JP2009515749A - 自動車用ウィンドデフレクタ - Google Patents

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Abstract

本発明は、車両の一部分に取り付けることができるベース要素(2)、ベース要素に対して旋回可能に装着される展開要素(3)、展開要素(3)を格納位置と展開位置との間で旋回させるための調整装置(7)、および少なくともベース要素(2)と展開要素(3)との間の部分に設けられ、かつ弾性材料で構成される少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)を備える、自動車用ウィンドデフレクタ(1)に関する。

Description

本発明は、自動車用ウィンドデフレクタに関する。
自動車の任意の所望領域に使用できるが、本発明および本発明の課題を、自動車のスライド式ルーフに関して詳細に説明する。本発明の概念を、例えば、車両のポップアップルーフまたはサンルーフに使用することもできる。
自動車のスライド式ルーフの場合に一般的に公知の課題は、カバーが開放している時に、車両が低速〜中速で移動していると、車両の内部に周期的な圧力変動が発生し得ることである。前記周期的な圧力変動は、主に「ブーン」という低音で、聴覚的に顕著に現れる。一般的にウィンドデフレクタを使用して、前記圧力変動を回避する。
ウィンドデフレクタは一般的に、例えば、スライド式ルーフのカバーが開放位置にある時に、自動車の空気の流れの状態を改善する機能を有する。ウィンドデフレクタは、通常走行方向から見て、カバーが開かれたルーフ開口部の前端部に配置され、かつカバーが開放している時に、車両ルーフの外面の下に位置する引っ込んだ位置から展開位置へ移される。
特許文献1には、車両ルーフへの取り付け用に設けられたベース要素を有する車両ルーフ用ウィンドデフレクタが開示されている。さらに、ウィンドデフレクタは、ベース要素に枢支連結される展開要素を含む。ベース要素および展開要素には通気性デフレクタ要素、ならびに展開要素を展開位置に押し出す少なくとも1つの展開バネが設けられる。展開位置では、ベース要素と展開要素との間でデフレクタ要素が引張られる。この場合、デフレクタ要素はベース要素および展開要素に固定式に挿入される。
しかしながら、従来技術によるこの手法の欠点は、デフレクタ要素が、ベース要素および展開要素への一体的で固定式の挿入を介してしっかりと接続されていることである。展開要素は、展開位置では2つの側部領域においてベース要素に対して傾斜したプロファイルをとるので、この種の挿入の場合には、デフレクタ要素を、全範囲にわたって、特に展開要素とベース要素との間の展開要素の側方領域において引張ることは技術的に実現不可能であるかまたは非常に費用をかけた場合にのみ可能である。なぜなら、デフレクタ要素を、展開要素とベース要素との間の変動する距離に正確に適合する必要があるからである。所定の製造公差、例えば、熱膨張などによって発生する遊びは、この種の固定式の挿入によって補償されないので、完全に、特に側部領域においてデフレクタ要素を引張ることができない。
これは第一に、全体的印象を視覚的に魅力的なものにしない。なぜなら、デフレクタ要素が少なくとも一部分において引張られていない状態を有し、それゆえたるむからである。第二に、引張られていないまたはたるんでいるデフレクタ要素は、デフレクタ要素がはためくことによってルーフ領域に望ましくない騒音を生成する。
さらに、本出願人に、スライド式ルーフの内部のサイドスクリーン、蛇腹(concertina)様形状のサイドスクリーンが知られている。サイドスクリーンは、プラスチックで構成され、かつベローズの折り目が長手方向にあるベローズ部分を形成する。スライド式ルーフカバーの旋回中に、前記ベローズを伸張させるかまたは圧縮する。
しかしながら、この手法の欠点は、この種の蛇腹様スクリーンは、構造物用スペースを多く必要とし、比較的重量が重いことである。
独国特許出願公開第102 10 142A1号明細書
本発明の目的は、上述の欠点を排除すること、特に、シンプルで費用効果的な手法で覗き見から保護すること、同時に確実に最適な空気の流れの状態にすることを含むウィンドデフレクタを提供することに基づく。
この目的は、特許請求項1の特徴を有するウィンドデフレクタによる本発明によって達成される。
本発明が基にする概念は、自動車に取り付けることのできるベース要素、ベース要素に対して相対的に旋回可能に装着される展開要素、展開要素を格納位置と展開位置との間で旋回させるための調整装置、および少なくともベース要素と展開要素との間の部分に設けられ、かつ弾性的な伸縮性材料で構成される少なくとも1つの遮蔽デバイス(スクリーニングデバイス)を備えるウィンドデフレクタに関する。
それゆえ本発明は、単純で費用効果的に、覗き見から確実に保護し、同時に前記保護は、スペースを取らず軽量な、騒音からの保護および空気のアンダーフローの回避からなり、従来技術による公知の手法よりも有利である。弾性遮蔽デバイスは、その弾性が高いことにより、展開要素の特定の状態に適合し、展開要素の位置毎に、関連する領域の全域を確実に覆う。構造スペースを多く取る複雑な蛇腹様ベローズ装置が好適に回避され得る。
特許請求項1に示すウィンドデフレクタの有利な改良形態および改善形態は、従属請求項から明らかとなる。
好ましい発展形態によれば、少なくとも1つの遮蔽デバイスを、一体の弾性構造として設計する。これにより確実に、覗き見から連続的に保護し、かつ空気の流れの状態を好ましいものにする。
別の好ましい発展形態によれば、少なくとも1つの遮蔽デバイスは、弾性材料またはエラストファイバー(elastofiber)、例えばエラスタン(elasthan)および/またはエラストジエン(elastodiene)などを有する。そのような材料または繊維は非常に伸縮性があり、張力が取り除かれるとほとんど元の状態に戻る。それゆえ、この種の繊維で構成される遮蔽デバイスが占める構造スペースは、展開要素の格納位置において可能な限りわずかである一方で、遮蔽デバイスは、展開要素の展開位置においては確実に全域を覆う。
別の好ましい例示的実施形態によれば、少なくとも1つの遮蔽デバイスは、弾性の織物構造を持つ材料を有する。弾性織構造を有する遮蔽デバイスは、同様に伸縮性が高く、かつ同様に張力が取り除かれると実質的に元の状態に戻る。それゆえ、この種の遮蔽デバイスも、展開要素の格納位置において占める構造物用のスペースは少なく、展開要素が展開位置にある時には、それに応じて全域にわたって引張られて、ベース要素と展開要素との間の中間スペースの全域を覆う。
別の好ましい例示的実施形態によれば、少なくとも1つの遮蔽デバイスは、少なくとも1つのエラストマー、例えば軟質プラスチック、天然ゴムなどを有する。この種の遮蔽デバイスはゴム弾性挙動を有し、それに応じた力がかけられると元の長さの数倍に伸張でき、同様に、伸張させるために必要とされた力を取り除いた後には、ほぼその初期長に再び戻る。それゆえ、展開要素が展開位置にある時には、弾性的に伸張された状態にあるこの種の遮蔽デバイスは、同様に関連する面を完全にカバーし、かつ対応して収縮して展開要素の格納位置において占める構造物用のスペースを少なくする。
それぞれの一体遮蔽デバイスを、好ましくはU字形のウィンドデフレクタの側方リムの領域の各々に設ける。それゆえウィンドデフレクタの両側の流動性は良好であり、それぞれ覗き見から好適に保護される。
各遮蔽デバイスを好ましくはベース要素および展開要素に取り付けることができる。この種の取り付けは、例えば、解放可能な接続によってまたは固定式接続によってもたらされ得る。例えば、ウィンドデフレクタ要素全体を、本発明による単一部品の遮蔽デバイスによって有利に実現する。
本発明を以下、例示的実施形態を使用しかつ添付の図面を参照して詳細に説明する。
図は、本発明の好ましい例示的実施形態による、遮蔽デバイス5、6が一体化されたウィンドデフレクタ1の斜視図である。
図面から明らかなように、ウィンドデフレクタ1は、例えば、ルーフ開口部の組み立てフレームに留められ得るベース要素2を含む。ルーフ開口部を、スライド式ルーフのカバーによって閉鎖できる。ベース要素2は、例えばプラスチックで構成され、ほぼU字形の形態を有し、かつルーフ開口部の前縁部に沿っておよび少なくとも部分的には側方縁部に沿って取り付けられる。
さらに、ウィンドデフレクタ1は同様のU字形の展開要素3を有し、展開要素3は、枢着装置7によってベース要素2に対して格納位置と展開位置との間を旋回できるように装着される。例えば、展開要素3がベース要素2に対して旋回可能に結合される。
さらに、ベース要素2と展開要素3との間の前部領域にはフロントデフレクタ要素4が設けられ、前記デフレクタ要素は、通気性材料、例えば通気性ファブリックまたはプラスチックの通気性シートなどで構成される。図に示すように、展開要素3が展開される時に、フロントデフレクタ要素4がベース要素2と展開要素3との間で引張られるように、フロントデフレクタ要素4はベース要素2および展開要素3に結合される。
さらに、ウィンドデフレクタ1は、図に示すように、例えば2つの側方遮蔽デバイス5、6を有する。例えば、一方の側方遮蔽デバイス5は、ベース要素2のうち図の右側に示す側方リム20と、展開要素3のうち図の右側に示す側方リム30との間に配置される一方で、他方の側方遮蔽デバイス6は、それに対して対称的に、対向する側のベース要素2のうち図の左側に示す側方リム21と、展開要素3のうち図の左側に示す側方リム31との間に設けられる。2つの遮蔽デバイス5、6は、好ましくはそれぞれ、ベース要素2および展開要素3の関連部分に固定式に取り付けられる。しかしながら、展開要素3のベース要素2の関連部分への遮蔽デバイス5、6の解放可能な接続も考えられる。
遮蔽デバイス5、6は、好ましくはそれぞれ一体構造として設計され、かつ伸縮性の高い材料で構成される。例えば、遮蔽デバイス5、6は、非常に伸縮性がありかつ張力が取り除かれるとほとんど元の状態に戻るエラストファイバー(Elastofibers)で構成される。例えば、高分子繊維で構成されるエラスタン(Elasthan)をエラストファイバーとして使用できる。代替的にまたは追加的に、エラストジエン(Elastodienes)、すなわち合成高分子で構成される繊維を使用してもよい。例えば天然ゴムなどから形成されるゴム繊維も、同様に考えられる。使用される材料が、高い弾性を有することが重要である。
代替例または追加例として、側方遮蔽デバイス5、6を、同様に優れたゴム弾性挙動を有しかつその長さの数倍に伸張できるエラストマーで構成することもできる。これらの材料もまた、伸張するために必要とされた力を取り除くと、即座に再びほぼそれらの初期長に戻る。この場合、例えば、軟質プラスチックなどの合成エラストマーや天然エラストマーを使用でき、かつ所望により互いに組み合わせることができる。
任意の所望の伸縮性材料または遮蔽デバイスを使用できることが当業者には明らかであり、上述の例は、単なる例であり、所望により互いに組み合わせることができることが理解される。
図に示すように、側方遮蔽デバイス5、6を好ましくはそれぞれフロントデフレクタ要素4に直接隣接して配置し、例えば、上述の特徴を有する遮蔽デバイスのようにフロントデフレクタ要素4を同様に設計することが可能である。フロントデフレクタ要素4および側方遮蔽デバイス5、6を単一部品の遮蔽デバイスとして、それゆえ連続的な一体構造として一緒に形成することも考えられる。
側方遮蔽デバイス5、6を弾性の織物構造を有する材料で構成することも可能である。弾性織物構造を有するこの種の材料は、同様に非常に伸縮性があり、本発明の目的に好適である。
展開要素3が図示の展開位置からベース要素2の方向へ旋回される、展開要素3の格納位置では、遮蔽デバイス5、6は、それらの初期状態にある。展開要素3が格納位置(図示せず)から(図に示す)展開位置へ旋回される時、遮蔽デバイス5、6はそれらの弾性特性によって、図から明らかなように、それぞれベース要素2および展開要素3の関連リム20と30との間および21と31との間で完全に引張られるように、弾性的に伸縮される。
その結果、本発明は、構造物が占めるスペースが少なく、かつ展開要素が展開される時には、覗き見からの領域全体の保護、騒音からの保護および有利にはアンダーフローを回避するように風からの保護を実現する側方遮蔽デバイスを有するウィンドデフレクタを提供する。
好ましい例示的実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、様々な手法で修正可能である。
本発明の好ましい例示的実施形態による、遮蔽デバイス5、6が一体化されたウィンドデフレクタ1の斜視図である。
符号の説明
1…ウィンドデフレクタ、2…ベース要素、20…側方リム、21…側方リム、3…展開要素、30…側方リム、31…側方リム、4…フロントデフレクタ要素、5…側方遮蔽デバイス、6…側方遮蔽デバイス、7…枢着装置

Claims (7)

  1. 自動車部に取り付けることのできるベース要素(2)と、
    前記ベース要素に対して相対的に旋回可能に取り付けられる展開要素(3)と、
    格納位置と展開位置との間で前記展開要素(3)を旋回させるための調整装置(7)と、
    少なくとも前記ベース要素(2)と前記展開要素(3)との間のセクションに設けられ、弾性的に伸縮可能な材料で構成される少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)とを有する自動車用ウィンドデフレクタ(1)。
  2. 前記少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)は、一体弾性構造として設けられることを特徴とする請求項1に記載のウィンドデフレクタ。
  3. 前記少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)は、例えばエラスタンおよび/またはエラストジエンといった、弾性材料またはエラストファイバーで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のウィンドデフレクタ。
  4. 前記少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)が、弾性織物構造を持つ材料を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のウィンドデフレクタ。
  5. 前記少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)が、少なくとも1つのエラストマー、例えば軟質プラスチック、天然ゴム、等によって構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のウィンドデフレクタ。
  6. U字形のウィンドデフレクタ(1)の側方リム(20、30;21、31)の領域の各々に、一体的な遮蔽デバイス(5、6)が設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のウィンドデフレクタ。
  7. 前記少なくとも1つの遮蔽デバイス(5、6)が、前記ベース要素(2)および前記展開要素(3)に取り付け可能であることを特徴とする請求項6に記載のウィンドデフレクタ。
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