JP2009507068A - 血液透析患者における低血圧予防及び血圧安定化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液透析患者における血圧を安定化するための、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートを含めたS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用に関する。本発明の組成物は、血液透析患者における低血圧の予防に有効である。

Description

本発明は、血液透析患者における低血圧予防のためのS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用に関する。特に、本発明は、血液透析患者における低血圧予防及び血圧の安定化のための方法に関する。
慢性腎不全(CRF)は、腎機能障害のいずれかの主な原因に起因しうる。末期腎疾患の最も一般的な原因は、糖尿病性腎症、それに続く高血圧性腎血管硬化症並びに種々の一次及び二次糸球体症である。CRFの機能的影響は、腎予備力低下、腎機能不全、及び尿毒症に分類することができる。
CRFの治療には、タンパク質制限、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、或いはアンジオテンシン受容体遮断薬、CRFが中期から末期疾患に進行するときの治療食への細心の注意が含まれる。従来の療法がもはや有効ではない場合、患者は末期腎疾患(ESRD)を有すると考えられ長期透析又は移植が選択肢である。大部分の医師は、尿毒症の症状(吐き気、嘔吐、拒食症、易疲労感、知覚低下)及び兆候(心膜摩擦音、難治性の肺水腫、代謝性アシドーシス、下垂足又は下垂手、アステリクシス)が緊急透析を必要とすることに同意する。
透析は、ESRD患者における腎機能の補足又は代替のための一方法を提供する。透析は、半透膜を通して濃度勾配を下る拡散(拡散溶質移動)による溶液中の成分の分離の方法である。主に、血液透析(血液から直接的に)及び腹膜透析(腹水を介して間接的に)が使用される。
ESRDの透析療法は、日常の生活活動を行う患者の能力を改善し、快適性を改善し、患者が適切な食事を食べられるようにし、正常な血圧を維持する助けとなり、尿毒症性ニューロパシーの進行を予防するものである。大部分のESRD患者は、健康良好状態を維持するために週に3回血液透析を必要とする。早期治療は、一般的に、成人において3から5時間、子供において3から4時間を要する。血液は適切な血管アクセス経由で患者から取り出されて膜装置にポンプによって送られる。膜装置の透析液区画は、血液区画と比べて陰圧下にあり、それによって膜を通した過剰な全ての体液の水圧限外ろ過が可能になる。透析した血液は、空気塞栓防止装置を有する管組織を通って患者に戻される。
血液透析中の最も一般的な合併症は、頻度が高い順に、低血圧(透析の20〜30%)、けいれん(5〜20%)、吐き気及び嘔吐(5〜15%)、頭痛(5%)、胸痛(2〜5%)、背痛(2〜5%)、そう痒(5%)、並びに発熱及び悪寒(<1%)である。
透析中の低血圧は、非常に一般的なイベントである。これは、通常、限外ろ過による液体除去の結果として生じる血液量減少及び患者が血液量減少を生理的に補うことができないことによる。
血液透析(HD)患者における血行動態異常調節、特に透析時低血圧(透析セッションの最大20%まで生じる)は、芳しくない患者予後に関係がある(Daugirdas JT.Am J Kidney Dis2001;38:S−11)。非閉塞性腸間膜虚血などの命にかかわる状態は、頻繁な透析時低血圧に関係があり、その結果として生じる脳及び心臓組織に対する損傷もまた、頻繁な低血圧発作を有する患者に生じることが予想されることの証拠がある。
普通は、血液からの水及び溶質の除去は、静脈への圧力伝達減少に対する応答である血漿補充及び静脈容量の減少によって補われる。HDセッション中には、血液からの大量の水及び溶質が、短時間に除去され、正常な補償機構を圧倒する。ある患者においては、血液量減少は、交感神経系の緊張の不適切な減少を伴うことがあり、細動脈の抵抗減少をもたらし、静脈への圧力伝達を増加し、静脈容量を増加する。この増加した静脈の血液の滞留は、心臓充満、心拍出量及び血圧を減少させる。
透析時低血圧の現在の保護操作には、より長い透析セッションの使用による限外ろ過速度削減、より頻繁な透析治療(Sherman RA.Am J Kidney Dis 2001;38:S18−25)、及び透析液が約35℃に冷却される低温透析(Dheenan Sら、Kidney Int 2001;59:1175−81)が含まれる。しかしながら、これらの治療は、生理的な落とし穴及び忙しい透析センターでの各種手配の困難を示すことがある。血液透析における熱的な規定の目標は、透析治療中にその初期レベルに核心(又は動脈血)温度を維持することである。この目標は、いくつかの理由で高度な熱平衡技術を用いないで容易には達成することができない。第一に、予備透析の核心温度は、治療の間で、患者の間で、しばしば個々の患者の中で1℃を超えて変わる。したがって、恒体温(isothermia)を維持するのに必要な初期の透析液温度は、実質的に患者の間で変わることになる。第二に、限外ろ過は、熱損失を削減する血管収縮を引き起こすことがある。この現象は、熱平衡を維持するため段階的な低温の透析を必要とする(Rosales LMら、Am J Kidney Dis 2000;36:353−61)。第三に、血流に比例した速度で、熱は静脈線から環境へ失われる。増加した透析溶液の塩化ナトリウムは、血液量及び補充を維持することができる別の任意選択の治療法であるが、水分制限された集団において透析時ののどの渇きを増加させることもある。食物のナトリウム制限は、しばしば遵守されないことがある。
透析時低血圧の進行の危険性がある患者は、血液量減少、心不全、左心室肥大、心房細動、加齢(>60歳)又は糖尿病の病歴を有する患者である(Sherman RA.Semin Dial 2002;15:141−3)。
Grossmanらの米国特許6,271,228は、ヒトの治療においてホスホジエステラーゼ阻害剤を使用する血液透析中に血圧を安定させるための一方法を開示している。
Mizrakhらの国際公開WO 98/13036は、動脈圧を増加するための薬物又は高酸素症から対象を保護するための薬物としてのS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用を開示している。これらの化合物は、急性低血圧、例えば、ショック状態及び慢性低血圧症又は酸素中毒症の治療用に提案される。上記発明は、種々の条件下でのS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの昇圧性の効果によって例証されている。しかしながら、国際公開WO 98/13036は、血液透析患者における低血圧の予防のためのS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用を教示もしてなく示唆もしていない。
Barkanらの国際公開WO 02/19961は、片頭痛を含めた頭痛の予防又は治療のためのS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用を開示している。
低血圧は、依然として血液透析の最も一般的な副作用であり、その発生は、より進んだ透析技術の出現で少なくなってきたが、上記に記載された管理処置は、完全には満足のいくものではない。例えば、それらは、血圧の正常化を可能にさせるための期間、透析の中断を含む。したがって、血液透析の結果として生じる低血圧の代替の治療法の継続的な必要性がある。
本発明は、血液透析患者における低血圧を予防するための方法及び組成物を提供する。特に、本発明は、血液透析前又はその最中のS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用は、低血圧を予防し血圧を安定させるという予想外の発見を開示する。
したがって、一態様によれば、本発明は、一般式Iを有する化合物の治療有効量及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を対象に投与することを含む、血液透析を受けている対象における低血圧の予防のための一方法を提供する

[式中、
は、ハロゲン、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン、第一級、第二級又は第三級アルコールからなる群から選択される1個又は複数の置換基によって場合により置換されている、或いはO、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている1から8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和アルキレンであり、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲンによって場合により置換された、ヒドロキシ、直鎖又は分枝低級アルキル、直鎖又は分枝低級アルケニル、直鎖又は分枝低級アルキニルを含むアルキレン、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級チオアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、スルホニル、ハロアルキル、カルボアリールオキシ、カルボアルキルアリールオキシ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、スルホンアミド、チオアルキルであり、
は、生理学的に許容されるアニオンである]。
本発明の一実施形態によれば、生理学的に許容されるアニオンは、リン含有酸、リン酸エステル及びリン酸アミドから誘導されるアニオンからなる群から選択され、該アニオンは、好ましくはホスフェート又はホスファイトのモノ又はジ−アルキルエステルから誘導される。
他の実施形態においては、生理学的に許容されるアニオンは、リン含有酸、リン酸エステル、リン酸アミド、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビタータレート、ビスルフェート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イソチオネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルモエート、ペクチネート、3−フェニルプロピオネート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タータレート、チオシアネート、グルタメート、ビカーボネート、p−トルエンスルホネート、クロリド、ブロミド、ヨージド及びウンデカノエートから誘導されるアニオンからなる群から選択される。
さらに他の実施形態においては、R、R、R及びRのそれぞれは水素である。ある実施形態においては、Rは直鎖又は分枝アルキルである。
したがって、一実施形態においては、S−アルキルイソチオウロニウム誘導体は、式(II)の化合物である

[式中、
R”は、ハロゲンによって場合により置換された直鎖又は分枝アルキルであり、
A”(−)は、リン含有酸から誘導されるアニオンである]。
本発明は、血液透析患者における低血圧の予防における使用のための薬物の製造のための、一般式(I)又は(II)を有する化合物の使用を更に提供する。
ある実施形態によれば、上記化合物は、S−メチルイソチオウロニウムメチルホスファイト、S−メチルイソチオウロニウムジメチルホスフェート、S−エチルイソチオウロニムメタホスフェート、S−エチルイソチオウロニムエチルホスファイト、S−エチルイソチオウロニムジエチルホスフェート、S−プロピルイソチオウロニウムプロピルホスファイト、S−イソプロピルイソチオウロニウムメタホスフェート、S−イソプロピルイソチオウロニウムイソプロピルホスファイト、S−ブチルイソチオウロニウムジブチルホスフェート、及びS−イソブチルイソチオウロニウムイソブチルホスファイトからなる群から選択される。
ある実施形態においては、上記化合物はS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートである。
記載された好ましい実施形態における一層更なる特徴によれば、抗低血圧薬は非経口投与方法用に製剤化される。非経口投与経路のうちで、特に好ましい製剤は、注射、又は注入投与に適している。別の好ましい投与経路は経口投与である。
一実施形態によれば、抗低血圧薬は血液透析の前に投与される。
別の実施形態によれば、抗低血圧薬は血液透析中に投与される。
ある実施形態によれば、注射、又は注入投与に適する治療有効量は、0.1及び5mg/体重1kgの間の範囲である。他の実施形態によれば、前記治療有効量は、0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である。ある実施形態によれば、前記治療有効量は、0.3から2.4mg/体重1kgの範囲である。他の実施形態によれば、前記治療有効量は、0.5から1.8mg/体重1kgの範囲である。他の実施形態によれば、前記治療有効量は、0.5から1.2mg/体重1kgの範囲である。
他の実施形態によれば、経口投与に適する治療有効量は、0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である。
本発明のこれら及び他の実施形態は、以下の図、明細書及び特許請求の範囲に関連して明らかになるであろう。
本発明は、それだけには限らないが、低血圧の予防のための、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートを含めたS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用に関する。
本発明は、血液透析前又はその最中のS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用は、低血圧を予防し血圧を安定させるという発見を初めて開示する。
定義
本明細書で使用される「低血圧」という用語は、正常な血液量(正常血液量)の維持にもかかわらず持続する血圧減少によって特徴付けられる血行動態状態を意味する。一般的に、十分な心室充満圧(少なくとも12mmHgの肺動脈楔入圧(PAWP))にもかかわらず、又は少なくとも8mmHgの十分な中心静脈圧(CVP)にもかかわらず、平均動脈圧が少なくとも1時間90mmHg未満であるときに、患者は低血圧を患っている。低血圧の他の指標は、低血圧状態の積極的な初期の輸液療法(500mlの等張晶質、25グラムのアルブミン、又は200mlの他のコロイド(例えばヒドロキシエチルでんぷん)の投与などの)への応答の失敗、或いは90mmHgの収縮期血圧を維持するための昇圧用量のドーパミン(>5g/kg/分)又はノルエピネフリン又は他の昇圧剤の必要性である。
「透析時低血圧(IDH)」という用語は、透析前血圧≦120mmHgを有する患者において、収縮期血圧(SBP)又は平均動脈圧(MAP)の、透析前の両方の値のベースラインからの減少として本明細書で定義される。ある場合には、減少は約20%である。
本明細書で使用される「透析時低血圧の傾向」という用語は、抗低血圧薬の乾燥重量の標準の調節及び変更にもかかわらず最近の6カ月間に1カ月当たり少なくとも3回、透析時低血圧の再発性の発作を経験する患者を意味する。
本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒト及び他の哺乳類の両方を含めた哺乳類を意味する。本発明の方法は、好ましくはヒトの対象に適用される。
本明細書で使用される、薬物用量についての「治療有効量」又は「治療有効な」という用語は、特定の薬理学的応答を提供する用量を意味し、この特定の薬理学的応答のためにこのような治療を必要とする有意な数の対象に薬物が投与される。「治療有効量」は、例えば、患者の健康状態、患者の年齢及び低血圧の重篤性に応じて変わりうる。
本明細書で使用される「MTR107」という用語は、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの注射製剤を意味する。
本明細書で使用される「MTR106」という用語は、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの経口製剤を意味する。
本明細書で使用される「約」という用語は+/−10%を意味する。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、直鎖又は分枝鎖アルキル、アルケニル又はアルキニルを含めた飽和又は不飽和炭化水素鎖を意味する。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、それだけには限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、及び同様のものなどの1から30個、好ましくは1から6個の炭素原子を含む飽和炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用されるアルキルという用語は、ハロゲン原子を含むハロアルキルも意味する。アルキルには、硫黄、酸素及び窒素のヘテロ原子を有するヘテロアルキルも含まれる。
「アルケニル」及び「アルキニル」は、ビニル、アリル、プロパルギル、1−メチルビニル、ブト−l−エニル、ブト−2−エニル、ブト−2−イニル、1−メチルブト−2−エニル、ペント−1−エニル、ペント−3−エニル、3−メチルブト−1−イニル、1,1−ジメチルアリル、ヘキス−2−エニル及び1−メチル−1−エチルアリルなどの、それぞれ二重又は三重結合による不飽和の、2から12個までの炭素を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基を意味するのに使用される。
「シクロアルキル」という用語は、それだけには限らないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及び同様のものを含めた環式基を意味するのに本明細書では使用される。
本明細書で使用される「シクロアルキルアルキル」という用語は、それだけには限らないがシクロヘキシルメチルを含めた、より低級のアルキル基に付加されたシクロアルキル基を意味する。
R置換について記載した「アルコキシアルキル」は、好ましくは、合計1〜22個の炭素原子を含む基である。例として、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシブチル、n−プロポキシエチル、及びイソプロポキシエチルを言及することができる。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を経由して親分子基に結合したアルキル基を意味する。
本明細書で使用される「アルコキシアルコキシ」という用語は、アルコキシ基を介して親分子基に結合したアルコキシ基を意味する。
本明細書で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語はI、Br、Cl又はFを意味する。
本明細書で使用される「カルボキシ」という用語は、−COOH基を意味する。「エステル」という用語は−COORを意味し、「アミド」という用語は−CONH又は−CONHR又は−CONRを意味する。本明細書で使用される「シアノ」という用語は−CN基を意味する。
本明細書で使用される「薬剤組成物」は、本明細書に記載された化合物の1種若しくは複数、又は生理学的に許容されるその塩若しくはプロドラッグと、生理学的に適切な担体及び賦形剤などの他の化学成分との製剤を意味する。薬剤組成物の目的は、生物体への化合物の投与を促進することである。
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、化合物の投与を更に促進するために薬剤組成物に添加される不活性物質を意味する。賦形剤の限定されない例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖及びデンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールが含まれる。
下記に列挙される他の選択肢を排除することなく、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートは、現在、血液透析患者における低血圧を予防するための好ましい化合物である。S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートは、血液透析患者における低血圧を予防するための有効な薬剤であることがこれから示されている。
本発明の一態様によれば、活性成分として、一般式(I)を有する化合物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む、血液透析患者用の抗低血圧薬が提供される

[式中、
は、ハロゲン、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン、第一級、第二級又は第三級アルコールからなる群から選択される1個又は複数の置換基によって場合により置換されているか、或いはO、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている1から8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝の飽和又は不飽和アルキレンであり、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲンによって場合により置換された、ヒドロキシ、直鎖又は分枝低級アルキル、直鎖又は分枝低級アルケニル、直鎖又は分枝低級アルキニル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級チオアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、スルホニル、ハロアルキル、カルボアリールオキシ、カルボアルキルアリールオキシ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、スルホンアミド、チオアルキルであり、
は生理学的に許容されるアニオンである]。
好ましくは、生理学的に許容されるアニオンは、制限なく、リン含有酸、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビタータレート、ビスルフェート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、ヒドロクロリド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イソチオネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルモエート、ペクチネート、3−フェニルプロピオネート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タータレート、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカーボネート、p−トルエンスルホネート、クロリド、ブロミド、ヨージド及びウンデカノエートから誘導される。
下記に記載された本発明の現在好ましい実施形態によれば、生理学的に許容されるアニオンは、リン含有酸から、より好ましくはリン含有酸エステル又はアミドから誘導されるアニオンからなる群から誘導されるアニオンであり、最も好ましくは、アニオンは、リン含有酸のモノ又はジ−アルキルエステルから誘導される。
本発明による、血液透析患者における低血圧の予防及び/又は治療に使用することができるS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の他の例には、それだけには限らないが、S−メチルイソチオウロニウムメチルホスファイト、S−メチルイソチオウロニウムジメチルホスフェート、S−エチルイソチオウロニウムメタホスフェート、S−エチルイソチオウロニウムエチルホスファイト、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェート、S−プロピルイソチオウロニウムプロピルホスファイト、S−イソプロピルイソチオウロニウムメタホスフェート、S−イソプロピルイソチオウロニウムイソプロピルホスファイト、S−ブチルイソチオウロニウムジブチルホスフェート及びS−イソブチルイソチオウロニウムイソブチルホスファイトが含まれる。
これらの化合物は、ヒトへの使用に安全であることが知られている。というのは、S−アルキルイソチオウロニウムのリン含有誘導体は低毒性を有し、そのLD50(致死量50%)は100〜1000mg/kgの範囲であり、これはこれらの化合物の治療用量よりはるかに高いからである。
毒物学的研究によって、本発明の化合物は、単回又は反復投与のいずれかとして投与された場合に有毒ではないことが示された。例えば、MTR107のLD50は、ラットにおいて最高400mg/kgまでであり、0.1〜2.4mg/kgの推奨治療用量より300〜400倍高い値である。
ある実施形態によれば、抗低血圧薬は、血液透析処置の前に投与される。他の実施形態によれば、抗低血圧薬は、血液透析処置中に投与される。
ある実施形態によれば、経口投与に適した治療有効量は、0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である。
本発明の別の態様においては、血液透析患者における低血圧を予防するための一方法が提供される。本発明のこの態様による方法は、一般式(I)を有する化合物の治療有効量及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を対象に投与することによって実施される

[式中、
は、ハロゲン、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン、第一級、第二級又は第三級アルコールからなる群から選択される1個又は複数の置換基によって場合により置換されているか、或いはO、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている1から8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝の飽和又は不飽和アルキレンであり、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲンによって場合により置換された、ヒドロキシ、直鎖又は分枝低級アルキル、直鎖又は分枝低級アルケニル、直鎖又は分枝低級アルキニル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級チオアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、スルホニル、ハロアルキル、カルボアリールオキシ、カルボアルキルアリールオキシ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、スルホンアミド、チオアルキルであり、
は生理学的に許容されるアニオンである]。
本発明の薬剤組成物
本発明による化合物は、それ自体で、又はそれが適切な担体又は賦形剤と混合される薬剤組成物で治療対象に投与することができる。
薬剤組成物は、それだけには限らないが、従来の抗低血圧剤などの、1種又は複数の更なる活性成分を含んでもよい。
本発明の薬剤組成物は、当技術分野で公知の方法、例えば、従来の混合、溶解、造粒、摩砕、微粉砕、糖剤製造、粉末化(levigating)、乳化、カプセル化、封入又は凍結乾燥プロセスを用いて製造することができる。
したがって、本発明による使用のための薬剤組成物は、薬学的に使用することができる製剤への活性化合物の加工を促進する、賦形剤及び助剤を含む1種又は複数の生理学的に許容される担体を用いる従来の方法で製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与の経路によって決まる。
注射については、本発明の化合物は、水溶液、担体又は希釈剤に、好ましくはハンク溶液、リンガー溶液、リン酸緩衝液又は生理食塩水などの生理学的に適合する緩衝剤に製剤化することができる。
経粘膜投与については、浸透すべき障壁に適合する浸透剤が製剤に使用される。例えばDMSO、又はポリエチレングリコールなどの浸透剤は、当技術分野で一般的に知られている。
経口投与については、上記化合物は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。このような担体によって、本発明の化合物は、患者による経口摂取用に、錠剤、丸剤、糖剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液、及び同様のものとして製剤することができるようになる。経口使用のための薬理学的製剤は、固体賦形剤を用いて、場合により得られる混合物を磨砕して、必要に応じて適切な助剤の添加後に、錠剤又は糖剤コアが得られるように顆粒の混合物を加工して製造することができる。適切な賦形剤は、特に、乳糖、ショ糖、マンニトール、若しくはソルビトールを含めた糖;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなどのセルロース製剤;及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などの生理学的に許容されるポリマーなどの賦形剤である。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加することができる。
糖剤コアには適切なコーティングが提供される。この目的のためには、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ウルシ及び適切な有機溶剤又は溶剤混合物を場合により含むことができる濃縮糖溶液を使用することができる。染料又は顔料は、識別のために、又は活性化合物用量の種々の組合せを特徴付けるために錠剤又は糖剤のコーティングに添加することができる。
経口で使用することができる薬剤組成物には、ゼラチンで作製された押し込み型のカプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作製された軟質の密閉カプセルが含まれる。押し込み型のカプセルは、活性成分を、乳糖などの賦形剤、デンプンなどの結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び場合により安定剤と混合して含むことができる。軟質カプセルにおいては、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁することができる。さらに、安定剤を添加することができる。経口投与用の全ての製剤は、投与の選択される経路に適した用量であるべきである。
口腔投与については、組成物は従来の方法で錠剤又はロゼンジの形態を取ることができる。
吸入による投与については、本発明による使用のための化合物は、加圧パック又は適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素を用いる噴霧器からのエアゾールスプレープレゼンテーションの形態で好都合に送達される。加圧エアゾールの場合においては、単位用量は、測定量を送達するためのバルブを提供することによって求めることができる。吸入器又は注入器での使用のための、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物及び乳糖又はデンプンなどの適切な粉末ベースの粉末ミックスを含んで製剤化することができる。
非経口投与用の薬剤組成物には、水溶性型の活性製剤の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド又はリポソームなどの合成脂肪酸エステルが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランなどの、懸濁液の粘性を増加する物質を含むことができる。場合により、懸濁液は、化合物の溶解度を増加して高濃度溶液の製剤を可能にする適切な安定剤又は薬剤も含むことができる。
別法として、活性成分は、使用前の、適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない水による構成用の粉末形態であってよい。
本発明の化合物は、例えば、ココアバター又は他のグリセリドなどの従来の坐剤ベースを用いる、坐剤又は保持浣腸などの直腸組成物に製剤化することもできる。
本明細書に記載された薬剤組成物は、ゲル相担体又は賦形剤の適切な固体を含むこともできる。このような担体又は賦形剤の例には、それだけには限らないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン及びポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
本発明に関係する使用に適した薬剤組成物は、活性成分が意図した目的を達成するのに有効な量だけ含まれる組成物を含む。より具体的には、治療有効量は、治療の対象における低血圧の予防、緩和又は寛解に有効な化合物の量を意味する。
治療有効量の決定は、特に本明細書に提供された詳細な開示を踏まえて、当業者の能力の範囲に十分含まれる。
正確な製剤、投与経路及び用量は、患者の状態を考慮して個別の医師が選択することができる(Finglら、1975年、「治療学の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」Ch.1p.lを参照されたい)。
投与される組成物の量は、当然ながら、治療される対象、低血圧の重篤性、投与の方法、処方医師の判断によって決まるであろう。例えば、MTR107の最大2.4mg/kgまでの用量は、有志の健康な被験者に許容されるであろうし、血液透析患者における低血圧の治療のための治療的代替手段を示す。
S−アルキルイソチオウロニウムを含む薬剤組成物は、血液透析処置前又はその最中のいずれかで使用することができる。一実施形態によれば、本発明の薬剤組成物は、血液透析の開始前に投与され、本発明の薬剤組成物は、血液透析処置前に静脈注射によって又は経口投与によって投与されるのが特に好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、S−アルキルイソチオウロニウムの溶液で内部が洗い流される透析装置又は透析管組織を用いて血液透析が行われる。本発明の更なる実施形態によれば、S−アルキルイソチオウロニウム誘導体の量の投与は、血液透析患者の血圧に滴定される。
本発明の組成物の単回又は反復投与を実施することができる。さらに、一定用量、可変用量、逓減用量、又は漸増用量を使用することができる。
マイクロ粒子及びナノ粒子を、本発明における持続薬物放出のために使用することができる。マイクロ粒子及びナノ粒子は、送達のためのデポー剤として作用する微小な生分解性の球体を使用する。ポリマーマイクロ粒子の主要な利点は、それらが極めて安全であり、ヒトの医療における縫合糸としての使用及び生分解薬物送達システムとしての使用について米国の食品医薬品局によって承認されていることである(Langer,1990,Science,249(4976):1527−33)。ポリマー加水分解の速度は非常によく特徴付けられており、これは、長期間にわたる持続薬物放出を有するマイクロ粒子の製造を可能にている。
マイクロ粒子の投与は、特にそれらが持続放出特性を組み込む場合に、長期の効果を引き出す。様々な期間にわたって加水分解するポリマー混合物及びそれらの相対分子量によって、放出速度は調節することができる。
本発明を一般的に記載したので、例示の目的で提供され本発明の制限を目的としていない次の実施例への参照を通してそれはより容易に理解されよう。
(実施例1)
MTR107及びMTR106の製剤及び用量
動物毒性試験及びヒトの患者の累積データに基づき、MTR107を第一相臨床試験について承認した。この研究においては、MTR107の一定用量又は漸増用量(0.3〜2.4mg/kg)の薬物動態プロファイル及び安全性を、12人の健常男性対象において評価した。第一相研究の結果は、MTR107は最高1.2mg/kgまでの用量で十分に許容され、有害事象は報告されなかったことを示した。12人の対象のうちの3人が、2.4mg/kg(最高の用量)での処置中に眠気及び一過性心電図変化を示した。1人は徐脈を生じ、第二は房室ブロックを生じ、第三は期外収縮の発生として特徴付けられた。これらの患者における予備処置(スクリーニング)及び研究後心電図、及び24時間携帯型心電図の検討は、処置中の観測に近似した発見を明らかにし、したがって、これらの有害事象と処置の関係は「不確かな」又は「ありうる」とみなされた。
注射製剤の一例は表1に示されている。
経口製剤の一例は表2に示されている。
(実施例2)
血液透析中の末期腎疾患(ESRD)患者におけるMTR107
I.研究目的
初期の予備的プロトコルの目的は、ゆっくりとした静脈(IV)注射(3分間かけて10mlの希釈溶液)として投与された第1の単回投与0.9mg/kg中のMTR107の効能を分析することであった。第1の投与において十分な血圧応答が観察されなかった場合、72時間の洗い出し期間後に、1.2mg/kgの第2の用量を投与した。この研究を血液透析セッション中の再発性低血圧発作の傾向を有するESRD患者において行った。血液透析中に投与されたMTR107の短期安全性及び許容性プロファイルも、この一連の患者において評価及び記録した。血液透析中のESRD患者のMTR107の血漿レベルを測定し、薬動力学パラメータを計算した。
ベースラインにおける、及び血液透析中の血行動態効果を記録及び監視した。測定した血行動態パラメータは、収縮期(SBP)、拡張期(DBP)、平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)、呼吸リズム、及び酸素飽和度である。
ベースラインにおける透析時低血圧発作の数を記録した。透析前及び透析後の患者の体重、透析中に投与された液量、透析の終わりに除去した液量、透析セッションの予定期間の変更を記録した。
ベースラインにおける、及びMTR107での処置中の透析時低血圧に一般的に関係した臨床症状の変化を記録した。意識消失、患者報告の吐き気及び嘔吐、筋けいれん及び発汗を含めた透析時低血圧に関係した一般的な臨床症状を記録した。
主要な安全パラメータは、収縮期及び拡張期血圧、平均動脈圧、心拍数及び酸素飽和度を含み、ベースラインにおいて、最初の30分間は5分毎に、その後2時間まで10分毎に、透析終了まで30分毎に測定した。透析終了後、これらのパラメータを、透析終了後8時間、1時間間隔で記録した。全ての血行動態測定値は3通りにモニターから直接得られた。血行動態パラメータのプリントアウトを印刷し、血液透析セッションを通して極値を解析するのに使用した。
II.試験プロトコル
血液透析中の数回の低血圧発作の病歴を有する血液透析患者において、同患者のベースライン特性を対照値として使用して、試験を非盲検試験として実施した。患者は0.9mg/kgのMTR107を与えられた。血液透析は、薬物投与前10分に開始し、薬物投与後240分に停止した。1ml滅菌使い捨て注射器を用いてMTR107の原液を取り出し、食塩水で希釈して10mlの総量にした。身体に入る(透析装置の後)ポートに、総量を3分かけてゆっくりと注射した。薬物投与後0、5、10、15、20、30、45、60、90、120、150、180、240、360、480、600及び720分に、身体から出るポートから、透析装置に入る前に血液サンプルを取り出した。血漿を分離及び凍結し、MTR107の濃度を求めた。
III.研究集団の選択
モルドバ共和国、キシニョフ市のthe Republican Hospitalにおけるthe Department of Hemodialysisにおける腎代償療法の手段としての維持血液透析を受けている全ての患者の記録が、医療スタッフによって見直されて、全ての患者が透析低血圧の病歴で分類された(ベースライン前の最近6カ月間に1月当たり>3回の透析低血圧イベント)。このように分類された全ての患者の医療記録を見直して、以下の対象/除外基準に従って適格性を求めた。
対象基準:20〜75歳に含まれる患者は、問題を扱うために当初設けられたであろう抗低血圧医療における標準の調節及び変更にもかかわらず透析中に低血圧の頻繁な発作(ベースライン前の最近6カ月間に1月当たり≧3回の透析低血圧イベント)を経験した場合には適格である。
除外基準:患者が>140/90mmHgの管理不良高血圧、不安定狭心症、可変体重増(2回の連続した透析の間で測定して10kgを超える増加)、知的障害、妊娠、及び悪性腫瘍又は他の随伴性の重篤な疾患を有する場合には除外する。
IV.血液透析中の血圧へのMTR107の作用
図1A〜1Dに示されたとおり、MTR107(0.9mg/kg)は、更なる医療行為を必要とすることなく、血液透析セッション中に約2時間にわたり血圧を正常化した。比較のため、同じ患者において2つの透析セッション中に、ベースライン(この薬物を用いない治療)の血行動態データを収集した。これらのベースラインデータは、低血圧傾向の患者のそれぞれが、血圧を正常化するのにセッション中に少なくとも3から4回の医療行為を必要とすることを実証した。対照的に、MTR107の存在下では、患者の血圧は血液透析を通して有意により安定であった。
V.薬物動態分析
0.9mg/kgの単回の静脈注射として投与されたMTR107の薬物動態パラメータを評価した。計算された薬物動態パラメータには、総クリアランス(CL)、定常状態における分配量(Vss)、分配量(V)、半減期(t1/2)、平均滞留時間(MRT)、及び血液透析クリアランス(CLr)が含まれた。血液サンプル(6ml)の収集の時点は、血液透析セッション中の0(投与前)、5分、10分、15分、20分、30分、45分、60分、90分、120分、150分及び180分であり、その後、8時間は毎時である。
薬物動態特性は次のように血漿濃度対時間経過から予想した。
薬物投与の時点(t1=0、C1=0として使用された)から最終の定量化できる濃度(AUClast)の時点までの濃度時間曲線下の面積を、次の式による線形台形法を用いて求めた

[式中、
i=サンプル番号
n=薬物投与の時間(t1=0、C1=0と共に使用された)を含めた定量化できる血漿サンプルの総数
ti=サンプル番号iに対応するサンプル時間
Ci=サンプル時間Iにおける濃度]。

[式中、
Qは透析装置血流量であり、
Aは透析装置に入る血液中の薬物濃度であり、
Vは透析装置から出る薬物濃度である]
薬物投与の時点(t1=0、C1=0として使用された)から無限(AUCinf)までの濃度時間曲線下の面積を、次の式を用いて求めた。

分配量を次のように計算した

[式中、CLは総クリアランスであり、λzは末端消失速度定数であった]。
総クリアランスは次のように計算した。
CL=用量/AUCinf
末梢分布相を血漿濃度/時間曲線から観察した。
末端消失速度定数(λz=ラムダz)を、濃度時間曲線の末端部の対数濃度データを用いる線形最小二乗回帰によって予想した。
末端半減期を次の式で求めた。

用量線形性:用量線形性があるかを確かめるために、様々な用量群についての平均AUClast及びAUCinfを、図を用いて示した。
非コンパートメント分析を、ネルダーミードアルゴリズムを適用して均一加重を用いて行った。コンパートメント分析を、ネルダーミードアルゴリズムを適用して行い、個別の対象に適用した加重は、H2、H4−均一加重、H1、H3−1/Y、H5−1/Yであった。
コンパートメント分析は、図2に示されたように身体クリアランス及び透析による中央コンパートメントからの2つの消失経路を有する2コンパートメント薬物動態モデルに適用された。
全ての薬物移動機構は、一次速度式に従うと仮定した。速度定数は、k12−中心から末梢コンパートメントへの薬物移動、k21−末梢から中心コンパートメントへの薬物移動、k10−身体クリアランス過程による中心コンパートメントからの薬物消失、kdialysis−血液透析プロセスによる中心コンパートメントからの薬物消失であった。kdialysisは、血液透析が行われない期間において0に設定した。
コンパートメント分析は、曲線形状がコンパートメントモデリングに適していなかったので、対象6、7、及び8の濃度対時間データに適用されなかった。
VI.薬物動態分析結果
濃度対時間データの非コンパートメント及びコンパートメント薬物動態分析の結果は、表3〜5及び図3〜4に示されている。


本研究は、様々な一般的状態における血液透析患者において実施した。患者の腎疾患の重篤性も可変であった。対象3、5、6、7、及び8の濃度対時間曲線は、血液透析処置の影響(分析的アッセイの選択性へのこれらの患者における尿毒症毒素の可能な干渉)、又は異なる時点におけるサンプリング技法の違いに起因しうる、1つ/いくつかの個別の時点における不合理な濃度を示した。血漿濃度の観測した時間的経過におけるこれらのばらつきは、薬物動態分析の結果を妨害し、対象5〜8におけるコンパートメント分析を妨げた。
血漿濃度対時間曲線は、静脈内投与後15〜30分に完了した急速な分布相を示し、その後、薬物は一次排出速度式でゆっくりと排出された(図3を参照されたい)。対象1〜6の個別のデータは同じ傾向をたどった。患者7及び8のデータは、対象1〜6について観察された平均濃度周辺の血漿濃度において極端なばらつきの類似のパターンを示した。
非コンパートメント分析の結果は、本試験に適用されたサンプリングスケジュールは、血漿濃度の時間的経過を完全には捕捉しなかったこと、及び外挿された%AUCは5つの対象において20%を超えたこと(表4を参照されたい)を示唆している。したがって、主要な薬物動態パラメータの観測された値は、その真の値とかなり異なってよい。
血液透析患者へのMTR107の静脈内投与後、薬物は、638分の平均排出半減期(T1/2β)で中央循環から除去され、平均MRT値は869分であった(表4を参照されたい)。平均全身クリアランスは2.71ml/分/kgであり、定常状態における観測された分配量は2.1L/kgであった。
対象1〜4への静脈内(IV)投与後のMTR107の観測された時間的経過は、修正された2コンパートメント薬物動態モデルによって首尾よく説明された(表5及び図4を参照されたい)。個別のデータは、4人のうち3人の患者においてMTR107の身体クリアランスが実質的になかったことを示した(表5を参照されたい)。平均結果に基づき、薬物排出及びコンパートメント間の薬物移動に関係したプロセスの半減期は、k10、kdialysis、k12、及びk21のそれぞれについて2310、38.3、73.3、及び23.7分であった。中心コンパートメントVの量は、196mlであり、ヒトの細胞外液の量(260ml/kg)に類似した。
(実施例3)
血液透析患者におけるMTR107の濃度対時間曲線のシミュレーション
I.シミュレーション
血液透析患者へのMTR107の連続投与のシミュレーションは、適用された薬物動態モデル及び薬物動態パラメータの得られた値に基づいた(図3及び表4を参照されたい)。
対象5、6、7、及び8の濃度対時間データは、薬物の薬物動態的な挙動ではなく、血液サンプリング処置における違いに起因しうる得られたデータにおけるばらつきのために分析から除外した。したがって、モデリングは対象1〜4の濃度対時間データに基づいた。シミュレーションを次の設定について実施した。
0、48、96、144、192及び240時間(0、2、4、6、8、及び10日)におけるMTR107の同一用量の複数回投与。
0.3、0.6、0.9、1.2及び2.4mg/kgの単回投与。
3分間注入として投与される用量。
透析処置は、MTR107のそれぞれの投与の10分前に始められ、240分後に停止された。
血液透析患者によるMTR107排出の速度は、最後の血液サンプルは薬物投与後わずか720分に取られたという事実のために、血液透析患者におけるMTR107の薬物動態試験の結果に基づいて正確に求めることはできない。その時点において、かなりの濃度のMTR107が検知され、薬物濃度における減少の最終的な勾配は正確に求めることはできなかった。さらに、血液透析患者によるMTR107排出の動態は、健康な対象における身体からの薬物排出に関与する主要なプロセスである腎機能の違いによる患者間の高いばらつきに影響されえた。
したがって、濃度対時間データのシミュレーションは、MTR107身体クリアランスの存在又は不存在を仮定した2つのシナリオにしたがって実施した(k10;血液透析が適用されない期間において身体からの消失の存在又は不存在下で生じた)。
II.シミュレーション結果
シナリオ1の結果:血液透析が適用されない期間における身体からのMTR107排出(k10)は、図5〜8に示されている。
シナリオ2の結果:血液透析が適用されない(k10=0)期間における身体からのMTR107排出の不存在は、図9〜13に示されている。
シミュレーションの結果は、血液透析と同時の2日間隔におけるMTR107の0.3〜2.4mg/kgの連続投与は、重篤な腎不全にもかかわらず、MTR107が血液透析の不存在下で身体から排出される場合には、血漿薬物濃度の有意な蓄積をもたらすことが予想されないことを示している。MTR107が血液透析のみによって身体から排出される場合においては、血漿薬物濃度の有意な蓄積は、0.3〜2.4mg/kgの用量の連続投与後に起こることが予想される。
シミュレーションの第三の部分は、シナリオ2の変更形態、即ち、血液透析が適用されない期間における身体中のMTR107の限定された蓄積及び身体からの排出(k10)を含む。
MTR107の身体クリアランスが、末期腎疾患において無視できる(k10=0)場合においては、薬物濃度の有意な蓄積は起こると予想され、MTR107血漿濃度のピーク及びトラフにおける有意な増加をもたらすであろう。シミュレーションの最後の部分の目的は、身体における薬物の最小の蓄積をもたらす連続投与用量を求めることであった。
薬物のトラフ濃度の増加は、連続投与レジメンについては防ぐことができなかった。というのは、血液透析が適用される4時間の間に、投与された用量を完全に排出することはできなかったからである。他方、MTR107のピーク濃度の増加は、薬物用量の連続した減少によって防ぐことができた。
シナリオ2で得られたCmax値に基づき、MTR107の1〜6回目の用量は、従って、次の係数、即ち、1.000、0.9214、0.8877、0.8722、0.8649、0.8614により減少させるべきである(例えば、2.4mg/kgの連続投与については、1〜6回目の用量は、それぞれ2.4、2.211、2.130、2.093、2.076、及び2.067mg/kgであるべきである)。この投与スキームによるシミュレーションの結果は図11〜13に示されている。
連続投与レジメン中のMTR107の連続的削減が、MTR107が血液透析によってのみ身体から除去される場合に、薬物のピーク血漿レベルにおける蓄積を減少させるために提案され、適切なシミュレーションが実施された。現在のシミュレーションアプローチは用量調節に焦点を合わせたが、蓄積を減少させる別の選択肢は血液透析プロセスの継続期間を増加することであろう。
(実施例4)
ESRD患者におけるMTR107の薬物動態及び薬力学的作用−第二相臨床試験プロトコル
目的
試験の目的は次のとおりである。
1.洗い出し期間によって分けられた3つの漸増用量において予防的に投与されたMTR107の薬物動態プロファイルを特徴付けること。
2.MTR107又はプラセボを処置した透析中の低血圧を生じる傾向を有する対象の薬力学プロファイルを特徴付けること。
3.薬物動態モデル及び用量調節のための要件を調査すること。
4.予備的な効能評価項目のデータを収集すること。
全体的研究デザイン
本研究は、透析中に低血圧を生じる傾向を有する患者の集団におけるMTR107の薬物動態及び薬力学的プロファイルを分析する予測、無作為、二重盲式、プラセボを対照とした、投与量決定研究である。登録された全ての患者は、過去6カ月間に1月当たり少なくとも3つの低血圧のイベントによって規定される低血圧の発作の傾向の病歴書を有する。患者は、試験の開始前にそれぞれの用量グループにおいてプラセボ又はMTR107処置に無作為に割り当てられる。薬物を処置された患者とプラセボを処置された患者の比は3:1である。
単回のIVボーラス投与としての最低用量で処置を開始する。薬物及びプラセボの両方ともゆっくりとしたIVボーラス注入法として投与する(希釈した薬物又はプラセボの10mlが3分かけて注入される)。血液サンプル、予備的パラメータ、有害事象、及びバイタルサインを、透析の期間中及びその後1時間にわたり継続的に記録する(Holterを用いて)。3つの透析セッションの洗い出し期間中、血液サンプル、予備的パラメータ、有害事象、及びバイタルサインを、透析の始め及び終わりにおいてのみ記録する。
薬物動態データのためのサンプリング
薬物動態分析のために、ベースライン及び下記に記載した特定の時点において4mlの血液を収集する。患者を透析回路に接続して10分後に研究薬物を注入する。血液サンプルはすぐに遠心分離にかけ、血漿は分離及び−20℃で凍結する。血液サンプルは、プラセボを処置した患者からも取る。
研究終了後、ランダム化コードを解除し、活性研究薬物(MTR107)を投与された患者においてのみ、MTR血液濃度を分析する。血液中の薬物濃度は、確立され有効な分析方法に従って分析する。
薬力学的評価
バイタルサインは、透析セッションの過程において及び投与後24時間まで、血液サンプリングと同時に特定の時点において継続的に監視及び記録する。洗い出し期間中、透析セッションの始めと終わりにおいて、同様のデータ記録を行う。
予備的パラメータ
全ての透析セッションを通して、次の予備的パラメータを収集する。
a.低血圧の治療のために必要とされる医療行為の数及び種類。
b.透析時低血圧に関係する症状の存在。
c.Kt/Vにより示される透析の効率。
安全性評価
有害事象を、研究期間を通して記録する。安全性評価は、低血圧発作、不整脈、有害事象の発生、及び肝機能の低下、及び/又は研究の終末までの任意の他の報告された有害事象の監視からなる。
対象基準
研究登録に適格となるためには、患者は次の基準を満足しなければならない。
1.年齢20〜75歳を対象とする。
2.乾燥重量における標準の調節にもかかわらず、ベースライン前の最後の6カ月間に1月当たり3回以上の透析時低血圧イベントとして規定される低血圧の頻繁な発作の存在。
3.試験開始前1カ月までに実施された心電図。
4.よく保たれた肝機能(正常な検査値範囲内)。
5.PT−INR、PTT、フィブリノーゲン及び血小板数によって判断される研究登録における正常な凝固状態。
6.研究デザインへの参画及び遵守の意欲。
7.インフォームドコンセント書式に署名する意欲。
除外基準
除外基準は次を含む。
1.管理不良高血圧、>140/90mmHg
2.不安定狭心症
3.急性疾患を示しうる異常な心電図。
4.試験研究中の薬物/器具を関与させる別の臨床試験への現在の参画、又は最近30日以内のこのような試験への参画。
研究を通してのタイミング
全体研究スケジュール
全研究期間は6カ月である。
処置
施される処置
それぞれの用量又はプラセボは、透析セッションの開始後10分に、ゆっくりとした静脈内注入(10mlの希釈した薬物又はプラセボを3分かけて)として投与する。
研究薬物(MTR107)
研究薬物のMTR107は、最初に0.3mg/kgの最低の用量から始めて投与する。その後、5回目及び9回目の透析セッションにおいて、それぞれ0.9mg/kg、及び1.8mg/kgに用量を増加させる。
プラセボ
プラセボは10mlの静脈注射用の滅菌食塩水である。
救済薬物治療
プラセボを投与した患者においては、又は医師によって臨床的に判断して許容されるレベルに血圧が回復しない場合はいつでも、標準の医療を提供し症例記録表に記録する。
実験室試験
血液学、血液生化学、止血パラメータ、酸化的ストレスのマーカーを含む実験室試験を、スクリーニングにおいて及び治療スケジュールの終わり(9回目の透析の終了後)に実施する。
透析の効率(Kt/V)を、処置前の透析の前及び終了後に、患者にMTR107を処置するときのそれぞれの透析セッションにおいて、プロトコル中の最後の透析において計算する。
治験薬の素性
cGMP研究用材料は、識別のための詳細、及び研究におけるその特定の使用に関する適切な警告を有する使い捨ての2ml滅菌バイアルの形態で、治験依頼者から提供される。薬物原料はS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートである。最終の薬物製品は、S−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの10%(100mg/ml)水溶液であり、これは4〜8℃で貯蔵される必要がある。
薬物は、治験依頼者より提供される標準作業手順に従って無菌条件下において現場で希釈する。活性薬剤は、IV注射用の無菌食塩水で総体積10mlに希釈して3分かけて注射する。
統計分析
サンプルサイズ
本研究は事実上記述的であり、主要評価項目の公式な仮説検定を目的としていない。したがって、出力計算は適用できない。
データ管理
データ管理システムは、FSEDIT手順を有するSAS(登録商標)バージョン8.2(FSP and AF products)である。症例記録表は現場から収集し、研究モニターによってデータ管理に送る。症例記録表は記録を取り、データは第二入力の照合を有する二重データ入力を用いて試験データベースに入力する。テキストアイテム/コメントは1回入力し症例記録表に対して手動で照合する。質問はプログラムによる検査で作成されるか又は手動で入力される。質問が品質管理されると、それらは治験現場における解決のためにモニターに送られる。有害事象、合併症及び併用療法は、コード辞書に従ってコード化する(COSTART、ICD−9及びWHO−ATC薬物コード化システム)。
統計的及び解析的分析
全ての統計的分析はSAS(登録商標)バージョン8.2を用いて実施する。全ての安全性分析は、研究薬物治療を受ける全ての無作為化患者を含む安全性集団に基づく。示される場合を除き、ベースライン後の欠測値は推定しない。適切な場合、患者番号及び処置グループによる完全な個別の患者リストを提供する。
全ての重要なデータは、適切な要約統計を用いて表に要約する。継続的な評価項目は、n観測の平均、最小、最大及び標準偏差として要約する。カテゴリー評価項目は、頻度数及び百分率として示す。
研究中に記録された全ての有害事象及び併用薬は、COSTRAT及びWHO−ATC薬物コード化システムをそれぞれ用いてコード化する。
個別の実施形態の前述の説明は、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするので、他者は、必要以上の実験をせず一般的概念から逸脱せずに、現在の知見を適用することによってこのような個別の実施形態を変更及び/又は種々の応用を適合することができ、このような適応及び変更形態は、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲に含まれると理解されるべきであり理解されることを目的としている。本発明を、その個別の実施形態とともに記載してきたが、多くの代替、変更形態及び変形形態が当業者に明らかになるであろうことは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広範な範囲に含まれる全てのこのような代替、変更形態及び変形形態を包含することを意図している。
本発明の精神及び範囲に含まれる種々の変更及び変更形態が、この詳細な説明から当業者には明らかになるので、詳細な説明及び個別の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示しつつ、例示の目的でのみ与えられることは理解されたい。
血液透析中における血圧へのS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの注射製剤(MTR107)の効果を示す図である。 血液透析中における血圧へのS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの注射製剤(MTR107)の効果を示す図である。 血液透析中における血圧へのS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの注射製剤(MTR107)の効果を示す図である。 血液透析中における血圧へのS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートの注射製剤(MTR107)の効果を示す図である。 血液透析患者におけるMTR107濃度対時間データの分析に適用された薬物動態モデルを示す図である。 血液透析患者への静脈内(IV)投与後のMTR107濃度対時間曲線の線形プロットを示す図である。 ヒトへのMTR107のIV投与後の平均観測MTR107濃度(データポイント)及び区画モデル(実線)値による予想濃度の線形プロットを示す図である。 薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 血液透析患者(それぞれの用量の投与時間は0に設定された)への薬物(0.3mg/kg)の1回目及び6回目の用量の投与後のMTR107濃度の半対数プロットを示す図である。 血液透析患者(それぞれの用量の投与時間は0に設定された)への薬物(2.4mg/kg)の1回目及び6回目の用量の投与後のMTR107濃度の半対数プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の様々な用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の逐次逓減用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の逐次逓減用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の逐次逓減用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の逐次逓減用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の逐次逓減用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できる(即ち、k10=0)と仮定しての、薬物の逐次逓減用量についての血液透析患者における予想MTR107濃度の線形プロットを示す図である。 患者の薬物身体クリアランスは無視できると仮定しての(それぞれの用量の投与時間は0に設定された)、2.4mg/kgから開始する逐次逓減用量シナリオについての、血液透析患者への薬物の1回目及び6回目用量の投与後のMTR107の半対数プロットを示す図である。

Claims (51)

  1. 一般式Iを有する化合物の治療有効量及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を対象に投与することを含む、血液透析を受けている対象における低血圧の予防方法

    [式中、
    は、ハロゲン、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン、第一級、第二級又は第三級アルコールからなる群から選択される1個又は複数の置換基によって場合により置換されている、或いはO、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている1から8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和アルキレンであり、
    、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲンによって場合により置換された、ヒドロキシ、直鎖又は分枝低級アルキル、直鎖又は分枝低級アルケニル、直鎖又は分枝低級アルキニル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級チオアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、スルホニル、ハロアルキル、カルボアリールオキシ、カルボアルキルアリールオキシ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、スルホンアミド、チオアルキルであり、
    は、生理学的に許容されるアニオンである]。
  2. 前記生理学的に許容されるアニオンが、リン含有酸、リン含有酸エステル、リン含有酸アミド、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビタータレート、ビスルフェート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イソチオネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルモエート、ペクチネート、3−フェニルプロピオネート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タータレート、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカーボネート、p−トルエンスルホネート、クロリド、ブロミド、ヨージド及びウンデカノエートから誘導されるアニオンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生理学的に許容されるアニオンがリン含有酸である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記リン含有酸が、リン含有酸のモノアルキルエステル及びリン含有酸のジアルキルエステルからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 、R、R及びRのそれぞれが水素である、請求項1に記載の方法。
  6. が直鎖アルキル及び分枝アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記化合物が、一般式(II)を有するS−アルキルイソチオウロニウム誘導体である、請求項6に記載の方法。

    [式中、
    R”は、ハロゲンによって場合により置換された直鎖又は分枝アルキルであり、
    A”(−)は、リン含有酸から誘導されるアニオンである]。
  8. 前記化合物が、S−メチルイソチオウロニウムメチルホスファイト、S−メチルイソチオウロニウムジメチルホスフェート、S−エチルイソチオウロニムメタホスフェート、S−エチルイソチオウロニムエチルホスファイト、S−エチルイソチオウロニムジエチルホスフェート、S−プロピルイソチオウロニウムプロピルホスファイト、S−イソプロピルイソチオウロニウムメタホスフェート、S−イソプロピルイソチオウロニウムイソプロピルホスファイト、S−ブチルイソチオウロニウムジブチルホスフェート、及びS−イソブチルイソチオウロニウムイソブチルホスファイトからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  9. 前記化合物がS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記化合物が注射用に製剤化される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記化合物が経口投与用に製剤化される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記注射用の治療有効量が0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記注射用の治療有効量が0.3から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記注射用の治療有効量が0.5から1.8mg/体重1kgの範囲である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記注射用の治療有効量が0.5から1.2mg/体重1kgの範囲である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記経口治療有効量が0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項11に記載の方法。
  17. 前記化合物が血液透析前に投与される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記化合物が血液透析中に投与される、請求項1に記載の方法。
  19. 一般式Iを有する化合物の治療有効量及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を対象に投与することを含む、血液透析中の血圧の安定化方法

    [式中、
    は、ハロゲン、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン、第一級、第二級又は第三級アルコールからなる群から選択される1個又は複数の置換基によって場合により置換されている、或いはO、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている1から8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和アルキレンであり、
    、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲンによって場合により置換された、ヒドロキシ、直鎖又は分枝低級アルキル、直鎖又は分枝低級アルケニル、直鎖又は分枝低級アルキニル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級チオアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、スルホニル、ハロアルキル、カルボアリールオキシ、カルボアルキルアリールオキシ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、スルホンアミド、チオアルキルであり、
    は、生理学的に許容されるアニオンである]。
  20. 前記生理学的に許容されるアニオンが、リン含有酸、リン含有酸エステル、リン含有酸アミド、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビタータレート、ビスルフェート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イソチオネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルモエート、ペクチネート、3−フェニルプロピオネート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タータレート、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカーボネート、p−トルエンスルホネート、クロリド、ブロミド、ヨウジド及びウンデカノエートから誘導されるアニオンからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記生理学的に許容されるアニオンがリン含有酸である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記リン含有酸が、リン含有酸のモノアルキルエステル及びリン含有酸のジアルキルエステルからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 、R、R及びRのそれぞれが水素である、請求項19に記載の方法。
  24. が直鎖アルキル及び分枝アルキルからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  25. 前記化合物が、一般式(II)を有するS−アルキルイソチオウロニウム誘導体である、請求項24に記載の方法

    [式中、
    R”は、ハロゲンによって場合により置換された直鎖又は分枝アルキルであり、
    A”(−)は、リン含有酸から誘導されるアニオンである]。
  26. 前記化合物が、S−メチルイソチオウロニウムメチルホスファイト、S−メチルイソチオウロニウムジメチルホスフェート、S−エチルイソチオウロニムメタホスフェート、S−エチルイソチオウロニムエチルホスファイト、S−エチルイソチオウロニムジエチルホスフェート、S−プロピルイソチオウロニウムプロピルホスファイト、S−イソプロピルイソチオウロニウムメタホスフェート、S−イソプロピルイソチオウロニウムイソプロピルホスファイト、S−ブチルイソチオウロニウムジブチルホスフェート、及びS−イソブチルイソチオウロニウムイソブチルホスファイトからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記化合物がS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記化合物が注射用に製剤化される、請求項19に記載の方法。
  29. 前記化合物が経口投与用に製剤化される、請求項19に記載の方法。
  30. 前記注射用の治療有効量が0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項28に記載の方法。
  31. 前記注射用の治療有効量が0.3から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記注射用の治療有効量が0.5から1.8mg/体重1kgの範囲である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記注射用の治療有効量が0.5から1.2mg/体重1kgの範囲である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記経口治療有効量が0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項29に記載の方法。
  35. 前記化合物が血液透析前に投与される、請求項19に記載の方法。
  36. 前記化合物が血液透析中に投与される、請求項19に記載の方法。
  37. 血液透析中の低血圧の予防又は血圧の安定化のための薬物の製造のための、一般式Iを有する少なくとも1種の化合物の使用

    [式中、
    は、ハロゲン、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン、第一級、第二級又は第三級アルコールからなる群から選択される1個又は複数の置換基により場合により置換されている、或いはO、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている1から8個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和アルキレンであり、
    、R、R及びRは、水素、それぞれ独立に、ハロゲンによって場合により置換された、ヒドロキシ、直鎖又は分枝低級アルキル、直鎖又は分枝低級アルケニル、直鎖又は分枝低級アルキニル、低級アルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級チオアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、スルホニル、ハロアルキル、カルボアリールオキシ、カルボアルキルアリールオキシ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、アルキルスルフェート、アリールスルフェート、スルホンアミド、チオアルキルであり、
    は、生理学的に許容されるアニオンである]。
  38. 前記生理学的に許容されるアニオンが、リン含有酸、リン含有酸エステル、リン含有酸アミド、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビタータレート、ビスルフェート、ブチレート、カンフォレート、カンファースルホネート、ジグルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、フマレート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イソチオネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パルモエート、ペクチネート、3−フェニルプロピオネート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タータレート、チオシアネート、ホスフェート、グルタメート、ビカーボネート、p−トルエンスルホネート、クロリド、ブロミド、ヨージド及びウンデカノエートから誘導されるアニオンからなる群から選択される、請求項37に記載の使用。
  39. 前記生理学的に許容されるアニオンがリン含有酸である、請求項38に記載の使用。
  40. 前記リン含有酸が、リン含有酸のモノアルキルエステル及びリン含有酸のジアルキルエステルからなる群から選択される、請求項39に記載の使用。
  41. 、R、R及びRのそれぞれが水素である、請求項37に記載の使用。
  42. が直鎖アルキル及び分枝アルキルからなる群から選択される、請求項37に記載の使用。
  43. 血液透析中の低血圧の予防のための薬物の製造のための、一般式(II)を有する少なくとも1種のS−アルキルイソチオウロニウム誘導体の使用

    [式中、
    R”は、ハロゲンによって場合により置換された直鎖又は分枝アルキルであり、
    A”(−)は、リン含有酸から誘導されるアニオンである]。
  44. 前記化合物が、S−メチルイソチオウロニウムメチルホスファイト、S−メチルイソチオウロニウムジメチルホスフェート、S−エチルイソチオウロニムメタホスフェート、S−エチルイソチオウロニムエチルホスファイト、S−エチルイソチオウロニムジエチルホスフェート、S−プロピルイソチオウロニウムプロピルホスファイト、S−イソプロピルイソチオウロニウムメタホスフェート、S−イソプロピルイソチオウロニウムイソプロピルホスファイト、S−ブチルイソチオウロニウムジブチルホスフェート、及びS−イソブチルイソチオウロニウムイソブチルホスファイトからなる群から選択される、請求項43に記載の使用。
  45. 前記化合物がS−エチルイソチオウロニウムジエチルホスフェートである、請求項44に記載の使用。
  46. 前記化合物が注射用に製剤化される、請求項37に記載の使用。
  47. 前記化合物が経口投与用に製剤化される、請求項37に記載の使用。
  48. 前記注射用の治療有効量が0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項46に記載の使用。
  49. 前記経口治療有効量が0.1から2.4mg/体重1kgの範囲である、請求項47に記載の使用。
  50. 前記化合物が血液透析前に投与される、請求項37に記載の使用。
  51. 前記化合物が血液透析中に投与される、請求項37に記載の使用。
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