JP2010000481A - 窒素酸化物浄化用触媒及び窒素酸化物浄化用装置 - Google Patents

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高行 森
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真理 小野
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Abstract

【課題】窒素酸化物の浄化率が高い窒素酸化物浄化用触媒及び窒素酸化物浄化用装置を提供する。
【解決手段】本発明の窒素酸化物浄化用触媒は、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び酸化チタンからなる複合金属酸化物を含有し、その組成が、前記酸化タングステン:5〜15重量%、前記酸化セリウム:10〜30重量%、前記酸化チタン:1〜10重量%、残部酸化ジルコニウムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒素酸化物浄化用触媒及び窒素酸化物浄化用装置に関する。
内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)から排出された排ガス等には、有害物質である窒素酸化物(NOx)が含まれている。近年、このような窒素酸化物を浄化するための窒素酸化物浄化用触媒が開発されており、さらには、窒素酸化物浄化用触媒がハニカム担体に担持されてなる窒素酸化物浄化用装置も開発されている。本出願人は、窒素酸化物浄化用触媒として、アンモニアの存在下で窒素酸化物を浄化する窒素酸化物浄化用触媒(特許文献1,2参照)を開発している。
特開2008−49289号公報 特開2008−49290号公報
ところが、従来の技術にあっては、窒素酸化物の浄化率が低いため、窒素酸化物の浄化率が高い窒素酸化物浄化用触媒及び窒素酸化物浄化用装置の開発が望まれていた。
そこで、本発明は、窒素酸化物の浄化率が高い窒素酸化物浄化用触媒、及び窒素酸化物浄化用装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、アンモニアの存在下で窒素酸化物を浄化する窒素酸化物浄化用触媒であって、酸化タングステン、酸化セリウム、酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる複合金属酸化物を含有し、その組成が、前記酸化タングステン:5〜15重量%、前記酸化セリウム:10〜30重量%、前記酸化チタン:1〜10重量%、残部酸化ジルコニウムであることを特徴とする。
また、本発明に係る窒素酸化物浄化用装置は、前記窒素酸化物用浄化触媒がハニカム担体に担持されてなることを特徴とする。
本発明によれば、窒素酸化物の浄化率が高い窒素酸化物浄化用触媒及び窒素酸化物浄化用装置を提供することが可能となる。
<発明の経緯>
本発明者らは、本発明の実施例として、酸化チタンの濃度(重量%)が異なる窒素酸化物浄化用触媒を複数作製し、脱硝反応試験を行ったところ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び酸化チタンからなる複合金属酸化物を含有する窒素酸化物浄化用触媒において、当該酸化チタンの濃度が1〜10重量%である場合に、窒素酸化物の浄化率を高くすることが可能であることを見出した。
また、本発明者らは、特許文献1,2に開示された発明に基づいて、このような窒素酸化物浄化用触媒においては、酸化タングステンの濃度が5〜15重量%であり、且つ、酸化セリウムの濃度が10〜30重量%であることが好適であると推測した。
本発明者らは、実施例の結果及び前記推測に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明者らは、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び酸化チタンからなる複合金属酸化物を含有する窒素酸化物浄化用触媒において、その組成が、酸化タングステン:5〜15重量%、酸化セリウム:10〜30重量%、酸化チタン:1〜10重量%、残部酸化ジルコニウムである場合に、窒素酸化物の浄化率を高くすることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
<実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。
(1)窒素酸化物浄化用触媒の製法
まず、本発明者らは、次のようにして窒素酸化物浄化用触媒を作製した。すなわち、本発明者らは、酸化ジルコニウム換算で39.3〜50.0g(ただし、酸化ジルコニウム+酸化チタン=50g)に相当する硝酸ジルコニウム、及び酸化セリウム換算で14.3gに相当する硝酸セリウム、さらに酸化チタン換算で0〜10.7gに相当する四塩化チタンをそれぞれ1lの水に溶解してこれらの混合溶液を調製し、当該混合溶液に25%アンモニア水を600g加えて中和処理を行った。次に、本発明者らは、中和処理後の溶液を濾過してから水洗し、水酸化物を得た。続いて、本発明者らは、得られた水酸化物を1lの水に分散させた後、これにWO換算で7.2gに相当するパラタングステン酸アンモニウムを加えて、110℃で恒量になるまで乾燥した。そして、本発明者らは、乾燥物を700℃で焼成し、粉砕することにより、目的とする複合酸化物を得た。なお、得られた窒素酸化物浄化用触媒のBET比表面積は、いずれも30m/g以上であった。
(2)脱硝反応試験の概要
次に、本発明者らは、(1)の製法によって得られた粉末状の窒素酸化物浄化用触媒をハニカム担体(セル構造:6mil/400cpsi)に担持させて、ハニカム状触媒(Fresh)を得るとともに、このハニカム状触媒を750℃で3時間加熱処理してハニカム状触媒(750℃×3h)を得た。続いて、本発明者らは、これらのハニカム状触媒(Fresh)及びハニカム状触媒(750℃×3h)を用いて、脱硝反応試験を行い、模擬ガス条件下で窒素酸化物(NOx)の浄化率を測定した。その測定結果を図1に示す。なお、脱硝反応試験では、模擬ガス(NO=NO=150ppm、NH=300ppm、O=10%、HO=5%及びNバランスからなる混合ガス)を使用し、その空間速度(SV)を60000/h、反応温度を200℃にした。
図1に示すように、酸化チタンの濃度が1〜10重量%の場合には、酸化チタンの濃度がゼロの場合と比べて、ハニカム状触媒(Fresh)及びハニカム状触媒(750℃×3h)は、いずれも窒素酸化物(NOx)の浄化率が向上し、良好な結果(具体的には、窒素酸化物(NOx)の浄化率が50%以上)が得られた。よって、窒素酸化物の浄化率を向上させるためには、酸化チタンの濃度を1〜10重量%にすることが好ましいといえる。
このような実施例の結果を踏まえて、本発明者らは、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及び酸化チタンからなる複合金属酸化物を含有する窒素酸化物浄化用触媒において、当該酸化チタンの濃度が1〜10重量%である場合に、窒素酸化物の浄化率を高くすることが可能であることを見出したのである。
酸化チタン(TiO)の濃度(重量%)と窒素酸化物(NOx)の浄化率との相関関係を示すグラフ。

Claims (2)

  1. アンモニアの存在下で窒素酸化物を浄化する窒素酸化物浄化用触媒であって、
    酸化タングステン、酸化セリウム、酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる複合金属酸化物を含有し、その組成が、前記酸化タングステン:5〜15重量%、前記酸化セリウム:10〜30重量%、前記酸化チタン:1〜10重量%、残部酸化ジルコニウムであることを特徴とする窒素酸化物浄化用触媒。
  2. 請求項1に記載の窒素酸化物用浄化触媒がハニカム担体に担持されてなることを特徴とする窒素酸化物浄化用装置。
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