JP3047283B2 - 容量式電磁流量計 - Google Patents

容量式電磁流量計

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JP3047283B2
JP3047283B2 JP7113053A JP11305395A JP3047283B2 JP 3047283 B2 JP3047283 B2 JP 3047283B2 JP 7113053 A JP7113053 A JP 7113053A JP 11305395 A JP11305395 A JP 11305395A JP 3047283 B2 JP3047283 B2 JP 3047283B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電容量を介して流量
信号を検出する容量式電磁流量計に係り、特に、環境の
変化による経時変化の影響を受け難いように改良した容
量式電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁流量計は、ノイズの影響を除去して
安定な流量信号を得るために各種の努力がなされている
が,このノイズの原因は各種存在し、これらに対して対
応するノイズ除去手段も異なり、これによって各種の形
式の電磁流量計が存在する.
【0003】その1つに、従来から、電磁流量計の励磁
コイルに流す励磁電流の周波数として50Hz或いは6
0Hzなどの商用周波数を採用する商用周波形の電磁流
量計がある。この商用周波形の電磁流量計は、励磁電流
によって発生した商用周波数の磁場を、内面が絶縁物で
ライニングされた金属性のパイプを介して、測定流体に
印加してこの測定流体によって発生した信号電圧の商用
の周波数成分を測定流体に接液する検出電極で検出す
る。
【0004】具体的には、このタイプの電磁流量計の検
出部は、図5に示すように、一対の金属製の検出電極1
0、11が固定され内面が絶縁性のライニング12で覆
われた金属性のパイプ13の外側に励磁コイル14、1
5が配置された構成となっている。この金属性のパイプ
13は、測定流体の圧力、例えば、10Kg/cm2或いはこ
れ以上の圧力に耐えることが出来るように十分に厚い寸
法に選定されている。
【0005】この励磁コイル14、15には図示しない
励磁回路から商用周波数の励磁電流If1が流され、図に
示すようにパイプ13の外側から磁束Bを測定流体に印
加するように構成されている。ただし、磁束Bの帰路と
なるリターンコアとケースについては図示していない。
【0006】この商用周波形の電磁流量計は、商用周波
数で励磁するので安価に構成できる利点はあるが、ゼロ
点が経時的に変動して安定に流量信号の検出をすること
ができない。このようにゼロ点を変動させる原因として
は、例えば、次に説明する(イ)、(ロ)の原因があ
る。
【0007】(イ)先ず、商用周波の磁束の時間変化に
よって誘起される変成器成分によるノイズに起因するも
のがある。図5に示すように金属性のパイプが用いられ
ているので,パイプ13に渦電流iPが誘起され、この
渦電流iPにより励磁コイル14、15による磁束Bを
打ち消す方向に反磁場を作る。このため励磁電流If1
一定値に達した後も磁束Bの時間微分成分を有し、これ
が変成器成分のノイズとなる。
【0008】この渦電流iPはパイプ13の導電率と渦
電流iPのループで作るインダクタンスで決まる時定数
で減衰するが、金属製のパイプのときはこの減衰に時間
がかかり、実質的100Hz程度以上の励磁は困難であ
る。
【0009】また、パイプ13の導電率は温度によって
変動し、渦電流iPの減衰時定数も変化するので、磁場
の時間微分成分のテール部の大きさが変動し、これがゼ
ロ点の不安定要因となる。この関係を図で示すと図6の
ようになる。ここで図6(a)は励磁電流If1の波形、
図6(b)は渦電流iPの波形、図6(c)は磁束Bの
時間微分成分の波形をそれぞれ示す。
【0010】(ロ)次に、電磁誘導によって測定流体中
に誘起された渦電流が検出電極に流入し、この検出電極
の電極インピーダンスにより位相シフトを起して発生す
る測定流体の渦電流成分ノイズに起因するものがある。
【0011】これについては、図7を参照して説明す
る。導電性を有する測定流体に商用周波数の交流磁束を
印加するので、測定流体中に渦電流ieが誘起される。こ
の渦電流ieは磁束Bの時間変化によって発生する起電力
n0に起因して誘起され、磁束Bの時間変化がゼロにな
ると渦電流が形成されるループの時定数で速やかに減衰
する。
【0012】しかし、検出電極10、11が測定流体に
接液していると検出電極10、11の表面に形成される
コンデンサC1、C2、C3、C4、流体抵抗R1、R2、R
3、R4、R5、R6によって、検出電極10、11の表面
で渦電流ieによる電荷の蓄積、放電が行われ、渦電流ie
に対して遅れ位相のノイズ電圧が検出電極10、11に
発生する。
【0013】これらのコンデンサC1、〜C4の値は1m
m直径の検出電極でも1μFの程度のオーダであり、こ
の遅れ位相のノイズ電圧のためゼロ点が変化する。しか
もこれ等のインピーダンス成分は不安定であるのでゼロ
点が経時的に変化する要因をなす。
【0014】そこで、この検出電極が接液する商用周波
数形の電磁流量計のもつ欠点を回避するために、例えば
特開昭49−29676号公報に開示されているような
低周波励振形の電磁流量計が提案されている。
【0015】この方式は、商用周波数を、例えば8分の
1に分周した6.25Hzとして,これを励磁コイルに
流して低周波の磁束とし、これを測定流体に印加するよ
うにしたものである。
【0016】このように、励磁周波数を低くすることに
より、電磁誘導に起因して発生する微分ノイズを低減さ
せると共に渦電流ieを低減させ、先の(イ)、(ロ)に
記載した原因を低減させることにより安定なゼロ点を確
保しようとするものである。
【0017】しかしながら、この低周波励振形の電磁流
量計は、励磁周波数が低いので、誘導ノイズが低減さ
れ、従来に比べて大幅にゼロ点の変動が改良される利点
はあるが、反面、周波数が低下することにより、別の原
因に帰するノイズの新たな発生を誘因する。
【0018】その第1は、測定流体が流動することによ
って測定流体中に低周波の流動電位(フローノイズ)と
呼ばれる電位変動が発生し、特に、測定流体が低導電率
の場合に顕著に現れる。この電位変動は、低周波励振の
励磁周波数と近似しているので、流量信号の乱れとして
出力される。このノイズスペクトラムの実測例を図8と
図9に示してある。
【0019】いずれも横軸は周波数を、縦軸はノイズパ
ワーのスペクトラムをそれぞれ示し、図8は検出電極と
して面電極とした場合を、図9は検出電極として点電極
を用いた場合をそれぞれ示している。検出電極の形状に
よりコーナ周波数fcが異なるが、1/fc特性となって
いることがわかる。
【0020】このほかに、例えば測定流体の中に固形物
を含むスラリ流体が検出電極に当たることにより発生す
る低周波のノイズに対する出力の不安定性、或いは励磁
周波数が低いので流量変化に対する応答性も悪化すると
いう問題が新たに発生している。
【0021】そこで、例えば、特公昭54−33862
号公報に開示されているような容量式の電磁流量計が提
案されている。この容量式の電磁流量計は、商用周波数
の磁束を絶縁性のパイプの外側から測定流体に印加し、
さらにこの測定流体に接触しないように絶縁性のパイプ
の外側に配置された検出電極で信号電圧を検出する。
【0022】つまり、信号電圧を測定流体と検出電極と
の間に形成される静電容量を介して検出する。このよう
な方式を採用することにより、測定流体に検出電極が接
触することにより生じる既述の各種の問題を解決するこ
とが出来る。
【0023】しかしながら、以上のような容量式の電磁
流量計は、測定流体に検出電極が接触することにより生
じる電極の汚れに起因するゼロ点変動の影響を除去する
ことができる利点はあるが、測定流体と検出電極で形成
されるパイプ材質を誘電体とする小さな容量のコンデン
サにより、出力インピーダンスが数MΩ〜数100MΩ
の高い値をもつことととなる。
【0024】そこで、本出願人は、特願平5−2421
1号「発明の名称:容量式電磁流量計」で提示している
ような高入力インピーダンスを有する前置増幅器が検出
器と一体として搭載された電磁流量計が必要となる。
【0025】以下、この概要について、図10を用いて
説明する。この前置増幅器はパイプの外部に固定された
一対の検出電極のうちの一方の側のインピーダンス変換
部を示している。他方の側のインピーダンス変換部の出
力との差が図示しない差動増幅器で差動演算されて始め
て流量信号として出力されることとなる。
【0026】図10において、Vdは一方の検出電極で
検出される起電力、Cdは測定流体と一方の検出電極と
で形成される静電容量である。電界効果トランジスタQ
2のゲートGは、一端が一方の検出電極に接続され、さ
らに高抵抗R5と低抵抗R6が直列に接続された直列回路
を介して共通電位点COMに接続されている。
【0027】電界効果トランジスタQ2のソースSは抵
抗R7を介して電源VSSに接続されると共に演算増幅器
3の非反転入力端(+)に接続されている。また、そ
のドレインDは抵抗R8を介して電源VDDに接続されて
いる。したがって、この電界効果トランジスタQ2はソ
ースフオロワとして機能している。
【0028】演算増幅器Q3の出力端TCは、コンデンサ
3を介して電界効果トランジスタQ2のドレインDに接
続され、さらにこの出力端TCは演算増幅器Q3の反転入
力端(−)に接続されると共にコンデンサC4を介して
高抵抗R5と低抵抗R6との接続点に接続されている。こ
れらの高抵抗R5、低抵抗R6、及びコンデンサC4でブ
ートストラップ回路BSを構成している。
【0029】また、高抵抗R5と電界効果トランジスタ
2は高インピーダンス回路を構成しているので、これ
らの周囲はシールド板SPで覆われ、このシールド板S
Pは出力端TCに接続されて、互に同電位に保持されて
いる。
【0030】以上の構成において、電界効果トランジス
タQ2はソースフオロワとして機能している。したがっ
て、この場合の電界効果トランジスタQ2の順方向アド
ミッタンスをgmとすれば、その増幅度は gm/[(1/R7)+gm] となり、R7を大きくとることにより、ほぼ1となる。
また、演算増幅器Q3はボルテージフオロワーとして構
成されているので、この増幅度も1である。
【0031】このため、電界効果トランジスタQ2と演
算増幅器Q3とを総合した合成の増幅度はほぼ1となる
ので、演算増幅器Q3の出力端TCと電界効果トランジス
タQ2のゲートGとは同電位になっている。
【0032】ところで、コンデンサC3は演算増幅器Q3
の出力端TCと電界効果トランジスタQ2のドレインDと
の間に接続されているので、これらの間は交流的に同一
電位に保持されることとなる。
【0033】したがって、電界効果トランジスタQ2
ゲートGとドレインDの電位は同一になっているので、
この間には容量CGDは形成されない。また電界効果トラ
ンジスタQ2はソースフオロワとして機能しているの
で、そのゲートGとソースSとの間は交流的にはほぼ同
電位になっており、これらの間にも容量CGSは形成され
ない。このため、これ等を総合すると電界効果トランジ
スタQ2の入力容量が除去され、高インピーダンスが確
保される。
【0034】また、ゲートGと共通電位点COMとの間
に接続されている高抵抗R5と低抵抗R6との接続点には
コンデンサC4を介して演算増幅器Q3の出力端の電圧が
印加されているので、高抵抗R5と低抵抗R6との接続点
は実質的にゲートGと同電位になっており、高抵抗R5
には電流が流れない。したがって、一方の検出電極側か
ら電界効果トランジスタQ2側をみたインピーダンスは
無限大となる。
【0035】以上のようにして、一方の検出電極に接続
された前置増幅器の入力インピーダンスは極めて高い値
を維持することができる。他方の検出電極についても同
様に高い入力インピーダンスを維持する。具体的には、
検出電極の出力インピーダンスが数MΩ〜数100MΩ
であるので、前置増幅器の入力インピーダンスは1%の
誤差を許容するとしても数100MΩ〜数10000M
Ω程度の高い値が必要とされ、これを実現している。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような容量式の電磁流量計は、次に説明するような問題
がある。
【0037】先ず、このような数10000MΩにも及
ぶような高い入力インピーダンスは、当初は実現できた
としても、湿度などの環境の変化により入力インピーダ
ンスが徐々に低下して誤差を発生させるという問題があ
る。特に、電磁流量計は環境の悪い現場に設置されるの
で、この問題は重要である。
【0038】この外に、検出電極から前置増幅器に至る
信号線を含む入力回路部分は既述のように高インピーダ
ンス回路を形成しているので、湿度による絶縁劣化に起
因してインピーダンスが低下すると容易に誤差が発生す
るという問題がある。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の各種の
課題を解決するための主な構成として、測定流体を流す
ための絶縁性物質で作られたパイプと、ポールピース
の周囲に巻回されこのパイプの外部から先の測定流体
に磁場を印加する励磁コイルと、先の測定流体に発生し
た信号電圧を先のパイプで形成される静電容量を介して
検出する一対の検出電極と、これらの検出電極と離間し
円周方向で互いに間隙を保持して少なくとも2つに分割
されて配置された一対のガード電極と、これらのガード
電極と接続され一対の先の検出電極を覆う一対のガード
ケースと、これらのガードケースとパイプとで囲まれた
内部空間を充填する高分子充填材とを具備するようにし
たものである。
【0040】
【作用】パイプは測定流体を流すための絶縁性物質で作
られ、励磁コイルはポールピースコアの周囲に巻回され
このパイプの外部から先の測定流体に磁場を印加する。
そして、一対の検出電極は先の測定流体に発生した信号
電圧を先のパイプで形成される静電容量を介して検出す
る。
【0041】一方、一対のガード電極はこれらの検出電
極と離間し円周方向で互いに間隙を保持して少なくとも
2つに分割されて配置され、一対のガードケースはこれ
らのガード電極と接続されて一対の先の検出電極を覆
う。
【0042】そして、これらのガードケースとパイプと
で囲まれた内部空間は、高分子充填材で充填して湿度な
どの環境の変化に起因して生じる絶縁劣化を防止して誤
差のない安定な流量信号を得る。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて説
明する。図1は本発明の1実施例の横断面の構成を、図
2は図1に対応する縦断面をそれぞれ示す構成図であ
り、これらの図を共用して説明する。
【0044】20は絶縁性のパイプであり、このパイプ
20は、例えばセラミックスなどの材料で形成され、円
筒状をなしている。パイプ20の軸方向の中央部は外周
面が肉薄の凹部20Aとして形成され、これらの軸方向
の両外側に肉厚の端部20B、20Cが形成されてい
る。
【0045】例えば、ステンレスで作られた円筒状のケ
ース21の端面部21A、21Bは、リング状に形成さ
れ、これらの端面部21Aと21Bの間は円筒部21C
が溶接により固定されている。
【0046】そして、このケース21の内部にはパイプ
20が挿入され、その端部20B、20Cと端面部21
A、21Bとの間にはそれぞれOリング22A、22B
が挿入されて気密が確保されている。さらに、ケース2
1にはその軸に垂直に矩形状の接続筒21Dが固定さ
れ、この上に変換部TRMが搭載される。
【0047】パイプ20の凹部20Aの中央の表面に
は、検出電極23Aと23Bがパイプ20の軸に対して
半径方向に対向して導電体を密着する形として面状に形
成されている。この検出電極23Aと23Bの上は、検
出電極23Aと23Bとが離間されてこれ等を覆うよう
に箱形状のガードケース24A、24Bがパイプ20の
外面に固定されている。
【0048】また、ガードケース24A、24Bの周囲
の凹部20Aの表面には、パイプ20の端部20B、2
0Cに至るまで全面に亘って導電性のガード電極25
A、25Bがパイプ20の頂部と底部で左右に分割され
て形成された間隙26、27を挟んで形成されている。
そして、これらのガード電極25A、25Bはそれぞれ
ガードケース24A、24Bと半田付けなどにより電気
的に接続されている。
【0049】この間隙26、27の各々を覆うように、
ガード電極25A、25Bとは絶縁性塗料などで絶縁さ
れた状態で、これらの周面に円弧状に導電性のダンピン
グ箔28A、28Bが固定されており、これ等のダンピ
ング箔28A、28Bはそれぞれリード線29により基
準電位点30に固定されている。
【0050】これ等のダンピング箔28A、28Bは、
例えば、銅、黄銅、ステンレスなどで構成されるが、励
磁周波数が高くなると、このダンピング箔28A、28
Bの厚みが大きいときには、ここで発生する渦電流が大
きくなりこれによって生じる反磁界によって磁場変動の
時定数が大きくなり信号のサンプリング時までに磁場が
整定せず誤差要因を作るので、これ等の厚みは200μ
m以下に選定される。
【0051】また、ダンピング箔28A、28Bは、間
隙26、27を覆うように形成される結果、後述する励
磁コイルから間隙26、27を通して検出電極23Aと
23Bに浮遊容量を介して静電結合されて生じる誘導ノ
イズに起因するゼロ点変動をを低減させ安定な測定をも
可能とする。
【0052】これらのダンピング箔28A、28Bは、
その表面の中央部に、互いに成層鉄心で矩形状に積層さ
れてボルトなどで一体に固定されたポールピースコア2
9A、29Bの一端面に固定されている。
【0053】そして、これらのポールピースコア29
A、29Bの周囲にはそれぞれ励磁コイル31A、31
Bが巻回され、励磁リード線32A、32Bがケース2
1の接続筒21Dに引き出されている。
【0054】励磁コイル31A、31Bは、その周囲に
静電シールド用のシールド箔33A、33Bが巻回され
ており、リード線34A、34Bにより接続筒21Dを
介して基準電位点30(接地電位)に接続されている。
【0055】これらのポールピースコア29A、29B
の他端面には、円筒状に形成され成層された帰還コア3
5が配置され、2つのポールピースコア29A、29B
はネジ36A、36B、及び37A、37Bにより、そ
れぞれ一体にネジ止めされている。
【0056】一方、検出電極23Aと23Bからは、信
号リード線38A、38Bが、ガードケース24A、2
4Bと円筒状の帰還コア35をクロスしてケース21の
接続筒21Dを介して変換部TRMに導出されている。
【0057】同様に、ガードケース24A、24Bから
も帰還コア35をクロスしてケース21の接続筒21D
を介して、信号リード線38A、38Bとは絶縁されて
共に変換部TRMにリード線39A、39Bにより導出
されている。
【0058】接続筒21Dの中には、シールド板40が
挿入され、励磁リード線32A、32B側と信号リード
線38A、38B側とを物理的に分離している。これに
より、高電圧である励磁リード線32A、32B側から
低電圧である信号リード線38A、38B側への静電誘
導を防止している。
【0059】そして、ガードケース24A、24Bの内
部には、例えば絶縁性で自己接着性のあるシリコーン樹
脂SR1が充填され、ガードケース24A、24Bの内
部を除くケース21とパイプ20の外面との間の空間、
および接続筒21Dとの間の空間は、例えばエポキシ樹
脂ERなどで全て充填され、耐湿性、耐振性、耐候性を
確保している。
【0060】リード線39A、39Bには、変換部TR
Mから低インピーダンスで信号リード線38A、38B
の電位と同一の電位が印加され、これによりパイプ20
の表面はガードケース24A、24Bを含めて検出電極
23A、32Bを除く実質的な全面が信号電位と同一の
電位となり、信号リード線38A、38Bを含めて浮遊
容量の影響が除去されている。これらは高インピーダン
ス回路を構成するので特にこのような配慮がなされてい
る。
【0061】ガードケース24A、24Bの内部を除く
ケース21とパイプ20の外面との間の空間、および接
続筒21Dとの間の空間はエポキシ樹脂ERで充填され
されているが、これらの空間を単にエポキシ樹脂ERで
充填注型すると、エポキシ樹脂ERの硬化の際に収縮し
てガードケース24A、24Bとガード電極25A、2
5Bとの間に剪断力が作用してこれ等が引きはがされた
り、ガード電極25A、25Bが割れたり、はがれたり
する。そこで、これに対する工夫が必要となる。これに
ついて図3を用いて詳しく説明する。
【0062】図3は図1に示すパイプ近傍の充填部分を
拡大した拡大図である。ガードケース24A、24Bの
内部はシリコン樹脂SR1で充填されているが、ガード
ケース24A、24Bの外部とガード電極25A、25
Bの外面には、先ずエポキシ樹脂ER1をコーテイング
する。
【0063】次に、この上にシリコン樹脂SR2をコー
テイングし、励磁コイル31Aと31B、ポールピース
コア29A、29Bなどを装着した後、さらにエポキシ
樹脂ER2をケース21の内部に充填する。この場合、
図1におけるエポキシ樹脂ERは、簡単のため、これ等
のエポキシ樹脂ER1、シリコン樹脂SR2、エポキシ
樹脂ER2を代表した形として示してある。
【0064】このような構成によれば、シリコン樹脂S
R2がエポキシ樹脂ER1とエポキシ樹脂ER2との間
に介在しているので、エポキシ樹脂ER1、SR2の収
縮の際にもシリコン樹脂SR2がすべり面となり、ガー
ド電極25A、25Bなどが割れたり、はがれたりする
ことがない。
【0065】また、ガードケース24A、24Bとガー
ド電極25A、25Bとの間に剪断力が作用してこれ等
が引きはがされたりすることもない。つまり、エポキシ
樹脂ER1は絶縁機能、シリコン樹脂SR2は応力緩和
機能、エポキシ樹脂ER2は注型機能をそれぞれ有して
いる。
【0066】図4は図1に示す変換部の中に収納される
前置増幅器の部分構成図である。基本的には図10に示
す前置増幅器と同様な機能を有しているが、シールド板
SPで囲まれた内部にシリコン樹脂SP3が充填されて
いる点が異なっている。
【0067】入力端子TAは図1に示す信号リード線3
8Aに接続され、図1に示す基準電位点30は共通電位
点COMに接続されている。信号リード線38B側も同
様に構成され、これ等の出力端TCは図示しない差動増
幅器で差動演算されて流量信号として出力される。
【0068】このように、前置増幅器の中のハイインピ
ーダンス部分である高抵抗R5と電界硬化トランジスタ
2の部分をシールド板SPで囲み、さらに低インピー
ダンスでドライブし、その上このシールド板SPで囲ま
れた内部をシリコン樹脂SP3で充填した構成としてい
るので、長期に亘って高インピーダンスを確保すること
ができ、湿度による絶縁劣化など環境の変化に対して安
定で誤差が生じない電磁流量計が実現できる。
【0069】
【発明の効果】以上、実施例と共に具体的に説明したよ
うに本発明の請求項1に記載された発明によれば、高イ
ンピーダンスである検出電極を収納するガードケースの
内部を高分子充填材で充填するようにしたので、湿度に
よる絶縁劣化など環境の変化に対して安定で誤差が生じ
ない電磁流量計が実現できる。請求項2に記載された発
明は、基本的に請求項1に記載された発明の効果と同様
である。
【0070】請求項3に記載された発明によれば、ガー
ド電極とガードケースと間隙の周面にエポキシ樹脂材を
注入するに際して、これらの間に応力緩和樹脂材を介在
させるようにしたので、安定な充填が可能となり、品質
の向上に寄与する。
【0071】請求項4に記載された発明によれば、前置
増幅器の内部の高インピーダンスである電界効果トラン
ジスタと高抵抗とを金属ケースの中に収納しこの内部を
絶縁性充填材で充填する構成としたので、長期に亘って
高インピーダンスを確保することができ、湿度による絶
縁劣化など環境の変化に対して安定で誤差が生じない電
磁流量計が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の横断面の構成を示す構成図
である。
【図2】図1に示す実施例に対応する縦断面を示す構成
図である。
【図3】図1に示すパイプ近傍の充填部分を拡大した拡
大図である。
【図4】図1に示す変換部の中に収納される前置増幅器
の部分構成図である。
【図5】従来の電磁流量計の検出部の構成を示す説明図
である。
【図6】従来の電磁流量計の欠点を説明する波形図であ
る。
【図7】従来の電磁流量計の欠点を説明する説明図であ
る。
【図8】流動電位の周波数特性を示す第1の特性図であ
る。
【図9】流動電位の周波数特性を示す第2の特性図であ
る。
【図10】従来の電磁流量計の変換部の中に収納される
前置増幅器の部分構成図である。
【符号の説明】
10、11、23A、23B 検出電極 12 ライニング 13、20 パイプ 14、15、31A、31B 励磁コイル 21 ケース 24A、24B ガードケース 25A、25B ガード電極 26、27 間隙 ER、ER1、ER2 エポキシ樹脂 SR1、SR2、SR3 シリコン樹脂 TRM 変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 徹 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横 河電機株式会社内 審査官 江塚 政弘 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定流体を流すための絶縁性物質で作られ
    たパイプと、ポールピースコアの周囲に巻回されこのパ
    イプの外部から前記測定流体に磁場を印加する励磁コイ
    ルと、前記測定流体に発生した信号電圧を前記パイプで
    形成される静電容量を介して検出する一対の検出電極
    と、これらの検出電極と離間し円周方向で互いに間隙を
    保持して少なくとも2つに分割されて配置された一対の
    ガード電極と、これらのガード電極と接続され一対の前
    記検出電極を覆う一対のガードケースと、これらのガー
    ケースとパイプとで囲まれた内部空間を充填する高分
    子充填材とを具備することを特徴とする容量式電磁流量
    計。
  2. 【請求項2】前記高分子充填材としてシリコーン樹脂を
    用いたことを特徴とする請求項1記載の容量式電磁流量
    計。
  3. 【請求項3】前記ガード電極と前記ガードケースと前記
    間隙の周面を覆うように形成された第1エポキシ樹脂材
    と、この第1エポキシ樹脂材の周囲を覆うように形成さ
    れた応力緩和樹脂材と、この応力緩和樹脂材の外部であ
    ってケースの内部に充填される第2エポキシ樹脂材とを
    具備したことを特徴とする請求項1記載の容量式電磁流
    量計。
  4. 【請求項4】ゲートと共通電位点との間に高抵抗と低抵
    抗が直列に接続された直列回路を有し前記検出電極に生
    じる電圧を増幅する電界効果トランジスタの出力信号に
    関連する電圧が帰還コンデンサを介して前記直列回路の
    分圧点に帰還される増幅度がほぼ1の増幅手段と、前記
    電界効果トランジスタと前記高抵抗が収納されて前記出
    力信号に関連してドライブされると共に内部が絶縁性充
    填材で充填された金属ケースとを具備することを特徴と
    する請求項1記載の容量式電磁流量計。
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