JP2009292044A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Makoto Kawamoto
誠 川本
Koji Higuchi
浩司 樋口
Masahito Mihashi
将人 三橋
Yoshihiro Kobayashi
欣弘 小林
Noriyoshi Fujimori
則芳 藤森
Hirotaka Hanaoka
弘孝 花岡
Yasushi Yajima
康司 矢島
Oaki Takei
大明 武井
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Abstract

【課題】稼働時に振動しても、ターゲットに対する流体の着弾精度を維持することが可能な流体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクジェット式プリンタ11は、上流側から下流側に向かってカット用紙12を搬送する搬送ユニット13と、該搬送ユニット13によって搬送されるカット用紙12にインクを噴射する記録ヘッドユニット14とを備え、搬送ユニット13が記録ヘッドユニット14に対して近接及び離間する方向に沿って昇降可能に構成されている。搬送ユニット13には2つの位置決めピン25が設けられるとともに、記録ヘッドユニット14には2つの位置決めピン25をそれぞれ水平方向において把持可能な2つのコレットチャックユニット30が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、インクジェット式プリンタなどの流体噴射装置に関する。
従来、画像形成媒体(ターゲット)に画像を形成する画像形成装置(流体噴射装置)の一種として、ラインヘッド方式のインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のプリンタでは、ベルトプラテン(搬送手段)によって移動可能に支持された無端状のベルトによって搬送される画像形成媒体に、キャリッジ(流体噴射手段)に支持された各インクヘッドからインク(流体)を噴射することで画像を形成するようになっている。
また、特許文献1のプリンタでは、ベルトプラテンが昇降可能になっており、画像形成媒体が詰まった場合の処理などのメンテナンス作業を行う際には、ベルトプラテンを下降させて、ベルトプラテンとキャリッジとの間隔を予め設定されたメンテナンス用の間隔に広げられるようになっている。一方、メンテナンス作業が終了した際には、ベルトプラテンを上昇させて、ベルトプラテンとキャリッジとの間隔を予め設定された元の画像形成用の間隔に狭められるようになっている。
この場合、ベルトプラテンとキャリッジとの間隔をメンテナンス用の間隔からメンテナンス前の元の画像形成用の間隔に戻した際には、キャリッジに対してベルトプラテンが水平方向に位置ずれし易い。このため、特許文献1のプリンタでは、キャリッジの下面に2つのキャリッジピンが垂設されるとともに、ベルトプラテンにおける各キャリッジピンと対向する位置に位置決め孔がそれぞれ設けられている。
そして、ベルトプラテンとキャリッジとの間隔をメンテナンス用の間隔から画像形成用の間隔に戻した際には、各キャリッジピンと各位置決め孔とが嵌合することで、キャリッジに対するベルトプラテンの水平方向の位置決めがなされ、キャリッジとベルトプラテンとの水平方向における位置ずれが抑制されるようになっている。
特開2005−138371号公報
ところで、特許文献1のプリンタでは、各位置決め孔と各キャリッジピンとが嵌合することで水平方向におけるベルトプラテンとキャリッジとの位置関係を保つようにしているが、位置決め孔にキャリッジピンを嵌入して位置決めを行うという構成上、嵌合状態にある位置決め孔とキャリッジピンとの間には僅かではあるが隙間が生じてしまう。このため、プリンタの稼働時の振動により、位置決め孔とキャリッジピンとの間の隙間の分だけ水平方向におけるベルトプラテンとキャリッジとの位置関係にばらつきが生じてしまい、各インクヘッドから画像形成媒体に噴射されたインクの着弾精度が低下するという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、稼働時に振動しても、ターゲットに対する流体の着弾精度を維持することが可能な流体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置は、上流側から下流側に向かってターゲットを搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送される前記ターゲットに流体を噴射する流体噴射手段とを備え、前記搬送手段と前記流体噴射手段とが近接及び離間する方向に沿って相対移動可能に構成された流体噴射装置において、前記搬送手段及び前記流体噴射手段のうちの一方に拘束部を設けるとともに他方に被拘束部を設け、前記拘束部は、前記被拘束部に対して、前記搬送手段と前記流体噴射手段とが近接及び離間する方向と直交する方向に拘束力を付与可能に構成されている。
この構成によれば、拘束部が被拘束部に対して搬送手段と流体噴射手段とが近接及び離間する方向と直交する方向に拘束力を付与することで、搬送手段と流体噴射手段とが所定の位置関係を精度よく保った状態で一体化される。このため、流体噴射装置の稼働時に振動しても、搬送手段と流体噴射手段とが全く同じ振動をするので、搬送手段と流体噴射手段との所定の位置関係は保たれる。したがって、ターゲットに対する流体の着弾精度を維持することが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記拘束部は把持部により構成されるとともに、前記被拘束部は被把持部により構成され、前記把持部は、前記被把持部に対して把持力を付与可能に構成されている。
この構成によれば、把持部が被把持部に対して把持力を付与することで、搬送手段と流体噴射手段とが所定の位置関係を精度よく保った状態で強固かつ確実に一体化される。このため、流体噴射装置の稼働時に振動しても、搬送手段と流体噴射手段との所定の位置関係は保たれるため、ターゲットに対する流体の着弾精度を確実に維持することが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記把持部は、前記被把持部を把持する複数の把持片を備えている。
この構成によれば、複数の把持片によって被把持部を強固に安定して把持することが可能となる。
本発明の流体噴射装置において、前記把持部は、アクチュエータの駆動に伴い、前記被把持部を把持する把持状態と前記被把持部を把持しない非把持状態との間で変位するように構成されている。
この構成によれば、アクチュエータの駆動により、把持部を、把持状態と非把持状態との間で円滑に変位させることが可能となる。
本発明の流体噴射装置は、前記アクチュエータは、回転カムのカム面に摺接しており、該回転カムの回転に伴って駆動される。
この構成によれば、回転カムを回転することで、アクチュエータを円滑に駆動することが可能となる。
以下、本発明の流体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図1及び図2に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、流体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ11は、本体フレーム(図示略)内に配置されるとともにターゲットとしての矩形状のカット用紙12を搬送するための搬送手段としての搬送ユニット13と、該搬送ユニット13の上方に該搬送ユニット13と対向するように本体フレーム(図示略)に固定された流体噴射手段としての記録ヘッドユニット14とを備えている。
図1及び図2に示すように、搬送ユニット13の後側には柱状の昇降装置15が立設されており、該昇降装置15の前面には矩形板状の昇降台16が前方に向かって水平に延設されている。すなわち、昇降台16は、その後端部において昇降装置15によって片持ち支持されており、該昇降装置15によって水平状態が維持されながら昇降されるようになっている。昇降台16上には搬送ユニット13が固定されており、該昇降台16を昇降することで、搬送ユニット13が記録ヘッドユニット14に対して近接及び離間する方向(上下方向)に移動されるようになっている。
搬送ユニット13は搬送フレーム17を備えており、該搬送フレーム17の上端部中央には左右方向に長い矩形板状のプラテン18が支持されている。搬送フレーム17内において、プラテン18の右側には前後方向に延びる駆動ローラ19が駆動モータ20によって回転駆動可能に設けられる一方、プラテン18の左側には前後方向に延びる従動ローラ21が回転可能に設けられている。さらに、搬送フレーム17内におけるプラテン18の下側には前後方向に延びるテンションローラ22が回転可能に設けられている。
駆動ローラ19、従動ローラ21、及びテンションローラ22にはプラテン18を囲むように無端状の搬送ベルト23が巻き回されている。テンションローラ22は、ばね部材(図示略)によって下側に向かって付勢されており、搬送ベルト23にテンションを付与することで該搬送ベルト23の弛みを抑制するようになっている。
そして、駆動ローラ19を前側から見て時計方向に回転駆動することで、搬送ベルト23が駆動ローラ19、テンションローラ22、及び従動ローラ21の外側を前側から見て時計方向に周回移動されるようになっている。この場合、搬送ベルト23の内側の面はプラテン18の上面を左側から右側に向かって摺動するとともに、搬送ベルト23上のカット用紙12は上流側である左側から下流側である右側に向かって搬送されるようになっている。
さらにこの場合、プラテン18の上面と対向する位置にあるカット用紙12は、吸引手段(図示略)によって搬送ベルト23越しにプラテン18側に吸引されるようになっている。すなわち、プラテン18の上面と対向する位置にあるカット用紙12は、該プラテン18により搬送ベルト23を介して支持されるようになっている。
また、搬送フレーム17の前面上端には、左右方向に長い矩形板状の支持板24が前方に向かって水平に延設されている。支持板24の上面における左右両端部にはそれぞれ被拘束部としての被把持部を構成する位置決めピン25が立設されている。両位置決めピン25は、円柱状をなしており、先端部が半球状になっている。
図1及び図2に示すように、記録ヘッドユニット14は、矩形板状をなす支持プレート26と、該支持プレート26に互いに離間した状態で固定された複数(本実施形態では26個)の記録ヘッド27とを備えている。26個の記録ヘッド27は13個の記録ヘッド27を前後方向に沿って千鳥状をなすように規則的に2列に配列してなる記録ヘッド列28を2組形成しており、該両記録ヘッド列28は左右方向に所定間隔を置いて平行に並んでいる。両記録ヘッド列28は前後方向における幅がカット用紙12の幅よりも長くなっており、両記録ヘッド列28における各記録ヘッド27同士は左右方向から投影した際にそれぞれ部分的に重なっている。
また、支持プレート26における各位置決めピン25と対応する位置には、該支持プレート26を上下に貫通する貫通孔29がそれぞれ形成されている。さらに、支持プレート26上における各貫通孔29と対応する位置には該各貫通孔29を覆うように略有蓋円筒状をなすコレットチャックユニット30がそれぞれ立設されている。
図1に示すように、従動ローラ21の左斜め上側には、未印刷の複数のカット用紙12を1枚ずつ順次搬送ベルト23上に給紙するための上下一対の給紙ローラ31が設けられている。一方、駆動ローラ19の右斜め上側には、印刷後のカット用紙12を1枚ずつ搬送ベルト23上から排紙するための上下一対の排紙ローラ32が設けられている。
また、各記録ヘッド27の下面には、搬送ユニット13によって搬送されるカット用紙12に流体としてのインクを噴射するための複数のノズル(図示略)が形成されている。そして、各記録ヘッド27にはインクカートリッジ(図示略)からそれぞれインクが供給されるようになっており、該インクを各記録ヘッド27の各ノズル(図示略)から搬送ユニット13によって搬送されるカット用紙12に対してそれぞれ噴射して付着させることで印刷が行われるようになっている。
次に、コレットチャックユニット30の構成について詳述する。
図3に示すように、有蓋円筒状の外筒33と、該外筒33の内面に摺接するように配置された円筒状の中筒34と、該中筒34の内面に摺接するように配置された拘束部としての把持部を構成する有蓋円筒状の内筒35とを備えている。外筒33の外周面における下端には外側に向かって水平に延びるフランジ部36が形成されており、該フランジ部36は、ねじ(図示略)によって支持プレート26に固定されている。
中筒34の周壁の上面には、複数(本実施形態では4つ)の摺動片37が該中筒34の周方向に沿って等間隔となるように真上に向かって突設されている。一方、外筒33の上壁における各摺動片37と対応する位置には挿通孔38がそれぞれ形成されており、該各挿通孔38には各摺動片37がそれぞれ摺動可能に挿通されている。各摺動片37は外筒33の上面よりも上方に突出しており、該各摺動片37の先端面(上端面)は外筒33の外径とほぼ同じ外径に設定されるとともに該外筒33の上面と対向するように配置された円板状の蓋体39の下面に固着されている。
各摺動片37の外側における外筒33の上面と蓋体39の下面との間にはコイルばね40が介装されており、該コイルばね40により蓋体39は常に上方に向かって付勢されている。そして、中筒34の内周面における下端部には、下方に向かって徐々に内径が小さくなるように内テーパ部41が形成されている。なお、本実施形態では、中筒34と蓋体39とによりアクチュエータが構成されている。
また、内筒35の上面は外筒33の上壁の下面に固着されており、該内筒35の外周面における下端部には下方に向かって徐々に外径が小さくなるように外テーパ部42が形成されている。この内筒35の外テーパ部42は中筒34の内テーパ部41と対応している。内筒35の周壁には、該周壁の上部から下端にかけて真っ直ぐに延びる複数(本実施形態では4つ)のスリット部43が該内筒35の周方向に沿って等間隔となるように形成されている。そして、内筒35の周壁における各スリット部43同士の間の部分は把持片44とされている。換言すれば、内筒35は周方向に等間隔で配置された4つの把持片44を備えている。
外筒33の外周面における右側面の上端部には、上方に向かってL字状に屈曲した支持部材45が設けられており、該支持部材45の上面は蓋体39の上面よりも高い位置に位置している。支持部材45の上面は水平になっており、該上面上にはカムモータ46が設けられている。カムモータ46の出力軸47は左方に向かって真っ直ぐに延びており、該出力軸47の先端部(左端部)には円板状の回転カム48が設けられている。すなわち、出力軸47は回転カム48における中心から外側にずれた位置を貫通した状態で該回転カム48と一体回転可能に連結されている。
回転カム48の外周面はカム面49とされ、該カム面49には蓋体39の上面の中心部が摺接している。そして、カムモータ46の駆動により回転カム48が出力軸47を中心として回転されると、蓋体39がコイルばね40の付勢力によってカム面49上を押圧しながら摺動することで、蓋体39とともに中筒34が昇降されるようになっている。すなわち、回転カム48の回転位置によって中筒34の高さ位置が変更されるようになっている。
そして、中筒34が最も低い位置である最低位置にある状態では、内筒35の外テーパ部42に中筒34の内テーパ部41が完全に重なるため、内テーパ部41が外テーパ部42を内側に向かって押圧しないようになっている。このときの内筒35の内径は位置決めピン25の外径よりも若干大きくなるように設定されている。
一方、中筒34を上昇させると、該中筒34の内テーパ部41が、上方に向かうほど外径が大きくなる内筒35の外テーパ部42を上方に向かって摺動するため、中筒34の上昇に伴って内テーパ部41が外テーパ部42を内側に向かって押圧するようになる。すなわち、中筒34が上昇するほど、内テーパ部41が外テーパ部42を内側に向かって押圧する押圧量は大きくなるため、これに伴って内筒35の下端部の内径は小さくなる。そして、中筒34が最も高い位置である最高位置に達した状態では、内筒35の下端部の内径が位置決めピン25の外径よりも若干小さくなるように設定されている。
次に、インクジェット式プリンタ11の作用について説明する。
カット用紙12の印刷を行う場合には、まず、昇降装置15によって昇降台16を上昇させることで、搬送ユニット13を、メンテナンスを行うための位置であるメンテナンス位置(図2の2点鎖線で示す位置)から印刷を行うための位置である印刷位置(図2の実線で示す位置)に移動させる。このとき、カムモータ46を駆動して中筒34が最低位置に移動するように回転カム48を回転させると、図4に示すように、各位置決めピン25の先端部が各コレットチャックユニット30の内筒35内にそれぞれ挿入される。
この状態で、カムモータ46を駆動して中筒34が最高位置に移動するように回転カム48を回転させると、コイルばね40の付勢力により中筒34の内テーパ部41が内筒35の外テーパ部42を内側に向かって押圧するため、内筒35の下端部の内径が小さくなる。すなわち、図5に示すように、内筒35は、その各把持片44が位置決めピン25を四方から把持する状態である把持状態となる。
これにより、搬送ユニット13は、印刷位置に精度よく位置決めされるとともに、記録ヘッドユニット14と一体化される。そして、カット用紙12が給紙ローラ31によって搬送ベルト23上に上流側(左側)から給紙されると、カット用紙12は搬送ベルト23によりプラテン18上を下流側(右側)に向かって搬送される。このとき、プラテン18上を搬送されるカット用紙12に各記録ヘッド27の各ノズル(図示略)からインクが噴射されて付着されることで印刷が行われる。
ここで、インクジェット式プリンタ11の稼働時、すなわちカット用紙12の印刷中には、駆動モータ20などの種々の駆動源が駆動しているため、これらの駆動源の駆動によりインクジェット式プリンタ11は少なからず振動している。このため、例えば、コレットチャックユニット30を省略し、支持プレート26の貫通孔29に位置決めピン25を嵌合させて搬送ユニット13を印刷位置に位置決めする構成とした場合には、貫通孔29と位置決めピン25との間には僅かではあるが隙間が生じてしまう。
このため、こうした振動により、この隙間の分だけ、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14との水平方向の位置関係にばらつきが生じる。この結果、各記録ヘッド27の各ノズル(図示略)からカット用紙12に噴射されたインクの該カット用紙12に対する着弾精度が低下し、印刷品質の低下を招くこととなる。
この点、本実施形態では、コレットチャックユニット30によって位置決めピン25を把持することで、搬送ユニット13を印刷位置に位置決めしているため、コレットチャックユニット30の内筒35と位置決めピン25との間には一切隙間が形成されず、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14とが一体化される。このため、インクジェット式プリンタ11の稼働時の振動の影響を受けても、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14とが全く同じ振動をするので、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14との位置関係は保たれる。したがって、各記録ヘッド27の各ノズル(図示略)からカット用紙12に噴射されたインクの該カット用紙12に対する着弾精度が維持され、印刷品質が確保される。
また、インクジェット式プリンタ11が印刷中にカット用紙12が詰まった場合には、まず、カムモータ46を駆動して中筒34が最低位置に移動するように回転カム48を回転させる。すると、中筒34による内筒35の内側への押圧状態が解除されて該内筒35の内径が位置決めピン25の外径よりも大きい状態に戻る。すなわち、図4に示すように、内筒35は、その各把持片44が位置決めピン25を四方から把持しない状態である非把持状態となる。この状態で、昇降装置15によって昇降台16を下降させることで、搬送ユニット13をメンテナンス位置に移動させてから、詰まったカット用紙12を取り除けばよい。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)搬送ユニット13が印刷位置にある状態、すなわち、内筒35内に位置決めピン25が挿入された状態で、内筒35の各把持片44が位置決めピン25を四方から把持することで、内筒35と位置決めピン25との間に隙間が一切形成されることなく、搬送ユニット13の位置決めを行うことができる。すなわち、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14とを、印刷時の所定の位置関係に精度よく保った状態で強固かつ確実に一体化することができる。このため、インクジェット式プリンタ11が稼働時に振動しても、一体化された搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14とは全く同じ振動をするので、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14との印刷時の所定の位置関係を精度よく保つことができる。したがって、各記録ヘッド27の各ノズル(図示略)からカット用紙12に噴射されたインクの該カット用紙12に対する着弾精度を維持することができるので、印刷品質を十分に確保することができる。
(2)内筒35は、位置決めピン25を四方から把持する4つの把持片44を備えているため、該各把持片44によって位置決めピン25を強固に安定して把持することができる。
(3)内筒35は、一体化された中筒34及び蓋体39の昇降に伴い、位置決めピン25を把持する把持状態と位置決めピン25を把持しない非把持状態との間で変位するように構成されているため、内筒35を把持状態と非把持状態との間で円滑に切り換えることができる。
(4)蓋体39が回転カム48のカム面49に摺接しており、該回転カム48の回転に伴って一体化された中筒34及び蓋体39が昇降するように構成されているため、回転カム48を回転するだけで、中筒34及び蓋体39を容易かつ円滑に昇降させることができる。
(5)搬送ユニット13は昇降装置15によって後端部が片持ち支持された昇降台16上に固定されているため、インクジェット式プリンタ11の稼働時には昇降台16の先端部側となる前端部側での振動が大きくなる。この点、本実施形態では、コレットチャックユニット30が記録ヘッドユニット14の前端部側に配置されているため、コレットチャックユニット30がインクジェット式プリンタ11の前端部側で位置決めピン25を把持することで、インクジェット式プリンタ11の稼働時の振動を効果的に抑制することができる。
(6)コレットチャックユニット30が位置決めピン25を把持する構成であるため、搬送ユニット13を印刷位置とメンテナンス位置との間で繰り返し昇降させても、搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14とを印刷時の所定の位置関係に精度よく保つことができる。
因みに、コレットチャックユニット30を省略し、支持プレート26の貫通孔29に位置決めピン25を嵌合させて搬送ユニット13を印刷位置に位置決めする構成とした場合には、貫通孔29と位置決めピン25との間には僅かではあるが隙間が生じてしまう。このため、搬送ユニット13を印刷位置とメンテナンス位置との間で繰り返し昇降させると、搬送ユニット13が印刷位置にあるときにおける搬送ユニット13と記録ヘッドユニット14との水平方向の位置関係が貫通孔29と位置決めピン25との間の隙間分だけ毎回ばらついてしまう。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・中筒34及び蓋体39は、回転カム48及びコイルばね40の代わりに、電動シリンダーなどによって昇降するように構成してもよい。
・内筒35の把持片44は、2つ以上あれば、必ずしも4つでなくてもよい。
・位置決めピン25を磁性体によって構成するとともに、コレットチャックユニット30の代わりに電磁石を用いてもよい。この場合、電磁石は、位置決めピン25に対して水平方向から吸着力を作用させて拘束することができるように設けられる。
・搬送ユニット13側にコレットチャックユニット30を設けるとともに、記録ヘッドユニット14側に位置決めピン25を設けるように構成してもよい。
・コレットチャックユニット30は記録ヘッドユニット14に3つ以上設けるようにしてもよい。この場合、搬送ユニット13に各コレットチャックユニット30と対応する位置決めピン25を3つ以上設ける必要がある。
・2つのコレットチャックユニット30を記録ヘッドユニット14の後端部側に設けるようにしてもよい。この場合、搬送ユニット13の後端部側に各コレットチャックユニット30と対応する位置決めピン25をそれぞれ設ける必要がある。
・搬送ユニット13を固定するとともに、記録ヘッドユニット14を昇降可能に構成してもよい。
・搬送ベルト23を省略してもよい。この場合、ターゲットにはカット用紙12ではなく長尺のロール紙が用いられる。そして、このロール紙は、搬送ユニット13の左側から繰り出され、プラテン18上で支持されて印刷された後、搬送ユニット13の右側で巻き取られる。
・上記実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンタ11に具体化したが、インク以外の他の液体(機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を噴射する液体噴射装置に具体化してもよい。そして、本明細書における「液体」には、例えば、無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含むほか、液状体、流状体などが含まれる。
実施形態のインクジェット式プリンタの概略正面図。 同プリンタの概略側面図。 同プリンタのコレットチャックユニットの断面図。 コレットチャックユニットに位置決めピンを挿入したときの状態を示す断面図。 コレットチャックユニットによって位置決めピンが把持されたときの状態を示す断面図。
符号の説明
11…流体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、12…ターゲットとしてのカット用紙、13…搬送手段としての搬送ユニット、14…流体噴射手段としての記録ヘッドユニット、25…被拘束部としての被把持部を構成する位置決めピン、34…アクチュエータを構成する中筒、35…拘束部としての把持部を構成する内筒、39…アクチュエータを構成する蓋体、44…把持片、48…回転カム、49…カム面。

Claims (5)

  1. 上流側から下流側に向かってターゲットを搬送する搬送手段と、
    該搬送手段によって搬送される前記ターゲットに流体を噴射する流体噴射手段とを備え、
    前記搬送手段と前記流体噴射手段とが近接及び離間する方向に沿って相対移動可能に構成された流体噴射装置において、
    前記搬送手段及び前記流体噴射手段のうちの一方に拘束部を設けるとともに他方に被拘束部を設け、
    前記拘束部は、前記被拘束部に対して、前記搬送手段と前記流体噴射手段とが近接及び離間する方向と直交する方向に拘束力を付与可能に構成されていることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記拘束部は把持部により構成されるとともに、前記被拘束部は被把持部により構成され、
    前記把持部は、前記被把持部に対して把持力を付与可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 前記把持部は、前記被把持部を把持する複数の把持片を備えていることを特徴とする請求項2に記載の流体噴射装置。
  4. 前記把持部は、アクチュエータの駆動に伴い、前記被把持部を把持する把持状態と前記被把持部を把持しない非把持状態との間で変位するように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の流体噴射装置。
  5. 前記アクチュエータは、回転カムのカム面に摺接しており、該回転カムの回転に伴って駆動されることを特徴とする請求項4に記載の流体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8540343B2 (en) 2010-09-28 2013-09-24 Fujifilm Corporation Image forming apparatus
JP2013248887A (ja) * 2012-05-02 2013-12-12 Komori Corp シートデジタル印刷機

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