JP2009303439A - 検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接地線に流れる電流が小さい場合でも安定した動作を確保することができ、変流器を用いない動作原理によって低い周波数の運転領域を含む電力変換装置への適用を可能にした検出装置(地絡検出器)を提供する。
【解決手段】接地線102に直列接続された抵抗Rから電圧を検出し、この電圧を整流する整流回路111と、整流回路111の出力電圧(電源電圧Vcc)が基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する間欠信号発生回路16と、前記間欠信号を光信号に変換するE/O変換回路21とを備え、接地線102に地絡電流Iが流れたことを前記光信号により検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、接地線に電流が流れたことを検出する検出装置に関し、詳しくは、地絡電流を光信号により検出する地絡検出器に関するものである。
図9は、特許文献1に記載されている従来の地絡検出器を示している。
図9において、102は地絡故障発生時に地絡電流Iが流れる接地線、CTは、接地線102に流れた地絡電流Iを絶縁すると共にその大きさを変換して出力する変流器、104は地絡検出器本体、22は地絡検出時に検出器本体104から出力される光信号を伝送する光ファイバ、108は上記光信号を監視するための監視装置、23は上記光信号を電気信号に変換するためのO/E変換回路である。
また、地絡検出器本体104の内部構成は次の通りである。すなわち、ZDは入力保護のための定電圧ダイオード、111は入力された電流Iを整流するための整流回路、Cは整流回路111の出力を平滑して回路の電源電圧Vccを一定にするためのコンデンサ、CT,CTは電流Iの大きさを変換して後段の回路に伝えるための変流器、131,132はそれぞれ変流器CT,CTの出力電流I,Iに含まれるノイズ等の不要な信号を取り除くためのフィルタ回路、141,142はフィルタ回路131,132の出力を整流する半波整流回路、151,152は半波整流回路141,142の出力を基準電圧と比較するための電圧比較回路、20は二系統の電圧比較回路151,152から出力される信号EF,EFの論理和を演算する論理和回路、21は論理和回路20から出力される電気信号を内部の発光素子により光信号に変換して出力するためのE/O変換回路である。
次に、この地絡検出器の動作を概説する。
地絡故障が発生していない正常時は、接地線102に地絡電流Iが流れないので、変流器CTの出力電流Iは零となる。この状態では、整流回路111を介して電源電圧Vccが供給されないため、検出器本体104内の各回路が動作せず、結果的に、E/O変換回路21からは地絡故障時の光信号が出力されない。
地絡故障が発生して接地線102に地絡電流Iが流れると、変流器CTにより変流された電流Iが流れ、これを整流回路111により整流した出力がコンデンサCにより平滑されて電源電圧Vccが供給され、検出器本体104内の各回路が動作可能な状態となる。
ここで、変流器CTの変流比は、接地線102に地絡故障として検出すべき電流が流れたときに電源電圧Vccが十分な大きさになるような値に設定すればよい。また、接地線102に流れる地絡電流Iが想定した値より大きくなり、電源電圧Vccが回路を動作させるために必要な電圧を超えるような場合には、整流回路111の入力側に接続された定電圧ダイオードZDにより整流回路111の入力電圧が制限されるので、電源電圧Vccは許容値を超えることがない。
次いで、電流Iが流れたときに地絡故障を判定する部分の動作を説明する。なお、図9では、電流Iを変流器CT,CTにより二系統の電流I,Iに変換し、電流Iの正側の値と負側の値とを別々に故障判定できるようにしている。
電流Iを変流器CTにより変流して得られる電流Iを、電流Iの正側の値に対する故障判定に用いる。この電流Iは、フィルタ回路131によってノイズ等の高周波成分を取り除き、半波整流回路141により負側の値を除去して正側の値のみとなる。半端整流回路141から出力された電圧は電圧比較回路151に入力され、この電圧が故障判定の基準電圧を超える場合は信号EFの論理値を”1”、超えない場合は信号EFの論理値を”0”とする。
同様に、電流Iを変流器CTにより変流して得られる電流Iを、電流Iの負側の値に対する故障判定に用いる。電流Iはフィルタ回路132によって高周波成分を取り除き、半波整流回路142により正側の値を除去して負側の値のみとなる。半波整流回路142から出力された電圧は電圧比較回路152に入力され、この電圧が故障判定の基準電圧を超える場合は信号EFの論理値を”1”、超えない場合は信号EFの論理値を”0”とする。
論理和回路20では信号EF,EFの何れか一方の論理値が”1”のときに出力の論理値を”1”とし、次段のE/O変換回路21では、入力が論理値”1”のときに内部の発光素子を点灯状態として光信号を出力する。
以上の動作について、図10の波形図を用いて説明する。
図10の(1)は電流Iが正弦波の例を示しており、L,Lはそれぞれ電流Iの正側の値と負側の値に対する地絡故障の判定値を示している。また、図10の(2),(3)は、それぞれ前述した電圧比較回路151の出力信号EFと電圧比較回路152の出力信号EFであり、図10の(4)は、E/O変換回路21の光出力(点灯,消灯の状態)を示す。
電流Iが流れ、この値が地絡故障の正側の判定値Lより大きい場合は信号EFの論理値が”1”となり、E/O変換回路21が点灯して地絡故障を示す光信号を出力する。この場合、電流Iは変流器CTにより電流Iに変換され、この電流Iを変流器CTにより電流Iに変換し、フィルタ回路131及び半波整流回路141により処理した結果を電圧比較回路151において基準電圧と比較する。ここで、電圧比較回路151の基準電圧は図10(1)におけるLに対応するが、実際の回路では変流器CT,CTとフィルタ回路131及び半波整流回路141を通る過程で信号の値が変換されることから、電圧比較回路151の基準電圧も信号の値が変換されることを考慮して設定されている。
また、電流Iの値が地絡故障の負側の判定値Lより小さい場合は信号EFの論理値が”1”となり、E/O変換回路21が点灯して地絡故障を示す光信号を出力する。
この場合も、電流Iが変流器CTにより電流Iに変換され、この電流Iを変流器CTが電流Iに変換し、フィルタ回路132及び半波整流回路142により処理した結果を電圧比較回路152において基準電圧と比較する。電圧比較回路152の基準電圧は図10(1)におけるLに対応するが、前記同様に実際の回路では変流器CT,CTとフィルタ回路132及び半波整流回路142を通る過程で信号の値が変換されることから、電圧比較回路152の基準電圧も信号の値が変換されることを考慮して設定されている。
以上のように、電圧比較回路151による処理結果である図10(2)の信号EFと、電圧比較回路152による処理結果である図10(3)の信号EFとは、論理和回路20により演算処理され、図10(4)の光出力は、信号EF,EFの何れか一方の論理値が”1”のときに点灯状態となり、信号EF,EFの両方の論理値が”0”のときに消灯状態となる。
そして、E/O変換回路21から出力される光信号が光ファイバ22を介して監視装置108に伝送され、O/E変換回路23により光信号が電気信号に変換されて地絡故障が検知されることになる。
さて、この種の地絡検出器は様々な装置に用いられるが、一例として、図11に示すような電力変換装置201に使用される場合がある。この電力変換装置201は、一般的に直列多重インバータと呼ばれる装置であり、一次側が交流電源に接続された変圧器TRの二次側において、相ごとに直列多重接続された単相インバータU〜U,V〜V,W〜Wを介して負荷に電源電圧が供給されるように構成されている。なお、202は図9に示したような地絡検出器であり、電力変換装置201の中性点に一端が接続された接地線に接続されている。
ここで、電力変換装置201の負荷として交流電動機Mが接続される場合、電力変換装置201の出力周波数と出力電圧との関係は、交流電動機Mの定格周波数F及び定格電圧Vを基準として、図12に示すような比例関係として制御することが一般的に行われている。
この種の直列多重インバータにおいて、図11に示したように地絡検出器202を接続すると、地絡故障が発生した場合は地絡検出器202を介して接地点に電流が流れるので、この電流を監視することによって地絡故障を検出することができる。
上述したような直列多重インバータは、規模の大きいプラント等の設備に使用されることが多い。このような用途では、一部の単相インバータに故障が発生してもプラント設備全体の動作継続を優先させるために、故障状態のままで運転を継続することがあるが、地絡故障が発生した状態で運転を継続する場合には、電動機の運転制御や他の機器に対する影響をなくすために、接地線に流れる地絡電流は極力小さくする必要がある。
また、直列多重インバータは様々な場所に設置され、運転中も点検のために作業員が装置に近づく可能性があり、この際には作業員が接地線に直接触れることも想定される。このような状態で地絡故障が発生した場合にも人体に悪影響が及ばないように、接地線に流れる電流を十分小さくすることが不可欠となっている。
特開平6−313776号公報(段落[0012]〜[0020]、図2等)
接地線に流れる電流を小さくするには、接地線に直列に抵抗素子を接続して電流を制限する方法が一般的である。
しかし、図9に示した如く、接地線102に流れた電流を変流器CTを介して検出器本体104に供給する方式では、変流器CTを動作させるために比較的大きな電流が必要であり、これに加えて、E/O変換回路21を安定して動作させるためにも十分な大きさの電流を確保する必要がある。
このため、接地線102に直列に抵抗素子を接続して電流を制限してしまうと、変流器CTの動作やE/O変換回路21の動作が不安定になったり、場合によっては全く動作できなくなる恐れがある。
また、電動機を負荷とするインバータでは、出力周波数が低い領域で運転することがあり、この場合は直流に近い状態の電流が流れることがあるが、変流器は直流成分や低い周波数成分を含む電流を流すと偏磁現象が起き、最悪の場合は焼損が発生する。このため、図9のように変流器を用いた地絡検出器は使用できる周波数に制限を設ける必要があり、電動機のように低い周波数の運転領域を含むインバータに適用することが難しいという問題もあった。
そこで、本発明の解決課題は、接地線に流れる電流が小さい場合でも安定した動作を確保することができ、しかも、変流器を用いない動作原理によって低い周波数の運転領域を含むインバータ等の電力変換装置への適用も可能にした検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、前記電圧を整流する整流手段と、前記整流手段の出力電圧が基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する手段と、前記間欠信号を光信号に変換する手段と、を備え、前記接地線に地絡電流等の電流が流れたことを前記光信号により検出するものである。
請求項2に係る発明は、接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、前記電圧を整流する整流手段と、前記整流手段の出力電圧を安定化する電圧安定化手段と、前記電圧安定化手段の出力電圧が基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する手段と、前記間欠信号を光信号に変換する手段と、を備え、前記接地線に地絡電流等の電流が流れたことを前記光信号により検出するものである。
請求項3に係る発明は、接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、前記電圧を整流する整流手段と、前記整流手段の出力電圧を安定化する電圧安定化手段と、前記電圧安定化手段の出力電圧が第1の基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する手段と、前記整流手段の出力電圧が第2の基準電圧を超えた時に前記間欠信号を有効とする出力制御手段と、前記出力制御手段により有効とされた前記間欠信号を光信号に変換する手段と、を備え、前記接地線に地絡電流等の電流が流れたことを前記光信号により検出するものである。
請求項4に係る発明は、接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、前記電圧を整流する整流手段と、前記整流手段の出力電圧を安定化する電圧安定化手段と、前記電圧安定化手段の出力電圧が第1の基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する間欠信号発生手段と、前記整流手段の出力電圧の大きさに応じて前記間欠信号の周期を変化させる手段と、前記整流手段の出力電圧が第2の基準電圧を超えた時に前記間欠信号を有効とする出力制御手段と、前記出力制御手段により有効とされた前記間欠信号を光信号に変換する手段と、を備え、前記接地線に地絡電流等の電流が流れたことを前記光信号により検出するものである。
本発明によれば、接地線に流れる地絡電流を電圧に変換して間欠信号を生成し、この間欠信号を光信号に変換して地絡故障を検出するため、間欠的に点灯する光信号により消費電力を低減し、結果的に、地絡電流が小さい場合にも安定した地絡検出動作を行うことができる。また、変流器を使用せずに前述した偏磁の問題も生じないことから、低い周波数の運転領域を含むインバータに適用しても何ら支障はない。
更に、地絡電流をインピーダンス素子により微小な値に制限できるので、地絡発生時にも直列多重インバータ等の電力変換装置の継続的な運転が可能であると共に、仮に作業員が接地線に触れた場合にも人体への影響を最小限にすることができる。
総じて、信頼性が高く、地絡故障発生時にも安全かつ安定して電力変換装置を運転可能な低コストの検出装置を提供することができる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る検出装置としての地絡検出器の構成図であり、図9と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。
図1において、接地線102にはインピーダンス素子としての抵抗R,Rが直列接続されており、抵抗Rの両端には地絡検出器本体1の入力端子が接続されている。ここで、抵抗R,Rを適当な値に選定することにより、接地線102を流れる電流Iを任意の値に制限すると共に、抵抗Rの電圧降下により、検出器本体1の入力電圧Vinを任意の値に設定することができる。
なお、検出器本体1の入力端子には、図9と同様に定電圧ダイオードZD、整流回路111及び平滑コンデンサCが接続され、平滑コンデンサCの両端から電源電圧Vccを供給するように構成されている。
検出器本体1には、前記電源電圧Vccが供給される間欠信号発生回路16が設けられており、その出力信号は増幅器18を介してE/O変換回路21に入力されている。E/O変換回路21から出力される光信号は、前記同様に光ファイバ22を介して監視装置108内のO/E変換回路23に伝送されている。
この実施形態の動作を、図2,図3を参照しつつ説明する。
図1の構成において地絡故障が発生すると、図2(1)に示すように接地線102に電流Iが流れるが、このときの電流Iは抵抗R,Rによって大きさが制限された電流となる。
電流Iが流れることにより、抵抗Rの両端には検出器本体1に対する入力電圧Vinが発生し、接地線102から検出器本体1に電流Iが流れ込む。この状態で、電流Iは整流回路111により整流されてコンデンサCが充電され、図2(2)のように電源電圧Vccが上昇して最終的にはVg2で示すような一定値に到達する。
こうしてコンデンサCが充電される過程において、電源電圧Vccが図2(2)のVg1で示されるような回路動作に必要な基準電圧に達すると、図1の間欠信号発生回路16から、図2(3)のように周期Tで一時的に論理値が”1”となる間欠信号Sintが出力され、後段のE/O変換回路21に入力される。このE/O変換回路21は、間欠信号Sintの論理値が”1”のときに内部の発光素子が点灯状態となって光信号を出力し、この光信号が光ファイバ22を介して監視装置108に送られ、O/E変換回路23により電気信号に変換されることで地絡故障を検知することができる。
ここで、上記間欠信号Sintは、図3に示す如く、周期Tにおいて論理値”1”の周期Tが論理値”0”の周期Tより十分短いほど、消費電力の低減に効果的である。
以上のように構成することで、電流Iの周期と比べてE/O変換回路21が点灯する期間の合計を十分短くできるので、消費電力を低減することができ、結果として少ない電流Iにより回路を動作させて地絡故障を検出できるようになる。
なお、図2の波形図では電流Iを正弦波の交流電流として説明したが、本実施形態及び後述する各実施形態では何れも変流器を用いていないため、接地点に交流電流の実効値と同じ大きさの直流電流が流れれば動作可能である。
次に、図4は本発明の第2実施形態に係る地絡検出器の構成図である。
図4において、2は地絡検出器本体、12は平滑コンデンサCの両端に接続された電圧安定化回路(直流定電圧回路)であり、Cは電圧安定化回路12の出力側に接続された平滑コンデンサである。なお、他の構成は図1と同様である。
ここで、電圧安定化回路12は直流入力電圧を一定値に維持して出力するものであり、その内部構成は周知かつ様々であるため、詳細な説明を省略する。
図11に示したように、中性点と接地点との間の接地線に地絡検出器202を接続してなる直列多重インバータでは、地絡状態において接地線に流れる電流がインバータの出力電圧によって変化するので、結果として地絡検出器の入力電圧もインバータの出力電圧によって変化する。
このような場合、図1の第1実施形態では定電圧ダイオードZDによって整流回路111の入力電圧が一定値を超えないように保護するだけであるため、回路の電源電圧Vccが大きく変動することが考えられる。これに対して、図4に示す第2実施形態によれば、整流回路111の出力側に電圧安定化回路12を接続したことにより、入力電圧の変動の影響を取り除き、電源電圧Vccを一定に保つので、回路をより安定に動作させることができる。
上述したように、第1実施形態または第2実施形態では、変流器を使用することなく、地絡電流による電圧降下を入力電圧Vinとして検出器本体1または2に取り込むと共に、地絡故障時には、間欠信号によりE/O変換回路21から出力される光信号を間欠的に点灯させている。このため、変流器を用いることによる偏磁の問題が解消され、かつ消費電力の低減が可能であると共に、接地線102を流れる電流が小さい時にも安定した動作を実現することができる。
ここで、地絡検出器を構成する回路には汎用の電子部品が使用される。電子部品は部品ごとに使用できる電源電圧の範囲が決まっており、この範囲から外れると安定に動作できない。このような電源電圧は、一般的なTTL等のロジック部品の場合は、例えば5V±5%(4.75V〜5.25V)という狭い範囲であり、安定に動作させるためには電源電圧を精密に制御しなければならない。
しかし、前述した第1実施形態では、地絡検出器の中に電圧を安定化させる手段を持たないので電源電圧Vccを精密に制御することが難しく、このために一般の電子部品を使用することが難しい。
また、第2実施形態によれば、電源電圧Vccを安定化することは可能であるが、単に電源電圧Vccを基準電圧Vg1と比較して得た間欠信号Sintを光信号に変換する点では第1実施形態と同様である。このため、例えば電源電圧Vccが完全に安定するまでの間に一時的なノイズ等により電源電圧Vccが基準電圧Vg1を上回った場合にも間欠信号Sintが発生し、これに基づく光信号によって地絡故障を誤認するおそれがある。
上記の点に鑑み、本発明の第3実施形態は、地絡故障の検出精度を一層高めて安定した動作を可能にしたものである。
図5は、第3実施形態に係る地絡検出器の構成図であり、図1,図4と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。以下では、図1,図4と異なる部分を中心に説明する。
図5に示す地絡検出器本体3において、平滑コンデンサCの両端には、その電圧Vc1を検出する電圧検出回路31が接続されている。
また、間欠信号発生回路16から出力される第1の間欠信号Sint1は、平滑コンデンサCの電圧検出値Vc1及び第2の基準電圧Vg1と共に出力制御回路34に入力され、この出力制御回路34から出力される第2の間欠信号Sint2がE/O変換回路21に入力されている。なお、後述するように、間欠信号発生回路16において、第1の間欠信号Sint1を発生させるための基準電圧Vを第1の基準電圧というものとする。
この実施形態の動作を、図7を参照しつつ説明する。
図5の構成において地絡故障が発生すると、図7(1)に示す接地線102の電流Iに起因した整流回路111の出力電流により平滑コンデンサCが充電され、その電圧検出値Vc1は、図2(2)の電源電圧Vccと同様に図7(2)に示す如く増加していき、第2の基準電圧Vg1を経て最終的には一定値Vg2に到達する。
この間、電圧安定化回路12の出力である電源電圧Vccは、図7(3)に示すように、当初は電圧検出値Vc1と同様に増加するが、やがて第1の基準電圧Vに達すると、その後は、一定値である第1の基準電圧Vに維持される。なお、第1の基準電圧Vは第2の基準電圧Vg1より小さいことが望ましい。
間欠信号発生回路16は、電源電圧Vccが第1の基準電圧Vに達してから動作を開始し、図7(4)に示すように、図3と同様にT>Tである第1の間欠信号Sint1を出力する。
一方、出力制御回路34は、図7(2)に示すコンデンサCの電圧検出値Vc1を第2の基準電圧Vg1と比較し、Vc1>Vg1の時には “0(零)”を出力し、Vc1≦Vg1の時には第2の間欠信号Sint2として第1の間欠信号Sint1をそのまま出力する。つまり、Vc1≦Vg1の時に第1の間欠信号Sint1を有効とし、これを第2の間欠信号Sint2として出力する。図7(5)はこの第2の間欠信号Sint2を示している。
第2の間欠信号Sint2が入力されるE/O変換回路21以降の動作は、第1及び第2実施形態と同一である。
この実施形態においては、E/O変換回路21に入力される間欠信号として、第1,第2実施形態のように間欠信号発生回路16の出力信号をそのまま用いるのではなく、電圧検出回路31及び出力制御回路34を介在させることにより、電圧検出値Vc1と第2の基準電圧Vg1との大小関係に基づいて、零または第1の間欠信号Sint1が第2の間欠信号Sint2としてE/O変換回路21に入力される。
このため、図7(3)〜(5)から明らかなように、電源電圧Vccが安定した当初は第1の間欠信号Sint1が出力されても第2の間欠信号Sint2つまりE/O変換回路21の入力信号が零となり、電源電圧Vccが確実に安定した後の間欠信号だけを有効として地絡故障を検出することで、一層安定した検出動作を行わせることができる。
次に、図6は第4実施形態に係る地絡検出器の構成図である。図6に示す地絡検出器本体4において、17は電圧検出回路31からの電圧検出値Vc1が入力される間欠信号発生回路である。第1〜第3実施形態の間欠信号発生回路16が、電源電圧Vccの変化に応じ間欠信号として一定周期のパルス信号を発生するのに対し、第4実施形態の間欠信号発生回路17では、図8に示すように、入力される電圧検出値Vc1の大きさに対応して出力としての第1の間欠信号Sint1の周期が変化する点が異なっている。他の構成は図5の第4実施形態と同様であるため、説明を省略する。
前述したように、図11に示した直列多重インバータでは、地絡状態において接地線に流れる電流がインバータの出力電圧によって変化し、地絡検出器202の入力電圧もインバータの出力電圧によって変化する。このような場合、第1〜第3実施形態の地絡検出器は発振周期が常に一定であるため地絡電流の大きさを正確に知ることができない。
これに対して、第4実施形態の地絡検出器では、地絡電流を整流した出力から変換した電圧検出値Vc1の大きさによって間欠信号発生回路17からの第1の間欠信号Sint1の周期が変化するので、監視装置108側で第2の間欠信号Sint2の周期(第1の間欠信号Sint1の周期に等しい)を計測することによって地絡電流の大きさを正確に知ることができる。
このように地絡電流の大きさを知ることができれば、監視装置108側では装置の運転状態や故障発生の原因を正確に把握できるため、信頼性が向上するという効果がある。
本発明の第1実施形態に係る地絡検出器及び周辺回路の構成図である。 図1の動作を説明するための波形図である。 図2における間欠信号の時間軸を拡大した波形図である。 本発明の第2実施形態に係る地絡検出器及び周辺回路の構成図である。 本発明の第3実施形態に係る地絡検出器及び周辺回路の構成図である。 本発明の第4実施形態に係る地絡検出器及び周辺回路の構成図である。 図5の動作を説明するための波形図である。 図6の動作を説明するための波形図である。 従来技術を示す構成図である。 図9の動作を示す波形図である。 直列多重インバータの構成図である。 直列多重インバータの出力周波数と出力電圧との関係を示す図である。
符号の説明
1〜4 地絡検出器本体
12 電圧安定化回路
16,17 間欠信号発生回路
18 増幅器
21 E/O変換回路
22 光ファイバ
23 O/E変換回路
31 電圧検出回路
34 出力制御回路
102 接地線
108 監視装置
111 整流回路
CT〜CT 変流器
ZD 定電圧ダイオード
,C 平滑コンデンサ
地絡電流
地絡検出器本体の入力電流
in 地絡検出器本体の入力電圧
cc 電源電圧
,R 地絡電流の制限抵抗

Claims (4)

  1. 接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、
    前記電圧を整流する整流手段と、
    前記整流手段の出力電圧が基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する手段と、
    前記間欠信号を光信号に変換する手段と、
    を備え、
    前記接地線に電流が流れたことを前記光信号により検出することを特徴とする検出装置。
  2. 接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、
    前記電圧を整流する整流手段と、
    前記整流手段の出力電圧を安定化する電圧安定化手段と、
    前記電圧安定化手段の出力電圧が基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する手段と、
    前記間欠信号を光信号に変換する手段と、
    を備え、
    前記接地線に電流が流れたことを前記光信号により検出することを特徴とする検出装置。
  3. 接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、
    前記電圧を整流する整流手段と、
    前記整流手段の出力電圧を安定化する電圧安定化手段と、
    前記電圧安定化手段の出力電圧が第1の基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する手段と、
    前記整流手段の出力電圧が第2の基準電圧を超えた時に前記間欠信号を有効とする出力制御手段と、
    前記出力制御手段により有効とされた前記間欠信号を光信号に変換する手段と、
    を備え、
    前記接地線に電流が流れたことを前記光信号により検出することを特徴とする検出装置。
  4. 接地線に直列接続されたインピーダンス素子から電圧を検出する手段と、
    前記電圧を整流する整流手段と、
    前記整流手段の出力電圧を安定化する電圧安定化手段と、
    前記電圧安定化手段の出力電圧が第1の基準電圧を超えた時に間欠信号を発生する間欠信号発生手段と、
    前記整流手段の出力電圧の大きさに応じて前記間欠信号の周期を変化させる手段と、
    前記整流手段の出力電圧が第2の基準電圧を超えた時に前記間欠信号を有効とする出力制御手段と、
    前記出力制御手段により有効とされた前記間欠信号を光信号に変換する手段と、
    を備え、
    前記接地線に電流が流れたことを前記光信号により検出することを特徴とする検出装置。
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