JP2009293748A - 作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムにおいて、油圧ポンプは可変容積型であるが、油圧モータは固定容積型であるため、作業の目的地へ向かうまで高速で走行したいという要求を満足するほどの速度は得られず非常に効率が悪い。
【解決手段】原動機9によって駆動される可変容積型の油圧ポンプ36と、片車軸5L・5Rを駆動する可変容積型の油圧モータ37と、該油圧モータ37と前記油圧ポンプ36を流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータ37の容積変更のために動作する容積変更動作部130を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段26・100・66等を設けた。
【選択図】図10
【解決手段】原動機9によって駆動される可変容積型の油圧ポンプ36と、片車軸5L・5Rを駆動する可変容積型の油圧モータ37と、該油圧モータ37と前記油圧ポンプ36を流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータ37の容積変更のために動作する容積変更動作部130を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段26・100・66等を設けた。
【選択図】図10
Description
本発明は、片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムに関する。
従来、アキシャルピストン型の油圧ポンプと油圧モータを閉回路にて流体接続した油圧式無段変速装置を、左右の車軸駆動装置にそれぞれ搭載し、各車軸駆動装置の車軸を各油圧式無段変速装置により別個に駆動することにより、モア等の作業機を装着した作業車両のその場旋回、いわゆるゼロターンを可能とし、作業効率の大幅な向上を図る車軸駆動システムが公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6385971号明細書
しかし、前記車軸駆動システムにおいて、油圧ポンプは可変容積型であるが、油圧モータは固定容積型であるため、通常の、作業のための走行速度は油圧ポンプの制御により出力可能であるが、作業の目的地へ向かうまで高速で走行したいという要求を満足するほどの速度は得られず非常に効率が悪い。そのため、そのような速度域を現出させるためには、少なくとも2段の変速ギア機構等の副変速装置を油圧モータと車軸との間に別途設ける必要があり、該副変速装置の分だけ、設置空間や装置コストの増加を招き、車軸駆動システムの大型化や高コスト化を招く、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムにおいて、前記各車軸駆動装置は、原動機によって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、前記片車軸を駆動する可変容積型の油圧モータと、該油圧モータと前記油圧ポンプを流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータの容積変更のために動作する容積変更動作部を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段を設けたものである。
請求項2においては、前記連係操作手段は、プッシュプル型アクチュエータを有し、該プッシュプル型アクチュエータを、前記両容積変更動作部に接続した両操作部材に、機械的に連係させるものである。
請求項3においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、少なくとも一方の前記車軸駆動装置で発生した圧油の一部を用いて作動する油圧作動式アクチュエータとするものである。
請求項4においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、電気ソレノイドを用いて作動されるものである。
請求項5においては、前記車軸駆動システムは、運転管理手段を有し、該運転管理手段の入切に応じて前記両油圧モータの高速側への変速を不能にするものである。
請求項6においては、前記両油圧モータを低速側に変速操作した場合にのみ、作業機の駆動を可能にする。
請求項7においては、前記両油圧ポンプを中立位置に設定すると、前記両油圧モータの変速を可能にするものである。
すなわち、請求項1においては、片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムにおいて、前記各車軸駆動装置は、原動機によって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、前記片車軸を駆動する可変容積型の油圧モータと、該油圧モータと前記油圧ポンプを流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータの容積変更のために動作する容積変更動作部を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段を設けたものである。
請求項2においては、前記連係操作手段は、プッシュプル型アクチュエータを有し、該プッシュプル型アクチュエータを、前記両容積変更動作部に接続した両操作部材に、機械的に連係させるものである。
請求項3においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、少なくとも一方の前記車軸駆動装置で発生した圧油の一部を用いて作動する油圧作動式アクチュエータとするものである。
請求項4においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、電気ソレノイドを用いて作動されるものである。
請求項5においては、前記車軸駆動システムは、運転管理手段を有し、該運転管理手段の入切に応じて前記両油圧モータの高速側への変速を不能にするものである。
請求項6においては、前記両油圧モータを低速側に変速操作した場合にのみ、作業機の駆動を可能にする。
請求項7においては、前記両油圧ポンプを中立位置に設定すると、前記両油圧モータの変速を可能にするものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムにおいて、前記各車軸駆動装置は、原動機によって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、前記片車軸を駆動する可変容積型の油圧モータと、該油圧モータと前記油圧ポンプを流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータの容積変更のために動作する容積変更動作部を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段を設けたので、可変容積型の両油圧モータの容積変更によって両片車軸を同時に副変速し、変速ギア機構等の副変速装置を別途設けることなく、ゼロターンが可能な車軸駆動システムにおいて、作業に必要な速度域と路上走行に必要な速度域を簡単に現出させる(以下、「副変速操作」とする。)ことができ、高い作業効率を確保したままで、副変速装置に必要な設置空間や装置コストの増加を防ぎ、車軸駆動システムの小型化や低コスト化を図ることができる。更に、両油圧モータの容積を単一の連係操作手段により変更することができ、両油圧モータの容積を一操作により確実かつ同時に変更して、変速操作性の向上や誤操作の防止を図ることができる。
請求項2においては、前記連係操作手段は、プッシュプル型アクチュエータを有し、該プッシュプル型アクチュエータを、前記両容積変更動作部に接続した両操作部材に、機械的に連係させるので、該両操作部材の動作制御を簡単な構成で行うことができ、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項3においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、少なくとも一方の前記車軸駆動装置で発生した圧油の一部を用いて作動する油圧作動式アクチュエータとするので、プッシュプル型アクチュエータを駆動するための作動油源を別途設けることなく、該作動油源に必要な油や油圧ポンプ・タンク・配管等の部品を不要にすることができ、部品数を減らして部品コストの低減やメンテナンス性の向上、及び車軸駆動システムのコンパクト化を図ることができる。
請求項4においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、電気ソレノイドを用いて作動されるので、副変速操作に対する変速応答性が高まり、牽制回路を組み易くなり副変速操作性の向上を図ることができる。
請求項5においては、前記車軸駆動システムは、運転管理手段を有し、該運転管理手段の入切に応じて前記両油圧モータの高速側への変速を不能にするので、例えば未成年者等の作業に不慣れな者が運転操作する際に、誤って連係操作手段の連係操作具を操作しても、高速段に移行しないようにすることができ、安定した作業走行を行うことができる。
請求項6においては、前記両油圧モータを低速側に変速操作した場合にのみ、作業機の駆動を可能にするので、油圧モータが高速段ではPTOクラッチを入状態に設定できないようにすることができ、高速走行中には作業機が駆動しないようにして、低速で安定した精度の良い作業を行うことができる。
請求項7においては、前記両油圧ポンプを中立位置に設定すると、前記両油圧モータの変速を可能にするので、両油圧ポンプが中立位置以外では変速できないようにすることができ、油圧ポンプによる変速操作中に誤って連係操作手段の連係操作具を操作しても、急に速度変化しないようにして、更に安定した作業走行を行うことができる。
すなわち、請求項1においては、片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムにおいて、前記各車軸駆動装置は、原動機によって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、前記片車軸を駆動する可変容積型の油圧モータと、該油圧モータと前記油圧ポンプを流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータの容積変更のために動作する容積変更動作部を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段を設けたので、可変容積型の両油圧モータの容積変更によって両片車軸を同時に副変速し、変速ギア機構等の副変速装置を別途設けることなく、ゼロターンが可能な車軸駆動システムにおいて、作業に必要な速度域と路上走行に必要な速度域を簡単に現出させる(以下、「副変速操作」とする。)ことができ、高い作業効率を確保したままで、副変速装置に必要な設置空間や装置コストの増加を防ぎ、車軸駆動システムの小型化や低コスト化を図ることができる。更に、両油圧モータの容積を単一の連係操作手段により変更することができ、両油圧モータの容積を一操作により確実かつ同時に変更して、変速操作性の向上や誤操作の防止を図ることができる。
請求項2においては、前記連係操作手段は、プッシュプル型アクチュエータを有し、該プッシュプル型アクチュエータを、前記両容積変更動作部に接続した両操作部材に、機械的に連係させるので、該両操作部材の動作制御を簡単な構成で行うことができ、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
請求項3においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、少なくとも一方の前記車軸駆動装置で発生した圧油の一部を用いて作動する油圧作動式アクチュエータとするので、プッシュプル型アクチュエータを駆動するための作動油源を別途設けることなく、該作動油源に必要な油や油圧ポンプ・タンク・配管等の部品を不要にすることができ、部品数を減らして部品コストの低減やメンテナンス性の向上、及び車軸駆動システムのコンパクト化を図ることができる。
請求項4においては、前記プッシュプル型アクチュエータは、電気ソレノイドを用いて作動されるので、副変速操作に対する変速応答性が高まり、牽制回路を組み易くなり副変速操作性の向上を図ることができる。
請求項5においては、前記車軸駆動システムは、運転管理手段を有し、該運転管理手段の入切に応じて前記両油圧モータの高速側への変速を不能にするので、例えば未成年者等の作業に不慣れな者が運転操作する際に、誤って連係操作手段の連係操作具を操作しても、高速段に移行しないようにすることができ、安定した作業走行を行うことができる。
請求項6においては、前記両油圧モータを低速側に変速操作した場合にのみ、作業機の駆動を可能にするので、油圧モータが高速段ではPTOクラッチを入状態に設定できないようにすることができ、高速走行中には作業機が駆動しないようにして、低速で安定した精度の良い作業を行うことができる。
請求項7においては、前記両油圧ポンプを中立位置に設定すると、前記両油圧モータの変速を可能にするので、両油圧ポンプが中立位置以外では変速できないようにすることができ、油圧ポンプによる変速操作中に誤って連係操作手段の連係操作具を操作しても、急に速度変化しないようにして、更に安定した作業走行を行うことができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係わる作業車両の全体構成を示す作業車両の側面一部断面図、図2は作業車両後部の平面図、図3は右の車軸駆動装置の平面断面図、図4は同じく側面断面図、図5は図3のX−X矢視断面図、図6は左の車軸駆動装置の平面断面図、図7は傾倒角度調整機構の正面一部断面図、図8は軸ホルダーの正面断面図、図9は本発明に係わる車軸駆動システムの油圧回路図、図10は連動機構の正面図であって、図10(a)は低速段の場合の連動機構の正面図、図10(b)は高速段の場合の連動機構の正面図、図11は別形態の連動機構の正面図であって、図11(a)は低速段の場合の連動機構の正面図、図11(b)は高速段の場合の連動機構の正面図、図12は別形態の車軸駆動システムの油圧回路図、図13は本発明に係わる車軸駆動システムの電気回路図、図14は油圧モータの走行モード制御手順を示すフローチャート図、図15はPTOクラッチ制御手順を示すフローチャート図、図16は別形態の車軸駆動システムのブロック図、図17は別形態の油圧モータの走行モード制御手順を示すフローチャート図である。
図1は本発明に係わる作業車両の全体構成を示す作業車両の側面一部断面図、図2は作業車両後部の平面図、図3は右の車軸駆動装置の平面断面図、図4は同じく側面断面図、図5は図3のX−X矢視断面図、図6は左の車軸駆動装置の平面断面図、図7は傾倒角度調整機構の正面一部断面図、図8は軸ホルダーの正面断面図、図9は本発明に係わる車軸駆動システムの油圧回路図、図10は連動機構の正面図であって、図10(a)は低速段の場合の連動機構の正面図、図10(b)は高速段の場合の連動機構の正面図、図11は別形態の連動機構の正面図であって、図11(a)は低速段の場合の連動機構の正面図、図11(b)は高速段の場合の連動機構の正面図、図12は別形態の車軸駆動システムの油圧回路図、図13は本発明に係わる車軸駆動システムの電気回路図、図14は油圧モータの走行モード制御手順を示すフローチャート図、図15はPTOクラッチ制御手順を示すフローチャート図、図16は別形態の車軸駆動システムのブロック図、図17は別形態の油圧モータの走行モード制御手順を示すフローチャート図である。
まず、本発明に係わる車軸駆動システム2を備えた油圧駆動式の作業車両1の全体構成について、図1、図2、図9により説明する。
該作業車両1において、前後方向に縦長状の車体フレーム24が延設され、該車体フレーム24の前部両側には左右のキャスター輪3L・3Rが配置されると共に、車体フレーム24の後部には、本発明に係わる車軸駆動システム2を構成する車軸駆動装置4L・4Rが、機体左右方向に支持されている。
該作業車両1において、前後方向に縦長状の車体フレーム24が延設され、該車体フレーム24の前部両側には左右のキャスター輪3L・3Rが配置されると共に、車体フレーム24の後部には、本発明に係わる車軸駆動システム2を構成する車軸駆動装置4L・4Rが、機体左右方向に支持されている。
該車軸駆動装置4L・4Rの各々より、左右の片車軸5L・5Rが外側方に突出され、該片車軸5L・5Rの外端部には、それぞれ後輪6L・6Rが固定されており、該後輪6L・6Rと前記キャスター輪3L・3Rとの間の車体フレーム24の下方に、モア7が配設されている。該車体フレーム24の後部上には、燃料タンク8を前面に設けた内燃機関などの原動機9が載置され、これら車体フレーム24や原動機9はカバー10によって覆われると共に、該カバー10の上には座席11が載置され、該座席11の前部には左右一対の操縦レバー12L・12Rが配設され、更に、その前部にはブレーキペダル25が配設されている。
そして、前記座席11の下方には、高速段(Hi)と低速段(Lo)の二位置にセット可能な連係操作具26が配設されている。この連係操作具26は図示したようにレバー形であってもペダル形であってもよい。更に、左右一方側の前記操縦レバー12L・12Rを載置する操作コラム盤上には、未成年者等の運転に不慣れな者が運転操作する際に、連係操作具26を高速段に変速したときでも低速段での出力しか得られないようにしておくための図示せぬ運転管理スイッチが配設され、該スイッチに本来の運転者が所持する運転管理キー27が差し込まれている場合にのみ、高速段での出力が許可されるようにしている。操作コラム盤上には、さらに後述する図示せぬ高速走行ランプも装備されている。
前記原動機9から垂直下方には、動力出力軸13が突出され、該動力出力軸13上には、上プーリ14と下プーリ15が固設され、このうちの上プーリ14は、テンションプーリ28によって張設されたベルト21を介して、左右の前記車軸駆動装置4L・4Rの冷却ファン34・34付きの各入力プーリ22L・22Rに連結されており、原動機9からの動力を入力プーリ22L・22Rに伝達し、前記片車軸5L・5Rを駆動するようにしている。
一方、前記下プーリ15の直前には、車体フレーム24より吊り下げ支持された、油圧クラッチ式のPTOクラッチ装置30が配置され、前記下プーリ15に巻回されたベルト16は、テンションプーリ29によってテンションが付与され、PTOクラッチ装置30の入力プーリ31に連結される。一方、該入力プーリ31に、PTOクラッチ30aを介して断接可能に接続された出力プーリ32は、ベルト17を介して前記モア7の入力プーリ18に連結されており、原動機9からの動力により、モア7を駆動するようにしている。該モア7のデッキ19内には、複数のブレード20が収納されており、該ブレード20を回転させることによって、芝等の刈取作業が行える。そして、該モア7は図示せぬ油圧式昇降装置によって任意に昇降操作される。なお、PTOクラッチ装置30は、左右の車軸駆動装置4L・4Rの間に配置されており、車軸駆動装置4L・4R間のデッドスペースを有効に利用して、走行車輌1のコンパクト化を図っている。
更に、前記一対の操縦レバー12L・12Rの各々は、前記車軸駆動装置4L・4Rにおける両油圧ポンプ36・36の可動斜板41・41に連結されており、これら操縦レバー12L・12Rを同方向へ同角度傾けることで、両油圧ポンプ36・36が互いに同じ量だけ容積が変更され、その吐出油を受けた左右油圧モータが同じ回転数を出力するために機体が前後方向に直進し、異方向又は異角度に傾けることで、両油圧ポンプ36・36の容積が左右で異なり、その吐出油を受けた左右油圧モータが異なる回転数を出力するために左右の片車軸5L・5Rの回転数が異なって、機体が左右方向に進路を変える。
次に、前記車軸駆動装置4L・4Rについて、図3乃至図9により説明する。なお、図3、図6に示すように、左右各々の車軸駆動装置4L・4Rは、互いに左右対称構造であることから、一方の車軸駆動装置、本実施例では右の車軸駆動装置4Rを中心に説明し、左の車軸駆動装置4Lについては相違点を説明するにとどめる。
該車軸駆動装置4Rにおいて、上ハウジング半部54と下ハウジング半部55とから成るハウジング35に、可変容積型でアキシャルピストン型の油圧ポンプ36と、同じアキシャルピストン型の油圧モータ37が内設されると共に、該ハウジング35から右方に前記右の片車軸5Rが突出され、該片車軸5Rの外端に、前記後輪6Rに接続されるフランジ38が固設されている。なお、ポンプやモータの種類としては、例えばラジアルピストン型のものであってもよい。
そして、該ハウジング35内に設置したセンタセクション76に、前記油圧ポンプ36と油圧モータ37を設置すると共に、該センタセクション76内部に設けた一対の油路39・40を介して、ポンプ36とモータ37とを互いに流体接続されることにより、静油圧式無段変速装置73が構成されている。油圧ポンプ36と油圧モータ37のいずれにも、容積制御装置としての可動斜板41・42が備えられており、可動斜板41・42の傾倒角度と傾倒方向を制御し、油圧ポンプ36と油圧モータ37の吐出量と吐出方向を変更して、油圧モータ37と片車軸5Rの回転速度と回転方向を設定するようにしている。この油圧ポンプ36には、片車軸5Rと垂直に前記ポンプ軸43が備えられ、該ポンプ軸43の上部に、前記入力プーリ22Rと冷却ファン34が固設されている。
このように、互いに流体接続される可変容積型の油圧ポンプ36と油圧モータ37を共通のハウジング35内に収納するにあたり、前記センタセクション76の水平上面をポンプ設置面とし、該ポンプ設置面に油圧ポンプ36を設置する。そして、該油圧ポンプ36のポンプ軸43を片車軸5Rと直角な方向へ向けてハウジング35上部より上方へ突出し、該ポンプ軸43には、前記動力出力軸13からの回転動力が入力プーリ22Rを介して伝達される。
更に、前記センタセクション76の一鉛直側面をモータ設置面とし、該モータ設置面に油圧モータ37を設置する。そして、ハウジング35内には、片車軸5Rと平行に、前記油圧モータ37のモータ軸44とカウンタ軸45が備えられると共に、該モータ軸44から前記片車軸5Rにかけて、一連の減速ギア列46が内設されている。該減速ギア列46においては、モータ軸44にモータ出力ギア47、片車軸5Rにブルギア50をそれぞれ固設し、カウンタ軸45に大径ギア48を設けて前記モータ出力ギア47に噛合し、また、カウンタ軸45に小径のファイナルピニオン49を設けて前記ブルギア50に噛合するようにして、油圧モータ37からの変速動力が減速され、片車軸5Rに伝達される。
また、前記モータ軸44の前記モータ出力ギア47より突出した部分にブレーキロータ51が固設されており、車軸駆動装置4Rのハウジング35内の湿式ブレーキ機構52が構成されている。該湿式ブレーキ機構52においては、前記ブレーキロータ51とその左側の隔壁35aとの間には、鉛直のブレーキカム軸53が、前記上ハウジング半部54に鉛直途中部を回動自在に支持されて配設されている。該ブレーキカム軸53の下部は平面断面視で半円状のカム部に形成されており、非ブレーキ時には、その鉛直平坦面53aをブレーキロータ51に対し平行に対峙させている。
ここで、このブレーキカム軸53のカム部を囲むようにして、平面視コの字状のブレーキシュー56が、該ブレーキカム軸53の鉛直平坦面53aとブレーキロータ51との間に配置され、一方、ブレーキロータ51とその右側の上ハウジング半部54の外壁との間には、ブレーキパッド57が配置されている。そして、ブレーキカム軸53は、上ハウジング半部54より上方に突出され、その突出端にはブレーキアーム58が固設されており、該ブレーキアーム58は、その回動方向でブレーキ位置と非ブレーキ位置とを上ハウジング半部54の上面にて設定できるようにしている。
これにより、該ブレーキアーム58をブレーキ位置にすると、ブレーキカム軸53の鉛直平坦面53aがブレーキロータ51に対して平面視斜めになり、該鉛直平坦面53aの一端が前記ブレーキシュー56を押圧し、該ブレーキシュー56と前記ブレーキパッド57との間にブレーキロータ51を挟み込んで、モータ軸44が制動される。ブレーキアーム58を非ブレーキ位置にすると、ブレーキカム軸53の鉛直平坦面53aがブレーキシュー56とブレーキロータ51に対して平行になり、ブレーキロータ51よりブレーキシュー56が離間してモータ軸44が回転可能となる。これらブレーキロータ51、ブレーキカム軸53、ブレーキシュー56、ブレーキパッド57が、ギア室35b内に満たされた油に浸漬されて、前記湿式ブレーキ機構52が構成されている。
また、前記センタセクション76の下面には、インナギア59aとアウタギア59bとよりなるトロコイドポンプであるチャージポンプ59が内設されており、ハウジング35内の油溜まり60より、油が油フィルタ61を介して吸引されると共に、ハウジング35には、外部リザーバタンク62が外付けされており、油溜まり60の油の体積が膨張・収縮するのに応じて、サイフォン63を介して油溜まり60に油が給排されるようにしている。
また、ハウジング35には外方開口状のポート64・65が設けられており、これらは、それぞれ外部配管等の油路68a・68bを介して、前記PTOクラッチ装置30に接続されている。なお、左の車軸駆動装置4Lのポート64・65は、油路69a・69bを介して、後述の油圧モータ37の連動機構66を作動させるための油圧モータ制御弁100に接続されている。そして、このうちのポート64は、前記チャージポンプ59の吐出側に接続されており、該ポート64から前記PTOクラッチ装置30や連動機構66等の外部油圧機器に、油路68aや油路69aを介して作動油を供給できるようにしている。なお、インプルメント圧調整弁67によって、チャージポンプ59からポート64へと供給される作動油の圧力が調整される。
一方、ポート65には、前記PTOクラッチ装置30や連動機構66等の外部油圧機器から、油路68bや油路69bを介して作動油が排出される。そして、このポート65からの作動油は、油路39・40に各別に接続した一対のチャージチェック弁70・70に接続されており、油路39・40のうちの一方が負圧になると、負圧となった油路39または油路40に対して、チャージチェック弁70を介して作動油を供給できるようにしている。なお、チャージ圧調整弁72によって、ポート65からチャージチェック弁70へと供給される作動油の圧力が調整される。
該チャージチェック弁70には、いずれもオリフィス71が設けられており、該オリフィス71を介して高圧側の油路39または油路40から作動油を逃がすことにより、静油圧式無段変速装置73の中立域を拡張し、前記操縦レバー12Rが正規の中立位置を含む一定の遊び内に到達すると、直ちに油路39または油路40の油圧がゼロとなって、油圧モータ37と片車軸5Rが確実に停止されるようにしている。
更に、該静油圧式無段変速装置73にはバイパス弁74が設けられている。該バイパス弁74は、通常は図9に示すように閉弁されており、作業車両1を牽引する等の場合に、バイパス弁74を強制的に開弁して油路39と油路40から作動油を油溜まり60へと排出し、静油圧式無段変速装置73の油圧から油圧モータ37と片車軸6Rを解放して回転自在にするものである。
加えて、静油圧式無段変速装置73にはフリーホイル防止弁75が設けられている。該フリーホイル防止弁75は、前記ポート65と両チャージチェック弁70との間の油路に接続されている。これにより、静油圧式無段変速装置73の閉回路から作動油が漏出しても、該閉回路内の負圧によって、フリーホイル防止弁75が自然に開弁して油溜まり60から閉回路に作動油を補給することができ、たとえ、原動機9が停止状態で坂道に停車している作業車両1が、チャージポンプ59により閉回路に作動油を補給できずに、後輪6Rが自由回転して坂道を下ってしまう可能性がある場合でも、閉回路内の油圧を保持してダイナミックブレーキを、油圧モータ37と片車軸5Rに確実にかけることができる。
次に、前記静油圧式無段変速装置73について、図3乃至図5により詳細に説明する。
該静油圧式無段変速装置73におけるセンタセクション76の前記ポンプ取付面には、油圧ポンプ36の複数ピストン室に開口する一対のキドニーポート76a・76bが形成され、前記モータ取付面には、油圧モータ37の複数ピストン室に開口する一対のキドニーポート76c・76dが形成されている。更に、センタセクション37には、互いに平行で、前後水平に延設された上下の油孔76e・76fが形成され、該下油孔76fより上方傾斜状に油孔76gが形成されている。そして、このうちの上油孔76eは、前部にてキドニーポート76bに連通し、後部にてキドニーポート76cに連通して、前記油路39が構成され、下油孔76fは、前部にて、油孔76gを介してキドニーポート76aに連通し、後部にてキドニーポート76dに連通して、前記油路40が構成されている。
該静油圧式無段変速装置73におけるセンタセクション76の前記ポンプ取付面には、油圧ポンプ36の複数ピストン室に開口する一対のキドニーポート76a・76bが形成され、前記モータ取付面には、油圧モータ37の複数ピストン室に開口する一対のキドニーポート76c・76dが形成されている。更に、センタセクション37には、互いに平行で、前後水平に延設された上下の油孔76e・76fが形成され、該下油孔76fより上方傾斜状に油孔76gが形成されている。そして、このうちの上油孔76eは、前部にてキドニーポート76bに連通し、後部にてキドニーポート76cに連通して、前記油路39が構成され、下油孔76fは、前部にて、油孔76gを介してキドニーポート76aに連通し、後部にてキドニーポート76dに連通して、前記油路40が構成されている。
そして、前記油孔76e・76fが前方に延出され、その延出端はセンタセクション76の外側に開口され、該開口部に、それぞれ前記チャージチェック弁70・70が内設され、前記オリフィス71を内部に形成した一対のチャージ弁ケース77・77が各別に嵌入されている。
また、前記センタセクション76内には、上下の油孔76e・76fより後方に延伸される上下一対のバイパス油孔76h・76hが形成され、該バイパス油孔76h・76hは、センタセクション76の後端にて開口されている。そして、該センタセクション76の後部には、前記バイパス油孔76h・76hと交差するように、前記バイパス弁74の鉛直軸芯状の回転弁が回動自在に嵌入されている。該バイパス弁74には、前記バイパス油孔76h・76hに対応して、直径状の上下の孔74aが形成されており、通常は、図4に示すような閉弁位置に設定して、孔74a・74aがバイパス油孔76h・76hに連通しないようにしている。そして、作業車両1を牽引する等の場合には、バイパス弁74を1/4回転させて、孔74a・74aをバイパス油孔76h・76hに連通させることにより、センタセクション67内の作動油が油溜まり60に排出される。
該バイパス弁74の上端は、上ハウジング半部54より上方に突出し、該突出部にバイパスアーム74bが固設されており、該バイパスアーム74bの操作により、バイパス弁74を開弁位置と閉弁位置との間で切替可能としている。更に、これらの両位置にバイパス弁74を位置決めすべく、上ハウジング半部54の上面に、バイパスアーム74bに立設したストッパ74cが当接する2つの段部が形成されている。
また、前記油圧ポンプ36は、センタセクション76のポンプ取付面に固設された弁板36a、該弁板36aに摺動回転自在に係合されたシリンダブロック36b、該シリンダブロック36b内で周方向等間隔に開けられた複数ピストン室に上下往復動自在に嵌入されたピストン36c、該シリンダブロック36bの中心に配設された前記ポンプ軸43、及び上ハウジング半部54の天井円弧部に摺動回動自在に取り付けられたクレイドル型の前記可動斜板41より構成される。そして、該可動斜板41のスラスト軸受けには、前記ピストン36cの頭部が当接されている。
また、前記可動斜板41に連結されたポンプ制御アーム23は、上ハウジング半部54に回動自在に挿通したポンプ制御軸80の外端に固設され、該ポンプ制御軸80の内端にはバネ巻き部材81が固設され、該バネ巻き部材81に中立復帰用のバネ82が巻装されている。そして、該バネ巻き部材81より突出するように、ポンプ制御軸80に内側アーム80aが一体形成され、該内側アーム80aは、可動斜板41に設けた凹部41aに、係合部材83を介して嵌入されており、これにより、ハウジング35の右外部に配置したポンプ制御アーム23が可動斜板41に連係されている。
前記ポンプ軸43は、その鉛直軸芯途中部がシリンダブロック36bに相対回転不能に係合されると共に、ポンプ軸43の下部は、回転自在にセンタセクション76に軸支されている。そして、ポンプ軸43は、更にセンタセクション76の下方へと延出され、その延出端には前記チャージポンプ59が設けられており、ポンプ軸43によってチャージポンプ59を駆動するようにしている。
前記油圧モータ37も、油圧ポンプ36と同様に、センタセクション76のモータ取付面に固設された弁板37a、該弁板37aに摺動回転自在に係合されたシリンダブロック37b、該シリンダブロック37b内で周方向等間隔に開けられた複数ピストン室に左右水平往復動自在に嵌入されたピストン37c、該シリンダブロック37bの中心に配設された前記モータ軸44、及び上ハウジング半部54と下ハウジング半部55とに摺動回動自在に取り付けられたクレイドル型の前記可動斜板42より構成される。そして、該可動斜板42のスラスト軸受けには、前記ピストン37cの頭部が当接されている。該可動斜板42を傾転案内するリテーナは上下対称形状をしており、ポンプ制御アーム23の操作方向を変えずにリテーナの上下位置を反転させた状態で組み込むことで、モータ軸44の回転方向を変更することができる。
図5においては、前記モータ軸44は、上下ハウジング半部54・55間の水平接合面上に配置され、該モータ軸44の軸芯途中部がシリンダブロック37bに相対回転不能に係合されている。そして、該モータ軸44の右部は、可動斜板42を相対回転自在に通過してから、前記ギア室35b内に突出し、その突出端に前記湿式ブレーキ機構52が形成されている一方、モータ軸44の左端は、センタセクション76に軸支されている。
次に、前記油圧モータ37の可動斜板42の傾倒角度調整機構85について、図6乃至図8により説明する。便宜上、左右一方側の車軸駆動装置に装備されたものを説明する。他方のものは同じ部品が使用されているので説明は省略する。
前記油圧モータ37においては、上下ハウジング半部54・55間の水平接合面上に水平状のモータ制御軸86が配置され、該モータ制御軸86の内端に連結された内側アーム87の一側端に設けた係合部87aが、可動斜板42に設けた係合部42aに係合されており、これら可動斜板42、内側アーム87、モータ制御軸86等から、油圧モータ37の容積を所定の大容積と小容積との間に設定するために動作する容積変更動作部130が構成されている。油圧モータ37を小容積にして油圧ポンプを操縦レバー12L,12Rによって中立位置から最大容積まで変更して得られる速度域が、従来のシステムで得られていた速度域と対応し、本発明では、これに、油圧モータ37を大容積に移行させて油圧ポンプを操縦レバー12L,12Rによって中立位置から最大容積まで変更して得られる速度域が、新たに加わって成る走行モードが得られる。そして、前記モータ制御軸86の外端には、モータ制御アーム84が固設されており、該モータ制御アーム84によって前記モータ制御軸86を回動することにより、前記容積変更動作部130の内側アーム87が回動され、可動斜板42の傾転角度が変更される。
このような容積変更動作部130における可動斜板42の傾倒角度調整機構85には、前記モータ制御軸86を保持するための軸ホルダー88がハウジング35の後外面に具備され、該軸ホルダー88のボス部88aが、ハウジング35に開口した孔に挿入されている。この軸ホルダー88は、軸芯方向に貫通するボス孔88bと、ケース61の外部に配されるプレート部88cと、該プレート部88cよりハウジング35内へ突設される前記ボス部88aとから構成されるものであり、該ボス部88aのボス孔88bに、前記モータ制御軸86が回転自在に挿通支持されている。そして、前記プレート部88cは、ナット付きのネジ軸89・90によってハウジング35に締止されており、該ネジ軸89・90を緩めることにより、プレート部88cをネジ軸89を中心に回動させ、ボス部88aのモータ制御軸86に対する角度を調節する。
前記ボス部88aには、略径方向に係合孔91が形成され、該係合孔91には、モータ制御軸86のピン孔86bに嵌設されたピン86aの突出部が挿入されている。そして、該係合孔91は、ピン86aが回動可能な幅を有しつつ、該ピン86aの回動範囲をA1からA2の間に制限させている。すなわち、可動斜板42の傾倒範囲が設定される。
ピン86aが係合孔91の一端に当接して角度A1に配置されると、可動斜板42の傾倒範囲の中で油圧モータ37の最大容積位置、つまり低速段に設定される。逆に、モータ制御軸86を回動させてピン86aが係合孔91の他端に当接して角度A2になると、可動斜板42の傾倒範囲の中で、油圧モータ37の容積が最小となるように、つまり高速段に設定されるものである。
なお、モータ制御軸86に被嵌したボス部88aのモータ制御軸86に対する相対角度を変更することで、その油圧モータ37の最大・最小容積値を調整することができる。すなわち、軸ホルダー88のプレート部88cには、第一の長孔88dが設けられており、該第一の長孔88dには偏心ブッシュ93が挿入され、該偏心ブッシュ93には、貫通孔93aが設けられており、該貫通孔93aに前記ネジ軸89が挿入されている。該ネジ軸89は、ハウジング35に対して螺嵌されており、ネジ軸89を緩めると、偏心ブッシュ93は、ネジ軸89を中心として公転可能となり、これにより、モータ制御軸86を中心としてボス部88aの角度を調節することができる。
更に、軸ホルダー88のプレート部88cには、第二の長孔88eが設けられており、該第二の長孔88eにはネジ軸94が挿通され、ハウジング35に対して螺嵌されており、このネジ軸94を締め込んで、角度調整後の軸ホルダー88のプレート部88cをハウジング35に締止することにより左右の油圧モータ37の最高回転数を微調整でき、左右の油圧モータ37の組込み誤差を無くして高速走行時の直進性を高めることができる。なお、モータ制御軸86における低速位置・高速位置の二位置を弾性保持するデテントボール機構を、例えばボス部88aとモータ制御軸86との間に介装してもよい。また、低速位置から高速位置までの任意位置で摩擦保持できる機構を備えさせても良い。
次に、本発明に係わる前記連係操作機構について、図1、図3、図9乃至図12により説明する。
まず、図10に示す連動機構66は、前記両油圧モータ37の両モータ制御アーム84・84を同一平面近くに置き、互いに向かい合わせた遊端部84b同士を連結した逆T字状の連結ステー96と、該連結ステー96の中央上端部96bにロッド97aの下端で連結されたピストン97と、該ピストン97の上端のヘッド97bを摺動自在に挿入するシリンダ98等から構成されると共に、該シリンダ98の上端は、前記車体フレーム24に枢着されている。
まず、図10に示す連動機構66は、前記両油圧モータ37の両モータ制御アーム84・84を同一平面近くに置き、互いに向かい合わせた遊端部84b同士を連結した逆T字状の連結ステー96と、該連結ステー96の中央上端部96bにロッド97aの下端で連結されたピストン97と、該ピストン97の上端のヘッド97bを摺動自在に挿入するシリンダ98等から構成されると共に、該シリンダ98の上端は、前記車体フレーム24に枢着されている。
前記モータ制御アーム84の外端部には、係合ピン部84aが突設され、該係合ピン部84aは、前記連結ステー96の側端部96aに穿孔された長孔96cに挿入されており、連結ステー96の上下動に応じてモータ制御アーム84が円滑に回動できるようにしている。そして、上下動するロッド97aの途中には係止部97cが形成され、該係止部97cと前記シリンダ98下面との間のロッド97a外周には付勢バネ99が巻回されており、該付勢バネ99によって、ロッド97aは常時下方に付勢されている。更に、前記シリンダ98内におけるヘッド97b下方の油室98aには、前記チャージポンプ59の吐出側が、ポート64、油圧モータ制御弁100、油路101を介して接続されており、作動油が供給されるようにしている。
このような構成において、前記連係操作具26を位置102に傾倒すると、後述する電気回路104によって油圧モータ制御弁100のスプールが位置M1に設定され、前記油室98a内には作動油が供給されず、連結ステー96は付勢バネ99の付勢力によって最下方に位置され、モータ制御アーム84は、前記傾倒角度調整機構85で設定した最大容積の角度A1に保持されて、油圧モータ37は低速回転を出力する。
前記連係操作具26を位置103に引き上げると、油圧モータ制御弁100のスプールが位置M2に設定され、前記油室98a内にはチャージポンプ59からの作動油が供給されることとなり、ピストン97は付勢バネ99の付勢力に抗して上昇し、それに伴い、連結ステー96を介して、モータ制御アーム84は、最大容積の角度A1から最小容積の角度A2へ回動され、油圧モータ37は高速回転を出力する。
また、図11に示す別形態の連動機構66Aは、前記連動機構66のように両油圧モータ37の両モータ制御アーム84・84の遊端部84b同士を互いに対向して配置するのではなく、該両モータ制御アーム84・84を互いに平行となるように配置した上で、該両モータ制御アーム84・84の遊端部84bを、水平動する共通のロッド105aの両端に回動可能に直接に連結したものであり、前述の連動機構66に比べ、連結ステー96のような中間部材を省くことができ、更に部品数を減らして、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。なお、左右のモータ制御軸86の回転方向は、図10では紙面上、互いに反対方向であり、図11では互いに同一方向であるが、油圧モータ37の回転方向を左右で正方向に維持するには、前述のように、片方の車軸駆動装置4における油圧モータ37の可動斜板42のリテーナの組み込み方向を変更することで対応できる。
該連動機構66Aは、このような水平動するロッド105aを備えたピストン105と、該ピストン105のロッド105aの途中に設けたヘッド105bを水平摺動自在に挿入するシリンダ106等から構成されると共に、該シリンダ106の外周側面上部は、前記車体フレーム24等に左右回動自在に固定されている。
そして、この水平動するロッド105aの途中には、係止部105cが形成され、該係止部105cと前記シリンダ106の左側面との間のロッド105a外周には付勢バネ107が巻回されており、該付勢バネ107によって、ロッド105aは左方に付勢されている。更に、前記シリンダ106内におけるヘッド105bよりも左方の油室106aには、前記チャージポンプ59の吐出側が、前記連動機構66と同様に、ポート64、油圧モータ制御弁100、油路101を介して接続されており、作動油が供給されるようにしている。
このような構成において、前記連係操作具26を位置102に傾倒すると、油圧モータ制御弁100のスプールが位置M1に設定され、前記油室106a内には作動油が供給されず、ロッド105aは付勢バネ107の付勢力によって左端側に位置されており、モータ制御アーム84は、最大容積の角度A1に保持され、副変速段は低速段に設定される。
すなわち、片車軸5L・5Rを備えた車軸駆動装置5L・5Rを車体フレーム24の左右にそれぞれ搭載した、作業機であるモア7を装着した作業車両1の車軸駆動システム2において、前記各車軸駆動装置5L・5Rは、原動機9によって駆動される可変容積型の油圧ポンプ36と、前記片車軸5L・5Rを駆動する可変容積型の油圧モータ37と、該油圧モータ37と前記油圧ポンプ36を流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータ37の容積変更のために動作する容積変更動作部130を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段である、前記連係操作具26・油圧モータ制御弁100・連動機構66等を設けたので、可変容積型の両油圧モータ37・37の容積変更によって両片車軸5L・5Rを同時に副変速し、変速ギア機構等の副変速装置を別途設けることなく、ゼロターンが可能な車軸駆動システムにおいて、作業に必要な速度域と路上走行に必要な速度域を簡単に現出させることができ、高い作業効率を確保したままで、副変速装置に必要な設置空間や装置コストの増加を防ぎ、車軸駆動システムの小型化や低コスト化を図ることができる。更に、両油圧モータ37・37の容積を単一の連係操作具26により変更することができ、両油圧モータ37・37の容積を一操作により確実かつ同時に変更して、変速操作性の向上や誤操作の防止を図ることができる。
更に、前記連係操作手段は、プッシュプル型アクチュエータであるシリンダ98・106を有し、該シリンダ98・106を、前記両容積変更動作部130に接続した両操作部材であるモータ制御アーム84・84に、機械的に連係させるので、該モータ制御アーム84・84の動作制御を簡単な構成で行うことができ、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
加えて、前記プッシュプル型アクチュエータであるシリンダ98・106は、少なくとも一方の前記車軸駆動装置である車軸駆動装置4Lで発生した圧油の一部を用いて作動する油圧作動式アクチュエータとするので、プッシュプル型アクチュエータを駆動するための作動油源を別途設けることなく、該作動油源に必要な油や油圧ポンプ・タンク・配管等の部品を不要にすることができ、部品数を減らして部品コストの低減やメンテナンス性の向上、及び車軸駆動システムのコンパクト化を図ることができる。
そして、前記プッシュプル型アクチュエータであるシリンダ98・106は、後述の電気ソレノイド100aを用いて作動されるので、副変速操作に対する変速応答性が高まり、牽制回路を組み易くなり副変速操作性の向上を図ることができる。
なお、図12に示すように、両油圧モータ37・37の可動斜板42・42を前記連係操作具26に、ワイヤー等による機械的なリンク機構131のみを介して接続する構成にすることも可能である。このような車軸駆動システム2Aの場合は、連係操作具26による変速操作には、大きな操作力が必要となるが、油圧モータ制御弁100や連動機構66が不要となり、部品数の減少による低コスト化や小型化を図りたい場合には好ましい。
次に、このような連動機構66・66Aを用いる場合の走行モード制御やPTOクラッチ制御について、図9、図13乃至図17により説明する。
図13に示すように、走行モード制御やPTOクラッチ制御を行うコントローラ119には、前記運転管理キー27に接続された運転管理スイッチ111、前記連係操作具26に接続されたモータ容積切替スイッチ110、前記PTOクラッチ30aを入切操作するPTOクラッチレバー120に接続されたPTOスイッチ112、a接点タイプのリレー115、及びバッテリ等の電源109等が設けられている。
図13に示すように、走行モード制御やPTOクラッチ制御を行うコントローラ119には、前記運転管理キー27に接続された運転管理スイッチ111、前記連係操作具26に接続されたモータ容積切替スイッチ110、前記PTOクラッチ30aを入切操作するPTOクラッチレバー120に接続されたPTOスイッチ112、a接点タイプのリレー115、及びバッテリ等の電源109等が設けられている。
そして、このうちの運転管理スイッチ111は、前記油圧モータ制御弁100の電気ソレノイド100aに接続され、該油圧モータ制御弁100、前記運転管理スイッチ111、及びモータ容積切替スイッチ110は、前記電源109からの配線123上に直列に接続されている。なお、該配線123からの分岐線123aには、モータが高速回転状態であることを点灯して表示する高速走行ランプ125が接続されている。
前記リレー115は、前記PTOクラッチ30aの入切のために作動油を給排するPTO制御弁108の電気ソレノイド108aに接続され、該PTO制御弁108、前記リレー115、及びPTOスイッチ112も、前記電源109からの配線124上に直列に配置されている。なお、該配線124からの分岐線124aには、PTOクラッチ30aが入ってモア7による作業中であることを点灯して表示するPTO駆動ランプ126が接続されている。
このような構成において、図14に示すように、連係操作具26によりモータ容積切替スイッチ110を高速段位置(Hi)に設定したか否かを判断する(ステップS1)。連係操作具26が位置102から位置103に傾倒され、モータ容積切替スイッチ110が高速段の場合は(ステップS1、YES)、前記運転管理キー27により運転管理スイッチ111をONにしたか否かを判断する(ステップS2)。運転管理キー27が差し込まれて運転管理スイッチ111がONの場合は(ステップS2、YES)、高速走行ランプ125が点灯され(ステップS3)、油圧モータ37は高速段で走行する高速走行モードに移行し(ステップS4)、そのスピード調整は操縦レバー12L,12Rにて行われる。上記以外の場合、例えば運転管理キー27がなく、運転管理スイッチ111がOFFとなっている場合等は、低速段で走行する低速走行モードに移行する(ステップS5)。
電気回路104においては、前記高速走行モードの場合、モータ容積切替スイッチ110と運転管理スイッチ111が同時に閉じられ、電源109から配線123を通って、高速走行ランプ125と油圧モータ制御弁100の電気ソレノイド100aに電流が流れる。これにより、高速走行ランプ125が点灯すると共に、電気ソレノイド100aが励磁されてスプールが位置M2に移動し、油圧モータ制御弁100から前記連動機構66・66Aのシリンダ98・106に作動油が供給されて、モータ制御アーム84が角度A2に回動される。
前記低速走行モードの場合は、モータ容積切替スイッチ110と運転管理スイッチ111の少なくとも一方が開いて、電源109から高速走行ランプ125と油圧モータ制御弁100の電気ソレノイド100aには電流が流れない。これにより、高速走行ランプ125が消灯すると共に、電気ソレノイド100aが励磁されずにスプールがバネ力によって位置M1に移動し、シリンダ98・106から作動油が排出され、モータ制御アーム84が角度A1に回動される。
また、PTOクラッチ制御の場合は、図15に示すように、PTOクラッチレバー120からのクラッチ入切信号を基にして、PTOスイッチ112をONにしたか否かを判断する(ステップS6)。PTOクラッチレバー120が位置122から位置121に傾倒されておりPTOスイッチ112がONの場合は(ステップS6、YES)、連係操作具26からの副変速段信号を基にして、モータ容積切替スイッチ110を高速段に設定したか否かを判断する(ステップS7)。連係操作具26が位置102から位置103に傾倒されておりモータ容積切替スイッチ110が高速段の場合は(ステップS7、YES)、モア7を駆動しない非作業モードに移行する(ステップS8)。連係操作具26が位置103から位置102に傾倒されておりモータ容積切替スイッチ110が低速段の場合は(ステップS7、NO)、PTO駆動ランプ126が点灯され(ステップS9)、モア7を駆動する作業モードに移行する(ステップS10)。
電気回路104においては、該作業モードの場合は、前記モータ容積切替スイッチ110が低速段に設定されてリレーコイルR1に電流が流れるため、前記リレー115のリレー接点が閉じられ、この場合、前記PTOスイッチ112もONとなって閉じられており、電源109から配線124を通って、PTO駆動ランプ126とPTO制御弁108の電気ソレノイド108aに電流が流れる。これにより、PTO駆動ランプ126が点灯すると共に、電気ソレノイド108aが励磁されてスプールが位置L2に移動し、PTO制御弁108からPTOクラッチ30aに作動油が供給されてクラッチが入り、モア7が駆動される。
前記非作業モードの場合は、前記モータ容積切替スイッチ110が高速段に設定されてリレーコイルR1には電流が流れないため、前記リレー115のリレー接点は開いたままであり、電源109からPTO駆動ランプ126とPTO制御弁108の電気ソレノイド108aには電流が流れない。これにより、PTOクラッチレバー120のN・OFFに係わらず、電気ソレノイド108aが励磁されずにスプールがバネ力によって位置L1に移動し、PTO制御弁108からPTOクラッチ30aに作動油が供給されずにクラッチが切られ、モア7が駆動しなくなる。
すなわち、前記車軸駆動システム2は、乗車した際に運転管理手段である運転管理キー27の有無に応じて前記両油圧モータ37・37の高速側への変速を不能にするので、未成年者等の運転に不慣れな者が運転操作する際に、誤って連係操作手段の連係操作具26を操作しても、高速段に移行しないようにすることができ、安定した作業走行を行うことができる。
更に、前記両油圧モータ37・37を低速側に変速操作した場合にのみ、作業機であるモア7の駆動を可能にするので、油圧モータ37が高速段ではPTOクラッチ30aを入状態に設定できないようにすることができ、高速走行中にはモア7が駆動しないようにして、低速で安定した精度の良い作業を行うことができる。
また、操縦レバー12L・12Rを中立位置127に設定した場合にのみ、油圧モータ37を高速側に移行できる走行モード制御について説明する。
該走行モード制御は、前記連係操作具26をレバーではなく踏込み式のフットペダル128で構成した場合等に特に有効であり、走行中に該フットペダル128を誤って踏込み操作しても、走行中は操縦レバー12L・12Rが中立位置127以外にあるために油圧モータ37を高速側に移行できず、走行中の急な速度変化を防止することができる。
該走行モード制御は、前記連係操作具26をレバーではなく踏込み式のフットペダル128で構成した場合等に特に有効であり、走行中に該フットペダル128を誤って踏込み操作しても、走行中は操縦レバー12L・12Rが中立位置127以外にあるために油圧モータ37を高速側に移行できず、走行中の急な速度変化を防止することができる。
図16に示すように、このような走行モード制御のコントローラ119Aには、前記コントローラ119とは異なり、前記操縦レバー12L・12Rに接続された主変速スイッチ129等が設けられており、操縦レバー12L・12Rを中立位置127にして両油圧ポンプ36・36から吐出油がゼロになると、作業車両1が停止し、この停止中に、モータ容積切替スイッチ110や運転管理スイッチ111等の他のスイッチが閉状態にあると、前記油圧モータ制御弁100の電気ソレノイド100aに電流を流すようにしている。
図17に示すように、操縦レバー12L・12Rからのレバー位置信号を基にして、操縦レバー12L・12Rが共に中立位置127にあるか否か、つまり両油圧ポンプ36・36が中立位置にあるか否かを判断する(ステップS11)。操縦レバー12L・12Rがいずれも中立位置127にある場合は(ステップS11、YES)、フットペダル128がモータ容積切替スイッチ110を高速段に設定したか否かを判断する(ステップS12)。フットペダル128が高速段位置にあり、モータ容積切替スイッチ110が高速段の場合は(ステップS12、YES)、前記運転管理キー27が運転管理スイッチ111をONにしたか否かを判断する(ステップS13)。運転管理キー27が差し込まれて運転管理スイッチ111がONの場合は(ステップS13、YES)、高速走行ランプ125が点灯され(ステップS14)、高速段で走行する高速走行モードに移行し(ステップS15)、上記以外の場合、再試行されるか(ステップS11、NO)、または低速段の副変速で走行する低速走行モードに移行する(ステップS16)。
すなわち、前記両油圧ポンプ36・36を中立位置に設定すると、前記両油圧モータ37・37の変速を可能にするので、両油圧ポンプ36・36が中立位置以外では変速できないようにすることができ、油圧ポンプ36・36による変速操作中に誤って連係操作手段の連係操作具26を操作しても、急に速度変化しないようにして、更に安定した作業走行を行うことができる。
本発明は、一対の片車軸の各別駆動用に一対の車軸駆動装置を備えた全ての車軸駆動システムに適用することができる。
1 作業車両
2 車軸駆動システム
4L・4R 車軸駆動装置
5L・5R 片車軸
7 作業機
9 原動機
24 車体フレーム
26 連係操作具(連係操作手段)
27 運転管理手段
36 油圧ポンプ
37 油圧モータ
66・66A 連動機構(連係操作手段)
84 操作部材
98・106 プッシュプル型アクチュエータ・油圧作動式アクチュエータ
100a 電気ソレノイド
130 容積変更動作部
2 車軸駆動システム
4L・4R 車軸駆動装置
5L・5R 片車軸
7 作業機
9 原動機
24 車体フレーム
26 連係操作具(連係操作手段)
27 運転管理手段
36 油圧ポンプ
37 油圧モータ
66・66A 連動機構(連係操作手段)
84 操作部材
98・106 プッシュプル型アクチュエータ・油圧作動式アクチュエータ
100a 電気ソレノイド
130 容積変更動作部
Claims (7)
- 片車軸を備えた車軸駆動装置を車体フレームの左右にそれぞれ搭載した、作業機を装着した作業車両の車軸駆動システムにおいて、前記各車軸駆動装置は、原動機によって駆動される可変容積型の油圧ポンプと、前記片車軸を駆動する可変容積型の油圧モータと、該油圧モータと前記油圧ポンプを流体接続する閉回路を有すると共に、前記各油圧モータの容積変更のために動作する容積変更動作部を両方同時に作動可能な単一の連係操作手段を設けたことを特徴とする作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
- 前記連係操作手段は、プッシュプル型アクチュエータを有し、該プッシュプル型アクチュエータを、前記両容積変更動作部に接続した両操作部材に、機械的に連係させることを特徴とする請求項1に記載の作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
- 前記プッシュプル型アクチュエータは、少なくとも一方の前記車軸駆動装置で発生した圧油の一部を用いて作動する油圧作動式アクチュエータとすることを特徴とする請求項2に記載の作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
- 前記プッシュプル型アクチュエータは、電気ソレノイドを用いて作動されることを特徴とする請求項2に記載の作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
- 前記車軸駆動システムは、運転管理手段を有し、該運転管理手段の入切に応じて前記両油圧モータの高速側への変速を不能にすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれか一項に記載の作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
- 前記両油圧モータを低速側に変速操作した場合にのみ、作業機の駆動を可能にすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
- 前記両油圧ポンプを中立位置に設定すると、前記両油圧モータの変速を可能にすることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちのいずれか一項に記載の作業機を装着した作業車両の車軸駆動システム。
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