JP2009516704A - 新規なプリューロムチリン誘導体およびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、トランス−3−アミノシクロブチル(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)−4−エテニル−3−ヒドロキシ−2,4,7,14−テトラメチル−9−オキソトリクロロ[5.4.3.01,8]テトラデカ−6−イル イミドジカルボナートのL−酒石酸塩(化合物IA)を対象とする。化合物IAは種々の執権および症状、例えば、呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染の治療に有用である。したがって、本発明はさらに、化合物IAを含む医薬組成物を対象とする。本発明はさらに、化合物IAまたは化合物IAを含む医薬組成物を用いる呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染の治療方法を対象とする。

Description

本発明は、本明細書中、化合物IAと称される、トランス−3−アミノシクロブチル(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)−4−エテニル−3−ヒドロキシ−2,4,7,14−テトラメチル−9−オキソトリシクロ[5.4.3.01,8]テトラデカ−6−イル イミドジカルボナートのL−酒石酸塩ならびにその呼吸器感染および皮膚および皮膚組織感染の治療における使用を対象とする。
国際公開番号WO 02/30929として公開された国際出願番号PCT/EP01/11603は、抗菌剤として有用なあるプリューロムチリン(pleuromutilin)誘導体を開示する。具体的には、WO 02/30929は、その中で式IAまたは式IBに係るC−14オキシカルボニルカルバマートプリューロムチリン誘導体を開示する。
WO 02/30929の式IAの範囲内に含まれる一つのC−14オキシカルボニルカルバマートプリューロムチリン誘導体が、トランス−3−アミノシクロブチル(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)−4−エテニル−3−ヒドロキシ−2,4,7,14−テトラメチル−9−オキソトリシクロ[5.4.3.01,8]テトラデカ−6−イル イミドジカルボナート(「化合物I」)である。化合物IはWO 02/30929の式IAの範囲内に包含されるが、明細書または請求の範囲に具体的に開示されていない。化合物Iは以下の構造式:
Figure 2009516704
化合物I
で表される。
加えて、WO 02/30929は、塩基性基を含有する、そこに開示されている化合物が「遊離塩基または酸付加塩の形態であってもよい」と開示する。Bergeら(J. Pharm Sci.、1977、66、1−19)により記載されるように、医薬上許容される塩が好ましい塩であると示唆している。塩酸塩、マレイン酸塩、およびメタンスルホン酸塩に具体的に言及している。
化合物Iは、一連の既存の抗菌剤に対して耐性を有する単離体を含め、呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染に関与する代表的なグラム陽性およびグラム陰性病原体に対して優れたインビトロおよびインビボ活性を示すことが明らかにされたため、最近になって特に有用な化合物として同定された。
化合物Iの、呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染に関与する代表的なグラム陽性およびグラム陰性病原体に対する優れたインビトロおよびインビボ活性を考えた場合、医薬開発に適する化合物Iの形態に対する要求が存在する。
本発明は、本明細書にて化合物IAと称される、トランス−3−アミノシクロブチル(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)−4−エテニル−3−ヒドロキシ−2,4,7,14−テトラメチル−9−オキソトリシクロ[5.4.3.01,8]テトラデカ−6−イル イミドジカルボナートのL−酒石酸塩を対象とする。化合物IAは種々の疾患および症状、例えば、呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染の治療に有用である。したがって、本発明はさらに化合物IAを含む医薬組成物をも対象とする。本発明はさらにまた、化合物IAまたは化合物IAを含む医薬組成物を用いる呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染の治療方法を対象とする。
本発明を記載するにおいて、化学元素を元素周期表に従って同定する。ここで用いる略語および符号は化学および生物学の分野における当業者がかかる略語および符号を共通して使用するものである。例えば、以下の略語は本明細書にて次のように使用される:
「g」はグラムについての略語である。
「mL」はミリリットルについての略語である。
「℃」は摂氏度についての略語である。
「DMF」は溶媒N,N−ジメチルホルムアミドについての略語である。
「DSC」は示差走査熱量測定法についての略語である。
「vol」は容量についての略語であり、出発物質の重量に対して用いた溶媒の量をいう。溶媒の1容量とは、出発物質1gに対する溶媒1mLとして定義される。
「eq」はモル当量についての略語である。
「THF」は溶媒テトラヒドロフランについての略語である。
「L」はリットルについての略語である。
「N」は規定についての略語であり、溶液1リットルに対する試薬の当量数をいう。
「mmol」はミリモルまたはミリ濃度についての略語である。
「mol」はモルまたはモル濃度についての略語である。
「LOD」は乾燥の際の喪失についての略語である。
「HPLC」は高圧液体クロマトグラフィーについての略語である。
「NMR」は核磁気共鳴の略語である。
「TLC」は薄層クロマトグラフィーについての略語である。
「LCMS」は液体クロマトグラフィー/質量分析についての略語である。
「KF」はカール・フィッシャー水測定法についての略語である。
「JLR」はジャケット付きラボ反応器についての略語である。
「TG」および「TGA」は熱重量分析についての略語である。
「IPA」はイソプロパノールについての略語であり、2−プロパノールとしても知られている。
「NMP」はN−メチルピロリドンについての略語である。
「ppm」は百万分の一についての略語である。
化合物IA
本発明は、化合物IAとして以下に示される、トランス−3−アミノシクロブチル(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)−4−エテニル−3−ヒドロキシ−2,4,7,14−テトラメチル−9−オキソトリシクロ[5.4.3.01,8]テトラデカ−6−イル イミドジカルボナートのL−酒石酸塩を対象とする。
Figure 2009516704
化合物IA
意外にも、化合物IAは医薬開発に特に最適な有利な物理的特性を有することが見いだされた。
固体の状態において、化合物IAは結晶、半結晶および無定形の構造、ならびにその混合物の形態にて存在し得る。当業者は調製の間に溶媒分子が固体状態の構造物に組み込まれている化合物IAの医薬上許容される溶媒和物が形成され得ることを認識するであろう。溶媒和物はエタノール、イソプロパノール(2−プロパノールとも称される)、n−プロパノール(1−プロパノールともいう)、DMSO、酢酸、エタノールアミン、アセトニトリルおよび酢酸エチルなどの非水性溶媒を包含してもよく、あるいは溶媒として固体状態の構造物に取り込まれる水を包含してもよい。加えて、化合物IAの溶媒含量は環境および貯蔵期間に応じて変化しうる。例えば、相対湿度および温度に応じて水は経時的に他の溶媒と置き換わり得る。
水が固体状態の構造物に取り込まれる溶媒である溶媒和物は、典型的には「水和物」と称される。一以上の溶媒が固体状態の構造物に取り込まれる溶媒和物は、典型的には「混合溶媒和物」と称される。溶媒和物は「化学量論溶媒和物」ならびに可変量の溶媒を含有する組成物(「非化学量論溶媒和物」という)を包含する。水が固体状態の構造物に取り込まれる溶媒であるところの化学量論溶媒和物は、典型的には、「化学量論水和物」と称され、水が固体状態の構造物に取り込まれる溶媒であるところの非化学量論溶媒和物は、典型的には、「非化学量論水和物」と称される。本発明は両方の化学量論および非化学量論溶媒和物を包含する。
加えて、その溶媒和物を含む、化合物IAの固体状態の構造物は、その固体状態の構造物に取り込まれていない、溶媒分子を含有してもよい。例えば、溶媒分子は単離した時により大きな粒子内にトラップされるようになってもよい。加えて、溶媒分子は結晶表面に保持されてもよい。本発明は化合物IAのかかる固体状態の構造物を包含する。
当業者であれば、化合物IAが、その溶媒和物を含め、多形性(すなわち、異なる結晶充填配置にて存在する能力)を示しうることをさらに認識するであろう。異なる結晶形態は典型的には「多形体」として知られている。本発明はかかるすべての多形体を包含する。多形体は同じ化学組成を有するが、結晶固体状態の幾何学的な充填配置および他の記述的特徴において異なっている。したがって、多形体は、形状、比重、硬度、変形性、安定性および溶解性などの異なる物理特性を有する。多形体は、典型的には、同定に用いることができる、異なるIRスペクトル、固体状態のNMRスペクトルおよびX−線粉末回折パターンを示す。多形体はまた、同定に使用可能な、異なる融点を示しうる。当業者であれば、例えば、化合物の製造に使用される、反応条件または試薬を変更または調節することで異なる多形体が生成されうることを認識するであろう。例えば、温度、圧力または溶媒の変更は異なる多形体の生成をもたらしうる。加えて、一の多形体は、特定の条件下で、自発的に別の多形体に変形しうる。
典型的実施形態
一の実施形態において、本発明は固体状態の化合物IAを対象とする。一の実施形態において、本発明は結晶形態の化合物IAを対象とする。もう一つ別の実施形態において、本発明は半結晶形態の化合物IAを対象とする。もう一つ別の実施形態において、本発明は無定形の化合物IAを対象とする。
もう一つ別の実施形態において、本発明は実質的に純粋な化合物IAを対象とする。本明細書中で用いる場合で、化合物IAに対して使用される「実質的に純粋な」なる語は、約90%以上の純度の生成物をいう。好ましくは、「実質的に純粋な」なる語は約95%以上の純度の生成物をいい、より好ましくは約97%以上の純度の生成物をいう。このことは、該生成物が、各々、約10%、5%または3%を越える範囲にて他の化合物を含有しないことを意味する。
もう一つ別の実施形態において、本発明は、約2%ないし約7%の水を含有する、化合物IAの非化学量論水和物を対象とする。もう一つ別の実施形態において、本発明は、約2%ないし約6%の水を含有する、化合物IAの非化学量論水和物を対象とする。もう一つ別の実施形態において、本発明は、約4%ないし約6%の水を含有する、化合物IAの非化学量論水和物を対象とする。
一の実施形態において、化合物IAの固体状態の構造物は、次の位置に特徴的なピークを有するX−線粉末回折(XRPD)パターンにより特徴付けられる:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。これらのXPRDピークに加えて、そのパターン中に存在する数個の付加的なピークは溶媒および水の含量に伴って変化しうる。したがって、もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも1個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも2個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも3個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも4個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも5個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも6個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークより選択される少なくとも7個の特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物IAの固体状態の構造物が次の位置にある特徴的なピークを有するXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする:6.7±0.2(°2θ)、10.0±0.2(°2θ)、11.7±0.2(°2θ)、13.2±0.2(°2θ)、13.7±0.2(°2θ)、14.2±0.2(°2θ)、20.4±0.2(°2θ)および23.5±0.2(°2θ)。
もう一つ別の実施形態において、本発明は、化合物1Aの固体状態の構造物が図1に示されるのと実質的に同じXRPDパターンにより特徴付けられるところの、固体状態の化合物IAを対象とする。
本明細書に記載されるXRPDデータは、フィリップスX’Pert Pro粉末X−線回折器を用いて得られた。試料をゼロ−バックグラウンドのシリコーンホルダー上で静かに平板状にした。CuKα放射源および40kVおよび40mAの発生器電力を用いて、2°から40°の範囲の連続的2θスキャンに付した。10.16秒の工程時間で、0.0167°/工程の2θ工程の大きさを用いた。試料を25rpmで回転させ、すべての実験を室温で行った。特徴的なXRPDピーク位置を、計器による変動および較正により生じる、±0.1°の精度の角度位置の単位(2θ)で報告する。
これらのピークの位置(°2θ値)を、2−シータ角度を用いて表され、銅Kα―放射線を用いる回折器で得られるXRPDパターンより得た。本明細書にて示されるXRPDパターンは2−シータ角度を用いて表されており、銅Kα−放射線を用いる回折器で得られる。XRPDパターンのピーク位置の差異が最高で±0.2(°2θ)であるならば、XRPDパターンは所定のXRPDパターンと実質的に同じであると考えられることを当業者であれば理解するであろう。
結晶形態である場合に、化合物IAの結晶化度を維持するために、化合物は約95℃より高い温度に曝されてはならない。
化合物の調製
化合物IAは、一般に、プリューロムチリンまたはムチリンより調製される。プリューロムチリンは、Clitopilus species、Octojuga speciesおよびPsathyrella speciesなどの微生物を当業者に既知の方法を用いて発酵させることで生成されうる。ついで、プリューロムチリンを有機溶媒を用いて発酵ブロスより単離する。プリューロムチリンはアルカリ性加水分解によりムチリンに変換され得る。かかる方法は当該分野にて周知である。
例えば、化合物IAは「中間体1」(以下に記載)より調製され得る。中間体1の調製は実施例1、2および3に記載される。他の出発物質および試薬は市販されているか、あるいは既知の方法を用いて商業的に入手可能な出発物質より製造される。
次の調製例は本発明の範囲を限定するものではなく、むしろ当業者による本発明の化合物の調製を誘導することを意図とするものである。
実施例1
中間体1の調製
Figure 2009516704
窒素雰囲気下、反応容器に、プリューロムチリン(59.2グラム)、メタノール(240mL)およびオルトギ酸トリメチル(95mL)を充填した。該混合物を0℃に冷却した。濃硫酸(18mL)をゆっくりと添加して、その反応温度を10℃より下に維持した。添加後、反応混合物を30℃に加熱した。30℃で3時間、および18℃で14時間経過した後、HPLC分析によれば該反応は完了しているものとみなされた。その反応混合物の粗生成物を次の反応に直接用いた。
反応混合物中の1aを−10℃に冷却した。水(70mL)をゆっくりと添加し、内部温度を15℃より下に維持した。水酸化ナトリウム水溶液(135mL、50%w/w)をゆっくりと充填し、内部温度を15℃より下に維持した。ついで、該反応物を65℃に加熱した。65℃で30分経過した後、HPLCによれば、該反応は完了した。該反応物を約40℃に冷却した。減圧下でメタノールを留去した。水(300mL)およびトルエン(350mL)を該混合物に添加した。該混合物を約65℃に加熱し、10分間攪拌した。30分間放置した後、水層を分離した。該水層をトルエン(200ml)で抽出した。有機層を合し、減圧下で約300mLの最終容量にまで蒸留した。トルエン中の粗生成物を次の反応に直接用いた。
上記したトルエン中の生成物に、さらにトルエン(350mL)を外界温度で添加した。シアン酸ナトリウム(27.4グラム)を攪拌しながら添加した。トリフルオロ酢酸(29mL)をゆっくりと0.5時間にわたって添加した。該混合物を外界温度で14時間攪拌した。HPLC分析によれば、反応混合物中に出発物質は検出されなかった。水(360mL)を該反応物に攪拌しながら添加した。層を分離し、水層を捨てた。トルエンを最終容量が約100mLになるまで減圧下で蒸留させた。ヘプタン(300mL)を加えた。該混合物を65℃で30分間攪拌し、ついで0℃に冷却し、1時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、冷ヘプタン(80mL)で2回洗浄した。粗生成物を真空下65−70℃で乾燥させ、42.1グラムの中間体1を得た。收率:71%。
実施例2
中間体1の調製
Figure 2009516704
窒素雰囲気下、反応容器に、プリューロムチリン(20.0グラム)、メタノール(80mL)およびオルトギ酸トリメチル(32mL)を充填した。該混合物を0℃に冷却した。濃硫酸(6mL)をゆっくりと添加し、その反応温度を10℃より下に維持した。添加終了後、反応混合物を30℃に加熱した。30℃で5時間および、18℃で14時間経過した後、HPLC分析によれば、該反応は完了しているとみなされた。該反応混合物を約10℃に冷却した。トリエチルアミン(32mL)をゆっくりと添加し、内部温度を30℃より下に維持した。水(110mL)を反応物に激しく攪拌しながら添加した。該混合物を約20℃で4時間攪拌した。粗生成物を濾過し、水(60mL)で2回洗浄した。その湿った固体を減圧下50℃で乾燥させ、16.0グラムの生成物を得た。收率:77%。
フラスコにメタノール(80mL)および水(10mL)を充填した。水酸化カリウム(5.7g)を該溶液に添加した。該混合物を約5分間攪拌した。2a(20.0g)を該混合物に添加した。該反応混合物を65℃に加熱し、1時間攪拌した。HPLC分析によれば、該反応は完了しているものとみなされ、該混合物を約25℃に冷却し、水(100mL)および2bの種子(50mg)を含有するより大きなフラスコに激しく攪拌しながらゆっくりと移した。得られたスラリーを約5℃に冷却し、1時間攪拌した。粗2bを濾過し、水(50mL)で2回洗浄した。湿った生成物を約65℃で24時間乾燥させ、15.3グラムの固体を得た。收率:90%。
フラスコに、トルエン(180mL)、2b(20.0g)およびシアン酸ナトリウムを攪拌しながら充填した。トリフルオロ酢酸(10mL)をゆっくりと1時間にわたって添加した。該混合物を外界温度で16時間にわたって攪拌し、その後はHPLC分析によれば2bは検出されなかった。水(100mL)を該反応物に攪拌しながら添加し、層を分離した。水層を捨て、トルエン層を減圧下で濃縮して最終容量を約30mLとした。ヘプタン(100mL)を加え、該混合物を65℃で30分間攪拌した。該混合物を0℃に冷却し、1時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、冷ヘプタン(20mL、約0℃)で2回洗浄した。その粗生成物を真空下65℃で乾燥させ、19.1グラムの中間体1を得た。收率:85%。
実施例3
中間体1の調製
Figure 2009516704
フラスコに、N−メチルピロリドン(24mL)、2aの固体(実施例2から由来)(12.0グラム)および水(10mL)を充填した。水酸化ナトリウム水溶液(20mL、50%w/w)を添加した。該反応混合物を70℃に加熱し、1時間攪拌した。トルエン(120mL)を該混合物に加え、30分間攪拌し、層を分離した。トルエン層を水(30mL)で洗浄し、真空下で約100mLの最終容量にまで濃縮した。トルエン中の粗生成物を次の反応に直接用いた。
トルエン中の3aに、シアン酸ナトリウムを加えた。トリフルオロ酢酸(5mL)をゆっくりと1時間にわたって添加した。該混合物をHPLC分析によって3aが検出されなくなるまで外界温度で約15時間攪拌した。水(30mL)を攪拌しながら反応物に添加し、層を分離し、水層を捨てた。トルエンを減圧下で残りが約10mLとなるまで蒸留させた。ヘプタン(50mL)を加え、該混合物を65℃で30分間攪拌した。該混合物を0℃に冷却し、1時間攪拌した。得られたスラリーを濾過し、冷ヘプタン(各15mL、約0℃)で2回洗浄した。粗生成物を真空下65℃で乾燥させ、9.5グラムの中間体1を得た。收率:82%。
実施例4
化合物IAの調製
段階1
Figure 2009516704
100℃または還流温度にある塩化水銀(5.3g)の臭化ベンジル(2.31kg)中溶液に、エピクロルヒドリン(1.25kg)を40分間にわたってゆっくりと添加した。ついで、該反応混合物を内部温度約135℃に約3時間加熱し、室温に一夜冷却し、さらに約135−150℃で約12時間加熱した。該混合物を外界温度に冷却し、一夜放置した。ついで、該混合物を減圧蒸留を介して精製した。收率70%の1−ブロモ−2−O−ベンジル−3−クロロプロパン(4a、2.51kg)を得た。
段階2
Figure 2009516704
4a(80g)およびマロン酸ジエチル(121.7g、2.5当量)のEtOH(160mL)中溶液に、NaOEt(EtOH中21重量%)(284mL、2.5当量)を滴下漏斗を通してゆっくりと充填した。該混合物を還流温度(内部温度約80℃)に加熱し、ついでさらに約3時間攪拌し、サンプリングし、HPLC結果に基づいて4aが消費されたと結論付けた。該混合物を約35℃に冷却し、濾紙を介して濾過した。約420mLの蒸留溶媒が集められるまで濾液を蒸留して濃縮した。該混合物を約125℃に加熱し、約2時間攪拌し、サンプリングし、HPLC結果に基づいて4bが消費されたと結論付けた。該混合物を室温にまで冷却した。水(160mL)および酢酸エチル(320mL)を充填した。該混合物を攪拌し、2つの層を分離した。有機層を水(80mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、蒸発乾固させた。生成物を真空下で乾燥させ、粗4c、125.1gを得た。
段階3
Figure 2009516704
KOH溶液をKOH(2.02kg、5当量)を水(2.55L)に添加することで調製した。20Lジャケット付実験室反応器に、粗4c(1.7kg)およびEtOH(6.8L)を充填した。KOH溶液を2回に分けて充填し、それで内部温度が56℃に上昇した。該混合物を還流温度(約79℃の内部温度)に達するまで約40分間にわたって加熱し、ついでさらに30分間攪拌し、サンプリングし、HPLC結果に基づいて4cが消費されたと結論付けた。該混合物を少し冷却し、約5.2Lの溶液が反応器に残るまで、減圧下で濃縮した。反応器の冷却を続けながら、その中身を水(5.1L)で希釈した。該溶液の温度が約16℃に達した時、水層のpHが2.5−3に調節されるまで、濃HCl(水性)をゆっくりと少しずつ添加した(合計2.2Lの濃塩酸を用いた)。メチルt−ブチルエーテル(8.5L)を充填した。該混合物を攪拌し、層を分離した。有機層を水(1.7L)で洗浄した。その有機層を約20℃で一夜保持し、ついで約2.8Lが反応器中に残るまで減圧下で濃縮した。トルエン(8.5L)を充填し、該混合物を減圧下で濃縮し、約6.8Lの蒸留された溶媒を集めた。トルエン(6.8L)を充填し、該混合物を50分間にわたって約90℃に加熱し、ついで50分間にわたって16℃に冷却した。該固体を濾過し、シクロヘキサン(1.7L)ですすいだ。該固体を真空下50℃で約2日間乾燥させ、1.04kgの乾燥生成物4dを得た。
段落4
Figure 2009516704
4d(783.35g)を3Lの丸底フラスコに充填した。ピリジン(783mL)を加えた。該溶液を約117℃で8−12時間加熱した。HPLCモニター観察で4dが2%よりも少ない場合に、反応は完了したとみなされた。該溶液をさらに蒸留物が得られなくなるまで真空下のロータリーエバポレーターで濃縮した。残留物を一夜保持した後、トルエン(4.7L)を添加し、つづいてHCl溶液(1.0N、3.13L)を、添加の間、温度が30℃より下に維持されるような速度で、ゆっくりと添加した。該混合物を10分間攪拌した。2層を分離し、水層を2.35Lのトルエンで抽出した。合した有機層を783mLのブラインで洗浄し、層を再び分離した。有機層を、約2.35Lの溶液が残るまで、濃縮した。さらに真空下で濃縮し、油状物(619g)を得た。收率は、HPLCを用いる重量/重量アッセイに基づいて約77%であると、推定された。
段階5
Figure 2009516704
トルエン中の4e(3.6kg、17.5モルと推定)、トリエチルアミン(3.5kg、34.9モル)およびベンジルアルコール(1.9kg、17.5モル)の全体量のトルエン(36L)中溶液を調製し、ついで70℃と80℃の間の内部温度に加熱した。ジフェニルホスホリルアジド(4.9kg、18.0モル)を、温度を70℃と80℃の間に維持しながら、35分間にわたってゆっくりと添加した。ジフェニルホスホリルアジドを含有する容器を1Lのトルエンですすぎ、反応器に加えた。添加が終了すれば、その含有物を約80℃で約15分間保持し、ついで該反応混合物を内部温度約100℃に加熱し、約11.5時間攪拌した。該反応混合物を約20℃に冷却し、一夜保持した。反応混合物を真空蒸留により約15Lにまで部分的に濃縮した。酢酸エチル(EtOAc、40L)および0.25N水酸化ナトリウム水溶液(18kg)を添加した。層を分離した。有機層を0.25N NaOH(22.4kg)で洗浄した。EtOAcを最小の攪拌可能な容量(約18L)まで真空蒸留を介して除去した。エタノール(200プルーフ、18L)を加え、残りのEtOAcを真空蒸留を介して約18Lまで除去した。該混合物を75℃に加熱し、すべての固体を溶かし(約15分)、ついで30℃と40℃の間に冷却した。該混合物に0.1重量%4f(3.6g)を播種し、1時間に10℃の速度で0℃にまでゆっくりと冷却した。エタノール(200プルーフ、5L)を添加し、攪拌可能な混合物を維持した。該混合物を0℃約13.5時間にわたってスラリーにした。固体を濾過し、ケーキをエタノール(200プルーフ、7.2L)で洗浄し、ついで真空下50℃で乾燥させ、4f(1.1kg、20.2%收率、98.1%化学純度、97.9%異性体純度)を得た。
段階6
Figure 2009516704
4f(27g)およびPd/C(3.9g、10%w/w)の酢酸(163mL)中懸濁液を、約50psiの下、20℃で1時間振盪し、50℃で約3−5時間加熱した。該反応混合物を室温に冷却し、濾過し、エタノールで洗浄し、濾液を約1容量が残るまで濃縮した。残りの油をエタノール(55mL)およびトリエチルアミン(55mL)に溶かした。ジ−t−ブトキシジカーボナート(14.5g)を添加し、該反応混合物を室温で週末の間攪拌した。該溶液を最低限の容量まで濃縮した。水(110mL)および塩化メチレン(68mL)を、ついで飽和炭酸水素ナトリウム(34mL)を添加した。2層を分離した。水層を塩化メチレン(2x68mL)で再度抽出した。合した有機層をブライン(33mL)で洗浄した。ついで、該溶液を濃縮した。シクロヘキサン(108mL)を添加し、ついで3.0容量に濃縮した。固体を濾過し、シクロヘキサン(27ml)で洗浄し、その湿ったケーキを真空下50℃で乾燥させ、15.5gの生成物、4gを95%の收率で得た。
段階7
Figure 2009516704
4g(17.9g)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(72mL)中透明溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(20.2g、1.3当量)を充填し、それにより内部温度が約30℃に上昇した。該混合物を室温で約30分間攪拌し、サンプリングし、HPLC結果に基づいて4gが消費されたと結論付けた。該混合物を氷浴で冷却しながら、水(約160mL)を加え、該混合物を約0℃で45分間攪拌した。固体を濾過し、水(約80mL)ですすいだ。固体を真空下約55℃で一夜乾燥させ、24gの生成物4hを得た。
段階8
Figure 2009516704
中間体1(1.89g、5ミリモル)のTHF(19mL)中溶液を約17℃に冷却した。ナトリウムtert−ペントキシド(1.38g、12.5ミリモル、2.5当量)を一度で添加した。該溶液を約18℃で30分間攪拌し、4h(1.54g、5.5ミリモル、1.1当量)を一度に添加した。該溶液を1ないし2時間攪拌した。水(9.5mL)をゆっくりと添加して反応物をクエンチし、つづいて飽和塩化アンモニウム溶液(9.5mL)を添加した。酢酸エチル(17mL)を加え、ついで該混合物を5分間攪拌した。得られた2層を分離し、水層を酢酸エチル(3.8mL)で抽出した。合した有機層を塩化アンモニウム飽和溶液(1.9mL)で洗浄し、ついで約15mLに濃縮した。
塩酸(濃縮物、8.0mL)を室温でゆっくりと添加し、得られた溶液を50℃で約4時間攪拌した。ついで該溶液を約15℃に冷却し、水(4mL)を加えた。水酸化ナトリウム溶液(25%、14mL)をゆっくりと添加し、pHを約13にした。酢酸エチル(19mL)を加え、2層を分離した。水層を酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。合した有機層を水(4mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ついで最低限の容量に濃縮した。アセトン(24mL)を加え、透明溶液が得られるまで攪拌した。L−(+)−酒石酸(0.75g、5.0ミリモル、1.0当量)の水(2.0mL)中溶液を攪拌しながら添加した。ついで、該懸濁液を室温で1時間攪拌し、単離した。該固体をアセトン(2mL)で洗浄し、ついで真空下50℃で乾燥させた。白色固体としての化合物IA(2.4g)を得た。
実施例5
実施例4から由来の中間体4fの調製
Figure 2009516704
4e(22.3g)のトルエン(220mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(41mL)中溶液を調製し、内部温度を95と105℃の間に加熱した。ジフェニル−ホスホリルアジド(26mL)を、加熱および気体発生を調整可能なレベルに維持する速度で、40分間にわたってゆっくりと添加した。該混合物を10分間攪拌し、ついでベンジルアルコール(12.5mL)を添加し、該反応物を約95℃の温度で約10時間攪拌した。該反応混合物を外界温度に冷却した。酢酸エチル(EtOAc、250mL)で希釈し、ついで0.25N水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(125mL)で洗浄した。層を分離した。有機層を0.25N NaOH(150mL)で洗浄した。EtOAcをロータリーエバポレーターを用いて除去した。イソプロパノール(100mL)を添加し、該混合物を80℃に加熱し、すべての固体を溶かし、ついで30と40℃の間に冷却した。該混合物に0.1重量%の4fを35℃の内部温度で播種し、ゆっくりと0℃と5℃の間に冷却した。該混合物を約0℃で1時間にわたってスラリーにし、ついで濾過し、必要とあればイソプロパノール(0−10℃)(約15ml)で洗浄した。該生成物を真空下50℃で乾燥させ、4f(13.3g、收率39%、90.6%異性体純度、90.2%化学純度)を得た。
実施例6
化合物IAの調製
Figure 2009516704
中間体1(807g)のTHF(4.0L)中溶液を、20Lのジャケット付き実験用反応容器中、約0℃に冷却した。ナトリウムtert−ペントキシド(587g)を約7分間にわたって少しずつ添加し、反応温度を10℃より下に維持した。該溶液を約15分間にわたって約15℃に加温し、ついでこの温度で約70分間攪拌し、該溶液を約−5ないし0℃に再度冷却した。中間体4h(600g)のTHF(4.0L)中溶液を、反応温度を5℃より下に維持するのに十分な速度で、約25分間にわたってゆっくりと添加した。該溶液を約2時間攪拌した。反応温度を約18℃に維持しながら、水(3.2L)をゆっくりと添加し、反応物をクエンチした。該溶液を、残りが約6.5Lとなるまで、真空下で濃縮した。ジクロロメタン(6.0L)を加え、得られた2層を分離し、水層をジクロロメタン(各3.0L)で2回抽出した。合した有機層を水(1.7L)で洗浄し、ついで該有機層を約2Lの溶液が残るまで濃縮した。THF(2.8L)を加え、該溶液を外界条件で約2.5日間維持した。
該溶液を約5℃に冷却し、反応温度を<25℃に維持しながら、濃塩酸(3.4L)をゆっくりと添加した。得られた混合物を34℃に20分間にわたって加温し、約35℃で約2.5時間攪拌し、その時点でHPLCによれば反応は完了しているようであった。ついで、該溶液を約5℃に約20分間にわたって冷却し、水(1.6L)を添加した。水酸化ナトリウム溶液(25%)をゆっくりと添加し、pHを約9.0にした。該混合物を真空下約15℃で濃縮した。ジクロロメタン(6.0L)を加え、2層を分離した。水層をジクロロメタン(3.0L、ついで2.0L)で抽出した。合した有機層をブライン(2.0L)で、ついで水(2.0L)で洗浄し、つづいて約2.2Lの最終容量に濃縮し、一夜放置した。アセトニトリル(9.6L)を加え、該溶液を、約12Lが残るまで、真空下で濃縮した。水(580mL)を加え、該混合物を約50−55℃に加熱し、L−(+)−酒石酸(319g)の水(0.58L)中溶液を攪拌しながら少しずつ添加した。ついで、該溶液を55℃で1時間攪拌し、高粘度のスラリーを形成させ、ついで55分間にわたって約15℃に冷却し、濾過により単離した。該固体をアセトニトリル(1.6L)で洗浄し、ついで真空下50℃で乾燥させた。白色固体としての化合物IA(966g)を70%の收率にて得た。
実施例7 化合物IAの再結晶化
1000mLのジャケット付き反応容器に50gの粗化合物IAを充填した。アセトニトリル(150mL)および水(62.5mL)を充填した。透明な溶液を得るために、該スラリーを攪拌し、約70℃に加熱した。溶解したならば、該溶液を約15分間にわたって65℃に冷却し、約1時間保持した。粉砕した種晶(0.1w/w%)を加えた(50mg/5mLアセトニトリル)。得られた懸濁液を30分間65℃で攪拌し、ついで約20分間にわたって50℃に冷却した。温度を48−50℃に維持し、55mLのアセトニトリルを15分毎に2時間充填した。スラリーを1.5時間にわたって0℃に冷却した。該冷却スラリーを15時間攪拌し、減圧濾過により固体を単離した。反応器およびケーキをアセトニトリル(200mL)で洗浄した。該ケーキを窒素圧の下で軽く乾燥させ、真空下で3時間、50−55℃に加熱した。該操作により、46.2gの白色固体、化合物IA(92重量%)を得た。
実施例8
保護された化合物IAの調製
Figure 2009516704
中間体1(10.0g)をトルエン(35mL)に混合し、氷浴にて冷却した。トルエン中ナトリウムtert−ペントキシドの25重量%溶液(29.2g溶液)を該混合物に加えた。温度が12℃に達し、該混合物を1ないし2時間攪拌した。4h(10.0g)のNMP(20mL)およびトルエン(40mL)中溶液を調製し、該反応物に5分間にわたって添加した。温度が9℃に達する。反応物を一夜攪拌し、2Mクエン酸(50mL)でクエンチし、0.5時間攪拌し、pH4−5を得た。相を分離し、有機層を水(50mL)で洗浄した。相を分離し、生成物含有の有機相をさらに使用するまで貯蔵した。
実施例9
化合物Iの調製
Figure 2009516704
8a(8.2g、粗製物)のトルエン(55ml)中溶液を15℃に冷却し、濃塩酸(12.3mL)を添加した。該混合物を3時間攪拌し、週末にわたって0℃で貯蔵した。層が2相に分離し、下段の水層を5時間にわたって30%水酸化アンモニウム(16.4mL)、水(8.2mL)、IPA(8.2mL)および酢酸エチル(32.8mL)の混合物を含有し、約15℃に冷却されている別の容器にゆっくりと添加した。該混合物を約25℃で約0.5時間攪拌した後、下段の水層を分離して廃棄し、上段の有機層を水(24.6mL)で洗浄した。その上層を濃縮して、7.5gの粗生成物を油状物として得た。
実施例10
化合物IAの再結晶化
206mgの化合物IAを1L容量のアセトニトリル/水(10/1、容量/容量)に溶かした。その透明な溶液を冷却し、化合物IAを播種した。白色固体を室温で単離し、80%の收率を得た。該固体をHPLC(92.4% PAR)、DSCおよび顕微鏡使用により分析した。
実施例11
化合物IAの再結晶化
173mgの化合物IAを還流温度で15容量のn−プロパノール(3容量%の水を含有する)に溶かした。透明な溶液を冷却し、化合物IAを播種した。白色固体を收率55%にて単離した。該固体をHPLC(94% PAR)、DSCおよび顕微鏡使用により分析した。
実施例12
化合物IAの再結晶化
258mgの化合物IAを還流温度で15容量のn−プロパノール(5容量%の水を含有する)に溶かした。該溶液を0℃に冷却し、結晶化を促進した。白色固体を收率76%にて単離した。該固体をHPLC(96.9% PAR)および顕微鏡使用により分析した。
実施例13
化合物IAの再結晶化
151mgの化合物IAを還流温度で15容量の2−ブタノン(7容量%の水を含有する)に溶かした。該溶液に播種し、ついで0℃に冷却し、結晶化を促進した。白色固体を收率67%にて単離した。該固体をHPLC(88.6% PAR)、DSCおよび顕微鏡使用により分析した。
実施例14
化合物IAの再結晶化
1.87gの化合物IAを5容量のアセトンおよび0.25容量の水と混合し、加熱して溶解させた。透明な溶液を室温にゆっくりと冷却した。一夜攪拌すると、固体が析出した。該懸濁液を0℃に冷却し、単離操作に付した。顕微鏡検査を行った。
実施例15
化合物IAの再結晶化
3gの化合物IAを5容量の75℃のアセトニトリル/水(3/1、容量/容量)に溶かした。透明な溶液を65℃に冷却し、化合物IAを播種した。該懸濁液を8容量のアセトニトリルで10分間にわたって希釈した。該懸濁液を0℃に冷却し、一夜放置した。白色固体を単離し、真空下、55℃で一夜乾燥させ、收率92%を得た。固体をXRPD、H NMR、HPLC(93.9% PAR)、DSC、TG、LOD(4.25%)および顕微鏡使用により分析した。
実施例16
化合物IAの調製
410mgの化合物Iを15容量の2−プロパノールに溶かした。水に溶かした酒石酸の透明な溶液(142mg、1.1当量、0.31mLの水中)を添加した。混濁した懸濁液を還流温度に加熱し、溶解させた。その透明な溶液を50℃に冷却し、化合物IAを播種した。さらに5容量の2−プロパノールを加え、攪拌を助成した。白色固体を0℃で単離し、78.3%收率を得た。該固体をHPLC(95.6% PAR)、DSC、TGおよび顕微鏡使用により分析した。
実施例17
化合物IAの調製
525mgの化合物Iを8容量のアセトニトリルに溶かした。水に溶かした酒石酸の透明な溶液(165mg、1.1当量、0.42mLの水中)を添加した。混濁した懸濁液を溶解させるのに加熱した。さらに2容量のアセトニトリルおよび1容量の水が還流温度で溶解させるのに必要とされた。その透明な溶液を50℃に冷却し、化合物IAを播種した。さらに5容量のアセトニトリルを加え、攪拌を助成した。白色固体を0℃で単離し、79.5%收率を得た。該固体をHPLC(96.2% PAR)、DSC、TGおよび顕微鏡使用により分析した。
実施例18
化合物IAの調製
1gの化合物Iを10容量のアセトニトリルに78℃の浴温度で溶かした。水に溶かした酒石酸の透明な溶液(346mg、1.1当量、1mLの水中)を添加した。その含有物は透明となり、ついで結晶化が同時に始まった。さらに1.5容量の水が還流温度ですべての固体を溶解させるのに加えられた。その透明な溶液を70℃に冷却し、1重量%の化合物IAを播種した。さらに5容量のアセトニトリルを加え、攪拌を助成した。白色固体(針状晶)を0℃で単離し、68.4%收率を得た。該固体をDSC、TGおよび顕微鏡使用により分析した。
使用方法
化合物Iは、S. pneumoniae、H. influenzae、M. catarrhalis、S. aureusおよびS. pyogenesを含む、一次呼吸器病原菌に拮抗する優れたインビトロ抗菌活性、ならびに他の抗生物質(ペニシリン、マクロライド、メチシリンまたはレボフロキサシン耐性表現型)に対する耐性決定因子を保有する単離体に拮抗する活性を示す。化合物Iはまた、C. pneumoniae、L. pneumophilaおよびM. pneumoniaeを含む、非典型的病原菌に拮抗する優れたインビトロ活性を示す。加えて、化合物Iは、生体脅威生物(biothreat organism)のF. tularensis、嫌気性生物、ならびにN. meningitidisおよびシプロフロキサチン感受性および耐性両方のN.gonorrhoeaeを含む、Neisserria sp.に対して優れたインビトロ活性を示す。したがって、もう一つ別の態様において、本発明は、安全かつ有効量の化合物IAをその必要とする患者に投与することを含む、呼吸器感染症の治療法を対象とする。
化合物Iは、S. aureusおよびS. pyogenes、皮膚および皮膚組織感染に関与する一次病原体に対して優れたインビトロ抗菌活性を示す。化合物Iはまた、他の抗生物質(ペニシリン、マクロライド、メチシリンまたはレボフロキサシン耐性表現型)に対する耐性決定因子を保有するS. aureusおよびS. pyogenes単離体に拮抗する活性を保持する。したがって、もう一つ別の態様において、本発明は、安全かつ有効量の化合物IAをその必要とする患者に投与することを含む、皮膚および皮膚組織感染の治療法を対象とする。
化合物IAの抗菌活性を試験するアッセイは当業者に公知である。
本明細書で用いる場合、「患者」なる語はヒトまたはその他の動物をいう。
本明細書で用いる場合、症状に関連して「治療する」なる語は:(1)症状あるいは症状の1つまたは複数の生物学的兆候を軽減または防止すること、(2)(a)症状に至るあるいは症状に関与する生物学的カスケードの1つまたは複数の時点で、または(b)症状の1つまたは複数の生物学的兆候に干渉すること、(3)症状に付随する1つまたは複数の兆候または作用を軽減すること、または(4)症状あるいは症状の1つまたは複数の生物学的兆候の進行を遅らせること、を意味する。
上記したように、症状の「治療」とは症状の予防を包含する。「予防」が絶対的な用語でないことは当業者には明らかであろう。医学において、「予防」とは、症状またはその生物学的兆候の可能性または重度を実質的に軽減するために、または症状またはその生物学的兆候の発症を遅らせるために、薬物を予防的に投与することをいうと理解される。
本明細書で用いる場合、化合物IAまたは他の医薬上活性な物質に関連して「安全かつ有効な量」なる語は、(利益/危険の合理的な割合で)重度の副作用を回避するのに十分に少ないが、患者の症状を治療するのに十分であり、正常な医学的判断の範囲内にある化合物の量を意味する。化合物の安全かつ有効な量は、(例えば、化合物の効能、有効性および半減期を考慮して)選択される個々の化合物;選択される投与形路;治療すべき症状;治療すべき症状の重篤度;治療されるべき患者の年齢、体重、物理的状態;治療されるべき患者の病歴;治療期間;併用療法、望ましい治療効果;および同様の因子で変化するが、当業者であれば慣用的に決定することができる。
本発明の化合物は、全身投与および局所投与の両方を含め、適当ないずれの投与形路によっても投与することができる。全身投与は、経口投与、非経口投与、経皮投与、経直腸投与、および吸入投与を包含する。非経口投与は、腸内投与、経皮投与または吸入投与以外の投与形路をいい、典型的には、注射または注入による投与である。非経口投与は静脈内、筋肉内および皮下注射または注入を包含する。吸入は、口を介するか、または鼻腔を介するかのいずれかで患者の肺に吸入される投与をいう。局所投与は、皮膚への塗布、ならびに眼内、耳、膣内および直腸内投与を包含する。
本発明の化合物は、一度に投与されてもよく、あるいは所定の期間に可変的な間隔で複数回投与する投与計画に従って投与されてもよい。例えば、単回用量が一日に1回、2回、3回または4回投与されてもよい。投与は、所望の治療効果が得られるまで、あるいは所望の治療効果がいつまでも維持されるまで投与されてもよい。化合物IAの適当な投与計画は、当業者の測定することができる、吸着性、分散性および半減期などの化合物の薬理学的特性に依存する。加えて、化合物IAについて、かかる計画を行う持続期間を含む、適当な投与計画は、治療すべき症状、治療すべき症状の重篤度、治療されるべき患者の年齢および物理的状態、治療されるべき患者の病歴、併用療法の特性、望ましい治療効果、ならびに当業者の知識および経験の範囲内にある同様の因子に依存する。適当な投与計画は、その投与計画に対する個々の患者の応答に応じて、あるいは個々の患者が変化を必要とする場合に経時的に調整を必要とすることが当業者であればさらに分かるであろう。
典型的な日用量は選択される個々の投与経路に応じて変化するかもしれない。経口投与の場合、典型的な日用量は、約100mgないし約3000mg/日の範囲内にある。本発明の一の実施形態において、患者は一日に約250mgないし約2000mg投与される。もう一つ別の実施形態において、患者は一日に約1000mgないし約2000mg投与される。もう一つ別の実施形態において、患者は一日に約1000mg投与される。もう一つ別の実施形態において、患者は一日に約2000mg投与される。
本発明はまた、薬物療法、特に呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染に用いるための化合物IAを提供する。かくして、さらなる態様において、本発明は、呼吸器ならびに皮膚および皮膚組織感染の治療用医薬の調製における化合物IAの使用を対象とする。
組成物
本発明の化合物は、必須ではないが、患者に投与される前に、医薬組成物に処方されるのが一般的である。したがって、もう一つ別の態様において、本発明は化合物IAならびに1種または複数の医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物を対象とする。
本発明の医薬組成物は、化合物IAの安全かつ有効量を抽出することができ、ついで患者に付与することのできるバルク形態にて、例えば散剤またはシロップで調製して梱包されてもよい。別法として、本発明の医薬組成物は、個々の物理的に別個の単位が化合物IAの安全かつ有効量を含有する単位投与形態にて調製かつ梱包されていてもよい。単位投与形態にて調製される場合、本発明の医薬組成物は、典型的には、約100mgないし約1000mgを含有する。
本明細書で用いる場合、「医薬上許容される賦形剤」とは、形態の付与に関与するか、あるいは医薬組成物とコンシステントの関係にある医薬上許容される物質、組成物またはビヒクルを意味する。賦形剤の各々は混合した場合に医薬組成物の他の成分と適合するものでなければならず、患者に投与した時に化合物IAの効能を実質的に減少させる相互作用、および医薬組成物にもたらされる医薬上許容できない相互作用は、回避される。加えて、各賦形剤は、医薬上許容できる程度に、もちろん十分に高い純度でなければならない。
化合物IAおよび医薬上許容される賦形剤(複数でも可)は、典型的には、所望の投与形路により患者に投与するのに適する剤形に処方されるであろう。例えば、剤形として、(1)錠剤、カプセル、カプレット、ピル、トローチ、散剤、シロップ、エリキシル、懸濁液、液剤、エマルジョン、サッシェおよびカシェなどの経口投与;(2)滅菌液剤、懸濁液および復元用散剤などの非経口投与;および(3)クリーム、軟膏、ローション、液剤、ペースト、スプレー、フォームおよびゲルなどの局所投与に適するものが挙げられる。
適当な医薬上許容される賦形剤は、選択される個々の剤形に応じて変化するであろう。加えて、適当な医薬上許容される賦形剤は、それらが組成物において目的を果たす個々の機能について選択されてもよい。例えば、特定の医薬上許容される賦形剤は、均一な剤形の生成を容易にするその能力について選択されてもよい。特定の医薬上許容される賦形剤は、安定した剤形の生成を容易にするその能力について選択されてもよい。特定の医薬上許容される賦形剤は、患者に投与されると、体の一の器官または部分から他の器官または部分に化合物IAを運ぶまたは輸送することを容易にするその能力について選択されてもよい。特定の医薬上許容される賦形剤は、患者のコンプライアンスを向上させるその能力について選択されてもよい。
適当な医薬上許容される賦形剤は、以下の型の賦形剤を包含する:
希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動促進剤、顆粒化剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、補助溶媒、沈殿防止剤、乳化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、フレーバーマスキング剤、着色剤、凝固防止剤、ヘメクタント(hemectant)、キレート化剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、安定化剤、界面活性剤および緩衝剤。当業者であれば、特定の医薬上許容される賦形剤が一以上の機能を供し、賦形剤が処方中にどの程度存在するか、処方中に他の賦形剤が存在するかに応じて別の機能を供するかを認識するであろう。
当業者は彼らが本発明にて使用するための適切な量の適当な医薬上許容される賦形剤を選択することを可能とする知識および技術を有する。加えて、医薬上許容される賦形剤を記載し、適当な医薬上許容される賦形剤を選択するのに有用な、当業者に利用可能な多数の情報源がある。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives(Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients(the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
本発明の医薬組成物は当業者に公知の技術および方法を用いて調製される。当該分野にて一般に使用される方法のいくつかはRemington's Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company)に記載されている。
一の態様において、本発明は、錠剤またはカプセルなどの固体経口剤形であって、化合物IAの安全かつ有効量および希釈剤または充填剤を含む剤形を対象とする。適当な希釈剤および充填剤として、ラクトース、シュークロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、澱粉(例えば、トウモロコシ澱粉、イモ澱粉、および糊化澱粉)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微結晶セルロース)、硫酸カルシウム、および二塩基性リン酸カルシウムが挙げられる。経口固体剤形はさらに、結合剤を含んでいてもよい。適当な結合剤は澱粉(例えば、トウモロコシ澱粉、イモ澱粉および糊化澱粉)、ゼラチン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカント、グアガム、ポビドンおよびセルロースおよびその誘導体(例えば、微結晶セルロース)を包含する。経口固体剤形はさらに崩壊剤を含んでいてもよい。適当な崩壊剤はクロスポビドン、澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、アルギン酸およびカルボキシメチルセルロースナトリウムを包含する。経口固体剤形はさらに滑剤を含んでいてもよい。適当な滑剤はステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよびタルクを包含する。
化合物IAのX−線粉末回折図を示す。

Claims (14)

  1. トランス−3−アミノシクロブチル(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)−4−エテニル−3−ヒドロキシ−2,4,7,14−テトラメチル−9−オキソトリクロロ[5.4.3.01,8]テトラデカ−6−イル イミドジカルボナートのL−酒石酸塩。
  2. 以下の構造式で示される、請求項1記載の塩:
    Figure 2009516704
  3. 固体の状態にある、請求項2記載の塩。
  4. 溶媒和物である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の塩。
  5. 非化学量論水和物である、請求項4記載の塩。
  6. 塩が約2%ないし約7%の水を含有する、請求項5記載の非化学量論水和物。
  7. 塩が約2%ないし約6%の水を含有する、請求項5記載の非化学量論水和物。
  8. 塩が約4%ないし約6%の水を含有する、請求項5記載の非化学量論水和物。
  9. 結晶形態である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の塩。
  10. 以下の6.7±0.1(°2θ)、10.0±0.1(°2θ)、11.7±0.1(°2θ)、13.2±0.1(°2θ)、13.7±0.1(°2θ)、14.2±0.1(°2θ)、20.4±0.1(°2θ)および23.5±0.1(°2θ)の位置に特徴的なピークを有する、請求項1記載の塩。
  11. 図1に示されるXRPDパターンと実質的に同じXRPDパターンにより特徴付けられる、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の塩。
  12. 請求項1ないし11のいずれか一項に記載の塩と、1種または複数の医薬上許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  13. 安全かつ有効量の請求項1ないし11のいずれか一項に記載の塩をその必要とする患者に投与することを含む、呼吸器感染の治療方法。
  14. 安全かつ有効量の請求項1ないし11のいずれか一項に記載の塩をその必要とする患者に投与することを含む、皮膚および皮膚組織感染の治療方法。
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