JP2009288726A - 画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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洋志 中井
Masahide Yamashita
昌秀 山下
Masahito Iio
雅人 飯尾
Shinya Tanaka
真也 田中
Naoyuki Ozaki
直幸 尾崎
Kunio Hasegawa
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Abstract

【課題】像担持体表面の保護、特に帯電工程ならびにクリーニング工程でのストレスに対する保護機能を高め、かつ帯電部材の汚れを抑制することにより、良好な品質の画像を長期間に亘り安定して得ることができる画像形成方法を提供する。
【解決手段】粉体状の保護剤21がブラシ状の保護剤供給部材22により感光体ドラム1の表面に供給され、ブレード状の部材を持つ保護層形成機構24により薄層化される。感光体ドラム1はその表面層中に微粒子を含有し、かつ保護剤21はワックス、及び感光体ドラム1の表面層中に含まれる微粒子よりも平均一次粒径が小さい微粒子を含有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、像担持体の表面に保護剤を塗布又は付着させる工程を有する画像形成方法、該画像形成方法を実施可能なプロセスカートリッジ、該画像形成方法を実施可能な複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させ可視像を形成している。トナーにより形成された可視像は、最終的に紙等の転写媒体に転写後、熱、圧力や溶剤気体等によって転写媒体に定着され、出力画像となる。
これら電子写真方式による画像形成装置は、一般的にドラム形状やベルト形状をした像担持体(一般には感光体)を回転させつつ一様に帯電し、レーザー光等により像担持体上に潜像パターンを形成し、これを現像装置により可視像化して、更に転写媒体上に転写を行っている。
転写媒体へトナー像を転写した後の像担持体上には、転写されなかったトナー成分が残存する。これらの残存物が、そのまま帯電工程に搬送されると、像担持体の均等な帯電を阻害することがしばしばあるため、一般的には、転写工程を経た後に、像担持体上に残存するトナー成分等を、クリーニング工程にて除去し、像担持体表面を十分に清浄な状態とした上で、帯電が行われる。
このように、像担持体表面は帯電、現像、転写、クリーニング等の各工程で、さまざまな物理的ストレスや電気的ストレスを受け、使用時間を経るに伴って表面状態が変化する。
これらのストレスのうちクリーニング工程での摩擦によるストレスは、像担持体を摩耗させ、また、擦過傷を発生させることが知られている。
帯電工程における像担持体への電気的ストレスも、像担持体表面の状態を大きく変化させる。この電気的ストレスは、像担持体表面近傍で放電現象を伴う、接触帯電方式や近接帯電方式で顕著である。
これらの帯電方式では、像担持体表面で多くの活性種や反応生成物が発生し、また、放電領域の大気中で発生した活性種や反応生成物の像担持体表面への吸着が多く生じることから、像担持体表面の付着力が増加し、クリーニング性が悪化して異物付着(フィルミング)が発生しやすくなる。
更に、特に直流成分に交流成分を重畳した帯電方式においては、像担持体表面層中の材料に対する影響が大きく、樹脂分子鎖の切断による分子量低下、高分子鎖の絡み合い度の低下、樹脂の蒸発等の化学的劣化が生じる。
このような状況下において、クリーニングブレード等で像担持体表面が機械的に摺擦されると、像担持体の摩耗がより一層促進されることになる。
このように、近年の電子写真方式ではクリーニング性、感光体摩耗の問題が顕著となってきており、これらを安定に両立させることが大きな課題となっている。
このような課題を解消すべく、これまでにも像担持体とクリーニング部材間の摩擦力低減や、像担持体表面の化学的劣化の抑制を目的に、各種潤滑剤や潤滑成分の供給・膜形成方法について多くの提案がなされている。
例えば特許文献1、2には機械的摺擦を低減する潤滑剤として、特許文献3、4には感光体表面を化学的劣化から保護する潤滑剤として、ステアリン酸亜鉛等の固形状潤滑剤を塗布するための手段を設けた構成が開示されている。
これらの手段は像担持体の摩耗抑制に対しては優れた効果を発揮するが、このような手段を用いることにより潤滑剤自体がクリーニングブレードをすり抜け、帯電部材に付着してしまうという新たな課題が発生した。これらの物質が帯電部材に付着、蓄積されると、黒スジ等の異常画像として現れるので好ましくない。
特許文献5、6には脂肪酸金属塩からなる潤滑性成分に、無機化合物の粉末からなる研磨剤が添加された構成の潤滑剤が開示されている。
しかしながら、これらの潤滑剤は機械的摺擦による像担持体のキズ低減やトナークリーニング性の向上といった効果はあるが、接触帯電方式や近接帯電方式での電気的ストレスに対する像担持体の保護性や、帯電部材の汚れを低減する効果については勘案されていない。
特許文献7には、粉体潤滑剤に混合する無機微粒子の粒径、体積比及び抵抗値を制御することで、潤滑剤が帯電部材に付着しても出力画像に現れないことを狙った構成が開示されている。
しかしながら、この構成では無機微粒子が帯電部材に付着することを前提としているため、効果の大小が画像形成装置の使用条件によって左右される。特に低温時には帯電部材の抵抗変化が大きくなるため、無機微粒子の付着部と未付着部とで抵抗差が生じてしまい、早期に異常画像が発生してしまうという問題点がある。
特開2002−156877号公報 特開2002−244516号公報 特開2004−341480号公報 特開2005−115311号公報 特開2005−91979号公報 特開2005−171107号公報 特開2006−267281号公報
こうした潤滑剤による帯電部材の汚れに対しては未だに有効な手段が確立されておらず、感光体摩耗及びクリーニング性との両立が困難となっていた。
特にプロセスカートリッジの形態においては、感光体は十分な寿命を有するにもかかわらず、帯電部材の汚れにより早期に交換が必要となってしまうなどの不具合が生じており、感光体周り部材全体での長寿命化を実現するための手段は未だに乏しいのが現状である。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、充分な像担持体表面の保護効果、特に帯電工程ならびにクリーニング工程でのストレスに対する保護効果を発現できる保護剤を使用し、かつ帯電部材の汚れを抑制することにより、良好な品質の画像を長期間に亘り安定して得ることができる画像形成方法を提供することを目的とする。
また本発明は、良好な品質の画像を安定して得ることができる画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを更なる目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、像担持体を保護しながら帯電部材の汚れを低減するためには、保護剤を薄く均一に像担持体上に塗布すると同時に、電気的ストレスにより変質した保護剤を効率的に除去することが重要課題であると認識して実験を重ね、これらの状態を実現するために最適な材料構成、及び像担持体表面層との関係が存在することを見出したのである。
この実験による知見を踏まえ、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる工程を有する画像形成方法において、前記像担持体が表面層中に微粒子を含有し、かつ前記保護剤がワックス、及び前記像担持体の表面層中に含まれる微粒子よりも平均一次粒径が小さい微粒子を含有することを特徴とする。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成方法において、前記像担持体の表面層中に含まれる微粒子と、前記保護剤中に含まれる微粒子とが、同一の化合物であることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の画像形成方法において、前記微粒子が、無機微粒子であることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の画像形成方法において、前記無機微粒子が、アルミナであることを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成方法において、前記保護剤中に含まれる微粒子の含有量が、ワックスの重量(A)と微粒子の重量(B)の和に対して、40重量%以上80重量%以下であることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、画像形成装置において、前記像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる手段を有し、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法を実施可能であることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、プロセスカートリッジにおいて、前記像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる手段を有し、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法を実施可能であることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、画像形成装置において、請求項7に記載のプロセスカートリッジを搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、像担持体の摩耗抑制とクリーニング性の向上の両立を図ることができ、異常画像の発生を抑制できるとともに、プロセスカートリッジの長寿命化を実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る、像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる手段としての保護層形成装置2の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、保護剤としての粉体状の像担持体保護剤(以下、単に「保護剤」ともいう)21、保護剤供給部材22、保護剤攪拌部材23、保護層形成機構24、保護剤収納容器25等から主に構成されている。
保護剤21は、保護剤攪拌部材23によって攪拌され、例えばブラシ状の保護剤供給部材22に汲み上げられる。保護剤供給部材22は感光体ドラム1と線速差をもって回転して摺擦し、この際に、保護剤供給部材表面に保持された保護剤を、感光体ドラム1の表面に供給する。
感光体ドラム1の表面に供給された保護剤は、物質種の選択によっては供給時に十分な保護層にならない場合があるため、より均一な保護層を形成するために、例えばブレード状の部材を持つ保護層形成機構24により薄層化され像担持体保護層となる。
保護層形成機構24は、感光体ドラム1に対して非カウンタ方向で接するブレード24aと、回動可能に軸支され、ブレード24aを支持するブレード支持体24bと、ブレード24aをブレード支持体24bと共に感光体ドラム1側へ付勢する付勢手段24cを有している。
ここでは、保護層形成機構24の付勢手段としてコイルバネを例示しているが、これに限定される趣旨ではなく、例えばゴム弾性を有する部材や板バネ、その他の弾性部材でもよい。
感光体ドラム1の回転方向における後述する転写装置よりも下流で、かつ、保護層形成装置2より上流側には、クリーニング装置4が設けられている。
クリーニング装置4は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード41aと、回動可能に軸支され、クリーニングブレード4aを支持するブレード支持体4bと、クリーニングブレード4aをブレード支持体4bと共に感光体ドラム1側へ付勢するクリーニング押圧機構4cを有している。
ここでは、クリーニング押圧機構4cとしてコイルバネを例示しているが、これに限定される趣旨ではなく、例えばゴム弾性を有する部材や板バネ、その他の弾性部材でもよい。
本実施形態においては、保護剤21として、少なくともワックス、及び像担持体表面層中に含まれる微粒子よりも平均一次粒径が小さい微粒子を含有したものを使用する。
なお、ここで言う像担持体表面層とは、感光体ドラム1の最表面の層を指す。ただし、感光体ドラム1上に保護剤が外部から塗布されて保護層が形成されている場合には、保護剤が塗布される前の感光体最表面層のことを指す。
現在一般的に広く用いられている積層型有機感光体の場合は電荷輸送層、またはオーバーコート層(一般的には保護層とも呼ばれるが、ここでは保護剤により形成される保護層と区別するためにこう呼ぶことにする)であることが多いが、もちろんこの限りではなく、例えば正帯電用感光体では電荷発生層が表面層となる場合もあるし、また単層感光体では感光層そのものが表面層になる場合もある。
保護剤21に用いられるワックスの例としては、脂肪族飽和炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素、脂環式不飽和炭化水素や芳香族炭化水素に分類される炭化水素ワックス類;カルナウバロウ、米ぬかロウ、キャンデリラロウ等の植物性天然ワックス類;蜜ロウ、雪ロウ等の動物性天然ワックス類が例として挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、分子内の結合が、反応性が低く安定した飽和結合のみからなる、脂肪族飽和炭化水素、脂環式飽和炭化水素が好ましく、中でもノルマルパラフィン、イソパラフィンおよびシクロパラフィンが、付加反応が生じ難く化学的に安定であり、実使用の大気中で酸化反応を生じにくいため、経時安定性の面で好ましく用いられる。
また特に、比較的硬質なワックスとしてフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスの少なくとも1種を含む炭化水素ワックスを用いることにより、保護層自体の耐久性を高めることができるため、像担持体表面に形成する保護層の厚みを過剰にすることなく、像担持体の保護を実現することができるため、より好ましい。
前述のように像担持体表面に形成された保護剤層は電気的ストレスに曝され、劣化するため、ワックスの分子量が小さすぎると、十分な保護効果が発現しなくなることがある。
また一方で、ワックスの分子量が大きすぎると、像担持体用保護剤成分を像担持体上に膜化させる際に、大きなずり力が必要となるため、均等な保護膜が形成されない場合がある。
ワックスの分子量を、重量平均分子量Mw基準で、350〜850の範囲とすることにより、保護効果を確実に発現させることができるため好ましく、400〜800であることが更に好ましい。
保護剤21及び像担持体表面層の両方に使用される微粒子としては、有機微粒子と無機微粒子のどちらを用いても良い。
有機微粒子材料としては、代表的な例としてポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、アクリル樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末等が挙げられ、また無機微粒子材料としては、代表的な例としてシリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化セリウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の金属チタン酸化物、マイカ、タルク、カオリン等の無機鉱物等が挙げられるが、もちろんこれらに限られるものではない。
保護剤21中に含有させる微粒子の平均一次粒径を、像担持体表面層中に含有させる微粒子のそれよりも小さくすることが必要である。なお、ここで言う平均一次粒径とは凝集状態にない微粒子そのものの粒径の平均値であり、例えば微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した観察像を画像解析し、球形に近似した粒度分布からその平均値を求める等、公知の方法を用いて得ることができる。
本発明者らの検討によると、保護剤中の微粒子の働きは主に2つあり、1つは像担持体上へのワックスの延展補助、もう一つは像担持体上に塗布された後、電気的ストレスに曝されることにより劣化したワックス、及びワックス中に取り込まれた放電生成物の除去である。
像担持体保護剤の機能を十分に発揮させるためには、保護剤で像担持体表面を均一に被覆する必要がある。本発明者らの検討によると、保護剤であるワックスを像担持体表面に均一塗布する目的に対しては、トナーやトナーの外添剤のような微粒子の作用が非常に大きく、これらの微粒子入力の有無によってワックスの被覆状態は変化する。
このため、例えば画像面積率の低い原稿を連続通紙した場合には、ワックスが均一に塗布されにくいため、保護剤としての機能が十分に発揮されずフィルミングが発生しやすいことが判ってきた。
更に、均一に塗布されるという現象をより詳細に見ていくと、微粒子の入力はワックスを延展させる作用と、塗布された後、帯電プロセスにより電気的ストレスに曝されたワックス自身を除去する作用があることが明らかになってきた。
電気的ストレスに曝された保護剤の分析から、ワックス自身が劣化していることと、ワックスが帯電プロセスにより生成されたイオン性物質を取り込んでいることも判明した。
更にこの微粒子が持つ2つの作用はワックス以外の潤滑剤、例えば脂肪酸金属塩に対してはほとんど発揮されないことも明らかとなった。図2に示すデータは、ワックス及び脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛:表中ZnSTと記載)のそれぞれに対して、平均一次粒径0.3μmのアルミナ微粒子を添加した場合と添加しなかった場合での、保護剤の塗布性及び除去性を調べた結果である。
実験としては、各保護剤をシリコーン基板上に1分間塗布した後の保護剤被覆率(延展性の評価)と、更にサンプル表面にAC帯電を30秒間印加して保護剤を劣化させた後、ゴム部材で10回摺擦したときの被覆率(除去性の評価)を分析により調べた。なお、この実験ではAC帯電条件としてVpp=2.2kV、f=900Hz、Vdc=0Vに設定した。このデータから、ワックスにアルミナ微粒子を添加したものが図中点線で示した理想の推移に最も近くなっており、アルミナ微粒子はワックスに対してのみ延展性及び除去性を促進させる作用が大きいことがわかる。理由については明確になっていないが、ワックスはステアリン酸亜鉛に比べて微粒子を取り込みにくい特性を持っているために、微粒子に期待される効果が良好に発揮されているようである。
更に、このワックスの延展性及び除去性に対して、像担持体表面層中に含有される微粒子の粒径と、保護剤中に含有させる微粒子の粒径が寄与することも明らかとなってきた。
図3、図4は図2と同様の実験条件で、Al板上に塗布した疑似感光体に対する、ワックスの塗布性及び除去性を調べた結果である。図3では疑似感光体中に平均一次粒径の異なるアルミナを、樹脂に対して20重量%含有させてある。
図4では、疑似感光体中のアルミナ粒径を0.3μmに固定しておき、ワックスに添加したアルミナ微粒子の粒径を変えている。
このデータから、保護剤中の微粒子粒径が、像担持体中の微粒子粒径よりも小さい場合に、特にワックスの延展性及び除去性に優れた効果が得られていることがわかる。
理由としては、像担持体表面層中の微粒子によって形成される像担持体表面の凹凸に対して、保護剤中の微粒子粒径が大きすぎる場合には、保護剤中の微粒子が像担持体表面に接触しない箇所が生じるために、ワックスを十分に延展、除去する作用が得にくいと考えられる。また図3から、疑似感光体中に微粒子を含む場合は、含まない場合に比べて特にワックスの延展性が増している。これは、像担持体表面の凹凸がアンカーの役割を果たし、ワックスの延展を補助しているものと考えられる。
なお、保護剤中に含有させる微粒子と像担持体表面層中に含有させる微粒子の種類は、同じ化合物であることがより好ましい。化合物の種類が異なり、例えば保護剤中の微粒子が柔らかい場合、ワックスを延展、除去する働きがやや小さくなってしまうことがある。また、保護剤中の微粒子の方が硬い場合には、像担持体表面研磨力が強くなって像担持体の摩耗が増加することがあるので注意が必要である。
更には、これら微粒子の種類として無機微粒子、中でもアルミナがワックスの延展、除去に対して特に優れた効果を示すため、本発明においてはより好ましく用いられる。
また、微粒子の平均一次粒径は、像担持体表面層中に含有させる場合は分散性、成膜性の理由から0.05〜2.0μmが好ましく、更には0.05〜1.0μmがより好ましい。従って、保護剤21中にはそれよりも平均一次粒径が小さい微粒子を含有させれば良い。
なお、保護剤21中のワックスと微粒子の混合比に関しては、微粒子の含有量が、ワックスの重量(A)と微粒子の重量(B)の和に対して、40重量%以上80重量%以下の範囲であることが好ましい。40重量%未満であると微粒子の効果が弱まるためワックス成分が像担持体上に十分延展されず、フィルミングが発生しやすくなったり、帯電ローラ汚れに対する効果が不十分であったりする。また60重量%を超えると保護剤としてのワックスの機能が不足して像担持体の摩耗が著しくなる。
像担持体表面層中に含有させる微粒子の量としては、静電特性、分散性、成膜性などの面から最適値を選べば良いが、一般的には表面層中の樹脂に対して1〜50重量%の範囲内が好ましい。像担持体表面層にこれらの微粒子を含有させるには、微粒子をボールミル、サンドミル等公知の手段で表面層塗工液中に分散させ、使用すれば良い。
これらの微粒子は像担持体(感光体ドラム1)中、保護剤21中のいずれに含有させる場合にも、単独で用いても、或いは2種以上を混合して用いても良い。また、例えば感光体塗布液中での分散性向上や、微粒子自体への撥水性付与等を目的に、これらの微粒子は表面処理剤で表面処理を行っても良い。
保護剤21としては、これらの材料を混合した粉体状の保護剤を使用するのが好ましい。以下に具体的な作製方法の一例を挙げる。
1:加熱溶融したワックスに微粒子を混合し、スターラー等で十分に攪拌する。
2:1の混合物を冷却し、固体化する。
3:2の固体状保護剤を粉砕器にて粉砕し、粉末化する。
以上の工程により、本発明の像担持体保護剤を得ることができる。
また必要に応じて、これら粉体状の保護剤を圧縮成型する等して、バー状に成型して使用することもできる。この場合、バーを保護剤供給部材22に、加圧ばね等を用いて押し当て、保護剤供給部材22でバーを削りながら保護剤21を像担持体に供給する方法が一般的である。
保護層が形成された像担持体は、例えば、図示しない高電圧電源により直流電圧もしくはこれに交流電圧を重畳させた電圧を印加した帯電ローラ3を、接触または近接させ、微小空隙での放電による像担持体の帯電が行われる。
この際、保護層の一部は電気的ストレスにより分解や酸化が生じ、また、保護層表面への気中放電生成物の付着が生じる。
劣化した保護剤は、通常のクリーニング機構により、像担持体に残存したトナー等の他成分と共にクリーニング機構により除去される。クリーニング機構は、保護層形成機構24と兼用にしても良いが、像担持体表面残存物を除去する機能と、保護層を形成する機能とは、適切な部材の摺擦状態が異なることがあるため、機能を分離し、図1に示すように保護剤供給部位より上流側に、クリーニング装置4を設けることが好ましい。
保護層形成機構24に用いるブレードの材料は、特に制限されるものではなく、例えばクリーニングブレード用材料として一般に公知の、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体を、単独またはブレンドして使用することができる。また、これらのゴムブレードは、像担持体との接点部分を低摩擦係数材料で、コーティングや含浸処理しても良い。また、弾性体の硬度を調整するために、他の有機微粒子や無機微粒子に代表される充填材を分散しても良い。
これらのブレードは、ブレード支持体に、先端部が像担持体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。ブレード厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5mm程度であれば好ましく使用でき、1〜3mm程度であれば更に好ましく使用できる。
ブレード支持体から突き出し、たわみを持たせることができるブレードの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える、力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15mm程度であれば好ましく使用でき、2〜10mm程度であれば更に好ましく使用できる。
保護層形成用ブレード部材の他の構成としては、バネ板等の弾性金属ブレード表面に、必要によりカップリング剤やプライマー成分等を介して、樹脂、ゴム、エラストマー等の層をコーティング、ディッピング等の方法で形成し、必要により熱硬化等を行い、更に必要であれば表面研摩等を施して用いても良い。
弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mm程度であれば好ましく使用でき、0.1〜1mm程度であればより好ましく使用できる。
また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施しても良い。
表面層を形成する材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に、用いることができるが、これに限定されるものではない。
保護層形成機構24で像担持体を押圧する力は、保護剤21が延展し保護層や保護膜の状態になる力で十分であり、線圧として5gf/cm以上80gf/cm以下であることが好ましく、10gf/cm以上60gf/cm以下であることがより好ましい。
ブラシ状の部材は保護剤供給部材22として好ましく用いられるが、この場合、像担持体表面への機械的ストレスを抑制するためにはブラシ繊維は可撓性を持つことが好ましい。
可撓性のブラシ繊維の具体的な材料としては、一般的に公知の材料から1種または2種以上を選択して使用する事ができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂(例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル;ナイロン;アクリル;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂);などの内、可撓性を持つ樹脂を使用することができる。
撓みの程度を調整するために、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴム等を複合して用いても良い。
保護剤供給部材22の支持体には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロール状の供給部材としては、例えばブラシ繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロールブラシとしたものがある。ブラシ繊維は繊維径10〜500μm程度、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当たり1.5×10〜4.5×108本)のものが好ましく用いられる。
保護剤供給部材22は、供給の均一性やその安定性の面から、極カブラシ密度の高い物を使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の微細な繊維から作ることも好ましい。例えば、333デシテックス=6.7デシテックス×50フィラメント(300デニール=6デニール×50フィラメント)のように6.7デシテックス(6デニール)の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛することも可能である。
ブラシ表面には必要に応じてブラシの表面形状や環境安定性などを安定化することなどを目的として、被覆層を設けても良い。
被覆層を構成する成分としては、ブラシ繊維の撓みに応じて変形することが可能な被覆層成分を用いることが好ましく、これらは、可撓性を保持し得る材料であれば、何ら限定される事無く使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);パーフルオロアルキルエーテル,ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂や、これらの複合樹脂等が挙げられる。
図5は本発明の画像形成方法を実施可能なプロセスカートリッジ構成例の概略を説明するための断面図である。
プロセスカートリッジ12には、感光体ドラム1、保護層形成装置2、帯電ローラ3、現像装置5、クリーニング装置4等が一体に収容されている。現像装置5は、現像ローラ51、現像剤を攪拌・搬送しながら循環させる搬送スクリュー52、53、トナーを収容するプリセットケース54等を有している。
感光体ドラム1は、転写工程後に部分的に劣化した像担持体保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニングブレード4aにより表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
クリーニングブレード4aは、いわゆるカウンタータイプ(リーディングタイプ)に類する角度で当接されている。
クリーニング装置4により、表面の残留トナーや劣化した像担持体保護剤が取り除かれた感光体ドラム1の表面へは、保護剤供給部材22から、像担持体保護剤21が供給され、保護層形成機構24により皮膜状の保護層が形成される。
保護層形成装置2により表面に保護層が形成された感光体ドラム1は、帯電後、レーザーなどの露光光Lによって静電潜像を形成される。この潜像は現像装置5によりトナー像として可視像化され、プロセスカートリッジ12外の転写装置としての転写ローラ6などにより、転写媒体としての中間転写ベルト105へ転写される。直接転写方式の場合には、転写媒体はシート状記録媒体である。
図6は、保護層形成装置2を有して本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置としてのタンデム型中間転写方式のカラー複写機100の一例を示す断面図である。
カラー複写機100は、装置本体101と、装置本体101の上面に設けられたスキャナ102と、該スキャナ102の上部に設けられた原稿自動搬送装置(ADF)103を有している。
装置本体101の下部には、複数の給紙カセット104a、104b、104c、104dを備えた給紙部104が設けられている。
装置本体101の略中央部には、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト105が配置されている。中間転写ベルト105は、複数の支持ローラ106、107、108等に掛け回されて支持されており、図示しない駆動源により図中時計回りに方向に回転駆動される。
支持ローラ108の近傍には、2次転写後に中間転写ベルト105上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置109が設けられている。
支持ローラ106と支持ローラ107間に張り渡された中間転写ベルト105上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成手段としてのプロセスカートリッジ12Y、12M、12C、12Kが横に並べられて配置され、タンデム画像形成部10が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定される趣旨ではない。
タンデム画像形成部10の上方には、露光装置8が配置されている。中間転写ベルト105を挟んで支持ローラ108と反対の側には、転写装置としての二次転写ローラ110が配置されている。二次転写ローラ110により中間転写ベルト105上の画像が、給紙部104から給紙されるシート(用紙)に転写される。
二次転写ローラ110の左側には、シート上の転写画像を定着する定着装置111が設けられている。定着装置111は、無端ベルト状の定着ベルト111aに加圧ローラ111bを押し当てる構成を有している。
定着装置111の下方には、上述したタンデム画像形成部10と略平行に、シートの両面に画像を記録する場合にシートを反転するシート反転装置112が備えられている。
画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行う。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される感光体ドラム1は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電装置としての帯電ローラ3(図2参照)で均一にマイナスに帯電される。
帯電ローラ3による感光体ドラム1の帯電が行われる際には、図示しない電圧印加装置から帯電ローラ3に、感光体ドラム1を所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された感光体ドラム1は、レーザー光学系等の露光装置8によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により感光体ドラム1の表面を、感光体ドラム1の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5の現像ローラ51上に供給されたトナー粒子、またはトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブに、感光体ドラム1の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧またはこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
各色に対応した感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ローラ6にて中間転写ベルト105上に重ねて転写され、給紙部104から給紙され、あるいは手差しトレイ113から給紙された紙などの転写媒体(シート)上に二次転写ローラ110により重ねトナー像(カラー画像)が一括転写される。
転写ローラ6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。
感光体ドラム1上に残存するトナー粒子は、クリーニングブレード41によって清掃され、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。
画像転写後のシートは、定着装置111へと送り込まれ、ここで熱と圧力を加えられて転写画像を定着された後、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上にスタックされる。
あるいは、図示しない切換爪で搬送路を切り換えられてシート反転装置112に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録された後、排紙ローラ対115により排紙トレイ116上に排出される。
画像転写後の中間転写ベルト105は、中間転写体クリーニング装置109により残留トナーを除去され、タンデム画像形成部10による再度の画像形成に備える。
画像形成装置としては、上述のように、現像装置が複数配置されたものを用い、複数の現像装置によって順次作製された色が異なる複数トナー像を順次一旦中間転写媒体上に順次転写した後、これを一括して紙のような転写媒体に転写した後に定着する、「タンデム型中間転写方式」のものに限定される趣旨ではなく、同様に作製された複数のトナー像を順次転写媒体上に重ねて転写した後定着する「タンデム型直接転写方式」等であってもよい。
また、上述の帯電装置は、像担持体表面に接触または近接して配設された帯電装置であることが好ましく、これにより、放電ワイヤを用いた、いわゆるコロトロンやスコロトロンと言われるコロナ放電器と比して、帯電時に発生するオゾン量を大幅に抑制することが可能となる。
しかしながら、帯電部材を像担持体表面に接触または近接して帯電を行う帯電装置では、前述のように放電が像担持体表面近傍の領域で行われるため、像担持体への電気的ストレスが大きくなりがちである。本発明の像担持体保護剤を用いた保護層形成装置を用いることにより、長期間に亘り像担持体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質の確保が可能となる。
以下、実施例を用いて更に本発明を詳細に説明するが、本発明の構成はこれに限定される趣旨ではない。なお、実施例中の「部」は全て重量部を表す。
(保護剤製造例)
表1に示す保護剤処方1〜15中のワックス、及び保護剤処方16中のステアリン酸亜鉛を蓋付きのガラス製容器に入れ、120℃に温度制御したホットスターラーにより、攪拌しつつ溶融した後、保護剤処方1〜16中の微粒子を投入し、更に20分間攪拌した。
次に、予め85℃に加熱したアルミニウム製の金型を満たすように、溶融した各保護剤処方組成物を流し込み、50℃まで室温雰囲気で放冷後、温度設定をした恒温槽にて60℃まで再加熱して、その温度で20分間保持し、その後、室温まで放冷した。
冷却後、保護剤固形物を型から外し、粉砕機にて粒径100μm以下の粒子に粉砕して粉体状の保護剤を得た。なお、保護剤15はワックスのみを溶融した後冷却粉砕して作製した。
表1において、「微粒子粒径」は「平均一次粒径」を意味する。以下の表2において同じ。
Figure 2009288726
(感光体製造例)
外径40mmのアルミニウムシリンダー上に公知の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を順次塗布・乾燥し、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
更に、下記処方のオーバーコート層塗工液中に、表2に示す感光体1〜16中の微粒子を2部混合分散して上記電荷輸送層上にスプレー塗布、乾燥し、膜厚5μmのオーバーコート層を形成して、各微粒子を表面層中に含有した感光体1〜16を作製した。なお、感光体14は下記オーバーコート層塗工液に微粒子を混合せず、そのままスプレー塗布、乾燥を行った。
<オーバーコート層塗工液>
Z型ポリカーボネート 10部
トリフェニルアミン化合物 8部
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 150部
Figure 2009288726
[実施例1]
感光体製造例の感光体1の周りに、転写工程に引き続き、カウンタータイプのクリーニングブレード、ブラシ状の保護剤供給部材、カウンターブレードタイプの保護層形成機構を、上流からこの順で設け、保護剤製造例の保護剤1を用いた保護層形成装置を有する、プロセスカートリッジを作成した。尚、帯電部材としては直径12mmの硬質樹脂ローラを用い、感光体とのギャップを50μmに調整した。
これを、上記プロセスカートリッジが搭載可能なように改造したリコー製カラーMFP imagio MP C3500に搭載し、A4版、画像面積率6%原稿5万枚の連続通紙試験を行った。
帯電条件としては−600VのDC成分に、AC成分としてVpp=3kV、周波数=1.5kHzの正弦波を重畳した交番電界を印加した。試験後の像担持体について摩耗量の測定、フィルミングの目視観察、及び帯電ローラ汚れの目視観察を行った。更に試験後の画像品質を、32℃/80%RHの高温高湿環境および10℃/15%RHの低温低湿環境にて確認し、各環境下での異常画像の有無を調べた。
高温高湿環境ではフィルミングによる画像ボケが、低温低湿環境では帯電ローラ汚れまたはクリーニング不良による黒スジが発生しやすい。
[実施例2〜4]
実施例1において、感光体1の代わりに感光体2〜4、及び保護剤1の代わりに保護剤2〜4を用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。実施例2では感光体2と保護剤2の組み合わせ、実施例3では感光体3と保護剤3の組み合わせを使用した(以下同じ)。
[実施例5]
保護剤中の微粒子と感光体表面層中の微粒子が同じ化合物であることの効果(請求項2に対応)を調べるため、実施例1において感光体1の代わりに感光体5、保護剤1の代わりに保護剤5を用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例6]
微粒子として無機化合物を用いることによる効果(請求項3に対応)を調べるため、実施例1において感光体1の代わりに感光体6、保護剤1の代わりに保護剤6を用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例7、8]
微粒子としてアルミナを用いることによる効果(請求項4に対応)を調べるため、実施例1において感光体1の代わりに感光体7、8、保護剤1の代わりに保護剤7、8を用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。
[実施例9〜11]
保護剤中の微粒子含有量を規定することによる効果(請求項5に対応)を調べるため、実施例1において感光体1の代わりに感光体9〜11、保護剤1の代わりに保護剤9〜11を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。
[比較例1〜5]
実施例1において感光体1及び保護剤1の代わりに、本発明の規定範囲外である感光体、すなわち「像担持体が表面層中に微粒子を含有し、かつ保護剤がワックス、及び像担持体の表面層中に含まれる微粒子よりも平均一次粒径が小さい微粒子を含有する」という条件を満たさない感光体12〜16及び保護剤12〜16の組み合わせを用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。
以上の結果を表3に示す。表3において「HH」は高温・高湿を、「LL」は低温・低湿を意味する。
Figure 2009288726
表3から明らかなように、像担持体表面層に微粒子を含有し、かつ像担持体保護剤がワックス、及び像担持体表面層中に含まれる微粒子よりも粒径の小さい微粒子を含有するため、感光体摩耗低減、成膜性向上、帯電部材汚れ低減の全てに対して良好な効果が得られている。
像担持体表面層中に含まれる微粒子と、像担持体保護剤中に含まれる微粒子が同一の化合物とした場合、保護剤の延展性、除去性向上及び像担持体保護効果が良好に発揮され、感光体摩耗及びフィルミングがより改善されている。
微粒子として無機微粒子、特にアルミナを使用することで、感光体摩耗及び帯電ローラ汚れが更に改善されており、感光体へのワックスの成膜性がより向上していると考えられる。
ワックスと微粒子の混合比を規定することで、全ての特性をバランス良く改善できている。
本発明の実施形態に係る保護層形成装置の概要構成図である。 微粒子を添加した場合と添加しなかった場合での、保護剤の塗布性及び除去性の実験結果を示すグラフである。 疑似感光体に対する、ワックスの塗布性及び除去性の実験結果を示すもので、保護剤中の微粒子径を固定した場合のグラフである。 疑似感光体に対する、ワックスの塗布性及び除去性の実験結果を示すもので、疑似感光体中の微粒子径を固定した場合のグラフである。 図1の保護層形成装置を有するプロセスカートリッジの概要断面図である。 図5のプロセスカートリッジを有する画像形成装置としてのカラー複写機の概要断面図である。
符号の説明
1 像担持体としての感光体ドラム
12 プロセスカートリッジ
21 保護剤

Claims (8)

  1. 像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる工程を有する画像形成方法において、
    前記像担持体が表面層中に微粒子を含有し、かつ前記保護剤がワックス、及び前記像担持体の表面層中に含まれる微粒子よりも平均一次粒径が小さい微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 請求項1記載の画像形成方法において、
    前記像担持体の表面層中に含まれる微粒子と、前記保護剤中に含まれる微粒子とが、同一の化合物であることを特徴とする画像形成方法。
  3. 請求項2記載の画像形成方法において、
    前記微粒子が、無機微粒子であることを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項3記載の画像形成方法において、
    前記無機微粒子が、アルミナであることを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の画像形成方法において、
    前記保護剤中に含まれる微粒子の含有量が、ワックスの重量(A)と微粒子の重量(B)の和に対して、40重量%以上80重量%以下であることを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる手段を有し、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法を実施可能な画像形成装置。
  7. 前記像担持体の表面に保護剤を塗布または付着させる手段を有し、請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法を実施可能なプロセスカートリッジ。
  8. 請求項7に記載のプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置。
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