JP2009532443A - レニンインヒビターとして用いるための置換4−フェニルピペリジン - Google Patents

レニンインヒビターとして用いるための置換4−フェニルピペリジン Download PDF

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Abstract

一般式(I)[式中、R1は、直鎖C1〜C8アルカノイルオキシ、直鎖C1〜C8アルコキシ、直鎖C1〜C8アルコキシ−直鎖C1〜C8アルコキシ、直鎖C1〜C8アルコキシカルボニルアミノ、直鎖C0〜C8アルキルカルボニルアミノ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C1〜C8アルキル化されたアミノ、またはヒドロキシ、または直鎖ω−ヒドロキシC1〜C8アルキルである]
で示される化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩。

Description

本発明は、新規な置換4−フェニルピペリジン、その製造法、および医薬としての、特にレニンインヒビターとしての該化合物の使用に関するものである。
医薬として用いるためのピペリジン誘導体は、たとえば国際公開第97/09311号公報(WO 97/09311)から公知である。しかし、特にレニンの阻害に関しては、非常に強力な活性成分に対する需要が依然として存在する。これに関しては、薬物動態の諸特性の改良が最も重視されている。より優れた生物学的利用能を志向するこれらの特性は、たとえば、吸収、代謝安定性、溶解性または脂溶性である。
それゆえ、本発明は、一般式(I):
Figure 2009532443
[式中、R1は、直鎖C1〜C8アルカノイルオキシ、直鎖C1〜C8アルコキシ、直鎖C1〜C8アルコキシ−直鎖C1〜C8アルコキシ、直鎖C1〜C8アルコキシカルボニルアミノ、直鎖C0〜C8アルキルカルボニルアミノ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C1〜C8アルキル化されたアミノ、またはヒドロキシ、または直鎖ω−ヒドロキシC1〜C8アルキルである]
で示される置換4−フェニルピペリジンおよびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩を提供する。
直鎖は、文献中では、直線状または非分岐を意味することもある。本明細書に用いられる限りで、直鎖C1〜C8アルカノイルオキシは、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシおよびブチリルオキシなどの直鎖C0〜C7アルキルカルボニルオキシである。直鎖C1〜C8アルキルの例は、それぞれメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルである。直鎖ω−ヒドロキシC1〜C8アルキルの例は、それぞれヒドロキシメチル、2−ヒドロキシメチル、3−ヒドロキシ−n−プロピル、4−ヒドロキシ−n−ブチル、5−ヒドロキシ−n−ペンチルおよび6−ヒドロキシ−n−ヘキシルである。直鎖C1〜C8アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシおよびn−ブトキシなどの基である。直鎖C0〜C8アルキルカルボニルアミノの例は、たとえばホルミルアミノ(ホルムアミド)、アセチルアミノ、プロピオニルアミノおよびブチルカルボニルアミノである。場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−C1〜C8アルキル化されたアミノは、好ましくは、場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−直鎖C1〜C8アルキル化されたアミノであり、たとえばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、メチルエチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノまたはn−ヘキシルアミノであり得る。
塩は、第一義的には、式(I)の化合物の薬学的に用い得るか、または無毒の塩である。用語「薬学的に用い得る塩」は、無機または有機酸、たとえば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸などとの塩を包含する。
塩形成基を有する化合物の塩は、特に、酸付加塩、塩基との塩、または複数の塩形成基の存在下では、いくつかの場合には混合塩もしくは内部塩である。
そのような塩は、たとえば、酸性基、たとえばカルボキシルまたはスルホニル基を有する式(I)の化合物から形成され、たとえば、元素周期律表の第Ia、Ib、IIaおよびIIb族の金属から誘導される無毒の金属塩、たとえばアルカリ金属、特にリチウム、ナトリウムまたはカリウムの塩、アルカリ土類金属塩、たとえばマグネシウムまたはカルシウムの塩、および亜鉛の塩、ならびにアンモニウム塩のような、適切な塩基とのその塩であって、有機アミン、たとえば、場合によりヒドロキシル置換されたモノ−、ジ−もしくはトリ−アルキルアミン、特にモノ−、ジ−もしくはトリ−(低級アルキル)アミン、または第四級アンモニウム塩基、たとえば、メチル−、エチル−、ジエチル−もしくはトリエチルアミン、モノ−、ビス−もしくはトリス−(2−ヒドロキシ(低級アルキル))アミン、たとえばエタノール−、ジエタノール−もしくはトリエタノール−アミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンまたは2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、N,N−ジ(低級アルキル−N−(ヒドロキシ(低級アルキル))アミン、たとえばN,N−ジ−N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシメチル)アミン、またはN−メチル−D−グルカミン、あるいは第四級アンモニウム水酸化物、たとえば水酸化テトラブチルアンモニウムにより形成される塩を包含する。塩基性基、たとえばアミノ基を有する式(I)の化合物は、たとえば、適切な無機酸、たとえば塩酸、臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、一方もしくは双方のプロトンが置換された硫酸、一つもしくはそれ以上のプロトンが置換されたリン酸、たとえばオルトリン酸もしくはメタリン酸、または一つもしくはそれ以上のプロトンが置換されたピロリン酸との、あるいは有機カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸またはN−置換スルファミン酸、たとえば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、エンボン酸(embonic acid)、ニコチン酸、イソニコチン酸、およびアミノ酸、たとえば先に述べたα−アミノ酸、ならびにメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2−もしくは3−ホスホグリセリン酸、グルコース−6−リン酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成による)との、あるいはその他の酸性有機化合物、たとえばアスコルビン酸との酸付加塩を形成し得る。酸性基および塩基性基を有する式(I)の化合物は、内部塩も形成し得る。
得られた塩は、それ自体は公知である方法でその他の塩へと、たとえば、形成される無機塩が不溶性であり、そのため反応平衡から分離する適切な溶媒中で、もう一つの酸のナトリウム、バリウムまたは銀塩などの適切な金属塩で処理することによって、酸付加塩へと、また遊離酸の放出および塩の再形成によって塩基性塩へと変換してもよい。
その塩を包含する式(I)の化合物は、水和物の形態で得てもよいか、または晶出に用いられる溶媒和物を包含し得る。
単離および精製のためには、薬学的に不適切な塩を用い得ることもある。
式(I)の化合物は、一つまたはそれ以上の原子がその安定的な非放射性同位元素に、たとえば水素が重水素に置き換えられた化合物も包含する。
式(I)の化合物は、少なくとも3個の不斉炭素原子を有し、そのため光学的に純粋なジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ化合物、ジアステレオマーラセミ化合物の混合物の形態でか、またはメソ化合物の形態で存在し得る。本発明は、これらの形態のすべてを包含する。ジアステレオマー混合物、ジアステレオマーラセミ化合物、またはジアステレオマーラセミ化合物の混合物は、慣用の手順、たとえばカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、HPLCなどによって分離し得る。
式(I)の化合物は、光学的に純粋な形態で製造してもよい。対掌体への分離は、それ自体は公知の方法によって、好ましくは合成の早期段階で、光学活性を有する酸、たとえば(+)−または(−)−マンデル酸との塩形成、および分別晶出によるジアステレオマー塩の分離によってか、または好ましくは比較的後期の段階で、キラル補助構成要素、たとえば(+)−あるいは(−)−カンファノイルクロリドによる誘導体化、ならびにクロマトグラフィーおよび/または晶出によるジアステレオマー生成物の分離、およびキラル補助構成要素を得るための、その後の結合の切断によって実施することができる。純粋なジアステレオマー塩および誘導体は、存在するピペリジンの絶対的立体配置を一般的な分光光学的手順で決定するよう分析してもよく、単結晶についてのX線分光学は、特に適切な手順を構成する。
式(I)の化合物中の個々のキラル中心における立体配置は、選択的に反転させることが可能である。たとえば、求核性置換基、たとえばアミノまたはヒドロキシルを有する不斉炭素原子の立体配置は、二次求核性置換(適切ならば結合した求核性置換基を適切な離核性離脱基へと変換した後に行う)および本来の置換基を導入する試薬との反応によって反転させ得るか、あるいはヒドロキシ基を有する炭素原子における立体配置は、欧州特許出願公開第0 236 734号公報(EP-A-0 236 734)中の方法と同様にして、酸化および還元によって反転させることができる。やはり好都合なのは、ヒドロキシ基の反応性官能基修飾およびその後の立体配置の反転を伴うヒドロキシ基によるその置換である。
以下に述べる化合物群は、閉鎖的であると見なしてはならず、むしろ、これらの化合物群の一部は、相互にまたは上記の定義と交換してもよく、あるいは賢明な方式で除外して、たとえば一般的な定義をより具体的な定義と置き換えてもよい。定義は、たとえば原子に関する一般的な原子価のような、一般的な化学的原理に従って通用する。
式(I)の化合物は、文献中に開示された製造法と同様にして製造することができる。類似の製造方法は、たとえば国際公開第97/09311号公報(WO 97/09311)に記載されている。具体的な製造変化形の詳細は、実施例中に見出すことができる。
式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩の好適な群は、R1がヒドロキシまたは直鎖ω−ヒドロキシC1〜C8アルキル、より好ましくはヒドロキシまたは直鎖ω−ヒドロキシC1〜C4アルキルである化合物である。
式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩の更なる好適な群は、R1が直鎖C1〜C8アルコキシまたは直鎖C1〜C8アルコキシ−直鎖C1〜C8アルコキシ、より好ましくは直鎖C1〜C4アルコキシまたは直鎖C1〜C4アルコキシ−直鎖C1〜C4アルコキシである化合物である。
式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩の更なる好適な群は、R1が直鎖C1〜C8アルカノイルオキシ、より好ましくは直鎖C1〜C4アルカノイルオキシである化合物である。
式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩の更なる好適な群は、R1が直鎖C0〜C8アルキルカルボニルアミノ、より好ましくは直鎖C0〜C3アルキルカルボニルアミノである化合物である。
式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩の更なる好適な群は、R1が、場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−C1〜C8アルキル化されたアミノ、より好ましくは、場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−C1〜C4アルキル化されたアミノである化合物である。
式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩の更なる好適な群は、R1が、場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−直鎖C1〜C8アルキル化されたアミノ、より好ましくは、場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−直鎖C1〜C4アルキル化されたアミノである化合物である。
1は、非常に格別に好ましくは、ヒドロキシ、メトキシ、2−メトキシエトキシ、アセチルオキシ、ホルムアミド、メチルカルボニルアミノまたはエチルカルボニルアミノである。
本明細書に記載の化合物のプロドラッグ誘導体は、in vivoでの使用に際して、化学的または生理学的プロセスによって原化合物を放出する、その誘導体である。プロドラッグは、たとえば、生理学的pHに達したときか、または酵素による変換によって、原化合物に変換し得る。プロドラッグ誘導体のあり得る例は、遊離形態で利用できるカルボン酸のエステル、チオール、アルコールまたはフェノールのS−およびO−アシル誘導体である(アシル基は、本明細書におけるとおりに定義される)。好適な誘導体は、生理学的媒体中で原カルボン酸へと加溶媒分解によって変換される、薬学的に許容され得るエステル誘導体、たとえば低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ−またはジ−置換低級アルキルエステル、たとえば低級ω−(アミノ、モノ−またはジ−アルキルアミノ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル)アルキルエステル、またはたとえば低級α−(アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはジアルキルアミノカルボニル)アルキルエステルであり、慣用的には、ピバロイルオキシメチルエステルおよび類似のエステルが、そのようなものとして用いられる。
遊離化合物、プロドラッグ誘導体および塩化合物の間の関係が近いため、本発明における特定の化合物は、それが可能かつ適切な場合には、そのプロドラッグ誘導体および塩形態も包含する。
式(I)の化合物および薬学的に許容され得るその塩は、天然の酵素レニンに対する阻害効果を有する。後者は、腎臓から血中へと通過し、そこでアンギオテンシノーゲンの切断を生じて、デカペプチドのアンギオテンシンIを形成し、次いでそれが肺、腎臓その他の器官で切断されて、オクタペプチドのアンギオテンシンIIとなる。アンギオテンシンIIは、動脈収縮によって直接に、かつ副腎からのアルドステロンなるホルモン(ナトリウムイオンを保持する)の放出によって間接的に血圧を上昇させるが、これは、細胞外液量の増加に関連する。この増加は、アンギオテンシンII自体のか、または切断生成物としてそれから形成されるヘプタペプチドのアンギオテンシンIIIの効果に起因する。レニンの酵素活性のインヒビターは、アンギオテンシンIの形成の低下、およびその結果としての、より少量のアンギオテンシンIIの形成の低下を生じる。この活性ペプチドホルモンの濃度の低下が、レニンインヒビターの降圧効果の直接の原因である。
レニンインヒビターの効果は、とりわけ実験的には、アンギオテンシンIの形成の低下を様々な系(ヒト血漿、合成または天然レニン基質と一緒に精製ヒトレニン)で測定する、in vitro試験によって検出される。下記のNussbergerら(1987)[J. Cardiovascular Pharmacol., Vol. 9, pp.39-44]のin vitro試験がとりわけ用いられる。この試験は、ヒト血漿中でのアンギオテンシンIの形成を測定する。形成されたアンギオテンシンIの量は、その後のラジオイムノアッセイで決定される。アンギオテンシンIの形成に対するインヒビターの効果は、この系では、様々な濃度のこれらの物質を加えることによって試験される。IC50は、特定のインヒビターの、アンギオテンシンIの形成を50%低下させる濃度として定義される。本発明の化合物は、in vitroの系で、約10-6〜約10-10mol/Lという最低濃度で阻害効果を示す。
本発明を例示すると、実施例4および5の化合物は、約1.1〜3.5x10-9mol/Lの範囲のIC50値でアンギオテンシンIの形成を阻害する。
レニンインヒビターは、塩枯渇動物で血圧の降下を生じる。ヒトレニンは、他種のレニンと異なる。ヒトレニンのインヒビターは、霊長類(マーモセット、コモンマーモセット(Callithrix jacchus))を用いて試験されるが、それは、ヒトレニンと霊長類レニンは、酵素活性の領域が実質的に相同だからである。下記のin vivo試験がとりわけ用いられる。すなわち、約350gの体重を有し、意識があり、非拘束下で、その通常のケージ内にいる、正常血圧の雌雄のマーモセットについて、試験化合物を試験する。血圧および心拍数を、下行大動脈内のカテーテルを用いて測定し、放射能測定によって記録する。1週間の減塩食をフロセミド(5−(アミノスルホニル)−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸(5mg/kg)の一回筋内注射と併用することによって、レニンの内因性放出を刺激する。フロセミド注射の16時間後に、試験物質を、皮下注射針を用いて大腿動脈内に直接にか、または懸濁液もしくは溶液として胃内に強制経口投与し、血圧および心拍数に対するその効果を評価する。本発明の化合物は、約0.003〜約0.3mg/kgの静脈内用量、および約0.3〜約30mg/kgの経口用量による記載のin vivo試験で、降圧効果を有する。
本明細書に記載の化合物の降圧効果は、下記のプロトコルを用いてin vivoで試験することができる:
研究は、ヒトアンギオテンシノーゲンおよびヒトレニンの双方を過剰発現し、その結果高血圧を発症する、5〜6週齢の雄の二重トランスジェニックラット(dTGR)で実施する[Bohlender, J. et al., J. Am. Soc. Nephrol. 2000; 11: 2056-2061]。この二重トランスジェニックラットの系統は、一方が内因性プロモーターを有するヒトアンギオテンシノーゲンに関し、他方が内因性プロモーターを有するヒトレニンに関する、二つのトランスジェニックな系統の交差交配によって作り出された。いずれの一つのトランスジェニックな系統も高血圧性ではなかった。雌雄双方の二重トランスジェニックラットは、重篤な高血圧を発症し(平均収縮期血圧:約200mmHg)、未処置ならば、中央値で55日後に死亡する。ヒトレニンをラットで研究できるという事実は、このモデルの独自の特徴である。年齢をマッチングしたスプレイグ−ドーリー(Sprague-Dawley)系ラットが、非高血圧対照動物として役立つ。動物を、処置群に分割し、様々な処置継続期間の間、試験物質または賦形剤(対照)を与える。経口投与に適用される用量は、0.5〜100mg/体重kgにわたり得る。研究全体を通じて、動物には、標準飼料および水道水を随意に与える。収縮期血圧および拡張期血圧ならびに心拍数は、腹大動脈内に移植した変換器を用い、動物の自由で非拘束の運動を許しつつ、遠隔測定によって測定する。
本明細書に記載された化合物の腎損傷(タンパク尿)に対する効果は、下記のプロトコルを用いてin vivoで試験することができる:
研究は、4週齢の雄の上記のような二重トランスジェニックラット(dTGR)で実施する。動物を処置群に分割し、試験物質または賦形剤(対照)を7週間毎日与える。経口投与に適用される用量は、0.5〜100mg/体重kgにわたり得る。研究全体を通じて、動物には、標準飼料および水道水を随意に与える。動物を、定期的に代謝ケージに入れて、アルブミンの24時間尿排出量、利尿、ナトリウム利尿および尿オスモル濃度を決定する。研究の終点で、動物を殺処分し、計量および免疫組織学的研究(線維形成、マクロファージ/T細胞浸潤等)のために腎臓および心臓を取り出してもよい。
本明細書に記載の化合物の薬物動態特性は、下記のプロトコルを用いてin vivoで試験することができる:
研究は、研究の間ずっと自由に運動することができる、予め挿管(頸動脈)した雄のラット(300g±20%)で実施する。化合物は、別個のセットとした動物に静脈内および経口(ガバージュ)投与する。経口投与に適用される用量は、0.5〜50mg/体重kgにわたり、静脈内投与に適用される用量は、0.5〜20mg/体重kgにわたり得る。化合物の投与の前、およびその後24時間の間、自動化されたサンプリング装置(AccuSampler, DiLab Europe, Lund、スウェーデン国)を用いて、血液サンプルをカテーテルを通して採取する。化合物の血漿レベルは、有効なLC−MS分析法を用いて決定する。薬物動態分析は、各投与経路について時点全体でのすべての血漿濃度を平均した後に、血漿濃度−時間曲線に対して実施する。算出しようとする代表的な薬物動態パラメータは、最高濃度(Cmax)、最高濃度までの時間(tmax)、0時から定量可能な最終濃度の時点までの曲線下面積(AUC0-t)、時間0から無限大までの曲線下面積(AUC0-inf)、消失速度定数(K)、終末半減期(t1/2)、絶対経口生物学的利用能または吸収された画分(F)、清掃率(CL)、および終末期の間の分配量(Vd)を包含する。
式(I)の化合物および薬学的に許容され得るその塩は、たとえば薬学的組成物の形態で、医薬として用いることができる。該薬学的組成物は、経腸的に、たとえば経口的に、たとえば錠剤、ラッカー錠、糖衣錠、硬および軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤もしくは懸濁剤の形態で;経鼻的に、たとえば経鼻噴霧剤の形態で;経直腸的に、たとえば坐剤の形態で;または経皮的に、たとえば軟膏もしくは貼布剤の形態で、投与することができる。しかし、投与は、非経口的に、たとえば筋内または静脈内に、たとえば注射用液剤の形態で投与することも可能である。
錠剤、ラッカー錠、糖衣錠および硬ゼラチンカプセル剤は、式(I)の化合物および薬学的に許容され得るその塩を、薬学的に不活性の無機または有機賦形剤とともに加工することによって製造することができる。
たとえば錠剤、糖衣錠および硬ゼラチンカプセル剤に用いることができるような種類の賦形剤は、乳糖、トウモロコシ澱粉またはその誘導体、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたはその塩等々である。
軟ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、たとえば、植物油、蝋、脂肪、半固体および液体のポリオール等々である。
液剤およびシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、たとえば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコース等々である。
注射用液剤に適切な賦形剤は、たとえば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油、胆汁酸、レシチン等々である。
坐剤に適切な賦形剤は、たとえば、天然または硬化油、蝋、脂肪、半固体または液体のポリオール等々である。
この薬学的組成物は、防腐剤、可溶化剤、増粘物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、芳香剤、浸透圧を変更する塩、緩衝剤、コーティング剤または抗酸化剤を更に含んでもよい。また、治療効果のあるその他の物質を含んでもよい。
本発明は、更に、高血圧、心不全、緑内障、心筋梗塞、腎不全および再狭窄を治療または予防する際の式(I)の化合物および薬学的に許容され得るその塩の使用を提供する。
式(I)の化合物および薬学的に許容され得るその塩は、心血管活性を有する1種類またはそれ以上の薬剤、たとえば、フェントラミン、フェノキシベンズアミン、プラゾシン、テラゾシン、トラジン(tolazine)、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、チモロール、カルテオロール等のα−およびβ−遮断薬;ヒドララジン、ミノキシジル、ジアゾキシド、ニトロプルシド、フロセキナン(flosequinan)等の血管拡張薬;アムリノン、ベンシクラン(bencyclan)、ジルチアゼム、フェンジリン(fendiline)、フルナリジン(flunarizine)、ニカルジピン、ニモジピン(nimodipine)、ペルヘキシリン(perhexiline)、ベラパミル、ガロパミル(gallopamil)、ニフェジピン等のカルシウムアンタゴニスト;シラザプリル、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル等のACEインヒビター;ピナシジル(pinacidil)などのカリウム活性化剤;ケタンセリン(ketanserine)などの抗セロトニン作用薬;トロンボキサン合成酵素インヒビター;中性エンドペプチダーゼインヒビター(NEPインヒビター);アンギオテンシンIIアンタゴニスト;ならびにヒドロクロロチアジド、クロロチアジド、アセタゾラミド、アミロリド(amiloride)、ブメタニド、ベンズチアジド、エタクリン酸(ethacrynic acid)、フロセミド、インダクリノン(indacrinone)、メトラゾン(metolazone)、スピロノラクトン、トリアムテレン、クロルタリドン等の利尿薬;メチルドパ、クロニジン、グアナベンズ、レセルピンなどの交感神経遮断薬;ならびにヒトおよび動物における、高血圧;心不全;あるいは糖尿病または慢性もしくは急性腎不全などの腎障害に付随する血管障害の処置に適切なその他の薬剤と組み合わせて投与することもできる。そのような組合せは、別個にか、または複数の成分を含む製品中に用いることができる。
式(I)の化合物と併用することができる更なる物質は、国際公開第02/40007号公報(WO 02/40007)の第1頁に記載の群(i)〜(ix)の化合物(その好適性および実例は、その中に更に詳述される)、および国際公開第03/027091号公報(WO 03/027091)の第20および21頁に列挙された物質である。
投与量は、広い限度内で変動してよく、当然、個々の症例のそれぞれにおける個々の状況に適合させなければならない。一般的には、経口投与に適切な日次用量は、成人一人(70kg)あたり約3mg〜約3g、好ましくは約10mg〜約1g、たとえば約300mgでなければならず、好ましくは1〜3個の単一用量(たとえば等しい大きさであり得る)に分割されるが、記載された上限は、それが指示されるべきであると判明したならば超えてもよく、小児は、通常、その年齢および体重に適切な削減された用量を摂取させる。
実施例
以下の実施例は、本発明を例示する。すべての温度は摂氏で、圧力はミリバールで記載される。別途述べない限り、反応は室温で実施される。略語「Rf=xx(A)」は、たとえば、Rfが溶媒系Aの中で値xxであると判明したことを意味する。溶媒の相互に対する比率は、常に、体積部で記載される。最終生成物および中間体の化学名は、AutoNom 2000(Automatic Nomenclature)なるプログラムを援用した化学構造式を根拠に作成された。
Hypersil BDS C−18(5μm)上のHPLC勾配(カラム:4x125mm):
I.5±2.5分間に水*90%/アセトニトリル*10%から水*0%/アセトニトリル*100%まで(1.5ml/分)。
II.40分間に水*95%/アセトニトリル*5%から水*0%/アセトニトリル*100%まで(0.8ml/分)。
* 0.1%トリフルオロ酢酸を含有する。
下記の略語を用いた:
Rf:薄層クロマトグラフィーにおける出発点からの溶離剤前端の距離に対する、物質が移動した距離の比
Rt:HPLC内の物質の保持時間(分)
m.p.:融点(温度)
Figure 2009532443
薄層クロマトグラフィー溶離剤系:
A.ジクロロメタン:メタノール:25%濃アンモニア=200:20:1
B.ジクロロメタン:メタノール:25%濃アンモニア=200:10:1
C.ジクロロメタン:メタノール:25%濃アンモニア=200:30:1
D.ジクロロメタン:メタノール:25%濃アンモニア=100:10:1
一般的手順A:(N−Cbz脱保護、N−(1−フェニルエチル)脱保護またはN−ベンジル脱保護)
テトラヒドロフラン(またはメタノール)15ml中1mmolの「N−保護誘導体」の撹拌溶液に、0.1mmolの10%Pd/Cを加え、反応混合物を室温で水素化する。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を得る。
一般的手順B:(N−Tos脱保護)
メタノール10ml中0.09mmolの「トシルアミド」の撹拌溶液に、0.44mmolのリン酸二水素ナトリウムおよび0.90mmolのナトリウムアマルガム(10%Na)を室温で加える。反応混合物を、2〜18時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する(3回)。有機相を併せ、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を得る。
一般的手順C:(BH3還元)
テトラヒドロフラン3ml中1mmolの「ラクタム」の撹拌溶液に、2〜4mmolのボランテトラヒドロフラン(テトラヒドロフラン中1M)を混合し、50℃に2〜8時間加熱する。反応混合物を、メタノール10mlの添加によって急停止させ、減圧下で濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって、残渣から標記化合物を得る。
一般的手順D:(O−アルキル化I)
1.2mmolの水素化ナトリウム(油状物中60%の分散)および0.1mmolのヨウ化テトラブチルアンモニウムを、N,N−ジメチルホルムアミド2.0ml中1mmolの「アルコール」および1.1mmolの「ハロゲン化ベンジル」の溶液に−10℃で撹拌しつつ加える。反応混合物を、−10℃で1時間、および室温で18時間撹拌する。混合物を、1Mの重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ込み、tert−ブチルメチルエーテルで抽出する(2回)。有機相を水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって、残渣から標記化合物を得る。
一般的手順E:(O−アルキル化II)
1.1mmolの水素化ナトリウム(油状物中60%の分散)を、N,N−ジメチルホルムアミド2.0ml中1mmolの「アルコール」および1.0〜2.0mmolの「ハロゲン化ベンジル」の溶液に−10℃で撹拌しつつ加える。反応混合物を、−10℃で1時間、および室温で18時間撹拌する。混合物を、1Mの重炭酸ナトリウム水溶液に注ぎ込み、tert−ブチルメチルエーテルで抽出する(2回)。併せた有機相を水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって、残渣から標記化合物を得る。
一般的手順F:(アルコール脱シリル化)
テトラヒドロフラン5ml中1mmolの「シリルエーテル」の溶液を1.5〜2.0mmolのフッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1Mの溶液)と混合し、溶液を室温で1〜2時間撹拌する。次いで、反応溶液を水で希釈し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出する(2回)。併せた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって、残渣から標記化合物を得る。
実施例1
{(3S,4R,5R)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−3−イル}}メタノール
一般的手順Aに従い、(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを用いて、標記化合物を得た。
出発材料は、下記のとおり製造した:
(a)(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
一般的手順Cに従い、(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを用いて、標記化合物を混濁した油状物として得た。Rf=0.15(EtOAc:ヘプタン=2:1);Rt=5.22(勾配I)。
(b)(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
テトラヒドロフラン20mlおよびメタノール80ml中8.526mmolの(3R,4R,5S)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−[4−(3−メトキシプロピル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの溶液を、12.789mmolのトルエン−4−スルホン酸一水和物で処理した。15時間撹拌した後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化し、減圧下で濃縮して、メタノールおよびテトラヒドロフランの大部分を除去した。残渣をジクロロメタンで抽出し(3回)、併せた有機層を水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって、残渣から標記化合物を黄色の油状物として得た。Rt=4.86(勾配I)。
(c)(3R,4R,5S)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−[4−(3−メトキシプロピル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
一般的手順Dに従い、(3R,4R,5S)−3−ヒドロキシ−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルおよび6−クロロメチル−4−(3−メトキシプロピル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン[857272−02−7]を用いて、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rt=6.58(勾配I)。
(d)(3R,4R,5S)−3−ヒドロキシ−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
8.478mmolのクロロギ酸ベンジルを、酢酸エチル150mlおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液150ml中8.478mmolの(L)−(+)−マンデル酸(3R,4R,5S)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−3−オールの0℃の混合物に滴加した。1時間後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配し、有機層を水および食塩水で逐次洗浄した。併せた水層を酢酸エチルで逆抽出し、併せた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。未精製の標記化合物を白色泡沫として得た。Rt=6.14(勾配I)。
(e)(L)−(+)−マンデル酸(3R,4R,5S)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−3−オール
一般的手順Aに従い、(L)−(+)−マンデル酸(3R,4R,5S)−1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−3−オールを用いて、標記化合物を白色泡沫として得た。Rt=4.92(勾配I)。
(f)(L)−(+)−マンデル酸(3R,4R,5S)−1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−3−オール
2.36mmolの(L)−(+)−マンデル酸を、テトラヒドロフラン36ml中5.90mmolの(rac−3R,4R,5S)−1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−3−オールの60℃(油浴温度)の溶液に加えた。n−ヘキサン36mlを、60℃で徐々に滴加した。混合物を、3時間にわたって室温まで徐冷し、超音波浴中で短時間処理した後、0℃で2時間冷却した。沈澱を濾取し、1:4のテトラヒドロフラン/n−ヘキサンで洗浄して、標記化合物を白色固体として得た。Rt=5.36(勾配I)。
分析の目的で、少量の塩を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した(2回)。有機相を、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、標記化合物を遊離塩基(白色固体)として得た。HPLC;Rt=12.81(Daicel Chiralpak AD、0.46x25cm;95%ヘキサン/5%イソプロパノール;0.7ml/分で60分間)。
(g)(rac−3R,4R,5S)−1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−トリチルオキシメチルピペリジン−3−オール
86.852mmolのボラン−テトラヒドロフラン溶液(THF中1M)を、テトラヒドロフラン220ml中43.426mmolの1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−(R,S)−トリチルオキシメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンの室温の溶液に滴加した。一晩撹拌した後、反応混合物を10℃に冷却し、水60ml中251.871mmolの水酸化カリウム溶液、次いで86.852mmolの過酸化水素(水中30%)を逐次滴加した。反応混合物を、65℃に徐々に暖め、3時間撹拌し、次いで室温に再冷却した。反応混合物を、tert−ブチルメチルエーテルおよび氷水に分配し、有機層を食塩水で洗浄した。併せた水層を、tert−ブチルメチルエーテルで抽出し(2回)、併せた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.15(EtOAc:ヘプタン=1:1);Rt=5.36(勾配I)。
(h)1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−(R,S)−トリチルオキシメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン
102.63mmolの塩化チオニルを、ピリジン250ml中85.53mmolの1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−(R,S)−トリチルオキシメチルピペリジン−4−(R,S)−オールの0℃の溶液に、内部温度が10℃未満に留まるように注意しつつ徐々に加えた。5分後、反応混合物を、4NのNaOH溶液50mlを加えることによって急停止し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.28(EtOAc:ヘプタン:25%濃アンモニア=100:200:1);Rt=5.64(勾配I)。
(i)1−ベンジル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−(R,S)−トリチルオキシメチルピペリジン−4−(R,S)−オール
2.32mmolの1,2−ジブロモエタンを、テトラヒドロフラン20ml中156.518mmolのマグネシウムの懸濁液に、アルゴン下、室温で加えた。反応混合物を、マグネシウムが反応を開始するまで暖め、次いでテトラヒドロフラン170ml中151.509mmolの1−ブロモ−4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)ベンゼンの溶液3ml、次いで溶液の残余を、穏やかな還流を保ちつつ加えた。2時間後、反応混合物を、室温に冷却し、次いで、テトラヒドロフラン170ml中125.214mmolの1−ベンジル−3−トリチルオキシメチルピペリジン−4−オン[234757−27−8]の溶液を、内部温度を40℃以下に保つよう注意しつつ徐々に加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液で急停止させた。酢酸エチルを反応混合物に加え、相を分離し、有機相を、水および食塩水で逐次洗浄した。併せた水相を酢酸エチルで逆抽出し、併せた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.30(EtOAc:ヘプタン:25%濃アンモニア=100:100:1);Rt=5.43(勾配I)。
(j)1−ブロモ−4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)ベンゼン
一般的手順Eに従い、1−ブロモ−4−クロロメチルベンゼン[589−17−3]および(R)−3−メトキシ−2−メチルプロパン−1−オールを用いて、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.44(EtOAc:ヘプタン=1:6);Rt=5.29(勾配I)。
(k)(R)−3−メトキシ−2−メチルプロパン−1−オール
一般的手順Fに従い、トリイソプロピル−(3−メトキシ−2(S)−メチルプロポキシ)シランを用いて、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.42(ジクロロメタン:ジエチルエーテル=1:1)。
(l)トリイソプロピル−(3−メトキシ−2(S)−メチルプロポキシ)シラン
水素化ナトリウム(油状物中60%の分散)3.09gを、N,N−ジメチルホルムアミド70ml中の(S)−2−メチル−3−トリイソプロピルシラニルオキシプロパン−1−オール[256643−28−4]9.55gおよびヨウ化メチル7.3mlの0℃の溶液に加えた。室温で60時間後、反応混合物を、tert−ブチルメチルエーテルで希釈し、水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.51(EtOAc:ヘプタン=1:10)。
実施例2
N−{(3S,4R,5R)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−3−イルメチル}アセトアミド
一般的手順Aに従い、(3R,4R,5R)−3−(アセチルアミノメチル)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを用いて、標記化合物を得た。
出発材料は、下記のとおり製造した:
(a)(3R,4R,5R)−3−(アセチルアミノメチル)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
5.936mmolの塩化アセチルを、ジクロロメタン80ml中5.396mmolの(3R,4R,5R)−3−アミノメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルおよび6.475mmolのトリエチルアミンの溶液にアルゴン下0℃で加えた。30分後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で急停止させ、tert−ブチルメチルエーテルで抽出した(2回)。併せた有機層を、水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rt=4.98(勾配I)。
(b)(3R,4R,5R)−3−アミノメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
7.128mmolのトリフェニルホスフィンを、メタノール20ml、テトラヒドロフラン20ml、水5mlおよび濃アンモニア水(25%)3.56ml中5.940mmolの(3S,4R,5R)−3−アジドメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの溶液に室温で加えた。一晩撹拌した後、反応混合物を、tert−ブチルメチルエーテル、および5:1の水/飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。水層を、tert−ブチルメチルエーテルで抽出し、併せた有機層を、水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.42(ジクロロメタン:メタノール:25%濃アンモニア=200:20:1);Rt=4.64(勾配I)。
(c)(3S,4R,5R)−3−アジドメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
31.265mmolのアジ化ナトリウムを、1,3−ジメチル−テトラヒドロピリジン−2−オン(DMPU)50ml中6.253mmolの(3R,4R,5S)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]−5−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの溶液に、アルゴン下45℃で加えた。5時間後、反応混合物を室温に冷却し、tert−ブチルメチルエーテルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。未精製の標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.58(EtOAc:ヘプタン=2;1);Rt=5.96(勾配I)。
(d)(3R,4R,5S)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−3−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]−5−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
7.077mmolの4−メチルベンゼンスルホニル=クロリドを、ジクロロメタン65ml中6.583mmolの(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例1a)、9.875mmolのトリエチルアミン、および0.329mmolのジメチルピリジン−4−イルアミンの溶液にアルゴン下0℃で加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を、tert−ブチルメチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。未精製の標記化合物を、黄色の油状物として得た。Rf=0.44(EtOAc:ヘプタン=2:1);Rt=5.94(勾配I)。
実施例2に記載の手順に従い、下記の化合物を同様にして製造した:
3 N−{(3S,4R,5R)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−3−イルメチル}プロピオンアミド
工程aで塩化アセチルに代えて塩化プロピオニルを用いて。
7 N−{(3S,4R,5R)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−3−イルメチル}ホルミアミド
工程aを下記の手順に置き換えた:
1.4mmolのギ酸4−ニトロフェニルを、ジクロロメタン10ml中1mmolの(3R,4R,5R)−3−アミノメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例2b)の溶液にアルゴン下で加え、次いで1mmolのトリエチルアミンを加えた。60分後、反応混合物を蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、Rf値を根拠にして特定される標記化合物を得た。
実施例4
6−{(3R,4R,5S)−5−メトキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]ピペリジン−3−イルオキシメチル}−4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン
一般的手順Aに従い、(3S,4R,5R)−3−メトキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを用いて、標記化合物を得た。
出発材料は、下記のとおり製造した:
(a)(3S,4R,5R)−3−メトキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
2.568mmolのヨウ化メチルを、0.642mmolの(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例1a)および0.963mmolの水素化ナトリウム(油状物中60%の分散)の懸濁液にアルゴン下0℃で加えた。0℃で1時間、および室温で1時間撹拌した後、反応混合物を、tert−ブチルメチルエーテルおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。水層を、tert−ブチルメチルエーテルで抽出し(2回)、併せた有機層を、水および食塩水で逐次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、60F)によって精製して、標記化合物を黄色の油状物として得た。Rf=0.41(EtOAc:ヘプタン=1:1);Rt=5.87(勾配I)。
実施例4に記載の手順に従い、下記の化合物を同様にして製造した:
6 6−{(3R,4R,5S)−5−(2−メトキシエトキシメチル)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]ピペリジン−3−イルオキシメチル}−4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン
工程aで1−ブロモ−2−メトキシエタン(ヨウ化メチルに代えて)および1当量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを用いた。
実施例5
酢酸(3S,4R,5R)−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−3−イルメチルエステル
一般的手順Aに従い、(3S,4R,5R)−3−アセトキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルを用いて、標記化合物を得た。
出発材料は、下記のとおり製造した:
(a)(3S,4R,5R)−3−アセトキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル
実施例2aと同様に、(3S,4R,5R)−3−ヒドロキシメチル−4−[4−((S)−3−メトキシ−2−メチルプロポキシメチル)フェニル]−5−[4−(3−メトキシプロピル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イルメトキシ]ピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(実施例1a)および塩化アセチルを用いて、標記化合物を無色の油状物として得た。Rf=0.20(EtOAc:ヘプタン=1:1);Rt=5.69(勾配I)。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 2009532443

    [式中、R1は、直鎖C1〜C8アルカノイルオキシ、直鎖C1〜C8アルコキシ、直鎖C1〜C8アルコキシ−直鎖C1〜C8アルコキシ、直鎖C1〜C8アルコキシカルボニルアミノ、直鎖C0〜C8アルキルカルボニルアミノ、場合によりN−モノ−もしくはN,N−ジ−C1〜C8アルキル化されたアミノ、またはヒドロキシ、または直鎖ω−ヒドロキシC1〜C8アルキルである]
    で示される化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容され得るその塩。
  2. 1がヒドロキシまたは直鎖ω−ヒドロキシC1〜C8アルキルである、請求項1記載の化合物。
  3. 1が直鎖C1〜C8アルコキシまたは直鎖C1〜C8アルコキシ−直鎖C1〜C8アルコキシである、請求項1記載の化合物。
  4. 1が直鎖C1〜C8アルカノイルオキシである、請求項1記載の化合物。
  5. 1が直鎖C0〜C8アルキルカルボニルアミノである、請求項1記載の化合物。
  6. 1が、場合によりN−モノ−またはN,N−ジ−直鎖C1〜C8アルキル化されたアミノである、請求項1記載の化合物。
  7. 1がヒドロキシ、メトキシ、2−メトキシエトキシ、アセチルオキシ、ホルムアミド、メチルカルボニルアミノまたはエチルカルボニルアミノである、請求項1記載の化合物。
  8. 医薬、特に高血圧、心不全、緑内障、心筋梗塞、腎不全および再狭窄の治療または予防用の医薬を製造するための請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、および場合により心血管活性を有する1種類またはそれ以上の薬剤を含む薬学的組成物。
  10. 高血圧、心不全、緑内障、心筋梗塞、腎不全および再狭窄を治療または予防する方法であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の治療有効量をその必要があるヒトに投与することを含む方法。
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