JP2009287633A - 組立式クランクシャフト及びその製造方法 - Google Patents

組立式クランクシャフト及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】締結部の焼きばめによる締結力を増強して締結部の抜けを防止すること。
【解決手段】複数の分割ピース2B,2Cを締結部にて組み付けて一体に組み立ててなることで組立式クランクシャフトを製造される。ここで、締結部は、隣り合う分割ピース2B,2Cの一方に形成された穴部7と、他方に形成された軸部6とを含む。軸部6を先端へ向けて拡径する逆テーパ状に予め形成し、軸部6の付け根周囲が接触する穴部7の開口周縁に隆起部10を予め形成しておく。締結に際して、穴部7を加熱膨張させ、その膨張した穴部7に軸部6を挿入すると共に軸部6の付け根周囲を穴部7の開口周縁に押し付けて隆起部10を圧縮変形させる。その変形した隆起部10の肉の分だけ穴部7を軸部6に倣った逆テーパ状に変形させ、その後冷却により穴部7を収縮させることで、軸部6と穴部7を互いに締結して隣り合う分割ピース2B,2Cを互いに組み付ける。
【選択図】 図2

Description

この発明は、エンジンのクランクシャフトに係り、詳しくは、複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフト及びその製造方法に関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1〜4に記載される技術が知られている。特に、特許文献1には、複数の分割ピースを焼きばめにより一体に組み立ててなる焼きばめ式クランクシャフトが開示されている。このクランクシャフトは、主軸の焼きばめ部中心とジャーナル部中心を偏心させ、焼きばめ部中心をジャーナル部中心よりもクランクピン側に配置するように構成される。ここで、「焼きばめ」とは、部材の熱収縮を利用して部品相互を締結する方法であって、外側になる部品を加熱膨張させ、内側になる軸や部品と嵌め合わせることである。外側になる部品には、締めしろがつけてあるので、冷却して常温となったときに締めしろの分に相当する力で収縮ばめをすることができる。
実開昭63−171718号公報 特開2000−176724号公報 実開昭62−32205号公報 特開平11−337023号公報
ところが、特許文献1に記載のクランクシャフトでは、複数の分割ピースが単に焼きばめにより締結されるだけであったので、この締結部の強度不足が問題となった。すなわち、エンジンの運転時には、クランクシャフトに作用するピストンの運動力が焼きばめ部に作用するが、このとき焼きばめ部の締結力が締結部の抜けに対して必ずしも充分とは言えなかった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、焼きばめによる締結部の締結力を増強して締結部の抜けを防止することを可能とした組立式クランクシャフト及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトであって、締結部は、隣り合う分割ピースの一方に形成された穴部と、隣り合う分割ピースの他方に形成された軸部とを含むことと、穴部に軸部を焼きばめして締結することにより、隣り合う分割ピースが互いに組み付けられたことと、軸部は、先端へ向けて拡径する逆テーパ状をなし、締結状態において穴部が軸部に倣った逆テーパ状をなすこととを備えたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、軸部が穴部に焼きばめして締結されるので、穴部の締めしろの分に相当する収縮ばめにより軸部と穴部が強固に締結される。また、軸部が逆テーパ状をなし、締結状態において穴部が軸部に倣った逆テーパ状をなすので、軸部が穴部に引き掛かって穴部から抜け難くなる。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、軸部は、その付け根側から貫通しない穴加工が行われることで先端へ向けて拡径する逆テーパ状をなすことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、加工された穴を埋栓することにより、軸部の中に密閉空間が形成される。また、穴の分だけ軸部が肉抜きされる。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトの製造方法であって、締結部は、隣り合う分割ピースの一方に形成された穴部と、隣り合う分割ピースの他方に形成された軸部とを含み、軸部を先端へ向けて拡径する逆テーパ状に予め形成しておき、軸部の付け根周囲が接触する穴部の開口周縁に隆起部を予め形成しておき、締結に際して、穴部を加熱膨張させ、その膨張した穴部に軸部を挿入すると共に軸部の付け根周囲を穴部の開口周縁に押し付けて隆起部を圧縮変形させ、その変形した隆起部の肉の分だけ穴部を軸部に倣った逆テーパ状に変形させ、その後冷却により穴部を収縮させることにより、軸部と穴部を互いに締結して隣り合う分割ピースを互いに組み付けることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、軸部と穴部の締結に際して、加熱膨張させた穴部に軸部を挿入するので、逆テーパ状の軸部でも穴部への挿入が容易となる。また、軸部の付け根周囲を穴部の開口周縁に押し付けて隆起部を圧縮変形させ、その変形した隆起部の肉の分だけ穴部を軸部に倣った逆テーパ状に変形させ、その後冷却により穴部を収縮させるので、穴部の締めしろの分に相当する収縮ばめにより軸部と穴部が強固に締結される。また、軸部が逆テーパ状をなし、締結状態において穴部が軸部に倣った逆テーパ状をなすので、軸部が穴部に引き掛かって穴部から抜け難くなる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、軸部の付け根周囲に半径方向へ延びる少なくとも一つの溝を予め形成しておき、軸部の付け根周囲を穴部の開口周縁に押し付けたときに、隆起部の肉の一部を溝に入り込ませることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、請求項3に記載の発明の作用に加え、軸部の付け根周囲には半径方向へ延びる溝が予め形成され、軸部の付け根周囲を穴部の開口周縁に押し付けたとき、隆起部の肉の一部が溝に入り込むので、締結後に軸部と穴部の相対回転が規制される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトの製造方法であって、締結部は、隣り合う分割ピースの一方に形成された穴部と、隣り合う分割ピースの他方に形成された軸部とを含み、締結に際して、穴部の周囲を加熱して穴部を膨張させ、その膨張した穴部に軸部を挿入し、その後冷却により穴部を収縮させた後、軸部を軸部の付け根側から穴加工することにより、軸部を先端へ向けて拡径する逆テーパ状に変形させると共に穴部を軸部に倣った逆テーパ状に変形させて、軸部と穴部を互いに締結して隣り合う分割ピースを互いに組み付けることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、軸部と穴部の締結に際して、加熱膨張させた穴部に軸部を挿入するので、穴部への軸部の挿入が容易となる。また、軸部を挿入して冷却により穴部を収縮させた後、軸部を軸部の付け根側から穴加工することにより、軸部を逆テーパ状に変形させると共に穴部を軸部に倣った逆テーパ状に変形させるので、穴部の締めしろの分に相当する収縮ばめにより軸部と穴部が強固に締結される。また、軸部が逆テーパ状をなし、締結状態において穴部が軸部に倣った逆テーパ状をなすので、軸部が穴部に引き掛かって穴部から抜け難くなる。
請求項1に記載の発明によれば、焼きばめによる締結部の締結力を増強して締結部の抜けを防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、加工された穴を潤滑油の通路として活用することができ、軸部の肉抜きの分だけ分割ピースを軽量化することができる。
請求項3に記載の発明によれば、焼きばめによる締結部の締結力を増強して締結部の抜けを防止することができ、焼きばめによる製造方法として、特に工数を増やすことなく、生産性を損なうことなく、締結部の抜けの問題を払拭して低コストで組立式クランクシャフトを製造することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、隣り合う分割ピースの間で回り止め効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、焼きばめによる締結部の締結力を増強して締結部の抜けを防止することができ、焼きばめによる製造方法として、特に工数を増やすことなく、生産性を損なうことなく、締結部の抜けの問題を払拭して低コストで組立式クランクシャフトを製造することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明における組立式クランクシャフト及びその製造方法を具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。この実施形態では、本発明を4気筒エンジン用の組立式クランクシャフトに具体化して説明する。
図1に、本実施形態の組立式クランクシャフト1を側面図により示す。この組立式クランクシャフト1は、9個の分割ピース2A,2B,2C,2D,2E,2F,2G,2H,2Iを締結部3にて互いに組み付けて一体に組み立てることで構成される。図1において、左側から第1分割ピース2A、第3分割ピース2C、第5分割ピース2E及び第7分割ピース2Gは、互いに同一形状をなし、厚板状のカウンタウェイト部4と、円柱状のジャーナル部5とを備える。ジャーナル部5は、カウンタウェイト部4のほぼ中央部に配置される。ジャーナル部5の先端中央には、軸部6が突設される。軸部6は、先端へ向けて拡径する逆テーパ状をなしている。カウンタウェイト4の片端寄り位置には、穴部7が形成される。各分割ピース2A〜2Iとして、例えば、適量のカーボンを含有する「S45C」や「S35C」等の鍛造成形品を使用することができる。
図1において、左側から第2分割ピース2B、第4分割ピース2D、第6分割ピース2F及び第8分割ピース2Hは、互いに同一形状をなし、厚板状のカウンタウェイト部4と、ピン部8とを備える。ピン部8は、カウンタウェイト部4の片端寄り位置に配置される。ピン部8の先端中央には軸部6が突設される。軸部6は、上記と同様に逆テーパ状をなしている。カウンタウェイト部4の中央部には、穴部7が形成される。
図1において、右端の第9分割ピース2Iは、唯一他の分割ピース2A〜2Hと異なる形状を有する。第9分割ピース2Iは、ジャーナル部5と、ジャーナル部5の先端中央に形成された軸部6と、ジャーナル部5の基端に形成されたフランジ部9とを備える。軸部6は、上記と同様に逆テーパ状をなしている。
この実施形態において、各締結部3は、それぞれ隣り合う分割ピース2A〜2Iの一方に形成された穴部7と、隣り合う分割ピース2A〜2Iの他方に形成された軸部6とを含む。各締結部3は、それぞれ穴部7に軸部6を焼きばめして組み付けることにより締結されている。
この組立式クランクシャフト1は、第1分割ピース2Aから第9分割ピース2Iを順次組み付けることにより組み立てることができる。例えば、隣り合う第1分割ピース2Aと第2分割ピース2Bの組み付けは、第1分割ピース2Aの穴部7に第2分割ピース2Bの軸部6を焼きばめすることにより行われる。次に、隣り合う第2分割ピース2Bと第3分割ピース2Cの組み付けは、第2分割ピース2Aの穴部7に第3分割ピース2Cの軸部6を焼きばめすることにより行われる。その後、第4分割ピース2Dから第9分割ピース2Iの組み付けについても、上記と同様に行われる。
ここで、隣り合う分割ピース2A〜2Iの構成を、第2分割ピース2Bと第3分割ピース2Cを一例として以下に説明する。図2に、組み付け前の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図3に、図2の鎖線楕円S1の中を拡大断面図により示す。図4に、図2の鎖線楕円S2の中を拡大断面図により示す。図5,6に、一例として、分割ピース2Cの製作過程を側断面図により示す。
図2に示すように、各分割ピース2B,2Cの軸部6は、先端へ向けて拡径する逆テーパ状をなしている。軸部6の逆テーパの角度は、軸部6の基端外径と先端外径との外径差ΔSrに置き換えると、「10〜20μm」程度の大きさであり、実際には視認が困難な大きさである。図2に示すように、軸部6の付け根周囲が接触する穴部7の開口周縁には、隆起した隆起部10が予め形成される。ここで、図2において、穴部7の内径を「Dh」とし、隆起部10の外径を「Dr」とし、ジャーナル部5及びピン部8の外径を「Ds」とする。また、図3に示すように、隆起部10の断面積を「Ah」とし、図4に示すように、逆テーパ状の軸部6と穴部7との容積差が形成する断面積Atとすると、断面積Ahと断面積Atが同じとなるように設定される。また、隆起部10の外径Drは、各分割ピース2B,2Cを加熱により熱膨張させたときの隆起部10の外径Dyが、ジャーナル部5及びピン部8の外径Dsと同じになるような大きさに設定される。従って、隆起部10も、実際には視認が困難な大きさとなっている。
一例として、第3分割ピース2Cを製作するには、冷間鍛造により、図5に示すように、穴部7のない分割ピース粗材11を成形する。この分割ピース粗材11には、軸部6、ジャーナル部5及びカウンタウェイト部4の原形が形成される。その後、機械加工により、図6に示すように、逆テーパ状の軸部6と、穴部7と、隆起部10を有する分割ピース2Cを得る。その他の分割ピース2A,2B,2D〜2Hについても同様に製作される。
ここで、隣り合う分割ピース2A〜2Iの組み付け方法を、第2分割ピース2Bと第3分割ピース2Cの組み付けを一例として以下に説明する。その他の分割ピース2A,2D〜2Iの組み付けについても同様に行われる。図7に、第2及び第3の分割ピース2B,2Cの組み付け手順をフローチャートにより示す。図8に、加熱後の第2分割ピース2Bを側断面図により示す。図9に、組み付け途中の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図10に、組み付け途中の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図11に、冷却後の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。以下に、図7のフローチャートに付された各番号に従って順次説明する。
(1)最初に、隣り合う分割ピース2B,2Cの一方を加熱する。すなわち、この場合は、図8に示すように、穴部7を加熱膨張させるために、第2分割ピース2Bを「200〜300℃」程度の温度で加熱する。
(2)次に、隣り合う分割ピース2B,2Cを互いに組み付ける。すなわち、図9に示すように、第2分割ピース2Bの膨張した穴部7に、第3分割ピース2Cの軸部6を挿入する。このとき、穴部7は膨張していることから、逆テーパ状の軸部6であっても容易に穴部7に挿入することができる。
(3)次に、隣り合う分割ピース2B,2Cを互いに押し付ける。すなわち、図10に示すように、挿入側の第3分割ピース2Cを被挿入側の第2分割ピース2Bに押し付ける。これにより、第3分割ピース2Cの軸部6の付け根周囲を、第2分割ピース2Bの穴部7の開口周縁に押し付けて隆起部10を圧縮変形させる。これにより、その変形した隆起部10の肉の分だけ穴部7を軸部6に倣った逆テーパ状に変形させる。
(4)最後に、隣り合う分割ピース2B,2Cを冷却する。これにより、図11に示すように、第2分割ピース2Bの穴部7を収縮させて、軸部6と穴部7を互いに締結する。つまり、穴部7に軸部6を焼きばめして締結する。これにより、隣り合う分割ピース2B,2Cを互いに組み付ける。このとき、穴部7の肉が逆テーパ状の軸部6の周囲を包み込み、軸部6が穴部7に楔状に係合することとなる。
以上説明したこの実施形態の組立式クランクシャフト1によれば、各締結部3において軸部6が穴部7に焼きばめして締結されるので、穴部7の締めしろの分に相当する収縮ばめにより軸部6と穴部7が強固に締結される。また、軸部6が逆テーパ状をなし、締結状態において穴部7が軸部6に倣った逆テーパ状をなすので、軸部6が穴部7に楔状に引き掛かって穴部7から抜け難くなる。この結果、焼きばめによる締結部3の締結力を増強して締結部3の抜けを防止することができる。このため、組立式クランクシャフト1がエンジンに使用された場合に、エンジン運転時にピストンの運動力が組立式クランクシャフト1の各ジャーナル部5及び各ピン部8に作用して、軸部6が穴部7から抜ける方向に締結部3に力が加わっても、締結部3を強固な締結状態に保つことができる。
また、この実施形態の組立式クランクシャフトの製造方法によれば、軸部6と穴部7の締結に際して、加熱膨張させた穴部7に軸部6を挿入するので、逆テーパ状の軸部6であっても穴部7への挿入が容易となる。また、軸部6の付け根周囲を穴部7の開口周縁に押し付けて隆起部10を圧縮変形させ、その変形した隆起部10の肉の分だけ穴部7を軸部6に倣った逆テーパ状に変形させ、その後冷却により穴部7を収縮させるので、穴部7の締めしろの分に相当する収縮ばめにより軸部6と穴部7が強固に締結される。また、軸部6が逆テーパ状をなし、締結状態において穴部7が軸部6に倣った逆テーパ状をなすので、軸部6が穴部7に楔状に引き掛かって穴部7から抜け難くなる。このため、焼きばめによる締結部3の締結力を増強して締結部3の抜けを防止することができる。また、焼きばめによる製造方法として、特に工数を増やすことなく、生産性を損なうことなく、締結部3の抜けの問題を払拭して低コストで組立式クランクシャフト1を製造することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明における組立式クランクシャフト及びその製造方法を具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
この実施形態では、軸部6の付け根周囲の構成の点で第1実施形態と異なる。すなわち、図12に、組み付け前の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図13に、軸部6の付け根周囲を図12のB−B線断面図により示す。図14に、組み付け途中の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図15に、冷却後の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。この実施形態では、図12,13に示すように、軸部6の付け根周囲に半径方向へ延びる複数の溝12が等角度間隔をもって予め形成される。その他の分割ピース2A,2D〜2Hも同様の構成を有する。以上の点で、この実施形態は第1実施形態と構成が異なる。この実施形態における組立式クランクシャフトの製造方法は、図7のフローチャートに示す組み付け手順と同じ手順を採用する。
従って、図7のフローチャートの(3)に示す押し付けの工程では、図14に示すように、第3分割ピース2Cの軸部6の付け根周囲を、第2分割ピース2Bの穴部7の開口周縁に押し付けられたときに、隆起部10の肉の一部を各溝12に入り込ませるようにしている。
その後、図7のフローチャートの(4)に示す冷却の工程では、図15に示すように、隆起部10の肉の一部が各溝12に係合することとなり、これによって第2分割ピース2Bと第3分割ピース2Cが軸部6を中心に相対回転することを防止することができる。このため、この実施形態では、第1実施形態の作用効果に加え、隣り合う分割ピース2B,2Cの間で回り止め効果を得ることができる。その他の分割ピース2A,2D〜2Iについても同じである。
[第3実施形態]
次に、本発明における組立式クランクシャフト及びその製造方法を具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、各分割ピース2A〜2Iの構成と、組立式クランクシャフトの製造方法の点で第1及び第2の実施形態と構成が異なる。すなわち、図16に、組み付け前の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。この実施形態の各分割ピース2B,2Cは、軸部6が逆テーパ状には形成されず、単なる円柱形状をなしている。また、各分割ピース2B,2Cの穴部7の開口周縁は、隆起部10が形成されておらず、単に平坦面をなしている。その他の分割ピース2A,2D〜2Hの構成についても上記と同様である。
次に、隣り合う分割ピース2A〜2Iの組み付け方法を、第2分割ピース2Bと第3分割ピース2Cの組み付けを一例として以下に説明する。その他の分割ピース2A、2D〜2Iについても同様に組み付けられる。図17に、第2及び第3の分割ピース2B,2Cの組み付け手順をフローチャートにより示す。図18に、加熱後の組み付け状態における第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図19に、冷却後の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。図20,21に、穴加工後の第2及び第3の分割ピース2B,2Cを側断面図により示す。以下に、図17のフローチャートに付された各番号に従って順次説明する。
(1)最初に、隣り合う分割ピース2B,2Cの一方を加熱する。この場合、穴部7を加熱膨張させるために、第2分割ピース2Bを「200〜300℃」程度の温度で加熱する。
(2)次に、隣り合う分割ピース2B,2Cを互いに組み付ける。すなわち、図18に示すように、第2分割ピース2Bの膨張した穴部7に、第3分割ピース2Cの軸部6を挿入する。このとき、膨張した穴部7へは軸部8を容易に挿入することができる。
(3)次に、隣り合う分割ピース2B,2Cを冷却する。これにより、図19に示すように、第2分割ピース2Bの穴部7を収縮させて、軸部6と穴部7を互いに締結する。つまり、穴部7に軸部6を焼きばめして締結する。この状態では、穴部7と軸部6の締結強度は充分とは言えない。
(4)最後に、一方の分割ピース2Cの軸部6に穴13を加工する。すなわち、図20に示すように、第3分割ピース2Cの軸部6に対しその付け根側から貫通しない穴加工を行う。穴13の先端は、ドリル形状のように円錐状に角度がついている。この穴13の加工により、軸部6には、肉厚が大きくて剛性が強い強剛性部分14と、肉厚が小さくて剛性が弱い弱剛性部分15ができる。これら強剛性部分14と弱剛性部分15との剛性差により、図21に示すように、軸部6を先端へ向けて拡径する逆テーパ状に変形させると共に、穴部7を軸部6に倣った逆テーパ状に変形させる。このように、穴部7の肉が逆テーパ状の軸部6の周囲を包み込み、軸部6が穴部7に楔状に係合することとなる。これにより、軸部6と穴部7を互いに締結して隣り合う分割ピース2B,2Cを互いに組み付ける。その他の分割ピース2A,2D〜2Iについても上記と同様に組み付けられる。
なお、この実施形態における各分割ピース2A〜2Iの軸部6の外径は、穴部7の内径、焼きばめ代、ジャーナル部5又はピン部8の外径等によって変わるが、機械加工後に軸部6と穴部7が充分に変形する大きさにすればよい。
従って、この実施形態の組立式クランクシャフトによっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。加えて、この実施形態の組立式クランクシャフトの製造方法によれば、加熱膨張させた穴部7に軸部6を挿入するので、穴部7への軸部6の挿入が容易となる。また、軸部6を挿入して冷却により穴部7を収縮させた後、軸部6を軸部6の付け根側から穴加工することにより、軸部6を逆テーパ状に変形させると共に、穴部7を軸部6に倣った逆テーパ状に変形させるので、穴部7の締めしろの分に相当する収縮ばめにより軸部6と穴部7が強固に締結される。また、軸部6が逆テーパ状をなし、締結状態において穴部7が軸部6に倣った逆テーパ状をなすので、軸部6が穴部7に楔状に引き掛かって穴部7から抜け難くなる。ここで、軸部6の穴加工の工程は、第1実施形態において軸部6を予め逆テーパ状に加工する工程を考慮に入れれば、本実施形態の工数としては、第1実施形態の工数と変わりない。このため、焼きばめによる締結部3の締結力を増強して締結部3の抜けを防止することができる。また、焼きばめによる製造方法として、特に工数を増やすことなく、生産性を損なうことなく、締結部3の抜けの問題を払拭して低コストで組立式クランクシャフトを製造することができる。
また、この実施形態では、機械加工された穴13を埋栓をすることにより、軸部6の中に密閉空間が形成される。従って、この密閉空間を潤滑油の通路として活用することができる。また、穴13の分だけ軸部6が肉抜きされるので、軸部6の肉抜きの分だけ各分割ピース2A〜2Hを軽量化することができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して次のように実施することもできる。
前記実施形態では、本発明を4気筒用エンジンのための組立式クランクシャフト1に具体化したが、本発明を4気筒以外の気筒数のエンジンのための組立式クランクシャフトに具体化することもできる。
前記第3実施形態では、図21に示すように、軸部6に空けた穴13の先端を単に円錐状に角度を付けただけとしたが、図22に示すように、穴13の先端近傍に拡径部16を設けてもよい。この拡径部16があることで、軸部6の付け根付近の括れを大きくすることができ、穴部7に対する軸部6の引き掛かり度合いを大きくすることができる。図22には、軸部6の穴13の形状を第3分割ピース2Cの一部側断面図により示す。
第1実施形態に係り、組立式クランクシャフトを示す側面図。 同じく、組み付け前の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、図2の鎖線楕円の中を示す拡大断面図。 同じく、図2の鎖線楕円の中を示す拡大断面図。 同じく、分割ピースの製作過程を示す側断面図。 同じく、分割ピースの製作過程を示す側断面図。 同じく、第2及び第3の分割ピースの組み付け手順を示すフローチャート。 同じく、加熱後の第2分割ピースを示す側断面図。 同じく、組み付け途中の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、組み付け途中の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、冷却後の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 第2実施形態に係り、組み付け前の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、軸部の付け根周囲を示す図12のB−B線断面図。 同じく、組み付け途中の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、冷却後の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 第3実施形態に係り、組み付け前の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、第2及び第3の分割ピースの組み付け手順を示すフローチャート。 同じく、加熱後の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、冷却後の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、穴加工後の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 同じく、穴加工後の第2及び第3の分割ピースを示す側断面図。 別の実施形態に係り、軸部の穴を示す分割ピースの一部側断面図。
符号の説明
1 組立式クランクシャフト
2A 第1分割ピース
2B 第2分割ピース
2C 第3分割ピース
2D 第4分割ピース
2E 第5分割ピース
2F 第6分割ピース
2G 第7分割ピース
2H 第8分割ピース
2I 第9分割ピース
3 締結部
6 軸部
7 穴部
10 隆起部
12 溝
13 穴

Claims (5)

  1. 複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトであって、
    前記締結部は、隣り合う分割ピースの一方に形成された穴部と、前記隣り合う分割ピースの他方に形成された軸部とを含むことと、
    前記穴部に前記軸部を焼きばめして締結することにより、前記隣り合う分割ピースが互いに組み付けられたことと、
    前記軸部は、先端へ向けて拡径する逆テーパ状をなし、締結状態において前記穴部が前記軸部に倣った逆テーパ状をなすことと
    を備えたことを特徴とする組立式クランクシャフト。
  2. 前記軸部は、その付け根側から貫通しない穴加工が行われることで先端へ向けて拡径する逆テーパ状をなすことを特徴とする請求項1に記載の組立式クランクシャフト。
  3. 複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトの製造方法であって、
    前記締結部は、隣り合う分割ピースの一方に形成された穴部と、前記隣り合う分割ピースの他方に形成された軸部とを含み、前記軸部を先端へ向けて拡径する逆テーパ状に予め形成しておき、前記軸部の付け根周囲が接触する前記穴部の開口周縁に隆起部を予め形成しておき、
    締結に際して、前記穴部を加熱膨張させ、その膨張した穴部に前記軸部を挿入すると共に前記軸部の付け根周囲を前記穴部の開口周縁に押し付けて前記隆起部を圧縮変形させ、その変形した隆起部の肉の分だけ前記穴部を前記軸部に倣った逆テーパ状に変形させ、その後冷却により前記穴部を収縮させることにより、前記軸部と前記穴部を互いに締結して前記隣り合う分割ピースを互いに組み付ける
    ことを特徴とする組立式クランクシャフトの製造方法。
  4. 前記軸部の付け根周囲に半径方向へ延びる少なくとも一つの溝を予め形成しておき、前記軸部の付け根周囲を前記穴部の開口周縁に押し付けたときに、前記隆起部の肉の一部を前記溝に入り込ませることを特徴とする請求項3に記載の組立式クランクシャフトの製造方法。
  5. 複数の分割ピースを締結部にて互いに組み付けて一体に組み立ててなる組立式クランクシャフトの製造方法であって、
    前記締結部は、隣り合う分割ピースの一方に形成された穴部と、前記隣り合う分割ピースの他方に形成された軸部とを含み、
    締結に際して、前記穴部の周囲を加熱して前記穴部を膨張させ、その膨張した穴部に前記軸部を挿入し、その後冷却により前記穴部を収縮させた後、前記軸部を前記軸部の付け根側から穴加工することにより、前記軸部を先端へ向けて拡径する逆テーパ状に変形させると共に前記穴部を前記軸部に倣った逆テーパ状に変形させて、前記軸部と前記穴部を互いに締結して前記隣り合う分割ピースを互いに組み付ける
    ことを特徴とする組立式クランクシャフトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014022072A1 (en) * 2012-07-30 2014-02-06 Smiths Medical Asd, Inc. Reverse taper mounting of separate components and coupling of devices with reverse taper fittings

Cited By (2)

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