JP2009545675A - 高温強度が改善された耐熱および耐食性オーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金 - Google Patents
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Abstract
ニッケル含有量が約15%未満の耐熱および耐食性オーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。この合金は、ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、100MPaの応力および750℃の温度において3,000時間を超えるクリープ破断寿命と1×10-3より小さい最小クリープ速度とを有する。この合金は、また、鋳造したままの状態で750℃において130MPaを超える0.2%降伏強度を有し、750℃から900℃までの0.2%降伏強度の低下が20%より小さく、かつ、鋳造後に完全なオーステナイトのミクロ組織を有する。
Description
本発明は、全般的には高温強度が改善されたCF8Cタイプのオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金に関する。さらに具体的には、本発明は、すぐれた高温クリープ強度および耐エージング性を有すると共に、鋳造後および高温のエージング後にデルタフェライトを実質的に全く含まない安定なオーステナイトのミクロ組織を呈するCF8Cタイプのステンレス鋼合金と、それから作製した鋳造製品とに関する。
極端な温度環境に曝露される構成部品に使用するための高強度の耐酸化性および耐き裂性鋳造合金に対する要求が存在する。先進的ディーゼルエンジンは、耐久性および信頼性を犠牲にすることなく、高い燃料効率並びに排気排出物質の低減を維持し続けなければならない。一段と厳しいデューティサイクルの場合は、排気マニホールドおよびターボチャージャハウジングの材料は750℃を超える温度に耐えることが要求される。このような材料は、長時間にわたる定常的な高温度への曝露と、急速かつ厳しい熱サイクルとの両方に耐えなければならない。新しい排出物質低減技術および一時的な出力急上昇は、これらの重要な構成部品の温度をますます高く押し上げる可能性がある。ディーゼルエンジンの構成部品用として選択される現在の材料はシリコン−モリブデン(SiMo)鋳鉄であるが、使用条件はその高温強度および腐食限界を超えつつある。ニッケルベースの超合金は、そのすぐれた高温特性のためにガスタービンのような他の高温用途に対する候補材料であるが、ニッケルのコストによってニッケルベースの超合金は高価なものになり、タービンの製造者は、ケーシングおよび大きな構造部品用の低コストの選択肢を探索している。このような材料問題はディーゼルエンジンおよび燃焼タービンだけのものではない。先進的な天然ガス往復動機関を用いる分散型発電の用途も、効率と稼動温度との上昇を期待し得る低コストの高温可能材料を必要としている。これらの用途のための新しい材料は、いずれにしても、低コストでありかつ良好な耐高温クリープ性および耐疲労性を有するべきである。
これらの構成部品は鋳造法で作製されるため、新しい材料は、いかなるものであれ、溶解流動性、耐熱間き裂性および溶接性のような良好な鋳造特性を備えるべきである。鋳造品製造コストにおける重要な因子は、ステンレス鋼鋳鋼品の場合には特に必要になる鋳造後の応力除去または溶体化熱処理である。鋳造後の熱処理の必要性を省くことができれば、鋳造品の製造者に大きな時間および費用の節約をもたらすことになる。これらのコスト節減は、蒸気タービンのケーシングのような大きな炉を必要とする大型の構成部品については一層大きくすることができる。従って、いかなる新しい材料も、鋳造したままの状態で、すなわち鋳造後熱処理の必要なしに、所要の特性を有するべきである。
CF8Cは、比較的安価な、市場で入手し得るオーステナイト系ステンレス鋼の鋳鋼品である。しかし、CF8C鋳造品は1050℃で溶体化処理することが標準的な手順となっており、これは、上記のように、いくつかの用途においてはコスト増大をもたらす可能性がある。現在利用可能なCF8Cオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼品は、18重量%から21重量%までのクロム、9重量%から12重量%までのニッケル、および、少量の炭素、ケイ素、マンガン、リン、硫黄並びにニオブを含むことができる。CF8Cは、通常、約2重量%のケイ素、約1.5重量%のマンガンおよび約0.04重量%の硫黄を含む。CF8Cは、500℃以下の温度の用途に最も適した、ニオブ安定化グレードのオーステナイト系ステンレス鋼である。CF8Cは、標準的な形態においては、600℃を超える温度における強度が乏しい。また、CF8Cは、700℃を超える温度で十分な耐繰り返し酸化性を示さず、十分な延性を備えず、高温エージング後に当初のミクロ組織の必要な長期安定性を有しておらず、厳しい熱サイクルにおける長期的な耐き裂性を欠いている。
CF8Cなどのオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼品においては、鋳造したままのミクロ組織にはデルタフェライトが存在する。ミクロ組織中のこのデルタフェライトは、長期間高温に曝露するとシグマ(σ)相に変態し、特に低温または大気温度における材料の延性を減少させる。鋳造したままの状態のミクロ組織および高温への長期曝露(高温エージング)後のミクロ組織にデルタフェライトおよびシグマ相が存在しないことは、材料から作製した構成部品の寿命の間、材料の鋳造時の特性を維持するための重要な利点である。
(特許文献1)に1つのクラスのステンレス鋼合金が記載されている。(特許文献1)はステンレス鋼合金の耐ゴーリング性および耐腐食性の改善を目指している。2.25%を超える濃度のケイ素が、合金の耐ゴーリング性の改善に重要な役割を担う。ケイ素は、また鋼鋳造の金属の流動性にとっても重要である。しかし、ケイ素は、鋼中のフェライトとシグマ相とニオブリッチ線または他のケイ化物との形成を促進し、フェライト容積の測定によれば、(特許文献1)に記載される合金の異なるヒートにおいて2.3パーセントおよび7パーセントの間のフェライト容積を示している。前記のように、フェライトおよびシグマ相の存在は、高温に曝露される鋼の性質を劣化させる。別のクラスのステンレス鋼合金が(特許文献2)に記載されている。(特許文献2)に記載される合金の場合は、良好な耐ピッチング性および耐酸腐食性のために、炭素濃度が0.06%に制限され、モリブデン濃度が2%および4.5%の間に維持される。(特許文献2)に記載される合金は、その機械的性質を改善するため鋳造後の応力除去熱処理を行うものとしている。
従って、良好な鋳造性を備え、鋳造したままの状態で600℃を超える温度における強度およびクリープ特性が改善された修正CF8Cタイプの鋳鋼合金であって、鋳造後および高温エージング後に安定かつ完全なオーステナイトのミクロ組織を呈し、その結果、改善された材料の強度および延性が合金の全寿命にわたって維持されるような鋳鋼合金を利用し得ることが望まれる。完全なオーステナイトのミクロ組織という用語は、鋼のデルタフェライトおよびシグマ相を実質的に含まないほぼ100%のオーステナイトのミクロ組織を言うものとする。
本発明の合金系は上記の問題点を1つ以上解決することを目指している。
本発明は、1つの態様において、ニッケル含有量が約15%より低い耐熱および耐腐食性のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金を目指している。この合金は、鋳造したままの状態において完全なオーステナイトのミクロ組織を有し、かつ、ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、35MPaの応力および850℃の温度において20,000時間を超えるクリープ破断寿命を有する。
本発明は、別の態様において、ニッケル含有量が15%より低い耐熱および耐腐食性のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金を目指している。この合金は、ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、100MPaの応力および750℃の温度において3,000時間を超えるクリープ破断寿命と1×10-3より小さい最小クリープ速度とを有する。この合金は、また、鋳造したままの状態で750℃において130MPaを超える0.2%降伏強度を有し、750℃から900℃までの0.2%降伏強度の低下が20%より小さく、さらに、鋳造後に完全なオーステナイトのミクロ組織を有する。
本発明は、さらに別の態様において、ニッケル含有量が約15%より低くかつ完全なオーステナイトのミクロ組織を有する耐熱および耐腐食性のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金から作製した製品を目指している。この製品も、鋳造後および750℃における3000時間の高温エージング後に測定装置で測定した場合、フェライトまたはマルテンサイトのような検知可能な強磁性相を全く示さない。この製品は、ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、35MPaの応力および850℃の温度において20,000時間を超えるクリープ破断寿命を有し、かつ、ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、100MPaの応力および750℃の温度において2000時間を超えるクリープ破断寿命と5×10-3より小さい最小クリープ速度とを有する。
本明細書は、また、鋳造したままの状態において完全なオーステナイトのミクロ組織を有する耐熱および耐腐食性のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金を開示する。この合金は、約0.05重量パーセントから約0.15重量パーセントまでの炭素と、約1.5重量パーセントから約3.5重量パーセントまでの銅と、約0.25重量パーセントから約1.0重量パーセントまでのタングステンと、約0.6重量パーセントから約1.5重量パーセントまでのニオブとを含む。
CF8Cは、タイプ347ステンレス鋼の伝統的な等価鋳造品である。CF8C−Plusの化学組成はCF8Cの組成に基づいているが、ニッケル(Ni)とマンガン(Mn)と窒素(N)とを正確に添加し、さらにこれに、ケイ素(Si)の低減と他の重要度の低い合金元素の調整とを組み合わせている。この合金の修正は、CF8C鋼の高温の機械的性質および鋳造特性を、安価な合金元素によって鋳造後の熱処理を必要とすることなく改善するために行われたものである。
表Iは、本発明に従って調合される成分元素の最大および最小範囲を示す。表Iは、また(「合金例」表記の欄において)本発明に従って作製される合金の実施態様の1つの例を含んでいる。本発明が包含する実施態様は、表Iに示す最小および最大範囲内に含まれる成分範囲の任意の部分的組み合わせを有する合金を含む。コバルト(Co)、バナジウム(V)およびチタン(Ti)の許容範囲は、得られる材料の性能を大きくは変えない可能性があることに留意するべきである。具体的には、現在の情報によれば、Coは0から約5重量パーセントまでの範囲内で、Vは0から約3重量パーセントまでの範囲内で、Tiは0から約0.2重量パーセントまでの範囲内で、合金の性能を大きく変えることなく変化せせることができる。
材料の機械的性質およびクリープ挙動に対するこれらの修正の効果を調べるために、機械的試験を実施し、修正合金(CF8C−Plusと命名)の標本の試験結果を、従来型のCF8C鋼合金の試験結果と比較した。従来型のCF8CおよびCF8C−Plusの材料の標本は、遠心鋳造法によって実験用として鋳造した。表Iは、この調査試験に使用したCF8CおよびCF8C−Plus鋼合金の組成も示している。
図1aは、研磨および腐食処理した典型的な鋳造したままのCF8C合金のミクロ組織を示し、図1bは、研磨および腐食処理した典型的な鋳造したままのCF8C−Plus合金のミクロ組織を示す。鋳造したままのCF8C合金のミクロ組織は、デンドライト間の芯部領域におけるデルタフェライト10のプールと、デンドライト間の領域における炭化ニオブ(NbC)12とを有するオーステナイト生地組織を含む。これと対照的に、鋳造したままのCF8C−Plus合金のミクロ組織はいかなるデルタフェライト10も示していない。CF8C−Plus合金のミクロ組織は、デンドライト間の領域に炭化クロム(Cr23C6)およびNbC12の混合物を含む完全なオーステナイト組織である。CF8CおよびCF8C−Plus鋳鋼両者のフェライト含有量の測定には、Fisher(登録商標)社のデジタル式フェライトスコープ(Feritscope:登録商標)を用いた。CF8Cは、約14%のデルタフェライトに相当する約16.8+/−1.1のフェライト番号を有し、CF8C−Plusは検知可能な強磁性挙動をなんら示さない。これは、CF8C−Plusのデルタフェライト含有量が約0.1%より低いことを意味している。これらの巨視的測定および顕微鏡調査によって、鋳造したままの状態のCF8C−Plus材料は、鋳造したままの状態においてデルタフェライト10を実質的に含まないことが示されている。
CF8CおよびCF8C−Plus鋼のエージングの間のミクロ組織の変化を調査するために、砂型鋳造のキールバーを水晶の管の中に封入して真空にし、アルゴンを詰め戻して、これを、箱型大気炉内において750℃で3,000時間エージングした。この供試材を研磨し、グリセリン、塩酸、硝酸および酢酸を容積比3:3:1:1で混合した腐食液によって光学顕微鏡用に腐食処理した。研磨して腐食処理しない供試材について、反射電子(backscatter electron:BSE)撮像法によって走査電子顕微鏡法(Scanning Electron Microscopy:SEM)分析を実施し、重要部位についてはエネルギー分散型X線分光法(x−ray energy dispersive spectroscopy:XEDS)を実施した。
図2aは、典型的なCF8C合金の高温エージング前のミクロ組織のBSE像を示し、図2bは、典型的なCF8C合金を750℃で3,000時間高温エージングした後のミクロ組織のBSE像を示す。図2aおよび2bを比較すると、エージングされた材料のデルタフェライト10におけるBSE像コントラストの変化が示されている。エージングされた材料のこの領域のXEDS分析の結果、この領域が、鋳造したままの組織に見られるデルタフェライト10に比較してケイ素(Si)およびクロム(Cr)リッチになっていることが示されている。また、図2aおよび2bを比較すると、デルタフェライト10が高温エージング後シグマ相14に変態していることが示されている。相の化学組成と、ステンレス鋼においてはデルタフェライト10が急速にシグマ相14に変態し得るという知見とに基づいて、750℃での3,000時間のエージングによってCF8C鋼のデルタフェライト10の大部分がシグマ相14に変態することが結論される。この領域からの電子線回折パターンを透過電子顕微鏡法(transmission electron microscopy:TEM)によって調べ、体心正方晶(body centered tetragonal:bct)のシグマ相の存在を確認した。
図3aは、典型的なCF8C−Plus合金の高温エージング前のミクロ組織のBSE像を示し、図3bは、典型的なCF8C−Plus合金を750℃で3,000時間高温エージングした後のミクロ組織のBSE像を示す。図2aおよび図2bに示すCF8C合金とは対照的に、図3aおよび図3bのCF8C−Plus鋼合金は、高温エージング後にデルタフェライト10またはシグマ相14の形成を示していない。標本を高温エージングする前後のCF8C−Plus合金の組織は、デンドライト間の炭化物16を含むオーステナイト組織である。エージング後に、炭化物の寸法または形態に明白な変化は観察されなかった。これらの調査は、CF8C−Plus合金が、CF8C合金とは違って、750℃で3,000時間高温エージングした後の鋼にデルタフェライト10またはシグマ相14を実質的に含んでいないことを示している。
遠心鋳造品から、引張、クリープおよび疲労の各供試材を、周囲方向および縦方向の両方位において機械加工して作製した。室温および高温の引張試験はASTM E8およびE21に従って実施した。空気中のクリープ試験は、ASTM E139に従って、供試材の肩部にクリープ変形を測定する伸び計を取り付け、レバーアーム型クリープ試験機において一定荷重を負荷して行った。低サイクル疲労(low cycle fatigue:LCF)およびクリープ疲労(creep−fatigue:C−F)試験は、ASTM E606に従って、サーボ油圧試験装置において、誘導加熱を用いてひずみ制御しながら実施した。クリープ疲労試験については、サイクル中、ひずみを最大引張ひずみに保持した。
表IIは平均的な引張特性を比較する。すなわち、CF8CおよびCF8C−Plus(CF8C+)鋼に関する、温度の関数としての、0.2%オフセット降伏強度(yield strength:YS)と、最大抗張力(ultimate tensile strength:UTS)と、破壊時点のパーセント表示の伸び(Elong.)および破壊時点の断面積のパーセント表示の低減量(RA)として測定される延性とを比較している。CF8C−Plusの平均降伏強度は、700℃を超えてもほとんど変化していないが、CF8C鋼の降伏強度は大幅な弱化を示している。CF8C−Plus鋼の平均最大抗張力は、CF8Cに比べて全温度範囲において高い。この増大は、700℃を超える温度において著しく高くなっている(>70MPa)。伸び、および断面積の低下によって測定される延性は、CF8C−Plusの場合、700℃を超える温度においてCF8Cの場合よりも両方共高い。
表IIIは、種々の応力および温度におけるCF8CおよびCF8C−Plus(CF8C+)合金の平均的なクリープ破断寿命を比較する。表に見られるように、CF8C−Plus鋼のクリープ破断寿命は、あらゆる場合に、CF8C鋼の破断寿命よりも1桁を超えて長い。伸びのパーセント表示の変化および断面積のパーセント表示の変化として測定されるCF8C−Plus鋼のクリープ延性も、CF8C鋼に対して大幅に改善されていることが示されている。ほとんどの場合、CF8C鋼に対するこの延性の改善は100%を超えている。CF8C−Plus鋼の最小クリープ速度もCF8Cの最小クリープ速度に対して大幅な低下を示す。ほとんどの場合に、最小クリープ速度におけるこの低下は、CF8Cの最小クリープ速度よりも1桁を超えて低い。
図4aは、CF8Cを850℃および35MPaで493時間クリープ試験した後のミクロ組織のTEM像であり、図4bは、CF8C−Plusを850℃および35MPaで20,000時間を超えてクリープ試験した後のミクロ組織のTEM像である。図4aおよび4bを比較すると、CF8C−Plus鋼におけるNbC12の沈積は(図4bに示されるように)平均直径が約50ナノメータよりも小さいのに対して、CF8C合金においては、この沈積の平均直径が、僅か493時間の試験後に長い時間間隔をおいた状態で(図4aに示されるように)約250ナノメータよりも大きいことが示されている。
低サイクル疲労に対する効果を調べるために、完全両振り(R比=−1)のひずみ制御低サイクル疲労試験を、650℃および800℃において一定周波数で行った。表IVは、2つの異なる温度における、CF8CおよびCF8C−Plus(CF8C+)鋼の異なるひずみ範囲での低サイクル疲労寿命を比較する。650℃の場合、両材料は高ひずみにおいて類似の挙動を示すが、CF8C−Plus合金は、最も低いひずみ範囲の場合の破損までのサイクルにおいて顕著な改善を示している。同様の結果が800℃においても見られる。
追加的に、低サイクル疲労試験を、0から0.45%ひずみまでのR比(0から0.45%までの全ひずみ)で、750℃においてひずみ速度0.001/秒として行った。このクリープ疲労実験においては、最大ひずみ(0.45%)における180秒保持時間をも利用した。表Vはこれらの結果を示す。低サイクル疲労試験の場合は、CF8Cの破損までのサイクルはCF8C−Plusの破損サイクルの50%であった。両材料共、180秒最大ひずみ保持を加えるとサイクル寿命が低下するが、CF8Cは、CF8C(60%)に比べてより大幅な低下を示す(75%)。CF8C−Plus鋼のクリープ疲労サイクル寿命はCF8C鋼の寿命の3倍であった。
CF8C−Plus材料における別の合金元素の影響も調べた。CF8C−Plus鋼に関する評価用として、4つの別個の合金添加元素B、W、CuおよびAlを選定した。2次的な合金添加元素を含むCF8C−Plusの15ポンドの実験室規模のヒートを、アルゴンのガスカバーを備えた誘導溶融によって調製し、グラファイトブロック(152mm 102mm×25.4mm)の中に鋳造した。1つのヒートはCF8C−Plusの組成に鋳造し、他の4つのヒートにはそれぞれ1つの合金添加元素を含めた。これらの5つの鋳造品の概略測定した組成(重量%)を表VIに示す。‘CF8C+’名の欄は、本発明に従って作製される合金の実施態様の近似的な組成を列挙している。この合金を、合金における添加合金元素の影響を比較するための基準として用いた。‘CF8C+B’、‘CF8C+W’、‘CF8C+Cu’および‘CF8C+Al’名の欄は、それぞれ、CF8C−Plus合金の組成に、約0.005重量パーセントのホウ素、約0.45重量パーセントのタングステン、約2.5重量パーセントの銅および約1.3重量パーセントのアルミニウムを添加して得られる合金の組成を列挙している。
これらの鋳造品には鋳造後の応力除去または溶体化の焼きなまし処理は行っていない。鋳造ブロックから引張バーを機械加工し、これらの材料について引張試験およびクリープ試験を行った。すべての供試材を検査するために選定した試験条件は850℃および75MPaであった。CF8C−Plus材料と同等のクリープ破断寿命を有する合金の標本については、さらに750℃および140MPaで試験した。
表VIIは、CF8C材料に4種の合金元素を添加した場合の引張試験およびクリープ試験の結果を比較している。結果から分かるように、AlおよびBを添加した標本はCF8C−Plus材料より劣るクリープ寿命を示したので、750℃および140MPaでのクリープ試験には選択しなかった。試験結果は、CuおよびWを添加した合金が、高温クリープにおいて、基礎となるCF8C−Plus材料よりも良好な性能を有することを示している。
この結果に基づいて、CF8C−Plus材料にCuおよびWの両者を一緒に添加し、(重量パーセントで)0.09C、3.9Mn、0.46Si、13.1Ni、20.1Cr、0.28Mo、0.008V、0.77Nb、0.28N、2.94Cu、1Wおよび残部はFeの近似的組成を有する合金を得た。鋳造ブロックから引張バーを機械加工し、この新しい合金について引張試験およびクリープ試験を行った。
表VIIIはこの引張試験およびクリープ試験の結果を列挙している。発明者らは、意外にも、CuおよびW両者の同時添加が、材料のクリープ速度を低下させかつクリープ破断寿命を大幅に増大させるという相乗効果をもたらすことを発見した。この合金を顕微鏡分析した結果、そのミクロ組織は、鋳造したままおよび高温エージング後のミクロ組織において、鋼のデルタフェライト10およびシグマ相14を実質的に含まないことが示された。
以上開示した耐熱および耐食性オーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金は、極端な温度および/または極端な熱サイクル条件に曝露されるあらゆる製品の製造に使用可能である。開示した合金はエンジンおよび発電システムの構成部品に使用できるが、本発明はこれらの用途の限定されるわけではなく、当業者には他の用途が明らかになるであろう。
本発明のステンレス鋼合金を採用することによって、製造者は、信頼性および耐久性がより向上した高温部品を提供できる。鋳造後のミクロ組織にデルタフェライト10が存在しないことが、CF8C−Plusにおける安定なオーステナイトのミクロ組織を生成する。デルタフェライト10は長期間の高温曝露の間にシグマ相14に変態して、脆化の原因になる。CF8C−Plusは、デルタフェライトおよびシグマ相を実質的に含まないほぼ100%オーステナイトのミクロ組織を有する。
CF8C−Plus鋼のクリープ延性の改善は、そのクリープ速度が低いことと相俟って、低サイクル疲労寿命およびクリープ破断強度の増大という結果をもたらす。低サイクル疲労寿命およびクリープ破断強度の増大によって、CF8C+から作製された部品の稼動寿命の延長が可能になる。本発明のCF8C−Plus鋼合金のクリープ強度および疲労寿命が従来型のCF8C材料よりも増大することは、この両材料が鋳造品であり、従って、冷却時の転位組織の形成に変形過程が含まれないので意外である。CF8C−Plusの低サイクル疲労寿命およびクリープ破断寿命が従来型のCF8C合金よりも大幅に改善される潜在的な理由は、Mnの存在によってCF8C−Plus合金の積層欠陥エネルギーが変化し、より高エネルギーの積層欠陥を生じさせること、および、合金組成中にマンガンおよび窒素が存在することによって、NbCの核形成が助長されることである。生地組織中におけるNbC12の沈積の寸法および密度も、観察される疲労寿命およびクリープ破断寿命の改善に寄与している可能性がある。このNbC12の微細粒子の存在によって転位が抑制される可能性が高く、それによって、CF8C−Plus合金のクリープ破断寿命が改善される。疲労およびクリープ破断寿命が増大し、クリープひずみ速度が低下し、かつ、高温における0.2%降伏強度の低下が小さいので、エンジンおよびタービン製造者は、エンジンおよびタービンをより高温で作動させることによって動力密度を高め、それによって燃料効率を増大させることが可能になるであろう。
エンジンおよびタービン製造者は、また、従来型の高ケイ素−モリブデン可鍛鋳鉄に比べて高温強度および耐腐食性が増大したため可能になる薄い断面構成によって動力密度を増大させる結果として、構成部品の重量を低減することができる。さらに、本発明のステンレス鋼合金は、他の鋳造ステンレス鋼よりもすぐれた性能を、同等またはより低いコストで提供する。最後に、ここに開示したステンレス鋼合金は、ディーゼル、タービンおよびガソリンエンジン分野における排出物規制への適合において、製造者を支援することになるであろう。
特定の実施態様についてのみ述べたが、代替的な実施態様および種々の変更が、上記の記述から当業者には明らかになるであろう。これらの代替的実施態様および他の実施態様は、等価であって、本発明の本質および範囲内に属するものと見做される。
Claims (10)
- 約15%未満のニッケルを含み、
ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、100MPaの応力および750℃の温度において3,000時間を超えるクリープ破断寿命と1×10-3より小さい最小クリープ速度とを有し、
鋳造したままの状態で750℃において130MPaを超える0.2%降伏強度を有し、
750℃から900℃までの0.2%降伏強度の低下が20%より小さく、かつ、
鋳造後に完全なオーステナイトのミクロ組織を有する、
耐熱および耐食性オーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。 - ASTM E139の試験条件によって35MPaの応力および850℃の温度において20,000時間クリープ試験した後に、ミクロ組織内に、約50ナノメータ以下の炭化ニオブ(12)の沈積をさらに含む、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。
- 約0.05重量パーセントから約0.15重量パーセントまでの炭素と、
約1.5重量パーセントから約3.5重量パーセントまでの銅と、
約0.2重量パーセントから約1重量パーセントまでのケイ素と
をさらに含む、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。 - 約0.1重量パーセントから約1重量パーセントまでのモリブデンと、
約0.1重量パーセントから約1.5重量パーセントまでのニオブと、
約0.25重量パーセントから約1.0重量パーセントまでのタングステンと
をさらに含む、請求項3に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。 - ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、140MPaの応力および750℃の温度において200時間を超えるクリープ破断寿命と5×10-3より小さい最小クリープ速度とをさらに有する、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。
- ASTM E139の試験条件によって鋳造したままの状態でクリープ試験した場合、140MPaの応力および750℃の温度において20%の伸びを超えるクリープ延性をさらに有する、請求項5に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。
- 鋳造したままの状態で750℃において250MPaを超える最大抗張力と、
鋳造したままの状態で900℃において140MPaを超える最大抗張力と
をさらに有する、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。 - 鋳造したままの状態で750℃において引張試験した場合、10%の伸びを超える延性と、
鋳造したままの状態で900℃において引張試験した場合、30%の伸びを超える延性と
をさらに有する、請求項7に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。 - 高温エージング後に完全なオーステナイトのミクロ組織をさらに含む、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼鋳鋼合金から作製された製品。
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