JP2009545527A - 粘膜炎の治療用の組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2006年7月19日に出願された米国仮特許出願第60/831,866号に基づく優先権を主張する。当該仮特許出願は、参照によりここに含めるものとする。
本発明は、粘膜炎の治療方法又は予防方法を提供する。
粘膜炎は、頻繁に起こる耐え難い強化化学療法及び/又は放射線治療の合併症である。口腔粘膜炎は、癌の治療の際の化学療法剤、放射線治療又はこれら2つの手法の組合せにより口腔咽頭上皮組織に対して直接的毒作用がもたらされた結果である。癌の局在によっては、肺癌のための放射線治療後の食道や前立腺癌治療後の直腸において同様の病変が共通して存在する(これらは、特に、それぞれ食道炎及び直腸炎と呼ばれている)。例えば、S.T.Sonis,Nature Reviews,2004,277-284を参照されたい。口腔粘膜が破壊されると、潰瘍を伴う重症患者に共通して、食事に影響を及ぼし且つ多くの場合オピオイド鎮痛薬が必要になる衰弱性の痛みが生じる。患者に対する深刻な脅威は、口腔内における生物学的均衡の崩壊により、片利共生微生物に対して、病原体になる能力、往々にして敗血症を含めた全身性合併症に至らせる能力が突然付与されることである。事実、造血幹細胞移植(HSCT)のために状態が整えられた患者では、口腔粘膜炎は、100日以内に死亡するリスクの増大と関連がある。さらに多くの発熱日数、長期の入院及び非経口栄養への依存のため、罹患患者に対する臨床管理コストの増加はかなりのものとなる。患者に特異的な危険因子に関するサーチについて結論は出ていないが、治療のタイプと治療の強さとの間には何らかの関連があることが実証されている。完全な回復が実現できることは明らかであるものの、根本的な粘膜生物学が永久的に変わってしまう可能性があり、これは再発治療薬に関する口腔粘膜炎についての閾値を減少させる可能性がある。
本発明は、粘膜炎の治療方法又は予防方法を提供する。このような粘膜炎は化学療法又は放射線治療によって誘発され得るものであり、その治療は、本発明の化合物を投与することを含み、治療誘発粘膜炎の発生率を減少させることによって生存率を改善させることを含むことができる。
本発明は、式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物若しくはオキシリピン化合物又はアスピリンとω−3脂肪酸との組合せを投与することを含む、粘膜炎の治療方法又は予防方法を提供する。本願の目的上、粘膜炎とは、癌及び関連する疾患の治療用の放射線又は薬物(化学療法)を投与することにより誘発される又はそれを投与することに関連する粘膜傷害をいう。通常、粘膜炎とは、それ自体、口腔から肛門まで消化管のあらゆる場所にある粘膜の腫瘍形成、組織壊死及び萎縮として示される。例えば、本発明の方法は、放射線治療及び/又は化学療法に関連する潰瘍形成及び組織壊死を治療するために使用できる。
W’及びY’のそれぞれは、結合又は20個までの原子を含有する環又は20個までの原子の鎖から独立に選択されるリンカーであるが、ただし、W’及びY’は、独立して1個以上の窒素原子、酸素原子、硫黄原子又は燐原子を含むことができるものとし、さらに、W’及びY’は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、クロル、ヨード、ブロム、フルオル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル又はスルホニルから独立に選択される1個以上の置換基を含むことができるものとし、さらに、W’及びY’は、独立して、1個以上の炭素環式、複素環式、アリール又はヘテロアリール縮合環を含むことができるものとし、また、o’が0でありV1が
V1は、
V2は、結合、
上記式において、L’は−C(R1003)(R1004)−から選択され、ここで、R1003及びR1004のぞれぞれは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフルオルアルキル、アルコキシ、アリール若しくはヘテロアリールから独立して選択され、又はR1003及びR1004は共に結合して炭素環又は複素環を形成し;V3が
V3は、結合又は
ここで、上記式において、それぞれのR1001及びR1002は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシ又はハロからそれぞれ独立に選択され、この場合、該アルキル又はアリール含有部分は、独立に選択される3個までの置換基で置換されていてよく;
Ra'及びRb'のぞれぞれは、−OR’若しくは−N(R’)2からそれぞれ独立に選択され、又は隣接するRa'及びRb'は一緒になってcis若しくはtrans配置を有するエポキシド環を形成し、ここで、それぞれのR’は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシル、アミノアシル、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル又は保護基から独立に選択され;
或いは、V1が
X’は、−CN、−C(NH)N(R”)(R”)、−C(S)−A’、−C(S)R”、−C(O)−A’、−C(O)−R”、−C(O)−SR”、−C(O)−NH−S(O)2−R”、−S(O)2−A’、−S(O)2−R”、S(O)2N(R”)(R”)、−P(O)2−A’、−PO(OR”)−A’、−テトラゾール、アルキルテトラゾール又は−CH2OHから選択され、
ここで、A' は、−OR”、−N(R”)(R”)又はOM’から選択され;
それぞれのR”は水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル又は検出可能な標識分子から独立に選択され、この場合、任意のアルキル含有部分、アリール含有部分又はヘテロアリール含有部分は、独立に選択される3個までの置換基で置換されていてよく;
M’は陽イオンであり;
G’は、水素、ハロ、ヒドロキシ、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド又は検出可能な標識分子から選択され、ここで、任意のアルキル含有部分、アリール含有部分又はヘテロアリール含有部分は、独立に選択される3個までの置換基で置換されていてよく;
o’は、0、1、2、3、4又は5であり;
p’は、0、1、2、3、4又は5であり;
q’は、0、1又は2であり;
o’+p’+q’は、1、2、3、4、5又は6であり;
ここで、
V2が結合である場合には、q’は0であり、V3は結合であり;
V3が
任意の非環式二重結合はcis若しくはtrans配置であることができ、又は三重結合により置換されていてよく;
当該化合物の一つの
炭素a’及びb’は二重結合又は三重結合により結合し;
炭素c’及びd’は二重結合又は三重結合により結合し;
Re、Rf及びRgは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル(例えば、アルコキシアシル、アミノアシル)、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル又はシリルから独立に選択され;
Rh、Ri及びRjは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフルオルアルキル、アリール又はヘテロアリールから独立に選択され;
Iは−C(O)−E、−SO2−E、−PO(OR)−Eから選択され、ここで、Eはヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はアリールアミノであり;Rは水素又はアルキルであり;
J、L及びHは20個までの原子を含有する環又は20個までの原子の鎖から独立に選択されるリンカーであるが、ただし、J、L及びHは、独立して1個以上の窒素原子、酸素原子、硫黄原子又は燐原子を含むことができるものとし、さらに、J、L及びHは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、クロル、ヨード、ブロム、フルオル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル及びスルホニルから選択される1個以上の置換基を含むことができるものとし、さらに、J、L及びHは1個以上の炭素環式、複素環式、アリール又はヘテロアリール縮合環も含有することができるものとし、また、リンカーJは隣接するC(R)OR基に炭素原子を介して結合するものとし;
Gは、水素、アルキル、ペルフルオルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、クロル、ヨード、ブロム、フルオル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ又はカルボキシアミドから選択される。)、又は
製薬上許容できるそれらの塩が挙げられる。
AはH又は−OP4であり;
P1、P2及びP4はそれぞれ独立に保護基又は水素原子であり;
R1及びR2は、それぞれ独立に置換又は非置換の分岐又は非分岐アルキル、アルケニル又はアルキニル基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換の分岐又は非分岐アルキルアリール基、ハロゲン原子、水素原子であり;
Zは、−C(O)ORd、−C(O)NRcRc、−C(O)H、−C(NH)NRcRc、−C(S)H、−C(S)ORd、−C(S)NRcRc、−CN、好ましくはカルボン酸、エステル、アミド、チオエステル、チオカルボキシアミド又はニトリルであり;
それぞれのRa(存在する場合)は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、(C3〜C8)シクロアルキル、シクロヘキシル、(C4〜C11)シクロアルキルアルキル、(C5〜C10)アリール、フェニル、(C6〜C16)アリールアルキル、ベンジル、2〜6員ヘテロアルキル、3〜8員ヘテロシクリル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニル、4〜11員ヘテロシクリルアルキル、5〜10員ヘテロアリール及び6〜16員ヘテロアリールアルキルから独立に選択され;
それぞれのRbは、存在する場合には、=O、−ORd、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、−OCF3、=S、−SRd、=NRd、=NORd、−NRcRc、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Rd、−S(O)2Rd、−S(O)2ORd、−S(O)NRcRc、−S(O)2NRcRc、−OS(O)Rd、−OS(O)2Rd、−OS(O)2ORd、−OS(O)2NRcRc、−C(O)Rd、−C(O)ORd、−C(O)NRcRc、−C(NH)NRcRc、−C(NRa)NRcRc、−C(NOH)Ra、−C(NOH)NRcRc、−OC(O)Rd、−OC(O)ORd、−OC(O)NRcRc、−OC(NH)NRcRc、−OC(NRa)NRcRc、−[NHC(O)]nRd、−[NRaC(O)]nRd、−[NHC(O)]nORd、−[NRaC(O)]nORd、[NHC(O)]nNRcRc、−[NRaC(O)]nNRcRc、−[NHC(NH)]nNRcRc及び−[NRaC(NRa)]nNRcRcから独立に選択される好適な基であり;
それぞれのRcは、存在する場合には、独立に保護基又はRaであり、或いは2個のRcは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5〜8員ヘテロシクリル又はヘテロアリールであって1個以上の追加のヘテロ原子を有していてよく、かつ、同一の若しくは異なるRa又は好適なRb基の1個以上で置換されていてよいものを形成し;
それぞれのnは、独立に、0〜3の整数であり;
それぞれのRdは、独立に保護基又はRaである。)
又は製薬上許容できるそれらの塩のものが挙げられる。
(上記式において、
P3は保護基又は水素原子であり;
P1、P2、R1及びZは式4において定義したとおりである。)
が挙げられる。
(上記式において、
それぞれのXは水素を表し、或いは両方のX基は、一緒になって3員環を形成するように、1個の置換若しくは非置換メチレン、酸素原子、置換若しくは非置換N原子又は硫黄原子を表し;
P1、P2、P3、R1及びZは上で定義したとおりである。)
が挙げられる。
(式中、
炭素e’及びf’は二重結合又は三重結合により結合し、また、炭素e’が二重結合を介して炭素f’に結合する場合には、その立体配置はcis又はtransであり;
炭素g’及びh’は二重結合又は三重結合により結合し、また、炭素g’が二重結合を介して炭素h’に結合する場合には、その立体配置はcis又はtransであり;
mは0又は1であり;
T’は水素、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、(C5〜C14)アリール、(C6〜C16)アリールアルキル、5〜14員ヘテロアリール、6〜16員ヘテロアリールアルキル又は−CH=CHCH2CH3であり;
Tは−(CH2)q− 又は−(CH2)q−O−であり、ここで、qは0〜6の整数であり;
Z’は1,2、3、4、5又は6個の同一の又は異なるハロゲン原子で置換されていてよい(C1〜C6)アルキレン、−(CH2)p−O−CH2−又は−(CH2)m−S−CH2−であり、ここで、pは0〜4の整数であり;
R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、置換若しくは非置換の分岐若しくは非分岐アルキル、アルケニル若しくはアルキニル基、置換若しくは非置換アリール基、置換若しくは非置換の分岐若しくは非分岐アルキルアリール基、C1〜4アルコキシ、ハロゲン原子、−CH2R14、−CHR14R14、−CR14R14R14又は水素原子であり;
R14はそれぞれ独立に−CN、−NO2又はハロゲンから選択され;
P1、P2、P3及びZは上で定義したとおりである。)
が挙げられる。
(式中、
炭素i’から炭素j’の結合の立体配置はcis又はtransであり;
mは0又は1であり;
D’はCH3、−CH=CHCH2U又は−CH=CHCH2CH2Aであり;
Uは分岐又は非分岐の置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニルオキシ及びアリールオキシカルボニルオキシ基であり;
AはH又は−OP4であり;
P1、P2、P4、R1、R2及びZは上で定義したとおりである。)
が挙げられる。
(式中、
炭素k’及びl’は二重結合又は三重結合により結合し;
炭素m’から炭素n’の二重結合の立体配置はcis又はtransであり;
mは0又は1であり;
Dは−CH3又は−CH=CHCH2CH3であり;
P1、P2、P3、R1、X及びZは上で定義したとおりである。)
が挙げられる。
(式中、P1、P2、P3、R1及びZは上で定義したとおりであり;
Qは1個以上の置換基を表し、それぞれのQ(存在する場合)は、個々に、ハロゲン原子又は分岐若しくは非分岐の置換若しくは非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ又はアミノカルボニル基である。)
が挙げられる。
(式中、炭素o’及びp’は単結合又は二重結合により結合し;
炭素q’及びr’は単結合又は二重結合により結合し;
P1、P2及びZは上で定義したとおりである。)。
(式中、炭素s’から炭素t’の二重結合の立体配置はcis又はtransであり;
炭素u’から炭素v’の二重結合の立体配置はcis又はtransであり;
P1、P2、R1、R2及びZは上で定義したとおりである。)。
(式中、炭素w’及びx’は単結合又は二重結合により結合し;
炭素y’及びz’は単結合又は二重結合により結合し;
P1、P2及びZは上で定義したとおりである。)。
(上記式において、それぞれのPはH又は保護基から独立に選択され;
RはH、C1〜6アルキル(例えば、メチル、エチル、グリセリン)、C2〜6アルケニル又はC2〜6アルキニルである。)。
(式中:
D1−E1及びF1−G1は独立にcis又はtrans−C=C−又は−C≡C−であり;
R101、R102及びR103は、水素、(C1〜C4)直鎖又は分岐アルキル、(C2〜C4)アルケニル、(C2〜C4)アルキニル、(C1〜C4)アルコキシ、−CH2R104、−CHR104R104及び−CR104R104R104から独立に選択され;
それぞれのR104はCN、−NO2及びハロゲンから独立に選択され;
W1は−R105、−OR105、−SR105及び−NR105R105から選択され;
それぞれのR105は、水素、1個以上の同一の又は異なるR基で置換されていてよい、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル又は(C2〜C6)アルキニル、1個以上の同一の又は異なるR基で置換されていてよい(C5〜C14)アリール、1個以上の同一の又は異なるR基で置換されていてよいフェニル、1個以上の同一の又は異なるR基で置換されていてよい(C6〜C16)アリールアルキル、1個以上の同一の又は異なるR基で置換されていてよい5〜14員ヘテロアリール、1個以上の同一の又は異なるR基で置換されていてよい6〜16員ヘテロアリールアルキル及び検出可能な標識分子から独立に選択され;
A1は1、2、3、4、5又は6個の同一の又は異なるハロゲン原子で置換されていてよい(C1〜C6)アルキレン、−(CH2)m−O−CH2−及び−(CH2)m−S−CH2−から選択され、ここでmは0〜4の整数であり;
X1は−(CH2)n−及び−(CH2)n−O−から選択され、ここでnは0〜6の整数であり;
Y1は水素、1個以上の同一の又は異なるR100基で置換されていてよい、(C1〜C6)アルキル、(C2〜C6)アルケニル又は(C2〜C6)アルキニル、1個以上の同一の又は異なるR100基で置換されていてよい(C5〜C14)アリール、1個以上の同一の又は異なるR100基で置換されていてよいフェニル、1個以上の同一の又は異なるR100基で置換されていてよい(C6〜C16)アリールアルキル、1個以上の同一の又は異なるR100基で置換されていてよい5〜14員ヘテロアリール、1個以上の同一の又は異なるR100基で置換されていてよい6〜16員ヘテロアリールアルキル及び検出可能な標識分子から選択され;
それぞれのR100は、電気陰性基、=O、−ORa1、(C1〜C3)ハロアルキルオキシ、=S、−SRa1、=NRa1、=NONRa1、−NRC1RC1、ハロゲン、−CF3、−CN、−NC、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)Ra1、−S(O)2Ra1、−S(O)2ORa1、−S(O)2NRC1RC1、−OS(O)Ra1、−OS(O)2Ra1、−OS(O)2ORa1、−OS(O)2NRC1RC1、−C(O)Ra1、−C(O)ORa1、−C(O)NRC1RC1、−C(NH)NRC1RC1、−OC(O)Ra1、−OC(O)ORa1、−OC(O)NRC1RC1、−OC(NH)NRC1RC1、−NHC(O)Ra1、−NHC(O)ORa1、−NHC(O)NRC1RC1及び−NHC(NH)NRC1RC1から独立に選択され;
それぞれのRa1は、水素、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C4)アルケニル又は(C2〜C4)アルキニルから独立に選択され;
それぞれのRC1は、独立にRa1であり、或いは、RC1RC1は、それが結合する窒素原子と一緒になって5又は6員環を形成する。)。
(式中、
R106は−OH、−OCH3、−OCH(CH3)2又は−NHCH2CH3であり;
R107は
炭素aa’及びbb’は二重結合又は三重結合により結合し;
炭素cc’及びdd’は二重結合又は三重結合により結合し;
Re、Rf及びRgは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル(例えば、アルコキシアシル、アミノアシル)、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル又はシリルから独立に選択され;
Eはヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はアリールアミノであり;
Rh、Ri及びRjは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフルオルアルキル、アリール又はヘテロアリールから独立に選択され;
R4は水素、アルキル、ペルフルオルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フルオル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシから選択され;
R5は次のi〜iv:i)CH2CH(R6)CH2(ここで、R6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフルオルアルキル、アリール、ヘテロアリール、フルオル、ヒドロキシル又はアルコキシである); ii)CH2C(R6R7)CH2(ここで、R6及びR7は、それぞれ独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフルオルアルキル、アリール若しくはフルオルであり、又は、R6及びR7は、互いに結合して炭素環又は複素環を形成する); iii)CH2OCH2、CH2C(O)CH2又はCH2CH2;或いはiv)R5は炭素環、複素環、アリール環又はヘテロアリール環から選択され;
R8及びR9は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフルオルアルキル、アルコキシ、アリール又はヘテロアリールから独立に選択され、或いは、R8及びR9は互いに結合して炭素環又は複素環を形成する。)
或いは製薬上許容できるそれらの塩が挙げられる。
Re、Rf、E、Ri、R5、R8及びR9は上で定義したとおりである。
(式中:
それぞれの
R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、OR、OX1、SR、SX2、N(R)2、NHX3、NRC(O)R、NRC(O)N(R)2、C(O)OR、C(O)N(R)2、SO2R、NRSO2R、C(O)R又はSO2N(R)2であり;
それぞれのRは、水素、或いは、C1〜6脂肪族、3〜8員飽和環、部分不飽和環又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有するアリール環から選択される随意に置換された基から選択され;或いは
同一の窒素上にある2個のRは、その窒素と一緒になって窒素、酸素若しくは硫黄から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員ヘテロシクリル又はヘテロアリール環を形成し;
それぞれのX1は個々に好適なヒドロキシル保護基であり;
それぞれのX2は個々に好適なチオール保護基であり;
それぞれのX3は個々に好適なアミノ保護基であり;
R4は、NRC(O)R、NRC(O)N(R)2、C(O)OR、C(O)N(R)2、SO2R、NRSO2R、C(O)R又はSO2N(R)2である。)。
XはR301、OR301又はSR301であり;
R301は
(a)水素原子;
(b)直鎖又は分岐であってよい1〜8個の炭素原子のアルキル;
(c)3〜10個の炭素原子のシクロアルキル;
(d)7〜12個の炭素原子のアラルキル;
(e)フェニル;
(f)置換フェニル
(g)検出可能な標識分子;又は
(h)2〜8個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖アルケニル;
であり、
Q1は(C=O)、SO2又は(CN)であるが、ただし、Q1がCNであるときに、Xは存在しないものとし;
Q3及びQ4は、それぞれ独立にO、S又はNHであり;
R302及びR303の一方は水素原子であり、他方は
(a)H;
(b)直鎖又は分岐であってよい1〜8個の炭素原子のアルキル;
(c)3〜6個の炭素原子のシクロアルキル;
(d)直鎖又は分岐であってよい2〜8個の炭素原子のアルケニル;或いは
(e)RkQ2Rl(ここで、Q2は−O−又は−S−であり;Rkは直鎖又は分岐であってよい0〜6個の炭素原子のアルキレンであり、Rlは、直鎖又は分岐であってよい0〜8個の炭素原子のアルキルであるが、ただし、Rlが0のときには、Rlは水素原子であるものとする。);
であり、
R304は、
(a)H;
(b)直鎖又は分岐であってよい1〜6個の炭素原子のアルキル;
であり、
R305は
R306は、
(a)H;
(b)1〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐アルキル;
であり、
ここで、Y301は−OH、メチル、−SH、2〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐アルキル、1〜4個の炭素原子のアルコキシ又は(CH)p(Z)q(ここで、p+q=3、p=0〜3、q=0〜3であり、Zはシアノ、ニトロ又はハロゲンである)であり;
TはO又はSである。)
並びに製薬上許容できるそれらの塩が挙げられる。
それぞれのR307は、水素及び1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐、環状、飽和又は不飽和アルキルから独立に選択され;
R308、R309、R310、R319及びR320は、
(a)水素;
(b)1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐、環状、飽和又は不飽和アルキル;
(c)1〜20個の炭素原子を有する置換アルキル(このアルキルは、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、カルボキシアミド、カルボアルコキシ、アリール及びヘテロアリールから選択される1個以上の置換基で置換されている。);
(d)置換アリール又はヘテロアリール(このアリール又はヘテロアリールは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、アリール、ヘテロアリール、カルボキシル及びカルボキシアミドから選択される1個以上の置換基で置換されている。);並びに
(e)Z−Y(式中:
Zは、1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐、環状、飽和又は不飽和アルキル;置換低級アルキル(ここで、このアルキルはハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、カルボキシアミド、カルボアルコキシ、アリール及びヘテロアリールから選択される1個以上の置換基で置換されている);及び置換アリール又はヘテロアリール(ここで、当該アリール又はヘテロアリールはアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、アリール、ヘテロアリール、カルボキシル及びカルボキシアミドから選択される1個以上の置換基で置換されている。)から選択され;
Yは、水素;アルキル;シクロアルキル;カルボキシル;カルボキシアミド;アリール;ヘテロアリール;置換アリール又はヘテロアリール(ここで、当該アリール又はヘテロアリールは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、アリール、ヘテロアリール、カルボキシル及びカルボキシアミドから選択される1個以上の置換基で置換されている)から選択される。)
から独立に選択され、
R311〜R318は、
(a)水素;
(b)ハロ;
(c)1〜20個の炭素原子を有する直鎖、分岐、環状、飽和又は不飽和アルキル;
(d)1〜20個の炭素原子を有する置換アルキル(ここで、当該アルキルは、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、アルキルチオ、アリールチオ、カルボキシ、カルボキシアミド、カルボアルコキシ、アリール及びヘテロアリールから選択される1個以上の置換基で置換されている);
(e)置換アリール又はヘテロアリール(ここで、当該アリール又はヘテロアリールは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、アリール、ヘテロアリール、カルボキシル及びカルボキシアミドから選択される1個以上の置換基で置換されている);
から独立して選択され、或いは
R308〜R320は、独立に、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合又はリポキシン骨格と共に環を形成する結合であり;或いは
R307〜R320のいずれか二つは、これらが結合する原子及び随意に1〜6個の酸素原子、1〜6個の窒素原子又は1〜6個の酸素原子及び1〜6個の窒素原子の両方と一緒になって3〜20個の原子を含む環を形成する。
R401は、
R402は、
X10は、R411、OR411又はSR411であり;
R411は、
(a)水素原子;
(b)直鎖又は分岐であってよい1〜8個の炭素原子のアルキル;
(c)3〜10個の炭素原子のシクロアルキル;
(d)7〜12個の炭素原子のアラルキル;
(e)フェニル;
(f)置換フェニル
(g)検出可能な標識分子;或いは
(h)2〜8個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖アルケニル
であり、
Q1は(C=O)、SO2又は(CN)であり;
Q3はO、S又はNHであり;
R412及びR413の一方は水素原子であり、他方は、
(a)H;
(b)直鎖又は分岐であることができる1〜8個の炭素原子のアルキル;
(c)3〜6個の炭素原子のシクロアルキル;
(d)直鎖又は分岐であることができる2〜8個の炭素原子のアルケニル;或いは
(e)R431Q2R432(ここで、Q2は−O−又は−S−であり;R431は直鎖又は分岐鎖であることができる0〜6個の炭素原子のアルキレンであり、R431は、直鎖又は分岐であることができる0〜8個の炭素原子のアルキルである。);
から独立に選択され、
R413a及びR413bは、それぞれ独立に、
(a)H;
(b)直鎖又は分岐であることができる1〜8個の炭素原子のアルキル;
(c)3〜6個の炭素原子のシクロアルキル;
(d)直鎖又は分岐であることができる2〜8個の炭素原子のアルケニル;或いは
(e)R431Q2R432(ここで、R431、Q2及びR432は上で定義したとおりである。);
であり、
R414は、
(a)H;
(b)直鎖又は分岐であることができる1〜6個の炭素原子のアルキル;
であり、
R415は、
(a)直鎖又は分岐であることができる1〜9個の炭素原子のアルキル;
(b)(CH2)−Ri
(ここで、n=0〜4であり、Riは
(i)3〜10個の炭素原子のシクロアルキル;
(ii)フェニル;又は
(iii)置換フェニル
(c)R431Q2R432(式中、R431、Q2及びR432は上で定義したとおりである。);
(d)C(Riii)(Riv)−Ri
(ここで、Riii及びRivは、それぞれ独立に
(i) 水素原子;
(ii)(CH)p(Z)q(式中、Z、p及びqは上で定義したとおりである。);
(e)1〜8個の炭素原子及び1〜6個のハロゲン原子の直鎖又は分岐ハロアルキル;
であり、
R416は、
(a)H;
(b)1〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐アルキル;
(c)ハロゲン;
であり、
Y401又はY402の一方は−OH、メチル又は−SHであり、他方は、
(a)H;
(b)(CH)p(Z)q(ここで、p+q=3、p=0〜3、q=0〜3であり、それぞれのZは、独立に、シアノ、ニトロ又はハロゲンである);
(c)2〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐アルキル;或いは
(d)1〜4個の炭素原子のアルコキシ
から選択され、或いは
Y401とY402は一緒になって
(a)=NH;又は
(b)=O;
であり、
Y403又はY404の一方は−OH、メチル又は−SHであり、他方は、
(a)H;
(b)(CH)p(Z)q(ここで、Z、p及びqは上で定義したとおりである。);
(c)2〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐アルキル;或いは
(d)1〜4個の炭素原子のアルコキシ
から選択され、或いは
Y401及びY402は一緒になって
(a)=NH;又は
(b)=O;
であり、
Y405又はY406の一方は、−OH、メチル又は−SHであり、他方は
(a)H
(b)(CH)p(Z)q(式中、Z、p及びqは上で定義したとおりである。);
(c)2〜4個の炭素原子の直鎖又は分岐アルキル;又は
(d)1〜4個の炭素原子のアルコキシ
から選択され、或いは
Y401及びY402は一緒になって
(a)=NH;又は
(b)=O;
であり、
R421は、
(a)H;又は
(b)1〜8個の炭素原子のアルキル;
であり、
R422及びR423は、それぞれ独立に、
(a)H;
(b)ヒドロキシル又はチオール;
(c)メチル又はハロメチル;
(d)ハロゲン;又は
(e)1〜3個の炭素原子のアルコキシ;
であり、
R424及びR425は、それぞれ独立に、
(a)H;
(b)ヒドロキシル又はチオール;
(c)メチル又はハロメチル;
(d)ハロゲン;
(e)1〜3個の炭素原子のアルコキシ;又は
(f)直鎖又は分岐であることができる、2〜4個の炭素原子のアルキル又はハロアルキル;
であり、
R426は、
(a)置換フェニル
(b)置換フェノキシ
(c)
である。
Eは、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又は−OM(ここで、Mは、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムから選択される陽イオン及びナトリウム、カリウム、マグネシウム及び亜鉛の陽イオンである)であり;
Wは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド又はスルホンアミド;
R501〜R503のそれぞれは、水素、アルキル、アリール、アシル又はアルコキシアシルから独立に選択され;
nは0、1又は2であり;
mは1又は2であり;
当該フェニル環上の2個の置換基は、オルト、メタ又はパラである。
Iは、−C(O)−E、−SO2−E、−PO(OR)−Eから選択され、ここで、Eはヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又は−OM(Mはアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、Na、K、Mg及びZnから選択される陽イオンである)であり、Rはヒドロキシル又はアルコキシであり、
J’及びK’は、20個までの原子の鎖及び20個までの原子を含有する環から独立に選択されるリンカーであるが、ただし、J’及びK’は、独立して、1個以上の窒素原子、酸素原子、硫黄原子又は燐原子を含むことができるものとし、さらに、J’及びK’は、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、クロル、ヨード、ブロム、フルオル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシアミド、シアノ、オキソ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アシルチオ、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、ホスホリル及びスルホニルから選択される1個以上の置換基を含むことができ、また、J’及びK’は、1個以上の炭素環式、複素環式、アリール又はヘテロアリール縮合環を含むこともできるが、ただし、リンカーJ’及びK’は隣接する C(R)OR基に炭素原子を介して結合し又はC−ヘテロ原子結合(ここで、当該ヘテロ原子は酸素、硫黄、燐又は窒素である)であり;
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、クロル、ヨード、ブロム、フルオル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ及び カルボキシアミドから選択され、
Re、Rf及びRgは、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、シリル、アルコキシアシル及びアミノアシルから独立に選択され;
R601、R602及びR603は、水素、アルキル、アリール及びヘテロアリールから独立に選択されるが、ただし、R601、R602及びR603は、独立に、リンカーJ’又はK’に結合することができるものとし;
R604及びR605は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、フルオルから独立に選択されるが、ただし、R604及びR605は一緒になって炭素環、複素環又は芳香族環を形成することができ、さらに、R604及びR605は結合によって置換されて三重結合を形成することができるものとする。
をいう。
によって表すことができる部分をいう。
をいう。
によって表される基をいう。
によって表すことができる。
例1.急性放射線照射により生じたハムスターの口腔粘膜炎の治療における化合物Xの有効性の研究
研究目的:
この研究の目的は、腹腔内注射によって投与された化合物X:
32匹(32)のシリアンゴールデンハムスターに、左頬の頬袋に向けて40Gyの急性放射線照射を与えた。これは、当該動物に麻酔をかけ、そして左頬袋をめくり返すと同時に、当該動物の他の部位を鉛遮へい体で保護することにより行った。試験材料を表3に詳述するように腹腔内に毎日1回又は2回与えた。投薬を照射の1日前(−1日)に開始し、そして照射日(0日、すなわち照射前30分)を含めて、15日まで続行し、粘膜炎を6日目から28日目まで隔日で臨床的に評価した。
粘膜炎を、0日目に全ての動物に投与される放射線の単一線量(40Gy/放射線量)を使用して誘導した。放射線を160キロボルト電位(18.75−ma)源により21cmの焦点距離で発生させ、3.0mmのAlろ過システムで強化した。照射は、1.32Gy/分の速度で左側頬袋の粘膜を目標とした。照射前に、ケタミン(160mg/kg)及びキシラジン(8mg/kg)の腹腔内注射により動物に麻酔をかけた。左側の頬袋を外側にめくり、固定し、そして鉛遮へい体を使用して隔離した。
6日目から開始し、その後1日おきに(8、10、12、14、16、18、20、22、24、26及び28日)続行して、それぞれの動物を写真撮影し、そして粘膜炎の採点のために評価した。測定したパラメーターには、粘膜炎の評点、体重変化及び生存が含まれた。粘膜炎の評価のために、吸入麻酔薬で動物に麻酔をかけ、そして左頬を外側にめくった。粘膜炎を、有効な写真スケールと比較することによって、0(正常)から5(重度の潰瘍化)までの範囲(臨床的評点)にわたり採点した。記述用語では、このスケールを次のとおりに定義した:
評点: 説明:
0 頬袋が完全に健康。紅斑又は血管拡張なし。
1 軽度から重度の紅斑及び血管拡張。粘膜のびらんなし。
2 重度の紅斑及び血管拡張。粘膜表面のびらんが露出部分に残る。粘膜の斑点の減少。
3 1カ所以上に白色に近い潰瘍が形成。潰瘍は偽膜のため黄色/灰色を呈する場合がある。潰瘍の累積的サイズは頬の約1/4に等しいはずである。重度の紅斑及び血管拡張。
4 潰瘍の累積的サイズは頬の約1/2に等しいはずである。柔軟さの欠如。重度の紅斑及び血管拡張。
5 事実上頬の全てが潰瘍化する。柔軟さの欠如(頬は口腔から部分的にしか引き出せない)。
上記盲検化した写真を用いて、粘膜炎のグレートを、6日目から初めて、その後1日おきに28日目まで採点を行った。ビヒクルの対照と比較した、それぞれの薬剤治療が粘膜炎に及す効果を次のパラメーターに従って評価した。
それぞれの日に動物を採点し(評価日)、各薬剤治療群において盲式粘膜炎評点が≧3の動物の数をビヒクル対照群と比較した。差を毎日分析すると共に、累積ベースでも分析した。薬剤治療群においてこの評点のハムスターの数がコントロールに対して統計的に有意に少ない(カイ二乗分析により決定される)ときに治療が成功したものとみなした。
各評価日について、ビヒクル対照群の評点と治療群の評点とを、ノンパラメトリック順位和分析を使用して比較した。6日目から28日目まで2日以上治療群の評点が統計的に有意に低下したときに、治療が成功したものとみなした。
研究期間中毎日各動物の体重を量り、そしてその生存を記録して、粘膜炎の度合いについての指標として治療群中における動物の体重の見込まれる差及び/又は治療により生じるおそれがある毒性を評価した。
治療群間の統計的差異をスチューデントt検定、マンホイットニーU検定及びカイ二乗検定を0.05の臨界値で使用して決定した。まず第一に麻酔薬の投与の結果として10%までの動物が死亡する可能性があることが予想された。しかしながら、28日目に生存していることが予想される動物の数(治療群当たり6匹)は、統計的評価に許容できるものであるとみなした。
本明細書において言及した全ての特許出願及び特許は、それぞれ個々の出願又は特許を具体的かつ個別的に示して引用により援用したかのように、それら全体が参照によって援用されるものとする。矛盾がある場合は、本明細書におけるあらゆる定義を含め、本願が優先する。
本願の特定の実施形態を議論してきたが、本願明細書は例示であって限定ではない。当業者であれば、本願明細書及び特許請求の範囲の検討から本発明の多くの変形例が明らかになるであろう。本発明の全範囲は、特許請求の範囲及び本願明細書を基準にして、それぞれ、それらの均等の全範囲及びそれらの変形例と共に決定すべきである。
Claims (14)
- 化学療法又は放射線治療を受ける患者における粘膜炎の発症を抑制する方法であって、該患者に式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物を投与することを含む、前記方法。
- 前記式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物を、前記化学療法又は放射線治療と共同して投与する、請求項1に記載の方法。
- 患者における粘膜炎を治療する方法であって、該患者に式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物を投与することを含む、前記方法。
- 粘膜炎のリスクの増大と関連のある治療法を受ける患者の生存率を向上させる方法であって、該患者に式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物を投与することを含む、前記方法。
- 前記式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物を前記治療法と共同して投与する、請求項4に記載の方法。
- 化学療法又は放射線治療を受ける患者における粘膜組織の潰瘍化又は壊死を治療する方法であって、該患者に式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物を投与することを含む、前記方法。
- 式Aの化合物、式1〜46のいずれか一つの化合物、リポキシン化合物又はオキシリピン化合物が式1〜46又は50〜115のいずれか一つの化合物から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 化学療法又は放射線治療を受ける患者における粘膜炎の発症を抑制する方法であって、該患者にアスピリンとω−3脂肪酸との組合せを投与する、前記方法。
- 前記アスピリンとω−3脂肪酸との組合せを前記化学療法又は放射線治療と共同して投与する、請求項9に記載の方法。
- 患者における粘膜炎を治療する方法であって、該患者にアスピリンとω−3脂肪酸との組合せを投与する、前記方法。
- 粘膜炎のリスクの増大と関連のある治療法を受ける患者の生存率を向上させる方法であって、該患者にアスピリンとω−3脂肪酸との組合せを投与する、前記方法。
- 前記アスピリンとω−3脂肪酸との組合せを前記治療法と共同して投与する、請求項12に記載方法。
- 化学療法又は放射線治療を受ける患者における粘膜組織の潰瘍化又は壊死を治療する方法であって、該患者にアスピリンとω−3脂肪酸との組合せを投与することを含む、前記方法。
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