JP2009513655A - ノシセプチンレセプターorl−1のリガンドとしての8−[ビス−(2−クロロ−フェニル)−メチル]−3−フェニル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸アミド - Google Patents

ノシセプチンレセプターorl−1のリガンドとしての8−[ビス−(2−クロロ−フェニル)−メチル]−3−フェニル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸アミド Download PDF

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Abstract

以下の式の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物、従って薬学的組成物、ならびに不安の処置において有用なノシセプチンレセプターインヒビターとしての該化合物の使用が、開示される。本発明の化合物は、ORL−1レセプターのアゴニストおよび/またはアンタゴニストであり、したがって、別の局面において、本発明は、疼痛、不安、咳、喘息、アルコール乱用もしくはうつを処置する方法に関し、この方法は、そのような処置が必要な哺乳動物に、有効量の式Iの化合物を投与する工程を包含する。

Description

(背景)
ノシセプチン(nociceptin)レセプターORL−1は、動物モデルにおける疼痛の調節に関与していることが示されてきた。ORL−1(ノシセプチンレセプター)は、「オーファンオピオイド様レセプター」(すなわち、レセプターのリガンドが未知であるレセプター)として開示された。このノシセプチンレセプターは、Gタンパク結合レセプターである。これは、3つの古典的オピオイドレセプター(すなわち、従来のオピオイド鎮痛薬の標的)と、非常に構造において関連しているが、内因性オピオイドによって活性化されない。同様に、内因性オピオイドは、このノシセプチンレセプターを活性化しない。古典的オピオイドレセプターと同様に、このノシセプチンレセプターは、中枢神経系における広範な分布を有する。
1995年末に、ノシセプチンは発見され、そしてノシセプチンレセプターを活性化する内因性ペプチドリガンドであることが示された。最初の刊行物に含まれるデータは、ノシセプチンおよびそのレセプターが、痛みの刺激の認識に関与する新規に発見された経路の一部であることを示唆した。多くの研究室からのその後の研究は、ノシセプチンが、げっ歯類に脊髄内投与された場合に、鎮痛薬であることを示した。ノシセプチンの効力は、内因性オピオイドペプチドの効力と類似である。近年のデータは、ノシセプチンが、げっ歯類の脳に直接投与された場合、抗不安薬(axiolytic)として作用することを示した。不安の標準的動物モデルにおいて試験した場合、ノシセプチンの効力は、古典的ベンゾジアゼピン抗不安薬によって見られる効力と類似である。これらのデータは、ノシセプチンレセプターの低分子アゴニストは、有意な鎮痛活性もしくは抗不安活性を有し得ることを示唆している。
さらなる近年のデータ(非特許文献1)は、単離されたモルモット気管支におけるノシセプチンレセプターの活性化は、タキキニン作動性かつ非アドレナリン作動性−コリン作動性収縮を阻害する。このことは、ノシセプチンレセプターアゴニストは、喘息の処置において有用であり得ることを示す。また、ノシセプチンは、msPアルコール嗜好性ラットにおけるエタノールの報酬特性(rewarding property)を低減することが報告されている(非特許文献2)。このことは、ノシセプチンの介入は、アルコール乱用の処置において有用であり得ることを示唆している。特許文献1において、8−置換1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−4−オン誘導体が、種々の障害(うつ病が挙げられる)の処置において有用であるオーファンFQ(すなわち、ノシセプチン)のアゴニストおよび/またはアンタゴニストとして開示された;特許文献2において開示される2−オキソイミダゾール誘導体は、類似の効用を有することが記載された。より以前には、ベンズイミダゾリルピペラジンが鎮痛活性を有することが、特許文献3において開示された。
従来のオピオイドのような強力な鎮痛剤(例えば、モルヒネ)は、かなりの副作用を伴う。臨床的に関連する副作用としては、耐性、身体的依存、呼吸低下および胃腸運動性の低下が挙げられる。多くの患者(特に、長期的なオピオイド治療を受けている患者、すなわち癌患者)について、これらの副作用は、投与され得るオピオイドの用量を制限する。臨床的データは、3分の1を超える癌患者が、現在の薬剤によってはあまり制御されない疼痛を有することを示唆している。ノシセプチンによって得られたデータは、オピオイドを超える利益の可能性を示唆している。げっ歯類に長期的に投与された場合、ノシセプチンは、モルヒネとは対照的に、中毒になりにくいことを示した。さらに、長期的モルヒネ処置は、ノシセプチンに対し「交差耐性」をもたらさなかった。このことは、これらの薬剤は、別個の経路を介して作用することを示唆している。
欧州特許第856,514号明細書 国際公開第98/54168号パンフレット 米国特許第3,318,900号明細書 Rizziら,Life Sci.64(1999),p.157−163 Ciccocioppoら,Physchpharmacology,141(1999),p.220−224
疼痛緩和における現在の関心の点から、ノシセプチン(ORL−1に対する天然のリガンド)の作用を調節するために有用である(したがって、疼痛および不安の管理において有用である)さらなる化合物が、当該分野に対する貢献として歓迎される。このような貢献が、本発明によって提供される。
(発明の要旨)
本発明の化合物は、式Iによって表される:
Figure 2009513655
またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物であって、式中、
破線は、任意の二重結合を表し;
は、R−(C−C12)アルキル、R−(C−C12)シクロアルキル、R−アリール、R−ヘテロアリールまたはR10−(C−C)ヘテロシクロアルキルであり;
は、−CHO、−CN、−NHC(=NR26)NHR26、−CH(=NOR26)、−NHOR26、R−アリール、R−アリール(C−C)アルキル、R−アリール(C−C)アルケニル、R−アリール(C−C)−アルキニル、−(CHOR13、−(CHCOOR27、−(CHCONR1415、−(CHNR2122または−(CHNHC(O)R21であり、ここで、vは、0、1、2または3であり、そしてここで、qは、1〜3であり、そしてaは、1または2であるか;
あるいは、Xは、
Figure 2009513655
であり、そしてXは、水素であるか;
あるいは、XおよびXは、以下の式
Figure 2009513655
のスピロ基を一緒に形成し;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3であるが、但し、nが1である場合、R16およびR17のうちの1つは、−C(O)R28であり;
pは、0または1であり;
Qは、−CH−、−O−、−S−、−SO−、−SO−または−NR17−であり;
、R、RおよびRは、独立して、水素および(C−C)アルキルからなる群より選択されるか、または(RおよびR)もしくは(RおよびR)もしくは(RおよびR)もしくは(RおよびR)は、一緒に、1〜3個の炭素原子のアルキレン架橋を形成し得;
は、H、R−アリール、R−(C−C12)シクロアルキル、R−ヘテロアリール、R10−(C−C)ヘテロシクロアルキル、−NR1920、−OR13および−S(O)0−213からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
は、H、(C−C)アルキル、R−アリール、−NR1920、−OR13および−SR13からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
は、水素、ハロ、(C−C)アルキル、R25−アリール、(C−C12)シクロアルキル、−CN、−CF、−OR19、−(C−C)アルキル−OR19、−OCF、−NR1920、−(C−C)アルキル−NR1920、−NHSO19、−SON(R26、−SO19、−SOR19、−SR19、−NO、−CONR1920、−NR20COR19、−COR19、−COCF、−OCOR19、−OCO19、−COOR19、−(C−C)アルキル−NHCOOC(CH、−(C−C)アルキル−NHCOCF、−(C−C)アルキル−NHSO−(C−C)アルキル、−(C−C)アルキル−NHCONH−(C−C)−アルキル、または
Figure 2009513655
(ここで、fは、0〜6である)
からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であるか;
あるいは、隣接する環炭素原子上のR置換基は、一緒にメチレンジオキシ環もしくはエチレンジオキシ環を形成してもよく;
は、水素、ハロ、(C−C)アルキル、R25−アリール、(C−C12)シクロアルキル、−CN、−CF、−OR19、−(C−C)アルキル−OR19−OCF、−NR1920、−(C−C)アルキル−NR1920、−NHSO19、−SON(R26、−NO、−CONR1920、−NR20COR19、−COR19、−OCOR19、−OCO19および−COOR19からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
は、水素、(C−C)アルキル、ハロ、−OR19、−NR1920、−NHCN、−SR19または−(C−C)アルキル−NR1920であり;
10は、H、(C−C)アルキル、−OR19、−(C−C)アルキル−OR19、−NR1920または−(C−C)アルキル−NR1920であり;
11は、H、R−(C−C)アルキル、R−(C−C12)シクロアルキル、−(C−C)アルキル(C−C12)シクロアルキル、−(C−C)アルキル−OR19、−(C−C)アルキル−NR1920および
Figure 2009513655
(ここで、qおよびaは、上で規定されるとおりである)
からなる群より独立して選択され;
12は、H、(C−C)アルキル、ハロ、−NO、−CF、−OCF、−OR19、−(C−C)アルキル−OR19、−NR1920または−(C−C)アルキル−NR1920であり;
13は、H、(C−C)アルキル、R−アリール、−(C−C)アルキル−OR19、−(C−C)アルキル−NR1920;−(C−C)アルキル−SR19;またはアリール(C−C)アルキルであり;
14およびR15は、H、R−(C−C)アルキル、R−アリールおよび
Figure 2009513655
(ここで、qおよびaは、上で規定されるとおりである)
からなる群より独立して選択され;
16およびR17は、水素、R−(C−C)アルキル、R−アリール、(C−C12)シクロアルキル、R−ヘテロアリール、R−ヘテロアリール(C−C)アルキル、−C(O)R28、−(C−C)アルキル(C−C)−ヘテロシクロアルキル、−(C−C)アルキル−OR19および−(C−C)アルキル−SR19からなる群より独立して選択され;
19およびR20は、水素、(C−C)アルキル、(C−C12)シクロアルキル、アリールおよびアリール(C−C)アルキルからなる群より独立して選択され;
21およびR22は、水素、(C−C)アルキル、(C−C12)シクロアルキル、(C−C12)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、−(C−C)アルキル(C−C)−ヘテロシクロアルキル、R−アリール、R−アリール(C−C)アルキル、R−ヘテロアリール(C−C12)アルキル、−(C−C)アルキル−OR19、−(C−C)アルキル−NR1920、−(C−C)アルキル−SR19、−(C−C)アルキル−NR18−(C−C)アルキル−O−(C−C)アルキルおよび−(C−C)アルキル−NR18−(C−C)アルキル−NR18−(C−C)アルキルからなる群より独立して選択され;
18は、水素または(C−C)アルキルであり;
は、R−(C−C12)アルキル、R−アリール、R−ヘテロアリール、R−(C−C12)シクロアルキル、R10−(C−C)ヘテロシクロアルキル、−CO(C−C)アルキル、CNまたは−C(O)NR1920であり;Zは、水素またはZであり;Zは、水素または(C−C)アルキルであるか;あるいはZ、ZおよびZは、それらが結合する炭素原子と一緒に、以下の基
Figure 2009513655
(ここで、rは、0〜3であり;wおよびuは、各々0〜3であり、但し、wとuとの合計が、1〜3であり;cおよびdは、独立して1または2であり;sは、1〜5であり;そして環Aは、縮合R−フェニル環またはR−ヘテロアリール環である)
を形成し;
23は、H、(C−C)アルキル、−OR19、−(C−C)アルキル−OR19、−NR1920および−(C−C)アルキル−NR1920からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
24は、R23、−CF、−OCF、NOもしくはハロからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であるか、または隣接する環炭素原子上のR24置換基は、一緒に、メチレンジオキシ環もしくはエチレンジオキシ環を形成してもよく;
25は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシおよびハロからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
26は、H、(C−C)アルキルおよびR25−C−CH−からなる群より独立して選択され;
27は、H、(C−C)アルキル、R−アリール(C−C)アルキル、または(C−C12)シクロアルキルであり;
28は、(C−C)アルキル、−(C−C)アルキル(C−C12)シクロアルキル、R−アリール、R−アリール−(C−C)アルキル、R−ヘテロアリール、−(C−C)アルキル−NR1920、−(C−C)アルキル−OR19または−(C−C)アルキル−SR19であり;
但し、Xが、
Figure 2009513655
であるか、またはXおよびXが、一緒に
Figure 2009513655
であり、そしてZが、R−フェニルである場合、Zは、水素または(C−C)アルキルではないことが条件であり;
但し、Z、ZおよびZが、それらが結合する炭素と一緒に
Figure 2009513655
を形成し、そしてXおよびXが、一緒に、
Figure 2009513655
である場合、R11は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルまたは(C−C)ヒドロキシアルキルではないことが条件であり;
但し、RおよびRが、アルキレン架橋を形成する場合、Z、ZおよびZが、それらが結合する炭素と一緒に、
Figure 2009513655
ではないことが条件であり;そして
但し、Xが、
Figure 2009513655
であり、そしてZが、R−(C−C12)−シクロアルキルである場合、Zは、Hではないことが条件である。
別の局面において、本発明は、式Iの化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物に関する。本発明の化合物は、ORL−1レセプターのアゴニストおよび/またはアンタゴニストであり、したがって、別の局面において、本発明は、疼痛、不安、咳、喘息、アルコール乱用もしくはうつを処置する方法に関し、この方法は、そのような処置が必要な哺乳動物に、有効量の式Iの化合物を投与する工程を包含する。
(発明の詳細な説明)
本発明の好ましい化合物は、
Figure 2009513655
である。
好ましい化合物は、哺乳動物、すなわち、ヒトおよび他の非ヒト哺乳動物(家庭用動物(domestic animal)(例えば、イヌおよびネコ)、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタおよびヒツジ)ならびに野生動物(例えば、動物園および野生動物公園に棲んでいる野生動物)が挙げられる)、ならびに非哺乳動物種(例えば、水生動物種(例えば、魚および甲殻類)ならびに鳥類の種(ニワトリ、シチメンチョウ、アヒルおよびガチョウのような野禽、ならびにオウムのような外来の鳥))における不安を処置することにおいて有用である。この化合物は、例えば、ストレスの多い状況(例えば、搭乗もしくは輸送のために飼い主と引き離されること(すなわち、別離不安)、新しい家庭への移動、および有害な環境条件への曝露(例えば、雷もしくは花火のような大きな騒音に対する曝露))によって引き起こされる、家庭用動物の不安を処置することにおいて、有用である。この化合物はまた、例えば、輸送の間または種々の農業条件の、家畜もしくは野生動物における不安を処置するためにも有用である。同様に、この化合物は、水生動物種における不安(海の檻(sea cage)内の混雑によっておよび輸送の間に生じ得る不安)、および鳥類の種における不安(混雑によってもしくは輸送の間に生じ得る不安)を処置し得る。
上で式Iにおいて一般的に記載され、そして米国特許第6,262,066号において特許請求されている、以下の式
Figure 2009513655
の化合物もまた、不安を処置する上で有用である。
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下のように規定されるように使用される:
は、質量スペクトルにおいて分子の分子イオンを表し、そしてMHは、質量スペクトルにおいて、分子イオンおよび分子の水素を表す。
Buは、ブチルである;Etは、エチルである;Meは、メチルである;そしてPhは、フェニルである;
アルキル(アルコキシ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノのアルキル部分を含む)は、1〜12個の炭素原子もしくは1〜6個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状の炭素鎖(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなど)を表す;
アルケニルは、鎖中に1つもしくは2つの二重結合を含む2〜6個の炭素原子のアルキル鎖(例えば、ビニル、プロペニルもしくはブテニル)を表す;
アルキニルは、鎖中に1つの三重結合を含む2〜6個の炭素原子のアルキル鎖(例えば、エチニルもしくはプロピニル)を表す;
アルコキシは、酸素原子を介して隣接する構造要素に共有結合するアルキル部分(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、へキソキシなど)を表す;
アリール(アリールアルキルのアリール部分を含む)は、6〜15個の炭素原子を含みかつ少なくとも1つの芳香環を有する炭素環式基を表し(例えば、アリールは、フェニルである)、ここで、該アリール基は、必要に応じて、アリール環、(C−C)シクロアルキル環、ヘテロアリール環もしくはヘテロ(C−C)シクロアルキル環と縮合し得る;そしてここで、R−アリールは、該アリール基および/または該縮合環における利用可能かつ置換可能な炭素原子および窒素原子のいずれかが、必要に応じてかつ独立して置換され、そしてここで、該アリール環は、1〜3個のR基で置換されることを意味する。アリール基の例は、フェニル、ナフチルおよびアントリルである;
アリールアルキルは、アルキル部分の1つ以上の水素原子が、1〜3個のアリール基で置換されている、上で規定されたとおりのアルキル基を表す;ここで、アリールは、上で規定されたとおりである;
アリールオキシは、上で規定されたとおりのアリール基を表し、ここで該アリール基は、酸素原子を介して隣接する構造要素に共有結合している(例えば、フェノキシ);
シクロアルキルは、3〜12個の炭素原子(好ましくは3〜7個の炭素原子)の飽和炭素環式環を表す;ここで、R−シクロアルキルは、該シクロアルキル基における利用可能かつ置換可能な炭素原子のいずれかが、必要に応じてかつ独立して置換され、そしてここで、該シクロアルキル環は、1〜3個のR基で置換される;
シクロアルキルアルキルは、上で規定されたとおりのアルキル基を表し、ここで、アルキル部分の1つ以上の水素原子が、1〜3個のシクロアルキル基で置換されており、ここで、シクロアルキルは、上で規定されたとおりである;
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを表す;
ヘテロアリールは、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する環式基を表し、該へテロ原子は、炭素環式環構造を中断し、そして十分な数の非局在化π電子を有しており、それによって、5〜14個の炭素原子を含む芳香族複素環式基に芳香族の特徴を提供しており、ここで、該ヘテロアリール基は、必要に応じて、1つ以上のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロアリール環もしくはヘテロシクロアルキル環と縮合し得;そしてここで、該へテロアリール基および/もしくは該縮合環における利用可能かつ置換可能な炭素原子または窒素原子のいずれかは、必要に応じてかつ独立して置換され得、そしてここで、該ヘテロアリール環は、1〜3個のR基で置換され得る;代表的なヘテロアリール基としては、以下が挙げられ得る:例えば、フラニル、チエニル、イミダゾイル、ピリミジニル、トリアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジルまたは2−、3−もしくは4−ピリジルN−オキシド(ここで、ピリジルN−オキシドは、以下のように表され得る:
Figure 2009513655
)。
ヘテロアリールアルキルは、上で規定されるとおりのアルキル基を表し、ここで、1つ以上の水素原子が、1つ以上の上で規定されるとおりのヘテロアリール基で置換されている;
ヘテロシクロアルキルは、−O−、−S−および−NR21−から選択される1〜3個のヘテロ原子で中断される、3〜7個の炭素原子(好ましくは4〜6個の炭素原子)を含む飽和環を表し、ここで、R21は、上で規定されるとおりであり、そしてここで、必要に応じて、該環は、1つもしくは2つの不飽和結合を含み得、この不飽和結合は、該環に芳香族の特徴を付与しない;そしてここで、該環における利用可能かつ置換可能な炭素原子のいずれかは、置換されてもよく、そしてここで、該ヘテロシクロアルキル環は、1〜3個のR10基で置換され得る;代表的なヘテロシクロアルキル基としては、以下が挙げられる:2−もしくは3−テトラヒドロフラニル、2−もしくは3−テトラヒドロチエニル、1−、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−もしくは3−ピロリジニル、1−、2−もしくは3−ピペリジニル、2−もしくは4−ジオキサニル、モルホリニル、
Figure 2009513655
(ここでR17は上で規定されるとおりであり、そしてtは、0、1もしくは2である)。
式Iのピペリジニル環における任意の二重結合が存在する場合、XおよびXのうちの1つは、3位の炭素と結合を形成し、そしてXおよびXのうちの残りは、水素ではない。
およびXが、上で規定されるとおりのスピロ基を形成する場合、定義において示される構造中の波線は、ピペリジニル環の4位の炭素への結合点を示し、例えば、以下の式の化合物が形成される:
Figure 2009513655
本発明の特定の化合物は、異なる立体異性体形態(例えば、エナンチオマー、ジアステレオ異性体およびアトロプ異性体)で存在し得る。本発明は、純粋な形態および混合物の両方(ラセミ混合物を含む)での全てのこのような立体異性体を意図する。
特定の化合物は、酸性の性質であり、例えば、カルボキシル基もしくはフェノールヒドロキシル基を有する化合物である。これらの化合物は、薬学的に受容可能な塩を形成し得る。このような塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、金および銀の塩が挙げられ得る。また、アンモニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルカミンなどの薬学的に受容可能なアミンで形成される塩もまた、企図される。
特定の塩基性化合物もまた、薬学的に受容可能な塩(例えば、酸付加塩)を形成する。例えば、ピリド−窒素原子は、強酸と塩を形成し得、一方、塩基性置換基(例えばアミノ基)を有する化合物もまた、より弱い酸と塩を形成する。塩形成のために適した酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ならびに当業者に周知である他の鉱酸およびカルボン酸である。遊離塩基と十分な量の所望の酸とを接触させて、従来の様式で塩を生成させることにより、塩が調製される。遊離塩基形態は、塩を適切な塩基性希釈水溶液(例えば、希釈NaOH水溶液、希釈炭酸カリウム水溶液、希釈アンモニア水溶液および希釈炭酸水素ナトリウム水溶液)で処理することによって、再生成され得る。遊離塩基形態は、その代表的な塩の形態の何らかの特定の物理的特性(例えば、極性溶媒への溶解性)において異なっているが、酸性塩および塩基性塩は、それ以外の点では、本発明の目的のために、その対応する遊離塩基形態と同等である。
全てのこれらの酸性塩および塩基性塩は、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であると意図され、そして全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形態と同等とみなされる。
本発明の化合物は、当該分野で公知であるかもしくは当該分野で公知の方法によって調製されるかのどちらかである出発物質から、公知の方法によって調製され得る。一般手順の例および特定の調製例は、以下に示される。
代表的に、X,X−置換ピペリジンは、KCOおよびEtNのような過剰な塩基の存在下で、DMF、THFもしくはCHCNのような溶媒中で、室温もしくは高温で、Z,Z,Z−置換ハロメタンによりアルキル化される。
,X−置換ピペリジンは、市販のものであっても、公知の手順によって作製されてもよい。例えば、4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジンは、以下の反応スキーム(ここで、Bnはベンジルであり、Phはフェニルであり、そしてtBocはt−ブトキシカルボニルである)に従い、4−tBoc−アミノ−4−フェニルピペリジンに変換され得る:
Figure 2009513655
市販の4−フェニル−4−ピペリジノールは、ベンジル基で保護され、次いで、生じた中間体は、MeSiCNで処理される。生じたアミドは、CHOH中でHCl水溶液により加水分解され、4−アミノ化合物を生成する。アミノ基は、tBocで保護され、そしてN−ベンジル基は、水素化分解によって除去されて、所望の4−アミノ−ピペリジン誘導体を生成する。
次いで、4−(保護)アミノ−ピペリジンは、Z,Z,Z−ハロメタンと反応させられて、保護基が除去され得る。アミン(すなわち、Xは−NHである)は、種々の標準的変換を受けて、アミン誘導体が得られ得る。例えば、式Iのアミンは、穏やかな還元剤(例えばNa(OAc)BH)の存在下でR22−カルボキシアルデヒドと反応させられてもよく、またはEtNの存在下で、式R22−L(ここで、Lは、ClもしくはBrのような脱離基である)と反応させられてもよい。
式Iの化合物(ここで、Xは、R−アリールであり、そしてXは、OHである)を調製する代替方法は、4−ピペリドン塩酸塩をZ,Z,Z−ハロメタンによってアルキル化する工程、ならびにその後の、ケトンと適切に置換されたR−フェニルマグネシウムブロミドもしくは式X−Lの化合物(ここで、LはBrもしくはIである)とn−ブチル−リチウムとを反応させる工程を包含する。
式IのX,X−置換化合物は、X置換基および/またはX置換基上で、当該分野で周知の反応を実施することによって、他の式Iの化合物に変換され得る。例えば、カルボキシアルデヒド置換ピペリジン(すなわち、Xは−CHOである)は、式Iの化合物についての以下の手順(ここで、Xは、フェニルであり、ZおよびZは、各々フェニルであり、そしてR、R、RおよびR、ならびにZは、Hである)において示されるように、置換ピペリジン(ここで、XはR13−O−CH−である)に変換され得る:
Figure 2009513655
シアノ置換ピペリジン(すなわち、Xは−CNである)は、式Iの化合物についての以下の手順(ここで、Xはフェニルであり、R21、R、R、RおよびR、ならびにZは、Hであり、そしてLは、ClもしくはBrのような脱離基である)において示されるように、置換ピペリジン(ここで、XはR2122N−CH−であるかもしくはXはR28C(O)NH−CH−である)に変換され得る:
Figure 2009513655
式Iの化合物(ここで、Xは、水素以外のR11置換基を有するベンゾ縮合窒素含有複素環である)は、R11が水素である対応する化合物を、式R11L(R11はHではなく、かつLは上で規定されるとおりである)の化合物と反応させることによって調製される。
あるいは、X,X−置換ピペリジン出発物質は、類似の手順によって他のX,X−置換ピペリジンに変換され得、その後、Z,Z,Z−置換ハロメタンと反応させられる。
式Iの化合物(ここで、R、R、RおよびRは、様々にアルキレン架橋を形成する)について、市販のN−保護4−ピペリドンは、フェニルリチウムで処理され、生じた中間体が脱保護されて、所望の化合物を生成する。例えば、以下である:
Figure 2009513655
(ここで、Prは、N−保護基であり、Phは、フェニルであり、そしてzは、1〜2である。
,Z,Z−ハロメチル誘導体(ここで、ZおよびZは、R−フェニルである)は、市販のものであるか、または以下の反応スキームで示される手順を用いて調製され得る:
Figure 2009513655
同様の手順、または当該分野で公知の他の手順が、Z置換基がフェニル以外である化合物を調製するために使用され得る。
本発明の好ましい化合物の調製およびその調製出発物質は、以下の実施例によって例示されており、この実施例は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
以下の溶媒および試薬は、本明細書中で、以下に示す略称で呼ばれる:テトラヒドロフラン(THF);エタノール(EtOH);メタノール(MeOH);酢酸エチル(EtOAc);N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);ジクロロ−エタン(DCE);およびジエチルエーテル(EtO)。室温は、rtと略される。
(実施例1)
Figure 2009513655
NaBH(1.5g、39.82mmol)を、2,2’−ジクロロベンゾ−フェノン(5g、19.9mmol)のMeOH(40ml)中溶液に、rtで添加した。rtで2時間の撹拌の後、この混合物を、HOでクエンチし、そして1N HClで中性化して、その後、MeOHを蒸発させた。残渣を、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮して、所望の化合物2(5g)を白色固体として得、これを精製なしで次の工程の反応に使用した。
Figure 2009513655
CHCl中の工程1の生成物(20.36g、80.47mmol)を、SOBr(30.11g、144.85mmol)で0℃で処理した。rtで一晩の撹拌の後、この混合物を、氷およびNaHCO(水溶液)でクエンチし、そしてCHClで抽出し、乾燥させ、ろ過し、そして濃縮して、所望の化合物3(23.6g)を生成した。
Figure 2009513655
トロピノン(10g、71.84mmol)のDCE(200ml)中溶液を、α−クロロエチルクロロホルマート(15.4g、108mmol)に0℃で滴下した。次いで、この混合物を、還流で2時間加熱した。溶媒を蒸発させて、茶色の残渣を得た。この残渣を、MeOH(200ml)中に溶解し、そして還流で2時間過熱した。MeOHを蒸発させて、固体を得、そしてこれをEtOAc中で撹拌し、ろ過し、そしてEtOで洗浄して、所望の化合物4(7g)を得た。粗生成物を、さらなる精製なしで次の工程の反応に使用した。
Figure 2009513655
4(26g、161mmol)、3(53g、168mmol)およびKCO(110g、796mmol)の無水CHCN(410ml)中混合物を、80℃で加熱した。反応の進行を、H NMR分析によってモニタリングした。約79%の変換を、87時間後に観察した。この反応混合物を、rtまで冷まし、CHClで希釈し、ろ過し、そして濃縮した。SiOクロマトグラフィー(4〜7% EtOAc/ヘキサン)による残渣の精製により、所望の化合物5を得た。
Figure 2009513655
カリウムtert−ブトキシド(232g)を、無水1,2−ジメトキシエタン(3.5l)および無水EtOH(240ml)中の工程4の生成物(300g)およびトシルメチルイソシアニド(211g)の撹拌溶液に、−40℃でN下でゆっくりと加えた。この混合物を、rtまでゆっくりと加温し、そしてrtで一晩撹拌した。この混合物を、ろ過し、そしてEtOAcで洗浄した。ろ液中の溶媒の大部分を、真空下で(40℃未満の浴温度で)蒸発させて懸濁液を得、これをろ過しそしてEtOで洗浄して、6(158g)を得た。
Figure 2009513655
カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M、19.4ml)を、6(4g)とフルオロベンゼン(810mg)との混合物に、rtで加えた。この混合物を、60℃で密封チューブ中で一晩撹拌し、rtまで冷まし、飽和NHClでクエンチし、EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。SiOクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)による残渣の精製によって、所望の化合物7を得た。LC/ESI−MS:m/z 447(C2724Cl)。
(工程7:)
7(144mg)と濃HSO(2ml)との混合物を、rtで2日間撹拌した。この混合物を、氷/HO上に注ぎ、NaOHペレットで中性化させ、そしてEtOAcで抽出した。この有機溶液を、NHCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、そして濃縮した。SiOクロマトグラフィー(0〜25%EtOAc/ヘキサン)による残渣の精製により、表題化合物を得た。LC/ESI−MS m/z=465(C2726ClO.H)。
不安を処置する際の効力は、当該分野で公知のアッセイによって決定され得る。
ラット条件付け舐め抑制アッセイ(Rat Conditioned Lick Suppression Assay)(CLS):水に飢えたCDラット(300g〜600g)を、0.2%サッカリン溶液のための吐水口を舐めるように訓練した。毎日の条件付けを、10分間の試験セッションの間を、1日あたり20回の試行(trail)から構成した。各試行を、23秒間処罰なしで飲ませた後の、音によって合図した7秒間によって構成した。最初の2秒間の音は、処罰なしであったが、最後の5秒間におけるひと舐めごとに、ショック送達(0.7mAの強度、0.5sの持続時間)を組み合わせた。一旦、音の提示の際に舐めることを抑制するように条件付けられたラットを、次いで、薬物研究において試験し得た。試験日において、薬物もしくはビヒクルを投与し、そして、条件付けられた試行の処罰期の間にショックを与えない10分間の試験セッションの20回の試行にわたって、舐めた回数を自動的に記録した。
恐怖によって増強されたラット驚愕(Rat Fear−potentiated Startle):全ての試験を、SR−LABシステム(San Diego Instruments,CA)において、増強驚愕キット(potentiated startle kit)を用いて行った。雄のWistarラット(250〜300g)を、光の合図の提示と足への穏やかなショック(0.4mA、500msの持続時間)の提示が迫っていることとを関連付けるように条件付けた。条件付けを、2日連続した日における光/ショックの組み合わせの20回の提示によって構成した。条件付けの後、ラットを、驚愕刺激試行からなるFPSセッションにおいて試験し、そして驚愕刺激試行の前には、条件付け光の合図の提示を行った。光の合図に関連する何らかの恐怖があった場合、それ自体が、驚愕刺激に対して高まった応答として存在した。
モルモットの仔およびラットの仔の発声アッセイ:Dunkin−Hartleyモルモットの仔(5〜21日齢)もしくはCDラットの仔(10〜12日齢)を、母親から引き離し、そして薬物もしくはビヒクルを投与した。前処置時間(この間に、仔を母親に返した)後、別離によって誘導された発声の総数を、モルモットの仔について5分間の試験の間手動で数え、またはラットの仔について10分間の試験の間自動的に数えた。
マウスGeller−Seifter:食餌制限を受けたC57BL/6マウスを、FR−1スケジュールにおいて、ペレットのためにレバーを押すように訓練し、FR−1スケジュールを、徐々にFR−10スケジュールにまで増大させた。安定的なFR−10応答を1週間にわたって実施した後、マウスを、Geller−Seifter葛藤スケジュールにおいて訓練した。このスケジュールを、非処罰応答および処罰応答が与えられる8回の交互の5分間の期間(phaes)の間の、40分間の試験期間で構成した。非処罰期の間(ハウス点灯)、マウスに、FR−10レバー押し(pressing)について、食物ペレットを与えた。処罰期の間(ハウス消灯および音によって合図した)、マウスに、FR−10レバー押しについて、足へのショック送達(0.3mAの強度、0.25sの持続時間)と組み合わせて、食餌ペレットを与えた。試験日に、薬物もしくはビヒクルを投与し、そして、応答の数を、40分間の試験セッションにわたって記録した。
マウスマーブル埋め込み(Marble Burying):薬物処置後、雄のCD1マウスを、15個のガラスマーブル(glass marble)(直径1.5cm)を入れ、おがくずの敷材を均一に敷き詰めた(深さ0.5cm)、個別の透明プラスチックケージに入れた。60分間後、マウスを取り出し、そして埋まっていないマーブルの数(2/3未満が埋まっていた)を数えた。
実施例1の化合物の活性を、公知のORL−1アゴニストであるRo64−6198と、およびベンゾジアゼピン(BZDP)抗不安薬と、比較した。以下の表は、実施例1の化合物が、ベンゾジアゼピンに匹敵する抗不安薬様の効果を有することを示す。
Figure 2009513655
ORL−1アゴニストの投与の副作用を、以下の試験によって決定する:
固定比応答:食餌制限を受けたラットを、FR10スケジュールで食餌報酬のためにレバーを押すように訓練した。1秒間あたりのレバーを押した平均回数を、記録した。
運動活動:動物を、個別に運動活動チャンバ内に60分間入れた。
ロータロッド(rotarod):動物を、試験の24時間前に、動作判断基準(16RPMでロータロッド上に120sにわたって留まる)に対して訓練した。試験日に、動物を、薬物で前処理し、そしてロータロッド上で過ごした時間(最大120s)を、2つの固定速度(8RPMおよび16RPM)において記録した。
梁歩行:雄CDラットを、試験の24時間前に、梁(2×90cm)を横切る動作判断基準に対して訓練した。試験日に、盲検の観察者によって、横切った距離を測定した。
本発明の化合物は、ベンゾジアゼピンと比較して、改善した効力/副作用プロフィールを有する。
本発明によって記載される化合物からの薬学的組成物の調製のための、不活性の薬学的に受容可能なキャリアは、固体もしくは液体のいずれであってもよい。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、分散可能顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が挙げられる。散剤および錠剤は、約5〜約60%の活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトースである。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適した固体投薬形態として使用され得る。
坐剤の調製のために、低融点ろう(例えば、脂肪酸グリセリドの混合物もしくはカカオバター)をまず溶かし、そして活性成分を撹拌によってその中に均一に分散させる。次いで、溶かした均一な混合物を、便利な大きさの型に注ぎ、冷ますことによって固化させる。
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。例として、非経口注射のための水溶液もしくは水−プロピレングリコール溶液を言及し得る。
液体形態調製物としてはまた、鼻腔内投与のための溶液が挙げられ得る。
吸入に適したエアロゾル調製物としては、液体および粉末形態の固体が挙げられ得、これらは、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、不活性圧縮ガス)と組み合わされ得る。
また、経口投与もしくは非経口投与のいずれかのための液体形態調製物に使用直前に変換されることが意図される固体形態調製物もまた、挙げられ得る。このような液体形態としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
本発明の化合物はまた、経皮送達されてもよい。経皮組成物は、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤および/またはエマルジョンの形態をとり得、そしてこの目的のための分野において従来的であるマトリックス型もしくはレザバ型の経皮パッチに含まれ得る。
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
好ましくは、この薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態において、調製物は、適切な量(すなわち、所望の目的を達成する有効量)の活性成分を含む単位用量に分割される。
調製物の単位用量中の活性成分の量は、特定の用途にしたがって、約0.1mg〜1000mg、より好ましくは約1mg〜300mgで変動し得るか、または調整され得る。
使用される実際の投薬量は、患者の要求および処置される状態の重篤度に応じて変動し得る。特定の状況のための適切な投薬量の決定は、当該分野の技術範囲内である。一般に、この化合物の最適用量未満の、より少ない投薬量で処置が開始される。その後、この投薬量は、この状況下で最適の効果が達成されるまで、小さな増加量ずつ増加される。便宜上、毎日の総投薬量は、所望される場合、分割され得、一日の間に一部分ずつ投与され得る。
本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な塩の投与の量ならびに頻度は、主治臨床医の判断にしたがって、患者の年齢、状態および大きさ、ならびに処置される症状の重症度を考慮して、調節される。不安の軽減を提供するための代表的な推奨投薬レジメンは、10mg〜2000mg/日、好ましくは10〜1000mg/日の、2〜4分割した用量での経口投与である。この化合物は、この投薬量範囲内で投与される場合、非毒性である。
不安を処置するための、単位用量中のノシセプチンレセプターORL−1アゴニストの量は、好ましくは、約0.1mg〜1000mg、好ましくは、約1mg〜300mgである。代表的な推奨投薬レジメンは、1mg〜2000mg/日、好ましくは1〜1000mg/日の経口投与である。
以下は、本発明の化合物を含む薬学的投薬形態の例である。この薬学的組成物の局面における本発明の範囲は、示される例によって限定されない。
(薬学的投薬形態例)
(例A−錠剤)
Figure 2009513655
(製造方法)
項目番号1および2を、適切なミキサー中で10〜15分間混合する。この混合物を、項目番号3と共に粒状化する。必要な場合、湿った顆粒を、粗いスクリーン(例えば、1/4”、0.63cm)に通す。必要な場合、乾いた顆粒をスクリーンに通し、そして項目番号4と混合して、10〜15分間混合する。項目番号5を加え、そして1〜3分間混合する。この混合物を適切な大きさに圧縮して、適切な錠剤製造機上で秤量する。
(例B−カプセル剤)
Figure 2009513655
(製造方法)
項目番号1、2および3を適切な混合器中で10〜15分間混合する。項目番号4を加え、そして1〜3分間混合する。この混合物を、適切なカプセル化機において、適切なツーピースの硬質ゼラチンカプセル中に満たす。
本発明は、上記の特定の実施形態と組み合わせて記載されているが、その多くの代替、改変およびバリエーションが、当業者に明らかである。全てのこのような代替、改変およびバリエーションは、本発明の精神および範囲内であることが、意図される。

Claims (4)

  1. 以下の式:
    Figure 2009513655
    によって表される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物。
  2. 治療有効量の請求項1の化合物を、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含有する、薬学的組成物。
  3. 不安を処置する方法であって、該方法は、そのような処置を必要とする哺乳動物もしくは非哺乳動物種に対し、有効量の請求項1の化合物を投与する工程を包含する、方法。
  4. 前記処置される哺乳動物が、ヒト、家庭用動物、家畜および野生動物からなる群より選択され、そして前記非哺乳動物種が、水生動物種および鳥類の種から選択される、請求項3に記載の方法。
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