JP2009517409A - 膵炎を予防および/または治療するための方法および組成物 - Google Patents

膵炎を予防および/または治療するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は被験体における膵炎を予防および/または治療する方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法に関する。

Description

本出願は、2005年12月1日に出願されたオーストラリアの仮特許出願第2005906722号からの優先権を主張し、この参照により本明細書に組み入れてそれらの内容を援用する。
本発明は膵炎を予防および/または治療するための方法および組成物に関する。本発明は、膵炎を改善する薬剤を同定する方法にも関する。
膵臓は、内分泌機能および外分泌機能の両方をになう重要な胃腸器官である。急性膵炎は消化酵素が膵管から外へ漏れる場合に生じ、膵臓に損傷を与える膵臓の炎症である。急性膵炎は、すべての集団に有意な罹患率および死亡率の影響を与える疾患である。急性膵炎の発生率は100,000人当たり約30人であり、この状況は集中治療処置を含む入院の必要性に起因する著しい経済的影響力を有する。
急性膵炎は、初期段階(誘因の後に続く、低灌流、プロテアーゼ、リパーゼおよびアミラーゼの活性化ならびに炎症伝達物質の局所的産生)、および後期段階(炎症細胞の動員、さらなる組織損傷および最終的な修復または線維化/壊死)からなる複雑な多段階の過程である。膵腺の壊死は高い罹患率および激痛に強く関連しており、壊死の予防または減少が可能な場合、急性膵炎に関連した死亡率および罹患率が減少するかもしれない。
多くの患者は、膵臓の進行性軽度炎症、膵腺組織の進行性破壊、解剖学的変形、器官機能および消化能力の消失、ならびに慢性的疼痛をともなう慢性膵炎も発症する。
急性膵炎には推定される多くの原因があるが、その典型的な経過は、導管灌流の減少、膵管内圧亢進(しばしば胆管を含む)および/または膵臓組織中への酵素の分泌過多であり、組織の自己消化に結びつく。急性膵炎症例のおよそ3分の1はアルコール中毒、3分の1は胆石に関連しており、3分の1は他の原因または無合併症であり特発性と判断される。急性膵炎の症状は再発する傾向があり、入院および病的状態をもたらす。
膵炎の治療は、一般的には膵腺に対する導管潅流の維持によって臨床的転帰を改良する静脈内輸液の積極的投与を含む。さらに鎮痛剤および抗生物質が症状の治療に使用される。多くの研究もまた、虚血が壊死発症において主要な役割を果たすと結論しており、したがって虚血の減少は転帰を改善するかもしれない。
上記から理解されるように、急性膵炎のための既存の治療は、膵腺に対する導管潅流の維持および痛みの制御を対象とする。しかしながら、急性膵炎治療のための薬剤介入は限定的なままである。本発明は、膵炎を予防および/または治療するための方法および組成物に関する。
先行技術として与えられる特許文献または他の事柄に対する本明細書での言及は、任意の請求項の優先日の時点で、オーストラリアまたは他の国において、その文書または事柄が公知であったということ、またはそれに含まれる情報が共通の一般的知識の一部であったということを認めるものではない。
本発明は急性膵炎の動物モデルに関する研究に起因する。特に、ガラニンのアンタゴニストまたはガラニン受容体のアンタゴニストの投与により、これらの動物モデルにおける急性膵炎の改善が可能であることを見出した。
したがって、本発明は、被験体における膵炎を予防および/または治療するための方法であって、被験体に対しての治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与を含む方法を提供する。
本発明は、被験体の膵炎を予防および/または治療するための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用も提供する。
本発明は、被験体における膵炎を予防および/または治療するために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物も提供する。
本発明は、被験体における膵臓の導管潅流(vascular perfusion)を改善および/または膵臓の炎症を減少させる方法であって、被験体に対する治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与を含む方法も提供する。
本発明は、被検体の膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための医薬品の調製におけるガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用も提供する。
本発明は、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物も提供する。
本発明は、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させる方法であって、被験体に対する治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与を含む方法も提供する。
本発明は、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための医薬品の調製におけるガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用も提供する。
本発明は、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物も提供する。
本発明は、被験体における急性膵炎の進行を抑制する方法であって、被験体に対する治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与を含む方法も提供する。
本発明は、被験体の急性膵炎の進行を抑制するための医薬品の調製におけるガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用も提供する。
本発明は、被験体の急性膵炎の進行を阻害するために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物も提供する。
本発明は、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストと、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛剤;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液(dehydrating fluid);エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2−ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタン(candesartan)を含むアンジオテンシン(angiotension)II受容体アンタゴニスト;ビンダリット(bindarit)を含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ(ionotope);第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;ならびにブタメン(butamene)からなる群から選択される1つまたは複数のさらなる薬剤という成分を含む組合せ製品も提供し、これらの成分は被験体への個別投与のための形態または被験体への1つまたは複数の成分の併用投与のための形態で提供される。
本発明は、(i)ソマトスタチン、または機能的変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片と;および(ii)ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストとを含む医薬組成物も提供する。
本発明は、さらに被験体の膵炎を改善する薬剤を同定する方法であって、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストである薬剤の同定を含む方法を提供する。
明細書の全体にわたって使用される様々な用語は、当業者により十分に理解される意味を有する。しかしながら、参照を容易にするために、これらの用語のうちのいくつかをここで定義する。
本明細書の全体にわたって使用されるような用語「ガラニン」は、ガラニン、変異体、類似物、誘導体もしくはそれらの断片、またはガラニン、変異体、類似物、誘導体もしくはそれらの断片を含む融合タンパク質を意味すると理解される。ガラニンは、任意の種からのものであってもよいし、プロセッシングされた成熟型のガラニンまたは未成熟型のガラニン(例えば、プレプロタンパク質およびプレタンパク質のガラニン)であってもよい。
本明細書の全体にわたって使用されるような用語「ガラニンアンタゴニスト」は、ガラニンの機能、活性および/または発現を遮断し、阻害し、減少させ、中和する薬剤を意味すると理解される。アンタゴニストはガラニンの成熟型または未成熟型に拮抗するように機能してもよい。
本発明の様々な実施形態における薬剤の例は、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣薬、薬物、低分子、巨大分子、有機分子、核酸、オリゴヌクレオチド、酵素、多糖、糖タンパク質、脂質、抗体またはその一部分、およびアプタマーを含む。
本明細書の全体にわたって使用されるような用語「ガラニン受容体」は、例えばGALR1、GALR2および/もしくはGALR3、または変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片、あるいはガラニン受容体、または変異体類似物、誘導体、またはそれらの断片を含む融合タンパク質を含む、ガラニンと結合する細胞受容体を意味すると理解される。
本明細書の全体にわたって使用されるような用語「ガラニン受容体アンタゴニスト」は、ガラニン受容体の機能、活性および/または発現を遮断し、阻害し、減少させ、中和する薬剤を意味すると理解される。
本明細書の全体にわたって使用されるような用語「変異体」は、1つまたは複数のアミノ酸により改変されるポリペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列を意味すると理解される。変異体には、置換されたアミノ酸が置き換えられたアミノ酸に類似した構造的性質または化学的性質を有する(例えば、ロイシンのイソロイシンによる置換)、「保存的な」変化があってもよい。変異体には、また「非保存的な」変化(例えばグリシンのトリプトファンによる置換)、あるいは1つもしくは複数のアミノ酸の欠失および/または挿入があってもよい。
本明細書の全体にわたって使用されるような用語「被験体」は、動物またはヒト被験体を含む、膵炎の進行の影響を受けやすい任意の多細胞生物を意味すると理解される。例えば被験体は、ヒトまたは他の哺乳類、霊長類、家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギ)、ペット用の動物(例えば、イヌ、ネコ)、実験テスト動物(例えば、ポッサム(possum)、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、トリ)、獣医学上重要な動物、または経済上重要な動物であってもよい。
上に記載されたように、1つの実施形態において、本発明は、被験体の膵炎を治療および/または予防する方法であって、被験体への治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与を含む方法を提供する。
本発明のこの実施形態は、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与により、被験体の膵炎を治療および/または予防する方法を対象とする。
1つの実施形態において、膵炎の予防および/または治療は、導管潅流の改善および/または膵臓の炎症の減少による。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体の膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させる方法であって、治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの被験体への投与を含む方法を提供する。
膵臓の導管潅流程度を測定し、膵臓の炎症程度を測定する方法は、当技術分野において公知である。
本発明は、被験体の異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるのにもまた適している。被験体の膵臓の損傷程度を評価する方法は、当技術分野において公知である。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体の異常な膵臓の導管潅流および膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させる方法であって、被験体への治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与を含む方法を提供する。
本発明は、膵炎発症に対するリスクのある個人の膵炎を予防するために使用されてもよい。本発明は被験体の膵炎を治療するためにも使用されてもよい。
本発明の様々な実施形態における膵炎は、急性膵炎または慢性膵炎であってもよい。
1つの実施形態において、膵炎は急性膵炎である。この点に関しては、発症時に急性膵炎を治療するために本発明を使用することができるだけでなく、急性膵炎の予防療法のためにも適していることが認識されるだろう。
急性膵炎は、手術または内視鏡検査からの膵臓への損傷、鈍傷または穿通損傷からの膵臓への損傷、フロセミド、アザチオプリン、スルファサラジンおよびバルプロ酸のような薬剤の使用を含む治療法の医学的処置のような膵炎を誘導する事象、遺伝性膵炎、胆石、アルコール乱用、血液における高いレベルの脂質(特にトリグリセリド)、高脂質レベルに関連したエストロゲン使用、上皮小体機能亢進症および血液中の高カルシウムレベル、例えば重症の低血圧による膵臓への血液供給の減少を含む病歴条件、耳下腺炎、膵臓癌および腎臓移植を含む疾患または症状に起因し得る。
慢性膵炎は、アルコール乱用またはアルコール依存症、外傷または偽嚢胞、遺伝的理由のための膵管閉鎖または膵管狭窄に起因、または未知の原因(特発性)に起因してもよい。慢性膵炎の他の原因は、分割膵のような先天性症状、嚢胞性繊維症および血液中のカルシウムの高レベル(高カルシウム血症)、血中脂質の高レベル(高脂血症または高トリグリセリド血症)、いくつかの薬剤の使用および特定の自己免疫疾患である。
被験体の膵炎の診断および評価は、当技術分野において公知の適切な方法で、当業者によって遂行されてもよい。膵炎の臨床的な徴候は、例えば背部に放散する腹痛、高加水分解酵素血症(hyperhydrolesemia)、アミラーゼ、イソアミラーゼ、リパーゼ、C反応性タンパク質、トリプシノーゲン−2、トリプシン、ホスホリパーゼA2、および/またはトリプシン−2−α1アンチトリプシン複合体の血中濃度の上昇を含む。ランソン(Ranson)、オズボーン(Osborne)およびアパッチ(Apache)IIスコアリングシステムのようなスコアリングシステムも、患者の膵炎を診断するために、単独でまたは超音波検査法、CTスキャンおよびERCPのような視覚化技術と併用して使用されてもよい。
本発明を、既存の膵臓症状の悪化を阻害するために使用してもよい。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体の膵炎の進行を阻害する方法であって、治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの被験体への投与を含む方法を提供する。
この実施形態において、本発明は、例えば軽症膵炎が急性膵炎へと進行すること、および/または急性膵炎が重症急性膵炎(壊死性膵炎)へと進行することを阻害するために使用されてもよい。
本発明の様々な形態における被験体は、膵炎の進行に影響を受けやすいか、または実際に膵炎に罹患している、動物またはヒト被験体を含む任意の多細胞生物である。例えば被験体は、ヒトまたは他の哺乳類、霊長類、家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギ)、ペット用の動物(例えば、イヌ、ネコ)、実験テスト動物(例えば、ポッサム、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、トリ)、獣医学上重要な動物、または経済上重要な動物であってもよい。
1つの実施形態において、本発明の方法は、哺乳類被験体における膵炎の予防および/または治療のためのものである。例えば本発明は、ヒト被験体における膵炎の予防および/または治療のために使用されてもよい。
上に記載されているように、本発明の様々な実施形態における被験体は、膵炎に罹患した被験体、または膵炎発症のリスクのある被験体であってもよい。1つの実施形態において、被験体は、急性膵炎に罹患したヒト、または急性膵炎発症のリスクがあるヒトである。
本発明は、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの被験体への投与を含む。
ガラニンは、C末端でアミド化される29アミノ酸のペプチド(ヒトにおいては30アミノ酸であり、アミド化されていない)であり、もとは腸から単離され、高度に保存されているが、特有の神経内分泌ペプチドである。最初の14アミノ酸は、ほぼすべての種で完全に保存されている。ガラニンは一般に脳および腸において発見される。ガラニンmRNAは、シグナルペプチド、ガラニン、およびGMAP(ガラニンmRNA関連ペプチド)と呼ばれる59〜60アミノ酸長のC末端でアミド化されるフランキングペプチドを含む、より大きなポリペプチド、プレプロガラニンに翻訳される。ガラニンのN末端において伸長された生物学的活性型(−7−29および−9−29)、または短縮された生物学的活性型もいくつか単離された。
ヒトガラニンは、配列H−Gly−Trp−Thr−Leu−Asn−Ser−Ala−Gly−Tyr−Leu−Leu−Gly−Pro−His−Ala−Val−Gly−Asn−His−Arg−Ser−Phe−Ser−Asp−Lys−Asn−Gly−Leu−Thr−Ser−OH(配列番号11)を有する。
ガラニンペプチドのヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列は、文献または公開データーベースにおいて見出すことができるか、またはヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列は、当技術分野において当業者が公知のクローニングおよびシークエンシング技術を使用して決定することができる。例えば、ヒトガラニンのヌクレオチド配列は、GenBankアクセッション番号A28025およびNM_015973において見出すことができる。ヒトガラニンのアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号CAA01907、NP_057057、P22466およびAAH30241において見出すことができる。
他の種からのガラニンについての他のアクセッション番号は以下のとおりである。
ウシ(Bos taurus) NP_776339(アミノ酸残基33〜61からなる)
ヒト(Homo sapiens)(プレプロタンパク質)AAH30241
ヒトAAB20740
ドブネズミ(Rattus norvegicus )NP_150240(アミノ酸残基33〜62からなる)
ハツカネズミ(Mus musculus )NP_034383。
他のガラニンペプチドを同定する方法は、当技術分野において公知である。例えば、ペプチドまたはペプチドをコードする遺伝子は、2つのヌクレオチド配列間の相同性の程度(blastn)または2つのアミノ酸配列間の相同性の程度(blastp)を決定する、BLASTアルゴリズムを使用して同定されてもよい。BLASTは、データーベースにおける配列間の局所アライメントを同定し、偶然生じる局所アライメントの確率を予測する。BLASTアルゴリズムは、Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403−410において記載されている通りである。
本発明の様々な実施形態におけるガラニンアンタゴニストは、適切な種からのガラニンに対するアンタゴニストであってもよい。1つの実施形態において、アンタゴニストはヒトガラニンのアンタゴニストである。
今までに本明細書において記載されているように、本発明の多様な型のガラニンアンタゴニストは、ガラニンの機能、活性および/または発現を遮断し、阻害し、減少させ、中和する薬剤である。アンタゴニストは、ガラニンの成熟型または未成熟型に拮抗するように機能してもよい。ガラニンアンタゴニストを同定する方法は、当技術分野において公知である。
ガラニンアンタゴニストの例は、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣薬、非ペプチド分子、薬物、低分子、巨大分子、有機分子、核酸、オリゴヌクレオチド、酵素、多糖、糖タンパク質、脂質、抗体またはその一部分、およびアプタマーを含む。
1つの実施形態において、ガラニンアンタゴニストはペプチドアンタゴニストである。本発明の様々な実施形態におけるガラニンアンタゴニストの例は、ガランタイド(M15; ガラニン(1〜13)−P物質(5〜11)アミド; Ogren et al. (1993) Eur J. Pharmacol 242(1):59−64);C7(ガラニン(1〜13)−スパンタイドアミド; Xu et al. (1995) Br J. Pharmacol 116(3):2076−2080);M40(ガラニン(1〜13)−Pro−Pro−Ala−Leu−Ala−Leu−Alaアミド;Xu et al. (1995) Br J. Pharmacol 116(3):2076−2080);M35(Kask et al. (1995) Regul Pept. 59(3):341−348);M38(ガラニン(1−13)−(Ala−Leu)3−Alaアミド; Xu et al. (1995) Br J. Pharmacol 116(3):2076−2080);およびM32(ガラニン(1〜13)−Pro−Pro−Ala−Leu−Ala−Leu−Alaアミド)を含む。これらのガラニンアンタゴニストは、ガラニンのアミノ末端部分をP物質(ガランタイド、M15)、ブラジキニン(M35)、ニューロキニンアンタゴニストスパンタイド(C7)または理想的αへリックス領域(M40)に連結することにより生成されたキメラペプチドである。
M15、C7、M40、M35およびM32アンタゴニストの配列は、以下のとおりである。
M15: GWTLNSAGYLLGPQQFFGLM(配列番号12)
C7: GWTLNSAGYLLGPrPKPQQwFwLL(小文字アミノ酸はD−アミノ酸)(配列番号13)
M40: GWTLNSAGYLLGPPPALALA(配列番号14)
M35: GWTLNSAGYLLGPPPGFSPFR(配列番号15)
M32: GWTLNSAGYLLGPRHYINLITRQRY(配列番号16)。
1つの実施形態において、本発明の多様な型のガラニンアンタゴニストはガランタイド(M15)、または変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片であり、それらのすべては機能的である。
他の実施形態において、ガラニンアンタゴニストはM871である(Sollenberg et al. (2006) International Journal of Peptide Research and Therapeutics 12(2):115−119)。
1つの実施形態において、ガラニンアンタゴニストは、M15、C7、M40、M38、M35、M32およびM871のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有する。1つの具体的な実施形態において、ガラニンアンタゴニストは、M15、C7、M40、M38、M35、M32およびM871のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を有する。配列同一性の程度を決定する方法は、当技術分野において公知であり、上文に先に記載されているように、BLASTアルゴリズムを含む。
1つの実施形態において、ガラニンアンタゴニストはガランタイドに対して少なくとも80%の配列同一性、例えばガランタイドに対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
他の実施形態において、ガラニンアンタゴニストは、SNAP 37889またはSNAP 398299のような非ペプチドアンタゴニストである(Swanson et al. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102: 17489−17494)。
ガラニンは高親和性細胞表面受容体と相互に作用することによりその生物学的作用を仲介する。薬理学的研究は、複数の受容体サブタイプの存在を示唆し、3つのガラニン受容体(GALR1、GALR2およびGALR3)がこれまでにクローニングされた。これらの受容体は7回膜貫通ドメインで特徴づけられるGタンパク質共役型受容体スーパーファミリーのファミリーに属している。
ヒトにおけるGALR1は349アミノ酸長であり、染色体15q24に位置する。ヒトGALR1には55〜70kDaの無糖鎖型および糖鎖付加型があり、ラットと92%の配列保存を共有する。GALR1は、ガラニン(Kd=0.07 nM)、N末端ガラニン断片、ならびに推定上のガラニン受容体アンタゴニストのガランタイド、C7、M35およびM40に対して高い親和性を有する。C末端ガラニン断片はGALR1に結合しない。
ヒトにおけるGALR2は387アミノ酸長であり、染色体17q25.3に位置する。ラットおよびヒトのGALR2は〜87%保存されている。GALR2はガラニン、N末端ガラニン断片、およびキメラペプチドを結合する。ガラニン2〜29は、GALR1よりも高い親和性でGALR2に結合する。
ヒトGALR3は、368アミノ酸のタンパク質をコードする。ラットおよびヒトのGALR3は〜90%保存されている。GALR3に対する様々なペプチドの親和性は、Smith et al (1998) J. Biol. Chem. 273(36):23321−23326において記載されている通りである。
ガラニン受容体を同定する方法は、当技術分野において公知である。例えばタンパク質またはタンパク質をコードする遺伝子は、上文に先に記載されるように、BLASTアルゴリズムを使用して同定されてもよい。
ヒトGALR1、ヒトGALR2およびヒトGALR3のヌクレオチド配列は、GenBankアクセッション番号NM_001480、AF080586およびNM_003857においてそれぞれ見出すことができる。ヒトGALR1、ヒトGALR2およびヒトGALR3のアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_001471、NP_003848およびNP_060755において見出すことができる。
他のガラニン受容体についてのアクセッション番号は、以下のとおりである。
ヒトガラニン受容体1 NM_001480
ヒトガラニン受容体2 O43603
ヒトガラニン受容体2 JC5949
ヒトガラニン受容体3 O60755
ヒトガラニン受容体3 NP_003605
ドブネズミガラニン受容体1 NP_037090
ドブネズミガラニン受容体2 NP_062045
ドブネズミガラニン受容体3 XP_346808
ドブネズミガラニン受容体3 NP_062046
ハツカネズミガラニン受容体1 P56479
ハツカネズミガラニン受容体1 NP_032108
ハツカネズミガラニン受容体2 AAC36589
ハツカネズミガラニン受容体3 NP_056553。
本発明の様々な実施形態におけるガラニン受容体アンタゴニストは、適切な種からのガラニン受容体に対するアンタゴニストであってもよい。
1つの実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストはヒトガラニン受容体のアンタゴニストである。
先に本明細書において記載されているように、本明細書の全体にわたって使用されるようなガラニン受容体アンタゴニストは、ガラニン受容体の機能、活性および/または発現を遮断し、阻害し、減少させ、中和する薬剤を意味すると理解される。ガラニン受容体アンタゴニストを同定する方法は、当技術分野において公知である。
ガラニン受容体アンタゴニストの例は、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣薬、非ペプチド分子、薬物、低分子、巨大分子、有機分子、核酸、オリゴヌクレオチド、酵素、多糖、糖タンパク質、脂質、抗体またはその一部分、およびアプタマーを含む。
1つの実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストはペプチドアンタゴニストである。
他の実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストは非ペプチドアンタゴニストである。
1つの実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストは、1つまたは複数のGalR1、GalR2およびGalR3のアンタゴニストである。
本発明の多様な型のガラニン受容体アンタゴニストの例は、M15(ガランタイド)、M35、M40、C7、M32、M38、M871、D−Thr6,[D−Trp8,9]−ガラニン(1−15)オール(Galanin(1−15)ol)、[D−Trp8,9]−ガラニン(1−15)オール、SCH−202596(スピロコウマラノン(Spirocoumaranon))、ジチイン−1,1,4,4−四酸化物、ならびにSNAP 37889およびSNAP 398299(Swanson et al. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102: 17489−17494において記載されているようなGal3受容体アンタゴニスト)を含む。
1つの実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストは、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である。
1つの実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストは、M15、C7、M40、M38、M35、M32およびM871のうちの1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有する。1つの具体的な実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストは、M15、C7、M40、M38、M35、M32およびM871のうちの1つに対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
1つの実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストはガランタイドに対して少なくとも80%の配列同一性を有する。1つの具体的な実施形態において、ガラニン受容体アンタゴニストはガランタイドに対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
他のアンタゴニストの例は、米国特許出願第20030055000号において記載されているような「ガルノン(Galnon)」、ならびに2,3−ジヒドロー−ジチインおよびジチエピン−1,1,4,4−四酸化物(Scott et al. (2000) Bioorg Med Chem. 8(6):1383−91; GalR1アンタゴニスト)を含む。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む医薬組成物を調製するために、本発明の様々な実施形態で使用されるアンタゴニストは、典型的には好ましくは不活性な薬学的に許容される担体または賦形剤と混合されるだろう。薬学的担体は、被験体に対するポリペプチドの送達のために適切な任意の適合性のある無毒な物質でありえる。そのような医薬組成物の調製は、技術、例えば、レミントンの薬学( Remington's Pharmaceutical Sciences)、18th ed., 1990, Mack Publishing Co., Easton, Pa.、米国薬局方:国民医薬品集(U.S. Pharmacopeia: National Formulary)、1984, Mack Publishing Company, Easton, Pa.において公知である。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体における膵炎を治療および/または予防するために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物を提供する。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、被験体における膵炎を予防および/または治療するための医薬品の調製においても使用されてよい。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体における膵炎を予防および/または治療するための医薬品の調製において、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用を提供する。
上に記載されたように、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、被験体における導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための組成物または医薬品の調製において使用されてもよい。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体における導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物を提供する。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、被験体における導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための医薬品の調製においても使用されてよい。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体における導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための医薬品の調製において、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用を提供する。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、さらに被験体における異常な膵臓の導管潅流および膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための組成物または医薬品の調製において使用されてもよい。
したがって他の形態において、本発明は、被験体における異常な膵臓の導管潅流および膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物を提供する。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、被験体における異常な膵臓の導管潅流および膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための医薬品の調製においても使用されてよい。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体における異常な膵臓の導管潅流および膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための医薬品の調製において、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用を提供する。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、被験体における膵炎のより重症型への進行を阻害するための組成物または医薬品の調製においても使用されてよい。
したがって他の形態において、本発明は、被験体における膵炎の進行を阻害するために使用される場合に、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物を提供する。
ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、被験体における膵炎のより重症型への進行を阻害するための医薬品の調製においても使用されてよい。
したがって、他の実施形態において、本発明は、被験体における膵炎のより重症型への進行を阻害するための医薬品の調製において、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用を提供する。
ヒトまたは動物被験体へのガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与の場合には、アンタゴニストは適切な形態で被験体に投与されてもよい。
アンタゴニストが一般に有益な効果または治療上の効果を示すような量内であって、そのような形態である限り、投与されるアンタゴニストの効果的な量は特に限定されない。用語「治療上効果的な量」は、治療を必要とする被験体に投与された場合に、被験体の予後を改善する、例えば、膵炎に関連した被験体の1つまたは複数の症状の発症を遅延する、および/または膵炎に関連した被験体の1つまたは複数の症状の重症度を低下させる量である。被験体に投与される量は、疾患の特定の特性、投与の様式、ならびに健康状態、他の疾患、年齢、性別、遺伝子型、体重、薬剤に対する耐性のような被験体の特性に依存するだろう。当業者は、これらおよび他の因子に依存する適切な投薬量を決定することができるだろう。効果的な量のアンタゴニストは、典型的には1日当たり約0.1mg/kg体重〜1日当たり約1000mg/kg体重、および通常は1日当たり1mg/kg体重〜1日当たり100mg/kg体重の範囲に及ぶ。
1つの実施形態において、被験体に投与されるアンタゴニストの用量は、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲である。1つの具体的な実施形態において、被験体に投与されるアンタゴニストの用量は、5nmol/kg〜50nmol/kgの範囲のアンタゴニストの用量のような、1nmol/kg〜50nmol/kgの範囲である。
アンタゴニストは、単独でまたはメシル酸ガベキサートおよびソマトスタチンのような1つまたは複数の他の薬剤との組み合わせ(「併用投与」)で、投与されてもよい。併用投与は、連続または同時でありえる。「併用投与」は、一般に複数の(2つまたはそれ以上の)治療が規定時間の間に被験体において存在することを意味する。典型的には、第2の薬剤が第1の薬剤の半減期以内に投与される場合、2つの薬剤が併用投与されると考えられる。
1つの実施形態において、併用投与は、被験体への投与について単一の組成物の形態で行われるものである。
したがって、他の実施形態において、本発明は、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストと、鎮痛薬(アセトアミノフェンおよび/またはイブプロフェンのような非麻酔性薬物、ならびにメペリジン(デメロール)またはモルヒネのようなオピエート麻酔薬を含む);抗生物質;膵酵素産生を抑制する薬剤(ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、メシル酸ガベキサートを含む);胃酸を抑制する薬剤(H2−受容体遮断薬(例えばタガメット、ペプシッドまたはザンタック)およびプロトンポンプ阻害薬(例えばプリロセックまたはプレバシッド)を含む);膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤(抗体を含む);B2−ブラジキニンおよびカリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;アンジオテンシンII受容体拮抗剤(例えばカンデサルタン);MCP−1合成遮断薬(例えばビンダリット);一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;ならびにブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤とを含む組成物を提供する。
他の実施形態において、併用投与は、被験体への個別投与のための、または被験体への併用投与のための組合せ製品によるものである。
したがって別の形態において、本発明は、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストと、鎮痛薬(アセトアミノフェンおよび/またはイブプロフェンのような非麻酔性薬物ならびにメペリジン(デメロール)またはモルヒネのようなオピエート麻酔薬を含む);抗生物質;膵酵素産生を抑制する薬剤(ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニンおよびメシル酸ガベキサートを含む);胃酸を抑制する薬剤(H2−受容体遮断薬(例えばタガメット、ペプシッドまたはザンタック)およびプロトンポンプ阻害薬(例えばプリロセックまたはプレバシッド)を含む);膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤(抗体を含む);B2−ブラジキニンおよびカリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;アンジオテンシンII受容体拮抗剤(例えばカンデサルタン);MCP−1合成遮断薬(例えばビンダリット);一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;ならびにブタメンからなる群から選択される1つまたは複数のさらなる薬剤といった成分を含む組合せ製品も提供し;これらの成分は被験体への個別投与のための形態または被験体へのこれらの成分のうちの1つまたは複数の成分の併用投与のための形態で提供される。
組合せ製品は、被験体における膵炎を予防および/または治療するのに、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるのに、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるのに、ならびに被験体における急性膵炎の進行を阻害するのに適している。
アンタゴニスト、またはアンタゴニストを含む組成物の投与は、所望の効果、例えば膵炎の治療および/または予防をもたらすのに適切な任意の時間内に行なってもよい。
膵炎を治療するアンタゴニストの適切な用法は、例えば1日当たり3〜6回の分割された用量で、1日当たり約0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲において、静脈内、皮下または筋肉内になされてもよい。この範囲で1日の蓄積用量を達成するアンタゴニストの連続注入も使用されてよい。経口、舌下および経皮の場合の用量は、静脈内投与に対する相対的生物学的利用能により、これより高いのであろう。
本発明の様々な実施形態における被験体に対するアンタゴニストの投与は、膵炎発症の前、膵炎発症と同時、および膵炎の初期のうちの1つまたは複数においてなされる。
1つの実施形態において、アンタゴニストは膵炎発症の24時間で、典型的には膵炎発症の3時間以内のような、膵炎発症の12時間以内に投与される。
例えば急性膵炎の場合には、アンタゴニストは急性膵炎の診断後にできるだけすぐに投与され、約3日間〜約14日まで毎日(例えば分割された用量または連続注入で)与えられてもよい。
アンタゴニストは、経口投与、非経口投与、局所投与または他の適切な手段による投与を含む適切な経路で投与されてもよく、したがってアンタゴニストの通過時間も考慮に入れなくてはならない。
上に記載されているように、アンタゴニストの投与は、投与されるアンタゴニストの特定の物理的特性および化学的特性を考慮に入れて、薬学的に許容される塩、アミノ酸、ポリペプチド、ポリマー、溶媒、緩衝液、賦形剤および充填剤を含む、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤の使用も含んでもよい。
例えばアンタゴニストは、例えば水溶液、油性製剤、脂肪乳剤、乳剤、ゲルなどの様々な形態で医薬組成物へ調製することができ、これらの製剤は筋肉内注射もしくは皮下注射として、または器官に対する注射、または埋め込み製剤として、または鼻腔、直腸、子宮、膣、肺などを介する経粘膜製剤として投与することができる。組成物は、経口製剤(例えば錠剤、カプセル剤、顆粒または粉末のような固形製剤;シロップ、乳剤または懸濁液のような液体製剤)の形態で投与されてもよい。アンタゴニストを含む組成物は、防腐剤、安定剤、分散剤、pH制御剤または等張剤も含んでもよい。適切な防腐剤の例は、グリセリン、プロピレングリコール、フェノールまたはベンジルアルコールである。適切な安定剤の例は、デキストラン、ゼラチン、α−トコフェロール酢酸またはα−チオグリセリンである。適切な分散剤の例は、ポリオキシエチレン(20)、モノオレイン酸ソルビタン(ツイーン80)、セスキオレイン酸ソルビタン(Span 30)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニックF68)またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を含む。適切なpH制御剤の例は、塩酸、水酸化ナトリウムなどを含む。適切な等張剤の例は、グルコース、D‐ソルビトールまたはD−マンニトールである。
本発明の様々な実施形態におけるアンタゴニストの投与は、投与されるアンタゴニストの物理的特性および化学的特性を考慮に入れて、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、懸濁化剤、平滑剤、アジュバント、媒質、送達システム、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、防腐剤、界面活性剤、着色剤、香味料または甘味剤を含む組成物の形態であってもよい。
これらの目的のために、組成物は経口投与、非経口投与、吸入スプレーによる投与、吸収、局所投与、直腸投与、経鼻投与、頬内投与、経膣投与、心室内投与、通常の無毒な薬学的に許容される担体を含む投薬処方での移植リザーバー経由の投与、または他の都合のよい投薬形態による投与で、投与されてもよい。本明細書において使用されるような用語の非経口的は、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、鞘内、心室内、胸骨内、頭蓋内の注射技術または注入技術を含む。
非経口的に投与される場合、組成物は、通常は単位投薬量で、好ましくは薬学的に許容される担体と共にレシピエントの血液と等張である無菌注射剤形態(溶液、懸濁液または乳剤)であるだろう。そのような無菌注射剤形態の例は、水性無菌注射剤または油性懸濁液である。これらの懸濁液は適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、当技術分野において公知の技術に従って製剤化されてもよい。無菌注射剤形態は、非経口投与可能な無毒な希釈剤または溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての、無菌注射剤溶液または懸濁液であってもよい。利用されてもよい許容可能な媒質および溶媒には、水、生理食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、等張食塩水およびハンクス液がある。さらに、無菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として従来通りに利用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリド、トウモロコシ油、綿実油、落花生油および胡麻油を含む、任意の無刺激性不揮発性油が利用されてもよい。オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、およびオレイン酸のような脂肪酸、ならびにオリーブオイルおよびヒマシ油を含むそのグリセリド誘導体は、特にポリオキシエチル化された形で、注射物質製剤において有用である。これらの油剤または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含んでよい。
担体は、溶解度、等張性、および化学的安定性を促進する物質(例えば酸化防止剤、緩衝液および防腐剤)のような少量の添加剤を含んでもよい。
経口投与される場合、アンタゴニストは、当技術分野において公知の通常の準備および技術を使用して、錠剤、カシェ剤、粉末、顆粒、ビーズ、チュアブルトローチ剤、カプセル剤、液体、水性懸濁液もしくは溶液、または類似した剤形のような単位剤形へと通常は製剤化されるだろう。そのような処方は、典型的には固形担体、半固体担体または液体担体を含む。例示的な担体は、ラクトース、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、ミネラルオイル、ココアバター、カカオ脂、アルギナート、トラガント、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、オキシ安息香酸メチル、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、ステアリン酸マグネシウムなどを含む。
錠剤は、任意で1つまたは複数の副成分と共にアンタゴニストを圧縮または成型することによって作られてもよい。圧縮錠剤は、任意で結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性薬剤、または分散剤と混合されて、粉末または顆粒のようなフリーフロー形態で有効成分を適切な機械で圧縮することによって調製されてもよい。成型錠剤は、粉末の有効成分および不活性液体希釈剤により湿らせた適切な担体の混合物を適切な機械で成型することによって作られてもよい。
アンタゴニストの投与は制御放出技術を利用してもよい。アンタゴニストは徐放性の医薬品としても投与されてよい。徐放性効果を増加するために、アンタゴニストは、植物油(例えば大豆油、胡麻油、椿油、ヒマシ油、落花生油、菜種油);中鎖脂肪酸トリグリセリド;オレイン酸エチルのような脂肪酸エステル;ポリシロキサン誘導体;あるいは、ヒアルロン酸またはその塩(重量平均分子量:約80,000〜2,000,000)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(重量平均分子量:約20,000〜400,000)、ヒドロキシプロピルセルロース(2%水溶液中の粘性:3〜4,000cps)、アテロコラーゲン(重量平均分子量:約300,000)、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:約400〜20,000)、ポリエチレンオキシド(重量平均分子量:約100,000〜9,000,000)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(1%水溶液中の粘性:4〜100,000cSt)、メチルセルロース(2%水溶液中の粘性:15〜8,000cSt)、ポリビニルアルコール(粘性:2〜100cSt)、ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:25,000〜1,200,000)のような水溶性高分子量化合物のような追加成分により製剤化されてもよい。
あるいはアンタゴニストは、何日にもわたる制御放出のための疎水性ポリマーマトリックスへ組み入れられてもよい。アンタゴニストは次に、頻繁な再投薬の必要なしに長期間にわたってアンタゴニストの効果的な濃度を提供するのに適している固形移植物または外部適用されるパッチへと成型されてもよい。そのような制御放出フィルムは、当技術分野において周知である。この目的のために一般に利用されるポリマーの他の使用されてもよい例は、外用または内服で使用されてもよい非分解性エチレン酢酸ビニルコポリマーおよび分解性乳酸グリコール酸コポリマーを含む。ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)のような特定のハイドロゲルも有用かもしれないが、上に挙げたような他のポリマー放出システムよりも短い放出サイクル用である。
担体は、適切な徐放特性および放出速度を有する、固形生体内分解性ポリマーまたは生体内分解性ポリマーの混合物であってもよい。アンタゴニストは次に、頻繁な再投薬の必要なしに長期間にわたってアンタゴニストの効果的な濃度を提供するのに適した固体移植物へと成型されてもよい。アンタゴニストは、当技術分野において当業者に公知の任意の適切な方法で、生体内分解性ポリマーまたはポリマー混合物へと組み入れることができ、生体内分解性ポリマーをともなう均質のマトリックスを形成してもよいか、またはポリマー内にいくつかの方法で封入されてもよいか、または固体移植物へと成型されてもよい。
局所投与のために、本発明の組成物は、溶液、スプレー、ローション、クリーム(例えば非イオン性クリーム)、ゲル、ペーストまたは軟膏の形態であってもよい。あるいは組成物は、リポソームまたはナノソームまたはリヴォソーム(rivosome)またはニュートリ−ディフューザー(nutri−diffuser)媒質を介して送達されてもよい。
アンタゴニストの送達のための他の方法が検討されることもまた認識されるべきである。例えばアンタゴニストは、適切な標的細胞におけるアンタゴニストの発現を可能にする核酸またはベクター経由で送達されてもよい。例えば、アンタゴニストは、標的細胞におけるアンタゴニストの発現をもたらすウイルスベクター経由で送達されてもよい。アンタゴニストは、例えばRosenberg, J. Clin. Oncol. 10:180 (1992)において記載されるように、例えば組織への直接的DNAインジェクション、組換型ウイルスベクターまたはリン脂質の使用およびトランスフェクションされた細胞の移植を含む標準的な遺伝子治療法技術によってもまた送達することができる。
上に記載されるように、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、鎮痛薬(アセトアミノフェンおよび/またはイブプロフェンのような非麻酔性薬物およびメペリジン(デメロール)またはモルヒネのようなオピエート麻酔薬を含む);抗生物質;膵酵素産生を抑制する薬剤(ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニンおよびメシル酸ガベキサートを含む);胃酸を抑制する薬剤(H2−受容体遮断薬(例えばタガメット、ペプシッドまたはザンタック)およびプロトンポンプ阻害薬(例えばプリロセックまたはプレバシッド)を含む);膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤(抗体を含む);B2−ブラジキニンおよびカリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;アンジオテンシンII受容体拮抗剤(例えばカンデサルタン);MCP−1合成遮断薬(例えばビンダリット);一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;ならびにブタメンからなる群から選択される他の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。
1つの具体的な実施形態において、ガラニンアンタゴニストは、ソマトスタチン、または機能変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片と組み合わせて使用してもよい。
したがって、他の実施形態において、先に本明細書において記載されているように、本発明は、被験体における膵炎の予防および/または治療、被験体における膵臓の導管潅流の改善および/または膵臓の炎症の減少、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷の減少、または被験体における急性膵炎の進行を阻害するための方法であって、効果的な量のソマトスタチン、または機能変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片の投与をさらに含む方法も提供する。
他の実施形態において、本発明は、(i)ソマトスタチン、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片と;および(ii)ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストとを含む医薬組成物を提供する。
この点に関しては、例えばWilson, J. & Foster, D.、ウイリアムズ内分泌学(Williams Textbook of Endocrinology)、p. 510 (7th ed.、 1985)において記載されているように、ソマトスタチン(ソマトトロピン放出抑制因子すなわちSRIF)には14アミノ酸のアイソフォーム(ソマトスタチン−14)および28アミノ酸のアイソフォーム(ソマトスタチン−28)の両方がある。
ソマトスタチンを投与する方法、および適切な投薬量は本明細書において先に記載された通りである。ソマトスタチンの適切な用量は、静脈内ボーラス注射として送達されるものは50μg〜1000μg(例えば250μg)である(ソマトスタチン−UCB;UCBファルマ(Pharma)社、ブリュッセル、ベルギー)。
ソマトスタチンおよび変異体、類似物、誘導体ならびに断片は、「ソマトスタチン(Somatostatin)」(2004)Coimbature B. Srikant編、Kluwer Academic Publishersにおいて記載されている通りである。
本発明は、被験体における膵炎を改善する能力を有する薬剤の同定にも適している。
したがって他の形態において、本発明は、被験体における膵炎を改善する薬剤を同定する方法であって、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストである薬剤の同定を含む方法を提供する。
ガラニンおよび/またはガラニン受容体の機能または活性に拮抗する薬剤の同定は、適切な方法によって行われてもよい。例えばLiu et al. (1998) J Biomol Screen 3:199−206において記載されているように、または米国特許出願第20050026213号において記載されているように、ガラニン受容体アンタゴニストは、ガラニン作用の様々なインビボモデルおよびインビトロモデルにおいて検査されてもよい。
例えば、ガラニン受容体1型(hGalR1)アンタゴニストのスクリーニングは、血清反応エレメント(SRE)の制御下で、ヒトGalR1およびルシフェラーゼレポーター遺伝子により安定的に共トランスフェクションされたCHO細胞株を使用して行なわれてもよい。hGalR1のアゴニスト(例えば10nMヒトガラニン)による刺激作用は、ルシフェラーゼ発現の増加をもたらし、酵素活性の増加として検出され、酵素活性は推定上のアンタゴニストによって阻害される。
そのようなスクリーニング系は、哺乳類のガラニン受容体、ガラニンおよびガラニンアンタゴニストとして検査される薬剤を結集させる方法を提供する。
2つの基本的タイプのスクリーニング系、標識リガンド結合分析および「機能的」分析を使用することができる。結合分析で使用する標識リガンドは、当技術分野において公知の方法によって、I125のような測定可能な基(group)によりガラニンを標識することによって得ることができる。分子が、そのような標識リガンド分析においてアンタゴニストとして作用する能力を測定するための方法も、当技術分野において公知である。
基本的な結合分析において、ガラニンアンタゴニストを同定する方法は、アンタゴニストとして調べられる薬剤と既知量の標識ガラニンの存在下でGalR受容体を接触させて、受容体に結合される標識ガラニンの量を測定すること、およびそのようなアンタゴニストの不在下で測定される結合と比較して、GalR受容体への標識ガラニンの結合の本質的な減少を測定することによってアンタゴニストを同定することを含む。
細胞モデルにおいて、ガラニン受容体により仲介される細胞内活性についてのパラメーターは、アンタゴニストのためのスクリーニングに対する拮抗活性についてモニターすることができる。そのようなパラメーターは、当技術分野において公知の方法を使用してGalR受容体、細胞増殖率の変化、ホルモンの分泌などを介して活性化された細胞内のセカンドメッセンジャー経路を含む。方法の例は、ホルスコリンに刺激された細胞内のcAMP産生の受容体媒介阻害へのリガンドの効果の測定(Parker et al. (1995) Mol. Brain Res. 34:179−189)、受容体によって刺激されたCa++動員および細胞分裂促進効果(Sethi et al.(1991) Cancer Res. 51:1674−1679)、および受容体媒介グルコース刺激インスリン放出(Yanaihara et al. (1993) Regulatory Peptides 46:93−101)である。
本発明は、さらに上文に記載されたスクリーニング方法に従って同定された薬剤、ならびに被験体における膵炎を予防および/または治療するための、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための、および被験体における急性膵炎の進行を阻害するための、そのような薬剤の使用を提供する。
ここでは本発明の上記の一般原則を具体化する実験が言及されるだろう。しかしながら、以下の記載が上記の記載の一般法則を限定するのでないことは理解される。
(実施例1)
動物
体重1.5〜3kgのいずれかの性別のオーストラリアンブラッシュテイルドポッサム(Australian Brush−tailed possum)(フクロギツネ(Trichosurus vulpecula))を、急性膵炎実験のために使用した。使用前に、すべての動物を水への接近が可能な状態で一晩断食させた。研究はフリンダーズ大学(Flinders University)の動物福祉委員会により承認された(承認番号#603/05)。
(実施例2)
手術手順
麻酔薬(ケタミン、20mg/kg、ケタミルインジェクション(Ketamil Injection)、トロイ・ラボラトリーズ(Troy Laboratories)社、NSW、オーストラリア;キシラジン、5mg/kg、ロンパン(Rompun)、バイエル・オーストラリア(Bayer Australia)社、NSW、オーストラリア)の筋肉内投与後に、動物の頸部、腹部および鼠径部にわたって電気カミソリで剃った。次に動物の体温を37℃に維持するために加熱毛布上に置いた(ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、ホリストン、マサチューセッツ、アメリカ)。気管開口形成術を行い、動物用小人工呼吸器で動物に空気を供給した(ハーバード・アパラタス社、ホリストン、マサチューセッツ、アメリカ)。麻酔薬および生理食塩水の送達のための2つのカニューレ(1.05mmの外径(OD)、0.35mmの内径(ID))を左大腿静脈に挿入した。チオペンタールナトリウム(ペントタール、アボット・オーストラリア(Abbott Australia)社、カーネル、NSW、オーストラリア)を、初めに2ml/kg/hr、次に実験期間中に麻酔を維持するように用量を調節して静脈内注入して麻酔を維持した。動物の水分補給状態を維持するために、生理食塩水を4ml/時間で与える。カニューレ(1.5mmのOD、0.9mmのID)を左大腿動脈に挿入し、継続的に血圧を測定するために圧変換器(トランスパック(Transpac)IV、アボット・アイルランド社、スライゴー、アイルランド共和国)を左大腿動脈に接続した。2つのカテーテル(1.5mmのOD、0.9mmのID)を右大腿静脈へ挿入し、1つは胸部中の下大静脈へ進めて中心静脈圧をモニターするために圧変換器に接続し、他のカテーテルは薬剤注入のために使用した。右大腿動脈にも、酵素分析のための血液サンプルを採取するためにカニューレを挿入した(1.5mmのOD、0.9mmのID)。実験の間の尿の排出を可能にするために、尿道カテーテルを膀胱へ挿入した。腹部を正中切開により開いた。組織の最小限の操作により、オッディ括約筋をともなう十二指腸をプラットフォーム上に置き安定させた。オッディ括約筋の膵管部分を解剖顕微鏡の補助により同定した。次にオッディ括約筋の膵管部分を微小はさみにより開いた。次にオッディ括約筋の膵管部分にカニューレ(1.5mmのOD、0.9mmのID)を4〜5mm挿入し、5−0プロレン(prolene)で結紮した。次にカニューレを膵管圧力を記録するために圧変換器に接続し、「機能的結紮」を提供した。
(実施例3)
膵管圧力
膵管にカニューレを挿入した場合、その内部の圧力は7〜8mmHgまで徐々に上昇した。外分泌が、用量を増加した硫酸化コレシストキニン(CCK)オクタペプチド(アメリカン・ペプチド・カンパニー(American Peptide Company)社(サニーヴェール、カリフォルニア)、アメリカ)およびセクレチン(アメリカン・ペプチド・カンパニー社)により刺激されるにつれて、圧力は15〜20mmHgまで徐々に上昇した。その後圧力は上昇したままだったが、実験終了近くでは、圧力は11〜13mmHgまで低下した。
(実施例4)
急性膵炎の誘導
これらのセットの実験は、急性膵炎の誘導を目的とし、対照研究として使用した。その後これらの実験は、急性膵炎にガラニンまたはガランタイドを与えた場合の他の実験と比較された(以下を参照)。実験準備に続いて、その準備を安定化のため15分間放置した。その後合成CCKおよびセクレチン(0.01%ウシ血清アルブミン(シグマ(Sigma)株式会社、セントルイス、ミズーリ、アメリカ)を含む生理食塩水中)を、5時間にわたって30分の間隔で大腿静脈を介してボーラス注射(0.25〜1.25ml)として投与した。CCK−セクレチンの初回用量は0.5μg/kgである。初回用量の後は、1〜5μg/kgに増加した。最終用量を膵管結紮5時間後に与え、実験を3時間後に終了した。アミラーゼおよびリパーゼの血漿中濃度の分析のために、血液サンプル(700μl)を1時間ごとの間隔で右大腿動脈から集めた。血液の初回サンプルを膵管のカニューレ挿入時に採取する。実験手順の終了時に、ペントバルビタールナトリウム(リーサバルブ(Lethabarb)(登録商標)、アーノルド・オブ・リーディング(Arnolds of Reading)社、バロニア、ビクトリア、オーストラリア)の致死用量で動物を安楽死させた。その後膵臓を採取し、続いて行なわれる組織学的検査および膵炎の重症度の評価のために10%中性ホルマリン中で固定した。
(実施例5)
ガラニンおよびガランタイドの研究
実験準備および急性膵炎の誘導は上で記載された通りであった。投与される薬剤および注入のタイミングにより、いくつかの動物群を使用した。ガラニンまたはガランタイド(アメリカン・ペプチド・カンパニー社)を、急性膵炎発症時(予防的)に、急性膵炎発症の2または3時間後(治療)に投与した。
a.ガラニンをボーラス注射(0.5nmol/kg)として膵管結紮の15分前に静脈内に投与し、次に膵管結紮後に実験期間中注入(0.5nmol/kg/15分)した。
b.ガランタイドをボーラス注射(1.5nmol/kg)として膵管結紮の15分前に静脈内に投与し、次に膵管結紮後に実験期間中注入(0.5nmol/kg/15分)した。
c.ガランタイドをボーラス投与(1.5nmol/kg)として急性膵炎発症2時間後に静脈内に投与し、それから15分遅れて実験期間を通して注入(0.5nmol/kg/15分)した。
d.ガランタイドをボーラス投与(1.5nmol/kg)として急性膵炎発症3時間後に静脈内に投与し、それから15分遅れて実験期間を通して注入(0.5nmol/kg/15分)した。
手順cおよびdは臨床的な状況を模倣すると考えられたので、それらを含めた。
(実施例6)
血漿アミラーゼおよびリパーゼの測定
血漿アミラーゼおよびリパーゼのレベルの分析のために、血液サンプル(700μl)を、1時間ごとの間隔で右大腿動脈からEDTAチューブ中に集めた。最初のサンプルは膵管結紮の直前に採取し、その後実験の終了まで1時間ごとの間隔で採取した。血液サンプルを2000rpmで5分間遠心分離し、血漿を回収し、−20℃で保存した。血漿アミラーゼ活性を、酵素比色分析(AMYLキット、ロッシュ/日立(Roche/Hitachi)社、マンハイム・ドイツ)を使用して分析した。血漿リパーゼ活性を、リパーゼ−PSTMキット(トリニティ・バイオテク(Trinity Biotech)社)を使用して測定した。両方の分析を、遠心分析器(コーバスバイオ(Cobas Bios)、F.ホフマン・ラ・ロッシュ(F. Hoffmann−La Roche)社、バーゼル、スイス)で実行した。
(実施例7)
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性
MPOを、Bhatia et al. (2000) Gut 47(6):838−844によって記載されている通りに、凍結した膵臓から抽出し、コーバスバイオ器機で実行されるBradley et al. (1982) Journal of Investigative Dermatology 78(3):206−9の速度論的方法で活性を測定した。
(実施例8)
分泌研究
動物:
上に記載されるように、ポッサムを麻酔した。麻酔薬および生理食塩水の投与のための2つのカニューレ(1.05mmのOD、0.35mmのID)を左大腿静脈に挿入した。ガラニンまたはガランタイドの投与のためのカニューレ(1.05mmのOD、0.35mmのID)も右大腿静脈に挿入した。その後腹壁正中切開を行なった。組織の最小限の操作により、オッディ括約筋をともなう十二指腸をプラットフォーム上に置き、ピンで安定させた。オッディ括約筋の膵管成分を解剖顕微鏡の補助により同定し、微小はさみにより開いた。次にオッディ括約筋の膵管部分にカニューレ(1.5mmのOD、0.9mmのID)を4〜5mm挿入し、5−0のプロレン縫合糸で結紮した。このカニューレは膵液を採取するために開けたままにした。15分の初期安定化期間後に、30分ごとに3.5時間にわたり膵液を採取した。
初期安定化期間後の個別の動物群に、ガラニン(0.5nmol/kgのボーラス投与、その後15分遅れて2nmol/kg/hrの連続注入)またはガランタイド(1.5nmol/kgのボーラス投与、その後15分遅れて2nmol/kg/hrの連続注入)を投与した。
過刺激膵臓外分泌の研究:
実験準備は、上に記載されるものに類似していた。15分の初期安定化期間後の対照群において、30分ごとの間隔で1時間にわたり膵液を採取した。これにより基礎分泌率を設定した。次にコレシストキニンおよびセクレチン(CCK−SEC)の混合物を、実験の全期間中5μg(各ペプチド)/kg/hrで静脈注入した。
CCK−SEC注入開始1.5時間後に、研究群にガラニンまたはガランタイド(上記の通りの用量)のいずれかを投与した。ガラニンまたはガランタイドの注入を1.5時間継続し、その後停止した。CCK−SEC注入をさらに1時間継続した。実験の全過程の間、30分ごとの間隔で膵液を採取した。
膵液の量を測定し、その後続いて行なわれるアミラーゼ、リパーゼおよび全タンパク質の評価のために−20℃で保存した。
〈研究群:〉
基礎分泌:
Figure 2009517409
過刺激分泌:
Figure 2009517409
〈分析したパラメーター:〉
膵臓外分泌量を重量測定により推定した(基礎分泌および刺激分泌)。
膵液アミラーゼおよびリパーゼをそれぞれ推定するために、血漿アミラーゼ分析キット(ロッシュ/日立社、マンハイム、ドイツ)およびリパーゼ分析キット(シグマ社、セントルイス、アメリカ)を、日立自動分析装置(ロッシュ/日立社、マンハイム)と併用して使用した。
膵臓の外分泌タンパク質分泌を以下のように推定した。BSA生理食塩水(1mg/ml)を、標準曲線を作製するために使用した。2、4、6、8および10μlのアリコートを、二重に、マイクロプレートのウェルにピペットで移した。膵液(通常は生理食塩水により1:300に希釈した)の二重アリコート(duplicate aliquots)を使用した。合計の反応量は200μlで、サンプル(80μl)、蒸留水(80μl)およびバイオラッド(BioRad)社プロテインアッセイダイリエージェント(Protein Assay Dye Reagent)(40μl)からなるものであった。マイクロプレートリーダー、バイオラッドモデル680(バイオラッド・ラボ社、NSW)を使用して、595nmで吸光度を検出した。
データーはすべて、n(動物数)の平均±標準誤差として表わされる。
〈統計分析〉
データーは分散分析を使用して分析された。分散分析が有意差を示した場合、データーはスチューデントのt検定を使用してさらに分析された。統計的有意差は、p<0.05レベルで許容された。
〈マウスの研究〉
体重15〜32gのメスのBalbCマウスまたはスイスマウスを、急性膵炎実験のために使用した。ガラニンノックアウトマウスは、急性膵炎研究、およびガラニン受容体(ガラニン受容体1、2および3(GalR1、GalR2またはGalR3))mRNA発現の分子的特性の評価のために使用された。これらのマウスをガルバン研究所(Garvan Research Institute)(シドニー、NSW、オーストラリア)から得た。ガラニンノックアウトマウスはWynickおよび共同研究者によって作製された。機能的ガラニン遺伝子(エクソン1〜5)を含むガラニン遺伝子座の3.7kbのセグメントを除去し、逆向きの人工PGK−Neoカセットにより置換した。ガラニンエクソン1〜5は、ガラニンおよび大部分のガラニン関連ペプチドのコード領域を含む。変異後の新しいノックアウト遺伝子は、野生型ガラニン遺伝子よりも4.9kb短かった(Wynick et al. (1998). Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 95(21):12671−12676)。野生型同腹マウスおよびスイスマウスも分子的研究のために使用された。
研究はフリンダーズ大学(Flinders University)の動物福祉委員会によって承認された。
実験の1日前に、実験手順により動物を異なるケージに無作為に割り当てた。塩酸ケタミン(75mg/kg;ケタミルインジェクション;トロイ・ラボラトリーズ社、NSW、オーストラリア)および塩酸メデトミジン(0.3mg/kg;ドミトール(Domitor)、オリオン・ファルマ(Orion Pharma)社、ノバルティス・アニマル・ヘルス・オーストララシア(Novartis Animal Health Australasia)社、ニュージーランド)の腹膜腔内注射の後で、すべての動物の眼窩採血を行なった。ケタミンおよびメデトミジンの両方を、同一の注射器中に10%溶液として使用した。次にすべての動物に、メデトミジンの効果を逆転させるために、塩酸アチパメゾール(1mg/kg;アンチセダン(Antisedan)、オリオン・ファルマ社、ノバルティス・アニマル・ヘルス・オーストララシア社、ニュージーランド)を腹腔内に注射した。アチパメゾールを10%の溶液としても使用した。次にすべての動物を自由給水の状態で一晩断食させた。
〈急性膵炎の誘導:〉
以下の2つのモデルを使用した。もとはNiederau et al. (1985) Gastroenterology 88(5 Pt 1);1192−1204によって記載されたものに基づいた、軽症モデル(7回の1時間ごとのセルレイン注射)および重症モデル(13回の1時間ごとのセルレイン注射)。後者のモデルは、ガランタイド研究のためのみに現在まで使用されてきた。すべての動物に、6時間にわたり1時間ごとの間隔で150μlの0.9%NaCl中のセルレイン50μg/kgを7回腹腔内(i.p.)に注射した。最大12時間の鎮痛を提供するために、鎮痛薬のブプレノルフィン(0.1mg/kg、テムジェシック(Temgesic)、レキット・アンド・コールマン・プロダクト(Reckitt & Colman Products)社、ハル、レキット・アンド・コールマン・ファーマシュティカルズ社、NSWによって流通)を、初回セルレイン注射と共に皮下に投与した。動物はすべて、実験過程の間自由給水が可能であった。初回セルレイン注射の12時間後に、動物を放血によって安楽死させた。
〈ガラニン、ガラニンアンタゴニスト(ガランタイド、M35、M40およびC7)研究:〉
急性膵炎を上に記載されるようにマウスにおいて誘導した。各々のセルレイン注射と共に、ガラニンまたはガラニンアンタゴニスト(アメリカン・ペプチド・カンパニー社、サニーヴェール、カリフォルニア、アメリカ)も動物の腹腔内に注射した。すべての動物に、上に記載されるような鎮痛剤を投与した。初回注射の12時間後に、マウスを安楽死させて実験を終了した。これと同一の手順をガラニンノックアウトおよび野生型同腹マウスの研究に使用した。
〈対照群:〉
これらの実験セットにおいて、6時間にわたり1時間ごとの間隔で、生理食塩水、ガラニンまたはそれぞれのガラニンアンタゴニストを、動物に7回腹膜腔内注射した。すべての動物に鎮痛剤も投与し、上で概説されるように初回注射の12時間後に実験を終了した。
〈使用するガラニンおよびガラニンアンタゴニストの用量:〉
ガラニンおよびガラニンアンタゴニストの用量は、先のポッサム研究で得られた実験データーに基づいて決定された。ガラニンを用量10nmol/kgで使用した。ガランタイドを10nmol/kg、20nmol/kgまたは40nmol/kgで(個別の群において)投与した。M35、M40およびC7を、20nmol/kgまたは40nmol/kg(個別の群において)で投与した。
〈血液および組織の回収および分析:〉
ケタミンおよびメデトミジンの腹膜腔内注射によって、マウスに麻酔をかけた。次にすべての動物の眼窩採血を行い、続いて行なうアミラーゼおよびリパーゼの血漿中濃度の推定のために血液を採取した。次に放血によって動物を安楽死させた。引き続いて次に腹壁正中切開を行なった。組織の最小限の操作により、膵臓をミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性推定、および膵炎重症度の組織学的評価のために採取し、2つの部分へと分けた。
MPOレベルの推定のための膵臓部分を計量し、直ちに凍結し、−70℃で保存した。組織学的評価のための膵臓部分を、10%中性ホルマリンの中で一晩固定した。次にこれらの標本をパラフィンブロック中に包埋し、10μmの切片を作製し、ヘマトキシリン−エオジンにより染色した。次に独立した、「盲検化された」、経験を積んだ病理学者によって、スライドを検討した。修飾されたスポルマン(Spormann)スコアリングシステムを、各々のスライドをスコアするために使用した(Chen et al. (2000) Gut 47(4):539−545)。
〈生化学分析〉
上記のポッサム研究において記載されているように、血漿アミラーゼおよびリパーゼ活性を測定した。ポッサム研究に記載されているようにMPO活性を引き出し、以下のようにMoore−Olufemi et al. (2005) Journal of Trauma−Injury Infection & Critical Care 58(2):264−70によって記載されたマイクロタイタープレートリーダーで実行されるカイネティックアッセイを使用して分析した。マイクロタイタープレートウェル中の各々の抽出物の20μlアリコートの二重重複物に、100μlのショアブルーリザーブ(SureBlue Reserve)試薬を加え穏やかに混合した。次にマイクロタイタープレートを、バイオラッドモデル680(バイオラッド・ラボNSW社)プレートリーダーに置き、650nmでの吸光度を室温で2分間測定した。反応率を計算した。カルビオケム(Calbiochem)社(ラ・ホーヤ、カリフォルニア、アメリカ)からの精製MPOを陽性対照として使用した。
〈実験群(軽症モデル):〉
ガラニンおよびガランタイドの研究(正常マウス):
1.急性膵炎のみ(n=6)
2.急性膵炎+ガラニン10nmol/kg(n=5)
3.急性膵炎+ガランタイド10nmol/kg(n=6)
4.急性膵炎+ガランタイド20nmol/kg(n=6)
5.急性膵炎+ガランタイド40nmol/kg(n=6)
6.対照群:生理食塩水+ガラニン20nmol/kgのみ(n=3)
7.対照群:生理食塩水+ガランタイド20nmol/kgのみ(n=3)
8.対照群:生理食塩水+ガランタイド40nmol/kgのみ(n=4)
9.対照群:生理食塩水+生理食塩水のみ(n=4)。
ガラニンおよびガランタイドの研究(ガラニンノックアウトおよび野生型同腹マウス):
1.ガラニンノックアウト+急性膵炎
2.野生型同腹マウス+急性膵炎
3.ガラニンノックアウト+生理食塩水
4.野生型同腹マウス+生理食塩水。
M35、M40、C7の研究:
1.急性膵炎のみ(n=8)
2.急性膵炎+M35 20nmol/kg(n=6)
3.急性膵炎+M35 40nmol/kg(n=6)
4.急性膵炎+M40 20nmol/kg(n=5)
5.急性膵炎+M40 40nmol/kg(n=5)
6.急性膵炎+C7 20nmol/kg(n=9)
7.急性膵炎+C7 40nmol/kg(n=9)
8.対照群:生理食塩水+M35 40nmol/kgのみ(n=5)
9.対照群:生理食塩水+M40 40nmol/kgのみ(n=5)
10.対照群:生理食塩水+C7 20nmol/kgのみ(n=5)
11.対照群:生理食塩水+C7 40nmol/kgのみ(n=6)。
〈ガラニン受容体の免疫組織化学:〉
組織(マウス膵臓、脳、結腸−後者の2つは陽性対照)を、10%中性ホルマリン中で固定し、その後パラフィン中に包埋する標準的な方法を使用して処理した。
切片(5μm)をキシレン中で脱パラフィンし(各々3分間の2回の洗浄)、100%のアルコール(各々3分間の2回の洗浄)、続いて水(各々3分間の2回の洗浄)中で水和した。内在性のペルオキシダーゼ活性を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;0.15M NaCL中の0.01Mリン酸ナトリウム、pH7.3)中の0.3%過酸化水素水による切片の洗浄、続いてPBSによる洗浄(各々5分間の2回の洗浄)により阻害した。予備的研究により、高温での抗原性回復がこれらの抗体のために必要であることがわかった。スライドは、標的回復溶液pH9(ダコ・サイトメーション(DakiCytomation)社、グロストルップ、デンマーク)中に置き、電子レンジを使用して沸騰させ、その後10%の電力で10分間穏やかに煮沸し、次に冷却のため溶液中で30分間放置した。切片をPBSにより洗浄した(各々5分間の2回の洗浄)。次に切片を湿潤箱中に置き、PBS中の10%正常ヤギ血清(シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich)社、キャスル・ヒル、NSW、オーストラリア)で30分間処理した。次にPBS中の10%正常ヤギ血清中の一次抗体(GalR1、GalR2またはGalR3;アルファ・ディアグノスティックス・インターナショナル(Alpha Diagnostics International)社、サンアントニオ、テキサス、アメリカ)を加え、室温で湿潤箱中に一晩放置した。スライドをPBSにより洗浄し(各々5分間の2回の洗浄)、エンビジョン+デュアルリンクシステム(EnVision+Dual Link System)−HRP(ダコ・サイトメーション社)を加えた。スライドは、PBSにより再び洗浄し(各々5分間の2回の洗浄)、液体DAB基質−クロマゲン(ダコ・サイトメーション社)を5分間反応させ、その後蒸留水により洗浄した。切片をヘマトキシリンにより対比染色し、脱水し、デペックス(DePeX)封入剤(ガー・マイクロスコピー・マテリアルズ(Gurr microscopy materials)、BDHケミカルズ(BDH Chemicals)社)によりカバーグラスのマウントを行なった。
オリンパスBx50顕微鏡を使用して切片を観察し、ソフトウェアプログラムのQキャプチャー(QCapture)(Qイメージング(QImaging)社、バーナビー、BC、カナダ)を使用して画像を取り込んだ。
(実施例9)
分子的研究
〈組織採取:〉
膵臓中ではRNaseが高レベルであるので、RNAの完全性を最大限にするために膵臓を迅速に採取した。組織を2mlのコーニング(Corning)(登録商標)チューブ中に置き、液体窒素中で直ちに凍結した。凍結組織を−80℃冷凍庫中で保存した。全脳(陽性対照)は膵臓採取直後に採取し、上に記載されているように迅速に凍結し、−80℃冷凍庫中で保存した。
〈RNA抽出:〉
この手順における様々な工程は、特に断らない限りRNAの分解を回避するために氷上で行なった。凍結された全膵臓または全脳を、液体窒素で予冷した乳棒と乳鉢を使用して粉末へと粉砕した。次に5mlの氷冷トリゾール(Trizol)(インビトロゲン(Invitrogen)社、カールスバード、アメリカ)を、粉末にした膵臓(または粉末にした脳へ2ml)へ加え、得られたペーストがトリゾール溶解物として溶かされるまで、乳棒で完全に混合した。200μlの膵臓(または500μlの脳)のトリゾール溶解物のアリコートを、1.5mlのエッペンドルフ(Eppendorf )チューブへピペットで移し、1mlの最終量になるように追加の氷冷トリゾールを加えた。次に完全に内容物を混合するために、この混合物を力強く振盪した。残りのトリゾール溶解物を、1.5mlのエッペンドルフチューブに小分けにし、−80℃で保存した。
トリゾールの製造業者のイントロダクション中に記載されるように、1mlの希釈されたトリゾール溶解物は、5分間室温でインキュベートされた。次に200μlのクロロホルム(シグマ・ケミカル社、セントルイス、アメリカ)を溶解物へ加え、手作業で10回激しく振盪することによって十分に混合し、その後5分間室温で再びインキュベートした。これらの相を4℃、12,000gで15分間の遠心によって分離した(エッペンドルフ微量遠心機(Eppendorf Microfuge)、5414R、ドイツ)。水(上部)相を新しいチューブ(合計量はおよそ500μl)へ移した。有機相はゲノムDNA抽出のために保存した。次に500μlの室温のイソプロパノール(シグマ社)を、上に記載されている水相へ加えた。その溶液を少なくとも10回力強く振盪し、さらに10分間室温でインキュベートした。上記のようにして、RNA沈殿を4℃、12,000gで10分間の遠心分離によって採取した。この沈殿を1mlの室温の75%エタノールで洗浄し、ボルテックスミキサーで混合した。その懸濁液を4℃、7,600gで5分間再度遠心分離した。
RNA沈殿を氷冷100%のホルムアミド(シグマ社)(20μl)に溶解した。260nmの吸光度の測定による分光光度法にてRNA濃度を測定した。次にホルムアミド(氷冷)中で、RNAを1μg/μlに希釈した。
〈DNAse I処理:〉
7μlの超純水(UPW)(フィッシャー・バイオテック(Fisher Biotec)社、ウェスト・パース、オーストラリア)、1μlの3M酢酸ナトリウムpH5.2および25μlの100%エタノールを加えることによって、3μgのRNA(ホルムアミド中で1μg/μl)を沈殿させた。氷上での10分のインキュベーション後に、4℃、12,000gで10分間の遠心分離によって沈殿を回収した。次に沈殿を200μlの75%エタノール中で洗浄し、続いて、4℃、12,000gで10分間の遠心分離を行った。沈殿を15μlのUPW中で溶解した。DNase I消化には、DNAフリー(DNA−free)(商標)キット(アンビオン(Ambion)社、オースティン、アメリカ)を利用した。10μlのRNA溶液を、1μlのrDNase I (アンビオン社)および1μlの10×緩衝液(アンビオン社)追加により処理し、十分に混合し、遠心分離した。その混合物を、PCRマシン(エッペンドルフ社、マスターサイクラーグラジエント(Mastercycler Gradient)、ドイツ)中で30分間37℃でインキュベートした。2μlの不活性化試薬(アンビオン社)を加えることによって反応を終了し、続いて、時々手動で混合を行いながら2分間室温でのインキュベーションを行った。次にその溶液を10,000gで90秒間遠心分離し、続いて等量の溶液を2本の新しいチューブへ移した。
〈RNAの質の評価:〉
DNase I処理前および処理後のRNAの質は、1%のアガロースゲルを使用して電気泳動により測定された。この目的のために、0.045Mトリス−ホウ酸塩、0.001M EDTA、pH8緩衝液中で50分間100Vで電気泳動を行なった。ゲルを0.5μg/mlエチジウムブロマイドにより30分間染色し、紫外線を照射して撮影した。
〈逆転写(RT):〉
スーパースクリプト(SuperScript)(商標)III(インビトロゲン社、カールスバード、アメリカ)のためのマニュアルに従って、RNAのRTを行った。RTおよびリアルタイムPCR反応中のコンタミの欠如を確認するために、各サンプル群は水の対照(RNAサンプルなし)を含み、各サンプルは陰性対照(スーパースクリプト(商標)IIIなしで同一のRT処理)を有していた。マスターミックスI溶液は、各反応につき1μlのランダムプライマー、1μlの10mM dNTPミックス(インビトロゲン社)、および11μlの無菌UPWを含んでいた(各反応につき合計13μlの混合物)。
マスターミックスII溶液は、各反応につき4μlの5×ファーストストランド(First−Strand)緩衝液(インビトロゲン社)、1μlの0.1M DTTおよび1μlのRNaseOUT(商標)組換型RNase阻害剤(インビトロゲン社)および1μlのスーパースクリプト(商標)III RT(200ユニット/μl)(インビトロゲン社)からなるものであった。逆転写酵素無しの対照のためのマスターミックスIIはUPWがスーパースクリプト(商標)IIIの代わりに用いられる以外は同一の試薬を含む。
各RNAサンプル(5μl)(実験、逆転写酵素無しの対照、および水の対照)に対して、13μlのマスターミックスIを加えた。混合物をPCRマシン中で65℃で5分間加熱し、少なくとも1分間氷上でインキュベートした。7μlの適切なマスターミックスII溶液を対応するサンプルに加え、その後混合および25℃での5分間のインキュベーションを行なった。50℃60分間のインキュベーションをPCRマシン中でさらに行い、その後反応を70℃で15分間の加熱により終了させた。cDNAを200μlのUPW中で希釈し、その後のPCRにすぐ使えるようにする。
〈プライマーデザイン:〉
β−アクチン、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)、ポルホビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、Gal、GalR1、GalR2およびGalR3のためのオリゴヌクレオチドプライマーを、プライマー3(Primer 3, 2004)を使用してデザインした。プライマー特異性を、問い合わせ配列としてプライマーおよび生物としてハツカネズミにより、BLAST(Mega Blast、2006)を使用して確認した。18sリボソームRNA(rRNA)プライマーの配列は、Brenton Reynolds(フリンダーズメディカルセンター(Flinders Medical Centre))により提供された。プライマー配列は表においてリストされる。
Figure 2009517409
f=フォワード;r=リバース
〈トリゾールからのゲノムDNAの抽出:〉
RNA抽出後のトリゾール溶解物の赤色の有機相は、ゲノムDNAおよびタンパク質を含んでいた。300μlの100%エタノールを有機相に加え、混合し、4分間室温で保存した。4℃、2,000gで5分間の遠心分離によって、DNAを沈殿した。次にDNAの沈殿を、1mlの10%エタノール中の0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液pH 8.5中で3回各30分間洗浄した。これらの洗浄を室温でサスペンジョンミキサーによって行なった。さらに2回の洗浄を室温で各20分間1.5mlの75%エタノール中で行なった。4℃、2,000gで5分間の遠心分離後に、上清を除去し、DNAの沈殿を手短に乾燥し、次に8mM NaOH(脳については200μlおよび膵臓については50μl)中で溶解した。4℃、12,000gで10分間の遠心分離によって、不溶性固形物を除去した。HEPES緩衝液を使用して、上清のpHを8.0に調整した。
〈リアルタイムRT−PCR:〉
すべてのRT−PCR実験は、0.1mlの反応チューブおよび72ウェルローター中で、キアゲン(ヒルデン、ドイツ)によって供給されるクオンティテクト(Quantitect)(商標)2×サイバー(SYBR)(登録商標)グリーンマスターミックスを使用して行なった。反応容量は20μlであり、10μlのクオンティテクト(商標)、2μlの5μMフォワード(forward)プライマー、2μlの5μMリバース(reverse)プライマーおよび6μlのcDNAを含んでいた。マスターミックスは、最初に1.5mlのエッペンドルフチューブ中にcDNA以外のすべての試薬を混合して作製し、次に14μlのマスターミックスを各反応チューブに加えた。6μlのcDNAを最後に加えた。実験サンプルおよび陽性対照はそれぞれ膵臓および脳からのcDNAであった。陰性対照は、RNAなしでRTを行なったcDNAおよびUPWサンプルを含んでいた。各実験サンプル、陽性対照または陰性対照に関して、三重のサンプルでリアルタイムPCRを行なった。
PCRはすべて以下の条件でロータージーン(RotorGene)3000(コーベット・リサーチ(Corbett Research)社、シドニー、オーストラリア)中で行なった。
95℃15分間
45サイクルのサイクリング:95℃20秒間、表2.1中でリストされたようなプライマーに対して様々なアニーリング温度で20秒間、72℃20秒間
最終の伸張のために72℃で4分間保持
各ステップで0.5度上昇し、最初のステップで5秒間、および続いて行なわれる各ステップで5秒間待機する、60℃〜99℃での融解
蛍光の取得はすべてサイバーグリーンチャンネルへ取得された。
〈PCR産物の検定:〉
最初に3%アガロースゲル電気泳動を使用し、サイズに基づいてPCR産物を分離した。この目的のために、0.5×TBE緩衝液中で180Vで50分間電気泳動を行い、各産物の分子量を標準のpUC19/HpaII(ジーンワークス(Geneworks)社、アデレード、オーストラリア)に基づいて計算した。0.5μg/mlエチジウムブロマイドにより30分間ゲルを染色し、分析のために紫外線照射中に撮影した。シークエンシングのためのPCR産物はDamian Hussey博士(外科部門、フリンダーズメディカルセンター)によって調製され、サウスパス(Southpath)およびフリンダーズシークエンシング施設でシークエンスされた。
〈増幅効率:〉
増幅効率(AE)はPCRサイクル当たりの増幅倍率の測定である。各遺伝子のAEを、テイクオフサイクル(take−off cycle)(Ct)勾配法(アプライド・バイオシンセシス(Applied Biosynthesis)社、2005)を使用して計算した。標的DNAの2倍希釈シリーズをまず作製した(各PCR反応に対するDNA量=10ng、5ng、2.5ng、1.25ng、0.625ng、0.3125ngまたは0.15625ng)。各希釈に対するCt値をPCRによって測定した。次に平均Ctに対してlog[DNA量]をプロットした。AE = e(-1/-m)、ここでmは曲線の勾配である。
各遺伝子の比較濃度は次式によってCtから測定された。
比較濃度=AE(参照Ct-サンフ゜ルCt)
参照Ctは正常膵臓に対する第1のテイクオフとして定められた。サンプルCtは対象となる任意のサンプルのためのテイクオフであった。
正規化は、同一のサンプルに関しては、ハウスキーピング遺伝子の平均相対濃度によって対象となる遺伝子の相対濃度を割ることによって達成された。これは、構成的発現における変化と比較して対象となる遺伝子の発現における変化を決定し、遺伝子発現上の実際の処理効果を確立する。この方法は、同一の遺伝子または異なるサンプルにおいて同一のAEを有する異なる遺伝子を比較するために使用された。
異なる遺伝子の差異的な(differential)増幅効率のために、記載される濃度正規化方法のみを使用する定量比較は有効ではない。この状況においては、他の比較法、cDNAサンプル中に存在する遺伝子コピー数を計算するためにサンプルCtを使用する正規化を使用した。リアルタイムPCRにおいて使用されるcDNAの量は、cDNAサンプルからの基準DNA希釈曲線(Ctに対するlog[PCRに使用したDNA量])およびCtデーターを使用して計算することができる。予備実験により、18s rRNAが膵臓中に遺伝子発現の分析および標準化のための申し分ないハウスキーピング遺伝子であることが示された。リボソームRNAはRNAの合計のおよそ95%を構成するので、18s rRNA発現を使用する正規化がRNAの合計の量を使用する正規化と本質的には同じであることが言及されるべきである。
〈ウェスタンブロット:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE):〉
膵臓および脳を上に記載されているような安楽死させられた野生型スイスマウスから採取し、液体窒素中で急冷凍結し、−80℃冷凍庫中で保存した。凍結した全膵臓または全脳を、予冷した乳鉢および乳棒を使用して、それぞれ2mlまたは5mlのホモジナイズ用緩衝液(Dufourny, L. and Skinner, D.C. (2005) Brain Res. 1054(1):73−81)中でホモジネートした。ホモジネートを1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、さらに電気ペッスル(ドレメル(Dremel)社、ラシーン、ウイスコンシン、アメリカ)によりホモジネートした。ホモジネートを30分間氷上でインキュベートし、次に4℃、2000gで10分間遠心分離した。次に組織から抽出された総タンパク質を含む上清を、新しいチューブに移した。以前にウェスタンブロット上のバンド検出が困難であったので、SDS−PAGEのためのガラニン受容体タンパク質濃度を増加するために、膜タンパク質濃縮画分を調製した。上に記載した遠心分離工程からの上清を4℃、100,000gで1時間再度遠心分離し、膜タンパク質沈殿を得た。次に沈殿をもとのホモジナイズ用緩衝液中で溶解した。
〈タンパク質測定:〉
バイオラッド社のタンパク質測定をタンパク濃度を推定するために使用した。ウシ血清アルブミン(BSA)(シグマ社)を標準曲線を作製するために使用した。BSAの既知濃度の吸光度を、595nmの波長でマイクロプレートリーダー(バイオラッド社、モデル680、日本)を使用して測定した。ホモジネート(100μl)のアリコートを500μlの氷冷5%トリクロロ酢酸(TCA)溶液で沈殿させ、氷上で10分間インキュベートし、10,000gで2分間遠心分離した。次に沈殿を100μlのPBS緩衝液中で溶解し、三重アリコートをバイオラッド社のタンパク質測定において使用した。これらのサンプル中にタンパク質の濃度を、作製した標準曲線を使用して推定した。
〈SDS−PAGE:〉
膜タンパク質画分を、PCRマシンにおいて99℃で10分間、等容量のサンプル/還元緩衝液(添付書類)中で変性した。
合計300μgのタンパク質または膜タンパク質濃縮画分を、10%SDS−PAGEゲルにロードした。10%分離ゲル(長さ10cm、幅5cm、厚さ0.2cm)を、5.2mlの分離ゲル緩衝液(添付書類)、9.8mlの蒸留水、5mlの30%のポリアクリルアミドを組み合わせて調製し、5分間脱気した。次に34μlのN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)(バイオラッド)を、新たに作製した74μlの10%の過硫酸アンモニウム(バイオラッド)と共に使用の直前に加えた。分離ゲルの内容物を十分に混合し、2枚のガラス板の間に注いだ。分離ゲルの上部の上に、4%濃縮ゲルを注いだ。濃縮ゲルを、1.755mlの濃縮ゲル緩衝液ストック(添付書類)、4.32mlの蒸留水、0.675mlの30%ポリアクリルアミド(バイオラッド)、34μlのTEMEDおよび次に74μlの新たに作製した10%の過硫酸アンモニウムの混合によって調製した。ゲルは10mAで15分間、その後20mAで50分間泳動した。
〈銀染色:〉
ゲルは室温で30分間固定液(添付書類)中で固定し、次に10分間インキュベーション溶液(添付書類)に移し、その後振盪しながら各5分2回の水洗を行なった。銀溶液(添付書類)中での30分間のインキュベーションの後に、ゲルを現像液(添付書類)中に置いた。停止液(EDTA)(添付書類)を発色を停止するために使用した。ゲルは写真撮影前に10%グリセロール水溶液中に保存した。
〈ウェスタンブロット:〉
ウェスタンブロットのためのサンプルは、組織採取、ホモジナイゼーション、タンパク質濃度の測定、タンパク質の変性およびSDS−PAGEに関して、SDS−PAGEのために調製されたサンプルと同一の処理をしたが、銀染色は行なわなかった。ゲル上のタンパク質バンドは、100Vで少なくとも1時間ニトロセルロース膜(アマシャム(Amersham)社、バッキンガムシャー、イギリス)に転写された。次に転写の効率を評価するために、ゲルを銀染色した。何も染色されなかったゲルにより、膜へのタンパク質の転写が完了していることが示された。転写膜を、室温で1時間、次に4℃で一晩、3%ブロット(Blotto)(添付書類)中で振盪し、ブロッキングした。転写膜を、PBSの緩衝液中での各々1:1000希釈の対応する一次抗体(抗マウスGalR1抗体、抗マウスGALR2抗体、抗マウスGALR3抗体(アルファ・ディアグノスティック社、サンアントニオ、テキサス、アメリカ))中で、室温で1時間振盪しながらインキュベートし、続いて4℃で一晩インキュベーションした。TBS緩衝液(PBS緩衝液+0.05%ツイーン20)中で室温にて膜を3×10分間洗浄した。抗ウサギIgG−HRP(シグマ社)を、PBS緩衝液中の1:2000希釈で室温にて2時間使用した。各膜をTBS中で室温にて3×15分間洗浄した。
〈増感化学発光検出:〉
溶液Aおよび溶液B(アマシャム社)を新たに調製し、混合して検出溶液を作製した。膜を1分間検出溶液中に置き、フィルム現像液へ移す前に、およそ5分間フィルムに露光した。
(実施例10)
結果
3つの既知ガラニン受容体(ガラニン受容体1、2および3(GalR1、GalR2、GalR3))の相対的発現を確立するために、分子的な研究をマウスにおいて試みた。
図1は、マウス膵臓における3つのガラニン受容体サブタイプすべてについてのmRNAのPCR検出を示す。野生型マウスにおいて、GalR1は非常に弱く発現したが、GalR3は最も多く、GalR2は中程度に発現した。ガラニンノックアウトマウスでは、3つの受容体の相対的発現は少ないが、ガラニン受容体についての類似したプロフィールで観察された。
ウェスタンブロット解析により、マウス膵臓においてすべての3つのガラニン受容体タンパク質が推測した分子量で存在することが明らかにされた(図2〜4)。可能な翻訳後修飾、分解産物および非特異的結合を反映する付加的なバンドも観察されたが、解明のためにはさらなる研究が必要である。
受容体の免疫組織化学的局在化を、galR2およびgalR3に重点を置いて着手した。市販で入手可能な抗血清による予備的研究では、GalR3に対する標識は今までのところほとんど示されていない。図5および6は、マウス膵臓の腺房および膵島におけるGalR2の標識を図示する。いくつかの腺房細胞の基底側の細胞質および膜(矢印)のGalR2染色が、図5中に示される。GalR2はさらに膵島の血管または神経において局在すると思われる(図6;矢印)。
(実施例11)
膵炎研究−ポッサム
急性膵炎のポッサムモデルにおけるガラニンまたはガランタイドによる処理効果(膵炎発症15分前に)が、図7〜12中に示されている。図7は、膵炎により誘導された高アミラーゼ血症の時間的経過が、ガラニン投与により変更されなかったことを示す。これとは対照的に、ガランタイド投与は、膵炎によって誘導された血漿アミラーゼの増加を予防した。図8は、膵炎により誘導された高リパーゼ血症を、ガラニンの投与が悪化させたことを示す。これとは対照的に、ガランタイド投与は、膵炎により誘導された血漿リパーゼの増加を著しく低下させた。図9は、急性膵炎が、初期の小さな下降、次に7〜8時間でベースライン値への復帰をともなうPVPの増加によって特徴づけられる、二相性変化Iの膵導管潅流(PVP)を生ずることを示す。ガラニン処理により実験期間中PVPは低下したが、ガランタイド処理は最初からPVPを増加させ、この変化は実験期間中維持される。PVPの減少は壊死を助長する。図10は、膵浮腫、この急性膵炎モデルにおける主要な膵臓の変化がガランタイド処理により減少したことを明示する。
高酵素血症に対する、膵炎発症後2時間まで(救急におけるヒト患者到着とほぼ同等)の遅延ガランタイド投与の効果は、図11および12中に示される。図11および12は、ポッサムの膵管の結紮の2時間後のガランタイドの投与により、血漿アミラーゼおよびリパーゼ分泌が減少することを明示する。
要約すると、これらのデーターは、ポッサムにおいて急性膵炎の発症前およびさらに発症後のガランタイドの投与によって、膵炎の重症度が低下することを示す。
ガラニンまたはガランタイドの投与は、麻酔されたポッサムにおける基礎外分泌(容量)に影響を及ぼさないことも示された(図13)。ガランタイド(ガラニンではなく)投与は、過刺激された外分泌を減少させる(図14)。
(実施例12)
マウス膵炎研究
軽症の(7回のセルレイン注射)マウスモデルにおいて同等の研究が行なわれ、結果は図15〜21中に示される。図15は、ガラニン(GL)またはいくつかの異なる用量のガランタイド(GT)による処理の、膵炎により誘導された血漿アミラーゼレベルに対する効果を示す。ガラニンは血漿アミラーゼレベルを変えなかったが、20および40nmol/kgでのガランタイドは血漿アミラーゼレベルを減少させた。図16は、血漿リパーゼレベルに対する同等の効果を示す。図17は、GTの低用量もまた効果的であり、MPO活性が血漿酵素と同様の様式で変えられたことを示す。図18は、様々な処理による膵臓組織構造における変化を示す組織切片の選択画像を提示する。組織学的変化の定量的グループデーターは、図19および20中に示される。ガランタイド投与(20nmol/kg)は膵炎により誘導された壊死を減少させたが、ガラニンは効果がなかった(図19)。類似した変化は組織学的スコアにおいて明らかであり、いくつかのパラメーターを反映する(図20)。
要約すると、マウス膵炎研究はポッサムにおける膵炎研究を裏づけ、ガランタイドには膵炎の重症度を低下させる能力があることを実証する。
急性膵炎(AP)の発症および進行においてガラニンが主要な役割を果たすという概念に対するさらなる裏づけを提供するために、ガラニンノックマウスによる研究を試みた。7回の注射セルレイン手順を使用する膵炎により誘導された血漿高酵素血症は、ガラニンノックマウス(KO)では、野生型(WT)同腹マウスにおいて生成されたのと比較して減少した(図21)。より劇的な減少が、急性膵炎により誘導された膵臓のMPO活性レベルにおいて明らかだった(図22)。類似した変化は、野生型同腹マウスと比較して、ノックアウトマウスにおける膵臓壊死および空胞化のレベルにおいて明らかだった(図23)。膵炎発症2時間後のノックアウトマウスおよび野生型マウスにガランタイドを投与する同等の研究に最近着手した。予備的結果(図24)は、野生型同腹マウスと比較して、遅延ガランタイド処理が膵炎により誘導された血漿高酵素血症を減少させることを示す。
要約すると、これらのデーターは、ガラニンノックアウトマウスは野生型同腹マウスよりも膵炎に対する影響を受けにくいことを示し、急性膵炎の発症および進行においてガラニンが役割を持つことをさらに裏付ける。
他の利用可能なガラニンアンタゴニストの有効性を調査するために、マウスモデルにおけるさらなる研究が試みられた。M35、M40またはC7の2種類の用量を、7回のセルレイン注射のマウスモデルを使用して評価した。これらのデーターは図25〜29にまとめて示す。図25は、急性膵炎により誘導された血漿アミラーゼ活性の上昇が、M40ではなく、40nmol/kg用量のM35およびC7によって低下することを示す。同等の変化は血漿リパーゼ活性で示された(図26)。急性膵炎により誘導された膵臓のMPO活性は、C7ではなく、M35およびM40によって減少した(図27)。実際、C7の最高用量は急性膵炎により誘導されたMPO活性レベルを増加させ、単独で投与された場合でさえ、膵臓のMPO活性の増加をもたらした。現在までに、膵臓の壊死および空胞化はM35およびM40の処理群で定量されており、データーは図28および29において示される。M40ではなく、M35の高用量は壊死スコアを減少させ(図28)、これは血漿高酵素血症でのこれらの2つのアンタゴニストの作用と一致する(図25および図26)。興味深いことには、M35は急性膵炎により誘導された空胞化を改善しなかったが、M40は改善した(図29)。
要約すると、他のガラニンアンタゴニストのうちのいくつかはガランタイドと同じような有用な特性を有するが、効果は複雑である。例えば、M40が膵臓炎により誘導された血漿高酵素血症を減少させないことは、異なる受容体選択性というよりも、至適用量以下であったことを反映するかもしれない。
今後の研究は、より選択的なガラニンアンタゴニスト(例えば、GalR2に対して選択的なM871−Sollenberg et al. (2006) International Journal of Peptide Research and Therapeutics 12(2):115−119)およびソマトスタチン特異的拮抗薬の評価によるソマトスタチンの可能な関与を評価するだろう。ガラニン受容体ノックアウトマウスが入手可能になるので、これらも調べられるだろう。
最後に、本明細書において記載されている本発明の方法および組成物についての様々な修正および変更が、本発明の範囲および趣旨から逸脱せずに、当業者に明らかになることが認識されるだろう。本発明は具体的な実施形態に関連して記載されてきたが、請求されるような本発明が、そのような具体的な実施形態に過度に限定されるべきでないことが理解されるに違いない。実際は、当業者に明らかな、本発明の実行のために記載される様式についての様々な修正は、本発明の範囲内にあるとして意図される。
野生型マウスおよびガラニンノックアウトマウスの膵臓における3つのガラニン受容体(GalR)mRNAの発現を示した図である。GalR1、GalR2およびGalR3のmRNAはマウス膵臓において発現する。GalR3は最も多く発現し、GalR1は最も少なく発現する。3つの受容体すべての発現が、約50%減少しているという点を除いて、発現プロフィールはガラニンノックアウトマウスにおいて類似している(n=3、メスのマウス)。発現を18Sの発現に対して正規化する。 マウス膵臓GalR1のウェスタンブロット解析を示した図である。この画像は、SDS−PAGEのゲル電気泳動により泳動したマウス膵臓の抽出タンパク質のウェスタンブロットを示す。アルファ・ディアグノスティック(Alpha Diagnostics)社からのGalR1抗血清が使用され、予測される47.4kDaのバンド、および報告されている二量体に相当するバンドを示す(矢印)。翻訳後産物、分解産物および/または非特異的結合を表わすかもしれない他のバンドがはっきりとわかる。脳組織を陽性対照として使用した。 マウス膵臓GalR2のウェスタンブロット解析を示した図である。この画像は、SDS−PAGEのゲル電気泳動により泳動したマウス膵臓の抽出タンパク質のウェスタンブロットを示す。アルファ・ディアグノスティック社からのGalR2抗血清が使用され、予測される55.8kDaバンドを示す(矢印)。翻訳後産物、分解産物および/または非特異的結合を表わすかもしれない他のバンドがはっきりとわかる。脳組織を陽性対照として使用した。 マウス膵臓GalR3のウェスタンブロット解析を示した図である。この画像は、SDS−PAGEのゲル電気泳動により泳動したマウス膵臓の抽出タンパク質のウェスタンブロットを示す。アルファ・ディアグノスティック社からのGalR3抗血清が使用され、予測される45.7kDaバンドを示す(矢印)。翻訳後産物、分解産物および/または非特異的結合を表わすかもしれない他のバンドがはっきりとわかる。脳組織を陽性対照として使用した。 マウス膵臓外分泌腺におけるGalR2免疫組織化学的分布を示した図である。この画像は、GalR2に対する免疫組織化学的染色を示し、いくつかの腺房細胞の基底側の細胞質および膜の染色を示す(矢印)。アルファ・ディアグノスティック社からの抗血清。 マウス膵臓内分泌腺におけるGalR2免疫組織化学的分布を示した図である。GalR2染色は、膵島中の血管または神経に局在すると思われる(矢印)。アルファ・ディアグノスティック社からの抗血清。 APのポッサムモデルにおいて時間の関数としての血漿アミラーゼ活性が増加し、約2時間でピークに達し、7時間までこのレベルで持続され、次に減少したことを示した図である。このプロフィールは、AP誘導の15分前に開始されたGLの投与(0.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)によっては影響されなかった。これとは対照的に、AP誘導の15分前に開始された、GTの投与(1.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)は、血漿アミラーゼ活性におけるAPに誘導された上昇を完全に抑制した(P<0.05)。 ガラニン(GL)またはガランタイド(GT)の投与有りおよび投与無しでの、急性膵炎(AP)のポッサムモデルにおける時間の関数としての血漿リパーゼ活性を示した図である。血漿リパーゼ活性は、APのポッサムモデルにおいて時間の関数として増加し、約2時間でピークに達し、6時間までこのレベルで持続され、次に減少した。血漿リパーゼレベルは、AP誘導の15分前に開始されたGLの投与(0.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)の後で増加した(P<0.05)。これとは対照的に、AP誘導の15分前に開始されたGTの投与(1.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)は、血漿リパーゼ活性におけるAPに誘導された上昇を著しく抑制した(P<0.05)。 ガラニン(GL)またはガランタイド(GT)の投与有りおよび投与無しでの、急性膵炎(AP)のポッサムモデルにおける時間の関数としてのPVPを示した図である。PVPは、APのポッサムモデルにおいて時間の関数として二相性のプロフィールを示した。初期段階ではPVPは緩やかに下降して2時間でベースラインまで回復し、次に増加して4時間でピークに達し、次にAP誘導後7時間までにベースラインまで次第に減少した。このプロフィールは、AP誘導の15分前に開始されたGLの投与(0.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)により、PVPの持続した増加へと変化した(P<0.05)。これとは対照的に、AP誘導の15分前に開始されたGTの投与(1.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)により、実験期間中においてPVPの持続的下降が引き起こされた(P<0.05)。 ガラニン(GL)またはガランタイド(GT)の投与有りおよび投与無しでの、急性膵炎(AP)のポッサムモデルにおける膵臓の浮腫を示した図である。以前の図に記載される研究で使用された動物からAP誘導後8時間でポッサム膵臓を採取し、ホルマリンで固定し、標準ヘマトキシリン・エオシン組織学のために処理した。浮腫はポイントカウント法を使用して評価された。推測したとおりAPは膵浮腫を誘導し、この膵浮腫はGL処理によってではなく、GT処理によって(P<0.05)、有意に減少した。 ガランタイド(GT)の遅延(2時間)投与有りおよび投与無しでの、急性膵炎(AP)のポッサムモデルにおける時間の関数としての血漿アミラーゼ活性を示した図である。血漿アミラーゼ活性は、APのポッサムモデルにおいて時間の関数として増加し、約2時間でピークに達し、7時間までこのレベルで持続し、次に減少した。AP誘導後2時間で開始されたGTの投与(1.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)により、APに誘導された血漿アミラーゼ活性の上昇が減少した(P<0.05)。 ガランタイド(GT)の遅延(2時間)投与有りおよび投与無しでの、急性膵炎(AP)のポッサムモデルにおける時間の関数としての血漿リパーゼ活性を示した図である。血漿リパーゼ活性は、APのポッサムモデルにおいて時間の関数として増加し、約2時間でピークに達し、7時間までこのレベルで持続し、次に減少した。AP誘導後2時間で開始されたGTの投与(1.5nmol/kgのボーラス投与、続いて2nmol/kg/hの実験期間中の連続的静脈内注入)により、APに誘導された血漿リパーゼ活性の上昇が抑制された(P<0.05)。 ガラニンまたはガランタイド処理ありおよび無しでの、麻酔したポッサムにおける基礎膵臓外分泌を示した図である。ガラニンまたはガランタイド処理が基礎膵臓外分泌に影響を及ぼすかどうかを判断する予備的研究において、麻酔したポッサムから30分の間隔で膵液を回収した。ガラニンまたはガランタイドを、1時間目に(前の図の説明に記載されているような用量および経路)2時間にわたって投与した。どちらの薬剤も基礎外分泌の比率を変化させなかった。 ガラニン(galanin)またはガランタイド(Galantide)処理有りおよび無しでの、麻酔したポッサムにおける過刺激された膵臓外分泌を示した図である。ガラニンまたはガランタイド処理が過刺激された膵臓外分泌に影響を及ぼす(ポッサム急性膵炎モデルにおけるように)か否かを判断する予備的研究において、麻酔したポッサムから30分の間隔で膵液を回収した。コレシストキニンおよびセクレチン(CCK/sec)の連続的静脈内注入(各々5μg/kg/時間)併用投与を1時間目に始めた。前の図の説明に記載されているように、ガラニンまたはガランタイドは2時間目に、2時間の期間のわたり投与された。過刺激により分泌膵液量の持続的上昇が生じ、この上昇はガラニン投与によってではなく、ガランタイド投与によって(P<0.05)減少した。 セルレインおよび±ガラニン(GL)またはガランタイド(GT)処理により誘導された急性膵炎(AP)のマウス、ならびに誘導された急性膵炎の無いマウスにおける血漿アミラーゼ活性を示した図である。セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射してAPを誘導することにより、血漿アミラーゼ活性は著しく増加した。このレベルは、GT(10nmol/kg)またはGL(10nmol/kg)による処理によってではなく、GT(20または40nmol/kg)による処理によって有意に減少した(P<0.05)。GT(20nmol/kg)またはGL(10nmol/kg)によっては、血漿アミラーゼ活性はベースライン活性を超えて増加しなかった。 セルレインおよび±ガラニン(GL)またはガランタイド(GT)処理により誘導された急性膵炎(AP)のマウス、ならびに誘導された急性膵炎の無いマウスの血漿リパーゼ活性を示した図である。セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射してAPを誘導することにより、血漿リパーゼ活性は著しく増加した。このレベルは、GT(10 nmol/kg)またはGL(10 nmol/kg)による処理によってではなく、GT(20または40 nmol/kg)による処理によって有意に減少した(P<0.05)。GT(20nmol/kg)またはGL(10nmol/kg)によっては、血漿リパーゼ活性はベースライン活性を超えて増加しなかった。 セルレインおよび±ガラニン(GL)またはガランタイド(GT)処理により誘導された急性膵炎(AP)のマウス、ならびに誘導された急性膵炎のないマウスからの膵臓のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を示した図である。セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射してAPを誘導することにより、膵臓のMPO活性は著しく増加した。このレベルは、GL(10nmol/kg)による処理よってではなく、GT(10、20または40nmol/kg)による処理によって有意に減少した(P<0.05)。GL(10nmol/kg)単独では、生理食塩水(saline)対照において測定された上記の膵臓のMPO活性は有意に増加しなかった。GT(20または40nmol/kg)単独では、低レベルの膵臓のMPOを誘導した。 様々な処理によるマウス膵臓組織構造における変化を示した組織切片の選択された画像を示した図である。生理食塩水の対照(左上)は正常な膵臓構造を示す。急性膵炎(右上)によって、浮腫、腺房細胞壊死(*)および空胞化(V)が誘導される。ガランタイド(GT;20nmol/kg)処理による急性膵炎では、急性膵炎に誘導された膵臓の損傷(左下)は減少した。GT(20nmol/kg)単独により処理されたマウスは、正常に近い膵臓の構造(右下)を示した。 ガランタイド(GT)処理が、急性膵炎(AP)に誘導されたマウス膵腺房細胞の壊死を減少させることを示した図である。以前に示した5つの図で記載された研究において使用されたマウス膵臓からの組織切片を、スコアリングシステムを使用して腺房細胞壊死について評価した。GT(20nmol/kg)によって、壊死スコアが有意に減少した(P<0.05)。ガラニン(GL;10nmol/kg)には効果がなかった。 ガランタイド(GT)処理が、急性膵炎(AP)に誘導されたマウス膵臓の損傷を減少させることを示した図である。以前に示した6つの図で記載された研究において使用されたマウス膵臓からの組織切片を、スコアリングシステムを使用して膵臓の組織損傷について評価した。GT(20nmol/kg)によって、組織学スコアが有意に減少した(P<0.05)。ガラニン(GL;10nmol/kg)には効果がなかった。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)のガラニンノックアウト(KO)および野生型(WT)同腹マウス、および急性膵炎のないガラニンKOおよびWTの同腹マウスの血漿アミラーゼ活性を示した図である。(A)KOマウスにおいてセルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射して誘導された血漿アミラーゼの上昇は、WTの同腹マウスにおいて誘導された血漿アミラーゼより少なかった。AP誘導以前の血漿アミラーゼ活性が示される。KOおよびWTの対照における血漿アミラーゼレベルは、AP前レベルを超えて上昇しなかった。(B)KOマウスにおいてセルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射して誘導された血漿リパーゼの上昇は、WT同腹マウスにおいて誘導された血漿リパーゼより少なかった(P<0.05)。AP誘導以前の血漿リパーゼ活性が示される。KOおよびWTの対照における血漿リパーゼレベルは、AP前レベルを超えて上昇しなかった。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)のガラニンノックアウト(KO)および野生型(WT)同腹マウス、および急性膵炎のないガラニンKOおよびWTの同腹マウスの膵臓のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を示した図である。KOマウスにおいてセルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射して誘導された膵臓のMPO活性の上昇は、WT同腹マウスにおいて誘導されたMPO活性より著しく少なかった(P<0.05)。KOおよびWTの対照での膵臓のMPOレベルはわずかに上昇した。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)のガラニンノックアウト(KO)および野生型(WT)同腹マウス、および急性膵炎のないガラニンKOおよびWT同腹マウスの膵腺房細胞壊死を示した図である。(A)以前に示した図で記載された研究において使用されたマウス膵臓からの組織切片を、スコアリングシステムを使用して膵腺房細胞壊死について評価した。KOマウスからの膵臓における壊死は、WTマウスにおいて測定された壊死より有意に少なかった(P<0.05)。(B)以前に示した図で記載された研究において使用されたマウス膵臓からの組織切片を、スコアリングシステムを使用して膵腺房細胞空胞化について評価した。KOマウスからの膵臓における空胞化は、WTマウスにおいて測定された空胞化より有意に少なかった(P<0.05)。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)有りおよびAP無しに±AP誘導後に2時間遅れてガランタイド(GT)処理をしたマウスの血漿アミラーゼおよびリパーゼ活性を示した図である。(A)セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射して誘導された血漿アミラーゼの上昇は、GT(40nmol/kg)による遅延処理によって有意に減少した。AP誘導以前(処理前)の血漿アミラーゼ活性が示される。(B)セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射して誘導された血漿リパーゼの上昇は、GT(40nmol/kg)による遅延処理によって有意に減少した。AP誘導以前(処理前)の血漿リパーゼ活性が示される。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)有りおよびAP無しに±ガラニンアンタゴニストM35、M40およびC7による処理をしたマウスの血漿アミラーゼ活性を示した図である。セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射してAPを誘導すると、血漿アミラーゼ活性はAP前の活性と比較して著しく増加した。このレベルは、M40による処理によってではなく、M35(40nmol/kg)およびC7(40nmol/kg)による処理によって有意に減少した(P<0.05)。アンタゴニスト単独による処理では、血漿アミラーゼ活性はAP前の活性を超えて増加しなかった。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)有りおよびAP無しに±ガラニンアンタゴニストM35、M40およびC7による処理をしたマウスの血漿リパーゼ活性を示した図である。セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射してAPを誘導すると、血漿リパーゼ活性はAP前の活性と比較して著しく増加した。このレベルは、M40による処理によってではなく、M35(40nmol/kg)およびC7(40nmol/kg)による処理によって有意に減少した(P<0.05)。アンタゴニスト単独による処理では、血漿リパーゼ活性はAP前の活性を超えて増加しなかった。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)有りおよびAP無しに±ガラニンアンタゴニストM35、M40およびC7による処理をしたマウスの膵臓のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性を示した図である。セルレインを1時間ごとに7回腹腔内注射してAPを誘導すると、膵臓MPO活性は著しく増加した。このレベルは、M35およびM40(20および40nmol/kg)による処理によって有意に減少した(P<0.05)。これとは対照的に、C7(40nmol/kg)処理により、膵臓のMPO活性はAP単独で見られたMPO活性を超えて増加した。さらに、単独で投与されたC7(40nmol/kg)は膵臓のMPO活性を有意に上昇させた。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)有りおよびAP無しに±ガラニンアンタゴニストM35およびM40による処理をしたマウスの膵腺房細胞壊死を示した図である。以前に示した図で記載されていた研究において使用されたマウスの膵臓の組織切片を、スコアリングシステムを使用して膵腺房細胞壊死について評価した。M35(40nmol/kg)で処理されたマウスでは、APに誘導された膵腺房細胞壊死は、有意に減少した(P<0.05)。M40による処理は効果がなかった。 セルレインに誘導された急性膵炎(AP)有りおよびAP無しに±ガラニンアンタゴニストM35およびM40による処理をしたマウスの膵腺房細胞空胞化を示した図である。以前に示した図で記載されていた研究において使用されるマウスの膵臓の組織切片を、スコアリングシステムを使用して膵腺房細胞空胞化について評価した。M40(20および40nmol/kg)で処理されたマウスでは、APに誘導された膵腺房細胞空胞化は、有意に減少した(P<0.05)。M35による処理は効果がなかった。
配列番号1〜10 プライマーシーケンス
配列番号11〜16 アミノ酸配列

Claims (42)

  1. 被験体の膵炎を治療および/または予防する方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。
  2. 前記膵炎が急性膵炎である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、膵炎発症の前、膵炎発症と同時、および膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与による膵炎の予防および/または治療が、膵臓の導管潅流の改善および/または膵臓の炎症の減少による、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 被験体の膵炎を予防および/または治療するための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
  9. 被験体における膵炎を予防および/または治療するために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
  10. 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2−ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させる方法であって、治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを被験体に投与することを含む方法。
  12. 前記被験体は、急性膵炎または慢性膵炎に罹患している、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、急性膵炎または慢性膵炎の発症の前、急性膵炎または慢性膵炎の発症と同時、および急性膵炎または慢性膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記急性膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、急性膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項15に記載の方法。
  17. 被験体の膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
  18. 被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
  19. 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニンおよびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項18に記載の組成物。
  20. 被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させる方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。
  21. 前記被験体は、急性膵炎または慢性膵炎に罹患している、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、急性膵炎または慢性膵炎の発症の前、急性膵炎または慢性膵炎の発症と同時、および急性膵炎または慢性膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記急性膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、急性膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項24に記載の方法。
  26. 被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
  27. 被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
  28. 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、メシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬、プロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項27に記載の組成物。
  29. 被験体における急性膵炎の進行を阻害する方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。
  30. 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、急性膵炎発症の前、急性膵炎発症と同時、および急性膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項29に記載の方法。
  31. 急性膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、急性膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項32に記載の方法。
  34. 被験体の急性膵炎の進行を阻害するための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
  35. 被験体における急性膵炎の進行を阻害するために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
  36. 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
  37. ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストと、
    非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数のさらなる薬剤といった成分を含む組合せ製品であって、
    前記成分が、被験体への個別投与のための形態で、または被験体への1つまたは複数の成分の併用投与のための形態で提供される組合せ製品。
  38. 前記組合せ製品が、被験体における膵炎を予防および/または治療するために、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷の減少させるために、そして被験体における急性膵炎の進行を阻害するために使用される、請求項37に記載の組合せ製品。
  39. (i)ソマトスタチン、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片と、(ii)ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストとを含む医薬組成物。
  40. 被験体における膵炎を改善する薬剤を同定する方法であって、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストである薬剤を同定する工程を含む方法。
  41. 請求項39に記載の方法によって同定される薬剤。
  42. 前記薬剤が、被験体における膵炎を予防および/または治療するために、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるために、および被験体における急性膵炎の進行を阻害するために使用される、請求項40に記載の薬剤。
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