JP2010001833A - 内燃機関用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予混合圧縮自着火燃焼できる運転領域を高負荷側に広げる内燃機関用制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関用制御装置は、検出したアクセル開度およびクランク角に基づいてエンジンの負荷(KL)および回転数(NE)を算出し(S300、S302)、運転領域マップを参照して予混合圧縮自着火燃焼領域であるかを判定する(S304、S306)。自着火燃焼領域であれば、内燃機関用制御装置は、排気行程後半からの所定期間において吸気弁及び排気弁をともに閉弁して負のオーバラップ期間を形成する(S312)。内燃機関用制御装置は、負のオーバラップ期間において、エンジンの負荷および回転数に基づいて、気筒内に形成するスワールを制御するとともに(S314、S316、S318、S320)、第1燃料噴射弁から気筒内に噴射され改質される燃料の噴射量および噴射回数の少なくともいずれか一方を制御する(S322)。
【選択図】図6

Description

本発明は、予混合圧縮自着火燃焼を実施する内燃機関の燃焼状態を制御する内燃機関用制御装置に関する。
従来、例えばガソリンエンジンにおいて、ディーゼルエンジンと同様に圧縮自着火燃焼を実施する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、排気上死点付近で排気弁および吸気弁がともに閉じた密閉期間中に気筒内に燃料を噴射して燃料と空気とを予混合するともに、密閉期間中の高温高圧状態で予め燃料を着火しやすく改質しておき、圧縮行程において圧縮自着火燃焼させている。
このように、ガソリンエンジンにおいて予混合圧縮自着火燃焼を採用すると、空燃比をリーンにできるので燃費が向上する。しかしながら、圧縮自着火による燃焼では、内燃機関の負荷が高くなると、燃料が急激に燃焼する異常燃焼によりノッキングが発生し易くなるという問題がある。
そこで、特許文献1においては、密閉期間中に気筒内に燃料を噴射する噴射時期を変更して燃料の改質程度を制御するとともに、密閉期間中に加えて吸気弁開弁時期以降に2回目の燃料噴射を実施する場合に密閉期間中に噴射する1回目の噴射量の割合を調整することにより燃料の改質量を制御し、安定した圧縮自着火燃焼を実現しようとしている。
特開2000−320333号公報
しかしながら、特許文献1のように燃料の改質程度および改質量を制御するだけでは、圧縮自着火するときの着火分布状態によっては、内燃機関の負荷が高くなるにしたがい急激な燃焼が発生するおそれがある。このように、圧縮自着火燃焼により気筒内で急激な燃焼が生じると、前述したようにノッキングが発生しやすくなる。したがって、特許文献1の燃焼制御では、圧縮自着火燃焼できる運転領域を高負荷側に広げることは困難である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、予混合圧縮自着火燃焼できる運転領域を高負荷側に広げる内燃機関用制御装置を提供することを目的とする。
請求項1から8に記載の発明によると、予混合圧縮自着火燃焼を実施する内燃機関の運転領域において、吸気弁および排気弁をともに閉弁状態にして気筒を密封し、内燃機関の回転数および負荷に基づいて第1燃料噴射弁の噴射量および噴射回数の少なくともいずれか一方を制御して噴射制御手段が第1燃料噴射弁に燃料噴射を指令し、気筒密封状態において、内燃機関の回転数および負荷に基づいて渦流形成手段による渦流の形成を渦流制御手段が制御する。
このように、吸気弁および排気弁の両方が閉弁している気筒密封状態において、第1燃料噴射弁から気筒内に燃料を噴射すると、気筒内の高温高圧状態によって第1燃料噴射弁から噴射した燃料が着火しやすく改質される。改質された燃料は、圧縮行程時に自着火する。第2燃料噴射弁から噴射され第1燃料噴射弁から噴射される燃料よりも遅れて気筒内に供給される燃料は、自着火した改質燃料を火種として燃焼する。したがって、第1燃料噴射弁から噴射され改質される燃料の気筒内での分布を制御することにより、圧縮行程時に気筒内の燃料が急激に燃焼することを抑制できる。
そして、内燃機関の回転数および負荷に基づいて第1燃料噴射弁の噴射量および噴射回数の少なくともいずれか一方を制御することにより、第1燃料噴射弁から噴射された燃料が自着火する分布状態を制御できる。これにより、高負荷側においても急激な圧縮自着火燃焼を避ける自着火の分布状態にできるので、圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域を高負荷側に広げることができる。
さらに、請求項1から8に記載の発明によると、気筒密封状態において、内燃機関の回転数および負荷に基づいて気筒内の渦流の形成を制御することにより、第1燃料噴射弁から噴射された燃料の分布を、渦流の有無、および渦流の強弱によって調整できる。例えば、第1燃料噴射弁から噴射された燃料を気筒内に拡散させたり、1箇所に集めたりすることができる。
これにより、高負荷側においても急激な圧縮自着火燃焼を避ける自着火の分布状態にできるので、圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域を高負荷側に広げることができる。
請求項2に記載の発明によると、渦流形成手段は気筒内に横渦を形成する。渦流を横渦にすることにより、気筒内壁面に沿って渦流を容易に形成できる。
ところで、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の高速高負荷側は、急激な圧縮自着火燃焼が発生しやすい領域である。したがって、第1燃料噴射弁が噴射して改質された燃料が気筒内に拡散すると、気筒内の広範囲で圧縮自着火燃焼が発生し、異常燃焼となりやすい。
そこで、請求項3に記載の発明によると、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の高速高負荷側において渦流制御手段が渦流形成手段を制御して形成する渦流は、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低負荷側において渦流制御手段が渦流形成手段を制御して形成する渦流よりも強くしている。
気筒内の渦流を強くすると、流速の低い渦流の中心で改質燃料の濃度が高く、その外側で改質燃料の濃度の低い成層分布が形成される。これにより、気筒内中心で圧縮自着火燃焼が発生し気筒内中心から外周側に火炎伝播して燃料が燃焼するので、急激な燃焼を抑制できる。その結果、異常燃焼が生じず安定した圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域を高負荷側に拡大できる。
これに対し、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低負荷側では、渦流を適度に発生させて気筒内に改質燃料を拡散して均質化することにより、圧縮自着火性を向上する必要がある。これに対し、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低速高負荷側では、低負荷側よりも燃料の改質が進行する。したがって、渦流により改質燃料が気筒内に均質に拡散すると、気筒内の広範囲で圧縮自着火燃焼が発生し、異常燃焼が発生しやすくなる。
そこで、請求項4に記載の発明によると、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低速高負荷側では、渦流制御手段は渦流形成手段に渦流の形成を指令しない。
これにより、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低速高負荷側では気筒内に渦流が発生しないので、気筒内に噴射され改質された燃料が気筒内に拡散しない。その結果、第1燃料噴射弁から噴射された燃料の到達範囲内では改質燃料の濃度が高く、到達範囲の外では濃度が低い濃度分布が形成される。したがって、濃度分布の高い範囲で圧縮自着火燃焼が発生し、そこから火炎伝播して燃焼するので、急激な燃焼を抑制できる。その結果、異常燃焼が生じず安定した圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域を高負荷側に拡大できる。
請求項5に記載の発明によると、内燃機関の負荷の増加に応じて、噴射制御手段は第1燃料噴射弁に複数回噴射を指令する。
このように、第1燃料噴射弁から同じ噴射量の燃料を1回で噴射するよりも複数回に分けて噴射する方が、1回当たりの噴射量が減少する。これにより、燃料の到達距離が短くなるので、改質燃料の分布範囲がより狭くなる。その結果、急激な燃焼を抑制できるので、異常燃焼が生じず安定した圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域を高負荷側に拡大できる。
請求項6に記載の発明によると、内燃機関の負荷の増加に応じて、噴射制御手段は第1燃料噴射弁の噴射量を低減する。
このように、第1燃料噴射弁から噴射する噴射量を低減することにより燃料の到達距離が短くなるので、改質燃料の分布範囲がより狭くなる。その結果、急激な燃焼を抑制できるので、異常燃焼が生じず安定した圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域を高負荷側に拡大できる。
ところで、内燃機関の回転数が所定回転数以上または負荷が所定負荷以上の場合、改質燃料を生成する第1燃料噴射弁の噴射量および噴射回数を制御しても、圧縮自着火による異常燃焼を抑制できないことがある。
そこで、請求項7および8に記載の発明によると、内燃機関の回転数が所定回転数以上または負荷が所定負荷以上の場合、圧縮自着火燃焼に代えて火花着火燃焼を燃焼選択手段が選択し、燃焼選択手段が火花着火燃焼を選択すると、噴射制御手段は気筒密封状態における燃料噴射を第1燃料噴射弁に指令しない。
このように、内燃機関の回転数が所定回転数以上または負荷が所定負荷以上の場合、改質燃料を生成する第1燃料噴射弁から燃料を噴射せず火花点火燃焼を選択するので、所定回転数以上または所定負荷以上の場合に異常燃焼が発生することを防止できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本発明の予混合圧縮自着火(HCCI:Homogeneous Charge Compression Ignition)を実施する内燃機関の制御装置を図1に示す。
(制御装置10)
第1実施形態の制御装置10は、吸気、圧縮、膨張、排気の1連の行程を繰り返すガソリンエンジン(以下、単に「エンジン」とも言う。)2の燃焼状態を制御する。吸気弁12は、吸気管100からエンジン2に吸気を導入する吸気ポート開閉し、排気弁14はエンジン2から排気管110に排気を排出する排気ポートを開閉する。点火プラグ16は、火花放電によりエンジン2の気筒4内の燃料を強制的に点火する。
バルブタイミング調整装置20は、例えば、ハウジング内にベーンロータを収容し、ハウジングに対するベーンロータの位相を油圧制御する公知の装置である。ハウジングはクランクシャフトとともに回転し、ベーンロータは吸気弁12または排気弁14の一方を開閉駆動するカムシャフトとともに回転する。したがって、バルブタイミング調整装置20は、ハウジングに対するベーンロータの位相を制御することにより、吸気弁12と排気弁14との相対位相差を調整する。
第1燃料噴射弁30は、気筒4の上部に設置され、気筒4内に直接燃料を噴射する。第2燃料噴射弁40は、吸気弁12の上流の吸気ポートに設置され、吸気ポート内に燃料を噴射する。燃料ポンプ32は燃料タンク8の燃料を第1燃料噴射弁30に供給し、燃料ポンプ42は燃料タンク8の燃料を第2燃料噴射弁40に供給する。
後述するように、第1燃料噴射弁30から燃料を噴射する場合、第1燃料噴射弁30は排気行程後半のTDC付近で燃料を噴射する。このとき、図2の(A)に示すように、第1燃料噴射弁30が噴射した噴霧200がピストン6の上端面に衝突しないように、気筒4の上端面に対して噴霧200の角度αを、0°≦α≦10°に設定することが望ましい。
また、第1燃料噴射弁30の噴孔は、図2の(B)に示すように扇形の平型噴霧210を形成する矩形の単孔でもよいし、図2の(C)に示すように丸形噴霧220を形成する複数の丸孔でもよい。
スロットル弁50は、アクセル開度に応じて開度を調整されることにより、吸気管100を流れる吸気量を調整する。
図3に示すように、渦流形成手段としての気流制御弁52は、吸気管100から気筒毎に分岐した2個の吸気ポートのうち、一方の吸気ポートに設置されている。気流制御弁52の開度が調整されることにより、吸気行程において、気流制御弁52が設置された吸気ポートを流れる吸気量が増減する。
図1に示すECU(Electronic Control Unit)80は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の書換え可能な不揮発性メモリ、制御回路、入出力インタフェース等から構成される。ECU80は、吸気圧センサ60、排気温センサ62、排気圧センサ64、ノックセンサ66、回転角センサ68、アクセル開度センサ70等の各種センサの出力信号を入力する。ECU80は、これら各種センサの出力信号に基づいて、エンジン2の運転状態を制御する。
(予混合圧縮自着火燃焼)
次に、予混合圧縮自着火燃焼について説明する。ガソリンエンジン2においても、空燃比がリーンな状態で圧縮自着火燃焼することにより燃費を向上できる。そこで、ガソリンエンジンにおいて圧縮行程で自着火するように、自着火する前に燃料を着火しやすく改質しておくことが考えられる。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、排気行程後半からの所定期間において、バルブタイミング調整装置20を制御して、吸気弁12および排気弁14の両方を閉弁して閉弁期間をオーバラップさせる負のオーバラップ期間(負のオーバラップ期間を「密封期間」とも言う。)を生成する。負のオーバラップ期間において気筒4は気筒密封状態になるので、気筒4内に残留した高温の燃焼ガスである内部EGRガスが圧縮される。その結果、気筒4内は高温高圧状態になる。
ECU80は、気筒密封状態において、第1燃料噴射弁30から例えば3mm3以下の微少量の燃料を噴射する。気筒密封状態において気筒4内は高温高圧になっているので、第1燃料噴射弁30から噴射された燃料は改質され着火し易い状態になる。
また、ECU80は、排気行程後半において、エンジン2の主トルクを発生する燃料噴射を第2燃料噴射弁40に指令する。第2燃料噴射弁40は吸気ポートに噴射するので、第2燃料噴射弁40から噴射された燃料が実際に気筒4内に吸入されるのは、図4の点線230に示す吸気行程である。つまり、第2燃料噴射弁40から噴射される燃料は、第1燃料噴射弁30から噴射される燃料よりも遅れて気筒4内に供給される。
吸気行程から圧縮行程に移行し、気筒4内の圧力および温度が上昇すると、第1燃料噴射弁30から噴射され改質されている燃料が自着火する。第2燃料噴射弁40から噴射された燃料は、第1燃料噴射弁30から噴射され自着火した燃料を火種として燃焼する。これにより、点火プラグ16による火花点火を使用せず、予混合圧縮自着火燃焼を実施できる。
(渦流形成)
点火プラグ16による火花着火燃焼時には、ECU80は気流制御弁52の開度を全開状態にする。この場合、2個の吸気ポートから気筒4内に流入する吸気量はほぼ等しいので、気筒4内に横渦は形成されない。
これに対し、予混合圧縮自着火燃焼を実施する場合、ECU80は、エンジン運転状態に基づいて、気流制御弁52による横渦の形成を制御する。気流制御弁52の開度を絞り気流制御弁52が設置された吸気ポートを流れる吸気量が他方の吸気ポートを流れる吸気量よりも減少すると、図3の矢印90に示すように気筒4内に横渦(スワール)が形成される。気流制御弁52の開度が閉弁方向に絞られるにしたがい、気筒4内の横渦は強くなる。
ただし、予混合圧縮自着火燃焼を実施する場合、常に気流制御弁52の開度を絞って横渦を形成するのではなく、エンジン運転状態によっては、気流制御弁52を全開にして横渦を形成しない場合もある。
次に、ECU80が備える各手段について説明する。ECU80は、ROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に記憶した制御プログラムを実行することにより、以下の各手段として機能する。
(燃焼選択手段)
ECU80は、図5に示すエンジン2の回転数と負荷とのマップに基づいて、点火プラグ16による火花点火燃焼を実施するか、予混合圧縮自着火燃焼を実施するかを判定する。エンジン2の回転数が所定回転数以上または負荷が所定負荷以上の場合、ECU80は、予混合圧縮自着火燃焼に代えて、点火プラグ16を使用する火花点火燃焼を実施する。
(密封制御手段)
燃焼選択手段が予混合圧縮自着火燃焼を選択すると、ECU80は、排気行程の後半において、バルブタイミング調整装置20を制御し、吸気弁12および排気弁14の両方を閉弁して閉弁期間をオーバラップさせることにより気筒4を密封状態にする。燃焼選択手段が火花点火燃焼を選択すると、ECU80は、バルブタイミング調整装置20を制御して気筒4の密封状態を解除し、吸気弁12または排気弁14のバルブタイミングを火花点火燃焼に適したバルブタイミングに設定する。
(噴射制御手段)
燃焼選択手段が予混合圧縮自着火燃焼を選択すると、ECU80は、気筒密封状態である排気行程の後半のTDC付近において第1燃料噴射弁30に燃料噴射を指令する。この場合、第1燃料噴射弁30から噴射される燃料は圧縮自着火燃焼の火種になればよいので、1燃焼サイクルにおける第1燃料噴射弁30の噴射量は微少量である。第1燃料噴射弁30の噴射量は、前述したように、例えば3mm3以下に設定される。
また、ECU80は、第1燃料噴射弁30から燃料を噴射する場合、エンジン2の回転数および負荷に基づいて、噴射量および噴射回数の少なくともいずれか一方を制御する。エンジン2の負荷が増加するにしたがい、予混合圧縮自着火燃焼において急激な燃焼が発生しやすくなる。この場合、ECU80は、1燃焼サイクルにおける第1燃料噴射弁30の噴射量を低減するか、あるいは1燃焼サイクルにおける第1燃料噴射弁30の噴射を複数回に分割するか、あるいは噴射量低減および複数回噴射の両方を実施するかを選択する。
1燃焼サイクルにおける第1燃料噴射弁30の噴射量を低減することにより、改質される燃料量が低減する。これにより、圧縮行程において圧縮自着火の火種が低減するので、異常燃焼を抑制できる。
また、1燃焼サイクルにおける第1燃料噴射弁30の噴射を複数回に分割することにより1回当たりの噴射量が低減するので、第1燃料噴射弁30の各噴射が到達する距離が短くなる。これにより、気筒4内の中心部分の改質燃料の濃度が高く、その周囲の濃度が低い成層分布になる。その結果、圧縮行程において、改質燃料の濃度の高い気筒4内の中心部分が自着火し、自着火した気筒4内の中心部分からその周囲に火炎伝播するので、異常燃焼を抑制できる。
予混合圧縮自着火燃焼ではなく火花点火燃焼を燃焼選択手段が選択すると、ECU80は、第1燃料噴射弁30に燃料噴射を指令しない。
予混合圧縮自着火燃焼または火花点火燃焼のいずれが選択されても、ECU80は、排気行程後半から吸気行程前半において第2燃料噴射弁40にエンジン2の主トルクとなる燃料噴射を指令する。第2燃料噴射弁40から噴射された燃料は、図4の点線230に示すように、第1燃料噴射弁30から噴射された燃料よりも遅れて吸気行程において気筒4内に供給される。
予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域において部分負荷領域の高負荷側は、予混合圧縮自着火により急激な燃焼が発生しやすい領域である。そこで、部分負荷領域の高負荷側において第1燃料噴射弁30の噴射量を低減し、噴射回数を複数回に分割して急激な燃焼を抑制することにより、部分負荷領域のより高負荷側において予混合圧縮自着火燃焼を実施できる。
(渦流制御手段)
ECU80は、エンジン2の回転数および負荷に基づいて、予混合圧縮自着火燃焼を実施するときの気流制御弁52による横渦の形成を制御する。ECU80は、以下のエンジン運転領域に基づいて気流制御弁52の開度を制御する。気流制御弁52の開度は、次回の予混合圧縮自着火燃焼の燃焼サイクルにおいて開度を制御されるまで同じ開度に保持される。ただし、火花点火燃焼が選択されると、気流制御弁52の開度は全開に設定される。
(1)予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低負荷側においては、気筒密封状態において筒内温度および筒内圧が十分に上昇しないので、第1燃料噴射弁30から噴射した燃料が十分に改質せず、圧縮自着火燃焼が不安定になることがある。そこで、低速低負荷運転時には、ECU80は、気筒密封状態において気流制御弁52の開度を絞り中程度の横渦を気筒4内に形成する。これにより、気筒密封状態において第1燃料噴射弁30から噴射され改質された燃料は気筒4内に均質に分布する。その結果、低速低負荷運転においても、圧縮行程において、第1燃料噴射弁30から噴射され気筒4内に均質に分布した改質燃料を火種として、気筒4内で安定した圧縮自着火燃焼を実施できる。
(2)予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低速高負荷側においては、気筒密封状態における燃料の改質程度が低負荷側よりも進行する。したがって、低負荷側と同じように中程度の横渦を形成し、気筒密封状態において第1燃料噴射弁30から噴射され改質された燃料が横渦により気筒4内に均質に分布すると、圧縮行程において急激な燃焼が生じ易くなる。
そこで、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の低速高負荷側において、ECU80は、気筒密封状態において気流制御弁52を駆動しない。これにより、気筒4内に横渦が殆ど形成されない状態になる。その結果、第1燃料噴射弁30から噴射され改質された燃料は気筒4内で均質に拡散せず、噴霧の到達範囲内で改質燃料濃度が高く、到達範囲の外で改質燃料濃度が低い濃度分布が形成される。したがって圧縮行程時において、改質燃料濃度が高い箇所から自着火が生じるので、改質燃料が均質に分布する場合に比べ急激な燃焼となることを防止できる。
(3)予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の高速高負荷側においては、ECU80は、気筒密封状態において気流制御弁52の開度を運転領域の低負荷側よりもさらに絞る。これにより、運転領域の高速高負荷側において気筒4内に形成される横渦の強さは、運転領域の低負荷側で形成される横渦よりも強くなる。その結果、気筒密封状態において第1燃料噴射弁30から噴射され改質された燃料の濃度は、横渦を形成しない場合よりも、気筒4内の中心部分である横渦の中心部分で高く、横渦の外周部分で低い分布となる。
この改質燃料濃度の成層分布により、圧縮行程において気筒4内の中心部分から自着火が発生し、中心部分からその外側に火炎伝播により燃焼が広がる。これにより、予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域の高速側かつ高負荷側において、急激な燃焼を抑制できる。
予混合圧縮自着火燃焼を実施する運転領域において部分負荷領域の高負荷側は、前述したように予混合圧縮自着火により急激な燃焼が発生しやすい領域である。そこで、部分負荷領域の低速高負荷側では気流制御弁52による横渦の形成を中止して急激な燃焼を抑制し、部分負荷領域の高速高負荷側では低速低負荷領域よりも横渦を強くして急激な燃焼を抑制することにより、予混合圧縮自着火燃焼を実施できる運転領域をより高負荷側に広げることができる。
(燃焼制御)
次に、ECU80が実行するエンジン2の燃焼制御について、図6の燃焼制御ルーチンに基づいて説明する。図6の燃焼制御ルーチンは1燃焼サイクル毎に実行される。図6において「S」はステップを表している。
図6のS300においてECU80は、アクセル開度センサ70の出力信号に基づいてアクセル開度を検出し、回転角センサ68の出力信号に基づいてクランク角を検出する。そして、S302においてECU80は、アクセル開度に基づいてエンジン2の負荷(KL)を算出し、単位時間当たりに回転するクランク角に基づいてエンジン回転数(NE)を算出する。
ECU80は、S304において図5に示す運転状態マップを参照し、S306において、S302で算出したエンジンの負荷と回転数とが図5において予混合圧縮自着火(HCCI)燃焼領域または火花点火燃焼領域のいずれに含まれるかを判定する。例えば、エンジン回転数が所定回転以上またはエンジン負荷が所定負荷以上であれば火花点火燃焼領域であると判定し、エンジン回転数が所定回転より低く、かつエンジン負荷が所定負荷より低い場合は予混合圧縮自着火燃焼領域であると判定する。この場合の所定回転数および所定負荷は、予混合圧縮自着火燃焼領域と火花点火燃焼領域との境界値である。
現在のエンジン2の負荷および回転数が火花点火燃焼領域に含まれる場合(S306:No)、S308においてECU80は、バルブタイミング調整装置20を制御して気筒4の密封状態を解除し、火花点火燃焼に適した吸気弁12および排気弁14のバルブタイミングを設定する。火花点火燃焼の場合、ECU80は第1燃料噴射弁30に燃料噴射を指令せず、第2燃料噴射弁40だけに燃料噴射を指令する。そして、S310においてECU80は、点火プラグ16への通電を制御して火花点火燃焼を実施し本ルーチンを終了する。
現在のエンジン2の負荷および回転数が予混合圧縮自着火燃焼領域に含まれる場合(S306:Yes)、S312においてECU80は、バルブタイミング調整装置20を制御し、排気行程の後半から所定期間において吸気弁12および排気弁14の閉弁期間をオーバラップさせて気筒4を密封状態にする。そして、S314においてECU80は、S302で算出したエンジン2の負荷(KL)と所定負荷(KL1、図5参照)とを比較するとともに、S304で算出したエンジン2の回転数(NE)と所定回転数(NE1、図5参照)とを比較する。
S314の判定によりKL<KL1であれば、ECU80は、エンジン2の運転領域は予混合圧縮自着火燃焼領域の低負荷側であると判断し、S316において気流制御弁52の開度を絞り中程度の横渦を気筒4内に形成する。これにより、予混合圧縮自着火燃焼領域の低負荷側において、排気行程後半のTDC付近で第1燃料噴射弁30から噴射され改質される燃料が、気筒4内に均質に分布する。
その結果、低負荷側の運転領域において、第1燃料噴射弁30から噴射され気筒4内に均質に分布した改質燃料を火種として、気筒4内で安定した圧縮自着火燃焼を実施できる。
また、S314の判定によりKL≧KL1であり、かつNE<NE1であれば、ECU80は、エンジン2の運転領域は予混合圧縮自着火燃焼領域の低速高負荷側であると判断し、S318において気流制御弁52を全開にする。これにより、気筒4内に横渦は形成されない。
その結果、第1燃料噴射弁30から噴射され改質された燃料は気筒4内で拡散せず、噴霧の到達範囲内では改質燃料濃度が高く、到達範囲の外で改質燃料濃度が低い濃度分布が形成される。したがって圧縮行程時において、改質燃料濃度が高い箇所から自着火が生じるので、改質燃料が均質に分布する場合に比べ急激な燃焼となることを防止できる。
また、S314の判定によりKL≧KL1であり、かつNE≧NE1であれば、ECU80は、エンジン2の運転領域は予混合圧縮自着火燃焼領域の高速高負荷側であると判断し、S320において気流制御弁52の開度をS316よりもさらに絞り、低負荷側よりも強い横渦を気筒4内に形成する。
これにより、気筒密封状態において第1燃料噴射弁30から噴射され改質された燃料の濃度は、横渦を形成しない場合よりも、気筒4内の中心部分である横渦の中心部分で高く、横渦の外周部分で低い分布となる。この改質燃料濃度の成層分布により、圧縮行程において気筒4内の中心部分から自着火が発生し、中心部分からその外側に火炎伝播により燃焼が広がる。これにより、予混合圧縮自着火燃焼領域の高速高負荷側において急激な燃焼を抑制できる。
S316またはS318またはS320で気流制御弁52を制御すると、S322においてECU80は、S302で算出したエンジン2の負荷(KL)に基づいて、第1燃料噴射弁30の噴射量および噴射回数の少なくとも一方を制御する。ECU80は、エンジン負荷の増加に応じて、ECU80は第1燃料噴射弁30の噴射量を低減する。また、エンジン負荷の増加に応じて、ECU80は第1燃料噴射弁30の噴射回数を増加する。
以上説明した第1実施形態では、ECU80は、エンジン2の回転数および負荷に基づいて、改質燃料となる燃料噴射を実施する第1燃料噴射弁30の噴射量および噴射回数の少なくとも一方を制御する。さらにECU80は、エンジン2の回転数および負荷に基づいて気流制御弁52の開度を制御し、気筒4内に形成される横渦の有無、および強度を制御する。これにより、異常燃焼を抑制し、予混合圧縮自着火燃焼を安定して実施できる運転領域を高負荷側に広げることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態によるエンジン2の燃焼制御について、図7の燃焼制御ルーチンに基づいて説明する。尚、図7のS330〜S352における処理は図6のS300〜S322と実質的に同一処理であるから、説明を省略する。
ECU80は、S330〜S352(S338、S340を除く)において、気流制御弁52による横渦の形成を制御し、第1燃料噴射弁30の噴射量および噴射回数の少なくともいずれか一方を制御して予混合圧縮自着火燃焼を実施した後、S354においてノックセンサ66(図1参照)の出力信号を検出する。そして、S356においてECU80は、ノックセンサの出力信号に基づいて予混合圧縮自着火燃焼により異常燃焼が発生したかを判定する。異常燃焼が発生していない場合(S356:No)、ECU80は本ルーチンを終了する。
異常燃焼が発生している場合(S356:Yes)、S358においてECU80は、エンジン2の負荷(KL)および回転数(NE)に基づいて、第1燃料噴射弁30の噴射時期、噴射量、噴射回数を制御して予混合圧縮自着火燃焼を実施する。
具体的には、S344の判定結果に基づいてS348を実施して横渦を形成しない場合、S358においてECU80は、次の燃焼サイクルにおいて第1燃料噴射弁30の噴射量を低減して予混合圧縮自着火燃焼を実施する。S352において第1燃料噴射弁30の噴射量を低減している場合は、さらに噴射量を低減する。この場合、ECU80は、S348を実施して横渦を形成せず、S358で第1燃料噴射弁30の噴射量を低減したことをフラグ等に記憶して本ルーチンを終了する。
そして、次の燃焼サイクルにおいてS330からの処理を実施してS358に処理が移行した場合、図7のルーチンを前回実行したときにS348を実施して横渦を形成せず、S358で第1燃料噴射弁30の噴射量を低減したことをフラグから知ると、第1燃料噴射弁30の噴射量を低減するとともに、燃料噴射を複数回に分割して予混合圧縮自着火燃焼を実施し、本ルーチンを終了する。S352において第1燃料噴射弁30の噴射を複数回に分割している場合は、分割数を増加する。
また、S344の判定結果に基づいてS350を実施して強い横渦を形成した場合、S358においてECU80は、次の燃焼サイクルにおいて第1燃料噴射弁30の噴射時期を排気行程後半のTDC付近の筒内圧がより高い時期に設定する。これにより、第1燃料噴射弁30から噴射される燃料の到達距離がさらに短くなる。その結果、強い横渦が形成されている状態で、気筒4の中心部分において改質燃料の濃度が高い成層分布を保持しやすくなる。これにより、圧縮行程において急激な燃焼が発生することをより抑制できる。ECU80は、S350を実施して強い横渦を形成し、S358で第1燃料噴射弁30の噴射時期を排気行程後半のTDC付近の筒内圧がより高い時期に設定したことをフラグ等に記憶して本ルーチンを終了する。
そして、次の燃焼サイクルにおいてS330からの処理を実施してS358に処理が移行した場合、図7のルーチンを前回実行したときにS350を実施して強い横渦を形成し、S358で第1燃料噴射弁30の噴射時期を排気行程後半のTDC付近の筒内圧がより高い時期に設定したことをフラグから知ると、前述したS348を実施して横渦を形成せずにS358に処理が移行した場合と同様の噴射量制御および噴射回制御を実施して本ルーチンを終了する。
第2実施形態では、予混合圧縮自着火燃焼を実施したときの燃焼状態をノックセンサの出力信号に基づいて検出することにより、より高精度に第1燃料噴射弁30からの噴射制御を実施できる。これにより、予混合圧縮自着火燃焼が可能な運転領域をより高負荷側に広げることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による内燃機関用制御装置を図8に示す。尚、第1実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。
前述したように、第1、第2実施形態では、排気行程後半から所定期間形成される気筒密封状態において第1燃料噴射弁30から噴射された燃料が改質され、圧縮行程後半において自着火する改質燃料を火種として予混合圧縮自着火燃焼が実施される。
ここで、気筒密封状態において内部EGRガス温度、つまり筒内温度が所定温度以上の場合、第1燃料噴射弁30が噴射した燃料の改質が吸気行程においても継続し、改質が過度に進行するおそれがある。燃料の改質が過度に進行すると、圧縮行程後半の所望のクランク角に到達する前に改質燃料が自着火するという問題が生じる。
そこで、気筒密封状態における筒内温度を推定し、筒内温度が所定温度以上の場合、吸気弁12が開弁して気筒密封状態が解除されるときの吸気を制御して吸気行程における筒内温度を低下させることにより、燃料の改質の進行を停止することが考えられる。
例えば、気流制御弁52の開度を全開方向に微調整し、吸気ポートにおける吸気抵抗を低減して吸気量を増加することにより筒内温度を低下させてもよい。また、気筒密封状態を解除する吸気弁12の開弁時期を進角させ、気筒内に早めに吸気を導入して筒内温度を低下させてもよい。また、吸気量の増加と吸気導入の進角とを組み合わせてもよい。
ECU80は、筒内温度が所定温度以上であれば吸気を制御して筒内温度を低下させるために、ROMまたはフラッシュメモリ等の記憶装置に記憶した制御プログラムを実行することにより、以下の各手段として機能する。
(筒内温度推定手段)
第3実施形態の内燃機関用制御装置120のECU80は、予混合圧縮自着火燃焼を実施する場合、排気ポートに設置した排気温センサ62およびエンジン2に設置した筒内圧センサ122の出力信号に基づいて、第1燃料噴射弁30から燃料を噴射するときの気筒密封状態における気筒4内の温度を推定する。
具体的には、ECU80は、排気温センサ62の出力信号に基づいて、排気弁14が閉弁し気筒密封状態に移行する直前に気筒4から排出される排気温度を、気筒密封状態に移行する初期状態における筒内初期温度(T1)として検出する。さらに、ECU80は、筒内圧センサ122の出力信号に基づいて、気筒密封状態に移行する直前における筒内圧(P1)を検出する。また、ECU80は、回転角センサ68の出力信号に基づいて、気筒密封状態に移行する直前のピストン6の往復移動位置を検出する。ECU80は、ピストン6の往復移動位置に基づいて、気筒密封状態に移行する直前の筒内容積(V1)を算出する。
ECU80は、筒内初期温度(T1)、そのときの筒内圧(P1)および筒内容積(V1)から、次式(1)の気体状態方程式において(m・R)の値を算出する。
T=P・V/m・R ・・・(1)
そして、ECU80は、筒内圧センサ122の出力信号から検出する筒内圧(P)、回転角センサ68の出力信号に基づいて算出する筒内容積(V)、ならびに予め算出しておいた(m・R)の値を式(1)に代入することにより、クランク角毎の筒内温度(T)を式(1)から算出して推定する。
(吸気制御手段)
ECU80は、筒内温度推定手段が推定した筒内温度が所定温度以上であれば、前述したように、吸気量の増加と吸気導入の進角との少なくとも一方を実施して筒内温度を低下させる。
第3実施形態では、第1燃料噴射弁30から噴射された燃料が改質される気筒密封状態における筒内温度を推定することにより、燃料の改質が過度に進行することを防止する。これにより、所望のタイミングで予混合圧縮自着火燃焼を実施できる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、予混合圧縮自着火燃焼を実施するガソリンエンジン2に本発明を適用した例について説明した。これ以外にも、排気行程後半からの所定期間において形成される気筒密封状態中に第1燃料噴射弁から噴射される燃料を改質し、改質燃料が自着火することにより第2燃料噴射弁から噴射された燃料が着火して燃焼する予混合圧縮自着火燃焼を実施するのであれば、ガソリンエンジンに限らず、どのような内燃機関に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、第2燃料噴射弁として、吸気ポートに燃料を噴射する噴射弁を採用した。これに対し、搭載可能であれば、第1燃料噴射弁と同様に筒内噴射を実施する噴射弁を第2燃料噴射弁として採用してもよい。
また、上記実施形態では、2個の吸気ポートの一方に設置した気流制御弁52の開度を調整することにより、気筒4内の横渦を制御した。これに対し、例えば2個の吸気弁12の開閉を電磁駆動等により個別に制御できる構成であれば、気流制御弁52を使用せず、一方の吸気弁を開弁し、他方の吸気弁を閉弁することにより横渦を形成してもよい。また、吸気ポートが1個の場合には、例えば弁開度を絞るときに吸気流れを気筒内の上方に向ける弁構造の気流制御弁を吸気ポートに設置するか、吸気ポートの通路断面の下側部分だけを開閉する気流制御弁を設置することにより、気筒内に縦渦を形成してもよい。
上記実施形態では、密封制御手段、噴射制御手段、渦流制御手段、燃焼選択手段、筒内温度推定手段、吸気制御手段の機能を、制御プログラムにより機能が特定されるECU80により実現している。これに対し、上記複数の手段の機能の少なくとも一部を、回路構成自体で機能が特定されるハードウェアで実現してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
第1実施形態による制御装置を示すブロック図。 (A)は第2燃料噴射弁の噴霧角度を示す説明図、(B)、(C)は噴霧形状を示す説明図。 気流制御弁による横渦の形成を示す説明図。 気筒密封状態、噴射時期を示すタイムチャート。 予混合圧縮自着火領域と火花点火領域を示す説明図。 燃焼制御ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態による燃焼制御ルーチンを示すフローチャート。 第3実施形態による制御装置を示すブロック図。
符号の説明
2:ガソリンエンジン(内燃機関)、10、120:内燃機関用制御装置、12:吸気弁、14:排気弁、16:点火プラグ、20:バルブタイミング調整装置、30:第1燃料噴射弁、40:第2燃料噴射弁、50:吸気弁、52:気流制御弁、80:ECU(密封制御手段、噴射制御手段、渦流制御手段、燃焼選択手段、筒内温度推定手段、吸気制御手段)、90:横渦、100:吸気管

Claims (8)

  1. 予混合圧縮自着火燃焼を実施する内燃機関の燃焼状態を制御する内燃機関用制御装置において、
    前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、
    前記気筒内または吸気管内の一方に燃料を噴射する第2燃料噴射弁と、
    前記気筒内に渦流を形成する渦流形成手段と、
    予混合圧縮自着火燃焼を実施する前記内燃機関の運転領域において、吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置を制御することにより、排気行程後半からの所定期間において前記吸気弁および前記排気弁をともに閉弁して前記気筒を密封状態にする密封制御手段と、
    前記密封状態において前記内燃機関の回転数および負荷に基づいて前記第1燃料噴射弁の噴射量および噴射回数の少なくともいずれか一方を制御して前記第1燃料噴射弁に燃料噴射を指令するとともに、前記第1燃料噴射弁から噴射される燃料よりも遅れて前記内燃機関の気筒内に供給されるタイミングで前記第2燃料噴射弁に燃料噴射を指令する噴射制御手段と、
    前記密封状態において、前記内燃機関の回転数および負荷に基づいて前記渦流形成手段による渦流の形成を制御する渦流制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関用制御装置。
  2. 前記渦流形成手段は前記気筒内に横渦を形成することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用制御装置。
  3. 予混合圧縮自着火燃焼を実施する前記運転領域の高速高負荷側において前記渦流制御手段が前記渦流形成手段を制御して形成する渦流は、前記運転領域の低負荷側において前記渦流制御手段が前記渦流形成手段を制御して形成する渦流よりも強いことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用制御装置。
  4. 予混合圧縮自着火燃焼を実施する前記運転領域の低速高負荷側では、前記渦流制御手段は前記渦流形成手段に渦流の形成を指令しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 前記噴射制御手段は、前記内燃機関の負荷の増加に応じて前記第1燃料噴射弁に複数回噴射を指令することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関用制御装置。
  6. 前記噴射制御手段は、前記内燃機関の負荷の増加に応じて前記第1燃料噴射弁の噴射量を低減することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関用制御装置。
  7. 前記内燃機関の回転数が所定回転数以上または負荷が所定負荷以上の場合、予混合圧縮自着火燃焼に代えて火花着火燃焼を選択する燃焼選択手段をさらに備え、
    前記燃焼選択手段が火花着火燃焼を選択すると、前記噴射制御手段は前記密封状態における燃料噴射を前記第1燃料噴射弁に指令しないことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関用制御装置。
  8. 前記燃焼選択手段が火花着火燃焼を選択すると、前記密封制御手段は前記バルブタイミング調整装置を制御することにより前記密封状態を解除することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関用制御装置。
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