JP5126665B2 - 旋削加工方法及び旋削条件及び切削経路生成方法 - Google Patents

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本発明は、NC旋盤等の工作機械において、旋削加工中に発生するびびり振動、特に再生びびり振動の抑制を図ることができる旋削加工方法と、その旋削加工方法を実施するための旋削条件及び切削経路の生成方法とに関する。
例えばNC旋盤では、回転可能な主軸にワークを把持させ、ワークを主軸とともに回転させると同時に、切削工具を軸方向へ送ることによってワークの外径加工(旋削加工)を行う。この旋削加工においては、ワークや切削工具の剛性、切削条件(例えば切り込み量、送り速度、主軸回転等)等に影響され、ワーク及び/又は切削工具が振動する「びびり振動」が発生する場合がある。この「びびり振動」の中でも自励振動である「再生びびり振動」は、ワーク加工面の仕上げ精度を悪化させるだけでなく、切削工具の欠損の要因でもあり、従来から問題となっている。
そこで、上述したような「びびり振動」を抑制すべく、たとえば特許文献1〜3に記載されているような旋削加工方法が提案されている。
特許文献1に記載されている旋削加工方法は、ワークに旋削加工を施すにあたり、ワークの回転速度を周期的に変動させて、「びびり振動」の抑制を図ったものである。また、特許文献2に記載の旋削加工方法は、ワークに軸方向の引張力を与え、旋削時におけるワークの逃げを低減することにより、「びびり振動」の抑制を図ったものである。
さらに、特許文献3に記載の旋削加工方法は、ワークの下り部の切削経路でびびり振動を発生させない切削経路を自動的に生成するものである。
特開昭49−105277号公報 特開平9−290301号公報 特開平5−324035号公報
しかし、特許文献1に記載の旋削加工方法では、加工中に主軸の回転速度を変動させるため、ワークの加工面に回転速度の変動に起因した筋目が残りやすく、仕上げ精度が悪化するという問題がある。
また、特許文献2に記載の旋削加工方法では、ワークを引張する装置が別途必要になるため、コスト高、工程数の増加、装置全体の大型化といった問題がある上、ワーク側にも引張のための加工(引張装置に把持させる把持部を設ける等)を施す必要があり、軸方向長さが比較的長いワークにしか適用できないという問題があり、汎用性に課題を有する。
そして、特許文献3に記載の旋削加工方法では、ワークの下り部でのびびり振動は避けられるものの、一般的な主軸に平行な加工経路でのびびりは抑制できないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、加工面の仕上げ精度を維持しつつ、汎用性が高く、主軸に平行な加工経路でもびびり振動を好適に抑制できる旋削加工方法と、その旋削加工方法を実施するための旋削条件及び切削経路生成方法とを提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1発明は、回転可能な主軸に取り付けられたワークを回転させながら、切削工具を主軸の軸方向又は径方向へ送ることにより、ワークに対する旋削加工を行う旋削加工方法であって、切削工具による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、切削工具の主軸1回転当たりの軸方向への送り量を設定する第1ステップと、第1ステップで設定した送り量で切削工具を軸方向へ送りながら旋削加工を行う第2ステップと、第2ステップで旋削加工を行った加工面に対し、第2ステップの切り込み開始時の主軸回転位相から略180°回転させた主軸回転位相から、切削工具を径方向に進めて、第1ステップで設定した送りにて、第2ステップの主軸回転速度と異なる主軸回転速度で再び旋削加工を行う第3ステップと、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の第2発明は、回転可能な主軸に取り付けられたワークを回転させながら、切削工具を主軸の軸方向へ送ることにより、ワークに対する所定回数の旋削加工を行う旋削加工方法であって、ワーク仕上げ面粗さと、切削工具の形状と、ワークの削り代とから、切削工具による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、切削工具の主軸1回転当たりの送り量を設定する第1ステップと、主軸回転位相を所定回数で等分に分割し、分割後の各位相を各旋削加工の切り込み開始位置に設定する第2ステップと、第2ステップで設定した各切り込み開始位置から、第1ステップで設定した送り量で切削工具を軸方向へ送りながら、前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度で夫々旋削加工を行う第3ステップと、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の第3発明は、請求項1に記載の旋削加工方法を実施するための旋削条件及び切削経路を生成する方法であって、少なくともワーク形状と、所望のワーク仕上げ面粗さと、切削工具形状と、主軸回転速度とを含む初期パラメータを記憶手段に記憶する第1ステップと、第1ステップで記憶された初期パラメータから、切削工具による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、切削工具の主軸1回転当たりの軸方向への送り量を算出して切り込みラインを設定する第2ステップと、互いに略180°異なる主軸回転位相で複数の切り込み位置を設定する第3ステップと、前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度を設定する第4ステップと、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の第4発明は、請求項2に記載の旋削加工方法を実施するための旋削条件及び切削経路を生成する方法であって、少なくともワーク仕上げ面粗さと、切削工具の形状と、前記ワークの削り代と、主軸回転速度とを含む初期パラメータを記憶手段に記憶する第1ステップと、第1ステップで記憶された初期パラメータから、切削工具による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、切削工具の主軸1回転当たりの軸方向への送り量を算出して切り込みラインを設定する第2ステップと、主軸回転位相を所定回数で等分に分割して各位相を切り込みラインの切り込み位置に設定する第3ステップと、前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度を設定する第4ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の旋削加工方法によれば、切削加工を行った加工面に対し、径方向に切削工具を進めて再び旋削加工を行うにあたり、前回の旋削加工の切り込み開始時の主軸回転位相から略180°回転させた主軸回転位相から旋削加工を開始しているため、切削工具による現在の旋削範囲が1回転前の旋削跡と重複せず、1回転前の旋削時に削り残された起伏に起因する再生びびり振動は発生しない。また、前回の旋削加工における主軸回転速度を避けて今回の旋削加工における主軸回転速度を設定しているため、前回の旋削加工時に生じた起伏に起因した再生びびり振動も発止しない。したがって、再生びびり振動の発生を抑制することができ、工具の欠損防止等の効果を奏することができる。
特に請求項2に記載の旋削加工方法によれば、所望のワーク仕上げ面粗さを考慮して切削条件を設定しているため、びびり振動を避けるとともに所望の仕上げ面粗さが得られる。また、加工経路によらず、下りでも上りでも主軸に平行な加工経路でも良好な仕上げ面を加工できる。
本発明の旋削条件及び切削経路生成方法によれば、所望のワーク仕上げ面粗さが得られるようにびびり振動を避けた旋削条件及び切削経路を自動生成でき、オペレータが複雑な計算や切削条件の設定をする必要がなくなって作業負荷が軽減される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1発明に係る旋削加工方法における加工状況を示した説明図で、例えばNC旋盤等の工作機械に適用される。
同図において1は、回転可能に設けられた主軸で、爪3を備えたチャック2が取り付けられ、爪3によってワーク4が把持可能となっている。ワーク4に対する旋削加工(外径加工)は、チャック2に取り付けられたワーク4を主軸1とともに回転させる一方、ワーク4の外周面に切り込ませた切削工具5を主軸1の軸方向に沿って送ることにより行われる。尚、主軸の回転1の動作及び切削工具5の送り動作は、図示しないNC装置によって制御される。
ここで、「再生びびり振動」とは、切削工具が切削する範囲内に生じている前回の削り残しによる起伏が、現在の切削時における切削力に影響して、振動がフィードバックされ拡大していく現象である。一旦再生びびり振動が発生すると、ワーク仕上げ面に大きな起伏が残り仕上げ精度を悪化させるだけでなく、切削工具が破損するなど大きな問題となる。
図2は、切削工具の経路を示す説明図で、前回の加工は6で示され、ワークに螺旋状の軌跡を残す。この時の主軸1回転当たりの切削工具の送り量は、現在の旋削範囲が1回転前の旋削跡と重複しないように設定する。すなわち、図1で切削工具のコーナー半径r、コーナー角度α、横切れ刃角β、ワークの削り代dを初期パラメータとして、下記の式(1)にもとづいて主軸1回転当たりの切削工具の送り量Aを算出するものである。
Figure 0005126665
続いて、径方向に工具を進めて再び旋削加工を実施するにあたり、図2の7で示すように前回の旋削加工の切り込み開始時の主軸回転位相から180°回転させた主軸回転位相から旋削加工を実施する。図3(A)は、この旋削加工においてワーク4に残された切削跡を、同図(B)は、切削開始時の主軸回転位相が180°ずれていない場合の旋削加工においてワーク4に残された切削跡を夫々示すもので、前回の加工による切削跡は点線で、今回の切削による切削跡は実線で示している。(A)では、切削開始時の主軸回転位相が前回と今回で180°ずれていることから、切削跡は前回と今回で工具形状の半分だけずれた位置になり、隣接する切削跡に重複がない。従って、1回転前の旋削時に削り残された起伏に起因する再生びびり振動は発生しない。しかし、主軸回転位相が180°ずれていない(B)では、斜線部に示すように、隣接する切削跡に重複が発生し、再生びびり振動が発生してしまう可能性がある。
また、ここでは、径方向に工具を進めて切削するにあたり、前回の主軸回転速度とは異なる主軸回転速度を設定している。これにより、びびり振動のフィードバックループが成立しないため、前回の旋削加工における起伏に起因した再生びびり振動を抑制することができる。
このように、上記形態の旋削加工方法によれば、切削工具5による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク4の旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、切削工具5の主軸1回転当たりの軸方向への送り量を設定し、設定した送り量で切削工具5を軸方向へ送りながら旋削加工を行い、その旋削加工を行った加工面に対し、先の旋削加工の切り込み開始時の主軸回転位相から略180°回転させた主軸回転位相から、切削工具5を径方向に進めて、先の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度で再び旋削加工を行うようにしたことで、切削工具5による現在の旋削範囲が1回転前の旋削跡と重複しないため、1回転前の旋削時に削り残された起伏に起因する再生びびり振動は発生しない。また、前回の旋削加工における主軸回転速度を避けて今回の旋削加工における主軸回転速度を設定しているため、前回の旋削加工時に生じた起伏に起因した再生びびり振動も発生しない。したがって、再生びびり振動の発生を抑制することができ、工具の欠損防止等の効果を奏することができる。
なお、上述の旋削加工方法は、単位時間当たりの切り屑排出量が多く高効率加工であるという利点はあるものの、仕上げ面粗さは考慮していないため荒加工に適している。
一方で、仕上げ面に精度が求められる場合は、第2発明の旋削加工方法を用いる。
ここでは、所望のワーク仕上げ面粗さと、切削工具形状と、ワークの削り代とから、1回転前までの切削跡と重ならない主軸1回転当たりの送り量を算出し、その送り量で径方向切り込み位置を変化させずに複数回旋削加工を行う。この時、複数回の旋削でそれぞれ異なる回転数を設定するとともに、切り込み開始時の主軸の位相を複数回で等分に分割した位相から旋削加工を開始する。
図4に、この時の切削工具経路の説明図を示し、具体的に数値を代入し説明する。たとえば所望のワーク仕上げ面粗さRz=0.01[mm]、工具のコーナー半径r=1[mm]、コーナー角度α=90°、横切れ刃角β=45°、ワークの削り代d=0.4[mm]、とすると、1回転前までの切削跡と重ならない主軸1回転当たりの送り量は、先の式(1)から1.63[mm]と計算される。一方で所望の仕上げ面粗さを得るためのピッチpは、下式の式(2)に近似され、0.28[mm]となる。
Figure 0005126665
よって、A/p=5.82となるので、小数点以下を切り上げた6回の加工を、径方向切り込み位置を変化させずに行う。ここでも6回の主軸回転数は、びびり振動を避けるために前回とは異なる値とする。また、ワークの切り込み開始時の主軸回転位相は、360°を切削回数の6回で割った60°毎とする。すなわち、図4に示すように、1回目の旋削軌跡をaとすると、60°ずらしてb、さらに60°ずらしてc、・・となる。
図5は、ワークに残された切削跡を示す図で、ここで1回目の切削跡aを見ると、1回転目の切削跡a1と2回転目の切削跡a2とは重複しておらず、再生びびり振動は発生しない。また、a1は2回目の切削の1回転目の切削跡b1と重複しているが、異なる回転数で加工しているのでびびり振動の発生を避けることができる。以上のようにして、びびり振動を発生させず、所望の仕上げ面粗さを得る加工条件の設定ができる。
このように、第2発明の旋削加工方法においても、ワーク仕上げ面粗さと、切削工具5の形状と、ワークの削り代とから、切削工具5による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、切削工具5の主軸1回転当たりの送り量を設定して、主軸回転位相を所定回数で等分に分割し、分割後の各位相を各旋削加工の切り込み開始位置に設定し、設定した各切り込み開始位置から、先に設定した送り量で切削工具5を軸方向へ送りながら、前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度で夫々旋削加工を行うようにしたことで、切削工具5による現在の旋削範囲が1回転前の旋削跡と重複せず、1回転前の旋削時に削り残された起伏に起因する再生びびり振動は発生しない。また、前回の旋削加工における主軸回転速度を避けて今回の旋削加工における主軸回転速度を設定しているため、前回の旋削加工時に生じた起伏に起因した再生びびり振動も発止しない。したがって、再生びびり振動の発生を抑制することができ、工具の欠損防止等の効果を奏することができる。
特にここでは、所望のワーク仕上げ面粗さを考慮して切削条件を設定しているため、びびり振動を避けるとともに所望の仕上げ面粗さが得られる。また、加工経路によらず、下りでも上りでも主軸に平行な加工経路でも良好な仕上げ面を加工できる。
次に、少なくともワーク形状と、所望のワーク仕上げ面粗さと、切削工具形状とをもとに、上記旋削加工方法の実施のための旋削条件及び切削経路を自動生成する旋削条件及び切削経路生成方法を、図6のフローチャートを用いて具体的に数値を代入して説明する。
まず、オペレータは、ワーク形状D1=30[mm]と、所望のワーク仕上げ面粗さRz=0.01[mm]と、切削工具形状としてコーナー半径r=1[mm]、コーナー角度α=90°、横切れ刃角β=45°と、素材形状D2=34[mm]と、仕上げ代d1=0.2[mm]と、荒加工切り込み量d2=0.5[mm]と、主軸回転速度S=1000[min−1]とを初期パラメータとしてNC装置に入力する(ステップ1、図6では「S1」と表記する、以下同じ)。
次に、荒加工の設定で切削残の有無を確認し(ステップ2)、切削残があれば荒加工切り込み量d2分シフトした切り込みラインL1を設定して(ステップ3)、荒加工切削条件設定で、主軸回転速度とワークへの切削開始時の主軸回転位相を設定する(ステップ4)。1回目の主軸回転速度は初期値のS=1000[min−1]とし、ワークへの切削開始時の主軸回転位相を0°として、記憶手段となるNC装置のメモリ部に記録する。NC装置に記録した値を図7に示す。
次にステップ2に戻って切り込み残があれば、ステップ3で更に荒加工切り込み量d2分シフトして切削ラインL2を設定する。次の荒加工切削条件設定(ステップ4)では、前回の主軸回転速度を避けて、たとえば5%下げた950[min−1]とし、切削開始時の主軸回転位相を180°とする。本例では荒加工を4回繰り返し、この時の主軸回転速度を交互に1000[min−1]と950[min−1]としている。ここまでは第3発明に相当する。
こうして4回の荒加工を実施した後、仕上げ代を残して切削残がなくなると、仕上げ加工切削条件設定へ進む(ステップ5)。
切削ラインと切削条件の設定は第4発明による。ここで、ワークの削り代は、仕上げ代d1=0.2[mm]に荒加工切り込み量d2=0.5[mm]の値を加算して0.7[mm]となる。まず、1回転前までの切削跡と重ならない主軸1回転当たりの送り量は式(1)から2.23[mm]と計算される。一方で所望の仕上げ面粗さを得るためのピッチpは式(2)から、0.28[mm]となる。A/p=7.96であるので、小数点以下を切り上げた8回の加工を設定する。切削開始時の主軸回転位相は360°を切削回数の8回で割った45°毎とし、主軸回転速度はびびり振動を避けるために前回とは異なる値を設定する。
このように、上記形態の旋削条件及び切削経路生成方法によれば、所望のワーク仕上げ面粗さが得られるようにびびり振動を避けた旋削条件及び切削経路を自動生成でき、オペレータが複雑な計算や切削条件の設定をする必要がなくなって作業負荷が軽減される。
なお、上記実施形態では、外径旋削に対して適用した例について説明しているが、本発明に係る旋削加工方法は、内径旋削、端面旋削、及びテーパ面や曲面加工等に対しても効果的に適用することができる。
また、第1発明において、上記形態では、前回の旋削加工の切り込み開始時の主軸回転位相から180°回転させた主軸回転位相から旋削加工を開始するようにしているが、厳密には、現在の工具経路で生成される加工面の山の頂点となる位置が、前回の加工で生成された加工面の谷の位置と一致する位相がよい。この値は、工具形状により異なる値となるが、殆どの場合において180°として差し支えない。また、この主軸回転位相は180°から若干ずれた値でもよい。すなわち、180°であれば再生びびり振動を確実に回避することができるが、主軸回転位相ずれが若干であれば、切削跡の重複がわずかに起こるだけで、再生びびり振動が発生しない場合もあるため、このような場合には180°から若干ずれた値も許容できる。
さらに、上記形態の旋削条件及び切削経路生成方法では、第3,第4発明を共に実施した例で説明しているが、夫々荒加工と仕上加工との何れかのみを行う場合は夫々単独の発明で旋削条件及び切削経路を自動生成するようにしても差し支えない。
本発明に係る旋削加工方法における加工状況の説明図である。 ワークに対する切削工具経路を示す説明図である。 (A)は、ワークに残された重複のない切削跡を示す説明図で、(B)は、ワークに残された重複のある切削跡を示す説明図である。 切り込み開始時の主軸回転位相を6回で等分に分割した場合のワークに対する切削工具経路を示す説明図である。 図4の加工でワークに残された切削跡を示す説明図である。 旋削条件及び切削経路を自動生成する方法を説明するフローチャートである。 図6に示した方法により設定された値を説明する表である。
符号の説明
1・・主軸、2・・チャック、4・・ワーク、5・・切削工具、6・・前回の工具経路、7・・設定した工具経路、A・・軸方向送り量、α・・コーナー角度、β・・横切れ刃角、r・・コーナー半径、d・・ワークの削り代。

Claims (4)

  1. 回転可能な主軸に取り付けられたワークを回転させながら、切削工具を前記主軸の軸方向又は径方向へ送ることにより、前記ワークに対する旋削加工を行う旋削加工方法であって、
    前記切削工具による現在の切削位置が、前記主軸1回転前までの旋削により前記ワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、前記切削工具の前記主軸1回転当たりの軸方向への送り量を設定する第1ステップと、
    第1ステップで設定した送り量で前記切削工具を軸方向へ送りながら旋削加工を行う第2ステップと、
    第2ステップで旋削加工を行った加工面に対し、第2ステップの切り込み開始時の主軸回転位相から略180°回転させた主軸回転位相から、前記切削工具を径方向に進めて、第1ステップで設定した送りにて、第2ステップの主軸回転速度と異なる主軸回転速度で再び旋削加工を行う第3ステップと、
    を有することを特徴とする旋削加工方法。
  2. 回転可能な主軸に取り付けられたワークを回転させながら、切削工具を前記主軸の軸方向へ送ることにより、前記ワークに対する所定回数の旋削加工を行う旋削加工方法であって、
    前記ワーク仕上げ面粗さと、前記切削工具の形状と、前記ワークの削り代とから、前記切削工具による現在の切削位置が、前記主軸1回転前までの旋削により前記ワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、前記切削工具の前記主軸1回転当たりの送り量を設定する第1ステップと、
    主軸回転位相を前記所定回数で等分に分割し、分割後の各位相を各旋削加工の切り込み開始位置に設定する第2ステップと、
    第2ステップで設定した各切り込み開始位置から、第1ステップで設定した送り量で前記切削工具を軸方向へ送りながら、前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度で夫々旋削加工を行う第3ステップと、
    を有することを特徴とする旋削加工方法。
  3. 請求項1に記載の旋削加工方法を実施するための旋削条件及び切削経路を生成する方法であって、
    少なくともワーク形状と、所望のワーク仕上げ面粗さと、切削工具形状と、主軸回転速度とを含む初期パラメータを記憶手段に記憶する第1ステップと、
    第1ステップで記憶された初期パラメータから、前記切削工具による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、前記切削工具の主軸1回転当たりの軸方向への送り量を算出して切り込みラインを設定する第2ステップと、
    互いに略180°異なる主軸回転位相で複数の切り込み位置を設定する第3ステップと、
    前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度を設定する第4ステップと、
    を有することを特徴とする旋削条件及び切削経路生成方法。
  4. 請求項2に記載の旋削加工方法を実施するための旋削条件及び切削経路を生成する方法であって、
    少なくともワーク仕上げ面粗さと、切削工具の形状と、前記ワークの削り代と、主軸回転速度とを含む初期パラメータを記憶手段に記憶する第1ステップと、
    第1ステップで記憶された初期パラメータから、前記切削工具による現在の切削位置が、主軸1回転前までの旋削によりワーク旋削面上に残されている切削跡と重ならないように、前記切削工具の主軸1回転当たりの軸方向への送り量を算出して切り込みラインを設定する第2ステップと、
    主軸回転位相を所定回数で等分に分割して各位相を切り込みラインの切り込み位置に設定する第3ステップと、
    前回の旋削加工時の主軸回転速度と異なる主軸回転速度を設定する第4ステップと、
    を有することを特徴とする旋削条件及び切削経路生成方法。
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