JP4425648B2 - 地絡検出装置 - Google Patents

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Description

変電所,発電所や大規模プラントにおいては制御のために直流回路が用いられる。通常直流回路にはJEM1090(日本電機工業会規格1090)で定められた直流地絡過電圧継電器64D(直流地絡継電器という)が接続されている。本発明の同期整流のタイミングを自動的に設定する同期整流回路を有する地絡検出装置は,直流地絡が発生したときに,直流地絡継電器64Dに代わって直流回路に接続され,直流回路のN極とアース間に交流信号を生成させ,その交流信号から地絡抵抗に流れる漏れ電流を,変流器ZCTによって検出する直流電路地絡検出装置における,位相調整を自動で行う技術に関する。
従来の地絡検出装置は,図2に示したように信号の経路に参照経路と測定経路があり、参照経路はコンデンサの漏れ電流を検出する零相変流器を入力とするバンドパスフィルタの出力に波形成形回路を設けて参照矩形波を得,測定経路は測定用の零相変流器を入力とするバンドパスフィルタの出力を抵抗成分漏れ電流を測定するためのX軸同期整流回路に接続し,X軸同期整流の同期整流用矩形波として参照矩形波を接続し、理想的なコンデンサの漏れ電流を測定したとき,X軸同期整流の値が0になるように手動で位相調整しておく。該位相調整は図1に示した回路に設けられた半固定抵抗を用いて行う。動作モードには容量補正モードと地絡検出モードがあり,容量補正モードは地絡の無いときに動作させることができ,抵抗成分漏れ電流の値を記憶しておき,地絡検出モードは抵抗成分漏れ電流の測定値から、記憶しておいた抵抗成分漏れ電流を使って,不要な抵抗成分漏れ電流を取り除いて得た抵抗成分漏れ電流により地絡検出を行なうようにした地絡検出装置であった。また,他の例として特許文献1に示した抵抗値測定装置があった。これは電流検出信号と,位相調整手段によって、測定抵抗を介した電流検出信号の位相に一致させた参照信号とを乗算する乗算手段とを備え、この乗算手段の出力に基づき被測定抵抗の純抵抗分を測定する抵抗値測定装置であった。
特開平7−72192号
しかしながら,図2に示す従来の直流電路地絡検出装置は製造時に,人手により測定抵抗を介した電流検出信号と参照信号との位相を一致させる調整,即ち同期整流のタイミングの調整作業が必要で,人件費等がかさみ,コストアップするという問題があった。また使用部品の経年変化や温度特性に伴い,容量値が徐々に変化し位相が経時的にずれるため,一定期間後における装置の検査確認の際には,製造時と同じく測定抵抗を介した電流検出信号と参照信号との位相を一致させる必要が生じ,人手により装置を設置する現地での調整も必要になり,調整時間や手間に伴うコストが発生するという問題があった。
地絡がないときには本来地絡の抵抗分(R分)はゼロであるが,現地では回路条件の違いから参照経路と測定経路における入力信号の位相に差が生じ,位相差があるとコンデンサ成分の漏れ電流に加え抵抗成分の漏れ電流が観測される。また対地静電容量は理想的なコンデンサではなく,抵抗成分を直列に含んだ等価回路で表されるため,通常,抵抗成分の漏れ電流が観測される。このような抵抗成分漏れ電流は,地絡による漏れ電流ではないので,地絡検出の点では不要出力といえる。図3に位相ずれによる不要出力の例を示す。ICAがコンデンサ成分の漏れ電流であり,IRAがそれに伴う抵抗成分の漏れ電流,即ち不要出力である。
先の容量補正を行なえば,不要出力はキャンセルされるが,経時変化により,地絡発生時の不要出力が大きいと,地絡検出時において誤検出する可能性がある。例えば図3において,対地静電容量が倍になったとすると図3のIRAが倍になり,容量補正で予め記憶した値を差し引いても,IRAの抵抗成分漏れ電流を測定してしまい地絡があると判定する可能性がある。
また特開平7−72192の抵抗値測定装置の場合,位相調整は不要になるが,乗算器を必要とし,正弦波の作成が複雑であり,増幅器・位相調整手段,乗算手段などの出力電圧の零点の調整を必要とした。したがって回路構成が複雑で高価であり,なおかつ人手による調整が必要があった。
そこで本件の発明の目的とするところは,測定抵抗を介した電流検出信号と参照信号との位相差を自動的に調整するようにしながらも,安価な回路構成とし,しかも経時変化に伴う部品の容量値変化をも吸収して正確な地絡の抵抗成分の電流を測定できることを可能とした,自動的に同期整流のタイミングを調整する地絡検出装置を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するために,本発明の請求項1においては,参照経路と測定経路とを有

前記参照経路は,コンデンサの漏れ電流を検出する零相変流器と,
該零相変流器の出力信号を入力とする参照用バンドパスフィルタと,
該参照用バンドパスフィルタに接続される参照用波形成形回路とからなり,該参照用波形成形回路の出力により参照矩形波を得
前記測定経路は,測定用の零相変流器と,
該零相変流器の出力信号を入力とする測定用バンドパスフィルタと,
該測定用のバンドパスフィルタの出力を,測定用矩形波を作成するための測定用波形成形回路と
抵抗成分漏れ電流を測定するためのX軸同期整流回路と
コンデンサ成分漏れ電流を測定するためのY軸同期整流回路とに入力し,
これら参照用及び測定用波形成形回路と,X軸同期整流回路と,Y軸同期整流回路と接続されて演算を行う制御回路と,
該制御回路により前記参照矩形波から,該Y軸同期整流回路の同期整流のタイミングと,
それから90度遅れたX軸同期整流回路の同期整流のタイミングを変えることにより,自動的に設定する地絡検出装置において,
該地絡検出装置における動作モードには,地絡がない場合の待機モードと,装置の設置時もしくは電路における構成変更があった場合に行う容量補正モードと,地絡検出モードがあり,
待機モードの時は,参照用バンドパスフィルタと測定用バンドパスフィルタに校正信号発生装置から同一の校正信号を入力し,参照経路及び測定経路で得られる矩形波差,即ち参照矩形波の変化点から測定矩形波の変化点までの時間を測定し制御回路に記憶し,
容量補正モードの時は,初回のタイミング設定は,Y軸同期整流のタイミングを,参照矩形波の変化点に前記矩形波差を加えたタイミングとして設定し,
2回目以降,タイミング設定を変えて補正を行う条件として,抵抗成分漏れ電流のレベルが一定以上の場合,かつタイミング設定を変える回数が所定の回数以内の場合,かつタイミングとして設定する角度が抵抗成分漏れ電流の測定に支障のない角度である場合,の条件を設け,
これらの条件を満たさない場合には容量補正モードを終了するとともに,そのときの設定タイミングから初回のタイミング設定を引いたタイミング差の値と,抵抗成分漏れ電流の値を制御回路に記憶し,
地絡検出モードの時は,参照矩形波の変化点と矩形波差に,予め記憶しておいたタイミング差の値を加えて同期整流のタイミングとして測定を実施し,
得られた測定値から,記憶しておいた抵抗成分漏れ電流を減算し,不要な抵抗成分漏れ電流を取り除いて抵抗成分漏れ電流を得るよう地絡検出を行なうことを特徴とした地絡検出装置を提供したものである。
また請求項においては,
前記容量補正モードにおいて同期整流のタイミングを設定する際には,
抵抗成分の漏れ電流をIR,コンデンサ成分の漏れ電流をICとした場合に,
直近の設定タイミングに,ATAN(IR/IC)に相当する時間を加えて,演算することを特徴として請求項1記載の地絡検出装置を提供したものである。
以上のように本発明によれば,測定抵抗を介した電流検出信号と参照信号との位相差を自動的に調整するようにしながらも,安価な回路構成とし,しかも経時変化に伴う部品の容量値変化をも吸収して正確な地絡の抵抗成分の電流を測定できることを可能とした,自動的に同期整流のタイミングを調整する地絡検出装置を提供することができる。また,本発明により同期整流のタイミング調整,即ち位相調整が人手によらず自動的に行われ,装置を設置する現地での,経時的な位相ずれに伴う調整も不要で,正確に地絡抵抗を検出できる地絡検出装置が実現できる。
以下,本発明の実施の形態について,図面を用いて詳細に説明する。
図4は本件発明における自動的に同期整流のタイミングを調整する同期整流回路を有する地絡検出装置の実施例を示したものである。同期整流については特開平8−182179号を参照されたい。「同期整流のタイミング」とは,同期整流用矩形波の変化点を意味し,測定波形を,ゼロ電圧を軸にしてプラスマイナス逆に折り返すタイミングである。このタイミングを地絡電流の抵抗成分の波形におけるゼロクロス点になるよう設けると,時間積分した場合に,抵抗成分の値が得られ,コンデンサ成分は抵抗成分から位相が90度進んでいるために積分した場合に出力がキャンセルされ,地絡電流における抵抗成分だけを抽出することが可能である。即ち,後述するが,参照経路と,測定経路を経て得られるそれぞれの矩形波の位相差を予め求めておけば,その位相差を測定に加味して同期整流のタイミングを設けることで,装置部品に係る誤差を測定値からキャンセルすることができる。
1は電路における直流電源である。Pは直流回路の正極,Nは直流回路の負極である。ZCT(1)〜ZCT(n)は各々の電路に設けられた零相変流器である。2次側の部品は省略してある。REは地絡抵抗で,P極に地絡が発生した場合を示している。RP1,CP1はP極側の,RN1,CN1はN極側の対地静電容量であり,抵抗とコンデンサとの直列回路として等価される。
18は本発明の自動的に同期整流のタイミングを調整する同期整流回路を設けた直流電路地絡検出装置の例である。2は交流信号の生成回路である。アースとN極間に交流信号を生成する。17は低インピーダンスである。
CinP,CinNはそれぞれP極側およびN極側に接続されたコンデンサであり,参照経路に接続された零相変流器ZCTinにコンデンサ成分の漏れ電流を流す。零相変流器の2次側の部品は省略してある。
3はバンドパスフィルタであり,ZCTinからの出力が入力され正弦波を出力する。11はバンドパスフィルタに入力される信号の入力選択スイッチである。後述する待機モードにおいて利用する。4は参照経路の波形成形回路である。バンドパスフィルタ3から出力された正弦波が入力され,正弦波のゼロクロス点を変化点とする参照矩形波を発生させる。
15は該Qin1,Qin2,Qout1,Qout2等を含んで構成された制御回路であり,マイコンなどで実現できる。Qin2は参照矩形波の入力部である。5は測定経路のバンドパスフィルタであり,ZCT(1)・・ZCT(n)からの出力が入力され正弦波を出力する。この出力は後述する波形成形回路,X軸同期整流回路,Y軸同期整流回路に入力される。
12はバンドパスフィルタの入力選択スイッチであり,後述する待機モードにて利用する。6は測定経路の波形成形回路である。バンドパスフィルタ5から出力された正弦波が入力され,正弦波のゼロクロス点を変化点とする測定矩形波を発生させる。Qin1は測定矩形波の入力部である。
13はX軸同期整流回路であり,抵抗成分(R成分)漏れ電流IRを出力する。Qout1はX軸同期整流回路に入力される同期整流用矩形波の出力部である。14はY軸同期整流回路であり,コンデンサ成分(C成分)漏れ電流ICを出力する。Qout2はY軸同期整流回路に入力される同期整流用矩形波の出力部である。
16は校正信号発生部であり,待機モードのときに校正信号を出力し,入力選択スイッチを経て,参照経路と,測定経路のバンドパスフィルタに入力される。
バンドパスフィルタ3,5は,生成したアースN極間の交流信号のノイズ成分を取り除くために用いている。測定経路と参照経路それぞれに用いられるバンドパスフィルタの部品のバラツキにより,測定経路を経た入力信号の位相と参照経路を経た入力信号の位相とは異なる。
従来は,図1に例示するような位相調整回路で人手により位相がずれないよう合わせていたが,経年変化により,ずれが生じることは先に説明した通りである。
待機モードにおいては入力選択スイッチにより,測定経路及び参照経路のバンドパスフィルタ5,3に校正信号発生回路16が接続され,校正信号発生回路16から同一の校正信号を測定経路のバンドパスフィルタ5と参照経路のバンドパスフィルタ3に入力し,矩形波差すなわち参照矩形波から測定矩形波の変化点の差の時間を測定しておく。この矩形波差が,参照経路と測定経路における位相差となる。この位相差を制御回路に記憶しておく。
本装置においては直流地絡継電器64Dからの起動信号が入力されない場合,即ち通常時には常に待機モードで動作し,一定時間毎に前記位相差を測定し,その時々の最新の位相差を得ておく。
容量補正モードと地絡検出モードにおいては,入力選択スイッチ12,11により測定経路のバンドパスフィルタ5に測定用の零相変流器を接続し,参照経路のバンドパスフィルタ3には参照用の零相変流器ZCTinを接続する。
制御回路15では,待機モードにおいて予め測定して記憶しておいた最新の位相差即ち矩形波差を参照矩形波に加え,その変化点を,測定経路における電流を検出した変流器から出力される出力信号をバンドパスフィルタ5に入力して得られる正弦波を同期整流する際の同期整流のタイミングとして用いる。すなわち,参照経路の入力を測定経路の入力とした場合の測定経路の正弦波のゼロクロス点を変化点とする同期整流用矩形波が得られる。
そのため,位相差を加味して同期整流を行うことができるため,X軸同期整流回路13においては,コンデンサ成分をキャンセルすることができ,地絡電流における抵抗成分の地絡電流を得ることができる。したがって人手で位相を調整しなくとも正しい地絡電流の測定が行える。
対地静電容量は図4のRP1,CP1,RN1,CN1に例示するように,抵抗とコンデンサの直列接続である。本発明では容量補正モードのときに対地静電容量即ちコンデンサ成分の電流に位相を合せ,抵抗成分漏れ電流の値を極力小さくすることができる。そのため,対地静電容量の大きさが変化しても抵抗成分漏れ電流としては出力されなくなり,誤検出をなくすことができる。
なお,容量補正モードにおいては,初回に測定する同期整流のタイミングとして,参照矩形波の変化点に前記矩形波差を加えたタイミングを用いて演算し,
2回目以降,タイミング設定を変えて補正処理を行う条件として、まず,抵抗成分漏れ電流のレベルが一定以上の場合,即ちゼロから離れていて,ある一定の値以上の抵抗成分漏れ電流が得られる場合に処理を行い,かつタイミング設定を変える回数が所定の回数以内の場合に処理を行い,かつタイミングとして設定する角度が抵抗成分漏れ電流の測定に支障のない角度である場合に処理を行うという条件を設けており,これらの条件を満たさない場合には容量補正モードを終了するとともに,そのときの設定タイミングから初回のタイミング設定を引いたタイミング差の値と,そのときの抵抗成分漏れ電流の値を制御回路に記憶し,待機モードに入る。
図4のRP1,CP1,RN1,CN1に例示する対地静電容量はほとんどの場合コンデサ成分が主であるが,まれに抵抗成分に相当する負荷がある。そのような場合に位相を合せてしまうと,図5に示したように,位相差θがある場合には,IR成分がIR’で示すように,地絡が生じたときの本来測定すべき抵抗成分漏れ電流の値が小さくなり,その大きさによっては地絡検出ができなくなる場合がある。本発明においては同期整流のタイミング設定を変えて測定する条件の一つにタイミングとして設定する角度が抵抗成分漏れ電流の測定に支障のない角度であることを条件としているので,確実に抵抗成分漏れ電流を測定する事ができる。
次に,抵抗成分漏れ電流の測定に支障のない角度の例を述べる。抵抗成分漏れ電流IRの流れている零相変流器が,容量補正モードにおいて,理想的なコンデンサからδラジアンずれた対地静電容量のキャンセルがしてあるとすると,抵抗成分の漏れ電流の測定値はIR×cosδになる。δが90度に近い場合,抵抗成分漏れ電流の測定値は0に近くなり測定限界に達する程小さい場合には地絡検出ができなくなる。ここで,δの角度が30度までなら位相設定を行うというように角度に制限を設ければ,抵抗成分漏れ電流の値は一番小さくなる場合でも0.866×IRとなり,本来の抵抗成分漏れ電流の約85%の大きさが確保でき,支障なく地絡検出を行うことができる。
容量補正モードにおいて,交流信号の生成回路2によって生成する交流信号が,装置を設置する設備に固有のひずみを持つなどの影響で,X軸同期整流の出力の抵抗成分漏れ電流が0にならない場合があるが,その抵抗成分漏れ電流の値を制御回路に記憶しておき,地絡検出モードにおいて反映させるため,地絡検出モードのときに不要出力のキャンセルができる。また同期整流を行う際のタイミング設定を変えて測定する条件の一つに、抵抗成分漏れ電流の値がゼロから離れていることを入力に加味しているのでノイズに位相を合わせることがない。
電線の混蝕や電気的な回り込みがある場合,また電源分割がはっきりしていない場合などすなわち,ある経路のP極と,他の経路のN極の間に負荷があるような場合,さらにある経路のP極と他の経路のP極とを接続してしまう場合があり迷走電流が生じるため漏れ電流が大きく変動する。また,負荷電流が流れ地絡抵抗がゼロに近い状態(デッドアースという)場合,漏れ電流が大きく変動する。
しかしながら本発明では,タイミング設定を変えて測定する条件として、位相調整を行う回数すなわちタイミング設定を変える回数が所定の回数(最大繰り返し数)以内であることを入れているので,際限なくタイミング設定を行なうことがなくなる。
次に,容量補正モードにおいてタイミング設定する場合,どのようなタイミングを設定するかについて説明する。本発明では,直近の設定タイミングにATAN(IR/IC)に相当する時間を加えるようにしてある。そのときのIRとICのずれの大きさはATAN(IR/IC)で計算されるため,減衰曲線的にタイミングをプラス側マイナス側に加減しながら設定して計算を行う方法と比べて真の値に早く収束させられ,位相差を的確に求めることができ,次回のタイミング設定に的確に反映させることができる。
以上のように,本発明における地絡検出装置では乗算器を用いておらず,簡単な回路で構成でき,なおかつ調整を不要とすることができる。電子部品そのものは経年変化などにより,特性が変わり位相のずれが生じても,待機モードにおいて常にキャンセルすべき位相差を求めておくことで,正確な測定を行うことができる。即ち,経年変化における位相のずれと,温度変化における位相のずれといった2つの位相ずれの要因を吸収して測定を行うことができる。
なお,校正信号発生回路16から発生される校正信号は,矩形波でも,正弦波でも三角波でもよい。結果として波形成形回路の出力矩形波の変化点が明確に得られる波形であれば校正信号として利用することができる。低インピーダンス17はヒューズや配線抵抗やノイズ吸収部品などの低インピーダンス部品や必要な場合に追加する低抵抗の合計のインピーダンスであり,地絡抵抗REが0のときにも参照矩形波を発生させることができる。
なお,地絡検出装置においてはマイコンに入力する矩形波は精密に測定するとHigh−Lowのレベルの割合が,Highが50%,Lowが50%ではない場合がほとんどであるが,マイコンから制御出力する矩形波はマイコン内部で処理してHighが50%,Lowが50%のタイミングの設定をすることができるため,同期整流をうまく機能させることができることを書き添えておく。
本発明を用いることで回路の位相を自動的に調整することができるため,測定時に位相を調整する必要がある絶縁状態監視装置への応用も可能である。また,直流電路のみならず交流電路においての絶縁状態監視装置での応用も可能である。また,本発明における抵抗成分漏れ電流の出力を得るために同期整流の出力を用いているが,該同期整流の出力として,折り返した波形を生成信号の周期の整数倍時間積分した値を用いて測定を行い,出力値を増大させることでより正確な測定が行えるようになるという可能性がある。
従来の位相調整を示した図である。 従来の装置の例であり,直流電路地絡検出装置を示した図である。 位相ずれによって不要出力が生じている場合を示した図である。。 本発明における地絡検出装置を示した図である。 抵抗成分漏れ電流が小さくなる例を示した図である。
符号の説明
1 直流電源
2 交流信号の生成回路
3 参照用バンドパスフィルタ
4 参照用波形成形回路
5 測定用バンドパスフィルタ
6 測定用波形成形回路
7 従来の直流電路地絡検出装置
11 参照経路のバンドパスフィルタの入力選択スイッチ
12 測定経路のバンドパスフィルタの入力選択スイッチ
13 X軸同期整流回路
14 Y軸同期整流回路
15 制御回路
16 校正信号発生装置
17 低インピーダンス
18 直流電路地絡検出装置

Claims (2)

  1. 参照経路と測定経路とを有し
    前記参照経路は,コンデンサの漏れ電流を検出する零相変流器と,
    該零相変流器の出力信号を入力とする参照用バンドパスフィルタと,
    該参照用バンドパスフィルタに接続される参照用波形成形回路とからなり,該参照用波形
    成形回路の出力により参照矩形波を得
    前記測定経路は,測定用の零相変流器と,
    該零相変流器の出力信号を入力とする測定用バンドパスフィルタと,
    該測定用のバンドパスフィルタの出力を,測定用矩形波を作成するための測定用波形成形
    回路と
    抵抗成分漏れ電流を測定するためのX軸同期整流回路と
    コンデンサ成分漏れ電流を測定するためのY軸同期整流回路とに入力し,
    これら参照用及び測定用波形成形回路と,X軸同期整流回路と,Y軸同期整流回路と接続
    されて演算を行う制御回路と,
    該制御回路により前記参照矩形波から,該Y軸同期整流回路の同期整流のタイミングと,
    それから90度遅れたX軸同期整流回路の同期整流のタイミングを変えることにより,自動的に設定する地絡検出装置において,
    該地絡検出装置における動作モードには,地絡がない場合の待機モードと,装置の設置時もしくは電路における構成変更があった場合に行う容量補正モードと,地絡検出モードがあり,
    待機モードの時は,参照用バンドパスフィルタと測定用バンドパスフィルタに校正信号発生装置から同一の校正信号を入力し,参照経路及び測定経路で得られる矩形波差,即ち参照矩形波の変化点から測定矩形波の変化点までの時間を測定し制御回路に記憶し,
    容量補正モードの時は,初回のタイミング設定は,Y軸同期整流のタイミングを,参照矩形波の変化点に前記矩形波差を加えたタイミングとして設定し,
    2回目以降,タイミング設定を変えて補正を行う条件として,抵抗成分漏れ電流のレベルが一定以上の場合,かつタイミング設定を変える回数が所定の回数以内の場合,かつタイミングとして設定する角度が抵抗成分漏れ電流の測定に支障のない角度である場合,の条件を設け,
    これらの条件を満たさない場合には容量補正モードを終了するとともに,そのときの設定タイミングから初回のタイミング設定を引いたタイミング差の値と,抵抗成分漏れ電流の値を制御回路に記憶し,
    地絡検出モードの時は,参照矩形波の変化点と矩形波差に,予め記憶しておいたタイミング差の値を加えて同期整流のタイミングとして測定を実施し,
    得られた測定値から,記憶しておいた抵抗成分漏れ電流を減算し,不要な抵抗成分漏れ電流を取り除いて抵抗成分漏れ電流を得るよう地絡検出を行なうことを特徴とした地絡検出装置。
  2. 前記容量補正モードにおいて同期整流のタイミングを設定する際には,
    抵抗成分の漏れ電流をIR,コンデンサ成分の漏れ電流をICとした場合に,
    直近の設定タイミングに,ATAN(IR/IC)に相当する時間を加えて,演算することを特徴とした請求項1記載の地絡検出装置。

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