JP2005287046A - 信号分離装置およびアンテナスイッチモジュール - Google Patents

信号分離装置およびアンテナスイッチモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】帯域外インピーダンス整合が改善された信号分離装置およびアンテナスイッチモジュールを提供する。
【解決手段】信号分離装置は、アンテナポートP1に接続された第1および第2の回路分岐を備えている。第1の回路分岐は、第1の周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備え、第2の回路分岐は、第2の周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備えている。第1および第2の回路分岐は、第1および第2の周波数帯域の両方において、それぞれのリアクタンス性のインピーダンスがアンテナポートP1に与えられるように構成されている。信号分離装置は、更に、アンテナポートP1に接続されると共に、各リアクタンス性のインピーダンスを実質的に相殺するように構成されたインピーダンス整合回路130を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、信号分離装置およびアンテナスイッチモジュールに関する。本発明は、特に、携帯電話機等のマルチバンド通信機器のアンテナにおいて用いられる信号分離装置およびアンテナスイッチモジュールに関するが、これに限定されるものではない。
マルチプレクサは、複数のポートを有し、周波数に依存する装置であり、複数の異なる周波数帯域の信号を分離または結合する装置として使用可能である。マルチプレクサとして最も一般的なのは、ダイプレクサとして知られる3つのポートを有するものである。
携帯電話機等のマルチバンド通信機器において、通常、各動作周波数帯域用の送信(TX)回路と受信(RX)回路は、共通のアンテナを共有している。通常、ダイプレクサの回路は、送信回路と受信回路をそれぞれアンテナに電気的に結合するために用いられる。ダイプレクサは、所定の周波数帯域の信号が、異なる周波数帯域用の回路に決して供給されないようにするものである。
図1は、携帯電話機において使用されるような、従来のデュアルバンド通信装置の一部を簡略化して示すブロック図である。この装置は、2つの周波数帯域A,Bにおいて使用されるものとする。従って、この装置は、各帯域A,B用の送信/受信回路2,4と、アンテナ6と、従来のダイプレクサ8を含んでいる。ダイプレクサ8は、3つのポートP1,P2,P3を備えている。ポートP1はアンテナ6に接続され、ポートP2は帯域A用送信/受信回路2に接続され、ポートP3は帯域B用送信/受信回路4に接続されている。ダイプレクサ8は、2つの回路分岐を備えており、第1の分岐はポートP1とP2の間に設けられ、第2の分岐はポートP1とP3の間に設けられている。第1の分岐は、周波数帯域Aに属する信号を通過させるフィルタ(フィルタA)を含む。第2の分岐は、周波数帯域Bに属する信号を通過させるフィルタ(フィルタB)を含む。帯域内インピーダンス整合を実現するため、各分岐は、1つ以上のインピーダンス整合素子(図1では図示せず)を含んでいてもよい。
この構成によると、周波数帯域Aの信号をアンテナ6が受信すると、フィルタAは、この受信した信号をポートP1からポートP2へ通過させ、その結果、送信/受信回路2に供給し、一方、フィルタBは、受信した信号をポートP1からポートP3へ通過させないようにする。同様に、周波数帯域Bの信号をアンテナ6が受信すると、フィルタBは、この受信した信号をポートP1からポートP3へ通過させ、その結果、送信/受信回路4に供給し、一方、フィルタAは、受信した信号をポートP1からポートP2へ通過させないようにする。
以下の説明で、「帯域内」(in-band)という用語は、選択されたあるいは有効な動作周波数帯域にかかわる、回路またはシステムの構成要素または特性を示すものである。また、「帯域外」(out-of-band)という用語は、選択されたあるいは有効な動作周波数帯域以外の動作周波数帯域にかかわる、回路またはシステムの構成要素または特性を示すものである。例えば、図1において、動作周波数帯域Aにおいて信号が受信された場合、ポートP1とポートP2の間のダイプレクサの分岐は、帯域内分岐と呼ぶことができ、一方、ポートP1とポートP3の間の分岐は、帯域外分岐と呼ぶことができる。
理想的には、ダイプレクサ8の帯域外分岐は、アンテナポートP1に対して開路を形成しなければならないが、実際には、帯域外分岐は、アンテナポートP1に対して、高い反射係数を有する、有限の容量性または誘導性インピーダンスを与えることが多い。高い反射係数は、受信した信号が帯域外分岐上を通過するのを防ぐという基本的な機能を、帯域外分岐が実行することを可能にする。しかしながら、一般に、有限のインピーダンスは比較的低く、これはダイプレクサやダイプレクサを含む装置の性能(例えば、電圧定在波比(VSWR)や挿入損(IL)として計測される)に対して悪影響を及ぼす。
従って、帯域外インピーダンス整合が改善されたダイプレクサあるいはマルチプレクサを提供することが望ましい。移動通信を含む多くの用途においては、サイズを最小限にすることが重要なので、ダイプレクサの回路のサイズを大幅に大きくすることなく、改良された帯域外インピーダンス整合を実現することが望ましい。また、直流(DC)減結合(デカップリング)や、静電放電(ESD)からの保護を実現するダイプレクサあるいはマルチプレクサを提供することも望ましい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、帯域外インピーダンス整合が改善された信号分離装置およびアンテナスイッチモジュールを提供することにある。
本発明の第1の態様は、アンテナポートに接続された第1および第2の回路分岐を備えた信号分離装置を提供する。第1の回路分岐は、第1の周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備えている。第2の回路分岐は、第2の周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備えている。第1および第2の回路分岐は、第1および第2の周波数帯域の両方において、それぞれのリアクタンス性のインピーダンスが、アンテナポートに与えられるように構成されている。信号分離装置は、更に、アンテナポートに接続されると共に、各リアクタンス性のインピーダンスを実質的に相殺するように構成されたインピーダンス整合回路を備えている。
第1および第2の回路分岐は、それぞれ、帯域外のとき、各リアクタンス性のインピーダンスをアンテナポートに与えるように構成されていることが好ましい。
インピーダンス整合回路は、アンテナポートと電気的グランドとの間に接続されていることが好ましい。
アンテナポートに与えられる各リアクタンス性のインピーダンスは、アンテナポートと電気的グランドとの間の容量性インピーダンスを備えていることが好ましい。
インピーダンス整合回路は、第1および第2の周波数帯域において、それぞれ誘導性インピーダンスを生成し、各誘導性インピーダンスは、実質的に、アンテナポートに与えられるそれぞれの容量性インピーダンスに対して、絶対値が等しく正負の符号が反対の値であることがより好ましい。
インピーダンス整合回路は、更に、アンテナポートと電気的グランドとの間に接続されたインダクタを備えていることが好ましい。これにより、アンテナポートにおける静電放電からの保護が実現される。
本発明の実施の形態では、第1の周波数帯域において、信号がアンテナポートに入力されたとき、第1の周波数帯域においてアンテナポートに与えられる容量性インピーダンスと、インダクタとが協働して共振する。また、第2の周波数帯域において、信号がアンテナポートに入力されたとき、第2の周波数帯域においてアンテナポートに与えられる容量性インピーダンスと、インダクタとが協働して共振する。
これは、第1の周波数帯域においてアンテナポートに与えられる容量性インピーダンスの、第2の周波数帯域においてアンテナポートに与えられる容量性インピーダンスに対する比が、第1の周波数帯域の第2の周波数帯域に対する比の二乗に実質的に等しいときに実現されてもよい。
本発明の実施の形態において、第1および第2の回路分岐は、それぞれ、アンテナポートと第2のポートおよび第3のポートとの間に設けられ、第2および第3のポートにはそれぞれ、直列キャパシタが接続されている。この構成は、関連する送信/受信回路において使用可能な直流バイアス信号からの直流減結合(DCデカップリング)を実現する。なお、少なくとも一方の回路分岐は、アンテナポートにおいて直流減結合を実現するため、アンテナポートに接続された直列キャパシタを含むことが好ましい。
本発明は、2つの回路分岐を有する信号分離装置(例えばダイプレクサ)に限定されず、3つ以上の回路分岐と、3つ以上の対応する動作周波数帯域を有する信号分離装置にも適用される。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る信号分離装置を備えたアンテナスイッチモジュールまたは同等の装置を提供する。
本発明によれば、帯域外インピーダンス整合が改善された信号分離装置およびアンテナスイッチモジュールを実現することができるという効果を奏する。
当該分野の一般的な当業者が、以下の本発明の具体的な実施の形態の説明を参照すれば、本発明のその他の有利な様態が明らかとなるであろう。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
以下の実施の形態では、本発明はダイプレクサを例として説明される。しかしながら、本発明はダイプレクサに限定されず、トリプレクサ、マルチプレクサ、または同様の信号分離装置に適用可能である。
まず、図2は、携帯電話機に用いられるような、デュアルバンド通信装置の一部(符号10で示す)の簡略化したブロック図を示す。図2に示す回路は、特に単一のモジュールに組み込まれた場合、アンテナスイッチモジュール(ASM)とも呼ばれる。ASM10は、概ね図1に示したものと同様であるが、送信および受信回路がより詳細に示されている。ASM10は、第1の動作周波数帯域A用の送信/受信回路12と、第2の動作周波数帯域B用の送信/受信回路14とを含む。送信/受信回路12,14は、それぞれ、ダイプレクサ回路(ダイプレクサ)18によって、アンテナ16に電気的に結合されている。ダイプレクサ18は、アンテナ16に接続されたアンテナポートP1と、送信/受信回路12に接続された第2のポートP2と、送信/受信回路14に接続された第3のポートP3とを有する。
第1の周波数帯域A用の送信/受信回路12は、信号生成回路(図示せず)から周波数帯域Aの信号を受信する第1のポートTX_Aと、周波数帯域Aにおいてアンテナ16に入力された信号を、信号処理回路(図示せず)に供給する第2のポートRX_Aとを含む。第3のポートVC_Aには、スイッチング装置20_Aの設定を選択するための制御信号が入力されるようになっている。通常、この制御信号は、オン/オフ直流電圧の形態である。この設定に基づいて、スイッチング装置20_Aは、第1のポートTX_Aをダイプレクサ18の第2のポートP2に電気的に接続し(これにより、第1の周波数帯域Aの信号がアンテナ16を介して送信されると共に、同時に、第2のポートRX_Aおよびこれに接続された回路が、第2のポートP2から電気的にアイソレートされる)、もしくは、第2のポートRX_Aをダイプレクサ18の第2のポートに電気的に接続する(これにより、アンテナ16に入力された第1の周波数帯域Aの信号が、信号処理回路に供給されると共に、同時に、第1のポートTX_Aおよびこれに接続された回路が、第2のポートP2から電気的にアイソレートされる)。
送信される信号の高調波を除去するために、第1のポートTX_Aとスイッチング装置20_Aとの間に、第1のフィルタ22_Aを設けてもよい。また、第1のポートTX_Aに入力された信号が第2のポートRX_Aに到達するのを防ぐために、第2のポートRX_Aとスイッチング装置20_Aとの間に、第2のフィルタ24_Aを設けてもよい。通常、フィルタ24_Aは、スイッチング装置20_Aに含まれている。
送信/受信回路14の構成および動作は、送信/受信回路12と概ね同様であり、信号生成回路(図示せず)から周波数帯域Bの信号を受信する第1のポートTX_Bと、周波数帯域Bにおいてアンテナ16に入力された信号を、信号処理回路(図示せず)に供給する第2のポートRX_Bと、スイッチング装置20_Bの設定を選択するための制御信号が入力される第3のポートVC_Bとを含む。送信される信号の高調波を除去するために、第1のポートTX_Bとスイッチング装置20_Bとの間に、第1のフィルタ22_Bを設けてもよい。また、第1のポートTX_Bに入力された信号が第2のポートRX_Bに到達するのを防ぐために、第2のポートRX_Bとスイッチング装置20_Bとの間に、第2のフィルタ24_Bを設けてもよい。
従来と同様、ASM10における信号経路は、例えばマイクロストリップ伝送線路のような伝送線路によって適宜構成される。
ASM10、特に送信/受信回路12,14のここに示した具体的な構成は、あくまで一例である。アンテナに接続されたダイプレクサまたは同様の装置を含むASMや同様の装置は、従来からこの他にも様々な構成が知られており、本発明は、図2に示した具体的な構成に限定されるものではない。
図1に示した一般的なタイプの従来のダイプレクサをダイプレクサ18として用いる場合、ASM10において、上に略述したような帯域外整合の性能は悪くなる。
図3は、本発明の実施の形態に係るダイプレクサ118の形態の信号分離装置を含むASMを示すブロック図である。図3に示したASMは、送信/受信回路12,14を含む。送信/受信回路12,14は、それぞれ、ダイプレクサ118によって、アンテナ116に電気的に結合されている。ダイプレクサ118は、アンテナ116に接続されたアンテナポートP1と、送信/受信回路12に接続された第2のポートP2と、送信/受信回路14に接続された第3のポートP3とを有する。
ダイプレクサ118の構成は、図1に示したダイプレクサ18とほぼ同様であるが、更に、アンテナポートP1に接続されたインピーダンス整合回路130を含んでいる。アンテナポートP1に接続されているという配置のため、インピーダンス整合回路130は、ダイプレクサ118の両方の分岐に共通するものといえる。インピーダンス整合回路130は、いずれかの動作周波数帯域において信号が入力されたとき、インピーダンス整合回路130は、帯域外分岐によってアンテナポートP1に与えられたインピーダンスのリアクタンス(容量性または誘導性)成分をすべて整合する、または調整して打ち消すように構成されている。特に、インピーダンス整合回路130は、インピーダンス整合回路130がアンテナポートP1に与えるインピーダンス(特にリアクタンス)が、ダイプレクサの帯域外分岐によってアンテナポートP1に与えられたリアクタンスに対して、実質的に、絶対値が等しく正負の符号が反対の値となるように構成されている。例えば、帯域外の分岐によってアンテナポートP1に与えられたリアクタンスが容量性の場合、インピーダンス整合回路130がアンテナポートP1に与えるリアクタンスは、これに対応して誘導性となり、その逆も同様である。その結果、アンテナポートP1における合成リアクタンスは実質的にゼロになる。この処理を各動作周波数帯域について遂行できるよう、ダイプレクサの各分岐およびインピーダンス整合回路130のインピーダンスとリアクタンスを慎重に選択する必要がある。本実施の形態では、図4に示すように、インピーダンス整合回路130は、アンテナポートP1と電気的グランドとの間に設けられたインダクタを備えている。
図4は、図3に示した一般的なダイプレクサ118の構成を具体的に実現したダイプレクサ回路(ダイプレクサ)218を示す。ダイプレクサ218は、アンテナポートP1と、第1の動作周波数帯域(帯域A)の送信/受信回路(図示せず)に接続するための第2のポートP2と、第2の動作周波数帯域(帯域B)の送信/受信回路(図示せず)に接続するための第3のポートP3とを備えている。ポートP1,P2間のダイプレクサ回路分岐は、帯域Aの信号をアンテナポートP1から第2のポートP2へ通過させると共に、帯域Bの信号をアンテナポートP1から第2のポートP2へ通過させないようにするフィルタ回路132を備えている。この分岐を、以下「帯域A分岐」と呼ぶ。この分岐は、帯域Aにおいて信号が入力されたときは「帯域内」であると言え、帯域Bにおいて信号が入力されたときは「帯域外」であると言える。ポートP1,P3間のダイプレクサ回路分岐は、帯域Bの信号をアンテナポートP1から第3のポートP3へ通過させると共に、帯域Aの信号をアンテナポートP1から第3のポートP3へ通過させないようにするフィルタ回路134を備えている。この分岐を、以下「帯域B分岐」と呼ぶ。この分岐は、帯域Bにおいて信号が入力されたときは「帯域内」であると言え、帯域Aにおいて信号が入力されたときは「帯域外」であると言える。
以下の説明では、あくまで一例であるが、動作周波数帯域Aは約890MHzを中心とし(従って、低帯域ともいう)、動作周波数帯域Bは約1850MHzを中心とする(従って、高帯域ともいう)ものとする。これらの周波数帯域は、携帯電話通信において一般的に用いられ、通常それぞれ、GSM帯域およびDCS帯域と呼ばれている。
フィルタ132は、一般的なノッチ型または帯域阻止型フィルタの構成になっており、互いに並列に接続されると共に、ポートP1,P2間の回路分岐に対して直列に接続されたインダクタL1とキャパシタC1とを有する共振器136を備えている。インダクタL1とキャパシタC1の値は、共振器136が周波数帯域Bにおいて共振するように選択される。従って、帯域A分岐が帯域外のとき、帯域BにおいてアンテナポートP1に入力された信号に対して、共振器136は実質的に開路となる。帯域A分岐が帯域内のときは、帯域A分岐は整合されたスルーラインとして動作し、帯域Aの信号はポートP1からP2へ通過させられる。帯域A分岐を、帯域内のときにシステムの特性インピーダンスに整合させるには、通常、1つ以上の帯域内整合素子が必要である。これは、従来の技術で実現可能であり、例えば、アンテナポートP1に与えられた帯域A分岐の帯域内インピーダンスを従来のスミスチャートの中心点に変換するリアクタンス素子を1つ以上追加することで実現できる。
帯域Bが1850MHzを中心とする場合、以下のような素子の値を用いることができる。すなわち、L1=5.5nH,C1=1.35pFである。これらの値を選択すると、共振器136は、帯域内のとき、誘導性インピーダンスをアンテナポートP1に与えるので、キャパシタCcの形態の容量性の帯域内整合素子が必要となる。直流減結合(DCデカップリング)を実現するには、ダイプレクサの分岐に直列に接続されたキャパシタを用いるのが好ましい。図4からわかるように、直列キャパシタCcは、第2のポートP2に接続されるのが好ましい。この例では、キャパシタCcの値は約4.46pFが適当である。
フィルタ132は、更にもう1つのキャパシタンスを含んでいる。本例では、前記キャパシタンスは、帯域A分岐と電気的グランドとの間に接続されたキャパシタC2、すなわちシャントキャパシタにより構成されている。キャパシタC2の目的は、帯域A分岐が、帯域外のときにアンテナポートP1に与えるリアクタンスを調整することであり、以下に詳しく説明する。
帯域B分岐におけるフィルタ134は、一般的なノッチ型または帯域阻止型フィルタの構成になっており、互いに直列に接続されると共に、ポートP1,P3間の回路分岐に対して並列に接続されたインダクタL3とキャパシタC3とを有する共振器138を備えている。インダクタL3とキャパシタC3の値は、共振器138が周波数帯域Aにおいて共振するように選択される。従って、帯域B分岐が帯域外のとき、共振器138は帯域Aの信号に対してショート回路として機能し、これらの信号が第3のポートP3に到達するのを防ぐ。帯域B分岐が帯域内のときは、帯域B分岐は整合されたスルーラインとして動作し、帯域Bの信号はポートP1からP3へ通過させられる。上述のように、帯域A分岐の帯域内インピーダンスをシステムの特性インピーダンスに整合させるには、通常、1つ以上の帯域内整合素子が必要である。
本例において、帯域Aが890MHzを中心とする場合、共振器138の素子の適切な値は、L3=5.7nH;C3=5.5pFである。その結果アンテナポートP1に与えられる帯域内インピーダンスは誘導性であるので、容量性リアクタンスをもつ1つ以上の帯域内整合素子が必要となる。必要な補正リアクタンス、そして素子の値は、従来のスミスチャートを用いて簡単に決定できる。本例では、シャントキャパシタを用いることができるが、直流減結合(DCデカップリング)を実現するためには、回路分岐に直列に接続された少なくとも1つのキャパシタを用いるのが好ましい。図4では、2つの直列キャパシタCa,Cbが帯域内整合素子として用いられ、キャパシタCaは共振器138とアンテナポートP1との間に設けられ、一方、キャパシタCbは共振器138と第3のポートP3との間に設けられている。本例では、キャパシタCa,Cbの値はそれぞれ、1.47pFおよび2.01pFが適切である。キャパシタCaはアンテナポートP1において直流減結合を実現し、一方、キャパシタCbはポートP3において直流減結合を実現して、送信/受信スイッチングダイオードに使用される直流バイアス(図示せず)を遮断する。
図4に示すダイプレクサの帯域B分岐によってアンテナポートP1に与えられる帯域外インピーダンスは、容量性である。従って、帯域外のとき、フィルタ134は、開路としてではなく(そのほうが望ましいが)、アンテナポートP1とグランドとの間に接続されたキャパシタとして動作する。図4に示す回路において、帯域B分岐によってアンテナポートP1に与えられる有効な帯域外インピーダンスは、約−j1.792である。その結果、帯域B分岐は、帯域外のとき、アンテナポートP1と第2のポートP2においてインピーダンス不整合を生じさせる。従って、帯域外の帯域B分岐は、帯域Aの信号の減衰を良好にするが(これにより、これらの信号が第3のポートP3に到達するのを防ぐ)、一方で、帯域Aの信号のかなりの部分は、アンテナポートP1とアンテナそのものに戻されることになる。その結果、反射減衰量と挿入損に関して、性能の劣化が生じる。
本例では、帯域A分岐の構成は、帯域外のとき、アンテナポートP1に対して実質的に開路となるように、すなわち、アンテナポートP1に対して有効なリアクタンス性インピーダンスを生じさせないようになっている。従って、帯域A分岐は、帯域B分岐の帯域内動作に対して大きな影響は与えない。しかしながら、実際には、電気的グランドに漂遊容量が存在する可能性があり、これによって、帯域外の帯域A分岐が、アンテナポートP1に容量性リアクタンスを与える場合がある。
インピーダンス整合回路130の役割は、帯域外インピーダンスの効果を調整して打ち消す、すなわち相殺することであり、特に、ダイプレクサの回路分岐の一方または双方によってアンテナポートP1に与えられる帯域外インピーダンスのリアクタンス成分を調整して打ち消す、すなわち相殺することである。本例では、帯域B分岐のみが、リアクタンス性の帯域外インピーダンスをアンテナポートP1に与える。この帯域外インピーダンスのリアクタンス成分は容量性であるので、誘導性の整合回路130が必要となる。図4に示した実施の形態では、インピーダンス整合回路130は、アンテナポートP1と電気的グランドとの間に接続されたインダクタLeを備えている。しかしながら、インダクタLeの存在は、開路となるべき帯域A分岐の帯域外特性を変えてしまう。従って、帯域A分岐の帯域外インピーダンスは、インピーダンス整合回路130(この場合インダクタLe)によって、調整して打ち消される程度に、故意にリアクタンス性(本例では容量性)を持つようになっている。ダイプレクサの回路分岐の帯域外リアクタンスはそれぞれ、単一のインピーダンス整合回路130によって、調整して打ち消される、すなわち相殺されるように慎重に選択する必要がある。本発明の各実施の形態では、ダイプレクサの各回路分岐の帯域外リアクタンスはそれぞれ、アンテナポートP1と電気的グランドとの間のキャパシタンスまたはインダクタンスとなるように構成されている。
次に、ダイプレクサの各回路分岐の帯域外インピーダンスが以下に示す式によって表される場合について、考察する。
Z=R+jX …(1)
ここで、Zはインピーダンス、Rは抵抗成分、Xはリアクタンス成分を表す。以下、特に異なる定義をしない限り、添字Aは、帯域A分岐に関するものであることを表し、添字Bは、帯域B分岐に関するものであることを表す。帯域A分岐と帯域B分岐の帯域外インピーダンスZ,Zは、反射係数を高くすると共に、リアクタンス成分X,Xの比率が適切に選択されたリアクタンス性を有するようになっている。各抵抗成分R,Rは非常に小さいので(通常、正規化値0.1未満)、無視できる。
本実施の形態では、帯域外リアクタンスはシャントキャパシタC,Cにより構成され、インピーダンス整合回路130はシャントインダクタンスLeを備えている。そこで、帯域Aにおいて信号が入力されるとき、インダクタンスLeの値は、シャントキャパシタCと共振するように選択され、帯域Bにおいて信号が入力されるとき、インダクタンスLeの値は、シャントキャパシタCと共振するように選択される。共振時、以下の数式が導かれる。
=1/(2π√(LeC)) …(2)
=1/(2π√(LeC)) …(3)
ここで、F,Fはそれぞれ、動作周波数帯域A,Bを代表する周波数(便宜上、帯域中央の周波数)を示す。
数式(2),(3)から、以下の数式を導くことができる。
ωLe=1/(Cω) …(4)
ωLe=1/(Cω) …(5)
ここで、ωは、角周波数2πFである。数式(4)から、帯域Aにおけるインピーダンス整合回路130のリアクタンスXLeは、帯域外分岐BのリアクタンスXCBに対して、絶対値が等しく正負の符号が反対の値となることがわかる。同様に、数式(5)から、帯域Bにおけるインピーダンス整合回路130のリアクタンスXLeは、帯域外分岐AのリアクタンスXCAに対して、絶対値が等しく正負の符号が反対の値となることがわかる。
従って、以下の要件が満たされるように、リアクタンスX,Xとインピーダンス整合回路130のリアクタンスが選択される。すなわち、帯域Aの信号が入力されるとき、インピーダンス整合回路130のリアクタンスは実質的に、ダイプレクサの帯域B分岐によってアンテナポートP1に与えられるリアクタンスに対して絶対値が等しく正負の符号が反対の値となり、帯域Bの信号が入力されるとき、インピーダンス整合回路130のリアクタンスは実質的に、ダイプレクサの帯域A分岐によってアンテナポートP1に与えられるリアクタンスに対して絶対値が等しく正負の符号が反対の値となる。
ダイプレクサの帯域A分岐と帯域B分岐がそれぞれ、アンテナポートP1とグランドとの間に、帯域外容量性リアクタンスC,Cを与える場合、上記の要件が満たされるのは、以下の場合である。
/C=(F/F …(6)
この構成では、各動作周波数帯域A,Bにおいて、インダクタLeが、帯域外分岐によってアンテナポートP1に与えられた有効なキャパシタンスと協働して共振するようになっている。共振時、インダクタLeと帯域外分岐の組み合わせは、非常に高いインピーダンス(実質的に開路となる)をアンテナポートP1に与える。その結果、リアクタンス性の帯域外分岐によって生じたインピーダンス不整合は、インダクタLeを追加することによって、調整して打ち消されているので、帯域内分岐の動作性能は、帯域外分岐の影響を受けない。
通常、図4に示した構成を設計するにあたり、キャパシタC2の値は、リアクタンスC,Cの両方に影響を及ぼすので、数式(2)が満たされるようにキャパシタC2の値を選択する。そして、得られたCおよび/またはCの値を数式(2)または(3)に代入することにより、インダクタLeの値を求めることができる。帯域Aが890MHzを中心とし、帯域Bが1850MHzを中心とする上述の例では、例えば、キャパシタC2の値は0.6pFとし、インダクタLeの値は12.25nHとすることができる。
数式(1)ないし(6)に関連する上記の説明は、特に、帯域外キャパシタンスC,Cの一方との組み合わせで、インダクタLeがバンドパスフィルタ、すなわち並列LC共振器を形成する、図4に示した実施の形態に関するものである。他の構成を用いる場合、これらの数式を変更し得ることは当業者にとって理解可能であろう。
図4に示した実施の形態では、ダイプレクサの各分岐について、帯域内インピーダンス整合が行われる。従って、インピーダンス整合回路130の役割は、帯域外分岐によってアンテナポートP1に与えられたリアクタンスを、調整して打ち消すことである(なぜならば、適切に整合された帯域内分岐は、アンテナポートP1にこのような不要なリアクタンスを与えないからである)。帯域A分岐は、帯域外のとき、当初はアンテナポートP1にリアクタンスを与えないので、前述のように、インダクタLeと共振することで周波数帯域BにおけるインダクタLeの影響を相殺するために、シャントキャパシタC2が追加されている。しかしながら、他の実施の形態では、この目的のためにキャパシタC2を追加する必要がない。その代わり、帯域Bにおいて、リアクタンス成分を有するインピーダンスがアンテナポートP1に与えられるように、ダイプレクサの帯域B分岐の帯域内インピーダンスが故意に不整合にされている。この帯域内リアクタンス(本例ではキャパシタンス)が、帯域Bにおいて、インダクタLeと共振するようになっている。前述のように、帯域B分岐における帯域外リアクタンスの帯域内リアクタンスに対する比率が適切に選択されていれば、周波数帯域A,Bの双方で、回路全体は適正に整合される。例えば、図4の回路からキャパシタC2を除いた場合、帯域B分岐が帯域内のとき、アンテナポートP1とグランドとの間のキャパシタンスとして作用するように、キャパシタCa,Cbの値を調整する。前述のように、帯域B分岐は、帯域外のとき、シャントキャパシタンスとしても作用する。以下の数式で示す条件が満たされれば、これらのキャパシタンスは両方とも、インダクタLeによって、調整して打ち消すことができる。
Im(Y)/Im(Y)=F/F …(7)
ここで、Im(Y)とIm(Y)は、帯域内および帯域外のとき、それぞれ、帯域B分岐によってアンテナポートP1に与えられるアドミッタンスY,Yの虚数部分である。
従って、(本例ではインダクタLeを備えた)インピーダンス整合回路130は、各動作周波数帯域において、アンテナポートP1における各リアクタンス性のインピーダンスと協働して共振する。この動作は、各リアクタンス性のインピーダンスが、帯域外分岐と帯域内分岐のいずれから生じたものかとは無関係に行われる。その結果、各動作周波数において、回路全体が適正に整合され、その性能は帯域外(または帯域内)インピーダンス不整合によって損なわれることはない。
各分岐がアンテナポートP1に帯域外リアクタンスを与えるように構成された各実施の形態では、各帯域外リアクタンスは、アンテナポートP1とグランドとの間に存在する(すなわち、シャントリアクタンスとなる)。このような実施の形態では、帯域外リアクタンスを調整して打ち消すため、アンテナポートP1に、適宜選択したシャントリアクタンス(例えばインダクタLe)を設ける(それによってアンテナポートP1とグランドとの間に並列LC共振器を形成する)ことが好ましい。このような構成にすれば、設計工程の簡略化が可能である。あるいは、帯域外リアクタンスを調整して打ち消すため、アンテナポートP1に直列リアクタンス(例えば、直列インダクタンスまたはキャパシタンス)を設けてもよい。前述のように、帯域内インピーダンス不整合がある他の実施の形態では、アンテナポートP1と直列に、あるいは、アンテナポートP1とグランドとの間に(すなわち、並列に)、有効に不整合にされた帯域内リアクタンスを設けてもよい。この帯域内リアクタンスが直列の場合、適切に選択された直列リアクタンスを用いて、帯域内リアクタンスを調整して打ち消すことが好ましい。帯域内リアクタンスが並列の場合、適切に選択されたシャントリアクタンス(例えば、インダクタLe)を用いて、帯域内リアクタンスを調整して打ち消すことが好ましい。
上記各実施の形態では、インピーダンス整合回路130は、誘導性であり、帯域内または帯域外分岐によってアンテナポートP1に与えられる有効なリアクタンスは、容量性である。しかしながら、他の実施の形態(図示せず)では、整合回路(例えば、アンテナポートP1とグランドとの間に接続されたキャパシタから成る)が容量性で、帯域内または帯域外分岐によってアンテナポートP1に与えられる有効なリアクタンスが誘導性となるように、ダイプレクサを構成することが可能である。
本発明は、図4に示した特定のフィルタ132,134の構成に限定されない。従来のローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタの構成を含む他のフィルタの構成(例えば、チェビシェフまたはバターワースフィルタの構成)を、ダイプレクサの一方または双方の分岐に用いることができる。周知のように、このような構成は、必要に応じて、容量性または誘導性のリアクタンスをアンテナポートP1に与えられるように、容易に設計することができる。しかしながら、出力ポートP2,P3に直列キャパシタを接続し、更に、直流(DC)減結合(デカップリング)を実現するため、できればアンテナポートP1にも直列キャパシタを接続する構成を用いるのが好ましい。
本発明は、ダイプレクサに用いることに限定されず、アンテナポートP1から3つ以上の回路分岐が生じている多分岐信号分離装置(マルチプレクサとも呼ばれる)にも同様に適用可能である。図5は、このようなマルチプレクサの形態の信号分離装置を含むASMを示すブロック図である。図5に示したASMは、3つ以上の動作周波数帯域A,B,C,…のそれぞれのための送信/受信回路32,33,34,…を含む。送信/受信回路32,33,34は、それぞれ、マルチプレクサ318によって、アンテナ116に電気的に結合されている。マルチプレクサ318は、アンテナ116に接続されたアンテナポートP1と、送信/受信回路32,33,34,…に接続されたポートP2,P3,P4,…とを有する。また、マルチプレクサ318は、アンテナポートP1に接続され、アンテナポートP1と各ポートP2,P3,P4,…との間に設けられた3つ以上の回路分岐を備えている。回路分岐は、それぞれ、各周波数帯域A,B,C,…の信号を通過させるフィルタA,B,C,…を備えている。また、回路分岐は、それぞれ、各周波数帯域A,B,C,…において、それぞれのリアクタンス性のインピーダンスがアンテナポートP1に与えられるように構成されている。マルチプレクサ318は、更に、アンテナポートP1に接続されると共に、それぞれのリアクタンス性のインピーダンスを実質的に相殺するように構成されたインピーダンス整合回路130を備えている。このようなマルチプレクサ318においても、インピーダンス整合回路130は、例えばアンテナポートP1に接続されたシャントインダクタのような、単一の素子によって構成することができる。
インピーダンス整合回路は、その用途で必要とされる条件に応じて、適当な回路素子の組み合わせを備えてもよい。しかしながら、必要なスペースを最小限にするため、インピーダンス整合回路130が単一の素子で構成されるように、ダイプレクサまたはマルチプレクサ回路を設計することが好ましい。
更に、アンテナポートと電気的グランドとの間に接続されたインダクタを設けるのが特に好ましい。このインダクタを設けると、アンテナポートP1に入力される低周波数(直流を含む)の信号に対して、グランドに至る経路が形成されるので、これにより、ダイプレクサまたはマルチプレクサ(そしてこれを含む装置)に、静電放電(ESD)からの保護という長所を追加することができるからである。もちろん、2つ以上のシャントインダクタをアンテナポートP1に接続することで、前述のインピーダンス整合機能を提供しながら、静電放電からの保護を向上させることも可能である。しかしながら、スペースを節約するためには、単一のインダクタを設けるのが好ましい。
静電放電からの保護という目的のためには、アンテナポートP1とグランドとの間に設けられたインダクタは、比較的太い線幅を有し、できれば巻数の少ない物理的インダクタ(例えば低温同時焼成セラミック(LTCC)に形成されたコイル)によって実現されることが好ましい。これによって、インダクタの固有の直列抵抗を低減することができる。また、容量結合によって静電放電保護性能が劣化するのを防ぐため、インダクタは、ダイプレクサまたはマルチプレクサの他の素子からできるだけ遠くに配置することが好ましい。
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく変形もしくは変更することができる。
従来のダイプレクサの構成を示すブロック図である。 ダイプレクサを含む、一般的なマルチバンドアンテナスイッチモジュール(ASM)を示すブロック図である。 本発明に係るダイプレクサ回路の形態の信号分離装置を含むASMを示すブロック図である。 図3のダイプレクサ回路の好適な実施の形態を示すブロック図である。 本発明に係るマルチプレクサの形態の信号分離装置を含むASMを示すブロック図である。
符号の説明
118,218…ダイプレクサ、130…インピーダンス整合回路、132,134…フィルタ回路。

Claims (12)

  1. アンテナポートに接続された第1および第2の回路分岐を備え、
    前記第1の回路分岐は、第1の周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備え、
    前記第2の回路分岐は、第2の周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備え、
    前記第1および第2の回路分岐は、前記第1および第2の周波数帯域の両方において、それぞれのリアクタンス性のインピーダンスが前記アンテナポートに与えられるように構成されている信号分離装置であって、
    更に、前記アンテナポートに接続されると共に、前記それぞれのリアクタンス性のインピーダンスを実質的に相殺するように構成されたインピーダンス整合回路を備えたことを特徴とする信号分離装置。
  2. 前記第1および第2の回路分岐は、それぞれ、帯域外のとき、各リアクタンス性のインピーダンスを前記アンテナポートに与えるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の信号分離装置。
  3. 前記インピーダンス整合回路は、前記アンテナポートと電気的グランドとの間に接続されていることを特徴とする請求項1または2記載の信号分離装置。
  4. 前記アンテナポートに与えられる各リアクタンス性のインピーダンスは、前記アンテナポートと電気的グランドとの間の容量性インピーダンスを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の信号分離装置。
  5. 前記インピーダンス整合回路は、前記第1および第2の周波数帯域において、それぞれ誘導性インピーダンスを生成し、各誘導性インピーダンスは、実質的に、前記アンテナポートに与えられるそれぞれの容量性インピーダンスに対して、絶対値が等しく正負の符号が反対の値であることを特徴とする請求項4記載の信号分離装置。
  6. 前記インピーダンス整合回路は、更に、前記アンテナポートと電気的グランドとの間に接続されたインダクタを備えたことを特徴とする請求項5記載の信号分離装置。
  7. 前記第1の周波数帯域において、信号が前記アンテナポートに入力されたとき、前記第1の周波数帯域において前記アンテナポートに与えられる容量性インピーダンスと、前記インダクタとが協働して共振し、
    前記第2の周波数帯域において、信号が前記アンテナポートに入力されたとき、前記第2の周波数帯域において前記アンテナポートに与えられる容量性インピーダンスと、前記インダクタとが協働して共振することを特徴とする請求項6記載の信号分離装置。
  8. 前記第1の周波数帯域において前記アンテナポートに与えられる容量性インピーダンスの、前記第2の周波数帯域において前記アンテナポートに与えられる容量性インピーダンスに対する比が、前記第1の周波数帯域の前記第2の周波数帯域に対する比の二乗に、実質的に等しいことを特徴とする請求項7記載の信号分離装置。
  9. 前記第1および第2の回路分岐は、それぞれ、前記アンテナポートと第2のポートおよび第3のポートとの間に設けられ、前記第2および第3のポートにはそれぞれ、直列キャパシタが接続されたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の信号分離装置。
  10. 前記回路分岐の少なくとも一方は、前記アンテナポートに接続された直列キャパシタを含むことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の信号分離装置。
  11. 前記アンテナポートに接続された3つ以上の回路分岐を備え、
    前記回路分岐は、それぞれ、各周波数帯域の信号を通過させるフィルタを備え、
    前記回路分岐は、それぞれ、前記各周波数帯域において、それぞれのリアクタンス性のインピーダンスが前記アンテナポートに与えられるように構成され、
    更に、前記アンテナポートに接続されると共に、前記それぞれのリアクタンス性のインピーダンスを実質的に相殺するように構成されたインピーダンス整合回路を備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の信号分離装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の信号分離装置を備えたことを特徴とするアンテナスイッチモジュール。
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