JP2009517409A - 膵炎を予防および/または治療するための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は膵炎を予防および/または治療するための方法および組成物に関する。本発明は、膵炎を改善する薬剤を同定する方法にも関する。
ウシ(Bos taurus) NP_776339(アミノ酸残基33〜61からなる)
ヒト(Homo sapiens)(プレプロタンパク質)AAH30241
ヒトAAB20740
ドブネズミ(Rattus norvegicus )NP_150240(アミノ酸残基33〜62からなる)
ハツカネズミ(Mus musculus )NP_034383。
M15: GWTLNSAGYLLGPQQFFGLM(配列番号12)
C7: GWTLNSAGYLLGPrPKPQQwFwLL(小文字アミノ酸はD−アミノ酸)(配列番号13)
M40: GWTLNSAGYLLGPPPALALA(配列番号14)
M35: GWTLNSAGYLLGPPPGFSPFR(配列番号15)
M32: GWTLNSAGYLLGPRHYINLITRQRY(配列番号16)。
ヒトガラニン受容体1 NM_001480
ヒトガラニン受容体2 O43603
ヒトガラニン受容体2 JC5949
ヒトガラニン受容体3 O60755
ヒトガラニン受容体3 NP_003605
ドブネズミガラニン受容体1 NP_037090
ドブネズミガラニン受容体2 NP_062045
ドブネズミガラニン受容体3 XP_346808
ドブネズミガラニン受容体3 NP_062046
ハツカネズミガラニン受容体1 P56479
ハツカネズミガラニン受容体1 NP_032108
ハツカネズミガラニン受容体2 AAC36589
ハツカネズミガラニン受容体3 NP_056553。
動物
体重1.5〜3kgのいずれかの性別のオーストラリアンブラッシュテイルドポッサム(Australian Brush−tailed possum)(フクロギツネ(Trichosurus vulpecula))を、急性膵炎実験のために使用した。使用前に、すべての動物を水への接近が可能な状態で一晩断食させた。研究はフリンダーズ大学(Flinders University)の動物福祉委員会により承認された(承認番号#603/05)。
手術手順
麻酔薬(ケタミン、20mg/kg、ケタミルインジェクション(Ketamil Injection)、トロイ・ラボラトリーズ(Troy Laboratories)社、NSW、オーストラリア;キシラジン、5mg/kg、ロンパン(Rompun)、バイエル・オーストラリア(Bayer Australia)社、NSW、オーストラリア)の筋肉内投与後に、動物の頸部、腹部および鼠径部にわたって電気カミソリで剃った。次に動物の体温を37℃に維持するために加熱毛布上に置いた(ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、ホリストン、マサチューセッツ、アメリカ)。気管開口形成術を行い、動物用小人工呼吸器で動物に空気を供給した(ハーバード・アパラタス社、ホリストン、マサチューセッツ、アメリカ)。麻酔薬および生理食塩水の送達のための2つのカニューレ(1.05mmの外径(OD)、0.35mmの内径(ID))を左大腿静脈に挿入した。チオペンタールナトリウム(ペントタール、アボット・オーストラリア(Abbott Australia)社、カーネル、NSW、オーストラリア)を、初めに2ml/kg/hr、次に実験期間中に麻酔を維持するように用量を調節して静脈内注入して麻酔を維持した。動物の水分補給状態を維持するために、生理食塩水を4ml/時間で与える。カニューレ(1.5mmのOD、0.9mmのID)を左大腿動脈に挿入し、継続的に血圧を測定するために圧変換器(トランスパック(Transpac)IV、アボット・アイルランド社、スライゴー、アイルランド共和国)を左大腿動脈に接続した。2つのカテーテル(1.5mmのOD、0.9mmのID)を右大腿静脈へ挿入し、1つは胸部中の下大静脈へ進めて中心静脈圧をモニターするために圧変換器に接続し、他のカテーテルは薬剤注入のために使用した。右大腿動脈にも、酵素分析のための血液サンプルを採取するためにカニューレを挿入した(1.5mmのOD、0.9mmのID)。実験の間の尿の排出を可能にするために、尿道カテーテルを膀胱へ挿入した。腹部を正中切開により開いた。組織の最小限の操作により、オッディ括約筋をともなう十二指腸をプラットフォーム上に置き安定させた。オッディ括約筋の膵管部分を解剖顕微鏡の補助により同定した。次にオッディ括約筋の膵管部分を微小はさみにより開いた。次にオッディ括約筋の膵管部分にカニューレ(1.5mmのOD、0.9mmのID)を4〜5mm挿入し、5−0プロレン(prolene)で結紮した。次にカニューレを膵管圧力を記録するために圧変換器に接続し、「機能的結紮」を提供した。
膵管圧力
膵管にカニューレを挿入した場合、その内部の圧力は7〜8mmHgまで徐々に上昇した。外分泌が、用量を増加した硫酸化コレシストキニン(CCK)オクタペプチド(アメリカン・ペプチド・カンパニー(American Peptide Company)社(サニーヴェール、カリフォルニア)、アメリカ)およびセクレチン(アメリカン・ペプチド・カンパニー社)により刺激されるにつれて、圧力は15〜20mmHgまで徐々に上昇した。その後圧力は上昇したままだったが、実験終了近くでは、圧力は11〜13mmHgまで低下した。
急性膵炎の誘導
これらのセットの実験は、急性膵炎の誘導を目的とし、対照研究として使用した。その後これらの実験は、急性膵炎にガラニンまたはガランタイドを与えた場合の他の実験と比較された(以下を参照)。実験準備に続いて、その準備を安定化のため15分間放置した。その後合成CCKおよびセクレチン(0.01%ウシ血清アルブミン(シグマ(Sigma)株式会社、セントルイス、ミズーリ、アメリカ)を含む生理食塩水中)を、5時間にわたって30分の間隔で大腿静脈を介してボーラス注射(0.25〜1.25ml)として投与した。CCK−セクレチンの初回用量は0.5μg/kgである。初回用量の後は、1〜5μg/kgに増加した。最終用量を膵管結紮5時間後に与え、実験を3時間後に終了した。アミラーゼおよびリパーゼの血漿中濃度の分析のために、血液サンプル(700μl)を1時間ごとの間隔で右大腿動脈から集めた。血液の初回サンプルを膵管のカニューレ挿入時に採取する。実験手順の終了時に、ペントバルビタールナトリウム(リーサバルブ(Lethabarb)(登録商標)、アーノルド・オブ・リーディング(Arnolds of Reading)社、バロニア、ビクトリア、オーストラリア)の致死用量で動物を安楽死させた。その後膵臓を採取し、続いて行なわれる組織学的検査および膵炎の重症度の評価のために10%中性ホルマリン中で固定した。
ガラニンおよびガランタイドの研究
実験準備および急性膵炎の誘導は上で記載された通りであった。投与される薬剤および注入のタイミングにより、いくつかの動物群を使用した。ガラニンまたはガランタイド(アメリカン・ペプチド・カンパニー社)を、急性膵炎発症時(予防的)に、急性膵炎発症の2または3時間後(治療)に投与した。
手順cおよびdは臨床的な状況を模倣すると考えられたので、それらを含めた。
血漿アミラーゼおよびリパーゼの測定
血漿アミラーゼおよびリパーゼのレベルの分析のために、血液サンプル(700μl)を、1時間ごとの間隔で右大腿動脈からEDTAチューブ中に集めた。最初のサンプルは膵管結紮の直前に採取し、その後実験の終了まで1時間ごとの間隔で採取した。血液サンプルを2000rpmで5分間遠心分離し、血漿を回収し、−20℃で保存した。血漿アミラーゼ活性を、酵素比色分析(AMYLキット、ロッシュ/日立(Roche/Hitachi)社、マンハイム・ドイツ)を使用して分析した。血漿リパーゼ活性を、リパーゼ−PSTMキット(トリニティ・バイオテク(Trinity Biotech)社)を使用して測定した。両方の分析を、遠心分析器(コーバスバイオ(Cobas Bios)、F.ホフマン・ラ・ロッシュ(F. Hoffmann−La Roche)社、バーゼル、スイス)で実行した。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性
MPOを、Bhatia et al. (2000) Gut 47(6):838−844によって記載されている通りに、凍結した膵臓から抽出し、コーバスバイオ器機で実行されるBradley et al. (1982) Journal of Investigative Dermatology 78(3):206−9の速度論的方法で活性を測定した。
分泌研究
動物:
上に記載されるように、ポッサムを麻酔した。麻酔薬および生理食塩水の投与のための2つのカニューレ(1.05mmのOD、0.35mmのID)を左大腿静脈に挿入した。ガラニンまたはガランタイドの投与のためのカニューレ(1.05mmのOD、0.35mmのID)も右大腿静脈に挿入した。その後腹壁正中切開を行なった。組織の最小限の操作により、オッディ括約筋をともなう十二指腸をプラットフォーム上に置き、ピンで安定させた。オッディ括約筋の膵管成分を解剖顕微鏡の補助により同定し、微小はさみにより開いた。次にオッディ括約筋の膵管部分にカニューレ(1.5mmのOD、0.9mmのID)を4〜5mm挿入し、5−0のプロレン縫合糸で結紮した。このカニューレは膵液を採取するために開けたままにした。15分の初期安定化期間後に、30分ごとに3.5時間にわたり膵液を採取した。
実験準備は、上に記載されるものに類似していた。15分の初期安定化期間後の対照群において、30分ごとの間隔で1時間にわたり膵液を採取した。これにより基礎分泌率を設定した。次にコレシストキニンおよびセクレチン(CCK−SEC)の混合物を、実験の全期間中5μg(各ペプチド)/kg/hrで静脈注入した。
基礎分泌:
膵臓外分泌量を重量測定により推定した(基礎分泌および刺激分泌)。
データーは分散分析を使用して分析された。分散分析が有意差を示した場合、データーはスチューデントのt検定を使用してさらに分析された。統計的有意差は、p<0.05レベルで許容された。
体重15〜32gのメスのBalbCマウスまたはスイスマウスを、急性膵炎実験のために使用した。ガラニンノックアウトマウスは、急性膵炎研究、およびガラニン受容体(ガラニン受容体1、2および3(GalR1、GalR2またはGalR3))mRNA発現の分子的特性の評価のために使用された。これらのマウスをガルバン研究所(Garvan Research Institute)(シドニー、NSW、オーストラリア)から得た。ガラニンノックアウトマウスはWynickおよび共同研究者によって作製された。機能的ガラニン遺伝子(エクソン1〜5)を含むガラニン遺伝子座の3.7kbのセグメントを除去し、逆向きの人工PGK−Neoカセットにより置換した。ガラニンエクソン1〜5は、ガラニンおよび大部分のガラニン関連ペプチドのコード領域を含む。変異後の新しいノックアウト遺伝子は、野生型ガラニン遺伝子よりも4.9kb短かった(Wynick et al. (1998). Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 95(21):12671−12676)。野生型同腹マウスおよびスイスマウスも分子的研究のために使用された。
以下の2つのモデルを使用した。もとはNiederau et al. (1985) Gastroenterology 88(5 Pt 1);1192−1204によって記載されたものに基づいた、軽症モデル(7回の1時間ごとのセルレイン注射)および重症モデル(13回の1時間ごとのセルレイン注射)。後者のモデルは、ガランタイド研究のためのみに現在まで使用されてきた。すべての動物に、6時間にわたり1時間ごとの間隔で150μlの0.9%NaCl中のセルレイン50μg/kgを7回腹腔内(i.p.)に注射した。最大12時間の鎮痛を提供するために、鎮痛薬のブプレノルフィン(0.1mg/kg、テムジェシック(Temgesic)、レキット・アンド・コールマン・プロダクト(Reckitt & Colman Products)社、ハル、レキット・アンド・コールマン・ファーマシュティカルズ社、NSWによって流通)を、初回セルレイン注射と共に皮下に投与した。動物はすべて、実験過程の間自由給水が可能であった。初回セルレイン注射の12時間後に、動物を放血によって安楽死させた。
急性膵炎を上に記載されるようにマウスにおいて誘導した。各々のセルレイン注射と共に、ガラニンまたはガラニンアンタゴニスト(アメリカン・ペプチド・カンパニー社、サニーヴェール、カリフォルニア、アメリカ)も動物の腹腔内に注射した。すべての動物に、上に記載されるような鎮痛剤を投与した。初回注射の12時間後に、マウスを安楽死させて実験を終了した。これと同一の手順をガラニンノックアウトおよび野生型同腹マウスの研究に使用した。
これらの実験セットにおいて、6時間にわたり1時間ごとの間隔で、生理食塩水、ガラニンまたはそれぞれのガラニンアンタゴニストを、動物に7回腹膜腔内注射した。すべての動物に鎮痛剤も投与し、上で概説されるように初回注射の12時間後に実験を終了した。
ガラニンおよびガラニンアンタゴニストの用量は、先のポッサム研究で得られた実験データーに基づいて決定された。ガラニンを用量10nmol/kgで使用した。ガランタイドを10nmol/kg、20nmol/kgまたは40nmol/kgで(個別の群において)投与した。M35、M40およびC7を、20nmol/kgまたは40nmol/kg(個別の群において)で投与した。
ケタミンおよびメデトミジンの腹膜腔内注射によって、マウスに麻酔をかけた。次にすべての動物の眼窩採血を行い、続いて行なうアミラーゼおよびリパーゼの血漿中濃度の推定のために血液を採取した。次に放血によって動物を安楽死させた。引き続いて次に腹壁正中切開を行なった。組織の最小限の操作により、膵臓をミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性推定、および膵炎重症度の組織学的評価のために採取し、2つの部分へと分けた。
上記のポッサム研究において記載されているように、血漿アミラーゼおよびリパーゼ活性を測定した。ポッサム研究に記載されているようにMPO活性を引き出し、以下のようにMoore−Olufemi et al. (2005) Journal of Trauma−Injury Infection & Critical Care 58(2):264−70によって記載されたマイクロタイタープレートリーダーで実行されるカイネティックアッセイを使用して分析した。マイクロタイタープレートウェル中の各々の抽出物の20μlアリコートの二重重複物に、100μlのショアブルーリザーブ(SureBlue Reserve)試薬を加え穏やかに混合した。次にマイクロタイタープレートを、バイオラッドモデル680(バイオラッド・ラボNSW社)プレートリーダーに置き、650nmでの吸光度を室温で2分間測定した。反応率を計算した。カルビオケム(Calbiochem)社(ラ・ホーヤ、カリフォルニア、アメリカ)からの精製MPOを陽性対照として使用した。
ガラニンおよびガランタイドの研究(正常マウス):
1.急性膵炎のみ(n=6)
2.急性膵炎+ガラニン10nmol/kg(n=5)
3.急性膵炎+ガランタイド10nmol/kg(n=6)
4.急性膵炎+ガランタイド20nmol/kg(n=6)
5.急性膵炎+ガランタイド40nmol/kg(n=6)
6.対照群:生理食塩水+ガラニン20nmol/kgのみ(n=3)
7.対照群:生理食塩水+ガランタイド20nmol/kgのみ(n=3)
8.対照群:生理食塩水+ガランタイド40nmol/kgのみ(n=4)
9.対照群:生理食塩水+生理食塩水のみ(n=4)。
1.ガラニンノックアウト+急性膵炎
2.野生型同腹マウス+急性膵炎
3.ガラニンノックアウト+生理食塩水
4.野生型同腹マウス+生理食塩水。
M35、M40、C7の研究:
1.急性膵炎のみ(n=8)
2.急性膵炎+M35 20nmol/kg(n=6)
3.急性膵炎+M35 40nmol/kg(n=6)
4.急性膵炎+M40 20nmol/kg(n=5)
5.急性膵炎+M40 40nmol/kg(n=5)
6.急性膵炎+C7 20nmol/kg(n=9)
7.急性膵炎+C7 40nmol/kg(n=9)
8.対照群:生理食塩水+M35 40nmol/kgのみ(n=5)
9.対照群:生理食塩水+M40 40nmol/kgのみ(n=5)
10.対照群:生理食塩水+C7 20nmol/kgのみ(n=5)
11.対照群:生理食塩水+C7 40nmol/kgのみ(n=6)。
組織(マウス膵臓、脳、結腸−後者の2つは陽性対照)を、10%中性ホルマリン中で固定し、その後パラフィン中に包埋する標準的な方法を使用して処理した。
分子的研究
〈組織採取:〉
膵臓中ではRNaseが高レベルであるので、RNAの完全性を最大限にするために膵臓を迅速に採取した。組織を2mlのコーニング(Corning)(登録商標)チューブ中に置き、液体窒素中で直ちに凍結した。凍結組織を−80℃冷凍庫中で保存した。全脳(陽性対照)は膵臓採取直後に採取し、上に記載されているように迅速に凍結し、−80℃冷凍庫中で保存した。
この手順における様々な工程は、特に断らない限りRNAの分解を回避するために氷上で行なった。凍結された全膵臓または全脳を、液体窒素で予冷した乳棒と乳鉢を使用して粉末へと粉砕した。次に5mlの氷冷トリゾール(Trizol)(インビトロゲン(Invitrogen)社、カールスバード、アメリカ)を、粉末にした膵臓(または粉末にした脳へ2ml)へ加え、得られたペーストがトリゾール溶解物として溶かされるまで、乳棒で完全に混合した。200μlの膵臓(または500μlの脳)のトリゾール溶解物のアリコートを、1.5mlのエッペンドルフ(Eppendorf )チューブへピペットで移し、1mlの最終量になるように追加の氷冷トリゾールを加えた。次に完全に内容物を混合するために、この混合物を力強く振盪した。残りのトリゾール溶解物を、1.5mlのエッペンドルフチューブに小分けにし、−80℃で保存した。
7μlの超純水(UPW)(フィッシャー・バイオテック(Fisher Biotec)社、ウェスト・パース、オーストラリア)、1μlの3M酢酸ナトリウムpH5.2および25μlの100%エタノールを加えることによって、3μgのRNA(ホルムアミド中で1μg/μl)を沈殿させた。氷上での10分のインキュベーション後に、4℃、12,000gで10分間の遠心分離によって沈殿を回収した。次に沈殿を200μlの75%エタノール中で洗浄し、続いて、4℃、12,000gで10分間の遠心分離を行った。沈殿を15μlのUPW中で溶解した。DNase I消化には、DNAフリー(DNA−free)(商標)キット(アンビオン(Ambion)社、オースティン、アメリカ)を利用した。10μlのRNA溶液を、1μlのrDNase I (アンビオン社)および1μlの10×緩衝液(アンビオン社)追加により処理し、十分に混合し、遠心分離した。その混合物を、PCRマシン(エッペンドルフ社、マスターサイクラーグラジエント(Mastercycler Gradient)、ドイツ)中で30分間37℃でインキュベートした。2μlの不活性化試薬(アンビオン社)を加えることによって反応を終了し、続いて、時々手動で混合を行いながら2分間室温でのインキュベーションを行った。次にその溶液を10,000gで90秒間遠心分離し、続いて等量の溶液を2本の新しいチューブへ移した。
DNase I処理前および処理後のRNAの質は、1%のアガロースゲルを使用して電気泳動により測定された。この目的のために、0.045Mトリス−ホウ酸塩、0.001M EDTA、pH8緩衝液中で50分間100Vで電気泳動を行なった。ゲルを0.5μg/mlエチジウムブロマイドにより30分間染色し、紫外線を照射して撮影した。
スーパースクリプト(SuperScript)(商標)III(インビトロゲン社、カールスバード、アメリカ)のためのマニュアルに従って、RNAのRTを行った。RTおよびリアルタイムPCR反応中のコンタミの欠如を確認するために、各サンプル群は水の対照(RNAサンプルなし)を含み、各サンプルは陰性対照(スーパースクリプト(商標)IIIなしで同一のRT処理)を有していた。マスターミックスI溶液は、各反応につき1μlのランダムプライマー、1μlの10mM dNTPミックス(インビトロゲン社)、および11μlの無菌UPWを含んでいた(各反応につき合計13μlの混合物)。
β−アクチン、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)、ポルホビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、Gal、GalR1、GalR2およびGalR3のためのオリゴヌクレオチドプライマーを、プライマー3(Primer 3, 2004)を使用してデザインした。プライマー特異性を、問い合わせ配列としてプライマーおよび生物としてハツカネズミにより、BLAST(Mega Blast、2006)を使用して確認した。18sリボソームRNA(rRNA)プライマーの配列は、Brenton Reynolds(フリンダーズメディカルセンター(Flinders Medical Centre))により提供された。プライマー配列は表においてリストされる。
〈トリゾールからのゲノムDNAの抽出:〉
RNA抽出後のトリゾール溶解物の赤色の有機相は、ゲノムDNAおよびタンパク質を含んでいた。300μlの100%エタノールを有機相に加え、混合し、4分間室温で保存した。4℃、2,000gで5分間の遠心分離によって、DNAを沈殿した。次にDNAの沈殿を、1mlの10%エタノール中の0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液pH 8.5中で3回各30分間洗浄した。これらの洗浄を室温でサスペンジョンミキサーによって行なった。さらに2回の洗浄を室温で各20分間1.5mlの75%エタノール中で行なった。4℃、2,000gで5分間の遠心分離後に、上清を除去し、DNAの沈殿を手短に乾燥し、次に8mM NaOH(脳については200μlおよび膵臓については50μl)中で溶解した。4℃、12,000gで10分間の遠心分離によって、不溶性固形物を除去した。HEPES緩衝液を使用して、上清のpHを8.0に調整した。
すべてのRT−PCR実験は、0.1mlの反応チューブおよび72ウェルローター中で、キアゲン(ヒルデン、ドイツ)によって供給されるクオンティテクト(Quantitect)(商標)2×サイバー(SYBR)(登録商標)グリーンマスターミックスを使用して行なった。反応容量は20μlであり、10μlのクオンティテクト(商標)、2μlの5μMフォワード(forward)プライマー、2μlの5μMリバース(reverse)プライマーおよび6μlのcDNAを含んでいた。マスターミックスは、最初に1.5mlのエッペンドルフチューブ中にcDNA以外のすべての試薬を混合して作製し、次に14μlのマスターミックスを各反応チューブに加えた。6μlのcDNAを最後に加えた。実験サンプルおよび陽性対照はそれぞれ膵臓および脳からのcDNAであった。陰性対照は、RNAなしでRTを行なったcDNAおよびUPWサンプルを含んでいた。各実験サンプル、陽性対照または陰性対照に関して、三重のサンプルでリアルタイムPCRを行なった。
95℃15分間
45サイクルのサイクリング:95℃20秒間、表2.1中でリストされたようなプライマーに対して様々なアニーリング温度で20秒間、72℃20秒間
最終の伸張のために72℃で4分間保持
各ステップで0.5度上昇し、最初のステップで5秒間、および続いて行なわれる各ステップで5秒間待機する、60℃〜99℃での融解
蛍光の取得はすべてサイバーグリーンチャンネルへ取得された。
最初に3%アガロースゲル電気泳動を使用し、サイズに基づいてPCR産物を分離した。この目的のために、0.5×TBE緩衝液中で180Vで50分間電気泳動を行い、各産物の分子量を標準のpUC19/HpaII(ジーンワークス(Geneworks)社、アデレード、オーストラリア)に基づいて計算した。0.5μg/mlエチジウムブロマイドにより30分間ゲルを染色し、分析のために紫外線照射中に撮影した。シークエンシングのためのPCR産物はDamian Hussey博士(外科部門、フリンダーズメディカルセンター)によって調製され、サウスパス(Southpath)およびフリンダーズシークエンシング施設でシークエンスされた。
増幅効率(AE)はPCRサイクル当たりの増幅倍率の測定である。各遺伝子のAEを、テイクオフサイクル(take−off cycle)(Ct)勾配法(アプライド・バイオシンセシス(Applied Biosynthesis)社、2005)を使用して計算した。標的DNAの2倍希釈シリーズをまず作製した(各PCR反応に対するDNA量=10ng、5ng、2.5ng、1.25ng、0.625ng、0.3125ngまたは0.15625ng)。各希釈に対するCt値をPCRによって測定した。次に平均Ctに対してlog[DNA量]をプロットした。AE = e(-1/-m)、ここでmは曲線の勾配である。
参照Ctは正常膵臓に対する第1のテイクオフとして定められた。サンプルCtは対象となる任意のサンプルのためのテイクオフであった。
膵臓および脳を上に記載されているような安楽死させられた野生型スイスマウスから採取し、液体窒素中で急冷凍結し、−80℃冷凍庫中で保存した。凍結した全膵臓または全脳を、予冷した乳鉢および乳棒を使用して、それぞれ2mlまたは5mlのホモジナイズ用緩衝液(Dufourny, L. and Skinner, D.C. (2005) Brain Res. 1054(1):73−81)中でホモジネートした。ホモジネートを1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、さらに電気ペッスル(ドレメル(Dremel)社、ラシーン、ウイスコンシン、アメリカ)によりホモジネートした。ホモジネートを30分間氷上でインキュベートし、次に4℃、2000gで10分間遠心分離した。次に組織から抽出された総タンパク質を含む上清を、新しいチューブに移した。以前にウェスタンブロット上のバンド検出が困難であったので、SDS−PAGEのためのガラニン受容体タンパク質濃度を増加するために、膜タンパク質濃縮画分を調製した。上に記載した遠心分離工程からの上清を4℃、100,000gで1時間再度遠心分離し、膜タンパク質沈殿を得た。次に沈殿をもとのホモジナイズ用緩衝液中で溶解した。
バイオラッド社のタンパク質測定をタンパク濃度を推定するために使用した。ウシ血清アルブミン(BSA)(シグマ社)を標準曲線を作製するために使用した。BSAの既知濃度の吸光度を、595nmの波長でマイクロプレートリーダー(バイオラッド社、モデル680、日本)を使用して測定した。ホモジネート(100μl)のアリコートを500μlの氷冷5%トリクロロ酢酸(TCA)溶液で沈殿させ、氷上で10分間インキュベートし、10,000gで2分間遠心分離した。次に沈殿を100μlのPBS緩衝液中で溶解し、三重アリコートをバイオラッド社のタンパク質測定において使用した。これらのサンプル中にタンパク質の濃度を、作製した標準曲線を使用して推定した。
膜タンパク質画分を、PCRマシンにおいて99℃で10分間、等容量のサンプル/還元緩衝液(添付書類)中で変性した。
ゲルは室温で30分間固定液(添付書類)中で固定し、次に10分間インキュベーション溶液(添付書類)に移し、その後振盪しながら各5分2回の水洗を行なった。銀溶液(添付書類)中での30分間のインキュベーションの後に、ゲルを現像液(添付書類)中に置いた。停止液(EDTA)(添付書類)を発色を停止するために使用した。ゲルは写真撮影前に10%グリセロール水溶液中に保存した。
ウェスタンブロットのためのサンプルは、組織採取、ホモジナイゼーション、タンパク質濃度の測定、タンパク質の変性およびSDS−PAGEに関して、SDS−PAGEのために調製されたサンプルと同一の処理をしたが、銀染色は行なわなかった。ゲル上のタンパク質バンドは、100Vで少なくとも1時間ニトロセルロース膜(アマシャム(Amersham)社、バッキンガムシャー、イギリス)に転写された。次に転写の効率を評価するために、ゲルを銀染色した。何も染色されなかったゲルにより、膜へのタンパク質の転写が完了していることが示された。転写膜を、室温で1時間、次に4℃で一晩、3%ブロット(Blotto)(添付書類)中で振盪し、ブロッキングした。転写膜を、PBSの緩衝液中での各々1:1000希釈の対応する一次抗体(抗マウスGalR1抗体、抗マウスGALR2抗体、抗マウスGALR3抗体(アルファ・ディアグノスティック社、サンアントニオ、テキサス、アメリカ))中で、室温で1時間振盪しながらインキュベートし、続いて4℃で一晩インキュベーションした。TBS緩衝液(PBS緩衝液+0.05%ツイーン20)中で室温にて膜を3×10分間洗浄した。抗ウサギIgG−HRP(シグマ社)を、PBS緩衝液中の1:2000希釈で室温にて2時間使用した。各膜をTBS中で室温にて3×15分間洗浄した。
溶液Aおよび溶液B(アマシャム社)を新たに調製し、混合して検出溶液を作製した。膜を1分間検出溶液中に置き、フィルム現像液へ移す前に、およそ5分間フィルムに露光した。
結果
3つの既知ガラニン受容体(ガラニン受容体1、2および3(GalR1、GalR2、GalR3))の相対的発現を確立するために、分子的な研究をマウスにおいて試みた。
膵炎研究−ポッサム
急性膵炎のポッサムモデルにおけるガラニンまたはガランタイドによる処理効果(膵炎発症15分前に)が、図7〜12中に示されている。図7は、膵炎により誘導された高アミラーゼ血症の時間的経過が、ガラニン投与により変更されなかったことを示す。これとは対照的に、ガランタイド投与は、膵炎によって誘導された血漿アミラーゼの増加を予防した。図8は、膵炎により誘導された高リパーゼ血症を、ガラニンの投与が悪化させたことを示す。これとは対照的に、ガランタイド投与は、膵炎により誘導された血漿リパーゼの増加を著しく低下させた。図9は、急性膵炎が、初期の小さな下降、次に7〜8時間でベースライン値への復帰をともなうPVPの増加によって特徴づけられる、二相性変化Iの膵導管潅流(PVP)を生ずることを示す。ガラニン処理により実験期間中PVPは低下したが、ガランタイド処理は最初からPVPを増加させ、この変化は実験期間中維持される。PVPの減少は壊死を助長する。図10は、膵浮腫、この急性膵炎モデルにおける主要な膵臓の変化がガランタイド処理により減少したことを明示する。
マウス膵炎研究
軽症の(7回のセルレイン注射)マウスモデルにおいて同等の研究が行なわれ、結果は図15〜21中に示される。図15は、ガラニン(GL)またはいくつかの異なる用量のガランタイド(GT)による処理の、膵炎により誘導された血漿アミラーゼレベルに対する効果を示す。ガラニンは血漿アミラーゼレベルを変えなかったが、20および40nmol/kgでのガランタイドは血漿アミラーゼレベルを減少させた。図16は、血漿リパーゼレベルに対する同等の効果を示す。図17は、GTの低用量もまた効果的であり、MPO活性が血漿酵素と同様の様式で変えられたことを示す。図18は、様々な処理による膵臓組織構造における変化を示す組織切片の選択画像を提示する。組織学的変化の定量的グループデーターは、図19および20中に示される。ガランタイド投与(20nmol/kg)は膵炎により誘導された壊死を減少させたが、ガラニンは効果がなかった(図19)。類似した変化は組織学的スコアにおいて明らかであり、いくつかのパラメーターを反映する(図20)。
配列番号11〜16 アミノ酸配列
Claims (42)
- 被験体の膵炎を治療および/または予防する方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。
- 前記膵炎が急性膵炎である、請求項1に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、膵炎発症の前、膵炎発症と同時、および膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項3に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項5に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与による膵炎の予防および/または治療が、膵臓の導管潅流の改善および/または膵臓の炎症の減少による、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 被験体の膵炎を予防および/または治療するための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
- 被験体における膵炎を予防および/または治療するために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
- 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2−ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項9に記載の組成物。
- 被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させる方法であって、治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを被験体に投与することを含む方法。
- 前記被験体は、急性膵炎または慢性膵炎に罹患している、請求項11に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、急性膵炎または慢性膵炎の発症の前、急性膵炎または慢性膵炎の発症と同時、および急性膵炎または慢性膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項11または12に記載の方法。
- 前記急性膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、急性膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項13に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項15に記載の方法。
- 被験体の膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
- 被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
- 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニンおよびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項18に記載の組成物。
- 被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させる方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。
- 前記被験体は、急性膵炎または慢性膵炎に罹患している、請求項20に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、急性膵炎または慢性膵炎の発症の前、急性膵炎または慢性膵炎の発症と同時、および急性膵炎または慢性膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項20または21に記載の方法。
- 前記急性膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、急性膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項22に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項24に記載の方法。
- 被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
- 被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
- 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、メシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬、プロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項27に記載の組成物。
- 被験体における急性膵炎の進行を阻害する方法であって、被験体に治療上効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを投与することを含む方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストは、急性膵炎発症の前、急性膵炎発症と同時、および急性膵炎の初期のうちの1つまたは複数において被験体に投与される、請求項29に記載の方法。
- 急性膵炎の初期の間のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの投与が、急性膵炎発症の24時間以内の投与である、請求項30に記載の方法。
- 前記ガラニンアンタゴニストが、ガランタイド、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片である、請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体に投与されるガランタイドの用量が、0.1nmol/kg〜100nmol/kgの範囲にある、請求項32に記載の方法。
- 被験体の急性膵炎の進行を阻害するための医薬品の調製における、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストの使用。
- 被験体における急性膵炎の進行を阻害するために使用される場合の、効果的な量のガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストを含む組成物。
- 前記組成物が、非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数の薬剤をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
- ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストと、
非麻酔性薬物およびオピエート麻酔薬を含む鎮痛薬;抗生物質;ソマトスタチン、オクトレオチド、アプロチニン、およびメシル酸ガベキサートを含む膵酵素産生を抑制する薬剤;H2−受容体遮断薬およびプロトンポンプ阻害薬を含む胃酸を抑制する薬剤;膵酵素サプリメント;ステロイド剤;乾燥体液;エンドセリンアンタゴニスト;インスリン;ICAMを阻害する薬剤;B2ブラジキニン阻害剤;カリクレイン阻害剤;プロテアーゼ活性化受容体アンタゴニスト;Met RANTES;カンデサルタンを含むアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト;ビンダリットを含むMCP−1合成遮断薬;一酸化窒素供与体;誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤を含む一酸化窒素合成酵素阻害剤;抗潰瘍薬;イオノトープ;第VII因子;活性化プロテインC;カルシウム;グルコース;血漿および/または血小板を含む血液製剤;およびブタメンからなる群から選択される1つまたは複数のさらなる薬剤といった成分を含む組合せ製品であって、
前記成分が、被験体への個別投与のための形態で、または被験体への1つまたは複数の成分の併用投与のための形態で提供される組合せ製品。 - 前記組合せ製品が、被験体における膵炎を予防および/または治療するために、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷の減少させるために、そして被験体における急性膵炎の進行を阻害するために使用される、請求項37に記載の組合せ製品。
- (i)ソマトスタチン、または機能的な変異体、類似物、誘導体、またはそれらの断片と、(ii)ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストとを含む医薬組成物。
- 被験体における膵炎を改善する薬剤を同定する方法であって、ガラニンアンタゴニストおよび/またはガラニン受容体アンタゴニストである薬剤を同定する工程を含む方法。
- 請求項39に記載の方法によって同定される薬剤。
- 前記薬剤が、被験体における膵炎を予防および/または治療するために、被験体における膵臓の導管潅流を改善および/または膵臓の炎症を減少させるために、被験体における異常な膵臓の導管潅流および/または膵臓の炎症に起因する膵臓の損傷を減少させるために、および被験体における急性膵炎の進行を阻害するために使用される、請求項40に記載の薬剤。
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