JP2009291870A - 研磨材 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦による帯電を防止する効果が高く、研磨装置内部壁面への付着や滞留が生じにくく、投射不良を起こし難い研磨材を提供する。
【解決手段】変性ポリビニルアルコール樹脂を1〜40質量%含有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする研磨材。フィラメント状の繊維を長手方向に対して垂直に切断することにより得られたものであり、変性ポリビニルアルコール樹脂を1〜40質量%含有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする研磨材。
【選択図】なし

Description

本発明は、高速流体中に分散させて、成型物の成型工程で生じたバリの除去および表面研磨に用いる研磨材に関するものであり、静電気による研磨装置内部壁面への付着及び循環不良を起こし難い研磨材に関するものである。
金型のキャビティの内部に樹脂を充填して成型する射出成型やトランスファ成型でできる樹脂成型物、あるいは溶融金属を型に流し込んで成型される鋳物には不要なバリが付着するので、これを取り除くためのいわゆるバリ取りが行なわれる。このバリ取り方法としてはガラスビーズを始め、各種の無機物粒子、プラスチックビーズなどの研磨材(投射材)を流体中に分散させ、バリ取りすべき成型物に高圧噴射するブラスト研磨方法がある。このとき、流体としては、通常、水や空気が用いられる。
ブラスト研磨にはクルミ等の種子の粉砕物や合成樹脂等の軟質投射材を用いる方法と金属、無機材料の砥流のような硬質投射材を用いる方法がある。硬質投射材は軟質投射材に比べて比重が大きいために衝撃力があり、高い研磨能力を有するが、被投射物を変形させたり、傷つけやすいという欠点があるため研磨する材料によってこれらの材料が適宜使い分けられている。
研磨材として無機物粒子を用いる場合、あまりに硬度が高いものであると成形物の表面が傷つく場合がある。また、無機物粒子の場合、脆いものが多いので、研磨作業中に粉砕され、粉砕された粉が成形物の表面に付着するため、これを洗浄する手間が必要な場合も生じる。
研磨材としてポリアミド、ポリプロピレン、ポリエステルなどの汎用のプラスチックビーズを用いると、無機物粒子より研磨材の粉砕を軽減することができるが、プラスチック製研磨材は投射装置内で循環使用される際、摩擦によって帯電し、パイプ内壁など研磨処理装置各所に付着、滞留したり、投射不良を起こしたりして研磨できなくなるという問題がある。これは通常の汎用ポリマーの多くが非常に高い電気抵抗を有するためである。
これらの問題を解決するものとして、合成樹脂に帯電防止剤を練りこんで帯電防止効果を発現させた研磨材が提案されており(特許文献1、2参照)、また、合成樹脂の表面に帯電防止剤を付着させた研磨材も提案されているが、使用時間が長くなるにつれて帯電防止剤が脱落するなど、十分な帯電防止効果が得られなかった。
特開昭61−152373号公報 特開平1−188262号公報
本発明は、上記のような問題点を解決し、摩擦による帯電を防止する効果が高く、研磨装置内部壁面への付着や滞留が生じにくく、かつ帯電防止効果の持続性が高い研磨材を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、変性ポリビニルアルコール樹脂を1〜40質量%含有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする研磨材を要旨とするものである。
本発明の研磨材は、親水性物質として水酸基を有する変性ポリビニルアルコールを含有するため、親水性が高く、平衡状態で水分を多く含有することができる。このため、研磨材の電気抵抗が減少して、研磨装置内部で摩擦を受けても帯電を抑えることができ、研磨装置内部壁面への付着や滞留が生じにくく、長時間安定して研磨を行うことができる。また、この親水性樹脂は高分子化合物であるため、低分子の帯電防止剤のように使用中に樹脂から脱落することがなく、帯電防止効果の持続性に優れた研磨材となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の研磨材を構成する熱可塑性樹脂としては、繊維形成能を有するポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等が好ましく、中でも安価で優れた強力と耐久性を有するポリアミドが好ましい。
ポリアミドとしては、ポリイミノ−1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシレンアジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリビスシクロヘキシルメタンデカナミド等が挙げられるが、これらの共重合体やブレンド体であってもよく、中でも、耐久性に優れるナイロン6が好ましい。
ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,3−メチルブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ドデセン−1、オクタデセン−1からなるホモポリオレフィンが挙げられる。脂肪族α−モノオレフインは、他のエチレン系不飽和モノマー、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン、α−メチルスチレンのような類似のエチレン系不飽和モノマーが共重合されたポリオレフィンであってもよい。
また、ポリエチレンの場合には、エチレンに対してプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1又は類似の高級α−オレフィンが10質量%以下共重合されたものであってもよく、ポリプロピレンの場合には、プロピレンに対してエチレン又は類似の高級α−オレフィンが10質量%以下共重合されたものであってもよい。
ポリエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等をジオール成分とするホモポリエステルあるいは共重合体が挙げられる。
また、D−乳酸及び/またはL−乳酸を主成分とする乳酸を重合してなるポリ乳酸であってもよい。
なお、これらのポリエステルには、パラオキシ安息香酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエリススリトール、ビスフエノールA等が添加あるいは共重合されていてもよい。
さらには、本発明の研磨材を構成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて、例えば酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルクなどの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか従来公知の酸化防止剤、抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、各種着色剤、各種界面活性剤、各種強化繊維類等の各種添加剤が本発明の効果を損なわない範囲内で添加されていてもよい。
そして、本発明の研磨材を構成する熱可塑性樹脂は、変性ポリビニルアルコール樹脂(以下、変性PVAという)が含有されている。変性PVAの含有量は、熱可塑性樹脂中の1〜40質量%であり、中でも5〜30質量%であることが好ましい。
変性PVAの含有量が1質量%未満であると十分な親水性が得られず、帯電防止効果が得られない。一方、40質量%を超えると、研磨材の強度や耐久性が低下する。また、研磨材をフィラメント状の繊維を切断することにより得る際には、繊維化する溶融紡糸、延伸工程での製糸性が悪化する。
変性PVAは、熱可塑性樹脂中にブレンドされて含有されていることが好ましい。つまり、熱可塑性樹脂中に変性PVAが独立した層として存在するのではなく、熱可塑性樹脂中に略均一に変性PVAが混合されていることが好ましい。これにより、変性PVAが研磨材中から剥落したり、溶出することを防ぐことができ、親水性樹脂による帯電防止効果の持続性(耐久性)が向上する。
本発明の研磨材に使用される変性PVAとしては、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールが好ましい。オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、具体的には、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルとを共重合し、ついでケン化することにより得られる。
この場合、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルの共重合割合(含有量)は0.1〜20モル%、中でも0.1〜5モル%とすることが好ましく、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルにおけるポリオキシアルキレンの縮合度は1〜300、中でも3〜50とすることが好ましく、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール全体に占めるオキシアルキレン単位の割合が3〜40質量%であることが好ましい。このことは、共重合体におけるオキシアルキレン単位の局在−非局在の程度およびオキシアルキレン単位の長さに最適範囲があることを示している。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールにおける酢酸ビニル単位のケン化度は50〜100モル%、さらには70〜99モル%が好ましく、ポリビニルアルコールの平均重合度は150〜1500、さらには200〜1000が好ましい。
なお、共重合成分としてポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル以外の成分が本発明の目的を損なわない範囲で含有されていてもよく、例えばα−オレフィン(エチレン、プロピレン、長鎖α−オレフィン等)、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマー、(アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、ビニルエーテル等)等を30モル%以下程度であれば含有してもよい。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールを得るときの重合方法としては通常、溶液重合法が採用され、場合により懸濁重合法、エマルジョン重合法などを採用することもできる。ケン化反応としては、アルカリケン化法、酸ケン化法などが採用される。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは上記のほか、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミド、ポリオキシプロピレンアリルアミド、ポリオキシエチレンビニルアミド、ポリオキシプロピレンビニルアミドなどを共重合し、ついでケン化することによっても得ることができる。
この他、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールに対するアルキレンオキシドの反応、あるいはポリオキシアルキレングリコールに対する酢酸ビニルの重合およびそれに引き続くケン化によっても得ることができる。
このようにして得られたオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、さらに、(1)融点が50〜250℃のフェノール系化合物、(2)チオエーテル系化合物、(3)ホスファイト系化合物のうちの1種以上をオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールに対して0.01〜5.0質量%、中でも0.1〜0.5質量%添加することが好ましい。これにより、熱安定性を向上させることができる。これらの添加量が0.01質量%未満では熱安定性の向上が期待できず、5.0質量%を超える場合は親水性の低下を招きやすい。
(1)融点が50〜250℃のフェノール系化合物としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
(2)チオエーテル系化合物としては、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等が挙げられる。
(3)ホスファイト系化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイトやフェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、その他のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンホスホナイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
さらには、本発明におけるオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールには、(4)炭素数が10以上の脂肪酸あるいはその塩、脂肪酸アミド系化合物、脂肪酸エステル系化合物の少なくとも1種をオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールに対して0.01〜3.0質量%、中でも0.1〜0.5質量%添加することが好ましく、これにより熱安定性がさらに向上する。
(4)炭素数10以上の脂肪酸あるいはその塩とは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、アラキジニン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸または、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシリシノール酸等のヒドロキシ脂肪酸、あるいはこれらのマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛等の金属塩等が挙げられ、中でもステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘニン酸マグネシウムが実用的である。
また、(4)の脂肪酸アミド系化合物とは、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミドあるいはメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレンビス脂肪酸アミドが挙げられる。さらに、脂肪酸エステル系化合物とは、ブチルステアレート、ブチルパルミチレート等の1価アルコールの脂肪酸エステル、エチレングリコールモノステアレート等の多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールに(1)〜(4)の化合物を添加する方法としては、常用の方法、即ち撹拌機付き溶融缶、押出機、ロール混練機等を用いて溶融混合し、ペレット化することが好ましい。溶融混合温度は160〜250℃、中でも180〜230℃とすることが好ましい。
前記したように変性PVAを熱可塑性樹脂中に添加して混合する際には、変性PVAに各種の成分を含有させたペレットを作成した後、熱可塑性樹脂中に添加し、溶融混合してもよいが、(1)〜(4)の各成分を前もって変性PVA中に溶融ブレンドしたペレットとせず、変性PVA、(1)〜(4)の各成分、熱可塑性樹脂をそれぞれ添加して直接溶融混合してもよい。
また、変性PVA中には、発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを配合することもでき、また、可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤をはじめ、種々の添加剤を配合することもできる。
そして、本発明の研磨材は、柱状の形状を有しており、長手方向に対して垂直に切断した断面の長径が0.01〜3mm、長さが0.1〜6mmであることが好ましい。柱状の形状であると、球状のものにはない角があることから、効果的にバリ取り研磨を行なうことができる。
その断面形状としては、円形の他に楕円、偏平、三角以上の多角形などの異型断面が挙げられる。本発明でいう断面の長径とは、断面が円の場合は直径、偏平、楕円の場合は長径、三角以上の多角形の場合は、外接円の直径をいうものである。
断面の長径は、中でも0.1〜1mmがより好ましい。研磨対象物が小さい場合はバリも小さいので小さいサイズの研磨材を使用する。研磨材の長径が0.01mmに満たない場合、サイズが小さすぎてバリ取りの効果が乏しくなる。また、研磨材の長径が3mmを超える場合、単位容量当たりの研磨材の個数が少なく、小さなバリが取れにくくなる。
本発明の研磨材において、断面の長径が小さなものは、長さを短くし、一方、断面の長径が大きなものは、長さを長くすることが好ましい。研磨材の長さは、中でも0.2〜3.0mmであることが好ましい。長さが0.1mm未満であると、このような長さにカットすることが困難となる、一方、研磨材の長さが6mmを超える場合、研磨処理において研磨材同士の絡み合いが生じ、好ましくない。
なお、研磨材の長さと長径との寸法比、いわゆるアスペクト比〔(長さ)/(長径)〕は、長径が0.1mm未満のときはアスペクト比を1〜50、長径が0.1mm以上のときはアスペクト比を0.5〜3とすることが好ましい。
さらに、本発明の研磨材は、フィラメント状の繊維を長手方向に対して垂直に切断することにより得られたものであることが好ましい。本発明の研磨材を得るためのフィラメント状の繊維はマルチフィラメント、モノフィラメントのいずれでもよく、上記したような直径を満足するようにフィラメントの繊度を適宜調整する。
そして、本発明の研磨材が十分な硬さと耐久性を有するために、フィラメント状の繊維の切断伸度は30%〜200%、さらには50%〜150%とすることが好ましい。なお、このようなフィラメント状の繊維は、通常の溶融紡糸法によって製造することができる。
次に、本発明の研磨材の製造方法について一例を用いて説明する。変性PVAを均一にブレンドした熱可塑性樹脂を通常の溶融紡糸装置を用いて溶融紡糸する。溶融紡糸装置より紡出された繊維(モノフィラメント)を冷却固化した後、ローラ間で延伸を行い、モノフィラメントを得る。これを500本引き揃えてギロチンカッターで所望の長さにカットすることにより、柱状の研磨材を得る。なお、研磨材の断面の長径は、ノズル孔径を変更したり、延伸倍率を調整するなどして、モノフィラメントの繊度を変更することにより所望の長さのものとすることができる。
また、本発明の研磨材は、研磨処理する際の流体は大気圧以上に加圧して用いられるが、概ね数気圧〜数十気圧(数百キロパスカル〜数メガパスカル)の範囲に加圧するのが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中の各種の特性値については以下のようにして測定、評価を行った。
A.相対粘度
ポリアミド:96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定した。
ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸:フェノールとテトラクロロエタンとの等質量混合溶液を溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度25℃の条件で測定した。
B.モノフィラメントの切断伸度
JIS L−1013 引張り強さ及び伸び率の標準時試験に従い、島津製作所製オートグラフAGS−500Aを用い、つかみ間隔25cm、引っ張り速度25cm/分で測定した。
C.帯電評価
研磨材を圧縮空気とともに研磨対象物に吹き付けた後、循環パイプを通してポンプ部に戻し、再度研磨対象物に吹き付けるという閉鎖系で処理するバリ取り研磨装置を用いて、研磨対象(ICリードフレームのパッケージ幅20mm長さ140mm)に対して、100mmの距離から8mmの直径を有する円形ノズルを用いて噴射圧力0.4MPaのエアーとともに研磨材17g/秒で吹き付けて、8時間の連続稼働試験を行った。この時、循環パイプの内壁における静電気発生による研磨材の付着具合を目視にて観察し、以下の3段階で評価した。
◎:研磨材の付着なし。
○:わずかに付着が見られる。
×:静電気により研磨材が内壁に付着し、安定して噴射されない。
〔変性PVAの製造〕
オキシアルキレンの縮合度が平均20のポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテルと酢酸ビニルとをメタノール中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下に共重合し、ついで残存モノマーを追い出した後、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えてケン化した。ケン化反応により生じたスラリーから共重合体をろ別し、メタノールで3回洗浄を行い、ついで、酢酸ナトリウム1モルあたり1.5モルの酢酸を加えた後、再びメタノールで2回洗浄を行い、酢酸ナトリウム含有量を0.07質量%、酢酸0.026質量%(酢酸ナトリウム1モルに対して0.5モル)に調整した後、乾燥して、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、EO−PVAと略記する)を得た。
このポリマーの平均重合度は270、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル単位の共重合割合は1.0モル%、ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合は16.1質量%、酢酸ビニル成分のケン化度は96モル%、酢酸ナトリウム含有量は0.07質量%、酢酸含有量は0.026質量%であった。
上記で得たEO−PVAにフェノール系化合物として、融点120℃のペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量%添加し、ラウンドダイを備えた二軸押出機に供給し、温度210℃で押出してペレット状の変性PVAを得た。
実施例1
熱可塑性樹脂として、相対粘度が3.5であるナイロン6チップを用いた。熱可塑性樹脂中に得られた変性PVAを含有させ、含有量が全体の2質量%となるように混合して単軸押出機を用いて溶融混練し、紡糸温度を265℃として丸型紡糸口金を通して吐出量62.7g/分で紡出した。紡出したフィラメントを紡糸口金面の下方100mmの位置に液面がある温度20℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は延伸1段、熱固定1段で実施し、延伸手段として第1延伸域に温度90℃の温水浴を、熱固定域に175℃の乾熱空気浴を用い、延伸倍率を2.25、弛緩率を1.8%とし、全延伸倍率を2.21倍とし、製造速度110.5m/分で製造した。これにより直径0.4mm(5670dtex)、強度1.7cN/dtex、切断伸度120%のモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントを長手方向に0.4mm間隔でカッティングして研磨材(長径が0.4mm、長さが0.4mm)を得た。
実施例2〜4、比較例1〜3
熱可塑性樹脂中の変性PVAの含有量が表1に示す量となるように、ナイロン6チップに変性PVAを添加した以外は、実施例1と同様にしてモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントを表1に示すような間隔(長さ)でカッティングして研磨材を得た。
実施例5
熱可塑性樹脂として相対粘度1.7のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。熱可塑性樹脂中に得られた変性PVAを含有させ、含有量が全体の10質量%となるように混合して単軸押出機を用いて溶融混練し、紡糸温度を295℃として丸型紡糸口金を通して吐出量16.5g/分で紡出した。紡出したフィラメントを紡糸口金面の下方100mmの位置に液面がある温度50℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は延伸1段、熱固定1段で実施し、延伸手段として第1延伸域に温度95℃の温水浴を、熱固定域に220℃の乾熱空気浴を用い、延伸倍率を3.5、弛緩率を10.5%とし、全延伸倍率を3.13倍とし、製造速度94.0m/分で製造した。これにより直径0.4mm(1760dtex)、強度2.0cN/dtex、切断伸度90%のモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントを長手方向に0.4mm間隔でカッティングして研磨材(長径が0.4mm、長さが0.4mm)を得た。
実施例6
熱可塑性樹脂として、相対粘度が4.0のポリ乳酸(PLA)を用いた。熱可塑性樹脂中に得られた変性PVAを含有させ、含有量が全体の10質量%となるように混合して単軸押出機を用いて溶融混練し、紡糸温度を220℃として丸型紡糸口金を通して吐出量10.0g/分で紡出した。紡出したフィラメントを紡糸口金面の下方100mmの位置に液面がある温度40℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は延伸1段、熱固定1段で実施し、延伸手段として第1延伸域に温度90℃の温水浴を、熱固定域に170℃の乾熱空気浴を用い、延伸倍率を3.5、弛緩率を2.0%とし、全延伸倍率を3.43倍とし、製造速度80.0m/分で製造した。これにより直径0.4mm(1256dtex)、強度2.3cN/dtex、切断伸度35%のモノフィラメントを得た。
このモノフィラメントを長手方向に0.4mm間隔でカッティングして研磨材(長径が0.4mm、長さが0.4mm)を得た。
表1から明らかなように、実施例1〜6で得られた研磨材はいずれも静電気による帯電が起こりにくく、研磨時に循環パイプの内壁における静電気発生による研磨材の付着はほとんど見られなかった。このため、長時間安定して研磨を行うことができ、バリ取り効果にも優れていた。
一方、比較例1の研磨材は、熱可塑性樹脂中に変性PVAを含有していなかったため、比較例2の研磨剤は、熱可塑性樹脂中の変性PVAの含有量が少なすぎたため、両者とも静電気による帯電が起こりやすく、研磨時に静電気によって研磨材が内壁に付着し、安定して噴射されなかった。このため、バリ取り効果にも劣るものであった。比較例3では、モノフィラメントを溶融紡糸する際に、紡糸口金から吐出された糸状物は曳糸性がなく、モノフィラメント形状に引き取ることができなかった。

Claims (3)

  1. 変性ポリビニルアルコール樹脂を1〜40質量%含有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする研磨材。
  2. フィラメント状の繊維を長手方向に対して垂直に切断することにより得られたものである請求項1記載の研磨材。
  3. 柱状の形状を有しており、長手方向に対して垂直に切断した断面の長径が0.01〜3mm、長さが0.1〜6mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の研磨材。

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