JP2009525989A - 腫瘍溶解性ウイルスの治療を増強させる局所的免疫抑制の使用 - Google Patents

腫瘍溶解性ウイルスの治療を増強させる局所的免疫抑制の使用 Download PDF

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Abstract

本明細書で提供されるは、腫瘍部位でもしくはその近傍で腫瘍溶解性ウイルスおよび免疫抑制剤を投与することを含む、対象における固形腫瘍を治療しまたは改善する方法である。

Description

関連出願書類との相互参照
本出願書類の特許請求の範囲は、2006年2月13日に出願された特許文献1および2006年4月3日に出願された特許文献2の優先権の利益を受け、それらの全体が本明細書中に参照として取り入れられる。
本発明は、腫瘍溶解性ウイルス(Oncolytic viruses)の治療を受けることによってその治療の有効性をも増強させる、対象における局所的免疫抑制の使用に関する。
米国単独でも、毎年100万人以上の人々が癌と診断されている。医学研究における多大な前進にも関わらず、癌は米国における2番目に多い死亡原因となっている。先進工業国では、おおまかに5人に1人の人間が癌で亡くなっている。新規治療戦略の探索の中で、腫瘍細胞を特異的に殺すための実行可能な手法として、近年腫瘍溶解性ウイルスによる治療が現れている。慣習的な遺伝子治療と違って、この手法は、ウイルス複製およびそれに伴う細胞溶解によって腫瘍組織中で拡大することが可能な、複製競合ウイルスを用いて、癌の代替的な治療を提供する。ウイルスは、選択的に複製しがん細胞を殺すように今や設計されている。
腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞を殺すために多様な作用機構である、細胞溶解、細胞アポトーシス、抗血管新生および細胞ネクローシスを利用し得る。ウイルスは腫瘍細胞に感染後、複製を開始する。ウイルスは、腫瘍細胞がウイルスをそれ以上含むことができなくなった時に、宿主細胞の膜を溶解させる(破壊する)まで、複製をし続ける。腫瘍細胞は破壊され、新しく作られたウイルスが近傍のがん細胞に広がって、このサイクルを繰り返す。腫瘍溶解性ウイルスはがん細胞でのみ複製して、正常組織に害を引き起こすことなく通過するように意図されている。それゆえに、いったんすべての腫瘍細胞が全滅してしまえば、腫瘍溶解性ウイルスはもはや複製するための能力を失い、免疫システムが人体から腫瘍溶解性ウイルスを除去する。
米国特許出願第60/773,068号明細書 米国特許出願第60/788,898号明細書
過去数年以上にわたって、ウイルスによる細胞傷害性の分子機構についての新しい知見により、効率的な腫瘍溶解性ウイルスを設計するための科学的な合理性が提供されている。分子生物学での近年の前進によって、複数の遺伝的に改変されたウイルスを設計することが可能になっており、例えばそれには、腫瘍細胞で特異的に複製し、腫瘍細胞を殺すアデノウイルスや単純ヘルペスウイルスがある。他方で、元々腫瘍溶解性の能力を有するウイルスもまた、治療目的のために評価されている。該して、前臨床試験においての腫瘍溶解性ウイルス治療の有効性が実証されているにも関わらず、臨床試験での治療上の有効性は依然として最適化されていない。それゆえに、条件付きで複製するウイルスの治療上の可能性をさらに増強させるような治療戦略が評価されている。
本明細書で提供されるものは、腫瘍部位でもしくはその近傍で腫瘍溶解性ウイルスおよび免疫抑制剤を投与することを含む、対象における固形腫瘍を治療しまたは改善する方法である。
提供される方法の1つもしくは複数の実施形態の詳細は、以下の添付の図および記述の中で説明される。他の特徴、目的、および利点は、記述および図から、および特許請求の範囲から明らかであろう。
本出願書類の中で用いられる用語は、特に明記されない限り以下のように定義される。本明細書で用いられる見出しは、単に構成上の目的であって、本明細書で提供される記述または本明細書に付随の特許請求の範囲を制限することを意味していない。
「新生細胞」、「腫瘍細胞」、または「増殖障害(proliferative disorder)を有する細胞」は、異常に高速度で増殖する細胞を意味する。新生細胞を含む新生物(new growth)は新生物(neoplasm)であって、腫瘍(tumor)としても知られている。腫瘍は、はっきりと区別できる塊を一般的に形成する、異常組織成長であり、正常組織の成長よりも早く細胞増殖によって成長する。腫瘍は、正常組織との構造的構成および機能的調和を部分的もしくは完全に失っていることを示し得る。本明細書で用いられるように、腫瘍は固形腫瘍のみならず造血系腫瘍も包含することを意図している。
腫瘍は良性であってよく(良性腫瘍)または悪性であってよい(悪性腫瘍もしくは癌)。悪性腫瘍は大ざっぱには3つの主要な型に分類することができる。上皮構造から生じる悪性腫瘍は、上皮性悪性腫瘍と呼ばれる;結合組織、例えば筋肉、軟骨、脂肪もしくは骨など由来の悪性腫瘍は、非上皮性悪性腫瘍と呼ばれる;ならびに免疫システムの部分を含む造血系構造(血球形成に関する成分)に影響を与える悪性腫瘍は、白血病やリンパ腫と呼ばれる。他の腫瘍には、それだけには限られないが、神経線維腫が含まれる。
「病変」は損傷、外傷、または構造的に異常な部分である。腫瘍を抱える対象のからみで、特に明記しない限り、病変とは腫瘤である。
「Rasが活性化されている新生細胞」または「Rasで媒介される新生細胞」とは、少なくとも部分的に、ras経路の活性化によって異常に早い速度で増殖する細胞を意味する。このras経路は、ras遺伝子の突然変異、ras遺伝子発現量の上昇、ras遺伝子のメッセンジャーRNAの安定性の向上、またはrasの活性化につながるいずれかの突然変異もしくは他の機構、またはras経路におけるrasの上流もしくは下流における因子(複数可)によって活性化される可能性があり、それによって、ras経路の活性が上昇される。例えば、EGFレセプター、PDGFレセプターまたはSOSの活性化により、ras経路の活性化が生じる。Rasで媒介される新生細胞は、限定されないが、ras経路の活性化によって悪性の態様で増殖する、rasで媒介される癌細胞が含まれる。
「ウイルスによる感染」は、細胞内へのウイルスの侵入および複製を意味する。同様に、「ウイルスによる腫瘍の感染」は、腫瘍細胞内へのウイルスの侵入および複製を意味する。
「レオウイルス」とは、天然の、改変された、もしくは組換えによる、レオウイルス属に分類される任意のウイルスを意味する。レオウイルスは、2本鎖の分節されたRNAゲノムを有するウイルスである。ビリオンは直径で60から80nmであり、2つの同心性のキャプシドの殻を有し、それぞれの殻は20面体である。ゲノムは全ゲノムサイズが16〜27kbpである10〜12の分離した分節の2本鎖RNAから構成される。個々のRNA分節はサイズが異なっている。3つの型の、別々だが関連性のあるレオウイルスが多くの種より発見されている。3つ全ての型は、共通の補体結合抗原を共有する。
ヒトレオウイルスは3つの血清型から成る:型1(株LangもしくはT1L)、型2(株Jones、T2J)、および型3(株Dearingもしくは株Abney、T3D)。3つの血清型は、中和アッセイおよび血球凝集素阻害アッセイに基づいて容易に識別可能である(例えば、Fields,B.N. et al.,1996を参照のこと)。
レオウイルスは天然のものでも改変されたものでもよい。レオウイルスは、天然での供給源から単離されることが可能なときに「天然のもの」であり、実験室において人によって意図的に改変されたものではない。例えば、レオウイルスは「現場の供給源(field source)」由来であることが可能であり、すなわち、レオウイルス感染しているヒト由来であり得る。レオウイルスは、腫瘍溶解性活性を増強させるために、選択されまたは変異生成化されてもよい。
レオウイルスは改変されてもよいが、それでもなお活性のあるras経路を有する哺乳細胞に溶解的に感染することが可能であってよい。レオウイルスは、増殖している細胞に投与するのに先行して、(例えば、例としてキモトリプシンまたはトリプシンのようなプロテアーゼで処理することによって)化学的にあるいは生化学的に事前処理されてもよい。プロテアーゼで事前処理することにより、ウイルスの外殻またはキャプシドを除去し、ウイルスの感染性を上昇させてもよい。レオウイルスは、リポソームまたはミセルでコーティングしてもよい(Chandran and Nibert, 1998)。例えば、ビリオンを、ミセルを形成させる濃度でのアルキル硫酸塩の界面活性剤の存在下で、キモトリプシンで処理することにより、新しい感染性のサブビリオン(subvirion)粒子(ISVP)を生成させてもよい。
レオウイルスは、2つ以上の遺伝的に異なったレオウイルス由来のゲノム分節の組換え/混ぜ合わせより生じる組換えレオウイルスであってよい。レオウイルスのゲノム分節の組換え/混ぜ合わせは、少なくとも2つの遺伝的に異なるレオウイルスで、宿主の器官を感染させた後に天然で生じさせてもよい。組換えビリオンもまた細胞培養において生成することが可能であり、例えば、遺伝的に異なるレオウイルスによって許容状態の(permissive)宿主を共感染させることによって生成され得る(Nibert et al. 1995)。
したがって、本発明は、2つ以上の遺伝的に異なるレオウイルス由来のゲノム分節の混ぜ合わせから生じる組換えレオウイルスの使用を意図しており、それには限定されないが、ヒトレオウイルス、例えば型1(例として株Lang)、型2(例として株Jones)、および型3(例として株Dearingもしくは株Abney);非ヒト哺乳動物のレオウイルス;または鳥類のレオウイルスが含まれる。本発明はさらに、2つ以上の遺伝的に異なるレオウイルス由来のゲノム分節の混ぜ合わせから生じる組換えレオウイルスの使用を意図しており、そこでは少なくとも1つの親ウイルスが遺伝的に設計されており、化学的変異原もしくは物理的変異原で処理されて、化学的に合成されたゲノム分節を1つ以上含むか、またはそれ自身が組換え事象の結果物である。本発明はさらに、化学的突然変異誘発要因(限定されないが、ジメチルスルフェートおよびエチジウムブロマイドが含まれる)、または物理的突然変異誘発要因(限定されないが、紫外線およびある種の放射線が含まれる)の存在下で組換え反応を受ける組換えレオウイルスの使用を意図する。
本発明はさらに、宿主細胞のゲノムとの組換えの結果としてさらなる遺伝情報を含む、あるいは合成遺伝子を含む、1つ以上のゲノム分節における欠失もしくは重複を含む、組換えレオウイルスの使用を意図する。
レオウイルスは突然変異外殻タンパク質(coat protein)の取込みによって改変されてもよく、例えばそれは、例としてビリオン外キャプシド(outer capsid)内である。タンパク質は、置換、挿入、または欠失によって突然変異させてもよい。置換には、天然のアミノ酸の位置に異なるアミノ酸を挿入することが含まれる。挿入には、1つ以上の位置においてタンパク質内にさらなるアミノ酸残基を挿入することが含まれる。欠失には、タンパク質での1つ以上のアミノ酸残基の欠失が含まれる。このような突然変異は当該技術分野に周知の方法を用いて作成される。例えば、外殻タンパク質の1つをコードする遺伝子のオリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発によって、所望の変異外殻タンパク質の生成が可能となる。in vitroでのレオウイルスに感染した哺乳類細胞、例えばCOS1細胞などにおける変異タンパク質の発現により、レオウイルスビリオン粒子内への変異タンパク質の取込みが生じる(Turner and Duncan, 1992; Duncan et al., 1991; Mah et al., 1990)。
レオウイルスは、レオウイルスを改変させて、レオウイルスに対する免疫反応を減少させまたは除去させたものが好ましい。このような改変レオウイルスは、「免疫保護された(immunoprotected)レオウイルス」と称される。このような改変には、免疫システムからレオウイルスを隠すために、リポソーム、ミセル、または他のビヒクル(vehicle)にレオウイルスをパッケージすることが含まれ得る。または、レオウイルスのビリオン粒子の外キャプシドを取り除いてもよく、なぜなら外キャプシドに存在するタンパク質は、宿主の液性および細胞内応答の主要な決定因子だからである。
本明細書で用いられるように、放射線に対して新生細胞を「敏感にさせること」は、放射線に対する新生細胞の感受性を増強させる作用を意味する。
放射線に対する新生細胞の「感受性(sensitivity)」は、放射線の阻害効果に対する新生細胞の感受性(susceptibility)である。例えば、放射線に対する新生細胞の感受性は、放射線応答による細胞の成長速度における減少によって示唆されてもよい。感受性は、新生細胞によって引き起こされる症候の減少によっても示されてよい。
放射線に対して「耐性」である新生細胞は、放射線によって殺されたり成長阻害されない新生細胞である。新生細胞が成長阻害されるかどうかを決定するために、放射線の存在下もしくは不存在下での細胞の成長速度を、例えば細胞計数などの、当該技術分野で確立された方法を用いて測定することができる。もし放射線のある場合とない場合で成長速度が著しく異ならない場合には、新生細胞は放射線によって成長は阻害されない。
放射線に対して「耐性」である腫瘍は、放射線の存在下で、腫瘍のサイズの増加または重量の増加の速度が変化しない。また、もし腫瘍を抱える対象が、対象が放射線を受けようと受けまいと、似たような症状または腫瘍の指標を示す場合には、腫瘍は癌に耐性である。例えば、白血球細胞の計数は、白血病の指標として通常用いられる。もし白血病患者の白血球細胞計数が、放射線を受けた後も有意に変化しない場合には、この患者の白血病は放射線に対して耐性である。
対象へのウイルスの「投与」は、標的新生細胞と接触できるような態様で、対象にウイルスを投与する行為を意味する。ウイルスを投与する投与法は、製剤、担体、またはビヒクルのみならず、標的細胞の位置や種類に依存する。広範な様々な投与法が用いられ得、以下にさらなる詳細を論じる。
「腫瘍溶解性ウイルス」は、好ましくは新生細胞で複製し、新生細胞を殺すウイルスである。腫瘍溶解性ウイルスは、天然のウイルスまたは設計されたウイルスであってよい。腫瘍溶解性ウイルスもまた、レオウイルスに関して詳細に記述したように、免疫保護されたウイルスおよび再集合体(混ぜ合わせの)ウイルスを包含する。天然の供給源より単離が可能であり、実験室で人によって意図的に改変されていない場合、ウイルスは「天然」である。例えば、ウイルスは「現場の供給源」由来であることが可能であり、すなわち、感染動物由来であることが可能である。人の介在によって改変された場合に、ウイルスは「設計」される。
「転移性腫瘍」は、同一動物内での別の場所に位置する腫瘍より転移する腫瘍である。
「有効量」は、意図する効果を生じさせるのに十分な照射線(irradiating
agent)またはレオウイルスの量である。腫瘍を治療しまたは改善するために用いられる照射線に関して、有効量とは、腫瘍の兆候を軽減させまたは取り除き、あるいは腫瘍の成長を遅らせるのに十分な照射線の量である。
本明細書で用いられるように、用語「治療(法)(treatment)」、「治療する」、「治療(treating)」または「改善する(ameliorating)」は、疾患または病気の効果、あるいは疾患または病気の兆候を減少させる方法を意味する。したがって、開示される方法による治療は、確立されている疾患または病気の重大性あるいは疾患または病気の兆候を、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%減少させまたは改善することを意味する。例えば、癌を治療する方法は、もし対照群と比較して対象の疾患の1つ以上の兆候を10%減少させられれば、治療であるとみなされる。したがって、この減少は、もともとの(native)状態または対照群の水準と比較した場合に、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%であり得るし、あるいは10と100の間の任意の割合の減少であり得る。治療とは、疾患、病気あるいは疾患または病気の症状の治癒または完全なアブレーションを必ずしも意味しないものと理解される。
本明細書で用いられるように、用語「対象」は脊椎動物であってよく、より具体的には哺乳類(例えば、ヒト、馬、豚、ウサギ、犬、羊、ヤギ、非ヒトである霊長類、牛、猫、モルモットまたはげっ歯類)、魚類、鳥類または爬虫類または両生類であってよい。この用語は特定の年齢や性別を意味しない。したがって、成体、新生児の対象や胎児が、雄であろうと雌であろうと、包含されるものと意図される。本明細書で用いられるように、患者または対象は、互換性を有して使用してもよく、疾患または障害で苦しんでいる対象を意味し得る。患者または対象という用語は、ヒトおよび脊椎動物の対象を含む。
腫瘍溶解性ウイルスを複製することによって腫瘍細胞を殺すには、宿主の免疫細胞のクロスプライミングに関する腫瘍抗原の豊富な供給源が提供されるべきである。しかしながら、抗ウイルス免疫反応もまた誘導される。したがって、効果的な抗腫瘍免疫を生成するために、腫瘍溶解性ウイルスによって局所的に腫瘍を殺すことが免疫療法上の利点、または障害物となるかは明らかではない。
腫瘍に効果的な腫瘍溶解性ウイルス療法を受けさせた場合の、ウイルス複製、腫瘍細胞を殺すこと、および(腫瘍抗原およびウイルス抗原の両方に対する)免疫反応間の釣合いがどうなっているかを調べるために、実験を行った。レオウイルス(5×10pfu/導入)を4回導入した確立されたB16メラノーマを腫瘍内に直接注射することにより、約50%のC57B1/6免疫応答性(immunocompetant)マウス(n=8〜10)が治癒されるモデルを用いると、幅広く抗ウイルス免疫反応が生じた。しかし、細胞内サイトカインおよびin vivo CFSE T細胞増殖アッセイである、ELISPOTを用いると、腫瘍内ウイルス療法が実際に、明確な腫瘍抗原に対してT細胞を用意する(prime)ことが可能であることが明らかであった。さらに、ウイルス療法によって治療される動物もまた、腫瘍に対して長期間の免疫記憶を生み出した。これらのデータにより、腫瘍に対する活性化T細胞の度数を上昇させるように設計される追加の手法によって、腫瘍溶解性ウイルス療法の効率が上昇されることが示唆される。したがって、腫瘍溶解性ウイルス療法は、CD4+CD25+制御性T細胞(Treg)の枯渇あるいは腫瘍抗原に特異的な活性化T細胞の養子免疫伝達のいずれかと組合された。これらの結果により、Tregの不存在下での治療効果の減少および治療される腫瘍におけるウイルス複製のより迅速なクリアランスが示される。対照的に、継続的な局所的なウイルス療法は、対照群の腫瘍と比較して4倍以上腫瘍部位における活性化T細胞の誘引を増加させて、ウイルス療法または養子免疫T細胞治療のいずれか単独に比べて、治療の著しい改善をもたらす。
このようにして、局所的なウイルス複製を長引かせ、および/または腫瘍特異的なT細胞の度数を増強させる免疫介入は、局所的な注射された腫瘍および直接ウイルス注射が利用しにくい全身性転移性疾患に対しての両方に、著しい治療的な効果を有する。
したがって、本発明の1つの態様は、固形腫瘍内もしくはその近傍に腫瘍溶解性ウイルスを有効量導入することを含む、対象の固形腫瘍を治療しまたは改善させる方法を提供し、そこでは腫瘍溶解性ウイルスは固形腫瘍細胞を選択的に殺すことが可能であり、ならびに固形腫瘍部位でのもしくはその近傍での局所的な免疫反応を抑制することが可能である。腫瘍溶解性ウイルスの投与手段および局所的な免疫反応の抑制手段は、対象の固形腫瘍を改善しまたは治療するために、所望で反復させることが可能である。この方法は、抗ウイルス免疫反応を中和することによって、固形腫瘍内の腫瘍溶解性ウイルス活性を改良する。腫瘍破壊を媒介する腫瘍溶解性ウイルスの能力は、ウイルスの腫瘍塊全体にわたる複製能力に依存する。腫瘍塊での抗ウイルス免疫は、腫瘍内でのウイルスの拡散を阻害することによって、腫瘍溶解性ウイルス療法の効率性をダメにする。1)ウイルス拡散かつ細胞溶解および2)抗ウイルス免疫反応間のバランスは、腫瘍での、ウイルス複製に有利に働き免疫反応を抑制するように転換し得る。抗ウイルス免疫反応は、例えば、固形腫瘍に対する放射線照射によって、あるいは腫瘍部位もしくはその近傍での免疫抑制剤の投与によって、抑制され得る。好ましくは、局所的な抗ウイルス免疫反応は、放射線によって抑制される。免疫抑制剤は、固形腫瘍での免疫抑制剤を実質的に保持する条件化において投与され得る。免疫抑制剤は、複数回投与によって投与され得る。免疫抑制剤は、抗抗ウイルス抗体であり得る。好ましくは、免疫抑制は、哺乳動物の免疫システムを危険にさらすことなく、固形腫瘍への白血球の浸入の量を減らすのに十分な量である。これは、例えば、放射線もしくは免疫抑制剤を適量使用することによって、および/または固形腫瘍に対する免疫抑制剤を制限することによって、達成し得る。
放射線療法とも呼ばれる、放射線治療法は、一般には電離放射線である、放射線で癌および他の疾患を治療することである。放射線治療法を用いて局所的な固形腫瘍を治療してもよく、例えばそれには、皮膚、舌、喉頭、脳、胸、または子宮頸部の癌がある。放射線はまた、白血病やリンパ腫にも使用可能である。
放射線治療法において使用される放射線の線量はグレイ(Gy)で測定され、治療される癌の種類およびステージに依存して変化する。病気に効果的な(極端な(radical)ケースでは、上皮系固形腫瘍への一般的な線量は50から70Gyの範囲にあり、リンパ腫の腫瘍への一般的な線量は20から40Gyである。予防的な(アジュバント)線量は、一般に2回のGy画分(fractions)において約50から60Gyである。一般に、放射線の全線量は時間で分割される。一般的な分割スケジュールには、限定されないが、1日あたり1.5から2Gyが含まれる。
本明細書で記載されるように、低線量の放射線は、固形腫瘍内の腫瘍溶解性ウイルス活性を改善するのに十分であった。特にわずか5Gyの放射線は、固形腫瘍内の腫瘍溶解性ウイルス活性を改善するのに十分であった。提供される方法において使用される放射線の適切な全線量は、限定されないが、1、5、10、15、20、25、30、35、40および70Gyあるいは1と70Gyの間の任意の放射線線量が含まれる。放射線線量は、腫瘍部位もしくはその近傍で局所的に、単回投与で投与されてもよく、あるいは時間で分割させて投与されてもよい。
通常使用される放射線治療法の1つの種類として、光子(電磁エネルギー)が含まれる。X線は、癌を治療するために用いられる光子放射の最初の形態であった。それらが有するエネルギーの量に応じて、放射線(ray)は、体の表面上の、もしくはより深いところにある癌細胞を破壊するために用いられ得る。直線加速器およびベータトロンは、より大きなエネルギーのX線を生み出す機械である。癌の部位に(例えばX線のような)放射線を集中させるための機械の使用は、「体外照射療法」と呼ばれる。
ガンマ線は、放射線治療法で用いられる別の形態の光子である。ガンマ線は、(例えばラジウム、ウラニウム、およびコバルト60のような)特定の元素が崩壊する際に放射線を放射して、自然に生成される。それぞれの元素は特定の速度で崩壊し、ガンマ線および他の粒子の形態でエネルギーを放出する。X線やガンマ線は癌細胞に対して同じ効果を有する。
がん細胞へ放射線を送達するための別の技術としては、腫瘍または体腔内に直接放射性インプラントを配置することである。これは、体内照射療法と呼ばれ、小線源療法、組織内放射線療法、および脳内放射線療法は、体内照射療法のことである。この治療法では、放射線の線量は、小さい領域に集中される。体内照射療法は、舌、子宮、子宮頸部の癌でしばしば用いられる。
放射線療法に対する複数の新しい手法が、癌を治療する上でのそれらの有効性を測定するために評価されている。そのような技法のひとつには、術中放射線照射があり、大線量の体外照射放射線が、術中に腫瘍および周辺組織において標的とされる。別の試験研究中の手法は、粒子線放射線療法である。この種の治療は、局在化する癌を治療するために動きの速い素粒子を使用する点で、光子照射療法と異なる。非常に精巧な機械が、この手段のために必要とされる粒子を生成し加速するために必要とされる。いくつかの粒子(中性子、パイ中間子、および重イオン)は、X線やガンマ線よりも、組織中を通り抜ける道筋に沿って、より多くのエネルギーを蓄積させ、それによりそれらがぶつかる細胞に損傷を引き起こす。この種の放射線は、高線エネルギー付与(高LET)放射線としばしば呼ばれる。別の最近の放射線療法の研究では、癌の部位に直接的に放射線の線量を送達するために、放射線同位体でラベル付けされた抗体の使用に着目している(放射免疫治療)。
放射線療法の効果を上昇させる方法が盛んに調査されている。2種類の試験研究中の薬剤が、放射線に曝される細胞におけるそれらの効果に関して研究されている。放射線増感剤は腫瘍細胞をより損傷しやすくし、放射線防護剤は放射線の効果から正常組織を保護する。熱を使用する温熱療法もまた、組織を放射線に敏感にさせるためにそれらの有効性が研究されている。当該技術分野で周知の任意の放射線増感剤または放射線防護剤が、本発明と矛盾しない態様で、本発明と併用して使用され得ることが意図される。
本発明で有用な照射線は、当該技術分野で周知の任意の照射線であってよく、限定されないが、X線、ガンマ線(例えば、ラジウム、ウラニウム、もしくはコバルト60によって生成されるガンマ線)、および粒子線(例えば、電子、中性子、パイ中間子、および重イオン)が含まれる。放射線照射は、対外照射療法または体内照射療法(小線源療法、組織内放射線療法、および脳内放射線療法が含まれる)の形態であってよい。照射線は、放射免疫治療として、抗体に連結されていてもよく、あるいは術中放射線療法として、術中に用いてもよい。
提供される方法を実行するために用いられ得る腫瘍溶解性ウイルスには、限定されないが、ミオビラーダ科(myoviridae)、シフォビラーダ科(siphoviridae)、podpviridae、teciviridae、corticoviridae、plasmaviridae、lipothrixviridae、fuselloviridae、poxyiridae、iridoviridae、phycodnaviridae、baculoviridae、herpesviridae、adnoviridae、papovaviridae、polydnaviridae、inoviridae、microviridae、geminiviridae、circoviridae、parvoviridae、hepadnaviridae、retroviridae、cyctoviridae、reoviridae、birnaviridae、paramyxoviridae、rhabdoviridae、filoviridae、orthomyxoviridae、bunyaviridae、arenaviridae、leviviridae、picornaviridae、sequiviridae、comoviridae、potyviridae、caliciviridae、astroviridae、nodaviridae、tetraviridae、tombusviridae、coronaviridae、glaviviridae、togaviridaeおよびbarnaviridaeのメンバーである腫瘍溶解性ウイルスが含まれる。別の腫瘍溶解性ウイルスの、免疫保護された、または再集合体のウイルスもまた、本発明で提供される方法に包含される。さらに、少なくとも2つの腫瘍溶解性ウイルスの組合せが、本発明で提供される方法を実行するために採用され得る。少数の腫瘍溶解性ウイルスが以下において議論され、当業者は、追加の腫瘍溶解性ウイルス、さらには本明細書における開示ならびに当該技術分野において入手可能な知識を用いて、本発明を実行することが可能である。
通常、ウイルスが細胞に侵入すると、2本鎖RNAキナーゼ(PKR)が活性化されてタンパク質の合成を阻害するので、ウイルスは細胞内で複製することができない。いくつかのウイルスは、PKRを阻害するシステムを発達させて、ウイルスの複製のみならずウイルスタンパク質の合成を促進させている。例えば、アデノウイルスは、多量の小さなRNAである、VA1 RNAを作製する。VA1 RNAは高度な2次構造を有し、通常PKRを活性化させる2本鎖RNA(dsRNA)と競合して、PKRに結合する。PKRを活性化するために最小限の長さのdsRNAが必要とされるため、VA1 RNAはPKRを活性化しない。その代わりに、VA1 RNAは、その多量のおかげで、PKRの活性を封じ込める。結果として、タンパク質合成は阻害され、アデノウイルスは細胞内で複製することが可能である。
rasが活性化されている新生細胞では、rasがPKRを不活性化するために、PKRによるタンパク質合成阻害にさらされていない。したがって、これらの細胞は、たとえウイルスがPKR阻害システムを有さなくても、ウイルス感染にさらされやすい。したがって、もしもアデノウイルス、ワクシニアウイルス、単純ヘルペスウイルス、もしくはパラポックスウイルスもしくはインフルエンザウイルスにおけるPKR阻害が突然変異してPKR機能をそれ以上阻害できなくなった場合、結果として生じるウイルスは、PKRによるタンパク質合成阻害のために正常細胞に感染しないが、PKR活性を欠損するrasが活性化されている新生細胞では複製する。
したがって、正常細胞が抵抗性を有するが、rasが活性化されている新生細胞において選択的に複製されるように、PKR機能を阻害しないよう、ウイルスは改変されまたは突然変異生成される。好ましくは、ウイルスは、VA1 領域において変異しているアデノウイルス、K3Lおよび/またはE3L領域において変異しているワクシニアウイルス、OV20.0L遺伝子において変異しているパラポックスウイルス、NS−1遺伝子において変異しているインフルエンザウイルスである。好ましくは、このウイルスは、γ134.5遺伝子において変異しているヘルペスウイルスではない。
ウイルスは、ウイルスのPKR阻害物質の周知の構造―機能関係に従って、改変されまたは突然変異生成されてよい。例えば、E3タンパク質のアミノ末端領域は、PKRのカルボキシ末端領域と相互作用するので、この領域の欠失もしくは点突然変異は、抗PKR機能を妨害する(Chang et al., 1992, 1993, 1995; Sharp et al., 1998; Romano et al., 1998)。ワクシニアウイルスのK3L遺伝子は、PKRの偽基質である、pK3をコードする。K3L内に機能欠失突然変異が存在する。eIF−2における残基79から83に相同であるK3Lタンパク質内のC末端部分内での切断変異または点突然変異は、PKRの阻害活性を失活させる(Kawagishi-Kobayashi et al., 1997)。
別の例には、E1A領域において24塩基対の欠失を有する突然変異アデノウイルスであるDelta24ウイルスがいる(Fueyo et al., 2000)。この領域は、細胞内腫瘍抑制因子であるRbへの結合およびRbの機能の阻害に関与するので、細胞増殖機構を可能とし、それゆえに、ウイルス複製が制御されない状態で進行する。Delta24はRb結合領域を欠失しており、Rbに結合しない。したがって、突然変異ウイルスの複製は、正常細胞ではRbによって阻害される。しかしながら、もしRbが不活性化されて細胞が新生細胞になる場合には、Delta24はもはや阻害されることはない。その代わりに、突然変異ウイルスは効率的に複製され、Rb欠損細胞を溶解させる。
さらに、水疱性口内炎ウイルス(VSV)は選択的に新生細胞を殺し(任意選択でインターフェロンが追加され得る)。リボヌクレオチド還元酵素の発現が欠損している単純ヘルペスウイルス1(HSV−1)変異体である、hrR3は、結腸癌細胞では複製するが、正常な肝細胞では複製しないことが示された(Yoon et al., 2000)。ニューカッスル病ウイルス(NDV)は、悪性細胞で選択的に複製し、もっとも使用される一般的な株は73−Tである(Reichard et al., 1992; Zorn et al, 1994; Bar-Eli et al, 1996)。ワクシニアウイルスは複数の悪性腫瘍細胞株で繁殖する。脳炎ウイルスは、マウスの非上皮性悪性腫瘍において腫瘍溶解性を有することが示されていたが、正常細胞におけるそれらの伝染性を減少させるには、弱毒化が必要かもしれない。腫瘍の退行は、帯状疱疹ウイルス、肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、水痘ウイルス、および麻疹ウイルスに感染した患者の腫瘍において記載されている(論評として、Nemunaitis, 1999を参照のこと)。
シンドビス・ウイルス(SIN)を、本願明細書で記載される方法において用いてもよい。シンドビス・ウイルスは、トガウイルス科(togaviridae)のアルファ・ウイルス属の一員である。シンドビス・ウイルスのゲノムは、5’末端がキャッピングされ、3’末端がポリアデニル化された、11,703ヌクレオチドからなる1本鎖のRNAである。49S非翻訳領域(UT)、非構造タンパク質であるnsP1、nsP2、nsP3、およびnsP4の後にプロモーターが続いて、ゲノムは構成される。プロモーターの後に、26S UT、構造タンパク質であるC、E3、E2、6K、およびE1および最後に3’UTおよびポリアデニル化された末端が続く。ゲノムの49S RNAは、プラスセンス(plus sense)を有し、感染性があり、感染細胞においてはmRNAとして供される。
シンドビス・ベクターは、in vivoにおいて転移性腫瘍に、全身的および特異的に感染し/見つけて殺すので、腫瘍成長の重大な抑制および生存率の向上へとつながる(Hurtado et al., Rejuvenation Res. 9(1):36-44(2006))。シンドビス・ウイルスは、正常細胞と比較して腫瘍において発現が上昇しているMr67,000ラミニンレセプターを使用する哺乳類細胞に感染することで知られており、低分子干渉RNAによるラミニンレセプターの下方制御によって、シンドビス・ウイルスの感染性は著しく減少する。ラミニンレセプターの腫瘍における過剰発現により、in vivoでシンドビス・ウイルスが腫瘍細胞において実証する特異性および効果が説明される可能性がある。シンドビスを用いる場合、標的癌細胞に対する遺伝子操作または腫瘍内への直接導入を行う必要はない。シンドビスは、対象のどこに導入してもよく、血流に乗って標的部位にまでたどり着く(Tseng et al., Cancer Res. 64(18):6684-92(2004))。シンドビスは、例として、例えばインターロイキン12およびインターロイキン15遺伝子のような抗腫瘍性サイトカイン遺伝子のような、腫瘍に対しての免疫反応を刺激する遺伝子および/またはウイルスに対する免疫反応を抑制する遺伝子を1つまたは複数有するように、遺伝的に設計されてもよい。
腫瘍溶解性ウイルスは、自然発生のものでも、改変されたものでもよい。ウイルスは、新生細胞に投与されるのに先立って、(例として、例えばキモトリプシンやトリプシンのような、プロテアーゼで処理することにより)化学的にまたは生化学的に事前に処理されてもよい。プロテアーゼで事前に処理することにより、ウイルスの外殻またはキャプシドを取り除くので、ウイルスの感染性を上昇させる可能性がある。ウイルスはリポソームまたはミセルでコーティングしてもよく(Chandron and Nibert, 1998)、それにより、ウイルスに対する免疫を発達させる哺乳類の免疫反応を減少させ、または防止してもよい。例えば、ビリオンを、アルキル硫酸塩の界面活性剤によってミセルを形成させる濃度下において、キモトリプシンで処理してもよく、それにより新しい感染性のサブビリオン粒子を生成させてもよい。腫瘍溶解性ウイルスは、再集合体ウイルスまたはISVPであってよい。
ウイルスは、遺伝子治療を目的として遺伝子を送達させるためのビヒクルでないことが好ましい。例えば、アデノウイルスのE1A遺伝子、p53腫瘍抑制遺伝子、プロドラッグをコードしている遺伝子(Chmura et al., 1999;2001)または、放射線によって誘導されるプロモーター下の遺伝子を送達させられるようにウイルスは設計されている。事実、これらのウイルスは、通常新生細胞では複製しないことが好ましく、それゆえに腫瘍溶解性ウイルスではない。ウイルスは、設計されたアデノウイルスもしくはヘルペスウイルスまたは機能的なE1Aタンパク質を発現させるウイルスでないことがまた好ましい。
当業者は、本明細書での開示による任意の腫瘍溶解性ウイルスを用いて、ならびに当該技術分野において入手可能な知識を用いて、本発明の方法を実行することが可能である。腫瘍溶解性ウイルスは天然のものでも改変されたものでもよい。腫瘍溶解性ウイルスは、天然での供給源から単離されることが可能なときに「天然のもの」であり、実験室において人によって意図的に改変されたものではない。例えば、腫瘍溶解性ウイルスは「現場の供給源」由来であることが可能であり、すなわち、腫瘍溶解性ウイルスに感染しているヒト由来であり得る。
腫瘍溶解性ウイルスは、2つ以上の遺伝的に異なった腫瘍溶解性ウイルス由来のゲノム分節の組換え/混ぜ合わせより生じる組換え腫瘍溶解性ウイルスであってよい。腫瘍溶解性ウイルスのゲノム分節の組換え/混ぜ合わせは、少なくとも2つの遺伝的に異なる腫瘍溶解性ウイルスで宿主の器官を感染させた後に天然で生じさせてもよい。組換えビリオンもまた細胞培養において生成させることが可能であり、例えば、遺伝的に異なる腫瘍溶解性ウイルスによる、許容な宿主細胞での共感染による。本発明はさらに、2つ以上の遺伝的に異なる腫瘍溶解性ウイルス由来のゲノム分節の混ぜ合わせから生じる組換え腫瘍溶解性ウイルスの使用を意図しており、そこでは少なくとも1つの親ウイルスが遺伝的に設計されており、化学的変異原もしくは物理的変異原で処理されて、化学的に合成されたゲノム分節を1つ以上含むか、またはそれ自身が組換え事象の結果物である。本発明はさらに、化学的突然変異誘発要因(限定されないが、ジメチルスルフェートおよびエチジウムブロマイドが含まれる)、または物理的突然変異誘発要因(限定されないが、紫外線およびある種の放射線が含まれる)の存在下で組換え反応を受ける組換えレオウイルスの使用を意図する。
本発明はさらに、宿主細胞のゲノムとの組換えの結果としてさらなる遺伝情報を含む、あるいは、例えば、例として、抗ウイルス免疫反応を抑制する物質をコードする遺伝子のような、合成遺伝子を含む、1つ以上のゲノム分節における欠失もしくは重複を含む、組換え腫瘍溶解性ウイルスの使用を意図する。
腫瘍溶解性ウイルスは突然変異外殻タンパク質の取込みによって改変されてもよく、例えばそれは、例として、ビリオン外キャプシド内である。タンパク質は、置換、挿入、または欠失によって突然変異させてもよい。置換には、天然のアミノ酸の位置に異なるアミノ酸を挿入することが含まれる。挿入には、1つ以上の位置においてタンパク質内にさらなるアミノ酸残基を挿入することが含まれる。欠失には、タンパク質での1つ以上のアミノ酸残基の欠失が含まれる。このような突然変異は当該技術分野に周知の方法を用いて作成される。例えば、外殻タンパク質の1つをコードする遺伝子のオリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発によって、所望の変異外殻タンパク質の生成が可能となる。in vitroでの腫瘍溶解性ウイルスに感染した哺乳類細胞、例えばCOS1細胞などにおける変異タンパク質の発現により、腫瘍溶解性ウイルスビリオン粒子内への変異タンパク質の取込みが生じる。
提供される方法では、腫瘍溶解性ウイルスは、究極的には標的腫瘍または腫瘍細胞に接触することが可能であるような態様で投与される。ある態様において、腫瘍溶解性ウイルスは全身的には投与されない。腫瘍溶解性ウイルスを投与する投与法は、製剤、担体、またはビヒクルのみならず、標的細胞の位置や種類に依存する。広範な様々な投与法が用いられてよい。例えば、固形腫瘍は接近しやすいために、腫瘍溶解性ウイルスは直接腫瘍内に注射することによって投与することが可能である。造血系腫瘍に対しては、例えば、腫瘍溶解性ウイルスは静脈内または血管内に投与することが可能である。例えば転移癌などのような、人体内に容易に接近できない腫瘍に対しては、哺乳類の身体を通して全身的に輸送されるような態様で腫瘍溶解性ウイルスが投与され、それにより(例えば、静脈内でもしくは血管内で)腫瘍に到達する。代わりに、腫瘍溶解性ウイルスは、単一の固形腫瘍に対して直接投与されることも可能であり、そこでは、次いで転移癌に対して身体を通して全身的に運ばれ得る。腫瘍溶解性ウイルスは、皮下に、腹腔内に、髄腔内に(例えば脳腫瘍に対して)、局所的に(例えばメラノーマに対して)、経口的に(例えば口腔癌や食道癌に対して)、直腸内に(例えば結腸癌に対して)、経膣的に(例えば子宮頸癌や膣癌に対して)、経鼻的にまたは吸入噴霧によって(肺癌に対して)、投与され得る。
したがって、本明細書で提供されるウイルスは、医薬的に許容される担体で、in vitroまたはin vivoで投与され得る。医薬的に許容されるとは、生物学的にもしくはその他の点で望ましくないものではない物質を意味し、すなわち、この物質は対象に投与されてもよく、含有される医薬組成物の任意の他の成分と有害な態様で相互作用せず、あるいは任意の望ましくない生物学的効果を引き起こさない。当業者によって公知であるように、担体は、活性成分の任意の分解を最小限化させ、対象における任意の副作用効果を最小限化させるように、必然的に選択されるであろう。
したがって、本発明は、腫瘍溶解性ウイルスおよび/または他の活性成分を含む医薬組成物をも含み、例えばそれには、例として、望みとあれば、化学療法薬がある。医薬組成物を製造する際には、薬剤は通常、賦形剤とともに混合され、賦形剤によって希釈され、あるいはカプセル、小袋、紙、または他の容器の形態であってもよい担体内に封入される。医薬的に許容される担体が希釈剤として供される場合には、それは固体でもよく、半固体でもよく、または液体の材料でもよく、活性成分に対して、ビヒクル、担体、もしくは媒体として作用する。したがって、組成物は、錠剤、ピル、粉末、トローチ剤、小袋、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、エマルション、溶液、シロップ剤、エアロゾル(固体もしくは液体の媒体として)、軟膏であって例えば、最大10重量%の活性成分を含むもの、軟質ゼラチンカプセルおよび硬質ゼラチンカプセル、坐薬、無菌注射溶液、および無菌包装粉末の形態であり得る。
適切な賦形剤のいくつかの例には、ラクトース、D形グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースが含まれる。これらの製剤は追加で、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油のような平滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、安息香酸メチルおよびプロピルヒドロキシ‐安息香酸のような防腐剤、甘味剤、および香味剤を含んでもよい。本発明の組成物は、当該技術分野で周知の手段を用いることによって、対象に対して投与後に、活性成分をすぐに放出、持続して放出、または遅延放出で提供できるように、製剤化してもよい。
例えば錠剤のような固形組成物を調製するために、活性成分(複数可)を医薬上の賦形剤と共に混合して、活性成分(複数可)が均一である混合物を含む固形の予備処方組成物を形成できる。これらの予備処方組成物が均一であることを指す場合には、活性成分は組成物中に完全に分散されており、その結果、組成物は、錠剤、ピルおよびカプセルのような、均等な効果的な投薬形態での単位に容易に分割してもよいことを意味する。
本発明の錠剤またはピルは、コーティングされまたはあるいは混ぜ合わせて、持続性作用の長所を提供する投薬形態を提供してもよい。例えば、錠剤またはピルは、内側の剤形および外側の剤形部分を含んでよく、後者は前者を包む形態である。2つの部分は、胃での分解に耐える特性を提供し、十二指腸内に内側部分が完全に通過することを可能にし、放出を遅延させることを可能にする、腸溶性の層によって分離してもよい。多様な材料が、このような腸溶性の層またはコーティングのために用いられてよく、このような材料には、たくさんのポリマー酸およびポリマー酸の混合物が含まれ、このような材料には例えばセラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースである。
経口投与または注射によって取り込まれてよい組成物の液状形態には、水性溶液、適切な香りのするシロップ、水性懸濁液または油性懸濁液、ならびに、食用油であって例えばコーンオイル、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油、さらにエリキシル剤および同様の医薬的なビヒクルともに用いる香りのするエマルションが含まれる。
吸入剤または噴霧剤の組成物は、医薬的に許容される、水性溶媒または有機溶媒、あるいはそれらの混合物の溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体組成物または固体組成物は、本明細書で記載したように、適切な医薬的に許容される賦形剤を含んでよい。好ましくは、組成物は、局所的な効果または全身効果のために、経口的に、または鼻呼吸の経路によって投与される。好ましい医薬的に許容される溶媒における組成物は、不活性ガスの使用により霧状にさせてもよい。霧状になった溶液は、噴霧装置から直接吸入されてもよく、または噴霧装置はフェイスマスクのテントに取り付けられても、または間欠的陽圧呼吸機に取り付けられてもよい。溶液、懸濁液、または粉末の組成物は、好ましくは、製剤を適切な態様で送達させる装置から、経口的にまたは経鼻的に投与されてもよい。
本明細書で提供される方法において用いてもよい別の製剤としては、経皮デリバリー装置(「パッチ」)を採用する。このような経皮的パッチを用いて、制御された量での本発明のレオウイルスの連続的な、もしくは不連続的な導入を提供してもよい。医薬品の送達のための経皮的なパッチの構造および使用は、当該技術分野で著名である。例として、米国特許第5,023,252号を参照されたく、参考文献として本明細書に取り入れられる。このようなパッチは、医薬品の、連続的、拍動的、または要求に応じた送達のために、作製されてよい。
本発明での使用のための他の適切な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesで探すことができる。
腫瘍溶解性ウイルスは、適切な容器内に封入されて必要な材料を提供するように、便利なキット内に封入されてもよい。腫瘍に対する免疫反応を増強させる薬剤、腫瘍溶解性ウイルスに対する局所的な免疫反応を抑制する薬剤、化学療法剤および/または所望の医薬的に活性な薬剤をも、キットが含んでもよいことが意図される。
腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍または新生細胞を治療するために十分な量で投与される(例えば「有効量」)。これにより、新生細胞のサイズの減少、または新生細胞の完全な根絶という結果を生じさせる可能性がある。新生細胞のサイズの減少、または新生細胞の根絶は、通常、腫瘍溶解性ウイルスによる新生細胞の溶解(「腫瘍溶解性」)によってもたらされる。好ましくは、有効量は約1.0pfu/kg体重から約1015pfu/kg体重であり、より好ましくは約10pfu/kg体重から約1013pfu/kg体重である。例えば、対象を治療するために、存在する腫瘍の種類、サイズおよび数に応じて、おおよそ10から10のウイルスのプラーク形成単位(PFU)を使用してよい。有効量は、個別基準で決定され、少なくとも部分的には、腫瘍溶解性ウイルスの種類、投与のために選択される経路、個体のサイズ、年齢、性別、患者の症状の重篤度、新生細胞のサイズおよび他の特性などの考慮に基づいてよい。治療過程は、数日から数ヶ月続いてもよく、または腫瘍の縮小が成し遂げられるまで続いてもよい。
腫瘍溶解性ウイルスは単回投与、または複数回投与(すなわち、1回の投与より多く)で投与され得る。複数回投与は、同時に、または連続的に(すなわち、数日間または数週間を超えて)投与され得る。腫瘍溶解性ウイルスは、同一対象の1つ以上の新生細胞にも投与することが可能である。腫瘍溶解性ウイルスは、免疫抑制の前に、または共に、または後に投与され得る。腫瘍溶解性ウイルスは異なる投与経路によって送達されてよく、例えば、(連続的にもしくは同時に)IV、IPなどである。ウイルスおよび/または免疫抑制の治療過程は1回以上で投与されてよい。
腫瘍溶解性ウイルスは単位剤形として製剤化されるのが好ましく、それぞれの用量は、レトロウイルスを約10pfuから約1017pfu含むのが好ましい。用語「単位剤形(unit dosage forms)」は、対象に対する単一の用量として適切な、物理的に異なる単位を意味し、それぞれの単位は、適切な医薬品賦形剤と関連して、好ましい治療効果を産生するように計算された腫瘍溶解性ウイルスを所定量含む。
組成物の有効用量は多様な因子に依存するので、対象ごとに若干異なってもよい。組成物の有効用量および投与スケジュールは、実験的に決定されてよく、このようなことを決定することは、当業者の技量のうちに入る。正確な量は、対象ごとに異なるであろうし、種、年齢、体重および対象の全般的な状態、治療される疾患の重篤度、特定のウイルスまたはベクター、およびその投与形式に依存するであろう。したがって、各組成物の正確な量を明細に述べることは可能ではない。しかし、適切な量は、本明細書で提供されるガイドラインによって与えられる日常的な実験のみを用いて、当業者によって決定可能である。
組成物の投与のための用量範囲は、疾患の症候に影響を与えるような、望ましい効果を産生できる十分に多い範囲である。用量はあまりに多過ぎて、副作用効果を引き起こすべきではなく、それには例えば望ましくない交差反応やアナフィラキー反応がある。用量は、任意のカウンター(counter)の指標によって、個々の医師によって調整されてよい。
本明細書で記載される腫瘍溶解性ウイルスは、多様な目的のために使用してもよい。それらは、哺乳類でのrasを介した増殖疾患の治療方法に用いてもよい。それらのウイルスを、新生細胞を減少させまたは根絶させるために用いてもよい。それらを転移癌の治療方法に用いてもよい。
提供される方法は、例えば化学療法、放射線治療法、外科手術、ホルモン療法および/または免疫療法のような、他の腫瘍の治療法と組合せてもよいことが企図される。したがって、腫瘍溶解性ウイルスは、外科手術、つまり新生生物の除去と相まって投与してよい。したがって、本明細書で提供されるのは、新生生物の外科的な除去および新生生物の部位またはその近傍での腫瘍溶解性ウイルスの投与を含む、固形の新生生物の治療方法である。
腫瘍溶解性ウイルスは、既知の抗癌作用を有する化合物、つまり化学療法剤とともに、または加えて、投与してもよいことがさらに企図される。化学療法剤は、腫瘍の成長を阻害する可能性を有する化合物である。このような薬剤には、限定されないが、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メトトレキサート、ヒドロキシウレア、シクロフォスファミド、ダカルバジン、ミトキサントロン、アントラサイクリン(エピルビシンおよびドキソルビシン)、例えばハーセプチン、エトポシド、プレグナソーム(pregnasome)のような受容体に対する抗体、例えばカルボプラチンやシスプラチンのような白金化合物、タキソールやタキソテールのようなタキサン、例えばタモキシフェンや抗エストロゲン剤、インターフェロン、アロマターゼ阻害剤、黄体ホルモン薬やLHRHアナログのようなホルモン療法が含まれる。
本発明のたくさんの実施形態が描写されている。それにも関わらず、多様な改変は、本発明の主旨および範囲を離れることなしに成されるものと理解される。本発明の他の特徴、目的、および欠点は、記載および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
[実施例1]
放射線は、in vitroおよびin vivoでのレオウイルスの細胞毒性を増強させる。
Rasシグナル経路は、腫瘍細胞の放射線感受性を決定する。Rasの活性化により、放射線照射後の腫瘍細胞の生存が促進される。Rasの活性化は、in vitroおよびin vivoでの放射線抵抗性の増強と関連がある。放射線がin vitroでのレオウイルスによる細胞傷害性を増強させるかを決定するために、細胞を播種した後に、5グレイまたはモックで処理した。4時間後に、血清型3のレオウイルス(Dearing株)を細胞に投与した。細胞生存を、クリスタルバイオレットによって定量化した。図1は、わずか5グレイの放射線が、レオウイルスの細胞傷害性を増強させるのを示す。
in vivoでの放射線およびレオウイルスの効果を決定するために、分割放射線療法による照射および分割レオウイルス投与(髄腔内投与)を、マウスにおけるHCT116ゼノグラフト腫瘍(図2A)またはB16同系腫瘍(図2B)に対して行った。図2Aおよび図2Bにより、放射線の照射かつレオウイルスの投与により、レオウイルスまたは放射線単独よりも、免疫欠損および免疫担当(immunocompetent)動物モデルにおいて、in vivoでの腫瘍の体積が減少されることが示される。
これらの結果により、レオウイルスは、臨床的に関係のある線量のガンマ線照射によって不活性化されず、放射線がレオウイルスの細胞傷害性を増強させることが示される。これらの結果は、観察される細胞傷害性の増強が、放射線照射の時期には依存しないことをも示している。レオウイルスおよび放射線は、G2/M期での細胞周期の停止をそれぞれ誘導し、一緒になってアポトーシスのレベルの上昇を引き起こす。
[実施例2]
ヒトにおけるレオウイルスおよび放射線療法の効果
ヒトにおけるレオウイルスおよび放射線療法の効果を決定するための研究計画を表1に示す。
患者は、測定可能な病変(標的病変)、表示緩和RT(palliative RT indicated)である、PS(EGOS)≦2、適切な血液学的機能、腎機能および肝機能に基づいて、包含された。以前に病変に放射線照射を受けた患者あるいは免疫抑制治療を受けているまたはHIV、HepBもしくはHepC感染が知られている患者は、除外された。
reolysin(レオウイルスを用いた抗がん剤)の量は、病変の標的体積に依存させた。腫瘍体積は、3つの直行する直径(D1、D2およびD3)を測定してから、式V=π/6×D1×D2×D3に当てはめることによって計算した。腫瘍は、体積で2から10mlの注射を受けた。
放射線は、肉眼的腫瘍体積に基づいて、電子または常用電圧によるX線が送達された。肉眼的腫瘍体積は、臨床的および/または放射線学の調査によって3次元で描写された。1cmの余白を周囲に加えて、計画標的体積に含めた。
用量規定毒性(DLT)を以下のように決定した:ANC<0.5×10を5日以上の間継続しているかまたは敗血症を有するANC<0.5×10;血小板算定<25×10/L;グレード2の神経毒性または心臓毒性;あるいは他の薬剤関連の非血液学的なグレートが3/4の毒性であって、インフルエンザ様の症状、吐き気および嘔吐は、もし適切な予防手段もしくは治療手段が処置されていない場合は除く。
患者の要約を表2に示す。
レオウイルスの分泌量を測定するために、対象の資料を、治療の前と後で回収した。RNAを血液、尿、便および唾から抽出した。RT−PCR解析により、いずれの用量水準でも、これらの対象においてウイルスの排出は検出されなかったことが示された。
放射線が、抗ウイルス抗体を中和する局所的な免疫反応を抑制するかどうかを調べた。図3A、図3Bおよび図3Cにより、放射線が、抗腫瘍抗体の中和の誘導を抑制するのが示される。
表3は、標的病変におけるレオウイルスおよび放射線の抗腫瘍活性を示す。
これらの結果により、腫瘍内のレオウイルスおよび放射線の組み合わせが十分に許容されることが示される。加えて、DLT、ウイルス排出、または抗レオウイルス抗体の中和誘導は観察されなかった。
[参考文献]
わずか5グレイ(Gy)の放射線が、レオウイルスの細胞毒性を増強させることを示す図である。
放射線照射およびレオウイルスの投与により、免疫欠損および免疫担当動物モデルにおけるin vivoでの腫瘍体積が減少することを示す図である。
放射線照射およびレオウイルスの投与により、免疫欠損および免疫担当動物モデルにおけるin vivoでの腫瘍体積が減少することを示す図である。
放射線が、抗腫瘍抗体の中和の誘導を抑制する図である。
放射線が、抗腫瘍抗体の中和の誘導を抑制する図である。
放射線が、抗腫瘍抗体の中和の誘導を抑制する図である。

Claims (17)

  1. (a) 固形腫瘍細胞を選択的に殺すことが可能である腫瘍溶解性ウイルスを有効量、固形腫瘍内もしくはその近傍に導入する工程、ならびに
    (b) 固形腫瘍部位でのもしくはその近傍での局所的な免疫反応を抑制する工程
    を含む、対象の固形腫瘍を治療しまたは改善させる方法。
  2. 工程(b)が、有効量の照射線で固形腫瘍を照射することによって実行される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記照射線が、電子、X線、およびガンマ線からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記照射線の量が、50Gy以下である、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記照射線の量が、30Gy以下である、請求項2または3に記載の方法。
  6. 前記照射線の量が、約1Gyから約30Gyである、請求項2または3に記載の方法。
  7. 前記照射線の量が、5Gyである、請求項2または3に記載の方法。
  8. 前記照射線が、複数回の線量で照射される、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程(b)が、固形腫瘍内もしくはその近傍に免疫抑制剤を投与することによって実行される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記免疫抑制剤が、複数回投与で投与される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記腫瘍溶解性ウイルスが、レオウイルス、シンドビス・ウイルス、2本鎖RNA活性化プロテインキナーゼ(PKR)を阻害しないように突然変異または欠失を有するウイルス、Delta24ウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、ワクシニアウイルス、脳炎ウイルス、帯状疱疹ウイルス、肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、水痘ウイルス、および麻疹ウイルスからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記レオウイルスが、哺乳類のレオウイルスまたはヒトレオウイルスである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ヒトレオウイルスが、血清型1のレオウイルス、血清型2のレオウイルスおよび血清型3のレオウイルスからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ヒトレオウイルスが、血清型3のレオウイルスである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記対象が、犬、猫、げっ歯類、羊、ヤギ、牛、馬、豚、ヒトおよび非ヒトである霊長類からなる群から選択される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記腫瘍溶解性ウイルスが全身的に投与されない、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 工程(a)が工程(b)に先行して実行される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
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