JP2009531615A - アクチュエータ装置及びシフトクラッチ装置 - Google Patents
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Abstract
電気機械(33′)により得られる駆動力(27)によって作動部材(22′)を軸方向に変位させる、特に段階的歯車変速機(13)のシフトクラッチ装置(12)用のアクチュエータ装置(50)であって、作動部材(22′)が、回転シャフト(14)に軸方向変位可能に取り付けられ、電気機械(33′)が、ハウジングに固定されたステータ(32)及び作動部材(22′)に結合されると共に作動部材(22′)に対して同軸に配置されたロータ(36′)を有し、ロータ(36′)が、作動部材(22′)に軸方向に相互係止関係をなして結合されているアクチュエータ装置が提供される。この場合、ロータ(36′)又は作動部材(22′)のうちの一方は、他方の部品(22′又は36′)の半径方向溝(54)に嵌まり込む半径方向突出部(52)を有する。
Description
本発明は、電気機械により得られる駆動力によって作動部材を軸方向に変位させる、特に多段歯車変速機のシフトクラッチ装置用のアクチュエータ装置であって、作動部材が、回転シャフトに軸方向変位可能に取り付けられ、電気機械が、ハウジングに固定されたステータ及び作動部材に結合されると共に作動部材に対して同軸に配置されたロータを有し、ロータが、作動部材に軸方向に相互係止関係をなして結合されている、アクチュエータ装置に関する。
この種のアクチュエータ装置は、独国特許出願公開第10103664(A1)号明細書から知られている。
独国特許出願公開第10021368(A1)号明細書は、電気モーターのロータが、輪歯車として、遊星歯車キャリヤとして、又は遊星歯車列の遊星歯車に組み込まれたものとして設計された電子機械的アクチュエータを開示している。遊星歯車列の太陽歯車は、直線駆動装置のためのスピンドルとして設計されている。
電子機械的に作動できるディスクブレーキが、独国特許出願公告第19511287(B4)号明細書から知られている。ロータは、中空シャフトとして設計されていて、ローラ−ねじ山の機構体をした歯車減速装置を包囲しており、この歯車減速装置の出力部材は、ディスクブレーキの作動部材として働く。遊星歯車装置がロータとローラ−ねじ山機構体との間に挿入される場合がある。
独国特許出願公告第2004013450(B4)号明細書は、モータ−段階的歯車変速機用のシフト装置に関する。シフト及び同期操作は、電磁的に実施される。遊び歯車及び案内スリーブが、ステータにより生じた磁束を運ぶために設計されている。シフトピンが、案内スリーブに軸方向変位可能に取り付けられ、これらシフトピンは、遊び歯車と嵌合関係又は相互係止関係をなすのに役立つ。
独国特許出願公開第19947405(A1)号明細書は、同期シフトクラッチのシフトスリーブを電気直線ステッピングモータによって作動させることができるカウンタシャフト構成型の多段歯車変速機を開示している。ステッピングモータは、リラクタンスモータとして設計されるのが良く、かかるステッピングモータは、変速機ハウジング内に収納されるのが良い。
さらに、上述の独国特許出願公開第10103664(A1)号明細書は、シフトスリーブが電気駆動装置の一部として設計された同期装置を開示している。この場合、駆動装置は、リニアモータとして又は回転駆動装置として設計されるのが良い。後者の場合、シフトスリーブは、スピンドルに対して回転可能に取り付けられるが、転がり軸受又は滑り軸受を介してスピンドルと一緒に変位可能に取り付けられている。スピンドルは、起電性コンポーネントを支持し、2つのスピンドルナットが、ハウジングで支持され、回転/並進変換装置が形成されている。
独国特許出願公開第102005017026(A1)号明細書は、シフトクラッチ装置用のアクチュエータ装置を開示しており、このアクチュエータ装置は、回転軸線に対して同心状に配置されていて、ハウジングに固定されたステータ及びロータを有する電気機械を有する。ロータは、ピン及びコイルばねを介してリング要素に結合されている。リング要素は、適当な手段によってステータに対して軸方向に変位可能であるが、ステータに対して回転することができない。リング要素の内周部にはリング突出部が設けられており、このリング突出部は、シフトクラッチ装置のシフトスリーブに設けられた周辺溝に嵌まり込む。かくして、ロータは、シフトスリーブの軸方向変位が所望される場合にのみ駆動される。
この技術背景に照らして、本発明の目的は、回路型アクチュエータ装置を提供することにある。
上述の目的は、冒頭に記載したアクチュエータ装置であって、本発明の一観点によれば、ロータ又は作動部材のうちの一方が、ロータ又は作動部材のうちの他方の半径方向溝に嵌まり込む半径方向突出部を有することによって達成される。
この実施形態では、ロータと作動部材との間の相互係止方式の結合を構造的に有利な仕方で実現でき、専用の軸受、例えば転がり軸受又は滑り軸受が不要なので、特に有利である。
その結果、アクチュエータ装置を費用効果が良い仕方で且つ半径方向にコンパクトな仕方で実現できる。
このアクチュエータ装置の好ましい実施形態では、ロータは、作動部材の外側円周方向溝に嵌まり込む内側円周方向突出部を有する。
この実施形態では、外周部環状溝を備えた作動部材、例えばシフトスリーブの慣例的な構成を本質的に保つことができる。
さらに、この場合、ロータが、ステータに対する回転中、ロータが軸方向に変位するよう回転/並進変換装置を介して、ハウジングに固定された部分に結合されていれば、有利である。
かくして、回転的に働く電気機械の駆動力を作動部材の軸方向運動に変換することは、コンパクトな仕方で実現できる。
特に好ましい実施形態によれば、回転/並進変換装置は、この場合、ロータの外周部に設けられた変換装置部分を有する。
この種の変換装置部分を構造的に単純な仕方で実現できる。
別の好ましい実施形態によれば、ハウジングに固定された部分は、この場合、回転/並進変換装置がロータとステータとの間で働くようステータによって形成される。
この場合、回転/並進変換装置を構成するうえで、別個のコンポーネントは不要であるので、特に有利である。
以上まとめて言えば、この実施形態では、突出部は、溝に円周方向に一様に係合する環状ウェブとして設計されると、これ又有利である。
この実施形態では、摩擦学上の利点が得られる。というのは、作動部材(例えば、シフトスリーブ)への軸方向力の伝達が、例えばシフトフォークとは対照的に、比較的広い領域にわたって起こることが可能だからである。
環状リブは、好ましくは、連続設計のものであり、したがって、作動部材をかしげさせ又は傾動させる恐れなく、一様な力の伝達が可能である。
さらに、本発明の第2の観点によれば、上述の目的は、電気機械により得られる駆動力によって作動部材を軸方向に変位させる、特に多段歯車変速機のシフトクラッチ装置用のアクチュエータ装置であって、作動部材が、回転シャフトに軸方向変位可能に取り付けられ、電気機械が、ハウジングに固定されたステータ及び作動部材に結合されると共に作動部材に対して同軸に配置されたロータを有する、アクチュエータ装置において、ロータは、特に、ロータに対する回転中、作動部材が軸方向に変位するよう回転/並進変換装置を介して、作動部材に固定されていることを特徴とするアクチュエータ装置によって達成される。
この実施形態では、作動中、ロータは、作動部材と一緒に(その結果、回転シャフトと一緒に)回転する。軸方向への作動部材の変位(ずれ)は、ロータと作動部材との間の相対回転によって生じ、即ち、ロータが特定の期間の間、作動部材よりも幾分ゆっくりと又は幾分早く駆動されるので生じる。
この実施形態を特に半径方向において特にコンパクトな仕方で実現できる。
本発明の第2の観点によるアクチュエータ装置では、回転/並進変換装置が、ロータの内周部に設けられた変換装置部分を有していれば、特に有利である。
この実施形態では、回転/並進変換装置は、例えば、ロータと作動部材との間で直接働くことができる。
さらに、ロータが、ハウジングに固定された部分に軸方向に取り付けられていれば、有利である。
これは、例えば、滑り軸受を介して達成できる。
しかしながら、ロータ又はハウジングに固定された部分のうちの一方が、ロータ又はハウジングに固定された部分のうちの他方の半径方向溝に嵌まり込む半径方向突出部を有していれば、特に有利である。
この実施形態では、軸方向支持体を構造的に特に簡単な仕方で実現できる。
突出部が、溝に円周方向に一様に係合する環状ウェブとして設計されていれば、特に有利である。
この場合も又、摩擦学上の利点が達成される。というのは、軸方向力は、比較的広い領域(環状ウェブフランク)にわたり伝達されるからである。
変形実施形態によれば、ロータは、回転シャフトに連結された案内スリーブのところ(又は回転シャフトに連結された別の部品若しくは回転シャフトそれ自体のところ)で軸方向に支持される。
それにより、ロータの軸方向支持を、ハウジング(又はステータ)若しくは歯車列を介する支持無しに、実施することができる。かくして、組み立てを容易に行うことができる。
本発明の第3の観点によれば、ステータ及びロータを有する電気機械を有し、ステータ及びロータは、回転シャフトに対して同軸に配置され、ロータは、作動部材に結合され、ステータは、隣り合うコンポーネントのための構成スペースを半径方向に提供するために円柱方向に途切れていることを特徴とするアクチュエータ装置が提供される。
円周方向に途切れたステータを有するこの実施形態を上述のアクチュエータ装置のうちのいずれに用いても特に好ましい。
特に、変速機への使用の場合、構成スペースは、例えば、互いに平行に延びる隣り合うシャフト等によって制限される場合が多い。この場合、ステータは、円周方向に途切れているのが良く、その目的は、構成スペースをここに提供することにある。
この目的のため、更に、ステータの外周部は、ステータのこの外周部が非丸形設計のものであるように隣接のコンポーネントに適合していれば、有利である。
この実施形態では、できるだけ大きな容積部がステータ巻線に提供されるので既存の構成スペースを特に有利に利用できる。その結果、電気機械の可能な限り最も高い出力を既存の構成スペース内で実現することができる。円形の形から逸脱したどの形状も、この場合、非丸形であることを意味するものと理解されたい。
この場合、ステータは、外周部がハウジングに適合していれば、特に有利である。
本発明は、更に、特に自動車の多段歯車変速機用のシフトクラッチ装置であって、回転シャフトに固定されていて、案内スリーブ歯を有する案内スリーブと、案内スリーブ歯と噛み合い関係にあるシフトスリーブ歯を有していて、回転シャフトに対して回転的に固定された状態で且つ軸方向に変位可能に取り付けられているシフトスリーブと、回転シャフトに回転可能に取り付けられた遊び歯車に固定されていて、遊び歯車を回転シャフトに回転的に固定された状態で連結するためにシフトスリーブ歯が押し込まれるクラッチ本体歯を有するクラッチ本体とを有する、シフトクラッチ装置において、シフトスリーブは、アクチュエータ装置によって軸方向に変位可能であることを特徴とするシフトクラッチ装置に関する。
全体として、全ての実施形態では、好ましくは、更に、ステータを収容するハウジングにおいて、ロータは、ハウジングへの別個の取り付け具を必要としない。ロータの回転運動は、有利には、回転/並進変換装置を介して作動部材に伝達される(直接又は間接的に)のが良い。
回転/並進変換装置は、スピンドル機構体として、ボールねじ機構体として、スロット付き案内として、ばね−ヒンジ機構体等として設計されるのが良い。
一般に、アクチュエータ部材を変位させる軸方向力の伝達は、シフトフォークの場合のように、点方式で行うのではなく、広い領域を有し、したがって、摩擦学上の問題を殆ど生じさせないコンポーネントによって行われる。
さらに、例えば高い回転速度から低い回転速度への回転速度のジャンプがある場合、電気機械を発電機として用いると有利である。この場合、回転運動を電気エネルギーに変換(再生)することができる。それにより、シフトクラッチ装置の効率を大幅に向上させることができる。
上述の特徴並びに以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ特定された組合せだけでなく、他の組合せ又は単独で利用できる。
本発明の例示の実施形態が図面に記載されており、以下の説明においてかかる例示の実施形態について詳細に説明する。
図1には、アクチュエータ装置の第1の実施形態が全体を10で示されている。
アクチュエータ装置10は、多段歯車変速機(変速装置又はトランスミッション)13のシフトクラッチ装置12を作動させるのに役立つ。多段歯車変速機13は、概略的に示されているに過ぎない。
シフトクラッチ装置12は、回転シャフト14に割り当てられている。シフトクラッチ装置12の互いに反対側には、第1の遊び歯車16及び第2の遊び歯車18が配置されており、これら遊び歯車は、回転シャフト14に回転可能に取り付けられている。
シフトクラッチ装置12は、詳細には示されていない案内スリーブ外歯を備えた案内スリーブ20を有している。案内スリーブ20は、回転シャフト14に対して回転的にしっかりと固定されている(回転シャフト14と一緒に回転するようこれに固着されている)。さらに、シフトクラッチ装置12は、シフトスリーブ内歯を備えたシフトスリーブ22を有している。シフトスリーブ歯は、シフトスリーブ22が回転シャフト14に対して回転的に固定された状態で取り付けられると共にこれに対して軸方向に変位可能に取り付けられるように案内スリーブ歯と噛み合い状態にある。
クラッチ本体外歯を備えた第1のクラッチ本体24が、第1の遊び歯車16に固定されている。これに対応して、対応のクラッチ本体外歯を備えた第2のクラッチ本体26が、第2の遊び歯車18に固定されている。
シフトスリーブ22は、シフトスリーブ歯がクラッチ本体歯のうちの1つにそれぞれ押し込められ、それにより割り当て状態の遊び歯車16,18を回転的に固定された状態で回転シャフト14に連結するように軸方向に変位可能である。
シフトスリーブ22の軸方向変位に必要な軸方向力27は、後述の電気機械によって得られる。
シフトクラッチ装置12は、例えば同期リング(図1には示されていない)を備えた任意所望の従来型同期装置を有するのが良いが、噛み合いクラッチ(同期装置を備えていない)として設計されても良い。
図1は、一般にコーン型同期装置にも用いられるボール/ばねラッチ止めシステムを符号28で示している。
さらに、回転シャフト14の回転軸線が、図1に30で示されている。
上述したように、駆動力27は、ステータ32及びロータ36を有する電気機械33によって得られる。
ステータ32は、多段歯車変速機のハウジング34に固定されている。
電気機械33は、回転軸線30に対して同心状の回転機械として設計されている。電気機械33は、例えば、永続的に励振されるロータ又は三相同期機に類似したロータを備えたブラシレス機械であるのが良い。
電気機械33は、シフトクラッチ装置12周りに半径方向に配置されている。ステータ32は、例えばハウジング34を介して電気的に接続できる電気作動式コイル(界磁コイル)を収納している。
ロータ36は、一般に、ステータ32と軸方向に整列状態にあり、この目的のため、軸方向に取り付けられる。これは、転がり軸受を介して行われる場合がある。この実施形態の場合、ロータ36がその外周部に環状ウェブ38の形態をした突出部を有し、この環状ウェブがハウジングに固定された部分(この場合、ステータ32)の対応の円周方向溝に嵌まり込むことが概略的に示されている。また、理解されるように、突出部がステータ32に形成され、対応の溝がロータ36に形成されても良い。
ロータ36とシフトスリーブ22との間には、例えば、ねじ山付き機構体、スロット付き案内、ボールねじ機構体等の形態をした回転/並進変換装置40が設けられている。
一般に、作動中、ロータ36は、ロータ36とシフトスリーブ22との間に相対回転速度が生じないように回転シャフト14と同期して回転する。それ故、シフトスリーブ22は、このようにして設定された位置に軸方向に留まる。シフトスリーブ22の軸方向調整のためには、ロータ36の回転速度を回転シャフト14に対して減少させ又は増大させる。それにより、ロータ36は、シフトスリーブ22に対して回転方向に調節される。これは、この相対回転が回転/並進変換装置40によってシフトスリーブ22の軸方向運動に直接変換されるからである。シフトスリーブ22の所望の軸方向移動が行われるや否や、ロータ36の回転速度を再び「同期回転速度」、即ち、回転シャフト14と同一の回転速度に設定する。
したがって、この実施形態では、シフトクラッチ装置12(又は回転シャフト14)の回転速度は、好ましくは、ステータ32内の1つ又は複数の界磁コイルの電気的転流において、考慮に入れられる。これは、例えば変速機の入力シャフト回転速度又はダブルクラッチ変速機のどこかの部分トレインの入力シャフト回転速度を検出することにより容易に求めることができる。これは、いずれにせよ一般的に、この目的のためにセンサが設けられているからである。
この場合、シフトスリーブ22を調節する所望の相対回転が、この「同期回転速度」に加算され又はこれから除算される。
好ましくは、シフトクラッチ装置12は、変速機13の出力に割り当てられた側(したがって、カウンタシャフト変速機の場合、一般に、出力シャフト)に設けられる。これにより、多段歯車変速機13が搭載された自動車のエンジン(例えば、内燃エンジン)の回転速度動力学的特性を電気機械33によって同一程度まで適用する必要がないようにすることが可能である。しかしながら、高速及び動的電気機械33の場合、これも又、一般に可能である。
さらに、一般に、ロータ36を軸方向にステータ32で支持しないで、案内スリーブ20で(例えば、シフトスリーブ22に設けられた対応の凹部を介して)支持することが考えられる(図6参照)。
電気機械33は、ステータ32の磁極の数を切り替える装置を搭載するのが良い。それにより、ステータ32のフィールド周波数をシフトクラッチ装置12に割り当てられた回転シャフト14の回転周波数又は回転速度に適合させることができる。
本発明のアクチュエータ装置10及びこのアクチュエータ装置により作動される本発明のシフトクラッチ装置12を考えられる全ての多段歯車変速機13、特に、自動変速機、ダブルクラッチ変速機等に使用することができる。この場合、特に、油圧系統は一般に、全く不要であるという利点が得られる。これは、特に例えば割り当てられたクラッチ(又はダブルクラッチ)が油圧の作用で調節されず、起電力の作用で調節される場合に有利なことがある。
さらに、図1のアクチュエータ装置では、ロータ36及び(又は)ステータ32がスプリット設計のものであれば、組み立て目的にとって有利である。
多段歯車変速機13では、好ましくは各シフトクラッチ装置12について専用のアクチュエータ装置10が設けられる。その結果、互いに異なるシフトクラッチ装置12に割り当てられた歯車装置をオーバーラップした状態で作動させることが可能である。
さらに、本発明では、変速リンク装置が不要であり、更に補助駆動装置、例えばシフトローラが不要であるという点で有利である。また、この結果、全体的に、コンパクトな形式の構成が得られると共に全体的な構成スペースが減少する。
移動量制御をセンサを介して検出し、次にこれを調節することができる。しかしながら、シフトスリーブ22を進めてその端位置でストップ(停止部)に当接させるので、移動量検出なしに移動量制御を実施することも可能である。これにより、ロータ36がステータ32の界磁領域に常に留まるようにすることが可能である。
しかしながら、リミットストップをセンサにより検出することも可能である。
図2は、本発明のアクチュエータ装置50の変形実施形態を示している。アクチュエータ装置50は、構造及び機能の面で全体として図1のアクチュエータ装置10に一致している。したがって、同一の要素は、同一の符号によって示されている。以下においては相違点のみを取り扱う。
アクチュエータ装置50では、回転/並進変換装置40′が、ロータ36′とステータ32との間に配置されている。ロータ36′は、作動中、通常静止している。電流をステータ32の界磁コイルに流すと、ロータ36′は回転し、回転/並進変換装置40′によって軸方向に変位する。この場合、回転/並進変換装置40′は、好ましくは、ステータ32とロータ36′との間に直接設けられる。
さらに、ロータ36′は、軸方向に相互係止(インターロック)関係又は嵌合関係をなしてシフトスリーブ22′に結合されている。この場合、連続環状ウェブ52の形態をした突出部が、ロータ36′の内周部に形成される。これに対応して、環状ウェブ52が嵌め込まれる連続外周部半径方向溝54が、シフトスリーブ22′に形成されている。
しかしながら、対応の突出部又は環状ウェブをシフトスリーブ22に設け、対応の半径方向溝をロータ36′に設けることも可能である。
この実施形態においても、連続環状ウェブ52により、シフトスリーブ22′に伝達された軸方向力は、比較的広い範囲にわたって伝達され、その結果、ロータ36′とシフトスリーブ22′との間で一般に生じる回転速度差を摩擦学的に効果的に制御することができるので、有利である。
図3は、電気機械33の断面を概略的な形態で示している。
ステータ32′は、一般に、その内周部が円形の設計のものであり、同様な円形のロータ36の外周部に合うように構成されていることが理解できる。電気機械33を狭い設置位置であっても、例えば、シャフト60がすぐ隣りに位置している場合であっても用いることができるようにするために、ステータ32′を1つ又は2つ以上の箇所で切断し、又は、このステータが途切れ設計のものであるようにするための措置が講じられるようにするのが良い。かかる途切れ又は切断状態が、図3に符号61で示されている。
図4に示すように、ステータ32″又はそのケーシングの外周部を、これが隣接のコンポーネント、例えばハウジング34に適合するような仕方で(非丸形に)設計することも可能である。
それにより、既存の構成スペースをできるだけ大きな界磁コイルを収納するために用いることができる。また、ハウジング34を介する相互係止又は嵌合関係によるトルクの支持を実施することができる。
さらに、図5は、シフトスリーブ22の移動量に対する回転/並進変換装置40の勾配又は作動レベル62を表すグラフを概略的に示している。
作動レベルをシフトスリーブ22のゼロ位置から同期領域64を越える位置の範囲において比較的低い、例えばG1の値であるよう設計できることが理解できる。
同期移動量セグメントを超えると、特性曲線62は、非常に高い作動レベルG2を示す場合がある。
本発明で論じる場合、高い作動レベルという表現は、回転角度が同一である場合、大きな並進移動量が生じることを意味する。歯車段を選択するためのシフトスリーブ22の移動段階では、クラッチ本体との相互係止又は嵌合関係を同期後にできるだけ迅速に作られるべきである。これを達成するため、作動レベルを高い値G2まで増大させ、それにより、回転速度が同一のままの状態で、シフトスリーブ22を迅速に動かし、その結果、相互係止関係又は嵌合関係を迅速に作るようにする。
図6は、改造型アクチュエータ装置10′″を有する図1のシフトクラッチ装置12の改造型実施形態を示している。アクチュエータ装置10′″は、構造及び機能の面で全体として図1のアクチュエータ装置10に一致している。したがって、同一の要素は又、同一の符号によって示されている。以下においては相違点のみを取り扱う。
ロータ36′″は、アクチュエータ装置10′″では案内スリーブ20′″(又は、シャフト14に固定的に連結された任意他のコンポーネント)に軸方向に連結されている。
それにより、アクチュエータ装置10′″の組み立て労力を図1のアクチュエータ装置10に対して軽減することができる。ロータ36′″とステータ32′″との間の直接的結合は、不要である。これら要素を空隙のみを介して互いに連結することができる。
案内スリーブ20′″に対するロータ36′″の連結は、半径方向ピン70を介して(しかしながら、一般に、周囲全体に分布して設けられた複数本の半径方向ピン70を介して)行われる。半径方向ピン70は、半径方向に突き出て案内スリーブ20′″に当たると共にこれにしっかりと連結されている。半径方向ピン70のところのロータ36′″の軸方向支持を摩擦軽減のために1つ又は2つ以上の摩擦リング72を介して行うのが良い。
この目的のため、半径方向ピン70は、改造型シフトスリーブ22′″を貫通している。正確に言えば、シフトスリーブ22′″は、半径方向ピン70のための軸方向開口部74を有し、したがって、半径方向ピン70は、本質的に干渉無くシフトスリーブ22′″を貫通することができるようになっている。
図1及び図6のそれぞれのアクチュエータ装置10,10′″では、ロータの制動中、エネルギーを回収することができる。さらに、電気機械33は、回転/並進変換装置40の実施形態に応じて、重要な同期プロセスを支援することができる。
Claims (17)
- 電気機械(33′)により得られる駆動力(27)によって作動部材(22′)を軸方向に変位させる、特に多段歯車変速機(13)のシフトクラッチ装置(12)用のアクチュエータ装置(50)であって、前記作動部材(22′)が、回転シャフト(14)に軸方向変位可能に取り付けられ、前記電気機械(33′)が、ハウジングに固定されたステータ(32)及び前記作動部材(22′)に結合されると共に前記作動部材(22′)に対して同軸に配置されたロータ(36′)を有し、前記ロータ(36′)が、前記作動部材(22′)に軸方向に相互係止関係をなして結合されている、アクチュエータ装置において、
前記ロータ(36′)又は前記作動部材(22′)のうちの一方は、前記ロータ(36′)又は前記作動部材(22′)のうちの他方(22′又は36′)の半径方向溝(54)に嵌まり込む半径方向突出部(52)を有する、アクチュエータ装置。 - 前記ロータ(36′)は、前記作動部材(22′)の外側円周方向溝(54)に嵌まり込む内側円周方向突出部(52)を有する、請求項1記載のアクチュエータ装置。
- 前記ロータ(36′)は、前記ステータ(32)に対する回転中、前記ロータ(36′)が軸方向に変位するよう回転/並進変換装置(40′)を介して、前記ハウジングに固定された部分(32)に結合されている、請求項1又は請求項2記載のアクチュエータ装置。
- 前記回転/並進変換装置(40′)は、前記ロータ(36′)の外周部に設けられた変換装置部分を有する、請求項3記載のアクチュエータ装置。
- 前記ハウジングに固定された前記部分(32)は、前記回転/並進変換装置(40)が前記ロータ(36′)と前記ステータ(32)との間で働くよう前記ステータ(32)によって形成されている、請求項3又は請求項4記載のアクチュエータ装置。
- 前記突出部(52)は、前記溝(54)に円周方向に一様に係合する環状ウェブ(52)として設計されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載のアクチュエータ装置。
- 電気機械(33)により得られる駆動力(27)によって作動部材(22)を軸方向に変位させる、特に多段歯車変速機(13)のシフトクラッチ装置(12)用のアクチュエータ装置(10)であって、前記作動部材(22)が、回転シャフト(14)に軸方向変位可能に取り付けられ、前記電気機械(33)が、ハウジングに固定されたステータ(32)及び前記作動部材(22)に結合されると共に前記作動部材(22)に対して同軸に配置されたロータ(36)を有する、アクチュエータ装置において、
前記ロータ(36)は、前記ロータ(36)に対する回転中、前記作動部材(22)が軸方向に変位するよう回転/並進変換装置(40)を介して、前記作動部材(22)に固定されている、アクチュエータ装置。 - 前記回転/並進変換装置(40)は、前記ロータ(36)の内周部に設けられた変換装置部分を有する、請求項7記載のアクチュエータ装置。
- 前記ロータ(36)は、ハウジングに固定された部分(32,34)に軸方向に取り付けられている、請求項7又は請求項8記載のアクチュエータ装置。
- 前記ロータ(36)又は前記ハウジングに固定された前記部分(32,34)のうちの一方は、前記ロータ又は前記ハウジングに固定された前記部分のうちの他方の半径方向溝に嵌まり込む半径方向突出部(38)を有する、請求項9記載のアクチュエータ装置。
- 前記突出部(38)は、前記溝に円周方向に一様に係合する環状ウェブ(38)として設計されている、請求項10記載のアクチュエータ装置。
- 前記ロータ(36′″)は、前記回転シャフト(14)に連結された案内スリーブ(20′″)のところで軸方向に支持されている、請求項7記載のアクチュエータ装置。
- 前記アクチュエータ装置(10;50)は、ステータ(32)及びロータ(36)を有する電気機械(33)を有し、前記ステータ(32)及び前記ロータ(36)は、前記回転シャフト(14)に対して同軸に配置され、前記ロータ(36)は、作動部材(22)に結合され、前記ステータ(32′)は、隣り合うコンポーネント(60)のための構成スペースを半径方向に提供するために円柱方向に途切れている、請求項1乃至12の何れか1項に記載のアクチュエータ装置。
- 前記ステータ(32″)の外周部は、前記ステータ(32″)の該外周部が非丸形設計のものであるように隣接のコンポーネント(34)に適合している、請求項1乃至13の何れか1項に記載のアクチュエータ装置。
- 前記ステータ(32″)は、外周部がハウジング(34)に適合している、請求項14記載のアクチュエータ装置。
- 前記回転/並進変換装置(40)は、回転角度と軸方向移動量との間に非直線状の特性曲線をもたらす、請求項1乃至15の何れか1項に記載のアクチュエータ装置。
- 特に自動車の多段歯車変速機(13)用のシフトクラッチ装置(12)であって、回転シャフト(14)に固定されていて、案内スリーブ歯を有する案内スリーブ(20)と、前記案内スリーブ歯と噛み合い関係にあるシフトスリーブ歯を有していて、前記回転シャフト(14)に対して回転的に固定された状態で且つ軸方向に変位可能に取り付けられているシフトスリーブ(22)と、前記回転シャフト(14)に回転可能に取り付けられた遊び歯車(16,18)に固定されていて、前記遊び歯車(16,18)を前記回転シャフト(14)に回転的に固定された状態で連結するために前記シフトスリーブ歯が押し込まれるクラッチ本体歯を有するクラッチ本体(24,26)とを有する、シフトクラッチ装置において、
前記シフトスリーブ(22)は、請求項1〜16のうちいずれか一に記載のアクチュエータ装置(10;50)によって軸方向に変位可能である、シフトクラッチ装置。
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