JP2010001439A - ゴム組成物 - Google Patents

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Satoyuki Sakai
智行 酒井
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Abstract

【課題】無機充填剤を配合したゴム組成物において、無機充填剤の分散性を向上すると共に、加工性を向上するようにしたゴム組成物を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対し、無機充填剤を1〜100重量部、脂肪族エステル重合体からなるセグメントとジエン系重合体からなるセグメントを有する共重合体を0.01〜10重量部配合したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物に関し、さらに詳しくは、無機充填剤の分散性を向上すると共に未加硫時の加工性を向上するようにしたゴム組成物に関する。
近年、空気入りタイヤには、燃費性能を高くするためトレッドゴムの補強充填剤として、カーボンブラックの一部又は全部に代えてシリカを配合することによりヒステリシスロス(tanδ)を小さくして転がり抵抗を低減することが行なわれている。また、ゴム強度や耐摩耗性を高くするため、クレイを補強充填剤として配合することがある。しかし、シリカやクレイはゴムに対する分散性が悪いため多量に配合することが難しく、また、混練り加工時にゴム粘度を高くするため加工性が悪いという問題がある。この対策として、シリカやクレイなどの無機充填剤と共に含硫黄シランカップリング剤を配合し分散性を向上することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、含硫黄シランカップリング剤を配合すると早期加硫が起こりやすくなるので配合量が制限されるため、無機充填剤の分散性をさらに向上することが困難であった。また、無機充填剤の配合によりゴム粘度が高くなり、加工性が低下するという問題も十分に解決されていなかった。
特開平7−48476号公報
本発明の目的は、無機充填剤を配合したゴム組成物において、無機充填剤の分散性を向上すると共に、加工性を向上するようにしたゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対し、無機充填剤を1〜100重量部、脂肪族エステル重合体からなるセグメントとジエン系重合体からなるセグメントを有する共重合体を0.01〜10重量部配合したことを特徴とする。
含硫黄シランカップリング剤を、前記無機充填剤配合量の0.1〜10重量%配合することもできる。
前記共重合体は、前記脂肪族エステル重合体からなるセグメントの繰り返し単位とジエン系重合体からなるセグメントの繰り返し単位とのモル比が10:90〜90:10であるとよい。また、前記共重合体はブロック共重合体であることが好ましく、前記脂肪族エステル重合体からなるセグメントの少なくとも1種はポリ乳酸であるとよい。
前記無機充填剤は、シリカ、クレイ、炭酸カルシウム及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種であるとよい。
このゴム組成物は空気入りタイヤを構成するのに好適である。
本発明のゴム組成物によれば、ジエン系ゴム100重量部に対し、無機充填剤を1〜100重量部と共に、脂肪族エステル重合体からなるセグメントとジエン系重合体からなるセグメントを有する共重合体を0.01〜10重量部配合しており、その共重合体は脂肪族エステル重合体セグメントが無機充填剤との親和性が高く、ジエン系重合体セグメントがジエン系ゴムとの親和性が高いという特性を有するため、このような特性をもつ共重合体を介することにより、ジエン系ゴムに対する無機充填剤の分散性を著しく向上することができる。また、無機充填剤の分散性を向上したことにより、ゴム組成物の粘度を低減させるためゴム組成物の加工性を向上することができる。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分にはジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとしては、特に制限されるものではなく、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるゴム成分であればよい。例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。好ましくは天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムがよい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のゴム組成物で配合する無機充填剤としては、シリカ、クレイなどのジエン系ゴムに対する分散性が悪いもののほか、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、タルク、マイカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を例示することができる。なかでも、シリカ、クレイ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛が好ましい。これらの無機充填剤は単独で用いてもよいし、複数の種類を共に使用してもよい。
本発明において好適に使用するシリカは、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、無水微粉ケイ酸、含水微粉ケイ酸等を例示することができる。また、クレイとしては、例えばカオリンクレイ、焼成クレイ、ロウ石クレイ、合成含水ケイ酸アルミニウム等を例示することができる。
無機充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し1〜100重量部、好ましくは10〜80重量部である。無機充填剤の配合量が1重量部未満であると、ゴム組成物を補強する効果が十分に得られない。また、シリカの場合、ヒステリシスロス(tanδ)を低減することができない。また、無機充填剤の配合量が100重量部を超えると、分散性が悪化すると共にゴム組成物の粘度が大きくなるため加工性が悪化する。
脂肪族エステル重合体からなるセグメントとジエン系重合体からなるセグメントを有する共重合体は、ジエン系ゴムに対する無機充填剤の分散性を向上する作用を行なう。すなわち、共重合体中の脂肪族エステル重合体セグメントは無機充填剤との親和性が高く、ジエン系重合体セグメントはジエン系ゴムとの親和性が高いという特性を有しているため、この共重合体を媒体としてジエン系ゴムに対する無機充填剤の分散性を著しく向上する。無機充填剤の分散剤としては、従来は硫黄含有シランカップリング剤が多く使用されていたが、この脂肪族エステル重合体セグメントとジエン系重合体セグメントからなる共重合体を使用すると、含硫黄シランカップリング剤を配合した場合と比べて、より高い無機充填剤の分散性を与えることができる。また、ゴム組成物の粘度を低くする効果にも優れ、含硫黄シランカップリング剤と異なり硫黄を含まないため、配合量を多くしてもゴム組成物の混合中に早期加硫(スコーチ)を起こすことがない。
脂肪族エステル重合体セグメントとジエン系重合体セグメントを有する共重合体の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜4重量部である。共重合体の配合量が0.01重量部未満であると、ゴム組成物中の無機充填剤の分散性を向上する効果が得られないと共にゴム組成物の粘度を低減することができないため加工性が悪化する。また、共重合体の配合量が10重量部を超えると、効果が頭打ちになり、経済性が悪くなる。
本発明のゴム組成物で使用する共重合体を構成する脂肪族エステル重合体セグメントは、アルキレン基の炭素数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6である脂肪族ポリエステルにより構成される。アルキレン基の炭素数を小さくすることにより、エステル基の密度が高くなるので無機充填剤との親和性を一層高くすることができる。このような脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシブチレートなどのポリヒドロキシアルキレート、ポリε−カプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリブチロラクトン、ポリプロピオラクトンなどのポリラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヘキサンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサンセバケートなどのポリアルキレンアルキレート等が例示される。また、これらを主成分とする他の共重合可能な化合物との共重合体を脂肪族ポリエステルとしてもよい。なかでも脂肪族エステル重合体からなるセグメントとしては、ポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン、ポリブチロラクトン、ポリブチレンサクシネート等が好ましい。特に、脂肪族エステル重合体からなるセグメントは、少なくともポリ乳酸を含むとよい。
また、共重合体を構成するジエン系重合体からなるセグメントは、ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物の重合体からなるセグメントである。ジエン系重合体セグメントは、ジエン化合物の単独重合体であっても、エチレンや炭素数3〜8のα−オレフィンとジエン化合物とのジエン化合物を主成分にした共重合体であってもよい。
本発明のゴム組成物で使用する共重合体は、脂肪族エステル重合体からなるセグメントの繰り返し単位とジエン系重合体からなるセグメントの繰り返し単位とのモル比が、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜70:30であるとよい。脂肪族エステル重合体セグメントの繰り返し単位/ジエン系重合体セグメントの繰り返し単位のモル比が10/90より小さいと、無機充填剤の分散効果が小さくなる。また、モル比が90/10より大きいと、ジエン系ゴムとの共架橋性が悪くなる。なお、脂肪族エステル重合体セグメントの繰り返し単位及びジエン系重合体セグメントの繰り返し単位のモル数は、NMR法により測定するものとする。
脂肪族エステル重合体セグメントとジエン系重合体セグメントからなる共重合体は、脂肪族エステル重合体セグメントの数平均分子量が好ましくは300〜10000、より好ましくは500〜5000にするとよい。脂肪族エステル重合体セグメントの数平均分子量が300未満であると、無機充填剤と相互作用することができなくなる。また、脂肪族エステル重合体セグメントの数平均分子量が10000を超えると、セグメントが剛直になり無機充填剤との親和性が十分に得られなくなる。また、ゴム組成物の発熱性が大きくなり、タイヤ用途で重要な転がり抵抗が悪化する。一方、ジエン系重合体セグメントの数平均分子量は好ましくは1000〜1000000、より好ましくは2000〜100000にするとよい。ジエン系重合体セグメントの数平均分子量が1000未満であると、ジエン系ゴムに対する架橋性が十分に得られなくなり、共重合体とジエン系ゴムとの親和性が不足する。また、ジエン系重合体セグメントの数平均分子量が1000000を超えると、粘度が高く混合時及び加工時に、無機充填剤に接触し分散効果を向上する効果が得られなくなる。なお、脂肪族エステル重合体セグメント及びジエン系重合体セグメントの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用してポリスチレン換算により測定する。
本発明のゴム組成物で使用する共重合体は、脂肪族エステル重合体セグメントとジエン系重合体セグメントとを有するものであれば、ブロック共重合体、ランダムブロック共重合体、グラフト重合体のいずれでもよいが、無機充填剤とジエン系ゴムとの親和性をより高くするためには、脂肪族エステル重合体セグメントとジエン系重合体セグメントとのブロック共重合体が好ましい。
本発明のゴム組成物で使用する共重合体の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常用いられる重合方法を組み合わせて行なうことができる。例えば、(1)ヒドロキシル基を有するジエン系重合体の存在下で、環状ジエステル(ラクチド)又は環状エステル(ラクトン)を重合し、脂肪族エステル重合体セグメントを直接結合する方法、(2)ヒドロキシル基やカルボキシル基を有するジエン系重合体の存在下にα−ヒドロキシ酸の脱水重縮合やα−ヒドロキシ酸エステルの脱アルコール重縮合、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸とを脱水縮合反応を行なう方法、(3)ヒドロキシル基を有するジエン系重合体と末端カルボキシル基を有する脂肪族ポリエステルセグメント前駆体とを、直接エステル結合によって結合する方法、(4)ヒドロキシル基を有するジエン系重合体と末端ヒドロキシル基を有する脂肪族ポリエステルセグメント前駆体とを、例えば、酸クロライド基、イソシアネート基、ハロゲン等を複数有する結合剤或いは環状酸無水物構造を有する結合剤を用いてエステル系結合基、ウレタン系結合基、エーテル系結合基を介して結合する方法、(5)カルボキシル基を有するジエン系重合体と末端カルボキシル基を有する脂肪族ポリエステルセグメント前駆体とを、例えば、ヒドロキシル基を複数有する結合剤を用いてエステル系結合基を介して結合する方法、等が挙げられる。
これらの製造方法の中でも、(1)ヒドロキシル基を有するジエン系重合体の存在下で、ラクチド又はラクトンをエステル結合基を介して重合し直接結合する方法、(2)ヒドロキシル基やカルボキシル基を有するジエン系重合体の存在下に乳酸の脱水重縮合や乳酸エステルの脱アルコール重縮合、脂肪族グリコールと脂肪族ジカルボン酸とを脱水重縮合を行なう方法が合成の容易さの点で好ましい。より好ましくは、分子量の調整の容易さから(1)ヒドロキシル基を有するジエン系重合体の存在下で、ラクチド又はラクトンを重合する製造方法がよい。
上述した本発明で使用する共重合体の製造において、分子内に少なくとも一つのヒドロキシル基を有するジエン系重合体が好適に用いられる。このような分子内にヒドロキシル基を有するジエン系重合体は市販されており、容易に入手可能である。また、市販されていないジエン系重合体も通常知られた重合方法により製造可能である。分子内に少なくとも一つのヒドロキシル基を有するジエン系重合体としては、例えばヒドロキシル基含有ポリブタジエン、ヒドロキシル基含有ポリイソプレン等が例示される。
本発明のゴム組成物において、含硫黄シランカップリング剤を任意成分として併用してもよく、無機充填剤とジエン系ゴムにカップリング作用を与え無機充填剤の分散性を向上すると共に、引張り破断強度や破断伸びなどゴム組成物の強度を向上する。含硫黄シランカップリング剤は多量に配合すると早期加硫を起こしやすい不都合があるが、脂肪族エステル重合体セグメントとジエン系重合体セグメントとを有する共重合体と共に使用するため配合量を削減することができる。含硫黄シランカップリング剤の配合量は、無機充填剤配合量の好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%にする。含硫黄シランカップリング剤が、無機充填剤配合量の0.1重量%より少ないと、含硫黄シランカップリング剤としての作用効果が得られない。また、含硫黄シランカップリング剤が、無機充填剤配合量の10重量%を超えると、シランカップリング剤同士が重合したり、ゴム組成物のスコーチが悪化したりするため所望の効果を得ることができない。
含硫黄シランカップリング剤は、シリカ配合のゴム組成物に使用可能なものであればよいが、例えば、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]ジスルフィド、メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、メルカプトプロピル−トリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィドなどが例示される。なかでも好ましい含硫黄シランカップリング剤はビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィドであり、とりわけビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィドが好ましい。これらの含硫黄シランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のゴム組成物には、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
以上、詳細を説明したように、本発明のゴム組成物は、無機充填剤の分散性を向上するためtanδを小さくしたり、補強性を向上したりする無機充填剤を配合する効果が得られやすくなると共に、ゴム組成物の粘度を低くすることができる。したがって、本発明のゴム組成物を空気入りタイヤに使用した場合には、燃費性能或いは耐久性、タイヤ性能などが優れると共に、ゴム組成物の粘度が低く加工性に優れるため品質安定性を向上することができる。
本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、アンダートレッド部、サイドウォール部、ビードフィラー部、リムクッション部を構成するのに好適である。このような部材を少なくとも一つ備えた空気入りタイヤは、燃費性能或いは耐久性、タイヤ性能などが優れ、品質安定性が優れる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
共重合体の調製
共重合体1
ヒドロキシル基含有ポリブタジエン(出光興産社製水酸基末端液状ポリブタジエン、Poly bd R−45HT、数平均分子量2800)5gとL−ラクチド(武蔵野科学研究所社製)10gをフラスコに入れ、2−エチルヘキサン酸すず触媒(和光純薬社製)0.5gを加え、温度120℃で2時間重合させた。得られた重合体をメタノールに再沈殿した後、テトラヒドロフラン(THF)で未反応ポリブタジエンを除去し生成し共重合体1を得た。得られた共重合体1の乳酸モノマー数とジエンモノマー数をNMR法で分析したところ、乳酸とブタジエンのモル比は、乳酸:ブタジエン=60:40であった。
共重合体2
L−ラクチド10gの代わりにγブチロラクトン(三協化学社製)10gを添加したことを除き、上記共重合体1の製造方法と同様にして、共重合体2を得た。得られた共重合体2のラクトンモノマー数とジエンモノマー数をNMR法で分析したところ、ブチロラクトンとブタジエンのモル比は、ブチロラクトン:ブタジエン=75:25であった。
ゴム組成物の調製
表1,2に示す配合からなる14種類のゴム組成物(実施例1〜10、比較例1〜4)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで145℃、5分間混練し、得られたマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え90℃で3分間混合し、ゴム組成物を調製した。
得られた14種類のゴム組成物(実施例1〜10、比較例1〜4)のムーニー粘度(ML1+4)を下記の方法により測定した。また、各ゴム組成物をそれぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して試験片(加硫ゴムシート:147×147×2mm)を作製した。得られた試験片を透かして目視観察すると本発明のゴム組成物(実施例1〜10)は、比較例のゴム組成物と比べ、光の透過度が大きく無機充填剤の凝集が少ないことが明らかであった。この試験片を使用し無機充填剤の分散性能、引張り破断伸び及び破断強度を下記に示す方法により測定した。
ムーニー粘度(ML1+4
得られたゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4)を、JIS K6300に準拠し、L形ロータ(試験機:島津製作所社製SMV300J)を使用し、予熱時間1分、ローター回転時間4分、温度100℃の条件で測定し、その結果を表1,2に示した。ムーニー粘度が小さいほど粘度が低く、加工性が良好であることを意味する。
無機充填剤の分散性能
無機充填剤の分散性能をISO 11345に準拠し、得られた各試験片の断面を、カーボン分散測定機(Optigrade(Sweden)社製)を使用し、画像解析を行なうことにより、下記式に基づいて10段階評価を行なった。
評点=10−9×(23μm以上の未分散塊の占める画像領域面積)/[0.19×(全体の画像領域面積)]
引張り破断伸び及び破断強度
得られた各試験片の引張り破断伸び及び破断強度を、JIS K6251に準拠し、3号型ダンベル試験片に成形し、引張り速度500mm/分、温度23℃で測定し、その結果を表1,2に示した。
Figure 2010001439
Figure 2010001439
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
SBR:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
シリカ:Rhodia社製ZEOSIL 165GR
クレイ:乾式クレイ、竹原化学社製5号クレー
カップリング剤:ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、デクサ社製Si69
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日本油脂社製ビーズステアリン酸YR
老化防止剤:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
硫黄:軽井沢精錬所社製5%油処理硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
加硫促進剤2:住友化学工業社製ソクシノールD−G

Claims (7)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対し、無機充填剤を1〜100重量部、脂肪族エステル重合体からなるセグメントとジエン系重合体からなるセグメントを有する共重合体を0.01〜10重量部配合したゴム組成物。
  2. 含硫黄シランカップリング剤を、前記無機充填剤配合量の0.1〜10重量%配合した請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記共重合体における前記脂肪族エステル重合体からなるセグメントの繰り返し単位とジエン系重合体からなるセグメントの繰り返し単位とのモル比が10:90〜90:10である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記共重合体がブロック共重合体である請求項1,2又は3に記載のゴム組成物。
  5. 前記脂肪族エステル重合体からなるセグメントの少なくとも1種がポリ乳酸である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記無機充填剤が、シリカ、クレイ、炭酸カルシウム及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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