それぞれの約半分の長さが切除されたときに基準の慣性モーメントとなるように構成されている。図10(a)に初期状態の振動ミラー部、図10(b)に1回目の除去加工後の振動ミラー部、図10(c)に2回目の除去加工が行われ共振周波数調整された後の振動ミラー部の状態例を示す。上記のように、共振周波数調整片を設けることで除去加工が容易となるとともに切断加工により調整を行うためレーザパワーの影響を受けにくく調整精度を高めることが可能となるものである。
本実施の形態における振動ミラーの共振周波数の調整方法の流れ図を図11に示す。本実施の形態の調整方法は、前記第1の実施の形態とほぼ同様であるが、共振周波数調整片21を切除する前と後でおいて画像認識等の手段で形状を観察測定する工程(図11ステップS111及びS112)と、加工前後の形状変化から除去量を求めこれに伴う慣性モーメントの変化を計算する工程(図11ステップS113)が追加されている。この工程を追加することにより実際に除去された量を測定することができ、より正確な調整が可能となるである。
ここで、形状とは例えば切除前の図10(a)中の共振周波数調整片21の長さA1、B1、C1、D1と切除後の図10(b)中の共振周波数調整片21の長さA2、B2、C2、D2であり、これに基づいて前記除去量(除去長さ)はA1−A2、B1−B2、C1−C2、D1−D2のようにして求められる。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
第1、第2の実施の形態においては振動ミラーに対して除去加工により慣性モーメントを変化させて共振周波数を調整しているのに対し、本第3の実施の形態においては、振動ミラーに対して質量(重量)付加を行うことで慣性モーメントを変化させ共振周波数を調整する。
本実施の形態においては、初期状態における振動ミラーの慣性モーメントが所定の値よりも小さくなるよう構成されており、これに対して重量付加することで慣性モーメントを調整する。重量付加は振動ミラー10の支持部4におけるミラー5とは反対の面に対して付加位置と付加量が定められて行われる。
重量付加物としては紫外線硬化樹脂などが用いられ、ディスペンサなどの装置により塗布された後紫外線が照射されることで硬化される。また本実施例において、慣性モーメントの調整の考え方は、除去加工と重量付加の違いはあるが、上記第1の実施形態と同様であり、初期の共振周波数をf1、1回目の重量付加後の共振周波数をf2、目標とする共振周波数をf0、1回目の重量付加による慣性モーメントの増加をJ1、2回目の重量
付加による慣性モーメント調整量をΔJ2とすると、ΔJ2は式13で表される。また、
本実施の形態における共振周波数の調整方法の流れ図を図12に示す。
Figure 2010020139
即ち、まず、振動ミラー10の初期状態における共振周波数f1を測定する(図12ステップS121)。共振周波数の測定には上記第1の実施形態と同様に、駆動周波数をスキャンして振幅を測定し最大振幅の周波数を見つける方法などの周知の方法を用いることができる。
次に、振動ミラー10のミラー5に対して反対面の支持部4に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射して重量付加加工を行う(図12ステップS122)。このとき除去加工は支持部4に対してのみ行われる(図9参照)。
次に、前記重量付加加工後の振動ミラー10の共振周波数f2を同様にして再度測定する(図12ステップS123)。
次に、除去加工前後における共振周波数の値と除去加工による慣性モーメントの変化に基づいて振動ミラー10のばね定数Kと慣性モーメントJ1を計算する(図12ステップS124)。
次に上記の計算結果に基づいて振動ミラーを目標とする共振周波数f0にするために必要な追加加工時の慣性モーメントの調整量ΔJ2を計算する(図12ステップS125、
式13)。
次に上記のように決定された慣性モーメント調整量に基づいて支持部に対してどの位置に対してどれだけの量の追加重量付加加工を行ったらよいか決定される(図12ステップS126)。
そして上記決定された追加重量付加加工量に応じて再び重量付加加工が行われ、目標とする共振周波数の振動ミラーが形成される(図12ステップS127)。
上記のような方法によると、初期状態におけるばね定数や慣性モーメントにおいて誤差があっても少数回の測定および重量付加で所望の共振周波数の振動ミラーを作製することが可能となるものである。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、種々の変形および応用が可能である。例えば、上記実施形態では、振動ミラーに永久磁石を搭載し、当該永久磁石に駆動手段が交番磁場を付与する構成を説明したが、振動ミラーの駆動方式は、本発明の効果を奏する範囲において任意に変更することができる。また、上記の実施形態においては、振動子としてねじりばね構成のものについて説明したが、本発明の方法は板ばね形状の振動子に対しても適用できるものである。
以上のように、本発明によれば、共振周波数精度の高い振動ミラーを生産性よく低コストで製造することが可能となる。
本発明の振動ミラーの製造方法は、レーザ光を感光体に走査するレーザスキャニングユニット(光走査装置)の製造に利用することができ、そして、レーザスキャニングユニットを用いるレーザプリンタ等の画像形成装置、さらには画像形成装置を備えるデジタル複写機などでも利用することが可能である。
本発明の第1の実施形態におけるレーザスキャニングユニットの構造図 本発明の第1の実施形態における振動ミラーの構造を示す概略斜視図 チタン合金のS−N曲線を示す図 本発明の第1の実施形態における振動ミラーの金型を示す平面図 本発明の第1の実施形態における振動ミラーの製造過程を示す平面図 図2のX−X線における断面構造を示す断面図 駆動周波数と共振周波数との差異による影響を示す図 本発明の第1の実施形態における共振周波数の調整方法を示す流れ図 本発明の第1の実施形態における共振周波数調整時の振動ミラー部を示す図 本発明の共振周波数調整片を備えた共振ミラーの支持部構造の一例 本発明の第2の実施形態における共振周波数の調整方法を示す流れ図 本発明の第3の実施形態における共振周波数の調整方法を示す流れ図
符号の説明
1 振動子
2 枠体
3 梁(ねじり回転軸)
4 支持部
5 ミラー
6 永久磁石
10 振動ミラー
21 共振周波数調整片
30 金型
40 金属材料(フープ材)
50 レーザスキャニングユニット
51 光源
52 偏向器
53 結像レンズ系(アークサインθレンズ)
L 梁長
b 梁幅
t 梁厚

Claims (5)

  1. 往復振動する振動ミラーに対して、前記振動ミラーの初期状態における共振周波数を測定する工程と、
    前記振動ミラーの一部を除去加工する工程と、
    前記除去加工後の前記振動ミラーの共振周波数を測定する工程と、
    前記除去加工時の前記振動ミラーの除去量から計算される慣性モーメントの変化量と前記除去加工前後の前記振動ミラーの共振周波数の値に基づいて前記振動ミラーのバネ定数と慣性モーメントを計算する工程と、
    この計算結果に基づいて前記振動ミラーを目標とする共振周波数にするために必要な慣性モーメントの調整量を計算する工程と、
    計算された前記慣性モーメントの調整量に基づいて前記振動ミラーの追加除去加工量を決定する工程と、
    決定された前記振動ミラーの追加除去加工量に基づいて前記振動ミラーに対して追加除去加工する工程と、
    を備えたことを特徴とする振動ミラーの製造方法。
  2. 前記除去加工前後の前記振動ミラーの形状変化を測定し、前記振動ミラーの前記除去量を算出する工程を備えた、請求項1に記載の振動ミラーの製造方法。
  3. 前記振動ミラーはねじりバネとして機能する両持ち梁と前記両持ち梁の中央部に設置されたミラー部とから構成され、
    前記振動ミラーの一部を除去加工する工程又は前記振動ミラーに対して追加除去加工する工程は、除去加工または追加除去加工が前記ミラー部に対して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の振動ミラーの製造方法。
  4. 前記振動ミラーはその一部に共振周波数調整片が設けられ、
    前記振動ミラーの一部を除去加工する工程又は前記振動ミラーに対して追加除去加工する工程は、除去加工または追加除去加工がこの共振周波数調整片に対して行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の振動ミラーの製造方法。
  5. 往復振動する振動ミラーに対して、前記振動ミラーの初期状態における共振周波数を測定する工程と、
    前記振動ミラーに重量を付加する工程と、
    前記重量付加後の前記振動ミラーの共振周波数を測定する工程と、
    前記重量付加時の前記振動ミラーへの付加量から計算される慣性モーメントの変化と前記重量付加前後の前記振動ミラーの共振周波数の値に基づいて前記振動ミラーのバネ定数及び慣性モーメントを計算する工程と、
    この計算結果に基づいて前記振動ミラーを目標とする共振周波数にするために必要な慣性モーメントの調整量を計算する工程と、
    計算された慣性モーメントの調整量に基づいて前記振動ミラーの追加重量付加量を決定する工程と、
    この決定された振動ミラーの追加重量付加量に基づいて前記振動ミラーに対して重量付加する工程と、
    を備えたことを特徴とする振動ミラーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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