JP2009501360A - 低複屈折の光方向変換フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイデバイスを見るときモアレパターンが見えないように、望ましくないモアレパターンを低減させながら、高い軸上光度を有する光方向変換フィルムが求められている。さらに、低複屈折を有する光方向変換フィルムが求められている。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの面上に一体化光学フィーチャを備えたベースを含むポリマー光学フィルムであって、前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記光学フィルムは交差偏光子を通しての光漏れが1.0%未満である前記ポリマー光学フィルムに関する。

Description

本発明は、多数のポリマーの一体化したフィーチャを含む光方向変換ポリマーフィルムの形成に関する。特に低複屈折を有する光方向変換フィルムに関する。
光方向変換フィルムは、フィルムの射出光の分布がフィルム表面に、より垂直に導かれるように、フィルムを通過する光を再分配する、典型的に薄くて透明な光学フィルムまたは基体である。典型的には、光再指向性フィルムには、フィルムの光出射面に秩序立ったプリズム状の溝、レンズ状の溝または角錐体が設けられており、それらの構造が、フィルムから出射する光に対するフィルム/空気界面の角度を変化させ、それらの溝の屈折面に垂直な面に進む入射光分布の成分が、フィルムの表面に対して、より垂直方向に再分配されることをもたらす。このような光方向変換フィルムは、例えば液晶ディスプレイ、ラップトップコンピュータ、ワードプロセッサ、航空機搭載電子装置のディスプレイ、携帯電話、PDAなどの光度を改善し、ディスプレイをより明るくするために用いられる。
従来の光方向変換フィルムは、光方向変換フィルムが液晶または他のディスプレイと共に用いられる場合、モアレパターンが目に見えるという傾向を有する。光方向変換フィルムの表面フィーチャはバックライトアセンブリーにおいて用いられる他の光学フィルム、光ガイドプレートの背面上のプリントドットまたは三次元フィーチャのパターン、またはディスプレーの液晶セクションの内部におけるピクセルパターンと相互作用し、望ましくない影響であるモアレを生じさせる。モアレを低減するための当該技術分野で公知の方法は、ディスプレイにまたはフィルム自身に対してある角度で光方向変換フィルムを切ること、直線状配列要素の幅により直線状配列をランダム化すること、直線状配列に沿って高さを周期的に変えること、フィルム上の直線状配列の反対側上に拡散層を施すこと、または直線状配列のピークに丸みをつけることであった。モアレを低減するための上記の技術はまた、軸上光度の低下を引き起こし、モアレの問題を適切に解決する働きをなさない。モアレと軸上光度は関連する傾向があり、すなわちこれは、高い軸上利得(on−axis gain)を有するフィルムは、システムとして強いモアレを生じがちであることを意味する。比較的高い軸上利得を維持しながら、モアレを低減できることは有益である。
米国特許第5,919,551号(Cobb,Jr.ら)は、モアレ干渉パターンの可視性を低減するための、可変ピッチピークおよび/または溝を有する直線状配列フィルムを特許請求している。これらのピッチの変動は、隣接したピークおよび/または谷の複数の集合に渡るものであってもよいし、または隣接したピークおよび/または谷の間であってもよい。このように直線状配列要素のピッチを変えることによりモアレは低減させるが、システムに使用する場合に比較的高い軸上利得を維持しながら、フィルムのモアレを著しく低減させるフィルムを有することが望まれている。
米国特許第6,354,709号は、その稜線に沿った高さが変わりかつその稜線が左右に移動する直線状配列を伴うフィルムを開示している。このフィルムは光を方向変換し、稜線に沿った高さの変動がモアレが僅かに低減されるが、装置において使用されるとき、適度に高い軸上利得を維持しながらフィルムのモアレを顕著に抑制するフィルムを得ることが望ましいであろう。
米国出願番号第2001/0053075号(Parkerら)は、光方向変換のための一体化フィーチャを開示している。驚くべきことに、一体化フィーチャの設計パラメーターを注意深く選択することにより、Parkerらが予期しなかった特定のディスプレイ構成に対する軸上利得とモアレの減少間の予期せぬ均衡が創出された。
米国特許第6,583,936号(Kaminskyら)は、光ポリマー拡散レンズの微細複製のためのパターン化されたローラを開示している。パターン化されたローラは、先ず、そのローラーを複数のサイズの粒子を用いてビードブラストし、その後、マイクロ−ノジュールをもたらすクロム処理プロセスを実施することにより創出される。このローラーでの製造方法は、入射光エネルギーを拡散させることが意図された光拡散レンズに非常に好適である。
高い光透過率は、観察者の目に光源エネルギーが透過される場合に、光方向変換フィルムを用いるディスプレイスクリーンを明るくすることを可能にするため、光方向変換フィルムの光透過率は重要なパラメーターである。高度の光透過率を有する光方向変換フィルムを提供する必要性が継続して存在する。高い結晶化度を示すポリマーは、一般に結晶性の低いポリマーよりも、より低い光透過率を有する。ポリマーにおける結晶化度が、ポリマーにおいて小さな屈折率差を作り出し、屈折率変化間に非効率的な屈折を可能にし、結果として、光透過率の損失がもたらされる。非晶質のポリマーまたは10%以下の結晶化度を有するポリマーは光学的に透明であり、それにより光方向変換フィルムとして大きな商業的価値を有する。
複屈折ポリマーは、フィルムの面において屈折率が異なるか、または面と厚み軸間の屈折率が異なるポリマーである。複屈折は、材料の屈折率の方向による差である。それは等方性の逆である。大部分のポリマーは、長い高分子鎖の性質により、光学的に異方性である。化学構造に応じて、高分子は正または負の複屈折を示しうる。主鎖に芳香族化合物を有するポリマーは、一般に鎖軸に沿った分極力の方が、横方向における分極力に比較して高いため、正の複屈折を有する。ポリマーは押出またはモールディングの過程において、流れに支配される。従って、最終物品は、鎖配向および残留応力により多くの場合高い複屈折性を示す。このように引き起こされた複屈折は、多くの光学用途、例えばレーザーディスク、電子デバイスおよびCDにおいて望ましくない影響を引き起こす。通常の複屈折材料は、非対称原子間間隔を有する結晶(例えば方解石、サファイア)および配向ポリマーフィルムを含む。薄いポリマーフィルムのいくつかには、低い面内複屈折を示しながら、高い面外複屈折を有するものがある。データは、これらのフィルムを通る異なる入射角で取得され、かつ適切な視野角補正のための面内および面外複屈折の両方を特徴づけることに用いることができる。
複屈折は、LCDディスプレイにとって問題である。LCDディスプレイは平面偏光を利用するが、複屈折によって楕円偏光へと変化することにより、ディスプレイのコントラストおよび他の視覚特性は劣化する。さらにまた、軸上光度を上げるためにLCDデバイスに用いる反射型偏光子は、典型的に、LCDディスプレイデバイス中に用いられる吸収型偏光子と隣接している。透過光の偏光状態のどのような有意な変化も光度の低下をもたらしうる。規則的またはランダムプリズム構造を含む典型的な光指向性フィルムは、典型的な光指向性フィルムに剛性を付与するためにポリエステルなどの延伸ポリマーの少なくとも1つの層を含有するため、高い複屈折を示す。
米国特許第5,580,950号は、剛性棒状主鎖を有する可溶性ポリマー種は、フィルムをキャストするのに用いられるとき自己配向プロセスを受け、これによりポリマー骨格は事実上、フィルム表面に平行に整列するようになることを開示している。この面内配向により、負の複屈折を示すフィルムが生じる。面内配向度、すなわち負の複屈折の大きさは、ポリマー骨格鎖の置換基を選択することを介して、該ポリマー種の主鎖の直線性および剛性を変化させることにより調節できる。ポリマー骨格の直線性および剛性を増すことにより、面内配向度および関連する負の複屈折を増すことができ、逆に、ポリマー骨格の直線性および剛性を減じることにより、負の複屈折を減少させることができる。
米国特許第5,759,756号は、延伸後、コア層が表面薄層よりも低い結晶化レベルを有するにように、ポリマーの表面薄層と比較して異なるガラス転移温度を有する透明な非結晶性ポリマーのコア層を含む写真用支持体を開示している。
米国特許第6,111,696号(Allenら)は、照明器具から放出される光の調節を可能にするための、光指向性材料と組み合わせた連続複屈折性マトリックス内に配置されたポリマー粒子の分散相を含む光度向上フィルムを開示している。米国特許第6,111,696号に開示されているポリマーフィルムは、可視光エネルギーの偏光状態の1つを反射するためにポリマーフィルムの複屈折を意図的に増強させることを指向している。
米国特許第5,919,551号明細書 米国特許第6,354,709号明細書 米国特許出願公開第2001/0053075号明細書 米国特許第6,583,936号明細書 米国特許第5,580,950号明細書 米国特許第5,759,756号明細書 米国特許第6,111,696号明細書 米国出願第08/612,710号明細書 米国特許第4,249,011号明細書
ディスプレイデバイスを見るときモアレパターンが見えないように、望ましくないモアレパターンを低減させながら、高い軸上光度を有する光方向変換フィルムが求められている。さらに、低複屈折を有する光方向変換フィルムが求められている。
本発明の目的の1つは、高い光学利得を維持しながらモアレを低減する光方向変換フィルムである。
本発明の他の目的は、カール(curl)する性質が低い光方向変換フィルムである。
本発明の他の目的は、ディスプレイデバイスに高い光度を与える光学フィルムを提供することである。
本発明のこれらおよび他の目的は、少なくとも1つの面上に一体化光学フィーチャを備えたベースを含むポリマー光学フィルムであって、前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記光学フィルムは交差する偏光子を通る光漏れが1.0%未満である前記ポリマー光学フィルムにより達成される。
本発明は、液晶システムに用いられるとき、比較的高い軸上利得を維持しながら、モアレを顕著に低減する個別の光学要素でできている低複屈折の光方向変換フィルムを提供する。低複屈折の光方向変換フィルムは、さらに、透過光の偏光状態を顕著に変化させずに、偏光された光の高い透過を提供する。
本発明は、先行技術の光方向変換フィルムと比較して多くの利点を有する。本発明の光方向変換フィルムは、低複屈折を有する。すなわち、光方向変換フィルムの面における屈折率は、シートの深さにおける屈折率におおよそ等しい。方向変換特性および低複屈折の両方を有する光方向変換フィルムにより、透過光の偏光状態を実質的に変化させることなく透過光を光方向変換することが可能になる。先行技術の光方向変換フィルムは、UV硬化ポリマー光方向変換レンズ状構造の基体として配向ポリエステルを用いている。配向ポリエステルフィルムは複屈折性が高く、従って透過光の偏光を変化させる。低複屈折の光方向変換フィルムにより、光の偏光状態を実質的に変化させることなく偏光された光を光方向変換することが可能になる。LCDデバイス構成のあるものにおいて、透過光の偏光状態のどのような有意な変化もデバイスの光度およびコントラストの低下をもたらしうる。本発明の材料は、光方向変換特性を有すると共に低複屈折を有するので、光指向表面パターンおよび低複屈折の両方を同時に提供するという問題を解決する。
低複屈折の光方向変換ポリマーフィルムは、高い可視光透過率を有するポリマー材料を用い、これはさらに、光方向変換フィルムを用いるディスプレイデバイスの光度を高める。高い結晶化度を示すポリマーは、結晶性の低いポリマーよりも、一般により低い光透過率を有し、より高い複屈折を有する。ポリマーの結晶化度により、ポリマーにおいて小さな屈折率差が生じ、屈折率変化間に非効率な屈折が起こるのが可能となり、結果として、光透過率の損失がもたらされる。非晶質のポリマーまたは10%以下の結晶化度を有するポリマーは光学的に透明であり、それにより、光方向変換フィルム材料、特に現在光度が求められているLCDディスプレイデバイスとして大きな商業的価値を有する。
光方向変換フィルムのくさび形の個別の光学要素のサイズとフィルム上の配置が、モアレの低減と軸上利得との間での交換取引のバランスを取り、モアレを著しく低減しながら、比較的高い軸上利得をもたらす。モアレパターンは、二つもしくはそれ以上の規則的な組みを成す線または点が重なり合ったときに結果として生じる。ディスプレーデバイス、例えばLCDディスプレーなどでは、LCDデバイスの観察者により観察され得るモアレパターンは、それらが、表示されている情報または画像の質を阻害するため、好ましくない。本発明の光方向変換フィルムは、高い軸上光学利得を維持しながら、先行技術の光方向変換フィルムと比較してモアレを低減する。
本発明のフィルムはポリマーの単一構造なので、カールする傾向はほとんどない。フィルムが2つの層で作られている場合、2つの層は異なる環境条件(例えば熱および湿度)に対して典型的に異なる反応(膨張または接触)をするので、カールする傾向を有する。カールは、ディスプレイを通して見ることができるディスプレイ中のフィルムの反りの原因となるので、LCD中の光方向変換フィルムにとってカールは望ましくない。さらに、光学フィルムの反りは、入射光エネルギーの角度を変化させ、光学効率の損失の原因となる。本発明は引掻きおよび磨耗に抵抗性を有するポリマーを用いており、傷つきやすいUV硬化ポリアクリレートで作られている先行技術の光学フィルムと比較してより機械的な丈夫さを示した。
本光方向変換フィルムは、個別の光学要素が湾曲したくさび形のフィーチャであるため、要素の稜線に対して平行な面内を移動する光の一部を光方向変換することができる。さらに効率的に光方向変換するために、光源および光ガイドプレートの射出光に対して、本発明の光方向変換フィルムをカスタマイズすることができる。個別の光学要素は、フィルムに設計パラメーターにおける高い柔軟性を与えるので、該フィルムに入る光を最も効果的に処理するために、フィルム表面全体にわたり、様々なサイズ、形状または配向の種々の個別的な複数の光学要素を使用することができる。例えば典型的なLCD光ガイドプレートの全ての点について角度に応じた射出光が知られていれば、異なる形状、サイズ、または配向を有する湾曲したくさび形のフィーチャを用いる光方向変換フィルムを、フィルム表面の全域で、光ガイドプレートの位置に応じて射出光を最適化するために各レンズの形状を変えることにより、光ガイドプレートの射出光をより効率的に処理するために用いることができる。これらおよび他の利点は、下記の詳細な説明から明らかになるであろう。
本明細書で使用する場合、「透明」という用語は、深刻な偏光または吸収を伴うことなく放射線を通す能力を意味する。本発明では、「透明」な材料は、90%より大きい分光透過率を有する材料として定義される。「光」という用語は可視光を意味する。「ポリマーフィルム」という用語は、ポリマーを含むフィルムを意味する。「ポリマー」という用語は、ホモポリマー、ブロックコポリマー、コポリマーおよびポリマーブレンドを意味する。高い光透過率を有するポリマーの例としては、セルローストリアセテート、ポリカーボネイトおよび非晶質ポリエステルが挙げられる。
用語「光学利得」、「軸上利得」または「利得」は、出力光強度を入力光強度で割った比率を意味する。利得は光方向変換フィルムの効率の目安として用いられ、光方向変換フィルムの性能を互いに比較するために使用することができる。
光学フィルムとの関連で、個別の光学要素は、光学フィルムの突起または凹部である境界明瞭な要素を意味する。個別の光学要素は、光学フィルムの長さおよび幅に比べて小さい。用語「湾曲した表面」は、少なくとも1つの面内に湾曲を有する、フィルム上の3次元フィーチャを意味するために用いられる。「くさび形のフィーチャ」は、1以上の傾斜した表面を含む要素を示すために用いられ、これらの表面は平面および湾曲した表面の組み合わせであることができる。くさび形のフィーチャの1例は、オレンジ断片の全長に沿って2つの平面と湾曲した表面を有する柑橘類オレンジ断片状である。
「光学フィルム」という用語は、透過された入射光の性質を変化させる薄いポリマーフィルムを示すために用いられる。一般に、光学フィルムは薄く、750マイクロメートル未満の厚さを有し、曲げることができる。光学フィルムは通常光機能を果たす。例えば光方向変換光学フィルムは、1.0より大きい、典型的に1.40の光学利得(出力/入力)をもたらす。用語「偏光」は、単一面で振動が生じるように、横波において振動を制限することを意味する。用語「偏光子」は入射可視光を偏光させる材料を意味する。
テクスチャ加工されたまたは平滑な表面のポリマーフィルムの積分複屈折を決定するために、2つの薄膜トランジスタ(TFT)グレード吸収型偏光子を交差させ、フィルムの法線方向で全光透過率測定(550ナノメートルで測定)を行う。非偏光を第1吸収型偏光子に入射させ、検出器を第2吸収型偏光子の背後に置く。吸収型偏光子が完全であれば、偏光子の表面の法線方向の交差偏光子を射出する光は0%であることが期待される。典型的な交差したTFT LCDグレード吸収型偏光子に関して、フィルムの法線方向での全光透過率は0.03%であった。これは、TFTグレード吸収型偏光子の効率に許容されるわずかな不足が存在することを示している。用語「光漏れ」は、ポリマーフィルムを交差したTFTグレード交差偏光子の間に置く場合、交差TFTグレードLCD偏光子から洩れるまたは透過する可視光エネルギーの量である。比較目的のために、2つの交差したTFTグレード偏光子間に位置する典型的なパターンなし80マイクロメートルTFTグレードトリアセテートセルロース(TAC)は0.03%〜0.06%の可視光漏れを有する。さらに、同一の交差偏光子間のパターンなしの80マイクロメートルPET配向フィルムのシートは、PETポリマーのタイプおよびPETの配向度に応じて5〜35%の光漏れを生じる。現時点で、構造化フィルムの複屈折の直接測定は困難であるため、交差したTFTグレード偏光子が構造化またはパターン化ポリマーフィルムの複屈折を評価するために使用される。
本明細書において、用語「平面複屈折」および「複屈折」は、フィルム面における平均屈折率と、厚さ方向における屈折率の差異である。すなわち、流れ方向および横断方向における屈折率を合計し、2で割り、ついでこの値から厚さ方向における屈折率を減じて平面複屈折の値を得る。屈折率は、Encyclopedia of Polymer Science & Engineering, Wiley, N.Y., 1988,第261頁に記載の手順を用いるAbbe−3L屈折計を用いて測定する。用語「低複屈折」は、光の偏光状態に小さな変化をもたらす材料を意味し、0.01未満の複屈折を有し、2つの交差したTFTグレード偏光子間の光漏れが1.0%未満であるポリマーウェブ材料に限定される。
非晶質ポリマーは、示差走査熱量計(DSC)法により作成される標準的なサーモグラムにおいて融解転移を示さないポリマーである。この方法(これは当業者に公知である)によれば、ポリマーの少量試料(5〜20mg)を小さなアルミニウム皿に密封する。次いでこの皿をDSC装置(例えばPerkin Elmer 7シリーズ熱分析システム(Series Thermal Analysis System))中に置き、室温から300℃まで10〜20℃/分の速度でスキャンすることによりその熱応答を記録する。融解は明瞭な吸熱ピークにより明らかとなる。このようなピークが存在しないことは、試験ポリマーが機能的に非晶質であることを示している。サーモグラムにおける段階的変化は、ポリマーのガラス転移温度を示す。
低複屈折性であり、且つ透過光を光方向変換できるポリマー、ポリマー方向変換フィルムを得るためには、ポリマー光学フィルムは少なくとも1つの面上に一体化光学フィーチャを備えたベースを含み、前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記光学フィルムは1.0%未満の、交差偏光子を通した光漏れを有する。本発明の一体化表面フィーチャまたはレンズは、透過光の効率的な方向変換を提供する。稜線を形成する2以上の面を有するポリマーフィーチャは、光方向変換フィルムのベースに対して浅い角度でフィーチャに入射する光を再循環させることにより効率的な光方向変換を与えることが示された。交差偏光子を通しての光漏れが1.0%未満であるフィルムは、実質的に光の偏光状態を変えることなく、偏光された光の光方向変換を可能にすることが示された。配向ポリマーシートを用いる先行技術の光方向変換フィルムは、交差偏光子間の光漏れが5〜35%であり、偏光された光の偏光状態の顕著な変化が示された。光方向変換フィルムの複屈折と、透過光の偏光状態の変化の大きさとは相関性がある。光方向変換フィルムの複屈折が増加すると、透過光の偏光状態の変化の大きさも増す。光方向変換フィルムの複屈折を低減することにより、先行技術の光方向変換フィルムと比較して、透過光の偏光状態の変化は著しく低下する。
パターンプロセスは通常ポリマーが機械的負荷を受けることを含むため、パターンされた光学フィルム、特に、指向性フィルムは、通常高い複屈折を有する。ポリマーフィルムに含有される複屈折の量は、ポリマーフィルムが受ける機械的負荷の量に比例する。本発明は、低複屈折ポリマーを用いると共に、指向性フィルムが受ける応力の量を最低限にするパターン形成方法を用いる。本発明の1つの好ましい実施形態において、低複屈折指向性フィルムは、溶媒によりTACにパターンをエンボス加工することにより形成され、TACが25重量%の溶媒を含む、パターン化されたTACポリマーを含む。
本発明の他の実施形態において、光方向変換フィルムの光漏れは、好ましくは0.05〜0.5%、より好ましくは0.05〜0.2%である。交差偏光子を通して光漏れの量を低減することにより、透過光の偏光状態における変化量は低減され、それにより、光源、たとえばCCFLバックライトおよびLEDバックライトにより生成される偏光される光の利用は増加する。
好ましくは、光方向変換フィルムの複屈折は1.0×10−5〜5.0×10−3である。1.0×10−5〜5.0×10−3の複屈折は、実質的に光の偏光状態を変えないで偏光された光の光方向変換を可能にすることが示された。この範囲の複屈折は、製造効率と透過光の偏光状態における変化の大きさとの間の許容される交換(trade−off)であることが示された。
光学フィルムにおける一体化フィーチャの深さは、好ましくは10〜50マイクロメートルである。湾曲した一体化フィーチャの深さについては、湾曲した一体化フィーチャの稜線から湾曲した一体化フィーチャのベースまでを測定する。指向性フィーチャの頂点領域に位置するフィルムのパターン化されていない領域の比較的高い量により、8マイクロメートル未満のフィーチャ深さにより低光度を有する光方向変換フィルムがもたらされる。55マイクロメートル以上の深さは製造が困難であり、モアレパターンが生じるのに十分な大きさのフィーチャを含む。
光学フィルムにおける一体化フィーチャは、好ましくは20〜100マイクロメートルの幅を有する。要素が130マイクロメートルより大きい幅を有する場合、液晶ディスプレイを通して観察者からそれらが見える程度に大きくなり、ディスプレイの質を損なうことになる。要素が12マイクロメートル未満の幅を有する場合、フィーチャの稜線の幅は、フィーチャの幅のより大きな部分を占める。この稜線は通常平坦化されており、要素の残部と同様な光成形特性を有さない。要素の幅に対する稜線の幅の量の増加は、フィルムの性能を低下させる。より好ましくは、湾曲した一体化フィーチャは幅15〜60マイクロメートルを有する。この範囲は、優れた光成形特性を提供し、ディスプレイを通して観察者ら見ることができないことが示された。ディスプレイデバイス設計に用いられる具体的な幅は、部分的には、その液晶ディスプレイの画素ピッチに依存する。要素幅は、モアレ干渉を最小限にするように選択されるべきである。
突き出ている稜線に沿って測定するとき、光学フィルム上の一体化フィーチャの長さは、好ましくは800〜3000マイクロメートルである。長さが長くなるに従って、パターンは1次元的となり、モアレパターンが生じうる。パターンが短くなるに従ってスクリーン利得は低下し、従って興味対象外である。湾曲した一体化フィーチャのこの長さの範囲により、望ましくないモアレパターンは低減され、同時に高い軸上光度が提供されることが判明している。
他の好ましい実施形態において、突き出ている稜線に沿って測定される光学フィルム上の一体化フィーチャは、好ましくは100〜600マイクロメートルである。一体化フィーチャの長さが短くなるに従って、モアレパターンが生じる傾向もまた低減される。一体化フィーチャ長さのこの範囲により、軸上光度を提供しながら、ディスプレイデバイスに生じる望ましくないモアレパターンが顕著に低減されることが示された。
本発明の一体化フィーチャは、好ましくは重なり合っている。湾曲した一体化フィーチャを重ね合わせることにより、モアレの有益な低減が観察された。好ましくは、本発明の湾曲した一体化フィーチャはランダムに配置され、互いに平行である。これにより、稜線が総体的に同じ方向整列される状態をもたらす。一般に、液晶バックライトシステムに用いられる場合、フィルムが他の方向よりも1方向により方向変換され、それにより高い軸上利得が得られるように整列された稜線を有することが好ましい。これらの湾曲した一体化フィーチャは、好ましくは、液晶ディスプレイの画素間隔のどのような干渉も排除するようにランダム化されている。ランダム化は、光学要素のサイズ、形状、位置、深さ、配向、角度または密度を含むことができる。これは、モアレおよび類似効果を抑制するための拡散層の必要性を排除する。
少なくともいくつかの一体化フィーチャは、フィルムの光射出面の至る所にグループを成して配列されていてよく、ここで、それらの各グループにおける少なくとも幾つかの光学要素は異なるサイズまたは形状特性を有しており、また、それらの種々の特性は、フィルムのいたる所で変動するそれぞれのグループの平均的なサイズまたは形状特性を集合的にもたらし、任意の単一の光学要素に対する機械加工許容を超える平均特性値を獲得し、並びにモアレを抑制し、且つ液晶ディスプレーのピクセル間隔との干渉効果を抑制する。更に、少なくとも幾つかの一体化フィーチャは、二つの異なる軸に沿って光を再配向/再指向する該フィルムの能力をカスタマイズするため、相互に相対的に異なる角度で配向されていてよい。該フィルムの利得性能(gain performance)にとって、フィーチャをランダム化するときに、平面的な非ファセット(un−faceted)表面領域を避けることが重要である。非ファセット領域または平面領域を回避する、これらのフィーチャの疑似ランダム配置用のアルゴリズムが存在する。
好ましくは、一体化フィーチャは、フィーチャの最高点においておおよそ90度の挟角を示す横断面を有する。ピーク角度90度により、光方向変換フィルムの最も高い軸上光度が得られることが示された。90度の角度はそれ自身いくらかの寛容度を有し、角度88〜92度が同様な結果をもたらし、軸上光度の損失を殆どまたは全く伴うことなく使用できることが判明している。このピークの角度が85度未満のときまたは95度より大きい場合、光方向変換フィルムの軸上光度は低下する。この挟角は好ましくは90度であり、幅は好ましくは15〜30マイクロメートルであるため、湾曲したくさび形のフィーチャは、好ましくは7〜30マイクロメートルの、フィーチャの最大稜線高さを有する。くさび形要素のこの範囲の高さは、高い軸上光度およびモアレ抑制をもたらすことが判明している。
光学フィルム上の一体化フィーチャは、10〜55マイクロメートルの平均ピッチを有する。平均ピッチは、2つの隣接したフィーチャの最高点間の距離の平均である。モアレを抑制し、フィルム上にパターン化されていない領域がないことを確実にするために、フィーチャは寸法が異なり、フィルム表面全体で重なり合い、交差し、フィルム表面上にランダムに配置されているため、平均ピッチはフィーチャの幅とは異なる。パターン化されていない領域はくさび形要素と同じ光学性能を有さず、性能の低下を引き起こすため、フィルム上のパターンなし領域は0.1%未満であることが好ましい。
好ましくは、本発明のポリマーフィルムは軸上利得1.3〜2.0を有する。本発明の光方向変換フィルムは高い軸上利得と低減されたモアレとのバランスがとられている。ディスプレイの光度を顕著に上げるためには、少なくとも1.3の軸上利得が好ましいことがLCD製造業者により示されている。2.2より大きい軸上利得は、高い軸上利得を得るが、非常に制限された視野角を有する。さらに、一体化フィーチャにより得られる2.2より大きい軸上利得は、典型的なLCDバックライトにおいて高い度合いの再循環を引き起こし、LCDバックライトにおける光の再循環は、吸収による損失、望ましくない反射による損失および典型的なLCDバックライトユニットの面からの光漏れによる損失をおこすので、出力光の総合的な損失を引き起こす。
一体化フィーチャを含有する光方向変換フィルムは、好ましくは10〜60度の半角を有する。半角は、光方向変換フィルムに対して法線方向の線と、該光方向変換フィルムに対して照射が軸上光度の50%である点を通って引かれる線との交点により作られる角度として定義される。半角は光度の半径方向分布を記述するものであり、光度が50%低下する点を明らかにしている。入射光の光度を増すために70度より大きい半角を用いる一体化フィーチャは、十分な軸上光度が得られないことが示されている。8度より小さい半角においては、比較的高い軸上光度を与えるが、再循環の非効率の欠点を有し、テレビジョンなどの広視角用途のために十分に広い照明を提供しない。
好ましくは、一体化フィーチャの表面は30ナノメートル未満の粗さを有する。表面粗さは、表面粗さに関する平均山谷間隔の尺度である。光方向変換フィルムの表面粗さは、精密な一体化フィーチャを形成させるために用いる工具の表面粗さと直接に関連している。表面粗さは、磨耗した工具、工具の高い供給速度または精密な細工表面への損傷に起因しうる。35ナノメートルより大きい表面粗さは、一体化フィーチャの光方向変換効率を低下することが示された。5ナノメートル未満の一体化フィーチャの表面粗さは、射出光の増加分と比較してコストに見合わない。
一体化フィーチャの反対側の面の表面粗さは、好ましくは30ナノメートル未満の表面粗さを有する。一体化フィーチャの反対側の面の表面粗さは、ポリマーキャストの表面粗さ、望ましくないポリマーの収縮または光方向変換フィルムの輸送中の表面のスクラッチから生じうる。35ナノメートルより大きい表面粗さは、望ましくない入射光の拡散反射を生じることにより及び光学フィルムの全反射(TIR)の効率を低下させることにより、光方向変換フィルムの全体の出力が低下させることが示された。5ナノメートル未満の一体化フィーチャの反対側の面の表面粗さは、射出光の比較的小さな増分と比較してコストに見合わない。
押出またはモールディング中に機械的流れに付されるポリマーは、ポリマーのTgより下にポリマーが冷却された後に該ポリーに含有される鎖配向および残留応力により、多くの場合高い複屈折性を示す。本発明の実施形態において、一体化フィーチャを有するポリマー光学フィルムはセルローストリアセテートを含む。セルローストリアセテートは、高い光透過率および低複屈折の双方を有し、本発明の光方向変換フィルムが光方向変換すること及び低複屈折を有することの双方を可能にしている。さらに、セルローストリアセテートは溶媒キャストすることができ、本発明の一体化フィーチャは、セルローストリアセテートが残留溶媒含有量を有する間に形成でき、応力/歪によって誘導される複屈折を顕著に低減する。
他の好ましい実施形態、一体化フィーチャを有するポリマーフィルムは、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリ(フェニレンオキシド)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SAN)、シクロ−オレフィンポリマー、ポリ(メチルペンテン)、ポリカーボネートおよびそれらの混合物から選択される材料を含む。上記のポリマーはより結晶性のポリマーと比較して高い可視光透過率を示し、本発明の光方向変換フィーチャの形状に成形することができる。
光を再導向し、且つ低複屈折を有する光方向変換フィルムは、LCDディスプレイデバイスの光度を上げるのに役立つ。LCDデバイスは、一体化フィーチャを含むポリマー光学フィルムの少なくとも1つのシートを含み、ここで前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有する。光方向変換フィルムの1つのシートは、1.2〜1.35の軸上光度利得の上昇を提供することが示された一方で、第1シートに対して90度回転した第2シートは、光方向変換フィルムの単一のシートと比較して10〜35%追加して光度をさらに上昇させることが見いだされた。デバイス中に5以上の光方向変換フィルムを用いることは、軸上光度を上昇させる方法としてはコストに見合わない。
他の好ましい実施形態において、ポリマー光学フィルムは反射型偏光子と、前記液晶ディスプレイデバイスの第1吸収型偏光子との間に配置される。光方向変換フィルムは複屈折が低いため、LCDディスプレイ中に用いられる光ガイドプレートのより近くに反射型偏光子を配置することができる。先行技術のLCDディスプレイデバイスは、典型的に次の光学フィルムスタックを含む。下記のフィルムスタックに、光学フィルムの相対的な順序を示す。下記の光学フィルムは物理的または化学的に互いに接着されていない。
Figure 2009501360
先行技術の光方向変換フィルムはおおよそ0.1の複屈折を有するため、先行技術の光方向変換フィルムは透過光の偏光状態を顕著に変化させる。先行技術の光方向変換フィルムを光ガイドプレートの隣に配置すると、システムの軸上光度は10〜60%低下する。好ましい実施形態において、LCDバックライトの光学フィルムスタックを下記に示す。
Figure 2009501360
本発明のさらなる実施形態において、LCDデバイスは偏光性光ガイドプレートと吸収型偏光子の第1の存在の間に位置するポリマー光学フィルムを含む。偏光性光ガイドプレートは既知であり、一般に光の1つの偏光状態で光の大部分を射出する。さらに、押出またはモールディングされたアクリル性テーパー状導波プレートは2〜11%偏光させることが示された。低複屈折の光方向変換フィルムを吸収型偏光子の第1の存在と偏光性光ガイドプレートとの間に配置することにより、反射型偏光子の使用を省くことができ、それにより材料費を節約でき、反射型偏光子の厚さと重量の両方を低減することができ、先行技術の反射型偏光子により受ける反射および吸収による損失を排除することができる。好ましい光学フィルムスタックを下記に示す。
Figure 2009501360
複屈折はLCDディスプレイにとって問題である。LCDディスプレイは面偏光された光を用い、複屈折による楕円偏光への変化は、ディスプレイのコントラストおよび他の視覚特性は低下させる。先行技術のLCDデバイス製造業者は、2つの吸収型偏光子間に用いられる材料が複屈折をほとんど、または全く有さないことを確保するために大変に気つかっている。光を光方向変換し、かつ低複屈折を有することができる光方向変換フィルムを提供することにより、好ましくは、第1吸収型偏光子と第2吸収型偏光子の間に光方向変換フィルムが配置される。本発明の一体化フィーチャは、偏光された光が液晶セルに入るとき偏光を方向変換できる。一体化フィーチャは、好ましくはTFTアレイ及び関連する電子機器に入射する光を抑制するように設計され、それにより液晶セルを透過する透過光の量が増加する。好ましい光学フィルムスタックを下記に示す。
Figure 2009501360
低複屈折を有する光方向変換光学フィルムは、好ましくは、光学フィルムの形成中にポリマーの応力/歪を低下させるプロセスを用いて製造される。低複屈折の光方向変換フィルムの形成方法は、低複屈折ポリマーを溶媒キャストし、溶媒を部分的に蒸発させ、ポリマーをエンボス加工して一体化フィーチャを形成させることを含み、ここで前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、ここで前記光学フィルムは複屈折0〜0.01を有することが好ましい。キャスト表面上にポリマーを溶媒キャストすることにより、低複屈折ポリマーの応力/歪は大変低く、加工中に高い応力/歪を受ける(このことは一般にポリマーの複屈折を増す)ポリマーと比較して低複屈折を有する光学フィルムを生じさせる。
本発明の好ましい実施形態において、溶媒でコーティングされたポリマーはポリマーの15〜40重量%の溶媒を含む。残留溶媒をポリマーの15〜40重量%に維持することにより、光方向変換フィーチャは正確に形成でき、ポリマーの複屈折を改良することが示された。ポリマーの10重量%より下では、エンボス加工中の応力/歪により顕著な複屈折が生じる。ポリマーの溶媒含有量が50重量%より上では、精密な光方向変換フィーチャは、光学フィルムの乾燥中に稜線およびピッチなどの限界寸法を維持するのが困難である。さらに、保持された溶媒含有量は、エンボス加工される表面層に位置する表面薄層に位置しうる。ポリマーの15〜40重量%の溶媒を含む表面薄層は、好ましくはフィーチャの高さの少なくとも50%の厚さを有する。表面薄層の溶媒含有量は、好ましくは、エンボス加工の前ポリマーの15〜40重量%溶媒含有量になるように、溶媒による表面層の再湿潤により達成することができる。表面薄層の溶媒再湿潤により、表面に低複屈折の光方向変換フィーチャ形成を提供しながら、効率的な低複屈折ポリマーの供与が可能になる。
本発明のさらなる実施形態において、好ましくは低複屈折ポリマーは、エンボス加工の前にキャスト表面から残留溶媒を取り除くために十分に乾燥される。ポリマーから溶媒を実質的に除去することにより、続く低複屈折ポリマーのエンボス加工を、個別の製造操作にすることが可能となり、通常ゆっくりなポリマー溶媒キャストプロセスから離れて、エンボス加工の変数(主に圧力およびエンボス速度)を最適化することができる。さらに、別個の操作でのエンボス加工により、大きなキャスト表面ローラよりも直径が小さい事が可能なエンボスローラーの使用が可能となり、これによりキャスト表面の精密なパターニングのコストがより安くなる。
本発明の他の実施形態において、低複屈折ポリマーは好ましくはポリマーキャリヤシート上にキャストされる。ポリマーキャリヤシート上にキャストすることにより、輸送効率が低下を伴い低複屈折ポリマー内に高い残留溶媒含有量を維持することが可能になる。高い溶媒ローディングは通常キャストポリマーウェブの機械強度を低下させるので、キャリヤシートがない場合、複屈折および輸送の少ないエンボス加工された表面フィーチャを製造するために高い溶媒含有量間の注意深いバランスが必要である。さらに、キャリヤウェブの利用は、エンボス加工およびロール巻き取り機を通しての輸送中に、光方向変換表面フィーチャの反対側の面を保護するのに役立つことが示された。低複屈折ポリマーのキャスティングに用いられるキャリヤシートは、好ましくは丈夫でなめらかである。キャリヤシートは、好ましくは少なくとも1200MPaの引張弾性率(50mm/分でISO527−1および527−2を用いて)を有し、表面粗さ(Ra)は好ましくは200nm未満である。表面粗さ、特に400nm以上のランダムな表面粗さは、透過光を散乱させ、光方向変換フィルムの効率を低下させることが示された。
ポリマーキャリヤウェブは、製造およびそれに続く輸送中にフィーチャの反対側の面を保護し、光方向変換フィルムの光学効率を維持するためになめらかなキャスト表面を提供し、低複屈折フィーチャの製造に利用するための高い溶媒ローディングを可能にするために用いられる。ディスプレイ用途のいくつかにおいて、光拡散レンズなどの光方向変換フィーチャの反対側の光学パターンは垂直または水平利得の増強に役立ちうる。このような場合において、キャリヤウェブは好ましくはパターニングされている。キャストコーティングされた低複屈折ポリマーは高忠実度でキャリヤウェブにおいてパターンを模写することが見いだされ、従って方向変換フィルムの両方の面をパターニングするための効率的な方法である。キャリヤウェブにおける好ましいパターンは、高さが20マイクロメートル未満であり、キャリヤウェブの取り外しを容易にするためにアスペクト比は4:1以下である。
低複屈折ポリマーの形成のための好ましい代替方法において、低複屈折の光方向変換フィルムの形成方法は、低複屈折ポリマーおよび少なくとも1つの犠牲表面ポリマー層ポリマーを割れ目線を形成する2以上の面を有する凹フィーチャを含むローラに対して同時に溶融キャスティングし、前記ローラから複合材料ポリマーシートを取り外して一体化フィーチャを有する複合材料を形成させ、ここで前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記少なくとも1つの犠牲層を剥ぎ取り、ここで前記光学フィルムは交差偏光子を通して1%未満の光漏れを有することを含む。溶融キャスティングプロセスの最中、溶融流れによって誘導される複屈折の大部分は、溶融流れが押出ダイの表面と接触するときに生じ、精密なパターンローラ上にポリマーをキャスティングする際に溶融カーテンに歪が生じることが見いだされた。表面層上に犠牲ポリマー層を用いることにより、複屈折の大部分は犠牲層中に生じ、ついで犠牲を除去する工程により除くことができ、低複屈折を有する溶融流延ポリマーを得ることができる。犠牲ポリマーは、溶融押出光方向変換フィルムのフィーチャの反対側の面上に用いることもできるし、両方の面に用いることもできる。
光方向変換フィルムの光学要素の特性およびパターンは、異なる光分布を放射する種々の光源、例えば1つのパターンでシングルバルブラップトップ用、他のパターンでダブルバルブフラットパネルディスプレイ用、CCFL光源、LED光源などの光方向変換フィルムを最適化するためにカスタマイズすることもできる。
さらに、バックライトからの入射光のより多くを望ましい視野角内に再配向または方向変換するために、バックライトまたは他の光源の射出光分布に、光方向変換フィルムの湾曲したくさび形の隆起の配向、サイズ、位置および/または形状を合わせた光方向変換フィルム装置が提供される。また、バックライトは1つの軸に沿って光を方向変換する個別の光学的変形を含むことができ、光方向変換フィルムは、1つの軸と直角の他の軸に沿って光方向変換する湾曲したくさび形の隆起を含むことができる。
従来の用途の幾つかにおいて、LCDデバイスは、互いに対して回転した溝付きの2つのフィルム層であって、それぞれのフィルム層における溝が互いに対して90度であるようなフィルム層を用いている。この理由は、溝付きの光方向変換フィルムは、フィルム表面に対して法線方向に再分配するのみで、入射光分布の成分は溝の屈折面と直角の面内を移動する。従って、2次元のフィルム表面の法線方向に光を光方向変換するためには、互いに90度回転した溝付きの2つのフィルム層が必要であり、1つのフィルム層により、その溝の方向と直角の面内に移動する光を光方向変換させ、他のフィルム層により、その溝の方向と直角の面内に移動する光を光方向変換させる。
本発明の光方向変換フィルムは、照明システムに用いることもできる。光は光源によって発せられるが、光源には電球、有機または無機発光ダイオード、固体状態光源、または光を発する任意の他の方法を使用できる。光は光源を出て光方向変換フィルムに入りそこで再循環され且つ方向変換される。光方向変換フィルムは、光源が作りだしたものよりもより光方向変換されたものを必要とする、室内照明用途、例えばタスク照明または写真のためのスポット照明または他の照明用途に使用できる。
光方向変換フィルムはディスプレイシステムにも使用できる。ディスプレイは、任意の形態のディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイであってもよい。有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)からの光は一観察者がより明るいディスプレイ軸上を有するように光方向変換することができるので、一観察者の場合には、有機発光ダイオードディスプレイは好ましい。ディスプレイは動的であることも静的であることもできる。光方向変換フィルムはディスプレイ軸上からの光を光方向変換するのに役立つ。
視覚的には、モアレ効果は2つの類似した空間パターン間の幾何学的干渉を指す。干渉は、同一またはほぼ同一の周期性を有するパターン間で最も明らかとなる。抗柵などの縦列の透過スクリーンを見るときに観察されるパターンは、モアレの例である。これらのパターンを分析するとき、スクリーンの周期的な成分の和および差の結果としてモアレパターンが生じることは明らかである。この現象は、多くの場合2つのパターンのビート(beat)またはうなりと呼ばれる。得られた観察できるモアレパターンは、2つの元のパターンのいずれよりも低い周波数を有し、うなる高調波成分の強度および2つのパターンの相対配向に依存した配向に依存した振幅を有する。例えば垂直配向し、角度θで互いに配向した等しい周期pの2つの矩形波透過格子により生じるモアレパターンは、おおよそp/θに等しい周期で水平配向し、個々の格子線状の回旋により与えられる線状を有する。明らかに、角度がゼロに近づくに従って、周期は無限の幅に近づく。しかしながら、完全に位置合わせしたスクリーンであっても、同一に近い周期を有する場合、モアレは観察できる。得られるモアレパターンは、p1*p2/(p1−p2)に等しい周期(式中、p1およびp2は2つのスクリーン周期である)を有する。例えば格子1が周期p1=0.05mmを有し格子2が周期p2=0.0501mmを有する場合、得られるモアレ周期は25mmである。
明らかに顕著に異なる周期を有する格子は、周波数に近い調波を有する場合にモアレ効果を生じうる。周期p1を有する矩形波スクリーンは、1/p1の倍数n(すなわちn/p1)である調波を有する。周期p2の第2のスクリーンの基本波に対するこれらの調波のビートは、p1*p2/(n*p2−p1)に等しい周期を有するビートを生じる。周期p1=0.25mmを有するスクのリーン5倍調波(n=5)と周期p2=0.0501のスクリーンを考えてみると、得られるモアレ周期は25mmである。
得られるモアレが実際に観察されるかどうかは、得られる周期およびモジュレーションによる。これらのパラメーターの組み合わせた視覚的影響は、Van Nes Boumanのコントラスト変調閾値曲線に含まれている。この曲線は、サイクル/度で与えられる空間関数で、観測力に必要な最小コントラストを示している。一般に、眼は5サイクル/度を最高として2〜10サイクル/度の周波数で感受性が最も高い。この範囲で、視覚閾値は〜0.1%モジュレーションである。空間周期をサイクル/度の空間周波数に変換するために、観測者の観察距離を導入する必要がある。観察距離18インチで、1度は8mmに対する。従って、mmのモアレパターンの空間周期で8mmを割ることにより、サイクル/度での空間周波数が得られる。上記の例に関しては、モアレ周期25mmは〜0.32サイクル/度に対応する。この空間周波数において、視覚閾値は〜1%モジュレーションである。フーリエ解析からは、矩形波スクリーンは〜1.8%モジュレーションを有し、わずかに見えるようになる。
従って、モアレパターンの可視性に関する重要なパラメータは、サイクル/度での空間周波数およびそのモジュレーションである。これらの特性は下地をなすスクリーンに由来するものであり、それらの構造パラメータは重要である。上記の例で説明したように、ラインスクリーンまたは1方向のみが変化するスクリーンはラインモアレパターンを生じる。くさび形でパターン中に湾曲した構造に導入することにより、パターンが二次元になる。周期的な配置により、二次元高調波成分を生じる。これは、モアレパターンを生じる可能性のあるTFTブラックマトリックス構造の周期性を有するこれらの周期的な成分のビートである。この二次元パターンは、重なり合っている菱形またはシヌソイドとして観察されうる。長さが長くなるに従ってパターンは1次元的になり、モアレパターンは前述のとおり生じることができる。パターンが短くなるとき、スクリーン利得は低下し、従って興味はもたれない。この中間的な長さのくさびパターンにより、前述のとおりモアレパターンを生じうる。このことは、リンゴ状くさび要素の湾曲した構造が回旋操作によりより広いラインになり、その結果コントラストが低下すること以外は、TFTおよびラインスクリーン間に生じるモアレと類似している。また導入されたランダム化により、周期性が壊され、モアレの出現がさらに低下する。
本発明は任意の液晶ディスプレイデバイスと共に使用できる。典型的な配置を以下に説明する。液晶(LC)は電子ディスプレイに広く使用されている。これらのディスプレイシステムにおいて、LC層は偏光子層とアナライザ層の間に配置され、法線軸に関する層の方位角のねじれを示す導波器を有する。アナライザは、その吸収軸が偏光子と直角になるように配向される。液晶セルを通過して偏光子により偏光された入射光は、液晶中の分子配向により影響を受け、これはセルを横切って電圧をかけることにより変化させることができる。この原理を用いて、周囲光を含む外部供給元からの光の透過を調節することができる。この調節を達成するのに必要とされるエネルギーは、陰極線管などの他のディスプレイタイプに用いられる発光材料に必要とされるエネルギーよりも一般にずっと少ない。従って、LC技術は、これらに限定するものではないが、軽重量、低電力消費量、長時間使用が重要な特徴であるデジタル腕時計、計算機、ポータブルコンピュータ、電子ゲームを含む多くの用途に用いられている。
本発明の光方向変換フィルムはまた、作業空間および生活空間に適切な光を供給するなどの建築用途に重要である。特定の用途において、光方向変換フィルムは構造物の特定の領域に入る太陽光を方向付けまたは方向変換するのに使用することができる。
得られるフィルムまたはデバイスに望ましいバリア特性を付与するために、表面薄層またはコーティングを施すこともできる。従って、水または有機溶媒などの液体または酸素または二酸化炭素などの気体に対するフィルムまたはデバイスの透過性を変えるために、表面薄層または表面薄層の構成材料として例えばバリアフィルムまたはコーティングを使用することができる。
得られる物品における磨耗抵抗性を付与または改善するために表面薄層またはコーティングを施すこともできる。従って、例えばフィルムに磨耗抵抗性を付与するためにポリマーマトリックス中に埋め込まれたシリカの粒子を含む表面薄層を(無論、このような層がフィルムに関与する用途に必要とされる光学的性質を過度に含まないことを条件に)本発明に従って製造された光学フィルムに施すことができる。
得られる物品における破壊抵抗および/または引裂抵抗を付与または改善するために、表面薄層またはコーティングを施すこともできる。従って、例えば光学フィルムの外層が主要相としてPENコポリマー(coPEN)を含有する実施形態において、得られるフィルムに優れた引裂抵抗を付与するために、モノリシックcoPENの表面薄層を光学層と共に同時押出することができる。引裂抵抗層のための材料を選択する上で考慮すべき因子は、破壊時伸び率、ヤング率、引裂強度、内部層への接着、関心のある電磁帯域幅における透過率および吸光度、光学的透明度もしくは曇り、周波数の関数としての屈折率、テキスチャーおよび粗さ、溶融耐熱性、分子量分布、溶融レオロジーおよび共押出性、表面薄層および光学層における材料間の混和性および内部拡散速度、粘弾性応答、圧伸条件下での緩和挙動および結晶化挙動、使用温度での耐熱性、耐候性、コーティングに対する接着性ならびに種々の気体および溶媒に対する透過性を含む。光学フィルム上にコーティングまたは積層することにより、製造工程中またはその後に破壊抵抗または引裂抵抗表面薄層を適用することができる。共押出プロセスなどにより、製造工程中に光学フィルムにこれらの層を接着させることにより、製造工程中に光学フィルムが保護されるという利点がある。一部の実施形態において、単独で、あるいは破壊抵抗または耐引裂性表面薄層と組み合わせて1以上の破壊抵抗または引裂抵抗層を光学フィルム中に備えることができる。
押出プロセス中、ある時点、すなわち、押出ブレンドおよび表面薄層(単数または複数)が押出ダイを出る前に押出ブレンドの1または2面に表面薄層を適用することができる。これは通常の共押出技術を用いて達成できるが、これは3層共押出ダイを使用することを含むことができる。前もって形成された押出ブレンドのフィルムに表面薄層(単数または複数)の貼り合わせをすることもまた可能である。
使用目的によっては、光学フィルムの製造中に、表面薄層の外側に追加の層を共押出または接着させることができる。このような追加の層を、別々のコーティング操作で光学フィルム上に押出、またはコーティングすることもできるし、別々のフィルム、箔または硬質もしくは半硬質基板、例えばポリエステル(PET)、アクリル(PMMA)、ポリカーボネイト、金属、またはガラスとして光学フィルムに積層することもできる。
物理的または化学的特性、特にフィルムまたはデバイスの表面に沿った特性を改変または改善するために、本発明の光学フィルムおよびデバイスに種々の機能層またはコーティングを施すことができる。このような層またはコーティングは、例えばスリップ剤、低接着性裏面材料、伝導層、帯電防止コーティングもしくいはフィルム、バリヤ層、難燃剤、UV安定化剤、磨耗抵抗材料、光学コーティング、またはフィルムもしくはデバイスの機械的完全性もしくは強度を改善するようにデザインされた基体を含むことができる。
低摩擦コーティングまたはスリップ剤(例えば表面にポリマービーズコーティングしたもの)で処理することにより、本発明のフィルムおよび光学デバイスに優れた滑り特性を付与することができる。あるいはまた、フィルムに滑りやすい表面を付与するために、押出操作条件により、これらの材料の表面の形態を改良することができる。このように表面の形態を改良する方法は、米国出願番号第08/612,710号に記載されている。
本発明の光学フィルムが接着剤テープの構成材料として使用されるようなある用途においては、低付着性バックサイズ(LAB)コーティングまたはフィルム、例えばウレタン、シリコーンまたはフルオロカーボン化学ベースのものでフィルムを処理することが望ましい場合がある。このように処理されたフィルムは、感圧接着剤(PSA)に対して適切な剥離特性を示し、それにより接着剤で処理し、ロールに巻くことが可能となる。このように製造された接着剤テープは、装飾目的または、テープ上に反射するまたは透過する表面が望ましい場合の任意の用途に使用することができる。
本発明のフィルムおよび光学デバイスは1以上の伝導層を備えることもできる。このような伝導層は、金属(例えば銀、金、銅、アルミニウム、クロム、ニッケル、スズおよびチタニウム)、金属合金(例えば銀合金、ステンレススチールおよびインコネル)ならびに半導体金属酸化物(ドープおよび非ドープの酸化スズ、酸化亜鉛および酸化インジウムスズ(ITO))を含むことができる。
本発明のフィルムおよび光学デバイスは帯電防止コーティングまたはフィルムを備えることもできる。このようなコーティングまたはフィルムは、例えばVおよびスルホン酸ポリマーの塩、炭素または他の伝導金属層を含む。
本発明の光学フィルムおよびデバイスは、特定の液体または気体に対して光学フィルムの透過性を変える1以上のバリアフィルムまたはコーティングを備えることもできる。従って、例えば本発明のデバイスおよびフィルムは、フィルムを介する水蒸気、有機溶媒、O、またはCOの透過を妨げるフィルムまたはコーティングを備えることもできる。フィルムまたはデバイスの構成材料は水分透過によるゆがみを受けやすいので、高い湿度環境ではバリヤコーティングが特に望ましい。
本発明の光学フィルムおよびデバイスは、特に厳格な消防規定を受けている航空機などの環境において使用されるとき、難燃剤で処理することもできる。適切な難燃剤は、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、および難燃性有機リン酸エステル化合物を含む。
本発明の光学フィルムおよびデバイスは、しばしば表面薄層に適用される、磨耗抵抗性コーティングまたはハードコーティングを備えることもできる。これらは、ローム アンド ハース(ペンシルべニア州フィラデルフィア)から入手可能なアクリル系ハードコート、例えばAcryloid A−11およびParaloid K−120N;ウレタンアクリレート、例えば米国特許第4,249,011号に記載のものおよびSartomer Corp.(ペンシルベニア州ウェストチェスター)から入手可能なもの;ならびに脂肪族ポリイソシアネート(例えばDesmodur N−3300(Miles,Inc.ペンシルベニア州ピッツバーグ、から入手可能)とポリエステル(例えばTone Polyol 0305(Union Carbide,Houston,Tex.から入手可能)との反応により得られるウレタンハードコートを含む。
本発明の光学フィルムおよびデバイスは、構造的剛性、耐候性または取扱い易さを備えるために、さらに、硬質または半硬質基板、例えばガラス、金属、アクリル、ポリエステル、および他のポリマー裏当てなどに重ねて積層化させることもできる。例えば本発明の光学フィルムは、捺印できるように、または望ましい形状を形成維持できるように、薄いアクリルまたは金属裏当てに重ねて積層化させることもできる。ある用途には、例えば光学フィルムが他のもろい裏当てに適用される場合、PETフィルムまたは破壊抵抗/耐引裂性フィルムを含む追加の層を使用することができる。
本発明の光学フィルムおよびデバイスは、飛散防止フィルムおよびコーティングを備えることもできる。これに適したフィルムおよびコーティングは、例えば欧州特許出願公開EP第592284号およびEP第591055号に記載され、3M Company,St.Paul,Minn.から商業的に入手可能である。
特定の応用のために、本発明のフィルムおよびデバイスに、またはと共に種々の光学層、材料、およびデバイスを使用することもできる。限定するものではないが、これらは、磁気(磁気光学)コーティングまたはフィルム;液晶パネル、例えばディスプレイパネルおよびプライバシーウィンドウに用いられているもの;写真乳剤;織物;プリズムフィルム、例えばリニアフレネルレンズ;光度上昇フィルム;ホログラフィックフィルムまたは画像;型押しフィルム;改変防止フィルムまたはコーティング;低放射率応用のためのIR透明フィルム;剥離フィルムまたは剥離コーティング紙;ならびに偏光子または鏡を含む。
本発明に従って製造されるフィルムおよび他の光学デバイスは、1以上の反射防止層またはコーティング、例えば通常の真空成膜誘電金属酸化物または金属/金属酸化物光学フィルム、シリカゾル−ゲルコーティング、ならびにコーティングまたは共押出反射防止層、例えばTHVなどの低屈折率フルオロポリマー(3M Company(St.Paul,Minn.)から入手可能な押出フルオロポリマーを含むこともできる。このような層またはコーティングは、偏光感受型であってもなくても良いが、透過を増大させ、反射グレアを抑制するのに役立ち、適切な表面処理、例えばコーティングまたはスパッタエッチングにより、本発明のフィルムおよび光学デバイスに付与することができる。反射防止コーティングの具体例は、実施例132〜133にさらに詳細に説明されている。
本発明のある実施形態において、特定の偏光の光に対して、透過を最大化するおよび/または鏡面反射を最小化することが望ましい。これらの実施形態において、光学体は、少なくとも1つの層が連続層および分散層を与える層と緊密に接触している反射防止システムを含む2以上の層を含むことができる。このような反射防止システムは、入射光の鏡面反射を防ぎ、連続相および分散層を含む光学体の部分に入る入射光の量を増するように働く。このような機能は当該分野で公知の種々の手段により達成することができる。例には、四分の一波長反射防止層、2以上の層の反射防止スタック、グレーデッドインデックス型層および密度勾配型層がある。このような反射防止機能は、必要に応じて透過光を増すために、光学体の透過光側に使用することもできる。
UV安定化フィルムまたはコーティングの使用により、本発明のフィルムおよび光学デバイスをUV輻射線から保護することができる。好適なUV安定化フィルムおよびコーティングは、ベンゾトリアゾールまたはヒンダードアミン光安定化材(HALS)、例えばTinuvin(商標)292(共に、Ciba Geigy Corp.から商業的に入手可能)を含有するものを含む。他の好適なUV安定化フィルムおよびコーティングは、ベンゾフェノンまたはジフェニルアクリレート(BASF Corp.,Parsippany,NJ.から商業的に入手可能)を含有するものを含む。このようなフィルムまたはコーティングは、本発明の光学フィルムおよびデバイスを、光源がスペクトルのUV領域の光を顕著に放射する屋外用途または照明灯で使用する場合に特に重要である。
本発明に従って製造されるフィルムおよび他の光学デバイスを、それに続く処理、例えばコーティング、染色、めっきまたは積層化に、それらをより導くようにするなど、これらの材料のまたはそれらの任意の部分の表面を変性させる種々の処理に付すことができる。このことは、プライマー、例えばPVDC、PMMA、エポキシおよびアジリジンとの処理により、あるいは物理的なプライマー処理、例えばコロナ、炎、プラズマ、フラッシュランプ、スパッタエッチング、電子線処理または結晶化度を除くための表面層のアモルファス化(例えばホットプレスを用いて)により果すことができる。
本発明のフィルムおよび光学デバイスは、その外観を変えるか、または特定の用途のためにカスタマイズするために、インク、色素または顔料で処理することができる。従って、例えばフィルムは、インクまたは他の印刷された証印、例えばディスプレイの製品識別、広告、警告、装飾または他の情報で処理することができる。フィルム上にプリントするために種々の技術、例えばスクリーン印刷、凸版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、点描、レーザー印刷などならびに、種々のタイプのインク、(一液性または二液性インク、酸化的に乾燥またはUV乾燥したインク、溶解したインク、分散したインクならびに100%インクシステムを含む)を用いることができる。
例えば光学フィルムに染めたフィルムを積層化すること、光学フィルム表面に色素性コーティングを施すことまたは光学フィルムを製造するために用いる材料(例えば連続相または分散相)の1以上に顔料を含有させることによるフィルムの着色により光学フィルムの外観もまた変えることができる。
UVを吸収し、青色領域のスペクトルを発光する色素などの蛍光増白剤が好ましい。ポリマーフィルムに分散された、または単一層でコーティングされた、または薄いポリマー層で分散された蛍光増白剤は、CCFLなどのデバイス光源により生成された紫外光エネルギーを好ましい青色エネルギーにシフトさせることにより望ましい青色を提供する。ポリマーの0.1〜0.5重量%の量の蛍光増白剤を添加することにより、光学フィルムに望ましい青色を与えることが見いだされた。蛍光増白剤をベースポリマー中に分散させるのは、既知のポリマー混合技術により達成できる。分散液の性質により、蛍光増白剤の効果が増強され、透過光に望ましい青色が与えられることが見いだされた。本発明の好ましい実施形態において、蛍光増白剤は隆起を含有する面の反対側の薄い表面薄層に添加される。蛍光増白剤を薄層に集中させることにより、蛍光増白剤を光方向変換フィルム全体に分散させる場合と比較して出射光の均一性は改善される。
好ましい蛍光増白剤は、紫外光を吸収し、可視の青色光としてそれを放出する実質的に無色の蛍光性有機化合物である。例としては、これらに限定するものではないが、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体、クマリン誘導体、例えば4−メチル−7−ジエチルアミノクマリン、1−4−ビス(O−シアノスチリル)ベンゾールなど、および2−アミノ−4−メチルフェノールが挙げられる。蛍光増白剤は紫外光を吸収して可視の青色光を放射するので、本発明の材料を用いるディスプレイデバイスの光源は好ましくは紫外光エネルギーを放射する。さらに、LCDディスプレイデバイスにおいて、液晶は紫外光エネルギーに感受性を有する。蛍光増白剤を含有する光方向変換フィルムは、バックライトからのUVエネルギーが蛍光増白剤により吸収され、典型的に電磁スペクトルの青色領域を放射するので、感受性のある液晶を保護するために役立つ。
本発明の他の好ましい実施形態において、光学フィルムは青色顔料を含む。本発明の独特のフィーチャは、イメージング層に色を付けるために用いる色素の粒子サイズである。分散の質を改善し、顔料の光吸収特性を改善するために、顔料は、好ましくは、1.0マイクロメートルより小さい、より好ましくは100ナノメートルより小さい粒子サイズに粉砕される。驚くべきことに、本発明に用いる顔料が0.1マイクロメートル未満に粉砕される場合、顔料の望ましくない光吸収は低減され、より効率的な顔料が製造されることが見出された。青色顔料は、薄い青色層で光学フィルムにコーティングするか、または光学フィルムポリマーに分散することができる。
本発明に用いる好適な顔料は、任意の無機または有機の有色材料であることができ、それらが組み入れられるされている媒質に実質的に不溶である。好ましい顔料は有機顔料であり、W.Herbst and K.HungerによるIndustrial Organic Pigments: Production, Properties, Applications、1993, Wiley Publishers.に記載されている。これらには、アゾ顔料、例えばモノアゾイエロー、モノアゾオレンジ、ジアゾ、ナフトール、ナフトールレッド、アゾレーキ、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、金属錯体、イソインドリノンおよびイソインドリン、多環式顔料、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロールおよびチオインジゴならびにアントラキノン顔料、例えばアントラピリミジン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、ディオキサジン、トリアリールカルボジウムおよびキノフタロンが含まれる。最も好ましい顔料は、アントラキノン(例えばピグメントブルー60など)、フタロシアニン(例えばピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4および15:6など)であり、NPIRI Raw Material Data Handbook,第4巻,顔料,1983,National Printing Research Institute.に記載されている。
ナノメーターサイズの顔料を製造するために用いる微粉砕機は、例えばボールミル、媒体撹拌ミル、アトライタミル、振動ミルなどであ得える。微粉砕機は適切な粉砕媒体、例えばシリカビーズ、窒化シリコン、砂、酸化ジルコニウム、イットリア安定化酸化ジルコニウム、アルミナ、チタニウム、ガラス、ポリスチレンなどが装填される。ビーズサイズは通常直径で0.25〜3.0mmであるが、必要に応じてより小さな媒体を使用することもできる。望ましい粒子サイズ範囲になるまで、プレミックスは粉砕される。
固体の着色剤粒子は粉砕媒体により繰り返し衝突を受け、結晶は破砕され、塊は壊され、その結果粒子サイズは減少する。着色剤の固体粒子分散体は、1マイクロメートル未満の最終平均粒子サイズを有し、好ましくは0.1マイクロメートル未満、最も好ましくは0.01〜0.1マイクロメートルを有する必要がある。最も好ましくは、固体の着色剤粒子はサブマイクロメーターの平均サイズを有する。顔料は固体粒径0.01〜0.1を有するとき最も有用であり、1.2マイクロメートルより大きい粒子サイズを有する顔料と比較して望ましくない光吸収が減少していた。
光学フィルムの外観を変えるために加えることのできる他の追加の層は、例えば拡散層、ホログラフィック画像またはホログラフィックディフューザーおよび金属層を含む。これらのそれぞれを光学フィルムの片面または両面に直接適用することもできるし、光学フィルムに積層化される第2のフィルムまたは箔構造体の構成にすることもできる。あるいはまた、ある成分、例えば不透明化剤もしくは分散剤または有色顔料を、光学フィルムを他の表面と積層化するために用いる接着剤層に含有させることもできる。
本発明のフィルムおよびデバイスは、金属コーティングを備えることもできる。従って、例えば熱分解、粉体塗装、蒸着、陰極スパッタリング、イオンメッキなどにより、金属層を光学フィルムに直接適用することができる。金属箔または硬い金属プレートを光学フィルムに積層化することもできるし、または別々のポリマーフィルムまたはガラスまたはプラスチックシートを、後述の技術を用いて最初に金属化し、ついで本発明の光学フィルムおよびデバイスと積層化することもできる。
上記のフィルム、コーティングおよび添加剤に加えて、本発明の光学材料は当該分野で公知の他の材料または添加剤を含むこともできる。このような材料は、結合剤、コーティング、充填剤、相溶化剤、界面活性剤、抗菌剤、発泡剤、補強剤、熱安定剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、粘度調整剤および他のこのような材料を含むことができる。
以下の実施例は本発明の実施を例証するものである。これらは、本発明の全ての可能な変形を網羅的に示すことを意図したものではない。部およびパーセントは特記しない限り重量基準によるものである。
本実施例において、光方向変換フィーチャを含有する低複屈折ポリマーを、交差したTFTグレード吸収型偏光子を用いて、先行技術のUV硬化アクリレートをコーティングされた配向PET光方向変換フィルムおよび溶融押出光方向変換フィルムの両方と比較する。この実施例により、複屈折の低い光方向変換フィルムは、フィルムの透過光の偏光状態を先行技術材料よりも少なく変化させ、従って製造方法はより高い軸上光学利得を可能にすることを実証する。本発明の材料は、光の偏光特性を維持しながら光方向変換することが望ましい場合に、フィルムを使用することを可能にする。
比較
対照には、典型的な、厚さ125マイクロメートルの、LCD用薄膜トランジスタ(TFT)グレードセルローストリアセテート(TAC)であった。TACは、TACの両方の平らな表面上に如何なる表面コーティングまたは表面パターンも有していなかった。
本発明の実施例1
125マイクロメートルより厚い厚さのLCD用TFTグレードセルローストリアセテートの表面を塩化メチレンで再湿潤することにより、本発明の材料(低複屈折の光方向変換フィルム)を構築した。フィルムの最初の深さ25マイクロメートルにおけるおおよその溶媒含有量は、セルローストリアセテートポリマーの18重量%であった。溶媒で再湿潤したセルローストリアセテートの表面に、精密な光方向変換フィーチャを有する5cm×5cmの電鋳工具で、圧力1,379キロパスカルで30秒間プレスした。追加の加熱は行わなかった。形成された指向性フィーチャは、平均して、長さ950マイクロメートル、幅44マイクロメートル、高さ22マイクロメートルで挟角は90度であった。フィーチャは、2つの隣接したフィーチャの最高点間の距離は平均ピッチでおおよそ22マイクロメーターを有するように、ランダムで、フィルム表面全体で重なり合い、且つ交差していた。
比較例1
精密なパターンニッケルローラとなめらかな加圧ローラ間のニップに溶融押出グレードポリカーボネイトを押出した。得られた光方向変換フィルムは厚さおおよそ125マイクロメートルであり、パターン付き面およびなめらかな面を備えていた。溶融押出光方向変換フィルムは、1つ1つが平均して、長さ950マイクロメートル、幅44マイクロメートル、高さ22マイクロメートルで挟角が90度のフィーチャを有していた。フィーチャは、2つの隣接したフィーチャの最高点間の距離は平均ピッチでおおよそ22マイクロメーターを有するように、ランダムで、フィルム表面全体で重なり合い、且つ交差していた。
比較例2
この実施例において用いられた光方向変換フィルムは、商業的に入手可能な光度上昇フィルムである3Mから入手可能なBEF II(商標)を用いた。BEF IIは、おおよそ100マイクロメートルの配向ポリエステル(PET)ベース層と、光方向変換フィーチャを有するPETの層上にコーティングし硬化させたおおよそ25マイクロメートルのUV硬化ポリアクリレート層の2層構造(2つの層を接着させるために第3層を有していてもよい)である。フィーチャは、ピッチが50マイクロメートル、高さが25マイクロメートルで、挟角が90度である、連続した直線状のプリズムである。
実施例の透過光の偏光がどの程度変化したかを決定するための試験は、以下のように測定した。2つのTFTグレード吸収型偏光子を交差させ、フィルムの法線方向で全光透過率測定(550ナノメートルで測定)を行った。非偏光の光を第1吸収型偏光子に入射させ、検出器を第2吸収型偏光子の後ろに置く。該偏光子が完全であれば、偏光子の表面の法線方向の交差偏光子を射出する光は0%であることが期待される。フィルムの法線方向での全光透過率は0.03%と測定され、これは、吸収型偏光子の効率に少しの不足が存在することを示している。次に、TAC片および実施例のフィルムを2つの偏光子間に同時に1つ置いた。フィルムを射出する光の量(フィルムの入射光に対するパーセントとして)は、光の第1偏光状態から第2偏光状態に変換された光の量である。光透過率が高ければ高いほど、交差偏光子間の材料が第1偏光子からの光の偏光状態を変えるので、より高い複屈折を示す。本発明の材料および対照材料を含む全ての試験材料には実質的に透明であったので、光透過率の増加/低下の大部分は、複屈折のレベルに関連している。対照、本発明の実施例、および比較例に関する試験結果を以下の表1に示す。
Figure 2009501360
上記のデータが示すように、低複屈折の光方向変換フィルムは、光方向変換フィルム対照材料と比較して、第1吸収型偏光子によって達成された光の偏光状態を顕著には変えないので、両方の比較例と比較して本発明の実施例である低複屈折の光方向変換フィルムは著しい利点をもたらす。対照であるパターン化されていないTACは、LCD用セルローストリアセテート材料にとって典型的な結果を示した。ポリマーの低複屈折により、並びに製造方法がポリマーにほとんど応力/歪を引き起こさないことにより、複屈折が低いため、交差偏光子を通る光透過は低い。意外にも、対照の光方向変換材料と比較してほんの少ししか複屈折を低下させずにTACに精密な光方向変換フィーチャが形成された本発明の実施例は、交差偏光子を通した光漏れをほとんど生じなかった。溶融形成光方向変換フィルムに用いられているポリカーボネイトおよび、溶融押出光方向変換フィルム形成に用いられる、比較例2と比較して低い応力/歪の製造方法により、溶融押出形成光方向変換フィルム(比較例1)は、配向しコーティングされた光方向変換フィルム(比較例2)よりも低複屈折であった。芳香族ポリマー(ポリエステル)および、製造中、配向段階でフィルムが受けるより高い応力/歪量により、配向ポリエステルは高い複屈折を有する。
図1に、試験した液晶ディスプレイのバックライト部の1つの構成の横断面を示す。導波路3(Sharp製10.5 導波路プレート)は冷陰極蛍光管(CCFL)1からの光を受ける。白色反射板5は導波路プレート3の裏面に位置する。導波路プレート3の正面には、導波路に最も近いところから導波路から最も離れたところまで、順番に、拡散フィルム7、試験される光方向変換フィルム9、反射型偏光子11(3Mから入手できるDBEF−E)および吸収型偏光子13がある。吸収型偏光子の上部はLCDの液晶断面である(図示せず)。
図2に、図1のバックライト構成のCCFLと直角のEldimプロットの横断面のグラフを示す。図1に示した構成は、光方向変換フィルムを有するバックライト光学フィルムの一般のスタックであり、光方向変換した光は偏光していない(偏光要素のいずれよりも前に光が光方向変換フィルムを通過するため)。このグラフにより、比較例1および2と本発明実施例1との比較を示す。比較例2(3M製BEFII90/50)は最も高い光度を有し、次いで比較例1であり、次いで本発明実施例1であった。
しかしながら、反射型偏光子と吸収型偏光子の間でフィルムを試験したとき、本発明実施例の優れた性能が示された。図3に、試験した液晶ディスプレイのバックライト部の1つの構成の横断面を示す。導波路23(Sharp製10.5”導波路プレート)は、冷陰極蛍光管(CCFL)21からの光を受ける。白色反射板25は導波路プレート23の裏面に位置する。導波路プレート23の正面には、導波路に最も近いところから導波路から最も離れたところまで、順番に、拡散フィルム27、反射型偏光子29(3Mから入手できるDBEF−E)、試験される光方向変換フィルム31および吸収型偏光子33がある。吸収型偏光子の上部はLCDの液晶断面である(図示せず)。この構成において、光は最初に反射型偏光子29を通過し、光は偏光され、ついで光方向変換フィルム31、ついで反射型偏光子33に入射する。
図4に、CCFLと直角のEldimプロットの横断面を示す。図3の構成において、本発明の実施例は最も高い輝度を示し、次いで比較例1であり、次いで比較例2であることを図4のグラフは示している。本実施例1は、反射型偏光子からの光の偏光状態にほとんど影響を与えないで光(反射、屈折および光の再循環を含む)を方向変換するので、本実施例1は最も高い輝度を示した。フィルムを反射型偏光子および吸収型偏光子を有するシステムで試験したが、導波路プレートが偏光した光を放射するバックライトシステムにも本フィルムは同様な影響を与える。
低複屈折を有する光方向変換フィルムは大きな商品価値を有し、例えば、低複屈折の光方向変換フィルムはLCDディスプレイデバイスまたはOLEDディスプレイデバイスなど偏光を用いるディスプレイ装置に用いることができる。さらに、本発明の光方向変換フィルムは低複屈折であることから、吸収型偏光子内に用いることができ、液晶セルの前に光を方向変換するために使用することができる。反射型偏光子はセルローストリアセテートを含むので、本発明に用いられるセルローストリアセテート材料は、LCDディスプレイデバイスに一般である染められた配向反射型偏光子の構成に適合性を有するので、本発明の光方向変換フィルムは光を方向変換する吸収型偏光子を構成するために使用できる。
さらに、実施例により、本発明の材料の全光透過率が0.12であることが示されているが、より高い溶媒パーセンテージは複屈折を引き起こす応力/歪を低減し、TACポリマーのTgはTACに含有される残留溶媒の量に反比例することから、セルローストリアセテートの表面薄層またはトリアセテートシートのバルクのいずれかにおけるより高い溶媒含有量により低複屈折がもたらされると考えられる。Tgを下げ、フィルムにかかる機械的負荷の量を減らすことにより、より低いフィルム複屈折が達成される。
最後に、本実施例は主にLCD電子ディスプレイデバイスの光方向変換フィルムに向けられているが、本発明は他の電子ディスプレイデバイス、例えばOLED、PLEDまたはコレステリック液晶に使用することもできる。低複屈折指向性フィルムは、高い度合いに偏光された光を放射する光源に理想的に適している。低複屈折の光方向変換フィルムは、プライバシースクリーン、室内照明のための光度上昇、ボートデッキのための摩擦制御、研磨表面、自動車用照明のための方向制御および眼鏡のための視野強化などの用途にも使用できる。
LCDバックライト構成に用いられる光学フィルムの好ましい組み合わせの横断面図である。 実施例1ならびに比較例1および2の、光度に対する傾斜角のプロットである。 LCDバックライト構成に用いられる光学フィルムの好ましい組み合わせの横断面図である。 実施例1ならびに比較例1および2の、光度に対する傾斜角のプロットである。
符号の説明
1 冷陰極蛍光管
3 導波路プレート
5 白色反射板
7 拡散フィルム
9 光方向変換フィルム
11 反射型偏光子
13 吸収型偏光子
21 冷陰極蛍光管
23 導波路プレート
25 白色反射板
27 拡散フィルム
29 反射型偏光子
31 方向変換フィルム
33 吸収型偏光子

Claims (35)

  1. 少なくとも1つの面上に一体化光学フィーチャを備えたベースを含むポリマー光学フィルムであって、前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記光学フィルムは交差した偏光子を通した光漏れが1.0%未満である、ポリマー光学フィルム。
  2. 前記光漏れが0.05〜0.5%である、請求項1記載のポリマー光学フィルム。
  3. 前記光漏れが0.05〜0.2%である、請求項1記載のポリマー光学フィルム。
  4. 前記フィルムが個別の一体化フィーチャを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  5. 前記フィルムが細長い平行な稜線を含む一体化フィーチャを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  6. 前記フィルムが、前記フィーチャの少なくとも1つの面が湾曲した個別の一体化フィーチャを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  7. ポリマーフィルムが1.0×10−5〜5.0×10−3の複屈折を有する、請求項1記載のポリマーフィルム。
  8. 前記ポリマーフィルムがセルローストリアセテートポリマーを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  9. 前記ポリマーフィルムがシクロ−オレフィンを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  10. 前記一体化フィーチャが、フィルムの面中に800〜3000マイクロメートルの範囲の長さを有する湾曲したくさび形のフィーチャを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  11. 前記一体化フィーチャが、フィルムの面中に100〜600マイクロメートルの範囲の長さを有する湾曲したくさび形のフィーチャを含む、請求項1記載のポリマーフィルム。
  12. 少なくとも1つの面上に一体化光学フィーチャを備えたベースを含むポリマー光学フィルムを含む液晶ディスプレイデバイスであって、前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記光学フィルムは交差した偏光子を通しての光漏れが1.0%未満である、液晶ディスプレイデバイス。
  13. 前記ポリマー光学フィルムが、前記液晶ディスプレイデバイスの反射型偏光子と第1吸収型偏光子との間に位置する、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  14. 前記ポリマー光学フィルムが、偏光性光ガイドプレートと吸収型偏光子の第1の存在との間に位置する、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  15. 前記一体化フィーチャが、フィルムの面中に800〜3000マイクロメートルの範囲の長さを有する湾曲したくさび形のフィーチャを含む、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  16. 前記一体化フィーチャが、フィルムの面中に100〜600マイクロメートルの範囲の長さを有する湾曲したくさび形のフィーチャを含む、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  17. 前記フィルムが、個別の一体化フィーチャを含む、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  18. 前記ポリマー光学フィルムが、吸収型偏光子の第1の存在と吸収型偏光子の第2の存在との間に位置する、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  19. ポリマーフィルムが、1.0×10−5〜5.0×10−3の複屈折を有する、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  20. 前記ポリマーフィルムがセルローストリアセテートポリマーを含む、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  21. 1.0×10−5〜5.0×10−3の複屈折を有する可視低複屈折光拡散器をさらに含む、請求項12記載の液晶ディスプレイデバイス。
  22. 低複屈折ポリマーを溶媒キャストし、溶媒を部分的に蒸発させてベースを形成させ、ベースをエンボス加工して一体化フィーチャを形成させることを含むポリマー光学フィルムの形成方法であって、前記フィーチャが稜線を形成する2以上の面を有し、前記光学フィルムは交差した偏光子を通した光漏れが1.0%未満である、ポリマー光学フィルム。
  23. キャスト表面からの残留溶媒を含有する低複屈折ポリマーが、エンボス加工する前にキャスト表面から除去される、請求項22記載の方法。
  24. 前記低複屈折ポリマーが、0.02〜0.25マイクロメートルの平均表面粗さを有するポリマーの配向シートを含むキャリヤシート上に溶媒キャストされる、請求項22記載の方法。
  25. キャリヤシートが少なくとも1つの面上にパターンを含む、請求項24記載の方法。
  26. 前記低複屈折の光方向変換フィルムが、1.0×10−5〜5.0×10−3の複屈折を有する、請求項22記載の方法。
  27. 前記一体化フィーチャが、前記フィーチャの少なくとも1つの面が湾曲した個別の一体化フィーチャを含む、請求項22記載の方法。
  28. 前記溶媒キャスト低複屈折ポリマーは、エンボス加工のときに、低複屈折ポリマーの15〜40重量%溶媒含有量を有する、請求項22記載の方法。
  29. 前記低複屈折ポリマーが非晶質である、請求項22記載の方法。
  30. 前記低複屈折ポリマーが、ポリカーボネイトを含む、請求項22記載の方法。
  31. 前記低複屈折ポリマーが、セルローストリアセテートを含む、請求項22記載の方法。
  32. ポリマーおよび少なくとも1つの犠牲表面ポリマー層ポリマーを、割れ目線を形成する2以上の面を有する凹フィーチャを含むローラに対して同時に溶融キャスティングし、前記ローラから複合材料ポリマーシートを取り外して一体化フィーチャを有する複合材料を形成させ、ここで前記フィーチャは稜線を形成する2以上の面を有し、前記少なくとも1つの犠牲層を除去することを含むポリマー光学フィルムの形成方法であって、前記光学フィルムは交差した偏光子を通した光漏れが1%未満である、前記ポリマー光学フィルムの製造方法。
  33. 前記少なくとも1つの犠牲表面ポリマー層が、2つの犠牲表面層を含む、請求項32記載の方法。
  34. 前記光学フィルムが1.0×10−5〜5.0×10−3の複屈折を有する、請求項32記載の方法。
  35. 前記犠牲ポリマーがポリオレフィンを含む、請求項32記載の方法。
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