JP2009501900A - 単純ヘルペスウイルス2型を検出するための方法および組成物 - Google Patents

単純ヘルペスウイルス2型を検出するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学的試料において偽陽性という結果につながりうる交差反応(非特異的)抗体を減少させることにより、感受性が高く特異的な抗HSV−2抗体の検出法を提供する。本発明は、本発明方法を使用するための核酸、ポリペプチド、およびキットを含む構成も特色とする。
本発明は、生物学的試料中の抗単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)抗体の有無を検出する方法であって、抗体を含む生物学的試料が少なくともアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む第一の抗原と接触させること、および、生物学的試料中の特異的な抗HSV−2 gG2抗体の有無を検出することを含む前記検出方法を提供する。ある実施形態において、抗原はJ24、JA、JA1、およびJA2より選択される。

Description

単純ヘルペスウイルス(“HSV”)の感染は極めて流行しており、一時的な無症候性獲得から、重篤な病や免疫不全患者や新生児において生命を脅かす感染まで、さまざまな症状を有する。これらの感染症は2つのウイルス、単純ヘルペス1型(“HSV−1”)および単純ヘルペス2型(“HSV−2”)により引き起こされる。HSV−1は口腔感染の主な原因であり、通常子供が感染するが、一方HSV−2感染は通常性感染する性器感染症である。これらの区別ははっきりしないが、性器ヘルペスの最大25%はHSV−1により引き起こされる。初期感染に続き、ウイルスは一生潜伏状態を確立して周期的に活性化し、臨床的に明白な損傷性発症または無症候性ウイルス出芽を引き起こす。
一般に、HSVは、膜に包まれた正十二面体のヌクレオカプシド中にパッケージングされた約150−160kbpのゲノムを有する、二重らせんDNAウイルスである。膜(またはエンベロープ)は、10またはそれ以上のウイルス特異的な糖タンパク質を含み、最も豊富な糖タンパク質はgB、gC、gD、gEである。ウイルスゲノムは、外被タンパク質VP16を含め50以上の他のタンパク質もコードしている。HSV−1およびHSV−2のウイルスゲノムは相関性があり、全ゲノムで50%の相同性を有する。いくつかの遺伝子、たとえばgBやgDでは、2つのウイルス型間アミノ酸相同性は、80−90%まで増大する。この相同性の結果、多くのHSV特異的な抗体はどちらのウイルス型にも交差反応性である。ウイルス型間で、糖タンパク質遺伝子の限られた(1−2%)系−系配列多様性が存在する。
HSV−1とHSV−2間の強い交差中和、および集団におけるHSV−1に対する抗体の高い発生頻度により、無症候性HSV−2感染の罹患率を決定するのは難しかった。疫学的なレベル、例えば性器ヘルペスと子宮頸癌との関係において、および、個人的なレベル、例えば偽陽性の結果が、妊婦に対する不適当な内科的治療や患者およびその配偶者における不当な心理的トラウマのような大きな問題につながりうる点において、HSV感染が意味することにより、これらのアッセイの特異性は重要である。
HSV−2の検出方法の領域においては、迅速に、鋭敏に、そして特にHSV−1とHSV−2間で正確に決定的に識別することができるという点について、特異的な方法が求められている。
本発明はこれらの必要性に対処するものである。
米国特許第5,656,457号明細書 米国特許第5,965,354号明細書 米国特許第5,665,537号明細書 米国特許第5,965,357号明細書 米国特許出願公開第2003/0049658号 Ashley et al., J. Clin. Microbiol.(1988) 26:662−667 Sanchez−Martinez et al., J. Infect. Dis. (1991) 164:1196−1199 Lee et al., J. Clin. Microbiol.(1985) 22:641−644 Lee et al., J. Virol. Meth. (1986) 14:111−118 McGeoch et al., J. Gen. Virol, 68:19−38(1987) Sullender et al., J. Inf. Dis., 157(1): 164−171(1988) Oladepo et al., J. Vi. Meth. (2000) 87:63−70 Palu et al., Scan J. Infect. Dis.(2001) 33:794−796 Grabowska et al., J. Gen. Virol.(1999) 80:1789−1798 Nilson et al., J. Virol. Meth.(2003) 107:21−27
本発明は、生物学的試料において偽陽性という結果につながりうる交差反応(非特異的)抗体を減少させることにより、感受性が高く特異的な抗HSV−2抗体の検出法を提供する。本発明は、本発明方法を使用するための核酸、ポリペプチド、およびキットを含む構成も特色とする。
本発明は、生物学的試料中の抗単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)抗体の有無を検出する方法を提供する。この方法は、抗体を含む生物学的試料が少なくともアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む第一の抗原と接触させることであって、抗原がgG2ポリペプチドの全長ではなく、その接触が試料中の非特異的抗HSV抗体の抗原への結合に適した条件下で行われるものであり、前記接触は結合していない特異的な抗HSV−2 gG2抗体を減少させないものである該接触、および、生物学的試料中の特異的な抗HSV−2 gG2抗体の有無を検出することであって、試料中で検出された特異的な抗HSV−2抗体は抗原に結合しないものからなる該検出を含む。ある実施形態において、抗原はJ24、JA、JA1、およびJA2より選択される。ある実施形態において、その方法は、さらに前述の検出の前に、抗体を含んでいる生物学的試料を少なくともアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む第二の抗原と接触させることであって、その接触が試料中の非特異的抗HSV抗体の抗原への結合に適した条件下で行われるものを含む。
ある実施形態において、前記の特異的な抗HSV−2 gG2抗体の有無の検出は、HSV−2 gG2抗原への特異的な抗HSV−2抗体の結合に適した条件下で、その試料をHSV−2 gG2抗原に接触させることを含む。ある実施形態において、検出は、さらにその試料を一または複数の検出可能なよう標識された抗ヒト免疫グロブリン抗体と接触させることを含む。
本発明は、第一の担体上に固定されたアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んでいる抗原であって、130残基長未満である抗原を含む組成物も提供する。ある実施態様において、抗原はJ24、JA、JA1、またはJA2である。ある実施形態において、第一の担体は、例えばアガロースビーズや電磁ビーズのような微小粒子である。他の実施態様において、第一の担体はニトロセルロース膜である。
ある実施態様において、組成物はさらに第二の担体上に固定された特異的なHSV−2gG2抗原を含む。ある実施態様において、第二の担体は、例えばアガロースビーズや電磁ビーズのような微小粒子である。他の実施態様において、第二の担体はニトロセルロース膜である。一部の実施態様において、第一の担体は第二の担体と液体連絡している。さらなる実施態様において、第一の担体および第二の担体は接触している。
本発明は、単離したポリペプチドも提供し、そのポリペプチドはアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んでいる抗原を含むものであって、130残基長未満のものである。ある実施態様において、ポリペプチドは検出可能なよう標識される。他の実施態様において、ポリペプチドは融合タンパク質である。
本発明は、ポリペプチドをコードしている核酸も提供し、そのポリペプチドはアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んでいる抗原を含むものであって、130残基長未満のものである。
本発明は、ポリペプチドをコードする核酸を含んでいる発現ベクターも提供し、そのポリペプチドはアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んでいる抗原を含むものであって、130残基長未満のものである。
本発明は、アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む第一のポリペプチドであって、そのポリペプチドが130残基長未満のもの、および第一のポリペプチドとは異種であり、第一のポリペプチドのN末端またはC末端に共有結合した第二のポリペプチドを含む組成物も提供する。ある実施態様において、組成物はさらに、第二のおよび第三のポリペプチドが第一のポリペプチドに隣接するように第一のポリペプチドに共有結合した第三のポリペプチドも含む。ある実施態様において、第二のポリペプチドは第一の担体上に固定される。ある実施態様において、第一の担体は、例えばアガロースビーズや磁性ビーズのような微小粒子である。他の実施態様において、第一の担体はニトロセルロース膜である。
本発明は、第一の担体上に固定されたアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む抗原を含む組成物も提供し、その抗原は130残基長未満である。ある実施態様において、抗原はJ24、JA、またはJA2である。ある実施態様において、第一の担体は、例えばアガロースビーズや磁性ビーズのような微小粒子である。他の実施態様において、第一の担体はニトロセルロース膜である。
ある実施態様において、組成物はさらに、第二の担体上に固定された特異的なHSV−2 gG2抗原を含む。ある実施態様において、第二の担体は、例えばアガロースビーズや磁性ビーズのような微小粒子である。他の実施態様において、第二の担体はニトロセルロース膜である。一部の実施態様において、第一の担体は第二の担体と液体連絡している。さらなる実施態様において、第一の担体および第二の担体は接触している。
本発明は、アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む抗原を含んでいる単離したポリペプチドも提供し、そのポリペプチドは130残基長未満である。ある実施態様において、ポリペプチドは検出可能なよう標識される。他の実施態様において、ポリペプチドは融合タンパク質である。
本発明は、アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む抗原を含んでいるポリペプチドをコードしている核酸も提供し、そのポリペプチドは130残基長未満である。
本発明は、ポリペプチドをコードする核酸を含んでいる発現ベクターも提供し、そのポリペプチドはアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む抗原を含んでいるものであって、130残基長未満のものである。
本発明は、アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む第一のポリペプチドであって、そのポリペプチドが130残基長未満のもの、および第一のポリペプチドとは異種であり、第一のポリペプチドのN末端またはC末端に共有結合した第二のポリペプチドからなる組成物も提供する。ある実施態様において、組成物はさらに、第二のおよび第三のポリペプチドが第一のポリペプチドに隣接するように第一のポリペプチドに共有結合した第三のポリペプチドも含む。ある実施態様において、第二のポリペプチドは第一の担体上に固定される。ある実施態様において、第一の担体は、例えばアガロースビーズや磁性ビーズのような微小粒子である。他の実施態様において、第一の担体はニトロセルロース膜である。
本発明は、欠失あるHSV−2糖タンパク質G2ポリペプチドをコードしている単離した核酸であって、その欠失がGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)のアミノ酸配列を含むものも提供する。ある実施態様において、その核酸はSEQ ID NO:10のアミノ酸配列をコードしている。
本発明は、欠失あるHSV−2糖タンパク質G2ポリペプチドをコードしている単離した核酸であって、その欠失がAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)のアミノ酸配列を含むものも提供する。ある実施態様において、その核酸はSEQ ID NO:12のアミノ酸配列をコードしている。
これらと他の物、および本発明の利益は、以下の詳細な説明から明らかとなる。
図1Aは野生型HSV−2糖タンパク質G2(gG2)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:01)を示す。
図1Bは野生型HSV−2糖タンパク質G2(gG2)の核酸配列(SEQ ID NO:14)を示す。
図2はヒト血清中でHSV−2非0特異的抗体と反応しているエピトープを同定するため設計および表現された、HSV−2gG2遺伝子、および特異的gG2抗原、および交差反応性抗原の図を示す。
図3は例となる交差反応性抗原の図を示す。配列位置は図1AのSEQ ID NO:01と対応する。
図4Aは例となる交差反応性抗原の配列比較を示す。
図4Bは野生型HSV−2糖タンパク質G2欠失変異型(gG2ΔMCRS1)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:10)を示す。
図4Cは野生型HSV−2糖タンパク質G2置換変異型(gG2subMCRS1)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:11)を示す。
図4Dは野生型HSV−2糖タンパク質G2欠失変異型(gG2ΔMCRS2)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:12)を示す。
図4Eは野生型HSV−2糖タンパク質G2置換変異型(gG2subMCRS2)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:13)を示す。
図5はHSV−2gG2遺伝子の異なるペプチド断片のヒト血清との反応性を示すウエスタンブロットである。ペプチドはSDS−PAGEで電気泳動され、ニトロセルロース膜にトランスファーされた。そしてヒト血清で染色した。18、19、および25−32レーンは通常であり、1−5、10−13、および16レーンはHSV−2陽性であり、6−9、14、15、17、20、21、23、24レーンはHSV−2偽陽性である。その結果は、陽性血清の多くはペプチドJ24およびJAと反応することを示した。よってJ24およびJAは、HSV−2非特異的ヒト抗体と反応するエピトープを含む。
図6は交差反応性抗原JA存在下および非存在下、全長HSV−2 gG2でコートしたELISAにおいて、真陽性血清(Pとマーク)の効果と比較した偽陽性血清(FPとマーク)に対する阻害効果を示すグラフである。試料希釈液中にJAの有る時および無い時のELISA(全gG2抗原に基づいて)指標値が図に示されている。阻害は、血清試料希釈液中でJAと混合することにより達成される。JAは、顕著に偽陽性血清由来の反応性を阻害する一方、真陽性血清には効果を及ぼさない。
図7は交差反応性抗原JAのあるときとないとき間での指標補正を示したグラフであり、交差反応性gG2抗原は真陽性および真陰性試料には作用しないが、偽陽性の反応性は阻害することを示している。多くの偽陽性(ピンク)、多くの真陽性(黄色)、および陰性(青)。JAはELISA試料希釈液中で混合された。JAのない希釈液由来の指標値およびJAのある希釈液由来の指標値は、散布図となった。通常のおよび真陽性の血清は、類似の結果を与え、対角線上にのるが、一方で偽陽性血清は対角線からはずれており、JAが偽陽性活性を阻害していることを示している。
図8は交差反応性抗原JA、JA1、およびJA2を用いた、血清群(陽性、P;陰性、N;と、偽陽性、FP、不定、EQ)へのELISA阻害研究の結果を示す。試料希釈液の4種(異なるJAペプチドありまたはなし)を比較した(JAなし、JA1あり、JA2あり、JA1とJA2あり、組換えJAあり)。JAなしの希釈液の値と様々なJAありの希釈液の値を比較したとき、真陽性および真陰性の血清では、解釈と同様、ODと指標値は顕著には変化しない。偽陽性の血清では、顕著な変化が見られた。
図9は図8のデータ表の値から指標値の変化を表したグラフである。x軸はJAなしの希釈液に基づく値を表す。y軸はJAありの希釈液に基づく値を表す。点円は偽陽性であるが、他の点は真陽性または真偽性である。偽陽性の点は対角線上から落ち、JAまたはJA1またはJA2の阻害作用を示している。
定義
“糖タンパク質G2”、“gG2”、“HSV−2 gG”、および“HSV−2 gG2”の語は、21アミノ酸シグナル配列、4つの潜在的なN末端糖化部位と6つのシステイン残基を有する626アミノ酸からなる第一の多様な極性領域、25アミノ酸からなる膜貫通結合ドメイン、24アミノ酸からなるC末端細胞質ドメインを含んでいる、2097塩基対遺伝子によりコードされるHSV−2の699アミノ酸エンベロープタンパク質(図1A)を表す。HSV−2 gGは、McGeoch et al., J. Gen. Virol, 68:19−38(1987)に、より詳細に記載されている。HSV−2糖タンパク質G2(gG2)のアミノ酸配列は、図1Aにおいて提供される。
ここで使われる場合、“特異的なgG2抗原”の語は、HSV−2に対する抗体に特異的に結合する一または複数のエピトープ領域を含むgG2に由来するポリペプチドを意味する。典型的な、特異的gG2抗原は、McGeoch et al.,中により詳細に詳述されるように、HSV−2のエンベロープタンパク質糖タンパク質G(gG)の486アミノ酸部分をコードする、HSV−2に特異的でHSV−1糖タンパク質G遺伝子には見られない、独特の(全長コード配列の99−1559残基にわたる)1461塩基対核酸に由来する。“HSV−2gGの独特の配列”という言い回しは、ここでは、前記HSV−2gGの独特の配列と実質的に同じものであり、実質的に同じ生物活性を有するヌクレオチド配列を含むと解釈する。
ある実施態様において、特異的なgG2抗原は、欠失または異なるアミノ酸配列に置換されたGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)のアミノ酸配列を含んだ最低限の交差反応性抗原配列を有している、HSV−2 gG2(gG2)抗原の変異型である。欠失したGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んだ最低限の交差反応性抗原配列を有している、野生型HSV−2gG2の欠失変異型の典型的なアミノ酸配列は、図4Bにおいて提供される。異なるアミノ酸配列に置換されたGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んだ最低限の交差反応性抗原配列を有している、野生型HSV−2 gG2の置換変異型の典型的なアミノ酸配列は、図4Cにおいて提供される。
ある実施態様において、特異的なgG2抗原は、欠失または異なるアミノ酸配列に置換されたAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)のアミノ酸配列を含んだ最低限の交差反応性抗原配列を有している、HSV−2 gG2(gG2)抗原の変異型である。欠失したAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含んだ最低限の交差反応性抗原配列を有している、野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の典型的なアミノ酸配列は、図4Dにおいて提供される。異なるアミノ酸配列に置換されたAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含んだ最低限の交差反応性抗原配列を有している、野生型HSV−2 gG2の置換変異型の典型的なアミノ酸配列は、図4Eにおいて提供される。
ここで使われる場合、“交差反応性gG2抗原”、“gG2ポリペプチドの交差反応性抗原”、または“交差反応性抗原”の語は、HSV−2に特異的ではない抗体により結合される抗原を意味し、抗体は標的抗原としてgG2抗原を使用するHSV−2アッセイにおいて偽陽性という結果としうる。“交差反応性”抗原は、そのような抗原は一般にアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含むという条件で、HSV−2 gG2ポリペプチドまたはHSV−2 gG2以外の源に由来しうる。本発明の交差反応性抗原の例は、以下の詳細な説明に記載するように、J24ペプチド、JAペプチド、JA1ペプチド、JA2ペプチドを含む。
“抗HSV−2特異的抗体”または“特異的な抗HSV−2抗体”は、HSV−2への曝露に対する反応において生産された抗体を意味し、HSV−2抗原に特異的である。代表的な特異的HSV−2抗原は、HSV−2糖タンパク質Cポリペプチド(“gC2”)およびその特異的なペプチドエピトープ;HSV−2糖タンパク質Gポリペプチド(“gG2”)、および例えばgG2のアミノ酸357−364、553−572、573−580および601−608等のような、その型特異的なペプチドエピトープ;HSV−2糖タンパク質B(“gB2”)、gB2のアミノ酸18−228(Goade et al.,第34回Interscience Conference on Antimicroviral Agents and Chemotherapy、1994年10月4−7日の要旨、要旨H6参照);およびHSV−2糖タンパク質D(“gD2”)、およびその型特異的ペプチドエピトープである。
“エピトープ”とは、特異的なB細胞およびT細胞が反応する抗原上の部位を意味する。この語は、“抗原決定基”または“抗原決定部位”と互換的にも用いられる。エピトープは、エピトープに独特な空間的構造において、3つまたはそれより多くのアミノ酸を含むことができる。一般に、エピトープは少なくとも5つのそのようなアミノ酸からなり、より通常には、少なくとも8−10個のそのようなアミノ酸からなる。アミノ酸の空間的構造を決定するための方法は技術的に知られており、例えば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴を含む。さらに、あるタンパク質におけるエピトープの同定は、技術的によく知られた技術を用いて容易に行うことが出来る。例えば、Geysen et al., Proc Natl. Acad. Sci. USA(1984) 81:3998−4002(ある抗原における免疫原性のエピトープの位置を決定するためのペプチドを迅速に合成する一般的な方法);米国特許4,708,871(抗原のエピトープの同定および化学的合成の手順);およびGeysen et al., Molecular Immunology(1986) 23:709−715(ある抗体への高い親和性を用いてペプチドを同定する技術)。同じエピトープを認識する抗体は、ある抗体がもう一方の抗体の標的抗原への結合を阻害する能力を示す単純な免疫アッセイにおいて、同定することができる。
“特異的に結合”または“特異的に結合する”とは、特異的な抗原に対する抗体の、高い結合活性および/または高い親和性ある結合を意味する。この特異的な抗原上のエピトープに結合している抗体は、他のどんなエピトープ、特に、興味のある特異的な抗原のような、分子内に関連して、または同じ試料中に存在しうるエピトープに対する同じ抗体の結合より強い結合活性および/または親和性である。興味のあるポリペプチドに特異的に結合する抗体は、弱いが検出は可能なレベル(例えば、興味のあるポリペプチドに対して示す結合の10%またはそれより少なく)で他のポリペプチドに結合することができるものであってもよい。そのような弱い結合、またはバックグラウンドの結合は、例えば適当な対照を用いることにより、興味のあるポリペプチドに対する特異的な抗体の結合から容易に識別することができる。
“検出可能なよう標識された抗体”、または“検出可能なよう標識された二次抗体”とは、取り付けられた検出可能な標識を有する抗体(または結合特異性の残っている抗体断片)を意味する。検出可能な標識は、化学的な結合により付けられることも可能であるが、標識がポリペプチドの場合、代わりに遺伝子工学技術により付けられることも可能である。検出可能な標識タンパク質を生産する方法は、技術的によく知られている。検出可能な標識は、技術的に知られた多様なそのような標識から選択されうるが、通常、放射性同位体、蛍光色素分子、酵素(例えば西洋わさびペルオキシダーゼ)、または、検出可能なシグナル(例えば放射活性、蛍光、色)を放つ、またはその基質への標識の曝露後に検出可能なシグナルを放つ他の部分や化合物である。多様な検出可能な標識/基質ペア(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ/ジアミノベンジジン、アビジン/ストレプトアビジン、ルシフェラーゼ/ルシフェリン)、抗体を標識する方法、および抗原(例えば、HSV−2に対するヒト抗体のような)を検出するために標識された二次抗体を用いる方法は、技術的によく知られている(例えば、Harlaw and Lane, eds.(Antibodies: A Laboratory Manual(1988) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.))。
ここで使われる場合“単離した”という語は、単離した化合物との関連で用いられるとき、化合物が自然に発生する環境とは異なる環境にある、関心のある化合物を表す。“単離した”とは、関心のある化合物について実質的に濃縮された試料および/または関心のある化合物が部分的または実質的に精製された試料中にある化合物を含むことを意味する。“単離した”という語は、ある自然の状態では通常関連している少なくともいくつかの材料によって化合物が伴われていない場合を包含する。例えば、ポリペプチドについての“単離した”という語は、一般に、全部または一部において、通常自然では関連している配列を欠いているアミノ酸分子;または自然に存在しているが、それらと関連した非相同的な配列を有する配列を表す。
ここで使われる場合、“精製した”とは、列挙した材料が全タンパク質の少なくとも約75重量%含むことであり、より好ましくは少なくとも約80重量%含むことであり、特に好ましくは少なくとも約90重量%含むことを意味する。ここで使われる場合、“実質的に純粋”という語は、その自然の環境から除去され、自然に関連している他の化合物を少なくとも60%含まない、好ましくは75%含まない、そして最も好ましくは90%含まない化合物を表す。
一般に、“配列同一性”は、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列それぞれに対応する、正確なヌクレオチド−ヌクレオチドまたはアミノ酸−アミノ酸の一致を表す。%同一性は、配列を整列させること、2つの整列した配列間で一致する正確な数を数えること、より短い配列の長さによって分けること、および結果を100倍することによって、2分子間の配列情報の直接的な比較により決定することが出来る。
すぐに利用できるコンピュータープログラムは、相同性と同一性の分析を補助するために使用されうる。例えばDNASTAR, IncからのLASERGENE;およびALIGN, Dayhoff, M. O. in Atlas of Protein Sequence and Structure M. O. Dayhoff ed., 5 Suppl. 3:353−358, National biomedical Research Foundation, Washington, DC等があり、それらはペプチド解析のため、Smith and Waterman Advances in Appl. Math. 2:482−489,1981の局所的な相同性アルゴリズムを適応する。ヌクレオチド配列の相同性を決定するためのプログラムは、Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8(Genetics Computer Group, Madson, Wis.から利用できる)を利用でき、例えば、Smith and Watermanアルゴリズムに基づいたBESTFIT, FASTA and GAP programsがある。これらのプログラムは、製造業者により推奨され、上述のWisconsin Sequence Analysis Packageに記載された初期設定のパラメーターですぐに利用できる。例えば、特定のヌクレオチド配列と参照配列の%同一性は、初期設定のスコアリング表と6つのヌクレオチド位置のギャップペナルティとともにSmith and Watermanの相同性アルゴリズムを用いて、決定されうる。
本発明との関連で%相同性を確立するその他の方法は、エディンバラ大学により著作権が取得され、John F. CollinsおよびShane S. Sturrokにより開発され、IntelliGenetics, Inc.(Mountain View, Calif.)により流通されたプログラムのMPSRCH packageを使用することである。この一組のパッケージから、初期設定のパラメーターがスコアリング表のために用いられる場合(例えば、12のギャップオープンペナルティ、1のギャップ伸張ペナルティ、および6のギャップ)には、Smith−Watermanアルゴリズムを採用することも可能である。データから、生成された“Match”値は、“配列相同性”を反映する。配列間の%同一性または相同性を計算するための他の適したプログラムは、技術的に一般的に知られており、例えば、その他の配列プログラムがBLASTであり、初期設定のパラメーターとともに用いられる。例えば、BLASTNおよびBLASTPは次の初期設定のパラメーターを用いて、使用されうる:genetic code=standard; filter=none; strand=both; cutoff=60; expect=10; Matrix=BLOSUM62; Discription=50 sequences; sort by=HIGH SCORE; Databases=non−redundant、Genbank+EMBL+DDBJ+PDB+Genbaank CDS translations+Swiss protein+Spupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)および国立医学図書館により提供されたインターネット上のウェブサイトで発見しうる(例えば、ncbi.nlm.gov/cgi−bin/BLASTのワールドワイドウェブサイトを参照)。
ここで使われる場合、“生物学的試料”とは、対象から単離した組織または体液を表すものであって、本発明の構成において一般に抗HSV−2抗体を含んでいると思われる試料を表し、試料は任意の処理の後、in vitroアッセイにて分析されうる。関心のある典型的な試料は、限定される必要はないが、血液、血漿、血清、血液細胞、唾液、および粘液を含む。試料は、in vitro細胞培養の構成物試料も含むが、培養液中での細胞および組織の成長から生じる培養上清に限定せず、例えば組換え細胞や細胞構成物も含む。
“評価すること”の語は、測定のいかなる形式も含み、要素が存在するかどうかを決定することも含む。“決定すること”、“測定すること”、“審査すること”、“評価すること”、および“アッセイすること”の語は相互に使用され、量的および質的な決定を含む。評価することは、相対的または絶対的となりうる。“−の存在を評価すること”は、何か存在する量を決定すること、および/または、存在するかしないかを決定することを含む。ここで使われる場合、“決定すること”、“測定すること”、および“評価すること”、および“アッセイすること”の語は相互に使用され、量的および質的な決定のどちらをも含む。
“正確さ”は、ある試料の同じまたは比較可能な結果を再現性よく生むアッセイの能力を表す。
請求項はいかなる任意の要素を除外して作成されてもよいことを、さらに指摘する。そのようなものとして、この記述が請求項の要素の詳述との関連で“もっぱら”、“唯一の”などの排他的な術語の使用または“否定的な”限定の使用の根拠として役目を果たすことを意図する。
本発明を記述する前に、当然のことながら、本発明が記載された特定の実施態様に限定するものではなく、したがってもちろん変化しうることが理解されるべきである。本発明の範囲は添付した請求項によってのみ限定されるので、当然のことながら、ここで使われる術語は、特定の実施態様を記載するのみの目的のためであり、限定することを意図するのではない。
値の範囲が提供されている場合、文脈が明確に異なるように指示しない限り、該範囲の上限および下限の間で、下限のユニットの10分の1までの各値は特に開示されていることが理解される。任意の記載される値または記載される範囲における間の値と、その他の記載される値またはその記載される範囲における間の値の間の、それぞれのより小さな範囲は、本発明に包含される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立してその範囲に含まれてもよく、除外されてもよく、一方または両方の限度がそのより小さな範囲に含まれるかまたは含まれないそれぞれの範囲も、記載される範囲において特定的に除外されない限り、本発明に包含される。記載される範囲が一方または両方の限度を含む場合、それらの含まれた限度のどちらかまたは両方を除外した範囲も本発明に含まれる。
異なるように定義されない限り、ここで使われるすべての技術的および科学的な語は本発明の属する技術分野における通常の技術を有するものにより通常理解されているのと同じ意味を有する。ここに記載されたものと同様または等価ないかなる方法および材料が本発明の実施または試験に使用されうるとしても、好ましい方法および材料は現に記載されている。ここで言及したすべての刊行物は、方法および/または材料を開示し記載するため、刊行物を引用することに関連して参照によりここに組み入れられる。本開示は、矛盾がある程度まで、組み入れた刊行物のいかなる開示に優先すると理解される。
ここで使われる場合、および添付した請求項において、条件が明確に異なるように記載されていない限り、単数形の“a”、“an”、および“その”は、複数形の指示対象を含む。よって、例えば、“一つのペプチド”の言及はそのようなペプチドの複数形を含み、“その試料”の言及は、一または複数の試料および当業者に知られたその等価な物等を含む。
ここで議論した刊行物は、本適用の出願日よりも前の開示のためにもっぱら提供される。本発明が前の発明の効力により、そのような刊行物に先行する権利がないという承認として解釈すべきではない。さらに、提供された刊行物の日付は、独立に確認する必要があるだろうが、実際の刊行日とは異なる可能性がある。
本発明の実施は、異なるように指示されない限り、化学、生物化学、組換えDNA技術、およびウイルス学のその技術分野内で通常の方法を採用する。そのような技術は文献中で十分に説明される。例えば、Fundamental Virology, 2nd Edition, vol. I&II(B. N. Fields and D. M. Knipe eds.); A. L. Lehninger, Biochemistry(Worth Publishers, Inc., current addition); Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2nd Edition, 1989);Methods In Enzamology(S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.); Oligonucleotide Synthesis(N. Gait, ed., 1984); A Practical Guide to Molecular Cloning(1984)。
発明の詳細な説明
本発明は、生物学的試料のような試料中の抗HSV−2抗体の存在とHSV−2に対して特異的でなくHSV−2アッセイにおいて偽陽性となりうる抗体の存在の間の識別を提供するために、交差反応性(非特異的)抗原を用いて、感受性が高く特異的な抗HSV−2抗体の検出法を提供する。本発明は、本発明方法を使用するための核酸、ポリペプチド、およびキットを含む構成も特色とする。
本発明は、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)の糖タンパク質−2(gG2)の交差反応性(例えば非特異的な)領域の発見に基づいており、例えば生物学的試料のような試料中の抗HSV−2抗体を検出するためのアッセイの特異性を高めるため、“前吸収型”抗原としての役目を果たすことができる。交差反応性抗原は、試料と接触させることができる。特に、交差反応性抗原を含んでいるポリペプチド断片を特異的なgG2抗原とともに使用することは、抗HSV−2抗体またはHSV−2に特異的でなく、HSV−2アッセイにおいて偽陽性となりうる抗体を検出するという効果がある。これらのアッセイの特異性および簡便性は、HSV血清型間の検出および識別のための迅速な、信頼できる、そして高価でないアッセイを容易にし、特にHSV−2の検出の効率を良くする。
本発明の組成物および方法は、以下により詳細に記述される。
組成物
本発明は、交差反応性抗原を用いて、抗HSV−2抗体のアッセイにおいて妨げとなりうる(例えば、偽陽性解釈という結果となる)試料中のHSV−2に特異的でない抗体を除去することによる、試料中の抗HSV−2抗体の検出を提供する。すなわち、本発明は交差反応性抗原ポリペプチドを、同じものをコードしている核酸と同様に提供する。
ここで使われる場合“最低限の交差反応性”または“MCRS”とは、野生型gG2に存在し、抗HSV−2抗体により結合され、ならびにHSV−2に対して特異的でなく、HSV−2アッセイにおいて偽陽性となりうる抗体により結合されるエピトープを定義する、最低限のアミノ酸配列を意味する。
ある実施態様において、最低限の交差反応性配列は、次のアミノ酸配列を含む:
GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)。
ある実施態様において、最低限の交差反応性配列は、次のアミノ酸配列を含む:
AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)。
ある実施態様において、交差反応性抗原は最低限の交差反応性配列(例えば、MCRS1またはMCRS2)を含み、交差反応性抗原は約130アミノ酸長またはそれより多くまで可能であり、約120アミノ酸長、110アミノ酸長、100アミノ酸長、90アミノ酸長、80アミノ酸長、70アミノ酸長、75アミノ酸長、65アミノ酸長、60アミノ酸長、55アミノ酸長、50アミノ酸長、45アミノ酸長、40アミノ酸長、38アミノ酸長、36アミノ酸長、34アミノ酸長、30アミノ酸長、28アミノ酸長、26アミノ酸長、24アミノ酸長、22アミノ酸長、20アミノ酸長、20アミノ酸長、18アミノ酸長、16アミノ酸長、15アミノ酸長、14アミノ酸長、13アミノ酸長、12アミノ酸長、11アミノ酸長、10アミノ酸長、9アミノ酸長を含むものであって、交差反応性抗原は全長gG2ポリペプチドではない。
ある実施態様において、交差反応性抗原は次の式を含む:
(0+n1)−GHTNTSSAS−X(0+n2)(SEQ ID NO:08)
ZおよびXは、天然に生じるもの、または非天然に生じるもの、遺伝学的にコードされるもの、または遺伝学的にコードされないものを含むすべてのアミノ酸から独立に選択され、残基およびn1およびn2は、独立に選択された約0から約60までのすべての整数の形であり、約2から約58まで、約2から約58まで、約4から約56まで、約6から約54まで、約8から約52まで、約10から約50まで、約12から約48まで、約14から約46まで、約16から約44まで、約18から約42まで、約20から約40まで、約22から約38まで、約24から約36まで、約26から約34まで、約28から約32までを含む。そのようなものとして、フランキング領域Z(0+n1)およびX(0+n2)は、同じ長さまたは異なる長さとすることができる。
他の実施態様において、交差反応性抗原は次の式を含む:
(0+n1)−AAKTPPTTPAP−X(0+n2)(SEQ ID NO:09)
ZおよびXは、天然に生じるもの、または非天然に生じるもの、遺伝学的にコードされるもの、または非遺伝学的にコードされるものを含むすべてのアミノ酸から独立に選択され、残基およびn1およびn2は、独立に選択された約0から約60までのすべての整数の形であり、約2から約58まで、約2から約58まで、約4から約56まで、約6から約54まで、約6から約54まで、約8から約52まで、約10から約50まで、約12から約48まで、約14から約46まで、約16から約44まで、約18から約42まで、約20から約40まで、約22から約38まで、約24から約36まで、約26から約34まで、約28から約32までを含む。そのようなものとして、フランキング領域Z(0+n1)およびX(0+n2)は、同じ長さまたは異なる長さとすることができる。
本発明の方法中での使用に適した交差反応性抗原の例は、次のものを含む:
J24(SEQ ID NO:01の399−497残基):
TVAVTPEETAVASPPATASVESSPLPAAAAATPGAGHTNTSSASAAKTPPTTPAPTTPPPTSTHATPRPTTPGPQTTPPGPATPGPVGASAAPTADSPL
(SEQ ID NO:02)

JA(SEQ ID NO:01の416−455残基):
ASVESSPLPAAAAATPGAGHTNTSSASAAKTPPTTPAPTT(SEQ ID NO:03)

JA1(SEQ ID NO:01の423−442残基):
LPAAAAATPGAGHTNTSSAS(SEQ ID NO:04);および

JA2(SEQ ID NO:01の434−453残基):
GHTNTSSASAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:05)

例となる交差反応性抗原の配列アラインメントは、図3において図式の形で、図4Aにおいて配列の形で示される。
本発明は、gG2ポリペプチドのMCRSが欠失している変異gG2ポリペプチド、ならびにこのポリペプチドをコードする核酸を提供する。ある実施態様において、特異的なgG2抗原は、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含んでいる少なくとも最低限の交差反応性抗原配列が欠失しているHSV−2 gG2(gG2)抗原の変異型である。GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)が欠失している野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Bにおいて提供される。他の実施態様においては、特異的なgG2抗原は、AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)を含んでいる少なくとも最低限の交差反応性抗原配列が欠失しているHSV−2 gG2(gG2)抗原の変異型である。AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)が欠失している野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Dにおいて提供される。
ある実施態様において、gG2欠失変異型は、最低限の交差反応性配列に隣接する付加的なアミノ酸配列が欠失していてもよい。そのようなものとして、他の例となるgG2欠失変異型は、J24アミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド(gG2ΔJ24)、JAアミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド(gG2ΔJA)、JA1アミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド(gG2ΔJA1)、JA2アミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド(gG2ΔJA2)を含む。
本発明は、gG2ポリペプチドのMCRS(例えばMCRS1またはMCRS2)が異なるアミノ酸配列に置換されている変異gG2ポリペプチド、ならびにこのポリペプチドをコードする核酸を提供する。そのような実施態様において、置換されたアミノ酸配列は一般に試料中の抗HSV−2抗体の検出を妨げないように選択され、例えば、グリシン残基を含むアミノ酸配列がある。そのようなものとして、抗HSV−2抗体ならびにHSV−2に対して特異的でない抗体と交差反応しないように、置換されたアミノ酸配列は選択される。すなわち、アミノ酸配列は、抗HSV−2抗体ならびにHSV−2に対して特異的でなく、HSV−2アッセイにおいて偽陽性となりうる抗体によって結合されるエピトープを規定しない。
ある実施態様において、特異的な変異型組換えgG2抗原は、異なるアミノ酸配列に置換されたGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)を含む、少なくとも最低限の交差反応性抗原配列を有する。例となる、グリシン残基を含むアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)を有する野生型のHSV−2 gG2の置換変異型のアミノ酸配列は、図4Cにおいて提供される。
他の実施態様において、特異的な変異型組換えgG2抗原は、異なるアミノ酸配列に置換されたAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)を含む、少なくとも最低限の交差反応性抗原配列を有する。例となる、グリシン残基を含むアミノ酸配列で置換されたアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)を有する野生型HSV−2 gG2の置換変異型のアミノ酸配列は、図4Eにおいて提供される。
ある実施態様において、gG2置換変異体は、野生型の配列とは異なるアミノ酸配列で置換された、最低限の交差反応性配列を隣接する付加的なアミノ酸配列を有することができる。そのようなものとして、他の例となるgG2置換変異型は、J24アミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJ24)、JAアミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJA)、JA1アミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJA1)、JA2アミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJA2)を含む。
本発明は、最低限の交差反応性配列を欠失したgG2ポリペプチド断片を含む変異型gG2ポリペプチド断片、ならびにこのポリペプチド断片をコードする核酸を提供する。ある実施態様において、最低限の交差反応性抗原配列を欠失している特異的なgG2ポリペプチド断片はGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含む。他の実施態様において、最低限の交差反応性抗原配列を欠失している特異的なgG2断片はAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含む。
ある実施態様において、gG2ポリペプチド断片は、最低限の交差反応性配列に隣接する付加的なアミノ酸を欠失している。そのようなものとして、他の例となるgG2ポリペプチド断片としては、J24アミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド断片、JAアミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド断片、JA1アミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド断片、JA2アミノ酸配列が欠失しているgG2ポリペプチド断片が挙げられる。
ある実施態様において、本発明の抗原(例えば交差反応性抗原)は、非天然に生じる環境、例えば天然に生じる環境から隔離した環境にある。ある実施態様において、対象タンパク質は対象の抗原が豊富にある組成物中に存在する。例えば、精製した抗原が提供される。精製されたとは、タンパク質が、興味のあるポリペプチド以外のものが実質的にない組成物中に存在することを意味し、実質的にないとは、組成物の90%より少なく、通常は60%より少なく、そしてより通常は50%より少ない割合を興味のあるポリペプチド以外のものが占めることを意味する。対象発明の抗原は単離したものとしても存在することができ、それは他のタンパク質およびオリゴ糖、ポリヌクレオチドとそれらの断片等の他の天然に生じる生物的分子が実質的にないことを意味し、“実質的にない”という語は、この場合、単離したタンパク質を含んでいる組成物の70%より少なく、通常は60%より少なく、そしてより通常は50%より少ない割合が、何か他の天然に生じる生物的分子であることを意味する。ある実施態様において、タンパク質は実質的に生成された形で存在し、“実質的に生成された形”とは少なくとも95%、通常は少なくとも97%、そしてより通常は少なくとも99%純粋であることを意味する。
他の実施態様において、本発明にかかる抗原(例えば交差反応性抗原)は、融合タンパク質であり、ここで交差反応性抗原とは異種の第二のポリペプチドは、交差反応性抗原のC末端またはN末端に共有結合する。そのような実施態様において、第二のポリペプチドはいかなる長さともすることができ、抗原の担体(例えば、ニトロセルロース膜や微小粒子(例えばラテックスビーズ、アガロースビーズ、磁性ビーズ等)の固体または半固体)への固定を提供することができる。さらなる実施態様において、交差反応性抗原は、第二のおよび第三のポリペプチドが交差反応性抗原に隣接するように交差反応性抗原に共有結合した第三のポリペプチドを含む。そのような実施態様において、第二のおよび第三のポリペプチドは、交差反応性抗原とは異種である(例えば、通常は交差反応性抗原に関係しない)アミノ酸配列からなる。さらに第二のおよび第三のポリペプチドは抗HSV−2抗体に結合しないアミノ酸配列からなる。
ある実施態様において、組成物は、生物学的試料を希釈するのに適した溶液で提供される。一般に、生物学的試料を希釈するのに適した溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの緩衝液を含み、例えば牛血清アルブミン(BSA)などの非特異的ブロッキング試薬や、Triton−X−100などの界面活性剤等、追加項目を含みうる。
ポリペプチドの生産
本発明の診断法において使用するためのポリペプチドは、さまざまな技術を用いて生産することができる。例えば、特異的なgG2および交差反応性抗原は、当業者に知られた方法を用いて、固相または溶液ペプチド合成などの化学合成により生産することができる。ペプチドの化学合成は、当の抗原が比較的小さい場合に適している可能性がある。例えば、固相ペプチド合成技術のためにJ. M. Stewart and J. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, III.(1984)およびG.Barany and R. B. Merrifield, The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, editors E. Gross and J. Meinhofer, vol.2、Academic Press, New York, (1980), pp. 3−254; 伝統的な溶液合成のためにM. Bodansky, Principles of Peptide Synthesis, Springer−Verlag, Berlin(1984)およびE. Gross and J. Meinhofer, Eds., The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology, supra, Vol.1参照。
特異的なgG2および交差反応性抗原は、当該技術分野においてよく知られた組換えの方法を用いて生産してもよい。この点について、HSV−2由来のgG2遺伝子は、これを含んでいる細胞および組織から、フェノール抽出などの知られた技術を用いて直接的に単離することができ、さらに配列を操作して求める切断を作ることができる。例えば、DNAを得て単離するために用いられる技術について記載のあるSambrook et al., supra参照。さらに、特異的なgG2抗原および交差反応性gG2抗原をコードしている核酸は、既知配列に基づいて合成的に生産することができる。ヌクレオチド配列は、求める特定のアミノ酸配列に適合したコドンでデザインすることができる。一般に、配列を発現させる対象とする宿主にとって好ましいコドンを選択する。完全な配列は一般に、重複しているオリゴヌクレオチドから標準的な方法により組み立てられ、完全なコード配列に組み立てられる。例えば、Edge(1981) Nature 292:756; Nambair et al.,(1984) Science 223:1299; Jay et al.,(1984) J. Biol. Chem. 259:6311。
ひとたび求めるタンパク質の配列をコードする核酸が単離されまたは合成されると、それらは多様な系において発現させるため任意のベクターまたはレプリコンにクローニングされることができ、系は当技術分野においてよく知られた、哺乳類の、バクテリアの、ウイルスの、および酵母の発現系を含む。バクテリアのおよび哺乳類の細胞発現系は、当技術分野でよく知られており、例えばSambrook et al., supraに記載されている。酵母の発現系も当技術分野において知られており、例えばYeast Genetic Engineering(Barr et al., eds., 1989) Butterworths, Londonに記載されている。
Tomei et al., J. Virol. (1993) 67:4017−4026およびSelby et al., J. Gen. Virol. (1993) 74:1103−1113に記載されているように、感染/トランスフェクションシステムに基づくワクシニア等のようなウイルスの系は、本発明において用いることができる。この系において、細胞は最初にin vitroで、バクテリオファージT7RNAポリメラーゼをコードするワクシニアウイルス組換え体をトランスフェクションされる。このポリメラーゼは、T7プロモーターを持っているテンプレートのみを転写するという点で、優れた特異性を示す。感染に続いて、細胞が関心のあるDNAをトランスフェクションされ、T7プロモーターによりドライブされる。ワクシニアウイルス組換え体から細胞質中で発現されたポリメラーゼは、トランスフェクションされたDNAをRNAに転写し、次に宿主翻訳機構によりタンパク質に翻訳される。その方法は、多量のRNAおよびその翻訳物の高水準で一時的な細胞質生産を提供する。
選択した発現系および宿主次第で、本発明の抗原は、関心のある抗原が発現している条件下、発現ベクターにより形質転換した宿主細胞を培養することによって生産される。抗原は次に宿主細胞から単離され精製される。発現系が抗原の分泌を提供する場合、抗原は培養液から直接精製されうる。抗原が分泌されない場合、それは細胞溶解物から単離される。適した培養条件および回復方法の選択は、当技術分野における技術の範囲内で行われる。
検出方法
前述のように、本発明は、生物学的試料中のHSV−2に対する抗体の有無を判定する方法を提供する。本発明の方法は、特異的なgG2抗原および交差反応性抗原を、HSV−2感染を正確に検出すること、およびHSV−2特異的抗体とHSV−2に特異的でなくHSV−2アッセイにおいて偽陽性となりうる抗体との間の識別をすることのために利用する。その方法は一般に、抗HSV−2特異的抗体を含んでいると思われる生物学的試料を少なくとも第一の交差反応性抗原と接触させること、および次に抗HSV−2特異的抗体の有無を特異的なgG2抗体で検出することを含む。ある実施態様において、生物学的試料は少なくとも2つの交差反応性抗原と接触し、第一の交差反応性抗原はアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含み、第二の交差反応性抗原はアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む。代表的な実施態様において、交差反応性抗原は全長野生型gG2ポリペプチドからなることはない。
一般に、生物学的試料を交差反応性抗原と接触させることは、生物学的試料中の交差反応性抗体の減少という結果となる一方で、抗HSV−2特異的抗体は減少しない。つまり、もし存在すれば、抗HSV−2特異的抗体は試料中に検出可能なレベルで残存している(例えば、ここに記載したように特異的抗HSV−2抗体を検出するためのアッセイを使用することによって)。それゆえ、生物学的試料と接触させるために使用された交差反応性抗原は一般に、前吸収された生物学的試料中の抗HSV−2特異的抗体の有無を検出するために使用されるHSV−2特異的抗原からなることはない。接触は、例えば、ここに記載したように、生物学的試料を一または複数の交差反応性抗原と接触させることにより、達成されうる。生物学的試料は、順次の工程において交差反応性抗原と、次に特異的な抗原と接触させることができ、または生物学的試料は、一または複数の交差反応性抗原および特異的なHSV−2抗原のどちらとも同時に(例えば同一の溶液、例えば同一の容器)接触させることができる。ある実施態様において、試料中の特異的抗HSV−2抗体の検出前に試料由来の非特異的抗体を“前吸収”するため、生物学的試料は本発明に従って交差反応性抗原と接触させられる。明確に異なるように指示されない限り、ここで使われる場合“前吸収”は、生物学的試料はまず交差反応性抗原と接触させられ、次に試料を特異的な抗原と接触させることを必ずしも暗示するものではなく、むしろ試料が交差反応抗原に曝露されるまで、特異的な抗HSV−2抗体は検出されないことを意味する。
本発明と共に用いるのに適した特異的gG2抗原は、一般に、HSV−2に対する抗体に特異的に結合する一または複数のエピトープ領域を含むgG2に由来する。例となる特異的なgG2抗原は、HSV−2のエンベロープタンパク質糖タンパク質G(gG)の486アミノ酸部分をコードしている、独特の1461塩基長の核酸配列(配列をコードしている全長の99−1559残基にわたる)であって、McGeoch et al.により詳細に詳述されるように、HSV−2に特異的であり、HSV−1糖タンパク質G遺伝子中に発見されない上記核酸配列に由来する。
ある実施態様において、特異的なgG2抗原はHSV−2 gG2(gG2)(図1A)である。他の実施態様において、特異的なgG2抗原は、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列が欠失しているかまたは異なるアミノ酸配列に置換されている、最低限の交差反応性抗原配列を有するHSV−2 gG2(gG2)の変異型である。アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)が欠失した、最低限の交差反応性配列を有する野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Bにおいて提供される。アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)が異なるアミノ酸配列に置換されている、最低限の交差反応性配列を有する野生型HSV−2 gG2の置換変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Cにおいて提供される。
他の実施態様において、特異的なgG2抗原は、AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列が欠失しているかまたは異なるアミノ酸配列に置換されている、最低限の交差反応性抗原配列を有するHSV−2 gG2(gG2)の変異型である。アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)が欠失した、最低限の交差反応性配列を有する野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Dにおいて提供される。アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)が異なるアミノ酸配列に置換されている、最低限の交差反応性配列を有する野生型HSV−2 gG2の置換変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Eにおいて提供される。
ただちにわかるように、ここに記載されたアッセイのデザインは、種々の変更が可能であり、多くの形式が当技術分野において知られている。次の記載は単にガイダンスとして提供され、当業者は、当技術分野においてよく知られた技術を用いて、記載された手順を容易に修正することが出来る。
試料の調製
本発明の方法の実施において、被験者からの試料についてHSV−2に対する抗体の存在を検査する。検査される試料は、HSV−2に対する抗体を含む任意の最初の源であるか、またはそれに由来する試料である。したがって、適した試料の源は、HSV−2に対する抗体が放出された体液に由来する。関心のある試料の源は、限定するものではないが、多くの異なる体液、特に血液または血液を調製したもの、例えば血清、血漿、および全血などを含む。試料の量は、特異的なアッセイ形式に適合する任意の量とすることができる。ある実施態様において、試料は、HSV−2に対する抗体の有無を検査する前に、適した溶液に希釈される。一般に、生物学的試料を希釈するために適した溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などのような緩衝液を含み、例えば牛血清アルブミン(BSA)などの非特異的ブロッキング試薬や、Triton−X−100などの界面活性剤等、追加項目を含んでもよい。
アッセイのために適当な対照試料は、抗HSV−2抗体を有さないヒト被験者から集めた血液、血清、若しくは全血、または抗HSV−2抗体を既知の、所定の量を含む試料(すなわち正の対照)を含む。
多くの実施態様において、ヒト被験者に適した最初の源は、血液試料である。すなわち、本発明のアッセイにおいて採用される試料は、一般に血液由来試料である。血液由来試料は、全血またはその分画、例えば血清、血漿などに由来してもよく、ある実施態様において、試料は、アッセイに使用するために凝固させた血液および分離され集められた血清に由来する。
試料が血清または血清由来試料である実施態様において、試料は一般に液体試料である。液体の血清試料を生産する任意の便利な方法論を、採用してもよい。多くの実施態様において、方法論は、皮膚の穿刺(例えば指先穿刺、静脈穿刺)により静脈血を凝固または血清分離チューブに引きいれること、血液を凝固させること、および凝固した血液から血清を遠心分離することを採用する。血清は次に集められ、検査するまで保存される。ひとたび患者由来の試料を得ると、試料は抗HSV−2抗体の存在を判定するため検査される。
抗HSV−2抗体の存在の検出を強化するため、対象試料は多様な方法で処置することもできる。例えば、試料が血液である場合、赤血球はアッセイの前に試料から除去してもよい(例えば遠心によって)。抗HSV−2抗体の存在の検出は、当技術分野においてよく知られた手順(例えば、酸沈殿、アルコール沈殿、塩沈殿、疎水性沈殿、ろ過(30kDaより大きな分子を保持できるフィルターを用いて、例えばCentrim 30TM)、アフィニティ精製)を用いて試料を濃縮することによっても強化してもよい。
アッセイ形式
特異的および交差反応性抗原は、生物学的試料中の反応性抗HSV−2抗体の有無を検出するための診断法として、本発明において用いられる。一形態において、本発明は、生物学的試料中の抗単純ヘルペス2型(HSV−2)抗体を検出する方法であって、生物学的試料を、試料中の非特異的抗HSV−2抗体の抗原への結合に適した条件下、アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む少なくとも一つの交差反応性HSV−2糖タンパク質−G(gG2)抗原と接触させること、および、生物学的試料中の抗HSV−2抗体の有無を検出することを含む上記方法であり、特異的抗HSV−2抗体は交差HSV−2 gG2抗原に結合しない。ある実施態様において、生物学的試料は少なくとも2つの交差反応性抗原と接触するものであって、一つ目の交差反応性抗原はアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含み、二つ目の交差反応性抗原はAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む。
一般に、生物学的試料を少なくとも一つの交差反応性抗原と接触させることは、生物学的試料中で偽陽性の結果に導きうる交差反応性抗体の減少という結果となる。代表的な実施態様において、生物学的試料の抗原による前吸収は、顕著には特異的抗HSV−2抗体を減少させない。特に、接触させることは、生物学的試料中に存在する特異的抗HSV−2抗体を顕著には減少させない。“顕著に減少する”とは、抗原を試料と接触させることは、試料中の特異的抗HSV−2抗体の結合という結果になり、それによって試料中の利用できる遊離型特異的抗HSV−2抗体が減少することを意味する。
ある実施態様において、生物学的試料はアッセイの前に適した溶液中に希釈される。一般に、生物学的試料を希釈するために適した溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの緩衝液を含み、例えば牛血清アルブミン(BSA)などの非特異的ブロッキング試薬や、Triton−X−100などの界面活性剤等、追加項目を含みうる。
ある実施態様において、抗HSV−2抗体の有無は、競合、直接反応、またはサンドウィッチ型アッセイなどのような免疫アッセイを含む、標準的な電気泳動および免疫診断の技術を用いて検出されうる。そのようなアッセイは、限定するものではないが、ウエスタンブロット; 凝集試験; ELISAのような酵素標識および介在免疫アッセイ; ビオチン/アビジン型アッセイ; ラジオイムノアッセイ; 免疫電気泳動法; 免疫沈降等を含む。その反応は一般に、蛍光、化学発光、放射活性、酵素標識、または色素分子等の標識、または抗原抗体間での、若しくはそれと反応した抗体間での複合体の形成を検出するための他の方法などのような標識を明らかにすることを含む。
典型的には、上記アッセイは一般に、抗原−抗体複合体が結合する固体担体から液相中の遊離型抗体の分離を含む。本発明の実施に用いられうる固体担体は、ニトロセルロース(例えば膜やマイクロタイターウェルの形で); ポリ塩化ビニル(例えばシートやマイクロタイターウェルの形で); ポリスチレンラテックス(例えばビーズやマイクロタイタープレートで); ポリフッ化ビニリデン; ジアゾ化紙; ナイロン膜; 活性化ビーズ、磁性反応ビーズ等のような基質を含む。
一般に、組成物が十分に担体に固定化されている等のような結合に適した条件下で、固体担体を最初に固相の成分(例えば一または複数の特異的なgG2抗原)と反応させる。任意に、担体への抗原の固定は、最初に抗原をよりよい結合性質を有するタンパク質と共役カップリングさせることにより強化することができる。共役に適したタンパク質は、限定するものではないが、牛血清アルブミン(BSA)を含めて血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、免疫グロブリン分子、チログロブリン、卵白アルブミン、および当業者によく知られた他のタンパク質などの高分子を含む。抗原を担体に結合させるために使用することが出来る他の分子は、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合体のアミノ酸、アミノ酸共重合体などを含む。そのような分子や抗原にこれらの分子を共役させる方法は、当業者によく知られている。例えばBrinkley, M. A. Bioconjugate Chem.(1992) 3:2−13; Hashida et al., J. Appl. Biochem.(1984) 6:56−63; およびAnjaneyulu and Staros, International J. of Peptide and Protein Res.(1987) 30:117−124参照。
固定担体を固相成分と接触させた後、任意の非固定固相成分は洗浄により担体から除去される。担体に結合した成分は、次にリガンド部分(例えば固定抗原に対する抗体)を含んでいると思われる生物学的試料と結合に適した条件下で接触させられる。任意の非結合リガンドを除去するために洗浄した後、二次結合部分は結合に適した条件下で添加され、ここで二次結合剤は結合リガンドに選択的に結合することができる。二次結合剤の存在は当技術分野でよく知られた技術を用いて検出されうる。
さらに特に、ある実施態様においては、ELISA法を使用することができ、マイクロタイタープレートのウェルは特異的gG2抗原でコートされる(例えば特異的gG2抗原は表面に固定される)。抗HSV−2免疫グロブリン分子を含んでいるまたは含んでいると思われる生物学的試料は、次にマイクロタイタープレートの表面に固定化されていない交差反応性抗原の存在下で、コートされたウェルに添加される。任意に、抗HSV−2抗体を既知の濃度含んでいる一連の標準は、対照としての役目を果たすために試料またはその一定分量と並行して検査することができる。一般に、希釈されたまたは別の方法により処理された約0.001から1mlまでの試料は、十分であり、通常約0.01mlで十分である。さらに、ある実施態様において、各試料および標準は、それぞれの平均値を得られるよう、多数のウェルに添加される。テストおよび対照試料は、固定担体とともに、抗原への抗体の結合が生じるために十分な時間培養される。一般に、約0.1から3時間で十分であり、通常は1時間で十分である。
抗体が固定されたgG2抗原および固定されていない交差反応性抗原に結合するのに十分な培養期間の後、プレートは結合しなかった抗体および交差反応性抗原に結合した抗体を除去するため、洗浄されうる。一般に、低濃度の、適したpH、一般に7−8の非イオン性界面活性剤は、洗浄手段として使用される。リン酸緩衝生理食塩水等の等張の緩衝液は、洗浄工程において採用してもよい。試料中に存在する非特異的に結合したタンパク質を完全に洗浄するのに十分な量で、1から6回の洗浄が採用されうる。好ましくは洗浄工程は、固定されたgG2抗原に結合した抗体の解離を引き起こさない。洗浄に続いて、検出可能なよう標識された二次結合分子が添加される。二次結合分子は任意の捕捉した試料抗体(例えば、表面に固定された特異的gG2抗原に結合した抗体)と反応させることができ、プレートは洗浄されて二次結合分子の存在は当技術分野でよく知られた方法を用いて検出される。
代わりの実施態様において、抗HSV−2抗体免疫グロブリン分子を含んでいるまたは含んでいると思われる生物学的試料は、最初に溶液中で交差反応性抗原と接触させられ、前吸収された混合物が得られる。抗体が交差反応性抗原に結合するために十分な培養期間の後、前吸収された混合物は特異的gG2抗原でコートされたマイクロタイタープレートのウェルにその後添加される。前吸収された混合物から結合していない抗体を、固定したgG2抗原に結合させるために十分な培養期間の後、プレートは結合していない抗体および交差反応性抗原に結合した抗体を除去するために洗浄されうる。洗浄に続いて、検出可能なよう標識された二次結合分子が添加される。好ましくは、洗浄工程は、固定されたgG2抗原に結合した抗体の解離を引き起こさない。二次結合分子は、任意に捕捉された試料抗体(例えば、表面に固定された特異的なgG2抗原に結合した抗体)と反応することができ、プレートは洗浄されて二次結合分子の存在は当技術分野でよく知られた方法を用いて検出される。
それゆえ、ひとつの特定の実施態様において、生物学的試料からの結合した抗体の存在は、抗体リガンドに対する抗体を含んでいる二次結合剤を用いて容易に検出されうる。多くの抗ヒト免疫グロブリン(Ig)分子が、当技術分野において知られているものであり(例えば、商業的に利用できるヤギ抗ヒトIgまたはウサギ抗ヒトIg)、直接のまたは間接の抗原−HSV−2抗体―二次抗体複合体の検出を促進するために、検出可能な標識と容易にコンジュゲートすることができる。免疫複合体の直接の測定が可能な標識の例は、3H、125I等の放射標識、蛍光、色素、ビーズ、化学発光、コロイド粒子等を含む。免疫複合体の間接の測定が可能な標識の例は、基質が着色されたまたは蛍光の生産物を提供することが可能な酵素を含む。ある実施態様において、抗体は適した基質を添加した後の生産物の検出可能な生産物のシグナルを提供できる、共有結合した酵素で標識される。複合体に使用するために適した酵素の例は、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ等を含む。商業的に入手できない場合、そのような抗体−酵素複合体は、当業者に知られた技術により容易に生産される。
そのようなアッセイにおいて、二次抗体の濃度は一般に約0.1から50μg/mlであり、好ましくは約1μg/mlである。二次抗体を含んでいる溶液は一般に約pH6.5−9.5の範囲に緩衝される。培養時間は、二次抗体が利用可能な分子に結合するために十分でなければならない。一般に、0.1から3時間で十分であり、通常は1時間で十分である。二次抗体が結合した後、不溶性の担体は一般に非特異的に結合する材料をなくすよう、再び洗浄されるが、基本的に先の洗浄について述べたとおりである。非特異的に結合する材料をなくした後、結合した複合体により生産されるシグナルは、標準の手段により検出される。酵素複合体が使用されている場合、検出可能な生産物が形成されるよう、適当な酵素の基質が提供される。さらに特異的には、ペルオキシダーゼが選択された酵素複合体である場合、好ましい基質の組み合わせは、適当な反応条件下で色のついた生産物を得るH22およびO−フェニレンジアミンである。上記のような他の酵素複合体の適当な基質は、当業者に知られている。多くの便利な複合体またはそれらの生産物を検出するための方法と同様に、適した反応条件も当業者に知られている。例えば基質O−フェニレンジアミンの生産物については、490−495nmでの光吸収が分光光度計で簡便に測定される。
ウイルスのタンパク質およびそれらのタンパク質に特異的な抗体が沈殿する条件下で複合体を形成するように、アッセイは溶液中でも行うことができる。一つの特定の実施態様において、特異的なgG2抗原は、例えば直接の化学的なまたは間接の結合によるような当技術分野において知られている結合技術を用いて、固相粒子(例えばアガロースビーズ等)に付着することができる。抗原でコートした粒子および遊離の交差反応性抗原(例えば固相粒子に結合しない)を、適した結合条件下、抗HSV−2抗体を含んでいると思われる生物学的試料と接触させる。結合抗体間の架橋は、粒子−抗原−抗体複合体凝集の形成を引き起こし、その凝集は洗浄および/または遠心を用いて沈殿され試料から分離されうる。反応混合物は前述の免疫診断方法のような標準的な方法のいくつかを用いて、抗体−抗原複合体の有無を検出するために分析されうる。
さらなる実施態様において、第一の固相粒子および第二の固相粒子が異なる場合に、特異的なgG2抗原は第一の固相粒子(例えばアガロースビーズ等)に固定されることが可能であり、交差反応性抗原は第二の固相粒子(例えば磁性ビーズ)に固定されることが可能である。そのような実施態様において、交差反応性抗原でコートした粒子および特異的なgG2抗原でコートした粒子は、結合に適した条件下、抗HSV−2抗体を含んでいると思われる生物学的試料と接触させられる。粒子−交差反応性抗原−抗体複合体は試料から分離することができる。例えば、交差反応性抗原が磁性ビーズ等のような第一の粒子に付着した場合、粒子−交差反応性抗原−抗体複合体は、標準的な方法のいくつかを用いて溶液から分離することができる。反応混合物は前述の免疫診断方法のような標準的な方法のいくつかを用いて、抗体−特異的gG2抗原複合体の有無を検出するために分析することができる。
その他の実施態様において、本発明を用いてHSV−2感染を診断する方法は、伝統的なウエスタンと、ドットブロッティング技術を組み合わせた、例えばHERPESELECTTM(Focus Technologies., Cypress, Calif.)テスト等の当技術分野において知られている条片免疫ブロットアッセイ(SIA)技術の使用に関連する。これらのアッセイにおいて、特異的なgG2抗原および交差反応性gG2抗原は個別に、膜性担体テスト条片上で個々のバンドとして固定される。抗ヒトIgMおよびヒトIgG等のような内部対照も条片上に存在することができる。
そのような実施態様において、生物学的試料中の抗HSV−2反応の視覚化は、比色分析酵素基質との共同で抗ヒトIgG酵素複合体を用いて達成することも可能である。したがって、特異的gG2抗原に対する反応がなく、交差反応性抗原に対する反応がない試料は、HSV−2に陰性であると推測される。特異的gG2抗原に対する反応があり、交差反応性抗原に対する反応がない試料は、HSV−2に陽性であると推測される。特異的gG2抗原に対する反応があり、交差反応性抗原に対する反応がある試料は、HSV−2抗体およびHSV−2に特異的でなくHSV−2アッセイにおいて偽陽性に導きうる抗体に陽性であると推測される。そのようなアッセイは、手作業で行うことができ、または自動のフォーマットで用いられることも出来る。
さらにその他の実施態様において、本発明を利用したHSV−2感染を診断する方法は、特異的なgG2抗原と交差反応しうる任意の抗体を除去するために最初に試料を交差反応性抗原に接触させること、および試料を試料中の任意のHSV−2抗体に結合する特異的なgG2抗原と接触させることによって生物学的試料中の抗HSV−2抗体の有無を検出するためのアッセイ装置の使用に関連する。そのような実施態様において、アッセイ装置は少なくとも試料適用領域、前吸収区画、および検出区画からなり、ニトロセルロース膜条片のような流動を導くことが出来る膜を含む。任意に、膜はポリエチレン条片のような強固なまたは準強固な支持表面上に提供される。代表的な実施態様において、前吸収区画は試料適用領域と検出区画の間に置かれる。区画の位置は、膜に沿った液体の側方流動が、全ての試料の組成物が最初に前吸収区画と接触し、その後検出区画と接触するように置かれる。そのようなものとして、試料適用領域から前吸収区画および次に検出区画までの膜に沿った流動が膜を通した毛細管現象により促進される。例となる側方流動アッセイ装置および側方流動アッセイ装置を採用した検出方法は、例えば米国特許番号6,146,589に提供され、その開示は参照により組み込まれる。
代表的な実施態様において、交差反応性抗原は前吸収区画に固定化され、特異的gG2抗原は検出区画に固定化される。抗HSV−2抗体の有無の検出は、試料適用領域に最初に試料を加えること、および試料を膜条片を通した毛細管現象によって移動させることより実行される。膜条片を通して試料が移動するにつれて、試料は最初に、前吸収区画において固定化された交差反応性抗原と接触して、前吸収された試料を提供する。前吸収された試料は次に検出区画に移動し、そこで固定化された特異的gG2抗原と接触する。特異的gG2抗原に結合した抗体の有無は、その後上述のように検出可能なよう標識された第二の結合分子を用いて検出される。第二の結合分子は任意の捕捉された試料抗体(例えば膜上に固定化された特異的gG2抗原に結合した抗体)と反応することができ、第二の結合分子の存在は上述のおよび当技術分野においてよく知られた方法を用いて検出される。
キット
上述のように、本発明の方法を実施するために用いられるキットも提供される。対象方法を実施するためのキットは、少なくともヒト患者に由来する試料を抗HSV−2抗体の有無について検査するための試薬を含むものであって、そのようなキットは以下のものを含んでもよい。それは、特異的gG2抗原および交差反応性抗原、または特異的gG2抗原および交差反応性抗原をコードしている核酸、および/または抗体、酵素基質等のようなシグナル産生系と同じものからなる免疫アッセイ装置; 対象検出アッセイを実行するにおいて使用する多様な緩衝液; 試料中の抗HSV−2抗体の有無を検出するための基準等である。
ある実施態様において、ポリペプチド組成物は、生物学的試料を希釈するために適した溶液中で提供される。一般に、生物学的試料を希釈するために適した溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液を含み、例えばウシ血清アルブミン(BSA)のような非特異的ブロッキング試薬やTriton−X−100のような界面活性剤等の追加項目を含みうる。
キットはさらに、例えばヘパリン、フィコール・ハイパック、溶解緩衝液、プロテアーゼ阻害剤等のような、患者由来試料の準備において使用されうる一または複数の試薬を含んでもよい。加えて、本発明のキットはさらに、例えばポリアクリルアミドゲルの乾燥した前駆物質、一または複数の緩衝溶液またはその組成物等、電気泳動の溶液またはその前駆物質のような試料の分別において採用される一または複数の組成物も含んでもよい。
ある実施態様において、キットはさらに少なくともHSV−2感染を診断するために比較できるアッセイ結果の参照データ、すなわち抗HSV−2抗体の存在に陽性にまたは陰性に関連する参照データを含む情報記憶装置および提示媒体を含む。情報記憶装置および提示媒体は、パッケージ挿入物上に印刷された情報、例えば磁気ディスク、CD−ROM等のような電子記憶媒体上に表された電子ファイルなどのように、任意の便利な形にしてもよい。さらに他の実施態様において、キットは参照データを得るための代替の方法、例えば“オンラインで”参照データを得るためのウェブサイトを含んでもよい。
キットはさらに対象試料を得るための方法、例えば注射器を含んでもよい。本発明のキットはさらに典型的に本発明の方法を実行するための指示を含み、これらの指示はパッケージ挿入物上および/またはキットのパッケージ上にあってもよい。最後に、キットはさらに抗HSV−2抗体の存在を検出するために用いられる追加の生化学アッセイから一または複数の試薬を含んでもよい。
キットは分かれた容器に存在し、一または複数の組成物は同じ容器に存在することが可能であり、容器は貯蔵容器および/またはキットがデザインされたアッセイ中に使用される容器とすることができる。
装置
上述のように、本発明の方法を実施するために用いられる装置も提供される。本発明の方法を実施するための装置は少なくともヒト患者に由来する試料を抗HSV−2抗体の有無について検査するための試薬を含むものであって、そのような装置は固体担体の表面に固定された特異的gG2抗原および交差反応性抗原を含んでもよい。
装置とともに実施されるための方法において必須のまたは望ましい追加項目が存在する可能性があり、該追加項目は、限定するものではないが、患者試料を得るための方法、例えば注射器; 患者由来試料の準備に必要な一または複数の試薬、例えばヘパリン、フィコール・ハイパック、溶解緩衝液、プロテアーゼ阻害剤等; 対象装置を用いて対象方法を実施するための指示; 抗HSV−2抗体の有無を検出するために用いられている追加の生化学アッセイからの一または複数の試薬を含む。
ある実施態様において、装置は生物学的試料を希釈するために適した溶液とともにも提供される。一般に、生物学的試料を希釈するために適した溶液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液を含み、例えばウシ血清アルブミン(BSA)のような非特異的ブロッキング試薬やTriton−X−100のような界面活性剤等の追加項目を含んでもよい。
多くのそのような装置が当技術分野において知られている。ひとつの非限定的な例において、装置は固相粒子(例えばアガロースビーズ、磁性ビーズ等)に、当技術分野において知られた結合技術を用いて、例えば直接の化学的なまたは間接的な結合により固定された交差反応性抗原からなる。粒子―交差反応性抗原複合体は、その後前述のアッセイにおいて使用されうる。ある実施態様において、交差反応性抗原は例えばポリペプチドのような架橋部分によって固相粒子に固定される。
その他の非限定的な例において、器具は一般に、ニトロセルロース膜のような適したフィルターまたは膜の連続した流路を採用し、その器具は少なくとも3つの領域、液体移送領域、試料領域、および測定領域を有する。試料領域は液体移動が、試料を受け取っている前の流路の他の部分と接触しないようにする。試料領域が試料を受け取った後、液体移送領域との液体移動関係に持ち込まれる(例えば、試料領域は液体移送領域と液体連絡している)。液体移送領域は、交差反応性HSV抗体を結合するため、固定された交差反応性抗原を有する。液体移送領域が試料を受け取った後、測定領域との液体移動関係に持ち込まれる(例えば、液体移送領域は測定領域と液体連絡している)。測定領域は、固定された特異的gG2抗原、および検査された試料および前記のアッセイと組み合わされた二次標識された抗体を有してもよい。
さらにその他の非限定的な例において、装置はディップスティックであり、その表面の別々の領域には: (1)特異的なgG2抗原および(2)交差反応性抗原および親和性試薬が結合されている。そのような例となる装置において、ディップスティックに結合した特異的なgG2抗原および交差反応性抗原に抗HSV−2抗体が結合するのに適した条件下、ディップスティックはヒト被験者に由来する試験試料(例えば血液、血清、または尿)に直接挿入される。ディップスティックはその後引き抜かれ、必要であれば非特異的に結合した材料を除去するため洗浄してもよい。ディップスティックはその後検出可能なよう標識された二次抗ヒト抗体、または特にヒト抗体に結合する断片もしくはそれらの模倣剤を含んでいる容器に挿入される。ヒト抗HSV−2抗体−抗原複合体に二次抗体が結合するのに十分な時間培養された後、ディップスティックは洗浄され、二次抗体の結合は標準的な方法により検出されうる。二次抗体の検出が必要な場合、ディップスティックは二次抗体上の検出可能な標識を活性化する試薬を含んでいる二番目の容器に挿入してもよい。
当業者に本発明をどうやって作成し使用するかについて完全な開示および記載を提供するため、以下の実施例が提案され、該実施例は発明者が彼らの発明とみなす範囲に限定しようとするものではなく、そしてまた彼らが以下の実施例がすべてであるまたは行った唯一の実施例であることを表そうとするものでもない。使用した数字(例えば量、温度等)についての正確性を確認するために努力がなされたが、いくつかの実験の誤りおよび偏差は説明されなくてはならない。異なるように指示されない限り、割合は重さによる割合であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧下またはその付近である。
材料および方法
次の材料および方法は以下の実施例において使用された。
gG2断片のPCR増幅
Primer Select Softwareを用いることにより、全HSV−2gG2遺伝子の多数のより短い領域を増幅するため、プライマーはデザインされた。PGEX 4T−3ベクターとDNA挿入断片を連結すること、およびウェスタンブロットにおいて検出するため各コンストラクトのC末端に6X−ヒスチジンタグを追加することの両方が可能となるよう、プライマーに追加の配列が加えられた。プライマー(Qiagen)は、テンプレートとしてFocus DiagnosticsのHSV−2クローンを利用してセグメントを増幅するため、野生型のPfu DNAポリメラーゼ(Strategene)と一緒に使用された。PCR反応はGeneAmp 9700 Thermocyclerで行われた。単位複製配列は、各コンストラクトについて予測したバンドサイズを確認するため2%アガロースゲルで流され、QIAquick PCR Purificationキットを用いて精製された。図2は、ヒト血清中でHSV−2非特異的抗体と反応しているエピトープを同定するため設計および発現された、HSV−2gG2遺伝子、および特異的gG2抗原、および交差反応性抗原の図を示す。
クローニングおよび発現
精製した複製単位配列およびPGEX 4T−3ベクターは、制限酵素での消化を受け、互いに正確な連結が出来るよう調製された。分解されたDNA挿入断片およびPGEX 4T−3ベクターは、その後2%アガロースで流され、Quiagen MinElute Gel Extraction Kitを用いてゲルから抽出された。DNA挿入断片のPGEX 4T−3ベクターとの連結は、InvitorgenのT4 DNA Ligase(High Concentration)を用いて行われた。次に環状プラスミド(DNA挿入断片を含んでいる)は、One Shot TOP 10 cells(Invitrogen)に形質転換され、ImMedia AMP agar(Invitrogen)上に蒔かれた。選択されたクローンはその後、プラスミド量が増加するようにImMedia液中で培養され、プラスミドはその後QIAprep Miniprep Kit(Qiagen)を用いて精製された。制限酵素での消化の後、DNA挿入断片の正しい連結を確認するため、明白に識別されたクローンが大規模の発現用に選択された(イソプロピルチオール−b−D−ガラクトシド(IPTG)誘導により)。
ウェスタンブロットアッセイ
組換えgG2抗原をSample Reducing Reagent(Invitorogen)およびLDS Sample Buffer(Invitrogen)を用いて変性させた後、gG2抗原は12%NuPAGE Bis Tris Gel(Invitrogen)上に載せられ、ニトロセルロース膜(Invitrogen)上にトランスファーさせた。トランスファーが完了した後、ブロットはブロッキング溶液(1X TBST中に4%ミルク)で処理され、1:2000で抗His−AP抗体(Invitrogen)1%ミルク(1X TBST中)と温置された。ウエスタンブロットによりgG2の陽性確認をした後、大規模に発現させたgG2抗原は、ProBond Ni+ Resin(Invitrogen)を用いてバッチ精製され、ウエスタンブロットにおいて1:2000で抗His−AP抗体(Invitrogen)を用いてもう一度確認された。次に、組換えgG2抗原のすべてがウエスタンブロットにおいて同じ反応強度となるよう、組換えgG2抗原をヒト血清試料にさらす前に、gG2抗原は用量設定された。ウエスタンブロット条片は、組換えgG2抗原群がすべて一つの条片上にあるように調製された。ウエスタンブロット条片をヒト血清と温置する前に、ヒト血清試料は大腸菌溶菌液で前吸収された。gG2抗原はNi+レジンを用いてバッチ精製されたが、ヒト血清は大腸菌に対する抗体を含んでおり、組換えgG2抗原は大腸菌中に発現されたので、この工程は誤った反応性に対する追加の予防措置であった。
阻害アッセイ
阻害アッセイにおいて使用された交差反応性抗原は、次のもの: 組換えJAならびに合成JA1およびJA2を含む。ElisaプレートgG2 Lot 021005. 28 Sera(HSV1およびHSV2 Cell Lysateを用いた、我々の社内のHSV Inhibitionにより特徴付けられた)は、陽性試料、陰性試料、偽陽性試料、および不確かな試料の阻害の確認のために使用された。8つの(8)陽性試料は次の通り:Westover Heights Clinicから4つの試料、ニューヨークにあるMontefiore Hospitalから3つの試料、Questから1つの試料が使用された。7つの(7)陰性試料は次の通り:Focus donors(DBS、Dried Blood Spots)から2つの試料、ニューヨークにあるMontefiore Hospitalから3つの試料、およびワシントンにあるWestover Heights Clinicから2つの試料が使用された。10個の(10)偽陽性試料は次の通り:ニューヨークにあるMontefiore Hospitalから1つの試料、Luminex In−Houseパネルから5つの試料、およびワシントンにあるWestover Heights Clinicから4つの試料が使用された。3つの(3)不確かな試料は次の通り:Focus donors(DBS、Dried Blood Spots)から1つの試料、ニューヨークにあるMontefiore Hospitalから1つの試料、およびLuminex in−houseパネルから1つの試料が使用された。
特徴付けられた血清は、我々のキットElisa Sample Diluent中で合成JA1(0.63μg/ml)および組換えJA(2μg/ml)の濃度にさらされた。試料はMarsh Tubes中で必要とされる推薦される希釈要素で2倍に希釈された。試料はその後、ポリプロピレンプレートにて阻害する合成および組換えペプチドの推薦される2倍の濃度で混合された。用量設定により混合した後、100μlはELISA HSV−2プレートに移された。ELISAの手順は、HerpeSelectTM 2 ELISA IgGのパッケージ挿入物により指示されたように従った。ODおよび指標値は、非ペプチド添加試料希釈剤と比較して評価された。
偽陽性血清試料に対する交差反応性抗原の反応性
交差反応性抗原の反応性は、HSV−2アッセイを用いて、偽陽性シグナルを産生すると知られている血清試料について、最初に評価された。ウェスタンブロットが行われ、そこで最初に交差反応性抗原D1、JA、JB、JC、J24、およびH1がSDS−PAGEにおいて電気泳動され、その後ニトロセルロース膜にトランスファーされた。電気泳動された交差反応性抗原を有するニトロセルロース膜は、HSV−2抗体(例えば通常)に陰性、HSV−2抗体に陽性、またはHSV−2抗体に偽陽性と知られているヒト血清で染色された。実験結果は図5において提供される。図5の下部分は、全長HSV−2 gG2ポリペプチドの31−691アミノ酸からなる組換え661アミノ酸gG2についての、異なる交差反応性抗原(D1、JA、JB、JC、J24、およびH1)の模式的な配列を示す。
18、19、および25−32レーンはHSV−2抗体に陰性であり、1−5、10−13、および16レーンはHSV−2抗体に陽性であり、6−9、14、15、17、20、21、23、および24レーンはHSV−2抗体に偽陽性であると知られている。その結果は、HSV−2抗体に偽陽性であると知られている血清と同様にHSV−2抗体に陽性であると知られているたいていの血清が、J24およびJA交差反応性抗原と反応することを示す。ゆえに、その結果は、交差反応性gG2抗原J24およびJAは非HSV−2ヒトIgG抗体に反応するエピトープを含むことを示す。
gG2 ELISA上での偽陽性血清試料の阻害
次に、交差反応性抗原が、HSV−2 gG2 ELISA上で偽陽性試料の検出を阻害することができるかを調べた。HSV−2に対する抗体に陽性であると知られている試料(Pとマーク)、およびHSV−2に対する抗体に偽陽性であると知られている試料(例えば、試料がHSV−2に対する抗体に陰性であることが知られている時、HSV−2に対する抗体の陽性の存在を示す)(FPとマーク)は、ELISAを用いてHSV−2に対する抗体の存在を試験された。実験は、HSV−2に非特異的で、gG2抗原を標的抗原として用いたHSV−2アッセイにおいて偽陽性と導きうる交差反応性抗体を前吸収するための阻害剤として、交差反応性抗原JAの使用あり(JAとマークされたカラム)、およびなし(no−JAとマークされたカラム)で実施された。
その結果は図6において提供され、真陽性血清(P)への効果と比較した、偽陽性血清(FPとマーク)に対するJA交差反応性抗原の効果の阻害を示している。試料希釈液におけるJAあり、およびなしのELISA(全gG2抗原に基づいた)の指標値は、図表にされた。その結果は、HSV−2抗体検出アッセイを行う前に血清試料希釈液中でJA交差反応性抗原を混合することにより阻害が達成されたことを示す。その結果はさらにJA交差反応性抗原は顕著に偽陽性血清からの反応性を阻害するが、一方真陽性血清アッセイにおいてHSV−2抗体の検出に効果がないことを示す。
交差反応性抗原は真陽性および真陰性試料に作用しないが、偽陽性反応を阻害する
次に、交差反応性抗原が真陽性血清試料および真陰性血清試料に影響を与えるかどうかを検査した。ELISA試料希釈液中の交差反応性抗原の存在が結果に影響を与えるかどうかを判定するため、ELISAは、HSV−2に対する抗体に陽性と知られている試料、HSV−2に対する抗体に偽陽性と知られている試料、およびHSV−2に対する抗体に陰性の試料について実施した。JA交差反応性抗原なしの希釈液からの指標値およびJA交差反応性抗原ありの希釈液からの指標値は、散布図にされた。その結果は図7において提供される。結果は、真陰性血清(菱形および“Neg.”で示した)および真陽性血清(三角および“Pos.”で示した)は比較可能な結果を与え、対角線上にあるが、一方で偽陽性血清(四角および“FP”で示した)は対角線上から落ちていることを示し、それによりJA交差反応性抗原は偽陽性血清試料の反応性を阻害するが、真陽性または真陰性血清試料には影響を与えないことを示す。
ELISAは、その次にJAに加えて交差反応性抗原JA1およびJA2を用いて行われた。ELISAは、不確かな試料(EQと示した)を追加して前述のように行われた。データは図8において表の形で、図9においてグラフの形で提供される。図8は血清群(陽性、P;陰性、N;および偽陽性、FP、不確か、EQ)のELISAの結果を示す。試料希釈液の4種類(異なるJAペプチドありまたはなし)は、比較された(JAなし、JA1あり、JA2あり、JA1およびJA2あり、組換えJAあり)。JAのない希釈液からの値を様々なJAありの希釈液からの値と比較するとき、真陽性および真陰性血清にとって、解釈と同様にODおよび指標値は顕著には変化しない。その結果は偽陽性血清にとって顕著な変化が観察されたことも示す。
図8の値への指標値変化は、さらに図9においてグラフの形で示されている。x軸はJAのない希釈液からの値を表す。y軸はJAのある希釈液からの値を表す。点円は偽陽性であり、一方他の点は真陽性または真陰性である。その結果は、偽陽性の点は対角線上から落ちることを示し、偽陽性試料におけるJAまたはJA1またはJA2阻害効果を示しているが、真陰性または真陽性の解釈を妨げるものではない。
MCRS2を用いたgG2 ELISAにおける偽陽性血清試料の阻害
HSV−2 ELISAを任意の交差反応性抗原を含まない標準的な希釈液中で行ったとき、例えば試料Q−11のようなある試料は偽陽性の結果を与えた(偽陽性試料は、阻害アッセイに基づいて野生型のHSV−2溶解物で確認される)。さらに、JA1交差反応性抗原を希釈液に添加したとき、交差反応性は残存した。しかしながら、その結果は、JA2交差反応性抗原、またはJA交差反応性抗原が試料希釈液中でスパイクされたとき、偽陽性活性は除去される(表1参照)。さらにJA1濃度を2倍(2X)にしたとき、交差反応性はまだ残存した。それゆえ、その結果は、この特定の被検査物において示された偽陽性活性はAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含むJA2上のアミノ酸配列に向かっていることを示す。
最低限の交差反応性配列欠失変異型の生成
交差反応性抗原の発見に基づいて、最低限の交差反応性配列の欠失を含むさらに特異的な組換え抗原を生成することができる。例えば、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含んでいる少なくとも最低限の交差反応性抗原配列が欠失している特異的な変異型組換えgG2抗原が生成される。GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列が欠失した野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Bにおいて提供される。
そのような変異型は、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含んでいる最低限の交差反応性配列に隣接する野生型gG2遺伝子核酸配列を増幅するようにPCRプライマーを設計することにより生成される。一つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1から1299までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の1から443までのアミノ酸残基をコードするものである。二つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1329から2097までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の443から699までのアミノ酸残基をコードするものである。その二つの核酸配列は、その後、一つ目の配列の3’端を経由して2つ目の配列の5’端まで連結される。欠失変異をコードしている連結された核酸配列は、その後、適した実験系、例えば大腸菌、酵母、または哺乳類の系において、クローン化される。
AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含んでいる少なくとも最低限の交差反応性抗原配列が欠失している、特異的な変異型組換えgG2抗原も生成される。AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列が欠失している、野生型HSV−2 gG2の欠失変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Dにおいて提供される。
そのような変異型も、AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含んでいる最低限の交差反応性配列に隣接する野生型gG2遺伝子核酸配列を増幅するようにPCRプライマーを設計することにより生成される。一つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1から1326までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の1から442までのアミノ酸残基をコードするものである。二つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1362から2097までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の454から699までのアミノ酸残基をコードするものである。その二つの核酸配列は、その後、一つ目の配列の3’端を経由して2つ目の配列の5’端まで連結される。欠失変異をコードしている連結された核酸配列は、その後、適した実験系、例えば大腸菌、酵母、または哺乳類の系において、クローン化される。
gG2欠失変異型は、最低限の交差反応性配列に隣接する追加のアミノ酸が欠失していてもよい。そのようなgG2欠失変異型は、上述の方法を用いて生成される。そのようなものとして、他の例となるgG2欠失変異型は、J24アミノ酸配列が欠失したgG2ポリペプチド(gG2ΔJ24)、JAアミノ酸配列が欠失したgG2ポリペプチド(gG2ΔJA)、JA1アミノ酸配列が欠失したgG2ポリペプチド(gG2ΔJA1)、およびJA2アミノ酸配列が欠失したgG2ポリペプチド(gG2ΔJA2)を含む。
gG2subMCRSの生成
交差反応性抗原の発見に基づいて、最低限の交差反応性配列の、異なるアミノ酸配列との置換を含むより特異的な抗原を生成することができる。一般に、置換したアミノ酸配列は、例えばグリシン残基を含むアミノ酸配列のように、配列が試料中の抗HSV−2抗体の検出を妨げないよう、一般に選択される。例えば、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含んでいる少なくとも最低限の交差反応性抗原配列が異なるアミノ酸配列に置換された、特異的な変異型組換えgG2抗原が生成される。GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列がグリシン残基からなるアミノ酸配列で置換された野生型HSV−2 gG2の置換変異体の例となるアミノ酸配列は、図4Cにおいて提供される。
そのような変異型は、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含んでいる最低限の交差反応性配列に隣接する野生型gG2遺伝子核酸配列を増幅するようにPCRプライマーを設計することにより生成される。一つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1から1299までのヌクレオチドを含んでいる核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の1から443までのアミノ酸残基をコードするものである。二つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1329から2097までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の443から699までのアミノ酸残基をコードするものである。
野生型gG2アミノ酸配列において置換されるべきアミノ酸配列をコードしているオリゴヌクレオチドはその後、設計され、化学的に合成される。MCRS1配列を置換するため、9つのグリシン残基をコードするオリゴヌクレオチドが合成される。合成されたオリゴヌクレオチドの核酸配列は次の通り:
5’−GGAGGAGGAGGAGGAGGAGGAGGAGGA−3’(SEQ ID NO:15)。
配列およびオリゴヌクレオチドをコードしているgG2核酸から増幅された二つの核酸配列は、オリゴヌクレオチドが一つ目と二つ目の増幅されたgG2配列間に挿入されるように連結される。特に、一つ目の増幅されたgG2配列は、一つ目の配列の3’端を経由してオリゴヌクレオチドの5’端までオリゴヌクレオチドに連結される。連結された配列はその後、オリゴヌクレオチドの3’端を経由して二つ目のgG2配列の5’端まで、二つ目の増幅されたgG2配列に連結される。置換変異体をコードしている連結された核酸配列はその後、適した発現系、例えば大腸菌、酵母、および哺乳類の系においてクローン化される。
AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含んでいる少なくとも最低限の交差反応性抗原配列が異なるアミノ酸配列に置換された、特異的な変異型組換えgG2抗原も生成される。AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列がグリシン残基からなるアミノ酸配列に置換された、野生型HSV−2 gG2の置換変異型の例となるアミノ酸配列は、図4Eにおいて提供される。
そのような変異型は、AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含んでいる最低限の交差反応性配列に隣接する野生型gG2遺伝子核酸配列を増幅するようにPCRプライマーを設計することにより生成される。一つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1から1326までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の1から442までのアミノ酸残基をコードするものである。二つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1362から2097までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の454から699までのアミノ酸残基をコードするものである。
野生型gG2アミノ酸配列において置換されるべきアミノ酸配列をコードしているオリゴヌクレオチドはその後、設計され、化学的に合成される。MCRS2配列を置換するため、9つのグリシン残基をコードするオリゴヌクレオチドが合成される。合成されたオリゴヌクレオチドの核酸配列は次の通り:
5’−GGAGGAGGAGGAGGAGGAGGAGGAGGAGGAGGA−3’(SEQ ID NO:16)。
配列およびオリゴヌクレオチドをコードしているgG2核酸から増幅された二つの核酸配列は、オリゴヌクレオチドが一つ目と二つ目の増幅されたgG2配列間に挿入されるように連結される。特に、一つ目の増幅されたgG2配列は、一つ目の配列の3’端を経由してオリゴヌクレオチドの5’端までオリゴヌクレオチドに連結される。連結された配列はその後、オリゴヌクレオチドの3’端を経由して二つ目のgG2配列の5’端まで、二つ目の増幅されたgG2配列に連結される。置換変異体をコードしている連結された核酸配列はその後、適した発現系、例えば大腸菌、酵母、および哺乳類の系においてクローン化される。
gG2置換変異型は、野生型の配列よりも異なるアミノ酸配列で置換された最低限の交差反応性配列に隣接している追加のアミノ酸を有してもよい。そのようなgG2置換変異型は、上述の方法を用いて生成される。そのようなものとして、他の例となるgG2置換変異型は、J24アミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJ24)、JAアミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJA)、JA1アミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJA1)、JA2アミノ酸配列が置換されたgG2ポリペプチド(gG2subJA2)を含む。
gG2断片ポリペプチドの生成
交差反応性抗原の発見に基づいて、最低限の交差反応性配列を欠失しているgG2断片ポリペプチドを含む、より特異的な組換え抗原を生成することができる。例えば、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含む最低限の交差反応性抗原配列が欠失している、特異的なgG2断片ポリペプチドが生成される。
そのようなgG2ポリペプチド断片は、GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)(MCRS1)のアミノ酸配列を含んでいる最低限の交差反応性配列に隣接する野生型gG2遺伝子核酸配列を増幅するようにPCRプライマーを設計することにより生成される。一つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1から1299までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の1から443までのアミノ酸残基をコードするものである。二つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1329から2097までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の443から699までのアミノ酸残基をコードするものである。その後二つの核酸配列は適した発現系、例えば大腸菌、酵母、または哺乳類の系において、クローン化される。
AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含む最低限の交差反応性抗原を欠失している特異的組換えgG2断片ポリペプチド抗原も生成される。そのようなgG2断片ポリペプチドは、AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)(MCRS2)のアミノ酸配列を含んでいる最低限の交差反応性配列に隣接する野生型gG2遺伝子核酸配列を増幅するようにPCRプライマーを設計することにより生成される。一つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1から1326までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の1から442までのアミノ酸残基をコードするものである。二つ目のプライマーセットは、SEQ ID NO:14の1362から2097までのヌクレオチドを含む核酸配列を増幅するよう設計され、該配列はSEQ ID NO:01の454から699までのアミノ酸残基をコードするものである。その後、二つの核酸配列は適した発現系、例えば大腸菌、酵母、または哺乳類の系において、クローン化される。
そのgG2断片ポリペプチドは、最低限の交差反応性配列に隣接している付加的なアミノ酸を欠失するように生成してもよい。そのようなgG2断片ポリペプチドは前述の方法を用いて生成される。そのようなものとして、他の例となるJ24アミノ酸配列を欠失しているgG2断片ポリペプチド、JAアミノ酸配列を欠失しているgG2断片ポリペプチド、JA1アミノ酸配列を欠失しているgG2断片ポリペプチド、JA2アミノ酸配列を欠失しているgG2断片ポリペプチドが挙げられる。
前述のものは単に本発明の原理を示すものである。当然のことながら、当業者は多様な処置を考案することができ、その処置はここに明確に記載され、または示されていないが、本発明の原理を具現化し、その精神および範囲中に含まれる。さらに、ここに列挙されたすべての例および条件付の専門用語は、主に読者が本発明の原理および発明者が技術の拡大に寄与した概念を理解するのを助けることを意図するものであり、そのような特に列挙された例や条件に限定しないものと解釈されるものである。さらに、本発明の特異的な例と同様に、ここに列挙されているそれらの原理、解釈、および実施態様の全ての記述は、それらの構造的および機能的に等価などちらのものも包含することを意図する。さらに、そのような等価なものは、現在知られている等価なものおよび将来開発される等価なもの、すなわち構造にかかわらず、同様の機能を果たす開発された要素のどちらも含むことを意図する。本発明の請求の範囲は、それゆえ、ここに示し、記載した、例となる実施態様に限定されることを意図しない。さらに、本発明の請求の範囲および精神は、添付の請求項によって具現化される。
野生型HSV−2糖タンパク質G2(gG2)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:01)。 野生型HSV−2糖タンパク質G2(gG2)の核酸配列(SEQ ID NO:14)。 ヒト血清中でHSV−2非特異的抗体と反応しているエピトープを同定するため設計および表現された、HSV−2gG2遺伝子、および特異的gG2抗原、および交差反応性抗原の図。 例となる交差反応性抗原の図。 例となる交差反応性抗原の配列比較。 野生型HSV−2糖タンパク質G2欠失変異型(gG2ΔMCRS1)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:10)。 野生型HSV−2糖タンパク質G2置換変異型(gG2subMCRS1)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:11)。 野生型HSV−2糖タンパク質G2欠失変異型(gG2ΔMCRS2)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:12)。 野生型HSV−2糖タンパク質G2置換変異型(gG2subMCRS2)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:13)。 HSV−2gG2遺伝子の異なるペプチド断片のヒト血清との反応性を示すウエスタンブロット。 交差反応性抗原JA存在下および非存在下、全長HSV−2 gG2でコートしたELISAにおいて、真陽性血清(Pとマーク)の効果と比較した偽陽性血清(FPとマーク)に対する阻害効果を示すグラフ。 交差反応性抗原JAのあるときとないとき間での指標補正を示したグラフ。 交差反応性抗原JA、JA1、およびJA2を用いた、血清群(陽性、P;陰性、N;と、偽陽性、FP、不定、EQ)へのELISA阻害研究の結果。 図8のデータ表の値から指標値の変化を表したグラフ。

Claims (58)

  1. 生物学的試料中の抗単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)抗体の有無を検出する方法であって、
    抗体を含んでいる生物学的試料を、アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んでいる少なくとも一つの第一の抗原と接触させることであって、前記接触が非特異的抗HSV抗体が前記試料中で前記抗原と結合するのに適した条件下で行われ、前記第一の抗原は全長糖タンパク質G2(gG2)ポリペプチドではない該接触、および
    前記試料中の特異的抗HSV−2 gG2抗体の有無を検出することであって、前記試料中で検出された特異的抗HSV−2抗体が前記抗原に結合しない該検出、
    を含む前記検出方法。
  2. 前記抗原がJ24、JA、JA1、またはJA2である、請求項1記載の方法。
  3. さらに、前述の検出の前に抗体に接触している前記生物学的試料をアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含んでいる少なくとも一つの第二の抗原と接触させることであって、前記接触が非特異的抗HSV抗体が前記試料中で前記抗原と結合するのに適した条件下で行われる該接触を含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記特異的な抗HSV−2 gG2抗体の有無を検出することが、前記特異的抗HSV−2抗体が前記HSV−2 gG2抗原に結合するのに適した条件下で前記試料をHSV−2 gG2抗原と接触させることを含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記検出が、さらに前記試料を一または複数の検出可能なよう標識された抗ヒト免疫グロブリン抗体と接触させることを含む、請求項1記載の方法。
  6. 第一の担体上に固定されたアミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含んでいる抗原を含む組成物であって、前記抗原が130残基長よりも短い、該組成物。
  7. 前記抗原がJ24、JA、JA1、またはJA2である、請求項6記載の組成物。
  8. 前記第一の担体が微小粒子である、請求項6記載の組成物。
  9. 前記微小粒子がアガロースビーズである、請求項8記載の組成物。
  10. 前記微小粒子が磁性ビーズである、請求項8記載の組成物。
  11. 前記第一の担体がニトロセルロース膜である、請求項6記載の組成物。
  12. さらに第二の担体上に固定された特異的なHSV−2 gG2抗原を含んでいる、請求項6記載の組成物。
  13. 前記第二の担体が微小粒子である、請求項12記載の組成物。
  14. 前記微小粒子がアガロースビーズである、請求項13記載の組成物。
  15. 前記微小粒子が磁性ビーズである、請求項13記載の組成物。
  16. 前記第二の担体がニトロセルロース膜である、請求項12記載の組成物。
  17. 前記第一の担体が前記第二の担体と液体伝達する、請求項12記載の組成物。
  18. 前記第一の担体と第二の担体が接触する、請求項17記載の組成物。
  19. 単離したポリペプチドであって、前記ポリペプチドが前記アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む抗原を含んでおり、前記ポリペプチドが130残基長よりも短い、該ポリペプチド。
  20. 前記ポリペプチドが検出可能なよう標識されている、請求項19に記載のポリペプチド。
  21. 前記ポリペプチドが融合タンパク質である、請求項19に記載のポリペプチド。
  22. 請求項19に記載の前記ポリペプチドをコードする、単離された核酸。
  23. 請求項22に記載の前記核酸を含んでいる発現ベクター。
  24. アミノ酸配列GHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む第一のポリペプチドであって、前記ポリペプチドが130残基長よりも短い該ポリペプチドおよび
    前記第一のポリペプチドと異種で、前記第一のポリペプチドのN末端またはC末端に共有結合した第二のポリペプチド
    を含む組成物。
  25. さらに前記第二のおよび第三のポリペプチドが前記第一のポリペプチドに隣接するように、前記第一のポリペプチドに共有結合した第三のポリペプチドを含む、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記第二のポリペプチドが第一の担体に固定された、請求項24に記載の組成物。
  27. 前記第一の担体が微小粒子である、請求項24に記載の組成物。
  28. 前記微小粒子がアガロースビーズである、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記微小粒子が磁性ビーズである、請求項27に記載の組成物。
  30. 前記第一の担体がニトロセルロース膜である、請求項24に記載の組成物。
  31. 第一の担体に固定された前記アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む抗原を含んでいる組成物であって、前記抗原が130残基長よりも短い該組成物。
  32. 前記抗原がJ24、JA、またはJA2である、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記第一の担体が微小粒子である、請求項31に記載の組成物。
  34. 前記微小粒子がアガロースビーズである、請求項33に記載の組成物。
  35. 前記微小粒子が磁性ビーズである、請求項33に記載の組成物。
  36. 前記第一の担体がニトロセルロース膜である、請求項31に記載の組成物。
  37. さらに第二の担体上に固定された特異的HSV−2 gG2抗原を含む、請求項31に記載の組成物。
  38. 前記第二の担体が微小粒子である、請求項37に記載の組成物。
  39. 前記微小粒子がアガロースビーズである、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記微小粒子が磁性ビーズである、請求項38に記載の組成物。
  41. 前記第二の担体がニトロセルロース膜である、請求項37に記載の組成物。
  42. 前記第一の担体が前記第二の担体と液体連絡している、請求項37に記載の組成物。
  43. 前記第一の担体および第二の担体が接触する、請求項42に記載の組成物。
  44. 単離されたポリペプチドであって、前記ポリペプチドがアミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む抗原を含んでおり、前記ポリペプチドが130残基長よりも短い、該ポリペプチド。
  45. 前記ポリペプチドが検出できるよう標識された、請求項44に記載のポリペプチド。
  46. 前記ポリペプチドが融合タンパク質である、請求項44に記載のポリペプチド。
  47. 請求項44に記載の前記ポリペプチドをコードする、単離された核酸。
  48. 請求項47に記載の前記核酸を含んでいる発現ベクター。
  49. アミノ酸配列AAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含んでいる第一のポリペプチドであって、前記ポリペプチドが130残基長よりも短い、該第一のポリペプチド、および
    前記第一のポリペプチドと異種であり、前記第一のポリペプチドのN末端またはC末端に共有結合した第二のポリペプチド
    を含んでいる組成物。
  50. さらに、前記第二のおよび第三のポリペプチドが前記第一のポリペプチドに隣接するように、前記第一のポリペプチドに共有結合した第三のポリペプチドを含む、請求項49に記載の組成物。
  51. 前記第二のポリペプチドが第一の担体上に固定された、請求項49に記載の組成物。
  52. 前記微小粒子がアガロースビーズである、請求項51に記載の組成物。
  53. 前記微小粒子が磁性ビーズである、請求項51に記載の組成物。
  54. 前記第一の担体がニトロセルロース膜である、請求項49に記載の組成物。
  55. 欠失を有するHSV−2糖タンパク質G2ポリペプチドをコードする、単離された核酸であって、前記欠失がGHTNTSSAS(SEQ ID NO:07)を含む該核酸。
  56. 前記核酸がSEQ ID NO.10のアミノ酸配列をコードする、請求項55に記載の単離された核酸。
  57. 欠失を有するHSV−2糖タンパク質G2ポリペプチドをコードする、単離された核酸であって、前記欠失がAAKTPPTTPAP(SEQ ID NO:06)を含む該核酸。
  58. 前記核酸がSEQ ID NO:12のアミノ酸配列をコードする、請求項57に記載の単離された核酸。
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