JP2009529346A - Dna増幅反応で使用する溶液の前処理 - Google Patents

Dna増幅反応で使用する溶液の前処理 Download PDF

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Abstract

DNA増幅反応で使用する溶液を調製する方法であって、結合剤を基本溶液と混合する工程と、結合剤を活性化する刺激を(結合剤と基本溶液の)混合物に施す工程と、活性化すると結合剤が基本溶液中の任意のDNAと結合する工程であって、その結果、DNAが非反応性となり、DNA増幅反応中に同時増幅されない工程とを含む方法。

Description

本発明は、溶液の前処理に関する。
より詳細には、本発明は、タンパク質溶液の前処理に関する。
好ましくは、タンパク質溶液は、デオキシリボ核酸(DNA)増幅反応で使用するためのものであり、前処理は、タンパク質溶液中に存在する任意の混入DNAがDNA増幅反応に確実に関与できないようにする。
核酸、特にDNAの増幅は、DNA分析研究において広く使用される手段になっている。これは、微量のDNAしか存在しない場合に特に当てはまる。
現在、最も一般的に使用されるDNA増幅の方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。
PCRは、熱安定性DNAポリメラーゼ及び2つの約20塩基のプライマーを使用してDNA塩基配列を増幅する方法であり、その一方のプライマーは、増幅される配列の一方の末端で(+)鎖に相補的であり、他方のプライマーは、増幅される配列の他方の末端で(−)鎖に相補的である。
新たに合成されたDNA鎖が、同じプライマー配列に対するさらなる鋳型としてその後作用し得ることから、プライマーのアニーリング、鎖の伸長及び解離の連続的な繰り返しにより、所望の配列の迅速かつ高度に特異的な増幅が生じる。
関連するプライマーを開発できる場合、PCRを使用してDNA試料中の定められた配列の存在を検出することもできる。
DNAポリメラーゼ及び他のタンパク性PCR試薬の細菌性(または他の)DNAでの汚染は、PCR法についての主要な問題である。この問題は、数名の著者によって既に取り上げられている(Bottger、1990年;Rand及びHouck、1990年;Schmitdら、1991年;Hughesら、1994年;Maiwaldら、1994年;Hilaliら、1997年)。
微量のDNAを増幅するPCRの能力は、その優れた能力の1つである。しかし、この能力は、どのような微量の混入DNAも同時増幅されることも意味する。この混入DNAの増幅は、読み間違い、不明瞭または不正確な結果を生じ得る(Wilsonら、1990年)。
具体的には、系統分類、進化及び診断の研究のために、ユニバーサルプライマーを用いて、高度に保存されかつ進化的に相同な真正細菌のリボソーム16S rRNA遺伝子を標的化する構想が、PCRにおける偽陽性の発生によってしばしば危険にさらされている(Hilaliら、1997年;Corlessら、2000年;Mohammadiら、2003年)。
真正細菌DNAは、環境において遍在性であり、混入DNAも実際に操作の任意の段階で研究者によってPCRミックスに加えられ得る(Kitchinら、1990年;Millarら、2002年)。
DNA混入の他の原因は、エアロゾル(Saksenaら、1991年)、消耗PCR試薬、プラスチック製品(Millarら、2002年)または市販のPCRプライマー(Gotoら、2005年)を含む。
具体的には、市販で入手できるDNAポリメラーゼは、外因性の細菌性DNA混入の最も考えられる原因の1つであると繰り返し報告されている(Rand及びHouck、1990年;Bottger、1990年;Schmidtら、1991年;Hilaliら、1997年;Newsomeら、2004年)。
Schmidtら(1991年)は、DNAポリメラーゼの生産のために使用される微生物及びクロマトグラフィーカラムなどの酵素精製用機器が、DNAポリメラーゼ中に外因性DNAを加える最も考えられる原因であるとみなしている。
対照的に、他の2つの研究は、Taqポリメラーゼ中の外因性の細菌性DNAが大腸菌(Escherichia coli)またはサーマスアクアティカス(Thermus aquaticus)などの産生微生物に由来するという証拠を見出しておらず(Rand及びHouck、1990年;Maiwaldら、1994年)、混入DNAは、蛍光菌(Pseudomonas fluorescens)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アルカリゲネスフェーカリス(Alcaligenes faecalis)及びアゾトバクタービネランジイ(Azotobacter vinelandii)に密接に関連することが示された(Maiwaldら、1994年)。
加えて、Schmidtら(1991年)は、Taqポリメラーゼ調製物のさまざまなバッチ中に真核生物由来の混入DNAも検出している。
しかし、原因にかかわらず、これらの研究は、外因性DNAが市販で入手できるTaqポリメラーゼ調製物中に遍在的に存在することを強調するために役立っている。
この混入DNAを排除するための戦略は、UV光(Ouら、1991年;Sarkar及びSommer、1991年;Frothinghamら、1992年;Sarkar及びSommer、1993年;Goldenberger及びAltwegg、1995年)、DNase I(Rochelleら、1992年;Hilaliら、1997年)、ガンマ線照射(Deragonら、1990年)、制限酵素(DeFililppes、1991年;Sharmaら、1992年;Mohammadiら、2003年)またはUV照射と組み合わせた8-メトキシソラレン(Jinnoら、1990年;Meierら、1993年;Hughesら、1994年;Fahleら、1999年)でのPCRマスターミックス調製物の処理を含む。しかし、最後の方法は、Schmidtら、(1991年)及びCorlessら、(2000年)のそれぞれの研究において好結果で再現できなかった。
しかし、これらの方法は、全て著しく不利な点を有している。
例えば外因性DNAを排除するためのUV照射(256nm)の使用は、Taqポリメラーゼがこの処理に対し、105倍を超える増幅効率の低下で(Sarkar及びSommer、1990年)極めて感受性であることを示している(Ouら、1991年)ことから問題である。
同様に、デオキシヌクレオチド3リン酸は、本質的にUV処理に影響されないが、除染の効率を低下させ得ることから、多数のプライマーも(その配列に依存して)UV照射に感受性である(Frothinghamら、1992年)。
不必要なDNAの低減のための今日までで最も効果的な手順は、DNase I及び/または制限酵素でのPCR試薬の前処理である(Sharmaら、1992年;Hilaliら、1997年;Carrollら、1999年;Heiningerら、2003年;Mohammadiら、2003年)。
しかし、DNase Iの使用は、鋳型DNAが反応物に加えられ得る前に、全ての残存酵素活性を排除するための徹底的な熱変性工程を必要とする。
Hilaliら(1997年)は、高温及びインキュベーションの時間延長(95℃、50分間または100℃、20分間)が、DNase Iの効果的な不活性化に必須であること報告した。そのような処理は、ほとんどのTaqポリメラーゼの熱安定性と両立しない。完全に不活性化されない場合、残存DNase Iが鋳型DNAを危険にさらす場合がある。PCR効率の低減を回避するために、高度に熱安定性のDeepventExo-(登録商標)ポリメラーゼの採用が推奨されている。
制限酵素の使用も、酵素それ自体が外因性の真正細菌性DNAの供給源となる場合があることから問題になり得る(Jinnoら、1990年)。
NZ514707で論じられたように、増幅後のDNAの捕捉の分野において、いくつかの研究がなされている。しかし、この組成物及び方法は、結合増強剤、並びにその後の分析及び単位複製配列の検出に使用する標識の使用を必要とする。
従って、除染につながり、または任意の混入DNAが任意の将来のPCR反応もしくは他のDNA増幅方法に関与することを防ぐことができる、タンパク質溶液の迅速かつ簡便な前処理の方法が利用できれば有益となる。
本明細書に記載の任意の特許または特許出願を含む全ての参考文献を、参照として本明細書に援用する。任意の参考文献が先行技術を構成することを承認しない。参考文献の考察は、その著者の主張を述べ、出願者は、引用する文献の精度及び妥当性に異議を申し立てる権利を保有する。多数の先行技術の出版物が本明細書に参照されるが、この参考文献が、当分野において、ニュージーランドにおいてまたは任意の他国において任意のこれらの文献が通常の一般的知識の一部を形成することの承認とならないことは明確に理解されるであろう。
用語「含む」は、さまざまな権限下で、排他的または包括的な意味のどちらでもあるとみなし得ると認められる。本明細書の目的で、他に記載がなければ、用語「含む(comprise)」は、包括的な意味を有するものとし、すなわちそれが直接言及する列挙した成分だけでなく、他の特定されていない成分または要素を含むことを意味するとみなされる。用語「含んだ(comprised)」または「含んでいる(comprising)」が、方法またはプロセスにおいて1つまたは複数の工程と関連して使用される場合にも、この理論的解釈は使用される。
前述の問題を取り上げることまたは少なくとも有用な選択肢を社会に提供することは、本発明の目的である。
本発明のさらなる態様及び利点は、単に例示の方法によって示される以下の記載から明確になるであろう。
NZ514707
本発明の一態様によれば、DNA増幅反応で使用する溶液を調製する方法であって、
a)結合剤を基本溶液と混合する工程と、
b)結合剤を活性化する刺激をa)由来の混合物に施し、基本溶液中の任意のDNAに結合剤を結合させる工程であって、その結果、DNAが非反応性となり、DNA増幅反応中に同時増幅されない工程と
を含む方法が提供される。
本発明の第二の態様によれば、DNA増幅反応で使用する溶液が提供され、その溶液は、上記で詳述されている方法によって作製される。
本発明の他の態様によれば、DNA増幅の方法であって、
a)上記で詳述されている方法を使用して溶液を調製する工程と、
b)DNA増幅反応でa)由来の溶液を使用する工程と
を含む方法が提供される。
本発明の他の態様によれば、DNA増幅反応で使用する溶液を調製する方法であって、
a)基本溶液中の混入外因性DNAの量を測定する工程と、
b)全ての混入DNAに結合するのに必要とされる結合剤の濃度を測定する工程と、
c)必要とされる濃度の結合剤を基本溶液と混合する工程と、
d)結合剤を活性化する刺激をc)由来の混合物に施す工程と、
e)活性化後に結合剤が基本溶液中の任意のDNAに結合させる工程であって、その結果、DNAが非反応性となり、DNA増幅反応中に同時増幅されない工程と
を含む方法が提供される。
好ましい実施形態において、基本溶液はタンパク質溶液であり得るし、本明細書においてそのように称する。
しかし、当業者は、混入DNAに結合するための同じ手順を、PCRまたは他の増幅反応で使用する塩化マグネシウム溶液などの、核酸を含まないことを必要とする任意の他の溶液において使用できることを容易に理解するであろう。
酵素を使用してDNAを増幅するほとんど全ての方法は、混入DNAを含有する可能性が高いと予想され、本方法により、酵素活性に影響を及ぼさずに混入DNAの除去が可能となる。例えば、リガーゼ連鎖反応、核酸配列ベース増幅、鎖置換増幅及び転写媒介増幅。
本明細書の全体において、用語「基本溶液」は、DNA増幅反応で使用するために調製されるか、または市販で入手できるが、いまだ混入DNAを含んでいる可能性がある任意のタンパク質または他の溶液を意味するとみなすべきである。
好ましい一実施形態において、タンパク質溶液は、PCR反応において核酸鎖の伸長のために使用されるDNAポリメラーゼの溶液であり得る。しかし、これは、本発明がDNA増幅または検出用の他のタンパク質溶液、例えば、制限酵素に使用することもできることから限定的にみなすべきではない。
特に好ましい一実施形態において、タンパク質溶液は、細菌サーマスアクアティカス(Thermus aquaticus)から単離された熱安定性DNAポリメラーゼであるTaqポリメラーゼの溶液であり得る。
代替の実施形態において、基本溶液は、増幅される鋳型DNA以外の、PCR反応を実施するために必要な全ての成分を含有しているPCRマスターミックスであり得る。
一実施形態において、基本溶液は、RNA調製物であり得る。RNA分析は、細胞からRNAを抽出する工程と、逆転写酵素を使用してRNA(例えばmRNA、rRNA)分子のDNAコピー(cDNA)を作る工程と、次いでPCRまたは他の増幅技術によってcDNAを増幅する工程とをしばしば含む。
正確な結果のために、RNA抽出物が細胞性DNAで汚染されていないことが重要である。
従って、一実施形態において、基本溶液は、cDNA産生前のRNA抽出物であり得る。
任意の供給源から得たタンパク質溶液は、混入DNAを含有する可能性が高い。
例えば、本発明者らは、3種の最も一般的に使用されている市販のTaqポリメラーゼ調製物を調査している。3種全てがおおよそ同じレベルの混入DNAを含有していた。
市販で入手できるTaqポリメラーゼの調製物は、DNAの混入が「許容可能な」レベル以下であるように選択されるべきであるが、しかし、これは混入していないことを意味するのではない。
鋳型DNAを加えない場合に増幅によって生じる偽陽性が、PCR実行の延長、すなわち36サイクル以上で生じることは、研究者らによって一般に許容されている。多くの研究者は、従って、陽性の結果を得るためのPCRの実行数を36〜40サイクル数以下に限定している。このためには、少量の混入DNAの影響を圧倒するのに十分な鋳型DNAが添加されることを保証することが必要である。
混入DNAの同時増幅は、一般的なプライマーまたはユニバーサルプライマーを使用する場合に最も生じ易い。ユニバーサルプライマーは、例えば任意の真正細菌種由来のDNAに結合するものである。
本出願人は、PCRで16S rRNA遺伝子を標的とする研究において、鋳型DNAを加えていない陰性対照試料における偽陽性の出現に関する重要な問題に直面したことを見出した。
新しいバッチのPCR緩衝液、塩化マグネシウム、デオキシヌクレオチド3リン酸、プライマー、ミリポア水調製物、プラスチック製品及びエアロゾル防止フィルターチップを使用した広範な試験的実験後、結論は、汚染の原因がAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼそれ自体であるということであった。
混入DNAは、検出可能なレベルに増幅された場合にのみ認知可能または問題であることから、本発明は、DNA増幅反応において使用される溶液のための使用を目的にしている。
本明細書全体において、増幅反応は、最も一般的に使用される増幅技術としてのPCRとして示されるが、しかし、本発明が任意の増幅技術のための溶液の前処理として利用できると当業者が理解するとおり、これが限定的であるとみなされるべきでない。
本明細書全体において、PCRの一般的意味が用いられ、これは、熱安定性ポリメラーゼ、及び1つは増幅される配列の一方の末端で(+)鎖に相補的であり、もう1つは、他方の末端で(−)鎖に相補的である2つの約20塩基のプライマーを使用する。プライマーのアニーリング、鎖の伸長及び解離の繰り返しサイクルは、所望の配列の迅速かつ高度に特異的な増幅を産生する。
本発明は、混入DNAと結合し、かつその同時増幅を防ぐ迅速かつ簡便な方法を提供する。任意の混入DNAのDNA増幅反応への混入を防ぐ本方法は、商業的供給者によって採用され得、それによりDNA不含有と保証されたポリメラーゼまたはマスターミックスを提供できるようになり、あるいは本方法は、個々の研究機関または研究者によって必要に応じて必要な場合に採用され得る。
本明細書全体においてDNAという用語は、それぞれデオキシリボース糖を有するプリンまたはピリミジン塩基ヌクレオチド及びリン酸基からできている任意の化合物を含む、その一般的意味を有するとみなすべきである。
タンパク質溶液のさらなる汚染を防ぐために、結合剤により、可能な最少回数の反応チューブの開栓、添加または除去を必要とする増幅反応に混入DNAが入ることを防ぐことが好ましい。
好ましい実施形態において、結合剤は、1つはDNAに反応または結合しない不活性型、もう1つはDNAに結合する活性型である2つの異なる形態を有するものであり得る。
結合剤は、不活性型と活性型の間(逆も同じ)を容易かつ迅速に移動可能でなければならない。
これは、混入DNAに結合するために十分な量の結合剤を溶液に添加できること及びそれが活性状態である場合にだけ混入DNAに結合することを意味する。
これは、いくらかの結合剤が全ての混入DNAにひとたび結合すると、残りの薬剤は、不活性型に転換し得、さらなるDNAには結合しないことを意味する。
これは、結合剤/混入DNA複合物が、任意のさらなる反応または標的DNAが添加された後のDNA増幅を干渉することを防ぐ。
結合剤の活性化及び非活性化が容易に実施かつ制御できることは重要である。これは、任意の混入DNAへの薬剤の結合が鋳型(標的)DNAの添加及びDNA増幅反応の開始前にだけ実行されることを保証する。
好ましい実施形態において、結合剤は、刺激の存在時にのみ活性型である。
これは、結合剤がひとたび活性化刺激から離れると、それがDNA、特にタンパク質溶液またはタンパク質溶液及び増幅に必要な他の成分にその後添加され得る鋳型DNAに結合できなくなることを意味することから重要である。
結合剤が活性化される時期を制御できることの他の重要な特徴は、それが、結合剤及び結合したDNAがDNA増幅の前にタンパク質溶液から除去される必要がないことを意味することである。
このことは、それが容器/反応チューブを開栓することによるさらなる混入の可能性を減少させることにおいて有利である。
結合剤は、混入DNAを分解または破壊せず、このこともそのような断片または一部分それ自体が増幅反応を干渉する場合があることから有利である。
他の利点は、酵素などの任意の他の溶液成分が結合剤によって影響を受ける可能性がないことである。
好ましい実施形態において、結合剤はUV光または通常光などの外部刺激によって活性化され得る。しかし、刺激は、選択される結合剤及び、不活性型から活性型へ(またはその逆)の結合剤の転換を生じ得る刺激に依存することから、これを限定的であるとみなすべきではない。
好ましい一実施形態において結合剤は、挿入剤(intercalating agent)であり得る。
本明細書全体において、挿入剤という用語は、DNAに挿入できる任意の薬剤を含むとみなされるべきであり、それは、2個の隣接する塩基対の間に可逆的に含まれる。いくつかの十分に研究されたDNA挿入物には、エチジウム、プロフラビン及びサリドマイドがある。
好ましい一実施形態において、結合剤はエチジウムモノアジド(EMA)であり得る。
この場合、方法は、混入DNAの挿入剤EMAとの複合体形成に基づく。EMAは、臭化エチジウムの光反応性類似物であり、暗所においてその親化合物と同様の方法でDNAと相互作用する(Bolton及びKearns、1978年;Garlandら、1980年)。
好ましい実施形態において、添加される結合剤の量は、混入DNAに結合するためにちょうど十分であり得る。
EMAが結合剤である場合、EMAは、好ましくは1〜5μg ml-1の間の濃度で使用され得る。
特に好ましい実施形態において、3μg ml-1程度のEMA濃度が使用され得る。
3μg ml-1のEMA濃度は、10 fg程度の低い濃度の鋳型DNAの増幅に影響を及ぼすことなくマスターミックス調製物から混入DNAを完全に排除するのに十分であり得る。
最適には、EMAは、ヒドロキシルアミンの形成に関連する溶液中での遊離ニトレンの形成を最小限にしながら、全ての外因性DNAに結合するのにちょうど十分な最少力価まで添加される。
5μg ml-1を超えるEMA濃度において、PCRの阻害は、100pg未満の鋳型DNAを含有する反応について明らかであった。
市販で入手できるPCR試薬中の混入DNAの量は様々であろう。従って、DNAポリメラーゼまたはPCRマスターミックスは、バッチごとにPCR感度を維持しながら混入DNAの最大限の除去を確実にするためのEMA力価の最適化の実施を必要とするであろう。
EMAは、臭化エチジウムの類似物であり、8位のアミノ基がアジド基に置換されている。EMAは暗所で、その親化合物と同様の方法で二重鎖DNAに挿入するが、追加的に可視光での光活性化の後にDNAに共有結合できる(Bolton及びKearns、1978年;Garlandら、1980年)。
従って、アジドと化学的に反応したDNAは、PCRにより増幅することができない。
従って、EMAなどの結合剤の添加は、鋳型DNA以外の全ての増幅成分を含有するマスターミックスにこの成分を添加することによって、外因性DNAに結合し、かつ外因性DNAが同時増幅されることを防ぐためにTaqポリメラーゼ及びPCR試薬中で使用できる。
光分解において、EMAの8位のアジド基は、ニトレンラジカルを介した結合部位において核酸と共有結合で架橋結合するために(Hardwickら、1984年;Cantrellら、1978年)、400nmより実質的に長い長波長光を使用して光化学的に活性化される(Bolton及びKearns、1978年)。溶液中の残存未結合ニトレンは、ヒドロキシルアミンに転換され(Gravesら、1981年)、溶液中のアルデヒド及び/またはケトン成分、優先的にはシトシンと反応しオキシムを形成する(Freeseら、1961年)。共有結合で架橋結合したDNAは、PCR増幅に加わることが不可能であり、従って、その干渉は排除される(Nogvaら、2003年)。
本明細書全体において、混入DNAに関連した非反応性という用語は、DNA増幅技術によって増幅できないことを意味するとみなすべきである。
これは、結合した混入DNAが溶液中に残存しているにもかかわらず、DNAレベルが、DNA増幅後に使用される通常の検出方法によって検出されない元の低いレベルのままであることを意味する。
本明細書全体において、マスターミックスという用語は、増幅される鋳型DNAを除くが、PCR反応のために必要な成分の一部または全部の混合物を意味するとみなすべきである。
例えばPCRマスターミックスは、1×Taqマスターミックス:
10mM Tris-HCl、
50mM KCl、
1.5mM MgCl2
0.2mM dNTPs、
0.5mM DTT、
5%グリセロール、
0.8% NP-40、
0.05mM Tween-20、
25U/ml Taq DNAポリメラーゼ
を含むことができる。
PCR/増幅反応の成分は、研究者及びその目的に応じて非常に著しく変更され得る。
いくつかの添加物、例えばDTT、グリセロール、Tweenは任意選択的であり、その他、例えばプライマー及びMgCl2は、常に存在するが使用する濃度を変更できる。
マスターミックスの成分は、混入DNAのほとんどがTaqポリメラーゼと共に加えられ、これがほとんど常に1反応あたり0.5〜2.0ユニット(1反応あたり1ユニットがちょうど平均だと考えられる)の間で使用されることからあまり重要ではない。
本明細書全体において、鋳型DNAという用語は、PCR反応中に増幅される標的DNAを意味するとみなすべきである。
本発明において、本発明者らは、10分間未満でPCRマスターミックスから任意の外因性二重鎖DNAを排除するための新規かつ迅速な方法を提示する。
本発明の利点には、以下のものがある:
・タンパク質または他の溶液中の混入DNAが、PCRなどのDNA増幅反応で同時増幅されることを防ぐための迅速かつ簡便な方法を提供する;
・増幅の前にDNAを捕捉することは、増幅のために最少量の鋳型DNAを必要とすることを意味し、偽陽性が生じないことを信頼して、36サイクルを超えるPCRの実行を実施できる;
・容易に入手できる一般化合物(counter compound)を使用し、それによって費用と調製時間を低減する;
・有害な影響を及ぼさずに、酵素もしくは他のタンパク質または化学的成分の存在下でDNAの結合が可能となる;
・結合剤が混入DNAの分解を生じさせないことにより、その断片がDNA増幅反応に干渉することを防ぐ;
・混入DNAが結合した結合剤は、溶液から除去される必要がなく、従って、容器/反応チューブを開く必要回数を制限することにより、さらなる汚染の可能性を防ぐ;
・UV光などの刺激を使用することによる結合剤が活性である時期の制御により、結合剤またはDNAに結合した結合剤が、その後の任意の増幅反応に干渉することを防ぐ;
・結合剤が、方法が実施される前の正確な濃度への調整以外の調製を必要としない;
・結合剤または混入DNAに結合した結合剤が、Taqポリメラーゼを阻害しない;
・基本溶液または反応混合物に添加するのに低レベルの結合剤しか必要としない。
本発明のさらなる態様は、単に一例として示される以下の記載及び添付の図面を参照することから明らかになるであろう。
提示された結果は、EMAが、PCRマスターミックス調製物から10分間以内で任意の増幅可能な外因性DNAを完全かつ迅速に排除できることを示している。
PCRマスターミックス調製物を除染するために必要なEMAの量は、存在している混入DNAの量に依存する。
図1及び2に示すとおり、0.1及び1μg ml-1EMAのアジド力価(azide titre)は、PCR調製物から全ての混入DNAを完全には排除できなかったが、定量的により多い外因性DNAが1μg ml-1の添加で排除された(図1及び2、レーン9の画素密度プロファイル)。
3μg ml-1のEMA濃度が、マスターミックス調製物から混入DNAを完全に排除するために必要であった。この濃度は、10fgと同程度に低濃度の鋳型DNAの増幅に影響しなかった(図3、レーン8)。
同濃度のEMA(3μg ml-1)が、検査した他の2つのTaqポリメラーゼ、JumpStart Taqポリメラーゼ及びPlatinum Taqポリメラーゼ(図7及び8、レーン9)において混入DNAを完全に排除するために必要であった。さらに、10fg DNAの濃度の鋳型DNAは、有害な影響を受けずに依然として増幅された。(図7及び8、レーン8)
5μg ml-1を超えるEMA濃度でPCRの阻害は、100pg未満の17鋳型DNAを含有する反応について明らかであった(図4及び5、レーン5〜8)。
興味深いことに、同一に調製されたマスターミックスへの200pg μl-1の消化ウシDNAの添加はPCR性能を回復させ、このことは、100pg以下の鋳型濃度での増幅の不調がTaqポリメラーゼの阻害によるものではなく、未結合のEMAによる鋳型の排除によることを示している。
対照的に、20pg μl-1の消化ウシDNAの一定分量は、PCR阻害を除去するために十分ではなかった(データは未記載)。
アガロースゲル電気泳動後のPCR産物の評価は、米国国立衛生研究所によって提供された、無料ダウンロード可能なソフトウェアImageJで実施された。
このソフトウェアは、アガロースゲル画像中の選択された領域の画素値の統計を計算するために使用され、それから線密度プロファイルプロットが確立された。このコンピューター制御された単位複製配列の相対量の測定は、とくに陰性対照に対して、直接目視観察を超える利点を有した。この方法は、臭化エチジウム染色操作及びゲル間の変動における解釈の誤りまたは不一致による曖昧な結果を最小化した。
従って、本発明者らは、ImageJまたは同様のコンピュータープログラムを使用して、除染の程度をモニターすることを考慮する。
市販で入手できるPCR試薬中の混入DNAの量は様々であろうし、DNAポリメラーゼまたはPCRマスターミックスは、バッチごとに、PCR感度を維持しつつ、混入DNAの最大限の排除を確実にするためのEMA力価の最適化を必要とするであろう。
最適には、EMAは、全ての外因性DNAに結合するためにちょうど十分な最少力価まで添加されるであろうし、一方、溶液中の遊離ニトレンの形成の最少化は、ヒドロキシルアミンの形成に関連していた。
ヒロドキシルアミンは、変異原性であることが示されており、250〜500mMを超える濃度範囲での、30分間を超える時間のインキュベーションでDNAに結合し、かつ化学的に修飾できる(Aslanzadeh、1992年;Freeseら、1961年)。加えて、ヒドロシキルアミンは、Cu(II)の存在下でDNA損傷を誘導するが、Mn(III)、Mn(II)、Fe(III)またはFe(II)の存在下では誘導しない(Yamamotoら、1993年)。
幸運なことに、発明者は、枯草菌(B.subtilis)BS由来のD-アラニンラセマーゼ遺伝子の配列分析によって示されたとおり、最適なアジド力価7.14μM(3μg ml-1)が、増幅された鋳型DNAに不利な影響を有さないことを示すことができた。Bolton及びKearns(1978年)は、DNAへのEMAの架橋結合の収率が、核酸1つあたりEMAの低い割合に関する75%の値と一定であることを報告した。結果として、PCRマスターミックス中の未結合でかつ反応性のヒドロキシルアミンの量は、最適EMA力価3μg ml-1において効果的には1.78μMである。
EMAが外因性DNAを排除するための必要を超えて、11.9μM(5μg ml-1)の濃度で添加された場合においても、この濃度での反応性ヒドロキシルアミンの割合は6.54μMであるが、増幅されたDNAの配列中に変異はなかった。
従って、本方法は、単位複製配列に対して実施され得るその後のクローニング及び配列反応に有害な影響を有さないであろう。
理論的には、鋳型DNA濃度が100pg以上である場合、すなわち未結合EMAによる鋳型DNAの少量の損失に耐え得る場合、EMA最適化工程は不要になり得る。これらの場合、4〜5μg ml-1のEMA濃度が推奨できる。
結論として、本方法は、市販で入手できるDNAポリメラーゼ及び/またはPCR試薬に関連する任意の混入DNAを、41サイクルより後の(すなわち鋳型DNAを加えない)増幅PCRにおいて同時増幅されることから完全に排除できる。
重要なことに、3μg ml-1EMAの濃度は、混入DNAを排除すること、及び非常に低い鋳型濃度でPCR増幅に干渉しないことに有効であった。このことは、3種の異なるTaqポリメラーゼを含有するPCRマスターミックス調製物について確認された。
示された除染手順は、実施するのに迅速かつ簡便で、PCR増幅について10分間以内で完了する。
従って、本方法は、バックグラウンド増幅がないことが望ましい、非常に低い鋳型濃度を有する微量/繊細なPCR試料の分析、すなわち臨床の及び法医学の検体の分析のための日常的な分子診断ツールとして十分に適切である。
さらに、EMAが結合、未結合及び光分解の状態において異なる励起及び発光波長を有する蛍光色素であることに留意しなければならないが、当該方法は、定量的リアルタイムPCRアプリケーションと組み合わせ得る(Bolton及びKearns、1978年;Garlandら、1980年;Gravesら、1981年)。従って、定量PCRアッセイへの導入は、消光物質及び/またはレポーター色素と調整される必要があるであろう。
加えて、本方法は、DNA混入が問題となり得る、分子生物学で使用される任意の他の酵素、例えば制限酵素及びプロテアーゼに対しても同等に有効である可能性が高い。
1.材料と方法
1.1 細菌株及び培養調製
アノキシバシラス・フラビテルムス(Anoxybacillus flavithermus)C株及び枯草菌BS株をRonimusら(2003年)によってニュージーランド粉乳から単離した。培養物は、0.2%(重量/容量)可溶性ジャガイモデンプン(Sigma;S2004)を補充したトリプチックソイブロス(TSB)中で55℃にて増殖させた。
1.2 鋳型DNA調製
DNAをA.フラビテルムス及び枯草菌から、Sambrook及びRussel(2001年)によって記載された手順の改変法によって抽出した。増殖後、細胞懸濁液10mlを回収し、50mM Tris HCl(pH8.0)、100mM NaCl、20mM EDTA 1ml中に再懸濁した。
2mg ml-1リゾチーム及び50μg ml-1RNaseを合わせて添加し、試料を37℃で45分間インキュベートした。SDS及びプロテイナーゼKをそれぞれ1%(重量/容量)、200μg ml-1まで加えた。次いで、試料を55℃で1時間インキュベートした。続いて、試料を等容量のフェノール:クロロホルム(1:1)で、次いで、クロロホルム及びクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で抽出した。次いで、DNAを1/10容量の3M 酢酸ナトリウム及び0.6容量のイソプロパノールの添加、並びに-20℃で15分間インキュベートすることによって沈澱させた。DNA沈殿物を氷冷80%エタノールで2回洗浄し、風乾し、そのDNA沈殿物を1×TE(10mM Tris-HCl、1mM EDTA、pH8.0)500μl中に再懸濁した。
子牛胸腺由来のデオキシリボ核酸を凍結乾燥粉末としてSigma(D4764)から購入し、1×TE中に再懸濁した。ウシDNA 25μgの一定分量を、1Kunitz単位のDNase I(Sigma DN25)及び10×DNase緩衝液(10mmol l-1 EDTA、75mmol l-1 MgCl2、200mmol l-1 Tris-HCl、pH7.5)10μlを含む100μlの合計試料容量中で37℃で10分間部分消化した。続いて、20mmol l-1 EDTAを添加し、密封した試料を沸騰水浴中で10分間インキュベートし、未完了消化の程度をアガロースゲル電気泳動によって確認した。部分消化ウシDNA試料をPCRマスターミックス中の未結合アジドとの複合体形成及び除去のために使用した。全てのDNA試料をNanoDrop(NanoDrop Technologies、Wilmington、DE19810、米国)で定量し、-20℃で保存した。
さらに、DNAの全ての操作における研究室内での汚染を排除するための手段は、ピペッティングのためのエアロゾル防止用フィルターチップの使用、並びに全ての溶液及び試薬の滅菌層流フード下での操作を含んだ。全ての水溶液は、使用前に透明1.5mlエッペンドルフチューブ中で45分間UV照射(256nm)した。
1.3 オリゴヌクレオチドプライマー
Rueckertら、2005年の研究からの順方向(5'-AGG AAC ACC AGT GGC GAA G-3')及び逆方向(5'-GGA TGT CAA GAC CTG GTA AGG-3')プライマーを、リボソーム16S rRNA遺伝子のBrosiusら(1980年)の番号付けによる711〜998位の小領域を増幅するために使用した。PCR単位複製配列の大きさは、試料中に存在する鋳型DNAに依存して約300bpであると予想された。
枯草菌BS株由来のD-アラニンラセマーゼ遺伝子を、枯草菌168株のD-アラニンラセマーゼ遺伝子(NCBIアクセション番号M16207)由来のプライマーを使用して増幅及び配列分析した。順方向プライマー及び逆方向プライマーは、それぞれ5'-AGC ACA AAA CCT TTT TAC AGA GAT AC-3'及び5'-TTA ATT GCT TAT ATT TAC CTG CAA TAA AG-3'であった。
1.4 ポリメラーゼ連鎖反応
以下の3種のDNATaqポリメラーゼ、すなわちAmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼ(Rocheカタログ番号11647687001)、JumpStart(商標)Taq DNAポリメラーゼ(Sigma D9307)及びPlatinum(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogenカタログ番号10966-026)を本研究において使用した。反応物は、各メーカーによって提供される関連のマグネシウム及びPCR緩衝液で用意された。
全てのPCR反応は、Eppendorf Mastercycler(Gradient)で、最終容量25μlが入った0.5mlマイクロチューブ中で実施した。増幅手順は、以下のサイクル条件:94℃で150秒間、次いで94℃で15秒間、62℃で10秒間及び68℃で15秒間を41サイクルを含むRueckertら(2005年)によって記載された手順の改変法を採用した。増幅反応物は、4mMのMgCl2またはMgSO4、0.2mM dNTPs、1×Taq PCR反応緩衝液、適切なTaqポリメラーゼ1.25単位、100nMの順方向及び逆方向プライマー、並びに0.1〜10μg ml-1の範囲のEMAを含有していた。増幅反応物は、A.フラビテルムス由来のDNAを10ng〜10fgの範囲の10倍系列希釈で含有していた。
いくつかのPCR反応物は、200〜20pg μl-1の間の子牛胸腺DNA(DNase Iでの処理後)も含有していた。
2個の陰性対照試料が各増幅反応に含まれ、その両者は、鋳型DNAを含有せず、かつその一方は、さらにEMAも含有していなかった。
枯草菌BS株由来のD-アラニンラセマーゼを0、3及び5μg ml-1のEMAの存在下で増幅した。EMAを含有する増幅反応及び配列分析反応を、2回反復で実施した。PCR反応物は、4mM MgCl2、0.2mM dNTPs、1×AmpliTaq(登録商標)PCR反応緩衝液、AmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼ1.25単位、600nMの順方向及び逆方向プライマー、並びに枯草菌BS株のゲノムDNA 1ngを含有していた。PCR反応は、94℃で150秒間、次いで94℃で20秒間、47℃で20秒間及び72℃で90秒間を41サイクル繰り返された。72℃、10分間の最終伸長工程で増幅を終了した。
1.5 D-アラニンラセマーゼの配列分析
PCRに続いて、増幅反応物を1.5%(重量/容量)アガロースゲル(SeaKem、LE Agarose)で電気泳動した(1.8節)。次いで、D-アラニンラセマーゼ増幅産物を滅菌カミソリの刃で切り出す間、ゲルを短時間UVトランスイルミネーターで観察した。切り出したバンドをパラフィルムのシートの間に包み、-20℃で凍結させた。
続いて、包んだゲルに安定的かつ一定の圧力をかけ、滲出物を1.5ml エッペンドルフチューブに回収した。これらのDNA試料を、フェノール:クロロホルム、クロロホルム、及びクロロホルム:イソアミルアルコールで抽出し、次いで、さらに記載のとおり酢酸ナトリウム/イソプロパノールで沈澱させ、定量した。
DNA配列分析は、各試料について順開始方向及び逆開始方向で、Waikato DNA Sequencing FacilityによってMegaBACE capillary DNA Analysis Systemで実施された。
1.6 PCRマスターミックスのエチジウムモノアジド処理
固体臭化エチジウムモノアジド(EMA)、5ミリグラムをBiotium社(米国)から購入し、メーカーの推奨に従って、暗所でN,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した。10mg ml-1 EMA保存溶液の50μl一定分量を光不透過性マイクロチューブ中で-20℃にて保存した。
光分解及びA.フラビテルムスの鋳型DNAの添加の前に、EMAを0.1、1、3、5及び10μg ml-1の濃度(滅菌ミリポア水に希釈)でPCRマスターミックス調製物に、混入DNAと複合体形成させるために添加した。
重要なことに、EMAの添加は、光源のない暗室で透明な1.5mlエッペンドルフマイクロチューブに行い、次いで試料を5分間氷上でインキュベートした。試料を、次いで3分間500Wハロゲン光源(Osram、T3Q clear halogen)にさらした、光源は試料チューブから20cmの距離にあり、この間試料を氷上に置いた。
続いて、マスターミックスをPCRマイクロチューブに分注し、系列希釈した鋳型DNAを各試料に添加し、全ての反応混合物をチューブの底に集めるために短時間遠心分離した。次いで、チューブをMastercycler内に置き、増幅反応を開始した。
残存EMAが、AmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼ活性に不利な影響を有するかを決定するために、マスターミックスをTaqポリメラーゼを添加していないが、EMAを3μg ml-1を含有するように用意した。マスターミックスをさらに記載のとおりインキュベートし、光分解させた。
続いて、マスターミックスをPCRチューブに分注し、AmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼを1.25〜0.0097Uの範囲の2倍希釈系列で添加した。PCR反応は、A.フラビテルムス鋳型DNA 100pgの添加の後に各希釈物について実行された。対照マスターミックスを、同様にではあるが、EMAの添加をすることなく調製した。
1.7 5μg ml-1を超えるEMA濃度のPCR効率への影響
5μg ml-1を超える濃度でのEMAのPCR効率への影響を10μg ml-1の色素を含むAmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼマスターミックスで調べた。
1.6節に記載の手順に従って、PCRマスターミックスを暗所で5分間及び照射下で3分間インキュベートした。光への暴露に続いて200または20pg μl-1いずれかのDNase I部分消化ウシDNAをマスターミックスに添加し、試料を暗所でさらに5分間氷上で、制限分解されたウシDNAを任意の未結合のEMAと反応させるためにインキュベートした。次いで、マスターミックスを分注し、10倍系列希釈した鋳型DNAの一定分量をPCRチューブに加え、増幅反応を1.4節に記載のとおり開始した。
1.8 アガロースゲル電気泳動、画像化及び評価
PCRに続いて、増幅産物を1.5%(重量/容量)アガロースゲル(SeaKem、LE Agarose)で55ボルト(Power Pack Model 250; Life Technologies、GIBCO BRL)でHORIZON 11-14 electrophoresis box(Life Technologies、GIBCO BRL)を使用して電気泳動した。
ゲルを臭化エチジウム(20μg ml-1)で15分間染色し、蒸留水で20分間脱染した。次いで、ゲルを可視化し、AlphaImagerTM(Alpha Innotech、San Leandro、カリフォルニア州、米国)で画像を取り込んだ。
デジタル化アガロースゲルの評価を、Wayne Rasband(国立衛生研究所、米国)からhttp://rsb.info.nih.gov/ij/でオンライン入手できるImageJ 1.32j software packageを用いてコンピューター画像上で実施した。
ソフトウェアは、増幅産物の相対量を、それらの画素密度(グレイ値)の測定値として決定するために使用した。画像をImageJに開く工程に続いて、画像のバックグラウンド減算、並びに明度及びコントラストの調整の両方をImageJの初期設定で実施した。「プロットプロファイル」オプションを使用してゲルのバンド形成を分析した。データプロット値座標をMicrosoft Excel 2004にコピー及び貼付けし、データをラインチャートオプションを用いてプロットした。
2.結果
2.1 PCRマスターミックス中の外因性DNA混入の排除のための最適なEMA濃度の決定
AmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼを含有するPCRマスターミックスからの外因性DNAの排除のためのEMAの最適量を、0.1、1、3、5及び10μg ml-1の濃度範囲で決定した。A.フラビテルムスDNAの10ng〜10fgの範囲にわたる鋳型DNA濃度をEMAの関与へのマスターミックスの感受性を評価するために使用した。これらの実験からの結果を図1〜5に示す。
鋳型DNAを含有せず、かつEMAを添加していない、図1〜5のそれぞれについての陰性対照(図1〜5のレーン10)は、全て300bp程度の1〜2つの単位複製配列を産生した。このように、PCRマスターミックス中の増幅可能な外因性DNAの存在を示している。
これは、PCR単位複製配列の生成が使用されたEMAの量に依存していたEMAを含有しているが鋳型DNAを含有していない陰性対照(各図1〜5のレーン9)とは対照的であった。
1μg ml-1以下のEMA濃度(図1及び2のレーン9)は、PCRマスターミックス中に存在する全ての外因性DNAを完全には排除できず、両反応は、適当な単位複製配列を産生した。画素密度プロファイルにおけるグレイ値と比較して測定した生成されたPCR産物の量は、両試料間で有意に変動しており、1μg ml-1 EMAで処理した陰性対照試料(図2、レーン9)は、0.1μg ml-1 EMAで処理したもの(図1、レーン9)よりも顕著に少ない量のPCR産物を産生した。
3μg ml-1以上のEMA濃度は、マスターミックスから全ての外因性DNAを好結果で排除し、これらの試料についてPCR単位複製配列は観察されなかった(図3〜5、レーン9)。
5μg ml-1以上のEMA濃度は、10pg以下の鋳型DNA濃度についてPCRの不調を生じた(図4及び5、レーン5〜8)。
従って、このマスターミックスにおける外因性DNAの排除に最適な量のEMAは3μg ml-1であり(図3)、同時に、10fg程度の低い濃度の鋳型DNAの増幅に干渉を示さなかった。
2.2 5μg ml-1を超えるEMA濃度のPCR効率への影響
10pg〜10fgの鋳型DNAを含有し、かつ5及び10μg ml-1 EMAで処理したPCR反応(図4及び5、レーン5〜8)の不調について2つの解釈の可能性がある。
第一に、これらの高濃度のEMAが、部分的にAmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼを不活性化すること、第二に、過剰なEMAによる高度に反応性だが未結合のニトレンがマスターミックスに存在し、その後、鋳型DNAが添加される場合にそれと複合体形成すること。後者の解釈について、EMA光分解後だが鋳型DNAの添加前のPCRマスターミックスへの20または200pg μl-1のいずれかのDNase I消化ウシDNAの添加によって検査した。この添加されたDNAは、使用されたプライマーセットによって増幅されず、すなわち、それは鋳型DNAと競合しない。PCRマスターミックスへの20pg μl-1ウシDNAの添加は、低濃度の鋳型DNAでのPCR能力を回復させなかった(データは未記載)。対照的に、マスターミックスへの200pg μl-1ウシDNAの添加は、10pg〜10fgの鋳型DNAを含有する試料について増幅反応を好結果で回復させた(図6)。
これらの結果は、AmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼ活性は、比較的高濃度のEMAの存在によって影響されないこと、及び増幅における不調はおそらく未反応ニトレンによる鋳型への複合体形成のためであることを示している。
2.3 AmpliTaqポリメラーゼの活性及び鋳型DNAについての残存EMAの影響
残存未反応アジドのAmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼの活性及び鋳型DNAへの影響をさらに低下させるために、さらに2つの実験を計画した。
第一に、枯草菌BS株由来のD-アラニンラセマーゼを、0、3及び5μg ml-1のEMAをそれぞれ含有するPCRマスターミックス調製物を使用して、1ng鋳型DNAから増幅した。
続いて、PCR産物を配列分析し、それらの配列を既知のClustalW配列による枯草菌168のD-アラニンラセマーゼ(1170bp)と比較した(表1に示すとおり)。結果は、3及び5μg ml-1の濃度でのEMAまたは光分解の任意の二次産物が、増幅及び配列分析に不利な影響を有さないことを示している。
第二の実験において、残存EMAがTaqポリメラーゼ活性に不利な影響を有するかどうか決定するために、AmpliTaq(登録商標)ポリメラーゼの2倍希釈系列の一定量を、3μg ml-1 EMAで処理したマスターミックスに添加した。
この実験から導かれた結果は、対照(EMA未添加)及びEMA処理マスターミックス間の希釈限界がわずかに異なっていることを示している。
対照において、1反応あたり0.039単位の有効Taqポリメラーゼ濃度で増幅が生じたが、EMA処理試料についての最低濃度は、1回希釈が少ない、すなわちTaqポリメラーゼ0.079単位であった(データは未記載)。これは、添加されたTaqポリメラーゼ活性の約7%の損失に相当し、通常のPCR操作の下では検出されないであろう。
2.4 AmpliTaqポリメラーゼ以外のDNAポリメラーゼへの応用
PCRマスターミックス調製物中の混入DNAの排除のための1.6節による手順の評価を、3μg ml-1 EMAの存在下でJumpStart Taq-ポリメラーゼまたはPlatinum Taqポリメラーゼのいずれかを含有するマスターミックスにおいても実施した。
両実験の結果を図7及び8に示すが、これらは図3の結果を反映している。
図7及び8のレーン10から未処理の陰性対照試料は、特異的なPCR単位複製配列の増幅を示しており、両DNAポリメラーゼが増幅可能なDNAの供給源であったことを証明している。
1反応あたりJumpStart Taqポリメラーゼが約2fg、及びPlatinum Taqポリメラーゼが約40fgの増幅可能なDNAを加えていることから、濃度プロファイルは、混入DNAの定量的差異が明らかであることを示している。
重要なことに、3μg ml-1 EMAでの処理は、陰性対照反応において混入DNAの任意の増幅を完全に抑制した(図7及び8、レーン9)。
さらに、両PCRマスターミックスは、10fg〜10ngの範囲のA.フラビテルムス由来の外来的に添加された鋳型DNAをいまだ増幅可能であった(図7及び8、レーン2〜8)。
(参考文献)
本発明の態様は、単に一例として記載されており、添付の請求項において定義されるその範囲から逸脱することなくそれに改変及び追加を加えることができることを理解されたい。
0.1μg ml-1EMA存在下における、鋳型DNA濃度の低下に伴うPCR増幅産物及び産物濃度の画素密度プロファイルを示す図である。 1μg ml-1についての画素密度プロファイルを示す図である。 3μg ml-1についての画素密度プロファイルを示す図である。 5μg ml-1についての画素密度プロファイルを示す図である。 10μg ml-1についての画素密度プロファイルを示す図である。 10μg ml-1EMA及び200pgウシDNAを使用した画素密度プロファイルを示す図である。 JumpStart(商標) Taq DNAポリメラーゼにおける3μg ml-1のEMAについての画素密度プロファイルを示す図である。 Platinum(登録商標)Taq DNAポリメラーゼにおける3μg ml-1のEMAについての画素密度プロファイルを示す図である。

Claims (18)

  1. DNA増幅反応の前に溶液を処理する方法であって、
    (a)増幅反応用の鋳型DNAを含まない基本溶液を用意する工程と、
    (b)少なくとも1つの活性型及び少なくとも1つの不活性型を有する結合剤を基本溶液と混合する工程と、
    (c)結合剤を不活性型から活性型へ転換する外部刺激を(b)由来の混合物に施し、基本溶液中の任意の混入DNAに結合剤を結合させる工程であって、その結果、鋳型DNAを添加するDNA増幅反応に前記溶液をその後使用する場合に、混入DNAが非反応性となり同時増幅されない工程と、
    (d)外部刺激を除去し、それにより結合剤を活性型から不活性型へ転換する工程と
    を含む方法。
  2. DNA増幅反応で使用する溶液を調製する方法であって、
    (a)増幅反応用の鋳型DNAを含まない基本溶液を用意する工程と、
    (b)基本溶液中の混入外因性DNAの量を測定する工程と、
    (c)全ての混入DNAに結合するのに必要とされる、少なくとも1つの活性型及び少なくとも1つの不活性型を有する結合剤の濃度を測定する工程と、
    (d)少なくとも1つの活性型及び少なくとも1つの不活性型を有する必要とされる濃度の結合剤を、基本溶液と混合する工程と、
    (e)結合剤を不活性型から活性型へ転換する外部刺激を(d)由来の混合物に施し、基本溶液中の任意の混入DNAに結合剤を結合させる工程であって、その結果、DNA増幅反応の間に鋳型DNAが添加される反応で前記溶液がその後使用される場合、混入DNAが非反応性となり同時増幅されない工程と、
    (f)外部刺激を除去し、それにより結合剤を活性型から不活性型へ転換する工程と
    を含む方法。
  3. 基本溶液がタンパク質溶液である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 基本溶液がDNAポリメラーゼ溶液である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 基本溶液がTaqポリメラーゼ溶液である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 基本溶液がPCRマスターミックスである、請求項1または2に記載の方法。
  7. 基本溶液がRNA調製物である、請求項1または2に記載の方法。
  8. DNA増幅反応がPCRである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 刺激が可視光である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 刺激がUV光である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 結合剤がエチジウムモノアジドである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. エチジウムモノアジドの濃度が1〜5μg mL-1である、請求項11に記載の方法。
  13. エチジウムモノアジドの濃度が3μg mL-1程度である、請求項11に記載の方法。
  14. DNA増幅反応で使用する溶液であって、溶液が請求項1から13のいずれか一項に記載の方法によって作製される溶液。
  15. DNAの増幅方法であって、
    (a)請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を使用して溶液を調製する工程と、
    (b)DNA増幅反応でa)由来の溶液を使用する工程と
    を含む方法。
  16. 実質的に添付の記載及び実施例に関して本明細書で詳述されている、DNA増幅反応で使用する溶液の調製方法。
  17. 実質的に実験の節1.6、1.7、2.1、2.2、2.3、2.4及び添付の図面に関して本明細書で詳述されている、DNA増幅反応で使用する溶液。
  18. 実質的に実験の節1.6、1.7、2.1、2.2、2.3、2.4及び添付の図面に関して本明細書で詳述されている、DNAの増幅方法。
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