JP2009300375A - 電磁流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールド付きのリード線を外部へ引き出す際の内部空間の気密性を容易に確保する。
【解決手段】パッキング16の貫通路16−1〜16−4に位置するリード線12−1’〜12−4’のシールドS1〜S4の部分にチューブT1〜T4を装着する。チューブT1〜T4とシールドS1〜S4との間に接着剤を流し込んで接合する。これにより、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面とリード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の外周面との間が密着により、リード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の内周面とシールドS1〜S4との間が接着剤(シールドS1〜S4のメッシュの隙間に浸透し硬化した接着剤)により、気密が保たれる。
【選択図】 図1
【解決手段】パッキング16の貫通路16−1〜16−4に位置するリード線12−1’〜12−4’のシールドS1〜S4の部分にチューブT1〜T4を装着する。チューブT1〜T4とシールドS1〜S4との間に接着剤を流し込んで接合する。これにより、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面とリード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の外周面との間が密着により、リード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の内周面とシールドS1〜S4との間が接着剤(シールドS1〜S4のメッシュの隙間に浸透し硬化した接着剤)により、気密が保たれる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、導電性を有する流体の流量を測定する電磁流量計に関するものである。
図2は一般的に使用されている電磁流量計の要部を示すブロック図である。同図において、1は測定管、2は測定管1内を流れる流体の流れ方向に対してその磁界の発生方向を垂直として配置された励磁コイル、3は励磁コイル2へ矩形状の励磁電流を周期的に供給する励磁回路、4a,4bは励磁コイル2の発生磁界と直交して測定管1内に対向して配置された検出電極(以下、単に電極という)、5はアースリング、6は電極4a,4b間に得られる信号起電力を検出する初段増幅回路、7は初段増幅回路6が検出する信号起電力を周期的に励磁電流の流れ方向が切り換わる直前で保持し、この保持した信号起電力をアナログ流量信号とするサンプルホールド回路、8はサンプルホールド回路7からのアナログ流量信号をデジタル流量信号に変換するA/D変換器、9はCPU、10はD/A変換器である。
この電磁流量計100において、励磁回路3は、励磁コイル2へ励磁電流を周期的に供給し、測定管1内に交流磁界を発生させる。これにより、電極4a,4b間に測定管1を流れる流体の流速と磁界との相互作用により信号起電力が生じ、この信号起電力が初段増幅回路6を介してサンプルホールド回路7へ与えられる。なお、サンプルホールド回路7へ与えられる信号起電力eは、kを定数、Dを測定管1の内径、vを流体の平均流速、Bを発生磁束密度とした時、e=k・B・v・Dとして表される。
初段増幅回路6からの信号起電力eは、周期的に励磁電流の流れ方向が切り換わる直前でサンプルホールド回路7にて保持され、この保持された信号起電力eがアナログ流量信号とされる。そして、このサンプルホールド回路7からのアナログ流量信号がA/D変換器8へ与えられ、CPU9からの指令に基づくサンプリング周期でデジタル流量信号に変換され、CPU9へ取り込まれる。CPU9は、このA/D変換器8からのデジタル流量信号より計測値を0〜100%値として求め、その求めた計測値に応じたアナログ信号(4〜20mA範囲の電流信号)をD/A変換器10を介して出力する。
この電磁流量計100の構成において、励磁回路3、初段増幅回路6、サンプルホールド回路7、A/D変換器8、CPU9、D/A変換器10などの電気回路は基板11に搭載され、この基板11と励磁コイル2や電極4a,4bとはリード線群12(リード線12−1〜12−4)で接続される。
このリード線群12は、測定管1の外壁と測定管1を収納するケース13の内壁とで構成される内部空間14を経て、ケース13に形成された引出通路15を通して、外部の基板11へと導かれる。ここで、引出通路15は、内部空間14の気密性を確保するために厳重にシール必要があり、この引出通路15のシール構造として、特許文献1や特許文献2に提案されているようなグロメット構造が採用される。
図3に引出通路15のシール構造として提案されている従来のグロメット構造の一例を示す。図3(a)はこのグロメット構造の平面図、図3(b)はその縦断面図である。このグロメット構造において、引出通路15の開口部15aには内段部15bが設けられており、この内段部15bが設けられた開口部15aにゴムなどの弾性を有する材料からなる柱状のパッキング16が圧入される。
パッキング16には、その軸方向にリード線12−1〜12−4を通す貫通路16−1〜16−4が形成されている。この貫通路16−1〜16−4にリード線12−1〜12−4を通した状態で、パッキング16が引出通路15の開口部15aに圧入される。
ここで、リード線12−1〜12−4が樹脂製の被覆を有する一般的なリード線であれば、すなわちリード線12−1〜12−4の外周が樹脂被覆で覆われていれば、リード線12−1〜12−4の樹脂被覆がパッキング16によって半径方向に押圧され、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面とリード線12−1〜12−4の外周面とが密着し、内部空間14の気密性が確保される。なお、引出通路15の開口部15aには、パッキング16が飛び出さないように、押さえ板17がボルト18で締結固定される。
しかしながら、上述した電磁流量計100において、引出通路15のシール構造として採用される従来のグロメット構造は、リード線12−1〜12−4の外周が樹脂被覆で覆われた一般的なリード線を用いることを前提としており、リード線12−1〜12−4の樹脂被覆がシールドで覆われていたような場合、内部空間14の気密性を確保することができないという問題があった。以下、この問題について、具体的に説明する。
上述した電磁流量計100において、リード線12−1〜12−4は、励磁による磁束微分ノイズやその他の電気ノイズを拾い易く、これらのノイズは計測精度に影響を及ぼす。このための対策として、リード線12−1〜12−4の樹脂被覆の上を高い透磁率と導電性を有する材料により形成した管で覆って磁気シールドするとともに、接地して電気シールドする技術が知られている。具体的には、配線や取り回しの容易さを考慮して、樹脂被覆の上を可撓性を有するメッシュ状の組成管で覆ったリード線が用いられる。なお、このリード線を電磁流量計100に適用する場合、電気ノイズの影響を排除するために、そのリード線の始端から末端まで可能な限り、可撓性を有するメッシュ状の組成管で覆うようにすることが望ましい。
図4に、図3に示した従来のグロメット構造において、可撓性を有するメッシュ状の組成管からなるシールドをその外周に備えたリード線(シールド付きのリード線)を用いた例を示す。この例において、リード線12−1’〜12−4’外周は、可撓性を有するメッシュ状の組成管かなるシールドS1〜S4で覆われている。シールドS1〜S4は高い透磁率と導電性を有している。この場合、リード線12−1’〜12−4’は、パッキング16によって半径方向に押圧される。しかし、シールドS1〜S4がメッシュ状とされており、このシールドS1〜S4のメッシュの隙間を完全にシールすることができないため、内部空間14の気密性が損なわれる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シールド付きのリード線を使用することで磁束微分ノイズや電気ノイズの影響を受け難くするとともに、シールド付きのリード線を外部へ引き出す際の内部空間の気密性を容易に確保することができる電磁流量計を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、測定管と、この測定管内を流れる流体の流れ方向に対してその磁界の発生方向を垂直として配置された励磁コイルと、この励磁コイルの発生磁界と直交して測定管内に対向して配置された検出電極と、励磁コイルおよび検出電極に接続されたリード線群と、このリード線群の外部への引出通路と、この引出通路の開口部に圧入され軸方向に形成された各貫通路を通るリード線群の各リード線を半径方向に押圧してシールする柱状のパッキングとを備え、検出電極間に得られる信号起電力に基づいて測定管内を流れる流体の流量を測定する電磁流量計において、リード線群の各リード線にそのリード線の外周面を覆う可撓性を有するメッシュ状の組成管からなるシールドを設け、このシールドのパッキングの貫通路に位置する部分にチューブを装着し、このチューブの内周面とシールドとの間を接着剤によって接合するようにしたものである。
この発明において、パッキングは、その軸方向に形成された各貫通路に各リード線のチューブが装着されたシールド部分を位置させた状態で、引出通路の開口部に圧入される。この場合、各リード線は、そのチューブが装着されたシールド部分が、パッキングによって半径方向に押圧される。ここで、パッキングの各貫通路の内周面と各リード線のチューブの外周面との間は、密着することによって気密が保たれる。また、各リード線のチューブの内周面とシールドとの間は、接着剤によって気密が保たれる。
本発明では、例えば、各リード線にチューブを装着した後、このチューブの内周面とシールドとの間に接着剤を流し込む。これにより、シールドのメッシュの隙間に接着剤が浸透し、そのメッシュの隙間に浸透し硬化した接着剤によって、チューブとシールドのメッシュ間の気密性が保たれる。
本発明において、チューブの内周面とシールドとの間を接着剤によって接合させる方法として、チューブの内周面とシールドとの間に接着剤を流し込む方法の他に、その内周面に接着剤が塗布された熱収縮チューブを使用する方法が考えられる。この場合、熱収縮チューブをシールドで覆われたリード線に装着し、加熱する。熱収縮チューブは熱を加えることによりその径が収縮し、シールドに密着すると同時に、その熱で内周面の接着剤が溶け、シールドのメッシュの隙間に流れ込む。このメッシュの隙間に流れ込んだ接着剤は、冷却後、硬化する。これにより、チューブとシールドのメッシュ間の気密性が保たれる。
本発明によれば、各リード線の外周面に可撓性を有するメッシュ状の組成管からなるシールドを設け、このシールドのパッキングの貫通路に位置する部分にチューブを装着し、このチューブの内周面とシールドとの間を接着剤によって接合するようにしたので、磁束微分ノイズや電気ノイズの影響を受け難くするとともに、パッキングの各貫通路の内周面と各リード線のチューブの外周面との間および各リード線のチューブの内周面とシールドとの間の気密を保ち、シールド付きのリード線を外部へ引き出す際の内部空間の気密性を容易に確保することができるようになる。
また、本発明によれば、その内周面に接着剤が塗布された熱収縮チューブを使用することにより、チューブの装着とシールドへの接合を同一作業で行うことができるようになり、作業効率を高めることができるようになる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る電磁流量計の一実施の形態の要部(グロメット構造)を示す図である。同図において、図4と同一符号は図4を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
この実施の形態では、リード線12−1’〜12−4’のパッキング16の貫通路16−1〜16−4に位置するシールドS1〜S4の部分にチューブT1〜T4を装着し、このチューブT1〜T4とシールドS1〜S4との間を接着剤によって接合するようにしている。
チューブT1〜T4は、樹脂または金属など、パッキング16の押圧により十分気密が得られるような外周面が滑らかなもので、耐食性や耐熱性などそのグロメット部に要求される設計事項を満足するものであればよい。この実施の形態において、チューブT1〜T4は、耐食性および耐熱性を有する外周面が滑らかな樹脂製のチューブを用いているものとする。
この実施の形態では、リード線12−1’〜12−4’をパッキング16の貫通路16−1〜16−4に通す前に、リード線12−1’〜12−4’のパッキング16の貫通路16−1〜16−4に位置するシールドS1〜S4の部分にチューブT1〜T4を装着し、チューブT1〜T4とシールドS1〜S4との間に接着剤を流し込むことによって、シールドS1〜S4のメッシュの隙間に接着剤を浸透させている。
チューブT1〜T4とシールドS1〜S4との間に流し込む接着剤は、シールドS1〜S4のメッシュの隙間に十分浸透しチューブとメッシュ間での気密性を得るのに十分な特性を有し、作業性や耐食性、耐熱性などそのグロメット部に要求される設計事項を満足するものであればよい。
この実施の形態において、パッキング16は、その軸方向に形成された貫通路16−1〜16−4にリード線群12’のリード線12−1’〜12−4’を通し、リード線12−1’〜12−4’のチューブ16−1〜16−4が装着されたシールドS1〜S4の部分を貫通路16−1〜16−4に位置させた状態で、引出通路15の開口部15aに圧入している。
これにより、リード線12−1’〜12−4’のチューブ16−1〜16−4が装着されたシールドS1〜S4の部分が、パッキング16によって半径方向に押圧される。この場合、チューブ16−1〜16−4に加わる半径方向への押圧力は、パッキング16の外径と引出通路15の開口部15aの内径との関係などから定められた適切な面圧とされる。
ここで、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面とリード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の外周面との間は、密着によって気密が保たれる。すなわち、チューブT1〜T4の外周面は滑らかとされており、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面がチューブT1〜T4の外周面に密着することによって、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面とチューブT1〜T4の外周面との間の気密が保たれる。
また、リード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の内周面とシールドS1〜S4との間は、接着剤によって気密が保たれる。すなわち、チューブT1〜T4とシールドS1〜S4との間に接着剤を流し込むことにより、シールドS1〜S4のメッシュの隙間には接着剤が浸透しており、このメッシュの隙間に浸透し硬化した接着剤によって、チューブT1〜T4とシールドS1〜S4のメッシュ間の気密性が保たれる。
以上の説明から分かるように、本実施の形態によれば、 リード線12−1’〜12−4’の外周面に可撓性を有するメッシュ状の組成管からなるシールドS1〜S4を設け、このシールドS1〜S4のパッキング16の貫通路16−1〜16−4に位置する部分にチューブT1〜T4を装着し、このチューブT1〜T4の内周面とシールドS1〜S4との間を接着剤によって接合しているので、磁束微分ノイズや電気ノイズの影響を受け難くするとともに、パッキング16の貫通路16−1〜16−4の内周面とリード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の外周面との間およびリード線12−1’〜12−4’のチューブT1〜T4の内周面とシールドS1〜S4との間の気密を保ち、シールド付きのリード線12−1’〜12−4’を外部へ引き出す際の内部空間14の気密性を容易に確保することができるようになる。
なお、図1に示したグロメット構造において、チューブT1〜T4として、その内周面に接着剤が塗布された熱収縮チューブを使用するようにしてもよい。チューブT1〜T4を熱収縮チューブとした場合、熱を加えることによりそのチューブの径が収縮し、シールドS1〜S4に密着すると同時に、その熱で内周面の接着剤が溶け、シールドS1〜S4のメッシュの隙間に流れ込む。このメッシュの隙間に流れ込んだ接着剤は、冷却後、硬化する。これにより、チューブT1〜T4とシールドS1〜S4のメッシュ間の気密性が保たれる。チューブT1〜T4を熱収縮チューブとすると、チューブT1〜T4の装着とシールドS1〜S4への接合を同一作業で行うことができるので、作業効率が高まる。
なお、図1に示したグロメット構造では、チューブT1〜T4の長さをパッキング16の軸方向の長さLよりも長いものとしたが、パッキング16の軸方向の長さLよりも短くしてもよい。
また、図1に示したグロメット構造では、パッキング16の飛び出しを防止するために押さえ板17をボルト18で開口部15aに締結固定するようにしているが、Eリングなどを開口部15aに装着してパッキング16の飛び出しを防止するようにしてもよい。
1…測定管、2…励磁コイル、3…励磁回路、4a,4b…検出電極、5…アースリング、6…初段増幅回路、7…サンプルホールド回路、8…A/D変換器、9…CPU、10…D/A変換器、11…基板、12’…リード線群、12−1’〜12−3’…リード線、13…ケース、14…内部空間、15…引出通路、15a…開口部、15b…内段部、16…パッキング、16−1〜16−4…貫通路、17…押さえ板、18…ボルト、S1〜S4…シールド、T1〜T4…チューブ、100…電磁流量計。
Claims (4)
- 測定管と、この測定管内を流れる流体の流れ方向に対してその磁界の発生方向を垂直として配置された励磁コイルと、この励磁コイルの発生磁界と直交して前記測定管内に対向して配置された検出電極と、前記励磁コイルおよび前記検出電極に接続されたリード線群と、このリード線群の外部への引出通路と、この引出通路の開口部に圧入され軸方向に形成された各貫通路を通る前記リード線群の各リード線を半径方向に押圧してシールする柱状のパッキングとを備え、前記検出電極間に得られる信号起電力に基づいて前記測定管内を流れる流体の流量を測定する電磁流量計において、
前記リード線群の各リード線は、
そのリード線の外周面を覆う可撓性を有するメッシュ状の組成管からなるシールドと、
このシールドの前記パッキングの貫通路に位置する部分に装着されたチューブとを備え、
前記チューブの内周面と前記シールドとの間が接着剤によって接合されている
ことを特徴とする電磁流量計。 - 請求項1に記載された電磁流量計において、
前記チューブは、
その内周面に接着剤が塗布された熱収縮チューブである
ことを特徴とする電磁流量計。 - 請求項1又は2に記載された電磁流量計において、
前記チューブおよび前記接着剤は、耐食性および耐熱性を有する
ことを特徴とする電磁流量計。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載された電磁流量計において、
前記引出通路の開口部に前記パッキングの飛び出しを防止する押さえ板が固定されている
ことを特徴とする電磁流量計。
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