JP2009522934A - 信号レベル制御のための装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

複数のチューナを含むセット・トップ・ボックス、ならびに信号レベルを制御するための装置(100)及び方法(800)が記載される。装置(100)は、入力部と少なくとも2つの出力部との間で信号の信号電力を分割する信号スプリッタ(102)と、出力部に結合されたコントローラ(116)と、コントローラ(116)によって制御されるとともに、信号スプリッタ(102)に選択的に結合された、信号の信号伝達応答特性を変更する回路(310、410)とを含む。方法(800)は、出力信号の1つの信号品質特性を決定するステップ(808)と、信号品質特性と所定の信号品質特性閾値との比較(810)に応答して、信号スプリッタにおける信号応答を変更するステップ(814)とを含む、信号スプリッタによって出力される信号の信号レベルを制御することについて説明する。

Description

本出願は、米国特許法第119条に基づき、2006年1月4日に出願した米国仮出願第60/756103号、及び2006年1月4日に出願した米国仮出願第60/756165号の利益を主張するものである。
本開示は、一般的に、信号レベル制御のための装置及び方法に関し、より具体的には、回路を含む信号電力スプリッタと、信号レベルを調整するための制御に関するものである。
このセクションは、以下に記載され、かつ/または請求される本発明の様々な態様に関連し得る、当該分野の様々な態様を読者に紹介することを目的とするものである。この考察は、本発明の様々な態様のより良好な理解を容易にする背景的事項を読者に提供するのに有用であると考えられる。したがって、これらの記述は、従来技術を認定するということではなく、このような観点から読まれるべきであることを理解されたい。
衛星受信機のセット・トップ・ボックスに使用されるものなどの、チューナ及びチューナシステムは、さらに一層複雑になってきている。例えば、複数のチューナを使用して、別個の受信信号を、記録及び記憶用のハードディスクドライブ、テレビなどの外部表示装置ならびに家庭内の他の部屋に、同時に提供することができる。さらに、衛星通信サービスプロバイダは、追加のチャネル容量ならびに新たな信号変調フォーマットを付加することにより、能力を増加させてきた。増加された信号能力は、チューナ及びチューナシステムが、性能要件及び入力条件に大きなばらつきがある信号で動作することを必要とし得る。追加の複雑さ及び能力は、その結果、チューナ及びチューナシステムの設計要件に歪みをもたらしてきた。
セット・トップ・ボックス内で複数のチューナを使用することにおける追加の複雑さに対処するために、信号電力スプリッタが、個々のチューナそれぞれに受信信号を提供するために使用される場合が多い。しかし、単純な信号電力スプリッタは、チューナ及びチューナシステムの性能を低下させ得る。多くの場合、低下により、特に追加の能力要件を考えると、性能は可能な信号受信範囲全体にわたって容認し難いものとなる。
セット・トップ・ボックス内の複数のチューナへの入力信号を分割するための1つの解決策は、予備の増幅器を付加して、信号利得(signal gain)を与え、かつ信号電力スプリッタの性能低下の克服を試みることを含む。予備の増幅器を使用して、あらゆる可能な信号条件全体にわたって性能要件を満たすため、チューナシステム内の個々のチューナに提供される信号を何らかの形で信号レベル制御することが必要である。結果として、増幅器は一般的に連続可変利得増幅器である。
連続可変増幅器を動作させるのに必要な追加の制御により、チューナシステムの複雑さがさらに増加する。それに加えて、可変利得増幅器は、多くの場合、それら自体の性能低下をチューナシステムに取り込み、かつ、代替の固定利得増幅器よりも高価である。チューナシステムに対するこれらの益々高まる要件に伴う課題に対処するため、広範囲の信号要件全体にわたってチューナシステムの信号レベルを制御する、費用効率が高く複雑さの低い解決策を可能にする解決策が求められている。
開示される実施形態は、信号レベル制御のための装置及び方法に関する。一実施形態では、装置は、入力部と少なくとも2つの出力部との間で信号の信号電力を分割する信号スプリッタと、出力部に結合されたコントローラと、このコントローラによって制御されるとともに、信号スプリッタに選択的に結合された回路であって、信号の信号伝達応答特性を変更するための回路と、を含む。
別の実施形態では、信号スプリッタによって出力される信号の信号レベルを制御する方法は、出力信号の1つの信号品質特性を決定するステップと、この信号品質特性と所定の信号品質特性閾値との比較に応答して、信号スプリッタにおける信号応答を変更するステップと、を含む。
別の実施形態では、電力スプリッタによって出力される信号の信号レベルを制御する方法は、出力信号の1つの第1の信号品質特性を決定するステップと、電力スプリッタにおける信号応答を変更するステップと、信号応答の変更に応答して、出力信号の1つの第2の信号品質特性を決定するステップと、第1の信号品質特性を、第2の信号品質特性及び所定の信号品質特性閾値と比較するステップと、を含む。
本開示の特徴及び利点は、例証として与えられる以下の説明からより明白になるであろう。
本開示の1つまたは複数の特定の実施形態を以下に記載する。これらの実施形態を簡潔に記載するため、実際の実装におけるすべての特徴が本明細書に記載されるとは限らない。任意のそのような実際の実装の開発、例えば任意の工学上または設計上の計画において、実装ごとに異なることがあるシステムに関連する制約及びビジネスに関連する制約との適合性など、開発者の特定の目標を達成するため、多数の実装特有の決定が行われなければならないことが理解されるべきである。さらに、そのような開発努力は複雑で時間を要することであるが、いずれにしても、本開示の利益を有する当業者にとって、設計、組立て、及び製造は、通常的な取組みであることが理解されるべきである。
以下に、衛星信号を受信するのに使用される回路について記載する。信号入力が他の何らかの手段によって供給されてもよい場合に、他のタイプの信号を受信するのに利用される他のシステムは、非常に類似した構造を含み得る。当業者であれば、本明細書に記載される回路の実施形態が1つの潜在的な実施形態に過ぎないことを理解するであろう。そのため、代替実施形態では、回路の構成要素は再配置または省略され得、あるいは追加の構成要素が付加され得る。例えば、軽微な変更により、記載される回路は、ケーブルネットワークから配信されるような非衛星映像及び音声サービスで使用するために構成され得る。
次に図面を参照し、まず図1を参照すると、本発明の態様を使用する、衛星信号を受信するためのセット・トップ・ボックス100の例示的な一実施形態が示されている。複数のチャネルを含む信号ストリームが、同軸ケーブルを使用して、図示されない室外ユニットからセット・トップ・ボックスの入力側の信号分割回路102に伝達される。室外ユニットは、1つまたは複数の衛星に配置された衛星トランスポンダから信号ストリームを受信するように構成される。好ましい一実施形態では、2組の16チャネルが室外ユニットによって受信され、Lバンドと称される950〜2150メガヘルツ(MHz)の周波数範囲に変換される。Lバンド周波数範囲内の信号ストリームは信号分割回路102に伝達される。
信号分割回路102は、元の信号ストリームから2つの分割信号ストリームを生成する。2つの分割信号ストリームは同一の内容を含み、2つの分割信号ストリームの間で利用可能な信号電力を分配することによって生成される。信号分割回路102は、信号電力の分配または分割を達成するため、増幅器、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、または他の電磁デバイスなどの電気回路を使用し得る。
分割信号ストリームはそれぞれ、別個の信号処理経路で処理される。上側信号経路は、チューナ104、リンク回路(link circuit)106、及びトランスポート・デコーダ108を含み、信号経路は直列形式で接続される。下側経路も、チューナ110、リンク回路112、及びトランスポート・デコーダ114を含み、信号経路はやはり直列形式で接続される。各処理経路は、分割信号ストリームの1つに対して本質的に同一の信号処理を行い得る。したがって、上側信号処理経路のみをここではさらに説明する。
信号分割回路102からの分割信号ストリームのうちの1つは、チューナ104に供給される。チューナ104は、分割信号ストリームにおけるチャネルのうちの1つを選択または調整して、1つまたは複数のベースバンド信号を生成することによって、分割信号ストリームを処理する。チューナ104は、分割信号ストリームを増幅し、フィルタ処理し、かつ周波数変換するために、増幅器、フィルタ、ミキサ、及び発振器などの回路を含む。チューナ104は、一般的に、リンク回路106か、あるいは後述するコントローラ116などの別のコントローラのどちらかによって、制御または調整される。制御コマンドは、チューナ104内のミキサとともに使用されて周波数変換を行う、発振器の周波数を変えるためのコマンドを含む。
一般的に、チューナ104の出力部におけるベースバンド信号は、所望の受信信号と総称され得、入力信号ストリームとして受信された一群のチャネルから選択された1つの衛星チャネルを表し得る。信号はベースバンド信号として記載されるが、実際には、この信号は、事実上ベースバンド付近であるに過ぎない周波数に位置付けられ得る。
チューナ104からの1つまたは複数のベースバンド信号はリンク回路106に供給される。リンク回路106は、一般的には、リンク回路106の残りの回路群による復調のため、1つまたは複数のベースバンド信号をデジタル信号に変換するために必要な処理回路を含む。一実施形態では、デジタル信号は、1つまたは複数のベースバンド信号のデジタル形式を表し得る。別の実施形態では、デジタル信号は、1つまたは複数のベースバンド信号のベクトル形式を表し得る。リンク回路106は、また、デジタル信号を復調し、エラー訂正を行って、転送信号を生成する。転送信号は、単一プログラム転送ストリーム(SPTS)と称される場合が多い、1つのプログラム用のデータストリームを表し得、あるいは、複数プログラム転送ストリーム(MPTS)と称される、ともに多重化される複数のプログラム・ストリームを表し得る。
リンク回路106は、また、到来ベースバンド信号(1つまたは複数)を特徴付ける回路群を含む。信号の特徴付けは、到来信号(1つまたは複数)の信号品質を決定するために使用され、また、リンク回路内の異なる地点における測定を含むとともに、セット・トップ・ボックス100内の特定の回路を制御し得る。信号の特徴付けは、相対信号レベル、信号対雑音比、またはデジタル信号ビットエラー率の測定を含み得る。それに加えて、リンク回路106がイコライザを含む場合、特徴付けはイコライザ要素から得られる値を含み得る。
好ましい一実施形態では、相対信号レベルは、チューナ104内の信号利得を調整するための自動利得制御ループの一部として監視される。信号は、チューナ104内の信号利得を調整するため、リンク回路106からチューナ104に供給される。利得調整信号は、1つまたは複数のベースバンド信号の相対レベルを測定し、時定数期間にわたる測定値を統合または平滑化するリンク回路106に基づく。平滑化された値は閾値と比較され、必要であれば、処理され、チューナ104内の利得制御可能な増幅器に対する調整信号としてチューナ104に供給される。
信号品質の特徴付けは、信号分割回路102のための制御信号を決定するのにも使用される。特徴付けの情報は、リンク回路106内で処理され得、さらに、追加の処理のためにコントローラ116に供給され得る。
転送信号はトランスポート・デコーダ108に供給される。トランスポート・デコーダ108は、一般的には、SPTSまたはMPTSのどちらかとして供給される転送信号を、個々のプログラム・ストリーム及び制御信号に分離する。トランスポート・デコーダ108は、また、プログラム・ストリームを復号し、復号されたプログラム・ストリームから音声信号及び映像信号を作成する。一実施形態では、トランスポート・デコーダ108は、ユーザ入力によって、またはコントローラ116などのコントローラを通して、ユーザが選択した1つのプログラム・ストリームのみを復号し、かつこの1つの復号されたプログラム・ストリームに対応する1つのみの音声信号及び映像信号を作成するように指示される。別の実施形態では、トランスポート・デコーダ108は、利用可能なプログラム・ストリームをすべて復号し、次に、ユーザ要求に応じて1つを超える音声信号及び映像信号を作成するように指示され得る。
音声信号及び映像信号は、任意の必要な制御信号とともに、トランスポート・デコーダ108及びトランスポート・デコーダ114の両方からコントローラ116に供給される。コントローラ116は、音声信号、映像信号、及び制御信号のルーティング及びインターフェースを管理し、さらに、セット・トップ・ボックス100内の様々な機能を制御する。例えば、トランスポート・デコーダ108からの音声信号及び映像信号は、コントローラ116を通して音声/映像(A/V)出力部126に送られ得る。A/V出力部126は、テレビまたはコンピュータなどの外部デバイスによる使用のため、セット・トップ・ボックス100からの音声信号及び映像信号を供給する。また、トランスポート・デコーダ114からの音声信号及び映像信号は、コントローラ116を通して、記録及び記憶用のメモリブロック130に送られ得る。メモリブロック130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュ、ハードディスクドライブなどのハード媒体を含む、いくつかの形態のメモリを含み得る。メモリブロック130は、コントローラ116が使用する命令及びデータを記憶するメモリ部、ならびに音声信号及び映像信号を記憶するメモリ部を含み得る。コントローラ116は、また、トランスポート・デコーダ108またはトランスポート・デコーダ114からのMPTSまたはSPTSなど、信号を代替形態でメモリブロック130に記憶できるようにされ得る。
コントローラ116は、また、サービスプロバイダへの電話接続を提供する電話モデムなど、外部通信インターフェース120に接続される。外部通信インターフェース120は、音声信号及び映像信号の使用を許可する信号を供給する。コントローラ116は、また、音声/映像信号の使用を管理し、不正使用を防ぐための信号を通信する、スマートカードなどのセキュリティ・インターフェース118に接続する。ユーザ制御は、セット・トップ・ボックスを制御するユーザコマンドを直接入力するユーザパネル122と、外部遠隔制御デバイスからのコマンドを受信する遠隔制御受信器124とによって達成される。ユーザパネル122及び遠隔制御受信器124は両方ともコントローラ116に接続される。図示されていないが、コントローラ116は、また、チューナ104及び110、リンク回路106及び112、ならびにトランスポート・デコーダ108及び114に接続して、最初の設定情報を供給するとともに、ブロック間で制御情報を受け渡し得る。最後に、電源128は、一般的に、セット・トップ・ボックス100内のブロックのすべてに接続し、それらのブロックに電力を供給するとともに、衛星室外ユニットなど、外部の電力を必要とする要素のいずれかに電力を提供する。
コントローラ116は、また、信号分割回路102に制御信号を供給する。制御信号は、信号処理経路のどちらかからのリンク回路106またはリンク回路112で行われる、信号品質の特徴付けに基づいて決定され得る。コントローラ116は、信号の特徴付けの情報を処理して、制御信号の設定を決定され得る。コントローラ116は、また、信号分割回路102に対する制御信号の設定を決定するため、各信号処理経路の信号品質を比較し得る。それに加えて、コントローラ116は、信号分割回路に供給された制御信号のどちらかまたは両方の設定から決定された、信号品質値を比較し得る。
セット・トップ・ボックス100内の上述のブロックは重要な相互関係を有し、いくつかのブロックが組み合わされ、かつ/または再配置され、依然として同じ基本的な全体機能を提供し得ることが、当業者には理解されるべきである。例えば、トランスポートデコーダ108及びトランスポート・デコーダ114は、組み合わされ、さらにコントローラ116の機能のいくつかまたはすべてを組み込んで、セット・トップ・ボックス100用のメインコントローラとしての働きをし得る。さらに、様々な機能の制御は、特定の設計用途及び要件に基づいて、分配されるか、または割り当てられ得る。例えば、2つの分割信号ストリームの処理経路は、特定のタイプの信号に関して動作し得る。チューナ104、リンク回路106、及びトランスポート・デコーダ108は、高精細度の音声及び映像形式を採用する信号を受信し、復調し、復号し得、チューナ110、リンク回路112、及びトランスポート・デコーダ114は、プログラム案内の動作を維持する信号を受信し得る。この配置では、信号分割回路102の制御は、高精細度の音声信号及び映像信号を発生させる信号経路における、性能要件及び信号の特徴付けのみに基づいて、リンク回路106から供給され得る。
図2を参照すると、本発明の態様を使用する、信号分割回路200の例示的な一実施形態が示される。信号分割回路200は、図1に示されるセット・トップ・ボックス100内の信号分割回路102と同じ全体機能を果たす。入力信号ストリームは増幅器202に供給される。増幅器202は、到来信号ストリームに信号利得または電力利得を与えることにより、到来信号の信号レベルまたは信号電力を増加させる。増幅器202は、セット・トップ・ボックスへ信号ストリームを送るのに使用される他の機器及びケーブル布線による信号損失を克服するため、信号電力を増加させる。これらの機器及びケーブル布線の使用は、信号レベル又は信号電力の低下につながる。増幅器202は、また、到来信号ストリームを分配または分割するプロセスに固有の信号損失を克服するため、信号電力を増加させ得る。好ましい一実施形態では、増幅器202は、到来信号ストリームの信号レベルに比べて約13デシベル(dB)の信号利得を供給する。
信号利得に加えて、増幅器は、また、雑音指数、歪み、及び利得テーパ(gain taper)として一般に知られる付加的な雑音など、望ましくない性能アーチファクトを発生することがある。これらのパラメータそれぞれの性能レベルは、主に、当業者には良く知られているように、特定の増幅器における設計上の選択によって制御され得る。ただし、上述したような固定利得増幅器、特に13dBなどの中程度の信号利得のみを伴う増幅器は、代替の可変利得増幅器よりも良好な性能レベルを実現するであろうという点に留意することが重要である。それに加えて、中程度の利得を伴う増幅器は、また、周波数範囲全体にわたってより均一な量の信号利得を持つか、または到来するLバンドの周波数信号ストリームに対してより少ない利得テーパを持つであろう。
増幅された信号ストリームは電力スプリッタ204に供給される。電力スプリッタ204は、増幅された信号ストリームから2つの分割信号ストリームを生成する。電力スプリッタ204は、電磁原理を使用する並列巻変圧器、または抵抗器もしくは他の電気インピーダンスデバイスの特定の配列など、信号電力を分割するいくつかの既知の回路を使用し得る。好ましい一実施形態では、電力スプリッタ204は、分割信号ストリームを生成するため、3つの抵抗器の配列を使用する。一方の分割信号出力は、図1に示されるチューナ104、リンク回路106、及びトランスポート・デコーダ108を含む第1の信号経路に接続する。他方の分割信号出力は、同様に図1に示されるチューナ110、リンク回路112、及びトランスポート・デコーダ114を含む第2の信号経路に接続する。
上述の受動型回路によって作られる2つの分割信号ストリームはそれぞれ、必然的に、含まれる信号電力が、電力スプリッタ204への入力部における増幅された信号ストリームよりも少なくなる。2つの分割信号ストリーム間での電力の分配または分割は、均等であってもなくてもよい。しかし、2つの分割信号ストリームの信号出力の合計は、必然的に、電力スプリッタ204の入力部における増幅された信号の信号電力に等しいか、またはそれよりも少ないはずである。
電力スプリッタ204は、また、上述の受動的構成要素に加えて、またはそれらの代わりに、トランジスタ及びダイオードなどの他の能動的信号構成要素を含んでもよい。能動的信号構成要素により、上述の信号電力の合計に関する制約なしに、電力スプリッタ204が動作することが可能になってもよい。
電力スプリッタ204は、また、制御信号入力部を含む。制御信号は、例えば、上述のコントローラ116から供給される。制御信号により、スプリッタの性能を調整するため、電力スプリッタ204内に含まれる回路群を接続または分離することが可能になる。例えば、抵抗、コンデンサ、及びインダクタは、電力スプリッタ204の信号伝達応答特性を変更するような形で含まれ、接続されてもよい。信号伝達応答特性、すなわち伝達応答は、電力スプリッタ204の出力側に存在する信号と電力スプリッタ204の入力側に存在する信号との関係を表す。電力スプリッタ204を備えた追加の回路群は、追加の回路群がない状態での基準の信号伝達応答特性に比べて、変更された信号伝達応答特性を作り出し得る。
図3を参照すると、本発明の態様を使用する、電力スプリッタ300の例示的な一実施形態の回路図が示されている。上述した増幅された信号ストリームなどの入力信号は、抵抗器302の一方の端子に供給される。抵抗器302は、併せて抵抗性信号電力スプリッタを形成する抵抗器304及び抵抗器306をさらに含む、抵抗器ネットワークの一部である。抵抗器を使用する電力スプリッタにより、上述したように、入力信号を、ある程度の信号電力損失をそれぞれ取り込む2つの出力信号経路に分割することが可能になる。さらに、抵抗性スプリッタにより、入出力を接続して、基準の入出力の抵抗またはインピーダンスを呈し、また、入出力接続それぞれの間に何らかの絶縁をもたらすことが可能になる。抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306の抵抗値は、一般的に、設計上の選択事項である。好ましい一実施形態では、抵抗器302は20Ωの値を有し、抵抗器304は20Ωの値を有し、抵抗器306は20Ωの値を有する。抵抗器のこのネットワークによって形成される抵抗性スプリッタによって、抵抗器1の抵抗器スプリッタの入力端子における信号電力に対して、各出力における各分割信号ストリームについて約6dBの信号電力損失がもたらされる。それに加えて、抵抗性スプリッタネットワークは、信号ストリームのLバンド周波数範囲にわたって約75Ωの入出力インピーダンスを供給し維持する。
抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306は、共通のノードで接続された各抵抗器の一方の端子で互いに接続される。抵抗器304の他方の端子は、出力部として、一方の分割信号ストリームの信号処理経路に接続される。抵抗器306の他方の端子は、出力部として、他方の分割信号ストリームの信号処理経路に接続される。
スイッチ308は、抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306によって形成される抵抗性スプリッタネットワークの伝達応答を変更する回路を接続する。スイッチ308は、好ましくは、単極双投(SPDT)配置として一般に知られている配置の、2つの選択可能な接続またはスイッチ端子と共通の端子とを含む。好ましい一実施形態では、スイッチは、ガリウム砒素電界効果トランジスタ(GaAsFET)SPDTデバイスである。スイッチ308は、また、PINダイオードまたは電磁制御式リレースイッチなどの他の構成要素を利用してもよい。好ましくは、スイッチ308は、「オン」状態では、接続された端子と共通の端子との間に、非常に低抵抗のインピーダンス接続をもたらす。スイッチ308は、また、「オフ」状態では、接続されていない端子と共通の端子との間に高レベルの信号絶縁をもたらすとともに、接続された端子と接続されていない端子との間に高い絶縁をもたらす。
スイッチ308の一方のスイッチ端子は、抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306を互いに接続する共通のノードに接続される。スイッチ308の他方のスイッチ端子はアースに接続される。スイッチ308の共通の端子は、抵抗性スプリッタネットワークの信号伝達応答特性をその基準の伝達応答から変更するのに使用される回路に接続される。一実施形態では、スイッチ308の共通の端子は抵抗器310に接続される。抵抗器310の他方の端子はアースに接続される。抵抗器310の抵抗値は50Ωである。
スイッチ308は、また、上述のコントローラ116などのデバイスから供給される制御信号入力部を含む。制御信号は、スイッチ308のスイッチ状態を制御するのに使用される。スイッチ308のスイッチ状態は、スイッチ308のどの選択された端子が共通の端子に接続されるかを決定する。
ここでは図示されていないが、電気回路におけるDC電力信号などの他の信号を取り込み、送り、または排除するため、他の回路構成要素がさらに存在してもよい。例えば、DC信号を遮断するコンデンサが、抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306と直列に含まれてもよい。これらの回路構成要素は、当業者には良く知られているように、必要に応じて組み入れられ得る。
好ましい動作モードでは、スイッチ308に対する制御信号が、抵抗性スプリッタネットワークの基準動作が使用されることを示すとき、スイッチ308は、下側のスイッチ端子を共通の端子に接続して、抵抗器310の両方の端子をアースに接続する。抵抗器310は、抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306によって形成される抵抗性スプリッタネットワークには接続されない。結果として、抵抗性スプリッタネットワークの伝達応答は通常の方法で動作する。
しかし、スイッチ308に対する制御が、抵抗性スプリッタネットワークの変更された動作が使用されることを示すとき、スイッチ308は、上側のスイッチ端子を共通の端子に接続して、抵抗器310を、抵抗器302、抵抗器304、及び抵抗器306の共通のノード接続に接続する。抵抗性スプリッタネットワークに接続された抵抗器310を含む追加の回路は、信号電力損失を増加させることにより、抵抗性スプリッタネットワークの信号伝達応答特性を変更する。50Ωの値を有する抵抗器310を抵抗性スプリッタネットワークに追加することにより、各分割信号ストリームについて約9dBの追加の信号電力損失がもたらされる。抵抗器310を追加したにも関わらず、約75Ωの基準入出力インピーダンスが残る。
図4を参照すると、本発明の態様を使用する電力スプリッタ400の別の例示的な実施形態の回路図が示される。抵抗性スプリッタを形成する抵抗器402、抵抗器404、及び抵抗器406の接続及び機能は、図3に記載される抵抗器と同様であり、それらについては、ここではこれ以上説明しない。切換え機能はダイオード408を使用して達成される。ダイオード408は、好ましくは、順バイアス状態では非常に低い直列抵抗を有し、逆バイアス状態では高い絶縁をもたらす非常に高い直列インピーダンスを有するという特性を有するピンダイオードである。ダイオード408のアノードは、抵抗器402、抵抗器404、及び抵抗器406を接続する共通のノードに接続される。ダイオード408のカソードは、インダクタ410の一方の端子である伝達応答変更回路に接続される。インダクタ410の他方の端子は、DC信号を遮断するのに使用されるコンデンサ412を通してアースに接続される。ダイオード408のカソードは、抵抗器414の一方の端子にも接続される。抵抗器414の他方の端子は、例えば上述のコントローラ116によって提供される、制御信号経路に接続される。2Vなどの電圧「高」レベルのロジック電圧未満の電圧レベルにおけるDC電圧源への追加の接続が、入力信号と共通の抵抗器402の端子に接続される。上述と同様に、当業者には良く知られているように、DC信号などの信号を防ぎ、取り込み、または送るため、追加の構成要素が追加され得る。
伝達応答変更回路としてのインダクタ410を導入することによって、高域フィルタ応答が抵抗性スプリッタネットワークに導入され得る。インダクタ410のインダクタンスの値は設計上の選択事項である。好ましい一実施形態では、インダクタンス値は約1.5ナノヘンリー(nH)である。実際の実装では、そのような小さな値のインダクタンスの実現は、ダイオード408及びコンデンサ413など、他の構成要素の固有のインダクタンスを使用して、ならびに、当業者には良く知られているように、プリント回路基板上に微量の銅を使用して達成され得る。インダクタ410を伝達応答変更要素として導入した結果として、抵抗器402、抵抗器404、及び抵抗器406によって形成される抵抗性スプリッタネットワークの異なる経路を通る各信号の信号レベルが、Lバンド信号周波数範囲にわたって可変的に変えられた。例えば、950MHzの信号レベルは、入力における信号レベルに比べて、1950MHzの信号レベルよりも約22dB低い。
好ましい動作モードでは、コントローラ116からの制御信号が、基準動作が使用されることを示すとき、ロジックレベルの「ハイ」電圧、例えば3.3Vを表す制御信号が抵抗器414に供給される。ダイオード408のカソードに接続された「ハイ」電圧は、抵抗器402を通してダイオード408のアノードに加えられるより低いDC電圧と組み合わされて、ダイオード408を逆バイアス状態にする。逆バイアス状態により、ダイオード408が、抵抗器ネットワークの共通のノードに対する高いインピーダンスを呈して、伝達応答変更回路、インダクタ410が、抵抗器402、抵抗器404、及び抵抗器406によって形成される抵抗性スプリッタネットワークの基準の信号伝達応答特性を変更するのを有効に防ぐことが可能になる。
しかし、コントローラ116からの制御信号が、変更された動作が使用されることを示すとき、ゼロ電圧を表す制御信号が抵抗器414に供給される。ゼロ電圧は、事実上のアースとして働き、ダイオード408のアノードに加えられるDC電圧と組み合わされて、ダイオード408を順バイアス状態に入れることを可能にする。バイアス電流は、DC電源から、抵抗器402を通ってダイオード408に入る。電流は、ダイオード408から出て、抵抗器414を通り、電流シンクとしての働きをするコントローラ116への制御信号経路の事実上のアースに入る。順バイアス状態のダイオード408は、インダクタ410と直列の非常に小さなインピーダンスを呈して、抵抗器402、抵抗器404、及び抵抗器406を接続する共通のノードにおいて、インダクタ410を抵抗性スプリッタネットワークに有効に接続する。
図面では、単一の要素が抵抗性スプリッタネットワークの信号伝達応答特性を変更する回路として導入されることを説明してきたが、複数の要素が使用され得る。例えば、広域フィルタ応答と、信号周波数範囲全体にわたる追加の信号電力レベル低下との両方を用いて伝達応答を変更するため、インダクタと並列に抵抗器を追加することが可能であってもよい。
図5を参照すると、基準モードで動作している電力スプリッタ300または電力スプリッタ400の出力部における信号を図解するグラフが示される。グラフのx軸はMHz単位の周波数であり、y軸は対数的dBスケール上に示される信号レベルまたは振幅である。信号は、950〜2150MHzを網羅するLバンド周波数範囲において、衛星システムからセット・トップ・ボックス100に伝達される、チャネル群510及び520によって表される。チャネルの数及びチャネルのグループ化は、特定の衛星システムの動作に応じて決まり得る。一実施形態では、16チャネルの第1群510は、第1の衛星からトランスポンダによって伝達され、Lバンド周波数範囲の下側部分付近の周波数領域でセット・トップ・ボックス100に供給される。16チャネルの第2群520は、第2の衛星からトランスポンダによって伝達され、Lバンド周波数範囲の上側部分付近の周波数領域でセット・トップ・ボックス100に供給される。
電力スプリッタ300または電力スプリッタ400からの出力信号を示すグラフは、2つのチャネル群510及び520それぞれについてデシベル(dB)スケールで示される、信号レベルの差を示す。グラフは、また、信号を供給するのに使用されるセット・トップ・ボックス100に接続された機器、及びセット・トップ・ボックス100内の他の回路群によって導入される、先細り状の信号レベルを示す。
図6のグラフは、変更されたモードで動作している電力スプリッタ300の出力部における信号を示す。x軸、y軸、及びチャネル群は図5と同じである。抵抗器310を追加することによって、チャネル群510及び520両方の信号レベルが、図5に示される信号レベルに比べて、Lバンド周波数範囲にわたって約9dBだけ均等に低減される。
図7のグラフは、変更されたモードで動作している電力スプリッタ400の出力部における信号を示す。x軸、y軸、及びチャネル群は図5及び図6と同じである。電力スプリッタ400における高域フィルタ周波数応答を形成するインダクタ410を追加することによって、Lバンド周波数範囲にわたって可変の信号レベルの低減がもたらされる。下側のチャネル群510の相対信号レベルは、上側のチャネル群520よりも低減される。さらに、下側のチャネル群510内の下側のチャネルは、上側のチャネルよりも大きなレベルだけ低減または減衰される。
図8を参照すると、本発明の態様を使用する、信号レベル制御をもたらす例示的なプロセス800を示すフローチャートが示されている。プロセス800を、図1の上側信号処理経路に関連するブロックを使用して記載するが、プロセス800は、図1の処理経路のどちらかまたは両方に適用され得る。ステップ802では、チューナ104は、セット・トップ・ボックス100に供給される入力信号ストリーム内の特定のチャネルをチューニングするように命令を受ける。チューニング機能は、コントローラ116から、または続いてリンク回路106からチューナ104に送信されるコマンドを生成する、ユーザからの入力に基づいて制御される。ステップ802は、コマンドを送信するステップと、チューナ104内でのミキシングまたは周波数変換プロセスに使用される周波数調整可能な発振器をプログラムするため、チューナ104にコマンドを翻訳させるステップと、を含む。実際の周波数は、位相同期ループなどの制御ループを使用してチューニング(同調)される。
ステップ804では、分割回路102の初期化が行われる。初期化は、分割回路102の動作モードをプリセットする。例えば、分割回路102は基準動作用に設定されてもよい。基準動作では、信号分割回路102の通常予期される性能レベルが維持され、通常の伝達応答特性が、信号スプリッタ102を通る信号に適用される。追加の周波数または振幅レベル特性は導入されない。
ステップ806では、ステップ802にてチューニングされている所望のチャネルが、処理のためにリンク回路106に提供され、リンク回路106とチューナ104の間の利得制御ループが、最終的な定常値に達することが可能になる。利得制御ループは、利得制御が定常値に達することを可能にする1つまたは複数の時定数を含み得る。
ステップ808では、利得制御ループが定常値に達した後、リンク回路106における信号の特徴付けを使用して、所望のチャネルの信号品質を決定する。信号の特徴付けは、信号レベル、信号対雑音比、ビットエラー率、歪み、フレームエラー率、またはイコライザ効率など、アナログまたはデジタル信号に関連したパラメータの1つまたは複数の測定を伴い得る。それに加えて、すべての可能な信号条件にわたって信号品質の推定を改善するため、パラメータの2つ以上が重み関数に組み合わされ得る。
信号品質は、存在する雑音の量、チャネル数、または信号ストリーム内の受信チャネル以外のチャネルの相対信号強度など、信号条件に関連する多数の要因に影響を受けることがある点に留意することが重要である。
ステップ810では、ステップ808で決定された信号品質値が信号品質閾値と比較される。信号品質閾値は、適切な信号の復調及び回復に求められる必要な信号性能に基づいて決定され得、設計または製造時にプリセットされ得る。衛星信号受信のための一実施形態では、信号品質閾値は1ミリワット(dBm)に対して−45デシベルである。信号品質閾値は、また、セット・トップ・ボックス100の前回の動作、及び動作中に決定された前回の信号品質値に基づいて決定され得る。信号品質閾値は、一般的に、メモリにプログラムされ得る。信号品質閾値は、信号ストリームから受信することができるすべてのチャネルについて単一の値であり得、あるいは各チャネルについて異なる値でもあり得る。
ステップ810で、チューニングされた所望のチャネルの信号品質値と信号品質閾値との比較が、チューニングされた所望のチャネルの信号品質が容認できるものであることを示した場合、分割回路102における信号レベル制御を調整する必要はない。ステップ812では、復調及び回復のプロセスはリンク回路106で継続される。
ステップ810で、チューニングされた所望のチャネルの信号品質値と信号品質閾値との比較が、チューニングされた所望のチャネルの信号品質が容認できないものであることを示した場合、分割回路102の信号レベル制御の調整が行われる。ステップ814では、信号分割回路の調整の制御が、以前のまたは初期の状態から、第2のまたは変更された状態に変えられる。第1のまたは初期の状態が周波数または振幅の調整を導入しなかった場合、第2の状態は、ここで、信号伝達応答特性に対する応答変化を導入し得る。応答変化は、分割回路102を通る信号に適用される平坦な伝達応答振幅低下が得られる、信号レベル全体の低下した信号レベルの形態であり得る。応答変化は、分割回路102を通る信号に適用される高域通過フィルタ伝達応答特性などの、周波数選択振幅変化の形態であり得る。ステップ816では、利得制御ループが最終的な定常状態に安定することが可能になり、ステップ812に戻って、所望のチャネルとしてチューニングされた信号の復調及び回復がリンク回路106において継続される。
あるいは、ステップ816におけるプロセスは、ステップ808に戻り、第2の制御設定を使用して、信号品質値を決定し、信号品質閾値と比較するステップを介して、繰り返され得る。このようにして、各制御設定についての信号品質値を閾値と比較することができ、さらに、各制御設定の信号品質の比較が比較され得る。比較により、例えば、両方の信号品質値が信号品質閾値に比べて容認できるものである場合であっても、スプリッタ回路102の最良の制御状態を選択することが可能になり得る。
図9を参照すると、本発明の態様を使用する、信号レベル制御をもたらす別の例示的なプロセス900を示すフローチャートが示されている。プロセス900は2つのチューナが関与するステップを含む。プロセスは、2つを超えるチューナを含むように容易に拡張され得る。さらに、プロセス800にて記載したいくつかのステップが省略されているが、必要に応じてプロセスに再び追加され得る。
ステップ902では、チューナ104などの第1のチューナは、受信器に供給される入力信号ストリーム内の特定のチャネルをチューニングさせるように命令を受ける。ステップ902のチューニング機能は上述のものに類似しているので、ここではこれ以上記載しない。ステップ904では、分割回路102の初期設定が決定される。初期設定は、上述したようなプリセット状態とされ得る。例えば、分割回路は基準動作用に設定され得るので、追加の周波数または振幅レベル特性は導入されない。あるいは、初期設定は、第1のチューナであるチューナ104に対してプロセス800のステップを実行し、例えば信号品質閾値を超える値を決定することによって決定され得る。
次に、ステップ906では、チューナ110などの第2のチューナは、受信器に供給される入力信号ストリーム内の特定のチャネルをチューニングさせるように命令を受ける。チューニングコマンドは上述のものと類似している。第2のチューナは、第1のチューナをチューニングさせた直後、例えば、セット・トップ・ボックス100を最初に作動させたときにチューニングされ得る。第2のチューナは、また、第1のチューナのチューニングとは大幅に異なる時点でチューニングされ得る。例えば、第2のチューナは、現在のプログラムが完了した後、第1のチューナを異なるプログラムにチューニングさせた1時間後にチューニングされ得る。
ステップ908では、リンク回路106及びリンク回路112を使用する両方のチューニングされたチャネルの信号の特徴付けを使用して、チューニングされたチャネルそれぞれの信号品質が決定される。各信号に対する信号品質値は、上述した信号の特徴付け技術に基づいて決定される。
ステップ910では、ステップ908で決定されたチューニングされたチャネルそれぞれの信号品質値が信号品質閾値と比較される。信号品質閾値は、上述したように決定され得、チューニングされたチャネルそれぞれについて異なる値であり得る。
ステップ910で、チューニングされたチャネルそれぞれの信号品質値と閾値(1つまたは複数)との比較が、チューニングされたチャネル両方の信号品質値が容認できるものであることを示した場合、ステップ916で、リンク回路106及びリンク回路112のチューニングされた所望のチャネルそれぞれに対して、復調及び回復のプロセスがそれぞれ継続される。
ステップ910で、チューニングされたチャネルそれぞれの信号品質値と閾値(1つまたは複数)との比較が、チューニングされたチャネルのどちらかまたは両方の信号品質値が容認できないものであることを示した場合、信号分割回路102の信号レベル制御の調整が行われる。ステップ918では、信号分割回路102の調整の制御が、以前のまたは初期の状態から第2の状態に変えられる。次に、プロセスは、ステップ918からステップ908に戻って、チューニングされたチャネルそれぞれの信号の特徴付けを再び決定する。
あるいは、ステップ910で、チューニングされたチャネルそれぞれの信号品質値の両方と閾値(1つまたは複数)との比較が、チューニングされたチャネル両方の信号品質値が容認できるものであることを示した場合、第2の比較が行われ得る。第2の比較は、第1のチューニングされた所望のチャネルからの信号品質値と、第2のチューニングされた所望のチャネルからの信号品質値とを比較する。さらに、比較は、信号分割回路102に対する制御が第1の制御状態または第2の制御状態のどちらかである間、どちらかのチューニングされた所望のチャネルの信号品質値を含み得る。信号品質値は、メモリ130などのメモリに記憶され、比較を可能にするため、必要に応じて検索され得る。このようにして、制御状態は、例えば、どの制御状態が、チューニングされた所望のチャネル両方の信号品質に同時に最も高い性能をもたらすかに基づいて選択され得る。
示されたステップは例示的なプロセスのステップを表すが、プロセスの全体的機能を変えないまま、ステップのいくつかを省略するか、ステップのいくつかを組み合わせたり並べ替えたりすることが可能なことがある。また、例えば、国内での所在に基づいて、特定の信号条件または動作シナリオを決定することが可能なこともある。分割回路102の動作に関する制御情報及び信号品質閾値は、それらの信号条件または動作シナリオに対して提供された情報に基づいて調整された、それらの動作シナリオ及び分割回路102の動作について、設計または製造中にメモリに記憶することができる。さらに、実施形態は、信号分割回路102の制御に関する2つの制御状態のみを記載しているが、回路を並列で追加することにより、2つを超える制御状態が可能なことがある。
信号スプリッタは、多くの場合、チューナシステム内の2つ以上のチューナに信号を供給するために必要とされ、信号スプリッタを追加するには増幅器の追加を必要とする場合が多い。信号条件に基づいて信号伝達応答特性の修正を可能にするスプリッタを導入することで、困難な信号要件下で複数のチューナを使用してチューナシステムを動作させることの問題に対する、低コストで複雑さを最小限に抑えた解決策がもたらされる。
本開示は様々な修正及び代替形態を受け入れることができるが、特定の実施形態を例証として図面に示し、本明細書に詳細に記載する。しかし、本開示は、開示される特定の形態に限定されることを意図しないことが理解されるべきである。より正確には、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲内にある、すべての修正、等価物、及び代替物を包含するものである。
本発明の一実施形態を使用する例示的なシステムのブロック図である。 本発明の一実施形態のブロック図である。 本発明の一実施形態の回路図である。 本発明の別の実施形態の回路図である。 1つのモードで動作している本発明の一実施形態の出力信号を示すグラフである。 別のモードで動作している本発明の一実施形態の出力信号を示すグラフである。 別のモードで動作している本発明の一実施形態の出力信号を示すグラフである。 本発明の一実施形態の例示的なプロセスを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
100 セット・トップ・ボックス
102 信号分割回路
104、110 チューナ
106、112 リンク回路
108、114 トランスポート・デコーダ
116 コントローラ
118 セキュリティ・インターフェース
120 外部通信インターフェース
122 ユーザパネル
124 遠隔制御受信器
126 音声/映像出力部
128 電源
130 メモリブロック

Claims (20)

  1. 入力部と少なくとも2つの出力部との間で信号の信号電力を分割する信号スプリッタ(102)と、
    前記少なくとも2つの出力部のうちの少なくとも一方に結合されたコントローラ(116)と、
    前記コントローラによって制御されるとともに、前記信号スプリッタに選択的に結合される回路(310,410)であって、前記信号の信号伝達応答特性を変更するための前記回路と、
    を備える信号チューニング装置(100)。
  2. 前記信号の前記信号伝達応答特性が信号電力である、請求項1に記載の信号チューニング装置(100)。
  3. 前記信号の前記信号伝達応答特性が周波数応答である、請求項1に記載の信号チューニング装置(100)。
  4. 前記周波数応答が高域通過周波数応答である、請求項3に記載の信号チューニング装置(100)。
  5. 前記少なくとも2つの出力部のうちの第1の出力部及び前記コントローラ(116)に結合された第1の検出器をさらに備え、前記第1の検出器が、前記第1の出力部における前記信号の信号品質値を決定する、請求項1に記載の信号チューニング装置(100)。
  6. 前記回路が、前記第1の検出器に応答して前記コントローラ(116)によって選択的に結合される、請求項5に記載の信号チューニング装置(100)。
  7. 前記コントローラ(116)が、前記信号品質値を信号品質の所定値と比較する、請求項6に記載の信号チューニング装置(100)。
  8. 前記信号品質要素が、信号レベル、信号対雑音比、及びビットエラー率のうちの少なくとも1つである、請求項6に記載の信号チューニング装置(100)。
  9. 前記少なくとも2つの出力部のうちの第2の出力部及び前記コントローラ(116)に結合された第2の検出器をさらに備え、前記第2の検出器が、前記第2の出力部における前記信号の信号品質値を決定する、請求項5に記載の信号チューニング装置。
  10. 前記回路が、前記第1の検出器及び前記第2の検出器に応答して前記コントローラ(116)によって選択的に結合される、請求項9に記載の信号チューニング装置。
  11. 前記コントローラ(116)が、前記第2の出力部における前記信号の前記信号品質要素を、前記第1の出力部における前記信号の前記信号品質値及び信号品質の所定値と比較する、請求項10に記載の信号チューニング装置。
  12. 前記信号スプリッタ(102)が、共通のノードにおいて接続された3つの抵抗素子を備える、請求項1に記載の信号チューニング装置。
  13. 前記回路(310,410)が、前記共通のノードにおいて前記信号スプリッタに選択的に結合される、請求項12に記載の信号チューニング装置。
  14. 前記回路(310,410)が、抵抗、コンデンサ、及びインダクタのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の信号チューニング装置。
  15. 信号電力スプリッタによって出力される信号の信号レベルを制御する方法(800)であって、
    第1の出力信号の第1の信号品質特性を決定するステップ(808)と、
    前記第1の信号品質特性と所定の信号品質特性閾値との比較(810)に応答して、前記信号電力スプリッタにおける信号伝達応答を変更するステップ(814)と、
    を含む、前記方法。
  16. 第2の出力信号の第2の信号品質特性を決定するステップ(808)と、
    前記第2の信号品質特性と所定の信号品質特性閾値との比較(810)に応答して、前記信号電力スプリッタにおける前記信号伝達応答を変更するステップ(814)と、
    をさらに含む、請求項15に記載の方法(800)。
  17. 前記第1の信号品質特性の前記第2の信号品質特性との比較に応答して、前記信号電力スプリッタにおける前記信号伝達応答を変更するステップ(814)をさらに含む、請求項16に記載の方法(800)。
  18. 前記信号品質特性が、信号レベル、信号対雑音比、及びビットエラー率のうちの少なくとも1つである、請求項15に記載の方法(800)。
  19. 信号スプリッタの出力信号を使用して信号伝達特性を変化させる方法(900)であって、
    第1の出力信号の第1の信号品質特性を決定するステップ(908)と、
    前記信号スプリッタにおける信号応答を変更するステップ(918)と、
    前記信号応答の変更に応答して、前記第1の出力信号の第2の信号品質特性を決定するステップ(908)と、
    前記第1の信号品質特性を、前記第2の信号品質特性及び所定の信号品質特性閾値と比較するステップ(910)と、
    を含む方法(800)。
    信号の信号品質特性を決定する手段(106,112)と、
  20. 前記信号品質特性と所定の信号品質特性閾値との比較に応じて、信号スプリッタにおける信号伝達応答を変更する手段(310,410)と、
    を備える装置(100)。
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