JP2010000658A - 射出成形機の直圧式型締装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直圧式型締装置の可動盤の直進性をタイバーによる型締ラムの支持とリニアガイド機構による可動盤の支持とにより確保する。リニアガイド機構のピッチング現象を板状のブロックによる可動盤の支持固定により防止する。
【解決手段】可動盤の背面に中央部の型締力伝達部材を介してラム受板を一体的に設ける。ラム受板を上記タイバーに挿通して型締ラムの先端を支持する。可動盤を上記走行台の操作側と反操作側とに立設した支持部材の上端に、盤体両側の突出部を掛け止めて支持部材間の走行台上に設置する。支持部材を横幅の広い板状のブロックにより構成する。ブロック前部を下部を残し切欠して前端縁から突出した据付ブロックに形成する。据付ブロック上を固定盤との間の作業空間として走行台上に立設する。
【選択図】図4

Description

この発明は、固定盤と受圧盤との間に設けた可動盤に、受圧盤側の型締手段の型締ラムを連結した射出成形機の直圧式型締装置に関するものである。
可動盤をタイバーによりガイドしている直圧式型締装置では、型締シリンダからの型締ラムの突出長さが長くなるにしたがってラム先端の荷重が増し、この荷重が金型を取付けた可動盤の荷重に加わってタイバーに作用する。またタイバーには型締時の引張力が作用するので、これらの応力によりタイバーが撓み変形や伸び変形し、可動盤に前倒れの傾き現象が生じて平行度に狂いが起こり、固定盤と可動盤に取付けた金型相互の型閉に不具合が生ずる傾向がある。
このタイバーの変形による影響を受けないように、可動盤をタイバーにルーズに挿通して下端中央部を架台上のリニアガイド機構に直接支持し、型締シリンダ内の前後2箇所に設けたメタルブッシュにより型締ラムをガイドして、固定盤に対する可動盤の平行度の維持を行っている。
トグル式型締装置として、可動盤の荷重によるタイバーの撓みが原因とされる可動盤の高さ位置の変動防止を、トグル機構を連結した可動盤の背面両側に、プラテンサポート材を可動盤と共にタイバーに挿通して設け、そのプラテンサポート材を可動盤に連結するとともに、機台フレーム上のリニアガイド機構により支持して、プラテンサポート材によりタイバーを支えて行っているものがある。
また可動盤の熱膨張による変形が原因とされる可動盤と固定盤の金型相互の位置ずれ防止として、可動盤を型取付盤とその背面に中央部の型締力伝達部材を介して一体的に設けた型締盤とから構成し、その型締盤をタイバーに挿通して受圧盤側のトグル機構と連結する一方、機台上のリニアガイド機構の操作側と反操作側に、支柱部をベース上に逆T状に結合した支持部材を立設して、その中央の支柱部に型取付盤の側面をボルトにより止着し、可動盤の直進性をタイバーとリニアガイド機構の両方をもって保持したものもある。
特開平9−225985号公報 特開2003−266503号公報 特開2006−256034号公報
上記特許文献1に記載の直圧式型締装置では、固定盤に対する可動盤の平行度の維持を、型締シリンダ内の前端部と後方部の2箇所にメタルブッシュを設けて型締ラムをガイドして行っていることから、ラム伸長限の型閉位置まで平行度が維持されるように、メタルブッシュ間のガイド距離を長く設定する必要があり、必然的に型締シリンダと型締ラムは長い大型のものとなるばかりか、シリンダ内の構造も複雑となることから、通常仕様の型締シリンダによる型締装置には採用し難い課題を有する。
上記特許文献2に記載のトグル式型締装置では、可動盤の背面両側のプラテンサポート材が別体で一体化されておらず、個々に可動盤の背面に部分連結されていることから、可動盤の進退移動に伴い連結部位に集中する引張力や押圧力が、タイバーに挿通した両端を支点とする曲げ応力となってプラテンサポート材に作用するようになり、この曲げ応力は左右均等に作用することはないので、両側のプラテンサポート材によるタイバーの支持にも僅かではあるが高低差が生ずるようになる。これが長期の使用によりタイバーの噛りの原因となって、可動盤の円滑な摺動の妨げとなり、さらには平行度の狂いとなって金型相互のずれの原因となる課題を有する。
また特許文献3に記載のトグル式型締装置では、可動盤がタイバーとリニアガイド機構の両方に支持された状態にあるので、可動盤の直進性が確保されるが、リニアガイド機構による型取付板の支持が逆T状形の支持部材の支柱部によることから、可動盤の進退作動に伴い支持部材が受ける引張力や押圧力が、支柱部を梃子としてベースの前後端に交互に作用し、その応力によりリニアガイド機構にピッチンク(縦揺れ)現象が生ずるようになって摺動に不具合が起こり易くなり、またピッチングによる僅かな支柱部の傾きが可動盤の平行度に影響を与えるなどの新たな課題を有する。
この発明は、上記型締装置における課題を解決するために考えられたものであって、その目的は、可動盤の直進性をタイバーによる型締ラムの支持とリニアガイド機構による可動盤の支持とにより確保でき、またリニアガイド機構のピッチンク現象を板状のブロックによる可動盤の支持固定により防止できる新たな射出成形機の直圧式型締装置を提供することにある。
上記目的によるこの発明は、タイバーにより連結して対設した固定盤と受圧盤との間に、可動盤をタイバーに遊嵌して機台上のリニアガイド機構の走行台上に支持し、受圧盤に型締シリンダを固設した型締手段の型締ラムを可動盤に連結した直圧式型締装置において、上記可動盤の背面に中央部の型締力伝達部材を介してラム受板を一体的に設け、そのラム受板を上記タイバーに挿通して型締ラムの先端を支持する一方、可動盤を上記走行台の操作側と反操作側とに立設した支持部材の上端に、盤体両側の突出部を掛け止めて支持部材間の走行台上に設置し、上記支持部材を、走行台の前後に及ぶ長さで前部が下部を残し切欠して前端縁から突出した据付ブロックに形成され、その据付ブロック上を固定盤との間の作業空間として走行台上に立設された横幅の広い板状のブロックにより構成してなる、というものである。
また上記可動盤の両側の突出部は、両側の中央部に下面を盤体中心と同一レベルにして盤体側面の前側縁から盤体後方に長く翼状に突設した長方形の厚板からなり、その厚板を上記支持部材の上端に掛けて止めて、厚板から下の盤体周囲に膨張間隙を空けて支持部材間の走行台上に設置し、多数のボルトにより支持部材に止着して支持部材と一体結合してなる、というものである。
上記構成では、タイバーに挿通したラム受板により型締ラムの先端を支持し、ラム受板を型締力伝達部材を介して連結した可動盤をリニアガイド機構により支持したので、ラム先端がタイバー側とリニアガイド機構側の両方に支持された状態となって、タイバーに掛かる型締ラムと可動盤側の荷重が軽減され、タイバーの撓みによる可動盤の平行度の狂いが解消される。
また可動盤に掛かる荷重が厚板をもって板状のブロック全体に伝達されるので、リニアガイド機構の操作側と反操作側とで均等に受けるようになり、盤体側面の前側縁から盤体後方に長く翼状に突設した長方形の厚板では、支持部材の上端のほぼ全面に接地されることから応力の集中箇所なくなるようになってピッチンク現象が防止され、リニアガイド機構の予圧に変動も起らないので、支持部材の傾きによる可動盤の平行度の変化も防止されるようになる。また支持部材が横幅の広い板状のブロックであっても、ブロック前部の切欠により作業空所が確保されているので、可動盤側の金型の温調配管や各種作業に不都合は来すようなこともない。
図中1は型締装置で、四隅をタイバー2,2により互いに連結して対設した固定盤3と受圧盤4との間に、可動盤5をタイバー2,2に挿通して進退自在に備え、その可動盤5と受圧盤4とにわたり型締手段6が、型締シリンダ6aを受圧盤4に固設し、型締ラム6bを可動盤5に連結して設けてある。
この型締装置1は、固定盤5と受圧盤4とを、機台上面のベースプレート7の前部と後部の両側に立設した支持部材8,8、9,9の上端に、盤体両側の中心部位の突出部3a,3a,4a,4aを載せて、固定盤3はボルトにより固定し、受圧盤4は固定せずに摺動自在に機台上に設置してある。
上記可動盤5の両側面の中央部には、下面を盤体中心と同一レベルにして盤体側面の前側縁から盤体後方に長く翼状に突設した長方形の厚板51a,51aによる突出部51,51が設けてある。また背面にはラム受板10が中央部に介装した型締力伝達部材11により一体的に連結してあり、そのラム受板10に上記型締手段6の型締ラム6bの先端が取付けてある。
可動盤5とラム受板10の両方の四隅にはタイバー2,2が挿通しており、そのタイバー2,2により型締ラム6bの先端をラム受板10を介して支持するようにしてある。また可動盤5の四隅のタイバー挿通孔は、タイバー2,2の干渉を受けないように、タイバー2の直径よりも大径に形成してあり、これにより金型からの伝熱による盤体の熱膨張がタイバー2,2に拘束されることなく、盤体中心から盤体の四方へと生じて、不均一な熱膨張による盤体の反りを防止することができるようにしてある。
可動盤5が進退移動する固定盤3と受圧盤4との間のベースプレート7上には、可動盤5を進退自在に支持するリニアガイド機構12が設置してある。このリニアガイド機構12は操作側と反操作側の両方に並行に敷設したリニアガイドレール12a,12aと、リニアガイド部材12b,12bを間隔を空けて板体前後の下面両側に取付け、そのリニアガイド部材12b,12bをリニアガイドレール12a,12aに摺動自在に嵌合して跨設した走行台13とからなる。なお、走行台13は操作側と反操作側とに跨設せずに、リニアガイドレール12aごとに設けられていてもよい。
走行台13は可動盤5の高さとほぼ寸法を同じくする長スパンのものからなり、操作側と反操作側の台上に可動盤5の支持部材14,14が立設してある。この支持部材14,14は可動盤5の中心部位を型締装置の中心軸線に支える高さで、走行台13の前後に及ぶ長さの横幅の広い板状のブロックからなり、ブロック前部を下部を残し切欠して前端縁14aから突出した据付ブロック14bに形成して、据付ブロック上を作業空所となし、また後端縁14cの下部に据付凹所14dを形成したものからなり、作業空所を固定盤側にして走行台上に立設してある。
因に、図示の支持部材15は、上記走行台13と長さが同じ横幅の広い板状のブロックの前部1/3を下部を残し切欠して、据付ブロック14bとその上の作業空所とに形成し、また前端縁14aと据付ブロック14bの境をハンチに形成して曲げや剪断力に対する抵抗力を増大してある。
上記リニアガイド機構12による支持は可動盤5のみで、可動盤5は背面のラム受板6と共に支持部材間の走行台上に吊り入れられ、両側に突設した上記厚板51a,51aにより、走行台両側の支持部材14,14の上端に掛け止められて、厚板から下の盤体周囲に膨張間隙を空けて支持部材間の走行台上に設置される。この設置の際の位置決めにより盤面を前端縁14aと一致させてから、厚板51a,51aを多数のボルトにより支持部材14,14に止着して、突出部51,51を支持部材14,14に一体結合する。
このような構成では、可動盤5に掛かる荷重は厚板51a,51aをもって板状のブロック全体に伝達され、リニアガイド機構の操作側と反操作側とで均等に受けるようになる。殊に盤体側面の前側縁から盤体後方に長く翼状に突設した長方形の厚板51a,51aでは、支持部材14の上端のほぼ全面に接地されるので、可動盤5からの引張力や押圧力による応力の集中箇所がなくなるようになる。これにより逆T形の支持部材では生じがちなピッチング現象が防止され、支持部材14,14の傾きによる可動盤5の平行度の変化も防止されるようになる。
またタイバー2,2が受ける型締ラム6bの先端荷重は、可動盤5とラム受板10とが連結されていることによって、支持部材14,14を介して機台側が受けるので負担はなく、タイバー3.3に荷重による撓みは生じないことから、型閉位置における可動盤5の高さが常に一定に保たれ、上記横幅の広い板状のブロックによる支持効果と相俟って、長期間にわたり高度の型閉精度の維持が可能となる。また支持部材14,14が横幅の広い板状のブロックであっても、ブロック前部の切欠により作業空所が確保されているので、ブロック前部によって可動盤側の金型の温調配管や各種作業の邪魔になるようなことがない。
この発明に係る射出成形機の型締装置の側面図である。 同上の平面図である。 可動盤の型取付盤側の正面図である。 可動盤とリニアガイド機構の斜視図である。
符号の説明
1 型締装置
2 タイバー
3 固定盤
4 受圧盤
5 可動盤
6 型締手段
7 ベースプレート
10 ラム受板
11 型締力伝達部材
12 リニアガイド機構
12a リニアガイドレール
12b リニアガイド部材
13 走行台
14 可動盤の支持部材
14a 前端縁
14b 据付ブロック
51 可動盤の突出部
51a 厚板

Claims (2)

  1. タイバーにより連結して対設した固定盤と受圧盤との間に、可動盤をタイバーに遊嵌して機台側のリニアガイド機構の走行台上に支持し、型締シリンダを受圧盤に固設した型締手段の型締ラムを可動盤に連結した直圧式型締装置において、
    上記可動盤の背面に中央部の型締力伝達部材を介してラム受板を一体的に設け、そのラム受板を上記タイバーに挿通して型締ラムの先端を支持する一方、
    可動盤を上記走行台の操作側と反操作側とに立設した支持部材の上端に、盤体両側の突出部を掛け止めて支持部材間の走行台上に設置し、
    上記支持部材を、走行台の前後に及ぶ長さで前部が下部を残し切欠して前端縁から突出した据付ブロックに形成され、その据付ブロック上を固定盤との間の作業空間として走行台上に立設された横幅の広い板状のブロックにより構成してなることを特徴とする射出成形機の直圧式型締装置。
  2. 上記可動盤の両側の突出部は、両側の中央部に下面を盤体中心と同一レベルにして盤体側面の前側縁から盤体後方に長く翼状に突設した長方形の厚板からなり、その厚板を上記支持部材の上端に掛けて止めて、厚板から下の盤体周囲に膨張間隙を空けて支持部材間の走行台上に設置し、多数のボルトにより支持部材に止着して支持部材と一体結合してなることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の直圧式型締装置。
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