JP2009298911A - ブロック共重合体および基板の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線露光装置を用いて選択的にミクロ相分離構造を形成することが可能なブロック共重合体およびそれを用いて基板に微細パターンを低コストで形成できる基板の加工方法を提供する。
【解決手段】疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体であって、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶であり、且つ前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基は、光照射により前記親水性官能基より脱離するブロック共重合体およびそれを用いて基板に微細パターンを形成する基板の加工方法。
【選択図】図3
【解決手段】疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体であって、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶であり、且つ前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基は、光照射により前記親水性官能基より脱離するブロック共重合体およびそれを用いて基板に微細パターンを形成する基板の加工方法。
【選択図】図3
Description
本発明は、ブロック共重合体および基板の加工方法に関し、特に感光性ブロック共重合体、およびそれを用いて放射線露光により微細パターンを形成する基板の加工方法に関する。
半導体デバイスを始めとするナノオーダーの微細加工を必要とする各種電子デバイスの分野では、デバイスの高密度化、高集積化の要求がますます高まってきている。
半導体デバイス製造工程において、微細回路パターン形成に重要な役割を果たしているのがフォトリソグラフィ工程である。現在のフォトリソグラフィ工程は大部分が縮小投影露光で行われているが、その解像度は光の回折限界で制約され、光源の波長の3分の1程度である。このため、露光光源にエキシマレーザを用いるなど短波長化がはかられ、100nm程度の微細加工が可能となっている。
半導体デバイス製造工程において、微細回路パターン形成に重要な役割を果たしているのがフォトリソグラフィ工程である。現在のフォトリソグラフィ工程は大部分が縮小投影露光で行われているが、その解像度は光の回折限界で制約され、光源の波長の3分の1程度である。このため、露光光源にエキシマレーザを用いるなど短波長化がはかられ、100nm程度の微細加工が可能となっている。
微細化が進むフォトリソグラフィであるが、光源の短波長化に伴い、装置の大型化、その波長域でのレンズの開発、装置のコスト、対応するレジストのコストなど、解決すべき課題が数多く浮上してきている。また、前記の光学デバイスには半導体デバイス以上に低コストな加工プロセスが必要となる。
フォトリソグラフィ技術に替わる低コストかつ簡便な微細パターン形成方法として、微粒子を自己組織的に配列させる方法、ブロック共重合体が形成するミクロ相分離構造を利用する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
前記のミクロ相分離構造を利用する方法では、基板全面に均一にナノ構造を形成することが可能である。
一方、基板上の所望の位置のみにナノ構造を形成することを目的として、特許文献1には、以下の2つの方法が開示されている。
一方、基板上の所望の位置のみにナノ構造を形成することを目的として、特許文献1には、以下の2つの方法が開示されている。
第一の方法は、ブロック共重合体の膜の所定部位に対して、電子線などの高エネルギー線を照射することでポリマ鎖を切断(または架橋)した後、ブロック共重合体のガラス転移点以上の温度でアニールする方法である。この方法では照射部位(または未照射部位)にはミクロ相分離構造は形成されない。
第二の方法は、感放射線酸発生剤を添加したブロック共重合体の膜の所定部位に対して放射線を照射することで酸を発生させた後、ブロック共重合体のガラス転移点以上の温度でアニールする方法である。アニール中、照射部位において、発生した酸を触媒とした疎水性保護基の脱離反応(またはポリマ鎖の架橋反応)が生じる。その結果、照射部位にのみ(または未照射部位にのみ)ミクロ相分離構造が形成される。
前記の2つの方法により形成されたミクロ相分離構造のうち、少なくとも一つのブロックをドライエッチング、ウエットエッチングまたはオゾンアッシングなどで選択的に除去し、残存ブロック及びミクロ相分離構造が形成されなかった部位をマスクとして下地基板を加工することで、所望の位置にのみナノ構造が形成された基板が作製できる。
特開2002−287377号公報
Appl. Phys. Lett., 2586, 68(1996)
しかしながら、特許文献1に開示されている第一の方法では、電子線描画装置などの高価な高エネルギー線照射装置が必要となる。また、第二の方法では、放射線照射により発生した酸が触媒となって、アニール中に、ブロック共重合体の変性や基板の腐食などの副反応も生じる問題がある。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、紫外線露光装置を用いて選択的にミクロ相分離構造を形成することが可能なブロック共重合体を提供するものである。
また本発明は、前記ブロック共重合体の相分離の性質を利用して、基板に微細パターンを低コストで形成できる基板の加工方法を提供するものである。
上記の課題を解決するブロック共重合体は、疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体であって、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶であり、且つ前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基は、光照射により前記親水性官能基より脱離することを特徴とする。
上記の課題を解決する基板の加工方法は、上記のブロック共重合体を基板上に塗布する工程と、前記ブロック共重合体に選択的に放射線を照射する露光工程と、前記ブロック共重合体の疎水性ブロック及び親水性ブロックのガラス転移点以上であって、前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基の熱分解温度以下の温度で熱処理を行い、前記ブロック共重合体の露光された領域を前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックに基づいて相分離する工程と、前記相分離した前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックの一方のブロックを選択的に除去する工程と、前記基板上に残った他方のブロックをマスクとして前記基板を加工する工程を有することを特徴とする。
本発明は、紫外線露光装置を用いて選択的にミクロ相分離構造を形成することが可能なブロック共重合体を提供することができる。
また本発明は、前記ブロック共重合体の相分離の性質を利用して、基板に微細パターンを低コストで形成できる基板の加工方法を提供することができる。
また本発明は、前記ブロック共重合体の相分離の性質を利用して、基板に微細パターンを低コストで形成できる基板の加工方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るブロック共重合体は、疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体であって、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶であり、且つ前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基は、光照射により前記親水性官能基より脱離することを特徴とする。
本発明に係るブロック共重合体は、疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体であって、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶であり、且つ前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基は、光照射により前記親水性官能基より脱離することを特徴とする。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいニトロベンジル基であることが好ましい。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいクマリニルメチル基であることが好ましい。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいクマリニルメチル基であることが好ましい。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいベンゾイン基であることが好ましい。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいフルオレンカルボニル基であることが好ましい。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいフルオレンカルボニル基であることが好ましい。
前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいキサンテンカルボニル基であることが好ましい。
本発明に係る基板の加工方法は、上記のブロック共重合体を基板上に塗布する工程と、前記ブロック共重合体に選択的に放射線を照射する露光工程と、前記ブロック共重合体の疎水性ブロック及び親水性ブロックのガラス転移点以上であって、前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基の熱分解温度以下の温度で熱処理を行い、前記ブロック共重合体の露光された領域を前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックに基づいて相分離する工程と、前記相分離した前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックの一方のブロックを選択的に除去する工程と、前記基板上に残った他方のブロックをマスクとして前記基板を加工する工程を有することを特徴とする。
本発明に係る基板の加工方法は、上記のブロック共重合体を基板上に塗布する工程と、前記ブロック共重合体に選択的に放射線を照射する露光工程と、前記ブロック共重合体の疎水性ブロック及び親水性ブロックのガラス転移点以上であって、前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基の熱分解温度以下の温度で熱処理を行い、前記ブロック共重合体の露光された領域を前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックに基づいて相分離する工程と、前記相分離した前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックの一方のブロックを選択的に除去する工程と、前記基板上に残った他方のブロックをマスクとして前記基板を加工する工程を有することを特徴とする。
本発明におけるブロック共重合体は、疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性ブロックからなる基本骨格を持ち、前記親水性官能基の一部または全てが疎水性の保護基によって保護された構造からなる。なお、本明細書において、疎水性の保護基が付加されていない状態の本発明のブロック共重合体を、「基本骨格」と称する。
本発明のブロック共重合体は、全てのブロックが平衡状態において互いに相溶である構造とすることが好ましい。本発明においては、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックにおいて、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶でありる。このことにより、前記ブロック共重合体は、疎水性の保護基が付加している状態となるのでミクロ相分離構造を形成することがない。
本発明におけるブロック共重合体の合成法としては、以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、疎水性モノマと、親水性官能基を有する親水性モノマを後述の重合法により重合してブロック共重合体を得た後、親水性官能基を疎水性の保護基で保護する方法である。
第一の方法は、疎水性モノマと、親水性官能基を有する親水性モノマを後述の重合法により重合してブロック共重合体を得た後、親水性官能基を疎水性の保護基で保護する方法である。
第二の方法は、親水性官能基を有する親水性モノマの親水性官能基を、疎水性の保護基で保護した後、前記親水性モノマと疎水性モノマを後述の重合法により重合してブロック共重合体を得る方法である。
次に、本発明のブロック共重合体を用いて位置選択的にミクロ相分離構造を形成する方法について説明する。
図1は、本発明のブロック共重合体を用いて位置選択的にミクロ相分離構造を形成する工程を示す工程図である。図1(a)において、基板103上に本発明のブロック共重合体を塗布し、ブロック共重合体層102が形成された基板103を用意する。前記基板103を、フォトマスク101を用いて、紫外光104をパターン状に露光する。次に、ブロック共重合体の疎水性ブロック及び親水性ブロックのガラス転移点以上であって、前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基の熱分解温度以下の温度で熱処理する熱処理(アニール)により、露光された部分だけに、位置選択的にミクロ相分離構造が形成される(図1(b)参照)。図2は、位置選択的にミクロ相分離構造が形成された基板の平面図である。105は相分離していないブロック共重合体層、106は相分離したブロック共重合体層を示す。
図1は、本発明のブロック共重合体を用いて位置選択的にミクロ相分離構造を形成する工程を示す工程図である。図1(a)において、基板103上に本発明のブロック共重合体を塗布し、ブロック共重合体層102が形成された基板103を用意する。前記基板103を、フォトマスク101を用いて、紫外光104をパターン状に露光する。次に、ブロック共重合体の疎水性ブロック及び親水性ブロックのガラス転移点以上であって、前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基の熱分解温度以下の温度で熱処理する熱処理(アニール)により、露光された部分だけに、位置選択的にミクロ相分離構造が形成される(図1(b)参照)。図2は、位置選択的にミクロ相分離構造が形成された基板の平面図である。105は相分離していないブロック共重合体層、106は相分離したブロック共重合体層を示す。
次に、本発明のブロック共重合体の相分離の性質を利用して、基板に微細パターンを形成する基板の加工方法について説明する。図3は、本発明の相分離構造を用いた基板の加工方法の工程図である。図3において、ブロック共重合体には、相分離していないブロック共重合体層301、相分離したブロック共重合体層302が形成されている(図3(a)参照)。露光部の相分離したブロック共重合体層302のうち、一つのブロックをドライエッチングなどにより選択的に除去する(図3(b)参照)。この際、未露光部の相分離していないブロック共重合体層301は残存する。露光部の残存ブロック及び、未露光部に残存したブロック共重合体層をマスクとして、下地基板303をエッチングし、微細構造が位置選択的に形成された基板が得られる(図3(c)参照)。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明において、疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体が用いられる。
本発明において、疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体が用いられる。
本発明におけるブロック共重合体の疎水性ブロックを形成するモノマは、例えば、スチレン又はそのアルキル誘導体のようなビニル芳香族モノマ、例えば、
(1)4−ブチルスチレン、α−メチルスチレン又はビニルトルエン、ビニルナフタレン、
(2)エチレン、プロピレン、ブタジエン、ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、イソブチレン、クロロプレン、
(3)プロピレンオキサイド、
(4)C2−10アルキル、C6−10アリール又はC6−10アラルキルアクリレート又はC2−10アルキル、C6−10アリール又はC6−10アラルキルメタクリレート、例えば、エチル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、tert−ブチル、イソボルニル、フェニル又はベンジル、(メタ)アクリレート、
(5)フッ素化された又はペルフルオロ鎖を有するビニルモノマ、例えば、フルオロアルキルアクリレート又はフルオロアルキルメタクリレート、又はアルキルα−フルオロアクリレート、
(6)酢酸ビニル、
(7)C1−6アルキルビニルエーテル又はC1−6アルキルアリルエーテル、
(8)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、カプロラクトン、
(9)ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン
(10)メチルフェニルシラン、ジフェニルシラン、メチルクロロメチルフェニルシラン、ジヘキシルシラン、プロピルメチルシラン、ジブチルシラン、メチルシラン、フェニルシラン
などが挙げられる。これらのモノマは、単独又は2種以上の異なるモノマを含む混合物の形であってもよい。
(1)4−ブチルスチレン、α−メチルスチレン又はビニルトルエン、ビニルナフタレン、
(2)エチレン、プロピレン、ブタジエン、ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、イソブチレン、クロロプレン、
(3)プロピレンオキサイド、
(4)C2−10アルキル、C6−10アリール又はC6−10アラルキルアクリレート又はC2−10アルキル、C6−10アリール又はC6−10アラルキルメタクリレート、例えば、エチル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、tert−ブチル、イソボルニル、フェニル又はベンジル、(メタ)アクリレート、
(5)フッ素化された又はペルフルオロ鎖を有するビニルモノマ、例えば、フルオロアルキルアクリレート又はフルオロアルキルメタクリレート、又はアルキルα−フルオロアクリレート、
(6)酢酸ビニル、
(7)C1−6アルキルビニルエーテル又はC1−6アルキルアリルエーテル、
(8)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、カプロラクトン、
(9)ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン
(10)メチルフェニルシラン、ジフェニルシラン、メチルクロロメチルフェニルシラン、ジヘキシルシラン、プロピルメチルシラン、ジブチルシラン、メチルシラン、フェニルシラン
などが挙げられる。これらのモノマは、単独又は2種以上の異なるモノマを含む混合物の形であってもよい。
本発明のブロック共重合体の基本骨格における親水性ブロックを形成する親水性モノマとしては、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、アミノ基などの親水性官能基を有するものを用いる。例えば、
(1)カルボキシル基を有するものとしては、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、
(2)スルホ基を有するものとしては、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、
(3)ヒドロキシル基を有するものとしては、
ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルアルコール、
(4)アミノ基を有するものとしては、
ビニルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、
などが挙げられる。これらのモノマは、単独又は2種以上の異なるモノマを含む混合物の形であってもよい。
(1)カルボキシル基を有するものとしては、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、
(2)スルホ基を有するものとしては、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、
(3)ヒドロキシル基を有するものとしては、
ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルアルコール、
(4)アミノ基を有するものとしては、
ビニルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、
などが挙げられる。これらのモノマは、単独又は2種以上の異なるモノマを含む混合物の形であってもよい。
ブロック共重合体はリビング重合法など、種々の重合法で合成できる。リビング重合法では、1種のモノマをアニオン、カチオンまたはラジカルを生成する重合開始剤により重合を開始させ、他のモノマを逐次的に添加することによりブロック共重合体を合成することができる。リビング重合法では、分子量や共重合比を精密に制御することができ、分子量分布の狭いブロック共重合体を合成することができる。リビング重合法を用いる際には、溶媒を金属ナトリウムなどの乾燥剤で十分乾燥し、凍結乾燥や不活性ガスなどのバブリングなどの方法により酸素の混入を防止することが好ましい。重合反応は、不活性ガス気流下において、好ましくは2気圧以上の加圧条件下で行うことが好ましい。加圧条件下での重合反応では、反応容器外からの水分や酸素などの混入を効果的に防止することができ、かつ反応プロセスを比較的低コストで実施できるので好ましい。
本発明に用いられるブロック共重合体は、疎水性の保護基で保護されていない状態において、式ABの2ブロック共重合体、式ABA又はBABの3ブロック共重合体、又は少なくとも2つの親水性ブロックと少なくとも2つの疎水性ブロックが交互に並んだ多ブロック共重合体である。各ブロックAは親水性モノマの繰り返し単位からなる親水性ブロックであり、各ブロックBは疎水性モノマの繰り返し単位からなる疎水性ブロックである。3ブロック以上のブロック共重合体において、同じポリマ中に複数あるブロックAは互いに同じでも異なってもよく、同じポリマ中に複数あるブロックBは互いに同じでも異なってもよい。式ABの2ブロック共重合体が特に好ましい。
疎水性或いは親水性であり、コポリマ或いはホモポリマである疎水性ブロック及び親水性ブロックの各ブロックの数平均分子量(Mn)は、好ましくは500から500,000、特に好ましくは500から100,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは1.01から1.2、特に好ましくは1.01から1.15である。
モノマ単位のN/(Nc−No)の値(ここで、Nはモノマ単位の総原子数、Ncはモノマ単位の炭素原子数、Noはモノマ単位の酸素原子数である。)が小さい方が、ドライエッチングレートが低いことが知られている(Journal of Electochemical Society, 130, 143(1983))。上記N/(Nc−No)の値は一般に、オオニシパラメータと呼ばれている。なお、このパラメータではシリコン、石英、金属などの無機元素を含有するポリマのドライエッチングレートを評価することはできない。
本発明で使用するブロック共重合体は、疎水性の保護基で保護されていない状態において、親水性ブロックと疎水性ブロックのオオニシパラメータの比が高いほど好ましく、1.4以上あるブロック共重合体が、特に好ましい。例えば、ヒドロキシエチルメタクリレートのオオニシパラメータは6.33であり、スチレンは2なので、親水性ブロックのモノマがヒドロキシエチルメタクリレート、疎水性ブロックのモノマがスチレンであるブロック共重合体のオオニシパラメータの比は3.17である。前記のブロック共重合体は本発明において特に好ましい。
ドライエッチングガスとしてO2を使う場合には、シリコンなどの無機元素を含むブロックと、無機元素を含まない有機物ブロックからなるブロック共重合体を用いることが好ましい。無機元素を含む化合物は高いO2プラズマ耐性を有するため、高いコントラストのパターンを得ることができる。
本発明のブロック共重合体の、疎水性の保護基で保護された親水性官能基は、親水性官能基の活性水素が、下記の一般式(1)乃至一般式(4)で表される官能基のいずれかで置換された構造が好ましい。
(1)一般式(1)で表されるニトロベンジル基。
(式1中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3、R4、R5およびR6のうち少なくとも1つはニトロ基であり、その他は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、または、一部または全ての水素原子がフッ素置換されたアルキル基からなる群から選択される。)
(2)一般式(2)で表されるクマリニルメチル基。
(式2中、R1からR5は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アセトキシ基、フェニル基、ナフチル基、または、一部または全ての水素原子がフッ素置換されたアルキル基からなる群から選択される。)
(3)一般式(3)で表されるベンゾイン基。
(式3中、R1からR10は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、または、一部または全ての水素原子がフッ素置換されたアルキル基からなる群から選択される。)
(4)一般式(4)で表されるフルオレンカルボニル基またはキサンテンカルボニル基。
(式4中、R1からR8は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アセトキシ基、フェニル基、ナフチル基、または、一部または全ての水素原子がフッ素置換されたアルキル基からなる群から選択される。R9は水素原子またはヒドロキシル基である。Yは酸素原子または単結合である。)
上記のニトロベンジル基、クマリニルメチル基及びベンゾイン基は、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、アミノ基に対して適用可能である。上記のフルオレンカルボニル基及びキサンテンカルボニル基はヒドロキシル基及びアミノ基に対して適用可能である。
前記の疎水性の保護基は、200から400nm程度の波長の光や、X線、電子線などで分解し、親水性官能基を再生することが知られている(例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition”, John Wiley & Sons,Inc.,1999)。
親水性モノマの親水性官能基を、前記疎水性の保護基で保護する方法を以下に説明する。なお、本発明のブロック共重合体は、親水性官能基が一部残存していても構わないが、全てのブロックが互いに相溶である必要がある。
本発明における、親水性官能基がニトロベンジル基で保護されたブロック共重合体は、下記一般式(5)で表されるニトロベンジル誘導体と、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基またはアミノ基を親水性ブロックに有するブロック共重合体との公知の縮合反応により合成することができる。この縮合反応により、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基またはアミノ基の活性水素がニトロベンジル基に置換される。縮合反応は、例えば、J. Org. Chem.,68,9100(2003)およびJ. Am. Chem. Soc.,110,301(1988)に記載されているような公知の方法により行われる。
(式中、R1からR6は式1と同義であり、Xは水酸基またはハロゲン原子である。)
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、2−ニトロベンジルアルコール、2−ニトロベンジルクロライド、2−ニトロベンジルブロマイド、2−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、2−メチル−2−ニトロベンジルクロライド、2−メチル−2−ニトロベンジルブロマイド、3−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、3−メチル−2−ニトロベンジルクロライド、3−メチル−2−ニトロベンジルブロマイド、5−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、5−メチル−2−ニトロベンジルクロライド、5−メチル−2−ニトロベンジルブロマイド、3−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール、3−クロロ−2−ニトロベンジルクロライド、3−クロロ−2−ニトロベンジルブロマイド、4−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール、4−クロロ−2−ニトロベンジルクロライド、4−クロロ−2−ニトロベンジルブロマイド、5−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール、5−クロロ−2−ニトロベンジルクロライド、5−クロロ−2−ニトロベンジルブロマイド、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルクロライド、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルブロマイド、5−(3−ヨードプロポキシ)−2−ニトロベンジルアルコール、5−(3−ヨードプロポキシ)−2−ニトロベンジルクロライド、5−(3−ヨードプロポキシ)−2−ニトロベンジルブロマイド、などが挙げられる。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、2−ニトロベンジルアルコール、2−ニトロベンジルクロライド、2−ニトロベンジルブロマイド、2−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、2−メチル−2−ニトロベンジルクロライド、2−メチル−2−ニトロベンジルブロマイド、3−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、3−メチル−2−ニトロベンジルクロライド、3−メチル−2−ニトロベンジルブロマイド、5−メチル−2−ニトロベンジルアルコール、5−メチル−2−ニトロベンジルクロライド、5−メチル−2−ニトロベンジルブロマイド、3−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール、3−クロロ−2−ニトロベンジルクロライド、3−クロロ−2−ニトロベンジルブロマイド、4−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール、4−クロロ−2−ニトロベンジルクロライド、4−クロロ−2−ニトロベンジルブロマイド、5−クロロ−2−ニトロベンジルアルコール、5−クロロ−2−ニトロベンジルクロライド、5−クロロ−2−ニトロベンジルブロマイド、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルクロライド、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルブロマイド、5−(3−ヨードプロポキシ)−2−ニトロベンジルアルコール、5−(3−ヨードプロポキシ)−2−ニトロベンジルクロライド、5−(3−ヨードプロポキシ)−2−ニトロベンジルブロマイド、などが挙げられる。
本発明における、親水性官能基がクマリニルメチル基で保護されたブロック共重合体は、下記一般式(6)で表されるクマリン誘導体と、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基またはアミノ基を親水性ブロックに有するブロック共重合体との公知の縮合反応により合成することができる。この縮合反応により、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基またはアミノ基の活性水素がクマリニルメチル基に置換される。
(式中、R1からR5は式2と同義であり、Yはハロゲン原子である。)
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、4−(ブロモメチル)ウンベリフェリルアセテート、4−ブロモメチル−6,7−ジメトキシクマリン、4−ブロモメチル−7−メトキシクマリン、4−クロロメチル−6−メチルクマリンなどが挙げられる。
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、4−(ブロモメチル)ウンベリフェリルアセテート、4−ブロモメチル−6,7−ジメトキシクマリン、4−ブロモメチル−7−メトキシクマリン、4−クロロメチル−6−メチルクマリンなどが挙げられる。
また、4−メチルクマリン誘導体の4位のメチル基を公知の方法でハロゲン化することで、一般式(6)で表される化合物を合成することもできる。4−メチルクマリン誘導体の具体例としては、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、4,6−ジメチルクマリン、7−エトキシ−4−メチルクマリン、6−エチル−7−メトキシ−4−メチルクマリン、5,7−ジメトキシ−4−メチルクマリンなどが挙げられる。
本発明における、親水性官能基がベンゾイン基で保護されたブロック共重合体は、下記一般式(7)で表されるベンゾイン誘導体と、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基またはアミノ基を親水性ブロックに有するブロック共重合体との公知の縮合反応により合成することができる。この縮合反応により、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基またはアミノ基の活性水素がベンゾイン基に置換される。
(式中、R1からR10は式3と同義であり、Yは水酸基またはハロゲン原子である。)
一般式(7)で表される化合物の具体例としては、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−(4−メチルフェニル)−1−フェニルエタノン、2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニル−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)−2−フェニルエタノン、4,4’−ジメチルベンゾイン、ピペロイン、4,4’−ジメトキシベンゾイン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾイン、1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−(4−メチルフェニル)エタノン、1,2−ビス(4−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシエタノン、2,2’,6,6’−テトラクロロベンゾイン、4−(ジフェニル−フォスフィノイル)−2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニル−ブタン−1−オンなどが挙げられる。
一般式(7)で表される化合物の具体例としては、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−(4−メチルフェニル)−1−フェニルエタノン、2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニル−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)−2−フェニルエタノン、4,4’−ジメチルベンゾイン、ピペロイン、4,4’−ジメトキシベンゾイン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾイン、1−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−(4−メチルフェニル)エタノン、1,2−ビス(4−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシエタノン、2,2’,6,6’−テトラクロロベンゾイン、4−(ジフェニル−フォスフィノイル)−2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニル−ブタン−1−オンなどが挙げられる。
本発明における、親水性官能基がフルオレンカルボニル基またはキサンテンカルボニル基で保護されたブロック共重合体は、下記一般式(8)で表されるフルオレンカルボン酸誘導体またはキサンテンカルボン酸誘導体と、ヒドロキシル基またはアミノ基を親水性ブロックに有するブロック共重合体との公知の縮合反応により合成することができる。この縮合反応により、ヒドロキシル基またはアミノ基の活性水素がフルオレンカルボニル基またはキサンテンカルボニル基に置換される。
(式中、R1からR9、Yは式4と同義である。)
一般式(8)で表される化合物の具体例としては、フルオレンカルボン酸、9−ヒドロキシフルオレンカルボン酸、クロルフルレノール、キサンテンカルボン酸などが挙げられる。
一般式(8)で表される化合物の具体例としては、フルオレンカルボン酸、9−ヒドロキシフルオレンカルボン酸、クロルフルレノール、キサンテンカルボン酸などが挙げられる。
以下、本発明のミクロ相分離構造の形成方法、および基板の加工方法について具体的に説明する。
基板は、Si、GaAs、InP等の半導体基板や、ガラス、石英、BNなどの誘電体基板、これらの基板上に中間層としてレジスト、スピン・オン・グラス、金属、酸化物、窒化物、磁性体など1種類あるいは複数種類を成膜したものなど、広い範囲のものを使用することができるが、目的とするデバイスの作製プロセスに応じて適切なものを選定すればよい。
基板は、Si、GaAs、InP等の半導体基板や、ガラス、石英、BNなどの誘電体基板、これらの基板上に中間層としてレジスト、スピン・オン・グラス、金属、酸化物、窒化物、磁性体など1種類あるいは複数種類を成膜したものなど、広い範囲のものを使用することができるが、目的とするデバイスの作製プロセスに応じて適切なものを選定すればよい。
ブロック共重合体を溶媒に溶解して塗布溶液を調製し、この塗布溶液をスピンコート法やディップコート法によって基板上に塗布し、膜を形成する。溶媒は、ブロック共重合体の各ブロックに対して良溶媒であることが望ましい。
基板を、疎水性の保護基の熱分解温度(およそ110から150℃)以下で加熱し、膜中の溶媒を揮発させる。このとき、膜厚は、加熱後の厚さで、相分離構造周期の1/2から5倍であることが好ましく、1/2から2倍であることが特に好ましい。加熱には、オーブンやホットプレートなど、公知の加熱手段を用いることができる。
以上のようにして形成された本発明のブロック共重合体層は、公知の露光装置を用い、所望のパターン状に露光される。パターン露光には、フォトマスクを用いてもよいし、レーザーや電子線を用いて直接描画してもよい。露光により露光部の疎水性の保護基が脱離し、親水性官能基が再生する。
露光用の放射線としては、200から400nm程度の波長の光や、X線、電子線などの放射線を適宜選択して使用することができる。水銀灯光(波長436nm、365nm、254nm)を用いた露光機は安価なため、本発明において特に好ましい。これら放射線は1つまたは複数で使用できる。
この膜を、疎水性の保護基で保護されていないブロック共重合体のガラス転移温度以上、疎水性の保護基の熱分解温度(およそ110から150℃)以下の温度でアニールすることによって、露光部にのみミクロ相分離構造が形成される。アニールには、オーブンやホットプレートなど、公知の加熱手段を用いることができる。
1つのブロックのみを選択的に除去するために、ドライエッチング、オゾンアッシングまたはエネルギー線照射を用いる。エネルギー線としては、電子線、X線、γ線、重粒子線が好ましく、電子線が特に好ましい。
ドライエッチングの場合に用いるエッチングガスとしては、Ar、O2、CF4、H2、C2F6、CHF3、CH2F2、CF3Br、N2、NF3、Cl2、CCl4、HBr、SF6などを用いることができる。前述のオオニシパラメータによるエッチレートの傾向は、上記エッチングガスの種類にほとんど依存しないことが知られている。シリコンなどの無機元素を含むブロックと、無機元素を含まない有機物ブロックからなるブロック共重合体を用いる場合には、ドライエッチングガスとしてO2を使うことが好ましい。
前記プロセスで基板上に残存したブロック、及び未露光部に残存したブロック共重合体層をマスクとして下地基板や、下地基板上の中間層をエッチングすることで基板を加工することができる。さらに、Appl. Phys. Lett.,79,257(2001)に記載されているような、有機物からなる中間層をマスクとしたリフトオフプロセスを適用してもよい。
本発明の基板の加工方法は、紫外線露光装置を用いて位置選択的にミクロ相分離構造を形成することが可能なブロック共重合体の相分離の性質を利用して、基板に微細パターンを低コストで形成できるので、例えば、光導波路を有するフォトニック結晶の作製方法として利用することができる。
102 ブロック共重合体層
103 基板
101 フォトマスク
104 紫外光
105 相分離していないブロック共重合体層
106 相分離したブロック共重合体層
301 相分離していないブロック共重合体層
302 相分離したブロック共重合体層
303 下地基板
103 基板
101 フォトマスク
104 紫外光
105 相分離していないブロック共重合体層
106 相分離したブロック共重合体層
301 相分離していないブロック共重合体層
302 相分離したブロック共重合体層
303 下地基板
Claims (7)
- 疎水性モノマの繰り返し構造を備えた疎水性ブロックと、親水性官能基を有する親水性モノマの繰り返し構造を備えた親水性ブロックとを基本骨格として有するブロック共重合体であって、前記親水性官能基の少なくとも一部が疎水性の保護基により被覆され、前記疎水性の保護基により被覆された親水性ブロックと前記疎水性ブロックとは互いに相溶であり、且つ前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基は、光照射により前記親水性官能基より脱離することを特徴とするブロック共重合体。
- 前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいニトロベンジル基であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいクマリニルメチル基であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいベンゾイン基であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいフルオレンカルボニル基であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 前記疎水性の保護基が、一部の水素原子がハロゲン元素またはアルキル基で置換されていてもよいキサンテンカルボニル基であることを特徴とする請求項1記載のブロック共重合体。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のブロック共重合体を基板上に塗布する工程と、前記ブロック共重合体に選択的に放射線を照射する露光工程と、前記ブロック共重合体の疎水性ブロック及び親水性ブロックのガラス転移点以上であって、前記親水性官能基を被覆している疎水性の保護基の熱分解温度以下の温度で熱処理を行い、前記ブロック共重合体の露光された領域を前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックに基づいて相分離する工程と、前記相分離した前記疎水性ブロックと前記親水性ブロックの一方のブロックを選択的に除去する工程と、前記基板上に残った他方のブロックをマスクとして前記基板を加工する工程を有することを特徴とする基板の加工方法。
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