JP2009295907A - 薄膜キャパシタ材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。
工程(1):10〜500μmの厚さからなり、表面抵抗値が0.1〜1Ω、及び最大表面粗さ(Rmax)が100〜700nmであるニッケル箔を準備する。
工程(2):前記ニッケル箔の表面上に、次の(イ)〜(ハ)の手順を2〜5回繰り返し膜形成した後、これをカーボン製容器内に挿入して、非酸化性雰囲気下に700〜800℃の温度で加熱し、所望の厚さの誘電体膜を形成する。
(イ)誘電体の前駆体溶液を塗布する。
(ロ)次いで、大気下に300〜350℃の温度で加熱する。
(ハ)続いて、大気下に450〜500℃の温度で加熱する。
工程(3):前記誘電体膜の表面上に、第1導電材を成膜する。
【選択図】なし
Description
上記部材に使われる誘電体膜としては、Pb(Zr、Ti)、BaTiO3等のペロブスカイト構造を有する膜が用いられている。その成膜方法としては、スパッタリング法、ゾルゲル法、MOCVD法などが実用化されている。これらの方法で、Pb(Zr、Ti)(PZT)膜又はBaTiO3(BT)膜を形成する場合、高誘電率を得るためには、成膜した基板を600〜800℃程度に加熱し、誘電体膜を結晶化させることが不可欠である。しかしながら、酸素を含む雰囲気下にこのような高温度に晒すと、下部電極を構成する導電材(以下、下部導電材と呼称する場合がある。)が、酸化或いは誘電体中の成分と反応して、誘電特性が大きく劣化するという問題が生じる。
ところで、上記のような多層基板を製造する際には、Si/SiO2/TiO2積層基板の作製において工程が多く、かつシリコン基板及びPt膜を使用するため高価である等、コスト面で大きな問題となっていた。
下記の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする薄膜キャパシタ材の製造方法が提供される。
工程(1):前記第2導電材として、10〜500μmの厚さからなり、表面抵抗値が0.1〜1Ω、及び最大表面粗さ(Rmax)が100〜700nmであるニッケル箔を準備する。
工程(2):前記ニッケル箔の表面上に、次の(イ)〜(ハ)の手順を2〜5回繰り返し膜形成した後、これをカーボン製容器内に挿入して、非酸化性雰囲気下に700〜800℃の温度で加熱する第3熱処理に付し、所望の厚さの誘電体膜を形成する。
(イ)誘電体の前駆体溶液を塗布する。
(ロ)次いで、大気下に300〜350℃の温度で加熱する第1熱処理に付す。
(ハ)続いて、大気下に450〜500℃の温度で加熱する第2熱処理に付す。
工程(3):前記誘電体膜の表面上に、第1導電材を成膜する。
工程(4):大気下に熱処理に付す。
本発明の薄膜キャパシタ材の製造方法は、上部電極を構成する第1導電材と下部電極を構成する第2導電材との間に、誘電体膜を備えた薄膜キャパシタ材の製造方法であって、
下記の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。
工程(1):前記第2導電材として、10〜500μmの厚さからなり、表面抵抗値が0.1〜1Ω、及び最大表面粗さ(Rmax)が100〜700nmであるニッケル箔を準備する。
工程(2):前記ニッケル箔の表面上に、次の(イ)〜(ハ)の手順を2〜5回繰り返し膜形成した後、これをカーボン製容器内に挿入して、非酸化性雰囲気下に700〜800℃の温度で加熱する第3熱処理に付し、所望の厚さの誘電体膜を形成する。
(イ)誘電体の前駆体溶液を塗布する。
(ロ)次いで、大気下に300〜350℃の温度で加熱する第1熱処理に付す。
(ハ)続いて、大気下に450〜500℃の温度で加熱する第2熱処理に付す。
工程(3):前記誘電体膜の表面上に、第1導電材を成膜する。
(1)工程(1)
上記工程(1)は、前記第2導電材として、10〜500μmの厚さからなり、表面抵抗値が0.1〜1Ω、及び最大表面粗さ(Rmax)が100〜700nmであるニッケル箔を準備する工程である。
しかしながら、後続の熱処理において、所望の誘電特性を得るためには、低温から全ての熱処理を非酸化性雰囲気下で酸化を抑制する条件で行なうことはできない。すなわち、第2導電材の上に前駆体溶液を塗布して誘電体膜を形成するためには、仮焼及び本焼成に付すことが必要である。ここで、仮焼及び本焼成により、前駆体溶液から誘電体膜中に残留されていた有機成分が分解し、完全な酸化物形態となる。この有機成分を活発に分解するためには、酸素を含む雰囲気が必要であり、また最低でも500℃の温度が望ましい。
このため、ニッケル酸化被膜の生成を常に監視しておくことが必要である。そのための手段のひとつとして、ニッケル箔の表面抵抗値をモニタリングし、表面抵抗値が0.1〜1Ωのものを使用する。
上記工程(2)は、ニッケル箔の表面上に、次の(イ)〜(ハ)の手順を2〜5回繰り返し膜形成した後、これをカーボン製容器内に挿入して、非酸化性雰囲気下に700〜800℃の温度で加熱する第3熱処理に付し、所望の厚さの誘電体膜を形成する工程である。
(イ)誘電体の前駆体溶液を塗布する。
(ロ)次いで、大気下に300〜350℃の温度で加熱する第1熱処理に付す。
(ハ)続いて、大気下に450〜500℃の温度で加熱する第2熱処理に付す。
まず、手順(イ)で、第2導電材であるニッケル箔の表面上に、事前に調製した誘電体の前駆体溶液をスピンコート等で塗布し、まず大気下に略150℃の温度で10分間ほど加熱して乾燥する。次いで、手順(ロ)と(ハ)を連続して行い、仮焼する。手順(ロ)で、大気下に300〜350℃の温度で30分間ほど加熱する第1熱処理に付す。手順(ハ)で、大気下に450〜500℃の温度で30分間ほど加熱する第1熱処理に付す。これらの手順により形成される膜厚としては、1回当たり本焼成後の膜厚で80〜140nmほどにしかならない。ところで、誘電特性を安定して得るためには、誘電体膜の厚さが最低でも250nm以上、好ましくは300nm以上が必要であるので、上記の塗布と仮焼((イ)〜(ハ))の手順を繰り返し2〜5回行い、所望の膜厚とする。
上記工程(3)は、前記誘電体膜の表面上に、上部導電体を構成する第1導電材を成膜する工程である。
上記第1導電材としては、特に限定されものではなく、銅、ニッケル、銀、金、白金など導電性を有する金属が用いられる。上記第1導電材の厚さとしては、100nmほどが好ましい。
上記製造方法において、工程(3)に続いて、必要に応じて、次の工程(4)を含むことができる。
工程(4):工程(3)で得られた薄膜キャパシタ材を大気下に熱処理に付す。
これにより、誘電特性をさらに向上させ、又は安定させることができる。すなわち、上部導電材の形成時に誘電体界面に生成する異相の影響を少なくすること、全体の密着性を高めること、歪みを緩和すること等の作用効果によるものである。この熱処理の条件としては、例えば500℃の温度で30分間程度が好ましい。なお、熱処理は酸素を含む雰囲気である方が有効であるため、600℃以上の温度では、下部導電材が酸化する。
上記製造方法で用いる誘電体膜としては、特に限定されるものではないが、上記製造方法は、BT(BaTiO3)、若しくはこれに添加元素としてSr、Ca、Mg、Sn及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む誘電体膜を形成する際に好ましく適用される。なお、上記誘電体膜の形成方法としては、これらの前駆体溶液を調製して、これを塗布することにより行なわれる。
上記前駆体溶液の調製方法において使用される溶剤としては、1−ブタノール、1−ペンタノール、3メチル−1ブタノール、2メチル−1ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、及び2−メチル−1−プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類と、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル及び酪酸ブチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル類と、カルボン酸として2−エチルヘキサン酸とを含む混合溶剤である。
有機酸塩液(A)の調製方法としては、まず、所定の混合溶剤を不活性ガス雰囲気下に100〜110℃の温度で環流させながら加熱しておく。次に、配合対象であるBa、Sr、Mg及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属元素の金属或いはこれらのアルコキシド又はカルボン酸塩を原料として添加して溶解する。なお、原料によっては、溶解が進むと溶解熱により温度上昇が著しいため注意を要する。ここで、1〜3時間攪拌して加熱溶解する。ここで、混合溶剤を使用する際の特徴としては、溶解が容易であり、溶剤単独でも水混和性が低いため、保存性は従来よりも優れたものができることである。
有機酸塩液(A)の金属濃度としては、0.4〜1.2mol/Lが好ましい。
アルコキシド液(B)の調製方法としては、Ti、Sn及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属アルコキシド、或いはカルボン酸塩を原料として用いて、これを、1−ブタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、及び2−メチル−1−プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類、又は酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、又は酪酸ブチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル類のいずれかからなる溶剤に添加し、大気下に20〜60℃の温度で0.2〜2時間攪拌して溶解する。
アルコキシド液(B)の金属濃度としては、0.4〜1.2mol/Lが好ましい。
前駆体溶液の合成方法としては、上記有機酸塩液(A)及びアルコキシド液(B)を冷却後、液中に含まれる金属量がモル比で1:1になるように両液を配合し混合する。次いで、不活性ガス雰囲気下に100〜110℃の温度で反応が十分行われる時間、例えば、2時間以上攪拌し、構成元素を含む化合物を合成する。
ここで、合成温度の制御が重要であり、温度が100℃未満では、構成元素が単独で存在して加水分解速度に差が生じて膜組成の均一性が劣る。一方、温度が110℃を超えると、溶剤の揮発が活発化するだけでなく、内容物も同時に揮発して組成ずれが起こる。
上記前駆体溶液を調製方法おいては、溶解時、合成の加熱において環流させながら行うため、溶剤からの揮発成分がなく、液組成の変動がない。
(1)金属の分析:ICP発光分析法で行った。
(2)ニッケル箔の厚さの測定:マイクロメータで測定した。
(3)ニッケル箔の表面抵抗値の測定:1cm幅に決定した2端子を接触させてテスターで測定した。
(4)ニッケル箔の最大表面粗さ(Rmax)の測定:原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、表面の3次元形状を測定し、高さ方向のデータを統計処理し求める。
(5)誘電特性の測定:AC電圧1.0V、周波数1MHz時の静電容量を求めて比誘電率と誘電損失を算出した。
[BT前駆体溶液の調製方法]
金属バリウムを容量比で2−メチル−1−ブタノール:酪酸ブチル:2−エチルヘキサン酸=100:50:50で配合した混合溶剤100mL中に添加し、窒素気流中110℃で2時間攪拌混合して、Ba濃度0.4mol/Lのバリウム有機酸塩液(A)を調製した。一方、チタンテトライソプロポキシドを酪酸ブチル100mLに添加し、大気中で25℃、0.4時間攪拌混合して、Ti濃度0.4mol/Lのチタンアルコキシド液(B)を調製した。
次に、モル比でバリウム:チタン=1:1となるようにバリウム有機酸塩液(A)中にチタンアルコキシド液(B)を滴下し、窒素気流中110℃で2時間攪拌混合して、金属元素濃度0.4mol/LのBT用の前駆体溶液を得た。
金属バリウムと金属ストロンチウムを、容量比で2−メチル−1−ブタノール:2−エチルヘキサン酸:酢酸ブチル=100:50:50で配合した混合溶剤100mL中に添加し、窒素気流中110℃で5時間攪拌混合して、Ba濃度0.32mol/L及びSr濃度0.08mol/のバリウムストロンチウム有機酸塩液(A)を調製した。一方、チタンテトライソプロポキシドを酢酸ブチル100mLに添加し、大気中で25℃、4時間攪拌混合して、Ti濃度0.4mol/Lのチタンアルコキシド液(B)を調製した。
次に、モル比で(バリウム+ストロンチウム):チタン=1:1となるようにバリウムストロンチウム有機酸塩液(A)中にチタンアルコキシド液(B)を滴下し、窒素気流中110℃で8時間攪拌混合して、金属元素濃度0.4mol/LのBST((BaSr)TiO3)用の前駆体溶液を得た。
上記BT前駆体溶液を塗布液とした。
第2導電材として、厚さ100μm、最大表面粗さ(Rmax)420nm、及び表面抵抗値0.2Ωのニッケル箔(純度99.5%)を3cm角に切り出し、前記塗布液を、スピンコート法(回転数1500rpm)により20秒間塗布した。塗膜後、150℃の温度で10分間乾燥後、大気下に350℃の温度で30分間の第1熱処理に付し、続いて大気下に500℃の温度で30分間の第2熱処理に付した。この塗布から第2熱処理までの工程を4回繰り返した。
次いで、得られた塗布膜付きニッケル箔を3mmほどの間隔の空いたカーボン製ボックス型の容器に入れ、それを電気炉の炉心管に挿入した。ここで、電気炉としては、炉心管の直径75mmの管状炉を使用した。まず、炉心管内に窒素ガスを1L/分でフローさせながら1時間置換した。次に、窒素ガスフローしながら800℃の温度で30分間の第3熱処理に付し、本焼成してBT薄膜を形成した。
その後、BT膜上に上部電極として、直径0.32mmの白金からなる第1導電材をスパッタした。上部電極を形成後、大気下に500℃の温度で30分間熱処理して、薄膜キャパシタ材を得た。これを用いて、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第3熱処理の温度を700℃としたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、厚さ500μm、最大表面粗さ(Rmax)650nm、及び表面抵抗値0.3Ωのニッケル箔(純度99%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、厚さ40μm、最大表面粗さ(Rmax)160nm、及び表面抵抗値0.5Ωのニッケル箔(純度99.7%)を用いたこと、及び第3熱処理の雰囲気を0.01Paまで真空引きしたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第3熱処理において、ニッケル箔をカーボン製の板ではさんで熱処理したこと以外は、実施例3と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、厚さ30μm、最大表面粗さ(Rmax)180nm、及び表面抵抗値0.52Ωのニッケル箔(純度99.2%)を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
上記BST前駆体溶液を塗布液としたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
上記BST前駆体溶液を塗布液としたこと以外は、実施例2と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第3熱処理において、カーボン製容器を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、厚さ500μmのニッケル箔(純度99.5%)の表面を鏡面研磨して得た最大表面粗さ(Rmax)350nm、及び表面抵抗値30Ωのニッケル箔を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、厚さ100μmのニッケル箔(純度99.5%)の表面を鏡面研磨して得た最大表面粗さ(Rmax)840nm、及び表面抵抗値0.1Ωのニッケル箔を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第3熱処理の雰囲気を大気下としたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。なお、第2導電材の酸化によって、測定不可であった。
結果を表1、2に示す。
第2導電材として、ステンレス箔を用いたこと以外は、実施例4と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、ニッケルクロム箔を用いたこと以外は、実施例4と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第2導電材として、ニッケル箔上に0.1μmのニッケル膜をスパッタ法で形成したこと以外は、実施例4と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。なお、第2導電材との反応によって、測定不可であった。結果を表1、2に示す。
第1熱処理を大気下に150℃で60分としたこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。なお、膜割れが発生し、測定不可であった。結果を表1、2に示す。
第1熱処理を60分としたこと、及び第2の熱処理を行なわなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
第3熱処理の温度を650℃としたこと以外は、実施例8と同様に行い、薄膜キャパシタ材を得て、誘電特性を測定した。結果を表1、2に示す。
一方、比較例1〜10では、第2導電材の特性及び熱処理条件が本発明の条件に合わないので、第2導電材の酸化等により、誘電特性において満足すべき結果が得られない。
Claims (7)
- 上部電極を構成する第1導電材と下部電極を構成する第2導電材との間に、誘電体膜を備えた薄膜キャパシタ材の製造方法であって、
下記の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする薄膜キャパシタ材の製造方法。
工程(1):前記第2導電材として、10〜500μmの厚さからなり、表面抵抗値が0.1〜1Ω、及び最大表面粗さ(Rmax)が100〜700nmであるニッケル箔を準備する。
工程(2):前記ニッケル箔の表面上に、次の(イ)〜(ハ)の手順を2〜5回繰り返し膜形成した後、これをカーボン製容器内に挿入して、非酸化性雰囲気下に700〜800℃の温度で加熱する第3熱処理に付し、所望の厚さの誘電体膜を形成する。
(イ)誘電体の前駆体溶液を塗布する。
(ロ)次いで、大気下に300〜350℃の温度で加熱する第1熱処理に付す。
(ハ)続いて、大気下に450〜500℃の温度で加熱する第2熱処理に付す。
工程(3):前記誘電体膜の表面上に、第1導電材を成膜する。 - さらに、工程(3)に続いて、次の工程(4)を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜キャパシタ材の製造方法。
工程(4):大気下に熱処理に付す。 - 前記ニッケル箔は、圧延法で作製したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜キャパシタ材の製造方法。
- 前記ニッケル箔の純度は、99%以上であることを特徴とする請求項3に記載の薄膜キャパシタ材の製造方法。
- 前記誘電体の前駆体溶液は、1−ブタノール、1−ペンタノール、3メチル−1ブタノール、2メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、及び2−メチル−1−プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルコール類と、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル及び酪酸ブチルからなる群から選ばれる少なくとも1種のエステル類と、2−エチルヘキサン酸であるカルボン酸とからなる混合溶剤中に、Ba、Sr、Mg及びCaからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属元素と、Ti、Sn及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を添加してなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜キャパシタ材の製造方法。
- 前記混合溶剤に配合するアルコール類、エステル類及びカルボン酸の配合割合は、アルコール類100容量部に対し、エステル類が50〜100容量部、及びカルボン酸が50容量部であることを特徴とする請求項5に記載の薄膜キャパシタ材の製造方法。
- 前記誘電体膜は、単位静電容量が1.0μF/cm2以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜キャパシタ材の製造方法。
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