JP2010001879A - 負圧発生装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタを有効利用することができ、以って負圧作動装置の性能の確保或いは向上を図ることができる負圧発生装置の制御装置を提供する。
【解決手段】 インテークマニホールド14からブレーキブースタ22に取り出そうとする負圧よりも大きな負圧を発生させるエゼクタ30と、エゼクタ30を機能、或いは機能停止させるVSV1とを有して構成される負圧発生装置100を制御するためのECU40Aであって、温間時にエゼクタ30を機能停止させるようにVSV1を制御する場合に、温間時に、吸気通路に設けられたスロットル弁13aの開度が、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域にあることを条件として、エゼクタ30を機能させるようにVSV1の制御を行う特定制御手段を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 インテークマニホールド14からブレーキブースタ22に取り出そうとする負圧よりも大きな負圧を発生させるエゼクタ30と、エゼクタ30を機能、或いは機能停止させるVSV1とを有して構成される負圧発生装置100を制御するためのECU40Aであって、温間時にエゼクタ30を機能停止させるようにVSV1を制御する場合に、温間時に、吸気通路に設けられたスロットル弁13aの開度が、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域にあることを条件として、エゼクタ30を機能させるようにVSV1の制御を行う特定制御手段を備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は負圧発生装置の制御装置に関し、特に温間時にエゼクタを機能停止させる負圧発生装置の制御装置に関する。
従来、車両において内燃機関の吸気系の吸気通路から取り出そうとする負圧(以下、単に吸気管負圧とも称す)よりも、さらに大きな負圧をブレーキブースタなどの負圧作動装置に供給するためにエゼクタを利用することが知られている。エゼクタは例えば機関冷間時に行われる触媒暖機制御時にブレーキブースタの負圧(以下、単にブースタ負圧とも称す)を確保することを目的として利用される一方、温間時には通常機能停止される。
これに対して、温間時にエゼクタを機能させる技術として本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1または2で提案されている。
これに対して、温間時にエゼクタを機能させる技術として本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1または2で提案されている。
ところで、エゼクタは一般にスロットル弁を迂回するバイパス路に設けられており、エゼクタが機能している場合には、吸気がバイパス路を流通する分吸入空気量が増大することになる。このため、温間時にエゼクタを機能させると、吸入空気量が増大し、この結果、アイドル制御性が損なわれる虞がある。
またエゼクタはベンチュリー効果で負圧を発生させる構造上、その内部流路に狭くなった部分を有することから、温間時にエゼクタを機能させると、オイルや異物等の混入により機能失陥に至る可能性が高くなる。
すなわち、このような事情から温間時にエゼクタは通常機能停止される。しかしながら、負圧作動装置の性能の確保或いは向上を図るためには、温間時にもエゼクタを有効利用することが望ましい。
またエゼクタはベンチュリー効果で負圧を発生させる構造上、その内部流路に狭くなった部分を有することから、温間時にエゼクタを機能させると、オイルや異物等の混入により機能失陥に至る可能性が高くなる。
すなわち、このような事情から温間時にエゼクタは通常機能停止される。しかしながら、負圧作動装置の性能の確保或いは向上を図るためには、温間時にもエゼクタを有効利用することが望ましい。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタを有効利用することができ、以って負圧作動装置の性能の確保或いは向上を図ることができる負圧発生装置の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、車両が備える内燃機関の吸気系の吸気通路から負圧作動装置に取り出そうとする負圧よりも大きな負圧を発生させるエゼクタと、該エゼクタを機能、或いは機能停止させる状態変更手段とを有して構成される負圧発生装置を制御するための負圧発生装置の制御装置であって、温間時に前記エゼクタを機能停止させるように前記状態変更手段を制御する場合に、温間時に、前記吸気通路に設けられたスロットル弁の開度が、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域にあることを条件として、前記エゼクタを機能させるように前記状態変更手段の制御を行う特定制御手段を備えることを特徴とする。
また本発明は前記特定制御手段が、さらに前記内燃機関の運転状態が安定した状態であることを条件として、前記制御を行う構成であってもよい。
また本発明は前記特定制御手段が、さらに前記負圧作動装置が作動したことを条件として、前記制御を行う構成であってもよい。
また本発明は前記特定制御手段が、さらに前記負圧作動装置の負圧の大きさが所定値よりも低下したことを条件として、前記制御を行う構成であってもよい。
また本発明は前記特定制御手段が、前記制御に係る前記条件すべてが成立した状態において、所定期間の間、前記制御を行う構成であってもよい。
本発明によれば、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタを有効利用することができ、以って負圧作動装置の性能の確保或いは向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)40Aで実現されている本実施例に係る負圧作動装置の制御装置を、車両が備える各構成とともに模式的に示す図である。内燃機関50を始めとした図1に示す各構成は車両に搭載されている。内燃機関50の吸気系10は、エアクリーナ11と、エアフロメータ12と、電子制御スロットル13と、インテークマニホールド14と、内燃機関50の各気筒(図示省略)に連通する図示しない吸気ポートと、これらの構成の間に適宜配設される例えば吸気管15a、15bなどを有して構成されている。エアクリーナ11は内燃機関50の各気筒に供給される吸気を濾過するための構成であり、図示しないエアダクトを介して大気に連通している。エアフロメータ12は吸入空気量GAを計測するための構成であり吸入空気量GAに応じた信号を出力する。
電子制御スロットル13は、スロットル弁13aと、スロットルボディ13bと、弁軸13cと、電動モータ13dとを有して構成されている。スロットル弁13aは、内燃機関50に供給する吸入空気量GAを開度変化により調整するための構成である。スロットル弁13aには、スロットルオープナーとして機能するリターンスプリング(図示省略)が連結されている。スロットルボディ13bは、吸気通路が形成された筒状部材からなる構成であり、この吸気通路に配設されたスロットル弁13aの弁軸13cを支持する。電動モータ13dは、ECU40Aの制御のもと、スロットル弁13aの開度を変更するための構成であり、この電動モータ13dにはステップモータが採用されている。電動モータ13dはスロットルボディ13bに固定されており、その出力軸(図示省略)は弁軸13cに連結されている。スロットル弁13aの開度は、電子制御スロットル13に内蔵された図示しないスロットル開度センサからの出力信号に基づき、ECU40Aで検出される。インテークマニホールド14は、上流側で一つの吸気通路を下流側で内燃機関50の各気筒に対応させて分岐するための構成であり、吸気を内燃機関50の各気筒に分配する。
ブレーキ装置20は、ブレーキペダル21と、ブレーキブースタ(請求項記載の負圧作動装置に相当)22と、マスターシリンダ23と、逆支弁24と、ホイルシリンダ(図示省略)とを有して構成されている。運転者が車輪の回転を制動するために操作するブレーキペダル21は、ブレーキブースタ22の入力ロッド(図示省略)と連結されている。ブレーキブースタ22は、ペダル踏力に対して所定の倍力比でアシスト力を発生させるための構成であり、内部でマスターシリンダ23側に区画された負圧室(図示省略)が、インテークマニホールド14の吸気通路に接続されている。ブレーキブースタ22は、さらにその出力ロッド(図示省略)がマスターシリンダ23の入力軸(図示省略)と連結されており、マスターシリンダ23は、ペダル踏力に加えてアシスト力を得たブレーキブースタ22からの作用力に応じて油圧を発生させる。ブレーキブースタ22には負圧室に蓄圧されたブースタ負圧を検知するための圧力センサ24が設けられている。マスターシリンダ23は、油圧回路を介して各車輪のディスクブレーキ機構(図示省略)に設けられたホイルシリンダ夫々に接続されており、ホイルシリンダはマスターシリンダ23から供給された油圧で制動力を発生させる。ブレーキ装置20には、ブレーキペダル21の踏み込みを検知するブレーキSW25が配設されている。なお、ブレーキブースタ22は気圧式のものであれば特に限定されるものではなく、一般的なものであってよい。
エゼクタ30は、吸気系10、より具体的にはインテークマニホールド14から取り出そうとする負圧よりもさらに大きな負圧を発生させてブレーキブースタ22の負圧室に供給するための構成である。エゼクタ30は、流入ポート31aと流出ポート31bと負圧供給ポート31cとを有している。これらのうち、負圧供給ポート31cがエアホース5cでブレーキブースタ22の負圧室に接続されている。また、流入ポート31aはエアクリーナ11内の吸気通路とエアホース5aで、流出ポート31bはインテークマニホールド14の吸気通路にエアホース5bで、電子制御スロットル13、より具体的にはスロットル弁13aを挟むようにして夫々接続されている。これによって、エアフロメータ12及び電子制御スロットル13を迂回するバイパス路Bが、エゼクタ30を含んでエアホース5aと5bとで形成される。なお、エゼクタ30が機能していない場合、ブレーキブースタ22の負圧室には、インテークマニホールド14の吸気通路から、エアホース5b、エゼクタ30の流出ポート31b及び負圧供給ポート31c、エアホース5c夫々を介して負圧が供給される。
エアホース5aには、VSV(バキュームスイッチングバルブ)1を介在させている。VSV1は、ECU40Aの制御のもと、バイパス路Bを連通、遮断するための構成であり、本実施例では具体的には2ポジション2ポートのノーマルクローズのソレノイドバルブで実現されている。但し、これに限られず、VSV1は他の適宜の電磁弁などであってよく、さらに例えば電子制御で開度を変更可能な流量調整弁などであってもよい。また、このVSV1はバイパス路Bを連通、遮断することで、エゼクタ30を機能、或いは機能停止させるための構成となっている。本実施例ではVSV1で状態変更手段を実現している。
図2はエゼクタ30の内部構成を模式的に示す図である。エゼクタ30は内部にディフューザ32を備えている。ディフューザ32は、先細テーパ部32aと、末広テーパ部32bと、これらを連通する通路にあたる負圧取出部32cとで構成されている。先細テーパ部32aは、流入ポート31aに対向するようにして開口しており、末広テーパ部32bは、流出ポート31bに対向するようにして開口している。また、負圧取出部32cは、負圧供給ポート31cに連通している。流入ポート31aには、流入してきた吸気を先細テーパ部32aに向けて噴射するノズル33が配設されており、ノズル33から噴射された吸気はディフューザ32を流通し、さらに流出ポート31bからエアホース5bに流出する。この際、ディフューザ32で高速噴流が生起されることにより、ベンチュリー効果で負圧取出部32cに大きな負圧が発生し、さらにこの負圧は負圧供給ポート31cからエアホース5cを介して負圧室に供給される。このようなエゼクタ30の機能により、ブレーキブースタ22は、インテークマニホールド14から取り出す場合よりも大きな負圧を得ることができる。
なお、負圧取出部32cと負圧供給ポート31cとの間の内部流路と、流出ポート31bと負圧供給ポート31cとの間の内部流路と、ブレーキブースタ22のエアホース5c接続部とに設けられた逆止弁34は、夫々逆流を防止するためのものである。また、エゼクタ30は図2に示す内部構造を備えるものに限られず、その他の異なる内部構造を備えるエゼクタをエゼクタ30の代わりに適用してよい。本実施例では負圧発生装置100はVSV1とエゼクタ30とを有して実現されており、この負圧発生装置100はさらに具体的にはエアホース5a、5b及び5cと逆止弁34とを有して構成されている。
ECU40Aは、図示しないCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを有して構成されるマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと称す)や入出力回路などを有して構成されている。ECU40Aは主として内燃機関50を制御するための構成であり、本実施例ではVSV1や電子制御スロットル13も制御している。ECU40AにはVSV1や電子制御スロットル13のほか、各種の制御対象が電気的に接続されている。また、ECU40Aにはエアフロメータ12や、スロットル開度センサや、圧力センサ24や、ブレーキSW25や、車速を検出するための車速センサ71や、アクセル開度(踏み込み量)TAを検出するためのアクセルセンサ72や、内燃機関50の水温を検出するための水温センサ73や、内燃機関50の回転数NEを検出するためのクランク角センサ74などの各種のセンサが電気的に接続されている。
ROMはCPUが実行する種々の処理が記述されたプログラムを格納するための構成であり、本実施例では内燃機関50制御用のプログラムのほか、VSV1制御用プログラムなども格納している。なお、これらのプログラムは一体として組み合わされていてもよい。VSV1は、VSV1制御用プログラムに基づくECU40Aの制御のもと、基本的に冷間時に開かれるとともに温間時に閉じられ、これにより温間時にエゼクタ30の機能が基本的に停止する。
一方、VSV1制御用プログラムは、温間時に、スロットル弁13aの開度(スロットル開度)が、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域にあることを条件として(以下、この条件を第1の条件と称す)、エゼクタ30を機能させるようにVSV1の制御を行う(以下、単にVSV1を開くと称す)特定プログラムをさらに有して構成されている。
ここで、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域とは、スロットル弁13aが全開である場合の開度の10%程度を上限とする領域であり、またスロットル弁13aが全閉および全閉に近い状態にある場合の開度を含まない領域である。この点、本発明はVSV1を開く条件につき、このようにスロットル開度の上限が比較的小さな開度に制限された所定の領域となっている点で、特許文献1が提案する技術とは異なるものとなっている。
また特定プログラムは、さらに内燃機関50の運転状態が安定した状態であることを条件として(以下、この条件を第2の条件と称す)、VSV1を開くように作成されている。
さらに特定プログラムは、VSV1を開くための条件すべて(本実施例では第1および第2の条件)が成立した状態で、所定期間の間、VSV1を開くように作成されている。
ここで、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域とは、スロットル弁13aが全開である場合の開度の10%程度を上限とする領域であり、またスロットル弁13aが全閉および全閉に近い状態にある場合の開度を含まない領域である。この点、本発明はVSV1を開く条件につき、このようにスロットル開度の上限が比較的小さな開度に制限された所定の領域となっている点で、特許文献1が提案する技術とは異なるものとなっている。
また特定プログラムは、さらに内燃機関50の運転状態が安定した状態であることを条件として(以下、この条件を第2の条件と称す)、VSV1を開くように作成されている。
さらに特定プログラムは、VSV1を開くための条件すべて(本実施例では第1および第2の条件)が成立した状態で、所定期間の間、VSV1を開くように作成されている。
ROMに格納されたプログラムに基づき、CPUが処理を実行することで、ECU40Aでは各種の制御手段や検出手段や判定手段や算出手段などが機能的に実現され、特に本実施例では特定プログラムに基づき、CPUが処理を実行することで、特定制御手段が機能的に実現される。
次に、ECU40Aで行われる処理を図3に示すフローチャートを用いて詳述する。ECU40Aは、ROMに格納されたプログラムに基づき、CPUがフローチャートに示す処理を極短い時間で繰り返し実行することで、負圧発生装置100を制御する。CPUは水温が所定値T(例えば75℃)よりも大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS11)。否定判定であれば、冷間時であると判断され、VSV1を開くための処理を実行するとともに(ステップS15)、VSV1を継続して開いた時間として算出するVSV開継続時間を積算する処理を実行した後(ステップS16)、リターンしてステップS11に戻る。なお、冷間時にはステップS16をスキップしてもよい。
一方、ステップS11で肯定判定であれば、温間時であると判断され、CPUはスロットル開度が所定値αよりも大きく、且つ所定値βよりも小さいか否かを判定することで、スロットル開度が所定の領域にあるか否かを判定する処理を実行する(ステップS12)。本実施例では具体的には所定値αが、スロットル弁13aが全開である場合の開度の5%に、所定値βが、スロットル弁13aが全開である場合の開度の10%にそれぞれ設定されている。
一方、ステップS11で肯定判定であれば、温間時であると判断され、CPUはスロットル開度が所定値αよりも大きく、且つ所定値βよりも小さいか否かを判定することで、スロットル開度が所定の領域にあるか否かを判定する処理を実行する(ステップS12)。本実施例では具体的には所定値αが、スロットル弁13aが全開である場合の開度の5%に、所定値βが、スロットル弁13aが全開である場合の開度の10%にそれぞれ設定されている。
ステップS12で否定判定であれば、CPUはVSV1を閉じるための処理を実行するとともに(ステップS17)、VSV開継続時間をクリアする処理を実行する(ステップS18)。一方、ステップS12で肯定判定であれば、CPUは内燃機関50の運転状態が安定しているか否かを判定する処理を実行する(ステップS13)。本実施例では内燃機関50の運転状態は回転数NE、吸入空気量GAおよびアクセル開度TAとなっており、本ステップではこれらの変化量ΔNE、ΔGAおよびΔTAの大きさが所定値A(但し所定値AはΔNE、ΔGAおよびΔTAによって異なる値であってよい)よりも小さいか否かで、内燃機関50の運転状態が安定しているか否かが判定される。ステップS13で否定判定であれば、内燃機関50の運転状態が安定していないと判定され、このときにはステップS17に進む。
一方、ステップS13で肯定判定であれば、CPUはVSV開継続時間が所定値Bよりも小さいか否かを判定する処理を実行する(ステップS14)。肯定判定であれば、CPUはVSV1を開くための処理を実行するとともに(ステップS15)、VSV開継続時間を積算する処理を実行する(ステップS16)。これにより、第1および第2の条件が成立した状態で、所定期間の間、VSV1を開くことができる。
次のルーチン以降では、第1の条件が成立しなくなった場合にはステップS12で否定判定されるとともに、ステップS17でVSV1が閉じられることになる。また第2の条件が成立しなくなった場合には、ステップS13で否定判定されるとともに、ステップS17でVSV1が閉じられる。また第1および第2の条件が成立した状態である場合でも、VSV開継続時間が所定値B以上になった場合には、ステップS14で否定判定されるとともに、ステップS17でVSV1が閉じられる。
次のルーチン以降では、第1の条件が成立しなくなった場合にはステップS12で否定判定されるとともに、ステップS17でVSV1が閉じられることになる。また第2の条件が成立しなくなった場合には、ステップS13で否定判定されるとともに、ステップS17でVSV1が閉じられる。また第1および第2の条件が成立した状態である場合でも、VSV開継続時間が所定値B以上になった場合には、ステップS14で否定判定されるとともに、ステップS17でVSV1が閉じられる。
本実施例では、以上のようにして温間時に第1の条件が成立した状態でVSV1が開かれるので、スロットル弁13aの状態が全閉或いは全閉に近い状態にある場合にはVSV1が閉じられた状態となる。このためECU40Aによれば、これにより温間時のアイドル制御性を確保することができる。またこれにより、軽負荷時の空燃比に影響が及ぶことも防止することができる。またこれにより、減速前の車両走行時にVSV1を開いてブースタ負圧を確保することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
さらにスロットル開度が大きい領域では、吸気管負圧が小さくなることから、VSV1を開いてもエゼクタ30の効果があまり得られないばかりでなく、吸気の脈動によりオイル等が逆流するようにしてエゼクタ30に到達し、この結果、機能失陥に至る可能性が高くなるところ、本実施例では第1の条件が成立した状態でVSV1を開くことで、機能失陥に至る可能性が低い態様でエゼクタ30を有効利用することができる。
さらにスロットル開度が大きい領域では、吸気管負圧が小さくなることから、VSV1を開いてもエゼクタ30の効果があまり得られないばかりでなく、吸気の脈動によりオイル等が逆流するようにしてエゼクタ30に到達し、この結果、機能失陥に至る可能性が高くなるところ、本実施例では第1の条件が成立した状態でVSV1を開くことで、機能失陥に至る可能性が低い態様でエゼクタ30を有効利用することができる。
また内燃機関50の運転状態が過渡状態にある場合には、VSV1を開くことで空燃比荒れが発生し、エミッションが悪化する虞があるところ、本実施例では、第2の条件が成立した状態で、すなわち内燃機関50の運転状態が安定した状態でVSV1を開くので、さらにエミッションの悪化を抑制することができる。
また本実施例では、第1および第2の条件が成立した状態で所定期間の間、VSV1を開くところ、ブレーキブースタ22はブースタ負圧を蓄えておくことができるため、所定期間の間、VSV1を開くことでブースタ負圧を十分な大きさに確保することができる。そして所定期間の間、VSV1を開いた後にはVSV1が閉じられるため、これにより水蒸気やオイルや異物等がエゼクタ30に進入する機会を減少させることができ、機能失陥に至る可能性をさらに低く抑制することができる。さらにVSV1への通電時間も減少するので、電力消費量を低減することができ、燃費の向上にも繋がる。
また本実施例では、第1および第2の条件が成立した状態で所定期間の間、VSV1を開くところ、ブレーキブースタ22はブースタ負圧を蓄えておくことができるため、所定期間の間、VSV1を開くことでブースタ負圧を十分な大きさに確保することができる。そして所定期間の間、VSV1を開いた後にはVSV1が閉じられるため、これにより水蒸気やオイルや異物等がエゼクタ30に進入する機会を減少させることができ、機能失陥に至る可能性をさらに低く抑制することができる。さらにVSV1への通電時間も減少するので、電力消費量を低減することができ、燃費の向上にも繋がる。
なお、本実施例の変形例として、特定プログラムの変更によって、例えば第1の条件が成立した場合にVSV1を開くようにすることや、第1の条件が成立した場合に、第1の条件が成立した状態で所定期間の間、VSV1を開くようにすることや、第1および第2の条件が成立した場合にVSV1を開くようにすることも可能である。
このようにECU40Aは、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタ30を有効利用することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
このようにECU40Aは、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタ30を有効利用することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
本実施例に係るECU40Bは、実施例1で前述した特定プログラムの代わりに、この特定プログラムに対して、さらにブレーキ操作が行われたこと(負圧作動装置が作動したこと)を条件として(以下、この条件を第3の条件と称す)、VSV1を開くように作成した特定プログラムをROMに格納している点以外、ECU40Aと実質的に同一のものとなっている。なお、車両が備える各構成はECU40Aの代わりにECU40Bが適用される点以外、実質的に同一のものとなっている。このため本実施例では車両が備える各構成については図示省略する。
本実施例では上記の特定プログラムに基づきCPUが処理を実行することで、特定制御手段が実現されている。また本実施例ではECU40Bで負圧発生装置の制御装置が実現されている。
本実施例では上記の特定プログラムに基づきCPUが処理を実行することで、特定制御手段が実現されている。また本実施例ではECU40Bで負圧発生装置の制御装置が実現されている。
次にECU40Bで行われる処理を図4に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、本フローチャートはステップS11とS12の間にステップS21が追加されている点と、ステップS14の否定判定に続いてステップS22が追加されている点以外、図3に示すフローチャートと同一のものになっている。このため本実施例では特にステップS21およびS22について詳述する。ステップS11で肯定判定であった場合、CPUはブレーキ履歴がONであるか否かを判定する処理を実行する(ステップS21)。このブレーキ履歴はブレーキ操作が行われた場合にONになるものであり、ブレーキ操作が行われたか否かはブレーキSW25の出力に基づき判定される。
ステップS21で否定判定であれば、VSV1を開かないためステップS17に進む。一方、ステップS21で肯定判定であれば、第3の条件が成立したと判断され、ステップS12に進む。そして、第1および第2の条件が成立している場合には、ステップS12およびS13を経てステップS14でVSV開継続時間が所定値Bよりも小さいか否かが判定される。なお、本実施例では第1から第3までの条件すべてが成立した状態で、ステップS14に示す判定に基づき、VSV1が所定期間の間、開かれることになる。
そしてVSV開継続時間が所定値B以上になった場合には、ステップS14で否定判定される。このときCPUはブレーキ履歴をOFFにする処理を実行する(ステップS22)。これにより、次のルーチン以降でもブレーキ操作が行われたことを条件として、VSV1を開くことができる。
そしてVSV開継続時間が所定値B以上になった場合には、ステップS14で否定判定される。このときCPUはブレーキ履歴をOFFにする処理を実行する(ステップS22)。これにより、次のルーチン以降でもブレーキ操作が行われたことを条件として、VSV1を開くことができる。
ここで、ブレーキブースタ22はブースタ負圧を蓄えておくことができるところ、ブースタ負圧はブレーキ操作に応じて消費されるので、ブレーキ操作が行われた場合にVSV1を開いてエゼクタ30を機能させれば、ブースタ負圧を十分な大きさに確保することができる。
これに対して本実施例では、以上のようにして温間時に第3の条件が成立した状態で、すなわちブレーキ操作に応じてブースタ負圧が消費されてからVSV1が開かれるので、必要に応じた形でブースタ負圧を十分な大きさに確保することができ、これにより例えば高速道路等で車両が定常的に巡航している場合に加減速に伴いVSV1が頻繁に開かれることを防止できる。
またこれにより、水蒸気やオイルや異物等がエゼクタ30に進入する機会を減少させることができ、機能失陥に至る可能性をさらに低く抑制することができる。さらにVSV1への通電時間も減少するので、電力消費量を低減することができ、燃費の向上にも繋がる。
このようにECU40Bは、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタ30を有効利用することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
これに対して本実施例では、以上のようにして温間時に第3の条件が成立した状態で、すなわちブレーキ操作に応じてブースタ負圧が消費されてからVSV1が開かれるので、必要に応じた形でブースタ負圧を十分な大きさに確保することができ、これにより例えば高速道路等で車両が定常的に巡航している場合に加減速に伴いVSV1が頻繁に開かれることを防止できる。
またこれにより、水蒸気やオイルや異物等がエゼクタ30に進入する機会を減少させることができ、機能失陥に至る可能性をさらに低く抑制することができる。さらにVSV1への通電時間も減少するので、電力消費量を低減することができ、燃費の向上にも繋がる。
このようにECU40Bは、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタ30を有効利用することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
本実施例に係るECU40Cは、実施例2で前述した特定プログラムの代わりに、この特定プログラムに対して、さらにブースタ負圧の大きさが所定値Pよりも低下したことを条件として(以下、この条件を第4の条件と称す)、VSV1を開くように作成した特定プログラムをROMに格納している点以外、ECU40Bと実質的に同一のものとなっている。なお、ECU40AのROMに格納された特定プログラムをさらに第4の条件が成立したことを条件として、VSV1を開くように作成することも可能である。また、車両が備える各構成はECU40Aの代わりにECU40Cが適用される点以外、実質的に同一のものとなっている。このため本実施例では車両が備える各構成については図示省略する。
本実施例では上記の特定プログラムに基づきCPUが処理を実行することで、特定制御手段が実現されている。また本実施例ではECU40Cで負圧発生装置の制御装置が実現されている。
本実施例では上記の特定プログラムに基づきCPUが処理を実行することで、特定制御手段が実現されている。また本実施例ではECU40Cで負圧発生装置の制御装置が実現されている。
次にECU40Cで行われる処理を図5に示すフローチャートを用いて詳述する。なお、本フローチャートはステップS21とS12の間にステップS31が追加されている点以外、図4に示すフローチャートと同一のものになっている。このため本実施例では特にステップS31について詳述する。ステップS21で肯定判定であった場合、CPUは圧力センサ24の出力に基づき、ブースタ負圧が所定値Pよりも小さいか否かを判定する処理を実行する(ステップS31)。なお、ブースタ負圧は演算による推定値であってもよい。否定判定であった場合には、VSV1を開かないためステップS17に進む。一方、肯定判定であった場合には、第4の条件が成立したと判断され、ステップS12に進む。なお、第4の条件が成立した場合にはブースタ負圧が低下していると判断される。
そして第1および第2の条件が成立している場合には、ステップS12およびS13を経てステップS14でVSV開継続時間が所定値Bよりも小さいか否かが判定される。なお、本実施例では第1から第4までの条件すべてが成立した状態で、ステップS14に示す判定に基づき、VSV1が所定期間の間、開かれることになる。
そして第1および第2の条件が成立している場合には、ステップS12およびS13を経てステップS14でVSV開継続時間が所定値Bよりも小さいか否かが判定される。なお、本実施例では第1から第4までの条件すべてが成立した状態で、ステップS14に示す判定に基づき、VSV1が所定期間の間、開かれることになる。
本実施例では、以上のようにして温間時に第4の条件が成立した状態で、すなわちブースタ負圧が低下した状態でVSV1が開かれるので、必要に応じた形でブースタ負圧を十分な大きさに確保することができる。
またこれにより、水蒸気やオイルや異物等がエゼクタ30に進入する機会を減少させることができ、機能失陥に至る可能性をさらに低く抑制することができる。さらにVSV1への通電時間も減少するので、電力消費量を低減することができ、燃費の向上にも繋がる。
このようにECU40Cは、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタ30を有効利用することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
またこれにより、水蒸気やオイルや異物等がエゼクタ30に進入する機会を減少させることができ、機能失陥に至る可能性をさらに低く抑制することができる。さらにVSV1への通電時間も減少するので、電力消費量を低減することができ、燃費の向上にも繋がる。
このようにECU40Cは、アイドル制御性を損なうことなく、また機能失陥に至る可能性が低い態様で、温間時にエゼクタ30を有効利用することができ、以ってブレーキ性能の向上を図ることができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
1 VSV
10 吸気系
13 電子制御スロットル
14 インテークマニホールド
20 ブレーキ装置
22 ブレーキブースタ
30 エゼクタ
40 ECU
50 内燃機関
10 吸気系
13 電子制御スロットル
14 インテークマニホールド
20 ブレーキ装置
22 ブレーキブースタ
30 エゼクタ
40 ECU
50 内燃機関
Claims (5)
- 車両が備える内燃機関の吸気系の吸気通路から負圧作動装置に取り出そうとする負圧よりも大きな負圧を発生させるエゼクタと、該エゼクタを機能、或いは機能停止させる状態変更手段とを有して構成される負圧発生装置を制御するための負圧発生装置の制御装置であって、
温間時に前記エゼクタを機能停止させるように前記状態変更手段を制御する場合に、
温間時に、前記吸気通路に設けられたスロットル弁の開度が、加速要求の度合いが低い状態に相当する所定の領域にあることを条件として、前記エゼクタを機能させるように前記状態変更手段の制御を行う特定制御手段を備えることを特徴とする負圧発生装置の制御装置。 - 請求項1記載の負圧発生装置の制御装置であって、
前記特定制御手段が、さらに前記内燃機関の運転状態が安定した状態であることを条件として、前記制御を行うことを特徴とする負圧発生装置の制御装置。 - 請求項1または2記載の負圧発生装置の制御装置であって、
前記特定制御手段が、さらに前記負圧作動装置が作動したことを条件として、前記制御を行うことを特徴とする負圧発生装置の制御装置。 - 請求項1から3いずれか1項記載の負圧発生装置の制御装置であって、
前記特定制御手段が、さらに前記負圧作動装置の負圧の大きさが所定値よりも低下したことを条件として、前記制御を行うことを特徴とする負圧発生装置の制御装置。 - 請求項1から4いずれか1項記載の負圧発生装置の制御装置であって、
前記特定制御手段が、前記制御に係る前記条件すべてが成立した状態において、所定期間の間、前記制御を行うことを特徴とする負圧発生装置の制御装置。
Priority Applications (1)
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- 2008-06-23 JP JP2008163887A patent/JP2010001879A/ja active Pending
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