JP2009283439A - 誘導加熱部材、電気絶縁処理装置、電気絶縁処理システム、電気機器とその製造方法。 - Google Patents

誘導加熱部材、電気絶縁処理装置、電気絶縁処理システム、電気機器とその製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】省エネルギーや加熱効率向上の要求に応えることが可能で、環境対応、安全性を確保することができ、しかも電気機器の電気絶縁性や信頼性を確保可能な、誘導加熱部材、電気絶縁処理装置、電気絶縁処理システム及び電気機器を提供する。
【解決手段】本発明は、誘導加熱コイルとこれを支持するコイル芯とを有し、その断面形状は、下側に開放部を有する円弧形状であり、前記誘導加熱部材によって加熱されるワークの少なくとも一部が、前記円弧形状の開放部より内側に配置される誘導加熱部材及びこれを備えた電機絶縁処理装置である。また、引火点が150℃以上且つ80℃における粘度が5mPa・s〜500mPa・sで、200℃でのストラッカー接着力が200N以上であるワニスと、上記電気絶縁処理装置とを有する電気絶縁処理システム及びこれにより電気絶縁処理された電気機器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘導加熱部材、電気絶縁処理装置、電気絶縁処理システム、電気機器とその製造方法に関するものであり、詳細には、モータや発電機等の巻線部の導線保護等の目的で、ワニスを含浸させ硬化させる際に用いられる加熱部材、電気絶縁処理システム、このシステムによって電気絶縁処理された電気機器、及びこのシステムを用いた電気機器の製造方法に関するものである。
モータ、発電機等の巻線部(以下、被加熱物であるワニスを含浸させる巻線部を有する部材を「ワーク」という。)においては、導線を保護するために、電気機器絶縁用樹脂組成物を滴下含浸させた後、この電気機器絶縁用樹脂組成物(以下、「ワニス」という。)を硬化させる電気絶縁処理が行われる。ワニスを硬化させる際の加熱方法としては、防爆型の熱風循環炉が使用されてきたが、省エネルギー化と加熱効率向上が要求されている。この要求に応えるものとして、誘導加熱を用いる加熱方法やワーク自体への通電によって被加熱巻線部を加熱する方法、またはハロゲンランプによってワニスを直接加熱する方法等が提案されている。
誘導加熱を用いる方法としては、誘導加熱に用いるコイル(以下、「誘導加熱コイル」という。)全体をモールド樹脂と一体化して、ワークと接触した場合でも、誘導加熱コイルの損傷を防止できるようにしたもの(特許文献1)がある。図3に示すように、この方法では、加熱を均一にするためにワーク4を回転させ、また、ワーク4の回転方向の円周全体に筒状の誘導加熱コイル2が設けられる。
また、被加熱巻線部自体への通電によって被加熱巻線部を加熱する方法としては、引火性の高いガスの発生が少ない特定のワニスを用いるものがある(特許文献2)。ハロゲンランプによってワニスを直接加熱する方法としては、ガラス管によって引火性の高いガスと隔離され、ワニスの吸収波長に合わせたハロゲンランプを用いるものがある(特許文献3)。
特開2004−127546号公報 特開2006−158094号公報 特開2008−048555号公報
しかしながら、引用文献1の方法は、ワークの下側からワニスが、その下方に位置する誘導加熱コイルの内周上にたれ落ち、たれ落ちたワニスが堆積硬化して、ワークと接触したり、搬送を妨げたりする場合が考えられる。引用文献2の方法は、引火性の高いガスの発生が少ない特定のワニスを用いる必要があり、ワニスの種類が限定されることから使い勝手が悪いことが考えられる。引用文献3の方法は、ハロゲンランプを使用するので、光が照射されない部分は加熱されにくく、また光が強いため作業環境面の問題がある。
また、モータ、発電機等の巻線部等の電気機器の中でも、特に耐熱温度の高い電気機器がワークとなる場合においては、電気絶縁処理時の硬化温度を、通常のワークでの温度(例えば、120℃〜150℃)より高く設定することができる(例えば、150℃〜180℃)。このため、このように、比較的高い温度で硬化することが可能なワークを処理する場合には、より大きな熱効率の効果が期待できる点で、特に誘導加熱方式の利用価値が高いと考えられる。
しかしながら、誘導加熱を用いる引用文献1においては、このような電気絶縁処理時の硬化温度が高い設定の場合に、通常のワニスと組み合わせた電気絶縁処理システムとして用いると、ワニスの一部が揮発して発泡が発生してしまい、電気絶縁性が損なわれる場合があり、性能面の問題がある。ワニスからの揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、以下「VOC」という。)の発生量が多い場合は、環境対応の面も問題となる。また、電気絶縁処理時の炉内の換気回数を多く設定しなければならいため、炉内の温度が下がり易く、熱効率や温度分布の面の問題がある。
また、電機絶縁処理時の硬化温度の設定が高い場合は、通常の温度設定の場合に比べて、ワークに生じる温度のバラツキが大きくなることがあり、通常のワニスを組み合わせた電気絶縁処理システムでは、この温度のバラツキの増加を考慮してワニスの引火点が設計されていないため、安全性向上の面の問題がある。
また、電機絶縁処理時の硬化温度の設定が高い場合は、通常のワニスを組み合わせた電気絶縁処理システムでは、ワニスの粘度が大きく低下してワークから垂れ落ちたワニスが堆積硬化し、清掃のため作業効率が低下することがあり、作業効率の面の問題がある。
更に、電機絶縁処理時の硬化温度の設定が高い場合は、硬化処理での高温でのエナメル線との接着性等、エナメル線との相性が良くないと、電気絶縁処理された電気機器の信頼性向上の面の問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、ワニスを用いたワークの電気絶縁処理において、省エネルギーや加熱効率向上の要求に応えることが可能で、しかも、ワークとの接触や搬送への障害を生じることがなく、使用するワニスの自由度が大きく、ワークを均一に加熱することが可能な誘導加熱コイルとこれを加熱手段として用いた電気絶縁処理装置を提供することを目的とする。また、温度が高く設定された電気絶縁処理においても、省エネルギーや熱効率向上の要求に応えることが可能で、環境対応、安全性を確保することができ、作業性が改善され、しかも電気機器の電気絶縁性や信頼性を確保可能な、電気絶縁処理システム、これを用いて電気絶縁処理された電気機器、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1) 誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルを支持するコイル芯とを有する誘導加熱部材であって、この誘導加熱部材の断面は、下側に開放部を有する円弧形状であり、前記円弧形状の開放部よりも内側に、前記誘導加熱部材により加熱されるワークの少なくとも一部が収納されるワーク収納部を有する誘導加熱部材。
(2) 誘導加熱コイルとコイル芯とが、難燃性FRPでモールドされた上記(1)に記載の誘導加熱部材。
(3) 誘導加熱コイルとコイル芯とが、ケースに収納された上記(1)に記載の誘導加熱部材。
(4) ケース内に不活性ガス又は空気をパージする上記(3)に記載の誘導加熱部材。
(5) ケースにつながる不活性ガス又は空気パージ用の配管を有し、この配管に流量計又は圧力計を設けた上記(3)又は(4)に記載の誘導加熱部材。
(6) ワークにワニスを含浸する含浸部と、前記含浸の前にワークを予備加熱する予備加熱部又は前記含浸の後にワークに含浸したワニスを加熱硬化する硬化部の少なくとも一方と、を有する電気絶縁処理装置において、少なくとも前記予備加熱部又は硬化部に、前記ワークの加熱手段として、上記(1)〜(5)の何れかの誘導加熱部材を用いた電気絶縁処理装置。
(7) 引火点が150℃以上且つ80℃における粘度が5mPa・s〜500mPa・sで、200℃でのストラッカー接着力が200N以上であるワニスを、上記(6)の電気絶縁処理装置を用いてワークに含浸させる電気絶縁処理システム。
(8) ワニスが、MW30、MW35、MW36、MW73、MW74、MW76またはMW81の電線を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20000時間の耐熱温度が155℃以上である上記(7)に記載の電気絶縁処理システム。
(9) 上記(7)又は(8)の電気絶縁処理システムを用いて電気絶縁処理された電気機器。
(10) 上記(7)又は(8)の電気絶縁処理システムを用い、ワークにワニスを含浸する工程と、前記含浸する工程の前にワークを予備加熱する工程又は前記含浸する工程の後にワークに含浸したワニスを加熱硬化する工程の少なくとも一方と、を有する電気絶縁処理された電気機器の製造方法。
本発明によれば、ワニスを含浸させたワークを硬化する処理において、省エネルギーや加熱効率向上の要求に応えることが可能で、しかも、ワークとの接触や搬送への障害を生じることがなく、使用するワニスの自由度が大きく、ワークを均一に加熱することが可能な誘導加熱コイルとこれを加熱手段として用いた電気絶縁処理装置を提供することができる。また、硬化温度が高く設定された電気絶縁処理においても、省エネルギーや熱効率向上の要求に応えることが可能で、環境対応、安全性を確保することができ、作業性が改善され、しかも電気機器の電気絶縁性や信頼性を確保可能な、電気絶縁処理システム、これを用いて電気絶縁処理された電気機器、及びその製造方法を提供することができる。
本発明の誘導加熱部材の一例として、図1に示すものが挙げられる。図1は、誘導加熱コイル2と、この誘導加熱コイル2を支持するコイル芯3とを有する誘導加熱部材1であって、この誘導加熱部材1の断面は、下側に開放部6を有する円弧形状であり、前記円弧形形状の開放部6よりも内側に、前記誘導加熱部材1により加熱されるワーク4の少なくとも一部が収納されるワーク収納部11を有する誘導加熱部材1である。つまり、前記誘導加熱部材1によって加熱されるワーク4の少なくとも一部が、前記円弧形状の開放部6より内側に配置される誘導加熱部材1である。
本発明の誘導加熱コイルは、導線がコイル芯の外側に巻きつけられて形成される。ここで使用される導線としては、銅パイプ仕様のものや銅線等にエナメルなどのワニスを被覆した絶縁性のものなどがある。
導線として、直径がφ0.1mm〜φ1mmの導線を絶縁処理した絶縁被覆線を寄り合わせた導線(以下、リッツ線と称す)を用いることが特に好ましい。このリッツ線を用いた誘導加熱コイルを、従来の銅パイプを用いたものと比較すると(1)高い磁束密度が得られワークの発熱が大であり加熱の効率化に有利であること、(2)高周波による交流抵抗の増加が小さく、誘導加熱コイルの温度上昇を抑えることができること、(3)可とう性が優れていること等多くのメリットがある。このリッツ線をもちいた誘導加熱コイルを使用すると、誘導加熱コイルの耐久性と性能向上を同時に実現することができる。
リッツ線の直径をφ0.1mm〜φ1mmに限定した理由としてはφ0.1mm未満では細すぎて誘導加熱コイルを作製する時に断線になりやすいこと、逆に直径1mmを超えると、高い磁束密度が得られにくいことがあり、直径は、φ0.1mmからφ1mmの範囲が好ましい。このリッツ線を導線として使用し、しかも後述するように、熱硬化性樹脂を主体とする材料により誘導加熱コイルの成形一体化を図ることにより、耐久性、高効率を兼ね備えた誘導加熱コイルを製造することが可能となる。
本発明で用いるコイル芯は、誘導加熱コイルを支持するものであり、絶縁性を有し、必要な機械的強度と耐熱性を有するものであれば特に限定するものではない。加熱するワークのサイズに併せてコイル芯の仕様(外径サイズ、厚み)が決められる。なお、後述するモールド等により、コイル芯に巻きつけて形成した後の誘導加熱コイルが、単独で形状を保持できる場合は、必ずしもコイル芯は必要ではなく、誘導加熱コイルを単独で使用することもできる。
本発明における誘導加熱は、一般の誘導加熱と同様の原理によるものであり、電磁誘導作用により、主として金属中に生じるうず電流損による発熱を利用するものである。誘導加熱コイルに高周波電流を流すと、ワークに電流を誘起する。この電流をうず電流というが、このうず電流のジュール熱によりワークが加熱される。これにより、誘導加熱によりワークを加熱するので、省エネルギーや、巻線部に含浸させたワニスを硬化する際の加熱効率が優れる。
図1、図2、図4に示すように、本発明の誘導加熱部材1は、その断面が下側に開放部6を有する円弧形状であり、円弧形状の開放部6よりも内側に、誘導加熱部材1により加熱されるワーク4の少なくとも一部が収納されるワーク収納部11を有する。つまり、誘導加熱部材1によって加熱されるワーク4の少なくとも一部が、前記円弧形状の開放部6より内側に配置される。これにより、ワーク4が回転する場合に、ワーク4の回転によって描かれる円の最外周が、誘導加熱部材1の円弧形状の内周に近接するように、ワーク4を配置することが可能になる。誘導加熱においては、誘導加熱コイル2とワーク4間の距離が離れると、磁界がワーク4に到達せず、ワーク4が発熱しない。しかしながら、回転するワーク4を、誘導加熱部材1の円弧形状の内周に近接するように配置することができるので、上記のような問題を改善できる。また、回転させることが必要なワーク4であっても、回転している状態で誘導加熱部材1と近接して配置できるので、磁界とワーク4の相対位置が、ワーク4全体で平等となり、均一な加熱が可能となる。このため、誘導加熱部材1の断面が下側に開放部6を有する円弧形状であっても、ワーク4を均一に加熱することができる。しかも、誘導加熱部材1に設けられた下側の開放部6から、ワーク4からたれ落ちるワニス5を下方に逃がすことができるので、誘導加熱部材1上にたれ落ちたワニス5が堆積硬化して、ワーク4と接触したり、搬送部への障害を引き起こしたりする心配がない。
誘導加熱部材は、その断面が、下側に開放部を有する円弧形状であればよい。断面が円弧形状とは、垂直方向の切断面が円弧形状になることをいう。具体的には、球を水平方向に切断したときの上半球のような形状や、平板の両端を下方に丸めたような形状を含む。また、断面が円弧形状とは、断面が半円形状であっても、半円よりも円に近い形状でも、半円よりも欠ける形状でもよい。さらに、下側の開放部に加え、誘導加熱に支障のない範囲で、上側にも開放部を設けてもよい。誘導加熱部材の形状が上半球である場合のように、ワークを誘導加熱部材の下方側から誘導加熱部材の下方に配置する場合は、ワークの出し入れを容易にするため、誘導加熱部材は、その断面が、半円形状か、それよりも欠ける形状が望ましい。誘導加熱部材の形状が平板の両端を下方に丸めたような形状の場合のように、ワークを誘導加熱部材の正面側や側面側から誘導加熱部材の下方に配置する場合は、誘導加熱部材は、その断面が、半円形状よりも円に近い形状とするのが、均熱化のために望ましい。このとき、開放部は、ワークからたれ落ちるワニスが誘導加熱部材に付着しない程度の大きさとする。これにより、ワークをより均一に加熱し、かつワークからたれ落ちるワニスが誘導加熱部材に堆積するのを防止することが可能となる。
図1に示すように、誘導加熱コイル2とコイル芯3とが、樹脂7でモールドされるのが望ましい。なお、誘導加熱コイル2とコイル芯3は、必ずしも一体化してモールドされる必要はなく、例えば、誘導加熱コイル2をコイル芯3に巻きつけて形成し、その形状を保持したまま、誘導加熱コイル2のみを取り出してモールドする方法、誘導加熱コイル2をコイル芯3に巻きつけて形成し、このままモールドした後、その形状を保持したまま、誘導加熱コイル2のみをコイル芯3から取り外す方法などを採ることができる。これにより、誘導加熱コイル2と炉内に発生した引火性の高いガスとの接触を避けることが可能となり、防爆化を図ることができる。また、モールドによって誘導加熱コイル2が一体成形物となり補強されるため、ワーク4と誘導加熱コイル2が接触した場合でも、損傷して使用不能になることがなくなり、誘導加熱コイル2の耐久性向上を図ることができる。
また、モールド用の樹脂として、難燃性の樹脂を用いれば、発火防止の効果が高まり、防爆効果を有する誘導加熱部材を得ることができる。特に、難燃性FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)等の難燃性で機械的強度の高いものを用いれば、防爆効果と機械的強度の優れた誘導加熱部材を得ることができる。
樹脂によるモールドは、コイル芯の表面に導線を巻いた誘導加熱コイルを、熱硬化性樹脂を主体とする材料により、誘導加熱コイル全体がカバーされるようにモールドする。ここでいう熱硬化性樹脂を主体とする材料とは、熱硬化性樹脂単体でも、あるいは熱硬化性樹脂にガラスやセラミック等の粒子を混合させたものでも良いし、ガラスファイバーやセラミックファイバー等のファイバーを単体あるいは複合させたものでも良い。要するに、機械的強度、耐熱性、絶縁性等必要な項目を満足するものであれば特定するものではない。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、フラン樹脂等、あるいはこれら樹脂を変性したもの等で機械的強度、耐熱性及び絶縁性等が満足されれば特定するものではない。
また、モールドに使用する樹脂には、増量のための充填材や難燃性を付与するための難燃剤を加え使用する。充填剤としては、炭酸カルシウム等が使用できる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモニン等が使用できるが、汎用性と取扱性の点から、水酸化アルミニウムを用いる。
強化繊維として使用するガラス繊維シートは、FRPで一般的に使用されるガラス繊維シートであり、ガラスマット、ロービングクロス、ガラスクロス等が使用できる。また、ガラス短繊維は、SMCで一般的に使用されるガラス短繊維であり、ランダムに平面上に配向された長さ1インチ程度のガラス繊維束等が使用できる。
図2に示すように、誘導加熱コイル2とコイル芯3とが、ケース8に収納されるのが望ましい。これにより、誘導加熱コイル2が、ケース8によって、ワニスから発生する引火性の高いガスと隔離されるので、防爆化を図ることができる。ケース8は、誘導加熱コイル2とコイル芯3の全体を収納し、密閉されるようにする。また、ケース8の材質は、機械的強度、耐熱性及び絶縁性等が満足されれば限定しないが、上述した難燃性FRPを用いて構成すると、成型性や加工性の点から望ましい。
ケース内には不活性ガス又は空気をパージするのが望ましい。不活性ガスとしては、一般に防爆用にパージされる気体を使用することができ、このような気体としては、窒素、アルゴン等が挙げられる。パージは、不活性ガス又は空気を、常時連続で供給する場合、間欠で供給する場合の両者を含む。これにより、防爆効果をさらに高めることができる。特に、空気を常時連続でケース内に流してパージする場合は、ワニスから発生する引火性ガスを空気で希釈できることに加え、誘導加熱コイルの冷却効果も有し、引火性ガスの温度上昇を抑えるため、防爆化の硬化が高いので望ましい。また、ケースにつながる不活性ガス又は空気パージ用の配管を有し、この配管に不活性ガス又は空気の流量計又は圧力計を設けるのが望ましい。これにより、不活性ガス又は空気の流量又は圧力を調べるだけで、パージの状態を確認することが可能となる。
図4に一例を示すように、本発明の電気絶縁処理装置18としては、ワーク4にワニス5を含浸する含浸部16と、含浸の前にワーク4を予備加熱する予備加熱部15又は含浸の後にワーク4に含浸したワニス5を加熱硬化する硬化部17の少なくとも一方と、を有する電気絶縁処理装置18において、少なくとも予備加熱部15又は硬化部17に、ワーク4の加熱手段19として、上記の誘導加熱部材1を用いた電気絶縁処理装置18が挙げられる。つまり、本発明の電機絶縁処理設備18としては、ワーク4を予備加熱する予備加熱部15とワーク4にワニス5を含浸する含浸部16とを有するもの、ワニス5を含浸する含浸部16とワーク4に含浸したワニス5を加熱硬化する硬化部17とを有するもの、又はワーク4を予備加熱する予備加熱部15とワーク4にワニス5を含浸する含浸部16とワーク4に含浸したワニス5を加熱硬化する硬化部17とを有するものであって、少なくとも予備加熱部15又は硬化部17に、ワーク4の加熱手段19として、上記の誘導加熱部材1を用いた電気絶縁処理装置18が挙げられる。
図4には、本発明の電気絶縁処理装置18のうち、一例として、ワーク4を予備加熱する予備加熱部15とワーク4にワニス5を含浸する含浸部16とワーク4に含浸したワニス5を加熱硬化する硬化部17とを有するものを示す。予備加熱部15、含浸部16、硬化部17は、それぞれのゾーンで分けられてはいるが、連続して繋がっており、全体で一つの炉を構成している。この例では、電気絶縁処理装置18に投入されたワーク4は、チャック(図示しない)により保持され、まず、予備加熱部15に移動する。チャックは、ワーク4を保持しながら回転させることができる。予備加熱部15では、ワーク4をこの後の含浸処理に適した温度とするため、ワーク4の加熱を行う。予備加熱部15は、チャックされたワーク4を加熱する誘導加熱部材1を有している。誘導加熱部材1としては、上述したような断面が円弧形状のものを使用してもよいが、図5に示すように、ここでは予備加熱でありワニス5が垂れる心配がないため、加熱効率を考慮すると、筒形状の誘導加熱部材1を用い、その内部にワーク4を配置するのが望ましい。このように、筒形状の誘導加熱部材1を用いる場合、ワーク4は、筒形状の両端の開口から出し入れされる。また、筒形状の誘導加熱部材1では、図5に示すように、筒形状のコイル芯3の外周を回る方向に誘導加熱コイル2が巻かれている。断面が円弧形状または筒形状の誘導加熱部材1の何れを用いる場合でも、ワーク4は、チャックにより保持され回転された状態で、誘導加熱部材1により加熱される。これにより、磁界とワーク4の相対位置が、ワーク4全体で平等となり、均一な加熱が可能となる。このため、誘導加熱部材1の断面が下側に開放部6を有する円弧形状であっても、ワーク4を均一に加熱することができる。この予備加熱により加熱されるワーク4の温度は、この後含浸するワニス5の性状等に対応して設定されるが、通常は80℃〜100℃とされる。
次に、含浸部16では、予備加熱されたワーク4にワニス5を含浸させる。ワニス5を含浸する方法としては、ドリップ処理、ディップ処理などの方法があるが、ここでは、ワニス5を回転させながらワニス5を滴下するドリップ処理により、ワニス5をワーク4の外部から浸透させる方法をとっている。ワニス5は、ワニス供給用ノズル20から、ワーク4に向かって滴下される。図4に示すように、ワーク4への含浸を効率よく行うため、ワーク4の巻線部13の外径側と内径側の両方に、ワニス供給用ノズル20を設け、ワニス5を滴下するのが望ましい。
次に、硬化部17では、ワーク4に含浸されたワニス5の硬化を行う。予備加熱部15は、チャックされたワーク4を加熱する誘導加熱部材1を有している。誘導加熱部材1としては、上述したような、断面が下側に開放部6を有する円弧形状のものを使用する。これにより、誘導加熱部材1に設けられた下側の開放部6から、ワーク4からたれ落ちるワニス5を下方に逃がすことができるので、誘導加熱部材1上にたれ落ちたワニス5が堆積硬化して、ワーク4と接触したり、搬送部への障害を引き起こしたりする心配がない。また、円弧形状の開放部6よりも内側に設けられたワーク収納部11に、誘導加熱部材1により加熱されるワーク4の少なくとも一部が収納されるように配置する。ワーク4は、チャックにより保持され回転された状態で、誘導加熱部材1により加熱される。これにより、磁界とワーク4の相対位置が、ワーク4全体で平等となり、均一な加熱が可能となる。このため、誘導加熱部材1の断面が下側に開放部6を有する円弧形状であっても、ワーク4を均一に加熱することができる。断面が円弧形状の誘導加熱部材1へのワーク4の出し入れは、下側の開放部6からも行なうことができる。この加熱により、ワーク4の温度は、ワーク4の耐熱性、ワニス5の性状や特性等に対応して設定されるが、通常の耐熱性を有するワーク4の場合、120℃〜150℃とされ、耐熱温度の高い電気機器がワーク4となる場合は、150〜180℃、好ましくは160〜170℃とされる。硬化のための時間は、ワーク4やワニス5の特性等に合せて設定されるが、0.2時間〜6時間が一般的である。このように、比較的高い温度で硬化することが可能なワークを処理する場合には、より大きな熱効率の効果が期待でき、特に誘導加熱方式の利用価値が高いメリットがある。
本発明の誘導加熱部材やこれを用いた電気絶縁処理装置において、通常の耐熱性を有するワークを処理する場合、使用するワニスは、特に制限は無く、一般的に電気絶縁処理に用いられるものを使用することができる。例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化樹脂が挙げられ、単独で用いても、複数を組合せて用いても良い。また、これらのワニスに、二酸化珪素、窒化アルミニウム、タルク等のフィラーを用いても良く、フィラーは特に制限は無く、単独で用いても、複数を組合せて用いても良い。
モータ、発電機等の巻線部等の電気機器中でも、特に耐熱温度の高い電気機器がワークとなる場合においては、電気絶縁処理時の硬化温度をより高く設定することができる(例えば、150℃〜180℃)。このように電気絶縁処理時の硬化温度が高い場合、上記のような一般的に電気絶縁処理に用いられるワニスを用いると、ワニスの一部が揮発して発泡が発生してしまい、電気絶縁性が損なわれる場合がある。また、VOCの発生量が多いと、環境対応の面での問題がある。このような場合は、本発明の誘導加熱部材、これを用いた電気絶縁処理装置と、所定のワニスを組み合わせた電気絶縁処理システムを使用するのが望ましい。
電気絶縁処理時の硬化温度が高い設定の場合(例えば、150℃〜180℃)、本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスとしては、引火点が150℃以上且つ80℃における粘度が5〜500mPa・sで、200℃でのストラッカー接着力が200N以上であるのが望ましい。引火点が150℃以上であることにより、電気絶縁処理時の硬化温度が高い設定の場合のワークの温度ばらつき(例えば、硬化温度160℃設定に対し、ワーク温度150℃〜170℃)を考慮しても、安全性を確保できる。80℃における粘度が5〜500mPa・sであることにより、一般的な含浸の際のワークの温度(予備加熱後の温度である80℃〜100℃)において、ワークのコア部汚染が少なく、良好な含浸性を得ることができる。また、ワニスの粘度が大きく低下するのを抑制できるので、ワニスがワークから垂れ落ち難く、堆積硬化したワニスを清掃することによる作業効率の低下が少ない。80℃における粘度は20mPa・s〜100mPa・sであることがさらに好ましく、30mPa・s〜80mPa・sであることがより好ましい。80℃における粘度が5mPa・s未満であるとワークへ滴下したワニスが垂れ易くなってコア部へ付着し易くなる傾向があり、500mPa・sを超えると浸透性が悪くなって含浸性が低下する傾向がある。200℃でのストラッカー接着力が200N以上であることにより、電機絶縁処理時の硬化温度の設定が高い場合でも、硬化処理での高温でのエナメル線との接着性がよいため、電気絶縁処理された電気機器の信頼性が向上する。
電気絶縁処理時の硬化温度が高い設定の場合(例えば、150℃〜180℃)、本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスは、MW30、MW35、MW36、MW73、MW74,MW76またはMW81の電線を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20000時間の耐熱温度が155℃以上であるのが望ましい。ここで、MWは、電線を被覆するエナメルの耐熱性のグレードを示し、UL規格1446で規定される。これにより、高耐熱性のエナメルを用い、高温で使用されるワークの場合でも、ワニスで電気絶縁処理された後の高信頼性を確保することができる。
電気絶縁処理時の硬化温度が高い設定の場合(例えば、150℃〜180℃)、本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスとしては、(A)ポリエポキシドとα,β−不飽和塩基酸とを反応させ、更に不飽和二塩基酸を反応させて得られる不飽和エポキシエステル樹脂 10〜50質量部、(B)ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト (A)成分10〜50質量部に対して、1〜200質量部、(C)トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0〜30質量部、(D)3官能以上のアクリレートまたはメタクリレート (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して0〜200質量部、を含有してなるものであるのが望ましい。
本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスの(A)成分の不飽和エポキシエステル樹脂は、ポリエポキシドとα,β−不飽和塩基酸とを反応させて、樹脂酸価を10mgKOH/g以下とし、次いで、不飽和二塩基酸を反応させて得られる樹脂酸価が10mgKOH/g〜30mgKOH/gとして得られるものである。
不飽和エポキシエステル樹脂の製造条件には制限は無く、例えば、触媒を用いて100℃〜120℃で、5時間〜10時間反応させて合成される。本発明に用いられるポリエポキシドは、分子あたり1個以上のエポキシ基を含有する化合物で、多価アルコールもしくは、多価フェノールのグリシジルポリエーテル、エポキシ化脂肪酸もしくは、乾性油酸、エポキシジオレフィン、エポキシ化ジ不飽和酸のエステル、エポキシ化飽和ポリエステル等が挙げられる。
α,β−不飽和塩基酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸等があり、併用してもさしつかえない。不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが用いられる。
付加触媒としては、塩化亜鉛、塩化リチウムなどのハロゲン化物、ジメチルサルファイト、メチルフェニルサルファイトなどのサルファイト類、ジメチルスルホキサイド、メチルスルホキサイド、メチルエチルスルホキサイドなどのスルホキサイド類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン及びその塩基酸または臭酸塩、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸類、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタンなどのメルカプタン類などが用いられる。
ポリエポキシドとα,β−不飽和塩基酸との反応は、ポリエポキシド1.0モルに対し、α,β−不飽和塩基酸を1.0モル〜2.0モル反応させることが望ましい。更に、次の不飽和エポキシエステルと不飽和二塩基酸との反応は、ポリエポキシド1.0モルに対し、α,β−不飽和塩基酸を1.0モル〜2.0モル反応させて得られた不飽和エポキシエステルに対し、不飽和二塩基酸を、0.1モル〜1.0モル反応させることが望ましく、不飽和エポキシエステルのモル数と、α,β−不飽和塩基酸及び不飽和二塩基酸のモル数の合計が、ほぼ同じモル数になる事が望ましい。
本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスの(B)成分としては、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト以外に、ジシクロペンタニルメタクリレートを用いても良い。(B)成分の使用量は、(A)成分10質量部〜50質量部に対して1質量部〜50質量部の範囲とされる。
本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスの(C)成分として、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを用い、その使用量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0質量部〜30質量部の範囲とされ、(C)成分を用いない場合もある。
本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスの(D)成分は、3官能以上のアクリル基を持つアクリレートまたは3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレートであればよい。
3官能以上のアクリル基を持つアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。これらは、単品で用いても、複数の種類を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、10質量部〜200質量部の範囲とされる。
本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスは、エアコン用ファン、扇風機、洗濯機等のコンデンサーモートル、電気ドリルなどのアマチュア、テレビ、ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等電源トランスなどの電気機器の絶縁処理に適用される。また、本発明の電気絶縁処理システムで用いるワニスは、電気絶縁処理時の硬化温度が通常の場合(120℃〜150℃)及び高温の場合(150℃〜180℃)の何れにも使用できる。硬化温度が高温の場合、ワニスは、電気機器自体、又は電気機器の部品に塗布、含浸、又は充填した後、通常、100℃〜200℃、好ましくは150℃〜180℃、さらに好ましくは160〜170℃で加熱することにより硬化させる。加熱時間は、通常、0.2時間〜6.0時間である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されはない。
(実施例1)
リッツ線を用いた誘導加熱コイル2に不飽和ポリエステル樹脂を主体とした材料をモールドして誘導加熱部材1を作製した。まず、コイル芯3(外径φ320mm、厚み5mm)に直径がφ0.35mmの絶縁被覆導線を寄り合わせたリッツ線の誘導加熱コイル2(直径がφ5mm)を10回巻きつけて固定した。巻く時はリッツ線同士の間隔が2mm程度になるように巻き、固定した後に、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂7を主体とする材料でコイル芯3と共にモールドされた誘導加熱コイル2の一体成形物を形成した(図1)。
この時の材料は熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂にガラスファイバーを40%(質量)添加したものを使用した。材料でモールドする時の仕様としては、リッツ線である誘導加熱コイルが材料で完全にカバーされるように誘導加熱コイルの表面に5mm程度の材料がフラットに形成されるようにした。
作製した誘導加熱部材の中に外径がφ270mmで重量が約30kgのワーク4を設置し、回転させながら誘導加熱を行った。図1に示すように、ワーク4は、断面が円弧形状の誘導加熱部材1の中央部になるように設置され、ワーク4全体ができるだけ均一に加熱されるようにした。図6、図7、図8に示すように、ワーク4は珪素鋼板製のコア部12と巻線部13から構成されている固定子14である。この状態で高周波電源である5kWの汎用品インバータに誘導加熱コイル2を接続して高周波電流を流した。
この時、高周波電流により交番磁界が発生し、その電磁誘導作用によってうず電流が流れ、ジュール熱によって加熱される。最初に1)コア部外側が早く温度が上昇し、次に2)コア部内側、3)巻線部の順序で温度が上昇していく。コア部外側の温度上昇が早い理由は電磁誘導加熱の基本原理である表皮効果に依るもので表面に近いほどうず電流が多く流れるためである。ワークの温度を目的とする90℃まで上げるのに5回昇温時間を測定したところ、10分10秒から10分30秒でばらつきは20秒であった。加熱時の温度差は昇温直後では1)、2)、3)で約11℃であった。このものを3分間放置すると熱伝導により均一になりワーク全体の温度差は5℃以内になった。
加熱効率を確認した後、ワークと故意に衝突させて、衝突時の衝撃で誘導加熱部材が損傷するかどうかを観察した。実際のワークの搬送速度を想定して約1m/分で衝突させたが、材料が変形するのみで誘導加熱部材が損傷することはなく、材料によりモールドされた一体成形物による機械的強度向上が効果的であることを確認した。
また、回転するワークであっても、回転している状態で誘導加熱部材と近接して配置できるので、磁界とワークの相対位置が、ワーク全体で平等となり、均一な加熱が可能となった。このため、誘導加熱部材の断面が下側に開放部を有する円弧形状であっても、ワークを均一に加熱することができた。
一般的に電気絶縁処理に用いられるワニスを用いて、ワークの巻線部に含浸処理した後、本実施例の誘導加熱部材を用いて、巻線部の表面温度を130℃〜150℃としてワニスを硬化したが、断面が円弧形状の誘導加熱部材に設けられた下側の開放部から、ワークからたれ落ちるワニスを下方に逃がすことができるので、誘導加熱部材上にたれ落ちたワニスが堆積硬化して、ワークと接触したり、搬送部への障害を引き起こしたりすることはなかった。
(実施例2)
リッツ線を用いた誘導加熱コイル2とコイル芯3の全体をケース8に収納した誘導加熱部材1を作製した。まず、コイル芯3と誘導加熱コイル2は、実施例1と同様に作製した。次に、誘導加熱コイル2とコイル芯3の全体を、難燃性FRPを用いて作製したケース8内に収納して密閉し、図2に示すような、断面が円弧形状の誘導加熱部材1を形成した。
この時のケースを作製するのに用いた難燃性FRPの材料は、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂にガラスファイバーを40%(質量)添加したものを使用した。
誘導加熱によるワークの加熱を、実施例1と同様に行った。ワークの温度を目的とする90℃まで上げるのに5回昇温時間を測定したところ、10分10秒から10分30秒でばらつきは20秒であった。加熱時の温度差は昇温直後では1)、2)、3)で約11℃であった。このものを3分間放置すると熱伝導により均一になりワーク全体の温度差は5℃以内になった。
加熱効率を確認した後、ワークと故意に衝突させて、衝突時の衝撃で誘導加熱部材が損傷するかどうかを観察した。実際のワークの搬送速度を想定して約1m/分で衝突させたが、ケースが変形するのみで誘導加熱部材が損傷することはなく、ケースに収納することによる機械的強度向上が効果的であることを確認した。
また、回転するワークであっても、回転している状態で誘導加熱部材と近接して配置できるので、磁界とワークの相対位置が、ワーク全体で平等となり、均一な加熱が可能となった。このため、誘導加熱部材の断面が下側に開放部を有する円弧形状であっても、ワークを均一に加熱することができた。
一般的に電気絶縁処理に用いられるワニスを用いて、ワークの巻線部に含浸処理した後、本実施例の誘導加熱部材を用いて、巻線部の表面温度を130℃〜150℃としてワニスを硬化したが、断面が円弧形状の誘導加熱部材に設けられた下側の開放部から、ワークからたれ落ちるワニスを下方に逃がすことができるので、誘導加熱部材上にたれ落ちたワニスが堆積硬化して、ワークと接触したり、搬送部への障害を引き起こしたりすることはなかった。
(比較例1)
リッツ線を用いた誘導加熱コイル2とコイル芯3をモールドせず、またケース8に収納することなく、誘導加熱コイル2とコイル芯3が露出した状態の、図3に示すように、断面が円形となる筒状の誘導加熱部材1を作製した。コイル芯3と誘導加熱コイル2は、実施例1、2と同様に作製した。
まず、加熱効率を比較した。ワークの温度を目的とする90℃まで上げるのに5回昇温時間を測定したところ、10分10秒から10分30秒でばらつきは20秒であり、実施例1、2と到達時間は同等で、ばらつきもほとんど差が見られなかった。
加熱時の温度差は昇温直後では1)、2)、3)で約11℃であった。このものを3分間放置すると熱伝導により均一になりワーク全体の温度差は5℃以内になった。このように、温度差は実施例1、2と同等であった。
次に、ワークと故意に衝突させたときの衝撃を調べたところ、誘導加熱コイルの損傷は、衝突した個所が大きく変形し使用不能の状態となった。比較例は、ワークの全円周から加熱するため、加熱効率は高いものの、ワークとの衝突の影響が大きいことがわかる。
また、一般的に電気絶縁処理に用いられるワニスを用いて、ワークの巻線部に含浸処理した後、本比較例の誘導加熱部材を用いて、巻線部の表面温度を130℃〜150℃としてワニスを硬化したところ、比較例の誘導加熱部材は、断面が円形で、その下側に開放部が設けられていないため、ワークからたれ落ちるワニスを下方に逃がすことができないので、誘導加熱部材上にたれ落ちたワニスが堆積硬化した。
(実施例3)
本実施例の電気絶縁処理システムで使用するためのワニスを得るため、4,4−イソピリデンジフェノール(ビスフェノールA)のジグリシジルエーテル(シェル化学株式会社製、EP−828,エポキシ当量188)376質量部、メタクリル酸172質量部、ベンジルジメチルアミン2質量部、ハイドロキノン0.05質量部を反応釜に仕込み、115℃、10時間反応させ、樹脂酸価が8mgKOH/gとなった所で、フマル酸5質量部を仕込み、115℃、2時間反応させて樹脂酸価20mgKOH/gの不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)を得た。
本実施例の電気絶縁処理システムで使用するワニスの(A)成分として、不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)30質量部、(B)のジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−トとしてFA−512MT(日立化成工業株式会社製)60質量部、(C)成分のトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートとしてFA−731A(日立化成工業株式会社製)10質量部、ベンゾイルパーオキサイド1.0質量部を撹拌混合してワニスを調製した。
図6、図7、図8に示すように、ワーク4として、固定子14(直径200mm、質量10kg)を用いた。図4に示すような、ワーク4を予備加熱する予備加熱部15とワーク4にワニス5を含浸する含浸部16とワーク4に含浸したワニス5を加熱硬化する硬化部17とを有する電気絶縁処理装置18、及び上記で調整したワニス5を用いて、以下のようにワーク4に対して電気絶縁処理を行った。
図4に示すように、電気絶縁処理装置18に投入されたワーク4は、チャック(図示しない)により保持され、まず、予備加熱部15に移動される。ワーク4は、チャックにより筒形状の誘導加熱部材1の内部に保持され、回転された状態で、誘導加熱部材1により誘導加熱される。このときのワーク4の回転速度は15回転/分とし、巻線部13の表面温度が80℃〜100℃となるように加熱される。
図4に示すように、予備加熱の直後に、ワーク4は含浸部16に移動され、上記で調整したワニス5の含浸処理を行った。巻線部13のコイルエンドの(a)リード線21有り側の外側、(b)リード線21有り側の内側、(c)リード線21無し側の外側、(d)リード線21無し側の内側の合計四ヶ所にノズル20を配置し、ワーク4の回転速度は15回転/分とし、ワニス5を20分間に合計300ml滴下を行った。
図4に示すように、滴下終了後、ワーク4は硬化部17に移動され、チャックにより断面が円弧状の誘導加熱部材1の内部のワーク収納部11に保持され、回転を続行しながら、巻線部13の表面温度が150℃〜170℃で1時間保持するように誘導加熱を行った。その後、ワーク4は取り出され、室温まで放冷された。
(実施例4)
本実施例の電気絶縁処理システムで使用するためのワニスを得るため、実施例3と同様にして、不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)を合成した。
本実施例の電気絶縁処理システムで使用するワニスの(A)成分として不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)30質量部、(B)のジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−トとしてFA−512MT(日立化成工業株式会社製) 20質量部、(C)成分のトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートとしてFA−731A(日立化成工業株式会社製) 10質量部、(D)成分の3官能以上のアクリレートとしてトリメチロールプロパントリアクリレート 60質量部、ベンゾイルパーオキサイド1.0質量部を撹拌混合してワニスを調製した。
実施例3と同様のワーク、電気絶縁処理装置、及び上記で調整したワニスを用い、実施例3と同様にしてワークに電気絶縁処理を行った。
(比較例2)
実施例3と同様にして、本比較例の電気絶縁処理システムで使用するためのワニスを得るため、不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)を合成した。
本比較例の電気絶縁処理システムで使用するワニスとして、不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)40質量部、スチレン60質量部、ベンゾイルパーオキサイド1.0質量部を撹拌混合してワニスを調製した。
実施例3と同様のワーク、電気絶縁処理装置、及び上記で調整したワニスを用い、実施例3と同様にしてワークに電気絶縁処理を行った。
(比較例3)
実施例3と同様にして、本比較例の電気絶縁処理システムで使用するためのワニスを得るため、不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)を合成した。
本比較例の電気絶縁処理システムで使用するワニスとして、不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)30質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト(日立化成工業株式会社製FA−512MT) 50質量部、ベンゾイルパーオキサイド1.0質量部を撹拌混合してワニスを調製した。
実施例3と同様のワーク、電気絶縁処理装置、及び上記で調整したワニスを用い、実施例3と同様にしてワークに電気絶縁処理を行った。
(粘度、ストラッカー接着力、コア部汚染性、固定子の巻線部への含浸性の評価)
得られたワニスについて、所定雰囲気温度で粘度、ストラッカー接着力、コア部汚染及び固定子の巻線部への含浸性を調べた。その結果を表1に示した。尚、粘度の試験方法は、JIS C 2105に準じて測定を行った。
ストラッカー接着力、VOC、コア部汚染及び固定子の含浸性は以下の試験方法に準じて評価を行った。
(1)ストラッカー接着力
JIS C−2103のストラッカー法に準じて測定した。測定に用いたエナメル線は、直径2.0mmの1AIWを用い、ワニスの硬化は、150℃で1時間硬化させた。
(2)VOC
ワニス5.0gを直径60mm金属シャーレに投入し、130℃、1時間硬化を行い、硬化時に減少した質量減少率(%)とした。
(3)コア部汚染
コア部汚染の試験方法は、固定子14(直径200mm、質量10kg)を用い、回転速度15回転/分とし、巻線部13の表面温度が80〜100℃となるように誘導加熱を行った直後に巻線部13のコイルエンドの(a)リード線21有り側の外側、(b)リード線21有り側の内側、(c)リード線21無し側の外側、(d)リード線21無し側の内側の合計四ヶ所(図6、図7、図8)にノズル20を配置し、所定のワニス5を20分間に合計300ml滴下を行った。滴下終了後、回転を続行しながら、巻線部13の表面温度が150℃〜170℃で1時間保持するように誘導加熱を行った後、コア部12に付着したワニス5の付着の有無を目視で調査した。
(4)含浸性
含浸性の試験方法は、コア部汚染の試験方法でワニス処理した固定子のコア部をコア部積み厚の半分の部位で輪切り状に切断し、スロット内の空隙に対して含浸したワニスの割合を目視で評価した。スロット内の空隙に対して含浸したワニスの割合が70%以上を良好とし、50%未満を含浸不足とした。
(5)発泡
発泡の試験方法は、コア部汚染の試験方法でワニス処理した固定子の巻線部を目視で観察し、巻線部に付着したワニス硬化物を目視で観察し、発泡の有無を調査した。
(6)垂れ落ち量
垂れ落ちの試験方法は、コア部汚染の試験方法で固定子の下にバットを置き、ワニス処理した際に、バットに垂れ落ちたワニスの質量を測定した。
(7)引火点
クリーブランド開放式に準じた方法で測定を行った。
上記実施例3、4、比較例2、3についての、試験結果を表1に示す。
Figure 2009283439
表1に示したように、実施例3及び4で得られたワニスは、80℃での粘度が適正範囲内であるため、コア部汚染が発生し難く、含浸性が良好である。更に、高温での接着力が高い。また、硬化温度(ワークの表面温度:150℃〜170℃)よりも引火点が高く、引火性が低い。これに対して、比較例2で得られたワニスは、80℃での粘度が適正範囲よりも低く、コア部汚染が発生してしまい、含浸不足となっている。更に、高温での接着力が低い。また、硬化温度(ワークの表面温度:150℃〜170℃)よりも引火点が低く、引火性に対して、より厳しい安全対策が要求される。また、比較例2で得られた電気絶縁用樹脂組成物は、硬化温度(ワークの表面温度:150℃〜170℃)よりも引火点が高く、引火性が低いが、高温での接着力が低い。
難燃性FRPでモールドした誘導加熱コイルの断面図。 ワークに誘導加熱コイルを設置した状態を示す断面図。 従来の誘導加熱部材の断面図。 本発明の電機絶縁処理装置及び電気絶縁処理システムの模式図である。 本発明における予備加熱を説明するための模式図(斜視図)である。 本発明における含浸処理を説明するため模式図(正面図)である。 本発明における含浸処理を説明するため模式図(側面断面図)である。 本発明における含浸処理を説明するため模式図(斜視図)である。
符号の説明
1 誘導加熱部材
2 誘導加熱コイル
3 コイル芯
4 ワーク
5 ワニス
6 開放部
7 樹脂(または難燃性FRP)
8 ケース
9 配管(またはガス配管)
10 流量計(または圧力計)
11 ワーク収納部
12 コア部
13 巻線部
14 固定子
15 予備加熱部
16 含浸部
17 硬化部
18 電気絶縁処理装置
19 加熱手段
20 (ワニス供給用)ノズル
21 リード線

Claims (10)

  1. 誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルを支持するコイル芯とを有する誘導加熱部材であって、この誘導加熱部材の断面は、下側に開放部を有する円弧形状であり、前記円弧形状の開放部よりも内側に、前記誘導加熱部材により加熱されるワークの少なくとも一部が収納されるワーク収納部を有する誘導加熱部材。
  2. 誘導加熱コイルとコイル芯とが、難燃性FRPでモールドされた請求項1に記載の誘導加熱部材。
  3. 誘導加熱コイルとコイル芯とが、ケースに収納された請求項1に記載の誘導加熱部材。
  4. ケース内に不活性ガス又は空気をパージする請求項3に記載の誘導加熱部材。
  5. ケースにつながる不活性ガス又は空気パージ用の配管を有し、この配管に流量計又は圧力計を設けた請求項3又は4に記載の誘導加熱部材。
  6. ワークにワニスを含浸する含浸部と、前記含浸の前にワークを予備加熱する予備加熱部又は前記含浸の後にワークに含浸したワニスを加熱硬化する硬化部の少なくとも一方と、を有する電気絶縁処理装置において、少なくとも前記予備加熱部又は硬化部に、前記ワークの加熱手段として、請求項1〜5の何れかの誘導加熱部材を用いた電気絶縁処理装置。
  7. 引火点が150℃以上且つ80℃における粘度が5mPa・s〜500mPa・sで、200℃でのストラッカー接着力が200N以上であるワニスを、請求項6の電気絶縁処理装置を用いてワークに含浸させる電気絶縁処理システム。
  8. ワニスが、MW30、MW35、MW36、MW73、MW74,MW76またはMW81の電線を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20000時間の耐熱温度が155℃以上である請求項7に記載の電気絶縁処理システム。
  9. 請求項7又は8の電気絶縁処理システムを用いて電気絶縁処理された電気機器。
  10. 請求項7又は8の電気絶縁処理システムを用い、ワークにワニスを含浸する工程と、前記含浸する工程の前にワークを予備加熱する工程又は前記含浸する工程の後にワークに含浸したワニスを加熱硬化する工程の少なくとも一方と、を有する電気絶縁処理された電気機器の製造方法。
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