JP5327977B2 - 導電性膜形成用組成物および導電性膜の形成方法 - Google Patents

導電性膜形成用組成物および導電性膜の形成方法 Download PDF

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本発明は、導電性膜形成用組成物および該組成物を用いて行う導電性膜の形成方法に関する。さらに詳しくは、導電性に優れるストロンチウム−ルテニウム酸化物系導電性膜を簡易な方法で形成するための組成物および方法に関する。
ペロブスカイト型結晶構造を有するストロンチウム−ルテニウム酸化物系導電性膜(SRO膜)は、その優れた導電性から各種電極材料としての応用が期待されている。またこのSRO膜中に含まれるルテニウム原子の一部を他の金属原子、例えばチタンで置き換えた置換SRO膜は、該膜中のキャリア濃度が適当な値、例えば1×1016〜1×1019個/cm程度であるならば、例えば強誘電体ゲートトランジスタのチャネルとして使用することができる。
このようなSRO膜ないし置換SRO膜(以下、これらをまとめて単に「SRO膜」という。)は、例えばスパッタリング法、レーザーアブレーション法、反応性蒸着法などの気相法によって形成することができる。しかし、気相法は重厚長大且つ高価な装置を必要とし、膜の生産性も低いため、実用的であるとはいい難い。
一方、気相法によらないSRO膜の形成方法として、ゾルゲル法が知られている。この技術は、金属酸化物の前駆体、例えば金属アルコキシドなどを含有する組成物溶液を基板上に塗布して塗膜を形成し、次いでこれを加熱して前駆体を加水分解および縮合して酸化物膜とした後、さらに高温で加熱することによって結晶化を行う技術である。この技術は、膜の組成制御が容易であり、膜厚の均一性が高いなどの長所を有する反面、組成物溶液の安定性が低く、溶液の長期保存ができないとの短所がある。
かかる問題を解決すべく特許文献1は、前駆体としてストロンチウムおよびルテニウムのカルボン酸塩を使用し、これらを水不混和性の溶媒に溶解してなるSRO膜形成用組成物を提案している。しかしながら特許文献1の技術は、組成物中のSr濃度およびRu濃度を低くするとともに水分量を厳密に制御する必要があり、製造プロセス上の扱い易さ(以下、「プロセス性」という。)に劣る。さらに、酸化物膜形成後の結晶化のために750℃程度の高温における加熱を要し、膜形成操作中のデバイスの劣化が懸念される。
以上のような事情のもと、長期安定性に優れるとともにプロセス性が高い導電性膜形成用組成物、および該組成物を用いて行う、簡易であるとともに高温加熱を要しない導電性膜の形成方法が熱望されている。
特開2000−128697号公報
本発明は、ストロンチウム−ルテニウム酸化物系導電性膜の形成における上記の如き現状を打破するべく、従来にないユニークな組成物および方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明の目的は、ストロンチウム−ルテニウム酸化物系導電性膜を形成することができ、長期安定性およびプロセス性に優れる導電性膜形成用組成物、およびストロンチウム−ルテニウム酸化物系導電性膜を形成することができる、簡易であるとともに高温加熱を要しない導電性膜の形成方法を提供することにある。
本発明によると、本発明の上記目的および利点は、第一に、
ストロンチウムのカルボン酸塩と
ルテニウムのカルボン酸塩と
溶媒と
を含有する組成物であって、
前記溶媒がプロピオン酸を含有する、導電性膜形成用組成物によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第二に、
基板上に、上記の導電性膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を酸化性雰囲気下で加熱する、導電性膜の形成方法によって達成される。
本発明によると、長期安定性およびプロセス性に優れる導電性膜形成用組成物、および該導電性膜形成用組成物を用いて行う簡易であり高温加熱を要しない導電性膜の形成方法が提供される。
本発明の導電性膜形成用組成物は調製方法が容易であるため、その使用が必要となった際にオンサイトで容易且つ迅速に調製することができる利点があるほか、組成物中の水分の含有割合を制御しなくとも保存安定性に優れるため、長期間保存した後の組成物であっても有効に利用することができる。本発明の方法によって形成された導電性膜は、その加熱温度によって結晶性の高いペロブスカイト型のSRO膜または結晶性を有さない新規な導電性膜となる。
本発明の導電性膜形成用組成物およびそれから形成された導電性膜は、各種電極材料、電極と強誘電体キャパシタとの間のバリア層、強誘電体ゲートトランジスタのチャネルなどの用途に好適に適用することができる。
実施例1および3〜6でそれぞれ得られた導電性膜のX線回折チャート。 実施例7で調べた加熱温度と導電性との関係を示すグラフ。 実施例8で測定した本発明の導電性膜形成用組成物の熱重量分析チャート。
<導電性膜形成用組成物>
本発明の導電性膜形成用組成物は、
ストロンチウムのカルボン酸塩と
ルテニウムのカルボン酸塩と
溶媒と
を含有する組成物であって、
前記溶媒がケトンおよびカルボン酸よりなる群のうちのプロピオン酸を含有することを特徴とする。本発明の導電性膜形成用組成物は、これらのほか、任意的にチタンのカルボン酸塩などをさらに含有することができる。
上記ストロンチウムのカルボン酸塩およびルテニウムのカルボン酸塩ならびに任意的に使用されるチタンのカルボン酸塩としては、それぞれ、炭素数1〜10のアルキル基を有するカルボン酸の塩であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基を有するカルボン酸の塩であることがより好ましく、例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、2−エチルヘキサン酸塩などであることができる。これらのうち、塩の入手または合成のしやすさからプロピオン酸塩または2−エチルヘキサン酸塩が好ましく、溶解性の観点から2−エチルヘキサン酸塩が特に好ましい。
上記ストロンチウムのカルボン酸塩、ルテニウムのカルボン酸塩およびチタンのカルボン酸塩のいずれも、無水塩であっても含水塩であってもよい。
上記の如きストロンチウムおよびルテニウムの各カルボン酸塩ならびに任意的に使用されるチタンのカルボン酸塩の使用割合は、形成される導電性膜における所望の金属原子比に応じて適宜に設定されるべきである。例えばSrRuO膜を形成したい場合には本発明の導電性膜形成用組成物におけるSr:Ru:Tiの原子比を1:1:0とすればよく、SrRuOにおけるRu原子の50%をTi原子で置き換えたい場合には、Sr:Ru:Ti=1:0.5:0.5とすればよい。なお、以上の数値はいずれもモル比である。
ゾルゲル法によってSRO膜を形成するためのものとして従来知られている組成物(例えば特許文献1に記載された組成物)は、高温加熱によって酸化物膜を高度に結晶化することによって膜に導電性を付与しているため、膜中の金属原子比、従って前駆体組成物中の金属原子比Sr:(Ru+Ti)を一定の化学両論的比率に設定することが必要であった。これに対して本発明の導電性膜形成用組成物から形成された膜は、これを結晶化せずとも導電性を示すため、組成物中の金属原子比Sr/(Ru+Ti)(モル比)は、0.1〜20の範囲の任意の値とすることができ、0.5〜2の範囲とすることが好ましい。
しかしながら形成される膜の導電性を適当な値とするため、チタンのカルボン酸塩は一定値以下の割合で使用されるべきである。式Ti/(Ru+Ti)の値はモル比で0.8以下とすることが好ましく、0.6以下とすることがより好ましい。
本発明の導電性膜形成用組成物に使用される溶媒は、ケトンおよびカルボン酸よりなる群のうちのプロピオン酸を含有する。本発明の導電性膜形成用組成物に使用される溶媒がプロピオン酸を含有することにより、組成物の安定性が確保されるとともに、該組成物から形成された塗膜を導電性膜とするときの加熱温度を低くすることができることとなる。特に、結晶性の高いペロブスカイト型のSRO膜を形成するために必要な加熱温度も、従来知られているSRO膜形成用組成物を用いた場合に比べて低い温度で足りる。さらに、溶媒がプロピオン酸を含有する本発明の導電性膜形成用組成物、原料である各金属のカルボン酸塩の溶媒中への溶解がより容易になるとともに、得られた組成物の安定性は飛躍的に向上し、例えば組成物の重量の10重量%程度もの水を含有する場合であっても、長期間の保存を可能とすることができる。
上記ケトンとしては、炭素数3〜10のケトンであることが好ましく、炭素数4〜7のケトンであることがより好ましい。なおこの炭素数はカルボニル基の炭素を含めた数である。かかるケトンの具体例としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンなどを挙げることができる。
上記カルボン酸としては、炭素数1〜10のアルキル基を有するカルボン酸であることが好ましく、炭素数2〜8のアルキル基を有するカルボン酸であることがより好ましい。このようなカルボン酸の具体例としては、例えばプロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸などを挙げることができる。
本発明の導電性膜形成用組成物における溶媒は、上記の如きケトンおよびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種のほかに、本発明の効果を阻害しない限りにおいて他の溶媒を含有していてもよい。かかる他の溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、エステルエーテルなどを挙げることができる。その具体例としては、上記脂肪族炭化水素として、例えばへキサン、オクタンなどを;
上記脂環式炭化水素として、例えばシクロヘキサンなどを;
上記芳香族炭化水素として、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどを;
上記アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリンなどを;
上記エステルとして、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酢酸エチル、2−エチルヘキサン酸メチル、2−エチルヘキサン酸エチルなどを;
上記エーテルとして、例えばジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどを、それぞれ挙げることができる。
本発明の導電性膜形成用組成物における溶媒は、ケトンおよびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種を、溶媒の全量に対して、50重量%以上含有していることが好ましく、75重量%以上含有していることがより好ましい。
本発明の導電性膜形成用組成物の溶媒においてカルボン酸を使用する場合、その使用割合としては、組成物中のストロンチウムのカルボン酸塩の1gに対して、1g以上とすることが好ましく、2g以上とすることがより好ましい。
本発明の導電性膜形成用組成物の溶媒におけるケトンとカルボン酸との使用割合は、これらの合計に対するカルボン酸の割合として、10重量%以上とすることが好ましく、25重量%以上とすることがより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましく、75重量%とすることが特に好ましい。
とりわけ好ましくは溶媒としてカルボン酸のみを用いることである。
本発明の導電性膜形成用組成物は、その液性を酸性領域に設定することが好ましく、そのpHを6.5以下とすることがより好ましく、特にpH3〜6とすることが好ましい。このような液性とすることにより、長期間経過後であってもカルボン酸塩が分解することのない、保存安定性に優れる導電性膜形成用組成物とすることができる。
本発明の導電性膜形成用組成物の固形分濃度(組成物中の溶媒以外の成分の合計重量が組成物の全重量に占める割合)は、0.1〜10重量%とすることが好ましく、0.5〜6重量%とすることがより好ましい。
本発明の導電性膜形成用組成物は、上記の如き溶媒中に溶媒以外の各成分を混合して溶解することにより調製することができる。このとき、溶媒と各成分とを一度に混合して溶解してもよく、溶媒中に各成分を順次に加えてもよく、もしくは溶媒中に各成分を別個に溶解して得た数個の溶液を混合する方法によってもよく、またはその他の適宜の方法によってもよい。溶媒中にストロンチウムまたはチタンのカルボン酸塩を溶解して溶液を調製する際、該溶液が上記の如きカルボン酸を含有する場合には室温における混合で足り、カルボン酸を含有しない場合には、ストロンチウムまたはチタンのカルボン酸塩の種類により、例えば20〜150℃において攪拌する方法によることができる。なお、ルテニウムのカルボン酸塩はケトンを含有する溶媒に溶解しやすいため、溶媒がカルボン酸を含有しない場合であっても室温における混合で足りる。
調製後の組成物溶液は、適当な孔径を有するフィルターでろ過したうえで使用してもよい。
上述のとおり、本発明の導電性膜形成用組成物の原料である各金属のカルボン酸塩はそれぞれ含水塩であってもよいから、本発明の導電性膜形成用組成物は調製直後から水を含有していてもよい。また、溶媒が親水性のケトンおよびカルボン酸よりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものであるから、組成物の使用の際または保存中に吸湿することがある。しかしながら本発明の導電性膜形成用組成物は組成物中の水分割合を制御しなくても長期間の保存が可能である。例えば組成物中の水分割合が1重量%以上、さらには2重量%以上であっても保存可能期間には影響せず、特に10重量%程度であっても少なくとも数ヶ月ないし数年程度は安定に保存し、使用することができる。従って、本発明の導電性膜形成用組成物は、後述のように導電性の高いストロンチウム−ルテニウム酸化物系導電性膜を簡易な方法で形成できるものでありながら、その調製コストおよび保存コストが大幅に削減されたものであり、電気デバイスの製造コストの削減に資するものである。
<導電性膜の形成方法>
本発明の導電性膜の形成方法は、基板上に上記の如き導電性膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を酸化性雰囲気下で加熱する方法である。
本発明の導電性膜の形成方法に使用される基板としては、特に限定されないが、例えば石英;ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスなどのガラス;プラスチック;シリコーン樹脂;カーボン;金、銀、銅、シリコン、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステンなどの金属;これらの金属またはその酸化物もしくは混合酸化物(例えばITOなど)などを表面に有するガラスまたはプラスチックなどからなる基板を使用することができる。本発明の導電性膜の形成方法は、高温の加熱をせずとも導電性を示す膜を形成することができるので、かかる場合には耐熱性の低いプラスチック基板にも適用することができるという利点がある。
基板上に導電性膜形成用組成物を塗布するにあたっては、例えばスピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法、液滴吐出法等の適宜の塗布方法を採用することができる。次いで、導電性膜形成用組成物からなる液状被膜から、必要に応じて溶媒を除去することにより、基板上に塗膜を形成することができる。このとき、塗膜中に溶媒が多少残存していたとしても、本発明の効果を減殺するものではない。塗布後に溶媒を除去する場合には、例えば室温〜450℃において1〜30分程度静置する方法によることができる。形成される塗膜の厚さは、その適用目的により適宜に設定されるべきであるが、溶媒除去後の厚さとして例えば30〜500nmとすることができる。この膜厚を得るためには塗布および任意的な溶媒除去を1回(1サイクル)だけ行ってもよく、塗布および任意的な溶媒除去を複数回(複数サイクル)行う重ね塗りによってもよい。
このようにして形成された塗膜を、次いで酸化性雰囲気下で加熱する。
酸化性雰囲気下の加熱は、好ましくは酸素を含む気体中で加熱操作を行うことにより実現することができる。上記酸素を含む基体としては、空気、酸素などが好ましい。加熱の際の気体は任意の圧力とすることができ、例えば5×10〜1×10Paにて加熱することができる。
本発明の導電性膜の形成方法においては、加熱の際の温度を選択することにより、異なる種類の導電性膜を得ることができる。すなわち、加熱温度を450℃以上とすることによりペロブスカイト型結晶構造を有する導電性膜を得ることができ、一方、加熱温度を450℃未満とすることにより結晶性を有さない導電性膜を得ることができる。
加熱温度を450℃未満とする場合、好ましい加熱温度は100℃以上450℃未満であり、より好ましくは200℃以上450℃未満であり、さらに350℃以上450℃未満であることが好ましい。この場合の加熱時間は、好ましくは1〜60分であり、より好ましくは5〜30分である。この場合の加熱は、溶媒を除去するための加熱と同一の工程として行ってもよく、別個の工程として行ってもよい。
加熱温度を450℃以上とする場合、好ましい加熱温度は450〜700℃であり、より好ましくは500〜650℃であり、さらに好ましくは500℃以上600℃未満であり、さらに500〜550℃であることが好ましい。この場合の加熱時間は、好ましくは5〜120分であり、より好ましくは10〜60分である。この場合の加熱は、上記の如き450℃未満の加熱工程を経由したうえで行ってもよく、これを経由せずに450℃以上の加熱のみを行ってもよい。後者の場合、450℃以上の加熱は、溶媒を除去するための加熱と同一の工程として行ってもよく、別個の工程として行ってもよい。
以上のような導電性膜形成用組成物の塗布、任意的な溶媒の除去および加熱工程を1回(1サイクル)だけ行って導電性膜を形成してもよく、あるいはこのサイクルを複数回繰り返す重ね塗りの方法によって導電性膜を形成してもよい。
<導電性膜>
上記のようにして導電性膜を形成することができる。
導電性膜の厚さは用途に応じて適宜に設定されるべきであり、特に限定されるものではないが、例えば30〜500nmとすることができる。
本発明の方法によって形成された導電性膜は導電性に優れるものである。チタンのカルボン酸塩を含有しない導電性膜形成用組成物から形成された導電性膜の場合には、四探針法により測定した体積抵抗率を5×10−2Ω・cm以下とすることができ、さらには1×10−2Ω・cm以下とすることができ、特に5×10−3Ω・cm以下とすることも可能である。また、チタンのカルボン酸塩を含有する導電性膜形成用組成物から形成された導電性膜の場合には、膜中におけるチタン原子の含有割合(すなわち組成物中におけるチタンのカルボン酸塩の含有割合)および加熱温度を変量することにより、上記の如き高い導電率を示す良導体から不導体のレベルまで、その導電率を任意且つ連続的に設定することができる。従って、チタン原子の含有割合を調整し、上記体積抵抗率を3×10−1〜5×10Ω・cm程度(キャリア密度として1×1019〜1×1016個/cm程度)とすることにより、例えば強誘電体ゲートトランジスタのチャネルとして使用することができる。
本発明の方法によって形成された導電性膜の導電性は、チタン原子の含有割合および加熱温度によって決定される。所望の導電率を得るために、いかなる割合でチタン原子を含有し、いかなる加熱温度を採用すればよいかは、当業者は少しの予備実験によって容易に知ることができる。
本発明の方法によって形成された導電性膜は、膜表面の平滑性に優れるものである。チタンのカルボン酸塩を含有しない導電性膜形成用組成物から形成された導電性膜の場合には、二乗平均平方根粗さ(RMS)を50nm以下、さらには30nm以下とすることができる。この値は、膜中のチタン原子の含有割合が向上するとともに急激に減少し、チタン原子の含有割合が導電性を損なわない範囲であってもRMSを5nm以下、さらには3nm以下、特に2nm以下とすることができる。
上述のように、本発明の導電性膜の形成方法においては加熱の際の温度を選択することにより、異なる種類の導電性膜を得ることができる。加熱温度を450℃以上とすることによりペロブスカイト型結晶構造を有する導電性膜を得ることができ、一方、加熱温度を450℃未満とすることにより結晶性を有さない導電性膜を得ることができる。この結晶性を有さない導電性膜は、後述の実施例で明らかになるように、膜中に有意量の有機物を含有しているものと信じられる。それにもかかわらず上記の如き高い導電性を示すことは驚くべきことである。
なお、結晶性を有さない導電性膜を形成する場合には、膜形成工程のすべての時点において膜の温度を450℃未満に維持することが好ましい。
以下の合成例において、2−エチルヘキサン酸チタニウム(無水塩、Ti含量=10.54重量%)および2−エチルヘキサン酸ルテニウム(無水塩、Ru含量=17.73重量%)は、それぞれ(株)ADEKA製の市販品を用いた。
<金属のカルボン酸塩の調製>
以下の合成例において得たストロンチウムのカルボン酸塩中のSr含量は高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により測定し、純度は前記Sr含量の測定値を無水塩としての理論値で除して求めた値である。
合成例1(プロピオン酸ストロンチウムの合成)
500mLのフラスコ中にSr(OH)・8HO 26.6gおよび純水200mLを仕込み、撹拌しつつ80℃に昇温した後、プロピオン酸16gを加えた。この操作により、プロピオン酸ストロンチウムを含有する透明溶液を得た。100℃にて水を除去して得られた白色の粉体を、さらに150℃にて24時間乾燥することにより、プロピオン酸ストロンチウム(Sr含量=36.8重量%、純度98.2重量%)を得た。
合成例2(2−エチルヘキサン酸ストロンチウムの合成)
500mLのフラスコ中にSr(OH)・8HO 26.6gおよび純水200mLを仕込み、撹拌しつつ80℃に昇温した後、2−エチルヘキサン酸32g(Sr原子に対して2.2倍モル)を加え、80℃にて1時間撹拌下に反応を行った。次いでエバポレータを用いて60〜80℃において減圧下に水を除去した。この操作によっても残存する水を除去するため、エバポレータ処理後の粗生成物をトルエン100mLに溶解し、再度エバポレータを用いて80℃において減圧下に水を除去した。このトルエンを用いたエバポレータ処理を、さらに2回繰り返して行った。得られた生成物をさらに160℃において24時間加熱乾燥することにより、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムをワックス状の固体として得た。
この2−エチルヘキサン酸ストロンチウムにつき、ICP発光分析によって求めたSr含量は21.3重量%であり、純度は90.9重量%であった。不純物は主として2−エチルヘキサン酸であると考えられる。不純物が使用した2−エチルヘキサン酸の過剰分を含むものと仮定して計算した純度は98.4重量%である。
この2−エチルヘキサン酸ストロンチウムは、さらなる精製を行うことなく(2−エチルヘキサン酸を除くことなく)、以降の調製例でそのまま使用し、実施例に供した。
<導電性膜形成用組成物の調製>
調製例1
30mLのガラスびんに2−エチルヘキサン酸ルテニウム3.99gをとり、これにメチルイソブチルケトン16.11gを加えて室温にて溶解して溶液を得た。
別の30mLのガラスびんに、上記溶液10gをとり、ここにプロピオン酸4gおよび上記合成例1で得たプロピオン酸ストロンチウム0.818gを加えて室温で撹拌、溶解することにより、ストロンチウムのカルボン酸塩とルテニウムのカルボン酸塩とを含有する導電性膜形成用組成物(C−1)を得た。
調製例2
(1)30mLのガラスびんに2−エチルヘキサン酸チタニウム3.179gをとり、これにメチルイソブチルケトン16.821gを加えて100〜120℃に加熱し、溶解して溶液を得た。
別の30mLのガラスびんに、上記溶液10gをとり、ここにプロピオン酸4gおよび上記合成例1で得たプロピオン酸ストロンチウム0.818gを加えて室温で撹拌、溶解することにより、ストロンチウムのカルボン酸塩とチタンのカルボン酸塩とを含有する組成物(T−1)を得た。
(2)6mLのガラスびん中で上記調製例1で得た組成物(C−1)0.8gと上記(1)で得た組成物(T−1)0.2gとを混合することにより、ストロンチウムのカルボン酸塩とルテニウムのカルボン酸塩とチタンのカルボン酸塩とを含有し、Ti/(Ti+Ru)の値(モル比)が0.2である導電性膜形成用組成物(C−2)を得た。
調製例3〜5
上記調製例2の(2)において、組成物(C−1)と組成物(T−1)との混合割合を表1に記載のようにそれぞれ変更したほかは調製例2の(2)と同様にして、Ti/(Ti+Ru)の値(モル比)が0.4、0.6および0.8である導電性膜形成用組成物(C−3)〜(C−5)をそれぞれ得た。
Figure 0005327977
調製例6
(1)30mLのガラスびんに2−エチルヘキサン酸ルテニウム3.99gをとり、これにプロピオン酸16.11gを加えて室温にて溶解して溶液を得た。
(2)13.5mLのガラスびんに上記(1)の溶液5gをとり、ここにプロピオン酸2gおよび上記合成例2で得た2−エチルヘキサン酸ストロンチウム0.327gを加え、室温で撹拌して2−エチルヘキサン酸ストロンチウムを溶解することにより、ストロンチウムのカルボン酸塩とルテニウムのカルボン酸塩とを含有し、Sr/Ruの値(モル比)が0.45である導電性膜形成用組成物(C−6)を得た。
調製例7および8
上記調製例6(2)において、(1)の溶液に加えた2−エチルヘキサン酸ストロンチウムの量をそれぞれ0.458g(調製例7)および0.655g(調製例8)としたほかは調製例6(2)と同様にして、Sr/Ruの値(モル比)がそれぞれ0.63および0.91である導電性膜形成用組成物(C−7)および(C−8)を得た。
<導電性膜の形成>
実施例1
20mm×20mmの表面に酸化物膜を有するシリコン基板上に上記調製例1で得た導電性膜形成用組成物(C−1)を回転数2,000rpm、25秒間の条件でスピンコートした後、空気中、370℃のホットプレート上で5分間の加熱を行った。このスピンコートおよび加熱の操作を合計3サイクル繰り返して行い、基板上に塗膜を重ね塗りした。さらに、得られた塗膜付き基板を、空気中、370℃のホットプレート上で30分間加熱することにより、基板上に厚さ330nmの導電性膜を得た。
この導電性膜につき、四探針法により測定した体積抵抗率は0.009Ω・cmであった。
またこの導電性膜につき、以下の条件で測定したX線回折チャート(2θ=20〜47°)を図1に示した。
(X線回折測定条件)
測定装置:MacScience社製、品名「M18XHF−SRA」
線源:Cu Κα線
試料サイズ:1cm×2cm
電圧および電流:40kV、60mA
測定範囲:2θ=10〜50°
スキャン速度:5°/分
実施例2
上記実施例1と同様にして、表面に酸化物膜を有するシリコン基板上に重ね塗りした塗膜を形成した。次いでこの塗膜付き基板を市販のRTA(Rapid Thermal Annealing)装置中に設置し、酸素を0.2L/minの流速で供給しながら410℃で1時間酸素中加熱をすることにより、基板上に厚さ330mの導電性膜を得た。
この導電性膜につき、実施例1と同様にして測定した体積抵抗率は0.024Ω・cmであった。
実施例3〜6
上記実施例2において、RTAを用いた酸素中加熱温度をそれぞれ450℃(実施例3)、500℃(実施例4)、550℃(実施例5)および600℃(実施例6)としたほかは実施例2と同様にして酸素中加熱を行った。
酸素中加熱後の導電性膜について実施例1と同様にしてそれぞれ測定した体積抵抗率は、実施例3において0.047Ω・cm、実施例4において0.025Ω・cm、実施例5において0.01Ω・cmおよび実施例6において0.004Ω・cmであった。
これらの酸素中加熱後の導電性膜につき、実施例1と同様にしてそれぞれ測定したX線回折チャートを図1に示した。図1に見られるとおり、酸素中加熱温度が450℃以上の場合に略立方体状のペロブスカイト結晶の(110)面に帰属されるピークが2θ=32°に確認された。このピークの強度は酸素中加熱温度500〜600℃において顕著に増大し、かかる低温においても十分な結晶化が起こっていることが理解される。
実施例7
本実施例では、加熱温度が370℃以下のときにいかなる導電性が得られるかについて調べた。
20mm×20mmの表面に酸化物膜を有するシリコン基板上に上記調製例1で得た導電性膜形成用組成物(C−1)を回転数2,000rpm、25秒間の条件でスピンコートした後、空気中、210℃のホットプレート上で5分間の加熱を行った。このスピンコートおよび加熱の操作を合計3サイクル繰り返して行い、重ね塗りにより基板上に塗膜を形成した。この塗膜につき、四探針法によって測定したシート抵抗は、1.7×10Ω/□であった。
この測定後の塗膜付き基板を再度ホットプレートに乗せて空気中240℃において5分間の加熱を行った後、上記と同様にしてシート抵抗の測定を行った。同様にして、空気中、280℃および370℃において各5分間の加熱を行い、各加熱後の塗膜のシート抵抗を測定した。
各温度における加熱後のシート抵抗値を図2に示した。
図2の結果から、本発明の導電性膜形成用組成物から形成された塗膜は、加熱温度210℃においてすでに優れた導電性を有していることが理解される。
なお、370℃加熱後の塗膜の膜厚は330nmであった。
実施例8
本実施例では、本発明の導電性膜形成用組成物の熱分解挙動を調べた。
上記調製例1で調製した導電性膜形成用組成物(C−1)につき、以下の条件で測定した熱重量分析(TG)チャートを図3に示した。
(TG測定条件)
測定装置:SII Nano Technology社製、品名「TG/DTA6200」
供給ガス:空気、300mL/分
測定温度範囲:25〜600℃
昇温速度:5℃/分
試料:上記調製例1で調製した導電性膜形成用組成物(C−1)を、溶媒を除去せずにそのままアルミニウム製測定用パンにとり、これを試料とした。
試料重量:16.616mg
図3のうち、測定開始から100℃近辺までに見られる急激な重量減少は、溶媒の蒸散によるものである。さらに昇温を続けると、温度450℃まで試料重量は斬減し、その後一定値となることから、加熱温度450℃未満で形成される導電性膜は原料のカルボン酸塩に由来する有機物を含有しているものと考えられる。加熱温度450℃未満で形成される導電性膜は、有機物を含有しながら上記実施例1、2および7に見られる如き高い導電性を示すことは驚くべきことである。一方、加熱温度450℃以上で形成される導電性膜は、図1および3から理解されるように、有機物を実質的に含有せず、結晶構造を有するものである。
実施例9
本実施例では、Ti原子によるRu原子の置換率および酸素中における加熱温度が、得られる導電性膜の抵抗率に及ぼす影響について調べた。
表面に酸化物膜を有するシリコン基板(25mm×25mm)を5枚準備した。上記調製例1〜5で得た導電性膜形成用組成物(C−1)〜(C−5)を、それぞれの基板上に回転数2,000rpm、25秒間の条件でスピンコートした後、空気中、370℃のホットプレート上で5分間の加熱を行った。この操作を合計2サイクル繰り返して行い、基板上に塗膜を重ね塗りした。次いでこれらの塗膜付き基板を、それぞれ、空気中、370℃のホットプレート上で30分間加熱することにより、基板上に厚さ220nmの導電性膜を得た。各導電性膜形成用組成物から得られた導電性膜について、スパッタ法によってそれぞれ4つのPt上部電極を形成し、Hall測定(van der Pauw法)によって体積抵抗率、キャリア移動度およびキャリア密度を測定した。
次いで各塗膜付きの基板をそれぞれRTA装置中に設置し、酸素を0.2L/minの流速で供給しながら430℃で1時間酸素中加熱をした後、上記と同様にして体積抵抗率、キャリア移動度およびキャリア密度を測定した。同様にして、550℃および600℃において各1時間の酸素中加熱を行い、各加熱後の測定を行った。
これらの測定値を、それぞれ表2に示した。なお、信頼性に乏しいと考えられる測定値は表2に記載しなかった。
Figure 0005327977
表2から、Ti原子によるRu原子の置換率および酸素中における加熱温度を変量することにより、得られる導電性膜の導電率が良導体〜不導体の範囲で任意に設定できることが理解される。
実施例10
本実施例では、Ti原子によるRu原子の置換率が、得られる導電性膜の表面平滑性に及ぼす影響について調べた。
20mm×20mmのアモルファスシリカ基板上を5枚準備した。上記調製例1〜5で得た導電性膜形成用組成物(C−1)〜(C−5)を、それぞれ基板上に回転数2,000rpm、25秒間の条件でスピンコートした後、370℃のホットプレート上で5分間加熱した。この操作を繰り返して行い、基板上に塗膜を合計2回重ね塗りした。さらに、得られた塗膜付き基板を、空気中、370℃のホットプレート上で30分間加熱することにより、基板上に導電性膜を得た。次いで酸素中における加熱温度を550℃としたほかは上記実施例2と同様にして酸素中加熱を行うことにより、それぞれ基板上に厚さ330nmの導電性膜を得た。
これらの塗膜につき、以下の条件の原子間力顕微鏡で測定した二乗平均平方根粗さ(RMS)を表3に示した。
(RMS測定方法)
測定装置:S−イメージユニットおよびSN−AF01S−NTカンチレバーを備えたSII SPM Nano Navi Stationを用いた原子間力顕微鏡測定
走査周波数;1Hz
Figure 0005327977
実施例11
本実施例では、SRO膜中のSr/Ru比と得られる導電性膜の抵抗率との関係について調べた。本実施例における焼成温度は370℃と低温である。
表面に酸化物膜を有するシリコン基板(20mm×20mm)を3枚準備した。上記調製例6〜8で得た導電性膜形成用組成物(C−6)〜(C−8)を、それぞれの基板上に回転数2,000rpm、25秒間の条件でスピンコートした後、空気中、250℃のホットプレート上で5分間の加熱を行い、塗膜を形成した。次いでこれらの塗膜付き基板を、それぞれ、空気中、370℃のホットプレート上で5分間加熱することにより、基板上に厚さ60nmの導電性膜を得た。
上記とは別に、組成物(C−8)については上記と同様の塗布および加熱を2回(2サイクル)繰り返して行うことにより、表面に酸化物膜を有するシリコン基板上に厚さ120nmの導電性膜を形成した。
これらの導電性膜について、それぞれ四探針法測定によって体積抵抗率を測定した。結果を表4に示した。
Figure 0005327977
<導電性膜形成用組成物の保存安定性の検証>
実施例12
本実施例では、本発明の導電性膜形成用組成物が水分を含有していても長期保存が可能であることを検証した。
上記調製例8で調製した導電性膜形成用組成物(C−8)の1gに水0.1gを加え、組成物の水分含有割合を約9重量%とした。
上記実施例11で調製した導電性膜形成用組成物(C−7)および(C−8)ならびに上記で調製した9重量%の水を含有する組成物(C−8)を、それぞれ室温で4週間保存したが、いずれも組成物の外見に変化はなかった。
4週間保存後の各組成物を用いて、それぞれ実施例11におけるのと同様にして導電性膜を形成して体積抵抗率を測定した。結果を表5に示した。導電性膜形成用組成物(C−7)および(C−8)については、調製直後の組成物を用いて形成した導電性膜(すなわち実施例11において形成した導電性膜)の体積抵抗率も合わせて示した。
なお表5において、9重量%の水を含有する組成物(C−8)は、「C−8/HO」と表記した。
Figure 0005327977
表5に示されたとおり、本発明の導電性膜形成用組成物を長期間保存した後に該組成物から形成された導電性膜の体積抵抗率は、調製直後の組成物から形成された導電性膜の体積抵抗率と、実験誤差内で同じ値であった。また、意識的に水を添加して9重量%もの水を含有するものとした組成物(C−8)を長期間保存した後であっても優れた導電性を示す導電性膜を形成することができることが示された。

Claims (6)

  1. ストロンチウムのカルボン酸塩と
    ルテニウムのカルボン酸塩と
    溶媒と
    を含有する組成物であって、
    前記溶媒がプロピオン酸を含有することを特徴とする、導電性膜形成用組成物。
  2. さらにチタンのカルボン酸塩を含有する、請求項1に記載の導電性膜形成用組成物。
  3. 基板上に、請求項1または2に記載の導電性膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を酸化性雰囲気下において450℃未満の温度で加熱することを特徴とする、有機物を含有し、結晶性を有さない導電性膜の形成方法。
  4. 基板上に、請求項1または2に記載の導電性膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を酸化性雰囲気下において450℃以上の温度で加熱することを特徴とする、ペロブスカイト結晶性を有する導電性膜の形成方法。
  5. 基板上に、請求項2に記載の導電性膜形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を酸化性雰囲気下において加熱することを特徴とする、強誘電体ゲートトランジスタのチャネルとして使用される導電性膜の形成方法。
  6. 請求項に記載の方法によって形成された、有機物を含有し、結晶性を有さない導電性膜。
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