JP2009510217A - 熱可塑性ポリカーボネート組成物並びにその製造方法及び使用 - Google Patents

熱可塑性ポリカーボネート組成物並びにその製造方法及び使用 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な物理的性質(例えば衝撃強度、流度、屈曲率及び延性など)と適宜に難燃性能の組合せを有し、耐衝撃性の改善された充填熱可塑性ポリカーボネート組成物の提供。
【解決手段】ポリカーボネート成分、官能化シランカップリング剤、耐衝撃性改良剤及び充填材を組合せを含んでなる熱可塑性組成物。該組成物は適宜ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体及び/又は難燃剤を含んでなる。該組成物には諸特性の良好なバランスを有し、必要に応じて難燃性も有する。
【選択図】なし

Description

本発明は広義には芳香族ポリカーボネートを含んでなる熱可塑性組成物、それらの製造方法及びその使用方法に関するものであり、具体的には機械的特性の向上した、充填材を有する熱可塑性ポリカーボネート組成物に関する。
芳香族ポリカーボネートは自動車部品から電子機器まで、広範囲にわたる用途に用いられる物品及び成分の製造に有用である。通常耐衝撃性改良剤を芳香族ポリカーボネートに添加し、組成物の耐久性を向上させる。耐衝撃性改良剤は通常比較的剛性の熱可塑性相とエラストメリック(ゴムのような)相を有し、バルク又はエマルジョン重合によって形成できる。例えば米国特許第3130177号にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)耐衝撃性改良剤を含んでなるポリカーボネート組成物の概要が記載されている。乳化重合ABS耐衝撃性改良剤を含んでなるポリカーボネート組成物が特に米国特許出願公開第2003/0119986号に記載されている。米国特許出願公開2003/0092837号にはバルク重合ABS及びエマルジョン重合ABSの組合せの使用が開示されている。
当然ポリカーボネート組成物に用いる別の多種多様なタイプの耐衝撃性改良剤も記載されている。耐久性を改善するというそれらの意図された目的にとっては好適だが、多くの耐衝撃性改良剤は例えば難燃剤組成物の衝撃性能及び難燃性能などの他の特性に好ましくない影響を与えうる。
ポリカーボネートの剛性を増加させる1つの周知の方法は例えばタルク及び雲母などの充填材の追加によるものである。無機物の充填されたポリカーボネート組成物及びポリカーボネート組成物の混合物における課題は、充填材が例えば耐衝撃性能及び耐久性能を低下させることである。
米国特許出願公開第2004/0197561号明細書 米国特許出願公開第2004/0167294号明細書 米国特許出願公開第2003/0008965号明細書 米国特許出願公開第2003/0119986号明細書 米国特許出願公開第2003/0092837号明細書 米国特許第6642313号明細書 米国特許第6060538号明細書 米国特許第3130177号明細書 米国特許第3511895号明細書 米国特許第3981444号明細書 米国特許第5414045号明細書 米国特許第4746701号明細書 米国特許第4154775号明細書 米国特許第6576706号明細書 欧州特許第0022979号明細書 英国特許出願公開第2043083号明細書 米国特許第6605655号明細書 国際公開第06/033632号パンフレット 特開昭58−187450号公報 特開昭54−107955号公報 Wei Jiang、 S.C. Tjong、「Thermal Stability of Polycarbonate Composites Reinforced with Potassium Titanate Whiskers: Effect of Coupling Agent Addition,」Polymer Degradation and Stability 66、1999年、第241−246頁 M.T.Pastorini、R.C.R.Nunes、「Mica as a Filler for ABS/Polycarbonate Blends」Journal of Applied Polymer Sciences、1999年、第74巻、第1361−1365頁 C.B.Lin、Chien−Yun Chen、Chi−Yuan Feng、「Effect of Melting Temperature, Coupling Agent, and Width of Properties of ABS+20% PC/Al Flake Metallized Plastics」 Journal of Applied Polymer Sciences、2000年、第76巻、第1902−1909頁
当分野では例えば衝撃強度、流度、屈曲率及び延性などの良好な物理的性質と、適宜難燃性能の組合せを有する耐衝撃性の改善された充填された熱可塑性ポリカーボネート組成物に対するニーズが存在する。
一実施形態では、熱可塑性組成物はポリカーボネート成分、官能化シランカップリング剤、充填材を組合せで含んでなり、耐衝撃性改良剤、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体及び/又は難燃剤を適宜に含んでなる。
別の実施形態では、熱可塑性組成物はポリカーボネート成分、官能化シランカップリング剤、耐衝撃性改良剤、充填材を組合せで含んでなり、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体及び/又は難燃剤を適宜に含んでなる。
別の実施形態では、物品は上記の熱可塑性組成物を含んでなる。
さらに別の実施形態では、物品の製造方法は上記の熱可塑性組成物を鋳造、押出加工又は成形することを含んでなる。
さらに別の実施形態では、衝撃強度及び別の機械的性質が改良され、適宜に難燃性能が改良された熱可塑性組成物の製造方法はポリカーボネート、官能化シランカップリング剤、充填材、及び適宜に耐衝撃性改良剤、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体及び/又は難燃剤の混合物を含んでなる。
発明者らは、特定タイプの官能化シランカップリング剤を充填されたポリカーボネート組成物又は充填された耐衝撃性改良ポリカーボネート組成物に用いることにより、例えばポリカーボネートを含んでいる充填された熱可塑性組成物に対する衝撃強度耐久性及び曲げ弾性率などの物理的性質のバランスが顕著に改善されることを見出した。本発明の組成物に用いる具体的な官能化シランカップリング剤は次式で表される。
(X)3−n(CHSi−R−Y
式中、Rは1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、YはOCOC(R)=CH(アクリレート)及びCH=CH(ビニル)からなる群から選択される官能基であって、Rが水素又は1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、XはCHO−、CO−及びCHOCO−からなる群から選択される加水分解基であり、nは0又は1である。
難燃剤が該組成物に適宜添加される場合、本発明の充填された熱可塑性組成物も良好な難燃性能を有する。異なるシランカップリング剤を有する、又はいかなるシランカップリング剤をも含まない類似の組成物の物理的性質及び難燃性能は顕著に悪化が予想されるため、流度及び適宜に難燃性能への顕著な悪影響のない物理的性質の改良は特に予想外である。良好な衝撃強度に加えてさらに別の物理的性質との好適な組合せが、材料の具体的な組合せにより得られることを見出した。
本発明における「ポリカーボネート」及び「ポリカーボネート樹脂」という用語は式(1)のカーボネート単位の反復構造を有する組成物をいう。
Figure 2009510217
式中、R基の総数の少なくとも約60%が芳香族有機基であり、残りは脂肪族、脂環式又は芳香族基である。一実施形態では、Rの各々は芳香族有機基、より具体的には式(2)の基である。
Figure 2009510217
式中、A及びAの各々は単環の二価アリール基であり、YはAとAを隔離する1又は2の原子を有する架橋基である。具体的な実施形態では、1つの原子がAとAを隔離する。この型の基の非限定的な例示としては−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−C(O)−、メチレンシクロヘキシルメチレン、2−[2.2.1]−ビシクロヘプチリデン、エチリデン、イソプロピリデン、ネオペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン及びアダマンチリデンが挙げられる。架橋基Yは例えばメチレンシクロヘキシリデン又はイソプロピリデンなどの炭化水素基又は飽和炭化水素基であってもよい。
ポリカーボネートは次式(3)のジヒドロキシ化合物を含む式HO−R−OHで表されるジヒドロキシ化合物の界面反応によって製造してもよい。
Figure 2009510217
式中、Y、A及びAは上記の通りである。また次式の一般式(4)のビスフェノール化合物が挙げられる。
Figure 2009510217
式中、R及びRは各々ハロゲン原子又は一価炭化水素基を表し、同じでも異なってもよく、p及びqは各々独立に0〜4の整数であり、Xは以下の式(5)の基のいずれかを表す。
Figure 2009510217
式中、R及びRは各々独立に水素原子又は一価直鎖又は環状炭化水素基を表し、Rは二価炭化水素基である。
好適なジヒドロキシ化合物の若干の非限定的な例示としては以下のものが挙げられる。
レゾルシノール、4−ブロモレゾルシノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンチン、(α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、硫化ビス(4−ヒドロキシフェニル)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、フッ化9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ダイオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、及び2,7−ジヒドロキシカルバゾール、並びに当分野で公知の化合物。上記のジヒドロキシ化合物の1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。
式(3)によって表せるビスフェノール化合物のタイプの非限定的な具体例を列挙すると、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」又は「BPA」)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン及び1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンが挙げられる。上記のビスフェノール化合物の1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。
枝分れポリカーボネート、並びに直鎖ポリカーボネートと枝分れポリカーボネートを含んでなる混合物も有用である。枝分れポリカーボネートは例えばヒドロキシル、カルボキシル、カルボン酸無水物、ハロホルミル及びそれらの官能基の混合物から選択される少なくとも3つの官能基を含む多官能性有機化合物の重合の間における枝分れ剤の添加によって調製してもよい。具体例としてはトリメリト酸、無水トリメリット酸、トリメリット酸三塩化物、トリス−p−ヒドロキシフェニルエタン、イサチン−ビス−フェノール、トリス−フェノールTC(1,3,5−トリス((p−ヒドロキシフェニル)イソプロピル)ベンゼン)、トリス−フェノールPA(4(4(1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−エチル)α,α−ジメチルベンジル)フェノール)、4−クロロホルミル無水フタル酸、トリメシン酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸が挙げられる。その枝分れ剤は約0.05〜2.0重量%の濃度で添加してもよい。末端基が熱可塑性組成物の所望の特性に著しく影響を及ぼさない限り、すべての種類の該ポリカーボネート末端基はポリカーボネート組成物において有用であると考察される。
界面重合及び溶融重合のような方法によって好適なポリカーボネートを製造できる。界面重合の反応条件を変化させてもよいが、典型的な処理では大まかに、苛性ソーダ水又は苛性カリウム水に二価フェノール反応物を溶解するか又は分散させ、好適な非水溶性の溶解培地に得られる混合物を添加し、トリエチルアミンのような好適な触媒又は相転移触媒の存在下で、pH条件制御(例えば約8〜約10)下でカーボネート前駆体と反応物を接触させることが必要となる。最も一般的に用いられる非水溶性溶媒は塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエンなどが当分野で公知である。好適なカーボネート前駆体としては、例えば臭化カルボニルもしくは塩化カルボニルなどのハロゲン化カルボニル類、又は例えば二価フェノールのビスハロホルメートなどのハロホルメート類(例えばビスフェノールA、ヒドロキノン及びその他従来技術で公知のもののビスクロロホルメート)、又はグリコール類(エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール及びその他従来技術において公知のもののビスハロホルメート)が挙げられる。上記のカーボネート前駆体の1種以上のタイプを含んでなる組合せを用いてもよい。
用いてもよい典型的な相転移触媒としては、式(RQ+Xの触媒が挙げられる。式中、Rの各々は同じ又は異なり、C1−10アルキル基であり、Qは窒素又はリン原子であり、Xはハロゲン原子又はC1−8アルコキシ基又はC6−188アリールオキシ基である。好適な相転移触媒としては、例えば[CH(CHNX、[CH(CHPX、[CH(CHNX、[CH(CHNX、[CH(CHNX、CH[CH(CHNX及びCH[CH(CHNXが挙げられる。式中XはCl−、Br−、C1−8アルコキシ基又はC6−188アリールオキシ基である。相転移触媒の有効量はそのホスゲン化混合物中のビスフェノールの重量に対し約0.1〜約10重量%であってもよい。別の実施形態では、相転移触媒の有効量はホスゲン化混合物のビスフェノールの重量に対し約0.5〜約2重量%であってもよい。
あるいは溶融工程を用いてもよい。一般に、溶融重合工程ではポリカーボネート(又は芳香族カーボネートポリマー)を溶融状態で芳香族のジヒドロキシ反応物とジアリールカーボネートエステル(例えばジフェニルカーボネート)とで、エステル交換触媒の存在下で共反応させて調製してもよい。本明細書で用いる「溶融工程」という用語は実質的に溶媒を含まない状態で混合物を溶融させるのに十分な高温で芳香族のジヒドロキシ化合物及びカーボネート化合物を共に反応させることに基づく方法をいう。不安定な一価フェノールは蒸留によって溶融反応物から除去し、ポリマーを溶融残余物として単離する。
芳香族のカーボネートポリマーの形成に使用できる芳香族のジヒドロキシ化合物は単核であるか多核の芳香族化合物であり、官能基として2つのヒドロキシ基を含み、その各々が直接芳香族核上の炭素原子と結合できる。好適なジヒドロキシ化合物としては、例えばレゾルシノール、4−ブロモレゾルシノールヒドロキノン、アルキル置換ヒドロキノン(例えばメチルヒドロキノン)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「ビスフェノールA」)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、及び1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブテン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンチン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トルエン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセトニトリル、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−n−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス(5−フェノキシ−4−ヒドロキシフェニル)エチレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、硫化ビス(4−ヒドロキシフェニル)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、フッ化9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)、2,7−ジヒドロキシピレン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン(「スピロビインダンビスフェノール」)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、2,6−ジヒドロキシジベンゾ−p−ダイオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチン、2,7−ジヒドロキシ−9,10−ジメチルフェナジン、3,6−ジヒドロキシジベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシジベンゾチオフェン、2,7−ジヒドロキシカルバゾールなど、並びに上記のジヒドロキシ化合物の1種以上を含んでなる組合せ及び反応生成物が挙げられる。
各種実施形態では、カーボネート共重合体又は三重号体が要求される場合、2つ以上の異なる芳香族ジヒドロキシ化合物又は脂肪族ジオール、ヒドロキシ−若しくは酸末端ポリエステル、二塩基酸又はヒドロキシ酸と芳香族ジヒドロキシ化合物の共重合体を使用できる。本明細書で用いる共重合体という用語には、2つ以上のモノマーを含んでなる組合せを包含する。共重合体の一例はビスフェノール−A、ヒドロキノン及びメチルヒドロキノンの組合せである。
具体的な一実施形態では、ポリカーボネートはビスフェノールAに由来する直鎖ホモポリマーであり、A及びAの各々がp−フェニレンであり、Yがイソプロピリデンである。ポリカーボネートは25℃のクロロホルム中で測定したとき約0.3〜約1.5dl/gm、好適には約0.45〜約1.0dl/gmの固有粘度を有してもよい。ポリカーボネートはゲル透過クロマトグラフィで測定したとき約10000〜約200000、好適には約20000〜約100000の重量平均分子量を有してもよい。ポリカーボネートはポリカーボネートの加水分解を触媒しうる不純物、残留酸、残留塩基及び/又は残留金属を実質的に含まない。
本明細書で用いる「ポリカーボネート」及び「ポリカーボネート樹脂」には、異なるタイプの鎖単位と共にカーボネート鎖単位を含んでなる共重合体がさらに含まれる。かかる共重合体は従来技術において公知のランダム共重合体、ブロック共重合体、デンドリマなどであってもよい。用いてもよい共重合体の1つの特定のタイプはポリエステルカーボネート(別名コポリエステル−ポリカーボネート)である。かかる共重合体は式(1)のカーボネート鎖の繰り返し単位に加えて、次式(6)の反復単位を含む。
Figure 2009510217
式中、Eはジヒドロキシ化合物に由来する二価基であって、例えばそのアルキレン基が2〜約6個の炭素原子、好適には2、3又は4個の炭素原子を含むC2−10アルキレン基、C6−20脂環式基、C6−20芳香族基又はポリオキシアルキレン基であってよく、Tはジカルボン酸に由来する二価基であって、例えばC2−10アルキレン基、C6−20脂環式基、C6−20アルキル芳香族基又はC6−20芳香族基であってもよい。
一実施形態では、EはC2−6アルキレン基である。別の実施形態では、Eは次式(7)の芳香族ジヒドロキシ化合物の誘導体である。
Figure 2009510217
式中、各Rは独立にハロゲン原子、C1−10炭化水素基又はC1−10ハロゲン置換炭化水素基であり、nは0〜4である。ハロゲンは好ましくは臭素である。式(7)によって表されうる化合物例としては、レゾルシノール、置換レゾルシノール化合物(例えば5−メチルレゾルシノール)、5−エチルレゾルシノール、5−プロピルレゾルシノール、5−ブチルレゾルシノール、5−t−ブチルレゾルシノール、5−フェニルレゾルシノール、5−クミルレゾルシノール、2,4,5,6−テトラフルオロレゾルシノール、2,4,5,6−テトラブロモレゾルシノール、及び当分野で公知の他のもの)、カテコール、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン(例えば2−メチルヒドロキノン、2−エチルヒドロキノン、2−プロピルヒドロキノン、2−ブチルヒドロキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、2−フェニルヒドロキノン、2−クミルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラメチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラ−t−ブチルヒドロキノン、2,3,5,6−テトラフルオロヒドロキノン、2,3,5,6−テトラブロモヒドロキノン、及び当分野で公知の他のもの)、又は上記の化合物の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。
ポリエステル類の調製に用いてもよい芳香族のジカルボン酸の例としては、イソフタル酸又はテレフタル酸、1,2−ジ(p−カルボキシフェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ビス安息香酸、及び上記の酸の1種以上を含んでなる混合物が挙げられる。例えば1,4−、1,5−又は2,6−ナフタレンジカルボン酸などの融合環を含む酸も挙げられる。具体的なジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸又はそれらの混合物が挙げられる。具体的なジカルボン酸は、テレフタル酸とイソフタル酸の重量比が約10:1〜約0.2:9.8であるイソフタル酸とテレフタル酸の混合物を含んでなる。別の具体的な実施形態では、EはC2−6アルキレン基であり、Tはp−フェニレン、m−フェニレン、ナフタレン、二価脂環式基、又はその混合物である。この種類のポリエステルにはポリ(アルキレンテレフタレート)が含まれる。
コポリエステル−ポリカーボネート樹脂は界面重合によっても調製できる。当然ながらジカルボン酸を用いるよりも、例えば対応する酸ハロゲン化物、特に酸性二塩化物及び酸性二臭化物などの酸の反応誘導体を使用でき、また場合によってははるかに好適である。例えばイソフタル酸、テレフタル酸及びそれらの混合物を用いる代わりに二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル及びその混合物が使用できる。コポリエステル−ポリカーボネート樹脂は25℃のクロロホルム中で測定したとき約0.3〜約1.5dl/gm、好適には約0.45〜約1.0dl/gmの固有粘度を有してもよい。コポリエステル−ポリカーボネート樹脂はゲル透過クロマトグラフィで測定したとき約10000〜約200000、好適には約20000〜約100000の重量平均分子量を有してもよい。コポリエステル−ポリカーボネート樹脂はポリカーボネートの加水分解を触媒しうる不純物、残留酸、残留塩基及び/又は残留金属を実質的に含まない。
ポリカーボネート成分は上記のポリカーボネートに加えて、別の熱可塑性ポリマーとポリカーボネートの組合せをさらに含んでなってもよく、例えばポリカーボネートホモポリマー及び/又はポリエステルと公知の他の物質との共重合体の組合せが挙げられる。本明細書で用いる「組合せ」という用語には当分野で公知のすべての混合物、ブレンド、合金などが含まれる。
好適なポリエステル類は式(6)の反復単位を含んでなり、例えばポリ(アルキレンジカルボキシレート)、液体結晶質のポリエステル類及びポリエステル共重合体であってもよい。例えば3つ以上の水酸基を有するグリコール又は三官能性又は多官能性カルボン酸を有する分枝状ポリエステルなどの枝分れ剤を用いてもよい。さらに、組成物の最終用途に応じてポリエステル上の酸性基及びヒドロキシル基を様々な濃度とすることが望ましい場合もある。好適なポリエステルはポリ(アルキレンアリーレート)及びポリ(シクロアルキレンエステル)などのポリ(アルキレンエステル)である。ポリ(アルキレンアリーレート)は式(6)のポリエステル構造を有し、式中Tはp−二置換アリーレン基で、Dはアルキレン基である。有用なエステルとしてジカルボキシルアリーレートであり、ジカルボン酸又はその誘導剤の反応生成物に由来するものが挙げられ、式中、Tが置換及び/又は非置換1,2−、1,3−及び1,4−フェニレン、置換及び/又は非置換1,4−及び1,5−ナフチレン、置換及び/又は非置換1,4−シクロヘキシレンなどである。好適なアルキレン基としてはジヒドロキシ化合物の反応生成物に由来するものが挙げられ、式中Dは直鎖、分枝鎖、シクロアルキレン、アルキル置換シクロアルキレン、これらの1つ以上を含んでなる組合せなどを有するC2−30アルキレン基である。有用なアルキレン基Dは例えば具体的には1,4−(シクロヘキシレン)ジメチレン)などのビス−(アルキレン二置換シクロヘキサン)である。好適なポリエステル類としてはポリ(アルキレンテレフタレート)が挙げられ、式中Tは1,4−フェニレンである。ポリ(アルキレンテレフタレート)の例としてはポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(プロピレンテレフタレート)(PPT)が挙げられる。有用なものとしてポリ(エチレンナフタノエート)(PEN)及びポリ(ブチレンナフタノエート)(PBN)などのポリ(アルキレンナフトエート)も挙げられる。好適なポリ(シクロアルキレンエステル)は具体的にはポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)(PCT)である。上記のポリエステル類の1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。また本明細書では上記ポリエステルには例えば約0.5〜約10重量%の微量の脂肪族二塩基酸及び/又は脂肪族多価アルコールに由来する単位を含んでコポリエステルを形成するものが含まれる。有用なエステル単位には具体的には別のアルキレンテレフタレート単位が挙げられ、それは個々の単位として又は多数の同じ単位(すなわち特異的なポリ(アルキレンテレフタレート)のブロック)を含むブロックとしてポリマーチェーンに存在しうる。
別の好適な反復エステル基を有する上記のアルキレンテレフタレートの反復エステル単位を含んでいる共重合体も有用である。かかる共重合体の好適な実施例としてはポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)−コ−ポリ(エチレンテレフタレート)が挙げられ、PETGと略記される、ポリ(エチレンテレフタレート)を50mole%以上含むポリマー、及びPCTGと略記される、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)を50mole%超含むポリマーが含まれる。好適なポリ(シクロアルキレンエステル)にはポリ(アルキレンシクロヘキサンジカルボキシレート)が含めることができる。有用なポリ(アルキレンシクロヘキサンジカルボキシレート)ポリエステルの具体例はポリ(1,4−シクロヘキサン−ジメタノール−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(PCCD)であって、次式の繰り返し単位を有するものが挙げられる。
Figure 2009510217
式中、式(6)を用いて説明すると、Dはシクロヘキサンジメタノールに由来するジメチレンシクロヘキサン基であり、Tはシクロヘキサンジカルボキシレートに由来するシクロヘキサン環又はその化学的等価物であって、シス−もしくはトランス異性体、又はcis−及びtrans−異性体の混合物から選択される。PCCDを用いる場合、通常ポリカーボネートと完全に混合できる。
ポリカーボネートとポリエステルの混合物は約10〜約99重量%のポリカーボネート及び対応する約1〜約90重量%のポリエステル(特にポリ(アルキレンテレフタレート))を含んでいてもよい。一実施形態では該混合物は約30〜約70重量%ポリカーボネート及び対応する約30〜約70重量%ポリエステルを含んでなる。上記の数値はポリカーボネートとポリエステルの混合重量に対するものである。
ポリカーボネートと他のポリマーの混合物が考察されるものの、一実施形態ではポリカーボネート成分は基本的にポリカーボネートを含んでなり、例えばそのポリカーボネート成分はポリカーボネートホモポリマー及び/又はポリカーボネート共重合体を含み、かつ熱可塑性組成物の衝撃強度に顕著な負の影響を与える他のいかなる樹脂も含まない。別の実施形態では、ポリカーボネート成分はポリカーボネートを含んでなり、例えばポリカーボネートホモポリマー及び/又はポリカーボネート共重合体のみを含んでなる。
発明者は、シランカップリング剤の特定のタイプがポリカーボネート充填材及び任意の耐衝撃性改良剤及び/又は難燃剤と組み合わされると優れた物理的性質、適宜に難燃性を有する熱可塑性組成物を形成できることを見出した。具体的にはシランカップリング剤は式(X)3−n(CHSi−R−Yで表される官能化シランカップリング剤である。式中、Rは1〜8の炭素原子を有する一価炭化水素であり、YはOCOC(R1)=CH(アクリレート)及びCH=CH(ビニル)からなる群から選択される官能基であり、式中、R1は水素又は1〜8の炭素原子を有する一価炭化水素であり、XはCHO−、CO−及びCHOCO−からなる群から選択される加水分解基であり、nは0又は1である。
本発明の組成物への使用に好適な官能化シランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス-(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルアルコキシシラン及びアルコキシシランのアクリレート若しくはメタクリレートが含まれるがこれらに限定されない。具体的にはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランが有用である。官能化シランの好ましい官能性はビニル及び/又はアクリレート官能基である。
組成物はさらに耐衝撃性改良剤を含んでなってもよい。耐衝撃性改良剤の1つのタイプはバルク重合ABSである。バルク重合ABSは
(i)10℃未満のTgを有するブタジエンと、
(ii)15℃より高いTgを有する強固なポリマー相、並びに
スチレンのようなモノビニル芳香族モノマーとアクリロニトリルのような不飽和ニトリルの共重合体を含むエラストメリック相を含んでなる。かかるABSポリマーでは最初にエラストメリックポリマーを準備し、エラストマーの存在下で強固な相を構成するモノマーを重合させて調製し、グラフト共重合体を得てもよい。グラフトはグラフト分岐として又はエラストマーのコアに対するシェルとして結合してもよい。シェルはコアを単に物理的に封入するのみでもよく、又はシェルはコアと部分的に又は実質的に完全に融合してもよい。
ポリブタジエンホモポリマーをエラストマー相として用いてもよい。あるいはバルク重合ABSのエラストマー相は最高約25重量%の式(8)の他の共役ジエンモノマーと共重合したブタジエンを含んでなる。
Figure 2009510217
式中、Xbの各々は独立にC−Cアルキル基である。使用できる共役ジエンモノマーの例としては、イソプレン、1,3−ヘプタジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−及び2,4−ヘキサジエン及び当分野で公知の他のもの、並びに上記共役ジエンモノマーの1種以上を含んでなる混合物が挙げられる。具体的な共役ジエンはイソプレンである。
エラストメリックなブタジエン相はさらに25重量%以下、具体的には約15重量%以下の他のコモノマーと共重合してもよく、例えばビニルナフタレン、ビニルアントラセン及び当分野で公知の他のもののような縮合芳香環構造を含むモノビニル芳香族系モノマー、又は次式(9)のモノマーが挙げられる。
Figure 2009510217
式中、Xcの各々は独立に水素、C−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、C6−C12アリール、C−C12アラルキル、C−C12アルカリル、C−C12アルコキシ、C−C12シクロアルコキシ、C−C12アリールオキシ、クロロ、ブロモ又はヒドロキシ基であり、Rは水素、C−Cアルキル、ブロモ又はクロロである。ブタジエンと共重合可能なモノビニル芳香族系モノマーの好適な例としては、スチレン、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、テトラクロロスチレン及び当分野で公知の他のもの、並びに上記のモノビニル芳香族系モノマーの1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。一実施形態では、ブタジエンを約12重量%以下、好適には約1〜約10重量%のスチレン及び/又はα−メチルスチレンと共重合する。
ブタジエンと共重合できる別のモノマーとしてはイタコン酸、アクリルアミド、N置換アクリルアミド又はメタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイミド、N−アルキル−、アリール−若しくはハロアリール置換マレイミド、グリシジル(メタ)アクリレートのようなモノビニル系モノマー、並びに一般式(10)で表されるモノマーが挙げられる。
Figure 2009510217
式中、Rは水素、C−Cアルキル、ブロモ又はクロロであり、Xcはシアノ、C−C12アルコキシカルボニル、C−C12アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル及び当分野で公知の他のものである。式(10)のモノマーの例としてはアクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、β−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及び従来技術において公知の他のもの、並びに上記のモノマーの1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。
n−ブチルアクリレート、アクリル酸エチル及び2−エチルヘキシルアクリレートなどのモノマーはブタジエンと共重合可能なモノマーとして通常用いる。
ブタジエン相の粒径は特定されず、例えば約0.01〜約20μm、好適には約0.5〜約10μm、より好適には約0.6〜約1.5μmをバルク重合ゴム基質に用いてもよい。粒径は光透過法又はキャピラリー式粒度分布測定(CHDF)で測定してもよい。ブタジエン相はABS耐衝撃性改良剤の共重合体の総重量の約5〜約95重量%を占めてもよく、好適には約20〜約90重量%、より好適にはABS耐衝撃性改良剤の約40〜約85重量%を占め、その残りは剛性グラフト相である。
剛性グラフト相はニトリル基を含む不飽和モノマーと共にスチレン系モノマー組成物から形成される共重合体を含んでなる。本明細書で用いる「スチレン系モノマー」という用語は式(9)で表されるモノマー包含する。式中、Xcの各々は独立に水素、C−Cアルキル、フェニル、C−Cアラルキル、C−Cアルカリル、C−Cアルコキシ、フェノキシ、クロロ、ブロモ又はヒドロキシ基であり、Rは水素、C−Cアルキル、ブロモ又はクロロである。具体例としてはスチレン3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、テトラ−クロロスチレン及び当分野で公知の他のものが挙げられる。上記のスチレン系モノマーの1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。
さらに本明細書においてニトリル基を含んでなる不飽和モノマーとしては式(10)のモノマーが挙げられ、式中、Rは水素、C−Cアルキル、ブロモ又はクロロであり、Xはシアノ基である。具体例としてはアクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、βクロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル及び従来技術で公知の他のものが挙げられる。上記のモノマーの1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。
バルク重合ABSの剛性グラフト相はさらにそれと共重合できる別のモノマーを適宜含んでもよく、イタコン酸、アクリルアミド、N置換アクリルアミド若しくはメタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイミド、N−アルキル−、アリール−若しくはハロアリール−置換マレイミド、グリシジル(メタ)アクリレートなどの他のモノビニル芳香族系モノマー及び/若しくはモノビニル系モノマー、又は一般式(10)で表すモノマーが挙げられる。具体的なコモノマーとしてはメタクリル酸メチルなどのC−Cアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
剛性共重合体相は各々剛性共重合体相の総重量に対して通常約10〜約99重量%、好適には約40〜約95重量%、より好適には約50〜約90重量%のスチレン系モノマー、約1〜約90重量%、好適には約10〜約80重量%より好適には約10〜約50重量%のニトリル基を含む不飽和モノマー、並びに0〜約25重量%好適には1〜約15重量%の他のコモノマーを含んでなる。
バルク重合ABS共重合体は異なるマトリックス又は非グラフト重合剛性共重合体の連続相をさらに含んでいてもよく、それはABSと同時に得られうる。ABSはABSの総重量に対して約40〜約95重量%のエラストマー修飾グラフト共重合体及び約5〜約65重量%の剛性共重合体を含んでいてもよい。別の実施形態では、ABSはABSの総重量に対して約50〜約85重量%、より好適には約75〜約85の重量%エラストマー修飾グラフト共重合体と、それと共に約15〜約50重量%、より好適には約15〜約25重量%の剛性共重合体を含んでいてもよい。
ABSタイプ樹脂の様々なバルク重合方法が公知である。マルチゾーンプラグフローバルク工程では一連の重合容器(又は塔)を連続的に各々に連結し、複数の反応ゾーンを設ける。エラストメリックブタジエンを剛性相の形成に用いる1つ以上のモノマーに溶解し、エラストマー溶液を反応システムに供給してもよい。熱的又は化学的に反応を開始してよく、反応の間エラストマーを剛性共重合体(例えばSAN)と融合させる。バルク共重合体(遊離共重合体、マトリックス共重合体又は非グラフト共重合体とも称される)は溶解したゴムを含む連続相中でも形成される。重合が継続すると、遊離共重合体の領域がゴム/コモノマーの連続相中で形成され、二相システムが得られる。重合が進行し、遊離共重合体がさらに形成されると、エラストマー修飾共重合体は遊離共重合体中でそれ自体が粒子として分散し始め、遊離共重合体が連続相(相転移)を形成する。若干の遊離共重合体は通常同様にエラストマー修飾共重合体相中で封入される。相逆転の後に追加加熱を行い、重合を完了させてもよい。この基礎工程の多数の変更態様は例えば米国特許第3511895号に記載されており、この文献には3段階反応器システムを用いた、分子量分布及びミクロゲル粒径形成の制御が可能な連続バルクABS工程が記載されている。第一反応単位では、エラストマー/モノマー溶液を激しい撹拌下で反応混合物に添加し、かなりの架橋結合が発生しうる前に反応器全体にわたって一様に個々のゴム粒子を沈殿させる。分子量が望ましい範囲となるように第1、第2及び第3の反応器の固体濃度を慎重に制御する。米国特許第3981944号ではニトリル基及び他のいかなるコモノマーを含んでなる不飽和モノマーの添加前にスチレン系モノマーを使用してエラストマー粒子を溶解/分散させるエラストマー粒子の抽出法が開示されている。米国特許第5414045号では、プラグフロー融合反応器においてスチレン系モノマー組成物、不飽和ニトリルモノマー組成物及びエラストメリックブタジエンポリマーを含んでなる液体供給組成物を相転移前の時点で反応させ、そこから得られる第1の重合生成物(融合エラストマー)を連続撹拌タンク反応器中で反応させて相転移した第2の重合生成物を得て、さらに最後の反応器においてさらに反応させることができ、さらに液化して所望の最終製品を製造する方法が開示されている。
バルク重合ABS以外にも当分野で公知の別の耐衝撃性改良剤を本発明の組成物に使用できる。
別の耐衝撃性改良剤は
(i)約10℃未満、より好適には約−10℃、さらに好適には約−40〜−80℃のTgを有するエラストメリック(例えばゴムのような)ポリマー基質、及び
(ii)エラストメリックポリマー基質に融合した剛性ポリマーsuperstrateを含むエラストマー修飾グラフト共重合体を含んでなる。グラフトはグラフト分岐として又はシェルとしてエラストマーのコアに対して結合できる。シェルはコアを単に物理的に封入できるのみであるか、又はシェルはコアと部分的又は実質的に完全に融合できる。
エラストマー相としての使用に好適な材料としては例えば共役ジエンゴム、共重合性モノマーを約50重量%未満有する共役ジエンの共重合体、オレフィンゴム(例えばエチレンプロピレン共重合体(EPR)又はエチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム(EPDM))、エチレン−ビニルアセテートゴム、シリコーンゴム、エラストメリックC1−8アルキル(メタ)アクリレート、ブタジエン及び/又はスチレンを有するC1−8アルキル(メタ)アクリレートのエラストマー共重合体、又は上記のエラストマーの1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。
エラストマー相の調製に好適な共役ジエンモノマーは上記の式(8)である。式中、Xの各々は独立に水素、C1−C5アルキル及び当分野で公知の他のものである。使用できる共役ジエンモノマーの例としてはブタジエンイソプレン、1,3−ヘプタジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−及び2,4−ヘキサジエン及び当分野で公知の他のもの、並びに上記の共役ジエンモノマーの1種以上を含んでなる混合物が挙げられる。具体的な共役ジエンホモポリマーとしてはポリブタジエン及びポリイソプレンが挙げられる。
共役ジエンゴムの共重合体を用いることもでき、例えば共役ジエン及びそれと共重合できる1つ以上のモノマーによる水相中でのラジカル乳化重合によって得られるものが挙げられる。共役ジエンとの共重合に適するモノマーとしてはビニルナフタレン、ビニルアントラセン及び当分野で公知の他のものなどの縮合環芳香族構造を含んでなるモノビニル芳香族系モノマー、又は上記の式(9)のモノマーであって、式中各Xは独立に水素、C−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C12アリール、C−C12アラルキル、C−C12アルカリル、C−C12アルコキシ、C−C12シクロアルコキシ、C−C12アリールオキシ、クロロ、ブロモ又はヒドロキシ基であり、Rは水素、C−Cアルキル、ブロモ又はクロロである。使用できる好適なモノビニル芳香族系モノマーの例としてはスチレン、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、テトラ−クロロスチレン及び上記の化合物の1種以上を含んでなる組合せ、並びに当分野で公知の他のものである。スチレン及び/又はα−メチルスチレンは共役ジエンモノマーと共重合できるモノマーとして通常用いる。
共役ジエンと共重合できる別のモノマーとしてはイタコン酸、アクリルアミド、N置換アクリルアミド又はメタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイミド、N−アルキル−、アリール−又はハロアリール置換マレイミド及びグリシジル(メタ)アクリレートなどのモノビニル系モノマー、並びに一般式(10)のモノマー(式中、Rは水素、C−Cアルキル、ブロモ又はクロロであり、Xはシアノ、C−C12アルコキシルカルボニル、C−C12アリールオキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル基である)及び当分野で公知の他のものが挙げられる。式(10)のモノマーの例としてはアクリロニトリル、エチルアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、β−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリル、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及び当分野で公知の他のもの、並びに上記のモノマーの1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートなどのモノマーは共役ジエンモノマーと共重合できるモノマーとして通常用いる。上記のモノビニルモノマー及びモノビニル芳香族系モノマーの混合物を用いることもできる。
特定の(メタ)アクリレートモノマーを用いてC16アルキル(メタ)アクリレート、好適にはCアルキル(メタ)アクリレート、特に好適にはCアルキルアクリレートの架橋微粒子エマルジョンのホモポリマー又は共重合体を含むエラストマー相を得てもよく、例としてはn−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び当分野で公知の他のもの、並びに上記のモノマーの1種以上の組合せが挙げられる。C1−16アルキル(メタ)アクリレートモノマーは15重量%以下の上記で広く説明した一般式(8)、(9)又は(10)のコモノマーと混合して適宜重合させることができる。典型的なコモノマーとしては特に限定されないが、ブタジエン、イソプレン、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸フェネチル、N−シクロヘキシルアクリルアミド、ビニルメチルエーテル又はアクリロニトリル及び上記のコモノマーの1種以上を含んでなる混合物が挙げられる。あるいは、多官能架橋コモノマーを5重量%以下含めてよく、例えばジビニルベンゼン、アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート(例えばグリコールビスアクリレート)、アルキレントリオール、トリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスアクリルアミド、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレイン酸、ジアリルフマル酸、ジアリルアジピン酸、クエン酸のトリアリルエステル、リン酸のトリアリルエステル及び当分野で公知の他のもの、並びに上記架橋剤の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。
エラストマー相を大規模、エマルジョン、懸濁、溶液又は複合工程(例えばバルク−サスペンション、エマルジョン−バルク、バルク溶液又は連続、セミバッチ又はバッチ技術を使用した他のもの)によって重合させることができる。エラストマー基質の粒径は決定的でない。例えば約0.001〜約25μm、好適には約0.01〜約15μm、より好適には約0.1〜約8μmの平均粒径のものがエマルジョン系重合ゴム格子に使用できる。約0.5〜約10μmの粒径、好適には0.6〜約1.5μmのものがバルク重合ゴムの基質に使用できる。エラストマー相は共役ブタジエン又はC4−9アルキルアクリレートゴムに由来する中度に架橋した粒子状共重合体でもよく、好ましくは70%を超えるゲル含有率である。スチレン、アクリロニトリル及び/又はC4−6アルキルアクリレートゴムとブタジエンとの混合物に由来する共重合体も好適である。
エラストメリック相はエラストマー修飾グラフト共重合体の約5〜約95重量%、好適には約20〜約90重量%、より好適には約40〜約85重量%で調製し、残りを剛性グラフト相としてもよい。
1つ以上のエラストメリックポリマー基質の存在下でモノビニル芳香族系モノマー及び適宜1つ以上のコモノマーを含んでなる混合物のグラフト重合によってエラストマー修飾グラフト共重合体の剛性相を形成できる。上記で広く説明した式(9)のモノビニル芳香族系モノマーを剛性グラフト相に使用でき、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ハロスチレン(例えばジブロモスチレン)、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブチルスチレン、パラ−ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン及び当分野で公知である他のもの、又は上記のモノビニル芳香族系モノマーの1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。好適なコモノマーとしては例えば上記で広く説明した一般式(10)のモノビニル系モノマー及び/又はモノマーが挙げられる。
一実施形態では、Rは水素、又はC−Cアルキル基であり、Xはシアノ又はC−C12アルコキシルカルボニル基である。剛性相に用いる好適なコモノマーの具体例としてはアクリロニトリル、エタクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート及び当分野で公知の他のもの、並びに上記のコモノマーの1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。具体的な一実施形態では、剛性グラフト相はスチレン又はα−メチルスチレンをエチルアクリレート及び/又はメタクリル酸メチルと共重合させて形成する。別の具体的な一実施形態では、剛性グラフト相は共重合スチレン、メタクリル酸メチルと共重合したスチレン、メタクリル酸メチル及びアクリロニトリルと共重合したスチレンから形成する。
剛性グラフト相中のモノビニル芳香族系モノマー及びコモノマーの相対的な比率はエラストマー基質のタイプ、モノビニル芳香族系モノマーのタイプ、コモノマーのタイプ及び耐衝撃性改良剤の所望の特性に応じて変化させてもよい。剛性相は通常モノビニル芳香族系モノマーを100重量%まで、好適には約30〜約100重量%、より好適には約50〜約90重量%のモノビニル芳香族系モノマーと残りのコモノマーを含んでなってもよい。
存在するエラストマー修飾ポリマーの量に応じ、グラフト重合しない剛性ポリマー又は共重合体の各マトリックス又は連続相を、別のエラストマー修飾グラフト共重合体と同時に得ることができる。具体的には、耐衝撃性改良剤の総重量に対して、かかる耐衝撃性改良剤は約40〜約95重量%のエラストマー修飾グラフト共重合体及び約5〜約65重量%の剛性(コ)ポリマーを含んでなる。別の実施形態では、かかる耐衝撃性改良剤は耐衝撃性改良剤の総重量に対して約50〜約85重量%、好適には約75〜約85重量%のゴム修飾された剛性共重合体、並びに約15〜約50重量%、より好適には約15〜約25重量%の剛性(コ)ポリマーを含んでなる。
バルク重合ABSと異なるエラストマー修飾グラフト共重合体の具体例としてはアクリロニトリル−スチレンブチルアクリレート(ASA)、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(MABS)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン(MBS)及びアクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン(AES)が挙げられるが、これらに限定されない。MBS樹脂は米国特許第6545089号に記載のようにポリブタジエンの存在下でメタクリル樹脂とスチレンのエマルジョン重合によって調製でき、該方法を以下に要約する。
エラストマー修飾耐衝撃性改良剤の別の具体的なタイプはシリコーンゴムモノマー、式HC=C(R)C(O)OCHCHで表される枝分れアクリレートゴムモノマー、第1のグラフト化モノマー、重合可能なアルケニル含有有機物質及び第2のグラフト化モノマーの1種以上に由来する構造単位を含んでなる。(式中、Rは水素又はC−Cの直鎖又は枝分れヒドロカルビル基であり、Rは分岐C−C16ヒドロカルビル基である。)シリコーンゴムモノマーは例えば環状シロキサン、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、(アクリルオキシ)アルコキシシラン、(メルカプトアルキル)アルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン又はアリルアルコキシシランを単独で又は組合せて含んでなってもよく、例えばデカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はテトラエトキシシランが挙げられる。
典型的な分岐アクリレートゴムモノマーとしてはイソオクチルアクリレート、6−メチルオクチルアクリレート、7−メチルオクチルアクリレート、6−メチルヘプチルアクリレート及び当分野で公知のものの単独又は組合せが挙げられる。例えば重合可能なアルケニル含有有機材料としては例えば式(9)又は(10)のモノマー、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル又は非枝分れ(メタ)アクリレート(例えばメタクリル酸メチル、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート)及び当分野で公知の他のもの単独又は組合せが挙げられる。
1種以上の第1のグラフト化モノマーの例としては(γ−メタクリルオキシプロピル)(ジメトキシ)メチルシラン及び/又は(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシランなどの、(アクリルオキシ)アルコキシシラン、(メルカプアルキル)アルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン又はアリルアルコキシシラン単独又はそれらの組合せであってよい。1種以上の第2のグラフト化モノマーは例えばアリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレートなどの、1以上のアリル基を有するポリエチレン系不飽和化合物単独又はそれらの組合せである。
シリコーン−アクリレート耐衝撃性改良剤組成物はエマルジョン重合によって調製でき、例えばドデシルベンゼンスルホン酸などの界面活性剤の存在下で1種以上のシリコーンゴムモノマーを1種以上の第1のグラフト化モノマーと約30〜約110℃の温度で反応させ、シリコーンゴムラテックスを形成させる。あるいはシクロオクタメチルテトラシロキサン及びテトラエトキシオルトシリケートのような環状シロキサンを(γ−メタクリルオキシプロピル)メチルジメトキシシランのような第1のグラフト化モノマーと反応させ、約100nm〜約2μmの平均粒径を有するシリコーンゴムを調製できる。さらに適宜架橋結合モノマーの存在において1種以上の枝分れアクリレートゴムモノマーをシリコーンゴム粒子と重合させる(例えばベンゾイルペルオキシドのような遊離基生成重合触媒の存在下でアリルメタクリレートを反応させる)。このラテックスはさらに重合可能なアルケニル含有有機物質及び第2のグラフト化モノマーと反応させる。グラフトシリコーン−アクリレートゴムハイブリッドのラテックス粒子は凝固(凝固剤処理による)によって水相から分離でき、微粉末となるまで乾燥させてシリコーン−アクリレートゴム耐衝撃性改良剤組成物が得られる。この方法は通常約100nm〜約2μmの粒径を有するシリコーン−アクリレート耐衝撃性改良剤の調製に使用できる。
実際には上記した耐衝撃性改良剤のいずれかを必要に応じて使用できる。エラストマー修飾グラフト共重合体の形成方法としては大規模、エマルジョン、懸濁及び溶液工程、又はバルク−サスペンション、エマルジョン−バルク、バルク−溶液などの複合工程、又は連続、セミバッチ若しくはバッチ工程などを用いる別の技術が挙げられる。
一実施形態では、耐衝撃性改良剤はエマルジョン重合工程によって調製し、それによりポリカーボネートを分解させるいかなる種の使用又は生成が回避される。別の実施形態では、塩基性物質(例えばC6−30脂肪酸のアルカリ金属塩(例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、及び当分野で公知の別のもの)、アルカリ金属カルボン酸塩、ドデシルジメチルアミン、ドデシルアミンのようなアミン及び当分野で公知の他のもの、並びにアミンのアンモニウム塩のような種が挙げられる)を含まないエマルジョン重合工程によって耐衝撃性改良剤を調製する。かかる材料を通常重合補助剤(例えばエマルジョン重合の界面活性剤)として用い、ポリカーボネートのトランスエステル化及び/又は分解を触媒させてもよい。代わりにイオン状の硫酸、スルホン酸塩又はリン酸塩系の界面活性剤は耐衝撃性改良剤(特に耐衝撃性改良剤のエラストメリック基質部分)の調製に使用できる。好適な界面活性剤としては例えばC1−22アルキル又はC7−25アルキルアリールスルホン酸、C1−22アルキル又はC7−25アルキルアリール硫酸、C1−22アルキル又はC7−25アルキルアリールリン酸、置換ケイ酸及び上記の界面活性剤の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。具体的な界面活性剤はC6−16、好適にはC8−12アルキルスルホン酸である。このエマルジョン重合工程はRohm&Haas社及びGeneral Electric Company社などによる様々な特許及び文献に記載され、開示されている。
さらに耐衝撃性改良剤合成はさらに非グラフト化剛性共重合体を適宜含んでいてもよい。該剛性共重合体はバルク重合ABS又は追加的な耐衝撃性改良剤に存在するいかなる剛性共重合体にも付加される。エラストマー修飾なしでも上記の剛性共重合体のいずれかと同様でありうる。
剛性共重合体は通常約15℃超、好適には約20℃超のTgを有し、例えばビニルナフタレン、ビニルアントラセン及び当分野で公知の他のものなどの縮合環芳香族構造を含むモノビニル芳香族系モノマーに由来するポリマー、又は例えばスチレン及びα−メチルスチレンなどの上記で広く説明した式(9)のモノマーに由来するポリマー、イタコン酸、アクリルアミド、N置換アクリルアミド又はメタクリルアミド、無水マレイン酸、マレイミド、N−アルキル、アリール又はハロアリール置換マレイミド、グリシジル(メタ)アクリレートのようなモノビニル系モノマーに由来するポリマー、及び例えばアクリロニトリル、メチルアクリレート及びメタクリル酸メチルなどの上記で広く説明した一般式(10)のモノマーに由来するポリマー、及び上記のものの共重合体(例えばスチレンアクリロニトリル(SAN)スチレンα−メチルスチレンアクリロニトリルメタクリル酸メチル−アクリロニトリル−スチレン及びメタクリル酸メチル−スチレン)を含んでなる。
剛性共重合体は共重合性モノビニル系モノマーを約1〜約99重量%、好適には約5〜約80重量%、より好適には約10〜約60重量%、並びにビニル芳香族系モノマーを約1〜約99重量%、好適には約20〜約95重量%、より好適には約40〜約90重量%含んでいてもよい。一実施形態では、剛性共重合体は約50〜約99重量%のスチレン及び残りのアクリロニトリルを含んでなってもよく、特に約60〜約90重量%のスチレン、より好適には約65〜約85重量%のスチレン及び残りのアクリロニトリルを有するSANである。
剛性共重合体はバルク、懸濁又はエマルジョン重合によって製造でき、ポリカーボネートの加水分解を触媒しうる不純物、残留酸、残留塩基又は残留金属を実質的に含まない。一実施形態では、剛性共重合体は沸騰している反応器を使用してバルク重合によって製造する。ポリスチレン標準を用いたGPCによって測定したとき、剛性共重合体は約50000〜約300000重量平均分子量を有しうる。一実施形態では、剛性共重合体の重量平均分子量は約70000〜約190000である。
組成物は1種以上の充填材をさらに含んでなる。充填材の1つの有用な種類は粒状充填材であり、例えば球状、プレート状、繊維状、針状、フレーク状、ウィスカー状又は不規則な形状などいかなる構造をとってもよい。好適な充填材は具体的には約1nm〜約500μm、好適には約10nm〜約100μmの平均最長寸法を有する。若干の繊維状、針状又はウィスカー状の充填材(例えばガラス又はウォラストナイト)の平均アスペクト比(長さ:直径)は約1.5〜約1000であってよいが、但しそれより長い繊維状もまた本発明の範囲内である。プレート状の充填材(例えば雲母タルク又はカオリン)の平均アスペクト比(同じ領域の円の平均直径:平均厚み)は約5超、好適には約10〜約1000、より好適には約10〜約200であってもよい。2モード性、3モード性又はそれ以上の混合アスペクト比のものを用いてもよい。充填材を組合せて用いてもよい。
充填材は天然又は合成、無機物性又は非無機物性の起源でもよいが、その場合充填材はそれが組み合わされたときに少なくとも構成物の処理温度においてその固体の物理構造を維持するのに充分な熱抵抗性を有しなければならない。好適な充填材としては、クレイ、ナノクレイ、カーボンブラック、油を含む又は含まない木粉、さまざまな形のシリカ(一般の砂を含む、沈殿又は水和、融合又はコロイド、ガラス質、いぶし又は発熱性)、ガラス、金属、無機酸化物(例えば周期律表のIb、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb(炭素を除く)、Va、VIa、VIIa及びVIII族の周期2、3、4、5及び6の金属の酸化物)、金属酸化物(例えば酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ナノスケール酸化チタニウム、アルミニウム三水和物、酸化バナジウム及び酸化マグネシウム)、アルミニウム、アンモニウム又はマグネシウムの水酸化物、アルカリ及びアルカリ土類金属のカルボン酸塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウム及び炭酸マグネシウム)三酸化アンチモン、ケイ酸カルシウム、珪藻土、フラー土、キーザルガ、雲母、タルク、粘板岩小麦粉、火山灰、綿屑、アスベスト、カオリン、アルカリ及びアルカリ土類金属硫酸塩(例えば硫酸バリウム及び硫酸カルシウム)、チタニウム、ゼオライト、ウォラストナイト、ホウ酸チタニウム、ホウ酸亜鉛、タングステンカーバイド、フェライト、二硫化モリブデン、アスベスト、クリストバル石、バーミキュライトを含むアルミノケイ酸、ベントナイト、モンモリロナイト、Na−モンモリロナイト、Ca−モンモリロナイト、ナトリウムカルシウムアルミニウムマグネシウムケイ酸水酸化物の水和物、葉蝋石、マグネシウムアルミニウムケイ酸塩、リチウムアルミニウムケイ酸塩、ケイ酸ジルコニウム及び上記充填材の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。好適な繊維状充填材としてはガラス繊維、玄武岩繊維、アラミド繊維、炭素繊維、炭素ナノ繊維、炭素ナノチューブ、炭素バッキーボール、超高分子量ポリエチレン繊維、メラミン繊維、ポリアミド繊維、セルロース繊維、金属繊維、カリウムチタン酸ウィスカー及びアルミニウムホウ酸ウィスカーが挙げられる。
これらのうち、炭酸カルシウム、タルク、ガラス、ガラス繊維、クォーツ、炭素繊維、炭酸マグネシウム、雲母、シリコンカーバード、カオリン、ウォラストナイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニウム、シリカ、カーボンブラック、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及び上記のうちの1種以上を含んでなる組合せが有用である。タルク、雲母、ウォラストナイト、クレイ、シリカ、クォーツ、ガラス及び上記の充填材の1種以上を含んでなる組合せが特に有用であることを見出した。
別法として又は粒状充填材に加えて、充填材をモノフィラメント又はマルチフィラメント繊維の形で準備してもよく、単独で又は別のタイプの繊維と組合せて、例えば混織又は核/鞘、サイド−バイ−サイド、オレンジ−タイプ又はマトリックス及びフィブリル構築、又は繊維分野の当業者に公知の他の方法に使用できる。好適な混織構造としては例えばガラス繊維−炭素繊維、炭素繊維−芳香族ポリイミド(アラミド)繊維及び芳香族ポリイミドガラス繊維などが挙げられる。繊維状充填材は例えばロービング、織繊維の補強、例えば0〜90度ファブリックなどの形、連続ストランドマット、チョップドストランドマット、ティッシュ、ペーパー及びフェルトなどの不織繊維の補強、又は例えばブレイズなどの三次元の補強として供給できる。
組成物はポリカーボネートブロック及びポリジオルガノシロキサンブロックを含むポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体を適宜含んでないもよい。共重合体のポリカーボネートブロックは上記の式(1)の反復構造単位を含んでなり、例えば式中Rは上記の式(2)である。これらの単位は上記の式(3)のジヒドロキシ化合物の反応に由来してもよい。一実施形態では、ジヒドロキシ化合物はビスフェノールAであって、式中A及びAの各々がp−フェニレンであり、Yがイソプロピリデンである。
ポリジオルガノシロキサンブロックは次式(11)(本明細書において「シロキサン」と称する)の反復構造単位を含んでなる。
Figure 2009510217
式中、各Rは同じか又は異なり、C1−13の一価有機基である。例えばRはC−C13アルキル基、C−C13アルコキシ基、C−C13アルケニル基、C−C13アルケニルオキシ基、C−Cシクロアルキル基、C−Cシクロアルコキシ基、C−C10アリール基、C−C10アリールオキシ基、C−C13アラルキル基、C−C13アラルコキシ基、C−C13アルカリル基、又はC−C13アルカリルオキシ基であってよい。上記のR基の組合せを同じ共重合体に用いてもよい。
熱可塑性組成物、組成物の所望の特性などの各成分のタイプ及び相対量に応じて式(11)のD値を広範囲に変化させてもよい。通常Dは2〜約1000、好適には約2〜約500、より好適には約5〜約100の平均値としてもよい。一実施形態ではDは約10〜約75の平均値を有し、さらに別の実施形態ではDは約40〜約60の平均値を有する。Dが低い値、例えば約40未満である場合、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体を比較的多量に用いることが好適でありうる。逆に、Dが高い値、例えば約40超である場合、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体を比較的低量で用いることが必要となりうる。
第一及び第二の(又はより多くの)ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体の組合せを使用でき、そのとき第1の共重合体のDの平均値が第2の共重合体のDの平均値未満である。
一実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは次式(12)の反復構造単位によって与えられている。
Figure 2009510217
式中、Dは上で定義するとおりで、各Rは同じか又は異なってもよく上記の通りであり、Arは同じか又は異なってもよく、置換又は非置換C−C30アリーレン基であり、その結合は芳香族部分に直接結合している。式(12)の好適なAr基としては例えば上記式(3)、(4)又は(7)で表されるジヒドロキシアリーレン化合物などのC−C30ジヒドロキシアリーレン化合物に由来してもよい。上記のジヒドロキシアリーレン化合物のうちの1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。好適なジヒドロキシアリーレン化合物の具体例としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、硫化ビス(4−ヒドロキシフェニル)及び1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパンが挙げられる。上記のジヒドロキシ化合物の1種以上を含んでなる組合せを用いてもよい。
かかる単位は以下の式で表す対応するジヒドロキシ化合物に由来してもよい。
Figure 2009510217
式中、Ar及びDは上記の通りである。かかる化合物はKress他の米国特許第4746701号にさらに記載されている。この式の化合物はジヒドロキシアリーレン化合物を例えばα,ω−ビスアセトキシポリジオルガノシロキサンと相転位条件下で反応させて得てもよい。
別の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンブロックは式(13)の反復構造単位を含んでなる。
Figure 2009510217
式中、R及びDは上記の定義どおりである。式(13)のRは二価C−C脂肪族基である。式(9)の各Mは同じか又は異なってもよく、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキルチオ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニル、C−Cアルケニルオキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、C−C12アラルキル、C−C12アラルコキシ、C−C12アルカリル又はC−C12アルカリルオキシ基であってよく、各nは独立に0、1、2、3又は4である。
一実施形態では、Mはブロモ又はクロロ、メチル、エチル又はプロピルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシ又はプロポキシなどのアルコキシ基又はフェニル、クロロフェニル又はトリルなどのアリール基であり、Rはジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレン基であり、RはC1−8アルキル、トリフルオロプロピルなどのハロアルキル基、シアノアルキル基、又はフェニル、クロロフェニル又はトリルなどのアリール基である。別の実施形態では、Rはメチル基、又はメチル及びトリフルオロプロピル基の混合、又はメチル及びフェニル基の混合である。さらに別の実施形態では、Mはメトキシ基であり、nは1であり、Rは二価C−C脂肪族基であり、Rはメチル基である。
これらの単位は対応するジヒドロキシポリジオルガノシロキサン(14)に由来してもよい。
Figure 2009510217
式中、R、D、M、R及びnは上記の通りである。
かかるジヒドロキシポリシロキサンは白金により触媒される式(15)の水素化シロキサン間での付加反応によって作製する。
Figure 2009510217
式中、R及びDは上記で定義済みであり、脂肪族不飽和一価フェノールである。好適な脂肪族不飽和一価フェノールとしては例えばオイゲノール、2−アルキルフェノール、4−アリル−2−メチルフェノール、4−アリル−2−フェニルフェノール、4−アリル−2−ブロモフェノール、4−アリル−2−t−ブトキシフェノール、4−フェニル−2−フェニルフェノール、2−メチル−4−プロピルフェノール、2−アリル−4,6−ジメチルフェノール、2−アリル−4−ブロモ−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシ−4−メチルフェノール及び2−アリル−4,6−ジメチルフェノールが挙げられる。上記の1種以上を含んでなる混合物を用いてもよい。
ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体はジフェノールのポリシロキサン(14)と、カルボン酸ソース及び式(3)のジヒドロキシ芳香族化合物を、適宜上記の相転移触媒の存在下で反応させて製造できる。好適な条件はポリカーボネートの形成に有用なものと同様である。例えば共重合体は0℃未満〜約100℃、好ましくは約25〜約50℃の温度でのホスゲン化によって調製する。反応が発熱性であるため、ホスゲン添加速度を用いて反応温度を制御してもよい。必要なホスゲンの量は通常二水素含有反応物の量に依存する。あるいはポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体は溶融状態で上記のエステル転移触媒の存在下でジヒドロキシモノマーとジアリールカルボン酸塩エステル(例えばジフェニルカーボネート)を共に反応させることによって調製できる。
ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体の製造では、ジヒドロキシポリジオルガノシロキサンの量は共重合体にポリジオルガノシロキサン単位の所望の量が与えられる態様で選択する。ポリジオルガノシロキサン単位の量は広範囲に変化させることができ、例えば約1〜約99重量%のポリジメチルシロキサン又は同じモル量の別のポリジオルガノシロキサン、並びにその残りをカルボン酸単位としてもよい。用いる具体的な量は熱可塑性組成物の所望の物理的性質、Dの値(2〜約1000の範囲)、及び熱可塑性組成物中の各成分のタイプ及び相対量に応じて決定し、例えばポリカーボネートのタイプ及び量、耐衝撃性改良剤タイプ及び量、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体のタイプ及び量、並びに別のいかなる添加物のタイプ及び量が挙げられる。ジヒドロキシポリジオルガノシロキサンの好適な量は本明細書で教示するガイドラインを使用して、過度の実験を要さずに当業者が決定できる。例えばジヒドロキシポリジオルガノシロキサンの量は約1〜約75重量%、又は約1〜約50重量%のポリジメチルシロキサン、又は別の等モル量のポリジオルガノシロキサンを含んでなる共重合体が製造できる態様で選択してもよい。一実施形態では、共重合体は約5〜約40重量%、適宜約5〜約25重量%のポリジメチルシロキサン又は等モル量の別のポリジオルガノシロキサン、並びにその残りのポリカーボネートを含んでなる。具体的な実施形態では、共重合体は約20重量%のシロキサンを含んでなってもよい。
ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体は約10000〜約200000g/mol、好適には約20000〜約100000g/molの重量平均分子量(MW:例えばゲル浸透クロマトグラフィ、超遠心分離又は光散乱で測定)を有する。
熱可塑性組成物の各成分の相対量は用いるポリカーボネートの具体的なタイプ、別のいかなる樹脂の存在、及び具体的な耐衝撃性改良剤、充填材、並びに組成物の所望の特性に依存する。具体的な量は本明細書で提供するガイダンスを用いて当分野の当業者によって直ちに選択できる。
一実施形態では、熱可塑性組成物は約30〜約95重量%のポリカーボネート成分、約0.01〜約5重量%のシランカップリング剤、約0.5〜約20重量%の充填材、並びに適宜約0.5〜約30重量%の耐衝撃性改良剤及び約2〜約20重量%の難燃剤を含んでなる。別の実施形態では、熱可塑性組成物は約40〜約85重量%のポリカーボネート成分、約0.03〜約3重量%のシランカップリング剤、約2〜約25重量%の充填材、並びに適宜約2〜約20重量%の耐衝撃性改良剤及び約5〜約18重量%の難燃剤を含んでなる。別の実施形態では、熱可塑性組成物は約45〜約80重量%のポリカーボネート成分、約0.1〜約2重量%のシランカップリング剤、約5〜約20重量%の充填材、並びに適宜約5〜約15重量%の耐衝撃性改良剤及び約5〜約15重量%の難燃剤を含んでなる。上記の組成物はさらに適宜ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体を1〜30重量%、好適には2〜約25重量%、より好適には約5〜約20重量%、さらに好適には約5〜約15重量%、最も好適には約8〜約15重量%含んでいてもよい。上記のすべての量はポリカーボネート、耐衝撃性改良剤、充填材、並びに適宜ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体及び/又は難燃剤の混合重量に対するものである。
上記実施形態の具体例として、約50〜約70重量%のポリカーボネート成分、約0.1〜約1重量%のシランカップリング剤、約5〜約15重量%の耐衝撃性改良剤、約5〜約18重量%の充填材、約5〜約15重量%の難燃剤、並びに適宜5〜約15重量%のポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体を含んでなる熱可塑性組成物を提供する。上記の量を採用することで、良好な難燃性共に衝撃強度、引張伸度及び引張強度を強化した組成物を形成できる。
難燃性能が要求される場合にはポリカーボネート組成物は上記の成分に加えて難燃剤をさらに含んでなってもよい。本発明の使用にとって好適な難燃剤の例としては例えば有機リン酸塩及び/又はリン−窒素結合を含む有機化合物が挙げられる。
典型的な有機リン酸塩の一つのタイプは式(GO)P=Oの芳香族リン酸塩であって、式中、各Gは独立にアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル又はアラルキル基であり、但し1以上のGが芳香族基である。G基のうちの2つが結合して環状基(例えばジフェニルペンタエリスリトール二リン酸)を与えてもよく、それはAxelrodの米国特許第4154775号に記載されている。別の好適な芳香族リン酸としては例えばフェニルビス(ドデシル)リン酸、フェニルビス(ネオペンチル)リン酸、フェニルビス(3,5,5’−トリメチルヘキシル)リン酸、エチルジフェニルリン酸、2−エチルヘキシルジ(p−トリル)リン酸、ビス(2−エチルヘキシル)p−トリルリン酸、トリトリルリン酸、ビス(2−エチルヘキシル)フェニルリン酸、トリ(ノニルフェニル)リン酸、ビス(ドデシル)p−トリルリン酸、ジブチルフェニルリン酸、2−クロロエチルジフェニルリン酸、p−トリルビス(2,5,5’−トリメチルヘキシル)リン酸、2−エチルヘキシルジフェニルリン酸などが挙げられる。具体的な芳香族リン酸塩では、各Gが例えばトリフェニルリン酸、トリクレジルリン酸、イソプロピルトリフェニルリン酸及び当分野で公知の他のものなどの芳香族基である。
二官能性又は多官能性芳香族のリン含有化合物も有用であり、例えば次式の化合物が挙げられる。
Figure 2009510217
式中、各Gは独立に1〜約30の炭素原子を有する炭化水素であり、各Gは独立に1〜約30の炭素原子を有する炭化水素又はハイドロカルボノキシ基であり、各Xは独立に臭素又は塩素であり、mは0〜4であり、nは1〜約30である。好適な二官能性又は多官能芳香族のリン含有化合物の例としてはレゾルシノールテトラフェニル二リン酸(RDP)、ヒドロキノンのビス(ジフェニル)リン酸及びビスフェノール−Aのビス(ジフェニル)リン酸、それらのオリゴマー及びポリマー及び当分野で公知の他のものが挙げられる。上記の二官能性及び多官能性芳香族のリン酸エステルの調製方法は英国特許第2043083号公報にて論じられている。
リン−窒素結合を含有する好適な難燃剤化合物としては典型的にはリン酸ニトリルの塩化物、リンエステルアミド、リン酸アミド、ホスホン酸アミド、ホスフィン酸アミド、トリス(アジリジニル)ホスフィンオキシドが挙げられる。有機リン含有難燃剤は樹脂の総重量100重量%に対して通常約0.5〜約20重量%の量で組成物(充填材を除く)中に存在する。
熱可塑性組成物は実質的に塩素及び臭素、特に塩素系及び臭素系難燃剤を含まなくてもよい。本明細書で用いる「実質的に塩素及び臭素を含まない」という用語は塩素、臭素及び/又は塩素又は臭素を含んでなる材料を意図的に添加せずに製造される材料のことをいう。しかし複数の製品を処理する施設では、一定量のクロスコンタミネーションが発生し、臭素及び/又は塩素が重量ppmスケールの濃度に結果としてなることが一般に理解されている。この理解により、実質的に臭素及び塩素を含まないとは、重量ppmで約100ppm以下、約75ppm以下又は約50ppm以下の臭素及び/又は塩素含量を有するものとして定義できることを直ちに認識できる。この定義を難燃剤に適用するときは難燃剤の総重量に対するものとする。この定義を熱可塑性組成物に適用するときは組成物中の樹脂の合計量に対するものとする。
あるいは、無機質の難燃剤を用いてもよく、例えばスルホン酸塩(例えばカリウム過フルオロブタンスルホン酸塩(Rimar塩)及びカリウムジフェニルスルホンスルホン酸塩)、例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属(好適にはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びバリウム塩類)の反応によって生じた塩、及び無機酸性錯塩(例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属のカルボン酸塩(例えばNaCO、KCO、MgCO、CaCO、BaCO及びBaCO)などのオキソアニオン)、又はフルオロアニオン錯体(例えばLiAlF、BaSiF、KBF、KAlF、KAlF、KSiF及び/又はNaAlFなど)が挙げられる。難燃性の無機塩類を含有させるときは、組成物中のすべての樹脂の総重量の100重量%に対して通常約0.01〜約1.0重量%、より好適には約0.05〜約0.5重量%の量で含有させる。
リン−窒素結合を含む好適な難燃剤化合物としては典型的にはリン酸ニトリル塩化物及びトリス(アジリジニル)ホスフィンオキシドが挙げられる。リン含有難燃剤を含有させるときは、組成物中のすべての樹脂の総重量100重量%に対して通常約1〜約20重量%の量で含有させる。
ハロゲン化材料を難燃剤として用いてもよく、例えば次式(16)のハロゲン化合物及び樹脂が挙げられる。
Figure 2009510217
式中、Rはアルキレン、アルキリデン又はシクロ脂肪族結合(例えばメチレン、プロピレン、イソプロピリデン、シクロヘキシレン、シクロペンチリデン及び当分野で公知の他のもの)、オキシゲンエーテル、カルボニル、アミン又は硫黄含有結合(例えばスルフィド、スルフォキシド、スルホン及び当分野で公知の他のもの)、又は芳香族、アミノ、エーテル、カルボニル、スルフィド、スルフォキシド、スルホン及び当分野で公知の他のものなどの基によって連結される2つ以上のアルキレン又はアルキリデン結合であり、Ar及びAr’は各々独立に1つ又は多数の炭素環式芳香族基(例えばフェニレン、ビフェニレン、ter−フェニレン、ナフチレン及び当分野で公知の他のもの)であって、式中、Ar及びAr’上のヒドロキシル及びY置換基が芳香族環上でオルト、メタ又はパラ位で変化でき、該基が互いにあらゆる幾何学的な位置関係であってもよく、各Yは独立に有機、無機又は有機金属ラジカル化合物であって、例えば
(1)塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素などのハロゲン
(2)EがXと同様に一価炭化水素基である一般式−OEのエーテル基
(3)Rで表すタイプの一価炭化水素基、又は
(4)別の置換基(例えばニトロ、シアノ及び当分野で公知の他のもの)であって、ハロゲン原子がアリール核当たり1以上、好ましくは2つ存在するときは該置換基が基本的に不活性である基、であり、Xは各々独立に一価C1−18炭化水素基(例えばメチル、プロピル、イソプロピル、デシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、キシリル、トリル、ベンジル、エチルフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び当分野で公知の他のもの)であって、各々が適宜不活性置換基を含む基であり、dは各々独立に1〜最大でAr又はAr’を含んでなる芳香環上の置換可能な水素と同じ数であり、eは各々独立に0〜最大R上の置換可能な水素の数と同じ数であり、但しbが0であるときはa又はcのいずれか(両方ではない)が0であってよく、bが0でないときはa又はcのいずれも0であってはならない。
上記の式の範囲内に含まれるものはビスフェノールであり、代表例としてビス(2,6−ジブロモフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヨードフェニル)エタン、2,6−ビス(4,6−ジクロロナフチル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジクロロフェニル)ペンタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジクロロ−3−メトキシフェニル)メタン及び2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。また上記の構造式の範囲内には1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジブロムベンゼン及び2,2’−ジクロロビフェニル、ポリ臭素化1,4−ジフェノキシベンゼン、2,4’−ジブロモビフェニル、2,4’−ジクロロビフェニルビフェニル、及びデカブロモジフェニルオキシド、並びに当分野で公知の他のものが挙げられる。その他有用なものとしてハロゲン化芳香族化合物のオリゴマー及びポリマーであって、例えばビスフェノールA及びテトラブロモビスフェノールAのコポリカーボネート、並びにカルボン酸前駆体(例えばホスゲン)が挙げられる。金属共同剤(例えば酸化アンチモン)も難燃剤に使用できる。ハロゲンを含んでなる難燃剤を含有させるときは組成物中のすべての樹脂の総重量100重量%に対して通常約1〜約50重量%の量で含有させる。
無機の難燃剤を用いてもよく、例えばC2−16アルキルスルホン酸塩(例えばカリウム過フルオロブタンスルホン酸塩(Rimar塩)、カリウム過フルオロオクタンスルホン酸塩、テトラエチルアンモニウム過フルオロヘキサンスルホン酸塩及びカリウムジフェニルスルホンスルホン酸塩)、CaCO、BaCO及びBaCOなどの塩、フルオロアニオン複合体(例えばLiAlF、BaSiF、KBF、KAlF、KAlF、KSiF及びNaAlF)の塩、並びに当分野で公知の他のものが挙げられる。無機難燃剤塩類を含有させるときは、組成物中のすべての樹脂の総重量の100重量部に対して通常約0.01〜約25重量部、より好適には約0.1〜約10重量部の量で含有させる。
ポリカーボネート成分に加え、耐衝撃性改良剤組成物、充填材及び適宜ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体及び/又は難燃剤、熱可塑性組成物に別の充填材、補強剤、安定化剤及び当分野で公知のものなどの様々な添加物を含有させてもよいが、該添加物が熱可塑性組成物の所望の特性に悪影響を与えないことが条件である。
一実施形態では、必要に応じて添加物で処理してあらゆる分解活性を防止又は実質的に減少させてもよい。かかる処理には実質的に不活性な物質(例えばシリコーンアクリル又はエポキシ樹脂)によるコーティングが含まれうる。化学的な不動態化を処理に含めて、触媒部位の除去、保護、又は中和を行ってもよい。処理を組合せて用いてもよい。充填材、補強剤及び色素などの添加物で処理してもよい。
添加物の混合物を用いてもよい。かかる添加物を、組成物を形成する成分の混合の際の好適な時点で混合してもよい。使用できる好適な充填材又は補強剤には、例えばアルミニウムケイ酸塩(ムライト)、合成ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、溶融シリカ、結晶性シリカグラファイト、天然シリカ砂、及び当分野で公知の他のものなどのケイ酸塩及びシリカ粉末、窒化ホウ素粉、ホウ素−ケイ酸塩粉及び当分野で公知の他のものなどのホウ素粉、TiO、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び当分野で公知の他の酸化物、硫酸カルシウム(無水物、二水和物又は三水和物)、チョーク、石灰岩、大理石、合成沈殿炭酸カルシウム及び当分野で公知の他のものなどの炭酸カルシウム、繊維、モジュール、成形された針、薄板状タルク及び当分野で公知の他のものなどのタルク、ウォラストナイト、表面処理されたウォラストナイト、中空及びソリッドのガラス球、シリケート球、セノスフェア、アルミノケイ酸塩(armospheres)及び当分野で公知の他のものなどのガラス球体、カオリン(硬性カオリン、軟性カオリン、か焼カオリンなど、高分子マトリックス樹脂との適合性を向上させる公知の様々なコーティングを含んでなるカオリン、及び当分野で公知の他のもの)、単結晶繊維又は「ウィスカー」(例えばシリコンカーバイド、アルミナ、炭化ホウ素、鉄、ニッケル、銅及び当分野で公知の他のもの)、アスベスト、炭素繊維、ガラス繊維、例えばE、A、C、ECR、R、S、D又はNEガラスなどの繊維(連続した繊維及び裁断された繊維を含む)及び当分野で公知の他のもの、硫化物(例えば硫化モリブデン、硫化亜鉛及び当分野で公知の他のもの)、バリウム化合物(例えばチタン酸バリウム、バリウムフェライト、硫酸バリウム、重晶石及び当分野で公知の他のもの)、金属及び金属酸化物(例えば粒子状又は繊維状のアルミニウム、青銅、亜鉛、銅、ニッケル、及び当分野で公知の他のもの)、薄片状充填材(例えばガラス薄片、薄片状のシリコンカーバイド、アルミニウムジブロミド、アルミニウム薄片、鉄薄片及び当分野で公知の他のもの)、繊維状充填材(例えばケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び硫酸カルシウム半水化物の1種以上を含んでなる混合物に由来する短い無機繊維及び当分野で公知の他のもの)、天然充填材及び補強剤(例えば木の粉砕によって得た木粉、並びにセルロース、綿、サイザル、ジュート、澱粉、はコルク粉、リグニン、南京豆の殻、トウモロコシ、米外皮及び当分野で公知の他のものなどの繊維状製品)、有機充填材(例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))及び当分野で公知の他のもの)、(例えばポリ(エーテルケトン)、ポリイミド、ポリベンゾキサゾール、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエステル、ポリエチレン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂、ポリ(ビニルアルコール)及び当分野で公知の他のものなど、繊維を形成できる有機ポリマーから形成される補強用の有機繊維状充填材、及び、添加された充填材及び補強剤(例えば雲母、クレイ、長石煙塵、フィライト、クォーツ、珪岩、パーライト、トリポリ石、珪藻土、カーボンブラック及び当分野で公知の他のもの)、並びに上記の充填材及び補強剤の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。充填材/補強剤を被覆してマトリックスとの反応を防止するか、又は化学的に不動態化して加水分解若しくは熱分解を促進しうる触媒分解部位を中和してもよい。
充填材及び補強剤を金属材料の層で被覆して伝導率を高めてもよく、又は表面をシラン処理して高分子マトリックス樹脂との粘着性及び分散性を改善してもよい。さらに補強用充填材をモノフィラメント又はマルチフィラメントの形で提供してもよく、単独で又は別のタイプの繊維と組合せて、例えば混織又は核/鞘、サイド−バイ−サイド、オレンジ−タイプ又はマトリックス及びフィブリル構築、又は当業者に公知の他の方法を使用できる。好適な混織構造としては例えばガラス繊維−炭素繊維、炭素繊維−芳香族ポリイミド(アラミド)繊維、芳香族ポリイミドガラス繊維、及び当分野で公知の他のものなどが挙げられる。繊維状充填材は例えばロービング、編まれた繊維の補強、例えば0〜90度ファブリック及び当業者に公知の他のものなどの形、連続ストランドマット、チョップドストランドマット、ティッシュ、ペーパー、フェルト及び当業者に公知の他のものなどの不織繊維の補強、又は例えばブレイズなどの三次元の補強として供給できる。組成物中のすべての樹脂の総重量100重量%に対して充填材を通常約0〜約100重量%用いる。
好適な酸化防止剤添加物としては、例えばアルキル化モノフェノール又はポリフェノール、ジエンとポリフェノールによるアルキル化した反応生成物(例えばテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシハイドロケイ皮酸)]メタン、及び当分野で公知の他のもの、パラ−クレゾール又はジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、アルキル化ヒドロキノン、水酸化チオジフェニルエーテル、アルキリデン−ビスフェノール、ベンジル化合物、一価又は多価アルコールとβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸とのエステル、一価又は多価アルコールとβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロピオン酸とのエステル、及び当分野で公知の他のもの、並びに上記の酸化防止剤の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。酸化防止剤は通常組成物のすべての樹脂の総重量100重量部に対して約0.01〜約1重量部、好適には約0.1〜約0.5重量部で用いる。
好適な熱及び色安定化添加物としては、例えば有機亜リン酸(例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)亜リン酸)が挙げられる。熱及び色安定剤は通常組成物のすべての樹脂の総重量100重量部に対して約0.01〜約5重量部、好適には約0.05〜約0.3重量部で用いる。
好適な第2の熱安定化添加物としては、例えばチオエーテル及びチオエステル(例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−(ドデシルチオ)プロピオン酸)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]、ジラウリルチオジプロピオン酸、ジステアリルチオジプロピオン酸、ジミリスチルチオジプロピオン酸塩ジトリデシルチオジプロピオン酸、ペンタエリスリトールオクチルチオプロピオン酸、ジオクタデシルジスルフィド及び当分野で公知の他のもの)、及び上記の熱安定化剤の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。第2の安定化剤は組成物のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.01〜約5重量部、好適には約0.03〜約0.3重量部の量で用いる。
紫外線(UV)吸収添加物などの光安定剤を用いてもよい。このタイプの好適な安定化添加物としては例えば2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(Cytec社製のCYASORB(商標)5411)及びTINUVIN(商標)234(Ciba Specialty Chemicals社製)などのベンゾトリアゾール及びヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアジン、ヒドロキシフェニル−トリアジン又は−ピリミジンUV吸収剤(TINUVIN(商標)1577(Ciba社製))及び2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)−フェノール(CYASORB(商標)1164(Cytec社製))、TINUVIN(商標)622(Ciba)、GR−3034TINUVIN(商標)123及びTINUVIN(商標)440のような4−ピペリジンオール誘導体などの非塩基性ヒンダードアミン系光安定剤(以下に「HALS」)(その置換ピペリジン部分及びオリゴマーを含む)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン)(CYASORB(商標)UV−3638)などのベンゾキサジノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン(CYASORB 531)などのヒドロキシベンゾフェノン、オキサニリド、1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(UVINUL(商標)3030)、及び1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパンなどのシアノアクリレート、及び酸化チタニウム、酸化セリウム及び酸化亜鉛(すべて約100nm未満の粒径を有する)などのナノサイズ無機材料、及び当分野で公知の他のもの、並びに上記の安定化剤の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。光安定剤はポリカーボネート成分及び耐衝撃性改良剤組成物の100重量部に対して約0.01〜約10重量部、好適には約0.1〜約1重量部の量で使用できる。UV吸収剤は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.1〜約5重量部の量で用いられる。
可塑剤、潤滑剤及び/又は離型剤のような添加物も使用できる。これらのタイプの材料間で相当な重なりがあり、例えばジオクチル−4,5−エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸などのフタル酸エステル、トリス−(オクトオキシカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリステアリン、レゾルシノールテトラフェニル二リン酸(RDP)、ヒドロキノンのリン酸ビス(ジフェニル)及びビスフェノール−Aのリン酸ビス(ジフェニル)などの二官能性又は多官能性芳香族リン酸、ポリ−α−オレフィン、エポキシ化大豆油、シリコーンオイルなどのシリコーン、例えばステアリン酸メチルのようなアルキルステアリルエステルなどの脂肪酸エステルを含むエステル類、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラステアリン酸及び当分野で公知の他のもの、ポリエチレングリコールポリマー、ポリプロピレングリコールポリマー及びその共重合体を含んでなるステアリン酸メチル並びに親水性及び疎水性ノニオン界面活性剤の混合物(例えば好適な溶媒中のステアリン酸メチル及びポリエチレン−ポリプロピレングリコール共重合体)、蜜蝋、モンタン蝋、固形パラフィン及び当分野で公知の他のワックス、並びにEthylflo 164、166、168及び170などのポリαオレフィンが挙げられる。かかる材料は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.1〜約20重量部、好適には約1〜約10重量部の量で用いる。
色素及び/又は染料添加物などの着色剤を含有させてもよい。好適な色素としては、例えば金属酸化物及び混合金属酸化物などの無機顔料(例えば酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄及び当分野で公知の他のもの)、硫化物(例えば硫化亜鉛及び当分野で公知の他のもの)、アルミン酸塩、ナトリウムスルホケイ酸塩、硫酸塩、クロム酸塩及び当分野で公知の他のもの、カーボンブラック、亜鉛フェライト、ウルトラマリンブルー、茶色色素24、赤色色素101、黄色色素119、アゾ、ジアゾ、キナクリドン、ペリレン、ナフタレンテトラカルボン酸、フラバントロン、イソインドリン、テトラクロロイソインドリノン、アントラキノン、アントアントロン、ジオキサジン、フタロシアニン及びアゾレイクなどの有機色素、青色色素60、赤色色素122、赤色色素149、赤色色素177、赤色色素179、赤色色素202、紫色色素29、青色色素15、緑色色素7、黄色色素147及び黄色色素150、並びに上記の色素の1種以上を含んでなる組合せが挙げられる。色素を被覆してマトリックスとの反応を防止するか、又は化学的に不動態化して加水分解若しくは熱分解を促進しうる触媒分解部位を中和してもよい。色素は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.01〜約10重量部の量で用いる。
好適な染料は通常有機材料であり、例えば以下のものが挙げられる。クマリン460(青)、クマリン6(緑)ナイルレッド及び当分野で公知の他のものなどのクマリン染料、ランタニド複合体、炭化水素及び置換炭化水素染料、多環式芳香族炭化水素染料、オキサゾール又はオキサジアゾール染料などの火花染料、アリール−又はヘテロアリール置換ポリ(C2−8)オレフィン染料、カルボシアニン染料、インダンスロン染料、フタロシアニン染料、オキサジン染料、炭素スチリル染料、ナフタレンテトラカルボン酸染料、ポルフィリン染料、ビス(スチリル)ビフェニル染料、アクリジン色素、アントラキノン染料、シアニン染料、メチン染料、アリールメタン染料、アゾ染料、インジゴイド染料、チオインジゴイド染料、ジアゾニウム染料、ニトロ染料、キノンイミン染料、アミノケトン染料、テトラゾリウム染料、チアゾール染料、ペリレン染料、ペリノン染料、ビス−ベンゾキサゾリルチオフェン(BBOT)、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、チオキサンテン染料、ナフタリミド染料、ラクトン染料、アンチストークス(近赤外線の波長を吸収して可視波長を放射する染料、及び当分野で公知の他のもの)などのフルオロフォア、5−アミノ−9−ジエチルイミノベンゾ(a)フェノキサゾニウム過塩素酸などの蛍光染料、7−アミノ−4−メチルカルボスチリル、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、3−(2’−ベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ビフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ビフェニル)−6−フェニルベンゾキサゾール−1,3、2,5−ビス−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス−(4−ビフェニル)−オキサゾール、4,4’−ビス−(2−ブチルオクチルオキシ)−p−クアテルフェニル、p−ビス(o−メチルスチリル)−ベンゼン、5,9−ジアミノベンゾ(a)フェノキサゾニウム過塩素酸、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン、1,1’−ジエチル−2,2’−カルボシアニンイオジド、1,1’−ジエチル−4,4’−カルボシアニンイオジド、3,3’−ジエチル−4,4’,5,5’−ジベンゾチアトリカルボシアニンイオジド、1,1’−ジエチル−4,4’−ジカルボシアニンイオジド、1,1’−ジエチル−2,2’−ジカルボシアニンイオジド、3,3’−ジエチル−9,11−ネオペンチレンチアトリカルボシアニンイオジド、1,3’−ジエチル−4,2’−キノリルオキサカルボシアニンイオジド、1,3’−ジエチル−4,2’−キノリルチアカルボシアニンイオジド、3−ジエチルアミノ−7−ジエチルイミノフェノキサゾニウム過塩素酸、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンイオジド、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンイオジド、3,3’−ジエチルチアジカルボシアニンイオジド、3,3’−ジエチルチアトリカルボシアニンイオジド、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、2,2’−ジメチル−p−クアテルフェニル、2,2−ジメチル−p−テルフェニル、7−ジメチルアミノ−1−メチル−4−メトキシ−8−アザキノロン−2、7−ジメチルアミノ−4−メチルキノロン−2、7−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、2−(4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−エチルベンゾチアゾリウム過塩素酸、2−(6−(p−ジメチルアミノフェニル)−2,4−ネオペンチレン−1,3,5−ヘキサトリエニル)−3−メチルベンゾチアゾリウム過塩素酸、2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム過塩素酸、3,3’−ジメチルオキサトリカルボシアニンイオジド、2,5−ジフェニルフラン、2,5−ジフェニルオキサゾール、4,4’−ジフェニルスチルベン、1−エチル−4−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム過塩素酸、1−エチル−2−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジニウム過塩素酸、1−エチル−4−(4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−キノリウム過塩素酸、3−エチルアミノ−7−エチルイミノ−2,8−ジメチルフェノキサジン−5−イウム過塩素酸、9−エチルアミノ−5−エチルアミノ−10−メチル−5H−ベンゾ(a)フェノキサゾニウム過塩素酸、7−エチルアミノ−6−メチル−4−トリフルオロメチルクマリン、7−エチルアミノ−4−トリフルオロメチルクマリン、1,1’,3,3,3’,3’−ヘキサメチル−4,4’,5,5’−ジベンゾ−2,2’−インドトリカルボシアニンイオジド、1,1’,3,3,3’,3’−ヘキサメチルインドジカルボシアニンイオジド、1,1’,3,3,3’,3’−ヘキサメチルインドトリカルボシアニンイオジド、2−メチル−5−t−ブチル−p−クアテルフェニル、N−メチル−4−トリフルオロメチルピペリジノ−<3,2−g>クマリン、3−(2’−N−メチルベンズイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン、2−(1−ナフチル)−5−フェニルオキサゾール、2,2’−p−フェニレン−ビス(5−フェニルオキサゾール)、3,5,3””,5””−テトラ−t−ブチル−p−セキシフェニル、3,5,3””,5””−テトラ−t−ブチル−p−キンクフェニル、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−アセチルキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−カルボエトキシキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−メチルキノリジノ−<9,9a1gh>クマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−9−(3−ピリジル)−キノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロキノリジノ−<9,9a,1−gh>クマリン、3,3’,2”,3’”−テトラメチル−p−クアテルフェニル、2,5,2””,5’”−テトラメチル−p−キンクフェニル、P−テルフェニル、P−クアテルフェニル、ナイルレッド、ローダミン700、オキサジン750、ローダミン800、IR 125、IR 144、IR 140、IR 132、IR 26、IR 5、ジフェニルヘキサトリエン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタレン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、ピレン、クリセン、ルブレン、コロネン、フェナントレン及び当分野で公知の他のもの、並びに上記の染料の1種以上を含んでなる組合せ。染料は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.1重量ppm〜約10重量部の量で用いる。
物品に噴霧できるか又は熱可塑性組成物中で加工できる、モノマー、オリゴマー又はポリマー性の帯電防止添加物を好適に使用できる。モノマー性帯電防止剤の例としてはモノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール及び当分野で公知の他の長鎖エステル、ソルビタンエステル、及びエトキシル化アルコール、アルキル硫酸、アルキルアリール硫酸、アルキルリン酸、アルキルアミン硫酸、ステアリールスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及び当分野で公知の他のアルキル硫酸、フッ化アルキル硫酸、ベタイン及び当分野で公知の他のものが挙げられる。上記の帯電防止剤の組合せを用いてもよい。典型的なポリマー帯電防止剤としては特定のポリエーテルエステルが挙げられ、各々ポリアルキレングリコール部分を含んでなり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及び当分野で公知の他のものが挙げられる。かかるポリマー帯電防止剤は市販されており、例えばPELESTAT(商標)6321(SANYO社)、PEBAX(商標)MH1657(Atofina社)及びIRGASTAT(商標)P18及びP22(Ciba−Geigy社)が挙げられる。帯電防止剤として使用できる別のポリマー物質はポリチオフェン(バイエル社から市販)などの固有の伝導性ポリマーであり、それは高温で溶融処理した後も一部の固有伝導率を保持する。一実施形態では、炭素繊維、炭素ナノ繊維、炭素ナノチューブ、カーボンブラック又は上記のいかなる組合せを化学帯電防止剤を含んでなる重合樹脂に用いて、組成物の静電気を消散させてもよい。帯電防止剤は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.1〜約10重量部の量で用いる。
発泡が望ましい場合、好適な発泡剤として例えば低沸点ハロ炭化水素及び二酸化炭素を生成するもの、室温で固体であり、その分解温度より高い温度に加熱されるとガス(例えば窒素、カーボン25二酸化アンモニアガス)を生成する発泡剤であって、例えばアゾジカーボンアミド、アゾジカーボンアミドの金属塩、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム及び当分野で公知の他のもの、又は上記発泡剤の少なくとも一つからなる組合せが挙げられる。発泡剤は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.5〜約20重量部の量で用いる。
滴下防止剤を用いてもよく、例えば繊維形成フルオロポリマー又は非繊維形成フルオロポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))が挙げられる。滴下防止剤は上記の通りに剛性共重合体(例えばSAN)でカプセル化してもよい。SANでカプセル化したPTFEはTSANとして公知である。カプセル化フルオロポリマーはフルオロポリマーの存在下(例えば水中に分散)で封入ポリマーを重合させ作製できる。TSANが組成物中で即座に分散できるという点で、TSANはPTFEを凌ぐ顕著な利点を与えることができる。好適なTSANはカプセル化フルオロポリマーの総重量に対して例えば約50重量%のPTFE、及び約50重量%のSANを含んでいてもよい。SANは例えば共重合体の総重量に対して約75重量%のスチレン及び約25重量%のアクリロニトリルを含んでなってもよい。あるいはフルオロポリマーを第2のポリマー(例えば芳香族ポリカーボネート樹脂又はSAN)と共に幾つかの方法で前混合し、滴下防止剤として用いる塊り材料を形成してもよい。いずれの方法をカプセル化フルオロポリマーの製造に用いてもよい。滴下防止剤は組成物中のすべての樹脂の総重量100重量部に対して通常約0.1〜約10重量部の量で用いる。
当分野で通常利用可能な方法によって熱可塑性組成物を製造でき、例えば一実施形態では、1つの工程では、粉末状ポリカーボネート又はポリカーボネート、必要な場合は別の樹脂、耐衝撃性改良剤組成物、及び/又は別の追加成分を、適宜裁断ガラス繊維又は他の充填材と共に最初に添加し、高速ミキサー(例えば当分野で公知のヘンシェル(商標)又は別のミキサー)で混合する。別の低剪断工程(手動による混合を含むがこれに限らない)によってもこの混合が可能である。混合物をさらにホッパーを介して二軸押出機のスローとに注入する。あるいは1つ以上の成分をサイドスタッファーを介して押出機のスロート及び/又は下流に直接供給して組成物に添加してもよい。かかる添加物は所望の重合樹脂と共にマスターバッチで混合し、押出機に注入してもよい。添加物をポリカーボネート系材料又はABS系材料のいずれかに添加して濃縮物を調製してもよく、その後これを最終生成物に添加する。押出機は通常組成物を流動させるのに必要な温度よりも高い温度で作動させ、典型的には500°F(260℃)〜650°F(343℃)である。押出し物は水槽中で直ちにクエンチし、ペレット化する。そのように調製したペレットを押出してカットした場合、必要に応じて4分の1インチ以下の長さにしてもよい。かかるペレットを次のモールディング、成形又は加工に用いてもよい。
熱可塑性組成物を含んでなる成形、加工又はモールディングされた物品も提供する。熱可塑性組成物を例えば射出成形、押出、回転成形、吹込み成形及び熱成形などの様々な手段によって以下のような有用な加工物品に成形できる。例えば、コンピュータ及び事務機器ハウジング(例えばモニター用ハウジング)、携帯用電子装置ハウジング(例えば携帯電話、電気コネクタ及び照明器具の部品のハウジング)、装飾、家庭用器具、屋根、温室、サンルーム、プールエンクロージャー及び当分野で公知の他のものが挙げられる。
組成物には事業機器及び機器ハウジングにおける具体的な用途が見出され、例えばコンピュータ、DVD、プリンタ及びデジタルカメラ、並びに押し出しシート及び当分野で公知の用途が挙げられる。
本明細書に記載する熱可塑性組成物は特性のバランスを大幅に向上させるものであった。特に好適な特徴としては、熱可塑性組成物により延性及び耐衝撃強度を顕著に低下させることなく物理的性質の良好なバランスと共に改良された難燃性能が実現できる。
本明細書に記載の組成物は上記以外にも、優れた物理的性質及び良好な加工性をさらに有しうる。
以下の表1に記載の成分から調製した非限定的な実施例で本発明をさらに例示する。
Figure 2009510217
JSW二軸押出機TEX−44を用いた溶融押出で260℃(500°F)の名目溶融温度、400rpmでサンプルを調製した。押出し物をペレット化し、90℃(194°F)で約4時間乾燥させた。
試験標本を作製するため、乾燥ペレットを525℃(977°F)の名目温度で85トン射出成型機で射出成形した。射出成型機のバレル温度は285℃(545°F)から約300℃(572°F)に変化した。標本は後述するようにASTM基準又は別の特別な試験方法に準拠し試験した。
ASTM D256試験に対する8分の1インチ(3.12mm)の棒によるアイゾット衝撃強度(ノッチあり)(NII)により測定した。アイゾット衝撃強度 ASTM D256をプラスチック材料の耐衝撃強度の比較に用いた。試験標本を標本上のノッチのある領域で分裂させるのに必要な衝撃エネルギー(ジュール)として結果を定義した。結果をJ/mで表した。
本発明の熱可塑性ポリカーボネート組成物は諸特性の良好なバランス及び適宜に良好な難燃性能を有していた(例えば23℃において厚さ3.2mmの棒を用いたASTM D256試験で測定したとき約50J/m超、好適には約60J/m超、より好適には約70J/m超のアイゾット衝撃強度(ノッチあり)、ASTM D790試験により測定したとき最低3500MPaの曲げ弾性、並びに最低約4.0の靭性が挙げられる)。
厚さ4分の1インチ(4mm)の棒を使用して、2.5mm/分の速度で、ASTM D790試験により曲げ弾性を測定した。
熱変形温度(HDT)は材料が高温で短い時間荷重を支える能力を相対的に測定する方法である。
該試験は温度が剛性に与える効果を測定するもので、標準試験片の表面に一定のストレスを与え、温度を一定速度で上昇させる。熱変形試験(HDT)は平面厚4mmの棒(1.82MPaで成形された引張棒)を使用してASTM D648により測定した。
張力破壊伸長はI型の3.2mm棒を用いたASTM D638に対する、厚さ4mmの成形された張力棒を使用した試験により測定した。靭性(屈曲圧力)は2.5mm/分の速度で30mmの試験幅による、8分の1インチ(3.2mm)のASTM アイゾット棒における屈曲−曲げ試験により測定した。
靭性又は屈曲圧力は破壊前の最大曲げ圧力である。
「Tests for Flammability of Plastic Materials,UL94」という題名のUnderwriterのLaboratory Bulletin 94の手順に準拠し引火性試験を実施した。燃焼速度、消炎時間、滴下防止能力、及び滴が燃焼しているか否かなどに基づき、幾つかの評価を適用できる。この手順に従い、材料を5つのサンプルから得られた試験結果に基づきHB、V0、UL94 V1、V2、5VA及び/又は5VBに分類した。これらの組成物について試験した引火性分類又は「難燃性」の基準は以下の通りである。
V0:
長軸が炎と180°の角度で配置されたサンプルにおいて、着火の炎を除去した後の燃焼する及び/又はくすぶる平均時間が5秒を上回ってはならず、また垂直に配置されたサンプルのいずれも脱脂綿に着火する燃焼粒子の滴下を生じてはならない。5本の棒の消炎時間(FOT)とは5本の棒における消炎時間の合計であり、消炎時間を最大50秒とするために各々2度点火する。
V1:
長軸が炎と180°の角度で配置されたサンプルにおいて、着火の炎を除去した後の燃焼する及び/又はくすぶる平均時間が25秒を上回ってはならず、また垂直に配置されたサンプルのいずれも脱脂綿に着火する燃焼粒子の滴下を生じてはならない。5本の棒の消炎時間とは5本の棒における消炎時間の合計であり、消炎時間を最大250秒とするために各々2度点火する。
表1の材料を用いて上記の方法に従い試料を調製し、上記の試験方法に従い試験を実施した。サンプル組成及び試験結果を下記の表2に示す。
Figure 2009510217
上記の結果により、ビニル又はメタクリル酸で官能化された本発明の特定のシランカップリング剤を少量含む本発明の組成物が耐衝撃性において顕著な改善効果を示し、同時に1.2mm(特に0.8mm厚)以下の厚さでのUL 94 V0規格も満足できることが明らかとなった。好適に本発明の官能化シランカップリング剤を含まない混合物(例えば比較例3、4及び5)では諸特性の不良なバランス、弱い衝撃強度、靭性及び引張伸長を示していた。物理的性質及び諸特性のバランスはシランカップリング剤を含まない組成物の場合と類似していた。さらに比較例4では唯一0.8mmにおいてUL94 V1規格であった。実施例6と比較例7の比較により、少量の充填材を含み、ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体を含まないときでも、官能化シランカップリング剤の添加により組成物の物理的性質、特に靭性及びアイゾット衝撃強度を改善することが示された。
本明細書で用いる「第1」、「第2」及び当分野で公知の他の用語はいかなる順番又は重要性も意味せず、むしろ1つの要素と他方を区別するために用い、「該」、「1つの」という用語は量の限定を意味せず、むしろ参照される項目が少なくとも1つ存在することを意味する。同じ特性又は量に関して本明細書で開示するすべての範囲はその端部を含み、各々の端部は独立に併合が可能である。すべての特許、特許出願及び他の引用文献はその開示内容が援用によって本発明の一部をなす。
量に関して用いる「約」の修飾語は特定の値に加え、さらにその前後を示す意味を含む(例えば特定の値の測定に関連する一定の誤差を含む)。
「適宜の」又は「適宜に」という用語はその後に記載する事象又は状況が発生できるか又はできないこともあることをいい、その記載には該事象が起こる場合も起こらない場合も含まれる。
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の技術的範囲内で様々な変更をなすことができ、構成要素を均等物で置換できることは当業者には明らかあろう。さらに、本発明の技術的範囲内で、特定の状況又は材料を本発明の教示内容に適合させるため多くの修正をなすことができる。したがって、本発明は、その最良の実施の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に属するあらゆる実施形態を包含する。

Claims (22)

  1. 熱可塑性組成物であって、
    ポリカーボネート樹脂、
    式(X)3−n(CHSi−R−Yの官能化シランカップリング剤(式中、Rは1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、YはOCOC(R)=CH及びCH=CHからなる群から選択される官能基であり、式中、Rは水素又は1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、XはCHO−、CO−及びCHOCO−からなる群から選択される加水分解基であり、nは0又は1である。)、及び
    充填材
    を含んでなる熱可塑性組成物。
  2. 前記シランカップリング剤がビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びメタクリルオキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
  3. 前記充填材がタルク、クレイ、雲母、ウォラストナイト、シリカ、クォーツ、ガラス及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1記載の組成物。
  4. ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体をさらに含んでなる請求項1記載の組成物。
  5. 前記組成物が難燃剤をさらに含んでなり、該難燃剤が有機リン酸を含んでなる、請求項1記載の組成物
  6. 前記組成物が1.2mmの以下の厚でUL94 V0規格を満足できる、請求項5記載の組成物
  7. 前記組成物が0.8mmの厚でUL94 V0規格を満足できる、請求項6記載の組成物
  8. 耐衝撃性改良剤をさらに含んでなる、請求項1記載の組成物。
  9. 前記耐衝撃性改良剤がABS、MBS、バルクABS、AES、ASA、MABS及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8記載の組成物。
  10. 前記耐衝撃性改良剤が
    (i)10℃未満のTgを有するブタジエン、(ii)スチレンなどのモノビニル芳香族系モノマー及びアクリロニトリルなどの不飽和ニトリルの共重合体を含んでなる剛性ポリマー相を含むエラストマー相を含んでなるバルクABSである、請求項9記載の組成物。
  11. 請求項1記載の組成物を含んでなる物品。
  12. 物品の形成方法であって、請求項1記載の組成物を鋳造、押出、成形又は加工して物品を形成することを含んでなる方法。
  13. 熱可塑性組成物であって、
    ポリカーボネート樹脂、
    式(X)3−n(CHSi−R−Yの官能化シランカップリング剤(式中、Rは1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、YはOCOC(R)=CH及びCH=CHからなる群から選択される官能基であり、式中、Rは水素又は1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、XはCHO−、CO−及びCHOCO−からなる群から選択される加水分解基であり、nは0又は1である。)、
    充填材、及び
    難燃剤を含んでなり、該組成物が1.2mmの以下の厚みでUL94 V0規格を満足できる熱可塑性組成物。
  14. 耐衝撃性改良剤をさらに含んでなる、請求項13記載の組成物。
  15. 前記シランカップリング剤がビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、及びメタクリルオキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される、請求項13記載の組成物。
  16. ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体をさらに含んでなる、請求項13記載の組成物。
  17. 熱可塑性組成物であって、
    ポリカーボネート樹脂、
    耐衝撃性改良剤、
    式(X)3−n(CHSi−R−Yの官能化シランカップリング剤(式中、Rは1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、YはOCOC(R)=CH及びCH=CHからなる群から選択される官能基であり、式中、Rは水素又は1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、XはCHO−、CO−及びCHOCO−からなる群から選択される加水分解基であり、nは0又は1である。)、
    充填材、及び
    ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体
    を含んでなる熱可塑性組成物。
  18. 前記組成物が難燃剤をさらに含んでなり、該難燃剤が有機リン酸を含んでなる、請求項17記載の組成物。
  19. 前記組成物が1.2mm以下の厚でUL94 V0規格を満足できる、請求項18記載の組成物。
  20. 前記シランカップリング剤がビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリルオキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される、請求項17記載の組成物。
  21. 請求項17記載の組成物を含んでなる物品。
  22. 熱可塑性組成物であって、
    ポリカーボネート樹脂、
    耐衝撃性改良剤、
    式(X)3−n(CHSi−R−Yの官能化シランカップリング剤(式中、Rは1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、YはOCOC(R)=CH及びCH=CHからなる群から選択される官能基であり、式中、Rは水素又は1〜8個の炭素原子を有する一価炭化水素であり、XはCHO−、CO−及びCHOCO−からなる群から選択される加水分解基であり、nは0又は1である。)、
    充填材、
    ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体、及び
    難燃剤
    を含んでなる熱可塑性組成物。
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