JP2009510596A - 携帯型電子装置の通気 - Google Patents

Abstract

ケーシング（５）と、ケーシング５の開口部（１０）の近傍に取り付けられているスピーカー（２０）と、スピーカー（２０）との間に空間（３５）を形成するように開口部（１０）とスピーカー（２０）の間でケーシング（５）にシールして取り付けられている通気性の膜（２５）とを備えた携帯型電子装置において、膜（２５）が開口部（１０）を通してケーシング（５）への空気の流入と流出を許容する。
【選択図】 図２

Description

本発明は、ＰＤＡなどの携帯型電子装置に関し、特に、産業分野で使用されているものに関する。詳細には、本発明は、性能を高めるためにこのような装置のケーシングを適合させる手段に関し、具体的には、ケーシングの通気に関する。

電子装置において、内部部品はかなりの量の熱を発生させ、これらの熱は放散させられる必要がある。卓上アプリケーションは内部部品に空気の流れを提供するためにファンを内蔵することができるが、特に携帯型とみなされるようなより小型の電子装置にはファンの内蔵は不可能であり、このような空気の流れは適用できない。

しかし、発生する熱が比較的少量であることや、より連続的に使用される電子装置に比べ一般的に市販の環境では間欠的な使用であることから、このようなより小型の電子装置においては熱を放散するために多量の空気の流れは必要としない。

このように、携帯型電子装置においては、装置の外に加熱された空気を放散するために、一般的にはケーシングに通気穴を設けることで十分である。

産業用アプリケーションにおける劣悪な環境に対しては十分に保護されない市販の類似装置と違って、産業用アプリケーションには特別なグレードの携帯型電子装置が用いられる。たとえば、ほこり、泥、湿気などは装置の現実的かつ商品としての寿命に深刻な影響を及ぼす可能性がある。市販の装置はそのような劣悪な環境条件に耐えるようには設計されておらず、したがって、産業用環境で使用することによる損害を保証するに十分に長い実寿命は得られない可能性がある。したがって、産業用アプリケーションに適合される携帯型電子装置は、故障の原因となりやすいもののなかで、少なくともほこり、泥、湿気の流入に対する保護を有するようにされる。

このように、産業用の使用に適合される装置から加熱された空気を放散させる問題は特に困難な課題である。上記装置は好ましくない物質の流入から保護されているため、一般的に空気や水に対して漏れがないようになっている。結果的に、このような携帯型電子装置は加熱された空気の放散を促進させるファンを有しないだけでなく、実際は、加熱された空気が装置自体から漏れ出ることができない。結果として、このような装置において、圧力および熱の増加による破裂が生じ、装置の寿命を縮め、場合によっては安全を脅かす危険の原因になることが知られている。

発明の概要

したがって、本発明は、産業用の使用に適合される装置においてこのような加熱された熱の蓄積を回避することを目的とする。

第１の態様において、本発明はケーシングと、ケーシングの開口部の近傍に取り付けられているスピーカーと、スピーカーとの間に空間を形成するように開口部とスピーカーの間でケーシングに取り付けられている通気性の膜とを備え、膜は水の流入は防止するが開口部を通してケーシングへの空気の流入と流出を許容する携帯型電子装置を提供する。

このように装置のケーシングに水の流入は防止するが空気の自由な流れを許容するシールを設けることにより、携帯型電子装置は物質の有害な流入から保護されつつ、高温空気の通気を許容して装置の破裂は回避される。

本発明において、高温空気の通気をスピーカー部に設けることにより、余分な通気場所を必要としないという更なる利点を有する。ケーシングに対する湿気の浸透の機会はケーシングの開口部の数に比例して増加するため、スピーカーの開口部と通気部との目的を兼ねさせることにより、開口部の兼用使用で開口部を通してケーシングに水が浸透する機会は半減することになる。

また、このような装置のスピーカーの大きさは、装置において割合として大きくなることがある。したがって、通気部とスピーカーの兼用を提供することにより、より小さい従来の通気穴を通した一般的なものよりも、空気が通気する面積が大きくなり、高温空気を通気させる能力が非常に高くなる。

好ましい実施形態では、スピーカー開口部を通気部と兼用させる利点により、スピーカーに保護された音響室を提供するように装置を構成することが可能となる。次のように好ましい実施形態においては、膜とスピーカーの間に空間を形成させることにより、スピーカーの音質を高めることができる十分な大きさとし、高温空気を通気させる手段を提供しつつ電子装置の性能を向上させる。

詳細な説明

添付されて図面に基づいてさらに本発明を説明することは好都合であり、図面は本発明の適当な構成を示している。本発明の他の構成も可能であり、したがって、添付された図面の特殊性が先に述べた発明の普遍性に置き換わるものと理解されるべきではない。

図１は本発明の一実施形態を示し、特に、内部部品を考察するために携帯型電子装置のケーシング５が取り除かれている。特に、この図面において、スピーカー２０に適合するようにケーシング５に環状の開口部１０が形成されている。開口部１０には穴１５が設けられたカバーを含み、如何なるものでも開口部１０を通過するものは穴１５も通過しなくてはならないようになっている。さらに、図１の分解図に示されているように、膜２５が開口部１０とスピーカー２０の間に配置されている。

図２は開口部１０に関連する組立品の詳細断面を示している。

開口部１０の近傍には、接着あるいは他の方法でケーシング５に固定されるスピーカー２０がケーシング５の中に取り付けられるように適合する段部４５を有する窪み４０が示されている。耐水性かつ通気性の好適な材料の膜２５が開口部１０に接している。好適な材料として日東電工（NittoDenko）のＴＥＭＩＳＨ^ＴＭフィルムが可能である。この材料は単に好適な材料の１つであり、本発明は決してこの材料に限定されるものではない。多くのこのような材料が使用可能であることは有識者（the skilled addressee）に明らかであり、必要以上の実験なしになお本発明の範囲に属する。膜２５はケーシング５に接着され、開口部１０を完全に覆いシールする。他の構成として、膜２５は単に穴１５を覆うようにすることも可能であるが、必要な材料が少なくなるものの実質的に製造コストは増大する。この実施形態では膜２５が開口部１０に接しているが、他の構成として、膜２５はスピーカー（２０）が取り付けられる窪み４０をシールするようにしてもよい。この構成ではごみ屑が空間３５内に蓄積される可能性があるが、空気の通気を許容しつつ電子装置のシールを可能にしている。

さらに、好ましい一実施形態では、膜２５は開口部１０に接しており、空間３５が膜２５とスピーカー２０の隙間空間に形成されている。この空間３５の配置は空間３５が音響室としての役割を果たすようにし、本発明の目的を満足させつつスピーカーの性能を大きく向上させることができる。

本発明では、装置の破裂を防止するために加熱された空気３０を電子装置から放散させる機能を主な課題としている。空気の流れをなお許容するように窪み４０にスピーカー２０を固定することによって、加熱された空気が空間３５に入り膜２５を通過することができ、大気に放散される。このように、通気性かつ防水性の膜２５は開口部１０を通して高温空気を大気に放散させることを許容しつつ、装置を水の流入から保護するという２つの機能を果たしている。

本発明の一実施形態に係る携帯型電子装置の等角図である。 図１の実施形態に係るスピーカーの断面図である。

Claims (5)

1. ケーシングと、
   前記ケーシングの開口部の近傍に取り付けられているスピーカーと、
   前記スピーカーとの間に空間を形成するように、前記開口部と前記スピーカーの間で前記ケーシングにシールするように取り付けられている通気性の膜と、
   を備え、
   前記膜が前記開口部を通して前記ケーシングへの空気の流入と流出を許容する携帯型電子装置。
2. 前記膜は耐水性であり、前記開口部からの水の流入を防止するように取り付けられている請求項１記載の装置。
3. 前記ケーシングへの空気および水の経路は前記ケーシングの前記開口部を通してのみ許容されており、水の前記経路は取り付けられた前記膜によって妨げられている請求項１または請求項２記載の装置。
4. 前記開口部は前記ケーシングの一部にある複数の穴を備えている請求項１から請求項３のいずれか1項に記載の装置。
5. 前記空間は前記スピーカーの音響室としての役割を果たす請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の装置。

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