JP2009289631A - 非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法、脱水処理方法、及び同二酸化マンガンを用いた非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法、脱水処理方法、及び同二酸化マンガンを用いた非水電解液電池 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化マンガンの加熱処理による比表面積の低下を抑制し、電池の低温放電特性を向上させた非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法、脱水処理方法、同二酸化マンガンを用いた非水電解液電池を提供する。
【解決手段】まずマイクロ波を用いて、γ型を主体とする二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下まで昇温する。次いで300℃以上、450℃以下の温度で加熱し、二酸化マンガンの含有水分率が1質量%以下になるまで、水分を除去する。
【選択図】なし

Description

本発明は非水電解液電池用の正極活物質に用いられる二酸化マンガンの製造方法、脱水処理方法とその二酸化マンガンを用いた非水電解液電池に関する。特に熱処理による二酸化マンガンの比表面積の低下を抑制することで、電池の低温環境下での放電特性を向上させた非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法、脱水処理方法に関する。
非水電解液電池の正極活物質として、二酸化マンガンやフッ化カーボンが実用化されている。この中で、二酸化マンガンは、放電特性に優れ、かつ安価であるため広く使用されている。二酸化マンガンを正極活物質として用いたリチウム一次電池は、カメラ用電源等に使用されてきたが、低温環境下での使用を鑑みて低温環境下での電池の放電特性(低温放電特性)を向上させた電池が望まれている。
また、このようなリチウム一次電池に用いられる二酸化マンガンは、電池保存時の電池特性低下を抑制するために充分に脱水される。一般的に、二酸化マンガンを250℃以下の温度で加熱処理した場合、吸着水が主に除去されるが、二酸化マンガンに含まれる結晶水は充分に除去できない。そのため、電池保存時に放電特性が低下する。従って、250℃以上の加熱処理が必要であり、通常340℃〜430℃で数時間加熱処理が施され、二酸化マンガンの水分は1wt%以下に除去される。
しかし、過剰な加熱処理により、二酸化マンガンは、結晶構造がγ型からγ−β型またはβ型に変化すると共に、その比表面積が大きく低下する。その結果、特に低温放電特性が低下する。
このような理由から、二酸化マンガンの加熱処理について様々な工夫が提案されている。その一つの方法として、二酸化マンガンを加熱処理して脱水する際に、加熱炉内に酸素含有気体を送入すると共に、発生した水蒸気含有ガスを加熱炉外に排出して炉内の水蒸気を少なくすることで、二酸化マンガンの比表面積の低下を抑制することが開示されている(例えば、特許文献1)。
特開平6−163035号公報
しかしながら、特許文献1には熱処理時の温度条件について詳細な説明はない。単に炉内の水蒸気を少なくするだけでは、吸着水が付着したまま二酸化マンガンを急激に高温に加熱処理した場合、熱伝導にばらつきが生じて二酸化マンガンの熱処理にムラが発生し、このような正極活物質を用いた電池では放電特性ばらつきが大きくなることが分かった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、加熱処理による比表面積の低下を抑制することができる二酸化マンガンの製造方法、脱水処理方法と、同二酸化マンガンを用いた非水電解液電池の低温放電特性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の脱水処理方法では、まずマイクロ波を用いて、γ型を主体とする二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下に昇温する(Bステップ)。次いで300℃以上、450℃以下の温度で加熱し、二酸化マンガンの含有水分率が1質量%以下になるまで、二酸化マンガンから水分を除去する(Cステップ)ことを特徴とする。
本発明によれば、マイクロ波を用いて、二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下の比較的低温で熱処理することにより、吸着水と結晶水の一部を均一に除去することができる。このような処理の後に、300℃以上、450℃以下の温度で熱処理すると、吸着水による二酸化マンガンへの熱伝導ばらつきに起因する焼きムラを排除することができる。さらに、Bステップで吸着水と一部の結晶水を除去していることで、Cステップにおいては焼成炉内の水蒸気が少なくなり、二酸化マンガンを脱水処理しつつ、比表面積の低下を抑制することができる。その結果、本発明の脱水処理方法で処理した二酸化マンガンを正極に用いた電池は、その低温放電特性を向上させることができる。
本発明の非水電解液電池用二酸化マンガンの脱水処理方法、製造方法によれば、比表面積の低下を抑制した二酸化マンガンを調製することができる。この二酸化マンガンを用いた非水電解液電池は、低温放電特性に優れる。
本発明による第1の発明は、マイクロ波を用いて二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下に昇温するBステップと、Bステップに連続して、300℃以上、450℃以下の温度で加熱し、二酸化マンガンの含有水分率を1質量%以下になるまで、水分を除去するCステップと有する非水電解液電池用二酸化マンガンの脱水処理方法である。この処理方法によれば、二酸化マンガンを脱水処理しつつ、比表面積の低下を抑制することができる。
本発明による第2の発明は、第1の発明におけるBステップで、二酸化マンガンの含有水分率が1質量%を超え、2質量%以下になるまで、二酸化マンガンから水分を除去する非水電解液電池用二酸化マンガンの脱水処理方法である。具体的にはBステップでこの領域まで二酸化マンガンの含有水分率を減少させることで吸着水と結晶水の一部を均一に除去し、Cステップで効果的に結晶水を除去することができる。
本発明による第3の発明は、アルカリ金属あるいはアルカリ金属を主成分とする合金からなる負極と、第1または第2の発明で脱水処理された非水電解液電池用二酸化マンガンを用いた正極と、セパレータと、非水電解液と、を含む非水電解液電池である。この電池は二酸化マンガンの比表面積の低下が抑制されているため低温放電特性に優れている。
本発明による第4の発明は、Aステップでγ型を主体とする二酸化マンガンを合成し、その二酸化マンガンを第1の発明の脱水処理方法で処理する非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法である。本発明による第5の発明は第4の発明において、第2の発明と同様に、Bステップで、二酸化マンガンの含有水分率が1質量%を超え、2質量%以下になるまで、二酸化マンガンから水分を除去する非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法である。本発明による第6の発明は第4または第5の発明で調製した二酸化マンガンを用いた非水電解液電池である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
以下の説明における二酸化マンガンとは、加熱処理前のγ型を主体とする二酸化マンガンであり、通常、水分を5質量%〜6質量%含有する。また、γ型を主体とする二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガン、化学二酸化マンガン、天然二酸化マンガンのいずれでもよい。
マイクロ波は、既によく知られているように、波長が1mm(周波数300GHz)から1m程度(周波数300MHz)である電磁波の一種であり、従来、通信、高周波加熱、レーダー、医療等に利用されている。本発明においては、特に、波長が3cm〜30cm(周波数1000MHz〜10000MHz)の範囲のものが好ましく用いられる。マイクロ波のエネルギーは光速度で瞬間的に被加熱物質中に浸透する。そのため、マイクロ波加熱では、熱伝導による加熱と異なり、数秒から数分で被加熱物が発熱する。
さらに、被加熱物質の表面から内部まで、同時に等しく発熱する。二酸化マンガンの熱伝導率は低いが、マイクロ波の吸収性には優れている。本実施の形態ではこのような二酸化マンガンの特徴を活かし、マイクロ波誘電加熱により、数分〜10分程度の極めて短時間で二酸化マンガンを所定の高温に均一に加熱することができる。
本実施の形態では、まず、Bステップとしてマイクロ波加熱装置を用いて二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下の任意の温度で加熱処理する。マイクロ波加熱では、短時間で加熱処理を行うことができるため、二酸化マンガンの細孔形状変化への影響は少なく、特に比表面積の低下を抑制しながら吸着水を除去することができる。
次に、Cステップにて二酸化マンガンの結晶内部の水分を除去するため、300℃以上、450℃以下で熱処理し、最終的に二酸化マンガンの水分含有量を1質量%以下にする。ここでCステップでは、熱風乾燥機、またはキルン焼成炉を用いる。
予めBステップで水分を除去しているので炉内で発生する水蒸気が少ない。そのため二酸化マンガンの比表面積の低下を抑制することができる。また高温まで昇温するCステップの前に、Bステップにおいて比較的低温で熱処理することにより、吸着水及び結晶水の一部を均一に除去して二酸化マンガンの含有水分率が1質量%を超え、2質量%以下になるまで、二酸化マンガンから水分を除去することが好ましい。これによりCステップにおける二酸化マンガンの吸着水による熱伝導ばらつきに起因する焼きムラを排除することができる。
なお、本実施の形態において、二酸化マンガンを熱風乾燥機かキルン焼成炉を用いて450℃にて6時間以上加熱し、質量変化がなくなった時点での含有水分率を0質量%としている。すなわち、Bステップ、Cステップにおける二酸化マンガンの含有水分率は、各ステップ後のサンプルを上記条件で加熱し、加熱前後の質量を測定することによって求めている。
なおBステップにおいて、250℃未満の温度になるようにマイクロ波加熱してもほぼ吸着水しか除去しない。そのため、このままCステップで300℃以上の熱処理を行うと、残存結晶水が多いために焼成炉内の水蒸気が多くなり、二酸化マンガンの比表面積の低下を抑制できない。逆に、Bステップの温度が300℃を超える温度になるようにマイクロ波加熱すると、結晶変化を伴いながら吸着水や結晶水による水蒸気の多い雰囲気の中で加熱され、比表面積が低下する。
以上のようにして作製した二酸化マンガンを正極活物質として用い、図1に示す非水電解液電池を作製する。図1は、本発明の実施の形態による非水電解液電池の概略断面図である。
この非水電解液電池は二酸化マンガンを主活物質とした正極1と、負極2にリチウムを用いた円筒形リチウム一次電池である。
正極1に用いる二酸化マンガンは、Aステップとして、例えば公知の電解法により合成し、上述の方法で脱水処理する。正極1は二酸化マンガンを主とする活物質混合物を金属集電芯材に充填し、帯状に形成されている。帯状の負極2はリチウム金属からなる。正極1、負極2は、これらの間に介在されたセパレータ3と渦巻状に捲回することで電極群を構成している。この電極群は、有機電解液(図示せず)と共にケース9に収納されている。ケース9の開口部には封口板8が装着されている。封口板8には、正極1の芯材に接続されたリード4が連結されている。負極2に接続されたリード5は、ケース9に連結されている。また、電極群の上部と下部には、内部短絡防止のためにそれぞれ上部絶縁板6、下部絶縁板7が配備されている。以下、具体的な例を用いて本実施の形態の効果を説明する。
(実施例1)
焼成前のγ型を主体とする二酸化マンガンとして、比表面積45m/g、含有水分率5質量%の電解二酸化マンガン500gを用い、Bステップとしてマイクロ波加熱装置(300W)にて3分間加熱して250℃まで昇温し、マイクロ波の出力を調整してその温度を10分保持した。続いてCステップとしてキルン焼成炉を用い二酸化マンガンを熱処理した。その際、焼成炉を350℃まで上昇させ、この温度で6時間維持し熱処理した。このようにして脱水処理した二酸化マンガンを用い、図1に示す非水電解液電池を作製した。
この二酸化マンガンと、導電材としてのカーボン粉末と、結着剤としてのフッ素樹脂粉末とを、100:5:5の質量比で混合し、混合物を混練した。この混練物を、ステンレススチール(SUS444)からなるエキスパンドメタルに充填した。このようにして作製した正極前駆体を厚さ0.38mm、幅20mm、長さ220mmに圧延、切断して正極1を作製した。なお電極群を構成する前に、正極1を熱風乾燥機で乾燥して用いた。
負極2には、厚み0.15mm、幅18mm、長さ240mmの帯状のリチウム金属を使用した。
電解液としては、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの1:1混合溶媒に、溶質としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを1モル/l溶解したものを用いた。電極群を挿入したケース9に電解液を2g注入しケース9の開口部をかしめ封口し、実施例1の電池を作製した。
(実施例2)
比表面積45m/g、含有水分率5質量%の電解二酸化マンガン500gを用い、マイクロ波加熱装置(300W)にて5分間加熱して300℃まで昇温した以外は、実施例1と同様にして二酸化マンガンを脱水処理した。なおこの際にもマイクロ波の出力を調整して300℃に10分保持した。この二酸化マンガンを用いて実施例1と同様にして実施例2の電池を作製した。
(比較例1)
比表面積45m/g、含有水分率5質量%の電解二酸化マンガン500gを用い、マイクロ波加熱装置(300W)にて2分間加熱して200℃まで昇温した以外は、実施例1と同様にして二酸化マンガンを脱水処理した。なおこの際にもマイクロ波の出力を調整して200℃に10分保持した。この二酸化マンガンを用いて実施例1と同様にして比較例1の電池を作製した。
(比較例2)
比表面積45m/g、含有水分率5質量%の電解二酸化マンガン500gを用い、マイクロ波加熱装置(300W)にて10分間加熱して350℃まで昇温した以外は、実施例1と同様にして二酸化マンガンを脱水処理した。なおこの際にもマイクロ波の出力を調整して350℃に10分保持した。この二酸化マンガンを用いて実施例1と同様にして比較例2の電池を作製した。
(比較例3)
実施例1におけるキルン焼成炉を用いて、炉内に空気を送入すると共に、常温から比表面積45m/gの電解二酸化マンガンを350℃まで上昇させ、6時間維持し熱処理した。発生した水蒸気含有ガスは前炉外に排出させた。送入した空気流量(m/分)は、焼成炉の容積1(m)に対する比率を1/10とした。この熱処理により得られた二酸化マンガンを用い、実施例1と同様にして比較例3の電池を作製した。すなわち、比較例3ではBステップを実施せずにCステップのみを実施した。
(比較例4)
比表面積45m/g、含有水分率5質量%の電解二酸化マンガン500gを用い、マイクロ波加熱装置(300W)にて10分間加熱して350℃まで昇温し、マイクロ波の出力を調整して350℃に10分保持した。すなわち、比較例2におけるBステップのみを実施した。この二酸化マンガンを用いて実施例1と同様にして比較例4の電池を作製した。
(表1)はBステップでの熱処理条件と、そのときの二酸化マンガンの水分除去量、Cステップでの熱処理条件、及びCステップ後に得られた二酸化マンガンの比表面積、それを用いて作製した電池の放電特性を示している。ここで、Bステップでの水分除去量は処理前後の二酸化マンガンの質量を測定することで求めている。低温放電容量とは、0.9Aの電流を3秒放電し27秒停止させるサイクルを−20℃環境下で繰り返し、電池電圧1.2V時点までの放電容量を示している。また、低温放電容量ばらつきとは、上記低温放電容量を50個の電池について測定したときの標準偏差である。
Figure 2009289631
(表1)に示すように、実施例1、2は良好な低温放電特性を示し、そのばらつきも小さかった。これは前述のように、Bステップにて二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下の比較的低温で熱処理することにより、少なくとも3質量%の吸着水と結晶水の一部を均一に除去できていることによる。
一方、比較例1ではBステップでの加熱温度が200℃であるため二酸化マンガンの含有水分率が2質量%以上である。そのため、Cステップでは、焼成炉内に二酸化マンガンの残存結晶水による水蒸気が多く存在した。その結果、比較例1の二酸化マンガンの比表面積は実施例1、2に比べて低下し、そのため比較例1の電池の低温放電容量が低下したと考えられる。
また、比較例2ではBステップで二酸化マンガンの含有水分率が1質量%まで低下している。しかしながらBステップの加熱温度は350℃であり、この場合、付着水以外に結晶水も相当な量が水蒸気になる。すなわち二酸化マンガンの吸着水や結晶水による水蒸気が多い雰囲気で、結晶変化を伴う熱処理が施される。そのため、比較例2の二酸化マンガンの比表面積は実施例1、2に比べて低下した。そのため比較例2の電池の低温放電容量が低下したと考えられる。
比較例3ではBステップを施さず、Cステップで焼成炉内に空気を送入すると共に、常温から一気に焼成温度まで温度を上昇させた。発生した水蒸気含有ガスは炉外に排出させたものの、吸着水や残存結晶水が付着したまま一気に高温に加熱処理されるので、焼成炉内は水蒸気が多く存在し二酸化マンガンの比表面積が低下したと考える。また、吸着水が付着したまま一気に高温に加熱処理した場合に、熱伝導にばらつきが生じて焼きムラが発生したと考えられる。その結果、低温放電容量が低下しばらつきが大きくなったと考える。
比較例4では比較例2と同様、Bステップの加熱温度は350℃であり、二酸化マンガンの吸着水や結晶水による水蒸気が多い雰囲気で、結晶変化に伴う熱処理が施される。ただし比較例4ではCステップを実施しないため比較例2に比べると比表面積がやや大きい。しかしながらやはり実施例1、2の電池に比べて比較例4の電池の低温放電容量は低い。
以上のように、マイクロ波を用いた比較的低温(250℃〜300℃)での加熱によって付着水と結晶水の一部を除去し、それに連続する比較的高温(300℃〜450℃)での加熱によって結晶水を除去する。この方法により効果的かつ均一に付着水と結晶水を二酸化マンガンから取り除くことができる。この方法で脱水処理した二酸化マンガンを用いることによって電池の低温放電容量を改良し、そのばらつきも低減することができる。またBステップでマイクロ波を用いることにより、短時間で、かつ均一に二酸化マンガンを加熱することができるため、生産性が向上する。
なお上記実施例では、Bステップにおいて昇温後に温度を10分保持しているが、処理前の二酸化マンガンの含有水分量が少ない場合等、条件によっては昇温後の温度に保持する必要はない。
なお本実施の形態では円筒形電池を用いて説明したが、電池の形状や内部構造は特に限定されず、コイン形電池や角形電池に適用してもよい。
本発明によれば、二酸化マンガンの加熱処理による比表面積の低下を抑制し、電池の低温放電特性を向上することができる。そのため、本発明は電池性能の改善に極めて有効であり、その工業的価値は極めて大きい。
本発明の実施の形態による非水電解液電池の概略断面図
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4,5 リード
6 上部絶縁板
7 下部絶縁板
8 封口板
9 ケース

Claims (6)

  1. マイクロ波を用いて、γ型を主体とする二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下に昇温するBステップと、
    前記Bステップに連続して300℃以上、450℃以下の温度で加熱し、前記二酸化マンガンの含有水分率が1質量%以下になるまで、前記二酸化マンガンから水分を除去するCステップと、を備えた、
    非水電解液電池用二酸化マンガンの脱水処理方法。
  2. 前記Bステップにおいて前記二酸化マンガンの含有水分率が1質量%を超え、2質量%以下になるまで、前記二酸化マンガンから水分を除去する請求項1記載の非水電解液電池用二酸化マンガンの脱水処理方法。
  3. アルカリ金属あるいはアルカリ金属を主成分とする合金からなる負極と、請求項1または2に記載の脱水処理方法で処理された非水電解液電池用二酸化マンガンを用いた正極と、前記負極と前記正極との間に介在するセパレータと、非水電解液と、を備えた非水電解液電池。
  4. γ型を主体とする二酸化マンガンを合成するAステップと、
    マイクロ波を用いて前記二酸化マンガンを250℃以上、300℃以下に昇温するBステップと、
    前記Bステップに連続して300℃以上、450℃以下の温度で加熱し、前記二酸化マンガンの含有水分率が1質量%以下になるまで、前記二酸化マンガンから水分を除去するCステップと、を備えた、
    非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法。
  5. 前記Bステップにおいて前記二酸化マンガンの含有水分率が1質量%を超え、2質量%以下になるまで、前記二酸化マンガンから水分を除去する請求項4記載の非水電解液電池用二酸化マンガンの製造方法。
  6. アルカリ金属あるいはアルカリ金属を主成分とする合金からなる負極と、請求項4または5に記載の製造方法で調製された非水電解液電池用二酸化マンガンを用いた正極と、前記負極と前記正極との間に介在するセパレータと、非水電解液と、を備えた非水電解液電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3258521B1 (de) * 2016-06-14 2020-11-04 VARTA Microbattery GmbH Lithium-primärzelle mit dme-freiem elektrolyten

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