JP2009521910A - BetulaVerrucosa花粉の主要アレルゲンの低アレルギー性変種 - Google Patents

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Abstract

本発明は、Betula verrucosa植物花粉の主要アレルゲンBet v 1の低アレルギー性変種およびアレルギー性疾患の予防的または治療的処置のためのそれらの使用を提供する。

Description

本発明は、Bet v 1タンパク質の低アレルギー性配列変種、それらをコードする核酸分子、同変種を含有する医薬組成物ならびにBetula verrucosa種の植物の花粉によって引き起こされるアレルギー性疾患の予防および治療におけるそれらの使用を提供する。
アレルギーは、IgE型抗体を産生することによって、花粉、ダニ、上皮およびある種の食品に含有される無害なタンパク質と反応する、免疫系の不全によって引き起こされる。
近年のデータによって、西欧諸国の人口の10%超がこの疾患に罹患しており、その症状は時間と共に悪化し、例えば、喘息またはその他のアレルゲンに対する感作を起こさせ、適切な治療の選択がより困難になることを示している。
薬理学的療法とは異なり、特異的減感作免疫療法は、これらの疾患のベースとなる免疫学的パラメータを好ましい状態に変化させることができるアレルギー性疾患の唯一の病理学的処置である。
減感作免疫療法は、疾患の原因となる同様の物質から得られる標準抽出物(ワクチン)を漸増用量投与することにある(1)。このようにして、前記物質に対するある種の免疫学的耐性が、その後のアレルギー症状の消失を伴って、患者に徐々に誘導される。
しかし、重篤な副作用(2)を惹起する危険性は、徐放ワクチンまたは注射の代替となる経路によって投与されるワクチンのいずれかを使用することによって著しく低下するが、実際には、アレルギー性疾患の治療に特異的減感作免疫療法を適用することに歯止めをかけた。
近年、最も注目を浴びているのは効果的で安全なワクチンの開発である。特に、変異誘発された組換えタンパク質からなるワクチン、すなわち、望ましくない副作用を引き起こさずに疾患の自然な進行に好ましい影響を及ぼすことができる低アレルギー性ワクチンの開発(3)が重要な目標となっている。
分類学上Fagale(カバノキ、ハンノキ、ハシバミ、オーク、シデ)として知られる植物の花粉は、温帯地方におけるアレルギー性鼻炎および喘息の最も重要な原因の1つである。カバノキ花粉の主要な2種類のアレルゲン、Bet v 1(遺伝子バンクに受入番号X15877として寄託されたcDNA)およびBet v 2(受入番号M65179)は、それぞれ、分子量17kDおよび14kDのタンパク質である(4、5)。カバノキ花粉に対してアレルギーのある患者の95%近くが、Bet v 1に対するIgE抗体を産生し、これらの患者の60%がBet v 1のみに反応性を示す(6)。
Bet v 1は、84.4%と99.4%との間を含む配列同一性を示す10個を上回るアイソフォームとして天然に存在する(7)。このアレルゲンは、「病原性関連タンパク質」、すなわち、環境的または病理学的ストレスに応じて植物によって産生される遍在性タンパク質のファミリーに属し、その機能はステロイド輸送と関連していると考えられる(8、9)。Fagale目のその他の植物の花粉の1群のアレルゲンとの配列相同性が高いことによって、Bet v 1に特異的なIgEを有する患者がなぜ同じ分類学的目に属する異なる植物の受粉時期にアレルギー性症状を示すのかが説明される(10)。カバノキ花粉に対するアレルギーは、新鮮な果物(例えば、サクランボ、リンゴ、ナシ)または植物(例えば、セロリおよびニンジン)の摂取によって引き起こされる有害反応を伴うことが多い。その理由は、このような食品は、Bet v 1に対する高い配列相同性および構造相同性を特徴とするタンパク質を含有しており、それがカバノキの主要なアレルゲンによって生じた特異的IgEによって認識されるからである(11)。Bet v 1アレルゲンによる免疫療法は、カバノキ花粉アレルギーならびにFagale目のその他の植物に対する花粉症およびBet v 1と交差反応するアレルゲンを含有する食品に対するアレルギーの治療に有効であり得る(12)。
減感作免疫療法の有益な効果に関連する要素は、感作アレルゲンに特異的なIgG抗体の誘導である。このような(保護)抗体は、IgEが抗原、具体的にBet v 1に結合するのを阻害することができ、この分子の3次元構造を変化させる(13、14)。アレルゲン性が少なく、免疫原特性に変わりがない組換えタンパク質からなるワクチンの開発は、アレルギー性疾患の治療を改善するだろう。
発明の説明
Bet v 1アレルゲンのタンパク質配列内の1個または複数のアミノ酸残基を置換または削除することによって、このアレルゲンはIgE抗体に対する反応性が少なくなることが現在では発見されている。
第1の態様では、本発明は、Bet v 1アレルゲンの配列変種である低アレルギー性タンパク質であって、
1)野生型Bet v 1アレルゲン(配列番号1)と比較してIgEに対して低い反応性を示し、
2)a)配列番号1に対する同一性が少なくとも87%、好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも97%であり、
b)配列番号1との配列アラインメントでは、配列番号1のLys残基が存在するアミノ酸54、115および/または123に対応する残基の少なくとも1個の置換または欠失が存在するアミノ酸配列を有することを特徴とするタンパク質を提供する。
本発明によれば、Bet v 1アレルゲンの変種は、指示した位置で1、2または3個のLys置換および/または欠失を示し、それぞれ一、二または三置換および/または欠失変種と称される。欠失変種よりも置換変種が好ましく、特に指示した位置での少なくとも1個のLys残基が中性または極性アミノ酸と置換しているものが好ましい。より好ましくは、前記中性または極性アミノ酸は、Ala、Thr、Gly、Pro、Leu、Ile、Ser、Pheから選択され、さらにより好ましくはAla、ThrおよびSerから選択される。
好ましい実施形態では、低アレルギー性タンパク質は、54、115および123位のLys残基に前記少なくとも1個の置換または欠失を有する配列番号1からなる。
本発明による1個または3個の置換を有する典型的な低アレルギー性タンパク質は、配列番号2、配列番号3、配列番号4および配列番号5と識別される。
本発明によるBet v 1置換および/または欠失変種は、野生型対応アレルゲンと比較して、Betula verrucosa花粉アレルギー患者の血清に対するIgE反応の少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%の減少を示す。
アレルギー患者の血清プールのタンパク質、配列番号2〜5のIgE反応性を、ELISAアッセイで試験した(図1)。このようなタンパク質は、カバノキ花粉に対するアレルギー患者の血清プールの様々な希釈物(1:2から1:8)とインキュベートしたとき、wt Bet v 1アレルゲン(配列番号1)と比較して、IgE反応性の56%(配列番号2)、34%(配列番号3)、28%(配列番号4)および80%(配列番号5)の平均的減少が認められた。
これらの結果は、異なるタンパク質の相同なエピトープの反応性の評価を可能にするELISA阻害実験によって確かめられた。Bet v 1 wt(配列番号1)の血清プールのIgEに対する結合は、血清を同タンパク質で予備処理すると100%阻害されるが、血清を同量の三置換変種(配列番号5)で予備処理すると、認められる阻害は40%だけである(図2)。これらの結果は、配列番号1の54、115および123位のアミノ酸を置換することによって、IgEによるBet v 1アレルゲンの認識が低下することを明らかに示している。
さらに、配列番号2〜5のタンパク質のBetula verrucosa花粉に陽性の血清プールのIgEに対する反応性を、ウェスタンブロッティングによって測定した。この場合も、wt Bet v 1(配列番号1)と比較して、配列番号2では88%、配列番号3では67%、配列番号4では47%および配列番号5では100%のIgE反応性の低下が分析した血清で認められた(図3)。
さらに、Balb/cマウスの免疫の実験では、Bet v 1 wtアレルゲンおよび低アレルギー性タンパク質配列番号5の両方がIgG特異的免疫応答を誘導できることがわかった(図4)。特に、配列番号5に対する抗体は、wtに対応する配列番号1を認識することができ(図5)、54、115および/または123位のLys残基の置換は、タンパク質免疫原性および特にそのIgGエピトープの著しい変化を決定づけないことが示唆される。対照的に、関係のない抗原で免疫されたマウスの血清に存在する抗体は、wt Bet v 1または配列番号5のいずれも認識することができなかった。
他の態様では、本発明は、15個から35個のアミノ酸残基、より好ましくは15個から20個のアミノ酸残基を含有し、前述の置換および/または欠失の少なくとも1個を有する、Bet v 1断片に対応する免疫学的に活性のあるペプチドを提供する。本明細書で使用したように、「免疫学的に活性のあるペプチド」という表現は、IgEとは独立した免疫応答を惹起することができるペプチドを指している。
本発明による置換および/または欠失は、当業者に公知の方法および技術を使用して、Bet v 1 cDNA配列(配列番号6)を変異誘発することによって容易に調製することができる。
一および三置換変種の配列番号2〜5をコードするcDNA配列は、それぞれ配列番号7〜10と識別される。
他の態様では、本発明は、本明細書で開示した低アレルギー性Bet v 1タンパク質をコードする核酸分子、またはそれらから得られるペプチド、および真核細胞または原核細胞において前記タンパク質またはペプチドの発現を制御する遺伝子要素、例えば、転写プロモーター、エンハンサー、シグナル配列およびリーダー配列またはその他の転写制御に関与する配列に機能的に結合した前記核酸分子を含有する発現ベクターを提供する。ベクターの例には、プラスミド、ウイルスおよびファージが含まれるが、遺伝子操作に通常利用されるその他のいかなるベクターも同様に使用することができる。
本発明はさらに、前述のベクターで形質転換または形質移入された原核または真核宿主細胞を含む。Escherichia coliまたはBacillus subtilisなどの原核細胞またはSaccharomyces cerevisiaeなどの真核細胞は一般的に、ベクタークローニングおよびcDNA発現に使用される。
さらに、本発明による低アレルギー性変種は、融合タンパク質として産生することができる。
IgE反応性が低下したため、本発明によるBet v 1変種は、Betula verrucosa花粉に対してアレルギーである個体の予防的または治療的処置のための医薬組成物(例えば、錠剤およびカプセル)の調製のために都合よく使用することができる。
したがって、他の態様では、本発明は、任意選択的にBetula verrucosaのその他のアレルゲンおよび/または薬学的に許容される媒体および賦形剤と組み合わせて、本明細書で提供したような低アレルギー性Bet v 1変種の有効量を含有する医薬組成物を対象とする。本発明の好ましい実施形態では、医薬組成物は気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎およびアレルギー性結膜炎を含むアレルギー性疾患の予防または治療に使用されるワクチンの形態である。ワクチン接種の理論および実施は、当業者にとって公知である(15、16)。
以下の実施例はさらに本発明を例証する。特に指示しなければ、実施例で使用した方法は、Sambrook、Fritsch ET Maniatis「Molecular cloning.A laboratory manual」2版、Vol.1−2−3 CSH Lab Press 1989に記載されている。
実施例1
Bet v 1アレルゲンをコードするcDNAの部位特異的変異誘発
Bet v 1アレルゲンをコードするcDNA(配列番号6)の部位特異的変異誘発は、原核生物ベクター(pBluescript、遺伝子バンク受入番号X52327)にcDNAをクローニングし、その後PCR増幅することによって実施した。PCR反応におけるプライマーとして使用したオリゴヌクレオチド(表)は、適切な塩基置換を有していた。各変異誘発には、DNA鎖の対応する領域に結合する相補的オリゴヌクレオチドを使用した(17)。増幅後、変化していない元の鋳型を、制限酵素DpnIによって触媒される酵素消化で選択的に分解した。次に、Escherichia coli細胞を変異誘発した分子で形質転換した。1個の細菌コロニーから得られたクローンをSangerによって配列決定して、正確な塩基変異およびcDNAにおける非特異的変異が存在しないことを確認した。
Figure 2009521910
実施例2
Bet v 1タンパク質およびそれらの変種の産生
6個のヒスチジンをコードする配列が隣接した、野生型(配列番号6)および変異誘発した(配列番号7〜10)Bet v 1 cDNAを標準的方法にしたがってクローニングし、Escherichia coliで発現させた(18、19)。細胞を遠心によって収集し、NaH2PO450mM、NaCl300mMの緩衝液、pH8に再懸濁し、超音波処理によって溶解した。組換えタンパク質を遠心によって分離した。不溶性タンパク質凝集物を含有するペレットをNaH2PO4100mM、Tris−HCl10mM、尿素8M(PH8)(変性緩衝液)に再懸濁して、60分間撹拌した。可溶化した組換えタンパク質は、遠心によって不溶性の残骸から分離し、アレルゲンと融合した6個のヒスチジン部分と相互作用するニッケルイオンをキレート化するニトリロ三酢酸に結合したアガロースカラムを使用して、変性条件下でアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。精製されたタンパク質は、NaCl0.68%、NaHCO30.275%溶液中で4℃で16時間透析することによって再び折りたたまれた。
実施例3
アレルギー性対象の血清の特性
Betula verrucosa花粉に対する季節性アレルギーの既往歴を有し、B.verrucosaアレルゲンに対してRAST4+特異的反応性を有する個体から血清を採取し、次いでそれらを収集した。非アレルギー性患者の血清プールは、陰性対照として使用した。
実施例4
血清プールのIgEに反応性のBet v 1変種のELISA分析
50mM炭酸塩/重炭酸塩緩衝液、pH9.6中の同量のwtアレルゲンおよび変異誘発変種(0.5μg)を、4℃で16時間インキュベートすることによって、ELISAアッセイ用ポリスチレンプレートのウェルに吸着させた。このウェルを洗浄溶液(Tween−20 0.05%を含有する60mMリン酸緩衝液、pH6.5)で洗浄して、希釈溶液(ウマ血清25%、EDTA1mM、Tween20 0.05%、チオメサール0.01%を溶かした150mMリン酸緩衝液、pH7.4)でブロックした。ヒト血清RAST4+のプールの連続希釈(希釈緩衝液による)の一定量100μlを各試料に添加し、25℃で2時間インキュベートした。3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgE血清(希釈緩衝液で1:1500)を添加し、その後25℃で1.5時間インキュベートした。3回洗浄後、TMB試薬(BioFX Laboratories、Owings Mills、MD)100μlを添加し、25℃で15分間インキュベートすることによって比色反応を発色させた。1N HCl、100μlを添加することによって反応を停止させ、マイクロプレートリーダー分光光度計を使用して450nmで読み取った。
実施例5
ELISA−阻害アッセイ。血清プールのIgEに結合するwt Bet v 1のBet v 1変種による阻害
50mM炭酸塩/重炭酸塩緩衝液、pH9.6中のwtアレルゲン1μgを、ELISAアッセイ用ポリスチレンプレートのウェルに、4℃で16時間インキュベートすることによって吸着させた。このウェルを洗浄溶液(Tween−20 0.05%を含有する60mMリン酸緩衝液、pH6.5)で洗浄して、希釈緩衝液(ウマ血清25%、EDTA1mM、Tween20 0.05%、チオメサール0.01%を溶かした150mMリン酸緩衝液、pH7.4)でブロックした。希釈緩衝液で1:3に希釈したRAST4+ヒト血清プールの一定量100μlをwtアレルゲンおよび変異誘発した変種の連続希釈と25℃で2時間予めインキュベートした。得られた溶液をウェルに入れ、4℃で16時間インキュベートした。0.06Mリン酸緩衝液、pH6.5、Tween−20 0.05%で3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgE血清を1:1500希釈(希釈緩衝液)で添加し、その後25℃で1.5時間インキュベートした。3回洗浄後、TMB試薬(BioFX Laboratories、Owings Mills、MD)100μlを添加し、25℃で15分間インキュベートすることによって比色反応を発色させた。1N HCl100μlを添加することによって反応を停止させ、その後分光光度計で450nmで読み取った。
阻害割合は、以下のように、100×[(A−B)/A]で計算し、式中、Aは阻害剤の非存在下での450nmの吸光度であり、Bは阻害剤存在下での吸光度である。
実施例6
血清プールのIgEに対するBet v 1変種の反応性のウェスタンブロット分析
野生型アレルゲンおよび変異誘発型の同量(1.5μg)をポリアクリルアミドゲルで電気泳動的に分析し、その後、Towbin(20)によって記載されたように、ニトロセルロース膜にエレクトロブロッティングした。
この膜をまず、脱脂粉乳5%を含有するTBST(TBS、Tween−20 0.05%)(飽和緩衝液)で1時間インキュベートして、次に、TBST2%脱脂粉乳で1:3に希釈した、4+の反応性を示すBetula verrucosaに対してアレルギー性の対象の血清プールで一晩インキュベートした。1時間後、この膜をTBSTで3回洗浄した。膜に結合した抗体は、ペルオキシダーゼ結合抗ヒトIgE血清と接触させて、数回洗浄後、ペルオキシダーゼ基質であるルミノールを使用して化学ルミネセンス検出系(ECL、Amersham)で検出した。
実施例7
Balb/cマウスの免疫方法
雌Balb/cマウス(Charles River)5匹からなる2つの群を、完全フロインドアジュバント100μlおよび生理食塩水100μl中の抗原(配列番号1および配列番号5)20μgを含有するエマルジョン200μlで皮下免疫した。完全アジュバントを不完全アジュバントに代えて、さらに3回追加免疫を1週間間隔で実施した。対照として、マウス5匹に関係のない抗原を投与した。最終免疫の7日後に、血液試料を尾から採取し、各免疫原に対する抗体応答を制御するためにELISAで使用した。配列番号5で免疫したマウスでは、野生型タンパク質を認識する能力も分析した。
実施例8
免疫したマウスにおけるIgG特異的応答のELISA分析
50mM炭酸塩/重炭酸塩緩衝液、pH9.6に溶かしたwt Bet v 1および配列番号5変種の同量(0.25μg)を、ELISAアッセイ用ポリスチレンプレートのウェルに、4℃で16時間インキュベートすることによって吸着させた。このウェルを洗浄溶液(Tween−20 0.05%を含有する60mMリン酸緩衝液、pH6.5)で洗浄して、希釈溶液(ウマ血清25%、EDTA1mM、Tween20 0.05%、チオメサール0.01%を溶かした150mMリン酸緩衝液、pH7.4)でブロックした。各マウスの血清の連続希釈(希釈緩衝液による)の一定量100μlをウェルに入れ、25℃で2時間インキュベートした。
3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG血清を希釈緩衝液で1:2000に希釈し、ウェルに添加し、その後25℃で1.5時間インキュベートした。3回洗浄後、TMB試薬(BioFX Laboratories、Owings Mills、MD)100μlを添加し、25℃で15分間インキュベートすることによって比色反応を発色させた。1N HCl100μlで反応を停止させ、その後分光光度計で450nmで読み取った。図4および5は、各群のマウス5匹の血清を分析することによって得られた平均の反応性を示している。
参考文献
Figure 2009521910
Figure 2009521910
Figure 2009521910
図1は、Bet v 1アレルゲンおよびBet v 1低アレルギー性変種に対するIgE反応性のELISA分析を示した図である。 図2は、Bet v 1アレルゲンに対するIgE結合の阻害を示した図である。 図3は、Bet v 1アレルゲンおよびそれらの変種に対するIgE反応性のウェスタンブロッティング分析を示した図である。 図4は、各免疫原タンパク質に対するマウスIgG応答を示した図である。 図5は、配列番号5で免疫したマウスにおけるIgG応答を示した図である。

Claims (15)

  1. Betula verrucosa花粉(Bet v1)の主要アレルゲンの低アレルギー性変種であるタンパク質であって、
    a)野生型Bet v1(配列番号1)と比較してIgEに対して低い反応性を示し、
    b)i)配列番号1との同一性が少なくとも87%、好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも97%であり、
    ii)配列番号1との配列アラインメントでは、配列番号1のアミノ酸54、115および/または123に対応する位置のLys残基の少なくとも1個の置換または欠失が存在するアミノ酸配列を有することを特徴とするタンパク質。
  2. 前記Lys残基が中性または極性アミノ酸で置換されている、請求項1に記載のタンパク質。
  3. 前記中性または極性アミノ酸が、Ala、Thr、Gly、Pro、Leu、Ile、Phe、Serから選択される、請求項2に記載のタンパク質。
  4. 前記アミノ酸が、Ala、SerまたはThrである、請求項3に記載のタンパク質。
  5. 配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5からなる群から選択される、請求項1に記載のタンパク質。
  6. 15個から35個のアミノ酸を含有し、前記で定義したような少なくとも1個のLys置換および/または欠失を有する、請求項1から5に記載のタンパク質の免疫学的に活性のあるペプチド断片。
  7. 15個から20個のアミノ酸を含有する、請求項6に記載のペプチド。
  8. 請求項1から5に記載のタンパク質または請求項6から7に記載のペプチドをコードする核酸分子。
  9. 配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10からなる群から選択される、請求項8に記載の核酸分子。
  10. 請求項8から9に記載の核酸分子を含有するベクター。
  11. 請求項10に記載のベクターを含有する宿主細胞。
  12. 薬学的に許容される媒体および賦形剤と一緒に、請求項1から5に記載のタンパク質または請求項6から7に記載のペプチドの有効量を含む医薬組成物。
  13. ワクチンの形態の請求項12に記載の組成物。
  14. アレルギー性疾患の予防的または治療的処置のための医薬組成物を調製するための、請求項1から5に記載のタンパク質または請求項6から7に記載のペプチドの使用。
  15. 気管支喘息、鼻炎、結膜炎およびアトピー性皮膚炎を治療するための、請求項14に記載の使用。
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