JP3047282B2 - 容量式電磁流量計 - Google Patents

容量式電磁流量計

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JP3047282B2
JP3047282B2 JP7082370A JP8237095A JP3047282B2 JP 3047282 B2 JP3047282 B2 JP 3047282B2 JP 7082370 A JP7082370 A JP 7082370A JP 8237095 A JP8237095 A JP 8237095A JP 3047282 B2 JP3047282 B2 JP 3047282B2
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郁光 石川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、60Hz以上の高周波
で励磁する容量式電磁流量計に係り、特に、信号対雑音
の比率を良好に保持すると共に安定な出力をも確保でき
るように改良した容量式電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁流量計は、ノイズの影響を除去して
安定な流量信号を得るために各種の努力がなされている
が,このノイズの原因は各種存在し、これらに対して対
応する除去手段も異なり、これによって各種の形式の電
磁流量計が存在する.
【0003】その1つに、従来から、電磁流量計の励磁
コイルに流す励磁電流の周波数として50Hz或いは6
0Hzなどの商用周波数を採用する商用周波形の電磁流
量計がある。この商用周波形の電磁流量計は、励磁電流
によって発生した商用周波数の磁場を、内面が絶縁物で
ライニングされた金属性のパイプを介して、測定流体に
印加してこの測定流体によって発生した信号電圧の商用
の周波数成分を測定流体に接液する検出電極で検出す
る。
【0004】具体的には、このタイプの電磁流量計の検
出部は、図6に示すように、一対の金属製の検出電極1
0、11が固定され内面が絶縁性のライニング12で覆
われた金属性のパイプ13の外側に励磁コイル14、1
5が配置された構成となっている。この金属性のパイプ
13は、測定流体の圧力、例えば、10Kg/cm2或いはこ
れ以上の圧力に耐えることが出来るように十分に厚い寸
法に選定されている。
【0005】この励磁コイル14、15には図示しない
励磁回路から商用周波数の励磁電流If1が流され、図に
示すようにパイプ13の外側から磁束Bを測定流体に印
加するように構成されている。ただし、磁束Bの帰路と
なるリターンコアとケースについては図示していない。
【0006】この商用周波形の電磁流量計は、商用周波
数で励磁するので安価に構成できる利点はあるが、ゼロ
点が経時的に変動して安定に流量信号の検出をすること
ができない。このようにゼロ点を変動させる原因として
は、例えば、次に説明する(イ)、(ロ)の原因があ
る。
【0007】(イ)先ず、商用周波の磁束の時間変化に
よって誘起される変成器成分によるノイズに起因するも
のがある。図6に示すように金属性のパイプが用いられ
ているので,パイプ13に渦電流iPが誘起され、この
渦電流iPにより励磁コイル14、15による磁束Bを
打ち消す方向に反磁場を作る。このため励磁電流If1
一定値に達した後も磁束Bの時間微分成分を有し、これ
が変成器成分のノイズとなる。
【0008】この渦電流iPはパイプ13の導電率と渦
電流iPのループで作るインダクタンスで決まる時定数
で減衰するが、金属製のパイプのときはこの減衰に時間
がかかり、実質的100Hz程度以上の励磁は困難であ
る。
【0009】また、パイプ13の導電率は温度によって
変動し、渦電流iPの減衰時定数も変化するので、磁場
の時間微分成分のテール部の大きさが変動し、これがゼ
ロ点の不安定要因となる。この関係を図で示すと図7の
ようになる。ここで図7(a)は励磁電流If1の波形、
図7(b)は渦電流iPの波形、図7(c)は磁束Bの
時間微分成分の波形をそれぞれ示す。
【0010】(ロ)次に、電磁誘導によって測定流体中
に誘起された渦電流が検出電極に流入し、この検出電極
の電極インピーダンスにより位相シフトを起して発生す
る測定流体の渦電流成分ノイズに起因するものがある。
【0011】これについては、図8を参照して説明す
る。導電性を有する測定流体に商用周波数の交流磁束を
印加するので、測定流体中に渦電流ieが誘起される。こ
の渦電流ieは磁束Bの時間変化によって発生する起電力
n0に起因して誘起され、磁束Bの時間変化がゼロにな
ると渦電流が形成されるループの時定数で速やかに減衰
する。
【0012】しかし、検出電極10、11が測定流体に
接液していると検出電極10、11の表面に形成される
コンデンサC1、C2、C3、C4、流体抵抗R1、R2、R
3、R4、R5、R6によって、検出電極10、11の表面
で渦電流ieによる電荷の蓄積、放電が行われ、渦電流ie
に対して遅れ位相のノイズ電圧が検出電極10、11に
発生する。
【0013】これらのコンデンサC1、〜C4の値は1m
m直径の検出電極でも1μFの程度のオーダであり、こ
の遅れ位相のノイズ電圧のためゼロ点が変化する。しか
もこれ等のインピーダンス成分は不安定であるのでゼロ
点が経時的に変化する要因をなす。
【0014】そこで、この検出電極が接液する商用周波
数形の電磁流量計のもつ欠点を回避するために、例えば
特開昭49−29676号公報に開示されているような
低周波励振形の電磁流量計が提案されている。
【0015】この方式は、商用周波数を、例えば8分の
1に分周した6.25Hzとして,これを励磁コイルに
流して低周波の磁束とし、これを測定流体に印加するよ
うにしたものである。
【0016】このように、励磁周波数を低くすることに
より、電磁誘導に起因して発生する微分ノイズを低減さ
せると共に渦電流ieを低減させ、先の(イ)、(ロ)に
記載した原因を低減させることにより安定なゼロ点を確
保しようとするものである。
【0017】しかしながら、この低周波励振形の電磁流
量計は、励磁周波数が低いので、誘導ノイズが低減さ
れ、従来に比べて大幅にゼロ点の変動が改良される利点
はあるが、反面、周波数が低下することにより、別の原
因に帰するノイズの新たな発生を誘因する。
【0018】その第1は、測定流体が流動することによ
って測定流体中に低周波の流動電位(フローノイズ)と
呼ばれる電位変動が発生し、特に、測定流体が低導電率
の場合に顕著に現れる。この電位変動は、低周波励振の
励磁周波数と近似しているので、流量信号の乱れとして
出力される。このノイズスペクトラムの実測例を図9と
図10に示してある。
【0019】いずれも横軸は周波数を、縦軸はノイズパ
ワーのスペクトラムをそれぞれ示し、図9は検出電極と
して面電極とした場合を、図10は検出電極として点電
極を用いた場合をそれぞれ示している。検出電極の形状
によりコーナ周波数fcが異なるが、1/fc特性となっ
ていることがわかる。
【0020】このほかに、例えば測定流体の中に固形物
を含むスラリ流体が検出電極に当たることにより発生す
る低周波のノイズに対する出力の不安定性、或いは励磁
周波数が低いので流量変化に対する応答性も悪化すると
いう問題が新たに発生している。
【0021】そこで、例えば、特公昭54−33862
号公報に開示されているような容量式の電磁流量計が提
案されている。この容量式の電磁流量計は、商用周波数
の磁束を絶縁性のパイプの外側から測定流体に印加し、
さらにこの測定流体に接触しないように絶縁性のパイプ
の外側に配置された検出電極で信号電圧を検出する。
【0022】つまり、信号電圧を測定流体と検出電極と
の間に形成される静電容量を介して検出する。このよう
な方式を採用することにより、測定流体に検出電極が接
触することにより生じる既述の各種の問題を解決するこ
とが出来る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような容量式の電磁流量計は、次に説明するような問題
がある。
【0024】このタイプは測定流体に検出電極が接触す
ることにより生じる電極の汚れに起因するゼロ点変動の
影響を除去することができる利点はあるが、測定流体と
検出電極で形成される小さな容量のコンデンサにより、
数MΩ〜数100MΩの高インピーダンスの入力回路が
形成される。
【0025】そこで、この小さな容量による結合インピ
ーダンスを少しでも低減させるために、励磁周波数は商
用周波数よりも高い励磁周波数が選定される。この結果
として、図9、図10に示すフローノイズのスペクトラ
ム分布からも判るように低周波励磁に比べて大幅にフロ
ーノイズが低減されるメリットが生じる。
【0026】しかしながら、測定流体を流すパイプ13
は、図6に示すように、励磁周波数を商用周波数よりも
高い周波数としているので、大きな渦電流を発生させる
こととなり、金属性のパイプを使用することが出来な
い。
【0027】そして、励磁周波数を高くしたからといっ
ても、なお、この検出器と変換器とを結ぶ入力回路が高
インピーダンス回路であることに変りはなく、しかも金
属性のパイプを使用しない結果として、励磁コイルから
入力回路への静電誘導によるノイズが発生し易いという
問題がある。
【0028】さらに、絶縁性のパイプを使用した結果、
励磁回路のロスが少なくなり、図11に示すように、励
磁コイルの線間容量に基づいて励磁コイルのインダクタ
ンスLが周波数fに対して高調波成分側で共振点Rを持
つ周波数特性を有するようになる。
【0029】従って、図12に示すように、励磁電流I
f2が定電流制御されているにも拘わらず、その波形が高
周波成分に起因して波打つリンギングが生じ、励磁電流
を一定値に制御することが行えず、安定な流量信号を確
保することが出来ないという問題も生じる。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の各種の
課題を解決するための主な構成として、測定流体を流す
ための絶縁性物質で作られたパイプと、ポールピース
の周囲に巻回されこのパイプの外部から先の測定流体
に商用周波数より高い周波数を持つ磁場を印加する励磁
コイルと、先の測定流体に発生した信号電圧を先のパイ
プで形成される静電容量を介して検出する一対の検出電
極と、これらの検出電極と離間し円周方向で互いに間隙
を保持して少なくとも2つに分割されて配置された一対
のガード電極と、これらのガード電極と接続され一対の
先の検出電極を覆う一対のードケースと、先の磁場が
印加される磁束経路に設けられ先の励磁コイルのインダ
クタンスの周波数特性における共振点を消滅させる程度
に薄い導電性のダンピング箔とを具備し、先のガード電
極を先の信号電圧と同電位を保持して低インピーダンス
でドライブするようにしたものである。
【0031】
【作 用】絶縁性物質で作られたパイプには測定流体が
流され、ポールピースコアの周囲に巻回された励磁コイ
ルからは、このパイプの外部から先の測定流体に商用周
波数より高い周波数を持つ磁場を印加する。
【0032】また、一対の検出電極は、先の測定流体に
発生した信号電圧を先のパイプで形成される静電容量を
介して検出する。一方、一対のガード電極は、これらの
検出電極と離間し円周方向で互いに間隙を保持して少な
くとも2つに分割されて配置されている。
【0033】そして、一対のードケースはこれらのガ
ード電極と接続され一対の先の検出電極を覆っている。
ダンピング箔は、先の磁場が印加される磁束経路に設け
られ先の励磁コイルのインダクタンスの周波数特性にお
ける共振点を消滅させる程度に薄い導電性とされ、、先
のガード電極を先の信号電圧と同電位を保持して低イン
ピーダンスでドライブする。
【0034】このようにして、絶縁性パイプを用いて商
用周波数より高い周波数で励磁してフローノイズの影響
を除去しながら励磁電流のリンギングに起因する不安定
要因をも除去して安定な流量信号を得ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて説
明する。図1は本発明の1実施例の横断面の構成を、図
2は図1に対応する縦断面をそれぞれ示す構成図であ
り、これらの図を共用して説明する。
【0036】20は絶縁性のパイプであり、このパイプ
20は、例えばセラミックスなどの材料で形成され、円
筒状をなしている。パイプ20の軸方向の中央部は外周
面が肉薄の凹部20Aとして形成され、これらの軸方向
の両外側に肉厚の端部20B、20Cが形成されてい
る。
【0037】例えば、ステンレスで作られた円筒状のケ
ース21の端面部21A、21Bは、リング状に形成さ
れ、これらの端面部21Aと21Bの間は円筒部21C
が溶接により固定されている。
【0038】そして、このケース21の内部にはパイプ
20が挿入され、その端部20B、20Cと端面部21
A、21Bとの間にはそれぞれOリング22A、22B
が挿入されて気密が確保されている。さらに、ケース2
1にはその軸に垂直に矩形状の接続筒21Dが固定さ
れ、この上に図示しない変換器が搭載される。
【0039】パイプ20の凹部20Aの中央の表面に
は、検出電極23Aと23Bがパイプ20の軸に対して
半径方向に対向して導電体を密着する形として面状に形
成されている。この検出電極23Aと23Bの上は、検
出電極23Aと23Bとが離間されてこれ等を覆うよう
に箱形状のガードケース24A、24Bがパイプ20の
外面に固定されている。
【0040】また、ガードケース24A、24Bの周囲
の凹部20Aの表面には、パイプ20の端部20B、2
0Cに至るまで全面に亘って導電性のガード電極25
A、25Bがパイプ20の頂部と底部で左右に分割され
て形成された間隙26、27を挟んで形成されている。
そして、これらのガード電極25A、25Bはそれぞれ
ガードケース24A、24Bと電気的に接続されてい
る。
【0041】この間隙26、27の各々を覆うように、
ガード電極25A、25Bとは絶縁性塗料などで絶縁さ
れた状態で、これらの周面に円弧状に導電性のダンピン
グ箔28A、28Bが固定されており、これ等のダンピ
ング箔28A、28Bはそれぞれリード線29により基
準電位点30に固定されている。
【0042】これ等のダンピング箔28A、28Bは、
例えば、銅、黄銅、ステンレスなどで構成されるが、励
磁周波数が高くなると、このダンピング箔28A、28
Bの厚みが大きいときには、ここで発生する渦電流が大
きくなりこれによって生じる反磁界によって磁場変動の
時定数が大きくなり信号のサンプリング時までに磁場が
整定せず誤差要因を作るので、これ等の厚みは200μ
m以下に選定される。
【0043】また、ダンピング箔28A、28Bは、間
隙26、27を覆うように形成される結果、後述する励
磁コイルから間隙26、27を通して検出電極23Aと
23Bに浮遊容量を介して静電結合されて生じる誘導ノ
イズに起因するゼロ点変動をを低減させ安定な測定をも
可能とする。
【0044】これらのダンピング箔28A、28Bは、
その表面の中央部に、互いに成層鉄心で矩形状に積層さ
れてボルトなどで一体に固定されたポールピースコア2
9A、29Bの一端面に固定されている。
【0045】そして、これらのポールピースコア29
A、29Bの周囲にはそれぞれ励磁コイル31A、31
Bが巻回され、励磁リード線32A、32Bがケース2
1の接続筒21Dに引き出されている。
【0046】励磁コイル31A、31Bは、その周囲に
静電シールド用のシールド箔33A、33Bが巻回され
ており、リード線34A、34Bにより接続筒21Dを
介して基準電位点30(接地電位)に接続されている。
【0047】これらのポールピースコア29A、29B
の他端面には、円筒状に形成され成層された帰還コア3
5が配置され、2つのポールピースコア29A、29B
はネジ36A、36B、及び37A、37Bにより、そ
れぞれ一体にネジ止めされている。
【0048】一方、検出電極23Aと23Bからは、信
号リード線38A、38Bが、ガードケース24A、2
4Bと円筒状の帰還コア35をクロスしてケース21の
接続筒21Dを介して図示しない変換器部に導出されて
いる。
【0049】同様に、ガードケース24A、24Bから
も帰還コア35をクロスしてケース21の接続筒21D
を介して、信号リード線38A、38Bとは絶縁されて
共に図示しない変換器部にリード線39A、39Bによ
り導出されている。
【0050】接続筒21Dの中には、シールド板40が
挿入され、励磁リード線32A、32B側と信号リード
線38A、38B側とを物理的に分離している。これに
より、高電圧である励磁リード線32A、32B側から
低電圧である信号リード線38A、38B側への静電誘
導を防止している。
【0051】そして、ガードケース24A、24Bの内
部には、例えば絶縁性で自己接着性のあるシリコーン樹
脂が充填され、ガードケース24A、24Bを除くケー
ス21とパイプ20の外面との間、および接続筒21D
との間は、例えばエポキシ樹脂などですべて充填され、
耐湿性、耐振性、耐候性を確保している。
【0052】リード線39A、39Bには、図示しない
変換器側から低インピーダンスで信号リード線38A、
38Bの電位と同一の電位が印加され、これによりパイ
プ20の表面はガードケース24A、24Bを含めて検
出電極23A、32Bを除く実質的な全面が信号電位と
同一の電位となり、信号リード線38A、38Bを含め
て浮遊容量の影響が除去されている。これらは高インピ
ーダンス回路を構成するので特にこのような配慮がなさ
れている。
【0053】次に、図3に示す周波数特性図を用いて図
1、図2に示す実施例の動作について説明する。
【0054】励磁コイル31Aと31Bは、例えば磁場
が同一方向を向くように直列に接続され、励磁リード線
32A、32Bを介して変換器側から、例えば商用周波
数より高い周波数を持つ矩形波状の励磁電流が流されて
パイプ20の中に流れる測定流体に印加される。
【0055】これにより、パイプ20の中には測定流体
の流量に対応した起電力が発生するが、この起電力は測
定流体と検出電極23A、32Bとの間で形成されるパ
イプ20の静電容量CP1、CP2を介して検出され、信号
リード線38A、38Bを通して変換器側に伝送され、
電気信号としての流量信号に変換される。
【0056】この場合、励磁コイルは、従来の構成では
図11に示すように励磁周波数に対するそのインダクタ
ンスLは50KHzの近傍に共振点Rを持ち、このため
図12に示すような励磁電流If2にリンギングが発生す
る不都合があった。
【0057】これに対して、図1、図2に示す実施例で
は、測定流体に印加する磁場の経路の中に導電性で極め
て薄いダンピング箔28A、28Bを挿入する構成とし
たので、図3に示すように共振点Rが消滅し、図12に
示すようなリンギング現象が生じない。図3の横軸は励
磁周波数、縦軸は励磁コイル31Aと31Bのインダク
タンスLを示す。
【0058】以下、これについて説明する。一般に、磁
場の経路の中に導電性材料を置くと、ここに渦電流が流
れて反磁界が生じるが、この反磁界は磁場Bの時間微分
に比例するので、高周波成分ほど大きくなる。
【0059】このように、反磁界の影響は高周波成分ほ
ど大きくなるので、見かけ上、高周波磁界が小さくな
り、励磁コイル31Aと31BのインダクタンスLを高
周波領域で小さくすることにより、高周波特性を改良し
て励磁電流のリンギングを防止する。
【0060】そこで、磁場の経路の中にダンピング箔2
8A、28Bを挿入するのであるが、この場合、ダンピ
ング箔28A、28Bを厚くすると、既述のように磁場
の整定時間が長くなり、誤差要因を作るので、ダンピン
グ箔28A、28Bを導電性材料で極めて薄いものとす
る。
【0061】さらに、励磁周波数として商用周波数より
高い周波数を用いるので、従来のような例えば10Hz
程度の低い励磁周波数で励磁する低周波励磁の電磁流量
計のポールピースコアのようなソリッド状の軟鋼、鉄を
用いることができず、磁気特性の良い成層鉄心を用いる
ことになる。
【0062】しかしながら、ポールピースコア29A、
29Bとして成層鉄心を用いる構成にすると、磁気回路
の周波数特性が良くなり、周波数に対するポールピース
コア29A、29Bの透磁率が高周波領域において図1
1に示すような共振点Rを有するようになり、励磁電流
のリンギングを招く結果となる。
【0063】そこで、この対策としても、図1、図2に
示すダンピング箔28A、28Bは効果が期待でき、さ
らに磁場変動に対して信号のサンプリング時までに磁場
が早期に整定される既述の効果も期待できる。
【0064】さらに、ダンピング箔28A、28Bの大
きさは、ポールピースコア29A、29Bを覆う大きさ
から励磁コイル31A、31Bの外周縁までを覆う大き
の範囲で調節することにより高次の周波数特性を必要
に応じて改善することができる。
【0065】図4は本発明の第2の実施例の構成を示す
部分横断面を示す。この場合は、図1に示すダンピング
箔28A、28Bの位置を変更したものである。図1に
示す実施例ではダンピング箔28A、28Bを間隙2
6、27を覆うように励磁コイル31A、31Bとガー
ド電極25Aと25Bとの間の磁束経路に配置して基準
電位点30に接続する構成とした。
【0066】しかし、図4の場合はダンピング箔41
A、41Bをポールピースコア29A、29Bと磁場が
帰還されるリターンコア35との間の磁束経路に配置し
て基準電位点30に接続するように構成したものであ
る。
【0067】図5は本発明の第3の実施例の構成を示す
部分横断面を示す。この場合は、図4の構成に対してガ
ード電極の構成を変更したものである。この場合は、ガ
ード電極42A、42Bの構成を図1に示す間隙26と
27とが生じないように絶縁しながら重なり合うように
構成している。
【0068】
【発明の効果】以上、実施例と共に具体的に説明したよ
うに本発明の請求項1に記載された発明によれば、励磁
コイルのインダクタンスの周波数特性における共振点を
消滅させる程度に薄い導電性のダンピング箔を磁場が印
加される磁束経路に設けるように構成したので、容量式
電磁流量計において励磁周波数を商用周波数より高い周
波数に選定しても励磁電流がリンギングなどの不安定な
動作をすることがなく安定な流量信号を出力することが
できる。請求項2に記載された発明は、基本的に請求項
1に記載された発明の効果と同様である
【0069】請求項3に記載された発明によれば、ポー
ルピースコアとガード電極との間の磁束経路にダンピン
グ箔を配置するようにしたので、請求項1に記載された
効果の他に励磁コイルから検出電極への静電誘導を効果
的に防止する効果もある。
【0070】請求項4に記載された発明によれば、ダン
ピング箔の大きさをポールピースコアを覆う大きさから
励磁コイルの外周縁までを覆う大きさの範囲に任意に形
成するようにしたので、高次の周波数特性を必要に応じ
て改善することができる効果がある。
【0071】請求項5に記載された発明によれば、ガー
ド電極を間隙を覆うように励磁コイルとガード電極との
間の磁束経路に配置したので、励磁コイルから検出電極
への静電誘導を効果的に防止する効果が付加される。
【0072】請求項6に記載された発明によれば、ガー
ド電極をパイプの端部近傍まで軸方向に延長して前記パ
イプを覆うようにしたので、パイプ内面とコイルシール
ド、コア間の静電容量を見かけ上小さくすることがで
き、測定流体の導電率が低くなったときに生じるスパン
誤差を小さくすることができる。
【0073】請求項7に記載された発明によれば、商用
周波数以上の周波数で励磁してもポールピースコアに成
層鉄心を用いたので、磁界を十分に早く整定させること
ができ、この結果として、信号のサンプリングの際に誤
差を発生させることがない。
【0074】請求項8に記載された発明によれば、ダン
ピング箔を共通電位点に接続して接地したので、静電シ
ールド板としての機能をも持たせることが出来、ノイズ
除去に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の横断面の構成を示す構成図
である。
【図2】図1に示す実施例に対応する縦断面を示す構成
図である。
【図3】図1に示す実施例における励磁コイルの周波数
特性を示す特性図である。
【図4】本発明の第2の実施例の縦断面を示す構成図で
ある。
【図5】本発明の第3の実施例の縦断面を示す構成図で
ある。
【図6】従来の電磁流量計の検出部の構成を示す説明図
である。
【図7】従来の電磁流量計の欠点を説明する波形図であ
る。
【図8】従来の電磁流量計の欠点を説明する説明図であ
る。
【図9】流動電位の周波数特性を示す第1の特性図であ
る。
【図10】流動電位の周波数特性を示す第2の特性図で
ある。
【図11】従来の電磁流量計の励磁コイルのインダクタ
ンスの周波数特性を示す特性図である。
【図12】従来の電磁流量計の問題点を説明する波形図
である。
【符号の説明】
10、11、23A、23B 検出電極 12 ライニング 13、20 パイプ 14、15、31A、31B 励磁コイル 21 ケース 24A、24B ガードケース 25A、25B、42A、42B ガード電極 26、27 間隙 28A、28B、41A、41B ダンピング箔

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定流体を流すための絶縁性物質で作られ
    たパイプと、ポールピースコアの周囲に巻回されこのパ
    イプの外部から前記測定流体に商用周波数より高い周波
    数を持つ磁場を印加する励磁コイルと、前記測定流体に
    発生した信号電圧を前記パイプで形成される静電容量を
    介して検出する一対の検出電極と、これらの検出電極と
    離間し円周方向で互いに間隙を保持して少なくとも2つ
    に分割されて配置された一対のガード電極と、これらの
    ガード電極と接続され一対の前記検出電極を覆う一対の
    ードケースと、前記磁場が印加される磁束経路に設け
    られ前記励磁コイルのインダクタンスの周波数特性にお
    ける共振点を消滅させる程度に薄い導電性のダンピング
    箔とを具備し、前記ガード電極を前記信号電圧と同電位
    を保持して低インピーダンスでドライブすることを特徴
    とする容量式電磁流量計。
  2. 【請求項2】前記ダンピング箔は、前記ポールピース
    と前記磁場が帰還されるリターンコアとの間の磁束経
    路に配置されることを特徴とする請求項1記載の容量式
    電磁流量計。
  3. 【請求項3】前記ダンピング箔は、前記ポールピース
    と前記ガード電極との間の磁束経路に配置されること
    を特徴とする請求項1記載の容量式電磁流量計。
  4. 【請求項4】前記ダンピング箔の大きさは、前記ポール
    ピースコアを覆う大きさから前記励磁コイルの外周縁ま
    を覆う大きさの範囲に形成されたことを特徴とする請
    求項1記載の容量式電磁流量計。
  5. 【請求項5】前記ガード電極は、前記間隙を覆うように
    前記励磁コイルと前記ガード電極との間の磁束経路に配
    置したことを特徴とする請求項1記載の容量式電磁流量
    計。
  6. 【請求項6】前記ガード電極は前記パイプの端部近傍ま
    で軸方向に延長して前記パイプを覆うようにしたことを
    特徴とする請求項1又は2又は3又は4記載の容量式電
    磁流量計。
  7. 【請求項7】前記ポールピースコアに成層鉄心を用いた
    ことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又
    は6記載の容量式電磁流量計。
  8. 【請求項8】前記ダンピング箔は共通電位点に接続され
    たことを特徴とする請求項1記載の容量式電磁流量計。
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