優先権の主張
本件特許出願は、2005年7月26日に提出された「専用パイロットトーンを用いたチャンネルおよび干渉のための方法および装置」と題する、本願の譲受人に譲渡された仮出願の優先権を主張するものであり、該仮出願を、本明細書の一部として明示的に本願に援用する。
発明の背景
本件の開示は無線通信システムに関し、更に特定すれば、斯かるシステムにおけるチャンネルパラメータおよび干渉レベルの推定に関する。
無線通信システムでは、送信機から受信機への無線チャンネルの応答性を推定することが必要である。このチャンネル推定は、データ検出、時間同期、周波数補正、空間処理、データ転送速度の選別等のような種々の目的で使用されてよい。チャンネル推定は、典型的には、送信機および受信機の両者がアプリオリに知っている、既知のパイロットシンボルを含んだパイロット信号を送信することによって行われる。次いで、受信機は、既知のパイロットシンボルに対する受信されたパイロットシンボルの比率として、該チャンネル利得を推定することができる。
パイロット信号は、典型的にはノイズおよび干渉の両方によって損なわれる。これらの減損は、受信されたパイロット信号に基づいて受信機が得るチャンネル推定の品質を劣化させる。ノイズは、無線チャンネル、および受信機の特性等のような種々の原因に由来する可能性がある。ノイズによる減損に対しては、通常、受信機が望ましい品質を得ることができるように、適正な方法で、および/または充分な時間に亘って、パイロット信号を送信することにより対処することができる。干渉は、それらのパイロット信号を同時に送信している複数の送信機から生じる可能性がある。これらの送信機は、当該システムにおける異なるベースステーション、同じベースステーションの異なるアンテナについてのもの等であってよい。如何なる場合にも、各送信機からのパイロット信号は、他の送信機からのパイロット信号に対する干渉として作用する。このパイロット干渉は、チャンネル推定の品質を劣化させる。
屡々、チャンネルおよび干渉レベルを推定することが望まれる。順方向リンク(FL)上において、共通のパイロットシンボルが使用されてきたことが知られている。直交周波数分割マルチプレクシング(OFDMA)システムにおいて、斯かる共通のパイロットシンボルは、典型的には全てのユーザが共有する全バンド幅に亘って散乱される。従来の単一アンテナ送信において、斯かる共通のパイロットシンボルは、FLチャンネル推定の目的で全てのユーザによって利用されてよい。携帯電話用途に典型的である該バンド幅およびチャンネルのコヒーレンスは、共通のパイロットトーンを特に有用なものにする。
共通パイロット vs. 専用パイロットの相対的なバンド幅効率は、共通パイロットを用いて推定された全共有バンド幅に対応するブロードバンドチャンネルにおける自由度の全数と、ユーザ時間当たりに割り当てられたナローバンド副チャンネルにおける自由度の全数、即ち、斯かるナローバンド副チャンネルの数との間で比較によって行われてよい。携帯電話用途において典型的なバンド幅およびチャンネルコヒーレンス時間値について、これは共通パイロットの方に有利にバランスしている。にもかかわらず、専用パイロットのアプローチは多くの魅力的な特徴を有している。
従って、OFDMAのための専用パイロットトーンを用いた、単純化されたチャンネルおよびコヒーレンスの推定を提供するための方法および装置を提供する必要性が存在している。
概要
時間的に変化する多重キャリア多重ユーザシステムにおいて、チャンネルパラメータおよび干渉レベルの推定が同時に実行される。この推定を実行するために、複数のデータシンボルおよび専用パイロットシンボルが当該チャンネル上を送信される。時間−周波数領域において複数のデータシンボルの間に配置された、1以上のユーザのための複数のデータシンボルが受信される。時間−周波数領域についての干渉電力が推定される。時間−周波数領域についてのチャンネルパラメータは、前記干渉電力の推定値を使用して推定される。
詳細な説明
本開示に従えば、時間的に変化する多重キャリア多重ユーザのOFDMAシステムにおいて、チャンネル特性および干渉レベルの推定が同時に実行される。本開示に従ってチャンネルおよび干渉レベルを推定するために、送信されるデータシンボルの間には複数のパイロットシンボルが配置される。OFDMAシステムにおいては、周波数および時間に亘ってチャンネル補間を達成するために、専用パイロットシンボルは、典型的にはユーザのトラフィックバンド内に幾分均一な方法で配置される。共通のパイロットシンボル vs.専用パイロットシンボルの相対的なバンド幅効率は、共通パイロットを用いて推定された全共有バンド幅に対応したブロードバンドチャンネルでの自由度の総数と、ユーザ当たりに割り当てられたナローバンド副チャンネルでの自由度の数に、斯かるナローバンド副チャンネルの数を乗じたものとの間の比較に関連する。
本発明の一つの側面に従えば、専用パイロットトーンの使用は、多くの利点を提供する。第一に、ユーザトラフィックバンド幅上で散乱される専用パイロットトーンは、特に干渉レベルが何れかの所定の副チャンネルに亘って準静的と看做され得る同期多重セル設計において、ユーザが認識する干渉レベルを推定するために使用されてよい。第二に、専用パイロットシンボルは、適合可能なビーム形成のような、何れかの副チャンネルユーザ感受性信号伝達のためのチャンネル推定を支援してもよい。チャンネル感受性信号伝達では、一組の専用パイロットシンボルが、望ましいチャンネル感受性信号伝達に従って送信されてよい。知られているように、専用パイロットシンボルは、全てのユーザに同時通信され、従ってユーザ特異的な署名を搬送するためには適合されないのに対して、本発明の開示に従う専用パイロットトーンは、ユーザ特異的な署名を搬送するために適合される。
図1を参照すると、一実施形態に従う多重アクセス無線通信システムが示されている。多重アクセス無線通信システム100は、複数のセル、例えばセル102、104、および106を含んでいる。図1の実施形態において、各セル102、104、および106は、複数のセクタを含むアクセス点150を含んでいてよい。これら複数のセクタは、各々が当該セルの一部においてアクセス端末との通信に責任を有するアンテナ群によって形成されてよい。セル102において、アンテナ群112,114,116は、各々が異なるセクタに対応している。セル104においては、アンテナ群118,120,122の各々が異なるセクタに対応している。セル106では、アンテナ群124,126,128の各々が異なるセクタに対応している。
各セルは幾つかのアクセス端末を含んでおり、これらは各アクセス点の1以上のセクタと通信状態にあってよい。例えば、アクセス端末130および132はベースステーション142と通信しており、アクセス端末134および136はアクセス点144と通信しており、またアクセス端末138および140はアクセス点146と通信している。
図1からは、各アクセス端末130,132,134,136,138および140が、同じセル内の他の各々のアクセス端末に対して、その各セルの異なる部分に位置していることを見ることができる。更に、各アクセス端末は、それが通信している対応のアンテナ群から異なる距離にあってよい。これら因子の両方が、当該セルにおける環境的条件および他の条件に起因して、各アクセル端末とそれが通信している対応のアンテナ群との間に、異なるチャンネル条件を存在させるような状況を与える。
ここで使用するとき、アクセス点とは、端末と通信するために使用される固定ステーションであってよく、またベースステーションと称されてもよく、ベースステーションの機能の幾つかまたは全部を含んでいてもよい。アクセス端末はまた、ユーザ装置(UE)、無線通信装置、端末、モバイルステーションまたは他の用語で呼ばれてもよく、これらの機能の幾つかまたは全部を含んでもよい。
図2を参照すると、多重アクセス無線通信システムにおける送信機および受信機の一つの実施形態200が図示されている。送信機システム210においては、多くのデータストリームのためのトラフィックデータが、データソース212から、送信(TX)データプロセッサ214に提供される。一つの実施形態において、各データストリームはそれぞれの送信アンテナによって送信される。TXデータプロセッサ214は、コード化されたデータを与えるために、データストリームについて選択された特定のコード化スキームに基づいて、各データストリームについてのトラフィックデータをフォーマットし、コード化し、インターリーブする。幾つかの実施形態において、TXデータプロセッサ214は、ユーザおよびそこから当該シンボルが送信されるアンテナに基づいて、データストリームのシンボルに対してプレコーディング重み付けを適用する。幾つかの実施形態において、プレコーディング重み付けは、トランシーバ254で発生されたコードブックに対する索引に基づいて発生され、コードブックおよびその索引の知識を有するトランシーバ222へのフィードバックとして与えられてよい。更に、予定された送信の場合は、TXデータプロセッサ214が、ユーザから送信されるランク情報に基づいてパケットフォーマットを選択することができる。
各データストリームのためのコード化されたデータは、OFDM技術を使用して、パイロットデータと共に多重化されてよい。該パイロットデータは、既知の方法で処理される典型的には既知のデータパターンであり、またチャンネル応答を推定するために受信機システムにおいて使用されてよい。この多重化されたパイロットおよびコード化データは、次いで、変調シンボルを与えるために、該データストリームについて選択された特定の変調スキーム(例えばBPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調される。各データストリームについてのデータ転送速度、コード化、および変調は、プロセッサ230によって実行される命令により決定されてよい。上記で述べたように、幾つかの実施形態においては、1以上のストリームについてのパケットフォーマットが、ユーザから送信されるランク情報に従って変化されてよい。
次いで、全てのデータストリームについての変調シンボルがTX・MIMOプロセッサ220に送られ、該プロセッサは変調シンボルを(例えばOFDMのために)更に処理してもよい。次いで、TX・MIMOプロセッサ220は、NT変調シンボルストリームを、NTトランシーバ(TMTR)222aから222tを通して提供する。一定の実施形態において、TX・MIMOプロセッサ220は、該シンボルを送信されるユーザおよびそこから該シンボルが送信されるアンテナに基づいて、当該ユーザチャンネル応答情報から、該データストリームのシンボルに対してプレコーディング重み付けを適用する。
各トランシーバ222は、それぞれのシンボルストリームを受信および処理して1以上のアナログ信号を提供し、また該アナログ信号を更に調節(増幅、フィルタ、およびアップコンバート)して、MIMOチャンネル上での送信に適した変調された信号を提供する。トランシーバ22aから222tを通してのNT変調された信号は、次いで、それぞれNTアンテナ224aから224tを通して送信される。
レシーバシステム250において、送信された変調信号は、NRアンテナ252aから252rを通して受信され、各アンテナ252から受信された信号は、それぞれのトランシーバ(RCVR)252に提供される。各トランシーバ254は、それぞれの受信された信号を調節(例えばフィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調節された信号をデジタル化してサンプルを提供し、更に該サンプルを処理して、対応する「受信された」シンボルストリームを提供する。
次いで、RXデータプロセッサ260は、特定のレシーバ処理技術に基づいて、NRトランシーバ254からのNR受信されたシンボルストリームを処理し、NR「専用」信号ストリームを提供する。このRXデータプロセッサ260による処理について、以下で更に詳細に説明する。各専用信号ストリームは、対応するデータストリームについての、送信された変調シンボルの推定である。次いで、RXデータプロセッサ260は、各専用シンボルストリームを復調し、脱インターリーブし、デコード化して、データストリームについてのトラフィックデータを回復させる。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210において、TX・MIMOプロセッサ220およびTXデータプロセッサ214により実行されるものに対して相補的である。
RXプロセッサ260によって生じたチャンネル応答の推定値は、レシーバにおける空間、空間/時間処理を実行するため、出力レベルを調節するため、変調速度もしくは変調スキームを変更するため、または他の動作を行うために使用されてよい。RXプロセッサ260は、更に、専用信号ストリームの信号 vs.ノイズ−および−干渉比率(SNR)、並びに、おそらくは他のチャンネル特性を推定してこれらの量をプロセッサ270に提供してもよい。RXデータプロセッサまたはプロセッサ270は、更に、当該システムについての「オペレーティング」SNRの推定を誘導してもよい。次いで、プロセッサ270は推定された(CSI)を提供し、これは通信リンクおよび/または受信されたデータストリームに関する種々のタイプの情報を含んでなるものであってよい。例えば、CSIは、オペレーティングSNRのみを含んでよい。次いで、該CSIは、TXデータプロセッサ278により処理され(該プロセッサはデータソース276から多くのデータストリームのためのトラフィックデータをも受信する)、モジュレータ280により変調され、トランシーバ254a〜2544により調整され、送信機システム210へと逆送信される。
送信機システム210において、受信機システム250からの変調された信号は、アンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調機40によって復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信機システムにより報告されたCSIを回復する。報告され且つ量子化された情報、例えばCQIは、次いでプロセッサ230に提供され、(1)データストリームのために使用されるデータ転送速度、並びにコーディングおよび変調のスキームを決定するため、(2)TXデータプロセッサ214およびTX・MIMOプロセッサ220のための種々のコントロールを発生させるために使用される。
NT送信アンテナおよびNR受信アンテナによって形成されたMIMOチャンネルは、NSの独立チャンネルに分解されてよく、NS≦min{NT,NR}である。NSの独立チャンネルの各々は、MIMOチャンネルの空間副チャンネル(または送信チャンネル)と称されてよく、ディメンジョンに対応する。
一般に、送信バンド幅はホップ領域に分割され、該ホップ領域に割り当てられた複数のユーザについて、アクセス端末またはアクセスポイントにより一つのホップ領域のシンボルが複数のユーザに割り当てられ、一緒に処理される。一つのホップ領域は、同じ連続する組のNTトーンに亘って、NSの連続的なOFDMシンボルにおける送信されたシンボルからなっている。従って、一つのホップ領域には、NS×NTのシンボルが存在する。明瞭化のために、一つのOFDMシンボルにおける送信されたシンボルの数は、当該シンボルにおける(直交)トーンの数に等しい。
一定の側面において、一つのホップ領域を共有するQ人のユーザが存在する可能性がある。ユーザの用語は、ここで使用する「相」の用語で置換可能なものである。この側面において、単一の端末は、それが複数の送信アンテナを有していれば複数のストリームを送信し得るので、複数のユーザに対応する可能性がある。また、幾つかの場合には、各端末が単一相を送信するだけであり、一人のユーザであってよい。
一つのホップ領域において受信されたシンボルのベクター(yで表示される)は、
によって与えられる複素数のNSNT×1のベクトルである。
yの第一のNT要素(及び上記式の他のベクトルの全ての他のベクトル)は、第一のOFDMシンボルのトーンのためのチャンネル等に対応する。
Δ2 q(ここで、q=1,…,Q)は、ユーザqの出力オフセットであり;これら係数は既知であると仮定される。
S(q)(ここで、q=1,…,Q、複素数のNSNT×1のベクトル)は、一つのホップ領域内のユーザqによって送信された変調シンボルのベクトルである。
h(q)(ここで、q=1,…,Q、複素数のNSNT×1のベクトル)は、ユーザqの周波数ドメインチャンネルである。該チャンネル係数h(q)は、ユーザの間で独立であると仮定されてよい。各ユーザについて、h(q)は一般に、ゼロ平均および既知の共分散マトリックスを備えた複素ガウス関数と看做される。
n0(NSNT×1は複素数のベクトルである)は、GAWGN(これは干渉を含む)であり、ゼロ平均および共分散マトリックスσ2Iを有すると仮定される。ノイズ分散σ2は未知である。
幾つかの側面において、このモデルは、全てのユーザチャンネル係数および干渉を推定するために使用されてよい。このために、所定のホップ領域において、専用パイロットシンボルがデータシンボルの中に挿入される。該推定は、受信されたパイロットシンボル、および当該チャンネルの統計的性質の知識に基づくであろう。
一つのタイプのチャンネルモデルの説明が下記に与えられるが、ここに説明するアプローチと共に他のチャンネルモデルが利用されてよい。チャンネルをモデリングする際、当該チャンネルの統計的性質は少なくとも幾らかは理解されると仮定される。各ユーザについて、一つのホップ領域に亘ってチャンネル係数が相関すると仮定されてよい。もしそうであれば、以下の近似は、チャンネル推定に利用するために充分に正確であり得る。
一人のユーザのチャンネル共分散マトリックスの構造は、最大でも三つの有意な固有値を有し、対応する固有ベクトルは下記の分析的表現によって近似することができる:
ここでのU1、U2、U3は以下で説明される。
以下のクロネッカー積の定義は、共分散マトリックスを近似する上で利用されてよい。
ベクトルa
n×1およびb
m×1が与えられれば、それらのクロネッカー積
として定義される。
サイズがN
sN
t×1の下記の三つのベクトルは、近似固有ベクトルと称されてよく、これらはデータシンボルに対応するチャンネルの推定のために、真の固有ベクトルの代わりに使用されてよい。
幾つかの側面において、第一の固有値は、他の二つのより少なくとも一桁大きいかも知れない。先に述べた共分散マトリックスの構造は、チャンネルの以下の近似表現を与えるために利用されてよい。
ホップ領域上の各ユーザのチャンネルは、時間および周波数のランダムな関数、即ち、ξ
(q)(t,f)として記述されてよい。次いで、ξ
(q)(t,f)は、テーラー展開の最初の三つの項によって正確に近似することができる:
従って、この近似において、一つのホップ領域上のチャンネルは、三つの複合パラメータによって特徴付けられてよい。
最初に、(t
0,f
0)がホップ領域の対称中心であると定義されれば、座標(n
s,n
r)のシンボルに対応する一人のユーザのチャンネルは、次のように書かれてよい。
は、ホップ領域の中心の座標であり、α(q)はDC成分であり、β(q) F,β(q) Tはそれぞれ周波数および時間における勾配である。
一つの側面において、ホップ領域内のパイロットシンボルは、以下の条件を満たすパターンで配置される:総計でNPのパイロット信号(一つのホップ領域に)が存在し、該パイロット信号は四つのクラスタに分類され、各クラスタはMQのシンボルを有する;従って、NP=4MQであり、一つのクラスタのパイロットシンボルは、時間−周波数ドメインにおいて連続した領域を占める結果、各ユーザにとって、一つのクラスタのシンボル内におけるチャンネルの変動はできるだけ小さく、且つパイロット配置スキームはホップ領域の対称中心に関して対称であるようになっている。しかし、他のパイロット配置パターンおよび方法を利用してもよい。
一つの側面において、全てのクラスタは、MQで示される同じ数のパイロットシンボルを有する。しかし、そうである必要はない。クラスタの数はNCで示されるから、従って我々は、NP=NC×MQを得る。
一定の側面において、一つのホップ領域を共有するユーザの数はクラスタサイズを超えない:即ち、Q≦MQである。
幾つかの側面においては、多重化を可能にするために、同じクラスタに属する一人のユーザのパイロットシンボルは、スクランブルシーケンスを用いてスクランブルされる;単純化のために、各ユーザは全てのクラスタについて同じスクランブルシーケンスを使用する。異なるユーザのスクランブルシーケンスは、長さMQの直交ベクトルであってよく、それらは単位モジュラス要素を有すると仮定される。最大では、MQの斯かるシーケンスが存在する可能性があり、Sk,k=1,…,MQである。
従って、一つのホップ領域を共有するユーザの数−Q−は、クラスタのサイズを超えることはできない:即ち、Q≦MQである。
と書くことができ、ここでの1
NC×1はN
C×1の列ベクトルであり、
はクロネッカー積を示す。
ベクトルr
1,q、q=1,…,Qは直交している。以下のN
P×1複素ベクトル、r
1,q、i=1,…,4、q=1,…,M
Qを定義する
各クラスタについて、ユーザのスクランブルシーケンスが直交しているという事実は、アルゴリズムの誘導において役割を果たす。
チャンネルおよび干渉電力は、受信されたパイロットシンボルを使用して推定される。我々は、受信されたパイロットシンボルのベクトルをxで示し、ここでのxは、複素数のNP×1ベクトルである。従って、xの要素は、パイロット位置に対応するyの要素である。xの要素の順序は次の通りである。xの最初のMQ要素は、第一(左上)のクラスタのパイロットシンボルに対応し、xのMQ要素の次は、同じトーンのパイロットシンボルの第二(右上)のクラスタのパイロットシンボルに対応し、次のMQ要素はパイロットシンボルの第三(左下)のクラスタのパイロットシンボルに対応し、最後のMQ要素は第四(右下)のクラスタのパイロットシンボルに対応する。例えば、図4cに示した実施例においては、12のパイロットが存在し、該パイロットは頂部左隅から出発して、頂部から底部左隅へと横切り、また底部右隅へと、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,および12と読まれる。最後に、我々は、受信されたパイロットシンボルが、垂直掃引が使用されるベクトルyにおける受信されたデータシンボルの索引とは対照的に、水平の掃引を使用してベクトルxの中に配置されることに注目する。
干渉の推定の説明が提供される。干渉電力に関する情報は、受信されたパイロットシンボルのみを使用して得られる。観察空間はNPディメンジョンを有する;各ユーザのチャンネルは、三つのパラメータによって与えられる;こうして、残りのNP−3Qディメンジョンの観察空間は、干渉電力に関する情報を得るために使用することができる。
干渉は、送信されたパイロット信号によって占有されていないディメンジョンへの、受信された信号の投影の電力kとして推定される。換言すれば、我々は受信された信号xを、先に定義した基底ri,q、i=1,…,4、q=1,…,MQ上に投影し、干渉に対応する成分の電力を合算する。
として定義されるならば、干渉電力は、得られたサンプルの電力を平均することによって推定されてよい:
もし各ユーザのチャンネルが、タイルにおいて完全な線型変動を有していれば、第一の総計はノイズ電圧の推定値であろう。しかし、実際には、それはチャンネルのモデル化エラーを含んでいる。
第二の総計は、Q<MQであるときにのみ存在し、それは送信しているユーザのシーケンス上で直交する展開シーケンスを用いて逆拡散された、受信された信号の電力である。
一つの側面において、チャンネル推定は、MMSEアプローチを使用して実施される
を得る。
値θ
Tおよびθ
Sは、パイロットシンボルの実際の配置から得られ、それらはタイル内におけるパイロットシンボルのクラスタの中心を同定する。より正確に言えば、パイロットシンボルの左上クラスタの中心は、
によって与えられるべきである。パイロットシンボルが頂部の「行」に配置されれば、θT=1であり、それらが第二の「行」の中にあれば、θT=3である、等々である。
図3に関連して、専用パイロットトーンを用いたチャンネルおよび干渉推定の方法を説明する。ブロック402において、複数のデータシンボルが受信され、ブロック404では、複数のデータシンボルの間に配置された複数のパイロットシンボルが受信される。パイロットシンボルが受信されると、ブロック406において、興味ある時間周波数領域についての干渉電力が推定される。周波数の用語の使用は、トーンの用語と互換的に使用される。ブロック406からの干渉推定値を使用して、ブロック408においてチャンネルパラメータを推定することができる。
図4に関して、ディメンジョン8×8の副タイルを用いた実施形態が、ブロック400によって示されている。図4aは、ディメンジョン8×8の副タイルを備えた実施形態を示しており、パイロット(ブロック401)の数、NP=4、および各クラスタにおけるパイロットシンボルの数を備えている。
MQ=1。与えられた干渉推定値を使用して、干渉電力に関する情報を得るために、観察空間のNP−3Qディメンジョンを使用することができる。
4−3=1。図4bは、8×8の副タイルディメンジョンの実施形態を示しており、我々はブロック402、NP=8、および各クラスタにおけるパイロットシンボルの数MQ=2を有する。従って、NP−3Q=(8−6=2)。図4bにおいて、クラスタ(ブロック406)の数、NC=4。図4cは、ディメンジョン8×8の副タイル、ブロック402、NP=12、各クラスタにおけるパイロットブロック402の数MQ=3、およびクラスタブロック406の数、NC=4の実施形態を示している。記述された実施形態は8×8のディメンジョンをもった副タイルを有するが、副タイルはより大きくてもよく、またはより小さくてもよいであろう。図4a、図4bおよび図4cに関連した実施形態は、副タイルについての干渉が幾つかの実施形態において如何に計算され得るかの例である。図4dは、タイル400dの実施形態を示している。16トーン×8OFDMシンボルのディメンジョンを持ったタイル、ブロック400dは、ディメンジョン8×8の二つの副タイル、ブロック400の結果である。
図5を参照すると、無線通信システム500のチャンネルおよび干渉レベルを推定するための機能ブロック図が示されている。チャンネル上を送信された複数のデータシンボルは、受信のための手段502において受信される。データシンボルの間に配置され且つチャンネル上を送信された複数の専用パイロット信号は、受信手段504において受信される。幾つかの実施形態において、データシンボルを受信するための手段およびパイロットシンボルを受信するための手段は、受信手段502または504の何れかにおいて組み合わされてよい。興味ある時間周波数領域についての干渉電力は、推定手段506において推定される。チャンネルパラメータは、推定手段506によって提供される干渉電力の推定値を使用して、推定手段508において推定される。幾つかの実施形態において、干渉電力を推定するための手段506、およびチャンネルパラメータを推定するための手段は、推定手段506または508の何れかにおいて組み合わされてよい。
チャンネルおよび干渉レベルの推定は、プログラムを形成し、且つ例えば中央演算ユニットにより命令/データとして実行される1以上のソフトウエアモジュールの種々のコードを使用して実施されてよく、或いは、チャンネルおよび干渉レベルを決定するために特別に構成された専用のハードウエアモジュールを使用して実行されてよい。或いは、幾つかの実施形態において、チャンネルおよび干渉レベルの推定は、ソフトウエアおよびハードウエアモジュールの組合せを使用して実施されてよい。
ここに記載された技術は、種々の手段によって実行されてよい。例えば、これらの技術は、ハードウエア、ソフトウエア、またはそれらの組合せにおいて実施されてよい。ハードウエア実施のためには、チャンネル推定のために使用される演算ユニットが、ここに記載した機能またはそれらの組み合わせを実行するように設計された1以上のアプリケーション特異的集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能な論理装置(PLD)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、他の電子ユニット内に実装されてよい。ソフトウエアを用いる場合、実施は、ここに記載した機能を実行するスルーモジュール(例えば手順、機能など)であることができる。
上記で説明したものは、1以上の実施形態の例を含んでいる。勿論、上記実施形態を説明する目的で、部品または方法の考え得る全ての組合せを記載することはできないが、当業者は、種々の実施形態の更に多くの組合せおよび置換が可能であることを理解し得るであろう。従って、記載された実施形態は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある全ての斯かる変更、修飾および変形例を包含するものである。更に、詳細な説明または特許請求の範囲において「含む」の用語が使用される範囲において、斯かる用語は、請求項における移行語として用いられる「含んでなる」の語が解釈されるのと同様に、「含んでなる」に類似して包括的であることを意図している。
図1は、一実施形態に従う多重アクセス無線通信システムの幾つかの側面を図示している。
図2は、多重アクセス無線通信システムにおける送信機および受信機の幾つかの側面を示している。
図3は、専用パイロットトーンを用いたチャンネルおよび干渉の推定方法を示している。
図4aは、本開示に従ってチャンネルパラメータおよび干渉レベルの同時推定を可能にする、データシンボルの間に配置された複数の専用パイロットシンボルを示している。
図4bは、本開示に従ってチャンネルパラメータおよび干渉レベルの同時推定を可能にする、データシンボルの間に配置された複数の専用パイロットシンボルを示している。
図4cは、本開示に従ってチャンネルパラメータおよび干渉レベルの同時推定を可能にする、データシンボルの間に配置された複数の専用パイロットシンボルを示している。
図4dは、本開示に従ってチャンネルパラメータおよび干渉レベルの同時推定を可能にする、データシンボルの間に配置された複数の専用パイロットシンボルを示している。
図5は、専用パイロットを用いてチャンネルおよび干渉を推定するための、機能的ブロック図を示している。