JP2009525757A - 心機能のレギュレータとしてのホスファターゼインヒビタープロテイン−1 - Google Patents
心機能のレギュレータとしてのホスファターゼインヒビタープロテイン−1 Download PDFInfo
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Abstract
【選択図】 図3
Description
本出願は、2006年2月10日に出願された米国特許仮出願第60/772,327号に係る優先権を主張するものであり、この出願の内容を参照して本明細書に組み込む。
本明細書において引用する特許出願及び特許の各々、並びに特許出願及び特許の各々において引用される各々の資料又は参考文献(各々の発行済み特許の出願・審査期間のものを含む;「特許出願引用資料」)、及びこれらの特許出願及び特許のいずれかに対応する及び/又はその優先権を主張するPCT及び国外出願の各々、及び特許出願引用資料の各々において引用される又は参照される資料の各々は、参照により明白に本明細書中に組み込まれる。より一般的には、資料又は参考文献は、特許請求の範囲に先立つ「参考文献リスト」又は本明細書自体のいずれかにおいて、本明細書中で引用され、これらの資料又は参考文献の各々(「本明細書で引用される参考文献」)、並びに本明細書で引用される参考文献の各々の中で引用される各々の資料又は参考文献(製造者の仕様書、指示書等を含む)は、参照により明白に本明細書中に組み込まれる。
以下の発明は、合衆国政府の一部助成によって作成された。従って、米国政府は、本発明における一定の権利を有する。助成金はアメリカ国立衛生研究所により、助成番号HL−64018、HL−26057及びHL−77101のもとに出資された。
定義
本明細書では、「核酸分子」又は「核酸配列」という用語は、ポリペプチドをコードする読み取り枠を含むポリヌクレオチドを意味するものであり、さらにイントロン及び望ましい調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター等)のような非コード配列も含む。本発明の核酸配列は、選択された目的のために特定の遺伝子をコードできる。その遺伝子は、宿主細胞に対して内因性であるか又は宿主細胞に組換えによって導入されたもので、例えば、エピソームに保持されたプラスミド若しくはゲノム中に安定に組み込まれたプラスミド(若しくはその断片)のようなものであってもよい。
PES=mVES+b
PES及びVESは、それぞれ収縮末期圧及び容積、mはこれらの関係を表す線の傾き、bはVES=0のときの圧を示す。また、式は:
PES=m(VES−V0)
と表すこともでき、PES=0のとき、V0=−b/mである。収縮末期圧−径関係は一般的にヒトの心室収縮力の強力な指標であると考えられている。
本明細書では、「心臓組織」という用語は、対象の心臓由来の組織を意味する。
本明細書では、「ウイルス送達システム」という用語は、例えば、非ウイルス配列を含む核酸配列を哺乳動物の細胞に導入することができるウイルス若しくはウイルス様粒子を意味する。ウイルス送達システムそのものは、ウイルス複製能力を有していてもいなくてもよい。
他の定義は本開示の文中において説明されるものである。
ホスファターゼインヒビター−1及びその突然変異体
微調整されたプロテインキナーゼ及びプロテインホスファターゼ活性の調節は、グリコーゲン代謝、タンパク質合成、細胞分裂、神経シグナル伝達及び筋収縮を調節するものであり、鍵となる様々なリンタンパク質の基質のリン酸化状態の制御に不可欠である。第二メッゼンジャーcAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)と1型ホスファターゼ(PP1)の間のクロストークは、内因性リンタンパク質、インヒビター−1(I−1)のレベルで生じ、cAMPシグナル伝達のカスケードを増幅させる。
本発明の核酸分子は、DNA分子(例えば、線状、環状、cDNA又は染色体)及びRNA分子(例えば、tRNA、rRNA、mRNA)及びヌクレオチド類似体を用いて生成したDNA又はRNAの類似体を含む。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であってよいが、有利には二本鎖DNAである。本発明の核酸分子は、その核酸が由来する生物の染色体DNAにおいてその核酸分子に天然的に隣接する配列(つまり、核酸分子の5’及び3’末端に位置する配列)を含まない核酸分子を含む。さらに、cDNA分子のような単離された核酸分子は、組換え技術によって生成された場合は実質的に他の細胞物質を含まなくてもよい、又は化学的に合成された場合は実質的に化学的前駆体若しくは他の化学物質を含まなくてもよい。
本発明は同様に、本明細書に記載される核酸分子を含む組換え核酸分子(例えば、組換えDNA分子)を特徴とする。
本発明の別の態様は、ポリペプチドを特徴とする。
当業者が、天然の遺伝子によりコードされるアミノ酸と同一のアミノ酸をコードする核酸を遺伝コードの縮退により突然変異(例えば、置換)させることができるということはよく理解されている。これは、特定の生物で発現するように核酸のコドンの使用法を改善するのに望ましいものであり得る。さらに、当業者が保存アミノ酸の置換をコードする核酸を突然変異(例えば、置換)させることができるということもよく理解されている。さらに、当業者が、天然の遺伝子産物と比較して実質的に機能に影響を与えることなく、ある程度まではアミノ酸を置換、付加又は欠失させることができるということもよく理解されている、いずれの場合も本発明の範囲内に含まれる。
一実施態様では、本発明のポリペプチドは配列番号5、配列番号6、配列番号11、配列番号12、配列番号16及び配列番号18で示されるアミノ酸配列を有する。
配列間の相同性若しくは配列同一性(本明細書においてこれらの用語はほぼ同じ意味で使われる)は以下のように計算される。2つのアミノ酸配列若しくは2つの核酸配列の相同率を決定するために、配列を最適な比較ができるように並べる(例えば、最適なアラインメントのためにアミノ酸若しくは核酸配列の第一若しくは第二の1つ若しくは両方にギャップを挿入することができ、非相同な配列は比較目的から無視されてよい)。好ましい実施態様では、比較目的で並べられた参照配列の長さは、少なくともその参照配列の30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、さらに好ましくは少なくとも70%、80%、90%及び100%である。そして、対応するアミノ酸の位置若しくはヌクレオチドの位置のアミノ酸残基又はヌクレオチドが比較される。第一の配列における位置に、第二の配列の対応の位置と同じアミノ酸残基若しくはヌクレオチドがあれば、その分子はその位置において同一である(本明細書で使われるアミノ酸又は核酸の「同一性」はアミノ酸又は核酸の「相同性」とほぼ同じ意味である)。これら2つの配列間の同一性の割合は、2つの配列の最適なアラインメントのために導入されたギャップの数及びそれぞれのギャップの長さを考慮して、その配列間で共有される同一な位置の数の関数で表される。
2つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間の相同率は、PAM120重量残基表、12のギャップ長ペナルティー及び4のギャップペナルティーを用いて、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているメイヤーとミラー(E. Meyers and W. Miller, (1989) CABIOS, 4:11-17)のアルゴリズムを用いて決定することができる。
導入は、望ましい結果を達成するいずれかの既知若しくは未知の技術によってなされると考えられる。本明細書に記載される核酸は、遺伝子治療のプロトコルの一部として使用される遺伝子コンストラクトに組み込まれてもよい。in vivoの遺伝子導入の方法は、当該技術分野で公知である。手法には、組換えレトロウイルス、アデノウイルス(例えば、複製欠損した第一世代、又は欠如した(gutted)第二世代のアデノウイルス)アデノ随伴ウイルス(例えば、ウイルスカプシドは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10又はAAV11カプシドのようなAAVカプシドであってよい;当業者であれば、同様の若しくは類似の機能を果たす未確認の他の異性体が存在し得るということは公知であろう;又は2つ若しくはそれ以上のAAVカプシドの成分を含んでいてもよい、米国特許第6,491,907に記載)、レンチウイルス及びおそらく単純ヘルペスウイルス1、又は組換え細菌性若しくは真核性プラスミドを含む。レンチウイルス粒子及び他のウイルス粒子を産生するために、目的の薬剤をコードする核酸はパッケージングシグナルに作動可能に連結される。核酸はウイルスの構造タンパク質を発現する細胞にパッケージされる。例えば、細胞はウイルスの構造タンパク質をコードするがパッケージングシグナルを欠く核酸を含んでいてもよい。
プラスミドDNAは、例えばカチオン性リポソーム(リポフェクチン)又は誘導体化物(例えば、抗体結合型)、ポリリシン複合体、グラミシジンS、人工ウイルスエンベロープ又は他の細胞内のキャリアのようなものを用いて送達されてもよい、更にはin vivoでは遺伝子コンストラクト又はCaPO4沈殿物が直接的に注入されてもよい。
臨床設定において、治療遺伝子の遺伝子送達システムは、それぞれが当該技術分野でよく知られている数ある方法のいずれかによって患者に導入され得る。例えば、遺伝子送達システムの医薬調製物は、例えば静脈注射により全身に導入され、そして標的細胞におけるタンパク質の特異的な形質導入が、主に、遺伝子送達媒体、受容体遺伝子の発現を制御する転写調節配列による細胞型若しくは組織型の発現又はその組み合わせにより与えられる形質転換の特異性によって生じる。他の実施態様では、組換え遺伝子の初期の送達は、極めて局所的になされる動物への導入により制限される。例えば、遺伝子送達媒体はカテーテル(米国特許第5,328,470号を参照されたい)又は定位的注入(例えば、Chen, et al. PNAS 91:3045-3057 (1994))により導入され得る。
非ウイルス性媒体は類似の方法で送達されてもよい。
本発明の単離された核酸分子又はポリペプチドは、例えば、ヒトのような対象への投与に適した医薬組成物に組み込まれる。このような組成物は通常ポリペプチド又は核酸分子及び薬学的に許容される担体を含む。本明細書で使用される用語「薬学的に許容される担体」とは、薬学的投与に適合する、いずれかのそして全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含むことを意味する。そのような媒体及び薬剤が薬学的に活性な基質用に使用されることは知られている。いずれかの従来の媒体又は薬剤がその活性な化合物と適合できない場合を除いて、そのような媒体は本発明の組成物において使用され得る。また、その組成物には、補足的に活性な化合物を組み込むこともできる。
上述の医薬組成物は、罹患血管(例えば、動脈)又は臓器(例えば、心臓)に注入され得る。治療の実施態様の一方法において、心臓の冠状動脈を通る血流が制限され、ウイルス送達システムが冠状動脈の内腔に導入される。特定の態様では、冠状静脈からの血流が制限されている間も心臓はポンプとして機能する。別の特定の実施態様では、心臓からの大動脈血流が制限されている間にウイルス送達システムが注入されて、それによりウイルス送達システムが流入し心臓に送達される。他の実施態様では、冠状血管の血流が完全に制限され、特にそのような態様で制限された冠状血管は、左冠動脈前下行枝(LAD)、左冠動脈回旋枝(LCX)、大冠状静脈(GCV)、中心静脈(MCV)又は前室間静脈(AIV)を包含する。ある特定の実施態様では、ウイルス送達システムは、冠状血管の虚血プレコンディショニングの後に導入される。
本発明の治療方法は、心機能又は心筋細胞機能(例えば、心拍数、心臓代謝、心収縮性、心室機能、Ca2+代謝及び筋小胞体Ca2+ATPアーゼ活性などが挙げられるが、これらに限定されない)に関するパラメーターにおける治療による影響を評価して判断する。
さらに、本明細書においては、対象から心筋のホスファターゼインヒビター−1プロテインのサンプルを採取して、少なくとも1つのリン酸化されたPKC−αのリン酸化部位の存在を検出することによる、さらに具体的には、その少なくとも1つのリン酸化されたPKC−αのリン酸化部位はT75又はS67を包含している、対象の心不全を診断又は予知するものである。
本発明の単離された核酸分子又はポリペプチドは、キットにおいて提供される。キットは、(a)核酸分子又はポリペプチド(例えば、核酸分子又はポリペプチドを含む組成物)、及び(b)情報的物質を含むが、これらに限定されない。情報的物質は、説明的、教示的、販売手段として又は本明細書に記載の方法及び/又は本明細書に記載の方法のための本発明の核酸分子又はポリペプチドの使用に関する他の物質を含んでもよい。例えば、情報的物質は心不全に関するものであってよい。
配列番号5若しくは配列番号6で示されるアミノ酸配列、又は構成的に非リン酸化状態のその断片を包含する単離されたポリペプチドに選択的に結合する抗体も同様に意図される。抗体を調製する方法は免疫学における当業者に公知である。本明細書では、「抗体」という用語は、無傷の抗体分子のみならず免疫原−結合能を保持する抗体分子の断片も意味する。そのような断片もまた当該技術分野で公知であり、通常in vivo及びin vitroの両方で採用される。従って、本明細書では「抗体」とは、無傷の免疫グロブリン分子だけでなく、公知の活性フラグメントであるF(ab’)2及びFabも意味する。無傷の抗体のFcフラグメントを欠くF(ab’)2及びFabフラグメントはより迅速に循環から除去され、無傷の抗体のより低い非特異的な組織結合性を有していてもよい(Wahl et al., J. Nucl. Med. 24:316-325(1983))。本発明の抗体は、完全に天然な抗体、二重特異性抗体;キメラ抗体;Fab、Fab’、単鎖V領域のフラグメント(scFv)、融合ポリペプチド、及び特殊な抗体を包含する。
の抗体から得られるものであり、他方の組の重鎖及び軽鎖が異なる第2の抗体から得られる、ハイブリッド抗体も含む。ハイブリッドは、ヒト化重鎖及び軽鎖を用いて形成されてもよい。このような抗体は、度々「キメラ」抗体とも言われる。
本発明者らは精製したタンパク質を用いて、I−1のPKC−αによるリン酸化の実験を行った。ヒトI−1又はSer67をアラニンで置換したI−1突然変異体をコードするcDNAをクローンして発現した。得られた組換えタンパク質を精製してGST標識を除去した。精製したタンパク質のPKC−αリン酸化では、32Pの突然変異体への取り込みは減少するが、他にPKC−αリン酸化部位があることを示唆していて、I−1の野生型と比べて完全には阻止しないことを示した。この推定PKC−α部位を同定するために、リン酸化状態のヒトI−1をエドマン分解と組み合わせてマトリクス支援レーザー脱離イオン化質量分析に付した。これらの分析は、スレオニン75がヒトI−1上の新規なPKC−α部位であると証明した。このデータを確認するために、Thr75(T75A)及びSer67+Thr75(S67A/T75A)をアラニンで置換したI−1突然変異体を作製した。
PKC−α、PKA及びcAMPは Upstate BIotyechnology より購入した。ホスファチジルセリンは Avanti Polar-Lipids から入手した。pGEX 6P−3プラスミド、グルタチオンセファロース4B、PreScission Protease 及び Immobiline DryStrips、IPG Buffer pH4−7は、Amersham Biosciences から入手した。Quick-Change II 部位特異的突然変異生成キット及びBL21 CodonPlus(DE3)-RIPL Competent Cells はStratagene から入手した。ジアシルグリセロール、アンピシリン及びIPTGは Sigma Aldrich から入手した。SYPRO Ruby Protein Gel Stain は Cambrex から入手した。T4リガーゼ、EcoRI 及び Not I 制限酵素は New England Biolabs から購入した。タンパク質脱塩スピンカラム及び B-PER GST 溶解タンパク質精製キットは Pierce から購入した。〔γ−32P〕ATPは Perkin Elmer から入手した。抗−ACIは、特注した(Affinity Bioreagents)マウスI−1のN−末端配列(1MEPDNSPRKIQFTVP15)(配列番号24)に対する、アフィニティー精製されたウサギポリクローナル抗体である。抗−GSTウサギポリクローナル抗体は Affinity Bioreagents から入手した。
インヒビター−1突然変異プロテインの生成
ヒトI−1cDNA(GenBank Accession#U48707)をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子のC−末端側にフレームを一致させて、pGEX−6P−3ベクターでクローン化した(図1A)。順方向クローニングプライマーは:5’−CAGAGAATTCCATGGAGCAAGACAACAGCCC−3’(配列番号25)(EcoR I 制限酵素部位は下線付き;フレームをあわせた発現のためのスペーサーヌクレオチドは陰影付き;開始コドンはイタリック体)であり、そして逆方向クローニングプライマーは:5’−CAGAGCGGCCGCTCAGACCGAGTTGGCTCCCTー3’(配列番号26)(Not I制限酵素部位は下線付き;終止コドンはイタリック体)であった。PreScission プロテアーゼ切断部位は、引き続くGST標識の除去を促進するために、GSTとI−1遺伝子の間に位置していた。I−1 cDNAの突然変異を、Quick-Chenge II 部位特異的突然変異生成キットを用いて、pGEX−6P3ベクター中で得た。
7μgのI−1又はI−1突然変異タンパク質を含有する150μlの緩衝液中、35℃で反応を実施した。組み替え型I−1又はI−1(S67A)、I−1(T75A)、I−1(S67A/T57A)突然変異体をPKC−αでリン酸化した。PKC−α(3μg/ml)でリン酸化するために、最終濃度は、50mMのTris−HCL(pH7.0)、5mMのMgCl2、5mMのNaF、0.5mMのCaCl2、0.3mMのホスファチジルセリンそして0.02mMの1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスフォ−L−セリンであった。リン酸化反応は0.025mMの〔γ−32P〕ATP(0.4mCi/nmol)を添加して開始した。指定された時間に、各混合物から20μlを回収し、SDSサンプル緩衝液(5強度)を4μl加えて反応を停止した。二次元電気泳動を行うために、タンパク質25μg(ある場合は35μg)を100μlの緩衝液中で、35℃にて45分間(ある場合は1晩)、上記のようにして、PKC−α(4ug/ml)によりリン酸化した。全ての場合に、Ca2+(1mMのEGTAの存在中)、ホスファチジルセリン、ジアシルグリセロール及びPKC−αは対照サンプル用の混合物に入れなかった。
新規なPKC−αによるリン酸化部位を同定するために、10ugのGST−I−1(精製したI−1)を上記のように50μgのPKC−αリン酸化緩衝液中で微量の[γ−32P]ATPの存在下で37℃で4時間培養した。反応混合物を12%SDS−PAGEに付して、ゲルを室温で1晩SYPO Rubyで染色した。32P−標識GST−I−1バンドを同定し、ゲルから切り取って、トリプシン消化した。Vydac C18逆相HPLCカラムを用いてトリプシンペプチドを分離して、その画分を直ちにチェレンコフ(Cerenkov)カウンティングによって32Pについてアッセイした。放射性のピークをマトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析及びエドマン分解に付した。実験したペプチドの質量をI−1ヒト配列由来の予測ペプチドに対して合致させるためにGPMAWプログラムを用いた。
I−1種を12%のポリアクリルアミドゲルを用いるSDS−PAGEで分離した。分離した後、タンパク質をニトロセルロース膜(穴径0.1um、Schleicher & Schuell Bioscience)に湿潤転写(180mAで3時間)によって転写した。非特異的な結合部位を、0.1%のツイーン20を含有するトリス緩衝食塩水(pH7.4)中の5%の粉乳を用いて、室温で1〜2時間ブロックした。膜を抗I−1の一次抗体(1:1000)又は抗GST(1:1000)で室温で3時間又は4℃で1晩プローブした。一次抗体を可視化するために、二次ペルオキシダーゼ標識抗体(Amersham Bioscience)を、拡張した化学発光による検出システム(Supersignal West Pico Chemiliminescent, Pierce)と組合わせて用いた。このバンドの光学密度をImageQuant 5.2 ソフトウェアーで解析した。
精製したI−1又はPKC−α又はPKAによるリン酸化I−1及び突然変異体(Protein Desalting Spin Columns を用いて一度脱塩した)を7Mの尿素、2Mのチオ尿素、4%のCHAPS、10mMのDTT、1%のIPG4−7緩衝液及び0.01%のブロモフェノールブルーよりなる再水和緩衝液中で可溶化した。可溶化したタンパク質を18cmのImmobiline(登録商標)Drystrips(pH4〜7NL)に塗布して室温で1晩培養した。再水和等電点電気泳動法(IEF)を、Genomic Solutions Investigator 2-D Electrophoresis Sysstem上で、1枚に対して50mAで60,000ボルト時で実施した。第二次元は12.5%のスラブゲル上、500Vで14時間実施した。ゲルを固定して、蛍光染色(SYPRO Ruby)で室温にて1晩染色した。SYPRO染色したゲルを、FLA-3000 Imager(Fuji Medical Systems, Stanford, CT)を用いて475nmの蛍光光線及び黄色520nmのフィルターでスキャンした。比較するために、2−Dゲルを同時に処理し次いで、スポットを座標軸の標準集合に局在化させるためにProImageソフトウェアを用いた。それにより、ゲルを互いに比較できて、実験操作によるタンパク質スポットの移動パターンを容易に検出できる。
Shenolikar et al(25) の記載に修正を加えた方法によって、マウス心筋からI−1を単離した。すなわち、液体窒素中で凍結した組織(1.5g)を乳鉢で粉砕して、2mlの氷冷したリン酸緩衝食塩水(pH7.2)中で、Polytron のホモジナイザーでホモジナイズした。直ちに、5mlの1.5%(w/v)トリクロロ酢酸を加えて、ホモジネートを4℃で1時間撹拌した後、9,000rpmで30分遠心分離した。上澄液をトリクロロ酢酸15%(w/v)液に調節し、4℃で1晩撹拌して、18,000rpmで30分遠心分離した。ペレットを0.5MのTris−HCl、pH8.0(原抽出量の1/20)に再懸濁し、10分沸騰して、上記のように遠心分離した。1MのNaOHを用いて、上澄液のpHを〜7に調整して、サンプルを2−D電気泳動に付した。
プロテインホスファターゼ活性のアッセイを、50mMのTris−HCl(pH7.0)、0.1mMのNa2EDTA、5mMのDTT、0.01%のBrij35、そして随意に0.5ngのPP1(New England BioLabs)を含有する50μlの反応混合物中で実施した。10ulの標準基質32P−標識化Myelin Basic Protein (MyBP)(最終濃度は50μM)を添加して反応を開始した。32P−MyBP基質を生成するために、商業ベースに精製されているMyBPを、製造会社(New England BioLabs)の説明書に従って、1モル当たり化学量論的に2〜4モルのリン酸エステルになるようにPKAで予めリン酸化して、4℃で貯蔵した。30℃で10分間反応した後、200ulの20%トリクロロ酢酸を加えて反応を停止し、氷上で冷却して、遠心分離した。上澄液からの200ulをシンチレーション測定して、アッセイ液中に放出された[32P]の量を測定した。混合物からPPIを抜いたブランク反応を同時に実施した。
特定部位におけるI−1のリン酸化の機能的効果を評価するためのex vivo発現ベクターを生成するために、特定の突然変異(例えば、Thr75のASPへの突然変異(T75D))を生じるI−1cDNAを最初にpShuttle-IRES-hrGFP-1ベクターでクローンした。このベクターをAdEasy−1アデノウィルスのバックボーンベクターと相同的に組み替えした(図3)。そして、I−1野生型(Ad.I−1WT)、I−1突然変異体I−1(S67D)、I−1(T74D)、I−1(S67D/T75D)又は緑色蛍光タンパク質(Ad.GFP)をコードするアデノウイルスを生成するために、Ad-Easy XLシステムをい用いた。これは複製欠損性組み替えアデノウイルスをもたらし、I−1(例えば、T75D突然変異体)及び緑色蛍光タンパク質(GFP)の両方を発現できる。このアデノウィルスを増幅し、精製(Adenovirus Mini Purification kit(Virapur)を用いて)して、標準的な手法によって力価を測定(Adeno-X Rapid Titer kit(Clontech)を用いて)した。
心臓収縮性における特定部位でのインヒビター−1のリン酸化の効果を特徴付けるために、成熟雄性SDラット(〜300グラム)由来の心室筋細胞を既に詳述されている(Fan et al.Circ. Res.(2004))ようにコラゲナーゼ消化によって単離した。ラットは、Institutional Animal Care and Use Committee at the University of Cincinnati で承認されているようにして扱われた。筋細胞を改良培養培地(M199、Gibco)中に再懸濁し、計数し、ラミニン被覆カバーグラス又はディッシュに載せて、加湿5%CO2培養器中37℃で2時間、アデノウイルスで500倍感染濃度で感染させた。基底レベルでの、及び随意に、Forskolin(100nM、Sigma-Aldrich)治療下での筋細胞収縮を、感染24時間後に、Grass S5刺激(0.5Hz、四角波)で実行した。左室内径短縮率(FS%)、90%弛緩までの時間(ベースラインの%)及び収縮及び弛緩の最大比(dL/dTmax)を、video edge motion detector(Crescent Electronics)を用いて計算した。イムノブロッティングするために、培養した心筋細胞を採取して、既に記載されている(Fan et al.Circ. Res.(2004))ようにして溶解緩衝液中に4℃で30分間溶解した。
ラット心筋細胞の感染24時間後に、細胞をPBSで2回洗浄し、採取して、50mMのカリウムリン酸緩衝液(pH=7.0)、10mMのNaF、1mMのEDTA、0.3mMのPMSF及び0.5mMのDTT中、4℃でホモジナイズした。ミリポアろ過技術及び45CaCl2を用い、既に記載されている(Kiss et al. Circ. Res. (1995)))ようにして、ホモジネート中の初期SRCa2+取り込み比を測定した。すなわち、100〜250μgのホモジネートを、40mMのイミダゾール(pH7.0)、95mMのKCl、5mMのNaN3、5mMのMgCl3、0.5mMのEGTA、及び5mMのMgCl3のK2C2O4を含有する反応緩衝液中、37℃で培養した。初期取り込み比を、広いカルシウム値の範囲(pCa5〜8)にわたって測定した。心筋細胞へのカルシウムの取り込みを5mMのATPを添加して開始して、反応終了0、30、60及び90秒後にアリコートを0.45μmのミリポアフィルターでろ過した。特定45Ca2+取り込み値(最大Ca2+取り込み比、Vmax、及び半減最大Ca取り込み濃度、EC50)をOriginLab 5.1プログラムを用いて分析した。
上で簡単に述べたように、32PのI−1種への取り込み量をオートラジオグラフィーで測定した。湿潤転写後に、ニトロセルロース膜をBlue Lite Auttorad Films(IscBioExpress)に24時間又は48時間暴露して、Image Quant5.2ソフトウェアーを用いてデータの濃度分析を実施した。
n検定について全ての値を平均±SEMで表した。対応のない値又は一方向ANOVAについては、必要に応じ、スチューデントt−検定で比較した。
※、p<0.05;※※、p<0.01;※※※、p<0.001。
記述のように、先行の研究はPKC−αがインヒビター−1(I−1)をSer67でリン酸化することを示している。I−1上に更なるリン酸化部位が存在するか否かを試験するために、Ser67がアラニンで置換されているI−1突然変異体を上記のようにインビトロでPKC−αでリン酸化した。図4は、I−1突然変異体(S67A)のPKC−αによるリン酸化は野生型I−1と比べると大幅に減少するが、完全にはなくならないということを示している。タンパク質当たりの32P取り込みの濃度分析は、完全に取り込んだ時点で(20〜45分)、I−1(S67A)が野生型に存在する放射活性レベル(100%)の40±8.6%を取り込んだことを明らかにした。いくつかの実験で、PKC−αの自己リン酸化に対応する、78Kdaに単一の更なるバンドが生じた。その他の放射活性バンドはどの実験においても検出されなかった。特異抗体(AC1、1:1000)はインヒビター−1のようにリン酸バンドを認識した(図4B)。従って、これらの結果は、I−1上に少なくとも1つのさらなるPKC−αリン酸化部位が存在することを示唆している。
I−1上の更なるPKC−α部位(複数を含む)の位置を決定するために、組み替え型精製のI−1を精製して、[γ−32P]ATPの存在下、インビトロでPKC−αによりリン酸化した。32P標識化I−1をSDS−PAGEで精製して、トリプシンで消化した。逆相HPLCでトリプシンペプチドを精製すると、Vydac カラムから62%の放射活性を含有する2つのピーク、50及び51が溶出した。両方の分画をMALDI−TOF質量分析に付した。分画51から質量対応分析により、3つの可能性のあるリン酸化ペプチドが得られた。検出された質量(予測質量+リン酸基)は、1226.44、1494.45及び1572.68Daであり、これらは次のI−1配列のそれぞれと対応していた:62STLAMSPRQR71(配列番号31)、72KKMTRITPTMK82(配列番号23)、及び135KTAECIPKTHER146(配列番号32)(データは示していない)。同時に、ピーク50の分析で質量1366.46Daのペプチドを検出し、これは配列73KMTRITPTMK82(配列番号33)(ピーク51で見いだした同じ配列−(マイナス)最初のリジン)(データは示していない)。
オートラジオグラフィーの結果を更に確証するために、2−Dゲル電気泳動分析を用いてPKC−αリン酸化に起因するI−1における可能な移動度変化を検出した。2D−ゲル電気泳動はその等電点(pI)及び分子量に基づいてタンパク質を分離する。リン酸化はタンパク質のpI値がより酸性になるようにするが、その分子量に対しては殆ど影響を及ぼさない。非リン酸化状態のI−1ゲル画像の分析は、タンパク質が5.1のpI及び30kDまでの分子量の単一スポットとして2−Dゲル中に移動することを示めした(図7A)。PKC−αのリン酸化サンプルでは、それぞれ非リン酸化、1回のリン酸化、2回のリン酸化に対応する、pIが(右から左へ);5.1、4.9及び4.7の3つのスポットが見られた(図7B)。2Dゲル電気泳動に付したリン酸化状態のI−1の高濃度(35ug)は、更なるリン酸化によるシフトの何れも示さなかった。PKC−α、ATPの濃度の増加又は培養時間の持続によるインヒビター−1のリン酸化程度を増強する試みは、更なるリンタンパク質のスポットを何ら明らかにしなかった。他のタンパク質スポットはサンプル中に検出されなかった。
過去の研究は、I−1インヒビターが、PKAによるリン酸化の上でのみPPIを阻害すると報告している(6〜8)。PKC−αがI−1を独立して2つの部位、Ser67及びThr75で同程度にリン酸化するという本知見に基づいて、I−1の機能に及ぼすPKC−αリン酸化の影響を実験した。この検討において、未処理のI−1野生型又はPKC−α、PKA又はPKC−α+PKAでリン酸化したI−1野生型をプロテインホスファターゼアッセイで用いた(図9A)。脱リン酸型I−1及びPKC−αリン酸化I−1の何れも、試験した濃度(0〜15nM)の何れにおいてもPPI活性を阻害しなかった。しかしながら、PKAリン酸化I−1は、過去の報告(7〜9)と一致して、PPIをIC50値3.2±0.08nMで阻害した。
インヒビター−1はインビボで、2つの部位、Thr35及びSer67だけでリン酸化されると過去に報告された。Thr75もインビボでリン酸化されるかについて検討する目的で、I−1に豊富な画分をマウスの心筋(1.5g)から、上記のようにして単離した。最終ペレット(最初のタンパク質の0.25%まで)を2Dゲル電気泳動に付した。電気泳動の第2次泳動後に、タンパク質をニトロセルロース膜上にエレクトロブロットして、I−1に対する抗体ACI(1:1000)と培養した。図10に示すように、pI値が5.1、4.9、4.7及び4.5(右から左に)の4つのスポットを確認した。膜の右部分にある縞はタンパク質の不完全な電気泳動によるものであって、免疫ブロッティングの増加した感受性に起因して観察された。
心臓収縮性に対するI−1の突然突然変異の効果を試験するために、成熟ラットの心筋細胞を、野生型I−1、又はI−1 T75Dの何れかを発現する組み替えアデノウィルスに、CMVプロモーターの制御下で感染させた。空のベクターを対照として用いた。Grass S5 刺激(0.5Hz、四角波)で刺激した後に、筋細胞収縮と筋細胞延長の比を測定した。I−1 T75Dの発現が、筋細胞収縮(+dL/dtmaxが29%まで減少した)と筋細胞弛緩(−dL/dtmaxが33%まで減少した)の比を有意に減少させた(図11)。更に、突然変異タンパク質を発現する筋細胞によって生じる総収縮力が35%又はそれ以上減少した。このデータは、T75におけるリン酸化が心臓における収縮機能を抑制することを示している。
Thr75におけるI−1のリン酸化に関連している低下した収縮性が、筋小胞体のカルシウム移送機能における変化に対応しているか否かを究明するために、インビボでの弛緩と収縮の間に存在するものと類似している、広範囲の[Ca2+]においてCa2+移送の初期速度を算定した。反応条件は以下の通りである:40mMのイミダゾール(pH=7.0)、95mMのKCl、5mMのNaN3、5mMのMgCl2、0.5mMのEGTA、及び5mMのK2C2O4中、37℃で5mMのATPを用いる。Ca2+に対する移送システムの見掛けの親和性は、Ad.I−1 WT(EC50値=0.33±0.01μM;n=3)又はAd.GFP(0.28±0.006μM;n=3)に比較して、Ad.I−1(T75D)に感染した筋細胞において有意に低下した(EC50値=0.67±0.01μM;n=3;***p<0.001)(図16A)。しかしながら、Ca2+取り込みのVmaxはこの3群全ての間で同様であった。更に、これらの群において、筋小胞体カルシウムポンプ(SERCA2a)及びホスホランバン(PLN)タンパク質レベルでは3群に違いがなかった(図16B)。これらのデータは、PKC−αによるI−1のThr75におけるリン酸化がSERCA2aのCa2+親和性の減少によって心臓収縮性の低下を誘発するであろうことを示している。
心筋細胞の収縮性及びCa2+についてのSRCa2+移送システムの見掛けの親和性の低下が、Ad.I−1WT、Ad.I−1(T75D)、及びAd.GFPで感染した成熟ラットの心筋細胞におけるプロテインホスファターゼ活性レベルの検討を促した。Ad.GFP、Ad.I−1WT、又はAd.I−1(T75D)で感染した心筋細胞の溶解物(1μg)中で総ホスファターゼ活性をアッセイした。反応混合物は、50mMのTris−HCl(pH7.0)、0.1mMのNa2EDTA、5mMのDTT、0.01%のBrij35、及び放射性標識化Myelin Basic Protein(50μM)を含有していた。I−1野生型を発現する細胞又は対照の細胞と比較すると、I−1(T75D)を発現する筋細胞中でホスファターゼ活性が16%まで増加した(図18A)。細胞性プロテインホスファターゼの2つの主要な種、PP1及びPP2Aの相対的寄与率を、PP2Aをより強く阻害するオカダ酸(Neumann et al. J. Mol Cell. Cardiol(1997))を10nMの濃度で存在させて、測定した。Ad.I−1(T75D)で感染した心筋細胞は、タイプ1のホスファターゼ活性を、Ad.I−1WT及びAd.GFPと比較すると、27%増加したが、タイプ2Aのホスファターゼ活性では変化がなかった(図18A)。図13Bで示したように、PPIのタンパク質レベルは全ての場合で同じであった。
Ser67及びThr75の両方でのI−1のリン酸化が、Thr35におけるI−1のPKAによるリン酸化の能力を減少するか否かを検討するために、組み替えI−1野生型及びI−1(S67D/T75D)プロテインを[γ−32P]ATPの存在下でPKAとインビトロで培養した。図20に示したように、二重突然変異体は野生型に比べて20%低い放射性活性を取り込んで、突然変異体中と同程度にThr35はリン酸化されないことを示唆した。従って、Ser67及びThr75が前もってリン酸化されている場合、PKAによってリン酸化されるI−1の能力が変化したと考えられる。
野生型I−1遺伝子は、高い出現頻度を有するレアコドンとして使用できること及び動物において発現を阻害できる、幾つかの逆シス作用性モチーフを含有することが見出された。従って、以下の配列番号13でコードされる切断型突然変異ヒトI−1プロテイン(T35D)を合成するために、(http://bip.weizmann.ac.il/index.html上で公開されて、例えば「Genetic Database」、M.J.Bishop ed.,Academic Press,(1999)に記載されている、以下のヒトコドン利用表に基づいて)標準的なコドン最適化を利用した。I−1 cDNAの切断はタンパク質の最初の65のアミノ酸をコードするようにする。
本明細書に記載のI−1突然変異体のコドンの最適化も同様に考えられる。
本発明を説明し、定義づけして請求するために、「配列番号」の参照は、その配列と少なくとも90%の同一性を有するもので、特定の突然変異の何れかを維持する全ての配列を含むものと理解されたい。より具体的な実施態様では、配列と少なくとも95%の同一性を有するもので、特定の突然変異の何れかを維持する配列を含むと理解されたい。さらに具体的な実施態様では、それは99%及び100%の間の同一性を有するもので、特定の突然変異の何れかを維持する配列を含む。
ヒト野性型PP−1は、既知又は未知の多形体として存在すると理解されている。例えば、アスパラギン又はリジンの残基のいずれかを包含していてよい8位のアミノ酸に基づく2つの多形体がある。前者は当該技術分野ではQ異性体として知られ、一方後者はK異性体として知られる。先の「定義」の部分に記載したように、当該技術分野において通常の技術を有する者には、本発明を実施及び定義づけするために、どちらの異性体が適切であるか、及びこれらの異性体が本質的に互換可能であるということは明らかである。同じように他にもこれらのような多形体が存在し得ることも明らかであり、本発明の範囲内にあるということも等しく意味する。
配列番号19によりコードされるアミノ酸配列は、配列番号20で示される。突然変異体「I−1 S67A/T35D」はGCAにより置き換えられたコドンTCT(371〜373)及びGACにより置き換えられたコドンACC(277〜279)を有するものであり、配列番号22で示される。配列番号22によりコードされるアミノ酸配列は、配列番号21で示される。
Claims (63)
- 配列番号5で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードする核酸分子であって、当該核酸分子が75位の構成的に非リン酸化状態のアミノ酸をコードするものである、構成的に非リン酸化状態のホスファターゼインヒビター−1プロテインをコードする単離された核酸分子又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 配列番号3で示されるヌクレオチド配列を含有してなる核酸分子及び配列番号3で示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の相同性を有する核酸分子からなる群より選択される、請求項1に記載の単離された核酸分子。
- 配列番号6で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードする核酸分子であって、当該核酸分子が75位の構成的に非リン酸化状態のアミノ酸をコードするものである、構成的に非リン酸化状態のホスファターゼインヒビター−1プロテインをコードする単離された核酸分子又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 配列番号4で示されるヌクレオチド配列を含有してなる核酸分子及び配列番号4で示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の相同性を有する核酸分子からなる群より選択される、請求項3に記載の単離された核酸分子。
- 配列番号5で示されるアミノ酸配列を含有してなる単離されたポリペプチド又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 配列番号6で示されるアミノ酸配列を含有してなる単離されたポリペプチド又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 請求項1又は3に記載の単離された核酸分子の有効量を対象の心臓細胞に導入すること、それにより対象における心筋収縮性を低下させることを含有してなる、対象において心筋収縮性を低下させる方法。
- 請求項5又は6に記載の単離されたポリペプチドの有効量を投与すること、それにより対象における心筋収縮性を低下させることを含有してなる、対象において心筋収縮性を低下させる方法。
- 野性型ホスファターゼインヒビター−1プロテインのPKC−αによるリン酸化部位に少なくとも1つの構成的に非リン酸化状態のアミノ酸を含有してなる、ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型をコードする配列を含有してなる核酸分子を、ホスファターゼ活性を低下させる有効量で対象の心臓細胞に導入することを含有してなる、心不全を有する対象を治療する方法。
- 少なくとも1つの構成的に非リン酸化状態のアミノ酸が、前記ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型の67位でアラニン(A)、アスパラギン酸(D)若しくはシステイン(C)、又は75位でアラニン(A)、アスパラギン酸(D)若しくはシステイン(C)である、請求項9に記載の方法。
- 核酸分子が、配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10、配列番号15及び配列番号17からなる群より選択される配列を含有してなる核酸分子と少なくとも90%の相同性を有している、及び核酸分子が67位若しくは75位の構成的に非リン酸化状態のアミノ酸をコードする、請求項9に記載の方法。
- ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型が、配列番号5、配列番号6、配列番号11、配列番号12,配列番号16及び配列番号18からなる群より選択されるアミノ酸配列を含有してなる、請求項9に記載の方法。
- 核酸分子が、配列番号3、配列番号4、配列番号9、配列番号10,配列番号15及び配列番号17からなる群より選択される配列を含有してなる、請求項9に記載の方法。
- 野性型ホスファターゼインヒビター−1プロテインのPKAによるリン酸化部位に少なくとも1つの構成的にリン酸化状態のアミノ酸を含有してなる、ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型をコードする配列を含有してなる核酸分子を、ホスファターゼ活性を低下させる有効量で導入することにより、心不全を有する対象を治療することをさらに含有してなる、請求項9に記載の方法。
- 少なくとも1つの構成的にリン酸化状態のアミノ酸が、ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型の35位においてアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)である、請求項14に記載の方法。
- 核酸分子が、配列番号19で示される配列を含有してなる核酸分子と少なくとも90%の相同性を有するものであり、35位の構成的にリン酸化状態のアミノ酸をコードするものである、請求項15に記載の方法。
- ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型が、配列番号20で示されるアミノ酸配列を含有してなる、請求項14に記載の方法。
- 核酸分子が、請求項19に記載の配列を含有してなる、請求項14に記載の方法。
- ホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型が、完全長タンパク質又は構成的に非リン酸化状態のその断片である、請求項9に記載の方法。
- ホスファターゼインヒビター−1プロテインが完全長タンパク質又は構成的に非リン酸化状態のその断片である、請求項14に記載の方法。
- 配列番号21で示されるアミノ酸配列を含有してなるポリペプチドをコードする核酸分子又はその断片を、ホスファターゼ活性を低下させる有効量で心不全を有する対象の心臓細胞に導入することによりその対象を治療することを含有してなる、心不全を有する対象を治療する方法。
- 核酸分子が、少なくとも配列番号21で示される1〜65位のアミノ酸を含有して配列番号21のPKC−αによるリン酸化部位で切断されているポリペプチドをコードする配列を含有する、請求項21に記載の方法。
- ポリペプチドが、配列番号21で示される67位又は75位の辺りで切断されている、請求項22に記載の方法。
- 核酸分子が配列番号22で示される配列を含有してなる、請求項21に記載の方法。
- さらに、核酸分子が、コード配列に作動可能に連結したプロモーターを含有してなる、請求項9に記載の方法。
- プロモーターが構成的プロモーターである、請求項25に記載の方法。
- プロモーターが複数の組織で発現するものであり、その組織の1つが心筋組織である、請求項25に記載の方法。
- プロモーターが、サイトメガロウイルス(CMV)、心筋特異的なトロポニンT、ミオシン重鎖及びミオシン軽鎖からなる群のいずれか由来の調節配列を含有してなる、請求項25に記載の方法。
- 核酸分子が、ウイルス粒子を含有してなるウイルス送達システムを投与することにより導入されるものである、請求項9に記載の方法。
- ウイルス粒子が、レンチウイルス粒子又はアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を含有してなる、請求項29に記載の方法。
- 核酸分子が、心筋の短縮、弛緩の時定数の減少及びカルシウムシグナルの減衰の促進並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される状態をもたらすのに有効な量で導入される、請求項9に記載の方法。
- 核酸分子が、収縮末期圧−径関係の改善に有効な量で導入される、請求項9に記載の方法。
- 心不全を有する対象が、心不全の他に、虚血、不整脈、心筋梗塞、心収縮異常及びCa2+代謝異常並びにそれらの組み合わせからなる群より選択される疾患も有する、請求項9に記載の方法。
- 対象がヒトである、請求項9に記載の方法。
- 対象の心臓の冠状血管を通る血流が制限されて、核酸分子が対象の冠状動脈の内腔に導入される、請求項9に記載の方法。
- 冠状静脈の血液流出が制限されている間も心臓がポンプとして機能する、請求項35に記載の方法。
- 冠状血管を流れる血流が完全に制限される、請求項35に記載の方法。
- 制限される冠状血管が、左冠動脈前下行枝(LAD)、左冠動脈回旋枝(LCX)、大冠状静脈(GCV)、中心静脈(MCV)及び前室間静脈(AIV)からなる群のいずれかを含有してなる、請求項37に記載の方法。
- 核酸分子が、冠状血管の虚血プレコンディショニングの後で導入される、請求項35に記載の方法。
- 対象の心臓からの大動脈の血流が制限されている間に核酸分子を心臓に注入することにより核酸分子を心臓に流入させる、請求項35に記載の方法。
- 投与が、血流を冠動脈へリダイレクトするように心臓からの大動脈血流を制限する;
核酸分子を心臓の内腔、大動脈又は冠状動脈口に注入して核酸分子を冠状動脈へ供給する;心臓からの大動脈血流が制限されている間も心臓をポンプとして機能させる;及び
大動脈の血流を回復させる:段階を含有してなる、請求項39に記載の方法。 - 核酸分子がカテーテルで心臓に注入される、請求項41に記載の方法。
- 核酸分子が心臓の筋肉に直接的に注入される、請求項41に記載の方法。
- さらに対象における心機能のパラメーターを評価することを含有してなる、請求項41に記載の方法。
- 心機能のパラメーターが、心拍数、心臓代謝、心収縮性、心室機能、Ca2+代謝及び筋小胞体Ca2+ATPアーゼ活性及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項44に記載の方法。
- 対象から心臓のホスファターゼインヒビター−1プロテインのサンプルを採取すること;及び
少なくとも1つのリン酸化されたPKC−αのリン酸化部位の存在を検出すること、それにより対象の心不全を診断又は予知することを含有してなる、対象の心不全を診断又は予知する方法。 - 少なくとも1つのリン酸化されたPKC−αのリン酸化部位が、前記の心臓のホスファターゼインヒビター−1プロテインの75位のスレオニン(T)残基又は67位のセリン(S)残基である、請求項46に記載の方法。
- 請求項1又は3に記載の単離された核酸分子を含有してなる組換えベクター。
- 請求項5又は6に記載の単離されたポリペプチド又は構成的に非リン酸化状態のその断片、及び薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含有してなる医薬組成物。
- 請求項1又は3に記載の単離された核酸分子又は構成的に非リン酸化状態のその断片、及び薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含有してなる医薬組成物。
- 単離された核酸分子が、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス及び単純ヘルペスウイルス1からなる群より選択されるウイルスベクター中に存在する、請求項50に記載の医薬組成物。
- 請求項5又は6に記載の単離されたポリペプチドに対してもたらされる抗体。
- 請求項52に記載の抗体を含有してなる診断用試薬。
- さらに、核酸分子を入手することを含有してなる、請求項9〜47のいずれか1項に記載の方法。
- 配列番号5又は配列番号6で示されるアミノ酸配列を含有してなる構成的に非リン酸化状態のホスファターゼインヒビター−1プロテインをコードする単離された核酸分子、又は構成的に非リン酸化状態のその断片、及び請求項9に記載の方法により心不全を有する対象を治療するための説明書を含有してなる心不全を有する対象を治療するためのキット。
- 配列番号20で示されるアミノ酸配列を含有してなるホスファターゼインヒビター−1プロテインの突然変異型をコードする単離された核酸分子、及び請求項14に記載の方法により心不全を有する対象を治療するための説明書をさらに含有してなる、請求項55に記載のキット。
- 配列番号21で示されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸分子又はその断片、及び請求項21に記載の方法により心不全を有する対象を治療するための説明書を含有してなる、心不全を有する対象を治療するためのキット。
- 配列番号12で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードする核酸であって、当該核酸分子が75位の構成的に非リン酸化状態のアミノ酸をコードする、構成的に非リン酸化状態のホスファターゼインヒビター−1プロテインをコードする単離された核酸分子又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 配列番号10で示されるヌクレオチド配列を含有してなる核酸分子及び配列番号10で示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド分子からなる群より選択される、請求項58に記載の単離された核酸分子。
- 配列番号16で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードする核酸であって、当該核酸分子が67位及び75位の構成的に非リン酸化状態のアミノ酸をコードする、構成的に非リン酸化状態のホスファターゼインヒビター−1プロテインをコードする単離された核酸分子又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 配列番号15で示されるヌクレオチド配列を含有してなる核酸分子及び配列番号15で示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド分子からなる群より選択される、請求項60に記載の単離された核酸分子。
- 配列番号18で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列をコードする核酸であって、当該核酸分子が67位及び75位の構成的に非リン酸化状態のアミノ酸をコードする、構成的に非リン酸化状態のホスファターゼインヒビター−1プロテインをコードする単離された核酸分子又は構成的に非リン酸化状態のその断片。
- 配列番号17で示されるヌクレオチド配列を含有してなる核酸分子及び配列番号17で示されるヌクレオチド配列と少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド分子からなる群より選択される、請求項62に記載の単離された核酸配列。
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