JP2009530631A - マイクロ電極アレイ - Google Patents

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Abstract

電気非伝導性材料を含むボディを含み、電気伝導性材料の少なくとも1つの領域と、非伝導性材料のボディと電導性材料の領域を貫通して延びる少なくとも1つの通路を含み、電気伝導性領域が使用中の通路を通って流れる流体に対して電気伝導性材料のエリアを提供するマイクロ電極。このようなマイクロ電極を含む電気化学セルも開示される。

Description

(発明の背景)
本発明は、マイクロ電極に関するものであって、詳細には、ダイヤモンド・マイクロ電極に関する。
マイクロ電極は、多くの応用のなかでも、液体や気体などの流体を特性評価するための電気化学的応用に用いられる。このような電気化学的測定は、定性的又は相対的なものでよいし、あるいは、定量的なものでもよい。定量的測定は、一般にシステムが数学的モデルに従うことを要求するが、いずれの場合でもシステムの信号対雑音比が最大化されることが好ましく、またシステムからできるだけ多くの情報が抽出されることが好ましい(Electroanalysisの第12巻(2000年)、677ページに掲載のフィーネイ(Feeney)等の論文を参照)。これら二つの目的は、小型の電極、すなわちマイクロ電極を使用して、構成が線形又は二次元拡散モデルのいずれでもなく、半球又は三次元拡散モデルに近似するようにすることによって最もうまく達成される。
このようなマイクロ電極の使用は、当該分野で既知であり、1970年代後半には、活発な研究分野となった。それ以降の一般的なエレクトロニクスの発展によって、このような電極を効率的に活用するために必要なツールが提供されることになった。実現された典型的な利点には、時間分解能の向上、電流密度の増大、液の抵抗に対する感度低下および定常状態の拡散分布が含まれる。
従来は、このようなマイクロ電極はアレイ状に配置され、分析される流体に対して露出される接触面を提供する。典型的には、このようなマイクロ電極を作製するために、金属などの電導性電極材料を非電導性層で被覆し、次にそれに1又は複数の孔を開けて、流体に接触するマイクロ電極を形成する。近年では、ホウ素がドープされたダイヤモンドが電極材料として立証され、ホウ素がドープされたダイヤモンド層の上へのマイクロ電極の作製が報告されている。典型的には、このような電極は、直径が数ミクロンであり、ダイヤモンドの表面にSi又は類似の非電導性材料の層を取り付け、そのあとでそのなかに孔をエッチングして下のダイヤモンドを露出させることで作製される(Electrochemical Society Proceedingsの第23巻(2001年)、97−107ページに掲載されたP.ライチェン(Rychen)等による論文を参照)。更に最近では、国際特許出願第WO 2005/012894号に開示されているように、本発明の出願人が、電気非伝導性ダイヤモンドを含むダイヤモンド層を含み、また非電導性ダイヤモンドの層を少なくとも部分的に貫通して延びた電気伝導性ダイヤモンドの1又は複数のピン又は突起物を含み、電気伝導性ダイヤモンドの領域を提供するマイクロ電極を開発した。ダイヤモンドのみで形成された電極を使用すれば、(i)非常に幅広い条件のもとで、非常に広範囲の化学薬品による腐食に対する群を抜いて高い抵抗性、(ii)広いポテンシャル・ウインドウおよび(iii)広範囲の化学的に侵食性の環境においてデバイスを安定に使用することを可能にする低いバックグラウンド電流が提供される。
しかし、第WO 2005/012894号に述べられたような二次元ダイヤモンド・マイクロ電極アレイ(MEA)は多くの欠点を有する。例えば、デバイスを製造する方法は複雑であり、ピンのアレイを残すように、ホウ素がドープされた材料のバルクを正確に除去する工程、それに続いてピン間のスペースを真性(すなわち、非電導性)ダイヤモンドで埋める第2の堆積工程およびピンの頂上を再び露出させるように、表面を正確に研磨する第3の工程を必要とする。更に、個々の電極間の間隔は、各デバイスがそれを取り囲むすべてのデバイスから独立したものとして扱えるように、調べようとする元素の拡散長よりも大きくなければならない。全般的な信号レベルもまた、アクティブ・サイトの密度と同じように低くなる。一般に、デバイスは、元素輸送の主要機構が拡散である条件下で動作する必要がある(すなわち、デバイスは、静的な条件下で動作する必要がある)。
(発明の概要)
本発明に従えば、マイクロ電極は、電気非伝導性材料、好ましくは、非電導性ダイヤモンドを含むボディを含み、また電気伝導性材料、特に電気伝導性ダイヤモンドの少なくとも1つの領域、非電導性の材料のボディを貫通して延びる少なくとも1つの通路、好ましくは、分析通路および使用中の通路を通って流れる流体に対して電気伝導性材料の1又は複数のエリアを提供する伝導性材料の領域を含む。
本発明では、3つのタイプの通路について考えることが理解されよう。すなわち、通路を流れる流体を分析するのに適した分析通路、通路を通って流れる流体を分析するのに適していない単純通路、および通路を通って流れる流体を分析するように適応した、あるいは適応していない通路であって、単純通路又は分析通路と交差する交差通路の3つである。「通路」という用語は、ここに述べるように任意の1又は複数のタイプの通路を意味することを意図している。
ボディには電気伝導性材料の2つ以上の領域が含まれ、また分析通路は、電気非伝導性材料のボディを貫通し、また電気伝導性材料の領域を貫通する。
1又は複数の領域は、一般に1又は複数の層の形を取る。
発明のマイクロ電極は、単一の分析通路を含むか、あるいは、規則的なアレイ又は不規則なアレイでよいアレイ状に配置された複数の分析通路を含む。マイクロ電極は、1又は複数の単純通路を含む。
特に、発明のマイクロ電極は、好ましくは少なくとも2つの真性(すなわち、非電導性)の間隔をおいた層と、非電導性材料の層に挟まれた少なくとも1つの電導性層とを含み、層を横切る方向に層を貫通して形成された1又は複数の分析通路を備えた非電導性材料の層状構造を含む。使用時には、モニタすべき流体がマイクロ電極中の分析通路(単数又は複数)を通って流れるか、あるいは、強制的に流されて、電導性層(単数又は複数)と流体に接触するほかの場所の基準電極との間の電位差が読み取られる。
ボディがダイヤモンドを含む場合、それは、全体又は一部分が単結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドであり、天然ダイヤモンド又は合成ダイヤモンドである。合成ダイヤモンドの場合、それは、高圧高温(HPHT)技術(以降では、「HPHTダイヤモンド」と呼ぶ)又は化学気相成長(CVD)技術(以降では、「CVDダイヤモンド」と呼ぶ)によって作製できる。
各分析通路は、1又は複数の分析表面を定義し、各分析表面には、電気伝導性ダイヤモンドの1又は複数のエリア(分析表面)が含まれる。多くの場合、分析通路は、一般に広い平坦な電極表面に対して垂直に作製されるが、いくつか又はすべての分析通路を、一般に広い平坦な表面に対して垂直でない角度をなすように作製することも、また通路が交差することも可能である。交差通路は、これも分析通路でもよいし、あるいは、分析領域に関連のないものでもよいが、流体の流れの方向で眺めた場合合流しても分岐してもよく、また伝導性層の任意のものとの交差を回避して、例えば本質的に層の面内にあってもよい。
ほとんどの状況では、分析通路はすべて円形断面を有し、一般に同じ直径のものである。しかし、特定の状況で、分析通路は多様な形状又は直径を有し、その形状又は直径が通路ごとに異なったり、1つの通路のなかで変化したり、あるいは、その両方であったりする。長さに沿って分析通路の形状又は直径を変化させることは、流体の速度を変化させることにつながり、従って、電極の時間分解能を変化させることにもつながる。デバイスの異なる領域が、互いに電気的に分離されることで、異なる分析通路設計を使用できることから、時間ドメイン又はその他のパラメータで表現される分析を最適化することができる。
同様に、ほとんどの状況で、交差通路はすべて円形断面を有し、一般に同じ直径のものである。しかし特定の状況では、交差通路は多様な形状又は直径を有し、その形状又は直径が通路ごとに異なったり、1つの通路のなかで変化したり、あるいはその両方であったりする。長さに沿って交差通路の形状又は直径を変化させることは、流体の速度を変化させることにつながり、従って、電極の時間分解能を変化させることにもつながる。デバイスの異なる領域が互いに電気的に分離されることで、異なる交差通路設計を使用できることから、時間ドメイン又はその他のパラメータで表現される分析を最適化することができる。
通路の形状又は直径を変化させることで流体の圧力を変調させることもでき、例えば直径の変化は、流体の流れを駆動したり、通路が交差する場所で混合したりするベンチュリとして利用することができる。
層状のダイヤモンド構造を貫通する分析通路は、典型的には円筒状であり、例えば、デバイスの入口および出口面を形成する主面上に孔を六角形状に配置するなど、デバイス中に十分な強度を保つ要求に従って、ボディ中に稠密に充填することができる。発明が動作するために厳密に言えば、分析通路の入口および/又は出口孔はデバイスの主面にある必要がなく、また通路はそれ自体曲がっていても、あるいは角を有していてもよいが、好適な構造は分析通路の入口および/又は出口孔がデバイスの主面にあるものであって、分析通路は実質的にまっすぐであることが好ましい。
電気伝導性領域のエリアは、好ましくはボディの1つ又はその他の外部表面に電気的に接続されていて、それを通して外部回路との接続ができ、ここでは「コンタクト面」と呼ばれる。
発明は、別の態様に従えば電気化学セルを提供し、それは上で述べたタイプのマイクロ電極を含む。
ダイヤモンドの電導性領域は、当該分野で既知の任意の方法によって形成されるが、好ましくはドーパント元素を添加することによって形成される。ドーピングはインプランテーションによって実現できるが、好ましくはダイヤモンドの合成の間、例えば、化学気相成長法(CVD)によるダイヤモンド合成の間にドーパント元素を導入することによって実現される。CVDダイヤモンドを電導性にする好適な方法は、合成プロセスの間にホウ素を添加することによるものであるが、リンやイオウのようなその他のドーパントを用いてもよい。
電導性領域がホウ素がドープされたダイヤモンドを含む場合、CVDダイヤモンド層中のホウ素の濃度は、好ましくは約0.01ppm(百万分の一)より大きく、好ましくは約0.1ppmより大きく、好ましくは約1ppmより大きく、好ましくは約10ppmより大きく、好ましくは約100ppmより大きく、好ましくは約200ppmより大きく、好ましくは約500ppmより大きく、好ましくは約1000ppmより大きい。
電導性領域がホウ素がドープされたCVDダイヤモンドを含む場合、CVDダイヤモンド層中のホウ素濃度は、好ましくは約20000ppmより小さく、好ましくは約15000ppmより小さく、好ましくは約10000ppmより小さい。
電導性領域がホウ素がドープされたCVDダイヤモンドを含む場合、CVDダイヤモンド層中のホウ素濃度は、好ましくは1000ppmと15000ppmとの間にある。
ホウ素がドープされたダイヤモンドの領域のホウ素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定できる。好ましくは、ホウ素濃度の複数回の測定を行なって得られた濃度の算術平均を取る。好ましくは、複数の測定を含む測定の回数は少なくとも5回である。
ドーパント濃度は、電導性層(単数又は複数)に亘って均一であることが好ましい。この文脈で「均一」という用語は、個別の電導性層の分析表面全体を眺めた場合のドーパントの分散状況について言及するものである。
更に詳細には、均一性とは、任意の1つのドープされた電導性層上に形成された分析表面(単数又は複数)の任意の0.36mm、好ましくは0.25mm、好ましくは0.16mm、好ましくは0.09mm、好ましくは0.04mm、好ましくは0.01mmにおいて例えばSIMSによって測定したドーパント原子の濃度が、同じ電導性層上に形成された分析表面(単数又は複数)の任意のその他の0.36mm、好ましくは0.25mm、好ましくは0.16mm、好ましくは0.09mm、好ましくは0.04mm、好ましくは0.01mmにおけるドーパント濃度から変化しないようなものであること、またそれらが約50%、好ましくは30%、好ましくは20%、好ましくは10%より多い割合によって互いに電気的に関連付けられることが好ましい。好ましくは、例えばSIMSによって測定されたドーパント濃度の個々の測定は、0.01mmより大きい、好ましくは0.04mmより大きい、好ましくは0.09mmより大きい、好ましくは0.16mmより大きい、好ましくは0.25mmより大きい、好ましくは0.36mmより大きいエリアに亘って行なわれる。これは、いくつかの成長セクタ、特に多結晶CVDダイヤモンドなどの多結晶材料内部でドーパント濃度が局所的に変動する可能性は許容する。
更に好ましくは、デバイスのすべての分析表面は均一なドーパント濃度を有し、それによって分析表面(単数又は複数)の任意の0.36mm、好ましくは0.25mm、好ましくは0.16mm、好ましくは0.09mm、好ましくは0.04mm、好ましくは0.01mmにおいて例えばSIMSによって測定されたドーパント原子の濃度は、分析表面(単数又は複数)の任意のその他の0.36mm、好ましくは0.25mm、好ましくは0.16mm、好ましくは0.09mm、好ましくは0.04mm、好ましくは0.01mmにおけるドーパント濃度から、約50%、好ましくは30%、好ましくは20%、好ましくは10%よりも大きく変化しないようなものとなる。好ましくは、例えばSIMSによって測定されたドーパント濃度の個々の測定は、0.36mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.25mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.16mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.09mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.04mmに等しいかそれより小さい、好ましくは、0.01mmに等しいかそれより小さいエリアに亘って行なわれる。これは、いくつかの成長セクタ、特に多結晶CVDダイヤモンドなどの多結晶材料内部でドーパント濃度が局所的に変動する可能性は許容する。
表面全体に亘って均一なドーパント濃度を有する単一層内に分析表面を設ける最も簡単な方法は、電導性層の体積全体で均一なドーパント濃度を有するドープされた電導性層を設けるものであり、この場合もいくつかの成長セクタにおける局所的変動の可能性は許容される。更に詳細には、電導性層中のドーパントの均一性は、例えばSIMSによって測定された任意の1mm、好ましくは0.2mm、好ましくは0.03mm体積中のドーパント原子の濃度が、任意の他の1mm、好ましくは0.2mm、好ましくは0.03mm体積中のドーパント原子の濃度から約50%、好ましくは30%、好ましくは20%、好ましくは10%よりも大きく変動しないようなものであることが好ましい。
ドープされた電導性層の体積全体に亘ってドーパントが均一である場合、ドープされた電導性層上に形成された任意の表面は均一なドーパント濃度を有し、従って、電導性層上の表面の任意の0.36mm、好ましくは0.25mm、好ましくは0.16mm、好ましくは0.09mm、好ましくは0.04mm、好ましくは0.01mmにおいて例えばSIMSによって測定されたドーパント原子の濃度は、電導性層の表面の任意の他の0.36mm、好ましくは0.25mm、好ましくは0.16mm、好ましくは0.09mm、好ましくは0.04mm、好ましくは0.01mmにおけるドーパント原子の濃度から約50%、好ましくは30%、好ましくは20%、好ましくは10%よりも大きく変動しない。好ましくは、例えばSIMSによって測定されたドーパント濃度の個々の測定は、0.36mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.25mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.16mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.09mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.04mmに等しいかそれより小さい、好ましくは0.01mmに等しいかそれより小さいエリアに亘って行なわれる。これは、いくつかの成長セクタ、特に多結晶CVDダイヤモンドなどの多結晶材料内部でドーパント濃度が局所的に変動する可能性は許容する。
異なる電導性層中のドーパント濃度は、例えばそれらが異なる機能のために使用される場合意図的に変えられるが、それらが似たようなドーパント濃度を有することが好ましく、従ってドーパントの均一性を評価する上述の各方法は、デバイス中のすべての伝導性層に適用される場合、等しく適用される。
当業者にはよく知られたように、CVDダイヤモンドなどの成長中の結晶への不純物又はドーパント元素の取込みは、複数の因子によって影響される。特に、ドーパントの取込みは、その他の欠陥、例えば転位や他の不純物の存在によって影響される。更に、成長が進む結晶面もまたドーパントの取込みに影響する。CVDダイヤモンドの一般的な結晶面は、{100}、{110}、{111}および{113}面である。これらの異なる面によって形成される成長セクタにおける不純物の取込みは相対的に非常に異なり、また成長条件によっても異なる。例えば、{111}成長セクタは、典型的には、{100}成長セクタと比べておよそ10ないし30倍も多いホウ素を取り込む。成長セクタごとにホウ素の取込みが異なる結果、典型的な多結晶CVDダイヤモンドなど{111}および{100}の両成長セクタを含む任意のCVDダイヤモンドは、ホウ素濃度の大きな局所的変動を示す。このことが、均一性の測定に関して一般に最大のサンプル面積又は最大のサンプル体積が指定される理由であり、例えば合成条件の不十分な制御から生ずる大きなスケールでの有害な変動を決定するのには、サンプル面積又はサンプル体積は十分小さい。
1又は複数の電導性層又は領域のダイヤモンドが多結晶のホウ素をドープされたダイヤモンドである実施の形態では、ダイヤモンドの典型的な粒径(すなわち、平均の粒径)が、好ましくは1又は複数の分析通路の直径の0.5倍より小さい、好ましくは1又は複数の分析通路の直径の0.3倍より小さい、好ましくは1又は複数の分析通路の直径の0.1倍より小さい、好ましくは1又は複数の分析通路の直径の0.05倍より小さいことが好ましい。
電導性層がホウ素がドープされた単結晶ダイヤモンドを含む実施の形態では、すべての分析通路が単一の成長セクタを横切ることが好ましい。
電導性領域がホウ素がドープされたダイヤモンドを含む場合、ホウ素をドープされたダイヤモンドの抵抗率は、好ましくは約10mΩm(ミリオーム・メートル)より小さく、好ましくは約5mΩmより小さく、好ましくは約2mΩmより小さい。
電導性領域がホウ素がドープされたダイヤモンドを含む場合、ホウ素をドープされたダイヤモンドの抵抗率は、好ましくは約0.01mΩmより大きく、好ましくは約0.05mΩmより大きく、好ましくは約0.1mΩmより大きく、好ましくは約0.2mΩmより大きく、好ましくは約0.3mΩmより大きい。
ホウ素がドープされたダイヤモンド領域の抵抗率は、表面抵抗を測定し、得られた値をバルクの抵抗測定値に変換することで計算できる。
例えば4探針法を使用した場合、表面抵抗は、問題の表面(単数又は複数)に2つの電極を接触させ、2つのポイント間の距離を指定された距離にセットすることで測定される。次に2つの電極間に電圧が印加される。一定の電流を流すために必要な電圧を測定し、それによって具体的には、次のオームの法則の式に従って表面抵抗を決定できる。
R=V/I
ここで、Vは2つの測定ポイント間の電位差であり、Iは2つの測定ポイント間に流された電流である。
この測定を実行するために適した装置の一例は、Jandel Cylindricalのハンドヘルド式4点プローブをTTi BS407型高精度ミリ/マイクロ・オーム・メータのような適当なメータと組み合わせたものである。
測定された表面抵抗を用いて、次の関係を利用して双極性電極の電気抵抗率ρを計算できる。
ρ=Rπt/ln2
ここでtはμmで表したホウ素をドープされた領域の厚さで、Rは上で定義したように決定された抵抗値をmΩで表したものである。
測定ポイント間の間隔が双極性電極の厚さに近いという理由や、理論が半無限平面を仮定しているサンプルのエッジ近くでいくつかの測定が行なわれたという事実のせいで、抵抗率の値が補正されるということは一般にない。
発明のマイクロ電極が、好ましくは、また主にダイヤモンドを含むので、それは基本的に広範囲の化学薬品に対して非常に高い抵抗を有し、また非常に高い強度、腐食に対する非常に高い抵抗、研磨に対する非常に高い抵抗および500℃を超える温度に対する良好な安定性を有する。従って、研磨材粒子や侵食性の化学元素を懸濁させた流体などの侵食環境でそれを使用することが可能である。
デバイスは、1又は複数の分析通路を通る流体の、好ましくは10ms−1より大きい、好ましくは20ms−1より大きい、好ましくは50ms−1より大きい、好ましくは100ms−1より大きい、好ましくは200ms−1より大きい、好ましくは300ms−1より大きい流速で動作できる(動作に適している)。
デバイスは、1又は複数の交差通路を通る流体の、好ましくは10ms−1より大きい、好ましくは20ms−1より大きい、好ましくは50ms−1より大きい、好ましくは100ms−1より大きい、好ましくは200ms−1より大きい、好ましくは、300ms−1より大きい流速で動作できる(動作に適している)。
デバイスは、前面と裏面との間の、好ましくは約0.05MPaより大きい、好ましくは約0.1MPaより大きい、好ましくは約0.2MPaより大きい、好ましくは約0.5MPaより大きい、好ましくは約1MPaより大きい、好ましくは約2MPaより大きい、好ましくは約5MPaより大きい、好ましくは約10MPaより大きい圧力差で動作できる(動作に適している)。
電導性領域が層である場合、それらは通常等しい厚さで、マイクロ電極のボディを通して等間隔になっているが、これは、必ずしも電導性層が等しくない厚さで不規則な間隔になっているか、あるいはその両方である可能性を排除しない。
分析表面(単数又は複数)における電気伝導性ダイヤモンドのエリア(単数又は複数)は、電気化学的電極表面(単数又は複数)として働き、分析対象の流体と接触する。流体は、一般に液体であるが気体でもよい。
(好適な実施の形態の詳細な説明)
ダイヤモンド、特にCVDダイヤモンド(電導性も非電導性も)は、発明のマイクロ電極構造を作製するのに好適な材料であるので、発明は、便宜上特にダイヤモンドに関して説明することにする。しかし、その他適当な材料も可能であることを理解すべきである。電導性材料として適した他の材料の例には、金属、電気伝導性ポリマ又は電気伝導性セラミックが含まれ、また実質的に非電導性の層として適した他の材料の例には、電気絶縁性ポリマ又はセラミックが含まれる。発明のマイクロ電極を構成するために、電導性ダイヤモンド層を非電導性のセラミック材料と組み合わせることも可能である。
好適なダイヤモンド・マイクロ電極構造の各種のコンポネントは、事実上、単結晶又は多結晶であり、通常は合成であるが、デバイスを少なくとも部分的に自然ダイヤモンドで作製することも可能である。合成ダイヤモンドには、高圧高温(HPHT)ダイヤモンド又は化学気相成長(CVD)ダイヤモンドが含まれる。好適なマイクロ電極構造には、非電導性である2つと電導性である中間層の少なくとも3つのダイヤモンド層が含まれる。これら少なくとも2つの非電導性ダイヤモンド層は、好ましくは、真性ダイヤモンドを含む。
本発明を作製するためにCVDダイヤモンドが好ましい一方で、デバイス用としてダイヤモンドの種類を組み合わせることも適切である。一例として、HPHT合成ダイヤモンドを用いて機械的な強度を提供するのに加えて、層構造をCVDダイヤモンドで作製できる。
電導性ダイヤモンド層は、既知の任意の化学気相成長法によって形成できるが、好ましくは、成長中にドーピングを行うことによって作製され、更に好ましくは成長中にホウ素をドープすることによって作製される。電導性ダイヤモンド領域を生成する代替法はイオン・インプランテーションによるものである。代替ドーパントには、イオウおよびリンが含まれる。
各種のダイヤモンド層は、典型的には個別に5から1000μmの厚さ、好ましくは15から500μmの厚さ、更に好ましくは25から300μmの厚さ、最も好ましくは50から200μmの厚さである。
発明のマイクロ電極の作製、特に合成後の成長表面の処理を容易にするために、最終段階のマイクロ電極中の非電導性層の厚さは、好ましくは50μmより大きく、好ましくは100μmより大きく、好ましくは200μmより大きく、好ましくは300μmより大きい。
発明のマイクロ電極の作製、特に合成後の成長表面の処理を容易にするために、最終段階のマイクロ電極中の1又は複数の電導性層の厚さは、好ましくは50μmより大きく、好ましくは80μmより大きく、好ましくは100μmより大きい。
発明のマイクロ電極を含む層は、ほぼ均一な厚さであることが好ましい。この文脈で均一とは、層の任意のポイントでの厚さが、層のエリアに亘って、好ましくは少なくとも10回の測定、好ましくは少なくとも15回の測定を行なって得られた算術平均の厚さの70%から130%の範囲、好ましくは80%から120%の範囲、好ましくは90%から110%の範囲にあることを意味する。
その上に発明のマイクロ電極の層を次々に成長させる表面は、それらの表面粗さRaが1μmより小さく、好ましくは0.5μmより小さく、好ましくは0.2μmより小さく、好ましくは0.1μmより小さくなるように表面処理されていることが好ましい。
マイクロ電極を作り上げるために積み重ねられた層の合計の厚さは、典型的には50から3000μmの範囲、好ましくは80から1000μmの範囲、更に好ましくは100から800μmの範囲、最も好ましくは150から500μmの範囲にある。特に、流れを与えるために非常に高い圧力を用いる応用では、マイクロ電極は、より厚いダイヤモンド基板又はダイヤモンド以外の裏打ち層によって支えられる。
マイクロ電極の側面形状および広がりは、それの作製のために利用できる技術によってのみ制限される。側面形状は、円形、矩形、長方形、楕円形又は応用に適した任意のその他の形状でよい。デバイスの横広がりの下限は、デバイスを作製および搭載するときの能力によって定義され、典型的には約1mmであるが、更に小さいマイクロ電極の可能性を排除するものではない。大型のマイクロ電極は、円形で直径100mmでよいが、それよりも大きいマイクロ電極の可能性を排除するものではない。
別の実施の形態で、単数又は複数の電導性層はセグメント化でき、それによって、それらは複数の個別にアドレッシング可能なマイクロ電極又はマイクロ電極アレイを提供できる。各々の個別にアドレッシング可能なエリアには、1又は複数の通路が含まれてその内部に分析表面が形成される。このことは、デバイス製造中に、電気伝導性ダイヤモンド層の領域を互いに電気的に分離することで実現できる。これを行うことのできる1つの方法は、電気伝導性ダイヤモンド層が堆積されたあとで、例えばレーザ切断によって、それを貫通して下層の真性ダイヤモンド層に達するまでトレンチを形成して、次に後続の真性ダイヤモンド層の堆積中にトレンチを真性ダイヤモンドで埋める方法である。上部主面と下部主面との間に電気伝導性領域を貫通して分析通路が形成される。電気的に分離された領域当たりに1又は複数の分析通路が存在する。各々の電気的に分離された領域のこれら1又は複数の分析通路は、デバイスの露出表面に対して適当なコンタクトを設けることによってアドレッシングされる。後にトレンチを埋めることによって分離される電気伝導性ダイヤモンド領域の場合は、トレンチは、典型的には約1μmと約5mmの間の幅、好ましくは約50μmと約1mmの間の幅、好ましくは約100μmと約500μmの間の幅を有する。トレンチは、理想的には垂直の側壁と水平の底面を有するが、隣接する領域間に適切な電気的分離を提供できる範囲で、その他の断面プロファイル、例えば「V字」、「U字」、底が平たい「V字」又は任意のその他の都合のよい断面プロファイルを有することもできる。
ホウ素をドープされたダイヤモンドの個別にアドレッシング可能な領域は、電気信号間の「クロス・トーク」を防止するために互いに電気的に分離する必要がある。約300Kの温度において、任意の2つの分離された領域間の電気抵抗は、好ましくは約1×10Ωより大きく、好ましくは約3×10Ωより大きく、好ましくは約1×10Ωより大きい。電気抵抗を測定する方法は、当業者に既知である。1つの適した方法は、オーム計と一対の接点プローブを使用するものであろう。
マイクロ電極構造の作製時には、典型的には、液体である流体がデバイスを通って流れるための1又は複数の入口および出口をそれぞれ定義するように、真性ダイヤモンド層の1つの層の露出した主面から、1又は複数の電導性ダイヤモンド層を通って、別の真性ダイヤモンド層の露出した主面まで1又は複数の分析通路が形成される。分析通路の断面形状は、好ましくは円形であるが、これは、正方形や長方形又は任意のその他の形状など他の形状を排除するものではない。
通路は、電導性層の面を横切って作製される。通路は、電導性層の面に垂直であることが好ましいが、デバイスを実時間での混合用に使用するなど、垂直でない通路が必要とされる状況もある。
通路の直径、形状、勾配および内面粗さは、すべて発明のマイクロ電極の性能に影響する。
通路の内面の表面の表面粗さRaは、好ましくは2μmより小さく、好ましくは1μmより小さく、好ましくは0.5μmより小さく、好ましくは0.2μmより小さい。特に、分析通路の内面の表面粗さRaは、好ましくは2μmより小さく、好ましくは1μmより小さく、好ましくは0.5μmより小さく、好ましくは0.2μmより小さい。
通路の内面が十分滑らかであることを保障する好適な方法は、必要とされる表面仕上げを得るように縦走速度およびパルス・レートなどの動作パラメータが選ばれたレーザ穿孔である。
あるいは、通路の内面は、レーザによって形成されたあとで、例えば粉末ダイヤモンドのスラリ中で、通路の直径よりわずかに小さい直径を有するワイヤを往復運動させて内面を研磨するなど、ダイヤモンド・ワイヤでダイを切断する製造工程で使用する技術を用いて処理できる。
通路、特に分析通路の直径に関する下限は、それらの作製に用いられる技術によって決まる。ダイヤモンドの場合、好適な方法は、約1μmの波長のイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザを用いるものである。このようなレーザでは、通路の理論的な最小サイズは、回折で制限されるスポットによって作製されるもの、すなわちほぼ波長に等しい。しかし、実用的な下限は約5μmである。通路の直径の上限は、マイクロ電極の横寸法によって制限されるが、実用的な上限は約10μmである。対応する通路の直径は、好ましくは15μmと2.0mmの間、より好ましくは25μmと1.0mmの間、更に好ましくは35μmと0.8mmの間、最も好ましくは50μmと0.5mmの間にある。
別の実施の形態では、通路を形成するために、約193nmの波長の紫外放射を生成するKrFエキシマ・レーザを使用する。YAGレーザと比べてより短いこの波長は、通路をもっと小さいもの、おそらくは0.5μmまで小さくすることを可能にする。
通路を作製するためにYAGレーザを使用することが好ましいものの、これは、波長を3逓倍した355nmの固体レーザ、その他の固体レーザ、色素レーザ又はその他のレーザ・システムなどの代替技術の使用を排除するものではない。別の代替例は電子ビームを使用するものであり、これは、ダイヤモンド中に非常に細かい孔を開けられるものとして当業者に知られている。
トレンチを作製するためにYAGレーザを使用することが好ましいものの、これは、波長を3逓倍した355nmの固体レーザ、その他の固体レーザ、色素レーザ又はその他のレーザ・システムなどの代替技術の使用を排除するものではない。別の代替例は電子ビームを使用するものであり、これは、ダイヤモンド中に非常に細かい構造を生成できるものとして当業者に知られている。
通路、および特に分析通路の横方向分離は、モニタするためにMEAを必要とするプロセスの性質によって決まる。製造の観点から、通路の中心間の距離は、好ましくは少なくとも通路の直径の1.5倍であり、そうでなければデバイスは脆弱すぎることになる。更に好ましくは、距離は通路の直径の少なくとも2倍であり、最も好ましくは、通路の直径の少なくとも3倍である。各通路が別々に電気的にアドレッシング可能な実施の形態では、より大きい距離が必要とされる。
通路および特に分析通路の、外側面上の配置に関しては、先に言及した間隔要求を満たすこと以外に絶対という要求はない。しかし、通路および特に分析通路は、より易しい製造を促進するために、三角形アレイ、四角形アレイ又は六角形アレイなど規則的なアレイ状に配置されることが好ましい。
マイクロ電極アレイの外周に、あるいは、好ましくはデバイスの主面に対して平行な特別に指定された領域に対して電気コンタクトを設けることができる。電気コンタクトのいずれの構成も、本明細書に述べられるすべての実施の形態に共通して通用する。
デバイスのホウ素がドープされた領域に対する電気コンタクトは、良好な性能を得るために重要である。好ましくはコンタクトはオーミックであり、好ましくはcm当たり1×10−5Ωより小さい、好ましくはcm当たり3×10−6Ωより小さい、好ましくはcm当たり1×10−6Ωより小さいコンタクト抵抗を有する。コンタクトを堆積すべき領域は、表面をレーザで削ることで下処理される。ホウ素がドープされたダイヤモンド上への低コンタクト抵抗のオーミック・コンタクトの下処理方法は、当業者に既知である。好ましいレベルのコンタクト抵抗を提供するコンタクト材料の例は、チタン−金コンタクト(ここで、Ti層がダイヤモンドに隣接する)である。そのほかの例には、チタン−白金−金、クロム−金が含まれる(ここで、チタン又はクロム層がホウ素がドープされたダイヤモンドに接する)。当該分野で良く知られたように、電極の性能は、中程度の温度(典型的には約300−500℃)での数分間のアニールによって、ダイヤモンドと隣接する金属層との間にカーバイドの中間層を形成することで改善できる。これらのコンタクト領域への接続は、機械的手段、例えば、圧力コンタクト、ワイヤ・ボンディング、半田付け又は当該分野で既知のその他の方法で行うことができる。
発明のマイクロ電極の電位を測定する基準となる基準電極は、独立した電極(すなわち、発明のマイクロ電極から物理的に離れている)又は実時間デバイス(例えば、発明のマイクロ電極の表面に作製される)でよい。基準電極の例は、Ag/AgCl電極であり、これの使用は当該分野で既知である。
ここで発明の特別な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1を参照すると、マイクロ電極10は、電導性ダイヤモンドの2つの層18および20に対してCVD合成の間に密着して取り付けられた非電導性ダイヤモンドの3つの層12、14および16を含む積層構造を含む。デバイスは、図2により明瞭に示されるように、アレイ状に配置され、電導性および非電導性ダイヤモンド層12から20を貫通して延びる複数の分析通路22を含む。通路22は、それぞれの入口24および出口26を定義し、通路表面30に電導性ダイヤモンドのエリア28を提供する。これらの表面を「分析表面」と呼ぶ。電導性ダイヤモンドの層18および20の対応する外側表面32および34は、外部モニタ回路への接続を設けることのできる場所を提供する。デバイスのエッジにおける段差又はその他の処理がこれらの接続を行なうための手助けとなる。
液体又はその他の流体を分析するために、流体は、分析通路22を通って流れるかポンプで送り込まれ、そこにおいて電導性エリア28に接触する。マイクロ電極からの電気信号は、外部電気回路(図示されていない)を通って、それをモニタすべき特性に付随する信号に変換できる機器に送られる。
図1および2の実施の形態は平面で円形である。しかし既に指摘したように、任意の適当な形状を使用できる。従って図3を参照すると、発明の代替的実施の形態が示されており、ここでは、マイクロ電極40は平面で長方形である。これは、非電導性ダイヤモンドの2つの層44と46との間に挟まれた電導性ダイヤモンドの層42を含み、またアレイ状に配置され、電導性および非電導性のダイヤモンド層を貫通して延びる複数の分析通路48を含む。通路48は、それぞれの入口50および出口(図示されていない)を定義し、また図1および2に関して述べたものと類似した電導性ダイヤモンドのエリア(これも図示されていない)を提供する。電導性ダイヤモンド層42の外側表面52は、外部モニタ回路への接続を施すことのできる場所を提供する。
液体又はその他の流体の分析は、上で説明したのと本質的に同じように実行できる。
上で述べた実施の形態の両方で、通路(22、48)は電導性ダイヤモンド層(18/20、42)の面に垂直に延びている。しかし、通路のいくつか又はすべては、図4の実施の形態に示されるように、角度をなすようにも、更には交差するようにも形成できる。図4を参照すると、マイクロ電極60は、積層状に配置された電導性ダイヤモンドの層70、72および74にそれぞれ接着された非電導性ダイヤモンドの層62、64、66および68を含む。分析通路76(便宜上、1つだけが示されている)は、電導性および非電導性のダイヤモンド層を貫通して延びて、入口78および出口80を定義する。2つの別の交差する通路82および84が、層62、70および64を貫通し、通路76と交差するように延びている。通路82および84は、通路76中に入口78に隣接する入口86および出口88をそれぞれ定義する。この配置によって、通路において混合するように、入口78および86を介して異なる反応物質を導入できる。そうすることで、対応する分析表面90、92および94との接触を通して個々の反応物質を分析でき、他方、対応する分析表面98および100との接触を通して反応生成物質を分析できる。
1つ又は2つの電導性層しか存在しない場合、電導性層(単数又は複数)を外部回路に接続する代替方法は、非電導性ダイヤモンドの広い平坦な表面の1つ又は両方に1または複数の「ブラインド」孔を作製して、ブラインド孔がそれに隣接する電導性層まで達する(あるいは、それを越える)ようにするものである。孔は、金属や金属を含むポリマ(例えば、銀を含むエポキシ樹脂)などの電導性材料で満たされ、この場所から外側表面への接続がなされる。この接続がなされる外側表面上の場所(単数又は複数)は、電流リークが発生しないようにカプセル封入する必要がある。
外部回路への接続を容易にする処理が行なわれたあとで、デバイスの外側表面は、シリコーンやエポキシ樹脂などの適当な高分子材料によってカプセル封入されて、異なる層の信号間でのクロス・トークを防止する。
このデバイスをチューブの内部や反応容器の壁に用いて、分析通路を通って流体が流れるか、あるいは強制的に流すようにすることも考えられる。交差通路に流体が流れ込むように、別の輸送手段を設けてもよい。
あるいは、電極中で実時間に起こっている反応をモニタするためにデバイスが用いられる実施の形態では、複数の入口通路に、例えば導管を介して個々に反応物質が供給される。
図5は、より詳細には例1で述べられる、本発明によるマイクロ電極を作製する一般的な製造順序を示す。図5で、核生成表面(成長状態のまま)171と成長表面172とを含む第1の真性ダイヤモンド層170が提供される。成長表面172は引き続き粗研磨されて粗研磨成長表面173が得られ、その上にホウ素をドープされた層174が成長される。ホウ素をドープされた層174は成長状態のままの表面175を含み、それが引き続き粗研磨されて粗研磨表面176となる。
ホウ素がドープされた層174の粗研磨表面176の上に第2の真性ダイヤモンド層177が成長される。第2の真性ダイヤモンド層177は、成長状態のままの表面178を含み、それが引き続き粗研磨されて粗研磨表面179となる。
レーザで穿孔される孔180は、第2の真性ダイヤモンド層177、ホウ素がドープされた層174および第1の真性ダイヤモンド層170を貫通して穿孔される。
図6は、本発明の1つの態様に従う、セグメント化されアドレッシング可能なマイクロ電極検出器を示すが、これは、ホウ素がドープされたダイヤモンド・パッドを含む真性ダイヤモンド181の「ブロック」を含む。真性ダイヤモンド181およびホウ素がドープされたパッド182を貫通してチャネル(図示されていない)が穿孔される。
図7は、本発明による、セグメント化されアドレッシング可能なマイクロ電極検出器を作製する一般的な製造の順序を示す。図7で、第1の真性ダイヤモンド層190が提供され、その上にホウ素がドープされたダイヤモンド層191が成長される。ホウ素がドープされたダイヤモンド層191中にトレンチ192が切られ、ホウ素がドープされたダイヤモンド層191およびトレンチ192の上に第2の真性ダイヤモンド層193が成長される。このあと、第2の真性ダイヤモンド層193、ホウ素がドープされたダイヤモンド層191、および第1の真性ダイヤモンド層190を貫通してレーザ穿孔チャネル194が穿孔される。
図8Aおよび8Bは、例4(下記)に詳しく述べるマイクロ電極を示している。図8Aは平面図で、図8Bは図8AのラインA−Aに沿った断面図である。例1と同じように、公称6mmの直径(a)を有する円板が設けられる。層の厚さは、次のようになっている。
第1の真性ダイヤモンド層101 約500μm厚
ホウ素がドープされたダイヤモンド層103 約100μm厚
第2の真性ダイヤモンド層102 約150μm厚
第2の真性ダイヤモンド層102およびホウ素をドープされたダイヤモンド層103の一部から、幅0.5mmの環状の材料がレーザ穿孔で除去されて、ホウ素をドープされたダイヤモンド103の環状部と直径5.0mm(b)の第2の真性層の平坦部とが露出される。露出した環状領域は、引き続きマイクロ電極アレイ(図示されていない)へのコンタクトを形成するために利用される。第2の真性層の表面の残りの部分から下の、環状領域の表面までの深さ(c)は、公称値で0.20mmである。
第2の真性層102の露出表面から、9個の分析通路104の正方形アレイ(マイクロ電極の中心を中心とする3×3のアレイ)がレーザで穿孔された。通路は公称0.20mmの直径(d)を有し、中心間の間隔(e)は公称0.80mmであった。
発明のマイクロ電極アレイからの測定可能な電気信号のタイプには、次のものが含まれる。
●酸化還元電気化学反応に関連する電圧又は電位差である誘導電流(faradic)、
●液中のイオンの数又は濃度に関連する電気伝導度(conductometric)、
●通過した電荷の量に関連する電量(coulometric)。
発明のマイクロ電極アレイからの電気測定は、次のものを含めて広範囲の方法によって行うことができる。
●検体が常時液中にある場合の連続的流量、
●少量の検体が流れの中に注入される場合のフロー注入分析(FIA)、
●感度を高めるためにオプションとしてパルス化技術を用いた電圧印加と電流測定、
●電気化学的に不活性な元素が反応を起こして検出可能な電気化学的に活性な元素を生ずる場合の元素の間接的電気化学的検出、
●「消耗性(exhaustive)」電気化学のための流量停止技術。
上の技術は、すべて光学窓として真性ダイヤモンド層(単数又は複数)を使用する分光計測と組み合わせることができる。
発明のマイクロ電極は、次のものを含む多様な応用に利用できる。
●環境中の微量の重金属、例えば鉛、カドミウム、銅および亜鉛の測定(例えば、1999年のElectroanalysis、第11巻、第15号の1083ページに掲載された、サターレイ(Saterlay)等による論文「研磨されたホウ素がドープされたダイヤモンド電極における鉛の音響的陰極剥離ボルタンメトリ:川の沈殿物中の鉛の検出への応用」)。
●ワイン学、食品加工および下水分析応用におけるカルボキシル酸などの有機化合物又はバイオケミカル化合物の検出(例えば、2000年のElectrochem. Commun.第2巻、422ページに掲載されたチャイラパクル(Chailapakul)等による論文)又は流体中のDNA検出システム(2003年のNew Diamond and Frontier Technology、第13巻、第2号、79ページに掲載されたラオ(Rao)らによる論文)
●甲状腺ホルモンなどの生体分子の検出(2001年のプレトリア大学(University of Pretoria)の修士論文であるイボンヌ・ナイドー(Yvonne Naidoo)による「ホウ素がドープされたダイヤモンド電極の電気化学的振る舞い」
マイクロ電極は、また次のものを含むその他多くの種類の化学的および物理化学的測定にも利用できる。
●電極電位測定による化学分析、
●非常に短い時間スケールで発生する化学反応又は電気化学的プロセスのモニタリング、
●混合/反応および構造化フロー形状(例えば、同じダイヤモンド・デバイスにおいて、異なるフロー速度における測定を可能にする構造化されたフロー・チャネル径)のための最適設計、
●ライフタイムや速度情報を抽出できるように、異なる元素の飛行時間測定のための多電極構造、
●電気化学的生成/収集実験、
●電気活性元素の低濃度(例えば、マイクロ・モル以下)検出のための流体力学変調ボルタンメトリ(パルス化フローおよび/またはパルス化ポテンシャルによってロック・イン検出を可能にする)、
●単一分析通路中に複数の感受エリアが存在するものを使用して、あるいは、分析通路のアレイを使用することによって、化学反応を「時間分割」でき、それによって反応の進行を時間関数として、又は非常に短い時間スケールでモニタできる、
●レーザ又はその他の光学プローブを使用して反応をプロービングすることによって、反応の実時間での分光測定が可能になる、
●電極の非電導性部分を通してレーザでプロービングすることによって、流体の局所的加熱が可能になり、更には1つの化学元素のみに吸収される波長を使用することで、流体中の1つの化学元素を加熱できる(ダイヤモンドの高い熱伝導度は、一旦加熱ゾーン外に出れば、引き続き急速な冷却を可能にする:高い熱伝導度を利用して、流体を冷たい状態に保つことができることから、実際に局所的温度制御が可能である)、
●いくつかのホウ素がドープされた層は、抵抗性ヒータとして設計できるため、反応を温度の関数として調べることができる、
●レーザ又はその他の光でプロービングすることによって、実時間で光電気化学分析を実行する(分子やイオンの基底状態又は励起状態の酸化還元化学作用の研究のために光化学的および電気化学的方法を組み合わせるすべての方法。一般には、光と電気化学システムとの相互作用の結果の化学作用である。液中の元素を検査/モニタするために使用される分光技術には、赤外/紫外/可視の吸収分光法、発光/蛍光が含まれる。セル内部で光学的・電気化学的モニタリング/生成が可能である)、
●レーザ・ドップラ技術を用いて実時間でフロー測定を行なう(流体フローによって運ばれるシード粒子の速度を測定するためのレーザ・ドップラ・アネモメトリ/レーザ・ドップラ・ベロシメトリ。信号を検出できるように十分な光を散乱させるために(良好な信号対雑音比)、シード粒子は大きくなければならないが、フロー(層流又は乱流)に忠実に従うように(局所的な流体運動と同期する)十分小さくもなければならない。フロー中のシード粒子によって散乱されるレーザ光のドップラ等価周波数(交差ビーム・プローブの体積内部での強度変調)を分析することによって、流体の局所速度を決定できる。(1964年のAppl.Phys.Lett.第4巻、176−178ページに掲載されたイェー(Yeh,Y.)およびカミンズ(Cummins)による論文「He−Neレーザ分光による局所的流体フローの測定」)、
●ダイヤモンドの極限的な特性を利用して、極限の温度、圧力等のもとで、電気化学的測定又は上述の技術の任意のものを可能にする、
●複数のチャネルが交差するアレイを使用して、上で述べた技術の任意のものと組み合わせて反応をモニタする。
マイクロ電極の構造は、非電導性と電導性(多分、ホウ素がドープされた)とが交互になったダイヤモンド層を含んでいるが、マイクロ電気浸透型ポンプの一部として使用することも可能である。そこでは、電導性層の或るものに印加された電圧を時間とともに変化させて、通路の流体を通路に沿ってポンピングするようになっている。電気浸透というのは、電気二重層に電界が印加されたときに発生する流体の流れを意味する。圧力によって小さいチャネル中に駆動される流れは、放物線状の速度分布を示し、平均速度がチャネルの横方向寸法の二乗に比例することから、この現象はマイクロ流体工学的応用にとって重要である。このことから、小さいチャネルでは、流体をポンピングするために大きい圧力が必要とされる。電気浸透は、「プラグ・フロー・プロファイル」を生成し、速度はチャネル・サイズにほとんど関係なくなる。移動するコンポネントが存在しないため、電気浸透を利用したマイクロ工学的制御および流体ハンドリングは、移動する表面、バルブ又はピストンを有するマイクロ・システムと比べてより信頼でき、保守も容易である。このことから、電導性ダイヤモンド層を用いて(電気化学作用の電極としての役目に加えて)、デバイスを通る流体の流れを駆動し、またデバイスを洗浄することが可能になる。
マイクロ電極構造を使用して流体を分析するか、あるいは単に分析することよりも、むしろ分析の変わりに、あるいは分析の一部として、流体を処理するために使用することが考えられる。流体は、例えば2つ又はそれ以上の電導性層間に電流を流すことによって、またいくつかの例では他の電導性層に存在する電流又は電圧を測定することによって、例えば、駆動される化学反応の広がりを評価するなど、電気的手段又は電気化学的手段によって流体を変調させたり、および/又は混合手段によって流体を変調させたりするように処理できる。流体のこの処理は、分析プロセスの一部を構成することができ、下流の別の電極で変調された流体を評価したり、あるいは、流体に対する別の外部的な測定の形を可能にしたり、あるいは、マイクロ電極構造の外での利用のための中間生成物又は最終生成物を生成することもできる。流体処理の概念には、流体を部分的又は全体的に気体に変換することが含まれる。このように、用語「分析通路」が使用されているが、通路は流体の処理のためにも使用でき、あるいは、処理と分析の組み合わせのために使用することもできる。更に、マイクロ電極構造の設計、特に通路の出口とマイクロ電極の入口および出口に存在する圧力は、気体中のエアロゾル懸濁液又は液滴の形で構造から出る液体を分散させるようにしてもよい。
更に、1又は複数のホウ素層電極の上に選択的に金属を堆積することによって、ダイヤモンド・マイクロ電極に特別に作製された非ダイヤモンド電極(例えば、金属電極)を統合させることも考えられる。このように形成される金属バンド電極は、独立した制御(例えば、生成/収集)のもとで多電極を必要とする応用をイネーブル/エンハンスするためのローカルな基準/カウンタ電極として使用することができる。
発明のダイヤモンド・マイクロ電極構造は、既存のMEAと比べて進歩した柔軟性を提供し、特に従来技術よりも優れた次のような特徴を提供する。
1.層は個別にアドレッシング可能で、個々の層のエリアも個別にアドレッシング可能である。
2.分析通路は、従来のアレイの個々の電極に比べてより密に詰め込むことが可能であり、従って出力信号はずっと高くできる。
3.モニタされる液体やその他流体は、本質的に停滞した状態での拡散による輸送機構に依存するのではなく、電極を通ってポンピング又は強制的に流すようにできる。
4.異なる層又は層のエリアを異なる電圧にバイアスすることによって、同じ電極アレイで、いくつかの反応をモニタできる。
5.構造は、他の材料を含むこともできるが、ダイヤモンドが持つ大きな溶剤ウインドウ、低いバックグラウンド電流、腐食および研磨に対する抵抗および化学的侵食に対する一般的耐性がこの材料を特に魅力的なものとしている。
6.ダイヤモンドの腐食および研磨に対する抵抗は、高度に腐食性および/又は研磨性の流体をモニタできるほどのものである。
7.その場での混合が可能な構成の発明を適用することによって、非常に短い時間スケールで発生する反応の電気化学的な測定に利用することが可能である。
(例)
本発明の製造および使用について、以下に例を挙げて説明する。
(例1)
発明の第1の実施の形態のダイヤモンド・マイクロ電極を製造するための順序が図5に示されている。
厚さ約500μmで直径24mmの真性多結晶ダイヤモンドの板が用意された。板の成長表面は、粗研磨によって表面粗さRaが100nmより小さくなるように機械的に処理された。核生成表面は成長状態のままであり、1μmより小さい表面粗さRaを有していた。表面を用意した後、板は、150℃よりも高温度で高濃度の亜硫酸および硝酸カリウムの熱酸化混合物を用いて洗浄された。
板は、ホウ素がドープされたダイヤモンドを堆積できる化学気相成長(CVD)システムの内部に配置された。厚さ約140μmのホウ素がドープされたダイヤモンドの層が成長表面上に堆積された。堆積条件は、約2×1020原子/cm(約1000ppm)と約1×1021原子/cm(約5000ppm)の間のホウ素濃度の堆積層を提供するように選ばれた。ホウ素がドープされた層を堆積させたあと、板を成長システムから取り出し、成長表面を粗研磨して板の合計厚さを約600μmとした。粗研磨のあとで板をもう一度洗浄した。粗研磨された板の表面粗さRaは100nmよりも小さかった。板は別のCVDダイヤモンド堆積システムに入れられ、厚さ約250μmの真性ダイヤモンド層が成長表面に堆積された。堆積システムから取り出したあと、板の成長表面は再び100nmよりも小さい表面粗さRaになるまで粗研磨され、板の合計厚さを約800μmとした。
1.06μmのNd:YAGレーザ・システムを用いて、直径0.6mmの孔7個のアレイが板の厚さを貫通して穿孔された。孔は、中心間の距離2mmで六角形のアレイ状に配置された。
ホウ素がドープされたダイヤモンド層の露出エッジにコンタクトが設けられた。PTFE(テフロン(登録商標))としても知られたポリテトラフルオロエチレン)を用いてマイクロ電極アレイがパッケージされ、流体がアレイを通って流れるようにされた。
(例2)
真性ダイヤモンド層、ホウ素がドープされたダイヤモンド層、さらに真性層が例1のように作製される。粗研磨および洗浄段階を経て、約140μm厚のホウ素をドープされた別のダイヤモンド層(第2のホウ素ドープのダイヤモンド層)が表面の1つの上に堆積された。堆積のあと、第2のホウ素ドープのダイヤモンド層の表面は、100nmよりも小さい表面粗さRaおよび約100μmの厚さにまで粗研磨された。150℃よりも高い温度で高濃度の亜硫酸と硝酸カリウムとの熱混合物を用いた別の洗浄工程のあと、約250μm厚の別の真性ダイヤモンド層が、第2のホウ素ドープのダイヤモンド層の上に堆積された。この層も100nmよりも小さい表面粗さRaおよび約200μmの厚さにまで粗研磨された。
このように、合成されたダイヤモンド層の積層構造は、次のものを含む。
約500μm厚の真性ダイヤモンド層、
約100μm厚のホウ素がドープされたダイヤモンド層(第1のホウ素ドープのダイヤモンド層)、
約200μm厚の真性ダイヤモンド層、
約100μm厚のホウ素がドープされたダイヤモンド層(第2のホウ素ドープのダイヤモンド層)、
約200μm厚の真性ダイヤモンド層。
第1のホウ素ドープのダイヤモンド層と第2のホウ素ドープのダイヤモンド層とに接触させた電気測定の結果、これらの間の電気抵抗は使用されたメータの上限である1MΩよりも大きかった。
1.06μmのNd:YAGレーザ・システムを用いて、直径0.5mmの孔7個のアレイが板の厚さを貫通して穿孔された。孔は、中心間の距離3mmで六角形のアレイ状に配置された。
ホウ素がドープされたダイヤモンド層の露出エッジにコンタクトが設けられた。PTFE(テフロン(登録商標))としても知られたポリテトラフルオロエチレン)を用いてマイクロ電極アレイがパッケージされ、流体がアレイを通って流れるようにされた。
(例3)
発明のダイヤモンド・マイクロ電極の第3の実施の形態の斜視図が図6に示され、この製造のための順序が図7に示されている。
厚さ約500μmで直径24mmの真性多結晶ダイヤモンドの板が用意された。板の成長表面は、粗研磨によって表面粗さRaが100nmより小さくなるように機械的に処理された。核生成表面は成長状態のままであり、1μmより小さい表面粗さRaを有していた。表面を作製したあとで、板は150℃よりも高温度で、高濃度の亜硫酸と硝酸カリウムとの熱酸化混合物を用いて洗浄された。
板は、ホウ素をドープされたダイヤモンドを堆積できる化学気相成長(CVD)システムの内部に配置された。厚さ約140μmのホウ素をドープされたダイヤモンドの層が成長表面上に堆積された。堆積条件は、約2×1020原子/cmと約1×1021原子/cmの間のホウ素濃度の堆積層を提供するように選ばれた。ホウ素がドープされた層を堆積させたあと、板を成長システムから取り出し、成長表面を粗研磨して板の総厚を約600μmとした。粗研磨のあとで、板をもう一度洗浄した。粗研磨された板の表面粗さRaは、100nmよりも小さかった。
互いに約90度で交差する2つのトレンチが、ホウ素がドープされたダイヤモンド層を貫通して下層の真性ダイヤモンド層に達するまで切り込まれ、それによってホウ素がドープされた層は、4つのほぼ等しい四分円に分割された。トレンチは約200μmの深さを有する。高濃度の亜硫酸と硝酸カリウムとの混合物を用いた完全洗浄のあと、板は別のCVDダイヤモンド堆積システムに入れられ、成長表面を覆い分離トレンチを埋めるように、約300μm厚の真性ダイヤモンド層が堆積された。成長表面を平坦に処理するためには、トレンチの上に十分な材料が残るように追加の成長厚さが必要とされる。堆積システムから取り出されたあと、板の成長表面は再び100nmよりも小さい表面粗さRaに粗研磨され、板の合計厚さは約800μmとなった。
電導性ダイヤモンド層の露出したエッジに接触させた電気測定の結果、電気的に分離された領域間の電気抵抗は使用されたメータの上限である1MΩよりも大きかった。
1.06μmのNd:YAGレーザ・システムを用いて、直径0.5mmで隣接する孔との中心間間隔が2mmの孔4個のアレイ(正方形に配置された)が、マイクロ電極アレイの各々の電気的に分離された領域中に、板の厚さを貫通して穿孔された。孔は、中心間の距離3mmで六角形のアレイ状に配置された。
ホウ素がドープされたダイヤモンド層の電気的に分離された領域の各々の露出したエッジにコンタクトが設けられた。PTFE(テフロン(登録商標))としても知られたポリテトラフルオロエチレン)を用いてマイクロ電極アレイがパッケージされ、流体がアレイを通って流れるようにされた。
(例4)
例4のマイクロ電極について図8を参照しながら説明する。
例1のように、公称直径6mmの円板が用意された。層の厚さは、次のようである。
第1の真性ダイヤモンド層 約500μm厚、
ホウ素がドープされたダイヤモンド層 約100μm厚、
第2の真性ダイヤモンド層 約150μm厚。
幅0.5mmの環状部をレーザで第2の真性層およびホウ素がドープされたダイヤモンド層の一部から除去して、ホウ素がドープされたダイヤモンドの環状領域を露出させた。この露出した環状領域は、のちにマイクロ電極へのコンタクトを形成するため使用される。第2の真性層の表面下の残りの部分から下へ環状領域の表面までの深さは、公称値で0.20mmであった。
9個の分析通路の正方形アレイ(マイクロ電極の中心を中心とした3×3のアレイ)が第2の真性層の露出した表面からレーザ穿孔された。通路は直径が公称値で0.20mm、中心間の間隔は公称値で0.80mmであった。
ホウ素がドープされたダイヤモンドの、先に露出された環状領域の上に、レジストで覆われた環状領域を除いて、スパッタリングによって約5nmから約50nmの間の厚さのチタン層を堆積させ、それに続いて、スパッタリングで約0.5μmから約2μmの層を堆積させてデバイス全体を被覆することによってコンタクトが用意される。コンタクトは、次に約400℃の温度で、保護的な窒素雰囲気中で約5分間アニールされた。
外部回路へのコンタクトは、約0.30mm厚の「無酸素」銅ストリップを用いて、公称5mmの直径を有する中央孔を環状のコンタクト・エリアに一致させるように形成された。当該分野では、圧力を印加することだけで銅と金との間に低抵抗を実現できることが知られている。
マイクロ電極アレイは、一対のPTFEシリンダとの間にパッケージされ、中央孔は5.0mmより少し大きくなっていて、マイクロ電極を通って流れる流体が外部測定回路へのコンタクトと接触することを防止するようになっていた。
PTFEマイクロ電極アレイ・アセンブリそれ自身は2つの真鍮ピースのアセンブリの中に収容され、PTFEマイクロ電極アレイ・アセンブリを圧縮状態に保ち、それをパイプやチューブに収められるようにした。
マイクロAg/AgCl基準電極は、マイクロ電極アレイの上流および下流でチューブに挿入された。
発明のマイクロ電極の第1の好適な実施の形態の斜視図。 図1のマイクロ電極のライン2−2に沿った断面図。 発明のマイクロ電極の第2の好適な実施の形態の斜視図。 発明のマイクロ電極の第3の好適な実施の形態の一部分の断面図。 発明のマイクロ電極の典型的な製造ルートを示す模式図。 発明のマイクロ電極の第4の実施の形態の斜視図。 図6に示された発明の第4の実施の形態のマイクロ電極の製造順序の模式図。 環状のコンタクト・エリアが設けられた例4のマイクロ電極アレイの模式図。 環状のコンタクト・エリアが設けられた例4のマイクロ電極アレイの模式図。

Claims (48)

  1. 電気非伝導性材料を含むボディを含み、また電気伝導性材料の少なくとも1つの領域および該非電導性材料のボディと該電導性材料の領域を貫通して延びる少なくとも1つの通路を含み、該電気伝導性領域が使用中の通路を通って流れる流体に対して電気伝導性材料のエリアを提供するマイクロ電極。
  2. 請求項1記載のマイクロ電極であって、前記ボディは電気伝導性材料の2つ以上の領域を含み、前記通路は前記電気非伝導性材料のボディおよび前記電気伝導性材料の領域を貫通して延びる前記マイクロ電極。
  3. 請求項1又は請求項2記載のマイクロ電極であって、1又は複数の前記領域は、1又は複数の層の形をしている前記マイクロ電極。
  4. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記ボディは、非伝導性材料の少なくとも2つの間隔を置いた層と、前記非伝導性材料の層間に挟まれた伝導性材料の少なくとも1つの層と、前記複数の層を貫通して前記複数の層を横切る方向に形成された少なくとも1つの通路を含む層状構造を含む前記マイクロ電極。
  5. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記通路は分析通路である前記マイクロ電極。
  6. 請求項4又は請求項5記載のマイクロ電極であって、各層の厚さが5から1000μmの範囲にある前記マイクロ電極。
  7. 請求項4から6の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記層状構造の合計厚さが50から3000μmの範囲にある前記マイクロ電極。
  8. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記ボディがそれを貫通し電気伝導性材料の1又は複数の前記領域を貫通して延びる複数の通路を有する前記マイクロ電極。
  9. 請求項8記載のマイクロ電極であって、前記通路が規則的なアレイを構成する前記マイクロ電極。
  10. 請求項9記載のマイクロ電極であって、前記通路が不規則なアレイを構成する前記マイクロ電極。
  11. 請求項8から10の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記通路が円形の断面を有する前記マイクロ電極。
  12. 請求項11記載のマイクロ電極であって、すべての前記通路が同じ直径を有する前記マイクロ電極。
  13. 請求項11又は請求項12記載のマイクロ電極であって、前記通路の直径が5μmから10mmの範囲にある前記マイクロ電極。
  14. 請求項8から13の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記通路がすべて互いに分離されている前記マイクロ電極。
  15. 請求項14記載のマイクロ電極であって、前記通路間の距離が少なくとも前記通路の直径の少なくとも2倍である前記マイクロ電極。
  16. 請求項15記載のマイクロ電極であって、前記通路間の距離が少なくとも前記通路の直径の少なくとも3倍である前記マイクロ電極。
  17. 請求項8から13の任意の項記載のマイクロ電極であって、1又は複数の前記通路が別の1または複数の前記通路に交差している前記マイクロ電極。
  18. 請求項17記載のマイクロ電極であって、1又は複数の前記交差通路が1又は複数の前記分析通路に交差している前記マイクロ電極。
  19. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記電気非伝導性材料が非電導性ダイヤモンドである前記マイクロ電極。
  20. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記電気伝導性材料が電気伝導性ダイヤモンドである前記マイクロ電極。
  21. 請求項19記載のマイクロ電極であって、前記電気伝導性ダイヤモンドが、ホウ素がドープされたダイヤモンドである前記マイクロ電極。
  22. 請求項18から20の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記ダイヤモンドが、CVD又はHPHTダイヤモンドである前記マイクロ電極。
  23. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記電気伝導性材料の1又は複数の前記領域は、前記ボディの外部表面と電気的に接触している前記マイクロ電極。
  24. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極を含む電気化学セル。
  25. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記伝導性層全体に亘ってドーパント濃度が均一であり、そのため電極体積全体で見た場合、ドーパントの分散がSIMSによって測定された任意の1mm体積当たりのドーパント原子の濃度が任意の他の1mm体積におけるドーパント原子の濃度から約50%よりも大きく変動することがない前記マイクロ電極。
  26. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、ドーパント濃度が均一であるため、分析エリアの任意の0.36mmエリアにおいてSIMSによって測定された電導性層の単数又は複数の分析表面上のドーパント原子の濃度が、分析エリアの任意の他の0.36mmにおけるドーパント原子の濃度から約50%よりも大きく変動することがない前記マイクロ電極。
  27. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、ドーパント濃度が均一であるため、電導性層の任意の表面で、任意の0.36mmエリアにおいてSIMSによって測定されたドーパント原子の濃度が、任意の他の0.36mmエリアにおけるドーパント原子の濃度から約50%よりも大きく変動することがない前記マイクロ電極。
  28. 請求項25から27の任意の項記載のマイクロ電極であって、ドーパント濃度がデバイス中のすべての電導性層に亘って均一である前記マイクロ電極。
  29. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記電導性の領域または層はホウ素がドープされた単結晶ダイヤモンドを含み、すべての前記通路は、単一の成長セクタを横切る前記マイクロ電極。
  30. 請求項29記載のマイクロ電極であって、前記電導性領域はホウ素がドープされた単結晶ダイヤモンドを含み、すべての前記分析通路は、単一の成長セクタを横切る前記マイクロ電極。
  31. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、1又は複数の前記電導性層又は領域のダイヤモンドが多結晶のホウ素ドープのダイヤモンドである場合に、ダイヤモンドの典型的な粒径(公称粒径)は、1又は複数の前記通路の直径の0.5倍よりも小さい前記マイクロ電極。
  32. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記デバイスが、流体の1又は複数の通路を通る10ms−1よりも大きい流速で動作するように適合されている前記マイクロ電極。
  33. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、前記デバイスが、前面と裏面との間の圧力差が約0.05MPaよりも大きい状態で動作するように適合されている前記マイクロ電極。
  34. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極のマイクロ電気浸透型ポンプとしての使用。
  35. 請求項34記載の使用であって、前記マイクロ電極の電導性層の特定のものに印加された電圧は時間とともに変化して、通路中の流体が通路に沿ってポンピングされる前記マイクロ電極の使用。
  36. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極の使用であって、前記流体を分析の一部として、あるいは分析に代わるものとして処理する前記マイクロ電極の使用。
  37. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極の使用であって、前記マイクロ電極構造の外で使用するために流体を処理する前記マイクロ電極の使用。
  38. 請求項36又は37記載のマイクロ電極の使用であって、前記処理が電気的手段による前記流体の変調を含む前記マイクロ電極の使用。
  39. 請求項36から38の任意の項記載のマイクロ電極の使用であって、前記処理が電気化学的手段による前記流体の変調を含む前記マイクロ電極の使用。
  40. 請求項36から39の任意の項記載のマイクロ電極の使用であって、前記処理が混合による前記流体の変調を含む前記マイクロ電極の使用。
  41. 請求項36から40の任意の項記載のマイクロ電極の使用であって、前記処理が気体中に浮遊する液滴への分散による前記流体の変調を含む前記マイクロ電極の使用。
  42. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、別々にアドレッシング可能な層を含む前記マイクロ電極。
  43. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、別々にアドレッシング可能な領域を含む前記マイクロ電極。
  44. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、別々にアドレッシング可能な層および別々にアドレッシング可能な領域を同じマイクロ電極内部に含む前記マイクロ電極。
  45. 先行の請求項の任意の項記載のマイクロ電極であって、現場用デバイスとして基準電極を含む前記マイクロ電極。
  46. 請求項45記載のマイクロ電極であって、前記基準電極は前記マイクロ電極の表面に作製される前記マイクロ電極。
  47. 請求項1記載のマイクロ電極であって、本質的に上で説明又は例示された前記マイクロ電極。
  48. 請求項24記載の電気化学セルであって、本質的に上で説明又は例示された前記電気化学セル。
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