JP2009526899A - ハロゲンフリーポリカーボネート組成物およびそれから形成される物品 - Google Patents

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Abstract

改良された難燃性および/または透明性の特徴を有するハロゲンフリーポリカーボネート組成物が開示されている。該組成物は、ポリカーボネートと、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウムなどの芳香族スルホンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸のナトリウム塩などの芳香族スルホン酸塩、および任意選択でシロキサンオリゴマーの相乗的組合せとを含む。該ポリカーボネート組成物は、とりわけ、電子および機械部品を製造するのに有用である。

Description

多様な例示的実施形態における本開示は、概括的に、ハロゲンフリーポリカーボネート組成物、ならびに向上した透明性および/または難燃性の特徴を有するかかる組成物から形成される物品、ならびにその使用に関する。
その強度および透明性の故に、ポリカーボネート(PC)樹脂は、重要な工業用途を多数有する。残念なことに、ポリカーボネート樹脂は、本質的に難燃性が高くなく、したがって、燃焼時に熱い溶融材料をドリップ(drip)させ、近傍の材料も着火させる恐れがある。したがって、多数の工業用途においてポリカーボネートを安全に利用するために、材料の可燃性をさらに遅延させるおよび/またはドリッピング(dripping)を減少させる添加剤を含むことが必要である。難燃性(FR)および/または耐ドリップ性ポリカーボネートを製造する際に使用するための多様な異なる材料が記載されてきた。これらの材料の例として、米国特許第3971756号、同第4028297号、同第4110299号、同第4130530号、同第4303575号、同第4335038号、同第4552911号、同第4916194号、同第5218027号、および同第5508323号に記載の材料が挙げられる。
今日、通常利用される難燃性添加剤として、多様なスルホン酸塩、亜リン酸エステル、臭素化および/または塩素化難燃剤などが挙げられる。しかし、比較的大きな添加率(loading)(すなわち、類似のUL94 V0性能を実現するために5%超および約10%)で使用されるホスフェート添加剤は、材料の全体的な機械性能を低下させる。さらに、一定の添加率での臭素化および塩素化添加剤、ならびに一部のフッ素化添加剤でさえもBlue Angel、TCO’99、DIN/VDEなどの多様な非政府組織(NGO類)および環境保護規則によって禁止されている。したがって、スルホネート塩が、工業では非常に広く使用され、2つの具体的な例は、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム(「KPFBS」、「リマール塩」としても知られる)、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(「KSS」)などのペルフルオロアルカンスルホン酸塩である。
例えば、ポリカーボネート樹脂中でのペルフルオロアルカンスルホン酸塩の使用は、米国特許第3775367号において記載されている。さらに、米国特許第6353046号には、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム、およびオクタフェニルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサンをポリカーボネート中に組み込むことによって改良された火炎特性をポリカーボネート樹脂組成物に賦与し得ることが開示されている。米国特許第6790899号には、難燃性ポリカーボネート組成物に対するKPFBSとトルエンスルホン酸のナトリウム塩(NaTS)間の相乗効果が見出されたことが明記されている。さらに、米国特許出願公開第20050009968号には、透明の難燃性カーボネート組成物中でのKPFBSと多数の無機ナトリウム塩間の相乗効果が教示されている。それでも、KPFBSはフッ素を含有するので、Blue Angelには適合しない。
しかし、KSSでは、単独で使用する場合、限定された難燃性能しか得ることができない。透明性を保持しつつ、難燃特性を向上するための通常の手段は、KSSと共に可溶性有機ハロゲン添加剤を使用することによるものであった。例えば、一部のポリカーボネート樹脂組成物では、0.3〜0.5phrの添加率のKSSが、臭素化ポリカーボネートと共に使用されている。臭素なしでは、それらの組成物の性能は、これらの組成物がそれに合格するように設計されているUL94 V0 3.0mm可燃性試験において一貫性がなく/信頼性がない。
同時係属出願である米国特許出願第11/353732号では、KSSは、NaTS、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの任意選択のドリップ防止剤と組み合わせられている。しかし、PTFEは不透明であるので、製造されたポリカーボネート組成物は、十分に透明でない。
さらなる目的は、環境にやさしいポリカーボネート生成物を製造することである。例えば、難燃性添加剤としてKPFBSが大抵添加されている現在の市場の多数の市販ポリカーボネートグレードは、フッ素含有量のためにBlue Angelに適合しない。さらに、KSSと連携して使用される臭素化添加剤は、「ECO適正(ECOs‐friendly)」基準が適用される消費製品として不適切であり、というのは、これらの標準は、臭素または塩素系難燃性添加剤の含有を禁止しているからである。
米国特許第3971756号 米国特許第4028297号 米国特許第4110299号 米国特許第4130530号 米国特許第4303575号 米国特許第4335038号 米国特許第4552911号 米国特許第4916194号 米国特許第5218027号 米国特許第5508323号 米国特許第3775367号 米国特許第6353046号 米国特許第6790899号 米国特許出願公開第20050009968号 米国特許出願第11/353732号 米国特許出願公開第20020099160号 米国特許第6405759号
したがって、向上した透明性、良好な難燃性効率、および薄肉ゲージ(thinnergage)を備えた物品が容易に製造でき、ならびに費用効果も高く、とりわけ良好な製造性の特徴を有するハロゲンフリーポリカーボネート組成物に対する当技術分野での必要性が依然として存在する。
改良された難燃性および/または透明性の特徴を有するハロゲンフリーポリカーボネート組成物が開示される。該組成物は、ポリカーボネートと、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(KSS)などの芳香族スルホンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸のナトリウム塩(NaTS)などの芳香族スルホン酸塩、および任意選択でシロキサンオリゴマーの相乗的組合せとを含む。該ポリカーボネート組成物は、とりわけ、電子および機械部品を製造するのに有用である。
本開示のさらなる態様は、(i)ポリカーボネート100重量部と、(ii)芳香族スルホンスルホン酸塩約0.0001重量部から約0.2重量部と、(iii)芳香族スルホン酸塩約0.002重量部から約0.2重量部と、(iv)任意選択でシロキサンオリゴマー約0.05重量部から約2重量部とを含み、改良された難燃性および/または透明性の特徴を有する、熱可塑性組成物などの実質的にハロゲンを含まない(すなわち、ハロゲン0.1重量部未満)組成物を提供する。
さらなる他の態様では、本開示は、向上した透明性を有する難燃性熱可塑性組成物に関する。該組成物は、向上したUL94可燃性試験評価、低ヘイズおよび高透過率を有する物品を製造するために、有効量のポリカーボネート、芳香族スルホンスルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩、および任意選択でシロキサンオリゴマーを含む。
他の態様では、本開示は、電子または機械部品などの前記熱可塑性組成物から製造される物品を提供する。
なおさらなる実施形態では、該物品は、実質的にハロゲンを含まず(すなわち、ハロゲン0.1重量部未満を含有する)および/または実質的に透明である(光透過率90%以上を示す)。
上記の特徴および他の非限定的特徴は、以下の詳細な説明によって例示される。
本発明では、任意選択でシロキサンオリゴマーの存在下で、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(KSS)などの芳香族スルホンスルホン酸塩と、トルエンスルホン酸のナトリウム塩(NaTS)などの芳香族スルホン酸塩の相乗的組合せを含むポリカーボネート組成物が開示される。該ポリカーボネート組成物は、ゼロハロゲン含有量などの特に望ましい特性、ならびにとりわけ、改良された難燃性および/または透明性の特徴を示す。
本明細書では、「ポリカーボネート」という用語は、同じまたは異なるカーボネート単位を含むポリマー、あるいは同じまたは異なるカーボネート単位および1つまたは複数のカーボネート以外の単位を含むコポリマー(すなわち、コポリカーボネート)を指し、「脂肪族」という用語は、環式でない直鎖もしくは分枝の炭素原子配列を含む、少なくとも1つの価数を有する炭化水素基を指し、「芳香族」とは、少なくとも1つの芳香族基を含む、少なくとも1つの価数を有する基を指し、「脂環式」とは、環式であるが芳香族でない炭素原子配列を含む、少なくとも1つの価数を有する基を指し、「アルキル」とは、直鎖もしくは分枝鎖で一価の炭化水素基を指し、「アルキレン」とは、直鎖もしくは分枝鎖で二価の炭化水素基を指し、「アルキリデン」とは、直鎖もしくは分枝鎖で二価の炭化水素基であって、両方の価が単一で共通の炭素原子上にある基を指し、「アルケニル」とは、炭素−炭素二重結合によって結合されている少なくとも2つの炭素を有し、直鎖もしくは分枝鎖で一価の炭化水素基を指し、「シクロアルキル」とは、少なくとも3個の炭素原子を有する非芳香族脂環式の一価の炭化水素基であって、不飽和度が少なくとも1である基を指し、「シクロアルキレン」とは、少なくとも3個の炭素原子を有する非芳香族脂環式の二価の炭化水素基であって、不飽和度が少なくとも1である基を指し、「アリール」とは、一価の芳香族ベンゼン環基、または少なくとも1つの任意選択で置換されたベンゼン環に縮合した任意選択で置換されたベンゼン環系の基系を指し、「芳香族基」とは、少なくとも1つの芳香族基を含む、少なくとも1つの価数を有する基を指し、芳香族基の例として、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチルなどが挙げられ、「アリーレン」とは、ベンゼン環ジラジカル、または少なくとも1つの任意選択で置換されたベンゼン環に縮合したベンゼン環系ジラジカルを指し、「アシル」とは、カルボニル炭素原子に結合した一価の炭化水素基であって、該カルボニル炭素が隣接した基にさらに結合している基を指し、「アルキルアリール」とは、上記で定義したようなアリール上で置換されている、上記で定義したようなアルキル基を指し、「アリールアルキル」とは、上記で定義したようなアルキル上で置換されている、上記で定義したようなアリール基を指し、「アルコキシ」とは、酸素基を介して隣接基に結合している上記で定義したようなアルキル基を指し、「アリールオキシ」とは、酸素基を介して隣接基に結合している上記で定義したようなアリール基を指し、量に関連して使用される「約」という修飾語は、記述の値を含み、文脈によって記載された意味を有し(例えば、特定の量の測定に伴う誤差の程度を含む)、「任意選択の」または「任意選択で」とは、次いで記載される事象または状況が起っても起らなくてもよく、ならびに記載は事象が起る場合と、事象が起らない場合とを含むことを意味し、ならびに、構造上の可変的な明細の一部である「直接結合」とは、「直接結合」と見なされる、可変量の前後にある置換基の直接的合体を指す。
本明細書では、化合物は、標準命名法を使用して記載される。2つの文字または記号の間にないダッシュ「−」は、置換基の結合点を示すために使用される。例えば、−CHOは、カルボニル(C=0)基の炭素を介して結合している。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈がそうでないと明言しない限り複数の指示対象を含む。同じ特徴または成分を記述するすべての範囲の端点は、独立に合わせることが可能であり、記述された端点を含む。参考文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれている。本明細書中の「第1の」、「第2の」などの用語は、いかなる順序、量または重要性も示すものではなく、1つの要素を他から区別するために使用される。
組成物は、ハロゲン含有量が実質的に低いまたはない中で向上した難燃性および透明性を実現するための有効量の成分を含む。一実施形態では、本開示は、実質的に透明であり(すなわち、ヘイズが低く、光透過率が大である)、ハロゲンを含まない、熱可塑性組成物などの難燃性(FR)組成物を提供する。組成物は、
(i)ポリカーボネート100重量部と、
(ii)芳香族スルホンスルホン酸塩約0.0001重量部から約0.2重量部と、
(iii)芳香族スルホン酸塩約0.002重量部から約0.2重量部と、
(iv)任意選択でシロキサンオリゴマー約0.05重量部から約2重量部と
を含む。
他の実施形態では、芳香族スルホンスルホン酸塩は、式(K−1)の化合物を含む
Figure 2009526899
[式中、R、R、およびRは、独立に、メチルおよびエチルなどのC〜Cアルキル基から選択され、Mはナトリウムまたはカリウムなどの金属であり、nは1≦n≦3の整数であり、wは0≦w≦5の整数であり、pおよびqはp≧0、q≧0、およびp+q≦4の整数である]。
例えば、式(K−1)では、Mはカリウムであってよく、n=1、およびw=p=q=0である。したがって、熱可塑性組成物の成分(ii)は、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(KSS)、例えば式(K−2)の化合物である。
Figure 2009526899
さらなる実施形態では、芳香族スルホン酸塩は、式(N−1)の化合物を含む
Figure 2009526899
[式中、Rは、メチルおよびエチルなどのC〜Cアルキル基から選択され、Mはナトリウムまたはカリウムなどの金属であり、nは1≦n≦3の整数であり、yは0≦y≦5の整数である]。
例えば、式(N−1)では、Rはp−メチル基であってよく、Mはナトリウムであってよく、n=1であり、およびy=1である。したがって、熱可塑性組成物の成分(iii)は、式(N−2)の化合物またはトルエンスルホン酸のナトリウム塩(NaTS)であってよい。
Figure 2009526899
他の実施形態では、難燃性組成物で使用されるシロキサンオリゴマーは、式(P−1)の化合物を含む
Figure 2009526899
[式中、R、R、R、R、R、R10、RおよびRは、独立に、メチルおよびエチルなどのC〜Cアルキル基、あるいはフェニルメチル、フェニルエチルおよびフェニルプロピルなどのアリールアルキル基、あるいはフェニルなどのアリール基から選択され、xは1≦x≦10の整数である]。
例えば、式(P−1)では、R、R、R、R、R、およびR10はすべて、メチルであってよく、RおよびRは、フェニルプロピルであってよく、およびxは3≦x≦4である。したがって、熱可塑性R組成物の成分(iv)は、式(P−2)の化合物などのビ−フェニルプロピルジメチコン(シリコーン添加剤1(SI−ADDITIVE 1))であってよい。
Figure 2009526899
さらなる実施形態では、Mw=564〜638のシリコーン添加剤1(SI−ADDITIVE 1)は、商標SF1555でGE Silicones(General Electric Co.)から得ることができる。
さらなる他の実施形態では、本開示は、(i)ポリカーボネート100重量部と、(ii)KSS約0.0001重量部から約0.2重量部と、(iii)NaTS約0.002重量部から約0.2重量部と、(iv)任意選択でSI−ADDITIVE 1約0.05重量部から約2重量部とを含む熱可塑性組成物などの難燃性組成物を提供する。
KSSの量は、一般に、約0.0001重量部から約0.2重量部であるが、詳細には約0.0005重量部から約0.15重量部、より詳細には約0.001重量部から約0.1重量部、最も詳細には約0.01重量部から約0.08重量部であってよい。
NaTSの量は、一般に、約0.002重量部から約0.2重量部であるが、詳細には約0.005重量部から約0.15重量部、より詳細には約0.01重量部から約0.1重量部、最も詳細には約0.01重量部から約0.08重量部であってよい。
SI−ADDITIVE 1の量は、一般に、約0.05重量部から約2重量部であるが、詳細には約0.1重量部から約1.5重量部、より詳細には約0.1重量部から約1.0重量部、最も詳細には約0.3重量部から約0.8重量部であってよい。
特定の実施形態では、本開示は、(i)線状ポリカーボネート100重量部と、(ii)KSS約0.0002重量部から約0.1重量部と、(iii)NaTS約0.005重量部から約0.1重量部と、(iv)任意選択でSI−ADDITIVE 1約0.1重量部から約1重量部とを含む熱可塑性組成物などの難燃性組成物を提供する。
一実施形態では、難燃性組成物は、ケイ素、すなわち、シリコーン添加剤(Si添加剤)をさらに含む。Si添加剤の非限定的例は、General Electric Co.の米国特許出願公開第20020099160号に記載のものであってよい。例えば、Si添加剤は、以下に示す式を有し得る:
Si(OR(4−a−b)/2
[式中、Rは、基本成分としてアリール基を含有する一価の置換または非置換炭化水素基であり、Rは、一価の置換または非置換炭化水素基であり、RおよびRは、相互に同じでも異なっていてもよく、0.2≦a≦2.7であり、0.2≦b≦2.4であり、およびa+b<3である]。
一実施形態では、シリコーン添加剤は、上記の一般構造式を有するGE Silicones(General Electric Co.)から得ることができるSI−ADDITIVE 2を含む。Si添加剤の量は、一般に、組成物中のポリカーボネート100部に対して約0.05重量部から約2重量部、詳細には約0.1重量部から約1.5重量部、より詳細には約0.1重量部から約0.8重量部、最も詳細には約0.3重量部から約0.8重量部の範囲であってよい。
他の実施形態では、組成物は、水性担体を使用し、これにより優れた難燃性能がもたらされる。例えば、1つまたは複数の塩、KSSおよびNaTSは、水などの適切な溶媒中で混合し、次いで本開示に従って組成物になるように調合し得る。
組成物のポリカーボネートは、式(1)のカーボネート反復構造単位を含み得る
Figure 2009526899
[式中、R基は、任意の芳香族基、任意の脂環式基、および任意の脂肪族基から選択し得る]。一実施形態では、R基の少なくとも60%は、芳香族有機基である。
さらなる実施形態では、Rは、芳香族有機基、例えば、次式(2)の基である
Figure 2009526899
[式中、AおよびAはそれぞれ、単環式で二価のアリール基であり、Yは、AをAから隔てる1つもしくは2つの原子を有する架橋基である]。例示的な実施形態では、1個の原子が、AをAから隔てる。この種の基の例示的な非限定例は、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレン、シクロヘキシルメチレン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン、およびアダマンチリデンである。架橋基Yは、メチレン、シクロヘキシリデン、またはイソプロピリデンなどの炭化水素基または飽和炭化水素基であってよい。
他の実施形態では、ポリカーボネートは、式(A−1)のカーボネート反復構造単位を含み得る
Figure 2009526899
[式中、Y、AおよびAは上記の通りである]。
さらなる他の実施形態では、ポリカーボネートは、式(3)
Figure 2009526899
[式中、Y、AおよびAは上記の通りである]
のジヒドロキシ化合物を含む式HO−R−OHを有するジヒドロキシ化合物の界面反応を介して製造し得る。
さらなる他の実施形態では、ポリカーボネートは、一般式(4)
Figure 2009526899
[式中、RおよびRはそれぞれ、ハロゲン原子または一価の炭化水素基を表し、同じでも異なっていてもよく、pおよびqは、それぞれ独立に、0から4の整数であり、Xは、式(5)の基のうちの1つを表す
Figure 2009526899
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または一価の直鎖もしくは環式炭化水素基を表し、Rは、二価の炭化水素基である)]
のビスフェノール化合物の界面反応を介して製造し得る。
さらにさらなる実施形態では、ポリカーボネートは、一般式(B−1)
Figure 2009526899
[式中、Gは、それぞれの出現(occurrence)においてそれぞれ独立に、C〜C20芳香族基であり、Eは、それぞれの出現において独立に、結合(a bond)、C〜C20脂環式基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合基(linkage)、セレン含有結合基、リン含有結合基、または酸素原子であり、「t」は1以上の数であり、「s」は0または1のいずれかであり、および「u」は0を含む整数である]
の1つまたは複数のビスフェノール化合物の界面反応を介して製造し得る。
適切なジヒドロキシ化合物の一部の例示的な非限定的な例として以下が挙げられる:レゾルシノール;C1−3アルキル−置換レゾルシノール;4−ブロモレゾルシノール、ヒドロキノン;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン;2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン;1,3−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン;1,4−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン;1,3−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン;1,4−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジン)]ベンゼン;4,4’−ビフェノール;2,2’,6,8−テトラメチル−3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ビフェノール;2,2’,6,6’−テトラメチル−3,3’,5−トリブロモ−4,4’−ビフェノール;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノエタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシアノメタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノ−1−フェニルメタン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン;3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロペノン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;4,4’−オキシジフェノール;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸;4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸;2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン;2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A);1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;4,4’−[1−メチル−4−(1−メチル−エチル)−1,3−シクロヘキサンジイル]ビスフェノール(1,3BHPM);4−[1−[3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチル−エチル]−フェノール(2,8BHPM);3,8−ジヒドロキシ−5a,10b−ジフェニルクマラノ−2’,3’,2,3−クマラン(DCBP);2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリミジン;1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1ビス(3,5−ジソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;4,4’−ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル−1,1−ビフェニル;4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジオクチル−1,1−ビフェニル;4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール;4,4’−ビス(3,5−ジメチル)ジフェノール;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル;1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン;1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)

ベンゼン;1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン;1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン;2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(BPS);ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;2,6−ジヒドロキシナフタレン;ヒドロキノン;3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール;1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール;4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル;4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4−チオジフェノール;2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−6,6’−ジオール;ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フッ素;2,7−ジヒドロキシピレン;6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」);3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド;2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ジオキシン;2,6−ジヒドロキシチアントレン;2,7−ジヒドロキシフェノキサチン;2,7−ジヒドロキシ9,10−ジメチルフェナジン;3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン;3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン;2,7−ジヒドロキシカルバゾールなど、ならびに前記ジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せ。
式(4)によって表されるビスフェノール化合物の種類の特定の例として、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以後「ビスフェノールA」または「BPA」)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリミジン、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリミジン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサンが挙げられる。前記ジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せも使用し得る。
一実施形態では、ポリカーボネートは、式(A−2)
Figure 2009526899
[式中、p、q、R、RおよびXは上記の通りである]
のカーボネート反復構造単位を含み得る。
他の実施形態では、ポリカーボネートは、式(A−3)のカーボネート反復構造単位、すなわち、BPA単位を含み得る。
Figure 2009526899
分枝ポリカーボネート、および線状ポリカーボネートと分枝ポリカーボネートのブレンドも有用である。分枝ポリカーボネートは、重合中に分枝剤を添加することによって調製し得る。これらの分枝剤として、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハロホルミル、および前記官能基の混合物から選択される少なくとも3つの官能基を含有する多官能性有機化合物が挙げられる。具体的な例として、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、トリメリト酸トリクロリド、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビスフェノール、トリスフェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリスフェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミルフタル酸無水物、トリメシン酸、およびベンゾフェノンテトラカルボン酸が挙げられる。分枝剤は、ポリカーボネートの0.05から2.0重量%の濃度で添加し得る。ポリカーボネート末端基の種類はすべて、こうした末端基が、ポリカーボネート生成物の所望の特性に著しい影響を与えないという条件で、ポリカーボネート中で有用であると企図されている。
試料濃度1mg/mlで架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用してゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ポリカーボネート標準で較正した場合、ポリカーボネートは、約20,000から約37,000、より詳細には約22,000から約30,000、最も詳細には約22,000から約28,000の重量平均分子量(Mw)を有し得る。
他の実施形態では、難燃性組成物の成分(i)は、高流動性PC、普通流動性PC(100Grade PC)、またはそれらの混合物を含む。高流動性PCは、例えば、分子量約21,600から22,200(分子量は、ポリカーボネート標準を使用するゲル透過クロマトグラフィー測定に基づく)を有するビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーを含み得る。普通流動性PCは、例えば、分子量約29,500から30,300を有するビスフェノールAポリカーボネートホモポリマーを含み得る。
一実施形態では、高流動性PCと普通流動性PCの混合物は、成分(i)として使用される。高流動性PCと普通流動性PC間の重量比は、約5:95から約95:5、詳細には約10:90から約90:10、より詳細には約20:80から約80:20の範囲であってよい。
一実施形態では、ポリカーボネートは、薄い物品を製造するのに適した流動特性を有する。メルトボリュームフローレート(MVRと略称することが多い)では、所定の温度および負荷におけるオリフィスからの熱可塑性プラスチックの押出速度が測定される。薄い物品を形成するのに適したポリカーボネートは、ASTM D1238−04に従って300℃/1.2kgで測定した場合、0.5から80立方センチメートル/10分(cc/10分)のMVRを有し得る。特定の実施形態では、適切なポリカーボネート組成物は、ASTM D1238−04に従って300℃/1.2kgで測定した場合、0.5から50cc/10分、詳細には、1から25cc/10分、より詳細には、3から20cc/10分のMVRを有する。様々な流動特性のポリカーボネートの混合物を使用することによって全体として所望の流動特性を実現し得る。
本開示のポリカーボネートは、カーボネート鎖単位と他の単位とを含むコポリマーを含み得る。適切な特定のコポリマーは、コポリエステル−ポリカーボネートおよびポリエステル−カーボネートとしても知られるポリエステル−ポリカーボネートである。ポリカーボネートとポリエステル−ポリカーボネートの組合せも使用し得る。本明細書では、「組合せ」は、混合物、ブレンド、アロイ、反応生成物などすべてを含む。
しかし、組成物中のポリエステル−ポリカーボネートおよび/またはポリエステルの量は、組成物のFR特性に悪い影響を与えないような低い濃度に維持するべきである。例えば、ポリエステル−ポリカーボネートおよび/またはポリエステルの量は、微量であってよく、またはゼロと同程度に低いものであってよい。
適切なポリカーボネートは、界面重合および溶融重合などの方法によって製造し得る。界面重合に対する反応条件は、変更し得るが、例示的な方法は、一般に、二価フェノール反応物質をカセイソーダまたは炭酸カリウム水溶液に溶解または分散させるステップと、生成混合物を適切な水不混和性溶媒媒体に加えるステップと、pHを制御した条件、例えば、8から11で、トリエチルアミンや相間移動触媒などの適切な触媒の存在下で、反応物質をカーボネート前駆体と接触させるステップとを含む。最も普通に使用される、水不混和性溶媒として、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどが挙げられる。適切なカーボネート前駆体として、例えば、臭化カルボニルや塩化カルボニルなどのハロゲン化カルボニル、または二価フェノールのビスハロホルメート(例えば、ビスフェノールA、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート)やグリコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールなどのビスハロホルメート)などのハロホルメートが挙げられる。前記の種類のカーボネート前駆体の少なくとも1つを含む組合せも使用し得る。
連鎖停止剤(キャッピング剤とも呼ばれる)を重合中に含ませてもよい。連鎖停止剤は、分子量成長速度を制限し、それによってポリカーボネートの分子量を制御する。連鎖停止剤は、モノフェノール化合物、塩化モノカルボン酸、および/またはモノクロロホルメートのうちの少なくとも1つであってよい。
例えば、連鎖停止剤として適切なモノフェノール化合物として、フェノール、C〜C22アルキル置換フェノール、p−クミルフェノール、p−第三級ブチルフェノール、ヒドロキシジフェニルなどの単環式フェノール;p−メトキシフェノールなどのジフェノールのモノエーテルが挙げられる。アルキル置換フェノールとして、炭素原子8から9個を有する分枝鎖アルキル置換基を含むフェノールが挙げられる。モノフェノールUV吸収剤をキャッピング剤として使用してもよい。そうした化合物として、4−置換−2−ヒドロキシベンゾフェノンおよびその誘導体、サリチル酸アリール、レゾルシノールモノベンゾエート、2−(2−ヒドロキシアリール)ベンゾトリアゾールおよびそれらの誘導体などのジフェノールのモノエステル、2−(2−ヒドロキシアリール)−1,3,5−トリアジンおよびその誘導体などが挙げられる。詳細には、モノフェノール連鎖停止剤として、フェノール、p−クミルフェノール、および/またはレゾルシノールモノベンゾエートが挙げられる。
塩化モノカルボン酸も連鎖停止剤として適切であり得る。これらとして、塩化ベンゾイル、C〜C22アルキル置換塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、ハロゲン置換塩化ベンゾイル、塩化ブロモベンゾイル、塩化シンナモイル、塩化4−ナドイミドベンゾイル、およびそれらの混合物などの単環式塩化モノカルボン酸;塩化トリメリト酸無水物、および塩化ナフトイルなどの多環式塩化モノカルボン酸;単環式および多環式塩化モノカルボン酸の混合物が挙げられる。炭素原子最高22個を有する脂肪族モノカルボン酸の塩化物が適切である。塩化アクリロイルおよび塩化メタクリロイルなどの脂肪族モノカルボン酸の官能化塩化物も適切である。フェニルクロロホルメート、アルキル置換フェニルクロロホルメート、p−クミルフェニルクロロホルメート、トルエンクロロホルメート、およびそれらの混合物などの、単環式モノクロロホルメートを含めてのモノクロロホルメートも適切である。
一実施形態では、ポリエステル−ポリカーボネートは、界面重合によって調製し得る。ジカルボン酸を利用するのではなく、対応する酸ハロゲン化物、特に二塩化酸および二臭化酸などの酸の反応性誘導体を用いることが可能であり、好ましくさえある場合がある。したがって、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、またはそれらの混合物を使用する代わりに、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル、およびそれらの混合物を用いることが可能である。
使用し得る相間移動触媒には、式(RXの触媒があり、ここで、それぞれのRは、同じでも異なっていてもよく、C1〜10アルキル基であり、Qは、窒素またはリン原子であり、およびXは、ハロゲン原子、またはC1〜8アルコキシ基、またはC6〜18アリールオキシ基である。適切な相間移動触媒として、例えば、[CH(CHNX、[CH(CHPX、[CH(CHNX、[CH(CHNX、[CH(CHNX、CH[CH(CHNX、およびCH[CH(CHNXが挙げられ、Xは、Cl−、Br−、C1〜8アルコキシ基、またはC6〜18アリールオキシ基である。一実施形態では、相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化用混合物中のビスフェノールの重量に対して0.1から10重量%であってよい。他の実施形態では、相間移動触媒の有効量は、ホスゲン化用混合物中のビスフェノールの重量に対して0.5から2重量%であってよい。
あるいは、溶融法を使用することによってポリカーボネートを作製することもできる。一般に、溶融重合法では、ポリカーボネートは、バンバリー(登録商標)ミキサー、2軸押出機などにおいてエステル交換触媒の存在下、溶融状態でジヒドロキシ反応物質(複数可)と、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートエステルとを共反応させることにより均一な分散物を形成することによって調製し得る。揮発性一価フェノールは、蒸留によって溶融反応物質から除去され、ポリマーは、溶融残渣として単離される。
ポリカーボネートは、ポリシロキサン−ポリカーボネートとも呼ばれるポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーも含み得る。コポリマーのポリシロキサン(本明細書では「ポリジオルガノシロキサン」とも呼ばれる)ブロックは、式(8)のシロキサン反復単位(本明細書では「ジオルガノシロキサン単位」とも呼ばれる)を含む
Figure 2009526899
[式中、Rのそれぞれの出現は、同じでも異なっていてもよく、C1〜13一価有機基である]。例えば、Rは、独立に、C〜Cl3アルキル基、C〜C13アルコキシ基、C〜C13アルケニル基、C〜C13アルケニルオキシ基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cシクロアルコキシ基、C〜C14アリール基、C〜C10アリールオキシ基、C〜C13アリールアルキル基、C〜C13アリールアルコキシ基、C〜C13アルキルアリール基、またはC〜C13アルキルアリールオキシ基であってよい。前記の基は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、あるいはそれらの組合せによって全部または一部ハロゲン化されていてもよい。前記R基の組合せは、同じコポリマー中で使用してもよい。
式(8)中のDの値は、熱可塑性組成物中のそれぞれの成分の種類および相対量、組成物の所望の特性、および類似の考察事項に応じて広範囲に変わってもよい。一般に、Dは、平均値2から1,000、詳細には2から500、より詳細には5から100であってよい。一実施形態では、Dは、平均値10から75であり、さらなる他の実施形態では、Dは、平均値40から60である。Dがより小さい値、例えば、40未満では、比較的多量のポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーを使用することが望ましい場合がある。反対に、Dがより大きい値、例えば、40を超える場合では、比較的小量のポリカーボネート−ポリシロキサンコポリマーを使用することが必要である場合がある。
第1および第2(またはそれを超える)のポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーの組合せを使用してもよく、第1コポリマーのDの平均値は、第2コポリマーのDの平均値未満である。
一実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(9)の反復構造単位によって提供される
Figure 2009526899
[式中、Dは、上記で定義した通りであり、Rは、それぞれ独立に、同じでも異なっていてもよく、上記で定義した通りであり、Arは、それぞれ独立に、同じでも異なっていてもよく、置換または非置換C〜C30アリーレン基であり、その結合は、芳香族部分に直接結合している]。式(9)中の適切なAr基は、C〜C30ジヒドロキシアリーレン化合物、例えば、上記式(3)、(4)、または(7)のジヒドロキシアリーレン化合物から誘導してもよい。前記のジヒドロキシアリーレン化合物の少なくとも1つを含む組合せも使用し得る。適切なジヒドロキシアリーレン化合物の特定の例は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニルスルフィド)、および1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンである。前記ジヒドロキシ化合物の少なくとも1つを含む組合せも使用し得る。
式(9)の単位は、式(10)の対応するジヒドロキシ化合物から誘導し得る
Figure 2009526899
[式中、R、Ar、およびDは、上記の通りである]。式(10)の化合物は、相間移動条件下で、ジヒドロキシアリーレン化合物を、例えば、α、ω−ビスアセトキシポリジオルガノシロキサンと反応させることによって得ることができる。
他の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(11)の単位を含み
Figure 2009526899
[式中、RおよびDは、上記の通りであり、Rの出現は、それぞれ独立に、二価のC〜C30アルキレンである]、重合ポリシロキサン単位は、その対応するジヒドロキシ化合物の反応残基である。特定の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは、式(12)の反復構造単位によって提供される
Figure 2009526899
[式中、RおよびDは、上記で定義した通りである]。式(12)中のRは、それぞれ独立に、二価のC〜C脂肪族基である。式(12)中のそれぞれのMは、同じでも異なっていてもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルケニルオキシ基、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10アリールオキシ、C〜C12アリールアルキル、C〜C12アリールアルコキシ、C〜C12アルキルアリール、またはC〜C12アルキルアリールオキシであってよく、nは、それぞれ独立に、0、1、2、3、または4である。
一実施形態では、Mは、ブロモまたはクロロ、メチル、エチルもしくはプロピルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシなどのアルコキシ基、またはフェニル、クロロフェニルもしくはトリルなどのアリール基;Rは、ジメチレン、トリメチレン、またはテトラメチレン基であり、Rは、C1〜8アルキル、トリフルオロプロピル、シアノアルキルなどのハロアルキル、あるいはフェニル、クロロフェニル、またはトリルなどのアリールである。他の実施形態では、Rは、メチル、またはメチルとトリフルオロプロピルの混合物、またはメチルとフェニルの混合物である。さらなる他の実施形態では、Mはメトキシ、nは1、Rは、二価のC〜C脂肪族基、およびRはメチルである。
式(12)の単位は、対応するジヒドロキシポリジオルガノシロキサン(13)から誘導し得る
Figure 2009526899
[式中、R、D、M、R、およびnは、上記の通りである]。かかるジヒドロキシポリシロキサンは、式(14)のシロキサンヒドリド間の白金触媒付加を実施することによって作製し得る
Figure 2009526899
[式中、RおよびDは、既に定義した通りであり、脂肪族部分が不飽和の一価フェノールである]。適切な脂肪族部分が不飽和の一価フェノールとして、例えば、オイゲノール、2−アリルフェノール、4−アリル−2−メチルフェノール、4−アリル−2−フェニルフェノール、4−アリル−2−ブロモフェノール、4−アリル−2−t−ブトキシフェノール、4−フェニル−2−フェニルフェノール、2−メチル−4−プロピルフェノール、2−アリル−4,6−ジメチルフェノール、2−アリル−4−ブロモ−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシ−4−メチルフェノールおよび2−アリル−4,6−ジメチルフェノールが挙げられた。前記の少なくとも1つを含む混合物も使用し得る。
他の実施形態では、ポリシロキサン−ポリカーボネートは、50から99重量%のカーボネート単位と、1から50重量%のシロキサン単位とを含み得る。この範囲内において、ポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマーは、70から98重量%、詳細には75から97重量%のカーボネート単位と、2から30重量%、詳細には3から25重量%のシロキサン単位とを含み得る。
一実施形態では、ポリシロキサン−ポリカーボネートは、試料濃度1mg/mlで、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを用いてゲル浸透クロマトグラフィーによって測定し、ポリカーボネート標準で較正した場合、2,000から100,000、詳細には5,000から50,000の重量平均分子量を有し得る。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、KSSとNaTS間には1つの相乗効果が存在し、KSS、NaTSおよびシリコーン添加剤(SI−ADDITIVE 1またはSI−ADDITIVE 2)間にも相乗効果が存在すると考えられている。NaTS/KSS/シリコーン添加剤では、透明ポリカーボネート組成物は、透明ポリカーボネートの工業グレードの通常のゲージである3.0mmでUL94 V0に合格することができる。比較では、最初の実験によって、シリコーン添加剤、KSS/シリコーン添加剤またはNaTS/シリコーン添加剤の組合せは同じ厚さでUL94 V0試験に確実には合格できないことが分かった。一実施形態では、ある傾向、すなわち、NaTS添加率が高く、KSS添加率が低いほど難燃性能が良好であることが見出された。KSS添加率を0.3%から<0.1%に低減させた場合、透明PCの組成物は、3.0mmでUL94 V0に確実に到達し得る。例えば、KSS0.01phrおよびNaTS0.02phrを含む調合物は、3.0mmでV0を達成する。組成物のコストは、より安価な原料およびより低い添加率のために低くなり、適切には、該組成物を使用することによって成形および押出物品を作製し得る。
一実施形態では、本開示は、透明でハロゲンを含まない、熱可塑性組成物などの難燃性組成物を提供する。該組成物は、
(i)ポリカーボネート100重量部と、
(ii)芳香族スルホンスルホン酸約0.0001重量部から約0.2重量部と、
(iii)芳香族スルホン酸約0.002重量部から約0.2重量部と、
(iv)任意選択でシロキサンオリゴマー約0.05重量部から約2重量部と
(v)加水分解用安定剤、衝撃改質剤、フィラー/補強剤、視覚効果増強剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外光吸収剤、可塑剤、離型剤、潤滑剤、帯電防止剤、顔料、染料、難燃剤、加工助剤、放射線安定剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の任意選択の添加剤と
を含む。
多様な実施形態では、組成物中に通常組み込まれる添加剤は、組成物の所望の特性に悪い影響を及ぼさないように選択される。添加剤の混合物も使用し得る。かかる添加剤は、組成物を形成するための成分を混合する際、適切な時間で混合し得る。
本開示の組成物は、エステルおよび/またはカーボネート基の加水分解を低減するための1つまたは複数の加水分解用安定剤を含み得る。通常の加水分解用安定剤として、2,2’,6,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドのような位置2および2’で置換された芳香族および/または脂環式モノカルボジ―イミドなどのカルボジイミド系添加剤を挙げ得る。分子量が500グラム/モルを超えるポリカルボジイミドも適切である。加水分解用安定剤として有用な他の化合物として、エポキシ修飾アクリル酸オリゴマーまたはポリマー、および脂環式エポキシドに基づくオリゴマーが挙げられる。適切なエポキシ官能化安定剤の具体的な例として、Union Carbide Corporation(Dow Chemicalの子会社)、Danbury、CTから供給される脂環式エポキシド樹脂、ERL−4221;およびJohnson Polymer Inc、Sturtevant、WIから入手可能なJONCRYL(登録商標)ADR−4300およびJONCRYL(登録商標)ADR−4368が挙げられる。存在する場合、加水分解用安定剤は、熱可塑性組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して0.05から1重量%、詳細には0.1から0.5重量%、より詳細には0.12から0.3重量%の量において使用し得る。
組成物は、顔料および/または染料添加剤などの着色剤を含み得る。適切な顔料として、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物および混合金属酸化物などの無機顔料;硫化亜鉛などのスルフィド;アルミネート;ナトリウムスルホシリケート、スルフェート、クロメートなど;カーボンブラック;亜鉛フェライト;ウルトラマリンブルー;茶色顔料24;赤色顔料101;黄色顔料119;アゾ、ジアゾ、キナクリドン、ペリレン、ナフタレンテトラカルボン酸、フラバントロン、イソインドリノン、テトラクロロイソインドリノン、アントラキノン、アンタントロン、ジオキサジン、フタロシアニン、およびアゾレーキなどの有機顔料;青色顔料60、赤色顔料122、赤色顔料149、赤色顔料177、赤色顔料179、赤色顔料202、紫色顔料29、青色顔料15、緑色顔料7、黄色顔料147、および、黄色顔料150、または前記顔料の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。存在する場合、顔料は、熱可塑性組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して0.01から10重量%の量において使用し得る。
適切な染料は、有機材料でよく、例えば、クマリン460(青)、クマリン6(緑)、ナイル赤などのクマリン染料;ランタニド錯体;炭化水素および置換炭化水素染料;多環式芳香族炭化水素染料;オキサゾールまたはオキサジアゾール染料などの蛍光染料;アリール−またはヘテロアリール置換ポリ(C2〜8)オレフィン染料;カルボシアニン染料;インダントロン染料;フタロシアニン染料;オキサジン染料;カルボスチリル染料;ナフタレンテトラカルボン酸染料;ポルフィリン染料;ビス(スチリル)ビフェニル染料;アクリジン染料;アントラキノン染料;シアニン染料;メチン染料;アリールメタン染料;アゾ染料;インジゴイド染料、チオインジゴイド染料、ジアゾニウム染料;ニトロ染料;キノンイミン染料;アミノケトン染料;テトラゾリウム染料;チアゾール染料;ペリレン染料、ペリノン染料;ビスベンゾオキサゾリルチオフェン(BBOT);トリアリールメタン染料;キサンテン染料;チオキサンテン染料;ナフタルイミド染料;ラクトン染料;近赤外波長を吸収し、可視波長を発光するアンチストークスシフト染料などのフルオロフォア;7−アミノ−4−メチルクマリンなどの発光染料;3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン;2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール;2,5−ビス−(4−ビフェニリル)−オキサゾール;2,2’−ジメチル−p−クアテルフェニル;2,2−ジメチル−p−テルフェニル;3,5,3’ ’ ’ ’,5’ ’ ’ ’−テトラ−t−ブチル−p−キンクフェニル;2,5−ジフェニルフラン;2,5−ジフェニルオキサゾール;4,4’−ジフェニルスチルベン;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン;1,1’−ジエチル−2,2’−カルボシアニンヨージド;3,3’−ジエチル−4,4’,5,5’−ジベンゾチアトリカルボシアニンヨージド;7−ジメチルアミノ−1−メチル−4−メトキシ−8−アザキノロン−2;7−ジメチルアミノ−4−メチルキノロン−2;2−(4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−エチルベンゾチアゾリウムペルクロレート;3−ジエチルアミノ−7−ジエチルイミノフェノキサゾニウムペルクロレート;2−(1−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール;2,2’−p−フェニレン−ビス(5−フェニルオキサゾール);ローダミン700;ローダミン800;ピレン;クリセン;ルブレン;コロネンなど、または前記染料の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。存在する場合、染料は、熱可塑性組成物で使用されるポリカーボネートの全重量に対して、0.01から10重量%の量において使用し得る。
組成物は、その耐衝撃性を増加させるために衝撃改質剤を任意選択で含むことができ、該衝撃改質剤は、組成物の所望の特性に悪い影響を与えない量において存在する。これらの衝撃改質剤は、(i)10℃未満、より詳細には−10℃未満、またはより詳細には−40℃から−80℃のTgを有するエラストマー性(すなわち、ゴム状の)ポリマー基材と、(ii)エラストマー性ポリマー基材にグラフト化された剛性ポリマースーパーストレート(superstrate)とを含むエラストマー修飾グラフトコポリマーを含む。周知のように、エラストマー修飾グラフトコポリマーは、最初にエラストマー性ポリマーを用意するステップと、次いでエラストマーの存在下で剛性相の成分モノマー(複数可)を重合させることによってグラフトコポリマーを得るステップとによって調製し得る。グラフトは、エラストマーコアに対してグラフト分枝またはシェルとして結合し得る。シェルは、単に物理的にコアを封入してもよいし、またはシェルは、部分的もしくは基本的に完全にコアにグラフト化されてもよい。
エラストマー相として使用するのに適した材料として、例えば、共役ジエンゴム;共役ジエンと50重量%未満の共重合可能なモノマーのコポリマー;エチレンプロピレンコポリマー(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム(EPDM)などのオレフィンゴム;エチレン−酢酸ビニルゴム;シリコーンゴム;エラストマー性(メタ)アクリル酸C1〜8アルキル;(メタ)アクリル酸C1〜8アルキルとブタジエンおよび/またはスチレンのエラストマー性コポリマー;または前記エラストマーの少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
エラストマー相を調製するために適した共役ジエンモノマーは、式(15)である
Figure 2009526899
[式中、Xは、それぞれ独立に、水素、C〜Cアルキルなどである]。使用し得る共役ジエンモノマーの例は、ブタジエン、イソプレン、l,3−ヘプタジエン、メチル−l,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン;1,3−および2,4−ヘキサジエンなど、ならびに前記共役ジエンモノマーの少なくとも1つを含む混合物である。特定の共役ジエンホモポリマーとして、ポリブタジエンおよびポリイソプレンが挙げられる。
共役ジエンゴムのコポリマー、例えば、共役ジエンとそれらと共重合可能な1つまたは複数のモノマーの水性ラジカルエマルジョン重合によって生成するものも使用し得る。ビニル芳香族化合物は、エチレン性不飽和ニトリルモノマーと共重合することによってコポリマーを形成することができ、ビニル芳香族化合物は、式(16)のモノマーを含み得る
Figure 2009526899
[式中、Xは、それぞれ独立に、水素、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12アリール、C〜C12アリールアルキル、C〜C12アルキルアリール、C〜C12アルコキシ、C〜C12シクロアルコキシ、C〜C12アリールオキシ、クロロ、ブロモ、またはヒドロキシであり、Rは、水素、C〜Cアルキル、ブロモ、またはクロロである]。使用し得る適切なモノビニル芳香族モノマーの例として、スチレン、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、テトラクロロスチレンなど、および前記化合物の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。スチレンおよび/またはα−メチルスチレンは、共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーとして使用し得る。
共役ジエンと共重合し得る他のモノマーは、イタコン酸、アクリルアミド、N−置換アクリルアミドまたはメタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイミド、N−アルキル−、アリール−、またはハロアリール置換マレイミド、(メタ)アクリル酸グリシジル、および一般式(17)のモノマーなどのモノビニルモノマーである
Figure 2009526899
[式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、ブロモ、またはクロロであり、Xは、C〜C12アルコキシカルボニル、C〜C12アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルなどである]。式(17)のモノマーの例として、アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなど、および前記モノマーの少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、およびアクリル酸2−エチルヘキシルなどのモノマーは、共役ジエンモノマーと共重合可能なモノマーとして通常使用される。前記モノビニルモノマーとモノビニル芳香族モノマーの混合物も使用し得る。
エラストマー相として使用するのに適した適切な(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリル酸C1〜8アルキル、特にアクリル酸C4〜6アルキル、例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−エチルヘキシルなど、および前記モノマーの少なくとも1つを含む組合せの架橋した粒子状エマルジョンホモポリマーまたはコポリマーであってよい。(メタ)アクリル酸C1〜8アルキルモノマーは、最高15重量%の式(15)、(16)、または(17)のコモノマーとの混合において任意選択で重合し得る。コモノマーの例として、限定されないが、ブタジエン、イソプレン、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸フェネチル、N−シクロヘキシルアクリルアミド、ビニルメチルエーテル、および前記コモノマーの少なくとも1つを含む混合物が挙げられる。任意選択で、最高5重量%の多官能性架橋コモノマー、例えば、ジビニルベンゼン、グリコールビスアクリレートなどのアルキレンジオールジ(メタ)アクリレート、アルキレントリオールトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスアクリルアミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、(メタ)アクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、フマール酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、クエン酸のトリアリルエステル、リン酸のトリアリルエステルなど、ならびに前記架橋剤の少なくとも1つを含む組合せが、存在してよい。
エラストマー相は、バルク−サスペンジョン、エマルジョン−バルク、バルク−溶液、または他の技法などのマス、エマルジョン、サスペンジョン、溶液、または組合せ法によって、連続、セミ回分式、または回分法を使用して重合し得る。エラストマー基材の粒径は、重要でない。エマルジョン系重合ゴムラテックスでは、例えば、0.001から25μm、詳細には0.01から15μm、さらにより詳細には0.1から8μmの平均粒径を使用し得る。バルク重合ゴム基材には、0.5から10μm、詳細には0.6から1.5μmの粒径を使用し得る。粒径は、簡単な光透過率法、または毛細管流体力学クロマトグラフィー(CHDF)によって測定し得る。エラストマー相は、粒状の中位架橋共役ブタジエン、またはC4〜6アルキルアクリレートゴムであってよく、好ましくは、ゲル含有量が70重量%を超える。ブタジエンと、スチレンおよび/またはC4〜6アルキルアクリレートゴムとの混合物も適している。
エラストマー相は、全グラフトコポリマーの5から95重量%、より詳細には、エラストマー修飾グラフトコポリマーの20から90重量%、さらにより詳細には、40から85重量%を占めることができ、その残りは、剛性グラフト相である。
エラストマー修飾グラフトコポリマーの剛性相は、1つまたは複数のエラストマー性ポリマー基材の存在下で、モノビニル芳香族モノマーと、任意選択で1つまたは複数のコモノマーとを含む混合物をグラフト重合することによって形成し得る。スチレン、α−メチルスチレン、ジブロモスチレンなどのハロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブチルスチレン、パラヒドロキシスチレン、メトキシスチレンなど、または前記モノビニル芳香族モノマーの少なくとも1つを含む組合せを含めての、式(16)の上記モノビニル芳香族モノマーが、剛性グラフト相において使用し得る。適切なコモノマーとして、例えば、上記のモノビニル性モノマーおよび/または一般式(17)のモノマーが挙げられる。一実施形態では、Rは、水素またはC〜Cアルキルであり、Xは、シアノまたはC〜C12アルコキシカルボニルである。剛性相において使用するのに適したコモノマーの具体的な例として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなど、および前記コモノマーの少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
剛性グラフト相におけるモノビニル芳香族モノマーとコモノマーの相対的な比は、エラストマー基材の種類、モノビニル芳香族モノマー(複数可)の種類、コモノマー(複数可)の種類、および衝撃改質剤の所望の特性に応じて、広範に変わり得る。剛性相は、一般に、最高100重量%のモノビニル芳香族モノマー、詳細には30〜100重量%、より詳細には50〜90重量%のモノビニル芳香族モノマーを含むことができ、残りはコモノマー(複数可)である。
存在するエラストマー修飾ポリマーの量に応じて、非グラフト化剛性ポリマーまたはコポリマーの独立マトリックス(separate matrix)または連続相は、エラストマー修飾グラフトコポリマーと共に同時に得ることができる。通常、かかる衝撃改質剤は、衝撃改質剤の全重量に対して、40から95重量%のエラストマー修飾グラフトコポリマーと、5から65重量%のグラフト(コ)ポリマーとを含む。他の実施形態では、かかる衝撃改質剤は、衝撃改質剤の全重量に対して、15から50重量%、より詳細には15から25重量%のグラフト(コ)ポリマーと一緒に、50から85重量%、より詳細には75から85重量%のゴム修飾グラフトコポリマーを含む。
他の具体的な種類のエラストマー修飾衝撃改質剤は、シリコーンゴムモノマー、式HC=C(R)C(O)OCHCHを有する分枝アクリレートゴムモノマーの少なくとも1つから誘導される構造単位を含み、Rは、水素またはC〜C直鎖もしくは分枝アルキル基であり、Reは、分枝C〜C16アルキル基;第1のグラフトリンクモノマー;重合可能なアルケニル含有有機材料;および第2のグラフトリンクモノマーである。シリコーンゴムモノマーは、例えば、単独もしくは組合せで、環状シロキサン、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、(アクリロキシ)アルコキシシラン、(メルカプトアルキル)アルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、またはアリルアルコキシシラン、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラエトキシシランを含むことができる。
分枝アクリレートゴムモノマーの例として、単独または組合せで、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸6−メチルオクチル、アクリル酸7−メチルオクチル、アクリル酸6−メチルヘプチルなどが挙げられる。重合可能なアルケニル含有有機材料は、例えば、式(16)または(17)のモノマー、例えば、単独または組合せで、スチレン、α−メチルスチレン、またはメタアクリル酸メチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピルなどの非分枝(メタ)アクリレートでよい。
少なくとも1つの第1のグラフトリンクモノマーは、単独または組合せで、(アクリロキシ)アルコキシシラン、(メルカプトアルキル)アルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、またはアリルアルコキシシラン、例えば、(γ−メタクリロキシプロピル)(ジメトキシ)メチルシランおよび/または(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシランであってよい。少なくとも1つの第2のグラフトリンクモノマーは、単独または組合せで、メタクリル酸アリル、トリアリルシアヌレート、またはトリアリルイソシアヌレートなどの少なくとも1つのアリル基を有するポリエチレン性不飽和化合物である。
シリコーン−アクリレート衝撃改質剤組成物は、エマルジョン重合によって調製することができ、例えば、少なくとも1つのシリコーンゴムモノマーを、ドデシルベンゼンスルホン酸などの界面活性剤の存在下で、30℃から110℃の温度で少なくとも1つの第1のグラフトリンクモノマーと反応させることによってシリコーンゴムラテックスを形成する。あるいは、シクロオクタメチルテトラシロキサンおよびテトラエトキシオルトシリケートなどの環状シロキサンを(γ−メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシランなどの第1のグラフトリンクモノマーと反応させることによって100nmから2μmの平均粒径を有するシリコーンゴムを得ることもできる。次いで、少なくとも1つの分枝アクリレートゴムモノマーは、過酸化ベンゾイルなどのフリーラジカル発生重合触媒の存在下で、任意選択でメタクリル酸アリルなどの架橋モノマーの存在下で、シリコーンゴム粒子と重合させる。次いで、このラテックスは、重合可能なアルケニル含有有機材料および第2のグラフトリンクモノマーと反応させる。グラフトシリコーン−アクリレートゴムハイブリッドのラテックス粒子は、凝固(凝固剤による処理によって)を介して水相から分離し、微粉末になるまで乾燥させることによってシリコーン−アクリレートゴム衝撃改質剤組成物を生成することができる。この方法は、100nmから2μmの粒径を有するシリコーン−アクリレート衝撃改質剤組成物を生成するために一般に使用し得る。
前記エラストマー修飾グラフトコポリマーを形成するための周知の方法として、連続、セミ回分式、または回分法を使用する、バルク−サスペンジョン、エマルジョン−バルク、バルク−溶液、または他の技法などのマス、エマルジョン、サスペンジョン、および溶液法、あるいは組み合わせ方法が挙げられる。
SANコポリマーを含めての前記の種類の衝撃改質剤は、C6〜30脂肪酸のアルカリ金属塩、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなど;アルカリ金属炭酸塩、ドデシルジメチルアミン、ドデシルアミンなどのアミン;およびアミンのアンモニウム塩などの塩基性材料を含まないエマルジョン重合法によって調製し得る。かかる材料は、エマルジョン重合において界面活性剤として通常使用され、ポリカーボネートのエステル交換および/または劣化を触媒し得る。代わりに、イオン性スルフェート、スルホネート、またはホスフェート界面活性剤が、衝撃改質剤、特に衝撃改質剤のエラストマー性基材部分を調製する際に使用し得る。適切な界面活性剤として、例えば、スルホン酸C1〜22アルキルまたはスルホン酸C7〜25アルキルアリール、硫酸C1〜22アルキルまたは硫酸C7〜25アルキルアリール、リン酸C1〜22アルキルまたはリン酸C7〜25アルキルアリール、置換シリケート、およびそれらの混合物が挙げられる。具体的な界面活性剤は、スルホン酸C6〜16アルキル、詳細にはスルホン酸C8〜12アルキルである。実用上、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ金属炭酸塩、および他の塩基性材料を含まなければ、任意の上記衝撃改質剤を使用し得る。
具体的な衝撃改質剤は、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン(MBS)衝撃改質剤である。ABSおよびMBSの他に、エラストマー修飾グラフトコポリマーの他の例として、限定されないが、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸ブチル(ASA)、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(MABS)、およびアクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン(AES)が挙げられる。
存在する場合、衝撃改質剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.1から30重量%の量において存在し得る。
組成物は、フィラーまたは補強剤を含み得る。使用される場合、適切なフィラーまたは補強剤として、例えば、ケイ酸アルミニウム(ムライト)、合成ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、黒鉛、天然ケイ砂などのケイ酸塩およびシリカ粉末;窒化ホウ素粉末、ホウ素−シリケート粉末などのホウ素粉末;TiO、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの酸化物;硫酸カルシウム(その無水物、二水和物または三水和物として);チョーク、石灰石、大理石、合成沈降性炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム;繊維状、モジュラー状、針状、層状タルクなどを含めてのタルク;ウォラストナイト;表面処理ウォラストナイト;中空および密実ガラス球、シリケート球、セノ球、アルミノシリケート(アルモ球)などのガラス球;硬質カオリン、軟質カオリン、仮焼カオリン、ポリマーマトリックス樹脂との適合性を促進するための当技術分野で周知の多様な被覆を含むカオリンなどを含めてのカオリン;炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、鉄、ニッケル、銅などの単結晶繊維または「ウイスカー」;アスベスト、炭素繊維、E、A、C、ECR、R、S、D、またはNEガラスなどのガラス繊維などの繊維(連続およびチョップド繊維を含めて);硫化モリブデン、硫化亜鉛などのスルフィド;チタン酸バリウム、バリウムフェライト、硫酸バリウム、重晶石などのバリウム化合物;粒状または繊維状アルミニウム、ブロンズ、亜鉛、銅およびニッケルなどの金属および金属酸化物;ガラスフレーク、フレーク状炭化ケイ素、二ホウ化アルミニウム、アルミニウムフレーク、スチールフレークなどのフレーク状フィラー;繊維状フィラー、例えば、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、および硫酸カルシウム半水和物などの少なくとも1つを含むブレンドから誘導されるものなどの無機短繊維;木材を粉砕することによって得られる木材粉、セルロース、綿、サイザル麻、ジュート、デンプン、コルク粉、リグニン、粉砕ナッツ殻、コーン、米のモミ穀などの繊維状生成物などの天然フィラーおよび補強剤、;ポリテトラフルオロエチレンなどの有機フィラー;ポリ(エーテルケトン)、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエステル、ポリエチレン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル酸樹脂、ポリ(ビニルアルコール)などの繊維の形成が可能な有機ポリマーから形成される補強用有機繊維状フィラー;ならびに雲母、粘土、長石、煙道ダスト、フィライト、石英、ケイ岩、パーライト、トリポリ、珪藻土、カーボンブラックなどの追加のフィラーおよび補強剤、または前記フィラーまたは補強剤の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
フィラーおよび補強剤は、導電性を増進するために金属材料の層によって被覆してもよく、あるいは、ポリマー性マトリックス樹脂に対する接着性および分散性を改善するためにシランによって表面処理してもよい。さらには、補強用フィラーは、モノフィラメントもしくはマルチフィラメント繊維の形態で供給してもよく、単独で、または、例えば、共織りまたはコア/シース、サイド−バイ−サイド、オレンジタイプまたはマトリックスおよびフィブリル構造、あるいは繊維製造の技術分野で当業者に周知の他の方法を介して他の種類の繊維と組み合わせて使用し得る。適切な共織り構造として、例えば、ガラス繊維−カーボン繊維、カーボン繊維−芳香族ポリイミド(アラミド)繊維、および芳香族ポリイミドファイバーガラス繊維などが挙げられる。繊維状フィラーは、例えば、0〜90度織物などのロービング、繊維状強化織物;連続ストランドマット、チョップドストランドマット、ティッシュー、紙およびフェルトなどの不織繊維状補強剤;または組みひもなどの三次元補強剤の形態で供給し得る。存在する場合、フィラーは、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0から90重量%の量において使用し得る。
一実施形態では、本開示の組成物は、グラスファイバーを含む。グラスファイバーは、当業者に周知であり、多数の製造業者から広く入手可能である。電気用途に最終的に用いられる組成物では、比較的ナトリウムを含まない石灰アルミニウムホウケイ酸ガラスからなる繊維状グラスフィラメントを使用することが好ましい。これは「E」ガラスとして知られる。しかし、他のガラス組成物も有用である。かかるガラスはすべて、本開示の範囲内であると企図されている。フィラメントは、標準法、例えば、蒸気または空気ブローイング、フレームブローイングおよび機械プリングによって作製される。プラスチック強化用の好ましいフィラメントは、機械プリングによって作製される。フィラメントの直径は、好ましくは、約0.00012から約0.00075インチの範囲であるが、これは本開示にとって重要ではない。しかし、より小さいフィラメント直径がそれで処理されるプラスチックの強度をも増加させることは当業者に周知である。
グラスフィラメントの長さ、およびそれを束にしてファイバーにし、ファイバーを束にしてヤーン、ロープまたはロービングとするかあるいは織ってマットなどにするかどうかも、本開示にとって重要ではない。しかし、本開示の成形組成物を調製する場合、約1/8から約2インチ長のチョップドストランドの形態のフィラメント状ガラスを使用することは好都合である。他方、組成物から成形される物品では、コンパウンド化中にかなりの断片化が起るので、より短い長さも処理する。
例えば、グラスファイバーとして、Owens Corning CRATECブランドのドライチョップドストランドファイバーグレード415A(シランサイジング処理した非結合グレード)(長さ4mm)を挙げることができる。
本開示で有用なグラスファイバーは、「サイジング」剤と呼ばれる化学被覆で処理し得る。サイジング剤は、例えば、米国特許第6405759号に記載されているようにグラスファイバーに施用し得る。一部のサイジング剤の例として、フィルム形成ポリマー材料(例えば、低分子量エポキシエマルジョン)、オルガノシランカップリングまたはキーイング剤(keying agents)、カチオンまたはノニオン潤滑剤、加工助剤、シラン、有機官能化シラン(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)、架橋剤(例えば、ビスシランおよび酸化防止剤)が挙げられる。
視覚効果用添加剤または視覚効果用顔料として知られる場合もある視覚効果向上剤は、封入形態で、非封入形態で、またはポリマー樹脂を含む粒子にラミネートされて存在し得る。視覚効果用添加剤の一部の非限定例は、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、硫化ニッケル、硫化コバルト、硫化マンガン、金属酸化物、白雲母、黒雲母、真珠雲母、合成雲母、二酸化チタン被覆雲母、金属被覆ガラスフレーク、および限定されないが、ペリレン赤を含めての着色剤である。視覚効果用添加剤は、高または低アスペクト比でよく、1を超えるファセットを含んでよい。青色溶媒35、青色溶媒36、紫色分散26、緑色溶媒3、アナプラスト(Anaplast)オレンジLFP、ペリレン赤、モルプラス(Morplas)赤36などの染料を用いることができる。限定されないが、Permanent Pink R(Clariant CorporationからのColor Index Pigment Red 181)、Hostasol Red 5B(Clariant CorporationからのColor Index #73300、CAS #522−75−8)、およびMacrolex Fluorescent Yellow 10GN(Bayer CorporationからのColor Index Solvent Yellow 160:1)を含めての蛍光染料も用いることができる。二酸化チタン、硫化亜鉛、カーボンブラック、クロム酸コバルト、チタン酸コバルト、硫化カドミウム、酸化鉄、ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、ナトリウムスルホシリケート、クロムアンチモンチタンルチル、ニッケルアンチモンチタンルチル、酸化亜鉛などの顔料も用いることができる。封入形態の視覚効果用添加剤は、通常、ポリマーで封入されたアルミニウムフレークのような高アスペクト比材料などの視覚効果材料を含む。封入視覚効果用添加剤は、ビーズ形状である。存在する場合、視覚効果向上剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.01から10重量%の量において使用し得る。
適切な酸化防止剤として、例えば、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィットなどのオルガノ亜リン酸;アルキル化モノフェノールまたはポリフェノール;ポリフェノールとテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンなどのジエンのアルキル化反応生成物;パラクレゾールまたはジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物;アルキル化ヒドロキノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;アルキリデン−ビスフェノール;ベンジル化合物;β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールのエステル;β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価アルコールのエステル;チオプロピオン酸ジステアリル、チオプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、プロピオン酸オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、プロピオン酸ペンタエリトリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)などのチオアルキルまたはチオアリール化合物のエステル;プロピオン酸β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)のアミドなど、あるいは前記酸化防止剤の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。存在する場合、酸化防止剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.0001から1重量%の量において使用し得る。
適切な熱安定剤として、例えば、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリス−(2,6−ジメチルフェニル)、亜リン酸トリス−(混合モノ−およびジノニルフェニル)などのオルガノ亜リン酸;ホスホン酸ジメチルベンゼンなどのホスホネート;リン酸トリメチルなどのホスフェート;または前記熱安定剤の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。存在する場合、熱安定剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.0001から1重量%の量において使用し得る。
光安定剤および/または紫外光(UV)吸収剤も使用し得る。適切な光安定剤として、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、および2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾトリアゾール、または前記光安定剤の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。存在する場合、光安定剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.0001から1重量%の量において使用し得る。
可塑剤、潤滑剤、および/または離型剤も使用し得る。これらの種類の材料の間にはかなりのオーバーラップが存在し、それらとして、例えば、ジオクチル−4,5−エポキシヘキサヒドロフタレートなどのフタル酸エステル;トリス−(オクトキシカルボニルエチル)イソシアヌレート;トリステアリン;レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)ホスフェート、およびビスフェノール−Aのビス(ジフェニル)ホスフェートなどの二または多官能性芳香族ホスフェート;ポリα−オレフィン;エポキシ化大豆油;シリコーン油を含めてのシリコーン;エステル、例えば、アルキルステアリルエステル、例えば、ステアリン酸メチルなどの脂肪酸エステル;ステアリン酸ステアリル、ペンタエリトリトールテトラステアレートなど;ステアリン酸メチルと、ポリエチレングリコールポリマー、ポリプロピレングリコールポリマーおよびそれらのコポリマーを含む親水性および疎水性ノニオン界面活性剤との混合物、例えば、適切な溶媒中のステアリン酸メチルとポリエチレン−ポリプロピレングリコールコポリマー;ミツロウ、モンタンロウ、パラフィンロウなどのロウが挙げられる。存在する場合、かかる材料は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.001から1重量%、詳細には0.01から0.75重量%、より詳細には0.1から0.5重量%の量で使用し得る。
用語「帯電防止剤」とは、導電特性および全体の物理性能を改良するために、ポリマー樹脂に加工し得るおよび/または材料もしくは物品上にスプレーし得るモノマー性、オリゴマー性、またはポリマー性材料を指す。モノマー性帯電防止剤の例として、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、エトキシル化アミン、第一級、第二級および第三級アミン、エトキシル化アルコール、硫酸アルキル、硫酸アルキルアリール、リン酸アルキル、硫酸アルキルアミン、スルホン酸ステアリルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸アルキル塩、第四級アンモニウム塩、第四級アンモニウム樹脂、イミダゾリン誘導体、ソルビタンエステル、エタノールアミド、ベタインなど、または前記モノマー性帯電防止剤の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
ポリマー性帯電防止剤の例として、ある種のポリエステルアミドポリエーテル−ポリアミド(ポリエーテルアミド)ブロックコポリマー、ポリエーテルエステルアミドブロックコポリマー、ポリエーテルエステル、またはポリウレタンが挙げられ、それぞれが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール部分ポリアルキレンオキシド単位を含有する。かかるポリマー性帯電防止剤は、市販されており、例えば、Pelestat(商標)6321(Sanyo)またはPebax(商標)MH1657(Atofina)、Irgastat(商標)P18およびP22(Ciba−Geigy)がある。帯電防止剤として使用し得る他のポリマー性材料は、高温での溶融加工後それらの固有導電性の一部を保持しているポリアニリン(PanipolからPANIPOL(登録商標)EBとして市販)、ポリピロールおよびポリチオフェン(Bayerから市販)などの固有に導電性のポリマーである。一実施形態では、カーボン繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、または前記の任意の組合せを、化学的な帯電防止剤を含有するポリマー樹脂中で使用することによって組成物を電気的に散逸性にすることができる。存在する場合、帯電防止剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.0001から5重量%の量において使用し得る。
一実施形態では、本開示のKSS/NaTS組合せは、組成物の性能に対する負の影響がない限り、他の適切な難燃剤(複数可)と共に任意選択で使用し得る。
添加し得る適切な難燃剤は、リン、臭素、および/または塩素を含む有機化合物であってよい。非臭素化および非塩素化リン含有難燃剤、例えば、有機ホスフェートおよびリン−窒素結合を含有する有機化合物が、法規制の理由からある種の用途で好ましい場合がある。
1つの種類の有機ホスフェートの例は、式(GO)P=Oの芳香族ホスフェートであり、Gは、それぞれ独立に、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、またはアリールアルキル基であるが、但し、少なくとも1つのGは、芳香族基である。G基のうち2つは、一緒に結合することによって環式基、例えば、ジフェニルペンタエリトリトールジホスフェートを提供し得る。他の適切な芳香族ホスフェートは、例えば、リン酸フェニルビス(ドデシル)、リン酸フェニルビス(ネオペンチル)、リン酸フェニルビス(3,5,5’−トリメチルヘキシル)、リン酸エチルジフェニル、リン酸2−エチルヘキシルジ(p−トリル)、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)p−トリル、リン酸トリトリル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)フェニル、リン酸トリ(ノニルフェニル)、リン酸ビス(ドデシル)p−トリル、リン酸ジブチルフェニル、リン酸2−クロロエチルジフェニル、リン酸p−トリルビス(2,5,5’−トリメチルヘキシル)、リン酸2−エチルヘキシルジフェニルなどであってよい。特定の芳香族ホスフェートは、それぞれのGが、芳香族であるもの、例えば、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、リン酸イソプロピル化トリフェニルなどである。
二または多官能性芳香族リン含有化合物も有用であり、例えば、以下の式の化合物である
Figure 2009526899
[式中、Gは、それぞれ独立に、炭素原子1から30個を有する炭化水素であり、Gは、それぞれ独立に、炭素原子1から30個を有する炭化水素またはヒドロカルボノキシであり、Xは、それぞれ独立に、炭素原子1から30個を有する炭化水素であり、Xは、それぞれ独立に、臭素または塩素であり、mは、0から4であり、nは、1から30である]。適切な二または多官能性芳香族リン含有化合物の例として、それぞれ、レゾルシノールテトラフェニルジホスフェート(RDP)、ヒドロキノンのリン酸ビス(ジフェニル)、およびビスフェノールAのリン酸ビス(ジフェニル)、それらのオリゴマー性およびポリマー性対応物などが挙げられる。
リン−窒素結合を含有する適切な難燃性化合物の例として、塩化ホスホニトリル、リンエステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、トリス(アジリジニル)ホスフィンオキシドが挙げられる。存在する場合、リン含有難燃剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.1から10重量%の量において存在し得る。
追加の難燃剤、例えば、ペルフルオロブタンスルホン酸カリウム(リマール塩)、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロヘキサンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、およびジフェニルスルホンスルホン酸カリウムなどのスルホン酸C2〜16アルキル塩の塩;例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウム)と、無機酸複合体、例えば、NaCO、KCO、MgCO、CaCO、およびBaCOなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩におけるオキソ−アニオンと、あるいは、LiAlF、BaSiF、KBF、KAlF、KAlF、KSiF、および/またはNaAlFなどにおけるフルオロ−アニオン複合体とを反応させることによって形成される塩も使用し得る。存在する場合、無機難燃剤塩は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.1から5重量%の量において存在し得る。
放射線安定剤、詳細にはγ線安定剤も存在し得る。適切なγ線安定剤として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、meso−2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオールなどのジオール;1,2−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオールなどの脂環式アルコール;2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール(ピナコール)などの分枝非環式ジオール、およびポリオール、ならびにアルコキシ置換環式または非環式アルカンが挙げられる。不飽和部位を有するアルケノールも有用な種類のアルコールであり、その例として、4−メチル−4−ペンテン−2−オール、3−メチル−ペンテン−3−オール、2−メチル−4−ペンテン−2−オール、2,4−ジメチル−4−ペン−2−オール、および9−デセン−l−オールが挙げられる。他の種類の適切なアルコールは、少なくとも1つのヒドロキシ置換第三級炭素を有する第三級アルコールである。こうした例として、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、2−フェニル−2−ブタノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン、2−フェニル−2−ブタノールなど、および1−ヒドロキシ−1−メチルシクロヘキサンなどの脂環式第三級炭素が挙げられる。他の種類の適切なアルコールは、芳香族環内の不飽和炭素に結合した飽和炭素上のヒドロキシ置換を有するヒドロキシメチル芳香族である。ヒドロキシ置換飽和炭素は、メチロール基(−CHOH)であってよいか、例えば、Rが複合炭化水素または単純炭化水素である(−CRHOH)または(−CR OH)の場合のようなより複雑な炭化水素基のメンバーであってもよい。具体的なヒドロキシメチル芳香族は、ベンズヒドロール、1,3−ベンゼンジメタノール、ベンジルアルコール、4−ベンジルオキシベンジルアルコール、およびベンジルベンジルアルコールであってよい。具体的なアルコールは、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコールとしても知られる)、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールである。存在する場合、放射線安定剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.001から1重量%、より詳細には0.01から0.5重量%の量において通常、使用される。
使用し得る加工助剤の非限定例として、Doverlube(登録商標)FL−599(Dover Chemical Corporationから入手可能)、Polyoxyter(登録商標)(Polychem Alloy Inc.から入手可能)、Glycolube P(Lonza Chemical Companyから入手可能)、ペンタエリトリトールテトラステアレートであるMetablen A−3000(Mitsubishi Rayonから入手可能)、ネオペンチルグリコールジベンゾエートなどが挙げられる。存在する場合、加工助剤は、組成物に使用されるポリカーボネートの重量に対して、0.001から1重量%の量において使用し得る。
組成物は、当技術分野で一般に利用される方法、例えば、一実施形態では、粉末ポリカーボネート、および任意選択の任意の添加剤(複数可)をHENSCHEL−Mixer(登録商標)高速ミキサーで最初にブレンドすることで進めるという1つの仕方で製造し得る。限定されないが、ハンドミキシングを含めての他の低せん断法もこのブレンディングを実施し得る。次いで、ブレンドをホッパーを介して押出機の投入口に供給する。あるいは、1つまたは複数の成分は、投入口および/または下降部でサイドスタッファーから押出機に直接供給することによって組成物中に組み込んでもよい。添加剤は、所望のポリマー性樹脂と共にマスターバッチに配合して、押出機に供給してもよい。押出機は、一般に、組成物を流動させるのに必要とされるより高い温度で操作される。押出物は、水バッチ内で直ちに急冷され、ペレット化される。こうして調製されたペレットは、押出物を切断する場合、所望であれば長さ1/4インチでよく、もしくはより短くてもよい。かかるペレットは、次の成形、成型、または形成のために使用し得る。
特定の実施形態では、熱可塑性物品を調製する方法は、ポリカーボネート、および任意の任意選択の添加剤(複数可)を溶融合わせ(melt combining)をすることによって熱可塑性組成物を形成するステップを含む。溶融合わせは、押出しによって行い得る。一実施形態では、ポリカーボネートと任意選択の任意の添加剤(複数可)の割合は、機械性能を望ましい水準に保ちつつ、組成物の光学特性が最高になるように選択される。
特定の実施形態では、押出機は、二軸押出機である。押出機は、通常、180から385℃、詳細には200から330℃、より詳細には220から300℃の温度で操作されるが、金型温度は異なっていてもよい。押し出された組成物は、水中で急冷され、ペレット化される。
組成物を含む成型、形成、成形品も提供される。組成物は、射出成形、押出し、回転成形、ブロー成形、および熱成形などの多様な手段によって有用な成型品に成形し得る。特定の実施形態では、成形は、射出成形によって行われる。望ましくは、熱可塑性組成物は、優れた金型充填(mold filling)能力を有し、電子部品、機械部品および自動車部品を形成するのに有用である。
別段の指示がない限り、本発明で開示の組成物の難燃性は、UL94可燃性試験標準によって求められた。この点に関しては、可燃性の特徴を測定するためにプラスチック材料についてUnderwriters Laboratory(UL)によって行われる2種類の予備選択試験プログラムが概括的に存在する。第1は、供試体が一旦着火された場合、炎を消そうとするまたは拡げようとする材料の傾向を求める。このプログラムは、UL94、すなわち、The Standard for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliancesにおいて記載され、これは現在、IEC 60707、60695−11−10および60695−11−20、ならびにISO9772および9773と調和され、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
第2の試験プログラムでは、電気着火源に対するプラスチックの耐着火性が測定される。材料の耐着火性および表面トラッキング特徴は、UL746Aにおいて記載され、これは、IEC60112、60695および60950で記載の試験手順と類似している。
UL94に関しては、小規模燃焼試験の結果を基準にして材料に適用される、UL94に規定された12の燃焼分類が存在する。可燃性の高い順序で以下に列挙されたこれらの分類は、制御された実験室条件下で規定の試験炎に供試体を曝露した後、材料の燃焼特徴を区別するために使用される。
該分類のうちの6つは、消費者用電子製品とされるエンクロージャ、構造部品および絶縁体を製造するのに通常使用される材料に関するものである(5VA、5VB、V−0、V−1、V−2、HB)。
a. 残りの6つの分類のうちの3つは、スピーカーグリルおよび防音材を製造する際に通常使用される低密度発泡材料に関する(HF−1、HF−2、HBF)。
b. 最後の3つの分類は、水平位置でそれ自体を支持することが一般にできない非常に薄いフィルムに適用される(VTM−0、VTM−1、VTM−2)。これらは、通常、フレキシブルプリント配線基板の基材に適用される。
c. 試験中、プラスチック材料から成形された供試体は、当該試験法の規格に応じて水平または垂直いずれかの位置に配向され、規定の時間、規定の燃焼着火源にさらされる。一部の試験では、水平燃焼(HB)試験の場合のように、試験炎は1度のみ施用されるが、他の試験では、炎は2度以上施用される。
HB燃焼評価では、材料は水平位置で試験され、最大規定値未満の速度で燃焼することが分かったことが示される。3つの垂直評価、V2、V1およびV0では、材料は垂直位置で試験され、着火源を取り去った後、規定の時間内で自己消火したことが示される。垂直評価では、供試体が燃焼粒子をドリップし、試料の下方に置かれた綿インジケータを着火させたか否かも示される。UL94では、5VAまたは5VB分類に対する試験で、試験炎が最大5回施用される方法も記載されている。これらの小規模試験では、材料が一旦着火された場合、炎を消火または拡大させる材料の傾向が測定される。
本明細書で利用されるUL94 V0可燃性評価に対するパラメータのより詳細な説明を以下に記載する。
本開示は、以下の非限定的実施例によってさらに例示される。
多様な量の難燃性添加剤およびポリカーボネートを一緒に添加し、以下の表に示した調合に従って予備ブレンドした。注記がなければ、実施例は、ポリカーボネート、または高、普通、または低流動性ポリカーボネートのブレンドなどのポリカーボネートブレンド100重量部を基準とした。使用された高流動性ポリカーボネートは、目標分子量を21,900(ポリカーボネート標準を使用するゲル透過クロマトグラフィー測定に基づく)として界面法によって調製されたビスフェノールAポリカーボネートであり、使用された普通流動性ポリカーボネートは、目標分子量を29,900(ポリカーボネート標準を使用するゲル透過クロマトグラフィー測定に基づく)として界面法によって調製されたビスフェノールAポリカーボネートであった。以下の実施例では、離型剤は、テトラステアリン酸ペンタエチリトールであり、熱安定剤は、IRGAPHOS168(商標)の亜リン酸(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル))であった。押出しおよび成形を通常のポリカーボネート加工条件下で行った。
UL94試験手順を使用して特定の厚さの5つのバーを燃焼させた統計的「ULツール」を使用して、可燃性試験を実施した。以下の表は、UL94標準のV0合格基準を示す。
Figure 2009526899
シリコーン添加剤(SI−ADDITIVE 1またはSI−ADDITIVE 2)、ジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(KSS)およびトルエンスルホン酸ナトリウム(NaTS)と組み合わせたポリカーボネート(高流動性および低流動性ポリカーボネートを含む)の多様な調合物を使用して一組の実験を行った。KSSおよびNaTSは低添加率で存在するので、それらを混合し、脱イオン水中に溶解し、次いで該水溶液をポリカーボネート粉末中に分散させた。
KSSは、単独で使用する場合、比較的不十分な難燃性能を有することは周知である。他方、NaTSは、それがKSSよりさらに低い性能であるために、工業グレードではほとんど使用されない。表1の比較例では、KSSまたはNaTSそれ自体(比較例1−2、1−3および1−6)は、3.0mmでUL94のV0評価に不合格であったことが明確に示されている。また驚くべきことではないが、いかなる難燃性添加剤も含まない組成物(比較例1−1)も同じ厚さでV0可燃性評価に不合格であった。さらに、データは、難燃性塩(KSSかNaTSいずれか)とシリコーン添加剤の組合せを含む組成物も同じ厚さでV0評価に不合格であったことを示した。
Figure 2009526899
単独で使用した場合、NaTSもKSSもUL94のV0評価を達成できないが、表2に示すように、KSS/NaTSの組合せは良好な難燃性能をもたらすことが見出された。それらの実施例(実施例2−1および2−2)は、3.0mmで確実なV0評価を達成した。他方、KSS/NaTS系の難燃性能をシリコーン添加剤(SI−ADDITIVE 1またはSI−ADDITIVE 2、より最近のものは、General Electric Co.の米国特許出願公開第20020099160号に記載されている)によってさらに改良し得る。表2では、実施例2−3、2−4、2−5、および2−6は、NaTS、KSSおよびSi添加剤を含有し、3.0mmで確実なUL94 V0評価を達成した。
Figure 2009526899
さらに、表3に示すように、シリコーン添加剤それ自体は、非常に不十分な難燃性能を示すことが分かった。
Figure 2009526899
燃焼性能と光学特性の双方を考慮して、KSS0.03〜0.07phrおよびSI−ADDITIVE 1;0.5〜1phrと共にNaTS 0.02phrという非常に低い添加率でさらなる組の実験を行った。表4では、これらの範囲内で調合物すべては、3.0mmで非常に確実なUL94のV0評価を達成したことが示されている。一部の調合物は、2.5mmでさえ確実なUL94のV0評価を示した。
Figure 2009526899
これらの調合物の光学特性も良好であった。表5に示すように、これらの調合物は、低ヘイズおよび高透過率を示した。
Figure 2009526899
光学特性は、透明用途に対して非常に重要である。表6は、KSSおよびNaTSが透過率およびヘイズに及ぼす影響を示す。基本的に、KSS添加率が高く、NaTS添加率が低いほど、透過率が大きく、ヘイズが小さい。伝達関数も回帰分析によって得られ、よい一致を示した。
Figure 2009526899
回帰分析:回帰方程式は、
H @3mm=0.56+86.7NaTS−28.3KSS
S=0.7622 R−Sq=96.3% R−Sq(調整)=92.5%
T@3mm=91.3−46.7NaTS−3.33KSS
S=0.07746 R−Sq=99.8% R−Sq(調整)=99.7%
である。
代表的な実施形態を例示のために述べたが、前記説明は、本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。したがって、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、当業者なら多様な変形形態、適応形態、および代替形態を想定できる。

Claims (26)

  1. (i)ポリカーボネート100重量部と、
    (ii)芳香族スルホンスルホン酸塩約0.0001重量部から約0.2重量部と、
    (iii)芳香族スルホン酸塩約0.002重量部から約0.2重量部と、
    (iv)任意選択でシロキサンオリゴマー約0.05重量部から約2重量部
    を含み、組成物の成形試料が厚さ3.0mmでUL94のV0評価を達成し得る難燃性組成物。
  2. 前記組成物の成形試料が厚さ2.5mmでUL94のV0評価を達成し得る、請求項1に記載の難燃性組成物。
  3. 前記芳香族スルホンスルホン酸塩が式(K−1)の化合物を含む、請求項1に記載の難燃性組成物
    Figure 2009526899
    [式中、R、R、およびRは、独立に、C〜Cアルキル基から選択され、Mは金属であり、nは1≦n≦3の整数であり、wは0≦w≦5の整数であり、pおよびqはp≧0、q≧0、かつp+q≦4の整数である]。
  4. 前記芳香族スルホンスルホン酸塩が、式(K−2)の化合物またはジフェニルスルホンスルホン酸カリウム(KSS)を含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
    Figure 2009526899
  5. 前記芳香族スルホン酸塩が式(N−1)の化合物を含む、請求項1に記載の難燃性組成物
    Figure 2009526899
    [式中、Rは、C〜Cアルキル基から選択され、Mは金属であり、nは1≦n≦3の整数であり、yは0≦y≦5の整数である]。
  6. 前記芳香族スルホン酸塩が、式(N−2)の化合物またはトルエンスルホン酸のナトリウム塩(NaTS)を含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
    Figure 2009526899
  7. 前記シロキサンオリゴマーが、式(P−1)の化合物を含む、請求項1に記載の難燃性組成物
    Figure 2009526899
    [式中、R、R、R、R、R、R10、RおよびRは、独立に、メチルおよびエチルなどのC〜Cアルキル基、あるいはフェニルメチル、フェニルエチルおよびフェニルプロピルなどのアリールアルキル基、あるいはフェニルなどのアリール基から選択され、xは1≦x≦10の整数である]。
  8. 前記シロキサンオリゴマーが、式(P−2)の化合物を含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
    Figure 2009526899
  9. 以下に示す式を有するSi添加剤をさらに含む、請求項1に記載の難燃性組成物
    Si(OR(4−a−b)/2
    [式中、Rは、基本成分としてアリール基を含有する一価の置換または非置換炭化水素基であり、Rは、一価の置換または非置換炭化水素基であり、RおよびRは、相互に同じでも異なっていてもよく、0.2≦a≦2.7であり、0.2≦b≦2.4であり、かつa+b<3である]。
  10. (i) ポリカーボネート100重量部と、
    (ii) KSS約0.0001重量部から約0.2重量部と、
    (iii)NaTS約0.002重量部から約0.2重量部と、
    (iv) 任意選択でビ−フェニルプロピルジメチコン(SI−ADDITIVE 1 )約0.05重量部から約2重量部
    を含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
  11. KSS約0.01重量部から約0.08重量部を含む、請求項10に記載の難燃性組成物。
  12. NaTS約0.01重量部から約0.08重量部を含む、請求項10に記載の難燃性組成物。
  13. SI−ADDITIVE 1約0.3重量部から約0.8重量部を含む、請求項10に記載の難燃性組成物。
  14. 前記ポリカーボネートが、式(A−1)のカーボネート反復構造単位を含む、請求項1に記載の難燃性組成物
    Figure 2009526899
    [式中、AおよびAはそれぞれ、二価の単環式アリール基であり、Yは、AをAから隔てる1個または2個の原子を有する架橋基である]。
  15. 前記ポリカーボネートが、式(A−2)のカーボネート反復構造単位を含む、請求項1に記載の難燃性組成物
    Figure 2009526899
    [式中、RおよびRはそれぞれ、ハロゲン原子または一価の炭化水素基を表し、同じでも異なっていてもよく、pおよびqは、それぞれ独立に、0から4の整数であり、Xは、式(5)の基のうちの1つを表す
    Figure 2009526899
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または一価の直鎖もしくは環式炭化水素基を表し、Rは、二価の炭化水素基である)]。
  16. 前記ポリカーボネートが、式(A−3)のカーボネート反復構造単位を含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
    Figure 2009526899
  17. 前記ポリカーボネートが線状または分枝状である、請求項1に記載の難燃性組成物。
  18. 前記ポリカーボネートが、高流動性ポリカーボネートと普通流動性ポリカーボネートの混合物を含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
  19. 加水分解安定剤、衝撃改質剤、フィラー/補強剤、視覚効果向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外光吸収剤、可塑剤、離型剤、潤滑剤、帯電防止剤、顔料、染料、加工助剤、放射線安定剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の任意選択の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の難燃性組成物。
  20. 実質的に透明でハロゲンを含まない、請求項1に記載の組成物から作製される難燃性物品。
  21. 電子または機械部品である、請求項20に記載の物品。
  22. 3.0mm以下でUL94のV0可燃性評価を示すために、有効量のポリカーボネート、芳香族スルホンスルホン酸塩、芳香族スルホン酸塩、および任意選択でシロキサンオリゴマーを含む組成物から成形される難燃性物品。
  23. 実質的に透明でハロゲンを含まない、請求項22に記載の難燃性物品。
  24. 90%以上の光透過率も示す、請求項23に記載の難燃性組成物。
  25. 1.4%以下のヘイズも示す、請求項1に記載の難燃性組成物。
  26. 実質的に透明でハロゲンを含まない、請求項25に記載の組成物から作製される難燃性物品。
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