JP2009284627A - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷が過大となった場合でもインバータの過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる電動機駆動装置を提供する。
【解決手段】半導体スイッチング素子のブリッジ構成からなり、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して複数相の電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の誘起電圧に対して所定の位相差の電動機電流が流れるようにインバータに駆動信号を与えるインバータ制御手段とを備え、インバータ制御手段は、電動機電流の最大値が予め設定された第1の電流設定値を超える場合には、第1の所定期間が経過するまで所定の時間変化率で位相差を減少させるものである。これにより、電動機の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータの過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機駆動装置に関し、さらに詳しくは、ブラシレスDCモータなどの電動機を任意の回転数で駆動する電動機駆動装置に関する。
近年、空気調和機における圧縮機などの電動機を駆動する装置においては、地球環境保護の観点から消費電力を低減する必要性が大きくなっている。その中で、省電力の技術の一つとして、ブラシレスDCモータのような高効率な電動機を任意の周波数で駆動するインバータなどが広く一般に使用されている。さらに、駆動する技術としては、矩形波状の電流により駆動を行う矩形波駆動に対して、より効率が高く、騒音も低くすることが可能な正弦波駆動技術が注目されている。
空気調和機における圧縮機に備えられた電動機を駆動する場合、電動機の回転子の位置を検出するセンサを取りつけることが困難であるため、回転子の位置を何らかの方法で推定しながら駆動を行う位置センサレス正弦波駆動の技術が考案されている。回転子の位置を推定する方法としては、電動機の固定子巻線に生ずる誘起電圧を推定することにより行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図6に特許文献1の電動機駆動装置のシステム構成を示す。この電動機駆動装置は、複数のスイッチング素子4ap〜4fpと対をなす還流ダイオード5ap〜5fpからなるインバータ4pと、電流検出部8p、正弦波駆動部9p、PWM信号生成部10p、誘起電圧推定部11p、位置速度推定部12pから構成されるインバータ制御部7pとを備え、交流電源1pからの入力電圧は整流回路2pで直流に整流され、その直流電圧はインバータ4pにより3相の交流電圧に変換され、それによりブラシレスDCモータである電動機3pが駆動される。
ここで、誘起電圧推定部11pは、電流検出値と電圧指令値とに基づいて、電動機3pの固定子巻線の各相に生じる誘起電圧を推定し、誘起電圧推定値として出力する。位置速度推定部12pは、誘起電圧推定値を用いて、電動機3pの回転子の磁極位置および回転速度を推定し、それぞれ磁極位置推定値、回転速度推定値として出力する。電流検出器6ap、6bpおよび電流検出部8pは、電動機3pの電流検出値を出力する。正弦波駆動部9pは、目標回転速度と回転速度推定値との差を速度誤差として算出し、その速度誤差と、電流検出値と、磁極位置推定値とから、電動機3pの電圧指令値を演算する。PWM信号生成部10pは、電圧指令値に基づいてインバータ4pのスイッチング素子4ap〜4fpを動作させるための駆動信号を生成する。
なお、正弦波駆動部9pの動作は次の通りである。外部から与えられる電動機3pの目標回転速度と回転速度推定値との速度誤差がゼロになるように、PI制御により電流指令振幅を求める。この電流指令振幅と、0〜90[deg](0〜π/2[rad])の範囲における予め設定された電流位相とを用い、dq軸電流指令を求める。ここで、電流位相は、例えば電動機3pの回転速度推定値などで一義的に決定された目標値を持たせて、目標通りに動作するように設定する。
一般的には、電動機3pの最大回転数を引き上げるために、この電流位相を大きくすることで電動機3pの界磁磁束を弱めて電動機3pの印加電圧を抑制する手法、いわゆる弱め界磁制御がよく知られている。電動機3pの界磁磁束を弱めると、電動機3pの運転効率が低下し、電動機電流は増加する。
また、固定子巻線の相電流指令は、dq軸電流指令と磁極位置推定値とを用い、2相−3相変換を行うことで求められる。ここで、相電流指令値と電流検出器6ap、6bpおよび電流検出部8pから得られる相電流検出値との電流誤差がゼロとなるように、PI制御により相電圧指令を演算する。
このように、従来の電動機駆動装置は、相電圧方程式に基づいたモデルにより導出された誘起電圧推定値と誘起電圧基準値との偏差を用いて磁極位置推定値を生成し、正弦波状の相電流を流すことで位置センサレス正弦波駆動を実現している。
特開2000−350489号公報
しかしながら、上述した従来の構成では、電動機3pの運転状況に応じて電流位相を変更する構成を備えていない。このため、特に弱め界磁制御の効果を高めるために予め設定された電流位相が大きい場合で、電動機3pの負荷が過大となった場合には、電動機3pの電流値が過大となる。その結果、インバータ4pのパワー素子などを保護するため過電流停止に至り、電動機3pの駆動を維持することが出来ないという課題を有していた。
本発明は、上述した従来の課題を解決するもので、電動機3pの電流最大値に応じて予め設定された誘起電圧に対する電動機電流の位相差(電流位相)を変更し、負荷が過大となった場合でもインバータ4pの過電流停止を防止して、電動機3pの駆動を維持することができる電動機駆動装置を提供することを目的とする。
上述した従来の課題を解決するために、本発明の電動機駆動装置は、直流電力を交流電力に変換し、複数相の電動機へ供給するインバータと、前記電動機に流れる電動機電流を検出する電流検出手段を含み、電動機電流に基づいて前記電動機の誘起電圧を特定し、特定された誘起電圧に対して所望の位相差の電動機電流が流れるように前記インバータを制御するインバータ制御手段と、を有し、前記インバータ制御手段は、電動機電流が第1所定値を超えると、位相差を減少させている。
これによって、負荷が過大となった場合には、予め設定された誘起電圧に対する電動機電流の位相差(電流位相)を減少させることで、電動機の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータの過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。
本発明の電動機駆動装置によれば、負荷が過大となって電動機の電流ピーク値が電流設定値を超える場合には、所定期間が経過するまで所定の時間変化率で誘起電圧に対する電流の位相差(電流位相)を減少させる。これにより、電動機の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータの過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。特に、弱め界磁制御の効果を高めるために、予め設定された電流位相が大きい場合に有効である。
第1の観点によれば、本発明の電動機駆動装置は、半導体スイッチング素子のブリッジ構成からなり、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して複数相の電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の誘起電圧に対して所定の位相差の電動機電流が流れるようにインバータに駆動信号を与えるインバータ制御手段とを備え、インバータ制御手段は、電動機電流の最大値が予め設定された第1の電流設定値を超える場合には、第1の所定期間が経過するまで所定の時間変化率で前記位相差を減少させるものである。これにより、負荷が過大となった場合には、予め設定された誘起電圧に対する電動機電流の位相差(電流位相)を減少させることで、電動機の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータの過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。
第2の観点によれば、本発明の電動機駆動装置は、半導体スイッチング素子のブリッジ構成からなり、直流電力を所望の周波数、電圧の交流電力に変換して複数相の電動機にその電力を供給するインバータと、電動機の誘起電圧に対して所定の位相差の電動機電流が流れるようにインバータに駆動信号を与えるインバータ制御手段とを備え、インバータ制御手段は、電動機電流の最大値が予め設定された第1の電流設定値を超える場合には、第1の電流設定値よりも小さな値で設定された第2の電流設定値以下となるまで所定の時間変化率で前記位相差を減少させるものである。これにより、負荷が過大となった場合には、予め設定された誘起電圧に対する電動機電流の位相差(電流位相)を減少させることで、電動機の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータの過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。
第3の観点によれば、本発明の電動機駆動装置は、特に第1または第2の観点において、インバータ制御手段は、予め設定された位相差の下限値を備え、位相差が下限値以上の場合のみ位相差を減少させるものである。これにより、予め設定された誘起電圧に対する電動機電流の位相差(電流位相)を過大に減少させて遅れ位相となることで、電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
第4の観点によれば、本発明の電動機駆動装置は、特に第1〜3の観点において、インバータ制御手段は、位相差を減少させた後、位相差が予め設定された位相差目標値よりも小さい場合には、第2の所定期間が経過するまで位相差を増加させないものである。これにより、電動機電流が急激に変化して電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
第5の観点によれば、本発明の電動機駆動装置は、特に第1〜4の観点において、インバータ制御手段は、電動機の固定子巻線に流れる電動機電流を検出する電流検出手段と、電動機に印加される電動機電圧と電動機電流とから電動機に発生する誘起電圧を特定する誘起電圧特定手段と、誘起電圧に基づいて、電動機の回転子の磁極位置および回転速度を推定する位置速度推定手段とを備えるものである。これにより、エンコーダやレゾルバ等の、回転子の磁極位置を検出する位置センサが不要となるため、コスト低減と信頼性向上とを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において、実質的に同一の構成、動作、および効果を表す要素については、同一の符号を付す。また、以下において記述される数字は、すべて本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。さらに、ハイ/ローにより表される論理レベルは、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、例示された論理レベルの異なる組み合わせにより、同等な結果を得ることも可能である。また、構成要素間の接続関係は、本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。さらに、以下の実施の形態は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いて構成されるが、ハードウェアを用いる構成は、ソフトウェアを用いても構成可能であり、ソフトウェアを用いる構成は、ハードウェアを用いても構成可能である。
(実施の形態1)
図1は、本発明による実施の形態1における電動機駆動装置のシステム構成を示すブロック図である。実施の形態1の電動機駆動装置は、交流電源1、整流回路2、インバータ4、インバータ制御部7、および電動機3を含む。インバータ4は、複数のスイッチング素子4a、4b、4c、4d、4e、4f、およびそれぞれ対をなす還流ダイオード5a、5b、5c、5d、5e、5fを含む。スイッチング素子4a、4b、4c、4d、4e、4fは、いわゆるブリッジ状に構成される。インバータ制御部7は、電流検出部8、正弦波駆動部9、PWM信号生成部10、誘起電圧推定部11、位置速度推定部12、電流位相設定部13、電流ピーク値監視部14、および経過時間計測部15を含む。
誘起電圧推定部11は誘起電圧特定部とも呼ばれ、電流ピーク値監視部14は補正要求信号生成部とも呼ばれ、電流位相設定部13は位相差設定部とも呼ばれる。位置速度推定部12、正弦波駆動部9、およびPWM信号生成部10は、制御部を構成する。
整流回路2は、交流電源1からの交流入力電圧を直流電圧に整流する。インバータ4は、この直流電圧を3相の交流電圧に変換し、ブラシレスDCモータを表す電動機3へ供給することにより、電動機3を駆動する。
電流検出器6a、6bおよび電流検出部8は、電動機3に流れる電動機電流を検出し、電流検出値(iu、iv、iw)を出力する電流検出手段を構成する。誘起電圧である誘起電圧推定部11は、電流検出値(iu、iv、iw)と電圧指令値(vu*、vv*、vw*)とに基づいて、電動機3の固定子巻線の各相に生じる誘起電圧を推定し(すなわち特定し)、誘起電圧推定値(eu、ev、ew)として出力する。誘起電圧推定値(eu、ev、ew)は、誘起電圧特定値とも呼ばれる。位置速度推定手段である位置速度推定部12は、誘起電圧推定値(eu、ev、ew)を用いて、電動機3の回転子の磁極位置および回転速度を推定し、それぞれ磁極位置推定値θ、回転速度推定値ωとして出力する。正弦波駆動部9は、目標回転速度ω*と回転速度推定値ωとの差を速度誤差として算出し、その速度誤差と、電流検出値(iu、iv、iw)と、磁極位置推定値θとから、電動機3の電圧指令値(vu*、vv*、vw*)を演算する。PWM信号生成部10は、電圧指令値(vu*、vv*、vw*)に基づいてインバータ4のスイッチング素子4a〜4fを動作させるための駆動信号を生成し、駆動信号を用いてインバータ4を制御する。
すなはち、インバータ制御部7は、推定された誘起電圧に対して所望の位相差の電動機電流が流れるようにインバータ4を制御する。
正弦波駆動部9の動作は次の通りである。外部から与えられる電動機3の目標回転速度ω*と回転速度推定値ωとの速度誤差がゼロになるように、式(1)で表されるPI制御により電流指令振幅I*を求める。
I*=KPW・(ω*−ω)+KIW・Σ(ω*−ω) (1)
式(1)の演算により求められる電流指令振幅I*と、0〜90[deg](0〜π/2[rad])の範囲における予め設定された電流位相βTとを用い、式(2)、(3)の演算により、dq軸電流指令(id*、iq*)を求める。
id*=−I*・sin(βT) (2)
iq*=I*・cos(βT) (3)
ここで、電流位相βTは、誘起電圧に対する電動機電流の位相差の指令値を表し、単に位相差とも呼ばれる。電流位相βTは、例えば電動機3の回転速度推定値ωなどで一義的に決定された目標値を持たせて、目標通りに動作するように設定する。
一般的には、電動機3の最大回転数を引き上げるために、この電流位相βTを大きくすることで電動機3の界磁磁束を弱めて電動機3の印加電圧を抑制する手法、いわゆる弱め界磁制御がよく知られている。電動機3の界磁磁束を弱めると、電動機3の運転効率が低下し、電動機電流は増加する。
また、固定子巻線の相電流指令(iu*、iv*、iw*)は、dq軸電流指令(id*、iq*)と磁極位置推定値θとを用い、式(4)〜(6)の演算により、2相−3相変換を行うことで求められる。2相−3相変換については説明を省略する。
iu*={√(2/3)}・{id*・cosθ}
−iq*・sinθ} (4)
iv*={√(2/3)}・{id*・cos(θ−2π/3)
−iq*・sin(θ−2π/3)} (5)
iw*={√(2/3)}・{id*・cos(θ+2π/3)
−iq*・sin(θ+2π/3)} (6)
ここで、相電流指令値(iu*、iv*、iw*)と電流検出器6a、6bおよび電流検出部8から得られる相電流検出値(iu、iv、iw)との電流誤差がゼロとなるように、電流制御ゲイン(KKn:比例ゲイン、KIKn:積分ゲイン、n=1、2、3(3相分))を用い、式(7)〜式(9)で表されるPI制御により相電圧指令(vu*、vv*、vw*)を演算する。
vu*=KPK1・(iu*−iu)+KIK1・Σ(iu*−iu) (7)
vv*=KPK2・(iv*−iv)+KIK2・Σ(iv*−iv) (8)
vw*=KPK3・(iw*−iw)+KIK3・Σ(iw*−iw) (9)
なお、相電流検出値(iu、iv、iw)を3相−2相変換してdq軸電流検出値(id、iq)を求め、dq軸電流指令(id*、iq*)とdq軸電流検出値(id、iq)との電流誤差がゼロとなるよう、PI制御によってdq軸電圧指令(vd*、vq*)を求め、dq軸電圧指令(vd*、vq*)を2相−3相変換して相電圧指令(vu*、vv*、vw*)を求めても良い。3相−2相変換についても説明を省略する。
具体的には、dq軸電流検出値(id、iq)は、式(10)、(11)の演算により求められる。
id={√(2)}・{iu・sin(θ+π/3)+iv・sinθ} (10)
iq={√(2)}・{iu・cos(θ+π/3)+iv・cosθ} (11)
dq軸電圧指令(vd*、vq*)は、電流制御ゲイン(KPD:d軸電流比例ゲイン、KID:d軸電流積分ゲイン、KPQ:q軸電流比例ゲイン、KIQ:q軸電流積分ゲイン)を用い、式(12)、(13)の演算により求められる。
vd*=KPD・(id*−id)+KID・Σ(id*−id) (12)
vq*=KPQ・(iq*−iq)+KIQ・Σ(iq*−iq) (13)
そこで、相電圧指令(vu*、vv*、vw*)は、dq軸電圧指令(vd*、vq*)を2相−3相変換することにより、式(14)〜(16)の演算により求められる。
vu*={√(2/3)}・{vd*・cosθ
−vq*・sinθ} (14)
vv*={√(2/3)}・{vd*・cos(θ−2π/3)
−vq*・sin(θ−2π/3)} (15)
vw*={√(2/3)}・{vd*・cos(θ+2π/3)
−vq*・sin(θ+2π/3)} (16)
次に、誘起電圧推定部11による電動機3の誘起電圧の推定方法について説明する。まず、各相の誘起電圧推定値(eu、ev、ew)は、相電流検出値(iu、iv、iw)と、相電圧指令(vu*、vv*、vw*)を用い、式(17)〜(19)の演算により求められる。
eu=vu*−R・iu−L・d(iu)/dt (17)
ev=vv*−R・iv−L・d(iv)/dt (18)
ew=vw*−R・iw−L・d(iw)/dt (19)
ここで、Rは電動機3の巻線1相あたりの抵抗、Lはそのインダクタンスである。d(iu)/dt、d(iv)/dt、d(iw)/dtはそれぞれiu、iv、iwの時間微分である。式(17)〜(19)を展開すると、式(20)〜(22)が得られる。
eu=vu*−R・iu
−(la+La)・d(iu)/dt
−Las・cos(2θ)・d(iu)/dt
−Las・iu・d{cos(2θ)}/dt
+0.5・La・d(iv)/dt
−Las・cos(2θ―2π/3)・d(iv)/dt
−Las・iv・d{cos(2θ―2π/3)}/dt
+0.5・La・d(iw)/dt
−Las・cos(2θ+2π/3)・d(iw)/dt
−Las・iw・d{cos(2θ+2π/3)}/dt (20)
ev=vv*−R・iv
−(la+La)・d(iv)/dt
−Las・cos(2θ+2π/3)・d(iv)/dt
−Las・iv・d{cos(2θ+2π/3)}/dt
+0.5・La・d(iw)/dt
−Las・cos(2θ)・d(iw)/dt
−Las・iw・d{cos(2θ)}/dt
+0.5・La・d(iu)/dt
−Las・cos(2θ―2π/3)・d(iu)/dt
−Las・iu・d{cos(2θ―2π/3)}/dt (21)
ew=vw*−R・iw
−(la+La)・d(iw)/dt
−Las・cos(2θ―2π/3)・d(iw)/dt
−Las・iw・d{cos(2θ−2π/3)}/dt
+0.5・La・d(iu)/dt
−Las・cos(2θ+2π/3)・d(iu)/dt
−Las・iu・d{cos(2θ+2π/3)}/dt
+0.5・La・d(iv)/dt
−Las・cos(2θ)・d(iv)/dt
−Las・iv・d{cos(2θ)}/dt (22)
ここで、Rは巻線1相あたりの抵抗、laは巻線1相あたりの漏れインダクタンス、Laは巻線1相あたりの有効インダクタンスの平均値、Lasは巻線1相あたりの有効インダクタンスの振幅である。d(iu)/dt、d(iv)/dt、d(iw)/dtは、1次オイラー近似で求める。
u相電流iuは、v相電流ivとw相電流iwとの和を求め、その符号を変えることにより得られる値とする。ここで、相電流検出値(iu、iv、iw)が正弦波であると仮定し、電流指令振幅I*と電流位相βTとを用い、相電流検出値(iu、iv、iw)を簡略化すると、以下に示す式(23)〜(25)が得られる。
eu=vu*+R・I*・sin(θ+βT)
+1.5・(la+La)・cos(θ+βT)
−1.5・Las・cos(θ―βT) (23)
ev=vv*+R・I*・sin(θ+βT−2π/3)
+1.5・(la+La)・cos(θ+βT−2π/3)
−1.5・Las・cos(θ―βT−2π/3) (24)
ew=vw*+R・I*・sin(θ+βT+2π/3)
+1.5・(la+La)・cos(θ+βT+2π/3)
−1.5・Las・cos(θ―βT+2π/3) (25)
これらの式を用いて、誘起電圧推定部11は、誘起電圧推定値(eu、ev、ew)を求める。
位置速度推定部12は、各相の誘起電圧基準値(eum、evm、ewm)を、次に示す3つの式によりそれぞれ求める。ここで、誘起電圧振幅値emは、eu、ev、ewの振幅値と一致させることで求められる。
eum=em・sin(θ+βT) (26)
evm=em・sin(θ+βT−2π/3) (27)
ewm=em・sin(θ+βT+2π/3) (28)
このようにして求めた誘起電圧基準値esmと、誘起電圧推定値esとの偏差εを求める。ここで、esmは、eum、evm、または、ewmを意味し、esは、eu、ev、または、ewを意味する
ε=es−esm (s=u、v、または、w) (29)
この偏差εが0になれば磁極位置推定値θが真値となるので、偏差εを0に収束させるように、偏差εを用いたPI演算などを行って、磁極位置推定値θが求められる。また、磁極位置推定値θの変動値を演算することにより、回転速度推定値ωが求められる。
このように、実施の形態1の電動機駆動装置は、相電圧方程式に基づいたモデルにより導出された誘起電圧推定値と誘起電圧基準値との偏差εを用いて磁極位置推定値θを生成し、正弦波状の相電流を流すことで位置センサレス正弦波駆動を実現している。
さらに、電流ピーク値監視部14は、電流検出部8から得られる相電流検出値(iu、iv、iw)のピーク値(例えば、各相電流検出値の絶対値を取って導出する)が予め設定された電流設定値Is1を超えると、電流位相補正の要求信号S14を出力する(ハイレベルにする)。経過時間計測部15は、電流位相補正の要求信号S14が出力された時点から所定期間Ts1経過した時点を表す経過時間信号S15Bを出力する。電流ピーク値監視部14は、経過時間信号S15Bが出力されると、電流位相補正の要求信号S14の出力を停止する(リセットする、またはローレベルにする)。経過時間計測部15は、さらに、電流位相補正の要求信号S14の出力が停止された時点から所定期間Ts2経過した時点を表す経過時間信号S15Aを出力する。電流位相設定部13は、電流ピーク値監視部14から出力される電流位相補正の要求信号S14を受けて、電流位相βTの目標値βT1、電流位相βTの下限値βT0、および経過時間信号S15Aに基づき、電流位相βTを設定する。正弦波駆動部9は、電流位相設定部13から出力された電流位相βTに基づいて、式(2)、式(3)、および式(23)〜式(28)の演算を行う。
電流位相βTの目標値βT1は、インバータ制御部7に含まれる電流位相目標値設定部(図示されていない)により設定される。電流位相βTは単に位相差とも呼ばれ、電流位相目標値設定部は位相差目標値設定部とも呼ばれる。
次に、電流ピーク監視部14と電流位相設定部13の具体的な動作について、特に、電流位相βTが目標通りに設定されている状態で、時間が経過するにつれて電動機3の負荷トルクが増大する場合について、図3および図4を用いて説明する。図3および図4は、上から順番に、電動機3の負荷トルク、電動機3の電流ピーク値、電流ピーク監視部14の出力である電流位相補正の要求信号S14、および電流位相設定部13から出力された電流位相βTについて、波形の時間変化をそれぞれ示している。図3は電流位相βTの目標値βT1が一定の場合を示し、図4は電流位相βTの目標値βT1が変化する場合を示す。
図3において、電流ピーク監視部14は、時点Ta0にて電流ピーク値が電流設定値Is1を超えた場合、電流位相補正の要求信号S14を出力する(ハイレベルにする)。経過時間計測部15は、電流位相補正の要求信号S14に基づき、時点Ta0から所定期間Ts1経過後の時点Ta1にて経過時間信号S15Bを出力する。電流ピーク監視部14は、経過時間信号S15Bに基づき、電流位相補正の要求信号S14をローレベルにする。経過時間計測部15は、電流位相補正の要求信号S14がローレベルになった時点Ta1から所定期間Ts2経過後の時点Ta2にて経過時間信号S15Aを出力する。電流位相設定部13は、要求信号S14が出力されている間(ハイレベルの間)、所定の時間変化率で電流位相βTを減少させ、これにより電流ピーク値を減少させる(時点Ta0〜Ta1)。所定期間Ts1が経過した後は、電流位相設定部13は、要求信号S14の出力停止(ローレベル)を受けて、電流位相βTの減少を停止させ、電流位相βTが目標値βT1よりも小さいため、電流位相βTを時点Ta1の値に維持する(時点Ta1〜Ta2)。すなわち、電流位相設定部13は、電流位相βTの増加を停止させる。所定期間Ts2が経過した後は、電流位相設定部13は、経過時間信号S15Aの出力を受けて、目標値βT1に一致させるように電流位相βTを増加させるため、電流ピーク値は増加する(時点Ta2〜Ta3)。時点Ta3にて再度電流ピーク値が電流設定値Is1を超えた場合、前述の動作を繰り返す。
また、図4において、電流ピーク監視部14は、時点Tb0にて電流ピーク値が電流設定値Is1を超えた場合、電流位相補正の要求信号S14を出力する(ハイレベルにする)。経過時間計測部15は、電流位相補正の要求信号S14に基づき、時点Ta0から所定期間Ts1経過後の時点Ta1にて経過時間信号S15Bを出力する。電流ピーク監視部14は、経過時間信号S15Bに基づき、電流位相補正の要求信号S14をローレベルにする。経過時間計測部15は、電流位相補正の要求信号S14がローレベルになった時点Ta1から所定期間Ts2経過後の時点Ta2にて経過時間信号S15Aを出力する。電流位相設定部13は、要求信号S14が出力されている間(ハイレベルの間)、所定の時間変化率で電流位相βTを減少させ、これにより電流ピーク値を減少させる(時点Tb0〜Tb1)。所定期間Ts1が経過した後は、電流位相設定部13は、要求信号S14の出力停止(ローレベル)を受けて、電流位相βTの減少を停止させ、電流位相βTが目標値βT1よりも小さいため、電流位相βTを時点Tb1の値に維持する(時点Tb1〜Tb11)。すなわち、電流位相設定部13は、電流位相βTの増加を停止させる。時点Tb11にて電流位相βTの目標値βT1が電流位相βTよりも値が小さくなるように変化すると、電流位相設定部13は、経過時間信号S15Aの出力を受けていなくても(所定期間Ts2が経過していなくても)、目標値βT1に一致させるように電流位相βTを減少させ、電流位相βTを目標値βT1に維持する(時点Tb11以降)。時点Tb11以降で再度電流ピーク値が電流設定値Is1を超えた場合、前述の動作を繰り返す。
図3および図4において、電流位相設定部13は、電流ピーク値監視部14から出力される電流位相補正の要求信号S14を受けて、電流位相βTを減少させた後、所定期間Ts2が経過するまで増加させないようにしており、これにより、電動機電流が急激に変化して電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
このように、実施の形態1の電動機駆動装置によれば、負荷が過大となって電動機3の電流ピーク値が電流設定値Is1を超える場合には、所定期間Ts1が経過するまで所定の時間変化率で誘起電圧に対する電流の位相差(電流位相)βTを減少させる。これにより、電動機3の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータ4の過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。特に、弱め界磁制御の効果を高めるために、予め設定された電流位相が大きい場合に有効である。
また、電流位相設定部13には予め設定された電流位相βTの下限値βT0を設けている。電流位相設定部13は、電流ピーク値監視部14から出力される電流位相補正の要求信号S14を受けて、電流位相βTを減少させる場合に、電流位相βTが下限値βT0以下に減少しようとすると、電流位相βTを下限値βT0に維持する(電流位相βTの減少を停止させる)。電流位相設定部13は、電流位相βTが下限値βT0よりも小さくなることを防止しており、これにより、電流位相βTを過大に減少させて遅れ位相となり、その結果、電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、実施の形態1と同等であるので、説明を省略する。
図2は、実施の形態2における電動機駆動装置のシステム構成を示すブロック図である。図2における実施の形態2の構成が図1における実施の形態1の構成と異なる点は、インバータ制御部7、ならびにインバータ制御部7に含まれる電流ピーク値監視部14および経過時間計測部15が、インバータ制御部7A、ならびにインバータ制御部7Aに含まれる電流ピーク値監視部14Aおよび経過時間計測部15Aにそれぞれ変更されている点である。
電流ピーク値監視部14Aは、電流検出部8から得られる相電流検出値(iu、iv、iw)のピーク値(例えば、各相電流検出値の絶対値を取って導出する)が予め設定された電流設定値Is1を超えると、電流位相補正の要求信号S14を出力する(ハイレベルにする)。電流ピーク値監視部14Aは、相電流検出値(iu、iv、iw)のピーク値が電流設定値Is1よりも小さな値に設定された電流設定値Is2未満になると、電流位相補正の要求信号S14の出力を停止する(リセットする、またはローレベルにする)。経過時間計測部15Aは、電流位相補正の要求信号S14の出力が停止された時点から所定期間Ts2経過した時点を表す経過時間信号S15Aを出力する。電流位相設定部13は、電流ピーク値監視部14Aから出力される電流位相補正の要求信号S14を受けて、電流位相βTの目標値βT1、電流位相βTの下限値βT0、および経過時間信号S15Aに基づき、電流位相βTを設定する。正弦波駆動部9は、電流位相設定部13から出力された電流位相βTに基づいて、式(2)、式(3)、および式(23)〜式(28)の演算を行う。
次に、電流ピーク監視部14Aと電流位相設定部13の具体的な動作について、特に、電流位相βTが目標通りに設定されている状態で、時間が経過するにつれて電動機3の負荷トルクが増大する場合について、図5を用いて説明する。図5は、上から順番に、電動機3の負荷トルク、電動機3の電流ピーク値、電流ピーク監視部14Aの出力である電流位相補正の要求信号S14、および電流位相設定部13から出力された電流位相βTについて、波形の時間変化をそれぞれ示している(電流位相βTの目標値βT1が一定の場合)。
図5において、電流ピーク監視部14Aは、時点Tc0にて電流ピーク値が電流設定値Is1を超えた場合、電流位相補正の要求信号S14を出力する(ハイレベルにする)。電流ピーク監視部14Aは、時点Tc1にて電流ピーク値が電流設定値Is2未満になると、電流位相補正の要求信号S14をローレベルにする。経過時間計測部15Aは、電流位相補正の要求信号S14がローレベルになった時点Tc1から所定期間Ts2経過後の時点Tc2にて経過時間信号S15Aを出力する。電流位相設定部13は、要求信号S14が出力されている間(ハイレベルの間)、所定の時間変化率で電流位相βTを減少させ、これにより電流ピーク値を減少させる(時点Tc0〜Tc1)。電流ピーク値が電流設定値Is2以下となった時点(時点Tc1)で、電流位相設定部13は、要求信号S14の出力停止(ローレベル)を受けて、電流位相βTの減少を停止させ、電流位相βTが目標値βT1よりも小さいため、電流位相βTを時点Tc1の値に維持する(時点Tc1〜Tc2)。すなわち、電流位相設定部13は、電流位相βTの増加を停止させる。所定期間Ts2が経過した後は、電流位相設定部13は、経過時間信号S15Aの出力を受けて、目標値βT1に一致させるように電流位相βTを増加させるため、電流ピーク値は増加する(時点Tc2〜Tc3)。時点Tc3にて再度電流ピーク値が電流設定値Is1を超えた場合、前述の動作を繰り返す。
電流位相βTの目標値βT1が変化する場合については、実施の形態1の電動機駆動装置と同様の動作を行う。すなわち、電流位相βTの目標値βT1が電流位相βTよりも値が小さくなるように変化すると、電流位相設定部13は、経過時間信号S15Aの出力を受けていなくても(所定期間Ts2が経過していなくても)、目標値βT1に一致させるように電流位相βTを減少させ、電流位相βTを目標値βT1に維持する。
図5において、電流位相設定部13は、電流ピーク値監視部14Aから出力される電流位相補正の要求信号S14を受けて、電流位相βTを減少させた後、所定期間Ts2が経過するまで増加させないようにしており、これにより、電動機電流が急激に変化して電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
このように、実施の形態2の電動機駆動装置によれば、負荷が過大となって電動機3の電流ピーク値が電流設定値Is1を超える場合には、電流ピーク値が電流設定値Is2未満となるまで所定の時間変化率で誘起電圧に対する電流の位相差(電流位相)βTを減少させる。これにより、電動機3の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータ4の過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。特に、弱め界磁制御の効果を高めるために、予め設定された電流位相が大きい場合に有効である。
なお、実施の形態1の電動機駆動装置では、一義的に設定した所定期間Ts1が経過するまで所定の時間変化率で電流位相βTを減少させていたが、実施の形態2の電動機駆動装置では、電流ピーク値が電流設定値Is2に低下するまで、所定の時間変化率で電流位相βTを減少させている。このため、実施の形態2の電動機駆動装置では、電流ピーク値の低下速度に関係なく、インバータ4の過電流停止のおそれが解消した段階で電流位相βTの減少を停止することができる。これにより、さらに汎用性のある駆動制御が可能となる。
また、電流位相設定部13には予め設定された電流位相βTの下限値βT0を設けている。電流位相設定部13は、電流ピーク値監視部14Aから出力される電流位相補正の要求信号S14を受けて、電流位相βTを減少させる場合に、電流位相βTが下限値βT0以下に減少しようとすると、電流位相βTを下限値βT0に維持する。電流位相設定部13は、電流位相βTが下限値βT0よりも小さくなることを防止しており、これにより、電流位相βTを過大に減少させて遅れ位相となり、その結果、電動機の駆動が不安定となることを防止することができる。
なお、実施の形態1および2において、2つの電流検出器6a、6bにより電動機3の電流を検出しているが、インバータ4の直流電流、すなわち、整流回路2とインバータ4との間に流れる電流から電動機3の電流を検出するなどの構成を用いても良い。
また、実施の形態1および2において、電動機駆動装置は位置センサレス正弦波駆動で構成しているが、特に限定したものでなく、エンコーダなどの位置センサを備えた駆動システムに適用しても良い。
さらに、実施の形態1および2において、正弦波駆動部9へ与えられる目標回転速度ω*に電動機3の回転速度ωが追従するように、回転速度制御を行うものとしたが、例えば、電動機3のトルクを制御するようにしても同様の効果が得られる。
加えて、実施の形態1および2において、整流回路12を用いているが、力率改善型昇圧コンバータなどを用いても良い。
以上のように、本発明の電動機駆動装置によれば、負荷が過大となった場合には、所定の時間変化率で電流位相を減少させることで、電動機の運転効率を高めて電動機電流を減らし、インバータ4の過電流停止を防止して電動機の駆動を維持することができる。特に、弱め界磁制御の効果を高めるために、予め設定された電流位相が大きい場合に有効である。従って、本発明の電動機駆動装置は、空気調和機における圧縮機の電動機駆動装置等の位置センサレス駆動システムに限らず、サーボドライブ等の位置センサを備えたシステムにおいても応用することができる。
以上、実施の形態におけるこれまでの説明は、すべて本発明を具体化した一例であって、本発明はこれらの例に限定されず、本発明の技術を用いて当業者が容易に構成可能な種々の例に展開可能である。
本発明は、電動機駆動装置に利用できる。
本発明の実施の形態1による電動機駆動装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による電動機駆動装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による電動機駆動装置の動作を示す波形図である。 本発明の実施の形態1による電動機駆動装置の動作を示す波形図である。 本発明の実施の形態2による電動機駆動装置の動作を示す波形図である。 従来例の電動機駆動装置のシステム構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 交流電源
2 整流回路
3 電動機
4 インバータ
4a〜4f スイッチング素子
5a〜5f 還流ダイオード
6a、6b 電流検出器
7、7A インバータ制御部
8 電流検出部
9 正弦波駆動部
10 PWM信号生成部
11 誘起電圧推定部
12 位置速度推定部
13 電流位相設定部
14、14A 電流ピーク値監視部
15 経過時間計測部

Claims (10)

  1. 直流電力を交流電力に変換し、複数相の電動機へ供給するインバータと、
    前記電動機に流れる電動機電流を検出する電流検出手段を含み、電動機電流に基づいて前記電動機の誘起電圧を特定し、特定された誘起電圧に対して所望の位相差の電動機電流が流れるように前記インバータを制御するインバータ制御手段と、を有し、
    前記インバータ制御手段は、電動機電流が第1所定値を超えると、位相差を減少させる、電動機駆動装置。
  2. 前記インバータ制御手段は、位相差を所定の時間変化率で減少させる、請求項1の電動機駆動装置。
  3. 前記インバータ制御手段は、電動機電流が第1所定値を超えた時点から第1所定期間後に、位相差の減少を停止させる、請求項1の電動機駆動装置。
  4. 前記インバータ制御手段は、位相差の減少を停止させた時点から第2所定期間の間、位相差の増加を停止させる、請求項3の電動機駆動装置。
  5. 前記インバータ制御手段は、前記電動機電流が、第1所定値よりも小さい第2所定値未満になると、位相差の減少を停止させる、請求項1の電動機駆動装置。
  6. 前記インバータ制御手段は、位相差の減少を停止させた時点から第2所定期間の間、位相差の増加を停止させる、請求項5の電動機駆動装置。
  7. 前記インバータ制御手段は、
    位相差の目標値を設定する位相差目標値設定手段を含み、
    位相差が目標値を超えると、位相差を減少させる、請求項1の電動機駆動装置。
  8. 前記インバータ制御手段は、位相差が所定値未満になると、位相差の減少を停止させる、請求項1に記載の電動機駆動装置。
  9. 前記インバータは、複数の半導体スイッチング素子によるブリッジ構成を含む、請求項1の電動機駆動装置。
  10. 前記インバータ制御手段は、
    電動機電流に基づいて前記電動機の誘起電圧を特定する誘起電圧特定手段と、
    電動機電流が第1所定値を超えると、位相差の補正要求信号を生成する補正要求信号生成手段と、
    補正要求信号に基づいて、位相差を設定する位相差設定手段と、
    誘起電圧および位相差に基づいて、前記インバータを制御する制御手段と、を含む、請求項1に記載の電動機駆動装置。
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