JP2009302321A - コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドラムコアと板状コアとを貼り合わせた構造を有するコイル部品において、ドラムコアと板状コアとの接触面に接着剤が介在することを抑制し、これにより安定した高いインダクタンス値を得ることが可能なコイル部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】巻芯部と巻芯部の両端に鍔部11b,11bを有するドラムコア11と、巻芯部に巻回された巻線13と、鍔部11b,11bの上面と面接触する板状コア12とを備え、鍔部11b,11b及び板状コア12の各接触面の少なくとも一方に少なくとも1つの溝15が設けられ、鍔部11b,11b及び板状コア12の各接触面の溝15を除く領域はいずれも鏡面であり、溝15に接着剤が充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明はコイル部品及びその製造方法に関し、特にドラムコアと板状コアとを組み合わせた構造を有するパルストランスやコモンモードチョークコイル等のコイル部品及びその製造方法に関する。
従来のドラムコアタイプのコイル部品は、例えば特許文献1に示されているように、巻線が施された巻芯の両端にフランジを有するドラムコアと、両端がフランジに固着されてドラムコアとの間で閉磁路を構成する板状コアとを備えて構成されている。ドラムコアの両端のフランジには、その上面、端面、下面に渡って連続する複数の電極が設けられ、巻線の端末が電極の上面に接続されている。また、板状コアのフランジと対向する面には、複数の電極に対応して凹部が形成されている。そして、接着剤を板状コアの凹部に塗布した後、接着剤が凹部とフランジ上面の巻線端末との間に充填されるように挟まれ、その後、硬化される。
このように、特許文献1によれば、巻線端末を丸線の状態で固定することができるため、小型で比較的大電流のコモンモードフィルタが提供できる。
特開2001−93756号公報
しかしながら、上記構成のドラムコアタイプのコイル部品では、ドラムコアと板状コアとの接触面に接着剤が入り込むおそれがある。すなわち、接着剤を板状コアの凹部に塗布した後に、フランジ上面と接触させていることから、凹部とフランジ上面とによってできた隙間部以外の部分にも接着剤が入り込む可能性が高い。このように、ドラムコアのフランジと板状コアとの隙間部以外の界面にまで接着剤が入り込んでしまうと、磁気ギャップが形成され、インダクタンス値が下がってしまうか、あるいは、インダクタンス値がばらついてしまうおそれが生じる。特に高いインダクタンス値を必要とするパルストランスにおいては、重要な問題となる。
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであって、ドラムコアと板状コアとの接触面に接着剤が介在することを抑制し、これにより安定した高いインダクタンス値を得ることが可能なコイル部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるコイル部品は、巻芯部と当該巻芯部の両端に鍔部を有するドラムコアと、巻芯部に巻回された巻線と、鍔部の上面と面接触する板状コアとを備え、鍔部及び板状コアの各接触面の少なくとも一方に少なくとも1つの溝が設けられ、鍔部及び板状コアの各接触面の溝を除く領域はいずれも鏡面であり、溝に接着剤が充填されていることを特徴とする。
本発明のコイル部品によれば、鍔部及び板状コアの各接触面の溝を除く領域がいずれも鏡面であり、溝に充填される接着剤は鏡面同士の接触である鍔部と板状コアとの界面には介在することがない。したがって、磁気ギャップは形成されず、インダクタンス値の低下やばらつきを防止することができる。なお、本発明においては「鏡面」とは、接触面以外の部分よりも面粗度が小さい面をいう。
本発明のコイル部品において、溝の深さは0.1mm以下であることが好ましい。これにより、高い接着強度を得ることができる。
本発明のコイル部品において、溝の少なくとも1つは、溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されていることが好ましい。かかる構成によれば、接着剤の進入具合を目視により確認することができる。また、側面が完全に閉じた別の溝についても接着剤の進入具合の予測が可能となる。
本発明のコイル部品において、溝は鍔部の短辺方向に延在するように鍔部に複数設けられていることが好ましい。鍔部の長辺方向に溝を形成した場合、溝の片側の開口部から接着剤を塗布しても反対側まで接着剤を到達させるのが困難な場合が生じる。これに対し、鍔部の短辺方向に溝を形成すれば、溝の開口部の片側のみから接着剤を塗布するだけで、接着剤を溝の奥まで進入させることができる。これにより溝の長さが短くなっても、溝を複数設けることにより、接着面積を確保することが可能となる。
本発明のコイル部品は、外底面に端子電極が形成された樹脂カバーをさらに備え、ドラムコアは樹脂カバー内に収納され、巻線はドラムコアの巻芯部の側面及び底面においては樹脂カバーの巻芯部を介して巻回され、ドラムコアの巻芯部の上面においてはドラムコアの巻芯部上に直接巻回され且つその端部が端子電極に接続されていることが好ましい。かかる構成によれば、ドラムコアの底面と樹脂カバーの内底面との間に接着剤を設けることなく、樹脂カバーとドラムコアとを固定することができる。また、巻線の端部が樹脂カバーの外底面に設けられた端子電極に接続されていることから、ドラムコアの鍔部上に巻線を配置する必要がなくなることから、巻線の太さと関係なく溝の深さを設定することができ、これにより、高い接着強度を得ることができる。
また、本発明によるコイル部品の製造方法は、巻芯部と巻芯部の両端に鍔部を有するドラムコア及び板状コアを用意する工程と、鍔部の上面及び板状コアの裏面を鏡面加工する工程と、ドラムコアの巻芯部に巻線を巻回する工程と、ドラムコアの鍔部の鏡面と板状コアの鏡面とが接触するようにドラムコアと板状コアとを組み合わせる工程と、ドラムコアの鍔部の上面又は板状コアの裏面の少なくとも一方に設けられた少なくとも一つの溝に毛細管現象により接着剤を充填する工程と、接着剤を硬化させる工程とを含むことを特徴とする
本発明のコイル部品の製造方法によれば、鍔部及び板状コアの各接触面が鏡面加工されることから、溝に毛管現象により接着剤を充填する際、鏡面同士の接触である鍔部と板状コアとの界面には接着剤は入り込んでいくことがない。したがって、鍔部と板状コアとの界面に磁気ギャップが形成されることを抑止でき、これにより、インダクタンス値の低下やばらつきを防止することが可能となる。
本発明のコイル部品の製造方法において、溝の深さは0.1mm以下であることが好ましい。これにより、高い接着強度を得ることができる。
本発明のコイル部品の製造方法において、溝の少なくとも1つは、溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されていることが好ましい。これによれば、接着材を充填する際、接着剤の進入具合を目視により確認することができる。また、側面が完全に閉じた別の溝についても、側面が開放された溝への接着剤の進入具合から接着剤の進入具合の予測が可能となる。
本発明のコイル部品の製造方法において、鍔部の短辺方向に延在するように鍔部に溝を複数設けることが好ましい。鍔部の長辺方向に溝を形成した場合に比べて、鍔部の短辺方向に溝を形成すれば、溝の開口部の片側のみから接着剤を塗布するだけで、接着剤を溝の奥まで進入させることができる。また、溝の長さが短くなっても、溝を複数設けることにより、接着面積を確保することが可能となる。
本発明のコイル部品の製造方法において、外底面に端子電極が形成された樹脂カバー内にドラムコアを収納する工程と、樹脂カバー上に巻線をドラムコアの巻芯部の側面及び底面においては樹脂カバーの巻芯部を介して巻回し、ドラムコアの巻芯部の上面においてはドラムコアの巻芯部上に直接巻回すると共にその端部を端子電極に接続する工程とをさらに含むことが好ましい。これにより、ドラムコアの底面と樹脂カバーの内底面との間に接着剤を設けることなく、樹脂カバーとドラムコアとを固定することができる。また、巻線の端部が樹脂カバーの外底面に設けられた端子電極に接続されていることから、ドラムコアの鍔部上に巻線を配置する必要がなくなることから、巻線の太さと関係なく溝の深さを設定することができ、これにより、高い接着強度を得ることができる。
本発明によれば、ドラムコアの鍔部及び板状コアの各接触面をいずれも鏡面とし、各接触面の少なくともいずれかに溝を設け、ここに接着剤を充填することにより、鏡面同士の接触である鍔部と板状コアとの界面に接着剤が介在することを抑制することができる。したがって、ドラムコアの鍔部と板状コアの界面に磁気ギャップは形成されず、インダクタンス値の低下やばらつきを防止することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるドラムコアタイプのコイル部品10の外観構造を示す略斜視図であり、(a)は表側から見た外観構造を示し、(b)は裏側から見た外観構造を示している。図2は、コイル部品10の略分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態によるコイル部品10は、ドラムコア11と、ドラムコア11の上部に設けられた板状コア12と、ドラムコア11に巻回された巻線13と、ドラムコア11を収容する樹脂カバー14とを含んで構成されている。ドラムコア11は、巻芯部11aと、巻芯部11aの両端に形成された鍔部11b,11bを有し、巻線13はドラムコア11の巻芯部11aに巻回されている。
ドラムコア11及び板状コア12は、比較的透磁率の高い磁性材料、例えばMn−Zn系フェライトの焼結体によって作られている。なお、Mn−Zn系フェライトなどの透磁率の高い磁性材料は、固有抵抗が低く導電性を有しているのが通常である。一方、樹脂カバー14はポリイミド樹脂などの非磁性絶縁性樹脂によって作られている。
板状コア12は、ドラムコア11の鍔部11b,11bを跨ぐようにして、板状コアの裏面(接触面)12sの両端部が鍔部11b,11bの上面(接触面)11s,11sと面接触している。
ここで、ドラムコア11の鍔部11b,11bと板状コア12とを密着させるために、これらに持たせた特徴的な構成について説明する。
ドラムコア11の鍔部11b,11bの上面11s,11sには、図2に示すように、それぞれ複数の溝15c,15eが形成されている。溝15c,15eは、鍔部11b,11bの短辺方向に延在しており、鍔部11b,11bそれぞれに3本ずつ設けられている。複数の溝のうち、鍔部11b,11bの略中央部に形成された溝15cは、溝15cの長手方向と平行な両側面が塞がれた状態となっている。これに対し、鍔部11b,11bの両端部に形成された溝15eは、その長手方向と平行な一方の側面が開放された形状となっている。
そして、図1(a)に示すように、ドラムコア11の鍔部11b,11bと板状コア12とは、樹脂カバー14の開放部を介して面接触している。ドラムコア11の鍔部11b,11bの接触面11s,11s及び板状コア12の接触面12sはいずれも鏡面研磨加工処理(鏡面加工)が施され、接触面以外の部分(溝15c,15e内表面等)に比べて平滑になっている。こうすることにより、ドラムコア11と板状コア12の密着性がよくなり、接触面で生じ得る磁気ギャップをほとんどなくすことが可能となっている。
図3は、鍔部11b,11bと板状コア12とを接着するための構成の説明図であり、図1に示した領域Xの拡大図である。同図には2つの鍔部11b,11bのうち一方の鍔部11bの接触面付近のみを示しているが、もう一方の鍔部11b側についても同様である。
上述のとおり、鍔部11b側の接触面11sと板状コア12側の接触面12sはいずれも鏡面加工されているので、互いに密着しており、間に接着剤の入る余地が少ない。そこで、接触面11sには溝15c,15eが刻まれている。そして、その中に接着剤16としてエポキシ樹脂が充填されている。この溝15c,15e内に充填された接着剤16により、コア同士を確実に固着させることが可能となっている。なお、接触面11s及び12sの表面は、上述のとおり、接触面以外の部分に比べて平滑になっており、その表面粗さは、接着剤であるエポキシ樹脂に含まれるフィラーの平均粒径よりも小さいことが好ましい。具体的には、上記各接触面の表面粗さRaを1μm以下とするのが好適である。
この接着はエポキシ樹脂の毛細管現象を利用するものである。エポキシ樹脂は薄いほど強度が強いので、溝15c,15eの深さHを可能な限り浅くすることが好ましい。図4は、溝の深さHと接着強度との関係を示している。図4からわかるように、溝の深さHが0.1mmよりも深くなると、急激に接着強度が低下する。したがって、溝15c,15eの深さHは、0.1mm程度が好ましい。また、溝の数や幅は必要最低限とすることが好ましい。具体的な例を挙げると、接触面の幅L1=2.7mmである場合、中央と両端部の3箇所に溝を設け、中央の溝の幅L2=0.3mm、両端部の溝の幅L3=0.2mm、とすることが好ましい。
なお、ここでは鍔部11b,11b側の接触面11s,11sに溝を作る例を説明したが、図5に示すように、板状コア12側の接触面12sに溝15c,15eを作ってもよいし、図6に示すように、接触面11s,11s及び接触面12sの両方に溝を作っても構わない。なお、図5及び6においても、図3と同様、鍔部11bの接触面付近を示しているがもう一方の鍔部11b側についても同じ構成となっている。
また、溝の数については、接着強度によって、数を多くしても少なくしても構わない。接着強度が十分にとれる場合は、例えば図7に示すように、接触面11s,11s(あるいは12s)の中央1箇所のみに溝15cを設けるようにしてもよい。しかしながら、溝15cを接触面の中央のみに設けた場合、接着剤16が溝15cの奥まで到達しているかを判断することは難しい。そこで、形成する溝のうち、少なくとも1つは、溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されるように配置するのが好ましい。すなわち、図3、図5及び図6に示すように、3つの溝のうち少なくとも1つの溝15eを端部に配置することにより、図における左右の隙間から、接着剤16の進入具合を目視により確認することができる。また、両端の溝15e内の接着剤の様子から、側面が完全に閉じた中央の溝15cについても、接着剤の進入具合を予測することが可能となる。
次に、樹脂カバー14の詳細につき図1及び図2、ならびに図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、図1に示すコイル部品10のA−A'線断面図及びB−B'線断面図をそれぞれ示している。
図1及び図2に示すように、樹脂カバー14は、その外底面に複数の端子電極14tを備えている。さらに、樹脂カバー14は、中央に巻芯部14aを備えており、その両端には鍔部14b,14bが設けられている。樹脂カバー14はドラムコア11よりも一回り大きく、ドラムコア11を収納可能に構成されている。図1には、ドラムコア11を樹脂カバー14内に収納した状態を示している。同図に示すように、収納状態でもドラムコア11の鍔部11b,11bの一部は樹脂カバー14上に露出している。これは、鍔部11b,11bの高さが樹脂カバー14の鍔部14b,14bの内側の高さ(深さ)よりも高いためである。これに対し、巻芯部11aの高さは、図8に示すように、巻芯部14aの内側の高さよりも低く、したがって巻芯部11aは巻芯部14a内に完全に収納されている。
ドラムコア11の巻芯部11aには、樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻線13が巻回されている。巻線13は、図8に示すように直接的には樹脂カバー14上に巻回され、巻芯部11aとは直接接触しないようになっている。そして、巻線13の端部13eは、図1(b)に示すように、それぞれ端子電極14tに接続されている。
巻線13としては、被覆されてはいないものの表面に酸化絶縁膜を有する導線を用いることも可能である。このような導線は、導線同士が接触しても導通することはないが、導電性のドラムコア11と接触すると導通してしまう場合がある。このような導通は好ましくないが、本実施形態では、図8に示すように、ドラムコア11と巻線13とが直接接触することはないので、このような導通の発生を避けることができる。なお、図9に示すように、ドラムコア11と樹脂カバー14とは、ドラムコア11の鍔部11b(11b)の底面11uと樹脂カバー14の鍔部14b(14b)の内底面14uとを接着剤17にて接着することにより固着されている。
このように、樹脂カバー14を用いていることから、ドラムコア11の底面に端子電極を形成する必要はなく、そのためにドラムコア11を絶縁コーティングする必要もない。また、巻線13の端部13eが樹脂カバー14の外底面に設けられた端子電極14tに接続されていることから、上述の背景技術に記載したコイル部品のように、ドラムコア11の鍔部11b,11bの上側に巻線13(の端部13e)を配置する必要がない。したがって、巻線13の太さと関係なく溝15c,15eの深さを設定することができる。すなわち、溝15c,15eの深さを上述のように0.1mm程度と浅くすることができ、これにより、高い接着強度を得ることができる。
図10は、図1に示したコイル部品10の変形例であって、図1のA−A'線に沿った略断面図である。
図10に示すように、ドラムコア11の巻芯部11aの底面11uは、樹脂カバー14の巻芯部14aの内底面14uと直接接している。また、ドラムコア11の巻芯部11aの高さは、樹脂カバー14の巻芯部14aの内側の高さ(深さ)よりも少し高く構成されている。そして、本例では、被覆された巻線13cがドラムコア11の巻芯部11aの側面及び底面においては樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻回され、巻芯部11aの上面においては巻芯部11a上に直接巻回されている。このような構成により、ドラムコア11の底面11u(鍔部11b,11bの底面も含む)と樹脂カバー14の内底面14u(鍔部14b,14bの内底面も含む)との間に接着剤を設けることなく、樹脂カバー14とドラムコア11とを固定することが可能となる。
次に、本発明の好ましい実施形態によるドラムコアタイプのコイル部品10の製造方法につき説明する。
図11は、本発明の好ましい実施形態によるドラムコアタイプのコイル部品10の製造方法を示すフローチャートである。
まず、鍔部11b,11b上面に溝15c,15eが形成されたドラムコア11及び板状コア12を用意する(ステップS1)。次に、ドラムコア11の鍔部11b,11bの上面を鏡面加工(鏡面研磨加工処理)する(ステップS2)。続いて、板状コア12の裏面を鏡面加工する(ステップS3)。
次に、樹脂カバー14にドラムコア11を収納する(ステップS4)。次に、樹脂カバー14の巻芯部14aを介してドラムコア11の巻芯部11aに巻線13を巻回し、巻線13の端部13eを各接続端子14tに接続する(ステップS5)。
その後、板状コア12をドラムコア11の鍔部11b,11b上に載置し、図12に示すように、板上部20aとバネ部20bとからなる押圧治具20により、板状コア12をドラムコア11側に押圧し、板状コア12とドラムコア11とを組み合わせる(ステップS6)。続いて、押圧治具20により、板状コア12をドラムコア11側へ押圧したままの状態で、溝15c及び15eと板状コア12との間にできる開口部に、ディスペンサーを用いて接着剤(エポキシ樹脂)16を塗布する。これにより、図13に示すように、塗布された接着剤16が毛細管現象によって溝15c,15e内に充填される(ステップS7)。このとき、ドラムコア11の鍔部11b,11bと板状コア12の各接触面が鏡面加工されていることから、鏡面同士の接触である鍔部11b,11bと板状コア12との界面には接着剤16は入り込んでいくことがない。したがって、鍔部11b,11bと板状コア12との界面に磁気ギャップが形成されることを抑止することができる。
また、両側の2つの溝15e,15eは、図12に示すように、その長手方向と平行な一方の側面15esがそれぞれ開放されている。このような構成としていることにより、接着剤16が毛細管現象によって溝15e内に進入していく様子を側面15esから目視により確認することが可能となる。側面が完全に閉じた中央の溝15cについては、接着剤16の進入具合を目視することは困難であるが、両端の溝15e内の様子から、接着剤16の進入具合を予測することができる。
次に、接着剤16を加熱により硬化させる(ステップS8)。これにより、図1に示すコイル部品10が完成する。
このように、本実施形態によれば、ドラムコアの鍔部及び板状コアの各接触面をいずれも鏡面とし、ドラムコアの接触面に溝を設け、ここに接着剤を充填することにより、鏡面同士の接触である鍔部と板状コアとの界面に接着剤が介在することを抑制することができる。したがって、ドラムコアの鍔部と板状コアの界面に磁気ギャップの形成が抑制され、インダクタンス値の低下やばらつきを防止することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、板状コア12とドラムコア11とを組み合わせる際、板状コア12をドラムコア11側に押圧するようにしたが、反対に、ドラムコア11を板状コア12側に押圧するようにしてもよい。
本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の外観構造を示す略斜視図であり、(a)は表側から見た外観構造を示し、(b)は裏側から見た外観構造を示している。 本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の略分解斜視図である。 本発明の好ましい実施形態による鍔部11b,11bと板状コア12とを接着するための構成の説明図であり、図1に示した領域Xの拡大図である。 溝の深さと接着強度との関係を示すグラフである。 本発明の好ましい実施形態による鍔部11b,11bと板状コア12とを接着するための構成の変形例の説明図である。 本発明の好ましい実施形態による鍔部11b,11bと板状コア12とを接着するための構成のさらに別の変形例の説明図である。 本発明の好ましい実施形態による鍔部11b,11bと板状コア12とを接着するための構成のさらにまた別の変形例の説明図である。 本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の図1のA−A'線断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の図1のB−B'線断面図である。 コイル部品10の図1のA−A'線断面図の変形例の説明図である。 本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の製造方法におけるステップS7を説明するための模式図である。 本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の製造方法におけるステップS8を説明するための模式図である。
符号の説明
10 コイル部品
11 ドラムコア
11a 巻芯部
11b,11b ドラムコア11の鍔部
11s,11s ドラムコア11の接触面
12 板状コア
12s 板状コア12の接着面
13 巻線
13e 巻線端部
14 樹脂カバー
14a 樹脂カバー14の巻芯部
14b(14b,14b) 樹脂カバー14の鍔部
14t 端子電極
15c,15e,15 溝
15es 溝15eの側面
16,17 接着剤
20 押圧治具
20a 押圧治具20の板上部
20b 押圧治具20のバネ部

Claims (10)

  1. 巻芯部と前記巻芯部の両端に鍔部を有するドラムコアと、
    前記巻芯部に巻回された巻線と、
    前記鍔部の上面と面接触する板状コアとを備え、
    前記鍔部及び前記板状コアの各接触面の少なくとも一方に少なくとも1つの溝が設けられ、
    前記鍔部及び前記板状コアの前記各接触面の前記溝を除く領域はいずれも鏡面であり、
    前記溝に接着剤が充填されていることを特徴とするコイル部品。
  2. 前記溝の深さは0.1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記溝の少なくとも1つは、前記溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記溝は前記鍔部の短辺方向に延在するように前記鍔部に複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載コイル部品。
  5. 外底面に端子電極が形成された樹脂カバーをさらに備え、
    前記ドラムコアは前記樹脂カバー内に収納され、
    前記巻線は前記ドラムコアの前記巻芯部の側面及び底面においては前記樹脂カバーの巻芯部を介して巻回され、前記ドラムコアの前記巻芯部の上面においては前記ドラムコアの前記巻芯部上に直接巻回され且つその端部が前記端子電極に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載コイル部品。
  6. 巻芯部と前記巻芯部の両端に鍔部を有するドラムコア及び板状コアを用意する工程と、
    前記鍔部の上面及び前記板状コアの裏面を鏡面加工する工程と、
    前記ドラムコアの前記巻芯部に巻線を巻回する工程と、
    前記ドラムコアの前記鍔部の前記鏡面と前記板状コアの前記鏡面とが接触するように前記ドラムコアと前記板状コアとを組み合わせる工程と、
    前記ドラムコアの前記鍔部の上面又は前記板状コアの裏面の少なくとも一方に設けられた少なくとも一つの溝に毛細管現象により接着剤を充填する工程と、
    前記接着剤を硬化させる工程とを含むことを特徴とするコイル部品の製造方法。
  7. 前記溝の深さは0.1mm以下であることを特徴とする請求項6に記載のコイル部品の製造方法。
  8. 前記溝の少なくとも1つは、前記溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のコイル部品の製造方法。
  9. 前記鍔部の短辺方向に延在するように前記鍔部に前記溝を複数設けることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載コイル部品の製造方法。
  10. 外底面に端子電極が形成された樹脂カバー内に前記ドラムコアを収納する工程と、
    前記樹脂カバー上に前記巻線を前記ドラムコアの前記巻芯部の側面及び底面においては前記樹脂カバーの巻芯部を介して巻回し、前記ドラムコアの前記巻芯部の上面においては前記ドラムコアの前記巻芯部上に直接巻回すると共にその端部を前記端子電極に接続する工程とをさらに含むことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載コイル部品の製造方法。
JP2008155538A 2008-06-13 2008-06-13 コイル部品及びその製造方法 Withdrawn JP2009302321A (ja)

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