ある実施形態で、結晶性ソルビトール及び任意に水素化デンプン加水分解物を含む液体充填組成物と、ガムベースを含むガム領域とを含むチューインガム又は風船ガム組成物を提供する。結晶性ソルビトールと水素化デンプン加水分解物との組み合わせは、流体移動又は液体充填の減少の阻止を補助する。
本願明細書の、移行句「comprising(有している)」(「comprises」(有する)等も同様)は、「including(含んでいる)」「containing(含有している)」又は「characterized by(特徴とする)」と同義で、包括的即ちオープンエンド型であり、請求項の前提部又は本文いずれでの使用に関わらず、付加的な、記載していない要素又は方法における工程を除外しない。
本願明細書の、「風船ガム」及び「チューインガム」という用語は同義的に用いられ、両者とも任意のガム組成物を含むことを意図する。
本願明細書の、「第一領域」、「液体充填」及び「中央充填」の用語は同義的に用いられ、組成物の最内部領域を言う。「中央充填」という用語は、ガム片の対称性を含意せず、「中央充填」がガム片の別の領域内にあることを含意するにすぎない。更に、「液体充填」及び「中央充填」の用語は、側面全体にて封入又は閉じ込められた、ガム片の別の領域によって包囲又は被包された領域を含む。更に、「液体充填」の用語は、完全に液体でなくてもよい領域を含む。例えば、「液体充填」の用語は、溶液、懸濁液、乳濁液、半固体、クリーム、ゲル等が存在してもよい領域を含む。「液体充填」領域は、固体粒子又は気体などの非液体成分を含んでもよい。ある実施形態では、1より多くの中央充填又は液体充填が存在してもよい。
本願明細書の「第二領域」及び「ガム領域」の用語は同義的に用い、中央充填、又は最内部領域に、隣接又は少なくとも部分的にこれを囲んでもよい組成物の領域を言う。
本願明細書の「第三領域」及び「コーティング」の用語は同義的に用い、組成物の最外部領域を言う。
本願明細書の「囲む」、「囲んでいる」等の用語は、包囲することに限定されない。これらの用語は、側面全体にて封入又は閉じ込めること、包囲又は被包することを言ってもよく、ガム製品内での一領域に対する対称性又は同一厚みに限定されない。
本願明細書の「液体」の用語は、中央充填領域からガム領域に水分を移行できる組成物を含む。この用語は、限定しないが、室温及び圧力にて容易に流動するか、又は流動性を維持するであろう組成物を含む。「液体」の用語は、完全に液体でなくてもよいが、それでも中央充填領域からガム領域への水分の移行が原因となって流動性を喪失する可能性がある溶液、懸濁液、乳濁液、半固体、クリーム、ゲル等を含んでもよい。「液体」は、水性又は非水性であってもよい。また、「液体」は、固体粒子又は気体などの非液体成分を含んでもよい。
本願明細書の、「配合成分」の用語、及び「成分」の用語は同義的に用い、添加剤、固着剤、物質、材料、作用物、活性物、要素、又はある実施形態のガム組成物に含めてもよい部分のいずれもを言う。
本願明細書のある実施形態は、少なくとも1つの液体充填領域と、ガムベースを含むガム領域とを含む多成分組成物を提供する。ガム領域は、少なくとも2層を含み、ここで第一層は液体充填領域に隣接する。第一層は、マルチトールを含むことになる。液体充填領域及びガム領域は、個々のガム片に成形してもよい。
個々のガム片は、外側ゴムコーティング又はシェルを含んでもよく、これは概して、ガム片を最初に噛む際にバリバリ感をもたらす。個々のガム片は、例えばペレット、タブレット、ボール、まくら、大型塊、スティック及び厚板を含む種々の形状に成形してもよい。
例えば、ある実施形態では、個々のガム片は図1に示すように厚板10に成形してもよい。厚板10は、それぞれの端部12を境として、長さ(l)、幅(w)及び厚さ(t)を有してもよい。厚板の長さは、約20mm〜約80mm、詳細には約25mm〜約55mm、更に詳細には約25mm〜約45mmであってもよい。厚板の幅は、約5mm〜約50mm、詳細には約10mm〜約30mm、更に詳細には約10mm〜約15mmであってもよい。厚板の厚さは、約0.5mm〜約30mm、詳細には約0.5mm〜約20mm、更に詳細には約0.5mm〜約10mmであってもよい。厚板10の1以上の端部12は、図2及び3にそれぞれ示すように、丸みを帯びたコーナー12a又は角張ったコーナー12bを含むものなどの、チューインガム片に好適な何れの構成を有してもよい。図4に示す断面図で示すように、厚板10は液体充填組成物中央100、及びその液体充填組成物中央を囲んでいるガム領域200を含む。
ある実施形態では、外側コーティングは、少なくとも部分的に厚板を囲んでもよい。特に、厚板の1つの側面がコーティングされてもよく、厚板の2つの側面がコーティングされてもよく、又はコーティングがガム厚板全体を囲んでもよい。厚板に付すコーティングは、約1ミクロン〜約7mmの厚さを有してもよい。好適なコーティング組成物については、以下に更に詳説する。
ある実施形態では、組成物の成分は、ガム組成物全体の所望の形状により異なる構成にしてもよい。液体充填部位は、ガム領域に対して同心構成か、又は層状構成のいずれかであってもよい。同心構成は、ボール、まくら又はペレット形状で許容でき、層状構成は厚板又はスティック形状に対してより好適であるかもしれない。
本願明細書に記載の中央充填ガム組成物及び他の組成物は、Degadyらの米国特許第6280780号明細書(「Degady」、本願に引用してその全体を援用する)に記載の方法を含む当該技術分野で公知の任意の技術によって形成してよい。Degadyは、中央充填ガムペレットを形成するための装置及び方法を記載する。この方法は、先ずチューインガム層の液体充填ロープを押し出し、一連の対合するプーリ型のローラ部材を含むサイジング機構にロープを通す工程を含む。ローラ部材は、タブレット成型機構に入れるのに望ましいサイズ及び形状で一連のローラから離れるように、ガム材料のロープ又はストランドを「サイジング」する。
ロープは次いで、エンドレス鎖機構であり、両者がモータ及びギア機構により同じ速度で回転する一対の回転鎖ダイ部材を含むタブレット成型機構に導かれる。鎖機構の各々は、噛合して、その中でガム材料の片(ペレット又はタブレット)を形成するダイキャビティを形成する、複数の解放弯曲ダイ溝部材を含む。Degadyはペレット又はタブレット形状の片の形成に限定しているが、ガム片は前記のような他の形状であってもよい。ダイ溝部材の形状は、任意の所望形状を提供するように変更してもよい。
ガムは任意に、タブレット成型機構に入る前、タブレット成型機構を出た後、又はその両方、のいずれかに冷却トンネルを通してもよい。タブレット成型機構に入る前にロープを冷却することは、個片の反跳を防ぎ、従ってその生産性を高めるのに役立ち得る。
ガム材料の冷却した片は、その後コンディショニング及び更なる加工のために保存容器に入れる。この際、ガム材料の冷却片は、回転トンネル機構などのコーティングトンネル機構に直接入れることもできる。
形成したガム材料の片を、先ず保存した場合、保存容器に移した場合、又はコーティングトンネル若しくは機構に直接入れた場合のいずれでも、ガム材料の個片はその後、液体充填ガム材料に硬質外装シェルを形成するために従来の糖又は無糖コーティングプロセスに付してもよい。このタイプの種々のコーティングプロセス又は機構が知られている。パニングとして公知のプロセスの一種では、適切に均一コーティングされた、仕上げ品質の表面をガム製品に形成するために、材料の多数の薄層にてコーティングを付す。硬質コーティング材料は、砂糖、マルチトール、ソルビトール又は他の任意のポリオール(本願明細書に記載のものを含む)、及び任意に香味料を含んでもよく、コーティング機構又はコーティングトンネルをガム材料のペレットが通過する際にスプレーされ、その中で混転及び回転させる。また、形成した製品上の連続コーティング層の各々を乾燥させるために、コーティングトンネル又は機構に調整空気を循環させるか又は送り込む。ある実施形態では、コーティング、又は最外領域は、積層、二軸若しくは多軸押し出し、又は最外領域を作り出す他の任意のプロセスによって形成できる。
ある実施形態では、コーティング組成物は、中央充填、ガム領域及びコーティングを含む個々のガム片の約2〜約60質量%、より詳細には、約20〜約40質量%の範囲で、更に詳細には、25%〜35質量%、より一層詳細にはおよそ30質量%程度であってもよい。コーティングは、主成分として砂糖又はマルチトールなどのポリオールを含んでもよいが、後述のガム領域の場合と同様に、香味料、着色料等も含んでもよい。コーティング又は最外領域は、結晶性又は無定形であってもよい。
ある実施形態では、中央充填チューインガムは、液体充填に隣接する層がマルチトールを含む多層状ガム領域組成物を備えることによって、ガム領域の中央充填からの水分の移動を阻止する。マルチトールは、層の約30〜約80質量%の量、更に詳細には層の約40〜約60質量%の量で、層内に存在してもよい。
ある実施形態では、液体充填に隣接するガム層は、マルチトールガム領域又はガム層とも称されるであろう。マルチトールガム層は、約0.5mm〜約5mm、更に詳細には約1mm〜約3mmなどの好適な厚さを有してもよい。マルチトール層及び任意の非マルチトール層を含むガム領域全体につき、マルチトール層は、ガム領域全体の約25〜約100質量%、詳細にはガム領域全体の約40〜約95質量%、更に詳細にはガム領域全体の約50%〜約75%の量で存在してもよい。
本発明のある実施形態で、更に小さいサイズの片が含まれる。例えば、市販のガムで最も小さいサイズの従来の片は、通常ペレット形状を取っている。これらの片のサイズは現在のところ、約5〜7グラムの範囲にある。ある実施形態で、実質的に更に小さいサイズの片、即ち50〜60質量%小さいものを用いて、流動性の喪失、又はガム領域内への、若しくはこれを超えてコーティング内への液体の移動を伴わない液体充填製品が作られている。本発明のある実施形態は、外側硬質コーティングシェル追加分を含めて約0.5グラムを上回る、更に詳細には1.5グラムを上回り約3グラムまでの範囲のサイズの液体充填ガム片を提供する。更に、ある実施形態では、ガム片は中央充填と、ガムベースを含むガム領域と、外側コーティングとを含んでもよい。かかるガム片は、1片あたり総重量が約2.2グラムであってもよい。
このように小さいサイズの片、そして特に、液体自体の重量に比べて比例的に大きい液体充填表面積を有するガム形状又は構成の片は、異なる因子の相互作用に起因して中央の流動性を喪失する傾向が更に大きくなることが発見されている。単一の理論に限定せず、これらの因子として挙げらるのは、液体充填が直接接触するガム領域の表面に比べて液体充填が少ないこと、その型のエラストマーと中央充填との相互作用(即ち[SBR]対[非SBR])、ガム領域成分の液体充填成分との適合性、及びガム領域で使用されるポリオールの潜在的な毛細管作用である。例えば、米国でガム処方に慣例的に使用されるソルビトールの構造は、密に充填した結晶構造をもたらさず、ほぼスポンジ状の外観を与える。従って、約3グラム未満の中央充填ガム片を提供するために、本発明は、流動性の喪失を阻止する中央充填ガム片を提供すべく、従来のソルビトールガム領域処方でのスポンジ状の構造とは異なる、濃く、密に充填した結晶構造を有するポリオール組成物を含むようにガム及びガムベースを変更する。
他の有用な中央充填ガム組成物及び/又はその組成物中で使用するための成分に関しては、以下の共通の所有者による特許出願(その内容全体を本願に引用して援用する):名称「液体充填チューインガム組成物」である2006年2月24日に出願の米国出願第60/776642号明細書;名称「液体充填チューインガム組成物」である2006年2月24日に出願の米国出願第60/776641号明細書、名称「中央充填チューインガム組成物」である2006年2月24日に出願の米国出願第60/776637号明細書;名称「バリア層を備えた中央充填チューインガム」である2006年2月24日出願の米国出願第60/776508号明細書;名称「中央充填チューインガム組成物」である2006年2月24日出願の米国出願第60/776382号明細書;及び名称「多様式チューインガム組成物」である2006年2月24日出願の米国出願第60/776699号明細書を参照されたい。
(ガム領域)
請求項で第二領域とも称するガム領域は、液体バリアを提供して、液体充填を囲み、低減し、そしておそらくは均一化し、また液体充填の移動及び早期放出を防止する。1以上のキャビティをガム領域内に存在させて、液体中央充填を収納できる。キャビティの形状は、概ね、チューインガム片の最終的な構成によって決定付けられるであろう。所望のキャビティ表面積の液体充填重量に対する比率の選択によって、ガム領域の部位内への潜在的な液体充填の移動が至適に低減できるようになる。これは、ガム片のサイズが従来の市販のガム片よりも実質的に小さいことが求められる場合に、特に有用である。特に、ガム片全体の重量で2〜3グラムのサイズを有する液体充填ペレットガムが成功裡に作製されている。しかし、約0.5グラムという小ささの更に小さいガム片が考えられる。
ある実施形態では、ガム領域は厚さが不均一であってもよい。特に、層状構成の実施形態におけるガム領域は、ガム片の側部より端部で薄くなっていてもよい。
前記のとおり、ある実施形態では、ガム領域は1より多くの層を含んでもよい。第一層は、マルチトールを含み、液体充填領域に隣接してもよい。
このような実施形態で、本願明細書のガム領域は、マルチトール層及び非マルチトール層の両者を言う。ガム領域に添加してもよい全ての成分は、それらの層の一方又は両方に存在してもよい。追加のガム領域層も、含んでもよい(即ち、3以上の別々のガム層を含むガム組成物)。
ガム領域は、ガムベースを含んでもよい。ガムベースは、チューインガムの技術分野で公知の、任意の成分を含んでもよい。例えば、ガム領域は、エラストマー、増量剤、ロウ、エラストマー溶媒、乳化剤、可塑剤、充填剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。ここで、ガム領域は、中央充填、ガム領域及びコーティング層を含む3成分組成物に含められ、このガム領域は、チューインガム片の約40〜約97質量%、更に詳細には約55〜約65質量%、更に一層詳細には約62質量%含まれてもよい。
ガム領域は、このガム領域の約30〜約80質量%、詳細には50〜約60質量%である少なくとも1つのポリオールを含む特定のポリオール組成物も含んでもよい。ポリオール組成物は、限定しないが、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール及びこれらの組み合わせを含む、当該技術分野で公知の任意のポリオールを含んでもよい。ソルビトール及びマルチトールを含む水素化デンプン加水分解物であるLycasin(登録商標)も、使用してもよい。
マルチトールは、飲料及び食品の調製で増量剤として有用な、甘い水溶性の糖アルコールであって、米国特許第3708396号明細書に更に十分に記載されており、この開示を本願に引用して援用する。マルチトールは、最も普及している還元二糖であり、デンプン及び他の天然産物に認められるマルトースの水素化によって製造される。
ポリオール組成物は、種々のサイズの粒子を含んでもよい。詳細には、ポリオール組成物の平均粒子径は、約30ミクロン〜約600ミクロン、更に詳細には約30ミクロン〜約200ミクロンの範囲とする。
ガム領域に存在するガムベースの量も、変化してもよい。ガムベースは、ガム領域の約25〜約45質量%の量で、ガム領域中に配合してもよい。ガムベースの更に詳細な範囲は、ガム領域の約28〜約42質量%である。更に一層詳細には、その範囲は、約28%〜約35%、又は約28%〜約30%であってもよい。
ガムベースに使用するエラストマー(ゴム)は、所望のガムベースの種類、所望のガム組成物の整合性、及びチューインガムの最終製品を製造するためにガム組成物に使用する他の成分等の種々の要因によって極めて多様である。エラストマーは、当技術分野で公知の任意の水不溶性のポリマーであってもよく、チューインガム及び風船ガムに利用されるガムポリマーを含む。ガムベースの適切なポリマーの例として、天然及び合成のエラストマーが挙げられる。例えば、ガムベース組成物において適切なポリマーとしては、限定されるものではないが、チクル、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ、ロシジンハ、ジェルトン、ペリロ、ニガーグッタ、トゥーヌ、バラタ、グッタペルカ、レチ−カプシ、ソルバ、グッタ−カイ等、及びこれらの組み合わせのような(植物由来の)天然物質が挙げられる。合成エラストマーの例としては、限定されるものではないが、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
追加の有用なポリマーとして、架橋したポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート;乳酸の共重合体、ポリヒドロキシアルカノエート、可塑化エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
ガムベースに使用するエラストマーの量は、使用するガムベースの種類、所望のガム組成物の整合性、及びチューインガムの最終製品を製造するために、組成物に使用する他の成分等の種々の要因によって変えてもよい。一般的に、エラストマーは、ガムベース中に、ガム領域の約10〜60質量%、望ましくは約35〜40質量%の量で存在するであろう。
ある実施形態では、ガムベースはロウを含んでもよい。ロウは、高分子エラストマー混合物を軟化させ、ガムベースの弾性を高める。存在する場合、使用するロウは、約60℃未満、好ましくは45℃〜55℃までの融点を有してもよい。低融点ロウは、パラフィンロウであってもよい。ロウの量は、ガムベースに対して、約6質量%〜約10質量%、好ましくは約7質量%〜約9.5質量%であってもよい。
低融点ロウに加えて、更に高い融点を有するロウを、ガムベースの約5質量%までの量でガムベースにて用いてもよい。このような高融点ロウとして、ミツロウ、モクロウ、カンデリラロウ、カルナバロウ、ほとんどの石油ロウ等、及びこれらの混合物が挙げられる。
上記の成分のほかに、ガムベースは、エラストマー溶媒、乳化剤、可塑剤、充填剤、及びこれらの混合物から選択される成分等の種々の他の成分を含んでもよい。
ガムベースは、エラストマー成分の軟化を補助するように、エラストマー溶媒を含有してもよい。かかるエラストマー溶媒としては、当技術分野において公知のエラストマー溶媒、例えば、α−ピネン又はβ−ピネンのポリマー等のテルピネン樹脂、ロジン及び修飾ロジンのメチル、グリセロール及びペンタエリスリトールエステル、並びに水素添加ロジン、二量体化ロジン及び重合ロジン等のガムと、それらの混合物が挙げられる。本願明細書での使用に好適なエラストマー溶媒の例としては、部分的に水素化されたウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分的に二量体化されたウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、重合されたウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、タル油ロジンのグリセロールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、部分的に水素化されたウッドロジン及びガムロジン、木及びロジンの部分的な水素化メチルエステル等、並びにこれらの混合物が挙げられる。エラストマー溶媒は、ガムベースに対して約2〜約15質量%、より好ましくは約7〜約11質量%の量で使用してもよい。
また、ガムベースは、単一の安定システムに非混合成分を分散させるのに役立つ乳化剤を含んでもよい。本発明で有用な乳化剤としては、モノステアリン酸グリセリン、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアリン酸等、及びそれらの混合物が挙げられる。乳化剤を、ガムベースに対して約2〜約15質量%、より詳細には約7〜約11質量%の量で使用してもよい。
ガムベースはまた、種々の望ましいテクスチャ及び整合性特性を与えるために、可塑剤又は軟化剤を含んでもよい。可塑剤及び軟化剤は、成分の分子量が低いため、ガムベースの実質的な構造を透過できることから、可塑性を与えながら粘性を低くする。有用な可塑剤及び軟化剤としては、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコールモノステアリン酸、アセチル化モノグリセリド、グリセリン等、及びそれらの混合物が挙げられる。ロウと、例えば、天然及び合成ロウ、水素化植物油、石油ロウ、例えばポリウレタンロウ、ポリエチレンロウ、パラフィンロウ、微晶質ロウ、脂肪ロウ、モノステアリン酸ソルビタン、牛脂、プロピレングリコール、それらの混合物等を、ガムベースに混和してもよい。可塑剤と軟化剤は、一般にガムベースの約20質量%以下の量で、より詳しくは、ガムベースの質量の約9%〜約17%の量でガムベースに使用する。
可塑剤は、水素化植物油も含み、大豆油及び綿実油が挙げられ、これらは単独で又は組み合わせて使用してもよい。これらの可塑剤は、ガムベースに良好なテクスチャ及び軟らかい噛み応えを与える。これら可塑剤及び軟化剤は、一般に、ガムベースの約5〜約14質量%で、より詳細には約5〜約13.5質量%の量で使用する。
無水グリセリンを、柔軟剤(例えば市販の米国薬局方(USP)等級)として使用してもよい。グリセリンは、甘く暖かい味を備えたシロップ状の液体であって、ショ糖の約60%の甘味を有する。グリセリンは吸湿性を有するため、無水グリセリンは、チューインガム組成物の調製中ずっと、無水状態の下で維持される場合がある。
ある実施形態において、本発明のガムベースは、有効量の増量剤(例えば充填剤及びテクスチャ剤としての役割を果たすことができるミネラル補助剤)も含んでもよい。有用なミネラル補助剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム等、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの充填剤又はアジュバントは、種々の量でガムベース組成物に使用してもよい。充填剤の量は、ガムベースに対して、約0質量%〜約40質量%、より詳細には約0質量%〜約30質量%であってよい。ある実施形態では、充填剤の量は、約0〜約15%、更に詳細には約3%〜約11%とされることになる。
着色剤、酸化防止剤、防腐剤、着香剤等のような各種の伝統的な配合成分を、ガムベースの中に有効量で含んでもよい。例えば、二酸化チタン並びにF.D.&C.染料として知られている食品、薬品、及び化粧品の用途に好適な他の染料を利用してもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、及びそれらの混合物などの酸化防止剤も、含んでもよい。チューインガム技術における当業者に公知の他の従来のチューインガム添加物も、ガムベースに用いてもよい。ガム領域に、或いは液体充填領域又はコーティングに添加してもよい種々の成分は、後述する「追加の成分」という名称の項に更に詳細に記載する。
ある実施形態は、中央充填ガム組成物の製造方法に及ぶ。ガムベース成分を混合する仕方は決定的なものではなく、当業者に公知の標準的な技術及び装置を用いて行う。代表的な方法では、エラストマーをエラストマー溶媒及び/又は可塑剤及び/又は乳化剤と混合し、1〜30分間撹拌する。次いで、ガムベース混合物を再び1〜30分間にわたって混合しながら、低融点ロウなどの残りの成分を、まとめて又は漸増的のいずれかで添加する。
ガム組成物は、甘味剤(甘味料)、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ロウ、充填剤、増量剤(担体、増量化剤、バルク甘味料)、ミネラル補助剤、着香剤(香味料、着香料)、着色作用物(着色料、着色剤)、抗酸化剤、酸味料、増粘剤、薬物等、及びそれらの混合物からなる群より選択される所要量の従来の添加物を含んでもよい。これらの添加物のいくつかは、1以上の目的を果たすものであってもよい。例えば、無糖ガム組成物では、マルチトール又は他の糖アルコールなどの甘味料は、増量剤としても機能し得る。
ガムベースでの使用に好適なものとして前記した可塑剤、軟化剤、ミネラル補助剤、ロウ及び抗酸化剤を、チューインガム組成物で使用してもよい。使用してもよい他の従来の添加物の例として、レシチン及びモノステアリン酸グリセリンなどの乳化剤、単独で又は他の軟化剤と組み合わせて使用する増粘剤、例えばメチルセルロース、アルギン酸塩、カラギーナン、キサンタンガム、ゼラチン、イナゴマメ、トラガント、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸塩、グアーガム、イナゴマメガムなどのガラクトマンナン類、グルコマンナン、ゼラチン、デンプン、デンプン誘導体、デキストリン及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、及びそれらの混合物などの酸味料、並びにミネラル補助剤の分類で前記したものなどの充填剤が挙げられる。
ある実施形態では、ガム領域は、増量剤も含有してもよい。好適な増量剤は、水溶性であってもよく、また、限定しないが単糖、二糖、多糖、糖アルコール類、及びそれらの混合物から選択される甘味剤;Danisco Sweeteners,Ltd.(41−51 Brighton Road,Redhill,Surrey,RH1 6YS、連合王国)製造のポリデキストロースに対する商品名である、Litesse(商標)の商標名で販売されているポリマーなどの、ランダムに結合したグルコースポリマー;イソマルト(商標名PALATINITでPalatinit Sussungsmittel GmbH(Gotlieb−Daimler−Strause 12a、68165 Mannheim、ドイツ)が製造するアルファ−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールとアルファ−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールとのラセミ混合物);マルトデキストリン;水素化デンプン加水分解物;水素化ヘキソース;水素化二糖;炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウムなどの無機物;セルロース;及びそれらの混合物を含んでもよい。
好適な糖増量剤として、キシロース、リブロース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、サッカロース(砂糖)、マルトース、転化糖、部分的に加水分解したデンプン及びコーンシロップ固体、並びにそれらの混合物などの単糖類、二糖類及び多糖類が挙げられる。
好適な糖アルコール増量剤として、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、イソマルト及びそれらの混合物が挙げられる。
好適な水素化デンプン加水分解物としては、米国特許第4279931号明細書に開示されたもの、及び種々の水素化グルコースシロップ及び/又はソルビトール、マルチトール、水素化二糖、三糖以上の水素化多糖、若しくはそれらの混合物を含有する粉体が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、主に、コーンシロップの制御された接触水素化によって調製される。得られる水素化デンプン加水分解物は、モノマー、ダイマー、及びポリマー多糖の混合物である。これらの糖類の比が異なることによって、異なる性質の異なる水素化デンプン加水分解物が得られる。フランスのRoquette Freres製造の市販品LYCASIN(登録商標)、及びNew Castle,DelawareのSPI Polyols,Inc.製造の市販品HYSTAR(登録商標)等の、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
ある実施形態の組成物に配合してもよい甘味剤は、当該技術分野で公知の種々の甘味料の任意のものであってもよい。これらは、本願明細書で後記する「追加の成分」の項に更に詳細に記載されており、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、甘味の初期噴出及び/又は甘味の持続的な知覚を与えてもよい。限定されるものではないが、こうした物理的形態としては、噴霧乾燥、粉末化、ビーズ形態、カプセル化形態、及びこれらの混合物のような自由な形態が挙げられる。
好ましくは、甘味料はアスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、及びアセスルフェームカリウム(Ace−K)などの高甘味度甘味料である。
一般に、有効量の甘味料を利用して所望の甘味レベルとしてもよく、この量は選択した甘味料によって異なり得る。ある実施形態では、甘味料の量は、用いる甘味料又は甘味料の組み合わせに応じて、ガム組成物の約0.001〜約3質量%の量で存在してもよい。各種甘味料の量の正確な範囲は、当業者が選択してもよい。
着色剤を、所望の色を生成するのに有効な量で使用してもよい。着色剤には顔料が挙げられ、ガム組成物の約6質量%以下の量で混和してもよい。例えば、二酸化チタンを、ガム組成物の質量で約2%以下、好ましくは約1%未満の量で混和してもよい。また、着色剤には、食品、薬品、及び化粧品の用途に好適な自然食品の色材や染料が挙げられる。これらの着色剤は、F.D.&C.染料・レーキとして知られる。上記の使用に受け入れられる材料は、好ましくは水溶性である。例えば限定されない例としては、F.D.&C.ブルーNo.2として知られる5,5−インジゴ錫ジスルホン酸のジナトリウム塩であるインジゴイド染料が挙げられる。同様に、F.D.&C.グリーンNo.1として知られる染料は、トリフェニルメタン染料を含み、4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−デルタ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]のモノナトリウム塩である。全てのF.D.&C.着色剤とそれらの対応する化学構造の十分な詳述は「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、5巻、857〜884頁」に示されており、この文献を、本願で引用して援用する。追加の着色成分は、後述する「追加の成分」の項に記載している。
ガム組成物で使用できる好適な油及び脂肪として、部分的に硬化した植物または動物脂肪、特にココナツ油、パーム核油、牛脂、及びラードが挙げられる。使用する場合、これらの配合成分は一般的に、ガム組成物の約7質量%まで、好ましくは約3.5質量%までの量で存在する。
ある実施形態は、チューインガム及び風船ガム組成物の双方を含め、ガム領域のための改良したチューインガム組成物を調製する方法を含んでもよい。チューインガム組成物は、当業者に公知の標準技術及び装置を使用して調製してもよい。ある実施態様にかかる有用な装置は、チューインガム製造技術分野で周知の混合及び加熱装置を含み、従って、具体的な装置の選択は当業者にとって明らかであろう。
中央充填層に関し、ガム領域は中央充填組成物の水分活性以上の水分活性を有してもよい。しかし、より高い水分活性が中央又は液体充填に望まれる組成物では、中央充填組成物の水分活性はガム領域のものより高くてもよい。中央充填で高含水量であることは、キサンタンガム及びセルロースのような増粘剤の水和に役立つであろう。
ガム領域は、ガム領域の約14質量%の総含水量を有してもよく、更に詳細には約9〜約14質量%の総含水量で、約5%未満の遊離含水量を有してもよい。中央充填は更に、前記中央充填の約0〜約35質量%まで、詳細には約22%の遊離及び結合水分を含む総含水量を有してもよい。
(液体充填組成物)
中央充填又は液体充填組成物は、中央充填組成物に混和されることが当該技術分野で公知となっている任意の成分を含んでもよい。液体充填は、ガム組成物全体の0質量%より多く約20質量%まで、更に詳細には、チューインガム組成物全体(即ち、中央充填組成物、ガム領域及びコーティングを含む)の約10質量%までの量で存在してもよい。ガム組成物に含められる液体充填の量は、ガム片全体のサイズと形状に応じて変更してもよい。ある実施形態では、例えば、ガム片全体が3グラム未満であれば、中央充填はチューインガム組成物全体のおよそ8質量%であってもよい。
ある実施形態では、中央充填組成物は、結晶性ソルビトールと、任意に水素化デンプン加水分解物を含んでもよい。グリセリンも、液体充填組成物の0質量%から約5質量%までの量で存在してもよい。
ある実施形態では、水素化デンプン加水分解物(HSH)が、液体充填組成物の約58〜約83質量%、詳細には液体充填組成物の約65〜約75質量%の量で存在してもよい。ある実施形態では、HSHは、2質量%〜約6質量%のソルビトール、50質量%〜約55質量%のマルチトール、約20〜約25質量%の3〜5モノマー単位の水素化グルコースポリマー、及び約20〜約25質量%の5以上のモノマー単位の水素化グルコースポリマーを含んでもよい。
前記のとおり、ガム領域の項では、水素化デンプン加水分解物は、商標名Lycasin(登録商標)及びHystar(登録商標)で市販されている。好適な市販のHSH製品の例は、85%の固形分を含むLycasin(登録商標)80/55HDSである。その成分の重合度(DP)によって記されるように、Lycasin(登録商標)80/55 HDSはおよそ、ソルビトール(DPI)=4%、マルチトール(DP2)=53%、DP3〜DP5=22%、及び>DP5=21%を含む。
ある実施形態では、結晶性ソルビトールは液体充填組成物中にも存在する。結晶性ソルビトールの量は、液体充填組成物の望ましい粘度によって選択してもよい。例えば、結晶性ソルビトールは、液体充填組成物の約10〜約35質量%の量で存在してもよい。ガンマ多形を含め、結晶性ソルビトールの任意の好適な形態を用いてもよい。
ある実施形態では、中央充填領域は、実質的又は完全に、液体中央充填組成物で充填されていてもよい。ある他の実施形態では、中央充填領域は、一部分のみ液体中央充填組成物で充填されてもよい。
ある実施形態では、中央充填領域は、2種以上の中央充填組成物を含んでもよい。この2種以上の中央充填組成物は、同じ形態でも、又は異なる形態であってもよい。例えば、ある実施形態では、2種以上の別の液体の混合物を含んでもよく、これらは混和性でも、又は非混和性であってもよい。同様に、ある実施形態では、2種以上の別の固体、半固体又は気体を中央充填領域に含んでもよい。異なる中央充填形態の混合物も、ある実施形態に含まれてもよい。例えば、液体及び固体を中央充填領域に含ませてもよい。2種以上の液体が中央充填領域で用いられるある実施形態では、これらは同量又は異なる量で配合してもよく、またその特性が類似していても異なっていてもよい。更に具体的には、ある実施形態では、2種以上の中央充填組成物は、粘度、色、香味、呈味、知覚、配合成分、機能性成分、甘味料等の種々の特性が異なっていてもよい。
ある実施形態では、中央充填組成物は、例えば、香味料ビーズ、フルーツ粒子、ナッツ粒子、香味料粒子、ゼラチン部分等の非液体成分も含んでもよい。
ある実施形態では、中央充填組成物は水性であっても又は非水性であってもよい。更に、中央充填組成物は、溶液、懸濁液、エマルション又は半固体であってもよい。
液体中央は、前記のとおり、着香剤、甘味剤等、及びそれらの混合物などといった、チューインガム及び菓子の技術分野で周知の伝統的な配合成分を含有してもよい。菓子添加物に加えて、液体中央は、薬物、呼気清涼化剤、ビタミン、ミネラル、カフェイン、フルーツジュース等、及びそれらの混合物などの医薬添加物も含有してもよい。菓子及び医薬製剤は、当該技術分野で周知の多くの別の物理的形態で使用して、甘味並びに香味及び/若しくは治療活性の初期噴出、又は甘味並びに香味及び/若しくは治療活性の持続的な知覚をもたらしてもよい。限定されるものではないが、こうした物理的形態として、噴霧乾燥、粉末化、ビーズ形態、カプセル化形態、及びこれらの混合物のような自由な形態が挙げられる。ある実施形態での使用に好適な液体中央の例として、限定しないが、米国特許第3894154号明細書、第4156740号明細書、第4157402号明細書、第4316915号明細書、及び第4466983号に開示のもののような中央が例示でき、これらの開示を本願に引用して援用する。好適な追加の成分の具体例として、タウリン、ガラナ、ビタミン、Actizol(商標)、クロロフィル、Recaldent(商標)、歯の再ミネラル強化技術、及びRetsyn(商標)が挙げられる。
中央充填組成物はまた、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、プロピレングリコールアギネート(aginate)、寒天及びガムトラガントなどの天然又は合成ガムも含んでもよい。これらの組成物は、組成物中の遊離水の量を低減することによって粘度を高めるのに役立つ。中央充填の粘度は、25℃で約300cpから約6000cpまでの範囲であってもよい。周りのガム領域よりも高い水分活性を有する液体充填組成物で、粘度は25℃で約3000cpから約6000cpまでの範囲であってもよい。
キサンタンガムも、中央充填組成物の粘度を高めるのに使用してもよい。液体の粘度を高めることは、ガム片を通して液体が漏出するのを防ぐ助けにもなる。キサンタンガムは、Atlanta、GeorgiaのCP Kelcoから、商標名Keltrol(登録商標)として入手可能である。
ある実施形態は、改良した中央充填チューインガム組成物の製造方法に及ぶ。改良した組成物は、当業者に公知の標準技術及び装置を使用して調製してもよい。本願明細書に記載の実施形態にかかる有用な装置は、チューインガム製造技術で周知の混合及び加熱装置を含み、従って、特定の装置の選択は当業者にとって明らかであろう。このような方法及び装置は、例えば、米国特許第3806290号明細書及び第3857963号明細書に開示されており、これらの開示を本願に引用して援用する。
(コーティング組成物)
コーティング組成物は、中央充填組成物中に含められる場合、前記した方法などの、当該技術分野で公知の任意の方法を含む種々の方法によって塗布してもよい。コーティング組成物は、中央充填ガム片全体の約2〜約80質量%、より詳しくは、約25〜約35質量%、より一層詳しくは、ガム片の約30質量%の量で存在してもよい。
外側コーティングは、硬質でも、歯ごたえがあっても、又は軟質であってもよい。典型的に、外側コーティングは、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、イソマルト、及び他の結晶性ポリオールを含んでもよく、サッカロースもまた使用してもよい。更に、前記コーティングは、チューインガム組成物がコーティングそのものを通して見ることができないように、いくつかの不透明な層を含んでもよく、このコーティングは更に、場合により、美観、組織、及び保護の目的で、1つ又は複数の透明な層で被覆することができる。外側コーティングは、少量の水とアラビアゴムも含んでもよい。このコーティングは、更にワックスで被覆することができる。このコーティングは、各塗布の間に乾燥させながらコーティング溶液を継続して適用することによる従来の方法で施してもよい。コーティングが乾燥すると、通常は不透明になり、通常は白色であるが、他の着色剤を添加してもよい。ポリオールのコーティングを更にワックスで被覆することができる。このコーティングは、着色したフレーク又は斑点を更に含むことができる。組成物がコーティングを含む場合、1つ以上の口腔ケア用活性物質をコーティングの全体に分散させることができる。このことは、1つ以上の口腔ケア用活性物質が、別の活性物質を有する単一相組成物中で非適合性である場合に、特に好ましい。香味料を更に添加し、ユニークな製品特性を生じさせてもよい。
前記コーティングは、ガム片の熱安定性を高め、液体充填の漏れを防ぐのを支援するように処方してもよい。ある実施態様では、前記コーティングは、ゼラチン組成物を含んでもよい。ゼラチン組成物は、40質量%の溶液として添加してもよく、コーティング組成物の約5〜約10質量%、より詳細には約7%〜約8%で、コーティング組成物中に存在してもよい。ゼラチンのゲル強度は、約130ブルーム(bloom)から約250ブルームまでであってもよい。
所望の特性を得るため、その他の材料をコーティングに添加してもよい。これらの材料としては、限定されるものではないが、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース、ゼラチン、プルラン、アルギン酸塩、デンプン、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアゴム、及びポリ酢酸ビニル(PVA)が挙げられる。
コーティング組成物は、任意の硬質コーティングの前に個々のガム片に添加されるプレコーティングも含んでもよい。前記プレコーティングには、ポリ酢酸ビニル(PVA)を適用してもよい。これは、エチルアルコールのような溶媒中のPVAの溶液として施してもよい。外側の硬質コーティングが望まれる場合、PVAの適用は、全コーティングの約3〜4質量%、又はガム片の総質量(液体充填、ガム領域、及び硬質コーティングを含む)の約1%であってもよい。
他の種々のコーティング組成物及び製造方法で考えられるものとして、限定しないが、軟質パニング、二軸又は多軸押出し、積層等が挙げられる。よって、ある実施形態では、コーティングは無定形又は結晶性であることができ、得られるテクスチャは、硬質、歯ごたえのある、サクサクした、軟質、又は噛み応えのあるものとすることができる。
(追加の成分)
温感剤、冷感剤、刺激剤、香味料、甘味料、酸味剤、苦味剤、塩味剤、界面活性剤、呼気清涼剤、抗微生物剤、抗菌剤、歯石防止剤、歯垢防止剤、フッ素化合物、再ミネラル強化剤、医薬品、微量栄養素、喉のケア用活性物、歯漂白剤、エネルギー亢進剤、集中力亢進剤、食欲抑制剤、着色料及び他の活性物などの追加の添加物も、チューインガム組成物の任意若しくは全ての部分又は領域に配合してもよい。かかる成分を、それらの意図する効果を達成するのに十分な量で使用してもよい。
チューインガム組成物からの管理した随意放出が望まれ得る個々の配合成分のタイプとしては、限定しないが、甘味料、香味料、活性物、発泡性配合成分、食欲抑制剤、呼気清涼化剤、歯科ケア用配合成分、乳化剤、香味増強物質、苦味遮蔽又は遮断配合成分、食品用酸類、微量栄養素、知覚物質、口腔保湿配合成分、喉のケア用配合成分、着色料、酸味剤、苦味剤、塩味剤、医薬品、エネルギー亢進剤、集中力亢進剤及びこれらの組み合わせが挙げられる。配合成分は、例えば、液状形態、噴霧乾燥形態、又は結晶性形態などの異なる形態にて入手可能であり得る。ある実施形態では、送達システム又はチューインガム組成物は、異なる形態の同タイプの配合成分を含んでもよい。例えば、チューインガム組成物は、液体香味料、及び同じ香味料の噴霧乾燥品を含んでもよい。ある実施形態では、配合成分は、その自由形態又は封入形態であってもよく、また中央充填、ガム領域、又はコーティング中などのガム組成物の任意の領域に存在してもよい。更に、同じ成分が、その自由な形態だけでなく、その封入形態で存在してもよい。
ある実施形態では、消費者がチューインガムを噛む場合に、香味料若しくは甘味を知覚する期間が長期化していると感じ得るように、及び/又は配合成分が長期間に亘って放出、或いは利用可能とされるように、配合成分の放出を改質する。放出の改質は、封入によるものなど、当該技術分野で公知の任意の方法で成し遂げてもよい。放出の改質が封入によるものである場合、これはスプレーコーティング又は押出しによるなどの種々の手段によって成し遂げてもよい。
また、配合成分の初期及び長期放出が望ましいのであれば、チューインガム組成物は、放出を改質していない配合成分(場合により、「自由な」配合成分と称される)と、更には放出を改質した配合成分を含んでもよい。ある実施形態では、配合成分(例えば、香味料、冷感剤)の初期量若しくは「ヒット(hit)」、又は配合成分により引き起こされる初期知覚又は利点(例えば、香味、鼻への作用、冷却、加温、刺激、唾液産生、呼気清涼化、歯漂白、喉の無痛化、口腔保湿等)を送達するために、自由な配合成分を使用してもよい。ある実施形態では、同じ配合成分に放出特性の改質をもたらし、同じ知覚又は利点を付加的に又は遅延させて提供できる。自由な配合成分、及び改質した放出特性を備えた配合成分の双方を使用することによって、その配合成分による知覚又は利点を長期間に亘ってもたらし得、且つ/又は消費者による知覚若しくは利点の知覚が改善され得る。また、ある実施形態では、初期量又は配合成分の「ヒット」は、消費者の口、即ちチューインガム組成物の知覚を指向化若しくは予備調整し得る。
別の例として、ある実施形態では、チューインガム組成物中の配合成分の徐放を長期間もたらすのが望ましいことがある。徐放を成し遂げるために、低濃度の配合成分を長期間に亘って放出させ、これに対して高濃度の配合成分を短期間で放出させることを可能とするように、配合成分を改質してもよい。徐放は、送達システムが約6500psiの引張強度を有する封入などの送達システムの使用によって成し遂げてもよい。他の好適な送達システムは、米国特許公開第2005/0112236A1号明細書に更に十分に開示されており、これは本願に引用して援用する。配合成分の徐放は、配合成分が高濃度で苦み又はその多の悪い味を有する状況で有利であり得る。高濃度の配合成分の短期間での放出によって、少量の配合成分が消費者へ至適に送達される結果をもたらし得る場合にも、配合成分の徐放は有利であり得る。例えば、歯漂白又は呼気清涼化配合成分の場合、配合成分を過量に過度な早さで提供することで、配合成分が消費者の歯、粘膜、及び/又は歯科充填物と相互作用する機会を得る前に消費者が配合成分の大部分を嚥下してしまうという結果をもたらすことがあり、これにより配合成分の無駄、又は少なくともチューインガム組成物中の配合成分が有する利点が低減すことになり得る。
ある実施形態で、封入を用いて、成分の放出を改質するというのでなく、成分に対する又は成分からのバリア保護を提供してもよい。例えば、多くの場合、チューインガム組成物中の他の成分への酸の曝露を限定することが望ましい。このような酸を、他の成分への曝露を限定するために封入してもよいし、或いは、チューインガム組成物中の他の成分を、酸への曝露を限定するために封入してもよい。
本願明細書に記載の追加の成分の任意のものを、放出が改質された形態で、及び/又は放出を改質せずに(場合によって「自由な」成分と称する)中央充填チューインガム組成物の任意の領域に添加してもよい。ある実施形態では、例えば、単一成分を、その放出が改質された形態及び自由な形態にて中央充填チューインガムに添加してもよい。放出が改質された成分及び自由な成分を、中央充填チューインガムの同じ領域に一緒に含ませてもよく、又は、ある実施形態では、2種の成分をガムの異なる領域に含ませてもよい。
他のある実施形態で、例えば、同じ機能性をもたらす2種の異なる成分、例えば、2種の異なる香味料、甘味料、食味料、知覚料等を、中央充填チューインガムに含ませてもよい。ある実施形態では、両成分ともが、改質した放出性を有してもよい。或いは、ある実施形態では、成分の1つは放出が改質され、他の成分は自由なものであってもよい。2種の成分が、中央充填チューインガムの同じか又は異なる領域に含まれてもよい。
(香味料)
ある実施形態では、風味剤は、天然及び人工香味料など、当業者にそれらの風味が既知であるものを含んでもよい。これら香味料は、合成香味料油及び香味性の芳香族化合物及び/又は芳香族油、植物、葉、花、果実等から誘導されるオレオレジン及び抽出物、並びにそれらの組合せから選択してもよい。非限定的な代表的な香味料油としては、スペアミント油、ケイ皮油、ウィンターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、和種ハッカ油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグ油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油及びカッシア油が挙げられる。また、有用な香味料としては、バニラや、柑橘類油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを含む)及び果物エッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズ、バナナ、メロン、アンズ、ウメ、サクランボ、キイチゴ、ブラックベリー、熱帯果実、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイア、スイカを含む)等の人工、天然及び合成の果物香味料が挙げられる。放出プロファイルを管理できる、潜在性のある他の香味料としては、牛乳香味料、バター香味料、チーズ香味料、クリーム香味料及びヨーグルト香味料、バニラ香味料、茶葉又はコーヒー香味料(例えば緑茶香味料、ウーロン茶香味料、茶葉香味料、カカオ香味料、チョコレート香味料及びコーヒー香味料)、ミント香味料(例えばペパーミント香味料、スペアミント香味料及び和種ハッカ香味料)、香辛香味料(例えばアギ香味料、アジョワン香味料、アニス香味料、アンゼリカ香味料、ウイキョウ香味料、オールスパイス香味料、シナモン香味料、カミツレ香味料、マスタード香味料、カルダモン香味料、キャラウェー香味料、クミン香味料、チョウジ香味料、コショウ香味料、コリアンダ香味料、サッサフラス香味料、風味香味料、サンショウ香味料、シソ香味料、ビャクシン液果香味料、ジンジャー香味料、スターアニス香味料、セイヨウワサビ香味料、タイム香味料、タラゴン香味料、イノンド香味料、トウガラシ香味料、ナツメグ香味料、バジル香味料、マヨラナ香味料、ローズマリ香味料、ローリエ香味料及びワサビ(日本のセイヨウワサビ)香味料)、アルコール香味料(例えばワイン香味料、ウイスキー香味料、ブランデー香味料、ラム香味料、ジン香味料及びリキュール香味料)、花の香味料及び野菜香味料(例えばタマネギ香味料、ニンニク香味料、キャベツ香味料、ニンジン香味料、セロリ香味料、キノコ香味料及びトマト香味料)が挙げられる。これらの着香剤は、液体又は固体形状で用いてもよく、また単独又は混合して用いてもよい。通常使用される香味料は、ペパーミント、メントール、スペアミント等のミント類、人工バニラ、シナモン誘導体及び様々なフルーツ香味料を含み、単独又は混合して用いられる。香味料は、本願明細書で後述する冷感剤と組み合わせて用いた場合に、特にミント香料は、呼気清涼化特性ももたらすと考えられる。
ある実施形態では、他の香味料には、アルデヒド及びエステルが含まれ、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール等を用いてもよい。一般的に、「Chemicals Used in Food Processing,publication1274」(63〜258頁、National Academy of Sciences)に記載されるような任意の香味料又は食品添加物を使用してもよい。この出版物は、本願に引用して援用する。天然香料や合成香料も含んでもよい。
アルデヒド香味料の更なる例としては、限定されるものではないが、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(甘草、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール(即ちアルファ−シトラール(レモン、ライム))、ネラール(即ちβ−シトラール(レモン、ライム))、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ(即ちピペロナール(バニラ、クリーム))、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーな果実風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(多くの種類に修飾)、デカナール(柑橘類果実)、アルデヒドC−8(柑橘類果実)、アルデヒドC−9(柑橘類果実)、アルデヒドC−12(柑橘類果実)、2−エチルブチルアルデヒド(液果類)、ヘキセナール(即ちトランス−2(液果類))、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルムアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール(即ちメロナール(メロン))、2,6−ジメチルオクタナール(熟していない緑色の果物)及び2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、ブラックベリー、イチゴのショートケーキ及びそれらの混合物が挙げられる。
ある実施形態では、着香剤は、液体形態及び/又は乾燥形態のいずれにおいても使用することができる。後者では、液体をスプレードライする等の好適な乾燥手段を用いてもよい。或いは、着香剤を、水溶性材料(例えばセルロース、デンプン、糖、マルトデキストリン、アラビアゴム等)に吸収してもよいし、又は封入してもよい。更に他の実施形態では、着香剤はシリカ、ゼオライト等に吸着されてもよい。
ある実施形態で、着香剤を多くの別異の物理的形態で使用してもよい。限定されるものではないが、こうした物理的形態としては、噴霧乾燥、粉末化、ビーズ形態、カプセル化形態、及びこれらの混合物のような自由な形態が挙げられる。
香味料や他の追加の成分の封入の例示は、本願明細書に記載の実施例に見出すことができる。典型的には、成分の封入は、封入成分を(例えば、チューインガム組成物への配合成分として添加する送達システムの一部として)含むチューインガム組成物の消費の間に、成分の過半量の放出を遅延させる結果をもたらすことになる。ある実施形態では、配合成分(例えば、香味料、甘味料等)の放出プロファイルは、配合成分の種々の特性、配合成分を含有する送達システム、及び/又は送達システムを含有するチューインガム組成物及び/又はどのように送達システムを製造するかを管理することによって管理できる。例えば、特性には、以下の1種以上が含まれるかもしれない:送達システムの引張強度、配合成分の水溶性、封入材料の水溶性、送達システムの水溶性、送達システム中の封入材料に対する配合成分の割合、配合成分の平均又は最高粒子径、粉砕した送達システムの平均又は最高粒子径、チューインガム組成物中の配合成分又は送達システムの量、1以上の配合成分を封入するのに用いる異なるポリマーの割合、1以上の配合成分を封入するのに用いる1以上のポリマーの疎水性、送達システムの疎水性、送達システムのコーティングのタイプ又は量、配合成分が封入される前の配合成分のコーティングのタイプ又は量等。
(甘味配合成分)配合する甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然素材の水溶性甘味料から誘導された水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、蛋白質系甘味料、及びこれらの混合物等の広範囲の材料から選択してもよい。特定の甘味料に限定することなく、代表的な分類及び例を以下に挙げる:(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチルリチン、ジヒドロフラベノール、及びソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコール、及び米国特許第4619834号明細書(この開示は本願に引用して援用する)に開示されたもの等のL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、並びにこれらの混合物等の水溶性甘味料;(b)可溶性サッカリン塩(サッカリンナトリウム塩又はカルシウム塩)、シクラミン酸塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム塩、アンモニウム塩、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)、遊離酸型のサッカリン、及びこれらの混合物等の水溶性人工甘味料;(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、及び米国特許第3492131号明細書に記載の物質、L−アルファアスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、及びこれらの混合物等のL−アスパラギン酸由来甘味料等のジペプチド系甘味料;(d)普通の砂糖(サッカロース)の塩素化誘導体等の水可溶性甘味料を生じる天然由来の水可溶性甘味料、例えば、スクラロースの品名で知られている、例えばクロロデオキシサッカロース又はクロロデオキシガラクトサッカロースの誘導体等といったクロロデオキシ糖誘導体;クロロデオキシサッカロース及びクロロデオキシガラクトサッカロース誘導体の例として、限定しないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシサッカロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−アルファ−D−フラクトフラノシド、又は4−クロロ−4−デオキシガラクトサッカロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−ベータ−D−フラクトフラノシド、又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトサッカロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシサッカロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−ベータ−D−フラクトフラノシド、又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトサッカロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−ベータ−D−フラクトフラノシド、又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトサッカロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシサッカロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−ベータ−D−フラクトフラノシド、又は4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−サッカロース;及び4,6,1’,6’−テトラデオキシ−サッカロース、及びこれらの混合物;並びに(e)タウマッコスダニエリ(タウマチンI及びII)及びタリン等の蛋白質系甘味料、及び(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体;並びに(g)甘味料Lo han guo(羅漢果「Lo han kuo」又は「Lo han quo」と称されることもある)。
高甘味度甘味剤は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いることで、甘味の初期噴出及び/又は甘味の持続的な知覚を与えることができる。限定されるものではないが、こうした物理的形態としては、自由な形態、噴霧乾燥形態、粉末形態、ビーズ形態、カプセル化形態、及びこれらの混合形態が挙げられる。一実施形態で、甘味料はアスパルテーム、スクラロース、及びアセスルフェームカリウム(例えば、Ace−K)などの高甘味度甘味料である。
ある実施形態では、甘味料はポリオールであってもよい。ポリオールとしては、限定しないが、グリセロール、ソルビトール、マリチトール(malititol)、マルチトールシロップ、マンニトール、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、ポリグリシトールシロップ、ポリグリシトール粉末、ラクチトール、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
送達システムの一部をなす有効成分(例えば、甘味料)は、有効成分の使用に伴う所望の効果(例えば、甘味)を与えるのに必要な量にて用いてもよい。一般に、有効量の高甘味度甘味料を利用して、所望のレベルの甘味をもたらしてもよく、この量は選択した甘味料によって変動し得る。高甘味度甘味料は、使用する甘味料又は甘味料の組み合わせによって、組成物の約0.001質量%〜約3質量%の量で存在してもよい。各種甘味料の量の正確な範囲は、当業者が選択できる。
(知覚物質配合成分)
知覚物質化合物としては、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。様々な周知の冷感剤を用いてもよい。例えば、とりわけ有用な冷感剤としては、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、被置換p−メンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、被置換シクロヘキサミド、被置換シクロヘキサンカルボキサミド、被置換ウレア及びスルホンアミド、被置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メチル及びそのアルカリ金属塩類、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、1−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、1−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、被置換p−メンタン、被置換p−メンタン−カルボキサミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬社製、本明細書にて「イソプレゴール」と後述)メントングリセロールケタール類(FEMA3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)MGAタイプ)、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(タカサゴ社製、FEMA3784)、乳酸メンチル、(Haarman&Reimer製、FEMA3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)MLタイプ)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8ジオール)、メントール(その天然又は合成誘導体)、メントールPGカーボネート、メントールEGカーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキサミド、並びにメントールメチルエーテル及びメンチルピロリドンカルボキシレートが挙げられる。以上及び他の好適な冷感剤は、米国特許第4230688号明細書、米国特許第4032661号明細書、米国特許第4459425号明細書、米国特許第4136163号明細書、米国特許第5266592号明細書、米国特許第6627233号明細書に更に記載されており、これらすべては本願に引用して全体を援用する。
ある実施形態では、温感成分は、使用者に暖かい知覚信号をもたらすことが知られている多岐にわたる化合物から選択してもよい。これらの化合物は、特に口腔内で温かみを認知する感覚を与え、香味料、甘味料、及びその他の知覚刺激性成分の知覚を増強する場合が多い。ある実施形態では、有用な温感化合物として、高砂香料(Takasago Perfumary Company Limited)、東京、日本により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、及びこれらの組合せを挙げることができる。
ある実施形態では、刺激知覚をもたらすことができる。このような刺激知覚の1つは、ジャンブー、オレオレジン、又はスピラントールをある例に添加することによってもたらされる。ある実施態様では、ジャンブー又はサンショール等の物質から抽出したアルキルアミドを含むことができる。更に、ある実施態様において、知覚は発泡によって引き出される。かかる発泡性は、塩基性物質を酸性物質と合わせることによって生み出される。ある実施態様において、塩基性物質は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩及びそれらの混合物を含むことができる。ある実施形態で、酸性物質は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びこれらの組み合わせを含むことができる。「刺激」型知覚物質の例は、米国特許第6780443号明細書に見出すことができ、その内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
知覚物質成分は、本願に引用して援用する、米国特許出願第205/0202118号明細書に開示のもののような「三叉神経刺激薬」とも称してもよい。三叉神経刺激薬は、経口摂取品又は三叉神経を刺激する作用物として定義される。三叉神経刺激薬である冷感剤の例として、メントール、WS−3、N−被置換p−メンタンカルボキサミド、WS−23を含む非環状カルボキサミド、コハク酸メチル、メントングリセロールケタール、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、及びソルビトールなどのバルク甘味料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。三叉神経刺激薬として、香味料、刺激剤、ジャンブー抽出物、バニリルn−ブチルエーテルなどのバニリルアルキルエーテル、スピラントール、エキナセア出物、キタサンショウ(Northern Prickly Ash)抽出物、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤コショウオレオレジン、黒コショウオレオレジン、ピペリン、ジンジャーオレオレジン、ジンゲロール、ショウガオール、シナモンオレオレジン、カッシアオレオレジン、ケイ皮アルデヒド、オイゲノール、バニリンの環状アセタール及びメントールグリセリンエーテル、不飽和アミド、及びこれらの組み合わせも挙げることができる。
(呼気清涼化配合成分)
呼気清涼化剤として、精油や、種々のアルデヒド類、アルコール類、及び類似の物質を含むことができる。ある実施形態では、精油として、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボク抽出物、マージョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、及びオレンジの油を挙げることができる。ある実施形態では、ケイ皮アルデヒド及びサリチルアルデヒドなどのアルデヒド類を使用できる。更に、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール、及びアネトールなどの化学物質が呼気清涼化剤として機能できる。これらのうち、最も一般に用いられるのは、ペパーミント、スペアミント及びクロロフィルの油である。
それらから由来する精油及び化学物質に加えて、ある実施形態では呼気清涼化剤は、限定しないが、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸アンモニウム亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、ラッカーゼなどの酵素、及びこれらの組み合わせを含むことができる。ある実施形態では、限定しないが、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus jenseni、Lactobacillus casei、Lactobacillus fermentum、Lactococcus lactis、Pedioccocus acidilacti、Pedioccocus pentosaceus、Pedioccocus urinae、Leuconostoc mesenteroides、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus及びそれらの混合物などの乳酸生産微生物を含むガムについて、プロバイオティクスの放出プロファイルが管理できる。呼気清涼化剤は、以下の商標名:Retsyn,(商標)Actizol,(商標)及びNutrazin(商標)でも知られている。悪臭をコントロールする組成物の例は、Staplerらの米国特許第5300305号明細書、並びに米国特許公開公報第2003/0215417号及び同第2004/0081713号明細書に記載されており、その内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
(歯科ケア用配合成分)
歯科ケア用配合成分(口腔ケア配合成分としても知られる)としては、限定しないが、歯漂白剤、汚れ除去剤、口腔洗浄、漂白剤、減感剤、歯の再ミネラル強化剤、抗菌剤、抗齲蝕剤、歯垢の酸緩衝剤、界面活性剤及び歯石防止剤を挙げてもよい。このような成分の非限定的な例として、蛋白質分解酵素等の加水分解性物質、水和シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、及びアルミナ等の研磨剤、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、スルフェート化オレイン酸ブチル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、及びラウリル硫酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤を含むがこれに限定しない界面活性剤、及びポリリン酸塩のようなキレート化剤等のその他の活性汚れ除去成分を挙げることができ、これらは典型的に、歯石除去成分として使用される。ある実施形態では、歯科ケア用配合成分は、ピロリン酸四ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムも含むことができる。
ある実施形態で、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、及びペルオキシ二リン酸塩などの過酸化物が含まれる。ある実施形態では、硝酸カリウム及びクエン酸カリウムが含まれる。他の例として、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド−無定形リン酸カルシウム(CPP−ACP)、及び無定形リン酸カルシウムを挙げることができる。更に他の例として、パパイン、クリラーゼ、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ミュータナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
予防作用を高めて、歯科ケア用配合成分を化粧品上より許容し得るようにすべく、ある実施形態で使用するために更なる例として、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤などの界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、組成物に洗浄性及び起泡性を付与する、洗浄性物質であり得る。界面活性剤の好適な例は、硬化ヤシ油脂肪酸の一硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリド一硫酸の水溶性塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、高級アルキルスルホ酢酸、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホン酸の高級脂肪酸エステル、及び低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミド(脂肪酸に12〜16の炭素数を有するものなど)、アルキル又はアシルラジカル等である。最後に述べるアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、及びN−ラウロイル、N−ミリストイル、又はN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、及びエタノールアミン塩である。
界面活性剤に加えて、歯科ケア用配合成分として、限定しないが、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、及びセチルピリジニウムクロライドなどの抗菌剤を挙げることができる。ある実施形態で、追加の抗齲蝕剤として、無機フッ化物塩などの、フッ素イオン又はフッ素供給成分を挙げることができる。ある実施形態で、可溶性アルカリ金属塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、更にはフッ化スタナスなどのフッ化スズ、及び塩化スタナスを挙げることができる。ある実施形態で、例えば、酸でのエナメル溶解性の減少、及び歯の崩壊に対する保護などの、口腔のケア及び衛生に有益な効果を有するフッ素含有化合物も、配合成分として配合してもよい。その例として、フッ化ナトリウム、フッ化スタナス、フッ化カリウム、フッ化スタナスカリウム(SnF2−KF)、ヘキサフルオロスズ酸ナトリウム、塩化フッ化スタナス、フルオロジルコン酸ナトリウム、及びモノフルオロリン酸ナトリウムが挙げられる。ある実施形態では、尿素が含まれる。
更なる例は、以下の米国特許及び米国特許出願公開に挙げられ、これらすべての内容はその全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する:Reynoldsの米国特許第5227154号明細書、Greenbergの第5378131号明細書、Luoらの第6846500号明細書、Luoらの第6733818号明細書、Luoらの第6696044号明細書、Holmeらの第6685916号明細書、Luoらの第6485739号明細書、Holmeらの第6479071号明細書、Luoらの第6471945号明細書、Holmeらの米国特許公開第20050025721号明細書、Gebreselassieらの同第2005008732号明細書、及びHolmeらの同第20040136928号明細書。
(有効成分)
活性物は一般的に、それらが使用者に提供する所望の最終的な利点のために、送達システム及び/又はチューインガム組成物に配合される配合成分を言う。ある実施形態では、活性物として、薬物、栄養素、栄養補給品、薬草、栄養補給剤、医薬品、薬物等、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
有用な薬物の例としては、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、抗高コレステロール血症薬、鎮痛薬、麻酔薬、抗痙攣薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、止瀉薬調剤、解毒薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、抗炎症薬、抗脂質薬、抗躁薬、制吐薬、抗卒中薬、抗甲状腺薬製剤、抗腫瘍薬、抗ウイルス薬、挫創薬、アルカロイド、アミノ酸調剤、鎮咳薬、抗尿酸血症薬、抗ウイルス薬、アナボリック調剤、全身及び非全身抗感染薬、抗移植的新組織形成薬、抗パーキンソン病薬、抗リウマチ薬、食欲刺激剤、生物学的応答修飾剤、血液修飾薬、骨代謝調節剤、心血管薬、中枢神経系刺激剤、コリンエステラーゼ阻害薬、避妊薬、鬱血除去薬、栄養補助食品、ドーパミンレセプター作用薬、子宮内膜症管理薬、酵素、シルデナフィルクエン酸塩等の勃起機能障害治療薬(現在、Viagra(商標)として流通)、不妊治療薬、胃腸薬、ホメオパシー治療薬、ホルモン、高カルシウム血症及び低カルシウム血症管理薬、免疫変調薬、免疫抑制薬、片頭痛薬調剤、動揺病治療薬、筋肉弛緩薬、肥満管理薬、骨粗鬆症薬調剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経作動薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器作用薬、鎮静薬、ブロモクリプチン又はニコチン等の禁煙補助薬、交感神経遮断薬、振戦薬調剤、尿管作用薬、血管拡張薬、緩下薬、制酸薬、イオン交換樹脂、抗発熱薬、食欲抑制薬、去痰薬、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症性物質、冠動脈拡張薬、脳拡張薬、末梢血管拡張薬、向精神薬、刺激薬、抗高血圧薬、血管収縮薬、片頭痛治療薬、抗生物質、精神安定薬、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固薬、抗血栓薬、睡眠薬、鎮吐薬、抗嘔吐薬、抗痙攣薬、神経筋肉作用薬、高糖血症及び低糖血症薬、甲状腺及び抗甲状腺薬調剤、利尿薬、鎮痙薬、子宮弛緩薬、肥満抑制薬、赤血球生成薬、抗喘息薬、鎮咳剤、粘液溶解薬、DNA及び遺伝的修飾薬、及びそれらの組合せが挙げられる。
本発明での使用が考えられる有効成分の例としては、制酸剤、H2アンタゴニスト及び鎮痛薬を挙げることができる。例えば、制酸剤は、成分として炭酸カルシウムを単独で、或いは、水酸化マグネシウム及び/又は水酸化アルミニウムとの組み合わせを用いて調製することができる。更に、制酸剤は、H2アンタゴニストと組み合わせて使用することができる。
鎮痛薬として、オピエート、及びOXYCONTIN(登録商標)などのオピエート誘導体、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、及び任意にカフェインを含んでもよいこれらの組み合わせが挙げられる。
実施形態で用いられる他の薬剤有効成分としては、下痢止め薬(例えばImmodium(商標)AD、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、充血除去薬、ビタミン及び口中清涼剤)を挙げることができる。また、本明細書において使用が考えられるものは、抗不安剤(例えばXanax(商標))、抗精神病剤(例えばClozaril(商標))及びHaldol(商標))、非ステロイド性の抗炎症剤(NSAID)(例えばイブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、Voltaren(商標)及びLodine(商標))、抗ヒスタミン剤(例えばClaritin(商標)、Hismanal(商標)、Relafen(商標)及びTavist(商標))、抗嘔吐剤(例えばKytril(商標)及びCesamet(商標))、気管支拡張剤(例えばBentolin(商標)及びProventil(商標))、抗うつ剤(例えばProzac(商標)、Zoloft(商標)及びPaxil(商標))、抗片頭痛薬(例えばImigra(商標))、ACE抑制剤(例えばVasotec(商標)、Capoten(商標)及びZestril(商標))、アルツハイマー治療剤(例えばNicergoline(商標))及びCaHアンタゴニスト(例えばProcardia(商標)、Adalat(商標)及びCalan(商標))である。
本発明での使用が考えられる、普及しているH2アンタゴニストとしては、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジエン、エブロチジン、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン及びアセロクサチジンが挙げられる。
活性制酸剤成分としては、限定しないが、水酸化アルミニウム、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、炭酸ジヒドロキシアルミニウムナトリウム、重炭酸塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次珪酸ビスマス、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸又は塩)、アミノ酢酸、水和硫酸アルミン酸マグネシウム、マガルドレート、アルミノケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固形分、リン酸アルミニウムモノ−又はジ塩基性カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸及び塩が挙げられる。
事実上任意のビタミン又はミネラルを含め、種々の栄養補給剤も、有効成分として使用してもよい。例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、鉄、銅、ヨード、亜鉛、セレン、マンガン、コリン、クロム、モリブデン、フッ素、コバルト、及びこれらの組み合わせを使用することができる。
有効成分として使用できる栄養補給剤の例は、米国特許出願公開第2003/0157213号明細書、米国特許出願公開第2003/0206993号明細書及び米国特許出願公開第2003/0099741号明細書に記載されており、この内容全体を、あらゆる目的で本願明細書に参照して援用する。
様々な医薬的、或いは、栄養補助特性を有する種々の薬草も、有効成分として使用してもよい。薬草は通常、医薬的に或いは香味料として使用できる、芳香植物若しくは芳香植物の部分、及び/又はその抽出物である。好適な薬草は、単独又は様々に混合して使用することができる。広く使用されるハーブとしては、エキナシア、ヒドラスチス、キンセンカ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、アカネグサ、グレープフルーツ種子抽出物、ブラックコホッシュ、ニンジン、ガラナ、クランベリー、イチョウの葉、セイヨウオトギリソウ、マツヨイグサ油、ヨヒンビ樹皮、緑茶、マオウ、マカ、コケモモ、ルテイン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
(発泡性システム配合成分)
発泡システムは、1以上の食用酸及び1以上の食用アルカリ性物質を含んでもよい。食用酸及び食用アルカリ性物質は、共に反応して発泡を生じる。
ある実施形態では、アルカリ性物質は、限定しないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、及びこれらの組み合わせから選択してもよい。食用酸は、限定しないがクエン酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、及びこれらの組み合わせから選択してもよい。ある実施形態では、発泡性システムは、例えば、二酸化炭素、口腔ケア配合成分、風味剤等の1種以上の他の配合成分を含んでもよい。
チューインガムでの発泡性システムの使用の例については、2004年10月13日出願の「Effervescent Pressed Gum Tablet Compositions」という名称の米国仮特許第60/618222号明細書を参照されたく、その内容はあらゆる目的で本願に引用して援用する。他の例は、米国特許第6235318号明細書に認めることができ、その内容をあらゆる目的で本願に引用して援用する。
(食欲抑制配合成分)
食欲抑制剤は、食品を摂取する欲求を抑圧するように機能する繊維及び蛋白質などの配合成分であることができる。食欲抑制剤は、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェンジメトラジン、フェンテルミン、フーディア(P57)、Olibra,(商標)エフェドラ、カフェイン及びこれらの組み合わせも含むことができる。食欲抑制剤は、以下の商標名:Adipex(商標)、Adipost(商標)、Bontril(商標)PDM、Bontril(商標)Slow Release,Didrex(商標)、Fastin(商標)、Ionamin(商標)、Mazanor(商標)、Melfiat(商標)、Obenix(商標)、Phendiet(商標)、Phendiet−105(商標)、Phentercot(商標)、Phentride(商標)、Plegine(商標)、Prelu−2(商標)、Pro−Fast(商標)、PT 105(商標)、Sanorex(商標)、Tenuate(商標)、Sanorex(商標)、Tenuate(商標)、Tenuate Dospan(商標)、Tepanil Ten−Tab(商標)、Teramine(商標)、及びZantryl(商標)でも知られている。これらの、及び他の好適な食欲抑制剤は、以下の米国特許に更に記載されており、これらはすべて、引用してその全体を本願に援用する:Portmanの米国特許第6838431号明細書、Portmanの米国特許第6716815号明細書、Portmanの米国特許第6558690号明細書、Portmanの米国特許第6468962号明細書、Portmanの米国特許第6436899号明細書。
(増強物質配合成分)
増強物質は、元の物質の味及び/又は芳香の知覚を、それら自体の特徴的な味及び/又は芳香の知覚を導入することなく強化、補充、改質又は増強し得る物質から成ることができる。ある実施形態では、香味、甘味、酸味、旨味、コク味、塩味及びこれらの組み合わせの知覚を強化、補充、改質、又は増強するように設計された増強物質を挙げることができる。
ある実施形態では、呈味増強物質としても知られる好適な増強物質の例として、限定しないが、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、クロロゲン酸、アラピリダイン、シナリン、ミラクリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタミン酸1ナトリウム及びグルタミン酸1カリウムなどのグルタミン酸塩、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩化ナトリウムなどの塩、グリチルリジン酸1アンモニウム、バニラ抽出物(エチルアルコール抽出)、糖酸類、塩化カリウム、硫酸水素ナトリウム、加水分解した植物性蛋白質、加水分解した動物性蛋白質、酵母エキス、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、イノシン一リン酸などのヌクレオチド、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩、サトウダイコン抽出物(アルコール抽出物)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出物)、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、3−ヒドロ安息香酸、2,4−ジヒドロ安息香酸、ダイダイ、バニラオレオレジン、サトウキビ葉エッセンス、マルトール、エチルマルトール、バニリン、甘草グリチルリジン酸塩、G−蛋白質結合受容体(T2R及びT1R)に応答する化合物、及びコク味を付与する呈味増強物質組成物(Kurodaらの米国特許第5679397号明細書に開示、引用してその全体を本願に援用する)が挙げられる。「コク味」とは、「味わい(mouthfulness)」及び「こく(good body)」を付与する物質を言う。
呈味増強物質の1種である甘味料増強物質は、甘味の呈味を増強する。ある実施形態では、甘味料増強物質の例として、限定しないが、グリチルリジン酸1アンモニウム、甘草グリチルリジン酸塩、ダイダイ、アラピリダイン、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、サトウダイコン抽出物、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラ抽出物、バニラオレオレジン、バニリン、サトウダイコン抽出物(アルコール抽出物)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出物)、G−蛋白質結合受容体(T2R及びT1R)に応答する化合物及びこれらの組み合わせが挙げられる。
塩味の増強のための増強物質の更なる例として、酸性ペプチド(米国特許第6974597号明細書(引用して本願に援用する)に開示のものなど)が挙げられる。酸性ペプチドとして、塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン及びヒスチジンなど)よりも多数の酸性アミノ酸(アスパラギン酸及びグルタミン酸など)を有するペプチドが挙げられる。酸性ペプチドは、ペプチド合成によって、又は蛋白質をエンドペプチダーゼを用いた加水分解に付し、必要に応じ、脱アミド化に付すことによって得られる。酸性ペプチド、又は蛋白質を加水分解及び脱アミド化に付すことによって得られるペプチドの生産のための使用に好適な蛋白質として、植物蛋白質(例えば、コムギグルテン、トウモロコシ蛋白質(例えば、ゼイン及びグルテンミール)、大豆蛋白質単離物)、動物性蛋白質(例えば、ミルクカゼイン及び乳清蛋白質などの乳蛋白質、食肉蛋白質及び魚肉蛋白質などの筋蛋白質、卵白蛋白質及びコラーゲン)、及び微生物蛋白質(例えば、微生物によって産生される微生物細胞蛋白質及びポリペプチド)が挙げられる。
温感又は冷感の知覚の効果は、米国特許出願公開第2003/0072842A1号明細書に記載(本願に引用して全体を援用する)のように、疎水性甘味料の使用によって長期化させてもよい。例えば、こうした疎水性甘味料として、以下に示す式I〜XIのものが挙げられる。
式中、X、Y及びZは、CH
2、O及びSからなる群より選択される;
式中、X及びYは、S及びOからなる群より選択される;
式中、XはS又はOであり;YはO又はCH
2であり;ZはCH
2、SO
2又はSであり;RはOCH
3、OH又はHであり;R
1はSH又はOHであり、R
2はH又はOHである;
式中、XはC又はSであり;RはOH又はHであり、R
1はOCH
3又はOHである;
式中、R、R
2及びR
3はOH又はHであり、R
1はH又はCOOHである;
式中、XはO又はCH
2であり、RはCOOH又はHである;
式中、RはCH
3CH
2、OH、N(CH3)
2又はClである;
米国特許第6159509号明細書に記載のようなペリラルチンもまた添加されてもよく、この特許も、本願に引用してその全体を援用する。
(食品用酸配合成分)
酸として、限定しないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
(微量栄養素配合成分)
微量栄養素は、所望の効果を生物が得るのに必要な量が、蛋白質、炭水化物、及び脂肪などの多量養素に対して少なくても、生物の栄養学的な健康に影響を及ぼす物質を含むことができる。微量栄養素としては、限定しないが、ビタミン、ミネラル、酵素、植生化学物質、抗酸化剤、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施形態では、ビタミンとして、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンK及びこれらの組み合わせなどの脂溶性ビタミンを挙げることができる。ある実施形態では、ビタミンとして、ビタミンC(アスコルビン酸)、Bビタミン類(チアミン即ちB1、リボフラビン即ちB2、ナイアシン即ちB3、ピリドキシン即ちB6、葉酸即ちB9、シアノコバラミン即ちB12、パントテン酸、ビオチン)、及びこれらの組み合わせなどの水溶性ビタミンを挙げることができる。
ある実施形態では、ミネラルとして、限定しないが、ナトリウム、マグネシウム、クロム、ヨウ素、鉄、マンガン、カルシウム、銅、フッ化物、カリウム、リン、モリブデン、セレン、亜鉛、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施形態では、微量栄養素として、限定しないが、L−カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、アルファ−リポ酸、オメガ−3−脂肪酸、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
抗酸化剤としては、フリーラジカルを排除する物質を挙げることができる。ある実施形態では、抗酸化剤として、限定しないが、アスコルビン酸、クエン酸、ローズマリー油、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンEホスフェート、トコフェロール、ジ−アルファ−トコフェリルホスフェート、トコトリエノール、アルファリポ酸、ジヒドロリポ酸、キサントフィル、ベータクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ベータ−カロテン、カロテン、混合カロテノイド、ポリフェノール、フラボノイド、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施形態では、植生化学物質として、限定しないが、カロテノイド、クロロフィル、クロロフィリン、繊維、フラバノイド、アントシアニン、シアニジン(cyaniding)、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン、フラバノール、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニン、フラボノール、ケルセチン、ケンペロール、ミリセチン、イソラムネチン、フラボノンシェスペレチン(flavononeshesperetin)、ナリンゲニン、エリオジクチオール、タンゲレチン、フラボン、アピゲニン、ルテオリン、リグナン、フィトエストロゲン、レスベラトロール、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、大豆イソフラボン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
(口腔保湿配合成分)
口腔保湿剤として、限定しないが、酸及び塩並びにこれらの組み合わせなどの唾液刺激剤を挙げることができる。ある実施形態では、酸として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
口腔保湿剤として、水和して経口表面に付着し口腔保湿の知覚をもたらし得る親水コロイド材料も挙げることができる。親水コロイド材料として、植物浸出物、種子ガム、及び海藻抽出物などの天然物質を挙げることができ、又はセルロース、デンプン、若しくは天然ガム誘導体などの化学的に修飾された物質であることができる。ある実施形態では、親水コロイド材料として、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸塩、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガティガム、タマリン、細菌ガム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。更に、ある実施形態では、アルギン酸プロピレングリコール、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、及びこれらの組み合わせなどの修飾した天然ガムを挙げることができる。ある実施形態では、結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、及びヒドロキシプロピルセルロース(MPC)、並びにこれらの組み合わせなどの修飾したセルロースを含むことができる。
同様に、口内水分補給の知覚をもたらすことができる湿潤剤を含むことができる。このような湿潤剤として、限定しないが、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、及びキシリトールを挙げることができる。更に、ある実施形態では、脂肪が、口腔保湿の知覚をもたらすことができる。このような脂肪として、中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
(喉のケア用配合成分)
喉の無痛化配合成分として、鎮痛薬、麻酔薬、緩和薬、防腐薬、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、鎮痛薬/麻酔薬として、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、塩酸ジクロニン、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、緩和薬として、限定しないが、スリッペリーエルムバーク、ペクチン、ゼラチン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、防腐薬配合成分として、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施形態では、塩酸クロフェジアノール、コデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ジフェンヒドラミン、及び塩酸ジフェンヒドラミン、並びにこれらの組み合わせなどの鎮咳配合成分を含むことができる。
ある実施形態では、ハチミツ、プロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントール及びこれらの組み合わせなどの喉の無痛化剤を含むことができる。更に他の実施形態で、鎮咳剤を含むことができる。このような鎮咳剤は、粘液溶解薬及び去痰薬などの、痰の粘度又は産生を変化させるもの;並びにコデイン(麻薬性鎮咳剤)、抗ヒスタミン薬、デキストロメトルファン及びイソプロテレノール(非麻薬性鎮咳剤)などの、咳反射を抑制するものの二群に分類できる。ある実施形態では、片方又は双方の群からの配合成分を含むことができる。
更に他の実施形態で、鎮咳薬として、限定しないが、コデイン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリン、及びこれらの組み合わせからなる群を挙げることができる。ある実施形態では、抗ヒスタミン薬として、限定しないが、アクリバスタチン、アザタジン、ブロムフェニルアミン、クロルフェニルアミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デクスブロムフェニルアミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレナミン、トリプロリジン及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、非鎮痛型抗ヒスタミン薬として、限定しないが、アステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施形態では、去痰薬として、限定しないが、塩化アンモニウム、グアイフェネシン、トコン流体抽出物、ヨウ化カリウム及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、粘液溶解薬として、限定しないが、アセチルシステイン、アンブロキソール、ブロムヘキシン及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、鎮痛、解熱及び抗炎症剤として、限定しないが、アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、カフェイン及びそれらの混合物を挙げることができる。ある実施形態では、局所麻酔薬として、限定しないが、リドカイン、ベンゾカイン、フェノール、ジクロニン、ベンゾノテート(benzonotate)及びそれらの混合物を挙げることができる。
ある実施形態では、鼻鬱血除去薬、及び鼻清浄化の知覚をもたらす配合成分を含むことができる。ある実施形態では、鼻鬱血除去薬として、限定しないが、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、鼻清浄化の知覚をもたらす配合成分としては、限定しないが、メントール、カンファー、ボルネオール、エフェドリン、ユーカリ油、ペパーミント油、サリチル酸メチル、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、鼻清浄化の知覚は、香気性精油、木材、ガム、花及び他の植物からの抽出物、樹脂、動物性分泌物、並びに合成芳香族物質によってもたらすことができる。
ある実施形態では、1種以上の着色料を含むことができる。米国食品医薬品化粧品法(United States Food, Drug, and Cosmetic Act)(21C.F.R.73)による分類のとおり、着色料として、認証免除着色料(合成により製造される可能性があるとしても「天然」と称する場合がある)、及び認証着色料(「人工」と称する場合がある)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、認証免除着色料又は天然着色料としては、限定しないが、アナトー抽出物、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、ビート根赤/ベタニン(E162)、群青、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、カラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロテン(E160a)、アルファカロテン、ガンマカロテン、ベータ−アポ−8−カロテナール(E160f)のエチルエステル、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120);カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クロロフィル(E140)、焼いて部分的に脱脂加熱した綿実粉、グルコン酸第1鉄、乳酸第1鉄、ブドウ色抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ(enocianina))、アントシアニン(E163)、食用ヘマトコッカス藻、合成酸化鉄、鉄酸化物及び水酸化物(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥食用藻類、食用マンジュギク(アズテックマリーゴールド)及び抽出物、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ターメリック(E100)、ターメリックオレオレジン、アマランス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
ある実施形態では、認証着色料として、限定しないが、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5及びFD&Cイエロー#6、テトラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ある実施形態では、認証着色料として、FD&Cアルミニウムレーキを挙げることができる。これらは、アルミナ水和物の不溶性基質上に伸展するFD&C染料のアルミニウム塩からなる。更に、ある実施形態では、認証着色料は、カルシウム塩として配合できる。
(複数配合成分)
ある実施形態では、送達システム又はチューインガムは、チューインガムの消費の間にチューインガムからの放出が管理されることが望ましい2種以上の配合成分を含んでもよい。ある実施形態では、配合成分が封入されてもよいし、さもなければ異なる送達システムに別々に含まれていてもよい。或いは、ある実施形態では配合成分が封入されてもよいし、さもなければ同じ送達システムに別々に含まれていてもよい。別の可能性として、配合成分の1種以上が自由(例えば、非封入)であってもよく、また、1種以上の他の配合成分が封入されていてもよい。
チューインガムは、チューインガムの消費の間にその群の放出が管理されることが望ましい、配合成分の群を含んでもよい。チューインガムの消費の間にチューインガムからの放出が管理されることが望ましいものであってもよい2種以上の配合成分の群として、限定しないが、以下のものが挙げられる:着色料と香味料、複数の香味料、複数の着色料、冷感剤と香味料、温感剤と香味料、冷感剤と温感剤、冷感剤と高甘味度甘味料、温感剤と高甘味度甘味料、複数の冷感剤(例えば、WS−3とWS−23、WS−3とコハク酸メンチル)、メントールと1種以上の冷感剤、メントールと1種以上の温感剤、複数の温感剤、高甘味度甘味料(1種又は複数種)と歯漂白活性物(1種又は複数種)、高甘味度甘味料(1種又は複数種)と呼気清涼化活性物(1種又は複数種)、ある程度の苦味を有する配合成分とその配合成分に対する苦味抑制剤、複数の高甘味度甘味料(例えば、ace−kとアスパルテーム)、複数の歯漂白活性物(例えば、研磨剤配合成分と抗微生物配合成分、パーオキサイドと硝酸塩、温感剤とポリオール、冷感剤とポリオール、複数のポリオール、温感剤と微量栄養素、冷感剤と微量栄養素、温感剤と口腔保湿剤、冷感剤と口腔保湿剤、温感剤と喉のケア剤、冷感剤と喉のケア剤、温感剤と食品用酸、冷感剤と食品用酸、温感剤と乳化剤/界面活性剤、冷感剤と乳化剤/界面活性剤、温感剤と着色料、冷感剤と着色料、温感剤と香味増強物質、冷感剤と香味増強物質、温感剤と甘味増強物質、冷感剤と甘味増強物質、温感剤と食欲抑制剤、冷感剤と食欲抑制剤、高甘味度甘味料と香味料、冷感剤と歯漂白剤、温感剤と歯漂白剤、温感剤と呼気清涼化剤、冷感剤と呼気清涼化剤、冷感剤と発泡性システム、温感剤と発泡性システム、温感剤と抗微生物剤、冷感剤と抗微生物剤、複数の歯石防止配合成分、複数の再ミネラル強化配合成分、複数の界面活性剤、再ミネラル強化配合成分(複数種)と脱塩配合成分(複数種)、酸性配合成分(複数種)と酸緩衝配合成分(複数種)、歯石防止配合成分(複数種)と抗菌配合成分(複数種)、再ミネラル強化配合成分(複数種)と歯石防止配合成分(複数種)、歯石防止配合成分(複数種)と再ミネラル強化配合成分(複数種)と抗菌配合成分(複数種)、界面活性剤配合成分(複数種)と歯石防止配合成分(複数種)、界面活性剤配合成分(複数種)と抗菌配合成分(複数種)、界面活性剤配合成分(複数種)と再ミネラル強化配合成分(複数種)、界面活性剤(複数種)と歯石防止配合成分(複数種)と抗菌配合成分(複数種)、複数のタイプのビタミン又はミネラル、複数の微量栄養素、複数の酸、複数の抗微生物配合成分、複数の呼気清涼化配合成分、呼気清涼化配合成分(複数種)と抗微生物配合成分、複数の食欲抑制剤、酸(複数種)とこれと反応して発泡する塩基(複数種)、苦味化合物と高甘味度甘味料、冷感剤と食欲抑制剤、温感剤と食欲抑制剤、高甘味度甘味料と食欲抑制剤、高甘味度甘味料と酸、プロバイオティクス配合成分とプレバイオティクス配合成分、ビタミンとミネラル、代謝増強配合成分と多量養素、代謝増強配合成分と微量栄養素、酵素と基質、高甘味度甘味料と甘味増強物質、冷感化合物と冷感増強物質、香味料と香味増強物質、温感化合物と温感増強物質、香味料と塩、高甘味度甘味料と塩、酸と塩、冷却化合物と塩、温感化合物と塩、香味料と界面活性剤、収斂化合物と、水和の知覚をもたらす配合成分等が挙げられる。ある実施形態では、複数の配合成分が同じ送達システムの一部であってもよく、又は異なる送達システムの一部であってもよい。異なる送達システムは、同じか又は異なる封入材料を使用してもよい。
複数の配合成分の封入の例示は、本願明細書の実施例に見出すことができる。典型的には、複数の配合成分の封入で、封入した複数の配合成分を(例えば、チューインガムに配合成分として添加する送達システムの一部として)含むチューインガムの消費の間に、複数の配合成分の過半量の放出の遅延が引き起こされることになるであろう。これは、配合成分を別々に封入することで異なる放出プロファイルでの放出を引き起こしてもよい状況で、特に有益であり得る。例えば、異なる高甘味度甘味料は、水溶性が異なるか、又は他の特性が異なるために、異なる放出プロファイルを有し得る。それらを一緒に封入して、より同時期に放出を起こすようにしてもよい。
ある実施形態では、複数の配合成分の放出プロファイルを、その複数の配合成分、その複数の配合成分を含む送達システム、及び/若しくはその送達システムを含むチューインガムの種々の特性を管理すること、並びに/又はその送達システムを前記の方法にてどのように製造するかを管理することによって、1つのガムに対して管理できる。
追加の成分を、前記のとおり、所望に応じて中央充填、ガム領域又はコーティングなどのガム組成物の1以上の領域又は層で使用してもよい。追加の成分の多くについての量を、下記の表1に示す。その成分に対して規定した量は、かかる成分が含まれてもよい特定領域に基づくものである。更に、表1に示す量は、ある成分を自由な形態、即ち非封入にてガム組成物に添加してもよいものとして、一般的に当てはめられるものである。ある実施形態で、ある成分が封入形態にて提供される場合、その追加の成分の放出プロファイルが改質されているため、表1に示す量よりも多くの量を使用してもよい。また、表1に示す成分の多くは任意成分であるので、それらの量は、組成物の層又は領域の1以上の中の組成物への配合に対してその成分が選択される場合に使用される量を表す。換言すると、たとえその成分が存在しなくてもよいとしても、0%の下限は含まれていない。
下記の表1に列挙する成分は、中央充填ガムのの1以上の領域又は層に、それらの封入及び/又は非封入形態にて、更には他の任意の成分の何れと組み合わせて添加してもよい。例えば、単一の成分を、その封入及び非封入形態にて中央充填ガムに添加してもよい。2種の異なる形態の成分は、同量又は異なる量で中央充填ガムの同じ領域又は異なる領域に添加してもよい。
ある実施形態で、単一の成分を2種以上の異なる封入形態で添加してもよい。特に、2種以上の異なる封入材料(異なるポリマーなど)を使用して、その成分の2以上の別々の部分を封入してもよい。同じ成分の異なる封入形態を、同量又は異なる量で中央充填ガムの同じ領域又は異なる領域に添加してもよい。更に、ある実施形態では、同じ成分の非封入形態を、2以上の異なる封入形態と組み合わせて添加してもよい。その成分の非封入形態を、封入形態と同量又は異なる量にて、その中央充填ガムの任意の領域に添加してもよい。更に、ある実施形態では、2種以上の異なる封入形態と組み合わせて、類似の成分の非封入形態を添加してもよい。例えば、単一の甘味料の2種の封入形態を、異なる甘味料の非封入形態と組み合わせて使用してもよい。
ある実施形態では、下記の表1から、又は前記の、2種以上の異なる成分の組み合わせを用いてもよい。ある実施形態では、成分の少なくとも1つを封入してもよく、一方で成分の少なくとも1つを非封入としてもよい。複数の成分は、同じタイプの成分、例えば、2種の異なる甘味料でであってもよく、又は明確に異なる範疇からの成分、例えば、甘味料と温感剤であってもよい。異なる成分を、同量又は異なる量で中央充填ガムの同じ領域又は異なる領域に添加してもよい。
ある実施形態では、下記の表1からの2種以上の異なる成分の組み合わせを用いてもよい。ある実施形態では、異なる成分の少なくとも1つを封入してもよく、一方でその組み合わせの他の成分の少なくとも1つを非封入としてもよい。複数の成分は、例えば2つの異なる甘味料など、同じタイプのものであってもよい。或いは、複数の成分は、明確に異なる範疇からの成分、例えば、甘味料と温感剤であってもよい。異なる成分は、同量又は異なる量で中央充填ガムの同じ領域又は異なる領域に添加してもよい。特定の一領域中の成分の量は、異なる領域でその成分が消費者によってどのように認知されてもよいか、消費者にもたらすのが望ましい官能の体感又は機能的な利点、任意の一領域で過量が使用されると悪い味が出る結果になる調整上の問題、等に応じて選択してもよい。
ある実施形態では、下記の表1からの複数の成分を含んでもよく、その各々は封入されている。複数の封入した成分は、同量又は異なる量でガムの同じ領域又は異なる領域に配合してもよい。複数の封入した成分は、同じタイプの成分であっても、又は明確に異なる範疇からの成分であってもよい。
複数の封入した成分が中央充填ガム組成物に添加されるある実施形態では、その複数の成分は一緒に封入しても、別々に封入してもよい。複数の成分が一緒に封入される実施形態では、それらの成分を一緒に混合して、単一の封入材料によって封入してもよい。複数の成分が別々に封入される実施形態では、それらの成分を封入するのに使用する材料は、同じでも、又は異なっていてもよい。成分に対して規定する量は、その成分が含まれる特定の領域に基づく。
前記のとおり、表1はガム製品の1以上の領域に任意に存在してもよい成分のリストを提供する。コーティング、中央充填、又はガム領域に存在してもよい好適な量を、表に示す。表1での量は、ガム製品の領域又は層におけるppm又は質量%として示す。表1は代表例を示すに過ぎず、いかようにも、ガム領域に含ませることができる配合成分を限定するように解釈されるべきではない。
表1
本発明の特徴と効果は、例証の目的で提供され、本発明を制限するものと何ら解釈するべきでない以下の実施例によって、一層十分に示される。
(実施例)
表2〜4に示す以下の実施例A〜Hは、いくつかの実施形態の、本発明のガム組成物に関する。
実施例A〜H:
表2−マルチトールガム領域組成物
ガムベースは、限定しないが、エラストマー、可塑剤及び充填剤を含んでもよい。
液体充填、ガム領域及びコーティングの3つの領域を含むガム片を、上記表2〜4の組成に従って調製する。各領域は、組成物A〜Hにつき対応する成分に従う。しかし、組成物は、所望に応じて可換性である。
ガム領域に対する組成物は、先ずタルクを(存在する場合は)ガムベースと、約85℃での加熱下に配合することによって調製する。この配合物は、次いでマルチトール又は増量剤、レシチン、及び他のポリオールと6分間混合する。香味料と冷感剤とのプレミックスを含む香味料のブレンドを添加して、1分間混合する。最後に、酸及び高甘味度甘味料を添加して、5分間混合する。
次いで、リカシン、結晶性ソルビトール、及びグリセリンのプレミックスを先ず調製することによって、液体充填組成物を調製する。このプレミックスは次いで、着色料、香味料、冷感剤、及び高甘味度甘味料と配合して、混合する。
ガム領域と液体充填組成物とを、次いで一緒に押出し、第7〜8頁で前記したプロセスによってタブレットに成形する。ガム片は各々、約2.2gの総重量を有する。最終ガム片で、ガム領域は約62質量%であり、ここでガム領域全体の約50〜75質量%がマルチトールガム組成物の層であり、液体充填は約8質量%、そしてコーティングは約30質量%である。
組成物A〜Hによって調製されるガム片は、37℃で3週間にわたり加速老化をさせた後に、液体充填の流動性の顕著な喪失を示さない。
前記の液体充填、ガム領域及びコーティング組成物で使用する着色料、香味料、冷感剤、酸及び甘味料は、本願明細書の表1に示すような成分の何れからでも、具体的に選択してもよい。更に、これらの成分の何れも、それらの封入及び/又は非封入形態で使用してもよい。
本発明の好ましい態様であると現状で考えられるものについて記載したが、当業者は、本発明の技術的思想から逸脱することなく、変化や変更がなされ得ることを理解しており、そうした変化や変更はいずれも、本発明の真の範囲内に含まれるものである。