JP2009291872A - 切削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
被切削部材(工作物)を複数箇所で同時に機械加工する時に発生する再生型のびびり振動を低減、抑制する。
【解決手段】
図2は、被切削部材9(工作物)から見た模式図であり、図2の左右方向が被切削部材9の振動方向である。図2において、被切削部材9の実線部分は、すでに切削された被切削部材9の仕上げ面の表面であり、破線部分は、今回の切削により仕上げられる表面である。被切削部材9は、左側に配置される左刃10と、右側に配置される右刃11によって表面を切削されている。なお、被切削部材9の実線部分および破線部分が正弦波形状に波打っているのは、被切削部材9が厚さ方向に振動しているためである。左右の工具の切れ刃通過周期に差を与えることで、図の一点鎖線の外側の切取り厚さ変動(再生効果)を左右で相殺し、再生型びびり振動を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、機械加工の一つである切削加工時に発生する振動(びびり振動)を低減するためのものである。
機械加工の切削加工においては、工作物の表面を可能な限り滑らかにすることが求められる。下記の特許文献1は、工作物の表面を、滑らかにするための一工夫である。しかしながら、工作物、工具あるいは工作機械などの機械構造が低剛性の場合や、重切削を行なう場合、また、被削材が高硬度の場合、切削時に振動が発生する。この振動はびびり振動と呼ばれている。切削時にびびり振動が発生した場合、被加工物の加工精度の低下や工具の欠損などの問題が生ずるため、びびり振動を可能な限り低減することが求められている。このため、従来より、生産現場においては、工作物の把持剛性や工具形状の改善といった地道な対策が採られていた。また、びびり振動を低減するため、切削速度の低減や切削幅の低減といった対策も採られていたが、これらの対策は、切削加工の生産性の低下を伴うものであり、別の対策が必要であった。
特開2004−256842号公報
上述のような背景に鑑み、本出願の発明者らは、びびり振動の発生メカニズムに着目し、研究を行なってきた。ここで、びびり振動について説明すると、びびり振動には大きく分けて、強制びびりと自励びびりがある。強制びびりとは、何らかの強制的な振動原因が機械の振動特性によって拡大されて現れるものである。一方、自励びびりとは、切削過程の中に振動をフィードバックして拡大する作用が存在する場合に発生するものであり、この振動は不安定現象によるものである。なお、自励びびりには、再生型、摩擦型、モードカップリング型の3種類の振動が知られている
本出願の発明者らは、一つの工作物に対して複数の主軸によって複数箇所の加工を同時に行なう場合について研究を行なってきた。一般に、機械加工におけるびびり振動の中で最も問題になることが多いのは再生型のびびり振動であり、複数箇所の加工を同時に行なう場合でも同様である。そこで、一例として、2つの主軸によって2箇所の加工を同時に行なう場合の再生型びびり振動の発生メカニズムについて、図10を用いて説明する。
図10は、被切削物である被切削部材(板材)および切削用の刃の断面図の模式図である。図10において、被切削部材9の板材の板厚方向は図中左右方向であり、板材の左側表面および右側表面が切削面である。板材の左側には、図中左方より板材の左側表面を切削するための左刃10が配置され、板材の右側には、図中右方より板材の右側表面を切削するための右刃11が配置されている。左刃10および右刃11は、図示しない左右の切れ刃送り機構(例えば主軸)によって下向きに高速で切削運動を行い、被切削部材9は、図示しない被切削部材送り機構によって、紙面に垂直な方向に低速で送られることで、この場合には左右の表面に同時に平面仕上げを行なう。
図10において、実線で示す被切削部材9の部分は、被切削部材9の板厚方向の振動により形成された仕上げ面であり、破線で示す部分は、左刃10および右刃11が今回切削して形成されようとしている被切削部材9の仕上げ面を示している。したがって、今回左刃10および右刃11が切削する部分は、被切削部材9の実線部分と破線部分の間の領域となる。なお、図10においては、左刃10と右刃11の切削速度(左刃および右刃が回転軸の場合は回転数)は同一である。
本出願の発明者らは、図10において更なる解析を行ない、考察を行なった。これによれば、切削される厚み(切取り厚さ)の変動は、点線で示される現在の振動軌跡と、その外側の実線で示される一刃前の時点での振動軌跡の間の差によって決まる。この内、後者の影響は、過去の振動が現在の切取り厚さの変動としてフィードバックすることから再生効果と呼ばれており、これに起因する不安定振動が再生型びびり振動と呼ばれている。例えば、図10において、現在の左刃10の切取り厚さが小さく、右刃11の現在の切取り厚さはこれと対照的に大きいため、被切削部材9は右刃11から左方へ大きな力を受ける。この現在の力によって被切削部材9は加振され、若干の位相遅れを伴って左方へ大きく変位し、これにより、点線の軌跡は右方へ大きく振れる。この加振力に対する振動変位の位相遅れは、一般的な共振周波数付近での特徴である。したがって、何かのきっかけでこのような共振周波数付近の振動が生じた場合、その振動は再生効果とあいまってその振動を助長する加振力を生み、振動を成長させ続けることとなる。このように、左刃10と右刃11の切削速度を同一にした場合は、再生型のびびり振動の発生によって良好な切削加工が困難であった。
上述のように、本出願の発明者らは、複数の切れ刃で同時に複数箇所の切削を行なう際の再生型のびびり振動発生のメカニズムを解明した結果、一刃前の切削で形成された仕上げ面と今回切削する面の間の切取り厚さを、被切削部材の左側表面および右側表面で最適化することにより、再生型のびびり振動を抑制することができるとの知見を得た。すなわち、左刃の再生効果を右刃の再生効果によって相殺する(左の1つ前の刃が残した切取り厚さの変動を右の1つ前の刃が残した切取り厚さの変動によって打ち消す)ことにより、再生型のびびり振動を引き起こす原因そのものをなくすことができるのである。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、左右の工具の切削速度を調節することにより、再生型のびびり振動を抑制することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1に係る発明は、2つの工具を用いて同時に1つの被切削部材の加工を行なう切削装置であって、一方の工具が加工する際の切れ刃通過周期と、他方の工具が加工する際の切れ刃通過周期の差がΔTで表される場合、ΔT/Tc=m+1/2(Tc:びびり振動の周期、mは整数)により、前記一方の工具の切れ刃通過周期と前記他方の工具の切れ刃通過周期を設定することを特徴とする切削装置によって実現することができる。この構成によれば、切れ刃周期の差ΔTの間に半波長(mがゼロでない場合には、整数波長が加えられる)分のびびり振動による波が存在するため、切削時に一方の工具と他方の工具の間で発生する再生効果を互いに打ち消すことにより、再生型のびびり振動を抑制することができる。なお、びびり振動とは、機械加工中に工具、被切削部材または切削装置に発生する振動をいう。また、加工には、表面加工や溝加工、穴加工などが含まれ、表面加工に関しては、2つの工具を用いて被切削部材の両面の表面加工を同時に行なったり、片方の表面の異なる2箇所を2つの工具を用いて同時に表面加工を行なうことができる。また、工具には、エンドミル、ブローチ、ドリルおよび砥石などが含まれる。
また、本発明は、複数の工具を用いて同時に1つの被切削部材の加工を行なう切削装置であって、工具の総数kが次の式、k=k1+k2+…+ki+…+kn
(kiは2以上の自然数、nは自然数)で表され、ki個の工具のグループ内において、それぞれの切れ刃通過周期の差がΔTで表される場合、ΔT/Tc=m+1/ki(Tc:びびり振動の周期、mは整数)によりそれぞれの切れ刃通過周期を設定することを特徴とする切削装置とすることができる。この構成によれば、切れ刃周期の差ΔTの間に1/kiの波長(mがゼロでない場合には、整数波長が加えられる)分のびびり振動による波が存在するため、切削時に発生する再生効果を、そのグループ内で相殺することにより、再生型のびびり振動を抑制することができる。
例えば、低剛性の被切削部材に対して、5つの回転主軸によって同時に5箇所のエンドミル加工を行なう場合(k=5)を考える。この場合、例えば、2つの主軸(k1=2)と3つの主軸(k2=3)のグループに分けることができる。そして、2つの主軸グループについては、例えは、T/Tc=1/2となるように切れ刃周期の差ΔTを設定し、周期Tcのびびり振動による再生効果を1/2周期(180度)ずらして相殺することができる。一方、3つの主軸については、例えば、ΔT/Tc=1/3となるように、1つ目の主軸と2つ目の主軸の間および2つ目の主軸と3つ目の主軸の間の切れ刃周期の差ΔTを設定し、周期Tcのびびり振動による再生効果を1/3周期(120度)ずつずらして、3つの主軸の間で再生効果を相殺することができる。なお、上記の場合、5つの主軸を1つのグループ(k1=5)とし、ΔT/Tc=1/5となるように切れ刃周期の差ΔTを設定して、周期Tcのびびり振動による再生効果を1/5周期(72度)ずらして相殺することもできる。
本発明の切削装置によれば、切れ刃周期の差ΔTの間に所定波長分のびびり振動による波が存在するため、複数の切削箇所において切削時に発生する再生効果が打ち消しあうことにより、再生型のびびり振動を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態を以下に説明する。図1は、第1実施形態の切削装置1の全体構成を説明するための概念図である。切削装置1は、各種の制御を行なう制御部2と、制御部2に接続される左工具駆動機構3、右工具駆動機構4、被切削部材送り機構5より構成されている。
制御部2は、左工具駆動機構3の制御を行なう左工具回転数制御部6を備えている。左工具回転数制御部6は、左工具駆動機構3の左工具の回転数を所定の回転数に制御するものである。また、制御部2は、右工具駆動機構4の制御を行なう右工具回転数制御部7を有している。右工具回転数制御部7は、右工具駆動機構4の右工具の回転数を所定の回転数に制御するものである。なお、左工具および右工具は、回転することにより被切削部材に押圧され、被切削部材の表面の加工を同時に行なうものである。
制御部2は、被切削部材送り機構5の制御を行なう送り速度制御部8を備えている。送り速度制御部8は、被切削部材の把持および送りを行なう被切削部材送り機構5の送り速度を所定の送り速度に制御するものである。切削装置1はこのような構成により、被切削部材の表裏を同時に表面加工することができるものである。
次に、本実施形態の切削装置1の被切削部材の切削の仕方について説明する。本実施形態では、切削時の再生型びびり振動を抑制するものである。すなわち、再生型のびびり振動の発生要因である切削時の左右の工具から被切削部材に及ぼされる自励びびり振動を励起する力を低減する、または完全になくすことにより、びびり振動を低減、抑制するものである。
本実施形態では、切削時の左右の刃から被切削部材に及ぼされる自励びびり振動を励起する力を低減する、または完全になくすために、左工具の回転数と右工具の回転数の間に差を設ける手法を採った。これにより、左工具で加工する面で発生する再生効果に起因する力を、右工具で加工する面で発生する力でキャンセルすることにより再生型のびびり振動を低減、抑制するものである。これについて以下説明する。
まず、左工具の切れ刃通過周期T(sec)は次式で表される。
T=60/(n
ここで、n(rpm)は左工具の主軸の回転数、Nは左工具の刃数である。同様に、右工具の切れ刃通過周期は次式で表される。
T+ΔT=60/(n
ここで、n(rpm)は右工具の主軸の回転数、Nは右工具の刃数である。
ここで、左工具と右工具による再生効果を相殺させるためには、左工具と右工具の切れ刃周期の差によって、左右で発生する再生効果が反対位相になればよいので、上記の切れ刃周期の差ΔTが次式を満たすように左工具と右工具の主軸の回転数や工具の刃数を設定すればよい。
(T+ΔT)/Tc−T/Tc=ΔT/Tc=m+1/2
ここで、Tcは、抑制しようとするびびり振動の周期であり、切削装置1で発生するびびり振動を何らかの検出手段によって測定することにより算出することができる。また、予め低剛性の被切削部材や工作機械構造の共振周波数を測定し、一般にその共振周波数がびびり振動周波数に近いことを利用してびびり振動周波数の代わりに用いることもできる。なお、mは任意の整数である。
ここで、上述の式を満たす場合の切削の具体例について、図2に模式図を示す。図2は、被切削部材9を断面方向から見た模式図であり、図2の左右方向が被切削部材9の振動方向である。図2において、被切削部材9の実線部分は、すでに切削された被切削部材9の仕上げ面であり、破線部分は、今回の切削により切削される仕上げ面である。被切削部材9は、左側に配置される左刃10と、右側に配置される右刃11によって表面を高速で切削されている。なお、被切削部材9の実線部分および破線部分が正弦波形状に波打っているのは、被切削部材9が厚さ方向に振動しているためである。なお、図2の下方側に示された左刃10および右刃11は、上方側に示された左刃10および右刃11の1つ前の刃(1切れ刃周期前に被切削部材9を切削する刃)をそれぞれ示している。また、被切削部材9は、図示しない被切削部材送り機構によって、紙面に垂直な方向に低速で送られる。
また、被切削部材9内に一点鎖線で示す線は、今回切削される切取り厚さの部分において、現在の振動が切取り厚さに変動を与える部分であるか、あるいは、1つ前の刃が切削した時点での振動が再生して切取り厚さに変動を与える部分(再生効果)であるかを分ける線である。図2においては、被切削部材9の今回切削される部分のうち、2本の一点鎖線の外側、すなわち、一点鎖線と被切削部材9の左側表面の間および一点鎖線と被切削部材9の右側表面の間に存在する領域が再生型のびびり振動を引き起こす部分である。この領域について見てみると、本実施形態においては、左工具と右工具の回転数が、ΔT/Tc=m+1/2の関係を満たすものとされているため、図2に示すように、今回左刃と右刃に切削される部分の再生効果を引き起こす部分の厚さが、被切削部材9の左部分と右部分で同じ厚さとなり、左刃および右刃による再生効果をキャンセルすることができる。したがって、本実施形態おいては、再生型のびびり振動を抑制することができる。また、もし完全に左工具と右工具の回転数が、ΔT/Tc=m+1/2の関係を満たさないとしても、それに近い関係にあれば、左刃と右刃の回転数を同じにした場合に比べて、左刃および右刃による再生効果を低減させることが可能となり、被切削部材9の表面加工の精度を良好なものとすることができる。
なお、本実施形態は、一例として以下のように実施することができる。実施の手順を図3に示す。図3において、S10では、制御部2の左工具回転数制御部6と右工具回転数制御部7を制御して、左工具と右工具の回転数を同じにして切削を行なう。次に、S20に進み、切削時の再生型びびり振動周期を測定する。ここで測定された振動周期がTcとなる。
次に、S30に進み、ΔT/Tc=m+1/2にTcの振動周期を代入し、ΔTの値を算出する。ここで算出されたΔTの値に基づき、左工具の回転数および右工具の回転数が算出される。例えば、左工具の回転数はS10の回転数とし、右工具の回転数をΔTに基づき変化させることが考えられる。次にS40に進み、算出された左工具回転数を左工具回転数制御部6に設定し、同様に、算出された右工具回転数を右工具回転数制御部7に設定して切削を行なう。このように設定された回転数によって本実施形態の切削装置1は再生型のびびり振動を生じない状態で表面加工を行なうことが可能となる。
なお、図2においては、左工具と右工具の回転数に差をつけることにより、再生側のびびり振動を抑制する場合について説明したが、図4に示すように、左刃10と右刃11のピッチ(間隔)に差をつけることにより、切れ刃通過周期に差をつけることもできる。この場合でも、切れ刃通過周期ΔTが、ΔT/Tc=m+1/2の式を満たしていれば、同様に再生型のびびり振動を相殺させることは可能である。図4においても、今回左刃10と右刃11に切削される部分の再生効果を引き起こす部分の厚さが、被切削部材9の左部分と右部分で同じ厚さとなり、左刃および右刃による再生効果をキャンセルすることができるのである。
また、図2および図4においては、被切削部材9の左側表面および右側表面を切削する場合について説明したが、図5に示すように、被切削部材9の同じ側の表面を2箇所同時に加工することも可能である。図5においては、左刃10のピッチを右刃11のピッチと異なるものにしたり、左工具の回転数と右工具の回転数に差をつけることによって再生型びびり振動を抑制することができるのである。
本発明の実施例について説明する。本実施例は第1の実施形態に対応するものであり、被切削部材は鋼種SS400を用い、被切削部材の大きさは、幅200mm、長さ450mm、厚さ15mmであり、厚さ方向の切り込み深さは、片側2mmとした。また、被切削部材の送り速度は、200mm/分であり、左工具および右工具の刃数はそれぞれ7とした。本実施例では、左工具の回転数を200rpmとし、右工具の回転数を188rpmとした。なお、本実施例で右工具の回転数を188rpmとしたのは、切削装置の設定可能な右工具の回転数のうち、ΔT/Tc=1/2を満たす回転数に最も近い回転数が188rpmであったためである。また、本実施例の効果を検証するために、比較例として、左工具と右工具の回転数を同じ回転数の200rpmとしたものも示す。
図6に本実施例(左工具200rpm、右工具188rpm)で表面加工された被切削部材の表面写真を示す。図6(a)は被切削部材の表面の全体を撮影したものであり、図6(b)は、被切削部材の表面の一部を拡大したものである。図6によれば、被切削部材の表面は比較的良好に加工されていることが分かる。
次に、図7に比較例(左工具200rpm、右工具200rpm)で表面加工された被切削部材の表面写真を示す。図7(a)は被切削部材の表面の全体を撮影したものであり、図7(b)は、被切削部材の表面の一部を拡大したものである。図7は図6と比較して、表面の凹凸が大きい部分が多く、特に、図7(b)の部分は図6(b)と比較して大きな凹凸が存在していることが分かる。
次に、実施例と比較例について、それぞれの表面の凹凸を測定した結果について説明する。図8は実施例の被切削部材の表面の凹凸を測定したものであり、図9は比較例の被切削部材の表面の凹凸を測定したものである。図8および図9においては、それぞれA−A線、B−B線、C−C線といった被切削部材の表面の各部分について測定を行なった。
まず、A−A線について比較すると、図8の本発明の実施例においては、凸部のピーク値が9.36μmで凹部のピーク値が−23.1μmであるのに対し、図9の比較例では、凸部のピーク値が80.6μm、凹部のピーク値が−32.9μmとなっており、実施例の表面は比較例よりも滑らかであることが分かる。また、B−B線についても、図8では、凸部のピーク値が18.3μm、凹部のピーク値が−6.04μmであるのに対し、図9では、凸部のピーク値が61.6μm、凹部のピーク値が−20.7μmであった。また、C−C線についても、図8では、凸部のピーク値が18μm、凹部のピーク値が−24.3μmであるのに対し、図9では、凸部のピーク値が62.8μm、凹部のピーク値が−31μmであった。以上により、本発明の実施例によって表面加工された被切削部材の表面は、比較例によって加工された被切削部材の表面よりも滑らかであることが分かり、良好に表面加工ができていることが分かった。
なお、比較例において表面に残るびびり振動は、そのびびり周波数と工具回転数の関係などから再生型のびびり振動と考えられる。これに対して、本実施例の表面に残る比較的小さなびびり振動は、強制型のびびり振動と判断され、再生型びびり振動は消滅していると考えられる。
本発明に係る第1実施形態の全体構成を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の切削の様子を示す模式図である。 本発明に係る第1実施形態の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る第1実施形態の切削の様子を示す模式図である。 本発明に係る第1実施形態の切削の様子を示す模式図である。 本発明に係る実施例の被切削部材の表面の写真である。 比較例の被切削部材の表面の写真である。 本発明に係る実施例の被切削部材の表面の凹凸度合いの測定結果である。 比較例の被切削部材の表面の凹凸度合いの測定結果である。 従来技術の切削の様子を示す模式図である。
符号の説明
1 切削装置
2 制御部
3 左工具駆動機構
4 右工具駆動機構
5 被切削部材送り機構
6 左工具回転数制御部
7 右工具回転数制御部
8 送り速度制御部
9 被切削部材
10 左刃
11 右刃

Claims (2)

  1. 2つの工具を用いて同時に1つの被切削部材の加工を行なう切削装置であって、
    一方の工具が加工する際の切れ刃通過周期と、他方の工具が加工する際の切れ刃通過周期の差がΔTで表される場合、
    ΔT/Tc=m+1/2
    (Tc:びびり振動の周期、mは整数)
    により、前記一方の工具の切れ刃通過周期と前記他方の工具の切れ刃通過周期を設定することを特徴とする切削装置。
  2. 複数の工具を用いて同時に1つの被切削部材の加工を行なう切削装置であって、
    工具の総数kが次の式、
    k=k1+k2+…+ki+…+kn
    (kiは2以上の自然数、nは自然数)
    で表され、ki個の工具のグループ内において、それぞれの切れ刃通過周期の差がΔTで表される場合、
    ΔT/Tc=m+1/ki
    (Tc:びびり振動の周期、mは整数)
    によりそれぞれの切れ刃通過周期を設定することを特徴とする切削装置。
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