JP2009299743A - 噛み合い軸の製造方法及び回転直線運動変換機構の製造方法 - Google Patents

噛み合い軸の製造方法及び回転直線運動変換機構の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることのできる噛み合い軸の製造方法を提供する。
【解決手段】この製造方法では、転造により噛み合い部としての太陽ねじ12、前面太陽歯車11及び前面太陽歯車13を基礎太陽軸10Aの外周面に形成すると同時に、これら噛み合い部との相対的な回転位相及び軸方向についての相対的な距離を把握することのできる打刻印15を外周面上の噛み合い部とは別の箇所に形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、噛み合い部として歯車及びねじの少なくとも一方を外周面に有する噛み合い軸の製造方法、及び同噛み合い軸としての太陽軸と、同太陽軸の周囲に配置される複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸とを取り囲む態様で配置される円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法に関する。
上記噛み合い軸を有する機構として、例えば特許文献1に記載の回転直線運動変換機構が知られている。この回転直線運動変換機構は、太陽歯車及び太陽ねじを外周面に有する噛み合い軸としての太陽軸(サンシャフト)と、これら太陽歯車及び太陽ねじにそれぞれ噛み合わされる遊星歯車及び遊星ねじを有する複数の遊星軸(プラネタリシャフト)と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて遊星歯車及び遊星ねじにそれぞれ噛み合わされる円環歯車及び円環ねじを有する円環軸(リングシャフト)とにより構成されている。
ここで、特許文献1に記載の回転直線運動変換機構の製造方法では、太陽軸の太陽歯車及び太陽ねじと遊星軸の遊星歯車及び遊星ねじとをそれぞれ噛み合わせる際の作業効率を高めるため、これら歯車及びねじ同士を速やかに噛み合わせるための準備を行う工程を設けるようにしている。すなわち、この準備の工程において、太陽軸と遊星軸との回転位相及び軸方向の位置の相対的な関係について、これを各歯車及びねじ同士が速やかに噛み合う関係に設定するようにしている。
また、このような関係の設定を可能にするため、太陽軸の製造に際してまずは太陽歯車及び太陽ねじが形成されていない状態の太陽軸に印(太陽標識)を形成し、この印を基準として太陽歯車及び太陽ねじを転造により形成するようにしている。これにより、太陽軸の印と太陽歯車及び太陽ねじとの間には一定の関係が維持されるため、上記準備の工程に際しては太陽軸の印に基づいて各歯車及びねじ同士が速やかに噛み合う太陽軸と遊星軸との関係を設定することが可能となる。
特開2008−25829号公報(段落[0132]、[0158、[0177]、[0178]及び図17〜図21)
上記製造方法によれば、太陽軸の太陽歯車及び太陽ねじと遊星軸の遊星歯車及び遊星ねじとを速やかに噛み合わせることができるようになるとはいえ、次の点において依然として課題を残すものとなっている。
すなわち、太陽軸の製造過程においては、太陽歯車及び太陽ねじを転造する際に太陽軸と転造装置との間にすべりが生じることに起因して、転造後の太陽軸における太陽歯車及び太陽ねじと印との関係が予め想定した関係とは異なるものとなることもある。この場合、上記準備の工程において太陽軸の印に基づいて太陽軸と遊星軸との関係を設定しても、これが各歯車及びねじ同士の速やかな噛み合いを実現するものとはならないようになる。そして、太陽軸と遊星軸とを組み合わせる際には、各歯車及びねじが噛み合う太陽軸と遊星軸との関係について、これを各軸の相対的な回転位相及び軸方向の位置を変更する作業等を行いつつ探り当てる必要が生じるため、作業効率の低下が避けられないものとなる。
なお、こうした問題は回転直線運動変換機構に限られるものではなく、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる工程を含めて製造される機構であって、転造により噛み合い部を形成する噛み合い軸を含む機構であれば同様に生じ得るものと考えられる。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることのできる噛み合い軸の製造方法、及び回転直線運動変換機構の製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、噛み合い部としての歯車を外周面に有する噛み合い軸の製造方法において、転造により歯車を形成すると同時にこの歯車との相対的な回転位相を把握することのできる印を外周面上の歯車とは別の箇所に設ける工程を備えることを要旨としている。
上記発明によれば、噛み合い部(歯車)と印とを同時に設けるようにしているため、すなわち噛み合い部と印との間で転造装置に対するすべりの態様に差が生じないようにしているため、これら噛み合い部と印との相対的な回転位相は常に一定の関係に維持されるようになる。これにより、当該噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部(歯車)との噛み合わせに際して、上記印に基づいて前者の回転位相を把握することが可能となる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、噛み合い部としてのねじを外周面に有する噛み合い軸の製造方法において、転造によりねじを形成すると同時にこのねじとの軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相を把握することのできる印を外周面上のねじとは別の箇所に設ける工程を備えることを要旨としている。
上記発明によれば、噛み合い部(ねじ)と印とを同時に設けるようにしているため、すなわち噛み合い部と印との間で転造装置に対するすべりの態様に差が生じないようにしているため、これら噛み合い部と印との相対的な距離及び回転位相は常に一定の関係に維持されるようになる。これにより、当該噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部(ねじ)との噛み合わせに際して、上記印に基づいて前者の軸方向の位置及び回転位相を把握することが可能となる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることができるようになる。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の噛み合い軸の製造方法において、当該噛み合い軸は、前記噛み合い部としての歯車をさらに有するものであり、前記工程は、転造により前記噛み合い部としてのねじ及び歯車を同時に形成し、且つこれと同時に前記印を設けるものであることを要旨としている。
上記発明によれば、噛み合い部(ねじ及び歯車)と印とを同時に設けるようにしているため、すなわち噛み合い部と印との間で転造装置に対するすべりの態様に差が生じないようにしているため、これら噛み合い部と印との相対的な距離及び回転位相は常に一定の関係に維持されるようになる。これにより、当該噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部との噛み合わせに際して、上記印に基づいて前者の軸方向の位置及び回転位相を把握することが可能となる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の噛み合い軸の製造方法において、前記工程では、当該噛み合い軸の端部付近に前記印を設けることを要旨としている。
上記発明によれば、印を軸の端部に形成するようにしているため、他の要素の形状や組み付け時の状態に関わらずこれを確認することが容易になる。このため、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率について、そのさらなる向上を図ることができるようになる。
(5)請求項5に記載の発明は、第1の噛み合い部としての歯車及び第2の噛み合い部としてのねじを外周面に有する噛み合い軸の製造方法において、転造により歯車を形成すると同時に、この歯車との相対的な回転位相を把握することのできる第1の印を外周面上の歯車及びねじとは別の箇所に設ける第1の工程と、転造によりねじを形成するのと同時に、このねじとの軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相を把握することのできる第2の印を外周面上の歯車およびねじとは別の箇所に設ける第2の工程とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、各噛み合い部(歯車またはねじ)とこれに対応する印(第1の印または第2の印)とを同時に設けるようにしているため、対応する噛み合い部と印との間では転造装置に対するすべりの態様に差が生じないようになる。これにより、歯車と第1の印との相対的な回転位相、及びねじと第2の印との軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相は、常に一定の関係に維持されるようになるため、当該噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部との噛み合わせに際して、上記印に基づいて歯車の回転位相とねじの軸方向の位置及び回転位相を把握することが可能となる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることができるようになる。
(6)請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の噛み合い軸の製造方法において、前記第1の工程では前記第1の印として、軸方向に所定の長さを有するものを設け、前記第2の工程では前記第2の印として、周方向に所定の長さを有して前記第1の印に交差するものを設けることを要旨としている。
上記発明によれば、第1の印及び第2の印が交差する部位に基づいて、歯車と第1の印との相対的な回転位相、及びねじと第2の印との相対的な距離及び回転位相を把握することが可能となる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率について、そのさらなる向上を図ることができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の噛み合い軸の製造方法において、前記第1の工程及び前記第2の工程では、当該噛み合い軸の端部付近に前記第1の印及び前記第2の印を設けることを要旨としている。
上記発明によれば、第1の印及び第2の印を端部に形成するようにしているため、他の要素の形状や組み付け時の状態に関わらずこれを確認することが容易になる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率について、そのさらなる向上を図ることができるようになる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の噛み合い軸の製造方法において、前記印を転造により設けることを要旨としている。
上記発明によれば、転造により印を形成するようにしているため、すなわち印を形成するための加工方法として、噛み合い部を形成するための加工方法と同じものを用いるようにしているため、噛み合い軸及び印の形成にかかる作業性を高めることができるようになる。
(9)請求項9に記載の発明は、噛み合い部としての歯車及びねじの少なくとも一方を外周面に有するとともに、外周面上の前記噛み合い部とは別の箇所に周方向にて隣り合う複数のスプラインを有する噛み合い軸の製造方法において、前記噛み合い部との軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相を把握することのできる異形部を含む形状のスプライン加工部を形成する工程を備え、この工程では前記噛み合い部と前記スプライン加工部とを転造により同時に形成することを要旨としている。
上記発明によれば、噛み合い部(歯車及びねじの少なくとも一方)の転造と同時にスプライン加工部の形成を行うようにしているため、すなわち噛み合い部とスプライン加工部との間で転造装置に対するすべりの態様に差が生じないようにしているため、これら噛み合い部とスプライン加工部との軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相は常に一定の関係に維持されるようになる。そして、スプライン加工部は異形部を含めて形成されるため、当該噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部との噛み合わせに際して、この異形部に基づいて噛み合い部の軸方向の位置及び回転位相を把握することが可能となる。従って、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率の向上を図ることができるようになる。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の噛み合い軸の製造方法において、前記工程では、当該噛み合い軸の端部付近に前記複数のスプライン加工部を形成することを要旨としている。
上記発明によれば、スプライン加工部を端部に形成するようにしているため、他の要素の形状や組み付け時の状態に関わらずこれを確認することが容易になる。このため、噛み合い軸の噛み合い部と他の要素の噛み合い部とを噛み合わせる際の作業効率について、そのさらなる向上を図ることができるようになる。
(11)請求項11に記載の発明は、噛み合い部としての太陽歯車を外周面に有する太陽軸と、この太陽歯車に噛み合わされる遊星歯車を有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車のそれぞれに噛み合わされる円環歯車を有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、請求項1または、請求項1を引用する請求項4または、これら請求項の一方を引用する請求項8に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程A1と、前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記印に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車と前記遊星歯車とが噛み合う回転位相に設定し、この回転位相の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車を前記太陽歯車に噛み合わせる工程A2とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、太陽歯車と遊星歯車との噛み合わせに際して、太陽軸の印に基づいて遊星軸の回転位相を予め規定の位相に設定するようにしているため、遊星歯車を的確に太陽歯車に噛み合わせることができるようになる。従って、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(12)請求項12に記載の発明は、噛み合い部としての太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、この太陽ねじに噛み合わされる遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星ねじのそれぞれに噛み合わされる円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、請求項2または、請求項3または、これら請求項の一方を引用する請求項4またはこれら3つの請求項のいずれか一項を引用する請求項8に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程B1と、前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記印に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記印に基づいて前記太陽ねじと前記遊星ねじとの軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星ねじを前記太陽ねじに噛み合わせる工程B2とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、太陽ねじと遊星ねじとの噛み合わせに際して、太陽軸の印に基づいて遊星軸の回転位相及び軸方向の位置のそれぞれを予め規定の位相及び規定の位置に設定するようにしているため、遊星ねじを的確に太陽ねじに噛み合わせることができるようになる。従って、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(13)請求項13に記載の発明は、噛み合い部としての太陽歯車及び太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、これら太陽歯車及び太陽ねじにそれぞれ噛み合わされる遊星歯車及び遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車及び前記遊星ねじにそれぞれに噛み合わされる円環歯車及び円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、請求項5〜7のいずれか一項または、これら請求項のいずれか一項を引用する請求項8に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程C1と、前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記第1の印と前記第2の印との交点に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車及び前記太陽ねじのそれぞれと前記遊星歯車及び前記遊星ねじのそれぞれとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記第1の印と前記第2の印との交点に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車及び前記遊星ねじをそれぞれ前記太陽歯車及び前記太陽ねじに噛み合わせる工程C2とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、太陽歯車と遊星歯車との噛み合わせ及び太陽ねじと遊星ねじとの噛み合わせに際して、太陽軸の印に基づいて遊星軸の回転位相及び軸方向の位置のそれぞれを予め規定の位相及び規定の位置に設定するようにしているため、遊星歯車を太陽歯車に、遊星ねじを太陽ねじにそれぞれ的確に噛み合わせることができるようになる。従って、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(14)請求項14に記載の発明は、噛み合い部としての太陽歯車を外周面に有する太陽軸と、この太陽歯車に噛み合わされる遊星歯車を有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車のそれぞれに噛み合わされる円環歯車を有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、請求項9または請求項10に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程D1と、前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車と前記遊星歯車とが噛み合う回転位相に設定し、この回転位相の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車を前記太陽歯車に噛み合わせる工程D2とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、太陽歯車と遊星歯車の噛み合わせに際して、スプライン加工部に形成された異形部に基づいて遊星軸の回転位相を予め規定の位相に設定するようにしているため、遊星歯車を的確に太陽歯車に噛み合わせることができるようになる。従って、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(15)請求項15に記載の発明は、噛み合い部としての太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、この太陽ねじに噛み合わされる遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星ねじのそれぞれに噛み合わされる円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、請求項9または請求項10に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程E1と、前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星ねじを前記太陽ねじに噛み合わせる工程E2とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、太陽ねじと遊星ねじとの噛み合わせに際して、スプライン加工部に形成された異形部に基づいて遊星軸の回転位相及び軸方向の位置を予め規定の位相及び規定の位置に設定するようにしているため、遊星ねじを的確に太陽ねじに噛み合わせることができるようになる。従って、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(16)請求項16に記載の発明は、噛み合い部としての太陽歯車及び太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、これら太陽歯車及び太陽ねじにそれぞれ噛み合わされる遊星歯車及び遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車及び前記遊星ねじにそれぞれに噛み合わされる円環歯車及び円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、請求項9または請求項10に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程F1と、前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記複数のスプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車及び前記太陽ねじのそれぞれと前記遊星歯車及び前記遊星ねじのそれぞれとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記複数の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車及び前記遊星ねじをそれぞれ前記太陽歯車及び前記太陽ねじに噛み合わせる工程F2とを備えることを要旨としている。
上記発明によれば、太陽歯車と遊星歯車との噛み合わせ及び太陽ねじと遊星ねじとの噛み合わせに際して、スプライン加工部に形成された異形部に基づいて遊星軸の回転位相及び軸方向の位置を予め規定の位相及び規定の位置に設定するようにしているため、遊星歯車を太陽歯車に、遊星ねじを太陽ねじにそれぞれ的確に噛み合わせることができるようになる。従って、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(第1実施形態)
図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。まずは、図1〜図3に基づいて回転直線運動変換機構の構造について説明する。なお、図1は回転直線運動変換機構の斜視構造を示すものであり、また図2は同変換機構の軸方向の断面構造を示すものであり、また図3は図2のDA−DA線及びDB−DB線のそれぞれに沿う断面構造を示すものである。
図1及び図2に示されるように、回転直線運動変換機構は、軸方向へ延びる空間を内部に有する円環軸30と、その空間の径方向の中央に配置された太陽軸10と、円環軸30内において太陽軸10の周囲に等間隔に配置された複数の遊星軸20と、円環軸30の軸方向の端部に取り付けられた前面カラー41及び背面カラー43とにより構成されている。これら構成要素は、それぞれの軸線が互いに平行となる態様で組み合わされている。なお以降では、太陽軸10が円環軸30から突出する側(図面右側)を回転直線運動変換機構の前面側とし、これとは反対側(図面左側)を回転直線運動変換機構の背面側とする。
太陽軸10は、単一の軸上に一対の外歯車及び一つの雄ねじ及び複数のスプラインが形成された構造体として構成されている。すなわち太陽軸10には、外歯車としての前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13と、雄ねじとしての太陽ねじ12と、周方向にて隣り合う複数のスプラインからなるスプライン加工部14とが形成されている。また、前面太陽歯車11の回転位相と背面太陽歯車13の回転位相とが同一となるようにこれら歯車が形成されている。また、太陽軸10の前面側の端部付近には、回転直線運動変換機構の製造に際して、太陽軸10と各遊星軸20または円環軸30とを組み合わせる上での目印として用いられる打刻印15が形成されている。
遊星軸20は、一つの外歯車及び雄ねじが形成された単一の軸と、これとは別体の一つの外歯車とを組み合わせた構造体として構成されている。すなわち遊星軸20は、外歯車としての前面遊星歯車21及び雄ねじとしての遊星ねじ22が形成された遊星軸本体24と、外歯車としての背面遊星歯車23との組み合わせにより構成されている。また背面遊星歯車23は、遊星軸本体24に対する回転が許容される状態で同本体24に組み合わせられている。
円環軸30は、一つの雌ねじが形成された単一の中空の軸と、これとは別体の一対の内歯車とを組み合わせた構造体として構成されている。すなわち円環軸30は、雌ねじとしての円環ねじ32が形成された円環軸本体34と、内歯車としての各別の前面円環歯車31及び背面円環歯車33との組み合わせにより構成されている。また各円環歯車31及び33は、円環軸本体34に対して固定されている。また、前面円環歯車31の回転位相と背面円環歯車33の回転位相とが同一となるようにこれら歯車が円環軸本体34に組み付けられている。
図3(a)に示されるように、前面太陽歯車11はその周囲に存在する全ての前面遊星歯車21と噛み合わされている。また、各前面遊星歯車21はこれを取り囲む円環歯車31に噛み合わされている。なお、図示については省略するものの、背面太陽歯車13及び各背面遊星歯車23及び背面円環歯車33も上記と同様の態様をもって噛み合わされている。
図3(b)に示されるように、太陽ねじ12はその周囲に存在する全ての遊星ねじ22と噛み合わされている。また、各遊星ねじ22はこれを取り囲む円環ねじ32に噛み合わされている。
そして、以上の構成を備える回転直線運動変換機構によれば、次の態様をもって太陽軸10及び円環軸30の一方の回転運動が太陽軸10及び円環軸30の他方の直線運動に変換される。すなわち、太陽軸10が外部からの力によって回転運動するとき、この回転運動にともない太陽軸10から伝達された力を通じて遊星軸20が太陽軸10の周囲で遊星運動を行う。そしてこの遊星運動を通じて遊星軸20から円環軸30に伝達される力により、円環軸30が軸方向に移動するようになる。あるいは、円環軸30が外部からの力によって回転運動するとき、この回転運動にともない円環軸30から伝達された力を通じて遊星軸20が太陽軸10の周囲で遊星運動を行う。そしてこの遊星運動を通じて遊星軸20から太陽軸10に伝達される力により、太陽軸10が軸方向に移動するようになる。
次に図4〜図9を参照して、噛み合い軸としての太陽軸の製造方法、及び回転直線運動変換機構の製造方法について説明する。
当該製造方法では、大きくは次の順序をもって回転直線運動変換機構の製造を行う。
すなわち、まず第1工程(図4)では、太陽軸10をはじめとする回転直線運動変換機構の各構成要素を準備する。次の第2工程(図5)では、太陽軸10を太陽治具60に取り付け、これによりこの太陽軸10に対して各遊星軸本体24を組み合わせるための状態を整える。次の第3工程(図7)では、遊星軸本体24のみを遊星治具70に取り付け、これにより遊星ねじ22の回転位相を把握する。次の第4工程(図8及び図9)では、太陽軸10に対する遊星軸本体24の位置及び回転位相を所定の関係に設定した後、すなわち遊星軸本体24を太陽軸10に向けて径方向にのみ移動させることにより、遊星軸本体24を太陽軸10に組み合わせることのできる関係に設定し、この設定した遊星軸本体24を太陽軸10に向けて移動させてこれらを組み合わせる。また、この作業を全ての遊星軸本体24について行い、これにより太陽軸10と複数の遊星軸本体24とにより構成される第1アッセンブリ(図9)を組み立てる。次の第5工程では、第1アッセンブリの各前面遊星歯車21に対して前面円環歯車31を噛み合わせ、その後に円環軸本体34の円環ねじ32と各遊星ねじ22とを噛み合わせて第2アッセンブリを組み立てる。次の第6工程では、背面円環歯車33及び各背面遊星歯車23のそれぞれを円環軸本体34及び各遊星軸本体24に組み合わせる。そして次の第7工程では、前面カラー41及び背面カラー43を円環軸30に組み合わせ、これにより図1に示される回転直線運動変換機構を組み立てる。
以下、上記第1工程〜第7工程の詳細について説明する。
[第1工程(図4)]この工程では、回転直線運動変換機構の太陽軸10以外の各構成要素をそれぞれに適した方法を通じて製造し、太陽軸10については以下の態様をもって製造し、これにより同変換機構の組み立てに必要となる全ての構成要素を準備する。なお、遊星軸本体24の製造に際しては、前面遊星歯車21と遊星ねじ22とを転造により同時に形成する。
太陽軸10の製造について、まず前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13及び太陽ねじ12及を除いては太陽軸10としての必要な構造を備える状態の軸(以下、「基礎太陽軸10A」)を適宜の製造方法により形成し、これを前面歯車転造型51及びねじ転造型52及び背面歯車転造型53及び打刻印転造型55を有する転造盤50上に配置する。そして、この転造盤50の作動を通じて、基礎太陽軸10Aの対応する箇所に前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13を順次形成する。また、転造盤50に対する基礎太陽軸10Aの回転にともない、この基礎太陽軸10Aが打刻印転造型55の所定位置、すなわち打刻印15に対応する凸部が形成された位置を通過する際に、基礎太陽軸10Aに打刻印15を形成する。ここでは打刻印15の形状として、正方形を採用している。
このように第1工程では、転造盤50による転造を通じて基礎太陽軸10Aに前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13と打刻印15とを同時に形成し、これにより太陽軸10としての最終的な形態を確保する。
ここで、打刻印転造型55による太陽軸10への打刻印15の形成位置は次のように設定されている。すなわち、太陽軸10の周方向における位置は、前面太陽歯車11側にある太陽ねじ12の終点と一致するところに設定されている。また、太陽軸10の軸方向における位置は、太陽軸10の前面側の端部付近、且つ前面太陽歯車11側にある太陽ねじ12の終点から一定の距離を経た位置に設定されている。なお、太陽軸10における打刻印15の形成位置がいずれの位置に設定される場合であれ、転造に際して各太陽歯車及び太陽ねじのそれぞれのいずれの部分が形成されているときに打刻印15が形成されるかについて、これを予め確認しておくことにより、打刻印15に基づいて各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相を把握することはできる。また同じく、転造に際して各太陽歯車及び太陽ねじのそれぞれが形成される位置と打刻印15が形成される位置との間隔について、これを予め確認しておくことにより、打刻印15に基づいて各太陽歯車及び太陽ねじの軸方向についての位置を把握することはできる。すなわち、打刻印15をいずれの位置に形成しても、各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相及び軸方向の位置を特定するための印としての機能は維持される。
[第2工程(図5及び図6)]この工程では、太陽軸10を図6に示される太陽治具60に取り付ける。同図に示されるように、太陽治具60には、太陽軸10を挿入してこれを支持するための支持孔62と、太陽軸10を支持した状態において打刻印15を治具の外側から確認するための治具窓61とが設けられている。
さて、第2工程において太陽軸10を支持孔62に挿入する際には、治具表面63から太陽ねじ12までの軸方向の距離、すなわち治具表面63から太陽ねじ12の前面太陽歯車11側の終点までの軸方向の距離(以下、「表面ねじ間距離L1」)について、これが規定距離LXとなるように太陽治具60内に太陽軸10を挿入する長さを設定する。この挿入する長さの設定は、治具窓61を通じて確認することのできる打刻印15の位置に基づいて行う。すなわち、打刻印15から太陽ねじ12の終点までの軸方向の距離(以下、「打刻印ねじ間距離L3」)は前面歯車転造型51と打刻印転造型55との関係により規定される大きさにあるため、打刻印15から治具表面63までの軸方向の距離(以下、「打刻印表面間距離L2」)について、これを打刻印ねじ間距離L3から引いた値が上記規定距離LXとなるように打刻印15の位置を調整することにより、上記挿入する長さの設定を行う。なお、上記規定距離LXは、後述する第4工程において太陽軸10に対する遊星軸本体24の軸方向の位置を規定軸位置P1に設定するための距離として予め規定されている。また、上記打刻印ねじ間距離L3及び打刻印表面間距離L2は、より正確には、打刻印15の周方向に沿う一対の辺のいずれか一方から太陽ねじ12の終点または治具表面63までの距離を示す。ここでは、同一対の辺のうち太陽軸10のスプライン加工部14側にある辺を基準としている。
[第3工程(図7)]この工程では、遊星軸本体24を図7に示される遊星治具70に取り付ける。すなわち、遊星軸本体24の遊星ねじ22を遊星治具70の雌ねじに対して最大限までねじ込む。
この遊星治具70は、遊星軸本体24の遊星ねじ22が最大限まで自身の雌ねじにねじ込まれた状態において、この遊星ねじ22の終点の一方(ここでは前面遊星歯車21側にある終点)と当該治具70の所定部位とが対応するように構成されている。すなわち、遊星軸本体24を最大限までねじ込むことにより、この遊星ねじ22の回転位相を把握することのできる治具として構成されている。
第3工程では、上記遊星治具70に対して遊星軸本体24を取り付けた後、前面遊星歯車21側にある遊星ねじ22の終点の回転位相を示す目印を遊星軸本体24において上記終点に対応する周方向の所定位置に設けるようにしている。そして、この作業を全ての遊星軸本体24について行った後、次の工程に移行する。
[第4工程(図8及び図9)]この工程では、太陽軸10に対する遊星軸本体24の軸方向の位置及び回転位相を規定の関係に設定し、この設定した遊星軸本体24を径方向に平行移動させることにより、太陽ねじ12と遊星ねじ22との噛み合わせ及び前面太陽歯車11と前面遊星歯車21との噛み合わせを得るようにしている。すなわち、まずは太陽軸10に対して径方向に所定の位置を経た位置に遊星軸本体24を配置し、且つ遊星軸本体24の軸線を太陽軸10の軸線に対して平行の関係に維持する。このとき、太陽軸10に対する遊星軸本体24の軸方向についての位置について、遊星軸本体24を径方向にのみ移動させることにより各ねじ及び歯車の噛み合わせが得られる規定軸位置P1に設定する。次に、太陽軸10に対する遊星軸本体24の回転位相について、遊星軸本体24を径方向にのみ移動させることにより各ねじ及び歯車の噛み合わせが得られる規定回転位相P2に設定する。そしてこれら規定軸位置P1及び規定回転位相P2に設定した遊星軸本体24を回転位相を維持しつつ径方向に平行移動させて、太陽ねじ12と遊星ねじ22とを噛み合わせるとともに前面太陽歯車11と前面遊星歯車21とを噛み合わせる。
図8を参照して、上記作業のより具体的な態様について説明する。なお図8(a)は、上記作業に際しての太陽軸10と遊星軸本体24との関係を軸方向からみて模式的に示したものであり、また図8(b)は、同関係を径方向からみて模式的に示したものである。
図8に示されるように、まずは遊星軸本体24の前面側の先端面26を太陽治具60の治具表面63に突き当てるとともに、太陽軸10に対して径方向に所定の距離だけ経た位置VRに遊星軸本体24を配置し、そのうえで遊星軸本体24の軸線を太陽軸10の軸線に対して平行の関係に維持する。このとき、第2工程においての太陽治具60に対する太陽軸10の挿入長さの設定がなされていることにより、上記遊星軸本体24の先端面26を治具表面63に突き当てる作業を行うだけで、太陽軸10に対する遊星軸本体24の軸方向の位置は自ずと規定軸位置P1に設定される。
次に、第3工程にて設けた遊星軸本体24の目印と太陽軸10の打刻印15とに基づいて、太陽軸10に対する遊星軸本体24の回転位相を規定回転位相P2に設定する。そして、太陽軸10の軸線と遊星軸本体24の軸線とが平行の関係にある状態、及び上記設定した回転位相を維持しつつ遊星軸本体24を径方向において位置VRから位置XRまで移動させ、これにより前面太陽歯車11と前面遊星歯車21との噛み合わせ及び太陽ねじ12と遊星ねじ22との噛み合わせを得る。また、この作業を全ての遊星軸本体24について行うことにより、図9に示される形態の第1アッセンブリを組み立てる。
なお、上記遊星軸本体24の回転位相の設定について、ここでは、遊星軸本体24の目印と太陽軸10の打刻印15とに基づいて、太陽ねじ12と遊星ねじ22との相対的な回転位相をこれらねじ同士の噛み合いが得られる回転位相に設定することにより、結果として各歯車についても自ずと歯車同士の噛み合いが得られる回転位相に設定される。このことは、太陽軸10及び遊星軸本体24の製造に際して、それぞれの軸におけるねじと歯車との回転位相の関係を規定回転位相P2に対応させることにより実現されている。
[第5工程]この工程では、第4工程にて組み立てられた第1アッセンブリに対して前面円環歯車31及び円環軸本体34を組み合わせ、これにより第2アッセンブリを組み立てる。
すなわち、まずは第1アッセンブリの太陽軸10の軸線と前面円環歯車31の軸線とを一致させる態様でこれらの位置関係を設定する。次に、第1アッセンブリの各前面遊星歯車21と前面円環歯車31との相対的な回転位相をこれら歯車同士が噛み合う回転位相に設定し、そのうえで前面円環歯車31を軸方向に移動させてこれを各前面遊星歯車21に噛み合わせる。次に、第1アッセンブリの太陽軸10の軸線と円環軸本体34の軸線とを一致させる態様でこれらの位置関係を設定する。次に、第1アッセンブリの各遊星ねじ22と円環軸本体34の円環ねじ32との相対的な回転位相をこれらねじ同士が噛み合う回転位相に設定し、そのうえで円環軸本体34を軸方向に移動させつつ上記ねじ同士を噛み合わせる。このとき、円環軸本体34の所定位置に前面円環歯車31を圧入することにより、これを円環軸本体34に固定する。そして、これら作業により組み立てられた第2アッセンブリについて、その形状を保持して次の工程に移行する。
[第6工程]この工程では、第5工程にて組み立てられた第2アッセンブリに対して、各背面遊星歯車23及び背面円環歯車33及び前面カラー41及び背面カラー43を組み合わせ、これにより回転直線運動変換機構を組み立てる。
すなわち、まずは各背面遊星歯車23と背面円環歯車33とを組み合わせて一つのアッセンブリ(以下、「歯車アッセンブリ」)とし、そのうえで第2アッセンブリの太陽軸10の軸線と歯車アッセンブリの軸線とを一致させる態様でこれらの位置関係を設定する。次に、第2アッセンブリの背面太陽歯車13と歯車アッセンブリの各背面遊星歯車23との相対的な回転位相をこれら歯車同士が噛み合う回転位相に設定する。このとき、太陽軸10の打刻印15に基づいて、背面太陽歯車13に対する各背面遊星歯車23の回転位相をこれら歯車同士が噛み合う回転位相に設定する。次に、歯車アッセンブリを軸方向に移動させてこれを背面太陽歯車13に噛み合わせる。このとき、背面円環歯車33を円環軸本体34の所定位置に圧入することにより、円環軸30としての形態を確保する。そして、これにより組み立てられたアッセンブリに対して、前面カラー41及び背面カラー43のそれぞれを円環軸30に組み付けて回転直線運動変換機構を組み立てる。
[実施形態の効果]
以上にて詳述した本実施形態の噛み合い軸の製造方法及び回転直線運動変換機構の製造方法によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)この製造方法では、前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13と打刻印15とを同時に形成するようにしているため、これらの間で転造盤50に対するすべりの態様に差が生じないようになる。これにより、前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13と打刻印15との相対的な距離及び回転位相は常に一定の関係に維持されるため、太陽歯車及び太陽ねじのそれぞれと遊星歯車及び遊星ねじのそれぞれとの噛み合わせに際して、上記打刻印15に基づいて前者の軸方向の位置及び回転位相を把握することが可能となり、同噛み合わせにかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(2)この製造方法では、前面太陽歯車11及び太陽ねじ12のそれぞれと前面遊星歯車21及び遊星ねじ22のそれぞれとの噛み合わせに際して、打刻印15に基づいて遊星軸本体24の回転位相及び軸方向の位置を規定軸位置P1及び規定回転位相P2に設定するようにしている。これにより、ねじ同士及び歯車同士が的確に噛み合わせられるため、回転直線運動変換機構の製造にかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(3)この製造方法では、打刻印15を太陽軸10の端部付近に形成するようにしているため、遊星軸本体24との組み合わせに際してこれを比較的容易に確認することができるようになる。
(4)この製造方法では、転造により打刻印15を形成するようにしているため、すなわち同打刻印15を形成するための加工法として、太陽歯車及び太陽ねじを形成する加工法と同じものを用いるようにしているため、太陽軸10の製造にかかる作業性を向上させることができるようになる。
(第2実施形態)
図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、先の第1実施形態の一部を次のように変更したものとなっている。すなわち、前記第1実施形態の第1工程によれば、基礎太陽軸10Aに前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13と打刻印15とを同時に形成するようにしている。これに対して、上記第1工程に代わる本実施形態の第1工程では、まずは基礎太陽軸10Aに前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13と第1打刻印16とを同時に形成し、次に太陽ねじ12と第2打刻印17とを同時に、且つこの第2打刻印17を第1打刻印16と交差する態様で形成するようにしている。そして第2工程以降では、第1打刻印16と第2打刻印17との交点に基づいて、太陽軸10に対する遊星軸本体24の回転位相及び軸方向の位置の設定を行い、これにより回転直線運動変換機構を組み立てる。
以下、前記第1実施形態からの主な変更点の詳細について説明する。なお、説明を省略した部分については、前記第1実施形態と同様の態様またはこれに準じた態様をもって実施することができる。
[第1工程(図10)]この工程では、回転直線運動変換機構の太陽軸10以外の各構成要素をそれぞれに適した方法を通じて製造し、太陽軸10については以下の態様をもって製造し、これにより同変換機構の組み立てに必要となる全ての構成要素を準備する。
太陽軸10の製造について、まず基礎太陽軸10Aを適宜の製造方法により形成し、これを前面歯車転造型51及び背面歯車転造型53及び第1打刻印転造型56を有する転造盤50A上に配置する。そして、この転造盤50Aの作動を通じて、基礎太陽軸10Aの対応する箇所に前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13を順次形成する。また、転造盤50Aに対する基礎太陽軸10Aの回転にともない、この基礎太陽軸10Aが第1打刻印転造型56の所定位置、すなわち第1打刻印16に対応する凸部が形成された位置を通過する際に、基礎太陽軸10Aに第1打刻印16を形成する。ここでは第1打刻印16の形状として、太陽軸10の軸方向に延びる長方形を採用している。
次に、第1打刻印16及び歯車が形成された基礎太陽軸10Bについて、これをねじ転造型52及び第2打刻印転造型57を有する転造盤50B上に配置する。そして、この転造盤50Bの作動を通じて、基礎太陽軸10Bの対応する箇所に太陽ねじ12を順次形成する。また、転造盤50Bに対する基礎太陽軸の回転にともない、この基礎太陽軸10Bが第2打刻印転造型57の所定位置、すなわち第2打刻印17に対応する凸部が形成された位置を通過する際に、基礎太陽軸10Bに第1打刻印16と交差する態様で第2打刻印17を形成する。ここでは第2打刻印17の形状として、太陽軸10の周方向に延びる長方形を採用している。
このように第1工程では、転造盤50Aによる転造を通じて基礎太陽軸10Aに前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13と第1打刻印16とを同時に形成し、また転造盤50Bによる転造を通じて基礎太陽軸10Bに太陽ねじ12と第2打刻印17とを同時に形成し、これにより太陽軸10としての最終的な形態を確保する。
ここで、第1打刻印転造型56及び第2打刻印転造型57による太陽軸10への各打刻印の交点の形成位置は次のように設定されている。すなわち、太陽軸10の周方向における位置は、前面太陽歯車11側にある太陽ねじ12の終点と一致するところに設定されている。また、太陽軸10の軸方向における位置は、太陽軸10の前面側の端部付近、且つ前面太陽歯車11側にある太陽ねじ12の終点から一定の距離を経た位置に設定されている。なお、太陽軸10における各打刻印の交点の形成位置がいずれの位置に設定される場合であれ、転造に際して各太陽歯車のいずれの部分が形成されているときに第1打刻印16が形成されるかについて、及び太陽ねじのいずれの部分が形成されているときに第2打刻印17が形成されるかについて、これらを予め確認しておくことにより、各打刻印の交点に基づいて各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相を把握することはできる。また同じく、転造に際して太陽ねじが形成される位置と第2打刻印17が形成される位置との間隔について、これを予め確認しておくことにより、打刻印の交点に基づいて太陽ねじの軸方向についての位置を把握することができる。すなわち、各打刻印の交点をいずれの位置に形成しても、各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相及び軸方向の位置を特定するための印としての機能は維持される。
そして、第2工程以降においては、各打刻印の交点を前記第1実施形態の打刻印15と同様の機能を有するものと見立て、前記第1実施形態の第2工程以降に準じた態様をもって回転直線運動変換機構の組み立てを行う。
[実施形態の効果]
以上詳述した本実施形態の噛み合い軸の製造方法及び回転直線運動変換機構の製造方法によれば、先の第1実施形態による(1)〜(4)の効果に準じた効果が得られるようになる。
(第3実施形態)
図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、先の第1実施形態の一部を次のように変更したものとなっている。すなわち、前記第1実施形態の第1工程によれば、基礎太陽軸10Aに前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13と打刻印15とを同時に形成するようにしている。これに対して、上記第1工程に代わる本実施形態の第1工程では、まずは基礎太陽軸10Aに代えて、前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13及び太陽ねじ12及びスプライン加工部14を除いては太陽軸10としての必要な構造を備える状態の軸(以下、「基礎太陽軸10C」)を適宜の製造方法により形成する。そして、この基礎太陽軸10Cに対して、前面太陽歯車11及び背面太陽歯車13及び太陽ねじ12とスプライン加工部14とを転造により同時に形成するようにしている。またこのとき、スプライン加工部14としては、同加工部内の他の部分とは形状の異なる部分(以下、「埋め歯部14A」)を含むものを形成する。すなわち図11に示されるように、スプライン加工部14を構成する複数のスプラインのうち、その一つについては溝の一部が埋め歯部14Aによって埋められた形状のものを形成する。なお、ここでは上記形状の異なる部分として埋め歯部14Aを形成するようにしているが、これに代えて、スプライン加工部14を構成する複数の歯のうち、その一つについて一部を省略した欠け歯を形成することもできる。
そして第2工程以降では、この埋め歯部14Aに基づいて、太陽軸10に対する遊星軸本体24の回転位相及び軸方向の位置の設定を行い、これにより回転直線運動変換機構を組み立てる。
以下、前記第1実施形態からの主な変更点の詳細について説明する。なお、説明を省略した部分については、前記第1実施形態と同様の態様またはこれに準じた態様をもって実施することができる。
[第1工程(図11)]この工程では、回転直線運動変換機構の太陽軸10以外の各構成要素をそれぞれに適した方法を通じて製造し、太陽軸10については以下の態様をもって製造し、これにより同変換機構の組み立てに必要となる全ての構成要素を準備する。
太陽軸10の製造について、まず基礎太陽軸10Cを適宜の製造方法により形成し、これを前面歯車転造型51及びねじ転造型52及び背面歯車転造型53及びスプライン転造型54を有する転造盤50C上に配置する。そして、この転造盤50Cの作動を通じて、基礎太陽軸10Cの対応する箇所に前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13及びスプライン加工部14を順次形成する。また、転造盤50Cに対する基礎太陽軸10Cの回転にともない、この基礎太陽軸10Cがスプライン転造型54の所定位置、すなわち埋め歯部14Aに対応する凹部が形成された位置を通過する際に、基礎太陽軸10Cに埋め歯部14Aを形成する。
このように第1工程では、転造盤50Cによる転造を通じて基礎太陽軸10Cに前面太陽歯車11及び太陽ねじ12及び背面太陽歯車13と埋め歯部14Aを含むスプライン加工部14とを同時に形成し、これにより太陽軸10としての最終的な形態を確保する。
ここで、スプライン転造型54による太陽軸10への埋め歯部14Aの形成位置は次のように設定されている。すなわち、太陽軸10の周方向における位置は、前面太陽歯車11側にある太陽ねじ12の終点と一致するところに設定されている。また、太陽軸10の軸方向における位置は、太陽軸10の前面側の端部付近、且つ前面太陽歯車11側にある太陽ねじ12の終点から一定の距離を経た位置に設定されている。なお、太陽軸10における埋め歯部14Aの形成位置がいずれの位置に設定される場合であれ、転造に際して各太陽歯車及び太陽ねじのそれぞれのいずれの部分が形成されているときに埋め歯部14Aが形成されるかについて、これを予め確認しておくことにより、埋め歯部14Aに基づいて各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相を把握することはできる。また同じく、転造に際して各太陽歯車及び太陽ねじのそれぞれが形成される位置と埋め歯部14Aが形成される位置との間隔について、これを予め確認しておくことにより、埋め歯部14Aに基づいて各太陽歯車及び太陽ねじの軸方向についての位置を把握することはできる。すなわち、埋め歯部14Aをいずれの位置に形成しても、各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相及び軸方向の位置を特定するための印としての機能は維持される。
そして、第2工程以降においては、各打刻印の交点を前記第1実施形態の打刻印15と同様の機能を有するものと見立て、前記第1実施形態の第2工程以降に準じた態様をもって回転直線運動変換機構の組み立てを行う。
[実施形態の効果]
以上詳述した本実施形態の噛み合い軸の製造方法及び回転直線運動変換機構の製造方法によれば、先の第1実施形態による(1)〜(4)の効果に準じた効果に加えて、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)この製造方法では、スプライン加工部14に埋め歯部14Aを形成し、これを太陽軸10の各太陽歯車及び太陽ねじの回転位相及び軸方向の位置を把握するための印としているため、既存の太陽軸10に対する設計変更を極力少なくすることができるようになる。また、既存のスプライン転造型を利用して、上記埋め歯部14Aを形成するためのスプライン転造型54を構成することもできるようになる。
(第4実施形態)
図12を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
先の第1〜第3実施形態においては、噛み合い軸として回転直線運動変換機構の太陽軸10を想定し、その製造方法及び同太陽軸10を用いた回転直線運動変換機構の製造方法として本発明を具体化した。これに対して本実施形態では、噛み合い軸として回転直線運動変換機構とは別の機構を構成する軸、すなわちねじの噛み合いを通じて動力の伝達を行う動力伝達機構について、これを構成する一対の軸(第1の伝達軸及び第2の伝達軸)の一方を想定し、その製造方法及び同伝達軸を用いた動力伝達機構の製造方法として本発明を具体化している。
当該製造方法では、大きくは次の順序をもって動力伝達機構の製造を行う。
すなわち、まず第1工程(図12)では、転造によりねじ81及び打刻印82を有する第1の伝達軸80を形成する。次の第2工程では、第1の伝達軸80に対する第2の伝達軸の位置及び回転位相を所定の関係に設定した後、第2の伝達軸を回転位相を維持しつつ第1の伝達軸80に向けて径方向にのみ移動させることにより、これら軸同士を組み合わせることのできる関係に設定した後、この設定した第2の伝達軸を第1の伝達軸80に向けて移動させて動力伝達機構を組み立てる。
以下、上記第1工程及び第2工程の詳細について説明する。
[第1工程(図12)]この工程では、まずねじ81を除いては第1の伝達軸80としての必要な構造を備える状態の軸(以下、「基礎伝達軸80A」)を適宜の製造方法により形成し、これをねじ転造型91及び打刻印転造型92を有する転造盤90上に配置する。そして、この転造盤90の作動を通じて、基礎伝達軸80Aの対応する箇所にねじ81を順次形成する。また、転造盤90に対する基礎伝達軸80Aの回転にともない、この基礎伝達軸80Aが打刻印転造型92の所定位置、すなわち打刻印82に対応する凸部が形成された位置を通過する際に、基礎伝達軸80Aに打刻印82を形成する。
このように第1工程では、転造盤90による転造を通じて基礎伝達軸80Aにねじ81と打刻印82とを同時に形成し、これにより第1の伝達軸80としての最終的な形態を確保する。なお、打刻印転造型92による第1の伝達軸80への打刻印82の形成位置は、先の第1実施形態における太陽軸10への打刻印15の形成位置に準じた態様をもって設定されている。
[第2工程]この工程では、第1の伝達軸80に対する第2の伝達軸の軸方向の位置及び回転位相を規定の関係に設定し、この設定した第2の伝達軸を径方向に平行移動させることにより、各軸のねじ同士の噛み合わせを得るようにしている。
ここで、上記伝達軸同士の組み合わせは、先の第1実施形態での太陽軸10と遊星軸本体24との組み合わせに準じた態様をもって行うことができる。すなわち、まずは第1の伝達軸80に対して径方向に所定の位置を経た位置に第2の伝達軸を配置し、且つ第2の伝達軸の軸線を第1の伝達軸80の軸線に対して平行の関係に維持する。このとき、第1の伝達軸80に対する第2の伝達軸の軸方向の位置について、第2の伝達軸を径方向にのみ移動させることによりねじ同士の噛み合わせが得られる規定軸位置Q1に設定する。次に、第1の伝達軸80に対する第2の伝達軸の回転位相について、同伝達軸を径方向にのみ移動させることによりねじ同士の噛み合わせが得られる規定回転位相Q2に設定する。そしてこれら規定軸位置Q1及び規定回転位相Q2に設定した第2の伝達軸について、その回転位相を維持しつつ径方向に平行移動させてねじ同士を噛み合わせ、これにより動力伝達機構を組み立てる。
なお、本実施形態ではねじのみの噛み合いを通じて動力の伝達を行う動力伝達機構を想定したが、これに代えて、歯車のみの噛み合いあるいはねじ及び歯車の噛み合いを通じて動力の伝達を行う動力伝達機構の製造方法及びその伝達軸の製造方法として本発明を実施することもできる。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態の噛み合い軸の製造方法によれば以下に示す効果が得られるようになる。
(1)この製造方法では、ねじ81と打刻印82とを同時に形成するようにしているため、ねじ81と打刻印82との間で転造盤90に対するすべりの態様に差が生じないようになる。これにより、これらねじ81と打刻印82との相対的な距離及び回転位相は常に一定の関係に維持されるため、各伝達軸のねじ同士の噛み合わせに際して、上記打刻印82に基づいてねじ81の軸方向の位置及び回転位相を把握することができるようになる。従って、ねじ同士の噛み合わせにかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することができる。
・上記第1実施形態では、打刻印15を太陽軸10と各遊星軸本体24との組み合わせに際しての目印として用いる製造方法を採用したが、この打刻印15を第1アッセンブリと円環軸本体34との組み合わせに際しての目印として用いることもできる。なお、この場合には、太陽軸10に対する遊星軸本体24の回転位相を設定する際と同様の態様をもって第1アッセンブリに対する円環軸本体34の回転位相を設定することができる。
・上記第2実施形態では、基礎太陽軸10Aに歯車及び第1打刻印16を先に形成し、その後に基礎太陽軸10Bに対してねじ及び第2打刻印17を形成するようにしたが、各打刻印とねじ及び歯車との関係さえ維持されれば、ねじ転造及び第2打刻印17の形成を先に行い、その後に歯車転造及び第1打刻印16の形成を行うこともできる。
・上記第1〜第3実施形態では、各転造型を有する一の転造盤により転造を行う製造方法を採用したが、太陽軸10に対する転造を行うための転造型の構成はこれに限られるものではない。例えば、歯車転造型51及びねじ転造型52を有する一の転造盤と、打刻印転造型55を有する一の転造盤とを用意し、これら転造盤を通じて各太陽歯車11及び13と太陽ねじ12と打刻印15とを同時に転造することもできる。また他に、歯車転造型51を有する一の転造盤と、ねじ転造型52を有する一の転造盤と、打刻印転造型55を有する一の転造盤とを用意し、これら転造盤を通じて各太陽歯車11及び13と太陽ねじ12と打刻印15とを同時に転造することもできる。
・上記第1〜第3実施形態では、各背面遊星歯車23及び背面円環歯車33からなる歯車アッセンブリを組み立て、これを第2アッセンブリに組み合わせる方法を採用したが、各背面遊星歯車23及び背面円環歯車33を各別に第2アッセンブリに組み合わせることもできる。
・上記第1〜第3実施形態では、太陽軸10と遊星軸本体24との組み合わせに際して、ねじ同士及び歯車同士が同時に噛み合わされる構造の回転直線運動変換機構を想定したが、同変換機構の構造としてはこれに限られるものではない。例えば、背面遊星歯車23に併せて前面遊星歯車21についても遊星軸本体24とは別のものとして形成し、太陽軸10と遊星軸本体24との組み合わせに際しては、遊星軸本体24を太陽軸10に向けて平行移動させ、これによりまずは太陽ねじ12と遊星ねじ22との噛み合わせのみを得る構成とすることもできる。またあるいは、背面遊星歯車23に併せて遊星ねじ22を遊星軸本体24とは別のものとして形成し、太陽軸10と遊星軸本体24との組み合わせに際しては、遊星軸本体24を太陽軸10に向けて平行移動させ、これによりまずは前面太陽歯車11と前面遊星歯車21との噛み合わせのみを得る構成とすることもできる。
・上記各実施形態では、噛み合い軸のねじまたは歯車の回転位相や軸方向の位置を把握するための印(打刻印15等)について、これを転造により形成する製造方法を採用したが、同印の製造方法はこれに限られるものではない。例えば、第1または第2実施形態については、太陽歯車及び太陽ねじの転造と同時に上記印としての塗料を太陽軸10に塗布する方法、あるいは転造と同時に太陽軸10の一部を切削してこれを上記印とする方法が挙げられる。また、第3実施形態については、太陽歯車及び太陽ねじ及びスプライン加工部の転造と同時に上記印としての塗料を同加工部に塗布する方法、あるいは転造と同時にスプライン加工部の一部を切削してこれを上記印とする方法が挙げられる。そしていずれの形成方法にせよ、歯車及びねじの少なくとも一方の転造と同時に上記印を形成する方法であれば、これにより形成された印は歯車やねじの回転位相を把握するための機能を有するものとなる。
本発明を具体化した第1の実施形態について、回転直線運動変換機構の内部構造を示す斜視図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、その軸方向の断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構について、その径方向の断面構造を示す断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、その第1工程での作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、その第2工程での作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、その第2工程にて用いられる治具の構造を示す正面図及び断面図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、その第3工程での作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、その第4工程での作業態様を示す工程図。 同実施形態の回転直線運動変換機構の製造方法について、その第4工程での作業態様を示す工程図。 本発明を具体化した第2実施形態について、その第1工程での作業態様を示す工程図。 本発明を具体化した第3実施形態について、その第1工程での作業態様を示す工程図。 本発明を具体化した第4実施形態について、その第1工程での作業態様を示す工程図。
符号の説明
10…太陽軸(噛み合い軸)、10A,10B,10C…基礎太陽軸、11…前面太陽歯車、12…太陽ねじ、13…背面太陽歯車、14…スプライン加工部、14A…埋め歯部、15…打刻印、16…第1打刻印、17…第2打刻印、20…遊星軸、21…前面遊星歯車、22…遊星ねじ、23…背面遊星歯車、24…遊星軸本体、26…遊星軸先端面、30…円環軸、31…前面円環歯車、32…円環ねじ、33…背面円環歯車、34…円環軸本体、41…前面カラー、43…背面カラー、50,50A,50B,50C…転造盤、51…前面歯車転造型、52…ねじ転造型、53…背面歯車転型、54…スプライン転造型、55…打刻印転造型、56…第1打刻印転造型、57…第2打刻印転造型、60…太陽治具、61…治具窓、62…支持孔、63…治具表面、70…遊星治具、80…第1の伝達軸、80A…基礎伝達軸、81…ねじ、82…打刻印、90…転造盤、91…ねじ転造型、92…打刻印転造型。

Claims (16)

  1. 噛み合い部としての歯車を外周面に有する噛み合い軸の製造方法において、
    転造により歯車を形成すると同時にこの歯車との相対的な回転位相を把握することのできる印を外周面上の歯車とは別の箇所に設ける工程を備える
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  2. 噛み合い部としてのねじを外周面に有する噛み合い軸の製造方法において、
    転造によりねじを形成すると同時にこのねじとの軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相を把握することのできる印を外周面上のねじとは別の箇所に設ける工程を備える
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  3. 請求項2に記載の噛み合い軸の製造方法において、
    当該噛み合い軸は、前記噛み合い部としての歯車をさらに有するものであり、
    前記工程は、転造により前記噛み合い部としてのねじ及び歯車を同時に形成し、且つこれと同時に前記印を設けるものである
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の噛み合い軸の製造方法において、
    前記工程では、当該噛み合い軸の端部付近に前記印を設ける
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  5. 第1の噛み合い部としての歯車及び第2の噛み合い部としてのねじを外周面に有する噛み合い軸の製造方法において、
    転造により歯車を形成すると同時に、この歯車との相対的な回転位相を把握することのできる第1の印を外周面上の歯車及びねじとは別の箇所に設ける第1の工程と、転造によりねじを形成すると同時に、このねじとの軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相を把握することのできる第2の印を外周面上の歯車及びねじとは別の箇所に設ける第2の工程とを備える
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  6. 請求項5に記載の噛み合い軸の製造方法において、
    前記第1の工程では前記第1の印として、軸方向に所定の長さを有するものを設け、前記第2の工程では前記第2の印として、周方向に所定の長さを有して前記第1の印に交差するものを設ける
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の噛み合い軸の製造方法において、
    前記第1の工程及び前記第2の工程では、当該噛み合い軸の端部付近に前記第1の印及び前記第2の印を設ける
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の噛み合い軸の製造方法において、
    前記印を転造により設ける
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  9. 噛み合い部としての歯車及びねじの少なくとも一方を外周面に有するとともに、外周面上の前記噛み合い部とは別の箇所に周方向にて隣り合う複数のスプラインからなるスプライン加工部を有する噛み合い軸の製造方法において、
    前記噛み合い部との軸方向についての相対的な距離及び相対的な回転位相を把握することのできる異形部を含む形状のスプライン加工部を形成する工程を備え、この工程では前記噛み合い部と前記スプライン加工部とを転造により同時に形成する
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  10. 請求項9に記載の噛み合い軸の製造方法において、
    前記工程では、当該噛み合い軸の端部付近に前記スプライン加工部を形成する
    ことを特徴とする噛み合い軸の製造方法。
  11. 噛み合い部としての太陽歯車を外周面に有する太陽軸と、この太陽歯車に噛み合わされる遊星歯車を有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車のそれぞれに噛み合わされる円環歯車を有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    請求項1または、請求項1を引用する請求項4または、これら請求項1及び4の一方を引用する請求項8に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程A1と、
    前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記印に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車と前記遊星歯車とが噛み合う回転位相に設定し、この回転位相の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車を前記太陽歯車に噛み合わせる工程A2とを備える
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  12. 噛み合い部としての太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、この太陽ねじに噛み合わされる遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星ねじのそれぞれに噛み合わされる円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    請求項2または、請求項3または、これら請求項2及び3の一方を引用する請求項4または、これら請求項2及び3及び4のいずれか一項を引用する請求項8に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程B1と、
    前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記印に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記印に基づいて前記太陽ねじと前記遊星ねじとの軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星ねじを前記太陽ねじに噛み合わせる工程B2とを備える
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  13. 噛み合い部としての太陽歯車及び太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、これら太陽歯車及び太陽ねじにそれぞれ噛み合わされる遊星歯車及び遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車及び前記遊星ねじにそれぞれに噛み合わされる円環歯車及び円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    請求項5〜7のいずれか一項または、これら請求項5〜7のいずれか一項を引用する請求項8に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程C1と、
    前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記第1の印と前記第2の印との交点に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車及び前記太陽ねじのそれぞれと前記遊星歯車及び前記遊星ねじのそれぞれとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記第1の印と前記第2の印との交点に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車及び前記遊星ねじをそれぞれ前記太陽歯車及び前記太陽ねじに噛み合わせる工程C2とを備える
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  14. 噛み合い部としての太陽歯車を外周面に有する太陽軸と、この太陽歯車に噛み合わされる遊星歯車を有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車のそれぞれに噛み合わされる円環歯車を有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    請求項9または請求項10に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程D1と、
    前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車と前記遊星歯車とが噛み合う回転位相に設定し、この回転位相の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車を前記太陽歯車に噛み合わせる工程D2とを備える
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  15. 噛み合い部としての太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、この太陽ねじに噛み合わされる遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星ねじのそれぞれに噛み合わされる円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    請求項9または請求項10に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程E1と、
    前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星ねじを前記太陽ねじに噛み合わせる工程E2とを備える
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
  16. 噛み合い部としての太陽歯車及び太陽ねじを外周面に有する太陽軸と、これら太陽歯車及び太陽ねじにそれぞれ噛み合わされる遊星歯車及び遊星ねじを有する複数の遊星軸と、これら太陽軸及び複数の遊星軸を取り囲む態様で配置されて前記遊星歯車及び前記遊星ねじにそれぞれに噛み合わされる円環歯車及び円環ねじを有する円環軸とにより構成される回転直線運動変換機構の製造方法において、
    請求項9または請求項10に記載の噛み合い軸の製造方法により前記噛み合い軸としての前記太陽軸を形成する工程F1と、
    前記太陽軸の径方向の周囲であって同太陽軸に対して所定の距離を経た位置に前記複数の遊星軸を配置し、且つ前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との相対的な回転位相を規定の回転位相、すなわち前記太陽歯車及び前記太陽ねじのそれぞれと前記遊星歯車及び前記遊星ねじのそれぞれとが噛み合う回転位相に設定し、且つ前記太陽軸の前記スプライン加工部に形成された前記異形部に基づいて前記太陽軸と前記遊星軸との軸方向についての相対的な位置を規定の位置、すなわち前記太陽ねじと前記遊星ねじとが噛み合う位置に設定し、これら回転位相及び軸方向の位置の設定をした遊星軸を前記太陽軸に近づけて前記遊星歯車及び前記遊星ねじをそれぞれ前記太陽歯車及び前記太陽ねじに噛み合わせる工程F2とを備える
    ことを特徴とする回転直線運動変換機構の製造方法。
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