JP2009511139A - おむつ主要部分と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分とを有する多数の失禁使い捨ておむつを製造する方法 - Google Patents

Abstract

おむつ主要部分と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分とを備える失禁使い捨ておむつを製造する方法において、後側のおむつ側方部分は前側のおむつ側方部分よりも高い伸長性を有していることを特徴とする。

Description

本発明は、おむつ主要部分と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分とを有する多数の失禁使い捨ておむつを製造する方法に関する。

失禁使い捨ておむつ、すなわち、通常は特に年配者である成人に使用される衛生用品では、接合されたおむつ側方部分は典型的には外へ張り出している。おむつ側方部分は、衛生用品を身体にあてて正しく位置決めするのに利用され、弾性的に構成されるか、または弾性化されて構成されていてもよい。

本発明の課題は、このような種類の失禁使い捨ておむつを製造する、低コストかつプロセス工学的に有利に具体化可能な方法を提供することにある。

この課題は本発明によると、次のステップを備えている方法によって解決される：
−エンドレスのおむつ主要部分ウェブを第１の長手方向で貼付ステーションへと供給、搬送し、
−伸長可能な領域が設けられたエンドレスのおむつ側方部分ウェブを供給し、
−おむつ側方部分ウェブの長手切片を切り離し、この長手切片を貼付ステーションへ供給しておむつ主要部分ウェブにあてて位置決めし、
−おむつ主要部分ウェブの第１の領域でおむつ側方部分ウェブの長手切片を取外し不能に固定し、このとき第１の領域は、長手方向で連続して互いに接する２つのおむつ主要部分の前側のウェスト領域と後側のウェスト領域とをそれぞれ含んでおり、
−長手方向に対して横向きにおむつ主要部分ウェブを分離することによって失禁使い捨ておむつを切り分け、この分離は長手切片を通過して行われ、それにより各長手切片の第１の部分切片が第１の失禁使い捨ておむつの前側のおむつ側方部分を形成するとともに、各長手切片の第２の部分切片がこれに直接接する第２の失禁使い捨ておむつの後側のおむつ側方部分を形成するようにし、
−後側のおむつ側方部分は前側のおむつ側方部分よりも高い伸長性を有している。

伸長とは、力が作用した結果としてのおむつ側方部分の長さ増大と、当初の長さとの間の比率を意味している。このような失禁使い捨ておむつの使用時には、おむつ側方部分へ特に力が円周方向すなわちおむつ横方向に作用する。したがって伸張性の特性とは、おむつ横方向へ力が作用したときの、おむつ側方部分の伸長の程度を意味している。すなわち伸長の度合いが高いほど、伸長性は高くなる。このように、本発明によると後側のおむつ側方部分は、通常の力の作用でおむつが使用されるときに、前側のおむつ側方部分よりも高い伸長性を有している。特に、また後で説明する試験方法によれば、後側のおむつ側方部分は、４５Ｎの力作用時に、前側のおむつ側方部分よりも高い伸長を有している。後側のおむつ側方部分は、４５Ｎの力作用時に少なくとも２０％、特に少なくとも２５％、さらには特に少なくとも３０％の伸長を有しているのが好ましい。それに対して前側のおむつ側方部分は、４５Ｎの力作用時に、好ましくは高くとも１５％、特に高くとも１０％、さらには特に高くとも８％の伸長しか有していない。

少なくとも１つのおむつ側方部分は少なくとも横方向へ弾性伸長可能であるのが好まし
い。力が一時的に作用したときに少なくとも４０％の伸長が可能であり、かつ、この力が取り除かれたときに高くとも２０％の伸長（残留伸長）が残る場合に、おむつ側方部分の伸長性を弾性的であると呼ぶ。

本発明の好ましい発展例では、横方向への後側のおむつ側方部分の弾性的な伸長性は少なくとも４０％、特に少なくとも５０％である。さらに別の発明思想によると、後側のおむつ側方部分の弾性伸長の絶対的な度合いは少なくとも３ｃｍ、特に少なくとも５ｃｍ、さらには特に少なくとも７ｃｍである。

このように本発明の方法では、おむつ主要部分ウェブがエンドレスに搬送され、このおむつ主要部分ウェブに、請求項に記載の仕方により、おむつ側方部分が製造機械で接合される。このおむつ側方部分それ自体も、エンドレスに供給されるおむつ側方部分ウェブに由来しており、これから長手切片が切り離され、次いで、エンドレスに搬送されるおむつ主要部分ウェブに貼付され、これに固定される。本発明によると、失禁使い捨ておむつを切り分けるために、それぞれの長手切片を通過するように分離切断線が延びており、それにより、長手切片の一方の部分切片が一方の失禁用品に帰属し、他方の部分切片はこれに接する失禁用品に帰属するようにする。おむつ側方部分ウェブの該当領域は、その伸長性の観点から、すでに説明したように構成されていることが好ましく、また、後側のおむつ側方部分すなわちおむつ主要部分の後側のウェスト領域すなわち背部領域に接合されるおむつ側方部分が、おむつ主要部分の前側のウェスト領域すなわち腹部領域に接合されるおむつ側方部分よりも高い伸長性を有するように、前述した長手切片がおむつ側方部分ウェブから切り離されるとともに、失禁使い捨て用品を切り分ける際に分離切断線が引かれる。すなわち、このように差異化された伸長性によって、失禁用品のより優れた形状適合性を実現することができ、あるいは換言すると、前側および後側のおむつ側方部分において、互いに対応する伸長性を設ける必要性がないことが見出されている。伸長性特性、特に弾性的な伸長性特性を設けることは常にコストと結びついているので、前側および後側のおむつ側方部分で差異化された伸長性を具体化可能であることは、すでにその理由からだけでも有利である。ただしこれにより、おむつ側方部分ウェブに変化する伸長性を与えておく必要がある。これは、好ましくはおむつ主要部分ウェブにおむつ側方部分ウェブの長手切片を貼付する前に、あるいはその後に、幾通りかの方法で具体化することができ、これについてはまた後の実施例との関連で詳細に説明する。

おむつ主要部分ないしおむつ主要部分ウェブは、基本的に長手方向へ連続するように特に不織布材料またはシート材料から、もしくは不織布およびシートの複合体から製作することができる。あるいは、特に予備製作されたユニットとしておむつ主要部分ウェブの支持体ウェブへ装着することができる、液体を蓄える好ましくは超吸収性の材料を含んでいる吸収コアを、それぞれのおむつ主要部分が有していることが好ましいことも判明している。たとえばこの支持体ウェブはシート層を含んでいてよく、あるいは、後に外面となる側に薄い不織布の上層を備える複合体シートを含んでいてよく、その場合、この支持体ウェブの上に長手方向で連続するように、かつ相互間隔をおきながら吸収コアが装着され、好ましくは支持体ウェブに対して固定される。これは前述したように予備製作された吸収コアであってよく、しばしば吸収体とも呼ばれており、または吸収コアは、好ましくは超吸収性のポリマー材料を備える吸収性の繊維材料を載せることによって構造的に構成されていてもよい。

さらに、第１の長手方向に延びる第１の弾性部材がおむつ主要部分ウェブへ両面に接合されると好ましいことが判明している。この弾性部材は、レッグ開口部に沿った一定の輪郭線に従うように設けることもできる。ただし、弾性部材は正確に長手方向に延びていてもよい。

さらに、第１の長手方向に延びる第２の弾性部材を、特にそれ自体としてたとえば欧州特許出願公開第０２６３７２０Ａ１号明細書から公知のいわゆる起立したカフ部材の形態で、おむつ主要部分ウェブに接合することができる。好ましくは起立しているこの第２の弾性部材は、いわばオムツ主要部分または吸収体の中心部の両側に並んでおり、すなわち、吸収体縁部の領域、または吸収体縁部の内部、または吸収体縁部の外部に設けることができる。この弾性部材は、失禁用品の横漏れ防止部を形成する。

本発明による方法の好ましい変形例では、貼付ステーションへの長手切片の供給は第１の速度ｖ１で行われるとともに、貼付ステーションへのエンドレスのおむつ主要部分ウェブの供給は第２の速度ｖ２で行われ、第１の速度ｖ１は第２の速度ｖ２よりも低い。そのような場合、おむつ側方部分ウェブの長手切片は比較的低い速度ｖ１で切り離されてから、好ましくは速度ｖ２まで加速され、それによって長手切片は同じ速度ｖ２でおむつ主要部分ウェブの上に載せられるのが好ましい。この加速は、たとえばおむつ側方部分ウェブの搬送方向で見て、長手切片が切り離される分離ステーションまたは裁断ステーションの特にすぐ後に続くように配置された、特に負圧作用可能なアプリケータローラによって行うことができる。

本発明の１つの好ましい実施形態では、第２の速度は第１の速度ｖ１よりも少なくとも４０％、特に少なくとも７０％、特に少なくとも９０％、特に多くとも２００％だけ高くてよい。

特別な意義のあるさらに別の実施形態では、おむつ側方部分ウェブは、弾性伸長可能な材料ないしたとえば弾性的なシートや弾性的な不織布等の弾性部材で覆われた、特に窓状の切欠きの規則的なパターンを有する第１の支持体材料を含んでいる。最も広い意味における弾性材料で覆われた切欠きが支持体材料に穿設されることによって、支持体材料の伸長性とは異なる伸長性を実現することができる。たとえば支持体材料が実質的に伸長不能である場合、またはあまり伸長可能でない場合、または少なくとも製造されるべきおむつ側方部分よりも伸長可能でない場合、弾性材料で覆われた開口部を備える、前述した方法で改変された支持体材料は、当初の支持体材料よりも高い伸長性を有している。

上述した切欠きは、製造機械へ入る前からすでにおむつ側方部分ウェブの支持体材料に設けられていてよく、あるいは、おむつ製造機械での本発明による失禁使い捨ておむつの製造時に初めて直接切断または打抜きされるのが好ましい。後者は、事前の予備位置決めをすることなく、支持体材料をロールから製造機械へエンドレスに送り込むことができるという意味で好ましく、これにより、ロール交換の問題をも少なくすると考えられる。弾性材料ないし弾性部材も、おむつ側方部分ウェブの支持体材料で、製造機械に入る前からすでに支持体材料にある切欠きの上に装着され、支持体材料に対して固定された状態で設けられていてよく、あるいは、本発明による失禁使い捨ておむつの製造時に初めて直接機械内部で、支持体材料にある切欠きの上へ装着されて、支持体材料に対して固定されることが好ましい。

切欠きが好ましくは第２の部分切片の内部にのみ配置されるように、切欠きが支持体材料へ穿設されるとともに長手切片がおむつ側方部分ウェブから切り離される。したがって、それぞれの第１の部分切片は、第１の支持体材料の伸長性特性に対して実質的に変化していない。それに対して、それぞれの第２の部分切片は切欠きを覆う弾性材料の結果として伸長可能である。つまり弾性材料または弾性部材を装着することで、弾性的な伸長性が生みだされる。

おむつ側方部分ウェブに切欠きを設けることで、長手方向へエンドレスに連続する支持体材料を用いて作業を行うことができ、その場合、この支持体材料に、切り離されるべき
長手切片の位置に応じて、および当該長手切片の部分切片の位置に応じて切欠きが形成され、この切欠きが弾性材料によって覆われる。このように、長手方向に一貫して延びる連続的なウェブで、差異化された伸長性を実現することができる。

伸長性特性の部分的な改変を実現するさらに別の方法の態様は、おむつ側方部分ウェブがやはり部分的に、かつ交互に、好ましくは「リングローリング」として知られるテクノロジーによって脆弱化されることにある。このテクノロジーは、たとえば欧州特許出願公開第０５７３５８６Ｂ１号明細書や欧州特許出願公開第０６５０７１４Ａ１号明細書に記載されている。「リングローリング」によって、それ自体としては伸長可能でない材料、たとえばシート材料や不織布／シート積層材などが、相互に噛み合うローラの間での過度の偏向によって過度に伸ばされる。このように過度に伸ばされた状態では、それまではそれ自体として伸長可能でなかった材料は、引き伸ばしに対して実質的に抵抗を示さない。したがって、弾性伸長可能な部材と組み合わせることで、このように処理された領域で弾性的な伸長性を実現することができる。この意味で、おむつ側方部分ウェブの弾性領域は、支持体材料へ弾性材料を装着し、支持体材料を部分的に過度に伸ばすことによって形成されるのが好ましいことが判明している。

おむつ側方部分ウェブに設けることができる弾性伸長可能な材料は、長手方向で交互に、すなわち互いに間隔をおきながら、おむつ側方部分ウェブに配置されていてよいであろう。おむつ側方部分ウェブの弾性部材が、おむつ側方部分ウェブの長手方向で連続的に延びる特にストライプ状の弾性材料で構成され、ただしこの材料が長手方向で見て区域的にのみ活性化されるのも好ましい場合があることが判明している。このような区域的な活性化は、先ほど検討したように、支持体材料の局所的な脆弱化によって、たとえば切欠きを設けることによって、あるいは「リングローリング」もしくはその他の仕方によって、たとえば目打ちを設けることなどによっても具体化することができる。長手方向に連続的な弾性材料の配置は相応の材料費と結びついているが、これにより、高速で運転される機械では、弾性材料を間欠的に装着するよりも設計技術的に容易となることが判明している。

本発明のさらに別の好ましい発展例では、おむつ側方部分ウェブの第２の部分切片に、少なくとも２つの、好ましくはちょうど２つの、伸長可能な、好ましくは弾性伸長可能な領域が設けられる。特に、第１の伸長可能な領域を第２の部分切片の上側の横縁に、もしくはその近傍に設け、第２の伸長可能な領域を第２の部分切片の下側の横縁に、もしくはその近傍に設けるのが好ましいことが判明している。このような場合、後側のおむつ側方部分は、他ならぬ本発明に基づく使用時に、たとえば失禁使い捨ておむつを閉めるときに、最も強い力が作用するところで高い伸長性を与えられる。それにより、おむつ側方部分が主要部分から引き裂かれるのを防止することができる。

弾性材料または弾性的な材料区域は、おむつ側方部分ウェブの支持体材料の上面または下面に設けられていてよいであろう。しかしながら、おむつ側方部分ウェブの第１の支持体材料と第２の支持体材料との間で弾性材料がサンドイッチ状に配置されていると、好ましいことが判明している。

おむつ側方部分ウェブ、または前述したオムツ側方部分ウェブの長手切片は、オムツ主要部分ウェブへ貼付する前に、長手方向で見て左側部分と右側部分へ分離しておき、次いで、おむつ主要部分ウェブの左ないし右の側縁に貼付し、そこで固定することができるであろう。しかしながら別の実施形態では、おむつ側方部分ウェブの長手切片は、おむつの横方向で一体的に連続するように構成されており、それにより、おむつ主要部分の該当する前側または後側のウェスト領域を連続して覆うようにすることが考えられる。

失禁使い捨ておむつの切り分けは、おむつ側方部分ウェブの部分切片がおむつ主要部分
ウェブに貼付されて固定されてから最後に行われる。そのために実質的にただ１つの分離切断線を、長手切片とおむつ主要部分ウェブとを通るように延ばすことができる。分離切断が長手切片だけを対象とすることも考えられ、すなわちこれは、切り分けられたおむつ主要部分を形成するために、おむつ主要部分ウェブがあらかじめ長手方向に対して横向きに分離されている場合であり、その場合、おむつ主要部分は互いにある程度の間隔をおきながら引き続き貼付ステーションへと搬送され、そこで長手切片が当該間隔を橋渡しするように被される。しかしながら、おむつ側方部分ウェブの長手切片とおむつ主要部分ウェブとの両方を通るように切断線が延びている、一緒の切り分けをする方が有利である。

長手方向に対して横向きに延びるただ１回の分離切断を行うのに代えて、失禁使い捨ておむつを切り分けるときには、または長手切片を切り離すときには、廃棄されるべき切片が形成されるのが好ましいことが判明している。これは、たとえば２回のいわゆる輪郭切断によって考えられ、または、たとえば長方形に延びる（打抜き）切断線によって考えられ、この場合、一方ではウェブが分断されるとともに、他方では廃棄されるべき長方形の切片が形成される。このようにして材料は失われるものの、ある程度の位置決め精度をそれによって補償することができる。特に、それ以前に（不連続的に）装着されている弾性材料からなる切片が、定められたとおりに第２の部分切片に設けられるのでなく、不正確な分離切断の結果として意図せぬ形で第１の部分切片にまで延びるのを防ぐことができる。十分な幅の廃棄されるべき切片が、長手方向で特に５から２０、特に５から１５、特に５から１０ｍｍ廃棄されることによって、所要のプロセス信頼度をもって上記の事態を防止することができる。しかも、厳密な直線形状とは異なる輪郭切断によって作業が行われれば、たとえば図８に図示するような輪郭を付与することが実現できる。

この点を度外視するとしても、それ自体として独立した発明思想によると、前側のおむつ側方部分は実質的に伸長不能に構成されるのに対して、後側のおむつ側方部分は伸長可能に、特に弾性伸長可能に構成されるのが好ましいことが判明している。それ自体として独立したこの発明思想の発展例では、後側のおむつ側方部分の長さ、すなわちおむつ長手方向の長さが少なくとも１０ｃｍ、特に少なくとも１５ｃｍ、さらには特に少なくとも１８ｃｍ、さらには特に少なくとも２２ｃｍであると、好ましいことが判明している。さらに、後側のおむつ側方部分の長さが失禁使い捨ておむつの全長の少なくとも１０％、特に少なくとも１５％、さらには特に少なくとも２０％、さらには特に少なくとも２２％であると、好ましいことが判明している。特に失禁使い捨ておむつの全長は５０〜１２０ｃｍ、特に６０〜１１０ｃｍ、さらには特に７０〜１１０ｃｍであるのが好ましい。さらに、前側のおむつ側方部分が後側のおむつ側方部分よりも短い、特に少なくとも５％だけ短い、さらには特に少なくとも１０％だけ短い、さらには特に少なくとも１５％だけ短い、さらには特に多くとも５０％だけ短い長手方向長さを有していると、好ましいことが判明している。本発明の発展例では、おむつ側方部分の幅、すなわちおむつ主要部分の側縁を超える長さは１０〜４０ｃｍ、特に１２〜３０ｃｍ、さらには特に１３〜２５ｃｍであると、好ましいことが判明している。前側のおむつ側方部分は、後側のおむつ側方部分と等しい幅を有しているのが好ましい。

おむつ主要部分に接合されるおむつ側方部分は、少なくとも部分的に不織布から形成されているのが好ましく、特に好ましくスパンボンド材料（Ｓ）またはスパンボンド・メルトブロー材料（ＳＭ）または両面にスパンボンド材料を備えるメルトブロー層（ＳＭＳ）またはカーディングされた不織布材料を使用することができる。不織布積層材すなわち前掲の不織布の特に２層、３層、または多層の組み合わせも、採用することができる。個々の層の結合は、それ自体として通常である周知の方法によって行うことができ、たとえば熱による接合方法（溶着、特にレーザ溶接、ホットメルト、エアスルー）や、超音波溶接法によって行うことができる。不織布材料の常温プレス、ニードルパンチ、縫合、または接着も考えられる。繊維の織物、ニット、または編物との結合、すなわち最も広い意味で
の繊維結合を有する材料との結合、ならびにシートや発泡材との結合も考えられる。おむつ主要部分の側方に接合されるおむつ側方部分は、少なくとも区域的に通気性に優れるように構成されているのが好ましく、特に、空気交換だけでなく水蒸気の形態の水分の透過性も可能にする多孔性が好ましいと見なされる。おむつ側方部分材料は１０から１５０ｇ／ｍ²、特に２０〜１００ｇ／ｍ²、さらには特に２５〜５０ｇ／ｍ²の単位面積あたり重量を有しているのが好ましい。

さらに、おむつ側方部分は第１の長手方向に延びる少なくとも１つの折り線を中心として、それ自体の上へ、および／またはおむつ主要部分の上へ折り込まれるのが好ましいことが判明している。この思想の発展例では、おむつ側方部分はドイツ特許出願第２０２００４００６９５１．２号明細書に開示されているように、折り畳まれた構成のまま、特に超音波溶接点による接合個所または接合領域で取外し可能に固定されるのが好ましいことが判明している。これをもって、ドイツ特許出願第２０２００４００６９５１．２号明細書の開示内容を明示することにより援用する。それにより、該当するおむつ側方部分は、製造機械の内部で、プロセス工学の面から管理可能である安定した構成のまま保たれる。このようにして、折り目が開いてしまうのを確実に防止することができる。

おむつ側方部分の折畳み、および場合により折畳みの取外し可能な固定は、長手切片を切り離す前に行うのが好ましい。すなわち、まだエンドレスであるおむつ側方部分ウェブの折畳みが行われるのが好ましい。これにより、後続する貼付ステーションの一層コンパクトな設計という利点がある。

本発明の発展例では、横方向でおむつ側方部分の自由端を形成する、それぞれ折り畳まれたおむつ側方部分の部分領域に、おむつ側方部分を広げるためのつまみ領域が設けられていると特別に好ましいことが判明している。このつまみ領域は、最も単純な場合、利用者の指でつかむことが可能な、前述した部分領域の長辺縁部区域によって形成されていてよい。該当する部分領域に、手でつかむことが可能な別個のつまみ部材が設けられていることも考えられるが、これは追加の製造工学上のコストを引き起すことになる。

これとの関連で、本発明による失禁用品の特別に好ましく有利な発展例では、すべての接合個所または接合領域での取外し可能な固定は、広げるときに、それぞれのおむつ側方部分のつまみ領域を持って１回引っ張ることによって分離可能であるのが好ましいことが判明している。それによって取扱が一層簡素化され、失禁用品がそれにより一層操作しやすくなり、このことは、とりもなおさず重度の要介護者での使用に当てはまる。

つまみ領域を持って１回引っ張ることによって、すなわちただ１回の引張運動によって実現可能な、折り畳まれたおむつ側方部分の前述した完全な展開は、おむつ側方部分のそれぞれの部分領域の間で、および場合により失禁用品のおむつ主要部分との間で、すべての接合個所が外されるまでに、利用者がそれぞれのおむつ側方部分を持って何度もぐっと引っ張ったり、ましてや力ずくで引っ張ったりしなくてよいことを意味している。

最も単純な場合、それぞれのおむつ側方部分は１つの折り線を中心としてそれ自体の上に折り畳まれ、それによって２つの部分領域が相上下して位置し、ないしは相互に当接することになる。しかしながら、おむつ側方部分は少なくとも２つの折り線を中心としてそれ自体の上に折り畳まれるのが好ましく、それによって断面がＺ字型の構成が生じることになる。さらに別の好ましい実施形態では、おむつ側方部分は３つの折り線を中心としてそれ自体の上に折り畳まれる。さらに別の好ましい実施形態では、おむつ側方部分は４つの折り線を中心としてそれ自体の上に折り畳まれる。

本発明による失禁用品のさらに別の好ましい実施形態では、それぞれのつまみ領域は、
おむつ側方部分を広げる以前には外方に向かって横方向に向いており、すなわち互いに離れるように、かつ、平坦な下層の上に広がるおむつ主要部分の長手中心軸から離れるように向いており、それによって利用者の左手で左から、かつ右手で右から楽につかむことが可能である。

おむつ側方部分の相互に折り畳まれた部分領域の相互の、および場合によっておむつ主要部分との取外し可能な固定は、実質的に点状の複数の接合個所によって形成されるのが好ましい。上に述べたような種類の点状の接合個所は、接合個所が（おむつ主要部分のＸ−Ｙ平面へ投影したときに）５ｍｍ²よりも小さい面積、特に２ｍｍ²よりも小さい面積、さらには特に１ｍｍ²よりも小さい面積を有していることを意味している。接合個所は、厳密に点状または円形でなくてよい。点形や円形とは異なる形状、たとえば三角形、四角形、多角形、楕円形なども考えられ、それらも好ましい。おむつ側方部分の互いに折り畳まれた部分領域相互の取外し可能な固定は、熱または超音波で生成された、好ましくは点状の接合個所によって形成されるのが好ましい。

本発明によると、接合個所の個数、分布、または面積割合、あるいは互いに取外し可能に接合された部分領域の付着力は、すべての接合個所または接合領域における取外し可能な固定が、広げるときに、おむつ側方領域のそれぞれのつまみ領域を持って１回引っ張ることによって分離可能であるように、選択できることが見出されている。これは、接合個所の個数または面積割合、あるいは互いに取外し可能に接合された部分領域の付着力が、おむつ側方部分のつまみ領域からの距離に伴って低下していくことによってサポートされるのが好ましい。本発明によると、おむつ側方部分のそれぞれのつまみ領域を持って１回引っ張ることによって、すなわち１回の展開運動によって、すべての接合個所または接合領域の解消を実現するために、おむつ側方部分の互いに折り畳まれた部分領域の一領域がつまみ領域から離れているほど、部分領域相互の固定力を弱くすべきであることが見出されている。これに応じてつまみ領域の近傍では、互いに折り畳まれた部分領域の取外し可能な固定は、問題なく、要求事項に応じて強力に構成できることも見出されている。そのようにして、高速で運転されるおむつ製造機械の好ましくは手前または内部で折り畳まれる平坦材料ウェブの確実な搬送を保証することができ、失禁用品のおむつ主要部分から側方に突き出したおむつ側方部分がばたついたり、互いに折り畳まれた部分領域が折り畳みの内部でずれたりすることがない。後に製品全体を折り畳んだときにも、きれいな外観が得られる。

本発明の発展例では、折り畳まれた用品の使用開始前にはおむつ側方部分が内方に向かって、長手方向に延びる折り込み軸を中心として、おむつ主要部分の身体の方を向いている側へと折り込まれていると好ましいことが判明しており、それは、相上下して折り込まれた配置を形成して、（たとえば右側の）第１の後側のおむつ側方部分が少なくとも部分的に（たとえば左側の）第２の後側のおむつ側方部分の下に位置するようにするためである。その場合、それぞれのおむつ側方部分は、先ほど説明したようにそれ自体も、長手方向に延びる少なくとも１つの折り線を中心として、それ自体の上に折り畳まれていることが好ましい。このような折り込まれた配置は、第１の接合個所で取外し可能に固定されていることが好ましい。この点に関しては、ドイツ特許出願第１０２００５０３５５４４．７号明細書を援用する。

利用者に当てつけた状態で失禁用品を閉じるために、おむつ側方部分、好ましくは後側のおむつ側方部分は、機械的に付着または接着するように構成されていてよい閉止部材を有しており、この閉止部材はそれ自体、使用のために展開可能な折り畳まれた構成で、おむつ側方部分に配置されているのが好ましい。閉止部材が、おむつ主要部分の外面および／またはおむつ側方部分の外面にある突当り領域との間で、取外し可能に付着または接着するように協働することができると好都合であることが判明している。

最後に、切り分けられた失禁使い捨ておむつが、第１の長手方向に対して横向きに延びる少なくとも１つの折り線を中心として折り畳まれると、好ましいことが判明している。

本件特許出願の添付の方法の請求項の特徴に準ずる、もしくはこれに基づく特徴を備えた失禁使い捨ておむつについても、権利保護を請求する。

特に、おむつ主要部分と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分とを備え、後側のおむつ側方部分は前側のおむつ側方部分よりも高い伸長性を有している失禁使い捨ておむつについても、権利保護を請求する。さらに、おむつ主要部分と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分とを備え、後側のおむつ側方部分は前側のおむつ側方部分よりも高い伸長性を有している、上記または下記に述べる本発明の実施形態の１つまたは複数の特徴と組み合わされた失禁使い捨ておむつについても、権利保護を請求する。

本発明のその他の構成要件、具体的事項、および利点は、添付の特許請求の範囲、および図面の表示内容、および本発明による方法の好ましい実施形態についての下記の説明から明らかである。

次に、伸長性を判定するための試験について説明する。ＥＮ ＩＳＯ５２７−１（１９９６年４月）に定める引張試験機を用いて、おむつ側方部分の伸長を引張試験機で定義された力限界まで調べる。

試料の準備：
まず、あらかじめ２３℃と５０％の相対湿度で２４時間にわたって状態調節しておいた失禁使い捨ておむつにおいて、おむつ主要部分に接合されたおむつ側方部分を、おむつ主要部分の長手方向側縁に沿って、接合部を破損させながら切り離した。そのためには刃物またはハサミを利用することができる。おむつ側方部分が接合個所または接合領域で取外し可能に固定された状態で、それ自体の上に折り畳まれた構成として、もしくは相上下して折り込まれたおむつ側方部分の配置として存在しているときは、おむつ主要部分から切り離す前に、まず手作業ですべての接合個所および接合領域を外し、おむつ側方部分を完全に広げる。そして、このおむつ側方部分を長辺の縁部で中央に心合わせしながら、先ほどまでおむつ主要部分に接合されていた（失禁用品の長手方向の）長さ全体にわたって、引張試験機の下側のクランプにしっかり挟み込む（挟み込み深さ：１５ｍｍ）。したがって、引張試験機の下側のクランプは相応の長さを有していなくてはならず、３００ｍｍの長さを有しているのが好都合である。切り離されたおむつ側方部分の、これと向かい合う自由な長手側縁に、引張試験機の可動クランプを同じくその長さ全体にわたってしっかりと挟み込む（挟み込み深さ：１５ｍｍ）。したがって、引張力を受けるべき初期長さは、おむつ側方部分の幅全体から、クランプへの挟み込み深さを差し引いた長さに相当している。この可動クランプの制御下の運動により、定義された力限界まで、特に４５Ｎの力まで引張試験の実験を行い、初期長さの％として伸長を求めた。

試験パラメータ：
−挟み込み深さ：それぞれ１５ｍｍ
−可動クランプの試験速度：３００ｍｍ／ｍｉｎ
−測定距離：定義された４５Ｎの力値に達するまでの伸長
−初期力：０．２Ｎ
図１は、図２に平面図として模式的に図示された多数の失禁使い捨ておむつ２を製造する本発明の方法を示している。製造されるべき失禁使い捨ておむつ２（以下、おむつ２と
する）は、おむつ主要部分４の縦方向長さよりも縦方向長さが短い吸収コア６が上に装着されたおむつ主要部分４と、前側のおむつ側方部分８と、後側のおむつ側方部分１０とを含んでいる。おむつ主要部分の長さＬ１は、図２に示す事例では８１５ｍｍである。おむつ主要部分の幅Ｂ１は、３２０ｍｍである。後側のおむつ側方部分１０の長さＬ２は、２３０ｍｍである。前側のおむつ側方部分８の長さＬ３は、１７０ｍｍである。前側および後側のおむつ側方部分の幅Ｂ２は、統一されて１７０ｍｍである。前側および後側のおむつ側方部分８および１０は、おむつ主要部分４の前側のウェスト領域１２ないし後側のウェスト領域１４で、（図示した図２の事例ではそれぞれ側方に）取外し可能なように接合されている。後側のおむつ側方部分１０は、前側のおむつ側方部分８よりも高い伸長性を有しており、これは、後側のおむつ側方部分１０における弾性伸長可能な領域または区域１６によって模式的に図示されている。さらに、おむつ２の長手方向１８に延びる第１の弾性部材２０が、吸収コア６の両側に図示されている。さらに、基本的に吸収コア６の縁部付近で横漏れ防止部を形成する、ここには図示しない第２の弾性部材も、起立したカフ部材すなわち折返し部材の形態で設けることができる。使用時におむつ主要部分の外面との間で、および好ましくは前側のおむつ側方部分の外面との間でも、付着するように協働することができる、後側のおむつ側方部分に取り付けられた閉止部材９０が模式的に図示されていることがわかる。

おむつ２を製造するために、図１（上側領域）に示すように、おむつ側方部分ウェブ２２が形成されて、貼付ステーション２４へ向かう方向へと搬送される。おむつ側方部分ウェブ２２は、特に実質的に伸長不能な支持体材料３０からなる、備蓄ロール２６からエンドレスに繰出し可能な第１のウェブ２８と、弾性伸長可能な材料３６からなる、備蓄ロール３２からエンドレスに巻出し可能な第２のウェブ３４とを含んでいる。図１では模式的にのみ示す第２のウェブ３４は、たとえば横方向で互いに間隔をおいた２つのストライプ状のウェブを含んでいてよく、その様子は後の図６との関連で図示されている。ウェブ２８および３４は相上下して搬送され、それ自体として任意の接合技術によって相互に恒久的に結合され、その様子は、接合ステーション３８を形成する２つのローラで図示されている。搬送方向で見て接合ステーション３８の後には活性化ステーション４０が続いており、ここでは弾性伸長可能な材料３６の弾性伸長可能な特性が活性化され、すなわち、第１のウェブ２８の伸長可能でない支持体材料３０が（図６に図示するように）部分的に領域４２（図６参照）において、伸長に抵抗することができなくなるように処理されることによって活性化される。このことは、たとえば「リングローリング」のプロセスによる部分的な過度の伸長によって実現することができ、その場合、第１のウェブ２８と第２のウェブ３４とで形成される複合材料が、領域４２で相互に噛み合うローラ表面によって伸ばされて、それ自体として伸長可能でない支持体材料３０が過度に伸ばされ、その際に可塑変形するようにされる（その間、弾性変形可能な材料３６はこの伸長に弾性的に追随する）。活性化ステーション４０を通過した後、おむつ側方部分ウェブ２２は、少なくとも図６に図示する領域４２で弾性伸長可能となっている。領域４２の範囲外にある他の領域では、ストライプ状に装着された弾性伸長可能な材料３６は、その弾性化作用を発揮することができない。伸長可能でない支持体材料３０が、おむつ側方部分ウェブ２２の伸長を基本的に妨げるからである。

こうして処理されたおむつ側方部分ウェブは、さらに速度ｖ１で分離ステーション４４に向かう方向へと搬送され、そこで長手切片４６がおむつ側方部分ウェブ２２の搬送方向に対して横向きに切り離され、模式的に図示している加速ローラ４７を介して速度ｖ２まで加速されて、冒頭ですでに述べた貼付ステーション２４へ供給される。この長手切片４６は、図３から図１０では、それぞれ符号４８を付した分離線によって区切られている。

図１の下側には、エンドレスのおむつ主要部分ウェブ５０の供給と搬送が示されている。おむつ主要部分ウェブは、連続して載置された互いに間隔をおくエンドレスの数の吸収
コア６を支持している。さらに、被覆層５４が図示されている。吸収コア６と被覆層５４とは、以下においては、おむつ主要部分ウェブ５０に属しているものと見なす。おむつ主要部分ウェブは貼付ステーション２４へ向かう方向に、速度ｖ２でエンドレスに搬送される。貼付ステーション２４では、おむつ側方部分ウェブ２２の長手切片４６が、図１から明らかなようにおむつ主要部分ウェブ５０へ貼付され、すなわち、２つの吸収コア６の間の領域５２を覆うように、もしくはこの領域に配置されるように貼付される。これは、たとえば図８と図９の平面図に明らかに見られる。貼付ステーション２４で、または好ましくは実質的にこれに後続して、装着された長手切片４６がおむつ主要部分ウェブ５０と取外し不能に結合され、すなわちこれに固定される。このような固定領域は、たとえば図２、図８、および図９ではそれぞれ符号５６が付されている。こうして得られた複合体が、引き続いて切り分けステーション５８に向かう方向へと搬送され、そこで、製造されるべきおむつ２の長手方向１８に相当する搬送方向に対して実質的に横向きに、たとえば回転式のカッターローラや打抜き工具を用いて分離切断が行われる。分離切断線は、図面では符号６０で図示されている。分離切断は、貼付された長手切片４６をそれぞれ通過して、これを第１の部分切片６２と第２の部分切片６４とに分けるように実行される。第２の部分切片は後側のウェスト領域１４に設けられたおむつ側方部分１０を形成し、第１の区域６２は前側のウェスト領域１２に設けられたおむつ側方部分８を形成する。

次に、本発明によるさまざまな方法態様について、図３から図１１を参照しながら説明する：
図３に示す方法の態様では、おむつ側方部分ウェブ２２が矢印方向へ搬送されている。弾性伸長可能な材料３６のストライプ状の切片７０を備える、支持体材料３０からなる第１のウェブ２８を見ることができる。つまり図１の模式図とは異なり、弾性材料３６は（図６に示すように）搬送方向で連続的にではなく、互いに間隔をおいた切片７０として、第１のウェブ２８に装着されている。第１のウェブ２８の支持体材料３０は、やはり実質的に伸長不能である。ストライプ状の切片７０の領域４２で伸長性を実現するためには、非弾性的な支持体材料３０をこの領域で、上に説明したようにして処理しなくてはならない。特に、ここで支持体材料３０の局所的な過度の伸長を行うことができ、あるいは、ここで支持体材料３０に切欠きを設けることも考えられよう。

中央の破線７２で図示しているように、おむつ側方部分ウェブ２２は長手方向で左のウェブと右のウェブに分けられ、これらが後に図２に示すように、おむつ主要部分ウェブ４の側方領域に接合される。

図４は、分離ステーション４４で長手切片４６を形成するための分離線４８の形状を示している。分離線４８は長方形に延びており、それにより、廃棄されるべき長方形の切片７２が、おむつ側方部分ウェブ２２から切り落とされる。このとき分離線４８は、弾性伸長可能な材料３６からなる、それぞれのストライプ状の切片７０の端部を対象とするように延びている。このようにして位置決め精度を補償することができ、それぞれのストライプ状の切片７０が、おむつ２ないし該当するおむつ主要部分４の後側のウェスト縁部にいたるまで同一平面上を延びることが確保される。図５は、おむつ側方部分ウェブ２２の切り離された長手切片４６を示している。ここで明示しておくと、切り分けステーション５８でおむつ２を切り分けるときに、廃棄されるべき切片が分離時に形成されるのが好ましいことが判明する可能性もある。すなわちこのようにして、弾性伸長可能な材料からなるストライプ状の切片７０が後側のウェスト縁部まで延びることが本発明によって実現されるばかりでなく、弾性材料が、隣接するおむつ４ないし隣接するおむつ主要部分４の前側のウェスト領域１２へ入り込んで延びないことも保証することができる。これは図９との関連で図示されており、後で検証する。

おむつ側方部分ウェブ２２から長手切片４６を切り離すときに廃棄されるべき切片７２
を形成する代わりに、ただ１つの分離線４８に沿って分離をすることもできるはずであり、その様子は図３と図６に示されている。図７は、おむつ側方部分ウェブ２２の互いに間隔をおいた長手切片４６が上に装着され、たとえば超音波溶接によって、接着剤によって、またはその他の方法でおむつ主要部分ウェブ５０と取外し不能に結合されている、おむつ主要部分ウェブ５０を模式的に示している。図７の上側には、おむつ２を切り分けるための分離切断線６０が単に示唆されており、それに対して、図７の下側では切り分けステーション５８がすでに通過されており、分離切断６０が実行されている。このとき、弾性伸長可能な材料３６を有していない第１の部分切片６２が形成されるとともに、弾性伸長可能な材料３６を有するストライプ状の切片または領域７０を有する第２の部分切片６４が形成される。第１の部分切片６２は前側のおむつ側方部分８を形成し、後側の部分切片６４は後側のおむつ側方部分１０を形成する。一例として図示している図７の事例では、おむつ側方部分ウェブ２２はその長手方向に沿って左側部分と右側部分に分けられるのではなく、それぞれ形成された長手切片４６がおむつの横方向に一体的に連続して、おむつの幅全体にわたって延びており、すなわち、おむつを横方向で連続して覆っている（図２の模式図とは異なる）。

図１１に示す方法態様では、おむつ側方部分ウェブ２２は矢印方向へ搬送される。支持体材料３０からなる第１のウェブ２８を、弾性伸長可能な材料３６ａ，３６ｂのストライプ状の切片７０ａ，７０ｂとともに見ることができる。図３の模式図とは異なり、後側のおむつ側方部分を形成するそれぞれの第２の部分切片６４には、弾性伸長可能な材料３６ａ，３６ｂのそれぞれ２つのストライプ状の切片７０ａ，７０ｂが設けられている。前側のおむつ側方部分を形成するそれぞれの第１の部分切片６２には、弾性伸長可能な領域は設けられていない。このことは、図１２に図示するように、それぞれの後側のおむつ側方部分１０が、おむつ側方部分の上側の横縁１７０に、もしくはその近傍に、第１の伸長可能な領域１６ａを有するとともに、下側の横縁１７１には、もしくはその近傍には、第２の伸長可能な領域１６ｂを有するという結果となる。伸長可能な領域１６ａ，１６ｂの間には、実質的に伸長可能でない領域１６１が残される。このような場合、後側のおむつ側方部分は、本発明による使用時に、たとえば失禁使い捨ておむつを閉じるときに、ちょうど最も強い力が作用するところで高い伸長性を与えられる。おむつ側方部分が主要部分から引き裂かれることを、それによって防止することができる。さらに、伸長可能でない領域１６１はおむつ側方部分の一層高い安定性を保証し、これは、使用時における失禁使い捨ておむつの取扱だけでなく、高速で運転されるおむつ機械での製造にとっても好都合である。

当然ながら、図１１に示す不連続的に配置された弾性伸長可能な領域も、上に説明したように、搬送方向で連続的にあらかじめ装着された弾性材料を、先ほど説明した方法で周期的にのみ活性化することによって設けることができる。

図８は、おむつ側方部分ウェブ２２が長手方向で左側部分と右側部分に分けられている別の実施形態を示している。このことは、長手切片４６が形成される分離ステーショ４４よりも前に行われるのが好ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。それに応じて、左側および右側の長手切片４６が貼付ステーション２４でおむつ主要部分ウェブ５０に装着され、取外し不能なように固定される。輪郭切断線７８として構成された分離切断線６０の形状が同様に図示されており、この切断を行うときには、やはり廃棄されるべき切片８０が形成される。すでに図４との関連で説明したように、一方では、弾性材料３６からなるストライプ状の領域７０が、切り分けられたおむつ２の後側のウェスト縁部まで同一平面上を延びることが実現され、また他方では、弾性材料３６が第１の部分切片６２にまで達することが防止される。ただ１本の、特に直線状の分離切断線６０の製作は、図９に図示されている。

図１０は、そのつど利用できるおむつ側方部分ウェブ２２の全幅が、左側または右側のおむつ側方部分として利用される、さらに別の代替的な本発明の方法の態様を示している。弾性的でない支持体材料３０が伸長に対して抵抗しないように、もしくはわずかな抵抗しかしないように処理された、支持体材料３０からなる第１のウェブ２８にある領域４２が同様に図示されている。特に領域４２は、「リングローリング」によって過度に伸ばされた領域を表すことができる。それぞれの領域４２は、搬送方向で見て後方に示すように、弾性伸長可能な材料３６からなる切片または領域７０で覆われている。図１０に示す方法態様の特別なところは、右側のおむつ側方部分と左側のおむつ側方部分とが交互に形成されるという点にある。このことは、分離ステーション４４で第１の長手切片４６ａが切り離され、その後に続いて第２の長手切片４６ｂが切り離され、これらがおむつ主要部分ウェブ５０の一方および他方の側に接合されることを意味している。このとき、おむつを切り分けるためのそれぞれの分離切断線６０は、原則として変化しない。この方法態様では、前述したように、おむつ側方部分８，１０の一層広い幅を具体化することができる。

おむつ側方部分８，１０は、ドイツ特許出願第２０２００４００６９５１．２号明細書が開示および教示するように、それ自体の上に折り畳まれた構成で設けることもできることを、明示して断っておく。この折り込み、ないしそれ自体の上への折り畳みは、長手方向に延びる折り線に沿って、長手切片４６が形成される分離ステーション４４よりも前に行われるのが好ましい。上下して折り畳まれた切片は、特に超音波溶接点によって、または弱い作用をする接着剤個所によって、取外し可能に互いに固定されるのが好ましく、それによって手作業で再び容易に広げることが可能である。

本発明による製造方法を示す模式図である。 本発明による方法に基づいて製造された失禁使い捨ておむつを模式図として示す平面図である。 おむつ側方部分ウェブを模式図として分離線を図示しながら示す平面図である。 おむつ側方部分ウェブを模式図として分離線の形状（裁断くずを含む）を図示しながら示す平面図である。 図４のおむつ側方部分ウェブの切り離された長手切片を示す平面図である。 長手方向に連続する弾性材料を備える、本発明によるさらに別の方法の態様に基づくおむつ側方部分ウェブを示す平面図である。 おむつ側方部分ウェブの長手切片が貼付されたおむつ主要部分ウェブを示す平面図である。 切り分けるための輪郭切断線が図示されている、おむつ側方部分ウェブの長手切片が貼付されたおむつ主要部分ウェブを示す平面図である。 直線状の分離切断線が図示されている、長手切片が貼付されたおむつ主要部分ウェブを示す平面図である。 本発明によるさらに別の方法態様に基づくおむつ側方部分ウェブを示す平面図である。 本発明によるさらに別の方法態様に基づくおむつ側方部分ウェブを示す平面図である。 図１１に基づいて製作されたおむつ側方部分ウェブを準備したうえで、本発明に方法に基づいて製造された失禁使い捨ておむつを模式図として示す平面図である。

Claims (38)

1. おむつ主要部分（４）と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分（８，１０）とを有する多数の失禁使い捨ておむつ（２）を製造する方法であって、
   エンドレスのおむつ主要部分ウェブ（５０）を第１の長手方向（１８）で貼付ステーション（２４）へと供給、搬送し、
   伸長可能な領域（７０）が設けられたエンドレスのおむつ側方部分ウェブ（２２）を供給し、
   前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の長手切片（４６）を切り離し、前記長手切片（４６）を前記貼付ステーション（２４）へ供給して前記おむつ主要部分ウェブ（５０）にあてて位置決めし、
   前記おむつ主要部分ウェブの第１の領域（５６）で前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の前記長手切片（４６）を取外し不能に固定し、前記第１の領域（５６）は、長手方向で連続して互いに接する２つの前記おむつ主要部分（４）の前側のウェスト領域（１２）と後側のウェスト領域（１４）とをそれぞれ含んでおり、
   長手方向（１８）に対して横向きに前記おむつ主要部分ウェブ（５０）を分離することによって前記失禁使い捨ておむつ（２）を切り分け、前記分離は前記長手切片（４６）を通過して行われ、各長手切片（４６）の第１の部分切片（６２）が第１の前記失禁使い捨ておむつの前記前側のおむつ側方部分（８）を形成するとともに、各前記長手切片（４６）の第２の部分切片（６４）がこれに直接接する第２の前記失禁使い捨ておむつの前記後側のおむつ側方部分（１０）を形成するようにし、
   前記後側のおむつ側方部分（１０）は、前記前側のおむつ側方部分（８）よりも高い伸長性を有していることを特徴とする方法。
2. それぞれの前記おむつ主要部分（４）は、液体を蓄える吸収コア（６）を有していることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. 伸長可能な前記領域（７０）は、弾性伸長可能な領域であることを特徴とする、請求項１または２に記載の方法。
4. 前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の前記第２の部分切片（６４）には、前記長手方向（１８）で互いに間隔をおきながら少なくとも２つの伸長可能な領域（７０ａ，７０ｂ）が設けられることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の方法。
5. 前記第１の長手方向（１８）に延びる第１の弾性部材（２０）が、前記おむつ主要部分ウェブ（５０）に接合されることを特徴とする、前記請求項１〜４のいずれか１項に記載の方法。
6. 前記第１の長手方向（１８）に延びる第２の弾性部材が、前記おむつ主要部分ウェブ（５０）に接合されることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の方法。
7. 前記第２の弾性部材は、起立したカフ部材によって形成されることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１項に記載の方法。
8. 前記貼付ステーション（２４）への前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の供給は第１の速度ｖ１で行われるとともに、前記貼付ステーション（２４）へのエンドレスの前記おむつ主要部分ウェブ（５０）の供給は第２の速度ｖ２で行われ、前記第１の速度ｖ１は前記第２の速度ｖ２よりも低いことを特徴とする、請求項１〜７のいずれか１項に記載の方法。
9. 前記第２の速度ｖ２は、前記第１の速度ｖ１よりも少なくとも４０％、特に少なくとも７０％、特に少なくとも９０％、特に多くとも２００％だけ高いことを特徴とする、請求項８に記載の方法。
10. 前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の弾性的な前記領域（７０）は、支持体材料（２８）へ弾性材料（３６）を装着して前記支持体材料（２８）を部分的に過度に伸ばすことによって形成されることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか１項に記載の方法。
11. 前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の前記弾性材料は、前記おむつ側方部分ウェブの長手方向へ連続的に延びる特にストライプ状の弾性材料（３６）によって形成されており、ただし前記弾性材料は長手方向で区域的にのみ活性化されることを特徴とする、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の方法。
12. 前記弾性材料（３６）は、第１および第２の支持体材料の間でサンドイッチ状に配置されていることを特徴とする、請求項１〜１１のいずれか１項に記載の方法。
13. 前記おむつ側方部分ウェブ（２２）の前記長手切片（４６）が前記おむつ（２）の横方向で一体的に連続するように構成され、前記長手切片は前記おむつ主要部分（４）の該当する前側または後側のウェスト（１２，１４）を連続して覆うことを特徴とする、請求項１〜１２のいずれか１項に記載の方法。
14. 前記おむつ側方部分ウェブ（２２）において、前記長手方向に連続するように、右側のおむつ側方部分を形成するための長手切片（４６ａ）と左側のおむつ側方部分を形成するための長手切片（４６ｂ）とが設けられることを特徴とする、請求項１〜１３のいずれか１項に記載の方法。
15. 前記失禁使い捨ておむつ（２）の切り分けのときに、または前記長手切片（４６）の切り離しのときに、廃棄されるべき切片（７２，８０）が形成されることを特徴とする、請求項１〜１４のいずれか１項に記載の方法。
16. 前記切り分けのときに輪郭切断（７８）が行なわれることを特徴とする、請求項１〜１５のいずれか１項に記載の方法。
17. 前記後側のおむつ側方部分は、４５Ｎの力作用時に少なくとも２０％、特に少なくとも２５％、さらには特に少なくとも３０％の伸長を有していることを特徴とする、請求項１〜１６のいずれか１項に記載の方法。
18. 前記前側のおむつ側方部分は、４５Ｎの力作用時に高くとも１５％、特に高くとも１０％、さらには特に高くとも８％の伸長を有していることを特徴とする、請求項１〜１７のいずれか１項に記載の方法。
19. 前記前側のおむつ側方部分（８）は、実質的に伸長不能に構成されることを特徴とする、請求項１〜１８のいずれか１項に記載の方法。
20. 前記おむつ側方部分（８，１０）は前記第１の長手方向（１８）に延びる少なくとも１つ、特に２つの折り線を中心として折り畳まれることを特徴とする、請求項１〜１９のいずれか１項に記載の方法。
21. 前記おむつ側方部分（８，１０）はそれ自体の上に折り畳まれ、その構成のまま取外し可能に固定されることを特徴とする、請求項１〜２０のいずれか１項に記載の方法。
22. 切り分けられた前記失禁使い捨ておむつ（２）は、前記第１の長手方向（１８）に対して横向きに延びる少なくとも１つ、特に２つの折り線を中心として折り畳まれることを特徴とする、請求項１〜２１のいずれか１項に記載の方法。
23. 請求項１〜２２の方法を用いて製造された、失禁使い捨ておむつ。
24. おむつ主要部分と、これに接合された前側および後側のおむつ側方部分とを備える失禁使い捨ておむつであって、
    前記後側のおむつ側方部分は、前記前側のおむつ側方部分よりも高い伸長性を有していることを特徴とする、失禁使い捨ておむつ。
25. 前記前側のおむつ側方部分は、実質的に伸長不能に構成され、それに対して前記後側のおむつ側方部分は伸長可能に、特に弾性伸長可能に構成されていることを特徴とする、請求項２４に記載の失禁使い捨ておむつ。
26. 前記後側のおむつ側方部分の長さは、少なくとも１０ｃｍ、特に少なくとも１５ｃｍ、さらには特に少なくとも１８ｃｍ、さらには特に少なくとも２２ｃｍであることを特徴とする、請求項２４または２５に記載の失禁使い捨ておむつ。
27. 前記後側のおむつ側方部分の長さは、前記失禁使い捨ておむつの全長の少なくとも１０％、特に少なくとも１５％、さらには特に少なくとも２０％、さらには特に少なくとも２２％であることを特徴とする、請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
28. 前記前側のおむつ側方部分は、前記後側のおむつ側方部分よりも短い、特に少なくとも５％だけ短い、さらには特に少なくとも１０％だけ、さらには特に少なくとも１５％だけ短い、さらには特に多くとも５０％だけ短い長手方向長さを有していることを特徴とする、請求項２４〜２７のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
29. 前記おむつ側方部分の幅は、１０〜４０ｃｍ、特に１２〜３０ｃｍ、さらには特に１３〜２５ｃｍであることを特徴とする、請求項２４〜２８のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
30. 前記前側のおむつ側方部分は、前記後側のおむつ側方部分と等しい幅を有していることを特徴とする、請求項２４〜２９のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
31. 前記おむつ側方部分は、第１の長手方向に延びる少なくとも１つの折り線を中心としてそれ自体の上に、および／または前記おむつ主要部分の上に折り込まれていることを特徴とする、請求項２４〜３０のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
32. 前記おむつ側方部分は、折り畳まれた構成のまま接合個所または接合領域で、特に超音波溶接点によって取外し可能に固定されていることを特徴とする、請求項３１に記載の失禁使い捨ておむつ。
33. 前記のように折り畳まれたそれぞれの前記おむつ側方部分の、前記おむつ側方部分の自由端を横方向で形成する部分領域に、前記おむつ側方部分を広げるためのつまみ領域が設けられていることを特徴とする、請求項３１〜３２のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
34. 前記つまみ領域は、利用者の指でつかむことが可能な前記部分領域の長辺縁部区域によって形成されていることを特徴とする、請求項３３に記載の失禁使い捨ておむつ。
35. それぞれの前記おむつ側方部分の前記つまみ領域を持って１回引っ張ることによって広げるときに、すべての前記接合個所または前記接合領域での取外し可能な固定を分離可能であることを特徴とする、請求項３３または３４に記載の失禁使い捨ておむつ。
36. 前記第１の長手方向（１８）に延びる第１の弾性部材（２０）が、前記おむつ主要部分ウェブ（５０）に接合されていることを特徴とする、請求項２４〜３５のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
37. 前記第１の長手方向（１８）に延びる第２の弾性部材が、前記おむつ主要部分ウェブ（５０）に接合されていることを特徴とする、請求項２４〜３６のいずれか１項に記載の失禁使い捨ておむつ。
38. 前記第２の弾性部材は、起立したカフ部材によって形成されることを特徴とする、請求項３７に記載の失禁使い捨ておむつ。

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